JPWO2012132057A1 - 義歯システム、入れ歯の作成方法および補修方法 - Google Patents

義歯システム、入れ歯の作成方法および補修方法 Download PDF

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Abstract

義歯床10および係合片部13は一体に連なっていると共に、柱状のアバットメント3に着脱自在に嵌合するための嵌合孔14を定義しており、前記係合片部13は前記嵌合孔14の一部または全部を形成しており、前記係合片部13は前記アバットメント3に接して前記アバットメント3に接する第1面31と、前記第1面31の反対側の第2面32とを有し、前記義歯床10には前記第1面31から前記第2面32に向かう水平方向Xに前記係合片部13が可動または変形するのを許容する許容部15が前記第2面32と本体部12との間に形成されている。

Description

本発明は義歯システム、入れ歯の作成方法および補修方法に関する。
近年、いわゆるインプラントと呼ばれる義歯システムにおいては、1本又は複数本のフィクスチャー(インプラント体)と、前記フィクスチャーの数よりも多い人工歯を有する構造が採用され初めている。かかるシステムにおいてはフィクスチャーの数を減らすことができ患者の肉体的、経済的な負担を軽減することができる。
一方、この種のシステムにおいては、フィクスチャーに固定したアバットメントに、義歯床および人工歯からなる入れ歯が着脱自在に装着される。(特許文献1)
JP2006−512179(要約)
しかし、従来の技術においては、たとえば、型取りして成型した半製品(未完成)の入れ歯をアバットメントに装着した状態で、義歯床となる部位に樹脂を充填して入れ歯を完成する工程が必要である。かかる工程は患者および歯科医師の肉体的・時間的な負担やコストの増大する要因となる。
かかる課題について詳しく説明する。
口腔の型取りをする際の印象材や、前記印象材から生成される雄型の材料である石膏は、硬化時の収縮が極めて小さい。一方、従来、アバットメントに装着されるホックはアバットメントに対し、隙間なく固く嵌っている。
したがって、前記各材料の収縮が小さくても、複数の互いに離れたアバットメントに対しホックが外力を与えるのは避けられないだろう。かかる外力は着用感が低下する原因になる上、フィクスチャーに負荷を与えるかもしれない。
そのため、前述のように、従来は口腔内に設置したアバットメントに入れ歯の半製品を装着した状態で義歯床となる樹脂を前記半製品に充填している。
したがって、本発明の目的は患者や歯科医師の肉体的・時間的な負担やコストを軽減することを目的とする。
前記目的を達成するために本発明のシステムは、口腔組織4に埋め込まれるためのフィクスチャー2と、前記フィクスチャー2に連結され口腔内において露出する表面を有するアバットメント3と、前記アバットメント3に着脱可能に装着される入れ歯1とを備えた義歯システムであって、前記入れ歯1は、歯肉40に接するナイロン系の熱可塑性樹脂製の義歯床10と、前記義歯床10に支持された人工歯11と、前記入れ歯1の脱着時に上下方向Zの端部13aを中心にして回転するように変形して拡開し着用中に前記アバットメント3に係合する少なくとも1つの舌片状の係合片部13とを備え、前記係合片部13はそれ自体で又は前記義歯床10と共に、前記アバットメント3の前記表面に着脱自在に嵌合するための嵌合孔14を定義しており、前記係合片部13はナイロン系の熱可塑性樹脂で形成され、前記アバットメント3に対し180°よりも小さな中心角θの範囲において前記表面に沿って水平方向Xに延びると共に前記端部13aから前記上下方向Zに延び前記アバットメント3の表面に接する第1面31と、前記第1面31の反対側の第2面32とを有し、前記義歯床10は前記第2面32に対面し、かつ、前記第2面32から離間した第3面33を有し、前記第1面31から前記第2面32に向かう方向Xに前記係合片部13が変形して拡開するのを許容する溝状の許容部15が前記係合片部13の前記第2面32と前記義歯床10の前記第3面33との間で定義されている。
本発明のシステムにおいては、前記係合片部13で形成した嵌合孔14にアバットメント3が嵌り込み、入れ歯1全体がアバットメント3に対して着脱可能になる。
