JPWO2013008909A1 - ロキソプロフェンナトリウム含有外用貼付剤 - Google Patents

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Abstract

ロキソプロフェナトリウム含有外用貼付剤において、主薬の高い経皮吸収性を示し、かつ保存中の製剤について分解生成物の生成を抑制できる安定性の高い外用貼付剤を提供するものであり、支持体にロキソプロフェンナトリウム0.1〜10重量%を含有した粘着剤層が設けられた外用貼付剤において、該粘着剤層が、スチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体5〜30重量%、脂環族飽和炭化水素樹脂10〜50重量%、乳酸0.1〜1重量%、および高級脂肪酸5〜15重量%を含有し、且つ乳酸と高級脂肪酸との配合比率が、乳酸/高級脂肪酸=1/50〜1/5である外用貼付剤である。

Description

本発明は、ロキソプロフェンナトリウムを含有した貼付剤に関し、特に、優れた薬物放出性を示し、かつ、高い製剤の安定性を備えたロキソプロフェンナトリウムを含有した油性外用貼付剤に関する。
ロキソプロフェンナトリウムはフェニルプロピオン酸系の非ステロイド消炎鎮痛剤として優れた消炎・鎮痛効果を示す薬物であり、従来から、水性貼付剤、油性貼付剤を問わず、外用剤としての製剤化が検討されてきており、すでにパップ剤(販売名:ロキソニンパップ)、およびプラスター剤(販売名:ロキソニンテープ)が市販されている。
ロキソプロフェンなどの非ステロイド系消炎鎮痛薬を配合した貼付剤においては、クロタミトン、ピロリドン類、高級脂肪酸および脂肪酸エステル等の溶解剤、或いは、L−メントール、ハッカ油、およびDL−カンフル等の清涼化剤を添加することにより経皮吸収性の向上が試みられている。特に、ロキソプロフェンナトリウムを油性基剤に配合する場合には、ロキソプロフェンナトリウムが水溶性であるため、油性基剤に対する溶解性の改善を目的として、ロキソプロフェンナトリウムと共に上記各成分が一緒に配合される例がよく見られる。しかしながら、これらの溶解剤、あるいは清涼化剤の中には皮膚刺激の原因となるものや、製品中のロキソプロフェンナトリウムの分解を促進する成分も多く、問題となっている。
例えば、特許文献1には、ロキソプロフェンを始めとした非ステロイド系消炎鎮痛薬について、ロジンエステル誘導体を溶解剤として用い、L−メントールと共に貼付剤に配合したプラスター剤が記載されている。また特許文献2にはスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体をベース基剤とし、クロタミトンを配合したロキソプロフェン含有貼付剤が記載されている。前者は本来、粘着付与樹脂として用いられることが多かったロジンエステル誘導体をロキソプロフェンナトリウムの溶解剤として用いたことを特徴とするものであり、後者はクロタミトンを主薬溶解剤として用いたことを特徴とするものであるが、ロジンエステルは皮膚感作作用があり、製剤貼付時に、皮膚に対して好ましくない副作用を与える可能性がある。また、一方のクロタミトンは貼付剤の物性を破壊し、粘着力の低下等、貼付剤に対して好ましくない影響を与えるものであるため、これらの添加剤の配合は貼付製剤にとっては好ましいものとは言えないものであった。
また、特許文献3には、ピロリドン化合物を配合したロキソプロフェン含有貼付剤が記載されているが、ピロリドン化合物はクロタミトン同様、製剤の物性を悪化させやすく、またピロリドン化合物の中には揮発性の高い成分もあり、貼付剤に配合すると保存中に揮発し、経皮吸収性が低下する可能性もあった。
さらに特許文献4にはテルペン樹脂或いはロジン系樹脂を配合したロキソプロフェン含有貼付剤が記載されているが、本貼付剤におけるロジン系樹脂は前述のとおり、皮膚感作成分であり、肌に対して好ましくない影響を与えるものである。
特許文献5には、脂肪族ヒドロキシ酸を0.1〜3重量%、並びに高級脂肪酸を0.1〜5重量%を配合した、ロキソプロフェン含有外用貼付剤が開示されている。該外用貼付剤は、主薬の溶解剤として脂肪族ヒドロキシ酸と高級脂肪酸とを組み合わせて配合することを特徴としているが、脂肪族ヒドロキシ酸として実質的にリンゴ酸、あるいはクエン酸が選択されている。これらの脂肪族ヒドロキシ酸を使用した場合には、ロキソプロフェンの溶解性が不十分であり、経皮吸収性の点で問題が残る貼付剤となっている。
