JPWO2013002373A1 - 食品開発支援装置、食品開発方法、食品製造方法、食育支援装置及び食育方法 - Google Patents

食品開発支援装置、食品開発方法、食品製造方法、食育支援装置及び食育方法 Download PDF

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Abstract

嚥下現象を解析して、食べ易い又は飲み易い食品を開発する。
口腔モデル11を形成する口腔モデリング部10と、各口腔器官の器官特性を設定する器官特性設定部20と、各口腔器官の運動を設定する器官運動設定部30と、食品の物性を設定する食品物性設定部40と、擬似食品を口腔に入力する入力部81と、口腔器官モデル11における各口腔器官の運動と擬似食品41の挙動を、粒子法を用いて解析する運動解析部50と、解析結果から、食品の食べ易さ、飲み易さの評価結果を記録する評価結果記録部83Bと、評価結果に基づいて適正とされる食品の物性物性を有するように製造条件を適宜に設定して試作を行なった結果を記録する食品試作結果記録部83Cと、食品試作結果記録部83Cに記録された試作結果に基づき、食品の物性を物性決定部70で適正と決定された物性にする製造条件を決定する製造条件決定部84とを備える。

Description

本発明は食品開発支援装置、食品開発方法、食品製造方法、食育支援装置及び食育方法に関する。詳しくは、口腔ならびに咽喉を通過する際の流体・食塊の挙動について粒子法を用いて解析を行う嚥下シミュレーション方法を利用した食品開発支援装置、食品開発法、食品製造方法、食育支援装置及び食育方法に関する。
嚥下動作、特に嚥下時の食品物性と口腔器官の運動は複雑であり、現象そのものを正確に把握することは非常に困難である。しかし医療や介護の現場では、高齢者や障害者の誤嚥、誤飲を防ぐため、さまざまな試行錯誤を繰り返し、誤嚥・誤飲リスクの低減に努めている。また、昨今のこんにゃくゼリーによる窒息事故を踏まえ、食品全般において客観的な数値や指標をもって食品の安全性を保証することが必要となってきた。
嚥下現象の解明には、嚥下造影や筋電位測定などの生体情報を直接入手する方法と、嚥下ロボットや数値シミュレーションなどを用いて間接的に情報を入手する方法の二つがある。
図20に嚥下造影(レントゲン撮影像)の例を示す。左図では液体49が口腔内にあり、中図では一部咽喉に流れ、右図では飲み込まれて無くなっている。
図21に筋電位測定の例を示す。咬筋と舌骨上筋群に電極を取り付け、筋電位波形を測定する。筋電位波形を積分して筋活動量を算定する。
生体情報を直接入手する方法は、嚥下時の正確な挙動が把握できる半面、さまざまな条件におけるデータを採取するためには、被験者に多大な負担がかかるというデメリットがある。
一方、間接的に情報を入手する方法のひとつとして、嚥下ロボット(非特許文献1参照)の利用がある。嚥下ロボットは嚥下現象の簡易的な原理の理解には充分有用であるが、ロボットの口腔器官の挙動や構造を変更することは容易ではない。
また、これまで生体内での流体・固形物など食塊の挙動に関する数値解析が行われている。流体に関しては解析対象領域内をメッシュと呼ばれる格子で区切り、その格子点や格子内部における物理量(速度、温度、圧力)を解析する格子法を用いた計算が行われている(非特許文献2参照)。また食塊を半固体としてあつかう場合は、有限要素法など、機械部品の構造解析手法を用いた計算が行われている(非特許文献3参照)。
小林ら,ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集,2005,117 神津ら,化学工学会秋季大会講演要旨集41回,2009,P09 水沼ら,日本機械学会年次大会講演論文集,2005(2),83−84
しかし、従来の数値解析の主流である格子法では、実際の嚥下時の流体・食塊に見られる、表面の大変形や飛沫化などの現象を捉えることが難しく、実現象を再現することが困難であった。そこで、発明者達は、本願と同日付けで出願した「嚥下シミュレーション装置及び方法」において、嚥下に関する実現象を近似的に再現することが容易な嚥下シミュレーション装置及び嚥下シミュレーション方法を提案した。
本発明は、当該嚥下シミュレーション方法を用いて嚥下現象を解析し、食べ易い又は飲み易い食品を開発することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る食品開発支援装置200Aは、例えば図11に示すように、口腔器官からなる口腔モデル11(図3参照)を形成する口腔モデリング部10と、口腔モデル11における各口腔器官の器官特性を設定する器官特性設定部20と、口腔モデル11における各口腔器官の運動を設定する器官運動設定部30と、解析対象としての食品、医薬品又は医薬部外品(以下、食品等という)及びその物性を設定する食品物性設定部40と、食品等をモデル化した擬似食品を口腔に入力する入力部81と、口腔モデル11における各口腔器官の運動と擬似食品41の嚥下時の挙動を粒子法を用いて解析する運動解析部50と、運動解析部50で解析された各口腔器官の運動と擬似食品41の嚥下時の挙動の解析結果を動画面に表示する表示部82と、擬似食品41の嚥下時の挙動の解析結果から、食品等の食べ易さ、飲み易さの評価結果を記録する評価結果記録部83Bと、評価結果記録部83Bに記録された評価結果に基づいて適正とされる食品等の物性を決定する物性決定部70と、物性決定部70で適正と決定された物性を有するように製造条件を適宜に設定して試作を行なった結果を記録する食品試作結果記録部83Cと、食品試作結果記録部83Cに記録された試作結果に基づき、食品等の物性を物性決定部70で適正と決定された物性にする製造条件を決定する製造条件決定部84とを備える。
ここにおいて、口腔器官は口腔壁12、食道13、気道14、舌15、軟口蓋16、喉頭蓋17等で構成される(図3参照)。口腔壁12は硬口蓋(手前側)と軟口蓋(奥側)で構成される。軟口蓋16は硬口蓋後方の柔らかい粘膜製の部分であって、口蓋帆、口蓋垂を含む。口蓋帆は嚥下時に鼻腔と口腔を遮断する。口蓋垂は口蓋帆から垂れた部位である。口腔モデル11は上記各口腔器官を含んで構成される。食道13及び気道14は入り口部分だけ含めば良い。口腔モデル11は口腔器官の実際の運動に合わせて形成されるのが好ましいが、解析を簡素・容易にするため可動部分を限定しても良い。各口腔器官の器官特性には、寸法、弾性体か剛体か、弾性体の場合には弾性係数等が含まれる。各口腔器官の運動には、移動、回転、周期的運動等が含まれる。食品等の物性として、食品等が液体であれば、液量・粘度・表面張力・比重が含まれ、半固体(塑性を有するが、流動性を有さない)であれば、量・粘度・比重が含まれ、固体であれば、形状・寸法・弾性係数・引っ張り強さ・降伏点・降伏点応力、粘度のずり速度依存性、動的粘弾性、静的粘弾性、圧縮応力、破断応力、破断ひずみ、硬度、付着性、凝集性等が含まれる。また、擬似食品の嚥下に係る挙動とは、典型的には口腔から咽喉を経て食道に移動する挙動をいうが、咽喉や食道に到らず口腔に戻る場合や、気道や鼻腔に入ってしまう場合もあり得る。
入力部81は、例えばマウスやキーボードを含み、口腔モデル11の口腔内部にマウスをドラッグすることにより、擬似食品(擬似医薬品又は擬似医薬部外品を含む)を入力する。また、食品入力設定部45(図14参照)を設け、予め擬似食品とその投入場所と投入時間を設定しておき、自動的に擬似食品が投入されるようにしても良い。運動解析部50は、粒子法を用いて解析するが、例えばMSP(Moving particle−Semi−implicit)法を使用できる。表示部82の「動画面に表示」は、典型的には液晶ディスプレイ等の動画面への表示が用いられる。動画面を表示することにより、評価者が動画面を観察して評価するのに役立つが、自動的に評価を行う場合もある(第2の態様参照)。評価者が評価する場合には、評価者は動画面を観測すると共に表示部82に表示された評価表に入力部81から評価結果を入力する。
本態様のように構成すると、食品開発支援装置200Aは、口腔モデル11について、器官特性、口腔器官の運動、食品の物性を設定し、粒子法を用いて食品の挙動を解析するので、嚥下に関する実現象を再現することが容易である。そして、かかる嚥下に関する実現象を再現することが容易な嚥下シミュレーション方法を用いて嚥下現象を解析し、食べ易い又は飲み易い食品を開発することができる。
