JP2951291B2 - 2次元映像を3次元映像に変換する装置および方法 - Google Patents

2次元映像を3次元映像に変換する装置および方法

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JP2951291B2
JP2951291B2 JP9159949A JP15994997A JP2951291B2 JP 2951291 B2 JP2951291 B2 JP 2951291B2 JP 9159949 A JP9159949 A JP 9159949A JP 15994997 A JP15994997 A JP 15994997A JP 2951291 B2 JP2951291 B2 JP 2951291B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、2次元映像を3
次元映像に変換する装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】2次元映像を3次元映像に変換する方法
として、フィールドメモリを用いて、元の2次元映像信
号に対して、時間的に遅延された映像信号(以下、遅延
映像信号という)を生成し、元の2次元映像信号と遅延
映像信号のうち、一方を左目用映像信号として出力し、
他方を右目用映像信号として出力する方法が知られてい
る。しかしながら、この方法では、元の2次元映像信号
に対して時間的に遅延された映像信号を生成するために
フィールドメモリが必要となるため、コストが高いとい
う問題がある。また、この方法では、動きのある2次元
映像のみしか3次元映像に変換することができない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、元の2次
元映像信号に対して時間的に遅延された映像信号を生成
するためのフィールドメモリが不要となり、コストの低
廉化が図れる2次元映像を3次元映像に変換する装置お
よび方法を提供することを目的とする。
【0004】また、この発明は、元の2次元映像信号に
よって表される映像が静止映像であっても立体映像が得
られる、2次元映像を3次元映像に変換する装置および
方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明による2次元映
像を3次元映像に変換する装置は、2次元入力映像信号
に基づいて、各フィールドごとに、1フィールド画面内
に設定された複数の視差算出領域のそれぞれに対して、
映像の遠近に関する画像特徴量を抽出する特徴量抽出手
段、各視差算出領域ごとに抽出された画像特徴量に基づ
いて、1フィールド画面内の所定単位領域ごとの視差情
報を生成する視差情報生成手段、ならびに2次元入力映
像信号の各所定単位領域内の信号から、その所定単位領
域に対応する視差情報に応じた水平位相差を有する第1
映像信号と第2映像信号とをそれぞれ生成する位相制御
手段を備えており、視差情報生成手段は、視差算出領域
ごとの映像の遠近に関する画像特徴量に基づいて、1フ
ィールド画面内の全領域をその画面に含まれている物体
毎にグループ分けを行なう第1手段、第1手段によるグ
ループ分け結果と、視差算出領域ごとの映像の遠近に関
する画像特徴量とに基づいて、各グループ毎の映像の遠
近に関する情報を生成する第2手段、各グループ毎の映
像の遠近に関する情報に基づいて、各視差算出領域毎の
映像の遠近に関する情報を生成する第3手段、ならびに
各視差算出領域毎の映像の遠近に関する情報を、各視差
算出領域ごとの視差情報に変換する第4手段を備えてい
ることを特徴とする。
【0006】所定単位領域は、たとえば、1画素単位の
領域である。
【0007】第1手段としては、たとえば、次のような
ものが用いられる。
【0008】(1)映像の遠近に関する画像特徴量の大
きさに対する視差算出領域数を表す度数分布に基づい
て、映像の遠近に関する画像特徴量の大きさの近似して
いる領域が同一グループとなるように1フィールド画面
内の全領域をグループ分けを行なうもの。
【0009】(2)映像の遠近に関する画像特徴量の大
きさに対する視差算出領域数を表す度数分布に基づい
て、映像の遠近に関する画像特徴量の大きさの近似して
いる領域が同一グループとなるように1フィールド画面
内の全領域をグループ分けを行なう手段、および同じグ
ループ内に互いに空間的に離れている複数の領域が存在
する場合には、それらの領域がそれぞれ異なるグループ
となるように、グループ分けを行なう手段を備えている
もの。
【0010】(3)映像の遠近に関する画像特徴量の大
きさに対する視差算出領域数を表す度数分布に基づい
て、映像の遠近に関する画像特徴量の大きさの近似して
いる領域が同一グループとなるように1フィールド画面
内の全領域をグループ分けを行なう手段、同じグループ
内に互いに空間的に離れている複数の領域が存在する場
合には、それらの領域がそれぞれ異なるグループとなる
ように、グループ分けを行なう手段、および所定数以下
の視差算出領域から構成されているグループが存在する
場合には、そのグループ内のおよびその周辺の視差算出
領域に対する映像の遠近に関する画像特徴量に基づい
て、そのグループを周囲のグループに属させるべきか否
かを判別し、そのグループを周囲のグループに属させる
べきと判別した場合には、そのグループを周囲のグルー
プに属させる手段を備えているもの。
【0011】(4)映像の遠近に関する画像特徴量の大
きさに対する視差算出領域数を表す度数分布に基づい
て、映像の遠近に関する画像特徴量の大きさの近似して
いる領域が同一グループとなるように1フィールド画面
内の全領域をグループ分けを行なう手段、同じグループ
内に互いに空間的に離れている複数の領域が存在する場
合には、それらの領域がそれぞれ異なるグループとなる
ように、グループ分けを行なう手段、所定数以下の視差
算出領域から構成されているグループが存在する場合に
は、そのグループ内のおよびその周辺の視差算出領域に
対する映像の遠近に関する画像特徴量に基づいて、その
グループを周囲のグループに属させるべきか否かを判別
し、そのグループを周囲のグループに属させるべきと判
別した場合には、そのグループを周囲のグループに属さ
せる手段、および隣接する2つのグループのうち、一方
のグループ内および他方のグループ内の視差算出領域に
対する映像の遠近に関する画像特徴量に基づいて、両グ
ループを結合させるべきか否かを判別し、両グループを
結合させるべきと判別した場合には、両グループを結合
させる手段を備えているもの。
【0012】第2手段としては、たとえば、各グループ
内の視差算出領域ごとの映像の遠近に関する画像特徴量
および各視差算出領域毎に予め設定された重み係数に基
づいて、各グループ毎に映像の遠近に関する情報を算出
するものが用いられる。
【0013】第3手段としては、たとえば、次のような
ものが用いられる。
【0014】(1)画面の高さ位置のうち、映像の遠近
に関する情報によって表される遠近位置が最も近い高さ
位置より下側の各視差算出領域のうち、その視差算出領
域に対する映像の遠近に関する情報によって表される遠
近位置が、その直上の視差算出領域に対する映像の遠近
に関する情報によって表される遠近位置より所定値以上
遠い位置である視差算出領域については、その視差算出
領域に対する映像の遠近に関する情報によって表される
遠近位置がその直上の視差算出領域に対する映像の遠近
に関する情報によって表される遠近位置に接近するよう
に、その視差算出領域に対する映像の遠近に関する情報
を補正する手段を備えているもの。
【0015】(2)画面の高さ位置のうち、映像の遠近
に関する情報によって表される遠近位置が最も近い高さ
位置より下側の各視差算出領域のうち、その視差算出領
域に対する映像の遠近に関する情報によって表される遠
近位置が、その直上の視差算出領域に対する映像の遠近
に関する情報によって表される遠近位置より所定値以上
遠い位置である視差算出領域については、その視差算出
領域に対する映像の遠近に関する情報によって表される
遠近位置がその直上の視差算出領域に対する映像の遠近
に関する情報によって表される遠近位置に接近するよう
に、その視差算出領域に対する映像の遠近に関する情報
を補正する手段、および隣合う2つのグループの境界部
において、映像の遠近に関する情報が両グループ間で所
定範囲以内となるように、隣合う2つのグループの境界
部の視差算出領域に対する映像の遠近に関する情報を補
正する手段を備えているもの。
【0016】(3)画面の高さ位置のうち、映像の遠近
に関する情報によって表される遠近位置が最も近い高さ
位置より下側の各視差算出領域のうち、その視差算出領
域に対する映像の遠近に関する情報によって表される遠
近位置が、その直上の視差算出領域に対する映像の遠近
に関する情報によって表される遠近位置より所定値以上
遠い位置である視差算出領域については、その視差算出
領域に対する映像の遠近に関する情報によって表される
遠近位置がその直上の視差算出領域に対する映像の遠近
に関する情報によって表される遠近位置に接近するよう
に、その視差算出領域に対する映像の遠近に関する情報
を補正する手段、隣合う2つのグループの境界部におい
て、映像の遠近に関する情報が両グループ間で所定範囲
以内となるように、隣合う2つのグループの境界部の視
差算出領域に対する映像の遠近に関する情報を補正する
手段、および同じグループ内の各視差算出領域間におい
て、映像の遠近に関する情報の差が所定範囲以内となる
ように、各グループ内の映像の遠近に関する情報を平滑
化させる手段を備えているもの。
【0017】位相制御手段としては、たとえば、2次元
入力映像信号を1水平ライン分以下の複数画素数分記憶
できる容量を有し、かつ2次元入力映像信号を一次的に
記憶する第1の記憶手段、2次元入力映像信号を1水平
ライン分以下の複数画素数分記憶できる容量を有し、か
つ2次元入力映像信号を一次的に記憶する第2の記憶手
段、第1の記憶手段の読み出しアドレスを、2次元入力
映像信号の水平垂直位置に応じて決定された標準読み出
しアドレスに対して、2次元入力映像信号の水平垂直位
置が属する所定単位領域に対応する視差情報に基づいて
制御することにより、上記標準読み出しアドレスによっ
て規定される基準水平位相に対して上記視差情報に応じ
た量だけ水平位相が進んだ第1映像信号を生成する第1
の読み出しアドレス制御手段、ならびに第2の記憶手段
の読み出しアドレスを、上記標準読み出しアドレスに対
