JPWO2012157575A1 - 有機エレクトロルミネッセンス素子及び有機エレクトロルミネッセンス照明装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子及び有機エレクトロルミネッセンス照明装置 Download PDF

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Abstract

輝度の上昇と、色温度、色調変化を抑制し、長寿命化を図った有機EL素子や、有機EL照明装置を提供する。透光性基板上に設けられる透光性電極層及びこれと対をなす電極層と、該1対の電極層間に、相対的に劣化を受けやすい有機エレクトロスミネッセンス材料を含有する易劣化性発光層及び相対的に劣化を受けにくい有機エレクトロルミネッセンス材料を含有する難劣化性発光層を含む発光層とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、発光層において再結合せずに、易劣化性発光層側の電極層へ移動するキャリア量を、難劣化性発光層側の電極層へ移動するキャリア量より少量にするキャリア調整手段を備えたものである。

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(有機ELともいう。)を発光体に用いた有機EL素子や、有機EL照明装置に関し、より詳しくは、色ずれが抑制され、長寿命な有機EL素子や、有機EL照明装置に関する。
有機EL素子は、透光性基板上に設けられる透光性電極層とこれと対をなす電極層間に、有機EL材料を含有する発光層を備えた構成を有し、正極電極層から発光層へ注入される正孔と陰極電極層から発光層へ注入される電子(これらをキャリアともいう。)の再結合により、励起状態にされた有機ELが低エネルギー準位又は基底状態に戻る際に光を放出する素子である。このような有機EL素子を用いた有機EL照明装置は、有機EL素子の発光を透光性電極層、透光性基板を透過させその表面の発光面から外部へ放出させる面状光源であり、薄膜であって、低電圧で発光し、高速応答性に優れることから、利用価値が高い。
この種の有機EL素子を有機EL照明装置に用いる場合、白色光を発光させるため、発光層に、複数の有機ELを用い、例えば、青色を発光する有機EL及び青色の補色である黄色を発光する有機ELを用いるものや、青色、緑色、赤色をそれぞれ発光する有機ELを用い、これらを含有する複数層構造を有するものが用いられている。
しかしながら、このような有機EL照明装置において、使用に伴い輝度低下や色温度の低下、即ち、色度座標が赤い方向へ移行する傾向がある。この色調の変化は使用者にとっては、色ずれとして認識され、照明光源として改善すべきものである。有機EL照明装置における色調変化は、使用する各有機ELが受ける劣化の程度に起因すると考えられる。一般的に、青色を発光する有機ELは、赤色や緑色を発光する有機ELと比較して、劣化を受けやすく、駆動により輝度低下が生じやすい。
青色発光層を有する有機EL素子として、青色発光層の陰極側に青色発光層から陰極側へ正孔の移動を規制する正孔ブロッキング層と、このブロッキング層の陰極側に、電子輸送材料と発光スペクトルのピーク波長が555nmより大きい発光材料とからなる電子輸送層を有することにより、青の色度を向上させ、長寿命化を図った有機EL素子(特許文献1)が報告されている。
本発明者らは、既に、青色発光材料を含有する発光層を有する有機EL素子において、電子注入層又は電子輸送層に特定のガリウム化合物を含有させ、イオン化ポテンシャルを青色発光層のそれより大きくし、高輝度化、発光の高効率化を図ったEL素子(特許文献2)を開発している。
その他、電極層、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子注入層、電極層でエネルギー準位を調整し、キャリアの通り抜けを抑制し、キャリアの再結合量不足による発光の低下を抑制した透明有機EL装置(特許文献3)が報告されている。
しかしながら、従来の有機EL素子においては、電極層から注入されたキャリアが発光層を通過して他方の電極層へ移動するのを抑制しブロック性を向上させて、発光層における正孔と電子との再結合効率の低下を抑制し、発光効率の上昇を図るものであり、駆動により受ける劣化の程度が異なる複数の有機EL材料を用いた有機EL素子において、その寿命が、劣化を受けやすい有機EL材料の寿命に拘束されてしまう。このため、複数の有機EL材料を用いた有機EL素子に対し、輝度の上昇を図ると共に、長寿命化の要請がある。
国際公開2005/101911公報 特開2001−85166 特開2006−73636
本発明の課題は、輝度の上昇と、長寿命化を図った有機EL素子や、輝度の上昇と、色温度、色調変化を抑制し、長寿命化を図った有機EL照明装置を提供することにある。