また、本発明の第2の態様に係る食品開発支援装置200Bは、第1の態様において、例えば図16に示すように、動画面における擬似食品41の嚥下時の挙動から、食品等の食べ易さ及び/又は飲み易さを評価する評価部60を備え、動画面は、運動解析部50で解析された各口腔器官の運動と擬似食品41〜44の嚥下時の挙動の解析結果を模擬的に表示するために仮想空間に形成された仮想動画面であり、評価部60は、仮想動画面での擬似食品の挙動が予め定められた条件を満たすか否かで評価する。
ここにおいて、仮想動画面とは、パーソナルコンピュータPCの仮想空間に形成される仮想的な動画面をいうが、表示部82に表示した場合の動画面と同じ内容の動画面となる。自動的に評価を行う場合には、コンピュータ内に擬似画面表示部82Aを、記憶部83に評価条件記憶部83Aを設け、解析結果を擬似画面表示部82Aの仮想動画面に動的に表示し、評価条件記憶部83Aの評価条件と照合して評価を行う。評価結果は記憶部83の評価結果記録部83Bに自動的に記憶される。また、擬似画面表示部82Aは表示部82にも属し、仮想動画面は表示部82の動画面に属するものとする。なお、このような仮想動画面に動的に表示する場合も「動画面に表示」に含まれるものとする。また、予め定められた条件とは、例えば、気道に入らない、食道に詰まらない、舌上や食道に付着しない、口腔内導入から食道通過までの時間が所定の範囲内である、壁面が受ける応力が所定の値以下である、壁面におけるせん断応力が所定の値以下である等である。本態様のように構成すると、仮想動画面と評価条件記憶部83Aに記憶された評価条件とを照合して、食品等の食べ易さ及び/又は飲み易さを自動的に評価できる。
上記課題を解決するために、本発明の第3の態様に係る食品開発方法は、例えば図12に示すように、口腔器官からなる口腔モデル11を形成する口腔モデリング工程(S010)と、口腔モデル11における各口腔器官の器官特性を設定する器官特性設定工程(S020)と、口腔モデル11における各口腔器官の運動を設定する器官運動設定工程(S030)と、解析対象としての食品等及びその物性を設定する食品物性設定工程(S040)と、食品等をモデル化した擬似食品を口腔に入力する入力工程(S050)と、口腔モデル11における各口腔器官の運動と擬似食品41の嚥下時の挙動を、粒子法を用いて解析する運動解析工程(S060)と、運動解析工程(S060)で解析された各口腔器官の運動と擬似食品41の嚥下時の挙動の解析結果を動画面に表示する表示工程(S070)と、擬似食品41の嚥下時の挙動の解析結果から、食品の食べ易さ、飲み易さを評価する評価工程(S080)と、評価工程(S080)にて適正とされる食品等の物性を決定する物性決定工程(S090)と、物性決定工程(S090)で適正と決定された物性を有するように製造条件を適宜に設定して試作を行なう食品試作工程(S110)と、食品試作工程(S110)の結果に基づき、食品等の物性を物性決定工程(S090)で適正と決定された物性にする製造条件を決定する製造条件決定工程(S120)とを備える。
本態様は第1の態様に係る食品開発支援装置100Aに対応する食品開発方法である。ここにおいて、評価工程(S080)は人間が評価する場合と、装置が自動的に評価する場合の両者を含む。また、物性決定工程(S090)では、例えば複数の物性値でシミュレートした場合には適正な物性の範囲が定まる。なお、適正な物性は一点であっても良い。物性が複数の場合には適正な範囲のマップを作成できる。また、適正な範囲を複数のレベルに分けて(ランクA〜ランクC等)示しても良い。また、食品試作工程(S110)では、物性決定工程(S090)で適正と決定された物性を有するように製造条件を適宜に設定して試作を行なう。製造条件決定工程(S120)では、食品試作工程(S110)の結果に基づき、食品の物性を物性決定工程(S090)で適正と決定された物性にする製造条件を決定する。この製造条件は、1点でも良いが、範囲を指定しても良い。また、最適値を定めても良く、適正な範囲をランク分けしても良い。
本態様のように構成すると、嚥下に関する実現象を再現することが容易な嚥下シミュレーション方法を用いて嚥下現象を解析し、食べ易い又は飲み易い食品を開発することができる。
また、本発明の第4の態様に係る食品開発方法は、第3の態様において、例えば図17に示すように、動画面は、運動解析工程(S060)で解析された各口腔器官の運動と擬似食品41の嚥下時の挙動の解析結果を模擬的に表示するために食品開発支援装置200Bにより仮想空間に形成された仮想動画面であり、表示工程は、解析結果を仮想動画面に模擬的に表示する仮想表示工程(S075)であり、評価工程(S080)は、仮想表示工程(S075)で模擬的に表示された仮想動画面での擬似食品の挙動が予め定められた条件を満たすか否かで評価する。
本態様のように構成すると、食品開発支援装置200Bは、仮想動画面と評価条件記憶部83Aに記憶された評価条件とを照合して、食物の食べ易さ、飲み易さを自動的に評価できる。
また、本発明の第5の態様に係る食品開発方法は、第3又は第4の態様において、例えば図12に示すように、食品物性設定工程(S040)から評価工程(S080)までを、食品物性設定工程(S040)において食品等の物性を変更して設定しながら、繰り返し行う。
このように構成すると、複数の異なる物性でシミュレーションが行なわれ、比較されるので、適正な物性の範囲を求めることができる。また、シミュレーションされた中から最適な物性を選ぶことも可能である。また、複数の物性を扱う場合には、多次元空間における適正な物性のマップを作成することができる。
また、本発明の第6の態様に係る食品開発方法は、第3ないし第5のいずれかの態様において、例えば図3に示すように、器官特性設定工程(S020)は、口腔壁を剛体に、舌を弾性体に設定し、器官運動設定工程(S030)は、舌内に複数の移動壁18を設け、複数の移動壁18が所定の周期で所定の位相差を持って、舌15の表面に交差する方向に動くことにより舌15が蠕動運動又は波動運動するように、軟口蓋16、喉頭蓋17及び食道壁19は蠕動運動又は波動運動に対して所定の位相差で運動するように設定し、運動解析工程(S060)は、舌15及び擬似食品41を粒子として取り扱う。
ここにおいて、舌15の表面は、表側(上側)表面をいう。また、蠕動運動は大腸・小腸等の消化管の運動を模擬した運動をいい、波動運動は波の動きを模擬した運動をいう。本態様のように構成すると、複数の移動壁18について、周期を同じ、位相をずらした運動を設定することにより、舌の蠕動運動又は波動運動を実現象に近いように再現することができ、嚥下現象において実現象を近似的に再現することができる。
また、本発明の第7の態様に係る食品開発方法は、第3ないし第6のいずれかの態様において、例えば図15に示すように、器官運動設定工程(S020)は、軟口蓋16及び喉頭蓋17の運動を回転中心が移動する回転体の運動として設定する。
このように構成すると、軟口蓋16及び喉頭蓋17の運動を実現象に近いように再現することができる。
また、本発明の第8の態様に係る食品開発方法は、第3ないし第7のいずれかの態様において、例えば図6に示すように、食品物性設定工程(S040)は、解析対象として異なる物性の液体又は固体の複数の擬似食品42,43を設定し、運動解析工程(S060)は、複数の擬似食品42,43について自由表面と複数の擬似食品間の境界を求め、複数の擬似食品42,43の連動挙動の解析を行なう。
このように構成すると、複数の擬似食品について、食品の連動挙動を実現象に近いように再現することができ、連動挙動の解析に有効である。
また、本発明の第9の態様に係る食品開発方法は、例えば図12に示すように、口腔モデリング工程(S010)は2次元の口腔器官モデル11を形成し、運動解析工程(S060)は2次元空間での擬似食品41の挙動の解析を行なう。
このように構成すると、口腔モデル11内での擬似食品41の挙動を2次元空間で近似的に表現することによって、簡素な解析に基づいて、効率的に食品の食べ易さ、飲み易さを評価できる。
また、本発明の第10の態様に係る食品製造方法は、例えば図13に示すように、第3ないし第9のいずれかの態様に係る食品開発方法の製造条件決定工程(S120)において、物性決定工程(S090)で適正と決定された物性にする製造条件であると決定された製造条件を用いて食品を調製する食品調製工程(S130)を備える。
ここにおいて、食品開発方法では、典型的にはシミュレーションを繰り返し行なって、適正な物性を確認し、そして適正な物性にするように製造条件を決定することにより、食品を開発していくのであるが、食品製造方法においては、製造工程中のいずれかの工程(例えば原料配合工程や焼成工程)で、食品開発方法の製造条件決定工程において決定された製造条件を用いて製造すれば、当該態様に該当することになる。
このように構成すると、食べ易さ、飲み易さが優れた食品を確実に製造できる。