また、ナイロン系の樹脂製の係合片部13で嵌合孔14が形成されており、係合片部13の弾性変形により、アバットメント3に対する嵌合孔14の位置の高い精度を必要としない。
すなわち、嵌合孔14の位置がアバットメント3に対し若干ズレが生じても、ナイロン系の樹脂からなる係合片部13が端部13aを中心に回転するように弾性変形して、入れ歯1の着用感が向上する。また、前記ズレによるフィクスチャー2に発生する外力も著しく小さくなるだろう。
前記義歯床を患者に装着した状態で金属ピースを前記義歯床に固定する工程が不必要になる。そのため、患者や歯科医師の肉体的・時間的な負担が軽減される。
本システムにおいては、前記義歯床および係合片部がナイロン系の熱可塑性樹脂(ポリアミド)で形成されている。前記ポリアミド樹脂は、応力に対する伸びが大きく、弾性変形し易い。そのため、前記着用感が良い。なお、かかるポリアミドとしては、エムス社のTR90を用いることができる。
ところで、入れ歯1は毎日のように取り外して清掃されるので、樹脂製の係合片部13が劣化したり、あるいは、永久変形の生じるおそれがある。これに対し、係合片部13がナイロン系の樹脂で形成されている場合、前記永久変形を生じにくい上、熱風を前記係合片部13およびその周囲に吹き付けながら前記係合片部13の形状を初期の形状等に戻して、係合片部13を蘇生することができる。
図1Aは入れ歯を口腔から取り外した状態で本システムの実施例1を示す正面図、図1BはIB−IB線における義歯床の平面断面図、図1Cは同入れ歯を口腔に装着した状態で同実施例1を示す平面図である。 図2は同実施例1の横断面図である。 図3Aは同実施例1の要部の拡大縦断面図、図3Bは同実施例1の要部の拡大平面断面図である。 図4Aは本発明の理解に役立つ参考例の要部の拡大縦断面図、図4Bは同参考例の要部の拡大斜視図である。 図5Aは実施例2の要部の拡大縦断面図、図5Bは実施例2の要部の拡大平面断面図である。 図6Aは実施例3の要部の拡大縦断面図、図6Bは実施例3の要部の拡大平面断面図である。 図7Aおよび図7Bは、それぞれ、実施例3にかかる入れ歯を作成する第1の方法の工程1および2を示す断面図である。 図8A、図8Bおよび図8Cは、それぞれ、同工程3,4および5を示す断面図である。 図9Aおよび図9Bは、それぞれ、同工程6を示す斜視図である。 図10は同工程7を示す分解斜視図である。 図11は同工程8を示す斜視図である。 図12Aおよび図12Bは、それぞれ、同工程9および10を示す斜視図である。 図13Aおよび図13Bは、同実施例3にかかる入れ歯を作成する第2の方法において前記工程6に相当する工程6Aを示す斜視図である。 図14A、図14Bおよび図14Cは、それぞれ、同第3の方法において、前記工程6〜工程10に代わる別の工程11,12および13を示す斜視図である。 図15Aおよび図15Bは、係合片部が2つである場合について前記工程6に相当する工程6Bを示す斜視図である。 図16Aおよび図16Bは、それぞれ、前記工程9および10に相当する同工程9Bおよび工程10Bを示す斜視図である。 図17Aおよび図17Bは、それぞれ、同実施例3にかかる本システムの入れ歯を作成する第4の方法を示す要部の拡大縦断面図および平面断面図である。 図18は同第4の方法にかかる工程20を示す分解斜視図である。 図19A、図19Bおよび図19Cは、それぞれ、同工程21、22および23を示す斜視図である。 図20Aおよび図20Bは、それぞれ、実施例4にかかる本システムの要部の拡大縦断面図および平面断面図である。 図21Aおよび図21Bは、それぞれ、実施例5にかかる入れ歯を作成する方法の工程1および2を示す断面図である。 図22Aおよび図22Bは、それぞれ、同工程3および34を示す断面図である。 図23Aおよび図23Bは、それぞれ、同工程35を示す断面図である。 図24Aおよび図24Bは、それぞれ、同工程36および37を示す断面図である。 図25Aおよび図25Bは、それぞれ、同工程38および39を示す断面図である。 図26Aおよび図26Bは、それぞれ、同工程40および41を示す断面図である。 図27Aおよび図27Bは、それぞれ、同実施例5の入れ歯を示す横断面図および平面断面図、図27Cは同入れ歯を患者に装着した状態を示す断面図である。 図28Aおよび図28Bは、それぞれ、実施例6および7にかかる入れ歯を示す断面図である。 図29Aおよび図29Bは、それぞれ、実施例8および9にかかる入れ歯を示す断面図である。 