JPWO2013005699A1 - 発電装置および発電方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】発電効率を高めるには、エクセルギー率(ΔG/ΔH)を出来る限り1に近づけることが必要である。このために、熱にする割合(TΔS)を減らし、投入エネルギー(ΔH)を可能な限り電気エネルギーにする必要がある。【解決手段】炭素および/または炭化水素を含む原料をガス化する流動層ガス炉と、流動層ガス炉内に設置された燃料電池と、流動層ガス炉でガス化された生成ガスを改質して水素を生成するシフト反応器を有する発電装置であって、燃料電池はシフト反応器にて生成された水素を用いて発電するものであって、かつ、流動層ガス炉において原料をガス化するのに必要な熱を燃料電池の発電により生じた熱を利用する発電装置を提供する。

Description

本発明は、炭素系燃料を原料とするガス化炉と燃料電池とを組み合わせた発電装置に関し、詳しくは高効率発電装置および発電方法に関する。
近年、環境への配慮から、自動車または電車などの車両用の動力源または発電設備として、燃料電池を用いることが提案されている(例えば、特許文献1)。燃料電池は、外部から水素および酸素を、それぞれ、負極および正極に供給して、反応させることにより継続的に電力を取り出すことができる発電装置である。一方、一次電池および二次電池は、還元剤と酸化剤が電池内の電極に充填されるので、電気容量に限界がある。これに対して、燃料電池は、還元剤と酸化剤を外部から供給するので、電気容量に制限がなく、発電を継続的に行うことが可能な点で大きな特徴を有している。
燃料電池は、その発電過程において燃焼過程が存在しないことを特徴としており、水素と酸素が反応して水を生成するので、環境への負荷が小さい発電装置と言われている。
水素の製造方法として、石炭等の化石燃料を流動層を用いてガス化を行い、シフト反応で水素を生成する技術が広く知られている。すなわち、特許文献2には、チャー発生量の大きな燃料であっても、チャーの移送量を容易に制御でき、しかも配管内部の閉塞などの問題がなく、簡単な設備でチャーを燃焼し、さらにチャーの燃焼熱をガス化用熱源として利用できる流動層ガス化燃焼炉に関する技術が開示されている。
特許文献3には、流動層ガス炉と燃料電池とを備えた燃料電池複合サイクル発電システムが開示されている。すなわち、流動層ガス炉へ供給される燃料は高温の温度域で熱分解を受け、一酸化炭素と燃料電池発電のための有効ガス成分である水素を含んだガスを生成する。この場合、燃料投入時の温度から高温の温度域への昇温は、燃料を部分燃焼させることにより行われる。流動層ガス炉から出た生成ガスは集塵装置で灰分等が除去され、反応器において水素ガスが生成され、燃料電池へと送られ発電する。
また特許文献4には、石炭ガス化炉で生成されたガス化ガスが、シフト反応器において水素ガスに改質されて、燃料電池に供給されて発電されるとともに、ガスタービンに供給されて発電する。そして、ガスタービンの排熱を利用して蒸気を発生させて、この蒸気を蒸気タービンに供給して発電する技術が開示されている。
特開2006−092920号公報 特開2009−019870号公報 国際公開第2000−027951号公報 特開2008−291081号公報
燃料電池は対環境性能に優れるが、発熱反応であり、エクセルギー率が高いとはいえない。発電の際に発生する熱は、例えば地域冷暖房等に利用されるが、熱の回収は十分とはいえない。燃料電池本体から放熱される熱は、エネルギー的には動力として回収しにくいエネルギーである。すなわち、燃料電池から発電の際に発生する熱は、必ずしも有効に利用されているとはいえないのが現状である。
流動層ガス炉においては、原料となる化石燃料をガス化するために必要な熱を供給する必要があり、加熱に必要な熱エネルギーは原料の一部を燃焼させることにより得ている。したがって燃焼により、本来電気として取り出すことができるエネルギーの一部が熱に変換され、取り出すことができる電力量が減少する。そして、減少した分のエネルギーは熱となって熱損失が発生する。
化学反応を利用して電力を取り出す場合、燃料が本来有するエネルギーをΔHとすれば、ΔGを電気として取り出すことができ、TΔSを熱として取り出すことができる。ΔHは反応生成熱と呼ばれ、燃焼反応などの発熱反応であれば負の値であり、発熱量とも呼ばれている。ΔHは、ΔGとTΔSの和である(ΔH=ΔG+TΔS)。ΔGは自由エネルギーと呼ばれ、仕事として取り出すことができるエネルギーであり、有効なエネルギーとしてエクセルギーと呼ばれている。TΔSは反応に伴って発生する熱であり、エントロピー変化と温度の積で表されている。そして有効なエネルギーを取り出す能力としてΔG/ΔHをエクセルギー率と呼んでいる。エクセルギー率は理論効率と称することができる。
熱が電気エネルギーに変換される割合は、温度に依存している。図1に温度Tとエクセルギー率ΔG/ΔHの関係を示す。図1によれば、1500℃の気体のエクセルギー率は65%、600℃の気体は43%程度である。廃熱発電を積み重ねてもこの効率を超えることはできない。すなわち、気体の持つエネルギーが電気エネルギーに変換される割合であるエクセルギー率は、熱が発生した時点で低下する。その結果、気体の持つエネルギーが電気エネルギーに変換される割合が下がるのである。