本発明者は、有機EL素子について検討した結果、複数の有機EL材料を含有する有機EL素子の発光層において、再結合するキャリア量を増加させると共に、再結合せずに、相対的に劣化を受けやすい有機EL材料を含む層側の電極層へ移動するキャリアを、相対的に劣化を受けにくい有機EL材料を含む層側の電極層へ移動するキャリアより少量とすることにより、有機EL素子の輝度の上昇を図ると共に、長寿命化を図ることができることの知見を得、かかる知見に基き、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、透光性基板上に設けられる透光性電極層及びこれと対をなす電極層と、該1対の電極層間に、相対的に劣化を受けやすい有機エレクトロスミネッセンス材料を含有する易劣化性発光層及び相対的に劣化を受けにくい有機エレクトロルミネッセンス材料を含有する難劣化性発光層を含む発光層とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、発光層において再結合せずに、易劣化性発光層側の電極層へ移動するキャリア量を、難劣化性発光層側の電極層へ移動するキャリア量より少量にするキャリア調整手段を備えたことを特徴とする有機EL素子に関する。
また、本発明は、上記有機EL素子を用いたことを特徴とする有機EL照明装置に関する。
本発明の有機EL素子によれば、複数の有機EL材料を含む発光層において、再結合するキャリア量を増加させて、輝度の上昇を図ると共に、再結合に関与せずに、相対的に劣化を受けやすい有機EL材料を含む層側の電極層へ移動する余剰キャリアを、相対的に劣化を受けにくい有機EL材料を含む層側の電極層へ移動する余剰キャリアより少量にすることにより、劣化を受けやすい有機ELの劣化を抑制し、有機EL素子の長寿命化を図ることができる。
本発明の有機EL素子の一例を示す構成図である。 本発明の有機EL素子の他の例を示す構成図である。 本発明の有機EL素子の他の例を示す構成図である。 実施例1の有機EL素子の発光輝度の変化を示す説明図である。 実施例1の有機EL素子の色温度の変化を示す説明図である。
1、11、21 透光性基板
2、12、22 陽極電極層(透光性電極層)
3、13、23 正孔注入層
4、14、24 正孔輸送層
5 電子ブロック層(難劣化性発光層側ブロック層)
6a 赤色発光層(難劣化性発光層)
6b 緑色発光層(難劣化性発光層)
16ab 赤色緑色発光層(難劣化性発光層)
26ab 黄色発光層(難劣化性発光層)
6c、16c、26c 青色発光層(易劣化性発光層)
7、17、27 正孔ブロック層(易劣化性発光層側ブロック層)
8、28 電子輸送層
18 電子注入輸送層
9、29 電子注入層
10、20、30 陰極電極層(電極層)
100、200、300 有機EL素子
本発明の有機EL素子は、透光性基板上に設けられる透光性電極層及びこれと対をなす電極層と、該1対の電極層間に、相対的に劣化を受けやすい有機エレクトロスミネッセンス材料を含有する易劣化性発光層及び相対的に劣化を受けにくい有機エレクトロルミネッセンス材料を含有する難劣化性発光層とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、発光層において再結合せずに、易劣化性発光層側の電極層へ移動するキャリア量を、難劣化性発光層側の電極層へ移動するキャリア量より少量にするキャリア調整手段を有することを特徴とする。
上記有機EL素子に用いる透光性基板は、後述する透発光層から発光される光を入射し、入射面に対向する発光面から放出するものであり、発光層からの光の透過率が高いものが好ましい。透光性基板としては、例えば、石英ガラス、ソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス、その他、アルミノケイ酸ガラス、ホウ酸塩ガラス、リン酸塩ガラスのガラスや樹脂フィルム等を用いることができる。透光性基板は、例えば、0.1〜2mmの厚さのものを用いることができる。
上記透光性基板上に設けられる透光性電極層は、発光層からの光の透過率が高い材料で形成することが好ましい。透光性電極層は正孔又は電子のいずれのキャリアを供給するものであってもよいが、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)等の正孔を供給する陽極として形成することができる。透光性電極層は、例えば、100〜300nm等の厚さに形成することができる。
透光性電極層には、透光性電極層の低抵抗化を図る補助電極層を設けてもよい。補助電極層は、透光性に限らず遮光性であってもよく、透光性電極層上の一部分に積層して設けることができる。補助電極層は、導電性を有する、クロム、アルミニウム、モリブデン、ニオブ、ネオジム等の金属や、これらの合金、アルミニウム・ネオジム、モリブデン・ニオブ、モリブデン・アルミニウム等を用いて形成することが好ましい。
上記透光性電極層と対をなす電極層は、後述する発光層に対し、透光性電極層の反対側に設けられ、透光性であっても、遮光性であってもよいが、有機EL素子を一面からの発光を用いる照明装置に使用する場合は、遮光性であることが、発光層からの光を透光性基板側へ反射し、発光面から放出される光量を増加させ、輝度の上昇を図ることができることから好ましい。透光性電極層が陽極として、上記材料で形成される場合、電子を供給する陰極として、例えば、アルミニウム、銀等の金属薄膜の遮光性の陰極とすることが、発光層の発光を透光性電極層側へ反射し、発光面からの放出光量の減少を抑制できることから、好ましい。