して、2次元入力映像信号の水平垂直位置が属する所定
単位領域に対応する視差情報に基づいて制御することに
より、上記標準読み出しアドレスによって規定される基
準水平位相に対して上記視差情報に応じた量だけ水平位
相が遅れた第2映像信号を生成する第2の読み出しアド
レス制御手段を備えているものが用いられる。
【0018】映像の遠近に関する画像特徴量としては、
たとえば、高周波成分の積算値、輝度コントラスト、R
−Y成分の積算値、B−Y成分の積算値のうちから選択
された任意の1つまたは任意の組み合わせが用いられ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施の形態について説明する。
【0020】図1は、2次元映像を3次元映像に変換す
るための2D/3D映像変換装置の全体的な構成を示し
ている。
【0021】2次元映像信号を構成する輝度信号Y、色
差信号R−Yおよび色差信号B−Yは、AD変換回路1
(ADC)によってそれぞれディジタルのY信号、R−
Y信号およびB−Y信号に変換される。
【0022】Y信号は、高周波成分積算回路8および輝
度コントラスト算出回路9に送られるとともに、第1の
左映像用任意画素遅延FIFO11および第1の右映像
用任意画素遅延FIFO21に送られる。R−Y信号
は、R−Y成分積算回路31に送られるとともに、第2
の左映像用任意画素遅延FIFO12および第2の右映
像用任意画素遅延FIFO22に送られる。B−Y信号
は、B−Y成分積算回路32に送られるとともに、第3
の左映像用任意画素遅延FIFO13および第3の右映
像用任意画素遅延FIFO23に送られる。
【0023】高周波成分積算回路8は、1フィールド毎
に、図2に示すように、1フィールド画面内に予め設定
された複数個の視差算出領域E1〜E12それぞれに対
する高周波成分の積算値を算出する。輝度コントラスト
算出回路9は、1フィールド毎に、各視差算出領域E1
〜E12それぞれに対する輝度コントラストを算出す
る。R−Y成分積算回路31は、1フィールド毎に、各
視差算出領域E1〜E12それぞれに対するR−Y成分
の積算値を算出する。B−Y成分積算回路32は、1フ
ィールド毎に、各視差算出領域E1〜E12それぞれに
対するB−Y成分の積算値を算出する。
【0024】各視差算出領域E1〜E12それぞれに対
する高周波成分の積算値、各視差算出領域E1〜E12
それぞれに対する輝度コントラスト、各視差算出領域E
1〜E12それぞれに対するR−Y成分の積算値および
各視差算出領域E1〜E12それぞれに対するB−Y成
分の積算値は、視差算出領域E1〜E12ごとの映像の
遠近に関する画像特徴量として用いられる。
【0025】なお、1フィールド画面内には、実際に
は、図13に示すように6行10列の計60個の視差算
出領域が設定されているが、説明の便宜上、図2に示す
ように、1フィールド画面内に、3行4列の計12個の
視差算出領域E1〜E12が設定されているものとす
る。
【0026】CPU3は、高周波成分積算回路8、輝度
コントラスト算出回路9、R−Y成分積算回路31およ
びB−Y成分積算回路32から送られてきた情報に基づ
いて、各視差算出領域E1〜E12に対する視差情報を
生成する。この例では、被写体のように前側にある物体
ほど視差量が少なく、背景のように後ろ側にある物体ほ
ど視差量が大きくなるように視差情報が生成される。こ
の視差情報の生成方法の詳細については、後述する。
【0027】CPU3によって算出された各視差算出領
域E1〜E12に対する視差情報は、視差制御回路4に
送られる。視差制御回路4は、各視差算出領域E1〜E
12に対する視差情報に基づいて、各フィールドの各画
素位置ごとの視差情報を生成する。そして、得られた各
画素位置ごとの視差情報に基づいて、各FIFO11〜
13、21〜23から映像信号(Y信号、R−Y信号、
B−Y信号)を読み出す際の読み出しアドレスが左映像
用任意画素遅延FIFO11〜13と右映像用任意画素
遅延FIFO21〜23との間でずれるように、各FI
FO11〜13、21〜23の読み出しアドレスを制御
する。したがって、左映像用任意画素遅延FIFO11
〜13から読み出された左映像信号の水平位相と、右映
像用任意画素遅延FIFO21〜23から読み出された
右映像信号の水平位相が異なるようになる。
【0028】左映像用任意画素遅延FIFO11〜13
から読み出された左映像信号(YL信号、(R−Y)L
信号、(B−Y)L信号)は、DA変換回路(DAC)
5によってアナログ信号に変換された後、図示しない立
体表示装置に送られる。右映像用任意画素遅延FIFO
21〜23から読み出された右映像信号(YR信号、
(R−Y)R信号、(B−Y)R信号)は、DA変換回
路(DAC)6によってアナログ信号に変換された後、
図示しない立体表示装置に送られる。
【0029】左映像信号の水平位相と、右映像信号の水
平位相は異なっているので、左映像と右映像との間に視
差が発生する。この結果、左映像を左目のみで観察し、
右映像を右目のみで観察すると、被写体が背景に対して
前方位置にあるような立体映像が得られる。
【0030】図3は、R−Y成分積算回路31の構成を
示している。
【0031】図2においては、各視差算出領域E1〜E
12の水平方向の画素数をm、各視差算出領域E1〜E
12の垂直方向の画素数をn、第1の視差算出領域E1
の左上の座標を(a,b)として、水平位置(HAD)
および垂直位置(VAD)が表されている。
【0032】R−Y成分積算回路31は、タイミング信
号発生回路201、加算回路202およびR−Y成分積
算レジスタ群203および選択回路(SEL)204を
備えている。R−Y成分積算レジスタ群203は、各視
差算出領域E1〜E12にそれぞれ対応した第1〜第1
2のR−Y成分積算レジスタ211〜222を備えてい
る。
【0033】タイミング信号発生回路201には、入力
映像信号の水平同期信号Hsyncおよび垂直同期信号
Vsyncならびに各水平期間の水平アドレスを検出す
るためのクロック信号CLKが入力している。
【0034】タイミング信号発生回路201は、水平同
期信号Hsync、垂直同期信号Vsyncおよびクロ
ック信号CLKに基づいて、第1〜第12のイネーブル
信号EN1〜EN12、リセット信号RSTおよび出力
タイミング信号DOUTを出力する。
【0035】各イネーブル信号EN1〜EN12は、そ
れぞれ各視差算出領域E1〜E12に対応しており、常
時はLレベルであり、入力映像信号の水平垂直位置が対
応する領域内にあるときに、Hレベルとなる。第1〜第
12のイネーブル信号EN1〜EN12は、それぞれ第
1〜第12の輝度積算レジスタ211〜222に、書き
込み信号として入力している。また、第1〜第12のイ
ネーブル信号EN1〜EN12は、選択回路204にも
送られる。選択回路204は、Hレベルのイネーブル信
号に対応する入力データを選択して出力する。
【0036】リセット信号RSTは、入力映像信号にお
ける各フィールドの有効映像開始タイミングで出力さ
れ、各R−Y成分積算レジスタ211〜222に送られ
る。各R−Y成分積算レジスタ211〜222にリセッ
ト信号RSTが入力されると、その内容が0にされる。
【0037】出力タイミング信号DOUTは、図2に示
すように、入力映像信号の垂直位置が、最下段の視差算
出領域E12の下端の垂直位置を越えた時点から一定期
間だけ、Hレベルとなる。出力タイミング信号DOUT
は、CPU3に送られる。
【0038】入力映像信号における有効映像開始タイミ
ングにリセット信号が出力され、各R−Y成分積算レジ
スタ211〜222の内容が0にされる。入力映像信号
の水平垂直位置が第1の視差算出領域E1内である場合
には、第1のイネーブル信号EN1がHレベルとなるの
で、第1のR−Y成分積算レジスタ211に保持されて
いるR−Y値が選択回路204を介して加算回路202
に送られるとともに、入力映像信号におけるR−Y信号
が加算回路202に入力する。
【0039】したがって、第1の輝度積算レジスタ21
1に保持されていたR−Y値と、入力映像信号における
R−Y信号とが加算回路202によって加算され、その
加算結果が第1のR−Y成分積算レジスタ211に格納
される。つまり、入力映像信号の水平垂直位置が第1の
視差算出領域E1内である場合においては、第1の視差
算出領域E1内の画素のR−Y値が積算されていき、そ
の積算結果が第1のR−Y成分積算レジスタ211に蓄
積される。
【0040】このようにして、各視差算出領域E1〜E
12ごとのR−Y成分積算値が、対応するR−Y成分積
算レジスタ211〜222に蓄積される。そして、出力
タイミング信号DOUTがHレベルとなると、各R−Y
成分積算レジスタ211〜222に蓄積されている各視
差算出領域E1〜E12ごとのR−Y成分積算値が、C
PU3にデータバス(DATA−BUS)を介して送ら
れる。
【0041】B−Y成分積算回路32の構成も、図3の
R−Y成分積算回路31の構成と同様なので、その説明
を省略する。
【0042】図4は、高周波成分積算回路8の構成を示
している。
【0043】高周波成分積算回路8は、タイミング信号
発生回路231、ハイパスフィルタ(HPF)232、
絶対値化回路233、スライス処理回路234、加算回
路235および高周波成分積算レジスタ群236および
選択回路237を備えている。高周波成分積算レジスタ
群236は、各視差算出領域E1〜E12にそれぞれ対
応した第1〜第12の高周波成分積算レジスタ241〜
252を備えている。
【0044】タイミング信号発生回路231の入力信号
および出力信号は、図3のタイミング信号発生回路20
1の入力信号および出力信号と同じである。
【0045】ハイパスフィルタ232としては、たとえ
ば、図5に示すように、5つのDフリップフロップ26
1〜265、入力値の2倍の出力を得るためのビットシ
フト回路266、加算器267および減算器268から
なる、−1、0、2、0および−1のタップ係数を持つ
ハイパスフィルタが用いられる。
【0046】また、スライス処理回路234としては、
図6に示すような入出力特性を有する回路が用いられ
る。0〜Iaまでの入力に対しては、出力を0としてい
るのは、ノイズが高周波成分として抽出されないように
するためである。
【0047】したがって、入力映像信号におけるY信号
の高周波成分がハイパスフィルタ232によって抽出さ
れ、その絶対値が絶対値化回路233により得られ、ス
ライス処理回路234によって高周波成分の絶対値から
