JPWO2013018229A1 - 複合駆動装置及びロボット - Google Patents

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Abstract

差動機構を応用しながらも軸の移動を防止し、かつバックラッシが極めて小さい軽量小型の歯車機構を適用可能な複合駆動装置を提供すること。自軸まわりに回転自在に支持された第1の出力軸(11)と、この第1の出力軸(11)上に互いに対向配置された第1の差動機構(1)及び第2の差動機構(2)と、第1の差動機構(1)を駆動させる第1の動力源(21)及び第2の差動機構(2)を駆動させる第2の動力源(22)と、第1の差動機構(1)と第2の差動機構(2)との間で、第1の出力軸(11)と直交する方向に延在し、第1の差動機構(1)及び第2の差動機構(2)の駆動に連動して自軸まわりに回転可能とした第2の出力軸(12)とを備える構成とした。

Description

本発明は、複合駆動装置及びロボットに関する。
従来、ロボットなどにおける関節の構造は、複数の軸に対し、それぞれ独立したアクチュエータを設けた構造が一般的であった。
そこで、差動機構(例えば、いわゆるデフと呼ばれる差動歯車機構)を利用した複合駆動装置により関節機構を構成し、関節における複数の軸を、一つの軸で兼用させたロボットが提案された(例えば、特許文献1を参照)。
これは、2組のアクチュエータを対向配置して、両アクチュエータの出力軸に取り付けた互いに対向する駆動歯車と、この両駆動歯車と噛合する互いに対向した従動歯車とで歯車機構を構成し、かかる歯車機構の両従動歯車を取り付けた一つの出力軸によって二つの軸を兼用するものである。
特開2005−279856号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された関節機構では、差動歯車機構に動力を伝達するアクチュエータとして、後段に減速機が直結されたモータが用いられていた。
特許文献1のロボットをはじめとして、ロボットの関節などに複合駆動装置を用いる場合、必要なトルクを得るために減速機を用いることが多い。その場合、減速機は差動歯車機構と動力源との間に介設されることになる。特に、特許文献1のように、複合駆動装置として差動歯車機構を利用する場合は、どうしても歯車機構と動力源との間に減速機を介設して減速せざるを得なかった。その理由は、動力源と歯車機構とを直接連動連結してしまうと、二つの軸のうちの一方が他方の軸まわりに高速で多回転移動してしまい、ロボットにおける関節の出力軸として用いるには好ましくないからである。
このように、差動歯車機構をロボットに用いる際には、減速機を介して減速した後に歯車機構に動力を伝達することになるため、歯車はバックラッシが大きくなりがちであった。このため、例えば、ロボットの駆動部に適用する場合、位置決め精度が低下してしまうという問題があった。また、かかる構成の差動歯車機構は、伝達トルクが大きいため、歯車の素材としては鉄などの強固な材質が用いられ、かつモジュールや径も大きくなって重量も増大してしまっていた。
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、差動歯車機構を応用しながらも軸の移動を防止し、かつ歯車のバックラッシ量を可及的に小さくすることができる複合駆動装置及びかかる複合駆動装置を備えるロボットを提供することを目的とする。
本願の開示する複合駆動装置は、一態様として、自軸まわりに回転自在に支持された第1の出力軸と、当該第1の出力軸上に互いに対向配置された第1の差動機構及び第2の差動機構と、前記第1の差動機構を駆動させる第1の動力源及び前記第2の差動機構を駆動させる第2の動力源と、前記第1の差動機構と前記第2の差動機構との間で、前記第1の出力軸と直交する方向に延在し、前記第1の差動機構及び第2の差動機構の駆動に連動して自軸まわりに回転可能とした第2の出力軸と、を備え、前記第2の出力軸を、前記第1の出力軸まわりに移動させることなく、前記第1の動力源及び前記第2の動力源からの動力を、前記第1の出力軸と前記第2の出力軸とに分配可能としたことを特徴とする。