電極層の厚さは、配線抵抗による電圧降下を考慮すると厚い方が好ましく、例えば、50〜300nmとすることができる。
発光層は、電子と正孔の再結合により励起子を形成し、励起状態となり、励起状態から低レベル準位、又は基底状態に戻る際に発光する有機EL材料を複数含有するものである。有機EL発光材料は、用いられる有機EL照明装置の目的とする発光色、所望の発光色度に応じて、有機EL材料を選択することができる。有機EL材料として、具体的には、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム錯体(Alq3)、ビスジフェニルビニルビフェニル(BDPVBi)、1,3−ビス(p−t−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジアゾールイル)フェニル(OXD−7)、N,N' −ビス(2,5−ジ−t−ブチルフェニル)ペリレンテトラカルボン酸ジイミド(BPPC)、1,4ビス(N−p−トリル−N−4−(4−メチルスチリル)フェニルアミノ)ナフタレン等の低分子化合物、ポリフェニレンビニレン系ポリマー等の高分子化合物等の発光材料を用いて形成することができる。
また、有機EL材料は、ホストとドーパントの二成分系からなるものであってもよく、二成分系の発光材料においては、励起状態のホスト分子のエネルギーがドーパント分子へ移動してドーパント分子がエネルギーを放出して発光する。ホスト化合物として、上記発光材料や、電子輸送材料、正孔輸送材料を用いることができる。例えば、Alq3等のキノリノール金属錯体に4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM)、4−(ジシアノメチレン)−2−t−ブチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルユロリジル−9−エニル)−4H−ピラン(DCJTB)等のピラン系誘導体、2,3−キナクリドン等のキナクリドン誘導体や、3−(2' −ベンゾチアゾール)−7−ジエチルアミノクマリン等のクマリン誘導体をドープしたもの、後述する電子輸送材料のビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリン)−4−フェニルフェノール−アルミニウム錯体に、ペリレン等の縮合多環芳香族をドープしたもの、あるいは後述する正孔輸送材料の4,4' −ビス(m−トリルフェニルアミノ)ビフェニル(TPD)にルブレン等をドープしたもの、4,4´−ビスカルバゾリルビフェニル (CBP)、4,4´−ビス(9−カルバゾリル)−2,2´−ジメチルビフェニル(CDBP)等のカルバゾール系化合物に、トリス−(2フェリニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy)3)(緑色)、ビス(4,6-ジ-フルオロフェニル)-ピリジネート−N,C2) イリジウム(ピコリネート)(FIr(pic))(青色)、ビス(2−2’−ベンゾチエニル)−ピリジネート−N, C3イリジウム(アセチルアセトネート)(Btp2Ir(acac))(赤色)、トリス−(ピコリネート)イリジウム(Ir(pic)3)(赤色)、ビス(2−フェニルベンゾチオゾラト−N,C2)イリジウム(アセチルアセトネート)(Bt2Ir(acac))(黄色)等のイリジウム錯体や白金錯体をドープしたもの等を用いることができる。
これらの有機EL材料を組み合わせて、白色発光を得るためには、赤色、緑色、青色を発光する有機EL材料の組合せ、或いは、青色と黄色等の補色を発光する有機EL材料の組合せとすることができる。具体的には、緑色発光には、Alq3、ドーパントにキナクドリンや、クマリン等、青色発光には、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルエテニル)−1,1’−ビフェニル(DPVBi)、ドーパントに4,4‘−ビス[2−{4−(N,N−ジ(4−メチルフェニル)アミノ)フェニル}ビニル]ビフェニル(DPAVBi)、ペリレンやジスチリルアリーレン誘導体等、緑〜青緑色発光には、OXD−7等、赤〜オレンジ色発光には、ドーパントにDCM、DCJTB等、黄色発光には、ドーパントにルブレン等を用いることができる。
このような有機EL材料は、駆動中に受ける劣化は材料毎に異なり、相対的に劣化を受けやすいものと、相対的に劣化を受けにくいものが用いられる。例えば、青色を発光するためには、赤色や緑色の発光に比べて、より広いバンドギャップが必要であり、広いバンドギャップを有し、安定して発光する有機EL材料を得るのは困難であり、青色発光有機EL材料は相対的に劣化を受けやすい傾向にある。また、正孔又は電子は、有機EL材料の酸化還元反応を反復して層中を移動するが、酸化還元反応において、不純物等の存在により、有機EL材料が副反応により発光に寄与しない別の物質に変化することにより、発光層中の有機EL材料の含有量が徐々に減少する。青色発光有機EL材料は発光に寄与しない別物質への変化率が高い傾向にある。