図30はアバットメントの配置構造の一例を示す斜視図である。 図31Aおよび図31Bは、それぞれ、実施例10にかかる入れ歯の作成方法の工程51および52を示す断面図である。 図32Aおよび図32Bは、それぞれ、同工程53を示す平面図および断面図、図32Cは同工程54を示す断面図である。 図33Aおよび図33Bは、それぞれ、同工程55を示す縦断面図および平面断面図、図33Cおよび図33Dは同工程56を示す平面断面図および縦断面図である。 図34Aおよび図34Bは、それぞれ、実施例11にかかる入れ歯の作成方法の工程61を示す平面断面図および縦断面図、図34Cおよび図34Dは、それぞれ、同工程62を示す平面図および縦断面図である。 図35Aおよび図35Bは、それぞれ、同工程63を示す平面断面図および縦断面図、図35Cは同工程64を示す縦断面図である。 図36Aおよび図36Bは、それぞれ、同工程65を示す平面断面図および縦断面図、図36Cは同工程66を示す縦断面図である。 図37Aおよび図37Bは、それぞれ、実施例12にかかる入れ歯の作成方法の工程71を示す平面図および縦断面図、図37Cは同工程72を示す縦断面図である。 図38Aおよび図38Bは、それぞれ、同工程73を示す平面断面図および縦断面図、図38Cは同工程74を示す縦断面図である。 図39Aおよび図39Bは、それぞれ、実施例13にかかる入れ歯の作成方法の工程81および82を示す断面図である。 図40Aおよび図40Bは、それぞれ、同工程83を示す縦断面図および平面断面図、図40Cおよび図40Dは同工程84を示す平面断面図および縦断面図である。 図41Aおよび図41Bは、それぞれ、実施例14にかかる入れ歯の作成方法の工程91を示す平面断面図および縦断面図、図41Cおよび図41Dは、それぞれ、同工程92を示す平面断面図および縦断面図である。 図42Aおよび図42Bは、それぞれ、実施例15にかかる入れ歯の作成方法の工程101および102を示す断面図である。 図43は実施例16にかかる入れ歯の作成に用いる中子の斜視図である。 図44Aおよび図44Bは、それぞれ、実施例16にかかる入れ歯の作成方法の工程111を示す平面断面図および縦断面図、図44Cおよび図44Dは、それぞれ、同工程112を示す平面図および縦断面図である。 図45Aおよび図45Bは、それぞれ、同工程113を示す平面断面図および縦断面図、図45Cは同工程114を示す縦断面図である。 図46Aおよび図46Bは、それぞれ、同工程115を示す平面断面図および縦断面図、図46Cは同工程116を示す縦断面図である。 図43は本発明の理解に役立つ参考例にかかる入れ歯を示す断面図である。
本発明の好的な実施例においては、前記嵌合孔14一つに対し前記係合片部13が1個又は複数個設けられ、前記係合片部13と義歯床10との間に、あるいは、前記複数の係合片部13,13同士の間に前記上下方向Zに延びるスリット13sが定義され、更に好ましくは、前記係合片部同士が前記端部13aおよびアバットメントの頭部を覆う義歯床10の部位を介して互いに一体に連なっている。
1個または複数個の係合片部13は上下方向Zに延びるスリット13sにより互いに自由に変形することができる。そのため、アバットメント3に対する嵌合孔14の位置ズレを容易に吸収することができる。
本発明の更に好的な実施例においては、前記アバットメント3は、前記フィクスチャー2にねじ込まれる雄ネジ部3sと、前記フィクスチャー2から突出し前記嵌合孔14において前記入れ歯1が嵌るトップ(top)3tとを備え、前記トップ3tと前記雄ネジ部3sとの間に前記係合片部13が係合する括れた円周状の被係合溝3eと、前記トップ3tから前記雄ネジ部3sに向かって延び前記被係合溝3eの深さと概ね同じか、それよりも大きい深さを持ち、前記円周の方向に互いに離間し前記スリット13sの数と同じ数の複数の縦溝3gとが前記アバットメント3によって定義されている。
なお、「トップ」とは英語の“top”を意味し、上下を問題としない頂部(top)のことである。
この場合、アバットメント3の縦溝3gはアバットメント3の被係合溝3eに中子が進入するのを許容する。また、アバットメント3の複数の縦溝3gはアバットメント3をフィクスチャー2にねじ込む際に、工具を係合させる溝として役立つ。