上記課題を解決するために、本発明の第11の態様に係る食育支援装置300Aは、例えば図18に示すように、口腔器官からなる口腔モデルを形成する口腔モデリング部10と、口腔モデル11における各口腔器官の器官特性を設定する器官特性設定部20と、口腔モデル11における各口腔器官の運動を設定する器官運動設定部30と、解析対象としての食品等及びその物性を設定する食品物性設定部40と、食品等をモデル化した擬似食品41を口腔に入力する入力部81と、口腔器官モデル11における各口腔器官の運動と擬似食品41の嚥下時の挙動を粒子法を用いて解析する運動解析部50と、運動解析部50で解析された各口腔器官の運動と擬似食品41の嚥下時の挙動の解析結果を動画面に表示する表示部82と、擬似食品41の嚥下時の挙動の解析結果から、食品等の食べ易さ、飲み易さの評価結果を記録する評価結果記録部83Bと、表示部82で動画面に表示された擬似食品41の嚥下時の挙動を、評価結果記録部83Bに記録された食品の評価結果と関連させて解説する教示部85とを備える。
本態様は第1の態様に係る食品開発支援装置200Aを応用した食育支援装置300Aである。このように構成すると、嚥下に関する実現象を再現することが容易な嚥下シミュレーション方法を用いて嚥下現象を表示するので、食品の食べ易さ又は飲み易さを理解しやすく、食育に有効である。
上記課題を解決するために、本発明の第12の態様に係る食育方法は、例えば図19に示すように、口腔器官からなる口腔モデル11を形成する口腔モデリング工程(S010)と、口腔モデル11における各口腔器官の器官特性を設定する器官特性設定工程(S020)と、口腔モデルにおける各口腔器官の運動を設定する器官運動設定工程(S030)と、解析対象としての食品等及びその物性を設定する食品物性設定工程(S040)と、食品等をモデル化した擬似食品を口腔に入力する入力工程(S050)と、口腔モデル11における各口腔器官の運動と擬似食品41の嚥下時の挙動を、粒子法を用いて解析する運動解析工程(S060)と、運動解析工程(S060)で解析された各口腔器官の運動と擬似食品41の嚥下時の挙動の解析結果を動画面に表示する表示工程(S070)と、擬似食品41の嚥下時の挙動の解析結果から、食品の評価を行う評価工程(S080)と、表示工程(S070)で動画面に表示された擬似食品41の嚥下時の挙動を、評価工程(S080)で評価された食品の評価結果と関連させて教示する教示工程(S082)とを備える。
本態様は第11の態様に係る食育支援装置300Aに対応する食育方法である。このように構成すると、嚥下に関する実現象を再現することが容易な嚥下シミュレーション方法を用いて嚥下現象を表示するので、食品の食べ易さ又は飲み易さを理解し易く、食育に有効である。
本発明によれば、嚥下に関する実現象を再現することが容易な嚥下シミュレーション方法を用いて嚥下現象を解析し、食べ易い又は飲み易い食品を開発することができる。
格子法と粒子法の違いを説明するための図である。 実施例1における嚥下シミュレーション装置の構成例を示す図である。 口腔モデルの例を示す図である。 水の嚥下現象を模擬的に示す図である。 粘着性の食塊(餅想定)の嚥下現象を模擬的に示す図である。 粘着性の食塊、水すすぎ時の嚥下現象を模擬的に示す図である。 ゼリー様食塊の嚥下シミュレーション結果を示す図である。 喉頭蓋移動が遅い場合の嚥下現象を模擬的に示す図である。 食道・気道の境界面の移動が遅い場合の嚥下現象を模擬的に示す図である。 実施例1における嚥下シミュレーション方法の処理フロー例を示す図である。 実施例1における食品開発支援装置の構成例を示す図である。 実施例1における食品開発方法の処理フロー例を示す図である。 実施例1における食品製造方法の処理フロー例を示す図である。 実施例2における嚥下シミュレーション装置の構成例を示す図である。 実施例2における嚥下シミュレーション方法の処理フロー例を示す図である。 実施例2における食品開発支援装置の構成例を示す図である。 実施例2における食品開発方法の処理フロー例を示す図である。 実施例5における食育支援装置の構成例を示す図である。 実施例5における食育方法の処理フロー例を示す図である。 嚥下造影の例を示す図である。 筋電位測定の例を示す図である。
この出願は、日本国で2011年6月30日に出願された特願2011−146781号に基づいており、その内容は本出願の内容として、その一部を形成する。本発明は以下の詳細な説明によりさらに完全に理解できるであろう。本発明のさらなる応用範囲は、以下の詳細な説明により明らかとなろう。しかしながら、詳細な説明及び特定の実例は、本発明の望ましい実施の形態であり、説明の目的のためにのみ記載されているものである。この詳細な説明から、種々の変更、改変が、本発明の精神と範囲内で、当業者にとって明らかであるからである。出願人は、記載された実施の形態のいずれをも公衆に献上する意図はなく、改変、代替案のうち、特許請求の範囲内に文言上含まれないかもしれないものも、均等論下での発明の一部とする。
以下に図面に基づき本発明の実施の形態について説明する。尚、各図において、互いに同一又は相当する部分には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
[粒子法]
本実施の形態では、液面の大変形や飛沫などの表現が可能な解析方法として、解析対象の液体や固体を粒子として扱う、粒子法を用いてシミュレーションを行なう。そこで、まず、粒子法について説明する。
図1に従来の解析手法である格子法と新しい解析手法である粒子法の違いを示す。図1(a)に格子法の概念図を、図1(b)に粒子法の概念図を示す。格子法では解析領域を格子で分割し、格子毎に物理量を計算する。すなわち、液面の変化は格子の形に沿うものとなり、飛沫や液面が大きく変形する場合の解析は困難である。これに対して、粒子法、特にMPS(Moving particle−Semi−implicit)法は1995年に開発された比較的新しい解析手法である(Koshizuka et al,Comput.Fluid Dynamics J,4,29−46,1995)。流体を粒子で置き換え、粒子毎に物理量を計算する。その結果、液面の微妙な変化の解析が可能となり、飛沫や液面が大きく変形する場合の解析が可能になる。しかしながら、粒子法を用いた生体内部の流体・食塊の解析はこれまで行われていない。そこで、発明者達は、生体内液体・食塊挙動の推定に粒子法を応用した、シミュレーション装置とシミュレーション方法とを開発した。以下にその実施の形態について説明する。
MPS法では、非圧縮性流れの支配方程式として、質量保存式と運動量保存式をたてる。運動量保存則の時間微分にはラグランジュ微分を用いればよく、移動・流動を表す項を陽に表記する必要はない。重み関数w(r)(粒子間距離rの関数で、w(r)=r/r−1;0≦r<r,w(r)=0;r<r)を示し、一定の距離r内で粒子間距離rの減少関数となり、一定の距離外で0となる)を導入し、粒子間相互作用にこの重み核関数を利用する。粒子間相互作用モデルで各粒子の位置における物理量について、ラプラシアンモデルをたて、離散化方程式を解く。これを行列方程式の解法に従って解くと、速度が得られ、各粒子の位置が確定する。
本実施例に係る嚥下シミュレーション方法を実行するためのシミュレーター(解析ソフトウェア)は口腔器官のモデリングを行い、口腔ならびに咽喉を通過する際の流体・食塊の挙動について粒子法を用いて解析を行うものである。
シミュレーターによる解析結果から、例えば、
(a)食物の物性値の違いによる、嚥下・誤嚥・誤飲リスクの推定、
(b)食物の物性値の違いによる、嚥下時間の推定、
(c)食物の物性値の違いによる、咽喉壁にかかる力、およびせん断応力の推定、
(d)上記データと官能評価との相関から、飲み易さ・食べ易さ、飲み難さ・食べ難さの評価、を行う。
評価は、評価者が行なう場合と、嚥下シミュレーション装置が自動的に行なう場合がある。
[嚥下シミュレーション装置構成]
図2に実施例1における嚥下シミュレーション装置100Aの構成例を示す。実施例1では、評価者が食品の入力を行い、動画像を見て嚥下評価を行なう例を説明する。