本願の開示する複合駆動装置及びロボットの各一つの態様によれば、差動機構を応用しながらも軸の移動を防止できるとともに、動力源と差動機構とを直接連動連結することが可能となる。したがって、差動機構の後段に減速機を配置することが可能となり、差動機構の歯車のバックラッシ量を可及的に小さくすることが可能となる。また、軽量小型の歯車機構の利用が可能となり、省エネルギ化の実現に寄与することもできる。
図1は、実施例に係る複合駆動装置の内部構造を示す説明図である。 図2は、実施例に係る複合駆動装置の駆動例1を示す説明図である。 図3は、実施例に係る複合駆動装置の駆動例2を示す説明図である。 図4は、実施例に係る複合駆動装置の駆動例3を示す説明図である。 図5は、実施例に係る複合駆動装置の駆動例4を示す説明図である。 図6は、実施例に係る複合駆動装置を備えるロボットの正面図である。 図7は、同ロボットの平面図である。 図8は、同ロボットの要部拡大図である。 図9は、複合駆動装置の動力源の変形例を示す説明図である。
以下に添付図面を参照して、本願の開示する複合駆動装置、及びこの複合駆動装置を備えるロボットの実施例を詳細に説明する。ただし、以下の実施例における例示で本発明が限定されるものではない。
[複合駆動装置の概要]
まず、実施例に係る複合駆動装置の概要について、図1を用いて説明する。図1は、実施例に係る複合駆動装置の内部構造を示す説明図である。
図1に示すように、本実施例に係る複合駆動装置100は、略円筒形としたハウジング10の略中心に沿って、第1出力軸11を長手方向に延在させるとともに、自軸まわりに回転自在に支持している。
また、第1出力軸11と連動連結した第1差動機構1及び第2差動機構2を、第1出力軸11に沿って互いに対向配置している。すなわち、ハウジング10の内部に、第1出力軸11と、これに沿って互いに対向配置された第1差動機構1及び第2差動機構2が収納されている。
なお、ここでは、図1において紙面に向かって左側に第1差動機構1を、右側に第2差動機構2を配置しているが、その逆の配置であっても構わない。
また、第1差動機構1と第2差動機構2との間で、第1出力軸11と直交する方向に第2出力軸12を延在させている。そして、この第2出力軸12を、第1差動機構1及び第2差動機構2の駆動に連動して自軸まわりに回転可能としている。なお、第2出力軸12が第1差動機構1及び第2差動機構2の駆動に連動する構成については後述する。
また、本実施例に係る複合駆動装置100は、第1差動機構1を駆動させる第1の動力源として、第1のモータ部である第1モータ部210を備える第1中空アクチュエータ21と、第2差動機構2を駆動させる第2の動力源として、第2のモータ部である第2モータ部220を備える第2中空アクチュエータ22とを具備している。これら第1中空アクチュエータ21及び第2中空アクチュエータ22は周知の構造のもので構わないが、減速機構などは備えていない。
複合駆動装置100を上述した構成とすることにより、第1中空アクチュエータ21及び第2中空アクチュエータ22の高速回転による動力を、第1出力軸11と第2出力軸12とに分配可能となり、このとき、第2出力軸12は第1出力軸11まわりに移動することもない。
すなわち、あたかも干渉駆動機構のように、第1出力軸11と第2出力軸12とを相互に干渉させ、互いに共同して駆動可能とする構成を、2軸11,12のうちの一方の軸(ここでは第2出力軸12)を、他軸(ここでは第1出力軸11)まわりを高速かつ多回転で移動させることなく実現している。
また、第1出力軸11及び第2出力軸12を、ハウジング10によりそれぞれ自軸まわりに回転自在に支持するとともに、ハウジング10の長手側一端に第1中空アクチュエータ21を取り付け、さらに、長手側他端には第2中空アクチュエータ22を取り付けている。
すなわち、図示するように、ハウジング10の両端部にアクチュエータ取付孔14,14を設け、このアクチュエータ取付孔14内に、第1中空アクチュエータ21、第2中空アクチュエータ22をそれぞれ配設している。そして、第1中空アクチュエータ21、第2中空アクチュエータ22、及びハウジング10の所定箇所に軸受13を適宜設け、これら軸受13を介して第1出力軸11及び第2出力軸12を回転自在に支持している。