ノイズが除去される。
【0048】入力映像信号における有効映像開始タイミ
ングにリセット信号が出力され、各高周波成分積算レジ
スタ241〜252の内容が0にされる。入力映像信号
の水平垂直位置が第1の視差算出領域E1内である場合
には、第1のイネーブル信号EN1がHレベルとなるの
で、第1の高周波成分積算レジスタ241に保持されて
いる高周波成分が選択回路237を介して加算回路23
5に送られるとともに、入力映像信号におけるY信号の
高周波成分(スライス処理回路234の出力)が加算回
路235に入力する。
【0049】したがって、第1の高周波成分積算レジス
タ241に保持されていた高周波成分と、入力映像信号
におけるY信号の高周波成分とが加算回路235によっ
て加算され、その加算結果が第1の高周波成分積算レジ
スタ241に格納される。つまり、入力映像信号の水平
垂直位置が第1の視差算出領域E1内である場合におい
ては、第1の視差算出領域E1内の画素の高周波成分が
積算されていき、その積算結果が第1の高周波成分積算
レジスタ241に蓄積される。
【0050】このようにして、各視差算出領域E1〜E
12ごとの高周波成分の積算値が、対応する高周波成分
積算レジスタ241〜252に蓄積される。そして、出
力タイミング信号DOUTがHレベルとなると、各高周
波成分積算レジスタ241〜252に蓄積されている各
視差算出領域E1〜E12ごとの高周波成分の積算値
が、CPU3にデータバスを介して送られる。
【0051】図7は、高周波成分積算回路8の他の例を
示している。
【0052】この高周波成分積算回路8は、タイミング
信号発生回路238、ハイパスフィルタ232、ピーク
検出回路239、加算回路235、高周波成分積算レジ
スタ群236および選択回路237を備えている。
【0053】タイミング信号発生回路238は、図3の
タイミング信号発生回路201とほぼ同じであるが、図
2に示すように、入力映像信号の水平位置が、視差算出
領域E1、E5、E9の直前の水平位置および各視差算
出領域E1〜E12の最後尾の水平位置に達したとき
に、トリガパルス(領域境界信号RST1) が出力され
る点が、図3のタイミング信号発生回路201と異なっ
ている。領域境界信号RST1は、ピーク検出回路23
9に送られる。
【0054】ハイパスフィルタ232によって抽出され
たY信号の高周波成分は、ピーク検出回路239に送ら
れる。ピーク検出回路239は、各視差算出領域E1〜
E12内の各水平ラインごとに、高周波成分の最大値を
検出する。ピーク検出回路239としては、図8に示す
ように、比較回路271、最大値レジスタ272および
ゲート273を備えたものが用いられる。図9は、入力
映像信号の水平同期信号Hsync、領域境界信号RS
T1、ゲート273等の出力を示している。
【0055】最大値レジスタ272には、ハイパスフィ
ルタ232によって抽出されたY信号の高周波成分、領
域境界信号RST1、比較回路271の判定結果信号L
aおよびクロック信号CLKが入力される。比較回路2
71は、最大値レジスタ272の出力と入力映像信号に
おけるY信号の高周波成分とを比較し、Y信号の高周波
成分が最大値レジスタ272の出力より大きいときに、
判定結果信号LaをHレベルにする。
【0056】領域境界信号RST1がHレベルになる
と、最大値レジスタ272の内容は0にされる。領域境
界信号RST1がLレベルである状態において、比較回
路271からの判定結果信号LaがHレベルであれば、
Y信号の高周波成分が最大値レジスタ272に格納され
る。つまり、最大値レジスタ272の内容が更新され
る。したがって、最大値レジスタ272には、領域境界
信号RST1がLレベルである期間ごとに、入力映像信
号の水平垂直位置に対応する視差算出領域E1〜E12
内の1水平ラインの各画素に対するY信号の高周波成分
のうちの最大値が蓄積される。
【0057】ゲート273は、領域境界信号RST1が
Hレベルになると、最大値レジスタ272の出力値を出
力し、領域境界信号RST1がLレベルのときには0を
出力する。つまり、ゲート回路273からは、領域境界
信号RST1がHレベルになるごとに、最大値レジスタ
272に蓄積されていた所定の視差算出領域E1〜E1
2内の1水平ラインに対するY信号の高周波成分の最大
値が出力される。したがって、各高周波成分積算レジス
タ241〜252(図7参照)には、対応する視差算出
領域内の各水平ラインに対するY信号の高周波成分の最
大値の積算値が蓄積されることになる。
【0058】図10は、輝度コントラスト算出回路9の
構成を示している。
【0059】輝度コントラスト算出回路9は、タイミン
グ信号発生回路301および輝度コントラスト検出回路
群302を備えている。輝度コントラスト検出回路群3
02は、各視差算出領域E1〜E12にそれぞれ対応し
た第1〜第12の輝度コントラスト検出回路311〜3
22を備えている。
【0060】タイミング信号発生回路301の入力信号
および出力信号は、図3のタイミング信号発生回路20
1の入力信号および出力信号と同じである。
【0061】各輝度コントラスト検出回路311〜32
2は、図11に示すように、第1の比較回路331、最
大値レジスタ332、第2の比較回路333、最小値レ
ジスタ334および減算器335を備えている。
【0062】最大値レジスタ332には、入力映像信号
におけるY信号、当該輝度コントラスト検出回路に対応
する領域E1〜E12のイネーブル信号EN(N=1、
2…12)、リセット信号RST、第1の比較回路33
1から出力される判定信号Lbおよびクロック信号CL
Kが入力している。第1の比較回路331は、最大値レ
ジスタ332の出力値と入力映像信号におけるY信号と
を比較し、入力映像信号におけるY信号が最大値レジス
タ332の出力値より大きいときに判定信号LbをHレ
ベルにする。
【0063】リセット信号RSTがHレベルになると、
最大値レジスタ332の内容は0にされる。当該輝度コ
ントラスト検出回路に対応する領域E1〜E12のイネ
ーブル信号ENがHレベルでありかつ判定信号LbがH
レベルのときに、Y信号が最大値レジスタ332に格納
される。つまり、最大値レジスタ332の内容が更新さ
れる。したがって、出力タイミング信号DOUTが出力
される直前においては、最大値レジスタ332には、当
該輝度コントラスト検出回路に対応する視差算出領域E
1〜E12内の各画素の輝度値のうちの最大値が蓄積さ
れる。
【0064】最小値レジスタ334には、入力映像信号
におけるY信号、当該輝度コントラスト検出回路に対応
する領域E1〜E12のイネーブル信号EN(N=1、
2…12)、リセット信号RST、第2の比較回路33
3から出力される判定信号Lcおよびクロック信号CL
Kが入力している。第2の比較回路333は、最小値レ
ジスタ334の出力値と入力映像信号におけるY信号と
を比較し、入力映像信号におけるY信号が最小値レジス
タ334の出力値より小さいときに判定信号LcをHレ
ベルにする。
【0065】リセット信号RSTがHレベルになると、
最小値レジスタ334に、予め定められた最大値が設定
される。当該輝度コントラスト検出回路に対応する領域
E1〜E12のイネーブル信号ENがHレベルでありか
つ判定信号LcがHレベルのときに、Y信号が最小値レ
ジスタ334に格納される。つまり、最小値レジスタ3
34の内容が更新される。したがって、出力タイミング
信号DOUTが出力される直前においては、最小値レジ
スタ334には、当該輝度コントラスト検出回路に対応
する視差算出領域E1〜E12内の各画素の輝度値のう
ちの最小値が蓄積される。
【0066】この結果、出力タイミング信号DOUTが
出力される時点においては、減算器335の出力は、対
応する視差算出領域E1〜E12内の各画素の輝度値の
うちの最大値と最小値との差(輝度コントラスト)に対
応した値となる。そして、出力タイミング信号DOUT
が出力されると、減算器335の出力(輝度コントラス
ト)がCPU3に送られる。
【0067】図12は、CPU3によって行なわれる視
差算出領域毎の視差情報生成処理手順を示している。
【0068】分割領域毎の視差情報生成処理において
は、グループ分け処理(ステップ1)、空間分離処理
(ステップ2)、特異点処理(ステップ3)、グループ
間結合処理(ステップ4)、グループ毎の奥行き情報生
成処理(ステップ5)、全領域に対する奥行き情報補正
処理(ステップ6)、グループ境界に対する奥行き情報
補正処理(ステップ7)、グループ内部に対する奥行き
情報補正処理(ステップ8)および視差情報算出処理
(ステップ9)が行なわれる。
【0069】1フィールドに対して実際に設定されてい
る60個の視差算出領域を例にとって、視差情報生成処
理を説明する。図13は、1フィールドに対して実際に
設定されている60個の視差算出領域F1〜F60を示
している。
【0070】(1)グループ分け処理の説明
【0071】ステップ1のグループ分け処理は、1枚の
画像を構成する全領域を、その画像に含まれている物体
ごとにグループ分けすることを目的として行なわれる最
初の処理である。
【0072】グループ分けの方法には次に述べるように
2つの方法がある。
【0073】(1−1)第1方法 まず、視差算出領域F1〜F60毎に得られた高周波積
算値を、所定範囲(たとえば、0〜20)の値に正規化
する。そして、高周波積算値の各正規化値に属する視差
算出領域の数の分布(ヒストグラム)を生成する。図1
4に、生成されたヒストグラムの一例を示す。そして、
ヒストグラムの谷と谷との間の山に含まれている視差算
出領域どうしを、1つのグループとする。高周波積算値
の代わりに輝度コントラストを用いてもよい。図15
は、このようにして各視差算出領域F1〜F60が、グ
ループ分けされた結果を示している。図15において、
G1〜G4の数字は、グループ番号を示している。
【0074】(1−2)第2方法 視差算出領域F1〜F60毎に得られたR−Y成分の積
算値を、0〜20の範囲の値に正規化する。そして、R
−Y成分積算値の各正規化値に属する視差算出領域の数
の分布(ヒストグラム)を生成する。このヒストグラム
に基づいて、R−Y成分積算値の正規化値の中から、グ
ループ間の境界値を求める。
【0075】また、視差算出領域F1〜F60毎に得ら
れたB−Y成分の積算値を、0〜10の範囲の値に正規
化する。そして、B−Y成分積算値の各正規化値に属す
る視差算出領域の数の分布(ヒストグラム)を生成す
る。このヒストグラムに基づいて、B−Y成分積算値の
