JPWO2013035378A1 - 缶蓋の巻き締め方法 - Google Patents
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Abstract
Description
そして、特許文献1の発明に係る缶蓋は、代表的な例として缶蓋径d1/パネル径d5=1/0.717と、従前の耐圧缶蓋に比べてセンターパネル径が小さく、その分チャックウォールの傾斜角cを略43゜と極端に大きくすることによって、耐圧性を高めているものである。そして、このタイプの缶蓋は、内容物が充填された缶体に巻き締めを行うときに、缶蓋が缶蓋搬送ターレットによって缶体に供給され、巻き締められる。しかしながら、缶蓋を缶体に供給する際に、缶蓋のチャックウォールが、後述する比較例として図6に示すように、ほぼ缶体のフランジ頂部に近く、後述するインテークセンターpに達するまでの缶体への缶蓋移載区間において偏心量が大きく、中心位置のズレが生じ易いためにセンターリング、或いは缶蓋の缶体への装着が正しく行われず、缶蓋が缶体に偏心したミスマッチ状態で二重巻き締めが行われるという事故が起きやすい。
尚、特許文献1で提案された従来の軽量耐圧缶蓋を巻き締める際に、偏心量が大きくなる原因の詳細については後述する。
また、特許文献2及び3に提案される缶蓋においては、前記した問題は低減されるが、未だ十分に満足できる問題の解決には至っていない。
そこで、本発明は、缶体と缶蓋のセンターリング性を向上させ、生産性を阻害することなく安定した巻き締め性の維持と、軽量耐圧缶蓋使用による材料使用量の削減を両立できる缶蓋の巻き締め方法を提供することを目的とする。
即ち、前記問題点を解決する本発明の缶蓋巻き締め方法は、センターパネル、環状強化溝、チャックォール、及びカール部から成り、センターパネル径と缶蓋径との比が0.65〜0.75の小径のセンターパネルを有する缶蓋の巻き締め方法であって、前記チャックウォールが外側に傾斜する第1傾斜部と第2傾斜部を備え、缶体のフランジ先端部と前記缶蓋のカール部先端部とが仮想水平面で重なる際に、前記フランジのR部の湾曲中心を通る仮想水平面に対して角度0゜〜35゜の範囲内の位置に、前記第2傾斜部の下端部、或いは前記第1傾斜部と第2傾斜部を接続する第2湾曲部が位置することを特徴とするものである。
また、前記環状強化溝の外側壁の垂直軸線に対する外側の傾斜角θ1が0°〜15°、前記チャックウォールの第1傾斜部の傾斜角θ2が50°〜70°、前記第2傾斜部の傾斜角θ3が0°〜20°であり、前記第2傾斜部の下端からカール部頂面との垂直高さh1が2.5mm〜4.5mmであることが望ましい。
2 センターパネル
3 環状強化溝
4 チャックウォール
5 カール部
6 外側壁
20 缶蓋供給ターレット
21 巻き締めターレット
22 排出ターリレット
23 缶体供給コンベア
25、27 係合凹部
30 リフター
31 インナーガイドレール
32 アウターガイドレール
33 フランジガイド
50 比較例の軽量耐圧缶蓋
70 缶体
71 フランジ
72 R部
図3は、缶蓋、缶体の供給装置の概略配置図を示し、同期して回転駆動される缶蓋供給ターレット20、巻き締めターレット21、排出ターレット22、定ピッチのプッシャーコンベヤからなる缶体供給コンベヤ23を有している。内容物が充填された缶体は缶体供給コンベヤ23によって搬送され、インテークセンターpに近づくにつれて次第に巻き締めターレット21の係合凹部25に拘束されてインテークセンターpの位置から巻き締めターレット21に移載される。
