以下、図面に従って本発明を適用したカメラを用いて好ましい実施形態について説明する。本発明の好ましい一実施形態に係わるカメラは、デジタルカメラであり、撮像素子103等を含む撮像部を有し、この撮像部によって被写体像を画像データに変換し、この変換された画像データに基づいて、被写体像を本体の背面に配置したLCD135からなる表示部にライブビュー表示する。撮影者はライブビュー表示を観察することにより、構図やシャッタチャンスを決定する。レリーズ操作時には、画像データが記録媒体131に記録される。
また、3D撮影モードが設定されている場合には、第1位置で撮影した後に、第2の位置で撮影すると、カメラは立体画像(3次元画像、3D画像)を生成し、記録媒体に記録する。また、操作部123を操作することによって特殊効果(アートフィルタ:登録商標)の設定を行うと、設定された特殊効果で画像データが画像処理され、特殊効果画像がライブビュー表示され、また記録媒体131にも記録される。
図1は、本発明の第1実施形態に係わるカメラの主として電気的構成を示すブロック図である。このカメラは、カメラ本体100と、これに脱着可能な交換式レンズ200とから構成される。なお、本実施形態においては、撮影レンズは交換レンズ式としたが、これに限らず、カメラ本体に撮影レンズが固定されるタイプのデジタルカメラであっても勿論かまわない。
交換式レンズ200は、撮影レンズ201、絞り203、ドライバ205、マイクロコンピュータ207、フラッシュメモリ209から構成され、後述するカメラ本体100との間にインターフェース(以後、I/Fと称す)300を有する。
撮影レンズ201は、被写体像を形成するための複数の光学レンズから構成され、単焦点レンズまたはズームレンズである。この撮影レンズ201の光軸の後方には、絞り203が配置されており、絞り203は口径が可変であり、撮影レンズ201を通過した被写体光束の光量を制限する。また、撮影レンズ201はドライバ205によって光軸方向に移動可能であり、マイクロコンピュータ207からの制御信号に基づいて、撮影レンズ201のピント位置が制御され、ズームレンズの場合には、焦点距離も制御される。また、ドライバ205は、絞り203の口径の制御も行う。
ドライバ205に接続されたマイクロコンピュータ207は、I/F300およびフラッシュメモリ209に接続されている。マイクロコンピュータ207は、フラッシュメモリ209に記憶されているプログラムに従って動作し、後述するカメラ本体100内のマイクロコンピュータ121と通信を行い、マイクロコンピュータ121からの制御信号に基づいて交換式レンズ200の制御を行う。
フラッシュメモリ209には、前述したプログラムの他、交換式レンズ200の光学的特性や調整値等の種々の情報が記憶されている。I/F300は、交換式レンズ200内のマイクロコンピュータ207とカメラ本体100内のマイクロコンピュータ121の相互間の通信を行うためのインターフェースである。
カメラ本体100内であって、撮影レンズ201の光軸上には、メカシャッタ101が配置されている。このメカシャッタ101は、被写体光束の通過時間を制御し、公知のフォーカルプレーンシャッタ等が採用される。このメカシャッタ101の後方であって、撮影レンズ201によって被写体像が形成される位置には、撮像素子103が配置されている。
撮像素子103は、各画素を構成するフォトダイオードが二次元的にマトリックス状に配置されており、各フォトダイオードは受光量に応じた光電変換電流を発生し、この光電変換電流は各フォトダイオードに接続するキャパシタによって電荷蓄積される。各画素の前面には、ベイヤ―配列のRGBフィルタが配置されている。なお、撮像素子103はベイヤ配列に限定されず、例えばFovionのような形式でも勿論かまわない。
撮像素子103はアナログ処理部105に接続されており、このアナログ処理部105は、撮像素子103から読み出した光電変換信号(アナログ画像信号)に対し、リセットノイズ等を低減した上で波形整形を行い、さらに適切な輝度になるようにゲインアップを行う。アナログ処理部105はA/D変換部107に接続されており、このA/D変換部107は、アナログ画像信号をアナログ―デジタル変換し、デジタル画像信号(以後、画像データという)をバス110に出力する。なお、本明細書においては、画像処理部109において画像処理される前の生の画像データをRAWデータと称する。3D撮影モードが設定されている場合には、3D画像生成用に2以上のRAWデータが取得される。
バス110は、カメラ本体100の内部で読み出され若しくは生成された各種データをカメラ本体100の内部に転送するための転送路である。バス110には、前述のA/D変換部107の他、画像処理部109、AE(Auto Exposure)処理部111、AF(Auto Focus)処理部113、3D画像生成部115、画像圧縮展開部117、マイクロコンピュータ121、SDRAM(Synchronous DRAM)127、メモリインターフェース(以後、メモリI/Fという)129、液晶ディスプレイ(以後、LCDという)ドライバ133が接続されている。
画像処理部109は、基本的な画像処理を行う基本画像処理部109aと、アートフィルタが設定された場合に特殊効果を施すための特殊画像処理部109bを有している。基本画像処理部109aは、RAWデータに対して、オプティカルブラック(OB)減算処理、ホワイトバランス(WB)補正、ベイヤデータの場合に行う同時化処理、ガンマ・色再現処理、カラーマトリックス演算、ノイズリダクション(NR)処理、エッジ強調処理等を行う。また、基本画像処理部109aは、上記ガンマ・色再現処理において、特殊効果(アートフィルタ)に対応したガンマ補正(階調変換)を行う階調変換部として機能する。なお、色再現処理(色補正、彩度補正)についても特殊効果に対応した処理を行う。
また、特殊画像処理部109bは、設定された特殊効果(アートフィルタ)に応じて、シェーディング付加、ぼかし付加、ソフトフォーカス付加、ノイズ付加、クロスフィルタ効果付加等の種々の視覚的な特殊効果を付与する特殊画像処理を行う。これらの種々の画像処理を行うために、画像処理部109は、SDRAM127に一時記憶された画像データを読出し、この画像データに対して画像処理を施し、画像処理を施した画像データをバス110に出力する。特殊画像処理部109bは、立体画像データ処理部として機能する3D画像生成部115で生成された立体画像データに対して、光学的に形成される画像に類似した特殊効果または写真フィルムおよび現像焼付工程で形成された画像に類似した特殊効果等を施す特殊画像を処理し、立体特殊画像を生成する特殊効果画像処理部として機能する。
AE処理部111は、バス110を介して入力した画像データに基づいて被写体輝度を測定し、この被写体輝度情報を、バス110を介してマイクロコンピュータ121に出力する。被写体輝度の測定のために専用の測光センサを設けても良いが、本実施形態においては、画像データに基づいて被写体輝度を算出する。
AF処理部113は、画像データから高周波成分の信号を抽出し、積算処理により合焦評価値を取得し、バス110を介してマイクロコンピュータ121に出力する。本実施形態においては、いわゆるコントラスト法によって撮影レンズ201のピント合わせを行う。
3D画像生成部115は、複数枚の画像を用いて、3D画像データ(立体画像データともいう)を生成する。本実施形態においては、第1の位置で撮影した画像(例えば左目用)と、第2の位置で撮影した画像(例えば右目用)の2枚の画像を用いて、3D画像データを生成する。この3D画像生成部115は、階調変換部として機能する基本画像処理部109aによって階調変換された画像データを立体視する画像データとして切り出すか、または回転補正や台形補正等の幾何学変換のいずれかの処理を少なくとも行い、立体画像データを生成する立体画像データ処理部として機能する。
画像圧縮展開部117は、画像データの記録媒体131への記録時に、SDRAM127から読み出した画像データを、静止画の場合にはJPEG圧縮方式等、また動画の場合にはMPEG等の各種圧縮方式に従って圧縮する。マイクロコンピュータ121は、JPEG画像データやMPEG画像データに対して、JPEGファイルやMPOファイル、MPEGファイルを構成するために必要なヘッダを付加してJPEGファイルやMPOファイル、MPEGファイルを作成し、この作成したファイルをメモリI/F129を介して記録媒体131に記録する。
また、画像圧縮展開部117は、画像再生表示用にJPEG画像データやMPEG画像データの伸張も行う。伸張にあたっては、記録媒体131に記録されているファイルを読み出し、画像圧縮展開部117において伸張処理を施した上で、伸張した画像データをSDRAM127に一時記憶する。なお、本実施形態においては、画像圧縮方式としては、JPEG圧縮方式やMPEG圧縮方式を採用するが、圧縮方式はこれに限らずTIFF、H.264等、他の圧縮方式でも勿論かまわない。
マイクロコンピュータ121は、このカメラ全体の制御部としての機能を果たし、カメラの各種シーケンスを総括的に制御する。マイクロコンピュータ121には、前述のI/F300以外に、操作部123およびフラッシュメモリ125が接続されている。
