図1は、燃料電池装置の一例の一部を抜粋して示し、第1の発電部を収納容器に収納してなる燃料電池モジュール1(以下、モジュールという場合がある。)を示す外観斜視図であり、図2は図1の断面図である。なお、以降の図において同一の部材については同一の番号を付するものとする。まず、図1および図2に示すモジュール1を用いて、本実施形態の燃料電池装置を構成するモジュール1の基本的構成を説明する。
本実施形態の燃料電池装置は、第1の発電部として燃料ガスと酸素含有ガスとで発電を行なう固体酸化物形の燃料電池セルを含んでなる。ここで、図1に示すモジュール1においては、収納容器2の内部に、内部を第1の反応ガスが流通するガス流路(図示せず)を有する柱状の固体酸化物形の燃料電池セル3を立設させた状態で一列に配列し、隣接する燃料電池セル3間が集電部材(図示せず)を介して電気的に直列に接続されているとともに、燃料電池セル3の下端をガラスシール材等の絶縁性接合材(図示せず)でガスタンク4に固定してなるセルスタック5を2つ備えるセルスタック装置12を収納して構成されている。なお、セルスタック5の両端部には、セルスタック5(燃料電池セル3)の発電により生じた電気を集電して外部に引き出すための、電気引き出し部を有する導電部材が配置されている(図示せず)。上述の各部材を備えることで、セルスタック装置12が構成される。なお、図1においては、セルスタック装置12が2つのセルスタック5を備えている場合を示しているが、適宜その個数は変更することができ、例えばセルスタック5を1つだけ備えていてもよい。なお、セルスタック装置12を第1の発電部とすることもできる。
また、図1においては、燃料電池セル3として、内部を第1の反応ガス(燃料ガス)が長手方向に流通するガス流路を有する中空平板型で、ガス流路を有する支持体の表面に、燃料極層、固体電解質層および酸素極層を順に積層してなる固体酸化物形の燃料電池セル3を例示している。以降の説明の説明において、特に断りのない限り第1の反応ガスを燃料ガス(水素含有ガス)とし、燃料電池セル3の外側を流れる第2の反応ガスを酸素含有ガスとして説明する。
なお、以降の説明において、燃料電池セルは中空平板型に限られるものではなく、例えば平板型や円筒型とすることもでき、あわせて収納容器2の形状も適宜変更することができる。
また、図1に示すモジュール1においては、燃料電池セル3の発電で使用する燃料ガスを得るために、原燃料供給管10を介して供給される天然ガスや灯油等の原燃料を改質して燃料ガスを生成するための改質器6をセルスタック5の上方に配置している。なお、改質器6は、効率のよい改質反応である水蒸気改質を行うことができる構造とすることが好ましく、水を気化させるための気化部7と、原燃料を燃料ガスに改質するための改質触媒(図示せず)が配置された改質部8とを備えている。そして、改質器6で生成された燃料ガスは、燃料ガス流通管9を介してガスタンク4に供給され、ガスタンク4より燃料電池セル3の内部に設けられたガス流路に供給される。なお、セルスタック装置12の構成は、燃料電池セル3の種類や形状により、適宜変更することができ、例えばセルスタック装置12に改質器6を含むこともできる。
また図1においては、収納容器2の一部(前後面)を取り外し、内部に収納されるセルスタック装置12を後方に取り出した状態を示している。ここで、図1に示したモジュール1においては、セルスタック装置12を、収納容器2内にスライドして収納することが可能である。
なお、収納容器2の内部には、ガスタンク4に並置されたセルスタック5の間に配置され、第2の反応ガス(酸素含有ガス)が燃料電池セル3の側方を下端部から上端部に向けて流れるように、反応ガス導入部材11が配置されており、反応ガス導入部材11の内部に、セルスタック5の温度を測定するための温度計測手段である熱電対13が収納容器の上部より挿入して配置されている。
図2に示すように、モジュール1を構成する収納容器2は、内壁14と外壁15とを有する二重構造で、外壁15により収納容器2の外枠が形成されるとともに、内壁14によりセルスタック装置12を収納する発電室16が形成されている。さらに収納容器2においては、内壁14と外壁15との間を、燃料電池セル3に導入する酸素含有ガスが流通する反応ガス流路21としている。
ここで、収納容器2内には、収納容器2の上部より、上端側に酸素含有ガスが流入するための酸素含有ガス流入口(図示せず)とフランジ部24とを備え、下端部に燃料電池セル3の下端部に酸素含有ガスを導入するための反応ガス流出口17が設けられてなる反応ガス導入部材11が、内壁14を貫通して挿入されて固定されている。なお、フランジ部24と内壁14との間には断熱部材18が配置されている。
なお、図2においては、反応ガス導入部材11が、収納容器2の内部に並置された2つのセルスタック5間に位置するように配置されているが、セルスタック5の数により、適宜配置することができる。例えば、収納容器2内にセルスタック5を1つだけ収納する場合には、反応ガス導入部材11を2つ設け、セルスタック5を両側面側から挟み込むように配置することができる。
また発電室16内には、モジュール1内の熱が極端に放散され、燃料電池セル3(セルスタック5)の温度が低下して発電量が低減しないよう、モジュール1内の温度を高温に維持するための断熱部材18が適宜設けられている。