このように、ロキソプロフェンナトリウムを油性基剤に配合する場合には、主薬に対する溶解剤の選択が非常に難しく、それ故、未だに主薬の経皮吸収性と、主薬の安定性とを両立したロキソプロフェン含有プラスター剤は開発されていないのが現状である。
国際公開 WO93/04677号 特開2004−43512号公報 特開2008−163017号公報 特開2008−214337号公報 特開2011−20997号公報
したがって、本発明は、上記課題を解決するものであって、ロキソプロフェナトリウム含有外用貼付剤において、主薬の高い経皮吸収性を示し、かつ保存中の製剤について分解生成物の生成を抑制できる安定性の高い外用貼付剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、前述の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、支持体にロキソプロフェンナトリウムを含有した粘着剤層が設けられた外用貼付剤において、該粘着剤層が、主基剤としてのスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、皮膚に対して安全性の高い粘着付与剤である、脂環族飽和炭化水素樹脂、主薬溶解剤として乳酸および高級脂肪酸を、それぞれ特定量含有した外用貼付剤とすることによって、ロキソプロフェンナトリウムが粘着剤基剤に安定的に溶解し、ロキソプロフェンナトリウムの高い安定性を保持したまま、経皮吸収性が向上することを見出し、本発明を完成させるに至った。
したがって、本発明は、その基本的態様として、支持体にロキソプロフェンナトリウム0.1〜10重量%を含有した粘着剤層が設けられた外用貼付剤において、該粘着剤層が、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体5〜30重量%、脂環族飽和炭化水素樹脂10〜50重量%、乳酸0.1〜1重量%、および高級脂肪酸5〜15重量%を含有し、乳酸と高級脂肪酸との配合比率が、乳酸/高級脂肪酸=1/50〜1/5であることを特徴とする外用貼付剤である。
具体的には、本発明は、高級脂肪酸が、イソステアリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、カプリン酸、ラウリン酸、カプロン酸から選ばれる1種または2種以上のものである外用貼付剤である。
より具体的には、本発明は、高級脂肪酸が、イソステアリン酸単独か、イソステアリン酸とミリスチン酸の組み合わせ、或いはイソステアリン酸、ミリスチン酸とパルミチン酸の組み合わせである外用貼付剤である。
本発明が提供する外用貼付剤は、支持体の片面にロキソプロフェンナトリウムを含有する粘着剤層を設けた外用貼付剤であり、該粘着剤層が、主基剤としてのスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、及び皮膚に対して安全性の高い粘着付与剤である脂環族飽和炭化水素樹脂を用い、さらに主薬であるロキソプロフェンナトリウムに対する溶解剤として乳酸、および高級脂肪酸を、それぞれ特定量配合した外用貼付剤とすることによって、ロキソプロフェンナトリウムが粘着剤基剤中に安定的に溶解させることができ、従来の貼付剤では成し得なかった、高い経皮吸収性と主薬の安定性を兼ね備えた、ロキソプロフェンナトリウム含有外用貼付剤を提供することが可能となった。
特に、乳酸、並びに高級脂肪酸であるイソステアリン酸単独、イソステアリン酸とミリスチン酸の組み合わせ、或いはイソステアリン酸、ミリスチン酸とパルミチン酸の組合せについて、乳酸/高級脂肪酸=1/50〜1/5の範囲とすることで、極めて良好な溶解性、並びに経皮吸収性を示すものである。
本発明における試験例4の分解生成物1の定量結果を示した図である。 本発明における試験例4の分解生成物2の定量結果を示した図である。
本発明が提供する外用剤において、外用貼付剤中における主薬としてのロキソプロフェンナトリウムの配合量は、製剤化が可能である限り特に限定はないが、好ましくは製剤総重量に対して、0.1〜10重量%、より好ましくは、0.5〜6重量%の範囲で配合することができる。