操作部123は、電源釦、レリーズ釦、動画釦、再生釦、メニュー釦、十字釦、OK釦等、各種入力釦や各種入力キー等の操作部材を含み、これらの操作部材の操作状態を検知し、検知結果をマイクロコンピュータ121に出力する。マイクロコンピュータ121は、操作部123からの操作部材の検知結果に基づいて、ユーザの操作に応じた各種シーケンスを実行する。電源釦は、当該デジタルカメラの電源のオン/オフを指示するための操作部材である。電源釦が押されると当該デジタルカメラの電源はオンとなり、再度、電源釦が押されると当該デジタルカメラの電源はオフとなる。
レリーズ釦は、半押しでオンになるファーストレリーズスイッチと、半押しから更に押し込み全押しとなるとオンになるセカンドレリーズスイッチからなる。マイクロコンピュータ121は、ファーストレリーズスイッチがオンとなると、AE動作やAF動作等の撮影準備シーケンスを実行する。また、セカンドレリーズスイッチがオンとなると、メカシャッタ101等を制御し、撮像素子103等から被写体画像に基づく画像データを取得し、この画像データを記録媒体131に記録する一連の撮影シーケンスを実行して撮影を行う。
再生釦は、再生モードの設定と解除するための操作釦であり、再生モードが設定されると、記録媒体131から撮影画像の画像データを読み出し、LCD135に撮影画像を再生表示する。
メニュー釦は、メニュー画面をLCD135に表示させるための操作釦である。メニュー画面上では、各種のカメラ設定を行うことができる。カメラ設定としては、特殊効果(アートフィルタ)の設定がある。特殊効果としては、ファンタジックフォーカス、ポップアート、トイフォト、ラフモノクローム、ジオラマ等、種々の特殊効果が設定可能である(後述する図8参照)。
フラッシュメモリ125は、マイクロコンピュータ121の各種シーケンスを実行するためのプログラムを記憶している。マイクロコンピュータ121はこのプログラムに基づいてカメラ全体の制御を行う。また、フラッシュメモリ125は、カラーマトリックス係数、ホワイトバランスモードに応じたRゲインとBゲイン、ガンマテーブル、露出条件決定テーブル等の種々の調整値を記憶している。これらの係数は、設定される特殊効果(アートフィルタ)に応じて異なる値を記憶している。
SDRAM127は、画像データ等の一時記憶用の電気的書き換え可能な揮発性メモリである。このSDRAM127は、A/D変換部107から出力された画像データや、画像処理部109や画像圧縮展開部117等において処理された画像データを一時記憶する。
メモリI/F129は、記録媒体131に接続されており、画像データや画像データに添付されたヘッダ等のデータを、記録媒体131に書き込みおよび読出しの制御を行う。記録媒体131は、例えば、カメラ本体100に着脱自在なメモリカード等の記録媒体であるが、これに限らず、カメラ本体100に内蔵されたハードディスク等であっても良い。
LCDドライバ133は、LCD135に接続されており、SDRAM127や記録媒体131から読み出され、画像圧縮展開部117によって伸張された画像データに基づいて画像をLCD135において表示させる。LCD135は、カメラ本体100の背面等に配置された液晶パネルを含み、画像表示を行う。画像表示としては、撮影直後、記録される画像データを短時間だけ表示するレックビュー表示、記録媒体131に記録された静止画や動画の画像ファイルの再生表示、およびライブビュー表示等の動画表示が含まれる。なお、表示部としては、LCDに限らず、有機EL等、他の表示パネルを採用しても勿論かまわない。
次に、図2および図3に示すフローチャートを用いて、本実施形態におけるカメラのメイン処理について説明する。このメインフローにおいては、動画撮影に関する処理は省略してある。なお、図2ないし図6に示すフローチャートはフラッシュメモリ125に記憶されているプログラムに従ってマイクロコンピュータ121が実行する。
操作部123の内の電源釦が操作され、電源オンとなると、図2に示すメインフローが動作を開始する。動作を開始すると、まず、初期化を実行する(S1)。初期化としては、機械的初期化や各種フラグ等の初期化等の電気的初期化を行う。
初期化を行うと、次に、再生釦が押されたか否かを判定する(S3)。ここでは、操作部123内の再生釦の操作状態を検知し、判定する。この判定の結果、再生釦が押された場合には、再生モードを実行する(S5)。ここでは、記録媒体131から画像データを読み出し、LCD135に静止画と動画の一覧を表示する。ユーザは十字釦を操作することにより、一覧の中から画像を選択し、OK釦により画像を確定する。再生が終わると、ステップS3に戻る。
ステップS3における判定の結果、再生釦が押されていなかった場合には、次に、メニュー釦が操作されたか否かを判定する(S7)。ここでは、操作部123内のメニュー釦の操作状態を検知し、判定する。
ステップS7における判定の結果、メニュー釦が押された場合には、カメラ設定を行う(S9)。前述したように、種々のカメラ設定をメニュー画面で行うことができる。カメラ設定としては、例えば、3D撮影モード等の種々の撮影モードがあり、また画像の仕上がり効果として、自然に見える画像にする(Natural)、鮮やかな画像にする(Vivid)、落ち着いた画像にする(Flat)、アートフィルタ等の特殊効果(図8参照)がある。またJPEG記録、JPEG+RAW記録、RAW記録等の静止画記録モードがあり、Motion−JPEG、H.264等の動画記録モードの設定がある。カメラ設定を行うと、ステップS3に戻る。
ステップS9における判定の結果、メニュー釦が押されていなかった場合には、次に、レリーズ釦が半押しされたか否か、言い換えると、ファーストレリーズスイッチがオフからオンとなったか否かの判定を行う(S21)。この判定は、レリーズ釦に連動するファーストレリーズスイッチの状態を操作部123によって検知し、この検知結果に基づいて行う。検知の結果、ファーストレリーズスイッチがオフからオンに遷移した場合には判定結果はYesとなり、一方、オン状態またはオフ状態が維持されている場合には、判定結果はNoとなる。
ステップS21における判定の結果、レリーズ釦が半押しされ、オフからファーストレリーズに遷移した場合には、AE・AF動作を実行する(S23)。ここでは、AE処理部111が、撮像素子103によって取得された画像データに基づいて被写体輝度を検出し、この被写体輝度に基づいて、適正露出となるシャッタ速度、絞り値等を算出する。
また、AF処理部113によって取得された合焦評価値がピーク値となるように、交換式レンズ200内のマイクロコンピュータ207を介してドライバ205が撮影レンズ201のピント位置を移動させる。したがって、動画撮影を行っていない場合に、レリーズ釦が半押しされると、その時点で、撮影レンズ201のピント合わせを行う。
ステップS21における判定の結果、レリーズ釦がオフからファーストレリーズに遷移しなかった場合には、次に、レリーズ釦が全押しされ、セカンドレリーズスイッチがオンになったか否かの判定を行う(S27)。このステップでは、レリーズ釦に連動するセカンドレリーズスイッチの状態を操作部123によって検知し、この検知結果に基づいて判定を行う。
ステップS27における判定の結果、レリーズ釦が全押しされ、セカンドレリーズスイッチがオンになった場合には、メカシャッタによる静止画撮影を行う(S29)。ここでは、ステップS23において演算された絞り値で絞り203が制御され、また演算されたシャッタ速度でメカシャッタ101のシャッタ速度が制御される。そして、シャッタ速度に応じた露光時間が経過すると、撮像素子103から画像信号が読み出され、アナログ処理部105およびA/D変換部107によって処理された画像データがバス110に出力される。
メカシャッタによる撮影を行うと、次に、3D撮影モードか否かの判定を行う(S31)。前述したように3D撮影モードはメニュー画面において設定されていることから、撮影モードの設定状態に基づいて判定する。
ステップS31における判定の結果、3D撮影モードでなかった場合には、次に、画像処理を行い(S33)、静止画記録を行う(S35)。3D撮影モードが設定されている場合には、第2の位置で2枚目の撮影を行ってから画像処理および静止画記録を行う必要がある。一方、3D撮影モードが設定されていないには、2枚目の撮影が必要ないことから、直ちに画像処理および静止画の記録を行う。ステップS33における画像処理の詳しい動作については、図4を用いて後述する。
ステップS27における判定の結果、レリーズ釦が全押しされていない場合には、次に、3D撮影2枚目か否かを判定する(S41、図3参照)。ここでは、3D撮影モードが設定されており、前述したステップS29において第1の位置において1枚目の撮影が終了したか否かを判定する。
ステップS41における判定の結果、3D撮影の2枚目である場合には、次に、電子シャッタによる撮影を行う(S43)。3D撮影の2枚目の本撮影は後述するステップS53において行うが、その前に2枚目を撮影する第2の位置に達しているか否かについて、画像を解析しカメラの移動量を測定する。そこで、ステップS43において、移動量解析用の画像を取得するために撮像素子103の電子シャッタを用いて画像データの取得を行う。なお、この撮影にあたっては、ステップ23において決定した露出条件に従って撮影を行う。