複数の有機EL材料を組み合わせて使用する発光層においては、各種の有機EL材料が受ける劣化を一律にすることは困難であり、各有機EL材料毎の層とすると相対的に劣化を受けやすい有機EL材料を含む易劣化性発光層と、相対的に劣化を受けにくい有機EL材料を含む難劣化性発光層とを有する層構造になる。これらの易劣化性発光層、難劣化性発光層は、それぞれ、有機EL材料毎に設けた複数層からなるものであってもよく、また、それぞれ、発光色が異なる複数の有機EL材料を含有する一層で構成されていてもよい。例えば、青色発光有機EL材料を含有する易劣化性発光層と、赤色発光有機EL材料と緑色発光有機EL材料を含有する難劣化性発光層とを挙げることができる。
上記有機EL素子は、発光層に、陽極からの正孔の注入を促進するため、陽極電極層と発光層間に、陽極電極層側から順次、正孔注入層、正孔輸送層を有していてもよく、陰極からの電子の注入を促進するため、陰極電極層と発光層間に、陰極電極層側から順次、電子注入層、電子輸送層を有していてもよい。これらの層は必要に応じて設けることができ、適宜必要な層を選択することができる。
正孔注入層は、陽極電極層から発光層への正孔の注入障壁を下げると共に、陽極電極層と正孔輸送層とのエネルギーレベルの相違を緩和し、陽極から注入される正孔の正孔輸送層への注入を容易にするために設けられる。正孔注入層は、例えば、銅フタロシアニンやアリールアミン誘導体等の低分子材料、ポリチオフェン系材料ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(4−スチレンサルフォネート(PEDOT−PSS)に代表される高分子系正孔注入材料を用いて形成することができる。
正孔輸送層は、例えば、ビス(ジ(p−トリル)アミノフェニル)−1,1−シクロヘキサン、TPD、N,N’−ジフェニル−N−N−ビス(1−ナフチル)−1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(α−NPD)等のトリフェニルジアミン類や、芳香族アミン誘導体等の正孔輸送材料を用いて形成することができる。
電子輸送層は、例えば、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(Bu−PBD)、OXD−7等のオキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、キノリノール系の金属錯体等の有機物質を用いて形成することができる。
電子注入層は、陰極に用いられるアルミニウム等金属材料の仕事関数と、電子輸送層の電子親和力(LUMO準位)のエネルギー差が大きいことに起因して電子の注入が困難になるのを緩和するために設けられ、リチウムやセシウム等のアルカリ金属、若しくは、カルシウム等のアルカリ土類金属のフッ化物や酸化物、又は、マグネシウム銀やリチウムアルミニウム合金等から選択される仕事関数の小さい物質で形成することが好ましい。
これらの各層の厚さは、各層を5〜500nm、合計100〜1000nmとすることができる。
このような有機EL素子において、発光層において再結合せずに、易劣化性発光層側の電極層へ移動するキャリア量を、難劣化性発光層側の電極層へ移動するキャリア量より少量にするキャリア調整手段が備えられる。陰極電極層から供給されるキャリアである電子は、酸化還元反応を反復して移動して発光層へ達し、発光層において逆極性のキャリアの正孔と1対1で再結合してフォトンを生成するが、再結合に与らない電子は、発光層から酸化還元反応を反復して陽極電極層へ移動する。また、陽極電極層から供給される正孔は、酸化還元反応を反復して移動し発光層へ達し、発光層において逆極性のキャリアの電子と再結合してフォトンを生成するが、再結合に与らない正孔は、発光層から酸化還元反応を反復して陰極電極層へ移動する。ここで、キャリア調整手段は、発光層において再結合に与らない余剰キャリアとして、易劣化性発光層側の電極層へ移動するキャリア量が、難劣化性発光層側の電極層へ移動するキャリア量より少量になるように調整する。これにより、易劣化性発光層に含有される易劣化性有機EL材料は、難劣化性発光層に含有される難劣化性有機EL材料より、キャリアの移動に伴う酸化還元反応により受ける劣化が低減される。易劣化性発光層の劣化の低減により、色ずれのない発光が維持され、有機EL素子の長寿命化を図ることができる。
キャリア調整手段の一つとして、一方の電極層から供給されたキャリアが発光層を移動して他方の電極層へ移動するのを抑制するブロック層を挙げることができる。ブロック層は、発光層から電極層へのキャリアの移動を抑制することにより、逆極性のキャリアとの再結合の確率を上昇させることができる。
ブロック層として、発光層を挟持するように、易劣化性発光層側に設けられる易劣化性発光層側ブロック層と、難劣化性発光層側に設けられる難劣化性発光層側ブロック層とを有し、易劣化性発光層側ブロック層のブロック性を、難劣化性発光層側ブロック層のブロック性より高く設定したものを挙げることができる。
易劣化性発光層側ブロック層は、難劣化性発光層側の電極層から供給され発光層に注入されるキャリアが、逆極性のキャリアと再結合せず、易劣化性発光層中を移動し、易劣化性発光層側の電極層へ移動するのを抑制する。また、難劣化性発光層側ブロック層は、易劣化性発光層側の電極層から供給され発光層に注入されるキャリアが、逆極性のキャリアと再結合せず、難劣化性発光層中を移動し、難劣化性発光層側の電極層へ移動するのを抑制する。このため、発光層において、易劣化性発光層側の電極層からのキャリアと、これと逆特性の難劣化性発光層側の電極層からのキャリアとが再結合する割合を上昇させることができ、輝度の上昇を図ることができる。