正規化値の中から、グループ間の境界値を求める。
【0076】そして、図16に示すように、このように
して得られた2種類の境界値を用いて、全視差算出領域
をグループ化する。図17および図18は、このように
して各視差算出領域F1〜F60が、グループ分けされ
た結果を示している。図17および図18において、G
1〜G5は、グループ番号を示している。
【0077】この実施の形態では、第2方法によってグ
ループ分け処理が行なわれたものとする。
【0078】(2)空間分離処理の説明
【0079】ステップ2の空間分離処理では、ステップ
1の処理によって同一のグループに属している視差算出
領域のうち、空間的に隣接している視差算出領域どうし
が1つのグループとされる。つまり、ステップ1の処理
によって同一のグループに属している視差算出領域であ
っても、空間的に他のグループによって分離されている
視差算出領域どうしは、別々のグループとされる。
【0080】具体的には、図19に示すように、ステッ
プ1において、グループ3(G3)に属するとされた視
差算出領域は、グループ31(G31)、グループ32
(G32)およびグループ33(G33)の3つのグル
ープに分離される。
【0081】(3)特異点処理の説明
【0082】この特異点処理では、1つの視差算出領域
のみで構成されているグループが存在する場合に、その
1つの視差算出領域が隣接する他のグループとは別の物
体に対応しているのか、隣接する他のグループの物体と
同じ物体に対応しているのかが判定される。
【0083】たとえば、図20に示すように、あるグル
ープが1つの視差算出領域Aのみで構成されているグル
ープであるとする。視差算出領域Aの上方向にある2つ
の視差算出領域を、視差算出領域Aに近いものからU
1、U2とする。視差算出領域Aの下方向にある2つの
視差算出領域を、視差算出領域Aに近いものからD1、
D2とする。視差算出領域Aの左方向にある2つの視差
算出領域を、視差算出領域Aに近いものからL1、L2
とする。視差算出領域Aの右方向にある2つの視差算出
領域を、視差算出領域Aに近いものからR1、R2とす
る。
【0084】この場合に、領域Aを中心とする上下左右
のそれぞれの方向について、領域Aとそれの1つ外側の
領域U1、D1、L1、R1との色距離が、領域Aより
1つ外側の領域U1、D1、L1、R1とさらにその1
つ外側の領域U2、D2、L2、R2との色距離より大
きい場合には、領域Aのみで構成されているグループは
単独で1つのグループを形成すると判別される。そうで
ない場合には、領域Aはその周囲のグループに属すると
判別される。つまり、グループ分けが修正される。
【0085】色距離の定義について説明する。ある視差
算出領域Faに対するB−Y成分積算値、R−Y成分積
算値をそれぞれFa(B−Y)、Fa(R−Y)で表
し、ある視差算出領域Fbに対するB−Y成分積算値、
R−Y成分積算値をそれぞれFb(B−Y)、Fb(R
−Y)で表すと、領域Faと領域Fbとの間の色距離di
stは、次の数式1で定義される。
【0086】
【数1】
【0087】例えば、図20の領域Aの(B−Y成分積
算値、R−Y成分積算値)が(−4,5)で、領域U1
の(B−Y成分積算値、R−Y成分積算値)が(−5,
4)で、領域U2の(B−Y成分積算値、R−Y成分積
算値)が(−7,2)であるとする。領域Aと領域U1
との色距離distは”2”となり、領域U1と領域U2と
の色距離distは”4”となる。
【0088】図19のグループ31(G31)が1つの
視差算出領域のみで構成されており、上記のような特異
点処理により、グループ1(G1)に属すると判別され
たとすると、図21に示すようにグループ分けが修正さ
れる。
【0089】(4)グループ間結合処理の説明
【0090】ステップ4のグループ間結合処理では、ま
ず、各グループ毎に、そのグループを構成する視差算出
領域のR−Y成分積算値の平均値およびB−Y成分積算
値の平均値が算出される。
【0091】次に、隣接している2つのグループどうし
間の色距離が算出される。つまり、隣接している2つの
グループをGa、Gbとする。グループGaがn個の視
差算出領域a1、a2、…anで構成されているとする
と、グループGaのB−Y成分積算値の平均値*Ga
(B−Y)およびR−Y成分積算値の平均値*Ga(R
−Y)は、次の数式2で求められる。
【0092】
【数2】
【0093】また、グループGbがm個の視差算出領域
b1、b2、…bmで構成されているとすると、グルー
プGbのB−Y成分積算値の平均値*Gb(B−Y)お
よびR−Y成分積算値の平均値*Gb(R−Y)は、次
の数式3で求められる。
【0094】
【数3】
【0095】グループGaとグループGbとの間の色距
離distは、次の数式4によって定義される。
【0096】
【数4】
【0097】そして、隣り合う2つのグループ間の色距
離がしきい値より小さいか否かが判別され、色距離がし
きい値より小さいときには、これらの2つのグループが
結合される。つまり、これらの2つのグループが1つの
グループにまとめられる。
【0098】(5)グループ毎の奥行き情報生成処理の
説明
【0099】ステップ5のグループ毎の奥行き情報生成
処理では、まず、視差算出領域F1〜F60毎に得られ
た高周波成分の積算値が、0〜10の範囲の値に正規化
される。また、視差算出領域F1〜F60毎に得られた
輝度コントラストが、0〜10の範囲の値に正規化され
る。
【0100】そして、得られた高周波成分の積算値の正
規化値と、輝度コントラストの正規化値と、図22に示
すように各視差算出領域F1〜F60毎に予め与えられ
た背景重み成分に基づいて、グループ毎の奥行き情報が
生成される。
【0101】任意の1つのグループに対する奥行き情報
の生成方法について説明する。まず、当該グループに属
している視差算出領域数nが求められる。また、当該グ
ループに属している視差算出領域に対する高周波成分の
積算値の正規化値aの総和Σaが算出される。また、当
該グループに属している視差算出領域に対する輝度コン
トラストの正規化値bの総和Σbが算出される。また、
当該グループに属している視差算出領域に対する背景重
み成分cの総和Σcが算出される。
【0102】そして、次の数式5に基づいて、当該グル
ープに対する奥行き情報Hが生成される。
【0103】
【数5】
【0104】数式5において、K1、K2およびK3は
係数であり、たとえば、K1=3/8、K2=1/8、
K3=4/8に設定されている。
【0105】(6)全領域に対する奥行き情報補正処理
の説明
【0106】ステップ5のグループ毎の奥行き情報補正
処理では、まず、視差算出領域F1〜F60の各行ごと
に、奥行き情報の平均値が算出される。各視差算出領域
F1〜F60ごとの奥行き情報が、たとえば、図23に
示すような値であった場合には、第1〜第6行目ごとの
奥行き情報の平均値は、1.2、3.6、6.0、7.
2、4.0、1.2となる。
【0107】次に、視差算出領域の各行のうち、手前位
置の物体が多く映っている領域が抽出される。つまり、
奥行き情報の平均値が最も大きい行が抽出される。図2
3の例では、第4行目の領域が抽出される。
【0108】次に、抽出された行より下段にある行の各
領域については、直上の領域に対して、急激に奥行き情
報が小さくならないように、抽出された行より下段にあ
る行の各領域の奥行き情報が調整される。具体的には、
抽出された行より下段にある行の各領域の奥行き情報が
直上の領域に対して3以上小さい領域に対しては、直上
の領域の奥行き情報より2だけ小さい値に、その領域の
奥行き情報が変更せしめられる。
【0109】図23の例では、図24に示すように、ま
ず、第5行の各領域F41〜F50のうち、その奥行き
情報が直上の領域の奥行き情報に対して3以上小さい領
域F42〜F49に対して、奥行き情報が補正される。
この後、第6行の各領域F51〜F60のうち、その奥
行き情報が直上の領域の奥行き情報(補正後の奥行き情
報)に対して3以上小さい領域F53〜F58に対し
て、奥行き情報が補正される。
【0110】つまり、任意の水平位置における画面の高
さに対する奥行き情報の関係が、図25に曲線U1で示
すような関係である場合には、奥行き補正によって、画
面の高さに対する奥行き情報の関係が、図25に曲線U
2に示すような関係となるように補正される。
【0111】このように、視差算出領域の各行のうち、
手前位置の物体が多く映っている領域より下段の領域の
奥行き情報が補正されているのは次の理由による。
【0112】一般的には、画面の下側には前方に存在す
る物体が映っていることが多い。また、画面の下側に映
っている物体は、地面等のように変化の少ない画像であ
ることが多い。地面等のように変化の少ない画像は、高
周波成分が低いため、前方にあるにも係わらず、奥行き
情報の値は小さくなる。そこで、奥行き補正により、前
方にある物体であって高周波成分が低い映像に対する奥
行き情報を、その直上の領域の奥行き情報の値より大き
くならない程度に大きくしているのである。
【0113】(7)グループ境界に対する奥行き情報補
正処理の説明
【0114】隣り合う2つのグループ間の境界部におい
ては、正しくグループ分けが行なわれていないことがあ
る。また、隣り合う2つのグループ間の境界部におい
て、グループ毎の奥行き推定値が大きく異なると、画像
歪みが顕著となる。
【0115】そこで、ステップ7のグループ境界に対す
る奥行き情報補正処理では、まず、隣り合う2つのグル
ープ間の境界部毎に、一方のグループの視差算出領域の
奥行き情報と、他方のグループの視差算出領域の奥行き
情報との差が、予め定められた所定値以上か否かが判別
される。そして、両者の奥行き情報の差が所定値以上で
ある場合には、両者の奥行き情報の差が所定値より小さ
くなるように、奥行き情報が小さい方(つまり、後方に
位置している方)の視差算出領域に対する奥行き情報を
増加させる。
【0116】(8)グループ内部に対する奥行き情報補
正処理の説明
【0117】上記ステップ6および7の補正処理によっ
て、同一グループ内においても領域によって奥行き情報
に差が生じる。この差が大きくなると、画像歪みが顕著
となる。そこで、ステップ8のグループ内部に対する奥
行き情報補正処理では、各グループ毎に、グループ内の
奥行き推定値が平滑化される。
【0118】つまり、図26に示すように、同じグルー
プ内において、注目領域をA、それに対する奥行き情報