このように、ハウジング10に第1差動機構1と第2差動機構2とを収納し、このハウジング10に第1出力軸11と第2出力軸12とを支持させ、さらに、ハウジング10の両端に第1中空アクチュエータ21と第2中空アクチュエータ22とを装着することにより、複合駆動装置100をユニット化することができる。
なお、複合駆動装置100をユニット化するに際しては、第1中空アクチュエータ21と第2中空アクチュエータ22についても、ハウジング10の内部に収納する構成とすることもできる。
ここで、いずれも歯車機構により構成された第1差動機構1及び第2差動機構2について、具体的に説明する。
図1に示すように、第1差動機構1は、第1出力軸11に互いに対向して取付けられた、それぞれ傘歯車からなる第1駆動歯車31及び第1従動歯車41と、第1出力軸11に十字状に連結された第1連結軸51の両端に回転自在に支持され、第1駆動歯車31及び第1従動歯車41にそれぞれ噛合する一対の第1遊星歯車61,71とをそれぞれ備えている。
第2差動機構2についても同様であり、第1出力軸11に互いに対向して取付けられた、それぞれ傘歯車からなる第2駆動歯車32及び第2従動歯車42と、第1出力軸11に十字状に連結された第2連結軸52の両端に回転自在に支持され、第2駆動歯車32及び第2従動歯車42にそれぞれ噛合する一対の第2遊星歯車62,72とをそれぞれ備えている。
なお、第1、第2遊星歯車61,71,62,72についても傘歯車により構成しており、図示するように、傘歯車からなる第1遊星歯車61,71及び第2遊星歯車62,72は、軸受130を介して第1連結軸51及び第2連結軸52と連結している。
したがって、第1遊星歯車61,71は、第1連結軸51を中心として自転し、同時に、第1出力軸11を中心に公転する。また、第2遊星歯車62,72は、第2連結軸52を中心として自転し、同時に、第1出力軸11を中心に公転することになる。
第2出力軸12は、その基端に出力用歯車8を固着しており、この出力用歯車8を、第1差動機構1及び第2差動機構2の互いに対向する第1従動歯車41と第2従動歯車42の各外側部に噛合させている。
具体的には、図示するように、第1差動機構1及び第2差動機構2の各駆動歯車31,32と第1中空アクチュエータ21及び第2中空アクチュエータ22を、それぞれ、減速機構などを介さずに直結するとともに、各従動歯車41,42の外側部には第2出力軸12の出力用歯車8と噛合する出力用従動歯車91,92を設けている。
本実施例では、出力用従動歯車91,92を、その径や歯数などを含めて第1,第2従動歯車41,42と同じ構成のものとし、両者を背中合わせに配設している。
このように、出力用歯車8と噛合する歯車を、出力用従動歯車91,92として別途設けてもよいが、第1従動歯車41と第2従動歯車42の各外側面に、出力用歯車8と噛合する歯列が一体的に形成されていてもよい。また、出力用歯車8と、出力用従動歯車91,92をはじめとする他の歯車(第1駆動歯車31及び第1従動歯車41、第2駆動歯車32及び第2従動歯車42)とのギヤ比GRは適宜設定することができる。
上述の構成により、第1中空アクチュエータ21(第2中空アクチュエータ22)の回転は、第1差動機構1(第2差動機構2)の第1連結軸51(第2連結軸52)を介して第1出力軸11に動力として伝達される。また、第1中空アクチュエータ21(第2中空アクチュエータ22)の回転は、第1差動機構1(第2差動機構2)の出力用従動歯車91(92)を介して第2出力軸12に、やはり動力として伝達されることになる。
こうして、本実施例に係る複合駆動装置100では、第1中空アクチュエータ21と連動連結した第1差動機構1と、第2中空アクチュエータ22と連動連結した第2差動機構2とを第1の出力軸11上に所定の間隔をあけて並設し、両アクチュエータ21,22からの出力差に応じて、第1の出力軸11と第2出力軸12とに所定の回転数を振り分けている。