そして、易劣化性発光層側ブロック層のブロック性を難劣化性発光層側のブロック性より高くすることにより、易劣化性発光層を移動して易劣化性発光層側電極層へ移動するキャリア量が、難劣化性発光層を移動して難劣化性発光層側電極層へ移動するキャリア量より少量になり、易劣化性発光層においてキャリアの移動により受ける劣化を難劣化性発光層が受ける劣化より低減することができる。
このような易劣化性発光層側ブロック層は、易劣化性有機EL材料に用いたホスト化合物で形成することができ、難劣化性発光層側ブロック層は、難劣化性有機EL材料に用いたホスト化合物で形成することができる。ブロック層のブロック性の調整は、易劣化性発光層側ブロック層の厚さを、難劣化性発光側ブロック層の厚さより厚くすることにより行うことができる。具体的には、易劣化性発光層側ブロック層の厚さを、5nm〜20nmとし、難劣化性発光側ブロック層の厚さを、トンネル効果も考慮し、2nm〜10nmとすることができる。
このようなブロック層は、陽極電極側に設けられる電子ブロック層としては、LUMOレベルが高く(電子親和力の小さい)、HOMO準位が正孔輸送層のHOMOに近い材料で形成されることが好ましく、陰極電極側に設けられる正孔ブロック層としては、HOMOレベルが低く(イオン化ポテンシャルの大きい)、LUMO準位が電子輸送層のLUMOに近い材料で形成されることが好ましい。電子ブロック層の形成に用いる材料として、例えば、4,4’,4“−トリス〔3−メチルフェニル(フェニル)アミノ〕トリフェニルアミン(m−MTDATA)、4,4’,4“−トリス〔1−ナフチル(フェニル)アミノ〕トリフェニルアミン(1−TNATA)、4,4’,4“−トリス〔2−ナフチル(フェニル)アミノ〕トリフェニルアミン(2−TNATA)、4,4’,4“−トリス〔9,9−ジメチルフルオレン−2−イル(フェニル)アミノ〕トリフェニルアミン(TFATA)等のスターバーストアミン系材料、TPD等を挙げることができる。また、正孔ブロック層の形成に用いる材料として、例えば、2,9‐ジメチル‐4,7‐ジフェニル‐1,10‐フェナントロリン(BCP)、1,3,5―トリ(4−フルオロビフェニルー4‘−イル)ベンゼン(F−TBB)やトリアリールボラン誘導体等、BAlq等を挙げることができる。
また、キャリア調整手段として、易劣化性発光層側の電極層から供給されるキャリアを多数キャリアとするキャリア供給量調整手段を挙げることができる。キャリア供給量調整手段として、陽極の電極層と発光層間に設けられる正孔注入層や正孔輸送層、陰極の電極層と発光層間に設けられる電子注入層や電子輸送層のキャリアの輸送効率を調整する手段を挙げることができる。
このようなキャリア供給量調整手段としては、易劣化性発光層が陽極電極層側に設けられる場合、発光層において正孔と再結合されず、余剰キャリアとして陽極電極層へ移動する電子が、陰極電極層へ移動する正孔より少量となるように、正孔注入層や正孔輸送層の正孔の輸送効率を上昇させる手段を用いる。正孔の輸送効率を上昇させる手段としては、正孔注入層や正孔輸送層に、酸化モリブデン、酸化バナジウム、及びF4-TCNQから選ばれる1種又は2種以上をドーピングする手段を挙げることができ、これらの酸化物のドーピング量を増加させるに伴い、正孔の輸送効率を上昇させることができる。また、正孔の輸送効率を上昇させる手段として、正孔注入層や、正孔輸送層の膜厚を、電子注入層や電子輸送層に対し、相対的に薄くすることが挙げられる。
また、キャリアの輸送効率を調整する手段として、易劣化性発光層が陰極電極層側に設けられる場合、発光層において電子と再結合されず、余剰キャリアとして陰極電極層へ移動する正孔を、陽極電極層へ移動する電子より少量とするため、電子注入層や電子輸送層の電子の輸送効率を上昇させる手段を用いる。電子の輸送効率を上昇させる手段としては、電子注入層や電子輸送層に、リチウム等のアルカリ金属を含む有機金属錯体、例えば、8−ヒドロキシキノリンリチウム(Liq)をドーピングする手段を挙げることができ、これらの有機金属錯体のドーピング量を増加させるに伴い、電子輸送効率を上昇させることができる。このとき、例えばLiqより移動度の大きな電子輸送層を用いた場合は、逆にLiqのドーピング量を増加させることにより電子輸送効率を下げることもできる。また、電子の輸送効率を上昇させる手段として、電子注入層や、電子輸送層の膜厚を、正孔注入層や正孔輸送層に対し、相対的に薄くすることが挙げられる。
