JPWO2012169452A1 - 弾性波装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

優れた信頼性を有する弾性波装置及びその製造方法を提供する。弾性波装置1は、圧電基板20と、圧電基板20の上に形成されているIDT電極10とを備える。IDT電極10の少なくとも一部は、Alを含まない第1の金属層13と、Alを含む第2の金属層15と、Alを含まない第3の金属層17とを有する。第2の金属層15は、第1の金属層13の上に配されている。第3の金属層17は、第2の金属層15の上に配されている。IDT電極10の少なくとも一部は、第1の金属層13の酸化物からなる第1の金属酸化物層14と、第2の金属層15の酸化物からなる第2の金属酸化物層16とをさらに有する。第1の金属酸化物層14は、第1の金属層13と第2の金属層15との間に配されている。第2の金属酸化物層16は、第3の金属層17と第2の金属層15との間に配されている。

Description

本発明は、弾性波装置及びその製造方法に関する。
従来、携帯電話機などの通信機器におけるRF(Radio Frequency)回路に、デュプレクサや段間フィルタなどとして、弾性波装置が搭載されている。弾性波装置としては、例えば弾性表面波を利用した弾性表面波装置などが知られている。
弾性波装置は、圧電基板の上に形成されたIDT電極において励振された弾性波を利用する。この弾性波の特性は、IDT電極の構成材料によって変化する。得ようとする弾性波の特性によっては、IDT電極を複数の金属層の積層体とする場合もある。例えば、特許文献1には、圧電基板側から順に、下地層と、Al合金層と、酸化膜層と、Al以外の金属からなる金属層とが積層されてなるIDT電極が開示されている。特許文献1には、Al合金層と金属層との間に酸化膜層としてAl合金層の自然酸化層を配置することにより、Al合金層から金属層へのAlまたはAl合金粒子の移動を抑制できる旨が記載されている。
特開2003−243961号公報
しかしながら、特許文献1に記載の積層構造を有するIDT電極では、十分に高い信頼性が得られない場合がある。
本発明の目的は、優れた信頼性を有する弾性波装置及びその製造方法を提供することにある。
本発明に係る弾性波装置は、圧電基板と、圧電基板の上に形成されているIDT電極とを備える。IDT電極の少なくとも一部は、Alを含まない第1の金属層と、Alを含む第2の金属層と、Alを含まない第3の金属層とを有する。第2の金属層は、第1の金属層の上に配されている。第3の金属層は、第2の金属層の上に配されている。IDT電極の少なくとも一部は、第1の金属層の酸化物からなる第1の金属酸化物層と、第2の金属層の酸化物からなる第2の金属酸化物層とをさらに有する。第1の金属酸化物層は、第1の金属層と第2の金属層との間に配されている。第2の金属酸化物層は、第3の金属層と第2の金属層との間に配されている。
なお、本発明において、「Alを含まない」とは、Alを実質的に含まないことを意味する。すなわち、Alを含まない第1及び第3の金属層は、不純物としてごく微量のAlを含んでもよい。また、本発明においては、金属には合金が含まれるものとする。
本発明に係る弾性波装置のある特定の局面では、第2の金属層は、AlまたはAlCu合金からなる。
本発明に係る弾性波装置の別の特定の局面では、第1及び第3の金属層の少なくとも一方は、Ti、Ni及びCrからなる群から選ばれる少なくとも1種からなる。
本発明に係る弾性波装置の他の特定の局面では、第1及び第2の金属酸化物層のそれぞれの厚みは、1nm以上である。
本発明に係る弾性波装置の製造方法では、第1の金属層を形成した後に、第1の金属層に酸素を接触させることにより第1の金属酸化物層を形成する。さらに、第2の金属層を形成した後に、第2の金属層に酸素を接触させることにより第2の金属酸化物層を形成する。
本発明に係る弾性波装置の製造方法のある特定の局面では、第1の金属層を形成した後に、大気雰囲気下で第1の金属層に酸素を接触させることにより第1の金属酸化物層を形成する。さらに、第2の金属層を形成した後に、大気雰囲気下で第2の金属層に酸素を接触させることにより第2の金属酸化物層を形成する。