製剤中のロキソプロフェンナトリウム含量が0.1重量%未満であると経皮吸収性が不十分であり、また、10重量%を超える場合には、貼付剤の物性を損なうばかりでなく、経済的にも不利であり好ましくない。
本発明の外用貼付剤において、基剤成分としてのスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(以下、「SIS」と称す)は、粘着剤層に粘着性を付与するとともに、各成分を粘着剤中に保持する役割を担うものである。
SISの配合量は、他の成分の配合量を考慮に入れて配合されるが、通常5〜30重量%、好ましくは10〜25重量%配合される。上記配合量が5重量%未満であると基剤の凝集力や保形性が低下する。他方、上記の配合量が30重量%を超えると粘着力の低下、膏体の不均一化、および製造工程における作業性の低下を招き、好ましいものではない。
本発明の外用貼付剤において基剤中に配合される脂環族飽和炭化水素樹脂は、粘着付与剤として使用される。
脂環族飽和炭化水素樹脂は皮膚に対する安全性が高いことに加え、その極性が低いため、ロキソプロフェンナトリウムをはじめ、他の配合成分との反応性が低く、製剤中のロキソプロフェンナトリウムの安定性の向上という観点からも好ましい粘着付与剤である。
そのような脂環族飽和炭化水素樹脂としては、具体的には、アルコンP100、アルコンP90、アルコンP115(いずれも商品名:荒川化学工業製)等を挙げることができる。
本発明の外用貼付剤における脂環族飽和炭化水素樹脂の配合量は、製剤化が可能である限り特に制限はないが、好ましくは製剤総重量に対して、10〜50重量%の範囲で配合するのがよい。より好ましくは15〜40重量%である。
製剤中の脂環族飽和炭化水素樹脂の配合量が10重量%未満であると粘着力が弱く、貼付中に剥がれるといった問題が生じ、50重量%をこえて配合した場合には、製剤の粘着力が逆に強くなりすぎ、皮膚刺激性が高くなるといった問題が生じ、好ましくない。
本発明においては、乳酸は、ロキソプロフェンナトリウムに対する非常に優れた溶解剤であり、それを配合することによりロキソプロフェンナトリウムを粘着基剤中に安定的に溶解させ、優れた経皮吸収促進効果を示すことができる成分である。
しかしながら、乳酸はロキソプロフェンナトリウムと反応し、分解生成物を生じ、製剤の安定性を低下させるという一面を持つ添加剤である。したがって、本発明の外用貼付剤における乳酸の配合量は、製剤総重量に対して、0.1〜1.0重量%、好ましくは、0.1〜0.8重量%、より好ましくは0.2〜0.6重量%の範囲で配合するのがよい。乳酸の配合量が0.1重量%未満であると粘着基剤にロキソプロフェンナトリウムを十分に溶解させることが不可能であり、製剤の経皮吸収性の低下、あるいは保存中の製剤における主薬の結晶析出等が起こり、逆に乳酸の配合量が1.0重量%を超える場合には、乳酸由来の分解生成物が増加し、製剤の安定性が低下する。
本発明の外用貼付剤にあっては、上記の乳酸と共に、高級脂肪酸を配合して、ロキソプロフェンナトリウムに対する溶解剤としての機能を確保する。本発明においては高級脂肪酸を製剤中に、比較的多量に配合することにより、製剤の経皮吸収性を低下させることなく、乳酸に由来する分解生成物の増加を抑えることが可能となる。
そのような高級脂肪酸としてはイソステアリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、カプリン酸、ラウリン酸、カプロン酸等が例示でき、その1種または2種以上を組み合わせて使用することができるが、本発明においては特にイソステアリン酸、ミリスチン酸、およびパルミチン酸が好適に使用される。
製剤中の高級脂肪酸の配合量は、5〜15重量%であり、好ましくは6〜10重量%、より好ましくは6〜8重量%である。高級脂肪酸の配合量が5重量%未満であると製剤中のロキソプロフェンナトリウムの溶解が不十分であり、かつ乳酸由来の分解生成物が増加する。また高級脂肪酸の配合量が15重量%を超える場合には、製剤の物性が低下するばかりでなく、皮膚刺激性等の問題が生じ、好ましいものではない。
本発明が提供する外用貼付剤においては、主薬の経皮吸収性と、主薬の安定性を両立するために、比較的微量の乳酸と、比較的多量の高級脂肪酸とを組み合わせて製剤に配合することを特徴としているものである。
乳酸、あるいは高級脂肪酸の配合量は上記の通りであるが、加えて、乳酸と高級脂肪酸との配合比率を一定の範囲に調整するのが好ましいことが判明した。