断熱部材18は、セルスタック5の近傍に配置することが好ましく、特には、燃料電池セル3の配列方向に沿ってセルスタック5の側面側に配置するとともに、セルスタック5の側面における燃料電池セル3の配列方向に沿った幅と同等またはそれ以上の幅を有する断熱部材18を配置することが好ましい。なお、セルスタック5の両側面側に断熱部材18を配置することが好ましい。それにより、セルスタック5の温度が低下することを効果的に抑制できる。さらには、反応ガス導入部材11より導入される酸素含有ガスが、セルスタック5の側面側より排出されることを抑制でき、セルスタック5を構成する燃料電池セル3間の酸素含有ガスの流れを促進することができる。なお、セルスタック5の両側面側に配置された断熱部材18においては、燃料電池セル3に供給される酸素含有ガスの流れを調整し、セルスタック5の長手方向および燃料電池セル3の積層方向における温度分布を低減するための開口部19が設けられている。
また、燃料電池セル3の配列方向に沿った内壁14の内側には、排ガス用内壁20が設けられており、内壁14と排ガス用内壁20との間が、発電室16内の排ガスが上方から下方に向けて流れる排ガス流路22とされている。なお、排ガス流路22は、収納容器2の底部に設けられた排気孔25と通じている。また、排ガス用内壁20のセルスタック5側にも断熱部材18が設けられている。
それにより、モジュール1の稼動(起動処理時、発電時、停止処理時)に伴って生じる排ガスは、排ガス流路22を流れた後、排気孔25より排気される構成となっている。なお、排気孔25は収納容器2の底部の一部を切り欠くようにして形成してもよく、また管状の部材を設けることにより形成してもよい。
なお、反応ガス導入部材11の内部には、セルスタック5近傍の温度を測定するための温度計測手段である熱電対13が、その測温部23が燃料電池セル3の長手方向の中央部でかつ燃料電池セル3の配列方向における中央部に位置するように配置されている。
また、上述の構成のモジュール1においては、燃料電池セル3のガス流路より排出される余剰な燃料ガスと酸素含有ガスとを燃料電池セル3の上端部側と改質器6との間で燃焼させることにより、燃料電池セル3の温度を上昇・維持させることができる。あわせて、燃料電池セル3(セルスタック5)の上方に配置された改質器6を温めることができ、改質器6で効率よく改質反応を行なうことができる。なお、通常発電時においては、上記燃焼や燃料電池セル3の発電に伴い、モジュール1内の温度は500〜800℃程度となる。
すなわち、第1の発電部を含むモジュール1の温度が非常に高温となることから、第1の発電部で生じる熱を有効利用することで、燃料電池装置の総合効率を向上することができ、本実施形態の燃料電池装置では、収納容器と、第1の発電部と、第1の発電部で生じる熱を利用して発電を行なう熱電変換モジュールを有する第2の発電部と、第1の発電部および第2の発電部により発電された電力が入力されて、負荷に出力する電力調整装置とを備えることで、燃料電池装置の発電効率を向上することができる。
特にこの第2の発電部は、第1の発電部で生じる熱を有効利用することで発電を行なうことから、収納容器2、第1の発電部、第2の発電部および電力調整装置を収納するための外装ケースと、収納容器2との間に設けることが好ましく、特には、収納容器の外面上および後述する外装ケースと収納容器との間にある排ガスラインのうち少なくとも一方に設けられていることが好ましい。
図3は、本実施形態の燃料電池装置の一例を一部抜粋して示し、第1の発電部を構成する収納容器2の外面上に、第2の発電部26が設けられていることを示す外観斜視図であり、図4は図3の断面図である。
第2の発電部26として熱電変換モジュールを用いることで、特に燃料電池セルが固体酸化物形の燃料電池セルであることから、収納容器2側が特に高温となり、反対側が低温となって温度差が生じ、それにより電気を生じることができる。本実施形態の燃料電池装置では、第1の発電部で発電した電気と、第2の発電部26で発電した電気とを組み合わせて外部負荷に供給することで、燃料電池装置の発電効率を向上することができる。また、第2の発電部26はその大きさに応じて、適宜設けることができ、例えば収納容器2の1つの外面に複数個の第2の発電部26を設けることもできる。
なお、本明細書において発電効率とは、燃料電池装置に供給した燃料ガス量に対して、第1の発電部および第2の発電部の合計の発電量の割合を意味し、総合効率とは、この発電効率と、燃料電池からの排熱回収効率とを合算したものを意味する。
図5は、第2の発電部26を構成する熱電変換モジュール28の一例を示し、(a)は一部の記載を省略して示す外観斜視図、(b)は断面図である。
図5に示す熱電変換モジュール28は、下部の支持基体29a、上部の支持基体29bの表面に、それぞれ第1、第2配線導体31a、31bが形成され、さらにp型熱電変換素子30aおよびn型熱電変換素子30b(以下、熱電変換素子30または熱電変換素子30a、30bということがある)が、支持基体29a、29b(以下、支持基体29ということがある)の間に配置され、熱電変換素子30が支持基体29a、29bで挟持されている。熱電変換素子30a、30bの両端面は、下部および上部の第1、第2配線導体31a、31b(以下、配線導体31ということがある)に半田34で接合されている。
支持基体29a、29bは、アルミナ、窒化アルミ、窒化珪素、炭化珪素、ベリリアから選ばれる1種以上のセラミックスからなるもので、セラミック粒子と、このセラミック粒子の間の粒界とから構成されている。これにより、熱電変換モジュールとして必要な、モジュール強度と熱伝導を確保することができる。なお、支持基体29として耐熱性が高いものであれば、セラミックス以外により構成することもできる。例えば、銅やアルミニウム等の金属を用いることもできる。なお、支持基体29として金属を用いる場合には、以下に述べる配線導体31との絶縁性を確保すべく、支持基体29の表面に絶縁性のコーティングを施すことが好ましい。