また、エクセルギー率は圧力にも依存する。圧力が高ければエクセルギー率も高くなる。これより、反応プロセスにおいて、高い温度と高い圧力を維持することができれば、エクセルギー率自体を1に近づけることができる。
本発明の目的は、上記課題を解決するためになされたものであり、発電効率をエクセルギー率ΔG/ΔHに近づけることである。換言すれば、ΔGを熱にする割合を減らすことにより、エクセルギーΔGを可能な限り電気エネルギーに変換することで、発電効率の高い発電装置を提供することにある。更には、エクセルギー率を1に近づけることにより、発電効率を高めることにある。
前記した目的を達成するために、本発明に係る発電装置は、炭素および/または炭化水素を含む原料を加熱してガスを生成する流動層ガス炉と、前記流動層ガス炉でガス化された生成ガスから水素を生成するシフト反応器と、前記シフト反応器で生成された水素を用いて発電する燃料電池を有する発電装置であって、前記燃料電池が前記流動層ガス炉内に設置されている。
この構成によれば、流動層ガス炉は流動媒体が配備された流動層と流動層の上部空間に設けたフリーボード部を備えている。そして、流動層ガス炉に供給される原料には、炭素、炭化水素、または炭素と炭化水素の混合物が含まれている。原料は炭素源であって、還元材でもある。
本発明に係る発電装置において、前記流動層ガス炉には、流動層が配備されていて、更に、前記流動層の下部には分散板が配備されていて、前記燃料電池が前記流動層内であって前記分散板の下流に配置されていることが好ましい。この構成によれば、流動層には流動媒体が充填されていて、流動媒体は分散板により保持されている。これにより、流動層ガス炉の構成要素である流動層に燃料電池が配置される。流動層には,適当な大きさの砂などからなる固体粒子が流動媒体としてその内部に配備されいる。流動層の下部から気体を吹き込むことにより、流動媒体をある高さまで浮遊させ、激しく動き回る状態にする。
このため、前記流動層ガス炉において、前記原料をガス化するのに必要な熱を前記燃料電池の発電により生じた熱を用いることが好ましい。すなわち、この構成によれば、燃料電池が流動層内に設置されているので、燃料電池が反応(発電)に際して生成する熱は無駄なく直接流動媒体を介して流動層に伝達され、効果的に流動層ガス炉内の原料のガス化に必要な熱を供給する。通常、流動層ガス化炉においては、原料の部分燃焼による熱を利用して原料のガス化を図っている。しかし、本発明に係る発電装置においては、原料のガス化に必要な熱は、原料の燃焼による熱を用いるのではなく、燃料電池の反応(発電)により生じた熱を用いる。本発明に係る発電装置においては、燃焼過程が存在しないという特徴を有する。本発明の意図するところは、発電効率をエクセルギー率ΔG/ΔHに近づける手段として、燃焼過程を排除することである。これによって熱を取り出す操作が無くなり、発電効率は理論効率であるエクセルギー率ΔG/ΔHになる。
更に、TΔSを減少させてΔGを増加する手段がある。すなわち、ΔGは温度と圧力により決まるので、プロセスを組んで温度と圧力を上げることにより、TΔSを小さくして、ΔG/ΔHの値を上げることができる。
一般にガス化炉における原料のガス化には、原料をガス化する熱が必要である。この熱は原料の燃焼により得ている。本発明の特徴とするところは、原料のガス化に原料の燃焼を必要としないことである。ここで燃焼とは、部分燃焼を含む広い燃焼過程を意味する。
本発明にいう原料は、石炭、石油、および天然ガス等の化石燃料のみならず、バイオマスおよび家畜の糞尿等であってよく、水素以外の還元材である。原料は好ましくはホッパー等から流動層ガス炉内に投入される。
また、本発明に係る発電装置は、前記燃料電池の発電の際に生じた蒸気を、前記分散板の上流に配備したウインドボックスから流動層ガス炉に供給することが好ましい。この構成によれば、流動層ガス炉の底部にウインドボックスがあり、ウインドボックスから流動媒体の流動化に必要な蒸気を流動層に吹き込む。
一般の流動層ガス炉においては、炉の底部にあるウインドボックスから空気を吹き込むことにより、高温の砂などの流動媒体を層内で熱風により流動化させ、その中で原料等を熱分解することによりガス化を行っている。空気を送風機等で流動層内に送り込めば、空気に含まれる酸素により原料が燃焼する。発電に燃焼過程が関与すれば、エクセルギー損失が発生して、エクセルギー率ΔG/ΔHの低下を招くことは前述の通りである。また流動化に空気を使えば、窒素も加熱することとなる。しかし、本発明に係る発電装置における流動層ガス化炉において、流動化は、燃料電池の反応(発電)により生じた蒸気を用いている。流動化のために空気を外部から取り入れることは行っていないので、エクセルギー率ΔG/ΔHの値の低下を防ぐことができる。
高圧の蒸気を用いることにより、流動層ガス炉およびその下流の圧力を高く維持することが可能となる。反応の圧力が高いと、エクセルギー率は高くなる。