嚥下シミュレーション装置100Aは、口腔器官からなる口腔モデルを形成する口腔モデリング部10と、口腔モデルにおける各口腔器官の器官特性を設定する器官特性設定部20と、口腔モデルにおける各口腔器官の運動を設定する器官運動設定部30と、解析対象としての食品及びその物性を設定する食品物性設定部40と、食品をモデル化した擬似食品を口腔に入力する入力部81と、口腔器官モデルにおける各口腔器官の運動と擬似食品の嚥下時の挙動を、粒子法を用いて解析する運動解析部50と、運動解析部50で解析された各口腔器官の運動と擬似食品の嚥下時の挙動の解析結果を動画面に表示する表示部82と、評価結果に基づいて適正とされる食品等の物性を決定する物性決定部70と、嚥下シミュレーション装置100A及びその各部を制御して、嚥下シミュレーション装置100Aとして機能させる制御部90と、口腔モデル、器官特性、設定条件、解析結果、評価結果を記憶する記憶部83とで構成される。このうち、口腔モデリング部10、器官特性設定部20、器官運動設定部30、食品物性設定部40、運動解析部50、物性決定部70、制御部90はパーソナルコンピュータPCで実現でき、パーソナルコンピュータPC内に設けられる。評価者は表示部82の動画面を観察して評価を行ない、評価結果を入力部81から入力する。入力された評価結果は記憶部83の評価結果記録部83Bに記録される。なお、本発明では人(例えば評価者)が物性決定を行なう態様も可能である(実施例4参照)。
図3に口腔モデル11の例を示す。図3(a)に当該モデルにおける可動部分を、図3(b)に当該モデルにおける舌15の移動壁18(蠕動運動を行なう)部分を示す。本実施例では移動壁18が4個で蠕動運動を行なう例を示す。口腔モデリング部10は、口腔壁12、食道13(入口部分を示す)、気道14(入口部分を示す)、舌15、軟口蓋16、喉頭蓋17等の口腔器官からなる口腔モデル11を形成する。各口腔器官の器官特性(剛体、弾性体、塑性体、粘性体、粉体、流動体等の分類、及び弾性率、粘度等の物性は、器官特性設定部20で設定される。簡単のため、舌15、軟口蓋16、喉頭蓋17、食道入口13を弾性体とし、他は剛体とした。口腔器官の運動(往復運動、回転運動,蠕動運動等)は器官運動設定部30で設定される。簡単のため、舌15の運動を蠕動運動で表し、軟口蓋16、喉頭蓋17は付け根の往復運動と付け根の回りの回転運動で表し、食道13の入口部分は食道13の中心軸と直角方向への往復運動で表すこととした。なお、蠕動運動に代えて波動運動を用いることも可能である。
ここで図2に戻る。嚥下シミュレーションの対象として、食品の他に医薬品・医薬部外品(「食品、医薬品又は医薬部外品」を「食品等」という)を扱うことが可能である。食品物性設定部40は食品等が液体であれば、液量・粘度・表面張力・比重等の物性を、食品等が固体であれば、形状・寸法・弾性係数・引っ張り強さ・降伏点・降伏点応力・粘度のずり速度依存性・動的粘弾性・静的粘弾性・圧縮応力・破断応力・破断ひずみ・硬度・付着性・凝集性等の物性を、食品等が半固体(可塑性があるが、流動性はない)であれば、量・粘度・比重・降伏点・降伏点応力・粘度のずり速度依存性・動的粘弾性・静的粘弾性・圧縮応力・付着性・凝集性等の物性を設定する。
入力部81は、マウス、キーボード等の入力機器で構成され、投入すべき擬似食品を口腔内に投入する。例えばマウスを口腔内にドラッグし、擬似食品の口腔内への投入位置は例えば口腔内で歯の近傍(例えば擬似食品の長さの1/2以内)とし、ドラッグ直後の時間を投入時間とする。
運動解析部50では、口腔器官の運動に伴う擬似食品の嚥下時の挙動を解析する。舌15の蠕動運動又は波動運動と軟口蓋16、喉頭蓋17は付け根の往復運動と付け根の回りの回転運動で表し、食道入口13の往復運動により、口腔内部に投入された食物が動かされる。食物の動きは粒子法により解析される。食物は固体・半固体・液体のいずれでも粒子として取り扱われる。
表示部82は食物の挙動の解析結果を動画面に表示する。動画像の1コマを静止画像として表示することも可能であり、時間を逆に辿り巻き戻し表示することも可能である。
記憶部83は、口腔モデル、器官特性、設定条件、解析結果、評価結果等を記憶する。
評価は評価者が表示部82の動画面を見て行なう。例えば表示部82に表示された評価表のセルに○×、ランク、点数等を入力する。評価結果は評価結果記録部83Bに記録される。食品物性設定部40で食品等の物性値を変化させて評価を行なうことにより、食品等の適正な物性値を求めることができる。物性決定部70は、評価結果記録部83Bに記録された評価結果に基づいて適正とされる食品等の物性を自動的に決定する。物性数は単数でも複数でも良い。適正な物性は例えば、適正な範囲のマップを作成して示しても良く、適正な範囲を複数のレベルに分けて(ランクA〜ランクC等)示しても良く、複数の点を示しても良く、最適な1点を示しても良い。求めるべき物性が多数の時には、多次元の主成分分析を用いて、適正な物性の範囲を求めても良い。
制御部90は、嚥下シミュレーション装置100A及びその各部を制御して、嚥下シミュレーション装置100Aとして機能させる。制御部90は内蔵メモリに嚥下シミュレーター(解析用ソフトウェア)を保有する。
[嚥下シミュレーター]
嚥下シミュレーターは汎用の2次元粒子法解析ソフト「Physi−Cafe」(Prometech Software社製)を用いて作成した。本解析ソフトは流体の物性値や時間などを数値として直接入力は出来ないものの、それぞれの無次元化された物理量を適宜変えることができ、定性的な解析を簡素化して高速で行える特長を有する。
図3(a)に口腔モデル11における可動部分を、図3(b)に当該モデルにおける舌15の移動壁18(蠕動運動を行なう)部分を示す。このモデルでは、簡略化のため、可動部分は、舌15、軟口蓋16、喉頭蓋17、食道13入口の4箇所のみとした。蠕動運動によって食塊を後方へ移送する仕組みは、弾性体である舌15の中に4つの移動壁18を埋め込み、同じ周期で振動幅を変え、位相をずらした運動を行なわせることにした。このモデルでは弾性体として設定した移動壁18は4個とした。1個では蠕動運動にならず、2個ではぎこちなく、3個以上でスムーズな蠕動運動を表現できる。5個以上では計算の負荷が大きくなる一方、自然さは3個又は4個の場合と大差ない。よって、3個又は4個の場合が好適である。これによって、弾性体(舌)が自ら変形しているような模擬動作を可能とし、通常の解析では非常に困難である弾性体の強制変形を表現することができた。この点は数値解析(シミュレーション)を行う上では特徴的な扱いである。また図3(b)に示すように、擬似食品及び舌15は液体、固体を問わず、すべて粒子で構成している。
表1に可動部分の運動を示す。移動量は関数で変位や角度を与えていることが、大きな特徴になっている。特に周期的な関数を利用することで連続したシミュレーションが可能である。表1のA〜Dは移動壁であり、図3(b)で左からA,B,C,Dの順に配置されている。
Figure 2013002373
各器官の移動量は表1内の式及びそのパラメータを変えることで容易に変更できる。具体的には正弦関数の振幅を変えることで移動量を調整でき、周期や位相を変えることで移動の速さやタイミングを調整できる。各部の調整の自由度が高い点も本シミュレーターの特徴である。
[解析事例1]
図4に水(粘度1mPa・sを想定)41を模擬した嚥下数値実験の解析例を示す。ここで、1回の嚥下にかかった解析時間(25sec)を実際の嚥下現象(今回の解析では口に入れてから1secで嚥下動作を完了すると定義)で除した無次元嚥下時間をtndと示す。
nd=0で舌15の上にあった液体(水)41は、tnd=0.24では舌15と軟口蓋16の間に保持される。tnd=0.36では軟口蓋16が後方へ移動・回転しながら、液体41が通過するスペースを作る一方で、鼻腔からの通路を塞いでいる様子がわかる。tnd=0.48では液体41が喉頭蓋17で蓋をされた気道14に入ることなく、食道13に流れている様子がわかる。tnd=0.6では喉頭蓋17が上昇する際には周囲に水41がなく、誤嚥・誤飲することはないことがわかる。この結果からこれまでの解析手法(格子法)では困難であった自由表面を伴う複雑な流体の挙動を粒子法で表現できていることも合わせて確認できる。
[解析事例2]
図5に付着性が高い餅42などの食塊を嚥下する際のシミュレーション結果を示す。今回開発したシミュレーターの基本になっている解析ソフトは、粘着性などの物性値は絶対値ではなく、ある標準的な物体の物性値との相対値として扱われているため、本シミュレーションでは、口蓋に付着する程度の粘着性を持たせるように、粘着性を適当に変化させて(約600〜2300J/m)解析を行った。tnd=0で舌15の上にあった粘着性食塊42は、tnd=0.24では口蓋壁12(硬口蓋)に張り付き、後方への流動はみられない。tnd=0.36では舌15の蠕動運動にもかかわらず、食塊42は口蓋に付着したまま延伸されている様子がわかる。tnd=0.48では喉頭蓋17で蓋をされているものの、食塊42は軟口蓋16に付着しており出てこない様子がわかる。最後にtnd=0.6においても粘着性の食塊42は軟口蓋16にしっかりと付着している。