配線導体31a、31bは、熱電変換素子30同士を電気的に直列に接続するためのものであり、例えば、Zn、Al、Au、Ag、W、Ti、Fe、Cu、Ni、PtおよびPdから選ばれる少なくとも1種の元素を含む金属であることが、電気抵抗が低く、また熱伝導率が高いために発熱を抑制し、さらに熱放散性に優れるために好ましい。配線導体31a、31bには、電気抵抗、熱伝導率、コストの観点から、特にCu、Ag、Al、Ni、PtおよびPdから選ばれる少なくとも1種の元素が好適に使用される。
配線導体31a、31bは、メッキ法、メタライズ法、DBC(Direct−bonding Copper)法、チップ接合法、焼付け法から選ばれる1種以上の方法を適宜採用することで、配線パターン精度、電流値およびコストに合わせ最適な配線導体31を作製することができる。
熱電変換素子30はp型熱電変換素子30aおよびn型熱電変換素子30bの2種からなり、下部の支持基体29aの一方の主面上に縦横に配列されている。p型熱電変換素子30aおよびn型熱電変換素子30bは、p型、n型、p型、n型と交互に、かつ電気的に直列になるように第1、第2配線導体31a、31bで接続し、一つの電気回路を形成している。
熱電変換素子30は、公知のものを使用することができ、特に高温で優れた熱電変換性能を有している材料から構成することが好ましい。
熱電変換素子30a、30bの配線導体31a、31b側には、半田34との濡れ性が良好なNi等の電極36、Au等の被覆層35を有している。
一つの電気回路の両端には外部接続端子32が接続され、熱電変換素子30と電気的に接続されている。これらの外部接続端子32には、半田34によってリード線35が接続されており、熱電変換素子で発電された電気を外部に引き出すことができる。
そして、図3および図4に示すモジュール1においては、収納容器2の互いに対向する2つの側面の外面上に、第2の発電部26が設けられている。ここで、第2の発電部26は一方側が、内部が500〜800℃程度と非常に高温の収納容器2に直接設けられていることから、他方側との温度差を生じやすくさせることができ、より効率よく電気を生じることができる。また、第1の発電部と第2の発電部26を構成する熱電変換モジュール28との両方の発電で生じた電気を組み合わせて外部負荷に供給することで、発電効率の向上した燃料電池装置とすることができる。
なお、第2の発電部26を構成する熱電変換モジュール28は、第1の発電部で生じる熱を利用することができる場所に配置すればよく、例えば図3および図4に示すように、収納容器2の外面上に設ける場合においては、収納容器2の構造にあわせて適宜設けることができる。例えば、図4においては、収納容器の2つの側面に設けた例を示しているが、収納容器2の少なくとも1つの面に設ければよく、例えば、収納容器2の全面に設けることもできる。
図6および図7は、図3および図4に示した収納容器2の外面(外周)に断熱部材を設けることを示す外観斜視図であり、図6においては、断熱部材37の外面に熱電変換モジュール28である第2の発電部26が設けられており、図7においては、断熱部材37の内面に熱電変換モジュール28である第2の発電部26が設けられていることを示している。
ここで、固体酸化物形燃料電池においては、効率よく発電するにあたり、モジュール1を高温に維持する必要がある。それゆえ、図6および図7においては、収納容器2の外面に断熱部材37を設けている。それにより、モジュール1の温度が低下することを抑制することができ、モジュール1の発電効率を高く維持することができる。
ここで、図6に示すモジュール1においては、断熱部材37の外面に第2の発電部26が設けられている。それにより、断熱部材37側が高温となり、断熱部材37を通じてモジュール1の熱が伝熱されるとともに、反対側が低温となることで温度差が生じ、電気を生じることができる。それにより、モジュール1の温度を高温に維持しつつ、第1の発電部で発電した電気と、第2の発電部26で発電した電気とを組み合わせて外部負荷に供給することで、発電効率の向上した燃料電池装置とすることができる。なお、第2の発電部26での発電量を大きくするにあたり、高温側の熱を大きくするとともに、モジュール1の温度を高温に維持することを目的として、断熱部材37の外面側に凹部を設け、該凹部に第2の発電部26を配置することもできる。
図7に示すモジュール1においては、断熱部材37の内面側に凹部38が設けられており、凹部38内に第2の発電部26が配置されている。それにより、収納容器2側が特に高温となり、反対側が低温となって温度差が生じ、電気を生じることができる。それにより、モジュール1の温度を高温に維持しつつ、第1の発電部で発電した電気と、第2の発電部26で発電した電気とを組み合わせて外部負荷に供給することで、発電効率の向上した燃料電池装置とすることができる。
なお、収納容器2と反対側を低温とするにあたり、例えば凹部を貫通孔とすることや、凹部と第2の発電部26との間に冷媒流路を設けることもできる。なお冷媒流路については後述する。
図8は、図3および図4に示した収納容器2の外面に断熱部材を設ける他の例を示す外観斜視図であり、断熱部材37の外面に第2の発電部26が設けられている例を示している。
ここで、図8においては、断熱部材37の一部に貫通孔39が設けられているとともに、第2の発電部26の収納容器2側に、貫通孔39に挿入される棒状の埋設部40が設けられている。ここで、図8に示す構成においては、棒状の埋設部は収納容器2の外面と接するように配置されている。なお、埋設部40は、熱電変換モジュール28を構成する支持基体29と同じ材料にて設けることができる。
収納容器2の外面に断熱部材37を設ける場合に、断熱部材37の厚みによっては、モジュール1からの熱の伝熱量が少なくなり、第2の発電部26における温度差が小さくなり、第2の発電部26での発電量が少なくなる場合がある。