本発明の別の好的な実施例においては、前記アバットメント3に近似した形状を持つレプリカ3Rを更に備え、前記レプリカ3Rは、前記フィクスチャー2にねじ込まれる雄ネジ部3sと、前記フィクスチャー2から突出し前記嵌合孔14において前記入れ歯1が嵌ることが可能なトップ(top)3tとを備え、前記トップ3tと前記雄ネジ部3sとの間に前記係合片部13が係合することが可能な括れた円周状の被係合溝3eと、前記トップ3tから前記雄ネジ部3sに向かって延び前記被係合溝3eの深さと概ね同じか、それよりも大きい深さを持ち、前記円周の方向に互いに離間し前記スリット13sの数と同じ数の複数の縦溝3gとが前記アバットメントのレプリカ3Rによって定義されている。
この場合、レプリカ3Rの縦溝3gはアバットメント3の被係合溝3eに中子が進入するのを許容する。
また、アバットメント3のレプリカ3Rに縦溝3gが形成され、アバットメント3には縦溝3gを設ける必要がなく、縦溝3gのないアバットメント3と係合片部13との係合が安定し易いかもしれない。
本発明の好的な実施例においては、前記係合片部13の前記端部13aが前記義歯床10に一体に連なっている。互いに一体に連なった係合片部13および義歯床10は、外力による損傷を生じにくいであろう。
本発明の別の好的な実施例においては、前記複数の係合片部13が前記ナイロン系の熱可塑性樹脂からなる1つの係合ピース13Pで形成されている。係合ピース13Pは患者に固有の形状を有していないので、予め精度良く量産し得る。したがって、コストダウンと性能の向上を図り得る。
本発明の更に好的な実施例において、前記係合片部13と前記義歯床10とを継ぐための前記樹脂とは異なる別の樹脂が介挿されている。
この場合の別の樹脂としては即時重合レジンと呼ばれる2液性のレジンが用いられるが、かかるレジンは技工師が常備しているので、実現容易である。
本システムの更に好ましい実施例においては、前記口腔内に前記フィクスチャー2およびアバットメント3が複数設けられ、前記複数のフィクスチャー2およびアバットメント3に適用される。
但し、クラスプを設けてフィクスチャー2およびアバットメント3を1箇所のみ設けてもよい。
本システムの更に好ましい実施例においては、前記各アバットメント3に対する前記各嵌合孔14の位置が水平方向Xのうちの左右方向X1に微動できるように、前記各嵌合孔14の左側および右側に前記係合片部13および許容部15が配置されている。
この場合、複数本のアバットメント3,3間のピッチと、複数の嵌合孔14,14のピッチとが互いに若干の誤差が生じても、前記係合片部13が微動することにより、入れ歯1の装着時に違和感が生じにくい。
本システムの更に好ましい実施例においては、前記アバットメント3に対する前記嵌合孔14の位置が前後方向Yに微動できるように、前記嵌合孔14の前方および後方に前記係合片部13および許容部15が配置されている。
この場合、前記係合片部13が前後方向Yにも微動することにより、前記入れ歯1の装着時に違和感を殆ど生じないだろう。
一方、本発明の入れ歯1を作成するための方法は、少なくとも前記フィクスチャー2が前記口腔組織4に埋め込まれた状態で柔軟な印象材23により口腔の雌型50を生成する工程と、前記雌型50から前記アバットメント3の形状および前記口腔の形状を持つ雄型51を生成する工程と、少なくとも前記許容部15を形成する溝15の形状を持つ中子70を前記雄型51における前記アバットメント3に相当する部位のまわりに装着する工程と、前記中子70の上端もしくは下端の端面と前記雄型51の表面との間に生じるアンダーカットとなる隙間Sを充填剤53で埋めて母型52を生成する工程と、前記母型52から前記樹脂製の義歯床10および係合片部13を得る工程とを備える。
この方法によれば、中子70が許容部15となる溝15を形成し、アンダーカットSを充填剤53で埋める。そのため、義歯床10を構成する樹脂の中子70に対する型抜きが可能となる。
本発明方法のある実施例においては、前記雌型50を生成する工程において前記フィクスチャー2に前記アバットメント3または前記アバットメント3のレプリカ3Rが装着された状態で前記雌型50を生成する。
この場合、好的な実施例においては、前記アバットメント3または前記レプリカ3Rには、前記フィクスチャー2から突出し前記嵌合孔14において前記入れ歯1が嵌るトップ3tの外径以上の大きさの外径で、かつ、前記フィクスチャー2の外径よりも小さい外径を持つ円筒状の外周面39が前記フィクスチャー2に接近した位置に設けられ、