電子シャッタによる撮影を行うと、次に、画像処理を行う(S45)。ここでは、取得した画像データに対して、ステップS33と同様の画像処理を施す。ステップS45における画像処理の詳しい動作については、図4を用いて後述する。ただし、図4のフローにおいて、ステップS85〜S89は特殊画像処理用であることから、省略する。
画像処理を行うと、次に、ライブビュー表示を行う(S47)。本実施形態においては、3D撮影モードが設定され、第1の位置で1枚目の撮影を行うと、撮影者は第2の位置までカメラを移動させ、第2の位置に達すると、その位置で2枚目の撮影を行う。そこで、第2の位置に移動しやすいように、1枚目の撮影後もライブビュー表示を行うようにしている。ライブビュー表示は、撮像素子103によって取得した画像データに基づいて、LCD135に被写体像を動画で表示する。
ライブビュー表示を行うと、次に、特徴量の算出を行う(S49)。ここでは、ステップS29において取得した1枚目の撮影画像と、ステップS43において取得したライブビュー用画像から、エッジ成分や色成分等の特徴量を検出し、カメラの移動量を算出する。ここで算出されたカメラの移動量に基づいて、2枚目の撮影位置(第2の位置)をライブビュー表示に重畳して表示するようにしてもよい。撮影者にとって便利である。
特徴量の算出を行うと、次に、2枚目撮影の判定を行う(S51)。ここでは、算出されたカメラの移動量に基づいて、左右視差分だけカメラが移動した否を判定する。この判定の結果、2枚目の撮影位置に移動していなかった場合には、ステップS25に進み、S3→S7→S21→S27→S41→S43と進み、再度、撮影を行って特徴量の算出を行い、2枚目撮影の判定を行う。
ステップS51における判定の結果、2枚目撮影の位置に達すると、次に、メカシャッタによる2枚目の撮影を行う(S53)。2枚目の撮影時の露出条件は、ステップS29における1枚目の撮影時と同じ条件にすることが望ましい。明るさの違いによる違和感を防ぐためである。
メカシャッタによる2枚目の撮影を行うと、次に、画像処理・3D生成を行う(S55)。ここでは、特殊効果(アートフィルタ)を施した3D画像の生成を行う。詳しくは、図6に示すフローチャートを用いて説明するが、特殊効果に応じたガンマ変換(階調変換)や彩度等の基本的な画像処理を行った後、3D画像データを生成し、生成した3D画像に対して、更に特殊効果に応じて必要な画像処理を施して、最終的な3D画像データを生成する。
画像処理・3D生成を行うと、次に、3D画像記録を行う(S57)。ここでは、ステップS55において生成された左右のステレオ画像を、画像圧縮展開部117においてJPEG圧縮してMPO(Multi-Picture Object)ファイルを生成し、この生成されたファイルを記録媒体131に記録する。このとき、3D画像を生成する際にどのような処理を行ったかを特定できるデータを主画像や副画像のヘッダ部に記録する。これにより画像データから特殊処理を読み取ることができる。なお、生成した3D画像をLCD135に所定時間の間、表示するようにしてもよい。
ステップS41における判定の結果、3D撮影2枚目でなかった場合には、次に、AEを行う(S61)。前述のステップS21からS27、S41を経て、ステップS61を処理する場合は、レリーズ釦に対して何ら操作を行っていない場合であり、この場合には後述するステップS67においてライブビュー表示を行う。ステップS61においては、ライブビュー表示を行うための露出制御を行う。すなわち、適正露出でライブビュー表示を行うための撮像素子103の電子シャッタのシャッタ速度およびISO感度を算出する。
AEを行うと、次に、電子シャッタによる撮影を行う(S63)。ここでは、撮像素子103の電子シャッタを用いて画像データを取得する。続いて、取得した画像データに対して画像処理を行う(S65)。ここでの画像処理は、ライブビュー表示用であり、また特殊効果が設定されている場合には、設定されている特殊効果に応じた画像処理も行う。この画像処理の詳しい動作については、図4を用いて後述する。
画像処理を行うと、LCD135にライブビュー表示を行う(S67)。ステップS63において画像データを取得し、ステップS65において画像処理を行ったことから、このステップでは、ライブビュー表示の更新を行う。撮影者はこのライブビュー表示を観察することにより、構図やシャッタタイミングを決定することができる。
ステップS67においてライブビュー表示を行うと、またはステップS51における判定の結果、2枚目撮影でなかった場合には、またはステップS57において3D画像記録を行うと、またはステップS31における判定の結果、3D撮影モードであった場合には、またはステップS35において静止画記録を行うと、またはステップS23においてAE・AFを行うと、電源オフか否かの判定を行う(S25)。このステップでは、操作部123の電源釦が再度、押されたか否かを判定する。この判定の結果、電源オフではなかった場合には、ステップS3に戻る。一方、判定の結果、電源オフであった場合には、メインのフローの終了動作を行ったのち、メインフローを終了する。
このように本発明の第1実施形態におけるメインフローにおいては、3D撮影モードが設定されている場合には、レリーズ釦を全押しすると第1の位置で1枚目の撮影を行い(S29参照)、撮影者がカメラを移動させ、第2の位置に達すると2枚目の撮影を行っている(S53参照)。3D撮影モードと共に特殊効果(アートフィルタ)が設定されている場合には、2枚目の撮影の終了後に画像処理・3D生成を行って(S55参照)、特殊効果の施された3D画像を生成し記録する。
次に、ステップS33、S45、S65における画像処理について、図4に示すフローチャートを用いて説明する。画像処理のフローに入ると、まず、オプティカルブラック(OB)演算を行う(S71)。このステップでは、基本画像処理部109a内のOB演算部によって、画像データを構成する各画素の画素値から、撮像素子103の暗電流等に起因するオプティカルブラック値をそれぞれ減算する。
OB演算を行うと、次に、ホワイトバランス(WB)補正を行う(S73)。このステップでは、基本画像処理部109a内のWB補正部によって、設定されているホワイトバランスモードに応じて、画像データに対してWB補正を行う。具体的には、ベイヤ配列の画像データに対して、ユーザが設定したホワイトバランスモードに応じたRゲインとBゲインをカメラ本体のフラッシュメモリ125から読み出し、その値を乗じることで補正を行う。またはオートホワイトバランスの場合には、RAWデータからRゲインおよびBゲインを算出し、これらを用いて補正する。
続いて、同時化処理を行う(S75)。このステップでは、ホワイトバランス補正を行った画像データに対して、基本画像処理部109a内の同時化処理部によって、各画素がRGBデータで構成されるデータに変換する。具体的には、その画素にないデータを周辺から補間によって求め、RGBデータに変換する。
同時化処理を行うと、次に、カラーマトリックス演算を行う(S77)。このステップでは、基本画像処理部109a内のカラーマトリックス演算部によって、画像データに対して設定されているホワイトバランスモードに応じたカラーマトリックス係数を乗じる線形変換を行って画像データの色を補正する。カラーマトリックス係数はフラッシュメモリ125に記憶されているので、読み出して使用する。
カラーマトリックス演算を行うと、次に、ガンマ変換および色補正を行う(S79)。このステップでは、基本画像処理部109a内のガンマ処理部によって、フラッシュメモリ125に記憶されているガンマテーブルを読み出し、画像データに対してガンマ補正処理を行う。ガンマテーブルは、仕上がりの設定に応じて設計した値がフラッシュメモリ125に記憶されている。
前述したように、メニュー画面において特殊効果(アートフィルタ)の設定が可能である。設定されたアートフィルタに対する効果概要、彩度パラメータ、ガンマ、および特殊効果を、図8に示す。また、設定された特殊効果に応じて適用するガンマテーブルを図9に示す。ここで、図9(a)は、RGBデータに適用した場合を示す図であり、例えば、ポップアート処理の場合とその他の処理の場合におけるガンマの値の一例を示している。また、図9(b)はYデータに適用した場合を示す図であり、例えば、図8に示すようなコントラスト強調する場合や、中間の輝度をより明るくする場合、その他標準の場合のガンマの値の一例を示している。ステップS79で行うガンマ補正処理は、設定された特殊効果(アートフィルタ)に応じて決まるガンマの値を、また特殊効果が設定されていない場合には標準のガンマの値を用いて行う。すなわち、仕上がりの設定に応じて設計した値に応じてガンマ補正処理を行う。
また、ステップS79においては、基本画像処理部109a内の色再現処理部によって、画像データに対して、彩度や色相の補正処理を行う。この補正処理にあたっては、仕上がりの設定に応じて予め設計した彩度パラメータを用いて行う。すなわち、設定されている特殊効果(アートフィルタ)によって決まる図8に示す彩度パラメータに従って、彩度や色相の補正処理を行う。この処理でRGBからYCbCrに変換する。