また、本実施例では、第1出力軸11と第2出力軸12の各後段に、それぞれ減速装置として減速機9を連結している。すなわち、本実施例では、第1中空アクチュエータ21と第1差動機構1とを直結するとともに、第2中空アクチュエータ22と第2差動機構2とを直結し、両者の間には、いずれも減速装置などは介在させていない。
そして、第1出力軸11と第2出力軸12とから必要なトルクを得られるように、第1出力軸11と第2出力軸12とに減速機9をそれぞれ連結している。
このように、第1差動機構1及び第2作動機構2の後段にそれぞれ減速機9を配置しているため、第1差動機構1及び第2作動機構2で発生するバックラッシ量も1/減速比に減少させることが可能となる。また、第1、第2差動機構1,2における伝達トルクは小さいため、これら第1、第2差動機構1,2を構成する各歯車(第1駆動歯車31、第1従動歯車41、第2駆動歯車32、第2従動歯車42、出力用歯車8など)を小モジュール化することが可能である。
このように、たとえ高速回転する第1出力軸11や第2出力軸12であっても、軸の回転移動はないため、歯車機構の後段に減速機9を設けることで実用的な複合駆動装置100とすることが可能となっている。
しかも、バックラッシを可及的に低減させたので、本複合駆動装置100を用いる際の位置決め精度が向上し、精密な動作が必要な装置への適用が可能となる。
なお、詳しくは後述するが、第1出力軸11の回転は、第1中空アクチュエータ21や第2中空アクチュエータ22の回転軸(第1モータ部210や第2モータ部220の中空軸)の回転数よりも大きくなることはないため、第1出力軸11には減速機9を連結しない場合も有り得る。
[複合駆動装置の駆動例]
図2〜図5は、本実施例に係る複合駆動装置100の駆動例をそれぞれ示しており、各図を参照しながら、第1中空アクチュエータ21及び第2中空アクチュエータ22から入力された動力に基づく第1出力軸11及び第2出力軸12への回転の振り分けについて説明する。なお、軸などの回転方向を示す場合、図において、矢印Fpで示す方向を正回転とし、矢印Fnで示す方向を逆回転としている。
図2は、第1、第2モータ部210,220による第1中空アクチュエータ21、第2中空アクチュエータ22の回転数を共に1000rpmとし、回転方向も同じ(例えば、いずれも正回転)にした場合である。図3は、第1中空アクチュエータ21、第2中空アクチュエータ22の回転数は共に1000rpmであるが、回転方向は互いに逆にした場合である。
また、図4は、第1中空アクチュエータ21の回転数を500rpm、第2中空アクチュエータ22の回転数を1000rpmとし、回転方向は同じ(例えば、いずれも正回転)にした場合である。図5は、同様に第1中空アクチュエータ21の回転数を500rpm、第2中空アクチュエータ22の回転数を1000rpmとしてはいるが、回転方向は互いに逆にした場合である。
ところで、本実施例に係る複合駆動装置100は、第1,第2駆動歯車31,32が第1,第2中空アクチュエータ21,22と直結しているため、第1,第2駆動歯車31,32は第1,第2中空アクチュエータ21,22と同じ回転数で回転する。
また、第1連結軸51と第2連結軸52とは、共に第1出力軸11に連結している。つまり、第1連結軸51と第2連結軸52と第1出力軸11とは一体的に回転する。
一方、第2出力軸12は移動することがなく、出力用従動歯車91,92に噛合する出力用歯車8が自軸(第2出力軸12)まわりに回転する。このとき、出力用歯車8に対して出力用従動歯車91,92はそれぞれ同軸上に対向して設置されて噛み合っているため、出力用従動歯車91と出力用従動歯車92とは常に回転数が等しく、回転向きが逆となる。
したがって、出力用従動歯車91の回転数N91と出力用従動歯車92の回転数N92との関係は、以下の式で表される。
N91=−N92・・・・・・・・・・・・・(式1)
また、第1差動機構1及び第2差動機構2では以下の関係がある。
すなわち、第1差動機構1では、第1出力軸11の回転数N11と、第1中空アクチュエータ21の回転数、すなわち第1駆動歯車31の回転数N31と、出力用従動歯車91の回転数N91との間には以下の関係式が成り立つ。
N11=(N31+N91)/2・・・・・・(式2)