前記中子70には前記雄型51における前記円筒状の外周面に相当する部位519に接した状態で嵌合して前記中子70が前記雄型51に対して位置決めされるためのC字状または円環状の位置決め部79が形成され、
前記装着する工程において、前記位置決め部79が前記円筒状の外周面39に相当する部位519に嵌った状態で前記中子70が前記雄型51に装着される。
この好的な実施例の場合、位置決め部79が雄型51における円筒状の外周面39に相当する部位519に嵌合して、中子70が雄型51に位置決めされる。そのため、不慣れな技工師でも中子70を雄型51に対して精度良く位置決めできる。
ここで、「円筒状の外周面」とは、外周面が完全な円筒面である必要はなく、円筒面の一部が欠けていてもよく、更に、テーパ状の円筒面であってもよいことを意味する。
また、C字状または円環状の位置決め部79とは、位置決め部79が完全な円環を形成している場合の他に、位置決め部79が不完全なC字状の円環であってもよいことを意味する。
更に別の好的な実施例においては、前記中子70は円筒状の円筒部72Aと、前記各スリット13sに相当する位置において前記円筒部72Aの内周面から前記円筒部72Aの中心に向かって延びる複数の羽根部71Aとを備え、前記羽根部71Aにより、前記義歯床10を得る工程において前記スリット13sの一部または全部が形成される。
前記羽根部71Aはスリット13sを形成するので、スリット13sの形成が容易になる。
なお、スリット13sが部分的に羽根部71Aで形成され、スリット13sの残部は樹脂を加工で削除することにより形成されてもよい。
本発明方法の更に好的な実施例においては、前記雄型51を生成する工程において、前記羽根部71Aの突端が嵌り、かつ、前記中子70の装着時に前記羽根部71Aが上下に移動するのを許容するための縦溝51gが前記雄型51における前記アバットメント3の相当部位に設けられ、前記縦溝51gに沿って前記中子70の羽根部71Aを上下方向Zに装着する。
この場合、羽根部71Aがアバットメント3の被係合溝3eに入り込む。そのため、スリット13sの一部または全部が成型時に形成されるので、スリット13sの形成が容易である。
本発明方法の別の好的な実施例においては、前記母型52から生成された前記義歯床10において前記スリット13sとなる部位を除去する加工工程を更に備える。
この場合、スリット13sを後の加工により形成するので、中子70の形状がシンプルになると共に、1つの中子70の形状で複数種類のアバットメント3の形状に対応し得る。
本発明方法の更に別の実施例においては、前記雄型51を生成する工程において、前記フィクスチャー2のレプリカ60が前記雄型51に埋設され前記口腔の形状を持つ前記雄型51を前記雌型50から生成し、前記中子70を装着する工程において、前記嵌合孔14の形状および前記許容部15を形成する溝15の形状を持つ中子70を前記レプリカ60に装着する。
この場合、フィクスチャー2のレプリカ60に中子70を装着するので、フィクスチャー2に対する許容部15の位置ズレが生じにくい。
本発明方法の更に別の実施例においては、少なくとも前記フィクスチャー2が前記口腔組織4に埋め込まれた状態で口腔の雌型50を生成する工程と、前記雌型50から前記許容部15に対応する突部15Pの形状および前記口腔の形状を持つ雄型51を生成する工程と、前記雄型51から前記許容部15を形成する孔15Hの形状を持つ義歯床10を形成する工程と、 前記係合ピース13Pと前記義歯床10とが前記許容部15において互いに離間した状態で、前記係合ピース13Pの上下方向Zの端部を前記義歯床10に結合させて前記許容部15を確保して前記入れ歯1を得る結合工程とを備える。
このように係合片部13を複数備えた係合ピース13Pを予め形成しておくと、技工師において、複数の係合片部13間のスリットを型成型する手間が省け、入れ歯1の制作が容易になる。
本発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施例の説明からより明瞭に理解されるであろう。しかしながら、実施例および図面は単なる図示および説明のためのものであり、本発明の範囲を定めるために利用されるべきではない。本発明の範囲は請求の範囲によってのみ定まる。添付図面において、複数の図面における同一の部品番号は、同一または相当部分を示す。
以下、本発明の実施例が図面にしたがって説明される。