をHAとし、それに隣接する4つの領域をU、D、L、
R、それらに対する奥行き情報をHU、HD、HL、H
Rとすると、注目領域Aに対する奥行き推定値HAは次
の数式6により、補正される。
【0119】
【数6】
【0120】このようにして得られた各視差算出領域F
1〜F60ごとの奥行き情報は、再度、0〜10の範囲
内で正規化される。
【0121】(9)視差情報算出処理の説明
【0122】ステップ9の視差情報算出処理では、各視
差算出領域F1〜F60ごとの奥行き情報が各領域F1
〜F60ごとの視差情報に変換される。
【0123】つまり、予め設定された奥行き情報に対す
る視差情報との関係に基づいて、各領域F1〜F60ご
とに、奥行き情報を視差情報に変換する。奥行き情報に
対する視差情報との関係は、図27に直線S1またはS
2で示されるように、反比例の関係である。
【0124】図27において、直線S1で示される奥行
き情報に対する視差情報との関係は、立体感が比較的強
い立体映像を得たい場合に用いられる。直線S2で示さ
れる奥行き情報に対する視差情報との関係は、立体感が
比較的弱い立体映像を得たい場合に用いられる。奥行き
情報に対する視差情報との関係を、直線S1と直線S2
との間で調整することにより、立体感を調整することが
可能である。
【0125】このようにして得られた各視差算出領域ご
との視差情報は、視差制御回路4(図1参照)に送られ
る。
【0126】図28は、主として、図1の視差制御回路
および任意画素遅延FIFOの構成を示している。以下
においては、視差算出領域が、図2に示すように、E1
〜E12であるとして説明する。
【0127】図28には、任意画素遅延FIFO11〜
13、21〜23のうち、Y信号に対する左映像用任意
画素遅延FIFO11および右映像用任意画素遅延FI
FO21しか示されていないが、他の任意画素遅延FI
FO12、13、22、23も同様な構成でありかつ同
様な制御が行なわれるので、他の任意画素遅延FIFO
12、13、22、23の構成および制御方法について
は、その説明を省略する。
【0128】ところで、CPU3によって算出された視
差情報は、各視差算出領域E1〜E12の中心位置に対
する視差情報である。視差制御回路4では、各視差算出
領域E1〜E12の中心位置に対する視差情報に基づい
て、1フィールド画面の各画素位置に対する視差情報が
求められる。そして、各画素位置に対する2次元映像信
号から、その画素位置に対する視差情報に応じた視差を
有する左映像と右映像とを生成するために、各画素位置
に対する視差情報に基づいて、左映像用任意画素遅延F
IFO11〜13および右映像用任意画素遅延FIFO
21〜23の読み出しアドレスが制御される。
【0129】1フィールド画面の各画素位置に対する視
差情報は、タイミング信号発生回路51、視差補間係数
発生回路52、視差情報記憶手段60、視差選択回路8
0、第1〜第4乗算器81〜84および加算回路85に
よって、生成される。
【0130】入力映像信号の水平同期信号Hsyncお
よび垂直同期信号Vsyncは、タイミング信号発生回
路51に入力している。また、各水平期間の水平アドレ
スを検出するためのクロック信号CLKもタイミング信
号発生回路51に入力している。
【0131】タイミング信号発生回路51は、水平同期
信号Hsync、垂直同期信号Vsyncおよびクロッ
ク信号CLKに基づいて、入力映像信号の絶対的水平位
置を表す水平アドレス信号HAD、入力映像信号の絶対
的垂直位置を表す垂直アドレス信号VAD、入力映像信
号の相対的水平位置を表す相対的水平位置信号HPOS
および入力映像信号の相対的垂直位置を表す相対的垂直
位置信号VPOSを生成して出力する。
【0132】入力映像信号の相対的水平位置および相対
的垂直位置について説明する。
【0133】図29に示すように、図2の視差算出領域
E1〜E12は、次のように設定されている。画面全体
が図29に点線で示すように、4行5列の20個の領域
(以下、第1分割領域という)に分割されている。そし
て、左上端の第1分割領域の中心、右上端の第1分割領
域の中心、左下端の第1分割領域の中心および右下端の
第1分割領域の中心を4頂点とする四角形領域が3行4
列の12個の領域(以下、第2分割領域という)に分割
され、各第2分割領域が視差算出領域E1〜E12とし
て設定されている。
【0134】第1分割領域および第2分割領域の水平方
向の画素数がmで表され、第1分割領域および第2分割
領域の垂直方向の画素数がnとして表されている。入力
映像信号の相対的水平位置は、各第1分割領域の左端を
0とし、右端をmとして、0〜(m−1)で表される。
入力映像信号の相対的垂直位置は、各第1分割領域の上
端を0とし、下端をnとして、0〜(n−1)で表され
る。
【0135】入力映像信号の相対的水平位置信号HPO
Sおよび相対的垂直位置VPOSは、視差補間係数発生
回路52に送られる。視差補間係数発生回路52は、相
対的水平位置信号HPOS、相対的垂直位置VPOSお
よび次の数式7に基づいて、第1視差補間係数KUL、
第2視差補間係数KUR、第3視差補間係数KDLおよ
び第4視差補間係数KDRを生成して出力する。
【0136】
【数7】
【0137】1フィールド画面の各画素位置に対する視
差情報を生成する方法の基本的な考え方について、図3
0を用いて説明する。水平アドレス信号HADおよび垂
直アドレス信号VADによって表されている水平垂直位
置(以下、注目位置という)が図30のPxyであると
する。注目位置Pxyに対する視差情報を求める場合に
ついて説明する。
【0138】(1)まず、CPU3によって算出された
各視差算出領域E1〜E12に対する視差情報のうちか
ら、注目位置Pxyが含まれる第1分割領域の4頂点、
この例ではPE1、PE2、PE5、PE6を中心とす
る視差算出領域E1、E2、E5、E6に対する視差情
報が、それぞれUL、UR、DL、DRとして抽出され
る。つまり、注目位置Pxyが含まれる第1分割領域の
4頂点のうち、左上の頂点を中心とする領域E1の視差
情報が第1視差情報ULとして、右上の頂点を中心とす
る領域E2の視差情報が第2視差情報URとして、左下
の頂点を中心とする領域E5の視差情報が第3視差情報
DLとして、右下の頂点を中心とする領域E6の視差情
報が第4視差情報DRとして抽出される。
【0139】ただし、注目位置が含まれる第1分割領域
が、左上端の第1分割領域である場合のように、注目位
置が含まれる第1分割領域の4頂点のうち1つの頂点の
みが視差検出領域の中心に該当するような場合には、そ
の視差算出領域の視差情報が、第1〜第4の視差情報U
L、UR、DL、DRとして抽出される。
【0140】また、注目位置が含まれる第1分割領域
が、左上端の第1分割領域の右隣の第1分割領域である
場合のように、注目位置が含まれる第1分割領域の4頂
点のうち下側の2つの頂点のみが視差算出領域の中心に
該当するような場合には、注目位置が含まれる第1分割
領域の4頂点のうち上側の2つの頂点に対応する視差情
報UL、URとしては、その下側の頂点を中心とする視
差算出領域の視差情報が抽出される。
【0141】また、注目位置が含まれる第1分割領域
が、左上端の第1分割領域の下隣の第1分割領域である
場合のように、注目位置が含まれる第1分割領域の4頂
点のうち右側の2つの頂点のみが視差算出領域の中心に
該当するような場合には、注目位置が含まれる第1分割
領域の4頂点のうち左側の2つの頂点に対応する視差情
報UL、DLとしては、その右側の頂点を中心とする視
差算出領域の視差情報が抽出される。
【0142】また、注目位置が含まれる第1分割領域
が、右下端の第1分割領域の左隣の第1分割領域である
場合のように、注目位置が含まれる第1分割領域の4頂
点のうち上側の2つの頂点のみが視差算出領域の中心に
該当するような場合には、注目位置が含まれる第1分割
領域の4頂点のうち下側の2つの頂点に対応する視差情
報DL、DRとしては、その上側の頂点を中心とする視
差算出領域の視差情報が抽出される。
【0143】また、注目位置が含まれる第1分割領域
が、右下端の第1分割領域の上隣の第1分割領域である
場合のように、注目位置が含まれる第1分割領域の4頂
点のうち左側の2つの頂点のみが視差算出領域の中心に
該当するような場合には、注目位置が含まれる第1分割
領域の4頂点のうち右側の2つの頂点に対応する視差情
報UR、DRとしては、その左側の頂点を中心とする視
差算出領域の視差情報が抽出される。
【0144】(2)次に、第1〜第4の視差補間係数K
UL、KUR、KDLおよびKDRが求められる。
【0145】第1の視差補間係数KULは、注目位置P
xyを含む第1分割領域eの水平方向幅mに対する、注
目位置Pxyから第1分割領域eの右辺までの距離ΔX
Rとの比{(m−HPOS)/m}と、第1分割領域e
の垂直方向幅nに対する、注目位置Pxyから第1分割
領域eの下辺までの距離ΔYDとの比{(n−VPO
S)/n}との積によって求められる。すなわち、第1
の視差補間係数KULは、注目位置Pxyを含む第1分
割領域eの左上頂点PE1と注目位置Pxyとの距離が
小さいほど大きくなる。
【0146】第2の視差補間係数KURは、注目位置P
xyを含む第1分割領域eの水平方向幅mに対する、注
目位置Pxyから第1分割領域eの左辺までの距離ΔX
Lとの比(HPOS/m}と、第1分割領域eの垂直方
向幅nに対する、注目位置Pxyから第1分割領域eの
下辺までの距離ΔYDとの比{(n−VPOS)/n}
との積によって求められる。すなわち、第2の視差補間
係数KURは、注目位置Pxyを含む第1分割領域eの
右上頂点PE2と注目位置Pxyとの距離が小さいほど
大きくなる。
【0147】第3の視差補間係数KDLは、注目位置P
xyを含む第1分割領域eの水平方向幅mに対する、注
目位置Pxyから第1分割領域eの右辺までの距離ΔX
Rとの比{(m−HPOS)/m}と、第1分割領域e
の垂直方向幅nに対する、注目位置Pxyから第1分割
領域eの上辺までの距離ΔYUとの比(VPOS/n)
との積によって求められる。すなわち、第3の視差補間
係数KDLは、注目位置Pxyを含む第1分割領域eの
左下頂点PE5と注目位置Pxyとの距離が小さいほど
大きくなる。
【0148】第4の視差補間係数KDRは、注目位置P
xyを含む第1分割領域eの水平方向幅mに対する、注
目位置Pxyから第1分割領域eの左辺までの距離ΔX
Lとの比(HPOS/m)と、第1分割領域eの垂直方
向幅nに対する、注目位置Pxyから第1分割領域eの