ガンマ変換および色補正を行うと、次に、エッジ強調を行う(S81)。このステップでは、ガンマ変換および色補正の行われた画像データに対して、基本画像処理部109a内のエッジ強調処理部が、バンドパスフィルタによりエッジ成分を抽出し、エッジ強調度に応じて係数を乗じて画像データに加算することにより、画像データのエッジを強調する。
次にNR(ノイズ除去)を行う(S83)。このステップでは、画像を周波数分解し、周波数に応じてノイズを低減する処理を行う。
NR処理を行うと、次に、特殊画像処理か否かの判定を行う(S85)。前述したように、メニュー画面において特殊効果(アートフィルタ)の設定が行われているので、このステップではメニュー画面での設定に基づいて判定する。
ステップS85における判定の結果、特殊画像処理がなされていた場合には、次に、3D撮影モードが設定されているか否かの判定を行う(S87)。3D撮影モードもメニュー画面において設定することから、このステップでは、メニュー画面での設定に基づいて判定する。
ステップS87における判定の結果、3D撮影モードが設定されていなかった場合には、特殊画像処理を行う(S89)。特殊画像処理の内、ガンマ変換と色補正に関する処理は、ステップS79において行われており、それ以外のクロスフィルタ処理、ソフトフォーカス処理等、設定された特殊効果(アートフィルタ)に応じて必要な特殊画像処理を行う。ライブビュー表示中であれば、設定されている特殊効果に応じた特殊画像処理が施された画像がライブビュー表示され、通常の静止画撮影であれば、特殊画像処理を施した画像が記録される。特殊画像処理の詳しい動作については、図5を用いて後述する。なお、特殊画像処理および3D撮影モードの両方が設定されている場合には、2枚目の撮影を行った後に画像処理が行われる(S55、図6参照)。
ステップS89において特殊画像処理を行うと、またはステップS85における判定の結果、特殊画像処理でなかった場合、またはステップS87における判定の結果、3D撮影モードであった場合には、元のフローに戻る。
このように本実施形態における画像処理のフローにおいては、OB減算等の種々の特殊画像処理に係わらない共通な画像処理を実行し、またガンマ変換および色補正にあたっては、設定された特殊効果に応じた補正処理を、基本画像処理部109aによって行っている。さらに3D撮影モードが設定されていない限り特殊画像処理を、特殊画像処理部109bによって併せて行っている。
次に、ステップS89(図4参照)における特殊画像処理について、図5に示すフローチャートを用いて説明する。特殊画像処理のフローに入ると、まず、クロスフィルタを行うか否かの判定を行う(S101)。アートフィルタを設定すると、図8の最右欄に示すように実行される特殊効果が決まる。そこで、このステップでは、メニュー画面において設定されたアートフィルタが、クロスフィルタ処理を必要としているか否かを判定する。すなわち、本実施形態においては、図8に示すように、アートフィルタとして、ファンタジックフォーカス+スターライト、ポップアート+スターライトが設定されている場合に、クロスフィルタの処理を行うと判定される。
ステップS101における判定の結果、クロスフィルタであった場合には、次に、クロスフィルタ処理を行う(S103)。ここでは、特殊画像処理部109bが画像データに対してクロスフィルタ処理を施す。クロスフィルタ処理は、画像から高輝度部を検出し、そこにクロスパターンを描画し重畳する処理である。
クロスフィルタ処理を行うと、またはステップS101における判定の結果、クロスフィルタを行わない場合には、次に、ソフトフォーカスを行うか否かの判定を行う(S105)。ここでは、メニュー画面において設定されたアートフィルタが、ソフトフォーカス処理を必要としているか否かを判定する。本実施形態においては、図8に示すように、ファンタジックフォーカス、ファンタジックフォーカス+スターライト、ファンタジックフォーカス+ホワイトエッジが設定されている場合には、ソフトフォーカスの処理を行うと判定される。
ステップS105における判定の結果、ソフトフォーカスであった場合には、次に、ソフトフォーカス処理を行う(S107)。ここでは、特殊画像処理部109bが画像データに対してソフトフォーカス処理を施す。ソフトフォーカス処理は、画像全体にぼかし処理を行い、ぼかす前の画像と一定割合(例えば、元画像:ぼかし画像=3:2)で合成を行う処理である。
ソフトフォーカス処理を行うと、またはステップS105における判定の結果、ソフトフォーカスでなかった場合には、次に、ノイズ付加を行うか否かの判定を行う(S109)。ここでは、メニュー画面において設定されたアートフィルタが、ノイズ付加処理を必要としているか否かを判定する。本実施形態においては、図8に示すように、ラフモノクロームが設定されている場合には、ノイズ付加処理を行うと判定される。
ステップS109における判定の結果、ノイズ付加であった場合には、次に、ノイズ付加処理を行う(S111)。ここでは、特殊画像処理部109bが画像データに対してノイズ付加処理を施す。ノイズ付加処理は、予め作成したノイズパターン画像を被写体画像に加算する処理である。ノイズパターン画像は乱数等に基づいて生成してもよい。
ノイズ付加処理を行うと、またはステップS109における判定の結果、ノイズ付加を行わない場合には、次に、シェーディングを行うか否かの判定を行う(S113)。ここでは、メニュー画面において設定されたアートフィルタが、シェーディング処理を必要としているか否かを判定する。本実施形態においては、図8に示すように、ポップアート+ピンホールが設定されている場合には、シェーディング処理を行うと判定される。
ステップS113における判定の結果、シェーディングであった場合には、次に、シェーディング処理を行う(S115)。ここでは、特殊画像処理部109bが画像データに対してシェーディング処理を施す。シェーディング処理は、中心からの距離に応じ、周辺の輝度が暗くなるように、輝度信号に対して周辺ほど小さい係数を乗ずる処理である。
シェーディング処理を行うと、またはステップ113における判定の結果、シェーディングを行わない場合には、次に、周辺輝度アップか否かの判定を行う(S117)。ここでは、メニュー画面において設定されたアートフィルタが、周辺輝度アップ処理を必要としているか否かを判定する。本実施形態においては、図8に示すように、ファンタジックフォーカス+ホワイトエッジ、ポップアート+ホワイトエッジが設定されている場合には、周辺輝度アップ処理を行うと判定される。
ステップS117における判定の結果、周辺輝度アップであった場合には、次に、周辺輝度アップ処理を行う(S119)。ここでは、特殊画像処理部109bが画像データに対して周辺輝度アップ処理を施す。周辺輝度アップ処理は、周辺輝度を明るくする処理であり、中心からの距離に応じ、周辺部が白くなるように、周辺部ほど白情報(例えば、RGB(8ビット)なら255,255,255:またYCbCr(8ビット)なら255,0,0)となるように画素値を変更する処理である。
周辺輝度アップ処理を行うと、またはステップS117における判定の結果、周辺輝度アップ処理でなかった場合には、次に、周辺ぼかしを行うか否かの判定を行う(S121)。ここでは、メニュー画面において設定されたアートフィルタが、周辺ぼかし処理を必要としているか否かを判定する。本実施形態においては、図8に示すように、ジオラマが設定されている場合には、周辺ぼかし処理を行うと判定される。
ステップS121における判定の結果、周辺ぼかしであった場合には、次に、周辺ぼかし処理を行う(S123)。ここでは、特殊画像処理部109bが画像データに対して周辺ぼかし処理を施す。周辺ぼかし処理は、中心からの距離に応じ、周辺部ほどボケる度合いが大きくなるように、画像の位置に応じてローパス係数を変更しながら、ローパスフィルタ処理を行う。この場合、上下だけ、左右だけぼかすようにしてもよい。
周辺ぼかし処理を行うと、またはステップS121における判定の結果、周辺ぼかしでなかった場合には、特殊画像処理を終了し、元のフローに戻る。
このように特殊画像処理のフローにおいては、設定されたアートフィルタ(特殊効果)に応じて必要となる種々の特殊画像処理を施す。ここでの特殊画像処理としては、特殊画像処理としては、ソフトフォーカス等のように、画像データの所定位置に対応した画像データの位置を基にして行うものがある。また、シェーディングや周辺輝度アップ等のように、画像データの座標位置により異なる画像処理や、またはクロスフィルタやラフモノクローム処理等のように、隣接する画素とは異なる処理が施された画像データを合成するものがある。
次に、ステップS55(図3)における画像処理・3D生成について、図6に示すフローチャートを用いて説明する。このフローは、前述したように、メニュー画面において、3D撮影モードおよび特殊効果が設定されている場合に、メカシャッタによって2枚目の撮影が終了した後に実行される。