一方、缶蓋50は缶蓋供給ターレット20の係合凹部27の内外周部に沿って該ターレットとほぼ同心円状に配置されたインナーガイドレール31とアウターガイドレール32(図4参照)に案内されて缶蓋供給ターレット20に設けられているプッシャーによって押されて搬送され、缶体70への缶蓋移載区間部の終端部で下方を通過する缶体70が上昇し、インテークセンターpにおいて、前記各ガイドレールから缶蓋50が持ち上げられて缶体開口部に装着される。それとほぼ同時に、巻き締めターレット21の各係合凹部25の上方に配置している巻き締めヘッドのノックアウトパッド(図示せず)が下降して、缶体70と缶蓋50が前記インテークセンターpを通過する時点で、缶体70に缶蓋50が装着された状態で巻き締めターレット21に移載され、巻き締めが行われる。
そして、この偏心量を減少するため、従来インナーガイドレール31及びアウターガイドレール32の調節を行なっているが、ガイドレールの設定作業は細かく、精度を出し難い問題があり、且つ缶蓋の種類が変更になる都度調整が必要となり、また、生産性の低下を招く原因となっているのは前述の通りである。
即ち、本発明では、センターパネル、環状強化溝、チャックォール、及びカール部から成り、センターパネル径と缶蓋径との比が0.65〜0.75の小径のセンターパネルを有する缶蓋の巻き締め方法であって、前記チャックウォールが外側に傾斜する第1傾斜部と第2傾斜部から成り、缶体のフランジ先端部と前記缶蓋のカール部先端部とが仮想水平面で重なる際に、前記フランジのR部の湾曲中心を通る仮想水平面に対して角度0゜〜35゜の範囲内の位置に、前記第2傾斜部の下端部、或いは前記第1傾斜部と第2傾斜部を接続する第2湾曲部を位置させることによって、前記缶蓋移載区間において、缶蓋と缶体の中心位置のズレが生じた場合であっても、前記中心位置のズレを低減して偏心量を減少させることを可能にしたものである。
図1は、本発明に係る缶蓋の巻き締め方法に適用される軽量耐圧缶蓋(以下、単に缶蓋という)の断面図である。
そして、缶体70をリフタープレート30に載置して缶蓋1を缶体70に装着するインテークセンターp前の缶蓋移載区間において、缶体70のフランジ71先端部と缶蓋1のカール部5先端部とが仮想水平面で重なる際(インテークαの略3°の位置)に、缶体70のフランジ部71におけるR部72の湾曲中心を通る仮想水平面からの角度β=0゜〜35゜の範囲内の位置に、図2(b)に示すようにチャックウォール4の第2傾斜部4dの下端部が位置する、或いは図2(c)に示すように缶蓋1のチャックウォール4の第1傾斜部4bと第2傾斜部4dを接続する第2湾曲部4cが位置する。そして、このような位置とすることにより、缶蓋移載区間において、缶蓋1と缶体70の中心位置のズレが生じた場合であっても、前記ズレを低減して偏心量を減少させ、センターリング或いは缶蓋1の缶体70への装着が正しく行われることを可能にした。
そして、前記角度βが35゜を超えると、缶蓋移載区間において、缶蓋1が缶体70のフランジ71におけるR部72の高い位置で接し、前記したズレが生じた際にズレが低減されずに偏心量が大きくなり、センターリング或いは缶蓋1が缶体70に正しく装着され難い。このため、缶体70のフランジ71と缶蓋1のカール部5が正常に巻き締められず、ボディフックBHの上にカールフックCHが押し潰された状態のフォールスシーム(擬似巻き締め)と呼ばれる巻き締め不良が発生し易く、角度βは35゜以下が望ましい。
アルミニウム金属板(板厚)=0.220mm
缶蓋径D1=62.2mm
カール部内径D3=60.4mm
第2湾曲部4c上端からカール部5頂点までの垂直高さh1=3.60mm
環状強化溝3の外側壁6の垂直軸線に対する傾斜角θ1=14.5°
第1傾斜部4bの傾斜角度θ2=63.7°
第2傾斜部4dの傾斜角度θ3=14.5゜
センターパネル径D2=46.15mm
カール部高さh2=2.25mm
缶蓋移載区間のインテーク角度α=3°
前記缶蓋をフランジ幅2.3mm、フランジ径59.5mmの缶体に巻き締めを行なった。