本発明の外用貼付剤にあっては、乳酸と高級脂肪酸の配合比率は、乳酸/高級脂肪酸=1/50〜1/5であり、好ましくは1/30〜1/5、より好ましくは1/30〜1/15である。乳酸の配合比が1/50より少ないと、経皮吸収性が低下し、乳酸の配合比が1/5より多いと、保存中の製剤において乳酸由来の分解生成物の生成が増加し、薬物の安定性が低下する。
好ましい乳酸と高級脂肪酸の組み合わせは、乳酸とイソステアリン酸か、あるいは乳酸と、イソステアリン酸及びミリスチン酸である。より好ましくは乳酸と、イソステアリン酸、ミリスチン酸及びパルミチン酸の組み合わせである。
本発明の外用貼付剤で配合する軟化剤とは、他の基剤成分と相溶性がよく、基剤に柔軟性を与えるものであり、具体的には、ポリイソブチレン、液状ポリイソプレン、ポリブテン、ラノリン、ひまし油、アーモンド油、オリーブ油、ツバキ油、パーシック油、ラッカセイ油、プロセスオイル、エキステンダーオイル、および流動パラフィン等を挙げることができ、なかでも、好ましくはポリブテン、および流動パラフィンである。
これらの軟化剤は、それぞれ単独で用いられることもできるが、2種以上組み合わせて配合してもよい。軟化剤の配合量は、製剤に配合される、その他の液状成分の配合量も考慮されるが、通常10〜75重量%であり、好ましくは15〜50重量%である。
本発明が提供する外用貼付剤にあっては、清涼化剤としてL−メントールを配合するのがよい。しかしながらL−メントール自体は、分子内にカルボン酸基を有する非ステロイド系消炎鎮痛剤であるロキソプロフェンナトリウムと製剤中において反応して、分解生成物(L−メントールエステル体)を生成する可能性があるため、多量に配合するとその量に伴って分解生成物(L−メントールエステル体)の生成量も増加する傾向にある。またL−メントールを多く配合しすぎると、皮膚に感じる冷感が強すぎ、人によっては不快に感じる場合も生じる。したがって本発明の外用貼付剤におけるL−メントールの配合量は0.1〜10重量%であり、好ましくは0.5〜5重量%である。
なお、本発明の外用貼付剤には、かかる分解生成物の増加を抑えるために多価金属塩を配合してもよい。特に乳酸由来の分解生成物に対して、アルミニウムグリシネートの配合が効果的である。上記多価金属塩は、0.001〜5重量%の範囲で配合され、好ましくは0.005〜3重量%である。
本発明の外用貼付剤の粘着剤層においては、必要に応じて、溶解剤、その他の吸収促進剤を配合することも可能である。これらの溶解剤或いは吸収促進剤には、ミリスチン酸イソプロピル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、パルミチン酸イソプロピル等の脂肪酸エステル、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、およびグリセリン等の多価アルコール、N−メチル−2−ピロリドン、1−エチル−2−ピロリドン、5−メチル−2−ピロリドン、N−オクチル−2−ピロリドン等のピロリドン化合物、クロタミトン、その他各種界面活性剤等が例示できる。
また本発明の外用貼付剤には、他に影響を与えなければ、通常の外用製剤に用いられる各種の基剤成分が使用できる。かかる基剤成分としては特に限定されないが、例えば、ブチルゴム、ポリイソブチレン、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、等のゴム系エラストマー;ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸等の水溶性高分子;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、無水ケイ酸、軽質無水ケイ酸等のケイ素化合物、ジブチルヒドロキシトルエン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、酢酸トコフェロール、アスコルビン酸等の酸化防止剤;酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、シリカ類、酸化マグネシウム、酸化鉄、ステアリン酸亜鉛等の無機充填剤等が挙げられる。更に必要に応じて防腐剤、清涼剤、殺菌剤、着香剤、着色剤等を添加することができる。