画像処理・3D生成のフローに入ると、まず、画像処理部109によって画像処理を行う(S131)。ステップS29およびS53において、それぞれメカシャッタによって撮影を行い、2枚のRAW画像データを取得しているので、このステップでは、それぞれのRAW画像データについて、画像処理のフローを実行する。この画像処理のフローは、図4に示した画像処理のフローにおけるステップS71〜S83であり、ステップS85以下は、ここでは省略し、実行しない。
ステップS131における画像処理のフローを実行するにあたって、メニュー画面において特殊効果(アートフィルタ)が設定されている場合には、特殊効果に応じた画像処理パラメータを用いて画像処理を行っている(ステップS79(図4参照)におけるガンマ変換および色補正を参照)。このため、輝度および色差成分ともに階調の急激な変化によって疑似輪郭が発生することがなく、画質劣化が生じない。
画像処理を行うと、次に、3D用切り出し位置の決定と補正処理の決定を行う(S133)。ここでは、3D画像生成部115が、画像処理を行った2枚の画像データから3D画像を生成するために、切り出し位置を特定し、画像の補正処理を決定する。すなわち、画像の特徴量(例えば、エッジ成分、色成分、輝度成分等)を検出し、2枚の画像から立体的に見える画像を生成するための切り出し位置を特定する。また撮影画角の微妙な変化や回転などを補正する処理を決定する。
続いて、3D画像の生成を行う(S135)。ここでは、ステップS131において画像処理され、ステップS133において切り出し位置が決定され補正処理が決定された2枚の画像データを用いて、3D画像生成部115が3D画像を生成する。メニュー画面で特殊効果(アートフィルタ)が設定されていた場合には、設定に応じた色やコントラスト(ガンマ)に処理された画像で3D画像が生成される。
3D画像の生成を行うと、次に、特殊画像処理を行うか否かの判定を行う(S137)。特殊効果(アートフィルタ)が設定されていた場合に、設定に応じた彩度やガンマについては、ステップS131において画像処理がなされている。しかし、撮影時に光学フィルタやレンズを用いて光学的に形成されたような効果であるクロスフィルタ処理、ソフトフォーカス処理、ノイズ付加処理、シェーディング処理、周辺輝度アップ処理、周辺ぼかし処理、フィルム独特の粒状感を再現するようなノイズ付加処理、現像焼き付け工程で行うようなソフトフォーカス処理などの特殊画像処理については、行われていない。そこで、このステップでは、これらの特殊画像処理が必要か否かの判定を行う。なお、特殊効果(アートフィルタ)が設定されている場合であっても、ポップアート、ナチュラル(不図示)、ビビット(不図示)の場合には、彩度やガンマを変更するだけであるので、さらなる特殊画像処理は必要ない。
ステップS137における判定の結果、特殊画像処理が必要な場合には、特殊画像処理を実行する(S139)。ここでは、図5に示した特殊画像処理のフローに従って、特殊画像処理部109bが画像処理を行う。なお、特殊画像処理の内、シェーディング、周辺輝度アップ、および周辺ぼかしについては、画像処理の中心点からの距離に応じて変化させている。3D画像の場合の画像処理の中心点について、図10を用いて後述する。
特殊画像処理を行うと、またはステップS137における判定の結果、特殊画像処理が必要でない場合には、画像処理・3D生成のフローを終了し、元のフローに戻る。
図10は、3D撮影モードが設定された場合において、第1の位置で撮影された左目用画像401と、第2の位置で撮影された右目用画像403を示しており、被写体として人物411と山413が写っている。山413は遠方にあるため、左目用画像401と右目用画像403では略同じ位置に写っているが、人物411は近距離に位置しているため、両画像において写っている位置が異なっている。すなわち、図10に示す例では、左目用画像401では中心より右側に距離aだけ離れて人物411が位置し、また右目用画像403では中心より左側に距離bだけ離れて人物411が位置し、人物411の位置が異なっている。3D画像処理の中心点は、3D画像を生成した際に違和感が生じない主被写体の位置を選択する。例えば、近距離側の被写体や、顔検出部によって検出された顔位置やペットの位置等を選択すればよい。
左右画像のそれぞれの画像処理中心を決めるには、まず、いずれか一方を基準画像として決める。今、左目用画像401を基準画像として決めると、左目用画像401の画像処理中心点421aに対応する右目用画像403上の位置は、画像処理中心点421bとなる。したがって、画像処理中心点421aと421bは、それぞれ同一被写体の同一位置に対応する。但し、この位置は多少ずれても3D画像として画像処理後に違和感がない範囲であればよい。
このように、本実施形態においては、基準とする画像の所定位置を画像中心点として決め、他方の画像でこれに対応する位置も画像中心点と決める。この画像中心点421a、421bを中心としてシェーディング処理等、中心位置からの距離に応じて変化する特殊効果を施すようにしている。このため、右目画像と左目画像に対して違和感のない画像となる。
次に、本実施形態において3D撮影モードを設定した際の画像データの流れと処理の関係について図7を用いて説明する。3D撮影モードが設定されている際には、第1の位置で左目用のRAWデータが取得される(#201L、図2のS29)。この左目用のRAWデータはガンマおよび彩度等の基本的な画像処理がなされ(203L、図6のS131)、仕上がりに応じた左目用の画像を得る(#205L)。一方、第2の位置で右目用のRAWデータが取得され(#201R、図3のS53)、ガンマおよび彩度等の基本的な画像処理がなされ(203R、図6のS131)、仕上がりに応じた右目用の画像を得る(#205R)。
左目用と右目用の仕上がりに応じた画像を取得すると、3D用切り出し位置と補正処理の決定がなされ(#211、図6のS133)、3D画像が生成され(#221、図6のS135)、右目用および左目用の画像に対してそれぞれ特殊画像処理がなされ(#223、図6のS139)、3Dアート画像が生成される(#225)。
このように、第1実施形態においては、RAWデータに対してガンマ処理(階調処理)および彩度処理(色補正処理)を施し(#203L、#203R)、この画像処理された画像データを用いて3D画像を生成するための切り出し位置、または画像回転や台形補正等の幾何学変換による補正処理を行って3D画像を生成する(#211、#221)。この3D画像のための画像処理がなされた画像データに対して、光学的に形成される画像に類似した3D画像のための画像処理がなされた画像データに対して、写真フィルム及び現像焼き付け工程で形成される画像に類似した特殊効果の処理を施すようにしている(#223)。このため、3D画像とアート(特殊効果)画像を共に高品質で再生できる3Dアート画像を生成することができる。
なお、本実施形態においては、基本的な画像処理において(#203L、#203R、S131)において、ガンマ処理(階調処理)および彩度処理(色補正処理)の両方を行っていたが、ここでは階調処理のみを行うようにしてもよい。また、左目用と右目用の仕上がりに応じた画像が生成された後に、3D用切り出し位置および補正処理を決定していたが(#211、S133)、いずれか一方だけでもよい。
次に、本発明の第2実施形態について、図11および図12を用いて説明する。第1実施形態においては、第1および第2の位置で撮影した2枚のRAWデータから画像処理・3D生成を行う際のステップS131における画像処理において、設定された特殊効果(アートフィルタ)に応じたガンマ処理および彩度処理を行い、この処理された画像データを用いて3D画像の生成を行っていた。これに対して、第2実施形態においては、第1および第2の位置で撮影した2枚のRAWデータから画像処理・3D生成を行う際には、仕上がり画像がNaturalに対応するガンマ処理および彩度処理を行い、この画像を用いて3D画像の切り出し位置と補正処理を決定する。そして別途、RAWデータに仕上がり画像に応じたガンマ処理及び彩度処理を行った画像に対して、3D画像の切り出しと補正処理を行って3D画像を生成して特殊効果を適用するようにしている。
第2実施形態における構成は図1に示した第1実施形態と同様であり、また動作も図2ないし図5に示したフローと同様であり、図6に示した画像処理・3D生成のフローを図11に示すフローに変更するだけである。そこで、図11に示す画像処理・3D生成のフローについて説明する。なお、図6と同一の処理を行うステップについては同一のステップ番号を付し、詳しい説明を省略する。なお、図11に示すフローチャートも、フラッシュメモリ125に記憶されているプログラムに従ってマイクロコンピュータ121が実行する。
図11の画像処理・3D生成のフローに入ると、まず、画像処理を行う(S132)。ここでは、基本画像処理部109aが、ステップS29およびS53において取得した2枚のRAWデータに対して、それぞれ図4に示した画像処理のフローの内、ステップS71〜S83を実行する。このフロー中、ステップS79のガンマ変換・色補正においては、仕上がり画像をNaturalに設定して画像処理を行う。なお、標準の仕上がりに近い特殊効果であれば、Natural以外の処理でもよい。