本発明によれば、優れた信頼性を有する弾性波装置及びその製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る弾性波装置の略図的平面図である。 図2は、図1の線II−IIにおける模式的断面図である。 図3は、比較例1で得られた弾性波装置におけるIDT電極の略図的断面図である。 図4は、参考例1で得られた弾性波装置におけるIDT電極の略図的断面図である。 図5は、実施例1、比較例1及び参考例1で得られた弾性波装置について、熱処理温度とシート抵抗との関係を示すグラフである。 図6は、図5のVI部分を拡大した、熱処理温度とシート抵抗との関係を示すグラフである。
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、下記の実施形態は、単なる例示である。本発明は、下記の実施形態に何ら限定されない。
また、実施形態などにおいて参照する各図面において、実質的に同一の機能を有する部材は同一の符号で参照することとする。また、実施形態などにおいて参照する図面は、模式的に記載されたものであり、図面に描画された物体の寸法の比率などは、現実の物体の寸法の比率などとは異なる場合がある。図面相互間においても、物体の寸法比率などが異なる場合がある。具体的な物体の寸法比率などは、以下の説明を参酌して判断されるべきである。
図1は、本実施形態に係る弾性波装置の略図的平面図である。図2は、図1の線II−IIにおける模式的断面図である。
本実施形態に係る弾性波装置1は、弾性表面波や弾性境界波などの弾性波を利用した弾性波装置である。弾性波装置1は、例えば弾性波共振子であってもよいし、弾性波フィルタ装置であってもよい。なお、弾性波フィルタ装置には、弾性波デュプレクサや弾性波トリプレクサなどの弾性波分波器が含まれるものとする。
弾性波装置1は、圧電基板20を備える。圧電基板20は、適宜の圧電体により構成することができる。圧電基板20は、例えばLiNbO基板、LiTaO基板、ニオブ酸カリウム基板、水晶基板、ランガサイト基板、酸化亜鉛基板、チタン酸ジルコン酸鉛基板、四ホウ酸リチウム基板などにより構成することができる。
圧電基板20の主面20aの上には、IDT電極10が形成されている。IDT電極10は、互いに間挿し合う一対のくし歯状電極を有する。
IDT電極10の少なくとも一部は、複数の金属層と複数の金属酸化物層とから構成される。具体的には、図2に示されるように、IDT電極10の少なくとも一部は、複数の金属層11〜13,15,17〜19を有する。これら複数の金属層11〜13,15,17〜19のうち、第1の金属層13と第3の金属層17とは、Alを含まない。一方、第2の金属層15は、Alを含んでいる。IDT電極10の少なくとも一部は、第1及び第2の金属酸化物層14,16をさらに有する。第1の金属酸化物層14は、第1の金属層13の酸化物からなる。第2の金属酸化物層16は、第2の金属層15の酸化物からなる。
金属層11は、圧電基板20の主面20aの上に配されている。金属層11を構成する金属は、特に限定されない。金属層11の構成金属は、金属層11に付与しようとする機能等に応じて適宜選択することができる。例えば、金属層11を下地層や密着層として機能させようとする場合には、金属層11を、Ti,Ni,Cr,NiCr合金などにより構成することができる。なお、金属層11の厚みは、特に限定されない。金属層11の厚みは、通常5nm〜30nm程度である。
金属層12は、金属層11の上に配されている。金属層12を構成する金属は、特に限定されない。金属層12の構成金属は、金属層12に付与しようとする機能等に応じて適宜選択することができる。例えば、質量付加の観点から、金属層12を、例えばPt、Au,Cu,Pdなどにより構成することができる。なお、金属層12の厚みは、特に限定されない。金属層12の厚みは、通常10nm〜200nm程度である。
Alを含まない第1の金属層13は、金属層12の上に配されている。第1の金属層13を構成する金属は、Al以外の金属であれば、特に限定されない。金属層13は、積層電極の拡散防止などの観点から、例えばTi、Ni、Crなどの金属や、これらの金属のうちの1種以上を主成分とする合金などにより構成されることが好ましい。なお、第1の金属層13の厚みは、特に限定されない。第1の金属層13の厚みは、通常5nm〜30nm程度である。