上辺までの距離ΔYUとの比(VPOS/n)との積に
よって求められる。すなわち、第4の視差補間係数KD
Rは、注目位置Pxyを含む第1分割領域eの右下頂点
PE6と注目位置Pxyとの距離が小さいほど大きくな
る。
【0149】(3)上記(1)で抽出された第1〜第4
の視差情報UL、UR、DL、DRに、それぞれ上記
(2)で算出された第1〜第4の視差補間係数KUL、
KUR、KDL、KDRがそれぞれ乗算される。そし
て、得られた4つの乗算値が加算されることにより、注
目位置Pxyに対する視差情報が生成される。
【0150】視差情報記憶手段60は、領域E1〜E1
2にそれぞれ対応して設けられた第1〜第12の視差レ
ジスタ61〜72を備えている。第1〜第12の視差レ
ジスタ61〜72には、CPU3によって生成された各
領域E1〜E12に対する視差情報が格納される。
【0151】視差情報記憶手段60の後段には、視差選
択回路80が設けられている。視差選択回路80には、
各視差レジスタ61〜72から視差情報がそれぞれ送ら
れる。さらに、視差選択回路80には、タイミング信号
発生回路51から水平アドレス信号HADおよび垂直ア
ドレス信号VADが送られている。
【0152】視差選択回路80は、図31(a)に示さ
れている規則にしたがって、水平アドレス信号HADお
よび垂直アドレス信号VADに対応する領域(図30の
例では、注目位置を含む第1領域の左上頂点を中心とす
る視差算出領域)に対する視差情報を、第1視差情報U
Lとして選択して出力する。さらに、視差選択回路80
は、図31(b)に示されている規則にしたがって、水
平アドレス信号HADおよび垂直アドレス信号VADに
対応する領域(図30の例では、注目位置を含む第1領
域の右上頂点を中心とする視差算出領域)に対する視差
情報を、第2視差情報URとして選択して出力する。
【0153】さらに、視差選択回路80は、図31
(c)に示されている規則にしたがって、水平アドレス
信号HADおよび垂直アドレス信号VADに対応する領
域(図30の例では、注目位置を含む第1領域の左下頂
点を中心とする視差算出領域)に対する視差情報を、第
3視差情報DLとして選択して出力する。さらに、視差
選択回路80は、図31(d)に示されている規則にし
たがって、水平アドレス信号HADおよび垂直アドレス
信号VADに対応する領域(図30の例では、注目位置
を含む第1領域の右下頂点を中心とする視差算出領域)
に対する視差情報を、第4視差情報DRとして選択して
出力する。図31において、たとえば、0〜mのよう
に、a〜bで表現されている記号”〜”は、a以上b未
満を意味する記号として用いられている。
【0154】視差選択回路80によって選択された第1
視差情報UL、第2視差情報UR、第3視差情報DLお
よび第4視差情報DRは、それぞれ第1、第2、第3お
よび第4の乗算器81、82、83、84に入力する。
【0155】第1、第2、第3および第4の乗算器8
1、82、83、84には、それぞれ視差補間係数発生
回路52からの第1視差補間係数KUL、第2視差補間
係数KUR、第3視差補間係数KDLおよび第4視差補
間係数KDRも入力している。
【0156】第1乗算器81は、第1視差情報ULに第
1視差補間係数KULを乗算する。第2乗算器82は、
第2視差情報URに第2視差補間係数KURを乗算す
る。第3乗算器83は、第3視差情報DLに第3視差補
間係数KDLを乗算する。第4乗算器84は、第4視差
情報DRに第4視差補間係数KDRを乗算する。
【0157】各乗算器81、82、83、84の出力
は、加算回路85によって加算される。これにより、注
目位置に対する視差情報PRが得られる。
【0158】各任意画素遅延FIFO11、21は、1
画素より小さい単位での水平位相制御を行なうために、
ぞれぞれ2つのラインメモリ11a、11b、21a、
21bを備えている。各任意画素遅延FIFO11、2
1内の2つのラインメモリ11a、11b、21a、2
1bには、それぞれY信号が入力されているとともにク
ロック信号CLKが入力している。
【0159】タイミング信号発生回路51から出力され
ている水平アドレス信号HADは、標準アドレス発生回
路90にも入力している。標準アドレス発生回路90
は、各任意画素遅延FIFO11、21内の2つのライ
ンメモリ11a、11b、21a、21bに対する標準
書き込みアドレスWADおよび標準読み出しアドレスR
ADを生成して出力する。また、標準アドレス発生回路
90は、2D/3D変換装置によって得られる左映像信
号および右映像信号に付加される同期信号Csyncを
も出力する。この同期信号Csyncによって表される
水平同期信号は、入力映像信号の水平同期信号Hsyn
cより、所定クロック数分遅れた信号となる。
【0160】標準読み出しアドレスRADは、標準読み
出しアドレスによって規定される基準水平位相に対し
て、各任意画素遅延FIFO11、21に入力される映
像信号の水平位相を進めたり遅らしたりできるようにす
るために、標準書き込みアドレスWADに対して、所定
クロック数分遅れている。標準アドレス発生回路90か
ら出力される標準書き込みアドレスWADは、各任意画
素遅延FIFO11、21内の2つのラインメモリ11
a、11b、21a、21bに、書き込みアドレスを示
す書き込み制御信号として入力する。
【0161】標準アドレス発生回路90から出力される
標準読み出しアドレスRADは、加算器91および減算
器92にそれぞれ入力する。加算器91および減算器9
2には、加算回路85から出力される注目位置の視差情
報PRも入力している。
【0162】加算器91では、標準読み出しアドレスR
ADに視差情報PRが加算される。これにより、左映像
用読み出しアドレスPRLが得られる。
【0163】左映像用読み出しアドレスPRLの整数部
PRL1は、左映像用任意画素遅延FIFO11内の第
1のラインメモリ11aに読み出しアドレスRADL1
として入力する。したがって、第1のラインメモリ11
aのアドレスRADL1に対応するアドレスからY信号
が読み出される。読み出されたY信号は、第1の左映像
用乗算器101に入力する。
【0164】左映像用読み出しアドレスPRLの整数部
PRL1に1が加算されたアドレス値は、左映像用任意
画素遅延FIFO11内の第2のラインメモリ11bに
読み出しアドレスRADL2として入力する。したがっ
て、第2のラインメモリ11bのアドレスRADL2に
対応するアドレスからY信号が読み出される。読み出さ
れたY信号は、第2の左映像用乗算器102に入力す
る。
【0165】第1のラインメモリ11aに対する読み出
しアドレスRADL1と、第2のラインメモリ11bに
対する読み出しアドレスRADL2とは、1だけ異なっ
ているので、第1のラインメモリ11aから読み出され
たY信号と、第2のラインメモリ11bから読み出され
たY信号とは、水平位置が1だけずれた信号となる。
【0166】左映像用読み出しアドレスPRLの小数部
PRL2は、第2の左映像補間係数として第2の左映像
用乗算器102に入力する。左映像用読み出しアドレス
PRLの小数部PRL2を1から減算した値(1−PR
L2)は、第1の左映像補間係数として第1の左映像用
乗算器101に入力する。
【0167】したがって、第1の左映像用乗算器101
では、第1のラインメモリ11aから読み出されたY信
号に第1の左映像補間係数(1−PRL2)が乗算され
る。第2の左映像用乗算器102では、第2のラインメ
モリ11bから読み出されたY信号に第2の左映像補間
係数PRL2が乗算される。そして、各乗算器101、
102によって得られたY信号は加算器103で加算さ
れた後、左映像用Y信号YL−OUTとして、出力され
る。
【0168】これにより、標準読み出しアドレスRAD
によって規定される基準水平位相に対して、水平位相量
が注目位置に対する視差情報に応じた量だけ遅れた左映
像用Y信号が得られる。
【0169】減算器92では、標準読み出しアドレスR
ADから視差情報PRが減算される。これにより、右映
像用読み出しアドレスPRRが得られる。
【0170】右映像用読み出しアドレスPRRの整数部
PRR1は、右映像用任意画素遅延FIFO21内の第
1のラインメモリ21aに読み出しアドレスRADR1
として入力する。したがって、第1のラインメモリ21
aのアドレスRADR1に対応するアドレスからY信号
が読み出される。読み出されたY信号は、第1の右映像
用乗算器111に入力する。
【0171】右映像用読み出しアドレスPRRの整数部
PRR1に1が加算されたアドレス値は、右映像用任意
画素遅延FIFO21内の第2のラインメモリ21bに
読み出しアドレスRADR2として入力する。したがっ
て、第2のラインメモリ21bのアドレスRADR2に
対応するアドレスからY信号が読み出される。読み出さ
れたY信号は、第2の右映像用乗算器112に入力す
る。
【0172】第1のラインメモリ21aに対する読み出
しアドレスRADR1と、第2のラインメモリ21bに
対する読み出しアドレスRADR2とは、1だけ異なっ
ているので、第1のラインメモリ21aから読み出され
たY信号と、第2のラインメモリ21bから読み出され
たY信号とは、水平位置が1だけずれた信号となる。
【0173】右映像用読み出しアドレスPRRの小数部
PRR2は、第2の右映像補間係数として第2の右映像
用乗算器112に入力する。右映像用読み出しアドレス
PRRの小数部PRR2を1から減算した値(1−PR
R2)は、第1の右映像補間係数として第1の右映像用
乗算器111に入力する。
【0174】したがって、第1の右映像用乗算器111
では、第1のラインメモリ21aから読み出されたY信
号に第1の右映像補間係数(1−PRR2)が乗算され
る。第2の右映像用乗算器112では、第2のラインメ
モリ21bから読み出されたY信号に第2の右映像補間
係数PRR2が乗算される。そして、各乗算器111、
112によって得られたY信号は加算器113で加算さ
れた後、右映像用Y信号YR−OUTとして、出力され
る。
【0175】これにより、標準読み出しアドレスRAD
によって規定される基準水平位相に対して、水平位相量
が注目位置に対する視差情報に応じた量だけ進んだ右映
像用Y信号が得られる。
【0176】図32は、注目位置に対する視差情報が0
の場合の、各部の信号を示している。
【0177】視差情報が0の場合には、加算器91から
出力される左映像用読み出しアドレスPRLと、減算器
92から出力される右映像用読み出しアドレスPRR