ステップS132において画像処理を実行すると、次に、3D用切り出し位置と補正処理を決定する(S133)。ここでは、第1実施形態の場合と同様、3D画像生成部115が、ステップS132において画像処理された2枚の画像を用いて、画像の特徴量(例えば、エッジ成分、色成分、輝度成分)を検出し、2枚の画像から立体的に見える画像を生成するための切り出し位置の特定と、撮影画角の微妙な変化や回転などを補正する処理を決定する。
続いて、画像処理を実行する(S134)。ここでは、ステップS132において処理された画像ではなく、ステップS29およびS53において取得した2枚のRAWデータに対して、それぞれ図4に示した画像処理のフローの内、ステップS71〜S83を実行する。このフロー中、ステップS79のガンマ変換・色補正においては、メニュー画面で設定された仕上がり画像に応じたガンマや彩度等のパラメータを設定して画像処理を行う。
ステップS134において画像処理を行うと、3D画像生成を行う(S136)。ここでは、ステップS133において決定された3D用切り出し位置と補正処理に基づいて、ステップS134において画像処理された左右2枚の画像を用いて3D画像を生成する。
3D画像を生成すると、次に、第1実施形態と同様に、特殊画像処理が必要か否かを判定し(S137)、この判定の結果、特殊画像処理が必要であれば特殊画像処理を行い(S139)、元のフローに戻る。
本実施形態における画像データの流れと、画像処理の関係について、図12を用いて説明する。3D撮影モードが設定されている際には、第1の位置で左目用のRAWデータが取得される(#201L、図2のS29)。この左目用のRAWデータは仕上がりとしてナチュラルとなるようにガンマおよび彩度等のパラメータが設定されて画像処理がなされ(#204L、図11のS132)、ナチュラル設定の仕上がりに応じた左目用の画像を得る(#207L)。一方、第2の位置で右目用のRAWデータが取得され(#201R、図3のS53)、仕上がりとしてナチュラルとなるようにガンマおよび彩度等のパラメータが設定され画像処理がなされ(204R、図11のS132)、ナチュラル設定の仕上がりに応じた右目用の画像を得る(#207R)。
左目用と右目用のナチュラル設定の仕上がりに応じた画像を取得すると、3D用切り出し位置と補正処理の決定がなされる(#211、図11のS133)。一方、左目用のRAWデータを用いて、設定された特殊効果(アートフィルタ)に応じた仕上がりとなるように画像処理がなされ(#213L、図11のS134)、仕上がりに応じた左目用の画像を得る(#215L)。また右目用のRAWデータを用いて、設定された特殊効果(アートフィルタ)に応じた仕上がりとなるように画像処理がなされ(#213R、図11のS134)、仕上がりに応じた右目用の画像を得る(#215R)。
仕上がりに応じた左右用の画像(#215L、#215R)に対して、決定された3D切り出し位置と補正処理(#211)を用いて3D画像を生成する(#221、図11のS136)。ここで生成された右目用および左目用の3D画像に対してそれぞれ特殊画像処理がなされ(#223、S139)、3Dアート画像が生成される(#225)。
このように、第2実施形態においては、RAWデータに対してガンマ補正(階調処理)および彩度補正(色補正処理)はナチュラルのパラメータを用いて処理し(#204L、#204R)、この画像処理された画像データを用いて3D画像を生成するための切り出し位置、または幾何学変換等の補正処理を行うようにしている。また#204L、#204Rでの画像処理とは別に、左目用と右目用のRAWデータを用いて、設定された特殊効果(アートフィルタ)に応じたガンマ補正(階調処理)および彩度補正(色補正処理)のパラメータを用いて画像処理を行い(#213L、#213R)、仕上がりに応じた画像を得ている(#215L、#215R)。3D画像の生成にあたっては、#211において決定された3D切り出し位置と補正処理に従って、#215L、#215Rにおいて取得した画像から3D画像を生成している。本実施形態においては、3D画像生成のための切り出し位置や補正処理については、ナチュラル処理された画像に基づいて決定していることから、正確に切り出し位置や補正処理を決定することが可能となり、3D画像とアート(特殊効果)画像を共に高品質で再生できる3Dアート画像を生成することができる。
また、第2実施形態においては、フラッシュメモリ125が、階調変換部として機能する基本画像処理部109aにおける画像処理内容を決定するガンマテーブル(第1の画像処理パラメータ)と、特殊効果に応じて階調変換部として機能する基本画像処理部109aにおける画像処理内容を決定する、第1の画像処理パラメータとは異なる特殊効果用の第2の画像処理パラメータを記憶する画像処理パラメータ記憶部として機能する。ここで第1の画像処理パラメータは、ナチュラル等、自然な感じの画像処理であり、第2の画像処理パラメータは、メニュー画面において設定された特殊効果(アートフィルタ)に対応した画像処理パラメータである。特殊効果(アートフィルタ)では、ナチュラルのパラメータと比較して、コントラストが強調されたり、コントラストが軟調になるような画像処理パラメータや、暗部(黒)が浮いたガンマや飽和部(白)が最大値にならないような画像処理パメータ等を用いる。そして、Natural基準で3D処理を予め行っておき、その後、アートフィルタで、通常(Natural)とは大きく異なるガンマを用いて特殊効果を施す。そして、第2実施形態においては、第1の画像処理パラメータを用いて階調処理部で画像処理された画像を用いて3D画像生成部115(立体画像データ処理部)で行う処理内容を決定し、階調変換部が第2の画像処理パラメータを用いて特殊効果による画像処理を行い、3D画像生成部115(立体画像データ処理部)で特殊効果による画像処理を行った画像に対して立体画像を生成するようにしている。
なお、本実施形態においても、基本的な画像処理において(#213L、#213R、図11のS134)において、ガンマ補正(階調処理)および彩度補正(色補正処理)の両方を行っていたが、ここでは階調処理のみを行うようにしてもよい。また、左目用と右目用の仕上がりに応じた画像が生成された後に、3D用切り出し位置および補正処理を決定していたが(#211、S133)、いずれか一方だけでもよい。
次に、本発明の第3実施形態について、図13ないし図16を用いて説明する。第1及び第2実施形態においては、撮影レンズ201は1つのみであり、視差のある画像を得るために、第1の位置で撮影した後に第2の位置にカメラを移動させて撮影を行っていた。これに対して、第3実施形態においては、撮影レンズを2つ備え、同時に視差のある2枚の画像を取得するようにしている点で相違する。
第3実施形態における構成は、図1に示したブロック図において、撮影レンズ201を2つの撮影レンズ201a、201bに置き換え、また絞り203を2つの絞り203a、203bに置き換え、また撮像素子103を撮像素子104に置き換えているだけである。そこで、相違点のみ説明し、同一の部材については同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
右目用撮影レンズ201aと左目用撮影レンズ201bは、同一平面上に配置され(図13では作図上ずらした位置として描いている)、それぞれ右目用と左目用の被写体光束を同時に撮影できるように配置されている。右目用撮影レンズ201aの光軸上には右目用絞り203aが配置され、また左目撮影レンズ201bの光軸上には左目用絞り203bが配置され、それぞれ通過する被写体光束の光量を制御する。
右目用撮影レンズ201aと左目用撮影レンズ201bの光軸上には、撮像素子104が配置されている。この撮像素子104に、すなわち1つの撮像素子に、左目用画像と右目用画像が結像する。
また、操作部123内には、動画の撮影を開始させ、また終了させるための動画釦が配置されている。初期状態では動画未撮影状態であるので、この状態で動画釦を押すと動画の撮影を開始し、動画撮影中に動画釦を押すと、動画の撮影を終了する。従って、動画釦を押すたびに、動画の撮影開始と終了を交互に繰り返す。
なお、第3実施形態においては、撮影レンズ201a、201bをそれぞれ別々に設けているが、レンズを1つだけ設け、撮像素子や遮光部材の活用により、左用と右用の被写体光束を分離するようにしてもよい。また、撮影レンズは交換式ではなく固定式としてもよい。また、1つの撮像素子104で左用と右用の画像を受光するようにしたが、2つの撮像素子を配置し、別々に画像信号を取得するようにしてもよい。
次に、第3実施形態の動作について図14ないし図16に示すフローチャートを用いて説明する。これらのフローチャートは、第1及び第2実施形態と同様、フラッシュメモリ125に記憶されているプログラムに従ってマイクロコンピュータ121が実行する。
図14および図15は、本実施形態におけるメインフローである。このメインフローにおいて、第1実施形態における図2および図3に示すフローと同一の処理を行うステップについては、同一のステップ番号を付し、詳しい説明を省略する。第1実施形態と比較し、本実施形態においては、レリーズ釦が全押しされ、セカンドレリーズスイッチがオンになると、同時に2枚の画像が取得され(S27、S30)、3D撮影モードが設定されている場合には、撮影終了後、直ちに画像処理・3D生成がなされる(S31、S37)点で相違する。また、動画釦が操作されると動画の記録がなされ(S11〜S17)、3D撮影モードが設定されている場合には、動画撮影中に3D画像と特殊効果が施されて動画記録がなされる(S65〜S69)。