更に、キャリアの輸送効率を調整する手段として、各層のHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital:最高占有分子軌道)準位と、LUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital:最低非占有分子軌道)準位を調整する手段を挙げることができる。これによりキャリアの注入効率を調整することができる。HOMO準位は、分子において、電子が存在している軌道のうち、最もエネルギーが高い軌道であり、LUMO準位は、分子において、電子が存在しない空の軌道のうち、最もエネルギーが低い軌道である。陽極電極層から陰極電極層間において、積層される各層のHOMO準位を順次上昇させることにより、正孔の輸送効率を上昇させることができる。また、陰極電極層から陽極電極層間において、積層される各層のLUMO準位を順次上昇させることにより、電子の輸送効率を上昇させることができる。このため、易劣化性発光層が陰極電極層側に設けられる場合、正孔輸送効率より電子輸送効率が高くなるように、各層のHOMO準位、LUMO準位を調整し、易劣化性発光層が陽極電極層側に設けられる場合、電子輸送効率より正孔輸送効率が高くなるように、各層のHOMO準位、LUMO準位を調整することができる。
上記キャリア調整手段として、ブロック層や、キャリアの輸送効率の調整、HOMO準位とLUMO準位の調整等を組み合わせて用いることができる。
キャリア調整手段による発光層におけるキャリアの移動度は、飛行時間法や、空間電化制限電流測定法により測定することができる。また、発光層中のキャリア量は、静電容量顕微鏡法、ラマン分光法等により測定することができる。
以下、有機EL素子の製造方法を説明する。透光性電極層はシャドーマスクを介してスパッタ法、蒸着法、CVD法等により、透光性基板の所定の領域に積層したり、スパッタ法、蒸着法、CVD法等により一様に成膜した透光性電極膜をフォトリソグラフィー法によりパターニングして形成することができる。透光性電極層の一端に配線部材との接続部を形成するため、一端を延長して設けることが好ましい。
電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層や、ブロック層(以下、これらを纏めて有機層ともいう。)は上記材料を用いて、抵抗加熱による真空蒸着法、MBE法、レーザーアブレーション法等でシャドーマスクを介して所望の形状に成膜することができる。また、これらの層の形成に高分子材料を用いる場合、液状にしてインクジェット法を用いて所望の形状に形成することもでき、また、感光性塗布液にしてスピンコートやスリットコートし、フォトリソグラフィー法により所望の形状に形成することもできる。
有機層上に透明電極層と対をなす他方の電極層は、上記材料を用いて、真空蒸着法やスパッタ法等により形成することができる。また、電極層の一端に配線部材との接続部を形成するため、一端を延長して設けることが好ましい。
上記透光性電極層及び電極層の一端を延設して形成した接続部に配線部材の一端を接続する。配線部材は、接続部の抵抗の上昇を抑制するために、電極の一端の幅の全体に亘る幅を有するものを用いることができる。配線部材として、銅ポリイミド等の可撓性を有するフィルムを適用することもできる。更に、配線部材の他端を、点灯回路、点灯回路の制御回路等を設けた基板の接続端子に接続し、透光性電極層及び電極層に外部電源の供給を可能とする。
本発明の有機EL素子の一例を、具体的に説明する。
図1に示す有機EL素子100は、透光性基板1上に、順次、透光性電極層である陽極電極層2、正孔注入層3、正孔輸送層4、難劣化性発光層側ブロック層である電子ブロック層5、難劣化性発光層である赤色発光層6aと緑色発光層6b、易劣化性発光層である青色発光層6c、易劣化性発光層側ブロック層である正孔ブロック層7、電子輸送層8、電子注入層9、陰極電極層10を有する。
有機EL素子100は、無アルカリガラスの透光性基板に、ITOの透光性電極材料をシャドーマスクを用いてスパッタにより一面に成膜し、パターニングにより陽極電極と共に、電極の端子部を同時に形成する。正孔注入層材料、正孔輸送層材料、電子ブロック層材料、赤色発光層材料、緑色発光層材料、青色発光層材料、正孔ブロック層材料、電子輸送層材料、電子注入層材料、陰極電極層材料を真空蒸着により成膜する。発光層材料は、ホスト材料に各色のドーパントをドーピングして得られる。電子ブロック層材料は、赤色発光層材料間でHOMO順位、LUMO順位を最適化する材料を用いてもよいが、赤色発光層材料のホスト化合物のみを用いることができる。正孔ブロック層材料は、青色発光層材料間でHOMO順位、LUMO順位を最適化する材料を用いてもよいが、青色発光層材料のホスト化合物のみを用いることができる。正孔ブロック層の厚さを、電子ブロック層の厚さより厚くして、正孔ブロック層のブロック性を、電子ブロック層のブロック性より高くする。真空蒸着による成膜後、パターニングすることを反復してもよいが、真空蒸着により積層膜を形成後、一体的にパターニングしてもよい。
このような有機EL素子においては、正孔ブロック層のブロック性を電子ブロック層のブロック性より高くすることにより、発光層において電子と再結合する正孔の割合を高くし、輝度を向上させることができる。また、再結合に与らない電子を正孔より過剰にし、陰極電極層へ移動する正孔を減少させる。青色発光層を移動する正孔量を、緑色発光層や赤色発光層を移動する電子量より低減させ、青色発光層の劣化を抑制することができる。
図2に示す有機EL素子200は、透光性基板11上に、順次、透光性電極層である陽極電極層12、正孔注入層13、正孔輸送層14、難劣化性発光層である赤色緑色発光層16ab、易劣化性発光層である青色発光層16c、易劣化性発光層側ブロック層である正孔ブロック層17、電子注入輸送層18、陰極電極層20を有する。