Alを含む第2の金属層15は、第1の金属層13の上に配されている。第2の金属層15は、Alを含む金属または合金からなる。第2の金属層15は、電気伝導性などの観点から、例えばAlや、AlCu合金などAlを主体とする合金などにより構成されることが好ましい。なお、第2の金属層15の厚みは、特に限定されない。第2の金属層15の厚みは、通常100nm〜500nm程度である。
Alを含まない第3の金属層17は、Alを含む第2の金属層15の上に配されている。第3の金属層17を構成する金属は、Al以外の金属であれば、特に限定されない。第3の金属層17は、積層電極の拡散防止などの観点から、例えばTi、Ni、Crなどの金属や、これらの金属のうちの1種以上を主成分とする合金などにより構成されることが好ましい。なお、第3の金属層17の厚みは、特に限定されない。第3の金属層17の厚みは、通常5nm〜30nm程度である。
金属層18は、Alを含まない第3の金属層17の上に配されている。金属層18を構成する金属は、特に限定されない。金属層18は、質量付加などの観点から、例えばPt、Au,Cu,Pdなどにより構成されることが好ましい。なお、金属層18の厚みは、特に限定されない。金属層18の厚みは、通常10nm〜200nm程度である。
金属層19は、金属層18の上に配されている。金属層19を構成する金属は、特に限定されない。金属層19は、例えばIDT電極を覆う誘電体膜などの保護膜との密着性などの観点から、例えばTi、Ni、Cr、NiCr合金などにより構成されることが好ましい。なお、金属層19の厚みは、特に限定されない。金属層19の厚みは、通常5nm〜30nm程度である。
第1の金属層13の酸化物からなる第1の金属酸化物層14は、Alを含まない第1の金属層13とAlを含む第2の金属層15との間に配されている。第1の金属酸化物層14は、第1の金属層13の直上に配されている。第2の金属層15は、第1の金属酸化物層14の直上に配されている。第1の金属層13と第1の金属酸化物層14とは互いに接している。また、第1の金属酸化物層14と第2の金属層15とは互いに接している。第1の金属層13と第2の金属層15との間には、第1の金属酸化物層14のみが配されている。すなわち、第1の金属層13と第2の金属層15とは、第1の金属酸化物層14のみを介して互いに接続されている。
第1の金属酸化物層14は、第1の金属層13を構成する金属の酸化物から構成される。すなわち、第1の金属酸化物層14は、第1の金属層13を構成する金属と酸素とが結合した化合物から構成される。金属酸化物層14を構成する金属酸化物としては、例えばTiOなどの酸化チタン、NiOなどの酸化ニッケル、Crなどの酸化クロムや、Ti、Ni、Crなどの金属のうちの1種以上を主成分とする合金の酸化物などが好ましい。
第2の金属層15の酸化物からなる第2の金属酸化物層16は、Alを含む第2の金属層15とAlを含まない第3の金属層17との間に配されている。第2の金属酸化物層16は、第2の金属層15の直上に配されている。第3の金属層17は、第2の金属酸化物層16の直上に配されている。第2の金属層15と第2の金属酸化物層16とは互いに接している。また、第2の金属酸化物層16と第3の金属層17とは互いに接している。第2の金属層15と第3の金属層17との間には、第2の金属酸化物層16のみが配されている。すなわち、第2の金属層15と第3の金属層17とは、第2の金属酸化物層16のみを介して互いに接続されている。
第2の金属酸化物層16は、第2の金属層15を構成する金属の酸化物から構成される。すなわち、第2の金属酸化物層16は、第2の金属層15を構成する金属と酸素とが結合した化合物から構成される。金属酸化物層16を構成する金属酸化物としては、Alなどの酸化アルミニウムなどが好ましい。