メインフローがスタートすると、初期化(S1)を行う。ここでは、機械的およびフラグの初期化等の電気的初期化を行う。ここで、各種フラグ等の初期化として、記録中フラグの初期化を行う。この記録中フラグは、動画の記録中であるか否かを示すフラグであり、オンの場合には動画を記録中であることを示し、オフの場合には動画の記録を行っていないことを示す。
初期化を行うと、次に、再生釦が押されたか否かの判定を行い(S3)、押されていた場合には、再生処理を行い(S5)、ステップS3に戻る。再生処理の際に、一覧表から選択した画像が動画の場合には、時系列的に先頭フレームから順次動画再生を行う。また選択された画像が静止画の場合には、確定した静止画を表示する。
ステップS3における判定の結果、再生釦が押されていなかった場合には、メニュー釦が押されたか否かの判定を行う(S7)。この判定の結果、メニュー釦が押されていた場合には、カメラ設定を行い(S9)、ステップS3に戻る。カメラ設定では第1実施形態と同様、種々の設定ができ、3D撮影モードや特殊効果(アートフィルタ)もここで行う。
ステップS7における判定の結果、メニュー釦が押されていなかった場合には、次に、動画釦が押されたか否かを判定する(S11)。このステップでは、操作部123において、動画釦の操作状態を検知し、この検知結果に基づいて判定する。
ステップS11における判定の結果、動画釦が押された場合には、次に、記録中フラグの反転を行う(S13)。前述したように、動画釦は押されるたびに、動画撮影開始と終了を交互に繰り返すので、このステップでは、記録中フラグがオフであった場合にはオンに、またオンであった場合にはオフに、記録中フラグを反転させる。
ステップS13において記録中フラグの反転を行うと、次に、動画の記録中か否かの判定を行う(S15)。記録中フラグが動画の記録状態を示しているので、このステップでは、記録中フラグがオンであるか否かの判定を行う。この判定の結果、動画記録中の場合には、動画ファイルの生成を行う(S17)。ここでは、MPEG等の動画ファイルを生成する。なお、動画ファイルの記録は後述するステップS69において行う。
ステップS17において動画ファイルの生成を行うと、またはステップS15における判定の結果、動画記録中でなかった場合には、またはステップS11における判定の結果、動画釦が押されていなかった場合には、次に、ステップS15と同様に、動画記録中であるか否かの判定を行う(S19)。
ステップS19における判定の結果、動画記録中でなかった場合には、次に、第1実施形態と同様に、レリーズ釦が半押しされ、ファーストレリーズスイッチがオフからオンに遷移したか否かを判定する(S21)。この判定の結果、レリーズ釦のファーストレリーズスイッチがオフからオンに遷移した場合には、AE動作およびAF動作を実行する(S23)。ここでは、絞りおよびシャッタ速度等の露出制御値の演算および撮影レンズ201a、201bのピント合わせを行う。したがって、動画記録中ではない場合に、すなわち静止画撮影モード時に、レリーズ釦が半押しされると、その時点で、露出制御値の演算および撮影レンズ201のピント合わせを行う。
ステップS21における判定の結果、レリーズ釦のファーストレリーズスイッチがオフからオンに遷移しなかった場合には、次に、第1実施形態と同様に、レリーズ釦が全押しされ、セカンドレリーズスイッチがオンになったか否かの判定を行う(S27)。この判定の結果、セカンドレリーズがなされた場合には、メカシャッタによる撮影を行う(S30)。第1実施形態においては、3D撮影モードが設定されている場合であっても1枚の画像しか取得できなかったが、本実施形態においては、撮像素子104から右目用の画像と左目用の2枚の画像を同時に取得することができる。なお、3D撮影モードが設定されていない場合には、1枚の画像を取得する。
メカシャッタによる撮影を行うと、次に、第1実施形態と同様に、3D撮影モードか否かを判定し(S31)、この判定の結果、3D撮影モードでなければ、ステップS30において取得した1枚の画像について画像処理を行い(S33)、静止画記録を行う(S35)。
ステップS31における判定の結果、3D撮影モードであった場合には、画像処理・3D生成を行う(S37)。前述したように、ステップS30において視差のある2枚の画像を取得することから、このステップでは、2枚の画像を画像処理し、3D画像を生成する。この画像処理・3D生成の詳しい動作については、図16を用いて後述する。3D画像を生成すると、記録媒体131に3D画像の記録を行う(S39)。
ステップS27における判定の結果、セカンドレリーズスイッチがオンとなっていなかった場合、またはステップS19における判定の結果、動画記録中であった場合には、次に、第1実施形態と同様に、AE動作を行う(S61)。このステップS61以下を実行する場合は、静止画撮影モードでレリーズ釦が何ら操作されておらず単にライブビュー表示がなされている場合か、または動画記録中の場合である。
ステップS61において、AE動作を行うと、次に、第1実施形態と同様に電子シャッタによる撮影を行い(S63)、画像処理を行う(S65)。ここでは、ライブビュー表示もしくは動画撮影のためにAE動作を行って適正露出を得ると共に、画像処理を行う。この画像処理では、図4に示したフローを実行するので、基本的な画像処理を行うと共に、3D撮影モードが設定されていなければ特殊効果(アートフィルタ)の画像処理も実行する。
画像処理を行うと、第1実施形態と同様に、ライブビュー表示を行う(S67)。ステップS65において画像処理された画像データを用いて、LCD135にライブビュー表示を行う。撮影者はライブビュー表示を観察することにより構図を決め、また静止画撮影中ならシャッタタイミングを、また動画撮影中なら撮影終了のタイミングを決定することができる。
ライブビュー表示を行うと、次に、ステップS15、S19と同様に、動画記録中か否かの判定を行う(S68)。動画記録中であるか否かは記録中フラグに基づいて判定する。この判定の結果、動画記録中の場合には、動画記録を行う(S69)。ここでは、ステップS65において画像処理された画像データを画像圧縮展開部117によって圧縮し、記録媒体131に記録する。
ステップS69において動画記録を行うと、またはステップS68における判定の結果、動画記録中でなかった場合、またはステップS39において3D画像記録を行うと、またはステップS35において静止画記録を行うと、またはステップS23においてAE・AFを行うと、次に、電源オフか否かの判定を行う(S25)。このステップでは、操作部123の電源釦が再度、押されたか否かを判定する。この判定の結果、電源オフではなかった場合には、ステップS3に戻る。一方、判定の結果、電源オフであった場合には、メインのフローの終了動作を行ったのち、メインフローを終了する。
次に、ステップS37における画像処理・3D生成の詳しい動作について、図16を用いて説明する。画像処理・3D生成のフローに入ると、まず、画像処理を行う(S131a)。ステップS30におけるメカシャッタ撮影によって、右目部分および左目部分が写っている1枚のRAW画像データを取得しているので、このステップでは、RAW画像データのそれぞれの部分について、画像処理のフローを実行する。このフローでは、第1実施形態の場合と同様、特殊効果(アートフィルタ)が設定されている場合には、設定された特殊効果に応じたガンマ補正(階調補正)や彩度補正(色補正)を行う。この画像処理のフローは、図4に示した画像処理のフローにおいてステップS71〜S83であり、ステップS85以下は、ここでは省略し、実行しない。なお、右目用と左目用で異なる撮像素子が配置されている場合には、2枚のRAWデータについてそれぞれ画像処理を行う。
ステップS131aにおいて画像処理を行うと、3D用切り出し位置と補正処理を決定する(S133a)。第1実施形態においては、右目用画像と左目用画像を別々に撮影していたので、また撮影画角の微妙な変化や回転などを補正する処理を決定していた。第3実施形態においては、2つの画像を同一の撮像素子で受光していることから、第1実施形態のような補正は必要ないが、製造する段階で生じる誤差等があることから、この誤差を補正するようにしている。すなわち、上述の誤差を吸収するための画角の補正情報を交換式レンズ200内のフラッシュメモリ209に保持しておき、レンズとの通信によって取得し、切り出し位置の補正や画角補正方法を決定する。なお、撮像素子が複数ある場合には、撮像素子の位置ズレも考慮するようにしてもよい。
次に、3D画像生成を行う(S135)。ここでは、3D画像生成部115が、ステップS131aにおいて画像処理され、ステップS133aにおいて3D用切り出し位置と補正処理の決定を用いて、3D画像を生成する。