本発明に係る発電装置は、前記シフト反応器には、前記燃料電池の発電により生じた水蒸気が供給されるようになっていて、当該水蒸気の熱を利用して、前記生成ガスから水素が生成されることが好ましい。ここに、シフト反応器は生成ガスを改質して、燃料電池に供給する水素を生成する。ここに改質とは生成ガス中の一酸化炭素から水素を作り出すことであり、通常は水蒸気を熱源として供給され、触媒の助けを借りてシフト反応が進む。前記生成ガスから水素だけが生成されてもよい。
この構成によれば、燃料電池は発電に際して高温度の水蒸気を発生する。この水蒸気をガス化反応およびシフト反応に利用することにより、燃料電池の発生する熱を無駄にすることなく、有効に利用することができる。ここに、ガス化反応は下式(1)で表され、シフト反応は下式(2)で表される。
C+2H2O=CO2+2H2 (1)
CO+H2O=CO2+H2 (2)
本発明に係る発電装置は、前記燃料電池の発電により生じた蒸気を蒸気タービンに導き、当該蒸気タービンにより駆動される発電機を備えていることが好ましい。
この構成によれば、蒸気タービンの下流には復水器が設けられていてもよい。復水器を設けることにより、熱落差が大きくなり、蒸気タービンから大きな電力を取り出すことが可能となる。
本発明に係る発電装置は、前記蒸気タービンの排気出口に、前記蒸気タービンの排気を電気分解する、密閉構造を有する電気分解槽が接続されていて、電気分解により生じた水素および酸素を前記燃料電池に供給して発電することが好ましい。電気分解槽を設けることにより、余剰電力を利用して水素を製造、蓄積することができる。また排気の排熱を有効に利用できるので、熱損失を抑えることができる。
常圧で水素と酸素を発生させると、大気に対して仕事をすることになり損失が発生する。この構成によれば、電気分解槽は密閉構造を有しているので、その内部の圧力は大気よりも高圧に保持されている。このため、電気分解槽で水の電気分解により水素を製造することにより、常圧であれば生じた大気圧への膨張分の損失を防ぐことができる。つまり、電気分解槽の圧力が高くなり、その分エクセルギー率は高くなる。
本発明に係る発電装置は、前記シフト反応器からの水素が前記燃料電池に供給されると共に、系外に取り出し可能となっていることが好ましい。この構成において、系外とは本発明に係る発電装置の外部をいい、貯蔵用のタンクまたはガス輸送用のパイプライン等をいう。
本発明に係る発電装置は、前記シフト反応器と前記燃料電池の間に、前記燃料電池に供給する水素の量を調節する調節弁が設けられていることが好ましい。調節弁を調節することにより、原料の供給に見合った熱量を確保すべく、燃料電池に供給する水素の量が調節可能となる。
本発明に係る発電装置は、前記原料の重量を測定する秤量器と、前記調節弁を制御する制御装置を備えていて、前記制御装置は、前記秤量器からの信号に基づき前記原料のガス化に必要な熱量を計算する熱量計算回路と、当該熱量計算回路からの信号に基づき前記燃料電池の発電に必要な水素の量を計算する水素量計算回路と、当該水素量計算回路の出力に応じて前記調節弁を制御する調節弁制御回路を有していることが好ましい。
本発明に係る発電装置は、炭素および/または炭化水素を含む原料を加熱してガスを生成する流動層ガス炉と、前記流動層ガス炉でガス化された生成ガスから水素を生成するシフト反応器と、前記シフト反応器で生成された水素を用いて発電する燃料電池を有する発電装置であって、前記原料のガス化に必要な熱を、前記原料の燃焼によらず、前記燃料電池の発電により生じる熱を用いる。
本発明に係る発電装置は、炭素および/または炭化水素を含む原料を加熱してガスを生成する流動層ガス炉と、前記流動層ガス炉でガス化された生成ガスから水素を生成するシフト反応器と、前記シフト反応器で生成された水素を用いて発電する燃料電池を有する発電装置であって、前記流動層ガス化炉における流動化のための気体を、外部から供給することなく、前記燃料電池の発電により生じた蒸気を用いる。
本発明に係る発電方法は、燃料電池により発電を行うステップと、前記燃料電池の発電の際に発生する熱により、前記原料をガス化して生成ガスを生成するステップと、前記燃料電池の発電の際に発生する熱により、前記生成ガスを改質して水素を生成するシフト反応ステップと、前記シフト反応ステップにおいて生成された水素を前記燃料電池に供給して発電するステップと、前記燃料電池の発電により生じた蒸気を蒸気タービンに供給して発電をするステップを有する。この方法によれば、燃料電池は、流動層内に設置されている。原料は炭素および/または炭化水素を含む。
また、本発明に係る発電方法は、燃料電池により発電を行うステップと、前記燃料電池の発電の際に発生する熱により、前記原料をガス化して生成ガスを生成するステップと、前記燃料電池の発電の際に発生する熱により、前記生成ガスを改質して水素を生成するシフト反応ステップと、前記シフト反応ステップにおいて生成された水素を、前記流動層ガス炉に供給された前記原料の量に応じて、前記燃料電池に供給して発電するステップと、前記シフト反応ステップにおいて生成された水素のうち、前記燃料電池に供給されない水素を取り出すステップを有することが好ましい。この方法によれば、燃料電池は、流動層内に設置されており、原料は炭素および/または炭化水素を含む。そして、流動層ガス化炉およびシフト反応器で生成された水素の一部が燃料電池に供給されて発電を行い、残りの水素は生産物として取り出すことができるので、水素併産の発電方法ということができる。