その結果、缶蓋移載区間において、缶体のフランジ先端部と缶蓋のカール部先端部とが前記フランジ先端部が位置する仮想水平面と重なるタイミングでの缶蓋のチャックウォールと缶体のフランジとの位置関係は図2(a)、(b)に示す状態であり、前記チャックウォールの第2傾斜部の下端部と缶体のフランジとの位置関係は、フランジのR部の湾曲中心を通る仮想水平面からの角度βが14.5゜であった。そして、缶蓋の缶体に対する中心位置のズレが低減され、偏心量q1は0.64mm、缶蓋のカール先端部への缶体のフランジの乗り上げ幅s1は0.19mmであった。
第2湾曲部4c上端からカール部5頂点までの垂直高さh1=2.70mm
環状強化溝3の外側壁6の垂直軸線に対する傾斜角θ1=11.3°
第1傾斜部4bの傾斜角度θ2=52.7°
第2傾斜部4dの傾斜角度θ3=11.0゜
前記缶蓋を実施例1と同様に缶体に巻き締めを行なった。
その結果、缶蓋移載区間において、缶蓋のチャックウォールと缶体のフランジとの位置関係は図2(c)に示す状態であり、前記チャックウォールの第1傾斜部と第2傾斜部を接続する第2湾曲部と缶体のフランジとの位置関係は、フランジのR部の湾曲中心を通る仮想水平面からの角度βが33.5゜であった。そして、実施例1と同様、缶蓋の缶体に対する中心位置のズレが低減され、偏心量q1は0.73mm、缶蓋のカール先端部への缶体のフランジの乗り上げ幅s1は0.28mmであった。
比較例の缶蓋の寸法は、次のとおりである。
アルミニウム金属板(板厚)=0.220mm
缶蓋径D1=62.2mm
カール部内径D3=60.4mm
チャックウォール上端からカール部頂面との高さh1=2.05mm
チャックウォールの傾斜角度θ2=51.7゜
センターパネル径D2=43.60mm
カール部高さh2=2.25mm
缶蓋移載区間のインテーク角度α=3°
その結果、缶蓋移載区間において、缶蓋のチャックウォールと缶体のフランジとの位置関係は図6に示す状態で、前記チャックウォールが缶体のフランジのR部の湾曲中心を通る仮想水平面からの角度βが51.7゜であった。そして、缶蓋の缶体に対する中心位置のズレが大きく、偏心量q2は1.24mm、缶蓋のカール先端部への缶体のフランジの乗り上げ幅s2は0.79mmであった。
これは、缶蓋を缶体に巻き締める際に、缶蓋の缶体への供給が行われる缶蓋移載区間において、缶蓋の缶体に対する中心位置のズレが低減できず、偏心量を減少させることが困難で、センターリング或いは缶蓋の缶体への装着が正しく行われず、前記ズレが生じた際に擬似巻き締めなどの巻き締め不良を起こす恐れが有ることを意味している。
なお、図7に、図2(b)に示す実施例1と、図6に示す比較例を重ね合わせた断面図を示した。
Claims (3)
- センターパネル、環状強化溝、チャックォール、及びカール部から成り、センターパネル径と缶蓋径との比が0.65〜0.75の小径のセンターパネルを有する缶蓋の巻き締め方法であって、前記チャックウォールが外側に傾斜する第1傾斜部と第2傾斜部を備え、缶体のフランジ先端部と前記缶蓋のカール部先端部とが仮想水平面で重なる際に、前記フランジのR部の湾曲中心を通る仮想水平面に対して角度0゜〜35゜の範囲内の位置に、前記第2傾斜部の下端部、或いは前記第1傾斜部と第2傾斜部を接続する第2湾曲部が位置することを特徴とする缶蓋の巻き締め方法。
- 前記缶蓋と缶体の偏心量が最大0.8mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の缶蓋の巻き締め方法。
- 前記環状強化溝の外側壁の垂直軸線に対する外側の傾斜角θ1が0°〜15°、前記チャックウォールの第1傾斜部の傾斜角θ2が50°〜70°、前記第2傾斜部の傾斜角θ3が0°〜20°であり、前記第2傾斜部の下端からカール部頂面との垂直高さh1が2.5mm〜4.5mmであることを特徴とする請求項1または2に記載の缶蓋の巻き締め方法。
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