それゆえ、断熱部材37の厚みや伝熱量に応じて、第2の発電部26の少なくとも一部を、断熱部材37に埋設することで、モジュール1側の熱を第2の発電部26に効率よく伝えることができ、第2の発電部26における高温側と低温側との温度差を確保することができる。それにより、モジュール1の温度を高温に維持しつつ、第1の発電部で発電した電気と、第2の発電部26で発電した電気とを組み合わせて外部負荷に供給することで、発電効率の向上した燃料電池装置とすることができる。
なお、図8においては、断熱部材37の一部に貫通孔39を設けて、貫通孔39に挿入した埋設部40が収納容器2の外面に接するように配置されている例を示したが、例えば断熱部材37の一部に、断熱部材37を貫通しない窪み部を設け、該窪み部に棒状の埋設部40を挿入配置してもよい。なお、この場合の窪み部の大きさは、モジュール1からの伝熱量等に応じて適宜設定することができる。
また、図8においては、第2の発電部26に棒状の埋設部40を1つ設けた例を示したが、断熱部材37の厚みや伝熱量に応じて適宜変更することができ、例えば複数の棒状の埋設部40を設けるほか、第2の発電部26の収納容器2側全体を埋設部として断熱部材37に埋設することもできる。
一方、第2の発電部26は、第1の発電部で生じた熱を利用して発電することができればよく、上記に示したように収納容器2の外面に設けるほか、モジュール1より排出される排ガスの熱を利用して発電するように設けることもできる。すなわち、モジュール1より排出される排ガスを外装ケースの外部に排出する排ガスラインに設けることもできる。
図9は、モジュール1の排気孔25に、第2の発電部26と熱交換器42が順に接続されていること示す概念図である。
上述したように、収納容器2内に固体酸化物形の燃料電池セル3を収納してなるモジュール1は、発電中においてモジュール1内の温度が500〜800℃程度と高温となり、あわせてモジュール1より排出される排ガスの温度も高温となる。
ここで、図9においては、モジュール1の底部に、モジュール1内に酸素含有ガスを供給するための酸素含有ガス供給管41が接続されているとともに、モジュール1内の排気ガスを排出するための排気孔25に、第2の発電部26と、モジュール1より排出される排ガスと水とで熱交換を行なってお湯を生成するための熱交換器42とがこの順に接続されている。なお、熱交換器42は、下方側に温度の低い水が供給される入口44が設けられており、上方側に熱交換器42内で生成された水を送水するための出口43が設けられている。
言い換えれば、第2の発電部26は、モジュール1より排出される排ガスを外装ケースの外部に排出する排ガスラインの一部を構成しており、排ガスラインは、第2の発電部26と、熱交換器41を備えている。
このような構成の燃料電池装置においては、モジュール1より排出された排ガスが、第2の発電部の内側を流れる構成となっていることから、第2の発電部での発電に関し、モジュール1内の温度に影響を与えることを抑制でき、第1の発電部の発電効率を高く維持することができる。
なお、第2の発電部26は、モジュール1から排出される排ガスが外装ケースの外部に排出されるための排ガスラインの一部を構成していれば、モジュール1に直接接続されていなくてもよいが、より効率を高めるためには、モジュール1に直接接続されていることが好ましい。
ここで、第2の発電部26をモジュール1の排気孔25に接続する場合には、第2の発電部の内側を高温の排ガスが効率よく流れることができるよう、第2の発電部26を排ガスラインの一部を構成する筒状体とすることが好ましい。
それにより、第2の発電部26の高温側である内側を高温の排ガスが効率よく流れることから、第2の発電部26を構成する熱電変換モジュール28の両面における温度差を大きくすることができ、第2の発電部26の発電量を大きくすることができる。
なお、第2の発電部26は、図9に示すように全体として筒状体とされ、内部をモジュール1より排出された排ガスが流れるように構成されていることが好ましい。なお、排ガスラインより排出された排ガスが、第2の発電部26の内側を流れるように配置されていればよく、排ガスラインの一部を構成する筒状体の外面に設けられていてもよい。
それゆえ、例えば、第2の発電部26を、上述の熱電変換モジュール28の一部が、は筒状体を構成するように、例えば熱電変換モジュール28を複数個組み合わせるまたは1つの熱電変換モジュール28によって筒状体を構成することができるほか、例えば金属等で作製した筒状体の外面に上述の熱電変換モジュール28を設けた構成とすることもできる。それにより、筒状体の内部を流れる高温の排ガスの熱が、熱電変換モジュール28に効率よく伝わることで、第2の発電部26における高温と低温との温度差が大きくなり、第2の発電部26の発電量を大きくすることができる。なお、図9においては、金属で作製した筒状体の外面に熱電変化モジュール28を設けた例を示している。
図10は、本実施形態の燃料電池装置45の一例を概略的に示す分解斜視図であり、図11は、燃料電池装置45の外装ケースを一部取り外して概略的に示す側面図である。なお、図10および図11においては、一部構成を省略して示している。
図10、図11に示す燃料電池装置45は、支柱46と外装板47から構成される外装ケース内を仕切板48により上下に区画し、その上方側を上述したモジュール1を収納するモジュール収納室49とし、下方側を、モジュール1を動作させるための補機類を収納する補機収納室50として構成されている。なお、補機類とはモジュール1を稼働するにあたり必要な機器(例えば、各種ポンプや各種センサ等)を総称したものである。