は、ともに標準読み出しアドレスRADと等しい小数部
のない整数部のみからなるアドレスとなる。
【0178】したがって、左映像用任意画素遅延FIF
O11内の第1のラインメモリ11aに対する読み出し
アドレスRADL1と、右映像用任意画素遅延FIFO
21内の第1のラインメモリ21aに対する読み出しア
ドレスRADR1は、標準読み出しアドレスRADと等
しいアドレスとなる。
【0179】また、左映像用任意画素遅延FIFO11
内の第2のラインメモリ11bに対する読み出しアドレ
スRADL2と、右映像用任意画素遅延FIFO21内
の第2のラインメモリ21bに対する読み出しアドレス
RADR2は、標準読み出しアドレスRADより1だけ
大きい値となる。
【0180】また、第1の左映像補間係数(1−PRL
2)および第1の右映像補間係数(1−PRR2)は1
となり、第2の左映像補間係数PRL2および第2の右
映像補間係数PRR2は0となる。
【0181】この結果、左映像用任意画素遅延FIFO
11内の第1のラインメモリ11aの標準アドレスRA
Dに対応するアドレスから読み出されたY信号が加算器
103から左映像用Y信号YL−OUTとして出力さ
れ、右映像用任意画素遅延FIFO21内の第1のライ
ンメモリ21aの標準アドレスRADに対応するアドレ
スから読み出されたY信号が加算器113から右映像用
Y信号YR−OUTとして出力される。つまり、水平方
向の位相ずれ量が同じ2つのY信号、すなわち視差のな
い2つのY信号が左映像用Y信号および右映像用Y信号
として出力される。
【0182】図33は、ある注目位置に対する標準書き
込みアドレスWADが20であり、上記注目位置に対す
る標準読み出しアドレスRADが10であり、上記注目
位置に対する視差情報が1.2の場合の、各アドレス値
の具体例を示している。図34は、その際の各部の信号
を示している。
【0183】この場合には、加算器91から出力される
左映像用読み出しアドレスPRLは、11.2となり、
その整数部PRL1は11となり、その小数部PRL2
は0.2となる。
【0184】したがって、左映像用任意画素遅延FIF
O11内の第1のラインメモリ11aに対する読み出し
アドレスRADL1は11となり、第2のラインメモリ
11bに対する読み出しアドレスRADL2は12とな
る。また、第1の左映像補間係数KL1{=(1−PR
L2)}は0.8となり、第2の左映像補間係数KL2
(=PRL2)は0.2となる。
【0185】したがって、左映像用任意画素遅延FIF
O11内の第1のラインメモリ11aのアドレス11か
らY信号(Y11)が読み出され、第1乗算器101から
は読み出されたY信号(Y11)の0.8倍の信号(0.
8*Y11)が出力される。
【0186】一方、左映像用任意画素遅延FIFO11
内の第2のラインメモリ11bのアドレス12からY信
号(Y12)が読み出され、第2乗算器102からは読み
出されたY信号(Y12)の0.2倍の信号(0.2*Y
12)が出力される。そして、加算器103からは、0.
8*Y11+0.2*Y12に相当する左映像用Y信号YL
−OUTが出力される。つまり、読み出しアドレス1
1.2に相当するY信号が、左映像用Y信号YL−OU
Tとして出力される。
【0187】減算器92から出力される右映像用読み出
しアドレスPRRは、8.8となり、その整数部PRR
1は8となり、その小数部PRR2は0.8となる。
【0188】したがって、右映像用任意画素遅延FIF
O21内の第1のラインメモリ21aに対する読み出し
アドレスRADR1は8となり、第2のラインメモリ2
1bに対する読み出しアドレスRADR2は9となる。
また、第1の右映像補間係数KR1{=(1−PRR
2)}は0.2となり、第2の右映像補間係数KR2
(=PRR2)は0.8となる。
【0189】したがって、右映像用任意画素遅延FIF
O21内の第1のラインメモリ21aのアドレス8から
Y信号(Y8 )が読み出され、第1乗算器111からは
読み出されたY信号(Y8 )の0.2倍の信号(0.2
*Y8 )が出力される。
【0190】一方、右映像用任意画素遅延FIFO21
内の第2のラインメモリ21bのアドレス9からY信号
(Y9 )が読み出され、第2乗算器112からは読み出
されたY信号(Y9 )の0.8倍の信号(0.8*
9 )が出力される。そして、加算器113からは、
0.2*Y8 +0.8*Y9 に相当する右映像用Y信号
YR−OUTが出力される。つまり、読み出しアドレス
8.8に相当するY信号が、右映像用Y信号YR−OU
Tとして出力される。
【0191】この結果、11.2−8.8=2.4の視
差、つまり、視差情報1.2の2倍の視差を互いに有す
る左映像および右映像が得られる。
【0192】上記実施の形態による2D/3D映像変換
装置では、元の2次元映像信号に対して時間的に遅延さ
れた映像信号を生成するためのフィールドメモリが不要
であるため、コストの低廉化が図れる。また、上記実施
の形態による2D/3D映像変換装置では、元の2次元
映像信号によって表される映像が静止映像であっても立
体映像を得ることができる。
【0193】また、1フィールド画面内の全領域をその
画面に含まれている物体毎にグループ分けを行なって、
各グループ毎の映像の遠近に関する情報を生成している
ので、同じ物体内の各部の視差変動が抑圧される。この
結果、同じ物体内で画像歪みが軽減化され、良好な立体
視が可能となる。
【0194】
【発明の効果】この発明によれば、元の2次元映像信号
に対して時間的に遅延された映像信号を生成するための
フィールドメモリが不要となり、コストの低廉化が図れ
る2次元映像を3次元映像に変換する装置および方法が
実現する。
【0195】また、この発明によれば、元の2次元映像
信号によって表される映像が静止映像であっても立体映
像が得られる、2次元映像を3次元映像に変換する装置
および方法が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】2D/3D映像変換装置の全体構成を示すブロ
ック図である。
【図2】視差算出領域を示す模式図である。
【図3】R−Y成分積算回路の構成を示すブロック図で
ある。
【図4】高周波成分積算回路の構成を示すブロック図で
ある。
【図5】図4のハイパスフィルタ232の具体例を示す
回路図である。
【図6】図4のスライス処理回路234の入出力特性を
示すグラフである。
【図7】高周波成分積算回路の他の例を示すブロック図
である。
【図8】図7のピーク検出回路239の具体例を示す回
路図である。
【図9】ピーク検出回路239の各部の信号を示すタイ
ムチャートである。
【図10】輝度コントラスト算出回路の構成を示すブロ
ック図である。
【図11】図10の輝度コントラスト検出回路の構成を
示す回路図である。
【図12】CPUによる視差情報の生成処理手順を示す
フローチャートである。
【図13】実際に設定される視差算出領域を示す模式図
である。
【図14】高周波成分積算値の各正規化値に対する視差
算出領域の数を示すヒストグラムである。
【図15】図14のヒストグラムに基づいて得られたグ
ループ分け結果を示す模式図である。
【図16】R−Y成分積算値の正規化値を縦軸にとり、
B−Y成分積算値の正規化値を横軸にとって、視差算出
領域の分布を表したグラフである。
【図17】図16のグラフに基づいて得られたグループ
分け結果を示す模式図である。
【図18】図16のグラフに基づいて得られたグループ
分け結果を示す模式図である。
【図19】空間分離処理によって修正されたグループ分
け結果を示す模式図である。
【図20】特異点処理を説明するための模式図である。
【図21】特異点処理によって修正されたグループ分け
結果を示す模式図である。
【図22】各視差算出領域毎に予め設定された背景重み
成分を示す模式図である。
【図23】奥行き補正前における各視差算出領域の奥行
き情報の一例を示す模式図である。
【図24】奥行き補正後における各視差算出領域の奥行
き情報を示す模式図である。
【図25】奥行き補正前における画面の高さ位置に対す
る奥行き情報との関係および奥行き補正後における画面
の高さ位置に対する奥行き情報との関係を示すグラフで
ある。
【図26】グループ内部に対する奥行き情報補正処理を
説明するための模式図である。
【図27】奥行き情報と視差情報との関係を示すグラフ
である。
【図28】主として、視差制御回路および任意画素遅延
FIFOの構成を示すブロック図である。
【図29】相対的水平位置および相対的垂直位置等を示
す模式図である。
【図30】注目画素に対する視差情報を生成する方法を
説明するための説明図である。
【図31】視差選択回路による選択規則を示す図であ
る。
【図32】視差情報が0の場合の各部の信号を示すタイ
ムチャートである。
【図33】視差情報が1.2の場合の各アドレス値を視
差制御回路に付記したブロック図である。
【図34】視差情報が1.2の場合の各部の信号を示す
タイムチャートである。
【符号の説明】
1 AD変換回路 3 CPU 4 視差制御回路 5、6 DA変換回路 8 高周波成分積算回路 9 輝度コントラスト算出回路 11、12、13 左映像用任意画素遅延FIFO 11a、11b、21a、21b ラインメモリ 21、22、23 右映像用任意画素遅延FIFO 31 R−Y成分積算回路 32 B−Y成分積算回路 51、201、231、238、301 タイミング信
号発生回路 52 視差補間係数発生回路 60 視差情報記憶手段 61〜72 視差レジスタ 80 視差選択回路 81〜84 乗算器 85 加算回路 90 標準アドレス発生回路 91 加算器 92 減算器 101、102、111、112 乗算器 103、113 加算器

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2次元入力映像信号に基づいて、各フィ
    ールドごとに、1フィールド画面内に設定された複数の
    視差算出領域のそれぞれに対して、映像の遠近に関する
    画像特徴量を抽出する特徴量抽出手段、 各視差算出領域ごとに抽出された画像特徴量に基づい
    て、1フィールド画面内の所定単位領域ごとの視差情報
    を生成する視差情報生成手段、ならびに2次元入力映像
    信号の各所定単位領域内の信号から、その所定単位領域
    に対応する視差情報に応じた水平位相差を有する第1映
    像信号と第2映像信号とをそれぞれ生成する位相制御手