図6に、粘着性の食塊42が軟口蓋16付近に閉塞している状態から、すすぎ用の液体(水を想定)43を口に含ませ、閉塞している食塊42を洗い流す様子をシミュレーションした結果を示す。tnd=0.36から口に含んだすすぎ水43が喉頭に流入するが、tnd=0.48においても粘着性食塊42は喉頭蓋17に残り、1回のすすぎでは洗い流すことが困難である様子が確認できる。実現象と同様に、粘着性が高い食塊のすすぎは複数回必要であることが本シミュレーターでも確認できた。
このように、本シミュレーターは粘度、粘着性、表面張力などが異なる液体、固体、半固体状態の食塊・流体の2以上を連成させて解けることがわかる。自由表面を持ち、かつ異なる物性の液体−液体、液体−固体、固体−固体の連成解析はこれまで非常に困難であったが、粒子法を用いることで容易に定性的な解析が可能になった。
[解析事例3]
図7に、ゼリーなどのある一定の力が加わると破壊する食塊44を嚥下する際のシミュレーション結果を示す。ここで、食塊44の硬さは基準食塊との相対的な比率である、相対弾性率を用いて表す。嚥下直前の食塊44の形はすべて共通とした。
図7(o)に嚥下直前の状態を示す。図7(a)に食塊44の相対弾性率が低い(相対弾性率=1)場合を示す。食道13に入る瞬間に食塊44は食道13の形状にそって変形し流れて行くことが分かる。図7(b)に相対弾性率が中程度(相対弾性率=2)の場合を示す。食道13の形に変形しきれず、はみ出した食塊44が食道13と喉頭蓋17とに挟まれ千切れていく瞬間を捉えている。ちぎれた食塊44が気道14に入ると誤嚥・誤飲となる。つまりある程度柔らかくても、食道13に入る大きさに変形できない限り、誤嚥・誤飲のリスクがあると考えられる。図7(c)に相対弾性率が高い(相対弾性率=4)の場合を示す。相対弾性率が高い食塊44であることから、形状がほとんど変形せず、喉頭蓋17での閉塞、もしくは気道14への流入が推定できた。
実現象においてもこんにゃくゼリーでの窒息事故の経験などから、窒息事故を防ぐために、製品の大きさや硬さは重要であることがわかっている。今回のシミュレーション結果でも同様の傾向が得られていることから考え、粒子法を用いた本シミュレーターはゼリー様の食塊の嚥下シミュレーションにも利用できる可能性が示唆された。
[解析事例4]
人体のいくつかの機能低下は誤嚥・誤飲を引き起こす可能性があると考えられる。そこで、人体のいくつかの機能低下について模擬検討を行った。
表2には喉頭蓋17の移動が遅くなった場合のシミュレーション条件を示した。具体的には喉頭蓋17の回転方向の振幅を小さく(半分に)した。

Figure 2013002373
図8に喉頭蓋17の移動が遅くなった場合のシミュレーション結果を示す。図4との比較からわかるように、図4ではtnd=0.48において、喉頭蓋17は完全に気道14に「フタ」をして液体41の気道14への流入を防いでいるが、機能制限を行った図8では喉頭蓋17が機能せず、ほとんどの水41が気道14へ誤飲されていることが確認できる。
表3に食道13入口部分の移動量が少なかった場合の解析条件を示した。具体的には食道13と気道14を仕切る食道壁の移動速度を遅く(半分に)した。

Figure 2013002373
図9にシミュレーション結果を示した。図4との比較からわかるように、図4ではtnd=0.48において、喉頭蓋17は完全に気道14に「フタ」をして液体41の気道14への流入を防いでいるのに対し、機能制限を行った図9では喉頭蓋17が完全に気道14を塞ぐことが出来ず、流入してくる水41の半分が気道14へ誤飲(誤吸気)されていることが確認できる。
このように、誤嚥・誤飲を起こす機能低下についても簡単な設定変更で模擬検証が行える。
以上のように、本シミュレーターによれば、様々な食品等の嚥下時の挙動の解析が可能である。定量的な検討には3次元解析が必要であるが、2次元でも3次元でもこれらの嚥下現象を解明する点において粒子法はすぐれている。この点が粒子法を嚥下シミュレーターに用いる際のメリットである。
図10に実施例1における嚥下シミュレーション方法の処理フロー例を示す。まず、口腔器官からなる口腔モデル11を形成する(S010:口腔モデリング工程)。次に、口腔モデル11における各口腔器官の器官特性を設定する(S020:器官特性設定工程)。次に、口腔モデル11における各口腔器官の運動を設定する(S030:器官運動設定工程)。次に、解析対象としての食品等及びその物性を設定する(S040:食品物性設定工程)。これらの設定内容は状況に応じて自由に選定できる。設定内容は記憶部83に記憶される。次に、食品をモデル化した擬似食品41〜44を口腔に入力する(S050:入力工程)。入力は例えば評価者がマウスでカーソルを口腔内にドラッグして行う。次に口腔器官モデル11における各口腔器官の運動と擬似食品41〜44の嚥下に係る挙動を、粒子法を用いて解析する(S060:運動解析工程)。例えばMSP法を使用できる。次に、運動解析工程(S060)で得られた解析結果を表示する(S070:表示工程)。次に、嚥下時の擬似食品41の挙動の解析結果から、食品の食べ易さ・飲み易さの評価を行う(S080:評価工程)。評価は評価者が表示部82の動画面を見て行なう。例えば表示部82に表示された評価表のセルに○×、ランク、点数等を入力する。評価を行なったら、食品物性設定工程(S040)に戻り、食品の物性を変更して設定し、それ以降の評価工程までを繰り返し行う。変更すべき物性値は評価者の判断で自由に選択できる。尤も1回目で適性な物性が見出されれば、その後の設定と評価を省略しても良い。次に、評価工程(S080)にて適正とされた食品の物性を決定する(S090:物性決定工程)。ここでは、適正な物性の範囲を示しても良く、適正な物性をランク分けしても良く、最適値を選定しても良い。
評価項目は、例えば次のようである。
(a)嚥下・誤嚥・誤飲リスク(口蓋壁等に付着して剥れ難い、咽喉や食道を塞ぐ、気道に入る)が有るか否か、
(b)嚥下時間がどの位か、閾値を超えるか、
(c)咽喉壁にかかる応力、およびせん断応力がどの位か、閾値を超えるか、
(d)(a)〜(c)に基づき、別にデータ取得した官能評価(美味しい、爽快感等)との相関性を考慮して、総合的に飲み易さ・食べ易さ、飲み難さ・食べ難さを評価する。
[食品開発]
次に、物性値を変化させてシミュレーションを行ない、シミュレーション結果を食品開発に結びつける例を説明する。
図11に食品開発支援装置200Aの構成例を示す。図2の嚥下シミュレーション装置100Aに、食品試作結果記録部83C、決定製造条件記録部83Dと製造条件決定部84が追加されている(図中太字で示す)。食品試作結果記録部83Cは、記憶部83に属し、物性決定部70で適正と決定された物性を有するように製造条件を適宜に設定して試作を行なった結果を記録する。製造条件決定部84は、パーソナルコンピュータPC内に設けられ、食品試作結果記録部83Cに記録された試作結果に基づき、食品等の物性を物性決定部70で適正と決定された物性にする製造条件を決定する。決定された製造条件は記憶部83の決定製造条件記録部83Dに記録される。これにより、物性決定部70で適正と決定された物性にする製造条件が明確になり、食べ易い及び/又は飲み易い物性の開発食品を確実に製造することができる。
図12に食品開発方法の処理フロー例を示す。図10の嚥下シミュレーション方法の処理フロー例の後に食品試作工程(S110)及び製造条件決定工程(S120)が追加されている。食品試作工程(S110)では、物性決定工程(S090)で適正と決定された物性を有するように製造条件を適宜に設定して試作を行なうものである。例えば、菓子について、原料の配合条件(配合比、攪拌等)、焼成条件(温度、時間、雰囲気等)、冷却条件(温度、時間、雰囲気等)、寸法等を適宜に設定して試作を行なう。試作の結果は、得られた物性を製造条件と関連付けて記憶部83の食品試作結果記録部83Cに記録される。製造条件決定工程(S120)では、食品試作工程(S110)での試作結果、すなわち食品試作結果記録部83Cに記録された試作結果に基づき、食品の物性を物性決定工程(S090)で適正と決定された物性にする製造条件を決定する。例えば、食品試作工程(S110)で、原料の配合比A、焼成温度Bのときに、適正と決定された物性になるとの結果が得られていれば、適正と決定された物性にする製造条件として、原料の配合比A、焼成温度Bと決定する。この製造条件は、1点でも良いが、範囲を指定しても良い。また、最適値を定めても良く、適正な範囲をランク分けしても良い。また、この決定は人が行なっても良く、製造条件決定部84で食品試作結果記録部83Cに記録された試作結果に基づいて自動的に行なっても良い。製造条件決定工程(S120)で決定された結果は、例えば記憶部83の決定製造条件記録部83Dに記録される。なお、人が決定する場合はノートに記録しても良い。