第2差動機構2では、第1出力軸11の回転数N11と、第2中空アクチュエータ22の回転数、すなわち第2駆動歯車32の回転数N32と、出力用従動歯車92の回転数N92との間には以下の関係式が成り立つ。
N11=(N32+N92)/2・・・・・・(式3)
式2及び式3より、N31−N32=N92−N91が導かれ、さらに、式1より、以下の式が導かれる。
N91=(N32−N31)/2・・・・・・(式4)
N92=(N31−N32)/2・・・・・・(式5)
また、出力用従動歯車91,92と出力用歯車8との歯数の比(ギヤ比)がGRとすると、出力用従動歯車91,92の回転数N91,N92と、出力用歯車8の回転数N8(第2出力軸12の回転数N12)とには以下の関係が成立する。
N8=N12=GR・N91(−N92)・・(式6)
図2の例について説明すると、ここでは、第1中空アクチュエータ21及び第2中空アクチュエータ22の回転数(第1駆動歯車31の回転数N31及び第2駆動歯車32の回転数N32)は共に1000rpmであるため、式4、式5より、N91=N92=0となる。
すなわち、第1駆動歯車31と第2駆動歯車32とは回転方向も同じ時計回りであり、出力用従動歯車91と出力用従動歯車92とは、それぞれ入力にアンバランスがないため、いずれも回転することはないのである。
そして、N91=N92=0であるため、式6より、N8=N12=0となる。すなわち、出力用従動歯車91も出力用従動歯車92も回転しないため、当然ながらこれらに噛合する出力用歯車8も回転しない。つまり、出力用歯車8を基端に固着した第2出力軸12も回転しないことになり、第2出力軸12の回転数N12=0となる。
そして、第1駆動歯車31の回転数N31(第1中空アクチュエータ21の回転数)=第2駆動歯車32の回転数N32(第2中空アクチュエータ22の回転数)=1000rpmなので、式2あるいは式3から、N11=500rpmが導かれる。すなわち、第1出力軸11は、500rpmで正回転する(矢印Fp参照)。
表1に示すように、図2に示す例では、入力となる第1中空アクチュエータ21の回転数=第2中空アクチュエータ22の回転数=1000rpmに対して、第1出力軸11の回転数N11=500rpm、第2出力軸12の回転数N12=0rpmとなる。
Figure 2013018229
次に、図3に示した複合駆動装置100の駆動例について説明する。図3では、第1中空アクチュエータ21、第2中空アクチュエータ22の回転数、すなわち、第1駆動歯車31の回転数N31、第2駆動歯車32の回転数N32は共に1000rpmであるが、第1中空アクチュエータ21は正回転、第2中空アクチュエータ22は逆回転した場合としている。つまり、N31=1000rpm、N32=−1000rpmの場合である。
この場合、式4より、N91=−1000rpmが、式5より、N92=1000rpmが導かれる。
したがって、式2又は式3より、N11=0rpmとなる。
さらに、式6より、N8=N12=−1000・GRrpmとなる。すなわち、図3に示す例では、図示するように、第1駆動歯車31と第2駆動歯車32とは回転数が同じで、回転方向が互いに逆であるため、第1出力軸11は回転しない。つまり、第1出力軸11の回転数N11=0となる。他方、第2出力軸12は、1000・GRrpmで逆回転する(矢印Fn参照)。
表2に示すように、図3に示す例では、入力となる第1中空アクチュエータ21の回転数=1000rpm、第2中空アクチュエータ22の回転数=−1000rpmに対して、第1出力軸11の回転数N11=0rpm、第2出力軸12の回転数N12=−1000・GRrpmとなる。なお、このとき、第1遊星歯車61,71や第2遊星歯車62,72の回転方向を正とすると、第2出力軸12は逆回転する(矢印Fn参照)。
Figure 2013018229
次に、図4に示した複合駆動装置100の駆動例について説明する。図4では、第1中空アクチュエータ21の回転数、すなわち、第1駆動歯車31の回転数N31は1000rpm、第2中空アクチュエータ22の回転数、すなわち、第2駆動歯車32の回転数N32は500rpmであるが、第1中空アクチュエータ21は正回転、第2中空アクチュエータ22は逆回転した場合としている。つまり、N31=1000rpm、N32=−500rpmの場合である。