燃料電池発電によって発生する熱を原料のガス化および改質反応に必要な熱に利用することにより、原料の持つエクセルギーを可能な限り電気エネルギーにすることで発電効率の高い発電装置を提供することが可能となる。
エクセルギー率と温度の関係を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る発電装置の基本的構成図である。 本発明の別の実施形態に係る発電装置の基本的構成図である。 図3の調節弁を制御する制御系統図である。 本発明の実施形態に係る発電装置のフローシートである。(a)は図2の実施形態に係るフローシートで、(b)は図3の実施形態に係るフローシートである。 石炭ガス化燃料電池発電装置の概略構成図である。 石炭ガス化燃料電池発電エネルギー変換を示すダイヤグラムである。
以下、本発明に係る実施形態を図面に従って説明するが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
図2は本発明の実施形態に係る発電装置の基本的構成を示す図である。流動層ガス炉8は、作動気体の取り入れ口となるウインドボックス3、ウインドボックス3の下流側に位置する流動層2、および流動層2の下流側に位置するフリーボード部7を主な構成要素として有している。ウインドボックス3と流動層2は分散板4により仕切られている。
原料1は原料フィーダ(図示せず)から流動層2に供給され、400℃から1000℃の温度域で熱分解を受け、水素、一酸化炭素、及び若干の炭化水素を含んだガスを生成する。このうち水素は、燃料電池6による発電のための有効ガス成分となる。このとき、投入時の温度から400℃〜1000℃への昇温は、燃料電池6の反応(発電)により生じた熱を利用して行う。また原料1中に混入した不燃物は、流動層2から排出される。原料1としては、炭素、炭化水素およびこれらの混合物であればよい。本実施形態では石炭を使用するが、石炭以外の化石燃料やバイオマスであってもよい。メタノールおよびエタノールであってもよく、プラスチック等の高分子化合物であってもよい。
原料1が炭素(例えば石炭)の場合、水で原料を還元して水素を作る。反応式は下式(3)となる。
C + 2H2O = CO2 + 2H2 (3)
原料1が天然ガスの場合も同様である。反応式は下式(4)となる。
CH4 + 2H2O = CO2 + 4H2 (4)
これらの反応は還元であるので反応に熱を必要とし、その熱は燃料電池6から供給される。
燃料電池6からの過熱蒸気がウインドボックス3に送り込まれ、分散板4上で固体粒子からなる流動媒体5を浮遊懸濁させる。流動媒体5は珪砂、アルミナまたは鉄粒子等の粉粒体、もしくはこれらの混合物である。また、流動媒体5には、水を還元して水素を製造する触媒が担持されていてもよい。流動媒体5は、流動層2において、原料1への伝熱を行う働きを有する。流動媒体中5に燃料電池6が設置されている。
流動層2で生成されたガス(以下、生成ガスGGと称す)には二酸化炭素、水蒸気、一酸化炭素、水素、ダストが含まれている。生成ガスGGは、フリーボード部7を経由して配管11を通じて集塵機12に送られる。
集塵機12に送られた生成ガスGGは、集塵機12の入口で概ね400℃〜650℃の温度となっている。流動層2の下流部、即ちフリーボード部7では、熱分解吸熱反応が進むため、ガス温度が流動層部よりも低下する。たとえば、流動層温度が950℃であっても、フリーボード部7でのガス温度は650℃より低温になる可能性がある。ガス温度が400℃以下になる場合には、タールトラブルを避けるためにフリーボード部7に空気もしくは酸素を供給し、ガス温度を上げることがある。
集塵機12としてはサイクロン方式を用いることができるが、フィルター方式を採用してもよい。フィルター方式は集塵性が高い点から好ましい。400℃〜650℃の温度域では、集塵機12としてバグフィルターを用いることができるが、サイクロンを用い、更にその下流にセラミックフィルターを配置してもよい。
集塵機12で除去された灰及びアルカリ金属塩類等の固形分は排出路13から系外に排出される。灰分等が除去された生成ガスGGは、配管14を介してシフト反応器17に送られる。集塵機12とシフト反応器17の間に、生成ガスGGに含まれる塩化水素や硫化水素といった腐食性ガスを除去するための腐食性ガス除去装置(図示せず)を設けてもよい。
シフト反応器17の内部であって、生成ガスGGが流通する配管内に、反応速度を高めるための触媒、例えばマグネタイト(Fe)もしくは白金等が充填されている。そして、燃料電池6での反応(発電)により生じた高温の蒸気が、シフト反応器17に供給されている。この高温の蒸気の有する熱と水分を用いて、シフト反応器17は、生成ガスGG中の一酸化炭素と水を反応させて、水素を生成する。この水素は燃料電池6のアノード(負極)に供給される。この反応式を下式(5)に示す。
CO + H2O → H2 + CO2 (5)
シフト反応器17で生成された水素を主成分とする燃料ガス(以下、燃料ガスFGと称す)は、配管18を介して水素タンク21に送られる。また、二酸化炭素は配管19から系外に排出される。