[解析事例5]
解析事例1では、水(ImPa・sを想定)を模擬した嚥下数値実験の解析例を示したが、ここでは、流体の粘度を変化させて解析を行なうこととする。例えば、水相に対してオリーブ油、オリーブスクワラン、ヒマシ油、カルナウバワックス等の植物油を乳化剤として添加できる。これら油性成分を液体全体の0.5〜20重量%になるように配合すると、O/W型エマルジョンタイプの乳化液体が形成され、乳化液体の粘度を調整できる。また、攪拌の回転数により粘度を調整できる(例えば特開平10−182339号公報参照)。
かかる粘度を変化させた乳化液体を擬似食品として、嚥下シミュレーターを用い解析を行なう。粘度が高くなるに従い、嚥下時間をtndが大きくなると考えられる。嚥下時間に閾値を設け、閾値以下であれば適正とし、閾値を超えると不適正とする。これにより、適正な粘度の範囲を定めることができる。よって、食品試作工程(S110)では、製造条件として、例えば乳化剤の配合比又は/及び攪拌の回転数を設定して試作を行ない、試作を通して適正な製造条件を決定する。
[解析事例6]
解析事例2では、食塊42の粘着性を変化させて解析を行っている。ところで高粘着性の食塊として、もち米から作成する餅が代表例であるが、もち小麦が農林水産省で開発され(「もち小麦商品開発研究会」ホームページ抜粋、[online]、[平成23年6月29日検索]、「もち小麦とは」http://mochikomugi.com/hiroba(参考資料1)、「FAQ」、http://mochikomugi.com/faq(参考資料2)参照、)もち小麦で作成した餅は米から作成した餅に比して粘着性が低く、食べ易いといわれている。そこで、もち米ともち小麦を混合し、混合比率を変化させることにより、作成される餅の粘着性を変化させることができると考えられる。また、餅を練る時間を変えることにより粘着性を変化させることができると考えられる。粘着性を変化させた擬似食品について嚥下シミュレーションを行ない、嚥下時に、擬似食品が口蓋壁や軟口蓋に付着してなかなかはがれない場合、咽喉や食道を塞いでしまう場合、又は嚥下時間が閾値を超える場合を不適正とし、そのように成らない場合を適正とする。これにより、適正な粘着性の範囲を定めることができる。よって、食品試作工程(S110)では、製造条件として、例えばもち米ともち小麦の混合比率又はもちを練る時間を設定して試作を行ない、試作を通して適正な製造条件を決定する。
[解析事例7]
解析事例2では、粘着性の食塊42が軟口蓋16付近に閉塞している状態から、すすぎ水4を用いて洗い流すシミュレーションをしている。ここでは、解析事例5の粘性を変えた乳化液体を用いて、洗い流すシミュレーションを行なう。それでもなお、嚥下シミュレーション時に、擬似食品が口蓋壁や軟口蓋に付着してなかなかはがれない場合、咽喉や食道を塞いでしまう場合、気道に入る場合、又は嚥下時間が閾値を超える場合を不適正とし、そのように成らない場合を適正とする。これにより、適正な粘度の範囲を定めることができる。よって、食品試作工程(S110)では、製造条件として、例えば乳化剤の配合比又は/及び攪拌の回転数を設定して試作を行ない、試作を通して適正な製造条件を決定する。
[解析事例8]
解析事例3では、ゼリーなどの弾性率を有する食塊について、嚥下シミュレーションを行なっているが、ここでは、相対弾性率を広く変えてシミュレーションを行なうこととする。ちぎれた食塊44が気道14に入る場合、食道13に入る大きさに変形できない場合を不適正とし、そのように成らない場合を適正とする。これにより、適正な弾性率の範囲を定めることができる。ゼリー状飲食品は、例えばカラギーナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ペクチン、マンナン等のゲル化剤をゼリー状飲食品全重量の0.001〜1.0重量%になるように配合すると、貯蔵弾性率0.05〜150Paで変化する(例えば特開2001−299241号公報参照)。よって、食品試作工程(S110)では、ゼリー状飲食品の弾性率が適正になるように、製造条件として、例えばゲル化剤の配合量を設定して試作を行ない、試作を通して適正な製造条件を決定する。
[解析事例9]
解析事例3では、ゼリーなどの弾性率を有する食塊について、嚥下シミュレーションを行なっているが、ここでは、寸法を変えてシミュレーションを行なう。例えば、ゼリー状飲食品の最初の直径を2mm〜20mmの間で変化させてシミュレーションを行なう。ちぎれた食塊44が気道14に入る場合、食道13に入る大きさに変形できない場合は不適正とし、そのように成らない場合を適正とする。これにより、適正な寸法の範囲を定めることができる。寸法の調製は、容器の型枠の寸法により行なう。食品試作工程(S110)では、製造条件として、例えばゼリーを固める容器の型枠の寸法を設定して試作を行ない、試作を通して適正な製造条件を決定する。
[食品製造方法]
図13に食品製造方法の処理フロー例を示す。食品製造工程の中に食品調製工程(S130)がある。この食品調製工程(S130)は、図12における食品開発方法の製造条件決定工程(S120)において、物性決定工程(S090)で適正と決定された物性にする製造条件であると決定された製造条件を用いて食品を調製するものである。製造工程の中のいずれの工程でも良い。例えば菓子の製造では、原料配合工程や焼成工程等の工程で食品を調製することができる。このとき、この食品調製工程(S130)における製造条件が、製造条件決定工程(S120)において決定されたものである場合には、当該実施例に該当することとなる。製造条件決定工程(S120)で決定された結果は、例えば記憶部83の決定製造条件記録部83Dに記録される。
以上により、本実施例によれば、口腔モデル11について、器官特性、口腔器官の運動、食品の物性を設定し、粒子法を用いて食品の挙動を解析するので、嚥下に関する実現象を再現することが容易な嚥下シミュレーション方法を用いて嚥下現象を解析し、食べ易い又は飲み易い食品を開発することができる。
実施例1では、評価者が食品の入力を行い、動画像を見て嚥下評価を行なう例を説明したが、実施例2では、嚥下シミュレーション装置が設定に基づいて食品の入力を自動的に行ない、嚥下シミュレーション装置が自動的に嚥下評価を行なう例を説明する。実施例1と異なる点を主に説明する(以下の実施例についても同様に異なる点を主に説明する)。
図14に実施例2における嚥下シミュレーション装置100Bの構成例を示す。実施例1(図2参照)に比して、パーソナルコンピュータ(PC)内に、自動的に食品の食べ易さ・飲み易さを評価する評価部60と、擬似食品の嚥下時の挙動の解析結果を仮想動画面に表示する擬似画面表示部82Aと擬似食品の入力条件を設定する食品入力設定部45が追加され、記憶部83内に評価条件を記憶する評価条件記憶部83Aが追加されている。その他の構成は実施例1と同様である。
図15に嚥下シミュレーション方法の処理フロー例を示す。入力工程(S050)の前に食品の入力条件を設定する為の食品入力設定工程(S045)が追加され、表示部83に動画面表示する表示工程(S070)が、擬似画面表示部82Aの仮想動画面に表示する工程(S075)に代わっている。また、評価工程(S080)では、評価部60が自動的に評価する。その他の工程は実施例1と同様である。
実施例2では、食品入力設定部45に予め食品の投入位置と投入タイミングを設定しておく(S045:食品入力設定工程)。擬似食品の口腔内への投入位置は例えば口腔内で歯の近傍(例えば擬似食品の長さの1/2以内)とする。次に設定条件(場所、タイミング)に従って口腔内に擬似食品が投入される(S050:食品入力工程)。また、自動評価する場合には、予め評価条件を評価条件記憶部83Aに記憶しておき、パーソナルコンピュータPC内の擬似画面表示部82Aの仮想動画面にシミュレーションの解析結果としての口腔モデル11と擬似食品41の挙動を表示して、評価部60にて、擬似画面表示部82Aの表示を評価条件記憶部83Aの評価条件と照合することにより、評価を行なう。
評価項目は、例えば次のようである。
(a)嚥下・誤嚥・誤飲リスク(口蓋壁等に付着して剥れ難い、咽喉や食道を塞ぐ、気道に入る)が有るか否か、
(b)嚥下時間がどの位か、閾値を超えるか、
(c)咽喉壁にかかる応力、およびせん断応力がどの位か、閾値を超えるか、
(d)(a)〜(c)に基づき、別にデータ取得した官能評価(美味しい、爽快感等)との相関性を考慮して、総合的に飲み易さ・食べ易さ、飲み難さ・食べ難さを評価する。(a)〜(c)と官能評価をそれぞれ数値化しておき、それぞれ重み係数を掛けて合計数で自動的に総合評価する。なお、(c)及び官能評価を省略しても良い。