この場合、式4より、N91=−750rpmが、式5より、N92=750rpmが導かれる。
したがって、式2又は式3より、N11=125rpmとなる。
さらに、式6より、N8=N12=−750・GRrpmとなる。すなわち、図4に示す例では、図示するように、第1出力軸11は125rpmで正回転し(矢印Fp参照)、第2出力軸12は、750・GRrpmで逆回転する(矢印Fn参照)。
表3に示すように、図4に示す例では、入力となる第1中空アクチュエータ21の回転数=1000rpm、第2中空アクチュエータ22の回転数=−500rpmに対して、第1出力軸11の回転数N11=125rpm、第2出力軸12の回転数N12=−750・GRrpmとなる。なお、このときも、第2出力軸12は第1遊星歯車61,71や第2遊星歯車62,72の回転方向とは逆向きに回転する。
Figure 2013018229
次に、図5に示した複合駆動装置100の駆動例について説明する。図5では、第1中空アクチュエータ21の回転数、すなわち、第1駆動歯車31の回転数N31は1000rpm、第2中空アクチュエータ22の回転数、すなわち、第2駆動歯車32の回転数N32は500rpmであり、共に正回転している場合としている。つまり、N31=1000rpm、N32=500rpmの場合である。
この場合、式4より、N91=−250rpmが、式5より、N92=250rpmが導かれる。
したがって、式2又は式3より、N11=375rpmとなる。
さらに、式6より、N8=N12=250・GRrpmとなる。すなわち、図5に示す例では、図示するように、第1出力軸11は375rpmで正回転し(矢印Fp参照)、第2出力軸12は、250・GRrpmで正回転する(矢印Fp参照)。
表4に示すように、図5に示す例では、入力となる第1中空アクチュエータ21の回転数=1000rpm、第2中空アクチュエータ21の回転数=500rpmに対して、第1出力軸11の回転数N11=375rpm、第2出力軸12の回転数N12=250・GRrpmとなる。
Figure 2013018229
上述してきた複合駆動装置100は、第1差動機構1及び第2の差動機構2という2つの差動機構を利用することで、差動機構を用いながらも軸移動を防止し、高速回転する軸であってもその後段に減速機9を設けて実用的な複合駆動装置100とすることができる。したがって、バックラッシが極めて小さい軽量小型の歯車機構を採用し、例えば、後述するロボットの関節などに好適に用いることにより、大幅な省エネルギ化の実現が可能となる。
[複合駆動装置を備えるロボットの構成]
また、上述してきた実施例に係る複合駆動装置100は、ロボットの関節構造に適用することができる。図6は、実施例に係る複合駆動装置100を備えるロボットの正面図、図7は同ロボットの平面図、図8は同ロボットの要部拡大図である。なお、以下では、重力方向を「鉛直方向」と呼び、鉛直方向と直交する方向を「水平方向」と呼ぶ。
図6及び図7に示すように、実施例に係る複合駆動装置100を備えるロボット110は、胴体部800の上端に、鉛直方向に延在する旋回軸200を中心として水平方向に旋回する肩部300を備え、この肩部300の左右端部には、水平方向に延在する回動軸400を中心として回転可能なアームユニット500がそれぞれ設けられた双腕型ロボットとしている。
左右のアームユニット500は同じ構成であり、6つの関節を具備し、人間よりも自由度の高い動きが可能である。
左右のアームユニット500は、それぞれ、回動軸400を介して基端を肩部300に連結し、回動軸400回りにローリングする第1アーム部510と、この第1アーム部510に、鉛直方向に延在する第1軸410を介して連結され、第1軸410を中心に水平方向に旋回する第2アーム部520とを備えている。