水素タンク21に蓄えられた水素を主成分とした燃料ガスFGは、高圧のまま燃料電池6のアノードへと送られる。燃料電池6のカソードへは、酸素タンク23から配管25を介して酸素が供給される。通常、燃料電池内部での燃料ガスFGの利用効率は100%ではないので、燃料電池6のアノードからの排気には、主成分である水蒸気と多少の未反応燃料ガスを含んでいる。未反応燃料ガス中の水素は回収して再度燃料電池に供給する。
また、燃料電池6から発生する熱は、ガス化反応の吸熱分にほぼ等しいので、この熱を流動層ガス炉8におけるガス化の熱源に用いることができる。これにより、流動層ガス炉8において、原料1を部分燃焼させることなくガス化が可能となるので、エネルギー効率の高い発電が達成できる。
水素タンク21には、シフト反応器17から水素が供給されると共に電気分解槽26からも水素が供給される。電気分解槽26には蒸気タービン31の排気が配管35を介して接続されている。電気分解槽26に供給される排気は常温に比べて温かく、また空気の含有率も小さく電気分解に好適な水を供給することとなる。水が不足する場合は、図示せぬ系統からメーキャップ用の水が電気分解槽26に供給される。
常圧での電気分解により、水素と酸素を発生させると、大気に対して仕事をすることになり損失となる。ところが、本発明の実施形態によれば、電気分解槽26は密閉構造を有しているので、その内部の圧力は大気よりも高圧に保持される。このため、電気分解槽26で水の電気分解により水素を製造することにより、常圧であれば生じた大気圧への膨張分の損失を防ぐことができる。電気分解槽26で製造された酸素は配管28を介して酸素タンク23に送られる。電気分解に必要な電力46は、燃料電池6の発電電力42から供給してもよい。
燃料電池6で電力42と水蒸気と熱が発生する。電力42は燃料電池6から電力系統を介して送電可能となっている。発生した熱は流動媒体5を介して原料1に伝熱されてガス化のための熱源となる。また、発生した水蒸気の一部は流動層2の流動化用気体およびガス化のための熱源として流動層2の分散板4から投入される。
燃料電池6で発生した高温の蒸気(過熱蒸気)は、一部が配管34を介して、流動層2のウインドボックス3から投入され、流動媒体5に供給されて流動層2内の吸熱ガス化反応に寄与する。他の一部は蒸気タービン31に供給されて、蒸気タービン発電機32を駆動して、蒸気タービンの発電電力44として取り出すことができる。
蒸気タービン31の下流には復水器33が設けられていて、排気圧力を下げることにより熱落差を大きくして蒸気タービン発電機32の発生電力の増加を図っている。また、蒸気タービン31を出た蒸気は、配管35を介して電気分解槽26に送られ、熱および電気分解用の水の供給源となる。電気分解に必要な直流電力46は、余剰電力などを別途供給してもよいが、燃料電池6の発電電力42の一部を利用することも可能である。
水素タンク21には電気分解槽26からも配管27を介して水素が供給される。このとき、配管27を介して供給される水素の温度は低いので、水素タンク21の高温の水素と熱交換することが望ましい。熱交換器29は、低温の水素を熱交換により昇温するためのものである。本発明の実施形態において、燃料電池6で生じた蒸気の余剰分で蒸気タービン31を駆動して発電を行っているが、この余剰蒸気を冷暖房に使用することもでき、いわゆる地域冷暖房システムを構築することも可能である。この意味において、本実施形態は電力と熱のコジェネレーションシステムとみることができる。
図3に本発明の別の実施形態に係る基本的構成図を示す。図3において、本発明に係る発電装置は、流動層2内に燃料電池6を設置した流動層ガス炉8、集塵機12およびシフト反応器17を主要構成要素としている。シフト反応器17で生成された水素は水素タンク21に一時的に蓄えられて、その一部が燃料電池6に供給され、残りが配管38を介して他の設備に供給可能となっている。
なお、燃料電池6と水素タンク21の間の配管22の途中に調節弁36を配して、燃料電池6に供給する水素の量を調節してもよい。具体的には、図4に示すように制御装置52を設けて、調節弁36を調節してもよい。流動層ガス炉8に供給される原料1の重量を秤量器51を用いて測定する。そして、秤量器51からの信号と、原料特性テーブル53からの信号により、熱量計算回路54はガス化およびシフト反応に必要な熱量を計算する。原料特性テーブル53には、原料1が有する発熱量の統計データが含まれている。そして、水素量計算回路56にて、熱量計算回路54にて求めた熱量を発生するに必要な水素の量を計算する。水素の量の計算には、燃料電池6の発熱量と供給水素量と関係を保持した燃料電池特性テーブル55が利用される。制御装置52は、調節弁制御回路57を介して調節弁36を制御して、計算で求めた水素の量となるよう調節する。
本実施形態は、燃料電池6による発電を行いつつも水素を生産する設備でもあるので、電力と水素のコプロダクションシステムとして捉えることができる。図2に示す実施形態において、燃料電池6の熱は蒸気タービン31に供給され、熱の一部が回収されるが、復水器33を介して廃棄されるので、エネルギー損失の発生が避けられない。しかし、図3に示す、水素併産の発電装置によれば、廃熱によるエネルギー損失がないので、高い発電効率を達成することができる。