有機EL素子200の電子注入輸送層18は、電子輸送材料に、8−ヒドロキシキノリンリチウム(Liq)等のアルカリ金属の有機金属錯体を共蒸着して形成する。LiFやLiO等アルカリ金属フッ化物・酸化物、アルカリ土類金属フッ化物・酸化物等の無機化合物を用いず、8−ヒドロキシキノリンリチウム等のアルカリ金属の有機金属錯体をドーピングすることにより、電子の輸送効率を高くし、発光層において電子を過剰にする。過剰電子量は、アルカリ金属の有機金属錯体のドーピング量を増減して、調整することができる。
透光性基板、透光性の陽極電極層、正孔注入層、正孔輸送層、正孔ブロック層、陰極電極層、青色発光層については、図1に示す有機EL素子と同様に調製することができ、赤色緑色発光層は、図1に示す赤色発光層6aと緑色発光層6bに用いる赤色発光材料及び緑色発光材料と同様の材料を用いて調製することができる。
このようにして得られる有機EL素子においては、発光層において、再結合に与らない電子が正孔より過剰にし、陰極電極層へ移動する正孔を減少させることができる。青色発光層を移動する正孔量を、赤色緑色発光層を移動する電子量より低減させ、青色発光層の劣化を抑制することができる。
図3に示す有機EL素子300は、透光性基板21上に、順次、透光性電極層である陽極電極層22、正孔注入層23、正孔輸送層24、難劣化性発光層である黄色発光層26abと、易劣化性発光層である青色発光層26c、正孔ブロック層27、電子輸送層28、電子注入層29、陰極電極層30を有する。
電子輸送層、電子注入層の膜厚を薄く、正孔輸送層、正孔注入層の膜厚を厚くする。具体的には、例えば、正孔注入層を30nm、正孔輸送層を25nm、電子輸送層を30nm、電子注入層を1nmとすることができる。
黄色発光層は、黄色発光材料を用いて形成し、その他の各層は実施例1と同様の材料を用いて同様の方法により調製することができる。
このようにして得られる有機EL素子においては、発光層において、再結合に与らない電子を正孔より過剰にし、陰極電極層へ移動する正孔を減少させる。青色発光層を移動する正孔量を、黄色発光層を移動する電子量より低減させ、青色発光層の劣化を抑制することができる。
本発明の有機EL照明装置は、上記有機EL素子を備えたものであればよい。本発明の有機EL照明装置は、液晶ディスプレイ等のバックライト等に適用することができる。
以下、本発明の有機EL素子を具体的に説明する。
[実施例1]
図1に示す構造を有する有機EL素子を作製した。各層は以下の材料を用いて、以下に示す厚さに形成した。尚、図1中、赤色発光層6aと緑色発光層6bは、図2中の16abで示す赤色緑色発光層に該当する一層構造とした。
陽極電極層:ITO 300nm
正孔注入層:銅フタロシアニン 25nm
正孔輸送層:α−NPD 20nm
電子ブロック層:m−MTDATA 5nm
赤色緑色発光層:CBP+Btp2Ir(acac)/CBP+Ir(ppy)3 20nm
青色発光層:CBP+FIr(pic)10nm
正孔ブロック層:BCP 10nm
電子輸送層:Alq3 40nm
電子注入層:LiF 1.5nm
陰極電極層:Al 100nm
得られた有機EL素子について、輝度の低下と色温度変化の経時変化を評価した。初期輝度1000cd/mから駆動し、初期輝度比70%に至る時間(LT70)を測定した。得られた有機EL素子のLT70は、10000時間であった。
電子ブロック層及び正孔ブロック層を設けないこと以外は実施例1と同様に作製した有機EL素子(比較例1)について、同様に輝度の低下を測定した。比較例1では、LT70は6000時間であった。結果を、図4に示す。
また、実施例1の有機EL素子の色温度は、10000時間経過後も変化しなかったのに対し、比較例1では、初期3200Kであった色温度は、6000時間駆動後は、2700Kであった。結果を、図5に示す。
[実施例2]
透光性基板上に以下の材料を用いて、以下に示す厚さの層を順次形成し、図2に示す有機EL素子を作製した。
陽極電極層:ITO 300nm
正孔注入層:PEDOT−PSS 30nm
正孔輸送層:α−NPD 20nm
赤色緑色発光層:CBP+Btp2Ir(acac)/CBP+Ir(ppy)3 25nm
青色発光層:CBP+FIr(pic)10nm
正孔ブロック層:BCP 10nm
電子注入輸送層:Alq3+Liq 40nm
陰極電極層 Al 100nm
得られた有機EL素子について、輝度の低下と色温度変化の経時変化を実施例1と同様に評価したところ、正孔ブロック層を設けず、電子注入輸送層に替えて実施例1と同様の電子輸送層と電子注入層を設けたこと以外は実施例2と同様に作製した有機EL素子(比較例2)に対し、LT70は1.7倍長く、色温度変化比は1/10以下であった。
[実施例3]
図3に示す構造を有する有機EL素子を作製した。各層は以下の材料を用いて、以下に示す厚さに形成した。
陽極電極層:ITO 300nm
正孔注入層:PEDOT−PSS 30nm
電子ブロック性正孔輸送層:TPD 25nm
黄色発光層:α−NPD+ルブレン 20nm
青色発光層:DPVBi+DPAVBi 15nm
正孔ブロック層:BCP 10nm