また、仕切板48は、補機収納室50の空気をモジュール収納室49側に流すための空気流通口51が設けられており、モジュール収納室49を構成する外装板47の一部に、モジュール収納室49内の空気を排気するための排気口52が設けられている。
なお、図11においては、補機収納室50に、補機類として、モジュール1に原燃料を供給するための原燃料供給手段54、モジュール1に酸素含有ガスを供給するための酸素含有ガス供給手段55、第1の発電部および第2の発電部26により発電された電力が入力されて、負荷に出力する電力調整装置であるパワーコンディショナ56、これらの動作を制御するための制御装置57が収納されている例を示している。なお、モジュール1より排出された排ガスを外装ケースの外部に排出するための排ガスライン53に熱交換器42を備えている例を示している。
つづいて、上述した燃料電池装置を備える燃料電池システムについて説明する。
図12〜図16に示す燃料電池システムは、燃料電池装置からなる発電ユニットと、熱交換後の湯水を貯湯する貯湯ユニットと、これらのユニット間を水が循環するための循環配管とから構成されている。まず、図12〜図16に示すシステムにおいて、共通する事項について説明する。
図12〜図16に示す燃料電池システムは、セルスタック5、天然ガス等の原燃料を供給する原燃料供給手段54、セルスタック5を構成する燃料電池セル3に酸素含有ガスを供給するための酸素含有ガス供給手段55、原燃料と水蒸気により水蒸気改質する改質器6を具備している。なお、上述のように、モジュール1は、セルスタック5と改質器6を備えており、図12〜図16においては、二点鎖線により囲って示している。
なお、図12、図13に示す燃料電池システムは、図3および図4に示す構成の燃料電池モジュールを備える例を示しており、第2の発電部26を、図面の都合上、セルスタック5に設けているように示しているが、モジュール1(収納容器)の外面に設けていることを意味していることは上述の通りである。
また、図12〜図16に示す発電ユニットにおいては、セルスタック5を構成する燃料電池セル3の発電により生じた排ガス(排熱)と循環配管61を流れる水とで熱交換を行なう熱交換器42、熱交換器42で生成された凝縮水を純水に処理するための凝縮水処理装置65、凝縮水処理装置65にて処理された水(純水)を貯水するための水タンク59とが設けられており、水タンク59と熱交換器42との間が凝縮水供給管64により接続されている。なお、熱交換器42での熱交換により生成される凝縮水の水質によっては、凝縮水処理装置65を設けない構成とすることもできる。また、凝縮水処理装置65が水を貯水する機能を有する場合には、水タンク59を設けない構成とすることもできる。
水タンク59に貯水された水は、水タンク59と改質器6とを接続する水供給管66に備えられた水ポンプ58により改質器6に供給される。
さらに図12〜16に示す発電ユニットは、第1の発電部にて発電された直流電力を交流電力に変換し、変換された電気の外部負荷への供給量を調整するための電力調整装置(パワーコンディショナ)56、熱交換器42の出口に設けられ熱交換器42の出口を流れる水(循環水流)の水温を測定するための出口水温センサ60のほか、制御装置57が設けられており、循環配管61内で水を循環させる循環ポンプ62とあわせて発電ユニットが構成されている。そして、これら発電ユニットを構成する各装置を、外装ケース内に収納することで、設置や持ち運び等が容易な燃料電池装置とすることができる。なお、貯湯ユニットは、熱交換後の湯水を貯湯するための貯湯タンク62を具備して構成されている。
ここで、燃料電池システムの定格運転時の運転方法について説明する。燃料電池セル3の発電に用いられる燃料ガスを生成するために水蒸気改質を行なうにあたり、改質器6で使用される水は、熱交換器42においてセルスタック5の運転に伴って生じた排ガスと循環配管61を流れる水との熱交換により生成される凝縮水が用いられる。熱交換器42にて生成された凝縮水は、凝縮水処理装置65により純水とされて水タンク59に供給される。水タンク59に貯水された水は、水ポンプ58により改質器6に供給され、原燃料供給手段54より供給される原燃料とで水蒸気改質が行われ、生成された燃料ガスが燃料電池セルに供給される。燃料電池セルにおいては、燃料ガスと酸素含有ガス供給手段55より供給される酸素含有ガスとを用いて発電が行われる。このように凝縮水を有効に利用することにより、水自立運転を行なうことができる。
上述のような燃料電池装置においては、制御装置57は、セルスタック5の発電量に対応して必要となる酸素含有ガスを供給するように酸素含有ガス供給手段55の動作を制御し、あわせて、改質器6にて、セルスタック5の発電量に対応して必要となる燃料ガスを生成する(水蒸気改質する)ように、原燃料供給手段54の動作を制御するとともに、水ポンプ58の動作を制御する。
また、制御装置57は、外部負荷の要求に応じて、第1の発電部(セルスタック5)で生じた電気と第2の発電部26とで生じた電気を組み合わせて外部負荷に供給する。なお、セルスタック5および第2の発電部26は、それぞれパワーコンディショナ56に接続されている。それゆえ、制御装置57は、モジュール1の温度がセルスタック5の発電開始可能となるまでの間は、第2の発電部26で発電した電気を外部負荷や補機類に供給するように制御し、モジュール1の温度が上昇してセルスタック5が発電開始可能となった後は、セルスタック5で発電した電気と第2の発電部26で発電した電気とを組み合わせて外部負荷や補機類に供給するように制御する。それにより、発電効率の向上した燃料電池装置とすることができる。