図16に食品開発支援装置200Bの構成例を示す。図14の嚥下シミュレーション装置100Bに、食品試作結果記録部83C、決定製造条件記録部83Dと製造条件決定部84が追加されている(図中太字で示す)。食品試作結果記録部83Cは、物性決定部70で適正と決定された物性を有するように製造条件を適宜に設定して試作を行なった結果を記録する。製造条件決定部84は、食品試作結果記録部83Cに記録されたの試作結果に基づき、食品等の物性を物性決定部70で適正と決定された物性にする製造条件を決定する。決定された製造条件は記憶部83の決定製造条件記録部83Dに記録される。
図17に食品開発方法の処理フロー例を示す。図15の嚥下シミュレーション方法の処理フロー例の後に食品試作工程(S110)及び製造条件決定工程(S120)が追加されている。これにより、物性決定部70で適正と決定された物性にする製造条件が明確になり、食べ易い及び/又は飲み易い物性の開発食品を確実に製造することができる。
その他の構成及び処理フローは実施例1と同様であり、実施例1と同様に、嚥下に関する実現象を再現することが容易な嚥下シミュレーション方法を用いて嚥下現象を解析し、食べ易い又は飲み易い食品を開発することができる。
また、入力と評価の一方を人手で、他方をコンピュータで行なう場合でも、同様に実施可能であり、同様の効果を奏する。
以上の実施例では、評価を評価者が行なう例と嚥下シミュレーション装置が自動評価を行なう例を説明したが、嚥下シミュレーション装置の評価結果(一部又は全体について)を表示して、さらに評価者に評価を求めるようにしても良い。処理フローについては実施例2の評価工程(S080)において、表示部82に評価表と共に嚥下シミュレーション装置の評価結果(一部又は全体について)を表示する。評価者は嚥下シミュレーション装置の評価結果を参照して、評価表に自己の評価結果を入力する。食品入力工程(S050)は人手入力でも自動入力でも良い。その他の装置構成及び処理フローは実施例2と同様であり、実施例2と同様に、嚥下に関する実現象を再現することが容易な嚥下シミュレーション装置及び嚥下シミュレーション方法を提供できる。
以上の実施例では、物性決定部70で適正とされる食品等の物性を自動的に決定する例を説明したが、本実施例では人が決定する例を説明する。本実施例の装置構成については、典型的には実施例1における図2の物性決定部70が削除される。処理フロー例については図10を使用できる。なお、物性決定部70があっても良く、この場合は使用しないか、物性決定部70での決定結果を決定者(例えば評価者)に参考として示す。決定は適正とされる食品等の物性を人が決定するが、評価結果に基づいて行なうことに差異はないので、思考過程で多少変更される可能性はあるが、ほぼ同様な結果が予測される。その他の装置構成及び処理フローは実施例1と同様であり、実施例1と同様に、嚥下に関する実現象を再現することが容易な嚥下シミュレーション装置及び嚥下シミュレーション方法を提供できる。実施例2及び実施例3に対しても人が決定する場合、実施例1と同様のことがいえる。
本実施例では本発明による嚥下シミュレータを食育に適用する例を説明する。
図18に本実施例における食育支援装置300Aの構成例を示す。実施例1のシミュレーション装置100A(図2参照)に比して、教示部85が追加され、物性決定部70が削除されている。教示部85は、表示部82で動画面に表示された擬似食品41の嚥下時の挙動を、評価結果記録部83Bに記録された食品の評価結果と関連させて解説する。本実施例では、教示内容は評価結果記録部83Bに記録された食品の評価結果に基づくもので、解説内容が予め作成され記録されている。解説内容は評価結果に基づいて教示部85で自動的に作成しても良いが、教育者が更にわかり易く編集・補充するのが好適である。また、本実施例では、物性決定部70が削除されているが、物性決定部70を有し、物性決定について解説しても良い。なお、教示部85は解説内容を記憶すると共に、運動解析部50で解析された各口腔器官の運動と擬似食品41の嚥下時の挙動の解析結果を表示部82の動画面に表示させ、解説内容を表示部82のスピーカ等に音声出力する。
図19に本実施例における食育方法の処理フロー例を示す。実施例1のシミュレーション方法100A(図10参照)に比して、評価(S080)の後に教示工程(S082)が追加され、物性決定工程(S090)が削除されている。教示工程(S082)では、表示工程(S070)で動画面に表示された擬似食品の嚥下時の挙動を、評価工程(S080)で評価された食品の評価結果と関連させて教示する。本実施例では、物性決定工程(S090)が削除されているが、物性決定工程(S090)を有し、物性決定について解説しても良い。これにより、嚥下に関する実現象を再現することが容易な嚥下シミュレーション方法を用いて嚥下現象を表示するので、食品の食べ易さ又は飲み易さを理解しやすく、食育に大変有効である。
[プログラム]
また、本発明は、以上の嚥下シミュレーション方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラムとして、また、当該プログラムを記憶する記憶媒体として実現可能である。プログラムは嚥下シミュレーション装置の制御部に蓄積して使用してもよく、内蔵又は外付けの記憶装置に蓄積して使用してもよく、インターネットからダウンロードして使用しても良い。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、実施の形態は以上の例に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更を加え得ることは明白である。
例えば、以上の実施例では、舌の移動壁、軟口蓋、喉頭蓋、食道壁の運動について一例を示したが、運動方程式やパラメータを自由に変更可能である。また上記4つの器官以外、例えば歯に運動を与えることも可能である。このようにすれば嚥下への咀しゃくの影響を反映できる。また、食品は2個までを例示したが、3個以上を連動させて挙動を解析することも可能であり、また、ピーナッツを包んだチョコレートのように異なる物性値を持つ固体同士(固―固)の解析、リキュールを包んだチョコレート(固―液)の解析、さらにドレッシングのような物性値が異なる液体同士(液―液、オイルと酢等)のの解析も可能である。その他、器官や食品を色分け表示するなど、細部を種々変更可能である。
また、例えば、以上の実施例では、食品の粘度、粘着性、弾性率を調製する例を説明したが、その他、ピーナッツチョコレートの寸法やチョコレート層の厚さ等を変化させてシミュレーションを行い、適正な物性を定めて、食品の調製を行なうこともできる。
本発明は、飲食物の嚥下シミュレーションを利用した食品の開発に利用される。
本発明の説明に関連して(特に以下の請求項に関連して)用いられる名詞及び同様な指示語の使用は、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、単数および複数の両方に及ぶものと解釈される。語句「備える」、「有する」、「含む」および「包含する」は、特に断りのない限り、オープンエンドターム(すなわち「〜を含むが限らない」という意味)として解釈される。本明細書中の数値範囲の具陳は、本明細書中で特に指摘しない限り、単にその範囲内に該当する各値を個々に言及するための略記法としての役割を果たすことだけを意図しており、各値は、本明細書中で個々に列挙されたかのように、明細書に組み込まれる。本明細書中で説明されるすべての方法は、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、あらゆる適切な順番で行うことができる。本明細書中で使用するあらゆる例または例示的な言い回し(例えば「など」)は、特に主張しない限り、単に本発明をよりよく説明することだけを意図し、本発明の範囲に対する制限を設けるものではない。明細書中のいかなる言い回しも、請求項に記載されていない要素を、本発明の実施に不可欠であるものとして示すものとは解釈されないものとする。
本明細書中では、本発明を実施するため本発明者が知っている最良の形態を含め、本発明の好ましい実施の形態について説明している。当業者にとっては、上記説明を読めば、これらの好ましい実施の形態の変形が明らかとなろう。本発明者は、熟練者が適宜このような変形を適用することを期待しており、本明細書中で具体的に説明される以外の方法で本発明が実施されることを予定している。従って本発明は、準拠法で許されているように、本明細書に添付された請求項に記載の内容の修正および均等物をすべて含む。さらに、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、すべての変形における上記要素のいずれの組合せも本発明に包含される。