図5(a)に、電力と熱を併産する、電力熱のコジェネレーションのフローシートを示す。また、図5(b)に、電力と水素を併産する、電力水素のコプロダクションのフローシートを示す。図中の数値は石炭の持つエネルギーを100とした場合の、各段階におけるエネルギーを示しており、カッコ内の数値は、エネルギー割合とエクセルギー割合を示す。電力熱のコジェネレーション(図5(a))は、11%のエネルギーが排気されている。一方、電力水素のコプロダクション(図5(b))は、このようなエネルギー損失がない。
産業革命以来、電気エネルギー、運動エネルギー、位置エネルギーなどは石炭や石油、バイオマス、太陽光、原子力を熱に変換して取り出してきた。電気エネルギー、運動エネルギー、位置エネルギーなどは相互に変換することができるのでここでは電気エネルギーで表現する。熱エネルギーは蒸気機関、スターリング機関などの外燃機関やガスタービンエンジン、ディーゼルエンジン、火花点火機関などで電気エネルギーを取り出してきた。また燃料電池は水素を電気エネルギーにする際には熱の発生を伴ってきた。
上記発電方法では必ず熱が発生し、熱として利用するコジェネレーションを実施するか、または発生した熱を利用して更に温度レベルが低い熱機関を作動させてきた。また発生した熱を、燃焼用空気と熱交換して、熱の再利用をするなどの一次エネルギーの有効利用が図られてきた。
このような熱が発生する形式の発電装置は、熱交換を行い燃料や空気に伝熱させたり、熱のカスケード利用として、より低い温度域で作動する熱機関を設置してより多くの電気エネルギーを発生する工夫がなされているが、十分とはいえない。
負荷が変化する場合は、燃料供給量を変化させ発電量を変えている。燃料に対して空気量は一定の割合で制御する空燃比制御を行うことにより、排ガス損失を一定にしているが、負荷が下がると発熱量に対して放熱量は低下が少ないので発電効率が低下し、ボイラタービン発電機で100%負荷で40%の発電効率の発電機は、負荷33%では発電効率は30%程度に低下する。
燃料電池を使用して水素を電気エネルギーに変換するときには水素の発熱量の17%が熱となって発生する。この熱を利用して石炭、石油、バイオマス、天然ガスで水を還元して水素を製造すれば、熱の発生を抑えることができ、発電効率を上げることが可能となる。
燃料電池を使用して水素を電気エネルギーに変換するときには水素の発熱量の17%が熱となって発生する。この熱の発生量を低くするためには高圧水素を燃料電池に送り込み、水素を製造すれば熱の発生を抑えることができ、発電効率を上げることが可能となる。
燃料電池を使用して水素を電気エネルギーから製造するときには水素の発熱量の17%の熱が必要となり、その時常圧で水素と酸素を発生させると大気に対して仕事をすることになり損失となる。そこで電気分解を密閉空間で行なわせ、17%のTΔSを小さくすることができる。
これまでの部分燃焼ガス化燃料電池複合発電で計算上70%の発電効率であったものが、本発明に係る発電装置では、燃料電池の発熱を利用してガス化を行なうことにより、発電効率が89%に増加する。
図1は温度とエクセルギー率の関係を示している。化学反応により熱エネルギーを生成するとその過程がエクセルギーを減少させてしまう。温度が高いとエクセルギー率が高い。
図6は本発明の実施形態において中心的な役割を果たす流動層炉(gasifier)とシフト反応器(shift reactor)および燃料電池を抜き出した概略構成図である。図6において、石炭(coal)は高温の流動層に投入されて水蒸気を還元して水素と一酸化炭素を発生させる。一酸化炭素は水と反応して水素と二酸化炭素になるので全体では下式(6)となる。
C + 2H2O + Q = CO2 + 2H2 (6)
ここでQは反応に必要な熱量を示していて、流動層内に設置された燃料電池より発生する熱量で供給される。燃料電池では下式(7)の反応が起こる。
2H2 + O2 = 2H2O + Q + W (7)
ここでQは発電に伴う発熱量を示していて、炭素がガス化するときの熱量と同じ値である。Wは電気エネルギーである。この二つの式を足し合わせると下式(8)となり、炭素は酸素と反応して二酸化炭素と電気エネルギーに変換される。
C + O2 = CO2 + W (8)
図7は石炭、石油、バイオマスなどをガス化して燃料電池で発電する場合におけるエネルギー変換ダイヤグラムを示している。原料の持っているエネルギーを上段に示し、下段にエクセルギーを示している。エネルギー100の石炭は95のエクセルギーを持っている。石炭に燃料電池よりエクセルギー17エネルギー35の水蒸気と熱を供給して900℃のエクセルギー率83%エクセルギー112エネルギー135の水素を生成する。水素は燃料電池(SOFC)で60%の効率で81の電気エネルギーになり、残りのエクセルギー17エネルギー35の水蒸気と熱を流動層に供給してエクセルギー10エネルギー19の熱と水素で蒸気タービン発電により効率40%で8の電気をえる。合計89の電気が発生し、発電効率89%エクセルギーベースで94%の発電装置となる。