図13に示す燃料電池システムは、循環ポンプ63に接続された循環配管61が、第2の発電部26の低温側である外側を流れるように設けられている。それにより、貯湯タンク62に貯水された温度の低い水が、循環ポンプ63により第2の発電部26の外側を流れることで、第2の発電部26における高温と低温との温度差が大きくなるとともに、この温度差を維持することができる。それにより、第2の発電部26の発電量を大きくすることができる。なお、図13に示す燃料電池システムにおいては、この循環配管61の一部が冷媒流路として構成されている。第2の発電部26の外側に位置する循環配管61の内部を流れた水は、続いて熱交換器42に供給され、モジュール1より排出される排ガスと熱交換器42を流れる水とで熱交換される。
これにより、第2の発電部26における発電量を大きくすることができるとともに、熱交換器42にて凝縮水やお湯を生成することができることから、さらに総合効率の向上した燃料電池装置(燃料電池システム)とすることができる。
図14〜図16に示す燃料電池システムは、図12に示す燃料電池システムと比較して、第2の発電部26が、モジュール1より排出される排ガスを外装ケースの外部に排出するまでの排ガスラインの一部であるモジュール1と熱交換器42の間に設けられている。
上述のような燃料電池システムにおいては、モジュール1より排出された排ガスが、第2の発電部26の内側を流れる構成となっていることから、第2の発電部26での発電に関し、モジュール1内の温度に影響を与えることを抑制でき、第1の発電部の発電効率を高く維持することができる。なお、基本的な運転は、図12に示す燃料電池システムと同じである。
図15に示す燃料電池システムにおいては、循環ポンプ63に接続された循環配管61が、第2の発電部26の低温側である外側を流れるように設けられている。それにより、貯湯タンク62に貯水された温度の低い水が、循環ポンプ63により第2の発電部26の外側に供給されることで、第2の発電部26における高温と低温との温度差が大きくなり、第2の発電部26の発電量を大きくすることができる。なお、図15に示す燃料電池システムにおいては、この循環配管61の一部が冷媒流路として構成されている。第2の発電部26の外側に位置する循環配管61を流れた水は、続いて熱交換器42に供給され、モジュール1より排出される排ガスと熱交換器42を流れる水とで熱交換される。これにより、第2の発電部26における発電量を大きくすることができることから、さらに総合効率の向上した燃料電池装置とすることができる。
図16に示す燃料電池システムにおいては、モジュール1と第2の発電部26との間に、モジュール1より排出された排ガスを浄化するための燃焼触媒を備えた浄化装置67が設けられている。
モジュール1より排出される排ガスには、燃料電池セル3の発電に利用されなかった燃料ガスや、燃料ガスを燃焼させる構成のモジュール1の場合には、未燃焼の燃料ガス(以下まとめて未燃焼の燃料ガスという)が含まれる場合がある。それゆえ、燃焼触媒を備える浄化装置67を設けることにより、これらの未燃焼の燃料ガスを浄化することができる。
ここで、未燃焼の燃料ガスを燃焼触媒にて浄化するにあたり、浄化の過程で発熱を生じることから、モジュール1より排出される排ガスの温度がさらに高くなることとなる。それゆえ、モジュール1と第2の発電部26との間に浄化装置を設けることで、第2の発電部26における高温と低温との温度差が大きくなり、第2の発電部26の発電量を大きくすることができる。
なお、浄化装置67としては、粒状の燃焼触媒を備える浄化装置のほか、ハニカム状の浄化装置とすることもでき、また、モジュール1の排気孔25に配置することもできる。
さらには、第2の発電部26(熱電変換モジュール28)を浄化装置67の外面に設けることもできる。この場合には、浄化装置67で未燃焼の燃料ガスを燃焼させることでモジュール1より排出される温度がさらに高くなることで、第2の発電部26の高温側の温度を高くすることができることから、第2の発電部26における高温と低温との温度差が大きくなり、第2の発電部26の発電量を大きくすることができる。さらには、浄化装置67と第2の発電部26とを一体化することで、燃料電池装置を構成する部品数を低減することができる。
ところで、上述の燃料電池装置において、制御装置57は、第1の発電部であるモジュール1により生じた電力と、第2の発電部26により生じた電力と、系統電源より供給される電力とを組み合わせて、補機類に供給する電力を制御することが好ましい。
燃料電池システムの起動時において、燃料電池セル3の発電開始前において、原燃料供給手段54や酸素含有ガス供給手段55等を稼働させて、発電に使用されなかった燃料ガスを燃焼させることで、燃料電池セル3の温度を効率よく上昇させることができる。
逆に、燃料電池システムの停止時において、燃料電池セル3の酸化による劣化を抑制することや、効率よく燃料電池セル3の温度を低下することを目的として、燃料電池セル3の発電停止後にも、原燃料供給手段54や酸素含有ガス供給手段55等を稼働させて、燃料ガスや酸素含有ガスを供給することが好ましい。なお、発電停止後とは、モジュール1から外部負荷への電力の供給を停止した後のことをいう。
この場合において、燃料電池セル3の発電が停止していることから、原燃料供給手段54や酸素含有ガス供給手段55等の補機を稼働させるために、系統電源から電力を供給する必要があるため、運転効率が悪くなるおそれがある。
そこで、本実施形態の燃料電池装置においては、系統電源と、燃料電池セル3を備える第1の発電部と、第2の発電部26とを組み合わせて、原燃料供給手段54や酸素含有ガス供給手段55等の補機類に電力を供給するよう構成することが好ましい。
図17は、本実施形態の燃料電池装置の起動時における制御の流れの一例を示すフローチャートである。以下に、図17に示すフローチャートを用いて、本実施形態の燃料電池装置の起動時における制御の一例について説明する。