    段を備えており、 視差情報生成手段は、視差算出領域ごとの映像の遠近に
    関する画像特徴量に基づいて、1フィールド画面内の全
    領域をその画面に含まれている物体毎にグループ分けを
    行なう第1手段、 第1手段によるグループ分け結果と、視差算出領域ごと
    の映像の遠近に関する画像特徴量とに基づいて、各グル
    ープ毎の映像の遠近に関する情報を生成する第2手段、 各グループ毎の映像の遠近に関する情報に基づいて、各
    視差算出領域毎の映像の遠近に関する情報を生成する第
    3手段、ならびに各視差算出領域毎の映像の遠近に関す
    る情報を、各視差算出領域ごとの視差情報に変換する第
    4手段、 を備えている2次元映像を3次元映像に変換する装置。
  2. 【請求項2】 第1手段は、映像の遠近に関する画像特
    徴量の大きさに対する視差算出領域数を表す度数分布に
    基づいて、映像の遠近に関する画像特徴量の大きさの近
    似している領域が同一グループとなるように1フィール
    ド画面内の全領域をグループ分けを行なうものである請
    求項1に記載の2次元映像を3次元映像に変換する装
    置。
  3. 【請求項3】 第1手段は、 映像の遠近に関する画像特徴量の大きさに対する視差算
    出領域数を表す度数分布に基づいて、映像の遠近に関す
    る画像特徴量の大きさの近似している領域が同一グルー
    プとなるように1フィールド画面内の全領域をグループ
    分けを行なう手段、および同じグループ内に互いに空間
    的に離れている複数の領域が存在する場合には、それら
    の領域がそれぞれ異なるグループとなるように、グルー
    プ分けを行なう手段、 を備えている請求項1に記載の2次元映像を3次元映像
    に変換する装置。
  4. 【請求項4】 第1手段は、 映像の遠近に関する画像特徴量の大きさに対する視差算
    出領域数を表す度数分布に基づいて、映像の遠近に関す
    る画像特徴量の大きさの近似している領域が同一グルー
    プとなるように1フィールド画面内の全領域をグループ
    分けを行なう手段、 同じグループ内に互いに空間的に離れている複数の領域
    が存在する場合には、それらの領域がそれぞれ異なるグ
    ループとなるように、グループ分けを行なう手段、およ
    び所定数以下の視差算出領域から構成されているグルー
    プが存在する場合には、そのグループ内のおよびその周
    辺の視差算出領域に対する映像の遠近に関する画像特徴
    量に基づいて、そのグループを周囲のグループに属させ
    るべきか否かを判別し、そのグループを周囲のグループ
    に属させるべきと判別した場合には、そのグループを周
    囲のグループに属させる手段、 を備えている請求項1に記載の2次元映像を3次元映像
    に変換する装置。
  5. 【請求項5】 第1手段は、 映像の遠近に関する画像特徴量の大きさに対する視差算
    出領域数を表す度数分布に基づいて、映像の遠近に関す
    る画像特徴量の大きさの近似している領域が同一グルー
    プとなるように1フィールド画面内の全領域をグループ
    分けを行なう手段、 同じグループ内に互いに空間的に離れている複数の領域
    が存在する場合には、それらの領域がそれぞれ異なるグ
    ループとなるように、グループ分けを行なう手段、 所定数以下の視差算出領域から構成されているグループ
    が存在する場合には、そのグループ内のおよびその周辺
    の視差算出領域に対する映像の遠近に関する画像特徴量
    に基づいて、そのグループを周囲のグループに属させる
    べきか否かを判別し、そのグループを周囲のグループに
    属させるべきと判別した場合には、そのグループを周囲
    のグループに属させる手段、および隣接する2つのグル
    ープのうち、一方のグループ内および他方のグループ内
    の視差算出領域に対する映像の遠近に関する画像特徴量
    に基づいて、両グループを結合させるべきか否かを判別
    し、両グループを結合させるべきと判別した場合には、
    両グループを結合させる手段、 を備えている請求項1に記載の2次元映像を3次元映像
    に変換する装置。
  6. 【請求項6】 第2手段は、 各グループ内の視差算出領域ごとの映像の遠近に関する
    画像特徴量および各視差算出領域毎に予め設定された重
    み係数に基づいて、各グループ毎に映像の遠近に関する
    情報を算出するものである請求項1、2、3、4および
    5のいずれかに記載の2次元映像を3次元映像に変換す
    る装置。
  7. 【請求項7】 第3手段は、画面の高さ位置のうち、映
    像の遠近に関する情報によって表される遠近位置が最も
    近い高さ位置より下側の各視差算出領域のうち、その視
    差算出領域に対する映像の遠近に関する情報によって表
    される遠近位置が、その直上の視差算出領域に対する映
    像の遠近に関する情報によって表される遠近位置より所
    定値以上遠い位置である視差算出領域については、その
    視差算出領域に対する映像の遠近に関する情報によって
    表される遠近位置がその直上の視差算出領域に対する映
    像の遠近に関する情報によって表される遠近位置に接近
    するように、その視差算出領域に対する映像の遠近に関
    する情報を補正する手段を備えている請求項1、2、
    3、4、5および6のいずれかに記載の2次元映像を3
    次元映像に変換する装置。
  8. 【請求項8】 第3手段は、 画面の高さ位置のうち、映像の遠近に関する情報によっ
    て表される遠近位置が最も近い高さ位置より下側の各視
    差算出領域のうち、その視差算出領域に対する映像の遠
    近に関する情報によって表される遠近位置が、その直上
    の視差算出領域に対する映像の遠近に関する情報によっ
    て表される遠近位置より所定値以上遠い位置である視差
    算出領域については、その視差算出領域に対する映像の
    遠近に関する情報によって表される遠近位置がその直上
    の視差算出領域に対する映像の遠近に関する情報によっ
    て表される遠近位置に接近するように、その視差算出領
    域に対する映像の遠近に関する情報を補正する手段、お
    よび隣合う2つのグループの境界部において、映像の遠
    近に関する情報が両グループ間で所定範囲以内となるよ
    うに、隣合う2つのグループの境界部の視差算出領域に
    対する映像の遠近に関する情報を補正する手段、 を備えている請求項1、2、3、4、5および6のいず
    れかに記載の2次元映像を3次元映像に変換する装置。
  9. 【請求項9】 第3手段は、 画面の高さ位置のうち、映像の遠近に関する情報によっ
    て表される遠近位置が最も近い高さ位置より下側の各視
    差算出領域のうち、その視差算出領域に対する映像の遠
    近に関する情報によって表される遠近位置が、その直上
    の視差算出領域に対する映像の遠近に関する情報によっ
    て表される遠近位置より所定値以上遠い位置である視差
    算出領域については、その視差算出領域に対する映像の
    遠近に関する情報によって表される遠近位置がその直上
    の視差算出領域に対する映像の遠近に関する情報によっ
    て表される遠近位置に接近するように、その視差算出領
    域に対する映像の遠近に関する情報を補正する手段、 隣合う2つのグループの境界部において、映像の遠近に
    関する情報が両グループ間で所定範囲以内となるよう
    に、隣合う2つのグループの境界部の視差算出領域に対
    する映像の遠近に関する情報を補正する手段、および同
    じグループ内の各視差算出領域間において、映像の遠近
    に関する情報の差が所定範囲以内となるように、各グル
    ープ内の映像の遠近に関する情報を平滑化させる手段、 を備えている請求項1、2、3、4、5および6のいず
    れかに記載の2次元映像を3次元映像に変換する装置。
  10. 【請求項10】 位相制御手段は、 2次元入力映像信号を1水平ライン分以下の複数画素数
    分記憶できる容量を有し、かつ2次元入力映像信号を一
    次的に記憶する第1の記憶手段、 2次元入力映像信号を1水平ライン分以下の複数画素数
    分記憶できる容量を有し、かつ2次元入力映像信号を一
    次的に記憶する第2の記憶手段、 第1の記憶手段の読み出しアドレスを、2次元入力映像
    信号の水平垂直位置に応じて決定された標準読み出しア
    ドレスに対して、2次元入力映像信号の水平垂直位置が
    属する所定単位領域に対応する視差情報に基づいて制御
    することにより、上記標準読み出しアドレスによって規
    定される基準水平位相に対して上記視差情報に応じた量
    だけ水平位相が進んだ第1映像信号を生成する第1の読
    み出しアドレス制御手段、ならびに第2の記憶手段の読
    み出しアドレスを、上記標準読み出しアドレスに対し
    て、2次元入力映像信号の水平垂直位置が属する所定単
    位領域に対応する視差情報に基づいて制御することによ
    り、上記標準読み出しアドレスによって規定される基準
    水平位相に対して上記視差情報に応じた量だけ水平位相
    が遅れた第2映像信号を生成する第2の読み出しアドレ
    ス制御手段、 を備えている請求項1、2、3、4、5、6、7、8お
    よび9のいずれかに記載の2次元映像を3次元映像に変
    換する装置。
  11. 【請求項11】 映像の遠近に関する画像特徴量が、高
    周波成分の積算値、輝度コントラスト、R−Y成分の積
    算値、B−Y成分の積算値のうちから選択された任意の
    1つまたは任意の組み合わせである請求項1、2、3、
    4、5、6、7、8、9および10のいずれかに記載の
    2次元映像を3次元映像に変換する装置。
  12. 【請求項12】 所定単位領域が1画素単位の領域であ
    る請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10お
    よび11のいずれかに記載の2次元映像を3次元映像に
    変換する装置。
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