第1の金属酸化物層14の厚みは、特に限定されない。第1の金属酸化物層14の厚みは、1nm以上であることが好ましく、3nm〜10nm程度であることがより好ましい。第2の金属酸化物層16の厚みは、特に限定されない。金属酸化物層16の厚みは、1nm以上であることが好ましく、3nm〜10nm程度であることがより好ましい。第1及び第2の金属酸化物層14、16の厚みが小さすぎると、金属酸化物層14、16を介して、第1の金属層13と第2の金属層15との間や第2の金属層15と第3の金属層17との間で金属の移動が生じる虞がある。第2の金属層15と第1または第3の金属層13,17との間で金属の移動が生じると、弾性波装置1の電極指抵抗が劣化する虞がある。さらに、第2の金属層15と第1または第3の金属層13,17との間で金属の移動が生じると、これをきっかけに第1または第3の金属層13,17に直接接する金属層12や金属層18と第2の金属層15との間で金属の移動が生じてしまい、さらなる電極指抵抗の劣化を引き起こすことになる。また、金属酸化物層14、16の厚みが大きすぎると、IDT電極10の電極指抵抗が高くなり、弾性波装置1の特性が劣化する虞がある。
本実施形態において、金属層11,12,13,15,17,18,19及び金属酸化物層14,16によって構成されるIDT電極10の少なくとも一部の厚みは、通常200nm〜1000nm程度である。
IDT電極10の他の一部は、金属層11,12,13,15,17,18,19及び金属酸化物層14,16によって構成されていてもよいし、異なる金属層や金属酸化物層から構成されてもよい。また、IDT電極10の他の一部は、単一の金属層により構成されていてもよい。IDT電極10の他の一部が、単一の金属層により構成される場合、単一の金属層は、例えばAlまたはAl合金からなる金属により構成されていてもよい。Al合金としては、例えばAlCu合金が挙げられる。IDT電極10の他の一部の厚みは、上記のIDT電極10の少なくとも一部の厚みと同様とすればよい。
なお、IDT電極10の形成は、蒸着法やスパッタリング法を用いて形成した薄膜をリフトオフ法などによりパターニングすることにより行うことができる。以下、IDT電極10の形成方法の一例についてさらに詳細に説明する。
まず、圧電基板20の主面20aの上に、金属層11、12、13を構成する金属を順次蒸着させて、金属層11、12、13をこの順に形成する。次に、第1の金属層13に酸素を接触させて第1の金属層13を酸化させることにより、第1の金属酸化物層14を形成する。すなわち、第1の金属層の表層に位置する金属に酸素を接触させて、第1の金属酸化物層14を形成する。次に、第1の金属酸化物層14の上に金属層15を形成する。次に、第2の金属層15に酸素を接触させて第2の金属層15を酸化させることにより、第2の金属酸化物層16を形成する。すなわち、第2の金属層15の表層に位置する金属に酸素を接触させて、第2の金属酸化物層16を形成する。そして、第2の金属酸化物層16の上に第3の金属層17、金属層18、19をこの順に形成する。以上の工程により、IDT電極10を形成することができる。
第1及び第2の金属層13、15に酸素を接触させる方法は、特に限定されない。例えば、第1及び第2の金属層13、15をそれぞれ形成した後、チャンバー内に酸素ガスを導入して、第1及び第2の金属層13、15それぞれの表層に位置する金属と酸素とを接触させてもよい。また、チャンバー内を大気雰囲気下として、大気中に含まれる酸素と第1及び第2の金属層13、15それぞれの表層に位置する金属とを接触させてもよい。また、チャンバーから大気中に取り出し、大気中の酸素と接触させてもよい。
ところで、従来、弾性波装置において、IDT電極を複数の金属層の積層体とする場合、TiやNiからなる層とAlまたはAl合金からなる層との間では、金属の移動はほとんど起こらないと考えられていた。このため、例えば特許文献1のように、Ti層の直上にAl層やAlCu合金層を配して積層体としていた。
ところが、本発明者が検討したところ、Ti層などのAlを含まない金属層とAlを含む金属層との間に金属酸化物層を設けることにより、金属酸化物層を設けない場合に比して、弾性波装置の信頼性が向上することが確認された。このことから、TiやNiからなる層とAlまたはAl合金からなる層との間でも、金属の移動が起こり、これによって、弾性波装置の信頼性が低下するものと考えられる。
本実施形態に係る弾性波装置1においては、Alを含まない第1の金属層13とAlを含む第2の金属層15との間に、第1の金属酸化物層14が配されている。このため、弾性波装置1では、Alを含まない第1の金属層13とAlを含む第2の金属層15との間の金属の移動が効果的に抑制されていると考えられる。