また、左右のアームユニット500は、この第2アーム部520に、水平方向に延在する第2軸420を介して連結され、第2軸420を中心にローリングする第3アーム部530と、この第3アーム部530に、鉛直方向に延在する第3軸430を介して連結され、第3軸430を中心に水平方向に旋回する第4アーム部540とを備えている。
さらに、左右のアームユニット500は、この第4アーム部540に、水平方向に延在する第4軸440を介して連結され、第4軸440を中心にローリングする第5アーム部550と、この第5アーム部550に、鉛直方向に延在する第5軸450を介して連結され、第5軸450を中心に水平方向に旋回する第6アーム部560とを備えている。
そして、この第6アーム部560の先端には、水平方向に延在する第6軸460を介して手首部570を連結し、この手首部570を第6軸460を中心にローリング可能としている。
なお、手首部570の先端には、図示しないエンドエフェクタが設けられており、ロボット110は、例えば、ダンボール箱の開梱作業などを、人間以上の効率で実行することが可能である。
上述してきた複合駆動装置100は、図6に示すように、上記ロボット110の肩部300と連動連結した第1アーム部510の関節部700に用いられている。
すなわち、図8に示すように、複合駆動装置100を第1アーム部510内に配設して関節部700を構成するもので、図1〜5で示した第1出力軸11を回動軸400に、第2出力軸12を第1軸410に適用している。なお、図示するように、複合駆動装置100と第1アーム部510とは、フレーム600,610を介して連結している。
こうして、ロボット110の関節において、第1中空アクチュエータ21及び第2中空アクチュエータ22からの動力が、第1差動機構1や第2差動機構2を有する、バックラッシが可及的に減じられた軽量小型の歯車機構を介して回動軸400と第1軸410とに分配される。
本実施例に係るロボット110は、第1差動機構1及び第2の差動機構2という2つの差動機構を利用して、歯車機構の後段に減速機9が設けられた複合駆動装置100を関節構造に適用しているため、歯車機構を軽量小型化してバックラッシを極めて小さくすることができる。
したがって、複合駆動装置100を関節構造に適用する際の位置決め精度が向上し、ロボット110としてより精密な作業を行いやすくすることができるとともに、大幅な省エネルギ化が可能である。
上述した実施例の変形例や、さらなる効果などは当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細及び代表的な実施例に限定されるものではない。したがって、本発明の実施態様は、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
例えば、上述した実施例では、出力用従動歯車91,92と第1,第2従動歯車41,42とを同じ構成のものとして、ギヤ比も同じとしたが、出力用歯車8と噛合する構成であれば、径や歯数、すなわちギヤ比を異ならせても構わない。
また、第1の差動機構1を駆動させる第1の動力源及び第2の差動機構2を駆動させる第2の動力源を、第1モータ部210を備える第1中空アクチュエータ21及び第2モータ部220を備える第2中空アクチュエータ22として説明したが、図9に示すような構成のモータを、第1の差動機構1の第1駆動歯車31や第2の差動機構2の第2駆動歯車32にそれぞれ直結してもよい。
図9は複合駆動装置100の動力源の変形例を示す説明図であり、変形例の一例に係るモータ24の具体的な構成は以下の通りである。図示するように、ハウジング10の端部にモータケース14を取り付け、このモータケース14の内面に形成した環状凹部140に環状のステータコア15を固設している。
そして、このステータコア15にコイル16を巻回する一方、モータケース14の内部において、ステータコア15と同軸のロータ17を、ロータ用軸受け131を介して回転自在に支持している。さらに、ロータ17の外周面には、ステータコア15と対向する位置に駆動用マグネット18を固着している。このような構成のモータ24を用いることによっても、第1の差動機構1及び第2の差動機構2を駆動させることができる。