本発明に係る発電装置は、商用電力系統の発電所における発電装置として好適に用いることができる。また、自家発電設備における発電装置やマイクログリッドに接続する発電装置としても好適に用いることができる。
1 原料
2 流動層
3 ウインドボックス
4 分散板
5 流動媒体
6 燃料電池
7 フリーボード部
8 流動層ガス炉
11 配管(a生成ガス)
12 集塵機
13 排出路
14 配管
17 シフト反応器
18 配管
19 配管
21 水素タンク
22 配管
23 酸素タンク
24 配管
25 配管
26 電気分解槽
27 配管
28 配管
29 熱交換器
31 蒸気タービン
32 蒸気タービン発電機
33 復水器
34 配管
35 配管
36 調節弁
38 配管
42 燃料電池発電電力
44 蒸気タービン発電電力
46 直流電力
51 秤量器
52 制御装置
53 原料特性テーブル
54 熱量計算回路
55 燃料電池特性テーブル
56 水素量計算回路
57 調節弁制御回路
このため、前記流動層ガス炉において、前記原料をガス化するのに必要な熱を前記燃料電池の発電により生じた熱を用いることが好ましい。すなわち、この構成によれば、燃料電池が流動層内に設置されているので、燃料電池が反応(発電)に際して生成する熱は無駄なく直接流動媒体を介して流動層に伝達され、効果的に流動層ガス炉内の原料のガス化に必要な熱を供給する。通常、流動層ガス炉においては、原料の部分燃焼による熱を利用して原料のガス化を図っている。しかし、本発明に係る発電装置においては、原料のガス化に必要な熱は、原料の燃焼による熱を用いるのではなく、燃料電池の反応(発電)により生じた熱を用いる。本発明に係る発電装置においては、燃焼過程が存在しないという特徴を有する。本発明の意図するところは、発電効率をエクセルギー率ΔG/ΔHに近づける手段として、燃焼過程を排除することである。これによって熱を取り出す操作が無くなり、発電効率は理論効率であるエクセルギー率ΔG/ΔHになる。
更に、TΔSを減少させてΔGを増加する手段がある。すなわち、ΔGは温度と圧力により決まるので、プロセスを組んで温度と圧力を上げることにより、TΔSを小さくして、ΔG/ΔHの値を上げることができる。
一般の流動層ガス炉においては、炉の底部にあるウインドボックスから空気を吹き込むことにより、高温の砂などの流動媒体を層内で熱風により流動化させ、その中で原料等を熱分解することによりガス化を行っている。空気を送風機等で流動層内に送り込めば、空気に含まれる酸素により原料が燃焼する。発電に燃焼過程が関与すれば、エクセルギー損失が発生して、エクセルギー率ΔG/ΔHの低下を招くことは前述の通りである。また流動化に空気を使えば、窒素も加熱することとなる。しかし、本発明に係る発電装置における流動層ガス炉において、流動化は、燃料電池の反応(発電)により生じた蒸気を用いている。流動化のために空気を外部から取り入れることは行っていないので、エクセルギー率ΔG/ΔHの値の低下を防ぐことができる。
高圧の蒸気を用いることにより、流動層ガス炉およびその下流の圧力を高く維持することが可能となる。反応の圧力が高いと、エクセルギー率は高くなる。
本発明に係る発電装置は、炭素および/または炭化水素を含む原料を加熱してガスを生成する流動層ガス炉と、前記流動層ガス炉でガス化された生成ガスから水素を生成するシフト反応器と、前記シフト反応器で生成された水素を用いて発電する燃料電池を有する発電装置であって、前記燃料電池が前記流動層ガス炉内に設置されており、かつ、前記原料のガス化に必要な熱を、前記原料の燃焼によらず、前記燃料電池の発電により生じる熱を用いる。
本発明に係る発電装置は、炭素および/または炭化水素を含む原料を加熱してガスを生成する流動層ガス炉と、前記流動層ガス炉でガス化された生成ガスから水素を生成するシフト反応器と、前記シフト反応器で生成された水素を用いて発電する燃料電池を有する発電装置であって、前記燃料電池が前記流動層ガス炉内に設置されており、かつ、前記流動層ガス炉における流動化のための気体を、外部から供給することなく、前記燃料電池の発電により生じた蒸気を用いる。
本発明に係る発電方法は、流動層ガス炉内に設置された燃料電池により発電を行うステップと、前記燃料電池の発電の際に発生する熱により、炭素および/または炭化水素を含む原料をガス化して生成ガスを生成するステップと、前記燃料電池の発電の際に発生する熱により、前記生成ガスを改質して水素を生成するシフト反応ステップと、前記シフト反応ステップにおいて生成された水素を前記燃料電池に供給して発電するステップと、前記燃料電池の発電により生じた蒸気を蒸気タービンに供給して発電をするステップを有する。この方法によれば、燃料電池は、流動層内に設置されている。原料は炭素および/または炭化水素を含む。