外用貼付剤の支持体としては、フィルム、不織布、編布、および不織布とフィルムのラミネート複合体等が挙げられる。これらの支持体の材料としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリウレタン、レーヨン、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。
外用貼付剤に使用される剥離ライナーはポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、紙等を用いることができ、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。剥離ライナーは剥離力を至適にするため、必要に応じてシリコン処理を施したものであってもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1:
SIS(クインタック3570C;日本ゼオン製)、脂環族飽和炭化水素樹脂(アルコンP−100;荒川化学工業製)、ポリブテン(HV−300F;日本石油製)、流動パラフィン(ハイコールM−352;カネダ製)、BHT(ブチルヒドロキシトルエン)の各成分を窒素雰囲気下、加熱攪拌して溶解した。次いで、主薬であるロキソプロフェンナトリウム、L−メントール、乳酸、イソステアリン酸、パルミチン酸、およびミリスチン酸を前記粘着剤中に添加し、さらに撹拌混合し、粘着剤を調製した。
調製された粘着剤を、シリコン処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗工し、約150μmの粘着剤層を形成した。得られた粘着剤層に支持体のポリエステル製織布にラミネートし、本発明の外用貼付剤を得た。
各成分の配合量を表1に示した。
実施例2〜6:
下記表1に示す組成により、実施例1の製法に従い、実施例2〜6の各外用貼付剤を得た。
比較例1〜9:
下記表2及び3に示す組成により、実施例1の製法に従い、比較例1〜9の各外用貼付剤を得た。
なお、後記する試験例において、比較例10としては、市販のロキソプロフェン含有プラスター剤を使用した。
Figure 2013008909
単位:重量%
Figure 2013008909
Figure 2013008909
*:参考値
単位:重量%
試験例1:ヒト貼付残存試験
インフォームドコンセントのもとに、実施例2〜4と比較例1〜3の製剤を各々3×4cmサイズに打ち抜き、各製剤を被験者の背中に24時間貼付し、製剤を剥離、回収後、各製剤中に残存するロキソプロフェンナトリウムを抽出し、その薬物量をHPLCで測定した。0時間貼付(未貼付)の製剤から測定されたロキソプロフェン薬物量から、それぞれの残存薬物量を差し引いて、各製剤の薬物消失量を計算した。その結果を表4および表5に示す。
Figure 2013008909
Figure 2013008909
各表に示した結果から、本発明の外用貼付剤である各実施例の製剤は各比較例に比べ薬物消失量が高く、すなわち、経皮吸収性の高い製剤であることが確認できた。
試験例2:ヒト角質内薬物量測定試験
<試験方法>
インフォームドコンセントのもとに、実施例1及び比較例10(市販品)の各共試製剤(2.5×2.5cm)を被験者の背部に貼付した。24時間貼付後、製剤を剥離し、各供試製剤の剥離部位(以下剥離部位と称す)の角質を、角質剥離用テープで剥離し、角質を採取した。得られた角質中のロキソプロフェンナトリウムをメタノールで抽出し、HPLC測定法により、その量を測定した。その結果を表6に示す。
Figure 2013008909
以上の結果より、本発明の実施例1の外用貼付剤は、市販のロキソプロフェン含有プラスター剤(比較例10)と同等か、それ以上の経皮吸収性を示すことが確認できた。
試験例3:マウス皮膚透過性試験
実施例1〜6、及び比較例2〜10の外用貼付剤の主薬放出性を検討するために、ヘアレスマウスを使用したin vitroマウス皮膚透過性試験を実施した。
8〜10週齢のヘアレスマウスの背部皮膚を剥離し、真皮側をレセプター層側として、37℃の温水を外周部に循環させたFranz型セル(開口面積:1.77cm)に装着した。次に皮膚の角質層側に各貼付剤を貼付し、レセプター液としてPBS(pH7.4)溶液を用いて2.25mL/hrの速さで90分間レセプター液をサンプリングし、高速液体クロマトグラフ法により、採取液中の薬物濃度を測定した。