燃料電池装置の起動時にける制御において、まず系統電源と補機とを接続する(ステップS1)。それにより補機の稼働が開始される。
続いて、第2の発電部26により生じた電力が補機を稼働させるための電力に達しているかどうかを検出する(ステップS2)。ここで、第2の発電部26により生じた電力が、補機を稼働させるための電力に達していない場合には、引き続き系統電源より補機に電力を供給する。
一方、第2の発電部26により生じた電力が、補機を稼働させるための電力に達した場合には、第2の発電部26と補機とを接続し(ステップS3)、第2の発電部26より補機に電力を供給すると同時に、系統電源と補機とを解列する(ステップS4)。以降においては、系統電源からの電力を必要としないため、燃料電池装置の運転効率が向上することとなる。
続いて、第1の発電部により生じた電力が補機を稼働させるための電力に達しているかどうかを検出する(ステップS5)。ここで、第1の発電部により生じた電力が、補機を稼働させるための電力に達していない場合には、引き続き第2の発電部26より補機に電力を供給する。
一方、第1の発電部により生じた電力が、補機を稼働させるための電力に達した場合には、第1の発電部と補機とを接続し(ステップS6)、第1の発電部より補機に電力を供給すると同時に、第2の発電部26と補機とを解列する(ステップS7)。これにより、第2の発電部より発電効率の高い、第1の発電部であるモジュール1の電力を補機に供給することで、燃料電池装置の運転効率がさらに向上することとなる。
図18、図19および図20は、本実施形態の燃料電池装置の停止動作時における制御の流れの一例を示すフローチャートである。なお、このフローチャートにおいて補機とは、原燃料供給手段54および酸素含有ガス供給手段55を意味しており、他の補機については、適宜設定することができる。
燃料電池装置の停止動作における制御において、図示していないが、まず、燃料電池セル3からの掃引を停止する(外部負荷との接続を解列する)。それにより、燃料電池セル3の発電が停止することとなる。次に、第1の発電部と補機とを解列する(ステップS8)。続いて、第2の発電部26の電力が補機を稼働させるための電力未満かどうかを検出する(ステップS9)。ここで、第2の発電部26の電力が補機を稼働させるための電力に満たない場合には、後述するC1に進むこととなる。
一方、第2の発電部26の電力が補機を稼働させるための電力未満でない場合には、第2の発電部26と補機とを接続する(ステップS10)。この場合、直ちに系統電源と補機とを接続する必要がないことから、燃料電池装置の運転効率が向上することとなる。
続いて、温度計測手段である熱電対13により測定された燃料電池セル3の温度が、第1の所定温度未満であるかどうかを判断する(ステップS11)。なお、第1の所定温度とは、燃料電池セル3の酸化を抑制できる温度とすればよく、例えば300〜400℃の範囲で適宜設定することができる。熱電対13により測定された燃料電池セル3の温度が、第1の所定温度以上である場合には、ステップS9に戻って、再び第2の発電部26の電力が補機を稼働させるための電力未満か否かを検出する。
一方、熱電対13により測定された燃料電池セル3の温度が、第1の所定温度未満である場合には、燃料電池セル3の酸化を抑制することができることから、第2の発電部26と原燃料供給手段54とを解列する(ステップS12)。なお、この場合において、第2の発電部26と酸素含有ガス供給手段55との接続を継続し(ステップS13)、モジュール1内の温度を低下させる。
続いて、第2の発電部26による電力が、酸素含有ガス供給手段55を稼働させるための電力未満かどうかを検出する(ステップS14)。第2の発電部26による電力が、酸素含有ガス供給手段55を稼働させるための電力未満の場合には、第2の発電部26と酸素含有ガス供給手段55とを解列(ステップS15)して、後述するC2に進むこととなる。
一方、第2の発電部26による電力が、酸素含有ガス供給手段55を稼働させるための電力以上の場合には、続いて温度計測手段である熱電対13により燃料電池セル3の温度を測定し、燃料電池セル3の温度が、第2の所定温度未満であるかどうかを判断する(ステップS16)。なお、第2の所定温度とは、燃料電池装置を分解する際に安全性が確保できる温度とすればよく、例えば0〜400℃の範囲で適宜設定することができる。なお、言うまでもないが第1の所定温度>第2の所定温度の関係を満足するように適宜設定することができる。
ここで、ステップS16において、燃料電池セル3の温度が、第2の所定温度以上である場合には、ステップS14に戻って、第2の発電部26の電力が、酸素含有ガス供給手段55を稼働させるための電力未満か否かを検出する。
一方、ステップS16において、燃料電池セル3の温度が第2の所定温度未満である場合には、第2の発電部26と酸素含有ガス供給手段55とを解列し(ステップS17)、燃料電池装置の動作を終了する。
上記のような制御により、系統電源の使用時間を大幅に減少することができることから、運転効率の向上した燃料電池装置とすることができる。
一方、ステップS9において、第2の発電部26の電力が補機を稼働させるための電力未満である場合には、続いて系統電源と補機とを接続する(ステップS18)。
続いて、温度計測手段である熱電対13により測定された燃料電池セル3の温度が、第1の所定温度未満であるかどうかを判断する(ステップS19)。なお、第1の所定温度とは、上述と同様、例えば300〜400℃の範囲で適宜設定することができる。熱電対13により測定された燃料電池セル3の温度が、第1の所定温度以上である場合には、例えば所定時間経過後等に、燃料電池セル3の温度が、第1の所定温度未満であるかどうかを再度判断する(ステップS19)。