電子輸送層:Alq3 30nm
電子注入層:LiF 1nm
陰極電極層:Al 100nm
得られた有機EL素子について、輝度の低下と色温度変化の経時変化を実施例1と同様に評価したところ、正孔ブロック層および正孔輸送層の材料をα−NPDに替え、電子注入輸送層と電子注入層の厚さを実施例1と同様に作製して電子注入輸送特性を調整しなかったこと以外は実施例3と同様に作製した有機EL素子(比較例3)に対し、LT70は1.5倍長く、色温度比は1/10以下であった。また、上記実施例に対し、黄色発光層のホストをTPDとしても同様の効果が得られる。このとき、蒸着材料を減らすことができるため、プロセスの簡略化とタクトタイムの短縮が図れた。
[実施例4]
透光性基板上に以下の材料を用いて、以下に示す厚さの層を順次形成し、有機EL素子を作製した。
陽極電極層:ITO 300nm
正孔注入層:PEDOT−PSS 20nm
正孔輸送層:α−NPD 20nm
電子ブロック層:m-MTDATA 5nm
青色発光層:DPVBi+DPAVBi 10nm
赤色緑色発光層:Alq3+DCJTB/Alq3+クマリン誘導体 25m
電子注入輸送層:Alq3+Liq 40nm
陰極電極層 Al 100nm
得られた有機EL素子について、輝度の低下と色温度変化の経時変化を実施例1と同様に評価したところ、電子ブロック層を設けず、電子注入輸送層に替えて実施例1と同様の電子輸送層と電子注入層を設けたこと以外は実施例4と同様に作製した有機EL素子(比較例4)に対し、LT70は1.7倍長く、色温度変化比は1/10以下であった。
本願は、2011年5月13日出願の特願2011−108586に記載した総ての事項を、その内容として含むものである。
本発明は、面状光源としての照明装置や、表示装置等の面状光源に利用することができる。具体的には、携帯電話、ノートパソコン等のモバイル機器の光源等に好適に利用することができる。

Claims (9)

  1. 透光性基板上に設けられる透光性電極層及びこれと対をなす電極層と、該1対の電極層間に、相対的に劣化を受けやすい有機エレクトロスミネッセンス材料を含有する易劣化性発光層及び相対的に劣化を受けにくい有機エレクトロルミネッセンス材料を含有する難劣化性発光層を含む発光層とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    発光層において再結合せずに、易劣化性発光層側の電極層へ移動するキャリア量を、難劣化性発光層側の電極層へ移動するキャリア量より少量にするキャリア調整手段を備えたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. キャリア調整手段が、易劣化性発光層側に設けられる易劣化性発光層側ブロック層と、難劣化性発光層側に設けられる難劣化性発光層側ブロック層とを有し、易劣化性発光層側ブロック層のブロック性を、難劣化性発光層側に設けられる難劣化性発光層側ブロック層のブロック性より高く設定したものであることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 易劣化性発光層側ブロック層と難劣化性発光層側ブロック層との厚さを調整することを特徴とする請求項2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. キャリア調整手段が、易劣化性発光層側の電極層から供給されるキャリアを多数キャリアとするキャリア供給量調整手段であることを特徴とする請求項1から3のいずれか記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 易劣化性発光層が陽極電極層側に設けられる場合、キャリア供給量調整手段が、陽極電極層と発光層間に設けられる正孔注入層及び/又は正孔輸送層の正孔輸送効率を上昇させる手段であることを特徴とする請求項4記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記正孔輸送効率を上昇させる手段が、正孔注入層及び/又は正孔輸送層に酸化モリブデン及び酸化バナジウムから選ばれる1種以上をドーピングすることであることを特徴とする請求項5記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 易劣化性発光層が陰極電極層側に設けられる場合、キャリア供給量調整手段が、陰極電極層と発光層間に設けられる電子注入層及び/又は電子輸送層の電子輸送効率を上昇させる手段であることを特徴とする請求項4記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 前記電子輸送効率を上昇させる手段が、電子注入層及び/又は電子輸送層に有機金属錯体をドーピングすることであることを特徴とする請求項7記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 請求項1から8のいずれか記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス照明装置。
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