さらに、IDT電極10には、Alを含む第2の金属層15とAlを含まない第3の金属層17との間にも、金属酸化物層16が配されている。よって、Alを含む第2の金属層15とAlを含まない第3の金属層17との間の金属の移動が効果的に抑制されていると考えられる。
すなわち、本実施形態に係る弾性波装置1では、第1及び第2の金属酸化物層14、16によって、Alを含む第2の金属層15とAlを含まない第1及び第3の金属層13、17それぞれとが隔てられているため、Alを含む第2の金属層15が有する界面を通した金属の移動が抑制されている。その結果、優れた信頼性が実現されている。
本実施形態の弾性波装置1の製造方法においては、Alを含まない第1の金属層13及びAlを含む第2の金属層15を酸素と接触させることにより、第1及び第2の金属酸化物層14、16を容易に形成することができる。特に、大気雰囲気下に金属層13、15と酸素とを接触させることにより、第1及び第2の金属酸化物層14、16を形成する場合は、第1及び第2の金属酸化物層14,16をより容易に形成することができる。
なお、本発明において、IDT電極は、一部が第1〜第3の金属層と、第1及び第2の金属酸化物層とを有するものである限りにおいて特に限定されず、他の層を有していなくてもよい。
以下、本発明について、具体的な実施例に基づいて、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。なお、以下の説明において、上記の実施形態と実質的に共通の機能を有する部材を共通の符号で参照する。
(実施例1)
チャンバー内にLiNbOからなる圧電基板を導入し、圧力と温度を調整しながら、圧電基板上にNiCr(Ni:Cr=80:20(重量比))、Pt、Tiをこの順に蒸着し、NiCrからなる金属層11、Ptからなる金属層12、Tiからなる第1の金属層13をこの順に形成した。次に、チャンバー内に大気を導入し、第1の金属層13の表層にTiOからなる第1の金属酸化物層14を形成した。チャンバー内を減圧し、圧力と温度を調整しながら、第1の金属酸化物層14の上にAlCu(Al:Cu=99:1(重量比))を蒸着し、AlCuからなる第2の金属層15を形成した。そして、チャンバー内に大気を導入し、第2の金属層15の表層にAlからなる第2の金属酸化物層16を形成した。次に、チャンバー内を減圧し、圧力と温度を調整しながら、Ti、Pt、Tiをこの順に蒸着し、Tiからなる第3の金属層17、Ptからなる金属層18、Tiからなる金属層19をこの順に形成し、圧電基板20上にIDT電極10が形成された弾性波装置1を作製した。
IDT電極10を構成する金属層11の厚みは10nmであった。金属層12の厚みは20nmであった。第1の金属層13の厚みは20nmであった。第1の金属酸化物層14の厚みは、3nm程度であった。第2の金属層15の厚みは300nmであった。第2の金属酸化物層16の厚みは3nm程度であった。第3の金属層17の厚みは20nmであった。金属層18の厚みは20nmであった。金属層19の厚みは10nmであった。
次に、実施例1で得られた弾性波装置5つを窒素雰囲気中、325℃、350℃、362℃、375℃、387℃、及び400℃の各温度で2時間加熱処理をした。加熱処理後の各弾性波装置のシート抵抗(mΩ/□)を測定した。加熱処理後の各弾性波装置について、熱処理温度とシート抵抗との関係を図5及び図6のグラフに示す。
(比較例1)
図3は、比較例1で得られた弾性波装置におけるIDT電極の略図的断面図である。
比較例1では、チャンバー内に大気を導入する工程を除いて、実施例1と同様の工程及び電極膜厚となるようにしてIDT電極を作製した。得られたIDT電極の金属層の膜厚は、金属酸化物層を除いて、実施例1と同様であった。
次に、比較例1で得られた弾性波装置5つについて、実施例1と同様にして加熱処理した。加熱処理後の各弾性波装置について、熱処理温度とシート抵抗との関係を図5及び図6のグラフに示す。
(参考例1)
図4は、参考例1で得られた弾性波装置におけるIDT電極の略図的断面図である。