また、本発明に係る発電方法は、流動層ガス炉内に設置された燃料電池により発電を行うステップと、前記燃料電池の発電の際に発生する熱により、炭素および/または炭化水素を含む原料をガス化して生成ガスを生成するステップと、前記燃料電池の発電の際に発生する熱により、前記生成ガスを改質して水素を生成するシフト反応ステップと、前記シフト反応ステップにおいて生成された水素を、前記流動層ガス炉に供給された前記原料の量に応じて、前記燃料電池に供給して発電するステップと、前記シフト反応ステップにおいて生成された水素のうち、前記燃料電池に供給されない水素を取り出すステップを有することが好ましい。この方法によれば、燃料電池は、流動層内に設置されており、原料は炭素および/または炭化水素を含む。そして、流動層ガス炉およびシフト反応器で生成された水素の一部が燃料電池に供給されて発電を行い、残りの水素は生産物として取り出すことができるので、水素併産の発電方法ということができる。

Claims (15)

  1. 炭素および/または炭化水素を含む原料を加熱してガスを生成する流動層ガス炉と、
    前記流動層ガス炉でガス化された生成ガスから水素を生成するシフト反応器と、
    前記シフト反応器で生成された水素を用いて発電する燃料電池を有する発電装置であって、
    前記燃料電池が前記流動層ガス炉内に設置されている発電装置。
  2. 前記流動層ガス炉には、流動層が配備されていて、更に、前記流動層の下部には分散板が配備されていて、
    前記燃料電池が前記流動層内であって前記分散板の下流に配置されている請求項1に記載の発電装置。
  3. 前記流動層ガス炉において、前記原料をガス化するのに必要な熱を前記燃料電池の発電により生じた熱を用いる請求項1に記載の発電装置。
  4. 前記燃料電池の発電の際に生じた蒸気を、前記分散板の上流に配備したウインドボックスから流動層ガス炉に供給する請求項2に記載の発電装置。
  5. 前記シフト反応器には、前記燃料電池の発電により生じた水蒸気が供給されるようになっていて、当該水蒸気の熱を利用して、前記生成ガスから水素が生成される請求項1に記載の発電装置。
  6. 前記シフト反応器は、前記生成ガスから水素だけを生成する請求項5に記載の発電装置。
  7. 前記燃料電池の発電により生じた蒸気を蒸気タービンに導き、当該蒸気タービンにより駆動される発電機を備えた請求項1に記載の発電装置。
  8. 前記蒸気タービンの排気出口に、前記蒸気タービンの排気を電気分解する、密閉構造を有する電気分解槽が接続されていて、電気分解により生じた水素および酸素を前記燃料電池に供給して発電する請求項7に記載の発電装置。
  9. 前記シフト反応器からの水素が前記燃料電池に供給されると共に、系外に取り出し可能となっている請求項1に記載の発電装置。
  10. 前記シフト反応器と前記燃料電池の間に、前記燃料電池に供給する水素の量を調節する調節弁が設けられている請求項9に記載の発電装置。
  11. 前記原料の重量を測定する秤量器と、前記調節弁を制御する制御装置を備えていて、
    前記制御装置は、前記秤量器からの信号に基づき前記原料のガス化に必要な熱量を計算する熱量計算回路と、当該熱量計算回路からの信号に基づき前記燃料電池の発電に必要な水素の量を計算する水素量計算回路と、当該水素量計算回路の出力に応じて前記調節弁を制御する調節弁制御回路を有している請求項10に記載の発電装置。
  12. 炭素および/または炭化水素を含む原料を加熱してガスを生成する流動層ガス炉と、
    前記流動層ガス炉でガス化された生成ガスから水素を生成するシフト反応器と、
    前記シフト反応器で生成された水素を用いて発電する燃料電池を有する発電装置であって、
    前記原料のガス化に必要な熱を、前記原料の燃焼によらず、前記燃料電池の発電により生じる熱を用いる発電装置。
  13. 炭素および/または炭化水素を含む原料を加熱してガスを生成する流動層ガス炉と、
    前記流動層ガス炉でガス化された生成ガスから水素を生成するシフト反応器と、
    前記シフト反応器で生成された水素を用いて発電する燃料電池を有する発電装置であって、
    前記流動層ガス化炉における流動化のための気体を、外部から供給することなく、前記燃料電池の発電により生じた蒸気を用いる発電装置。
  14. 燃料電池により発電を行うステップと、
    前記燃料電池の発電の際に発生する熱により、前記原料をガス化して生成ガスを生成するステップと、
    前記燃料電池の発電の際に発生する熱により、前記生成ガスを改質して水素を生成するシフト反応ステップと、
    前記シフト反応ステップにおいて生成された水素を前記燃料電池に供給して発電するステップと、
    前記燃料電池の発電により生じた蒸気を蒸気タービンに供給して発電をするステップを有する発電方法。
  15. 燃料電池により発電を行うステップと、
    前記燃料電池の発電の際に発生する熱により、前記原料をガス化して生成ガスを生成するステップと、
    前記燃料電池の発電の際に発生する熱により、前記生成ガスを改質して水素を生成するシフト反応ステップと、
    前記シフト反応ステップにおいて生成された水素を、前記流動層ガス炉に供給された前記原料の量に応じて、前記燃料電池に供給して発電するステップと、
    前記シフト反応ステップにおいて生成された水素のうち、前記燃料電池に供給されない水素を取り出すステップを有する水素併産の発電方法。

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