10 口腔モデリング部
11 口腔モデル
12 口腔壁
13 食道
14 気道
15 舌
16 軟口蓋
17 喉頭蓋
18 移動壁
19 食道壁
20 器官特性設定部
30 器官運動設定部
40 食品物性設定部
41〜44,49 擬似食品
45 食品入力設定部
50 運動解析部
60 評価部
70 物性決定部
81 入力部
82 表示部
82A 擬似画面表示部
83 記憶部
83A 評価条件記憶部
83B 評価結果記憶部
83C 食品試作結果記憶部
83D 決定製造条件記録部
84 製造条件決定部
85 教示部
90 制御部
100A,100B 嚥下シミュレーション装置
200A,200B 食品開発支援装置
300A 食育支援装置
PC パーソナルコンピュータ
nd 無次元嚥下時間

Claims (12)

  1. 口腔器官からなる口腔モデルを形成する口腔モデリング部と;
    前記口腔モデルにおける各口腔器官の器官特性を設定する器官特性設定部と;
    前記口腔モデルにおける各口腔器官の運動を設定する器官運動設定部と;
    解析対象としての食品、医薬品又は医薬部外品(以下、食品等という)及びその物性を設定する食品物性設定部と;
    前記食品等をモデル化した擬似食品を口腔に入力する入力部と;
    前記口腔器官モデルにおける各前記口腔器官の運動と前記擬似食品の嚥下時の挙動を粒子法を用いて解析する運動解析部と;
    前記運動解析部で解析された各前記口腔器官の運動と前記擬似食品の前記嚥下時の挙動の解析結果を動画面に表示する表示部と;
    前記擬似食品の前記嚥下時の挙動の解析結果から、前記食品等の食べ易さ、飲み易さの評価結果を記録する評価結果記録部と;
    前記評価結果記録部に記録された評価結果に基づいて適正とされる食品等の物性を決定する物性決定部と;
    前記物性決定部で適正と決定された物性を有するように製造条件を適宜に設定して試作を行なった結果を記録する食品試作結果記録部と;
    前記食品試作結果記録部に記録されたの試作結果に基づき、前記食品等の物性を前記物性決定部で適正と決定された物性にする製造条件を決定する製造条件決定部とを備える;
    食品開発支援装置。
  2. 前記動画面における前記擬似食品の前記嚥下時の挙動から、前記食品等の食べ易さ及び/又は飲み易さを評価する評価部を備え;
    前記動画面は、前記運動解析部で解析された各前記口腔器官の運動と前記擬似食品の嚥下時の挙動の解析結果を模擬的に表示するために嚥下シミュレーション装置により仮想空間に形成された仮想動画面であり;
    前記評価部は、前記仮想動画面での擬似食品の挙動が予め定められた条件を満たすか否かで評価する;
    請求項1に記載の食品開発支援装置。
  3. 口腔器官からなる口腔モデルを形成する口腔モデリング工程と;
    前記口腔モデルにおける各口腔器官の器官特性を設定する器官特性設定工程と;
    前記口腔モデルにおける各口腔器官の運動を設定する器官運動設定工程と;
    解析対象としての食品等及びその物性を設定する食品物性設定工程と;
    前記食品等をモデル化した擬似食品を前記口腔に入力する入力工程と;
    前記口腔器官モデルにおける各前記口腔器官の運動と前記擬似食品の嚥下時の挙動を、粒子法を用いて解析する運動解析工程と;
    前記運動解析工程で解析された各前記口腔器官の運動と前記擬似食品の嚥下時の挙動の解析結果を動画面に表示する表示工程と;
    前記擬似食品の前記嚥下時の挙動の解析結果から、前記食品の食べ易さ、飲み易さの評価を行う評価工程と;
    前記評価工程にて適正とされる食品等の物性を決定する物性決定工程と;
    前記物性決定工程で適正と決定された物性を有するように製造条件を適宜に設定して試作を行なう食品試作工程と;
    前記食品試作工程の結果に基づき、前記食品等の物性を前記物性決定工程で適正と決定された物性にする製造条件を決定する製造条件決定工程とを備える;
    食品開発方法。
  4. 前記動画面は、前記運動解析工程で解析された各前記口腔器官の運動と前記擬似食品の嚥下時の挙動の解析結果を模擬的に表示するために食品開発支援装置により仮想空間に形成された仮想動画面であり;
    前記表示工程は、前記解析結果を前記仮想動画面に模擬的に表示する仮想表示工程であり;
    前記評価工程は、前記仮想表示工程で模擬的に表示された仮想動画面での擬似食品の挙動が予め定められた条件を満たすか否かで評価する;
    請求項3に記載の食品開発方法。
  5. 前記食品物性設定工程から評価工程までを、前記食品物性設定工程において食品等の物性を変更して設定しながら、繰り返し行う;
    請求項3又は請求項4に記載の食品開発方法。
  6. 前記器官特性設定工程は、口腔壁を剛体に、舌を弾性体に設定し;
    前記器官運動設定工程は、舌内に複数の移動壁を設け、前記複数の移動壁が所定の周期で所定の位相差を持って、前記舌の表面に交差する方向に動くことにより舌が蠕動運動又は波動運動するように、軟口蓋、喉頭蓋、喉及び食道壁は前記蠕動運動又は波動運動に対して所定の位相差で運動するように設定し;
    前記運動解析工程は、前記舌及び前記擬似食品を粒子として取り扱う;
    請求項3ないし請求項5のいずれか1項に記載の食品開発方法。
  7. 前記器官運動設定工程は、軟口蓋及び喉頭蓋の運動を回転中心が移動する回転体の運動として設定する;
    請求項3ないし請求項6のいずれか1項に記載の食品開発方法。
  8. 前記食品物性設定工程は、解析対象として異なる物性の液体又は固体の複数の擬似食品を設定し;
    前記運動解析工程は、前記複数の擬似食品について自由表面と前記複数の擬似食品間の境界を求め、前記複数の擬似食品の連動挙動の解析を行なう;
    請求項3ないし請求項7のいずれか1項に記載の食品開発方法。
  9. 前記モデリング工程は2次元の口腔器官モデルを形成し;
    前記運動解析工程は2次元空間での前記擬似食品の挙動の解析を行なう;
    請求項3ないし請求項8のいずれか1項に記載の食品開発方法。
  10. 請求項3ないし請求項9のいずれか1項に記載の食品開発方法の前記製造条件決定工程において、前記物性決定工程で適正と決定された物性にする製造条件であると決定された製造条件を用いて食品を調製する食品調製工程を備える;
    食品製造方法。
  11. 口腔器官からなる口腔モデルを形成する口腔モデリング部と;
    前記口腔モデルにおける各口腔器官の器官特性を設定する器官特性設定部と;
    前記口腔モデルにおける各口腔器官の運動を設定する器官運動設定部と;
    解析対象としての食品等及びその物性を設定する食品物性設定部と;
    前記食品等をモデル化した擬似食品を口腔に入力する入力部と;
    前記口腔器官モデルにおける各前記口腔器官の運動と前記擬似食品の嚥下時の挙動を粒子法を用いて解析する運動解析部と;
    前記運動解析部で解析された各前記口腔器官の運動と前記擬似食品の前記嚥下時の挙動の解析結果を動画面に表示する表示部と;
    前記擬似食品の前記嚥下時の挙動の解析結果から、前記食品等の食べ易さ、飲み易さの評価結果を記録する評価結果記録部と;
    前記表示部で動画面に表示された前記擬似食品の嚥下時の挙動を、前記評価結果記録部に記録された食品の評価結果と関連させて解説する教示部とを備える;
    食育支援装置。
  12. 口腔器官からなる口腔モデルを形成する口腔モデリング工程と;
    前記口腔モデルにおける各口腔器官の器官特性を設定する器官特性設定工程と;
    前記口腔モデルにおける各口腔器官の運動を設定する器官運動設定工程と;
    解析対象としての食品等及びその物性を設定する食品物性設定工程と;
    前記食品等をモデル化した擬似食品を前記口腔に入力する入力工程と;
    前記口腔モデルにおける各前記口腔器官の運動と前記擬似食品の嚥下時の挙動を、粒子法を用いて解析する運動解析工程と;
    前記運動解析工程で解析された各前記口腔器官の運動と前記擬似食品の嚥下時の挙動の解析結果を動画面に表示する表示工程と;
    前記擬似食品の前記嚥下時の挙動の解析結果から、前記食品等の食べ易さ及び/又は飲み易さに係る評価を行う評価工程と;
    前記表示工程で動画面に表示された前記擬似食品の嚥下時の挙動を、前記評価工程で評価された食品の評価結果と関連させて解説する教示工程とを備える;
    食育方法。
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