チャンバー内にLiNbOからなる圧電基板を導入し、圧力と温度を調整しながら、圧電基板上にNiCr(Ni:Cr=80:20(重量比))、Pt、Tiをこの順に蒸着し、NiCrからなる金属層112、Ptからなる金属層122、Tiからなる金属層132をこの順に形成した。次に、チャンバー内に大気を導入し、金属層132の表層にTiOからなる金属酸化物層142を形成した。チャンバー内を減圧し、圧力と温度を調整しながら、金属酸化物層142の上にAlCu(Al:Cu=99:1(重量比))、Tiをこの順に蒸着し、AlCuからなる金属層152及びTiからなる金属層172aを形成した。そして、チャンバー内に大気を導入し、金属層172aの表層にTiOからなる金属酸化物層162を形成した。次に、チャンバー内を減圧し、圧力と温度を調整しながら、Ti、Pt、Tiをこの順に蒸着し、Tiからなる金属層172b、Ptからなる金属層182、Tiからなる金属層192をこの順に形成し、圧電基板20上にIDT電極10が形成された弾性波装置1を作製した。
IDT電極10を構成する金属層の膜厚は、金属酸化物層162が3nm程度であること以外は、実施例1と同様であった。
次に、参考例1で得られた弾性波装置5つについて、実施例1と同様にして加熱処理した。加熱処理後の各弾性波装置について、熱処理温度とシート抵抗との関係を図5及び図6のグラフに示す。
図5及び図6から明らかなように、金属酸化物層を設けない比較例1では、熱処理温度が325℃である場合に、抵抗値に上昇がみられる。また、第2の金属層の両側をTi層とし、自然酸化により酸化チタン膜を配置した参考例1では、比較例1よりは熱処理による抵抗値の上昇が抑制されているが、それでも熱処理温度が350℃を超えると徐々に抵抗値の上昇傾向がみられる。これに対し、実施例1では、熱処理温度が375℃であっても、熱処理後の抵抗値は、熱処理前と同程度であり、この結果から、温度上昇に伴う金属の移動が抑制され、弾性波装置の信頼性が向上することがわかる。
1…弾性波装置
10…IDT電極
11,12,18,19…金属層
13…第1の金属層
14…第1の金属酸化物層
15…第2の金属層
16…第2の金属酸化物層
17…第3の金属層
20…圧電基板

Claims (6)

  1. 圧電基板と、
    前記圧電基板の上に形成されているIDT電極と、
    を備える弾性波装置であって、
    前記IDT電極の少なくとも一部は、Alを含まない第1の金属層と、第1の金属層の上に配されており、Alを含む第2の金属層と、第2の金属層の上に配されており、Alを含まない第3の金属層とを有し、
    前記第1の金属層と前記第2の金属層との間に配されており、前記第1の金属層の酸化物からなる第1の金属酸化物層と、
    前記第3の金属層と前記第2の金属層との間に配されており、前記第2の金属層の酸化物からなる第2の金属酸化物層と、
    をさらに有する、弾性波装置。
  2. 前記第2の金属層は、AlまたはAlCu合金からなる、請求項1に記載の弾性波装置。
  3. 前記第1及び第3の金属層の少なくとも一方は、Ti、Ni及びCrからなる群から選ばれる少なくとも1種からなる、請求項1または2に記載の弾性波装置。
  4. 前記第1及び第2の金属酸化物層のそれぞれの厚みが、1nm以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の弾性波装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の弾性波装置の製造方法であって、
    前記第1の金属層を形成した後に、前記第1の金属層に酸素を接触させることにより前記第1の金属酸化物層を形成し、
    前記第2の金属層を形成した後に、前記第2の金属層に酸素を接触させることにより前記第2の金属酸化物層を形成する、弾性波装置の製造方法。
  6. 前記第1の金属層を形成した後に、大気雰囲気下で前記第1の金属層に酸素を接触させることにより前記第1の金属酸化物層を形成し、
    前記第2の金属層を形成した後に、大気雰囲気下で前記第2の金属層に酸素を接触させることにより前記第2の金属酸化物層を形成する、請求項5に記載の弾性波装置の製造方法。
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