一方、熱電対13により測定された燃料電池セル3の温度が、第1の所定温度未満である場合には、燃料電池セル3の酸化を抑制することができることから、系統電源と原燃料供給手段54とを解列する(ステップS20)。なお、この場合において、系統電源と酸素含有ガス供給手段55との接続を継続し(ステップS21)、モジュール1内の温度を低下させる。
続いて、温度計測手段である熱電対13により燃料電池セル3の温度を測定し、燃料電池セル3の温度が、第2の所定温度未満であるかどうかを判断する(ステップS22)。なお、第2の所定温度とは、上述と同様、例えば0〜400℃の範囲で適宜設定することができる。
ここで、ステップS22において、燃料電池セル3の温度が、第2の所定温度以上である場合には、例えば所定時間経過後等に、燃料電池セル3の温度が、第2の所定温度未満であるかどうかを再度判断する(ステップS22)。
一方、ステップS22において、燃料電池セル3の温度が第2の所定温度未満である場合には、系統電源と酸素含有ガス供給手段55とを解列し(ステップS23)、燃料電池装置の動作を終了する。
また、ステップS14において、第2の発電部26による電力が、酸素含有ガス供給手段55を稼働させるための電力未満の場合には、第2の発電部26と酸素含有ガス供給手段55とを解列(ステップS15)して、系統電源と酸素含有ガス供給手段55とを接続する(ステップS24)。
続いて、温度計測手段である熱電対13により燃料電池セル3の温度を測定し、燃料電池セル3の温度が、第2の所定温度未満であるかどうかを判断する(ステップS25)。なお、第2の所定温度とは、上述と同様、例えば0〜400℃の範囲で適宜設定することができる。
ここで、ステップS25において、燃料電池セル3の温度が、第2の所定温度以上である場合には、例えば所定時間経過後等に、燃料電池セル3の温度が、第2の所定温度未満であるかどうかを再度判断する(ステップS25)。
一方、ステップS25において、燃料電池セル3の温度が第2の所定温度未満である場合には、系統電源と酸素含有ガス供給手段55とを解列し(ステップS26)、燃料電池装置の動作を終了する。
図21、22は、本実施形態の燃料電池装置の停止動作時における制御の流れの他の一例を示すフローチャートであり、ステップS11までは図18で示したフローチャートと同一である。
燃料電池装置の停止動作において、燃料電池装置の分解等の処理を行なう必要がない場合がある。この場合に、酸素含有ガス供給手段55の動作を直ちに停止させ、あえて燃料電池セル3の温度を低下させない方が、燃料電池装置の再起動時の効率が向上することとなる。
それゆえ、図21に示すフローチャートにおいては、温度計測手段である熱電対13により測定された燃料電池セル3の温度が、第1の所定温度未満である場合には、第2の発電部26と補機とを解列し(ステップS27)、燃料電池装置の動作を終了する。
一方で、ステップS9において、第2の発電部26の電力が補機を稼働させるための電力未満である場合には、系統電源と補機とを接続する(ステップS28)。
続いて、温度計測手段である熱電対13により測定された燃料電池セル3の温度が、第1の所定温度未満であるかどうかを判断する(ステップS29)。熱電対13により測定された燃料電池セル3の温度が、第1の所定温度以上である場合には、例えば所定時間経過後等に、燃料電池セル3の温度が、第1の所定温度未満であるかどうかを再度判断する(ステップS29)。ステップS29において、燃料電池セル3の温度が第1の所定温度未満である場合には、系統電源と補機とを解列し(ステップS30)、燃料電池装置の動作を終了する。
それにより、燃料電池セル3の温度が低下しないうちに燃料電池装置の動作を停止することで、燃料電池装置の再起動時の効率が向上することとなる。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
上述の説明において、第2の発電部26は収納容器2の外面と、排ガスラインとのそれぞれ別個に設けた例を説明したが、収納容器2の外面と排ガスラインとの両方に設けることもできる。
また、例えば、図13、15に示す燃料電池システムにおいては、冷媒流路として循環配管61の一部を用いる例を示したが、第2の発電部26に冷媒流路として水を流す配管を独立して設け、該配管を循環配管61の熱交換器42の入り口側に接続することもできる。
また、熱交換器42の出口側に接続されている循環配管61を、第2の発電部26の低温側である外側を流れるように配置して、貯湯タンク62に接続するように構成することもできる。この場合であっても、第2の発電部における高温と低温との温度差が十分に確保することができ、第2の発電部26の発電量を大きくすることができる。
さらに、貯湯タンク62を備えていない燃料電池装置においては、冷媒を流す配管を別途設けるほか、冷媒が内部に充填された袋を第2の発電部26の低温側に設けてもよい。この場合、冷媒は水に限られるものではなく、例えば、メタノール、エタノール、エチレングリコール等の適宜公知の冷媒を用いることができる。
また、燃料電池装置の運転時において、例えば、図1で示す改質器6において、水蒸気改質を行なう場合においては、燃料電池装置の起動や停止動作において、改質器6に水を供給するための水ポンプ58の動作も制御することが好ましい。
この場合において、水ポンプ58の動作の制御は、原燃料供給手段と同時に行なえばよい。それゆえ、例えば図18〜図22に示すフローチャートにおいては、原燃料供給手段を、原燃料供給手段および水ポンプと読み替えることで、運転効率の向上した燃料電池装置とすることができる。