また、その結果より、定常状態(試験開始後18〜24時間目)の皮膚透過速度(Flux:μg/cm/hr)を算出した。
その結果を表7に示した。なお、flux値は、比較例10に対するflux比で示している。
Flux比=(各実施例、及び比較例の定常状態におけるflux値)/(比較例10の定常状態におけるflux値)
Figure 2013008909
以上の結果より、各実施例の外用貼付剤は、市販のロキソプロフェン含有プラスター剤(比較例10)と同等か、それ以上の経皮吸収性を示すことが確認できた。
一方、比較例2、3、及び5〜9の外用貼付剤は、比較例10より経皮吸収性が大きく劣っていた。
試験例4:安定性試験(分解生成物の定量試験)
実施例1〜4、実施例6、比較例4及び比較例5の各製剤について、60℃の保存条件で、1ヵ月の保存期間における保存試料中の分解生成物を測定した。さらに実施例1と実施例4の各製剤については、3ヶ月の保存期間における保存試料中の分解生成物量についても測定を行った。試料の調製法及びHPLC測定条件を下記に示す。
なお、本安定性試験では、特に乳酸由来の分解生成物を測定した。下記に示すHPLC測定条件において、ロキソプロフェンナトリウムの保持時間を1としたときの、相対保持時間1.55〜1.60に検出される分解生成物(以下、分解生成物1と称す)、および相対保持時間1.65〜1.70に検出される分解生成物(以下、分解生成物2と称す)が、乳酸由来の主な分解生成物である。試験に供した各製剤における分解生成物の定量結果について表8に示し、特に実施例1、及び比較例4の定量結果に関しては、分解生成物1の定量結果を図1に、分解生成物2の定量結果を図2にそれぞれ示す。
<試料の調製法>
各製剤を5×7cmサイズに打ち抜き、テトラヒドロフラン(以下、THFと称す)を添加し、超音波抽出及び振とう機による抽出を行なった。得られた抽出液をTHFで100mLとし、抽出液とした。この抽出液3mLをとり、40%アセトニトリルを用いて50mLにメスアップし、メンブランフィルター(0.45μm)を用い、ろ過を行ない、得られた液を供試試料とした。
<HPLC測定条件>
カラム:Unison UK−C18(3×150mm)
移動相:アセトニトリル:水:リン酸=400:600:1
流速 :0.5mL/分
波長 :223nm
注入量:10μL
Figure 2013008909
単位:生成量%
表8、図1及び図2に示した結果から明らかなように、比較例4の製剤では経時的に乳酸由来の分解生成物の生成量が飛躍的に増加しているのに対し、本発明の実施例1の製剤においては分解生成物の生成が大きく抑制されている。
本発明により、ロキソプロフェンナトリウムを含有し、優れた薬物放出性を示し、かつ高い安定性を備えたロキソプロフェンナトリウムを含有した油性外用貼付剤が提供される。
本発明が提供する貼付剤は、ロキソプロフェンナトリウムを含有する消炎鎮痛外用製剤であって、例えば、変形性関節症、慢性関節リウマチ、腰痛症、肩関節周囲炎、腱鞘炎、腱周囲炎、上腕骨上顆炎(テニス肘等)、筋肉痛、外傷後の腫脹・疼痛などの予防、治療に有用である。

Claims (3)

  1. 支持体にロキソプロフェンナトリウム0.1〜10重量%を含有した粘着剤層が設けられた外用貼付剤において、該粘着剤層が、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体5〜30重量%、脂環族飽和炭化水素樹脂10〜50重量%、乳酸0.1〜1重量%、および高級脂肪酸5〜15重量%を含有し、乳酸と高級脂肪酸との配合比率が、乳酸/高級脂肪酸=1/50〜1/5であることを特徴とする外用貼付剤。
  2. 高級脂肪酸が、イソステアリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、カプリン酸、ラウリン酸、カプロン酸から選ばれる1種または2種以上のものである請求項1に記載の外用貼付剤。
  3. 高級脂肪酸が、イソステアリン酸単独か、イソステアリン酸とミリスチン酸の組み合わせ、或いはイソステアリン酸、ミリスチン酸とパルミチン酸の組み合わせである請求項1または2に記載の外用貼付剤。
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