3D画像を生成すると、次に、特殊画像処理を行うか否かを判定する(S137)。ここでは、特殊効果(アートフィルタ)が設定されている場合に、第1実施形態と同様に、追加の特殊画像処理が必要か否かを判定する。この判定の結果、特殊画像処理が必要な場合には、第1実施形態と同様に、その特殊画像処理を実行する(S139)。特殊画像処理を行うと、またはステップS137における判定の結果、特殊画像処理が必要でなかった場合には、画像処理・3D生成のフローを終了し、元のフローに戻る。
このように、本発明の第3実施形態においては、右目用の画像と左目用の画像を同時に取得し、この取得した画像について、ガンマ補正(階調補正)や彩度補正(色補正)等の画像処理を行った後、3D用切り出し位置と補正処理を決定している。ここで決定された切り出し位置と補正処理に従って、3D画像を生成し、3D画像生成後、必要な特殊画像処理を行うようにしている。このため、3次元画像を生成する過程で行われる画像の切り出しや回転・台形補正等を行う際に、画像が著しく変化することがなく、3次元画像を違和感なく生成することができる。
次に、本発明の第1ないし第3実施形態に係わるカメラが適用可能なマルチレコーディングについて、図17を用いて説明する。図17は、風景+人物を撮影した全体画像431を示しており、全体画像431は、山435や人物437を含んでいる。カメラは全体画像431と共に、人物437を含む主要な被写体の部分画像433を全体画像431とは別に記録媒体131に記録する。このような1回の撮影から得られる複数の画像を別々に記録する方式をマルチレコーディングという。
マルチレコーディングを行う場合には、全体画像431と部分画像433のように複数の画像を記録することができる(図17の例では2枚の画像を記録)。マルチレコーディングを行う際に、3D撮影モードを設定してもよく、この場合(図17の例)には3D画像を生成するために右目用全体画像、左目用全体画像、右目用部分画像、左目用部分画像を記録媒体131に記録する。3D撮影モードと共に特殊効果(アートフィルタ)が設定されている場合には、本発明の第1ないし第3実施形態において説明したような手順により、特殊効果を施した3D画像を生成することができる。
例えば、第2実施形態における特殊効果を施した3D画像生成を利用すると、通常の二次元画像、3D画像、および特殊効果を施した3D画像を生成する。すなわち、図12において、#204Lおよび#204Rから通常の2次元画像を取得することができる。また、#207Lおよび#207Rを#215Lおよび#215Rに置き換えて3D画像を生成することにより特殊効果を施さない3D画像を生成することができる。
#223において特殊画像処理を行う場合には、図10を用いて説明したように、左目用画像と右目用画像で被写体の略同一の場所を画像処理中心として、特殊画像処理を行う。マルチレコーディングを行う場合には、全体画像431と部分画像433で、それぞれの画像に相応しい画像処理中心を決めて画像処理を行うとよい。
特殊効果を施した3D画像を生成する際に、3D用切り出し位置や補正処理の決定にあたって使用する画像は、基本画像処理部109aによって階調変換等を行うことにより、回転・台形補正によって変化することなく、また視覚的な効果に非常に影響するコントラストや彩度を変換する際のビット精度不足による階調トビを防止することができ、違和感のない立体画像を生成することができる。
このように、マルチレコーディング可能なカメラにおいては、階調変換(ガンマ補正)を行う基本画像処理部109aは、特殊効果を施した3D画像以外の画像データを共に生成する場合は、階調変換の他にRAWデータを立体視特殊画像効果以外の生成画像に対応した階調に変換する処理を行うようにしている。このため、マルチレコーディングやライブビューの切換えの際に、通常の2次元画像、3D画像のみ、特殊効果を施した3D画像を共に生成することが可能となる。なお、この3種類の画像の全てを生成せずに、このうちの2種類の画像を生成するようにしてもよい。
次に、本発明の第1ないし第3実施形態に係わるカメラが適用可能なデュアルエンジンについて、図18を用いて説明する。図1および図13に示すブロック図においては、画像処理部109は、1つしか設けておらず、右目用の画像データおよび左目用の画像データを順次、時系列で処理していた。画像処理部109の基本画像処理部109aおよび特殊画像処理部109bをそれぞれ2つ設け、すなわちデュアルエンジンとすると、右目用の画像データと左目用の画像データを同時に処理することが可能となる。
図18は、第1実施形態における図7に対応し、画像処理部109をデュアルエンジンにした場合の画像データと処理の流れを示す図である。図18において、左目用画像について、#201L、#203L、#205L、#223Lを、画像処理部109の一方の処理部によって処理し、右目用画像について、#201R、#203R、#205R、#223Rを、画像処理部109の他方の処理部によって処理する。また、#211および#221は、3D画像生成部115によって処理する。
このように、画像処理部109をデュアルエンジンとすることにより、右目用画像データと左目用画像データを並列に画像処理することが可能となる。このため、画像処理のための時間を短縮することができる。特に、上述の第3実施形態と組み合わせると、左右の画像を同時に撮像可能であることから、特殊効果を施した3Dアート動画を容易に実現することができる。
以上説明したように、本発明の各実施形態やその応用例においては、RAWデータに対して特殊効果(ナチュラル等の自然の感じの処理を含む)に対応した階調に変換した画像データを用いて、立体視する画像データとして切り出すか、または幾何学変換の少なくとも1つの処理を行ってから立体画像データを生成し、この生成された立体画像データに対して特殊効果を施すようにしている。このため、特殊効果を施した立体画像が違和感なく自然に見ることができ、かつ処理時間や必要なメモリを増大させることがなく生成することができる。
なお、本発明の各実施形態においては、3D撮影モードや特殊効果(アートフィルタ)をメニュー画面において設定するようにしていたが、この設定はメニュー画面等の設定画面に限らず、例えば、専用釦を設け、この専用釦を操作によって設定するようにしてもよい。また、3D画像生成用に2枚の画像を使用したが、3枚以上であっても勿論かまわない。
また、本実施形態においては、撮影のための機器として、デジタルカメラを用いて説明したが、カメラとしては、デジタル一眼レフカメラでもコンパクトデジタルカメラでもよく、ビデオカメラ、ムービーカメラのような動画用のカメラでもよく、さらに、携帯電話や携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assist)、ゲーム機器等に内蔵されるカメラでも構わない。いずれにしても、視差のある複数の画像に対して特殊効果を付与して立体画像を生成するための画像処理のための機器であれば、本発明を適用することができる。
本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の第1の発明に係わる立体画像処理装置は、撮影して得られたRAWデータに画像処理を施すことにより、視覚的に特殊効果を施し、且つ立体視が可能な画像データを生成する画像処理装置において、上記RAWデータを階調変換する階調変換部と、上記階調変換部によって階調変換された画像データを、立体視する画像データとして切り出すか、または幾何学変換のいずれかの処理を少なくとも行い、立体画像データを生成する立体画像データ処理部と、上記立体画像データ処理部で生成された上記立体画像データに対して、光学的に形成される画像類似した特殊効果または写真フィルム及び現像焼き付け工程で形成された画像に類似した特殊効果を施す特殊画像処理を行い、立体特殊画像を生成する特殊効果画像処理部と、を具備する。
第9の発明に係わる立体画像処理方法は、撮影して得たRAWデータに画像処理を施すことにより、視覚的な特殊効果を表し、且つ立体視が可能な画像データを生成する画像処理方法において、上記RAWデータを階調変換し、上記階調変換された画像データを、立体視する画像データとして切り出すか、または幾何学変換の何れかの処理を少なくとも行い、立体画像データを生成し、上記立体画像データに対して、光学的に形成される画像類似した特殊効果または写真フィルム及び現像焼付工程で形成された画像に類似した特殊効果を施す特殊画像処理し、立体特殊画像を生成する。
第10の発明に係わる立体画像処理方法は、上記第9の発明において、上記RAWデータの上記特殊効果に対応した画像処理に先だって、エッジ強調処理を実行した後に、ノイズリダクション処理を行う。
第11の発明に係わる立体画像処理プログラムを記録した記憶媒体は、撮影して得たRAWデータに画像処理を施すことにより、視覚的な特殊効果を表し、且つ立体視が可能な画像データを生成することをコンピュータに実行させるための立体画像処理プログラムを記録した記憶媒体であって、上記RAWデータを階調変換し、上記階調変換された画像データを、立体視する画像データとして切り出すか、または幾何学変換の何れかの処理を少なくとも行い、立体画像データを生成し、上記立体画像データに対して、光学的に形成される画像類似した特殊効果または写真フィルム及び現像焼付工程で形成された画像に類似した特殊効果を施す特殊画像処理し、立体特殊画像を生成する。