また、ロボット110を、第1アーム部510〜第6アーム部560の複数のアーム部を備える双腕ロボットとして説明したが、これに限るものではなく、複合駆動装置100を適用することのできる関節を備えるロボットであればよい。また、ダンボール箱の開梱作業に限らず、いかなる作業を行うものであっても構わない。
1 第1差動機構(第1の差動機構)
2 第2差動機構(第2の差動機構)
8 出力用歯車
9 減速機(減速装置)
10 ハウジング
11 第1出力軸(第1の出力軸)
12 第2出力軸(第2の出力軸)
21 第1中空アクチュエータ(第1の動力源)
22 第2中空アクチュエータ(第2の動力源)
31 第1駆動歯車
32 第2駆動歯車
41 第1従動歯車
42 第2従動歯車
51 第1連結軸
52 第2連結軸
61,71 第1遊星歯車
62,72 第2遊星歯車
91,92 出力用従動歯車
100 複合駆動装置
110 ロボット

Claims (7)

  1. 自軸まわりに回転自在に支持された第1の出力軸と、
    当該第1の出力軸上に互いに対向配置された第1の差動機構及び第2の差動機構と、
    前記第1の差動機構と前記第2の差動機構との間で、前記第1の出力軸と直交する方向に延在し、前記第1の差動機構及び第2の差動機構の駆動に連動して自軸まわりに回転可能とした第2の出力軸と、
    前記第1の差動機構を駆動させる第1の動力源及び前記第2の差動機構を駆動させる第2の動力源と、
    を備え、
    前記第2の出力軸を、前記第1の出力軸まわりに移動させることなく、前記第1の動力源及び前記第2の動力源からの動力を、前記第1の出力軸と前記第2の出力軸とに分配可能としたことを特徴とする複合駆動装置。
  2. 前記第1の差動機構及び前記第2の差動機構は、
    前記第1の出力軸に互いに対向して取付けられた駆動歯車及び従動歯車と、前記第1の出力軸に十字状に連結された連結軸の両端に回転自在に支持され、前記駆動歯車及び従動歯車にそれぞれ噛合する一対の遊星歯車と、
    をそれぞれ備え、
    前記第2の出力軸は、
    前記第1の差動機構及び前記第2の差動機構の互いに対向する前記従動歯車の各外側部に噛合する出力用歯車を備えることを特徴とする請求項1に記載の複合駆動装置。
  3. 前記第1の差動機構及び前記第2の差動機構の各従動歯車の外側部に、前記出力用歯車と噛合する出力用従動歯車を設けた
    ことを特徴とする請求項2に記載の複合駆動装置。
  4. 前記第1の差動機構及び前記第2の差動機構を収納するハウジングを備え、当該ハウジングにより前記第1の出力軸及び前記第2の出力軸を支持するとともに、当該ハウジングに、前記第1の動力源及び前記第2の動力源を収納又は装着してユニット化した
    ことを特徴とする請求項1に記載の複合駆動装置。
  5. 前記第1の差動機構の駆動歯車に第1のモータ部が、前記第2の差動機構の駆動歯車に第2のモータ部が、それぞれ動力源として連動連結されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の複合駆動装置。
  6. 少なくとも前記第2の出力軸の後段に減速装置を連結した
    ことを特徴とする請求項1に記載の複合駆動装置。
  7. 関節機構に複合駆動装置を備えるロボットであって、
    前記複合駆動装置は、
    自軸まわりに回転自在に支持された第1の出力軸と、
    当該第1の出力軸上に互いに対向配置された第1の差動機構及び第2の差動機構と、
    前記第1の差動機構と前記第2の差動機構との間で、前記第1の出力軸と直交する方向に延在し、前記第1の差動機構及び第2の差動機構の駆動に連動して自軸まわりに回転可能とした第2の出力軸と、
    前記第1の差動機構を駆動させる第1の動力源及び前記第2の差動機構を駆動させる第2の動力源と、
    を備え、
    前記第2の出力軸を、前記第1の出力軸まわりに移動させることなく、前記第1の動力源及び前記第2の動力源からの動力を、前記第1の出力軸と前記第2の出力軸とに分配可能としたことを特徴とするロボット。
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