図1〜図3は実施例1を示す。
図1Aおよび図1Cに示すように、本義歯システムは、入れ歯1、フィクスチャー2および柱状のアバットメント3で構成される。
図2に示すように、前記フィクスチャー2はいわゆるインプラント体で、生体材料(代表的な材料は生体となじみのよいチタン)に表面加工などを施した人工の歯根部である。このフィクスチャー2は顎の歯槽骨41などの口腔組織4内に埋め込まれて骨と生着する。
前記アバットメント3は、前記フィクスチャー2に連結され口腔内において露出する。つまり、アバットメント3は図示しないネジでフィクスチャー2に固定され、人工の入れ歯1を装着するためにフィクスチャー2に連結される。
図1Aおよび図1Cに示すように、前記入れ歯1はアバットメント3に着脱自在に装着される。前記入れ歯1は歯肉40に接するナイロン製の義歯床10と、前記義歯床10と一体となって、当該義歯床10に支持されたセラミック製人工歯11とを備える。
前記口腔内には前記フィクスチャー2およびアバットメント3がたとえば一対設けられ、前記一対のフィクスチャー2およびアバットメント3に本システムが適合されている。
前記義歯床10の上下方向Zの一方の端には前記人工歯11が固着されている。前記義歯床10の上下方向Zの他方の端面は歯肉40に、緩く接触している。
図3Aの拡大断面に示すように、前記義歯床10はその本体部12と係合片部13とが一体に連なっていると共に、前記柱状のアバットメント3に着脱自在に嵌合するための嵌合孔14を定義している。前記係合片部13および前記義歯床10は、たとえばナイロン系の熱可塑性樹脂で形成されている。
前記嵌合孔14は歯肉40に向かって開口している。つまり、上の入れ歯1においては嵌合孔14が上方に向かって開口し、一方、下の入れ歯1においては嵌合孔14が下方に向かって開口している。
図3Aおよび図3Bに示すように、本実施例の場合、前記係合片部13は前記嵌合孔14の一部を形成している。すなわち、本実施例の場合、図3Bに明示するように、嵌合孔14は本体部12および係合片部13によって定義されている。この嵌合孔14によって義歯床10がアバットメント3に対し位置決めされると共に固定される。前記係合片部13は前記アバットメント3の側面に接すると共に係合する第1面31と、前記第1面31の反対側の第2面32とを有する。
入れ歯1が下顎に装着される本実施例においては、図3Aの前記係合片部13の上方の端部13aが前記義歯床10に連なり、前記係合片部13の前記端部13aから前記係合片部13が上下方向Zの下方に延びている。
なお、図示していないが、入れ歯1が上顎に装着される場合、前記係合片部13の下方の端部が前記本体部12に連なり、前記係合片部13の前記端部から前記係合片部13が上下方向Zの上方に延びる。
本実施例の場合、アバットメント3の括れた被係合溝(被係合要素)3eに係合する係合要素(係合凸部)13eが係合片部13の下端に係合片部13に一体に形成されている。前記係合要素13eが被係合溝3eに係合していることで、入れ歯1がアバットメント3から不用意に外れないようになっている。
前記図3Bの前記義歯床10には前記第1面31から前記第2面32に向かう水平方向Xに前記係合片部13が可動または変形するのを許容する許容部15が前記第2面32と前記本体部12の第3面33との間に形成されている。前記許容部15は前記義歯床10に形成された溝15からなる。前記第3面33は前記第2面32から離間していると共に対面している。
本実施例の場合、前記溝15はスリット13sを介して前記嵌合孔14に連なっており、これにより係合片部13が可動し易くなっている。入れ歯1の脱着時に、前記係合片部13が溝15に向かって逃げることにより、アバットメント3に対し、入れ歯1を脱着することができるようになっている。
図3Aの前記嵌合孔14の上下方向Zの奧において、前記義歯床10にはクッション部16が形成されていてもよい。クッション部16は例えば複数の小さな突起からなり、歯の歯合時に前記突起が弾性変形することで、天然の歯根膜に代わるクッションを入れ歯1に付与するだろう。
ナイロン系の樹脂からなる義歯床10は、劣化しにくく永年の使用により白色化し難いだろう。また、かかる材質の義歯床10は係合片部13の弾性を失い難いだろう。特に、係合片部13が劣化して永久変形した場合や弾力が小さくなった場合等には、係合片部13および嵌合孔14のまわりの義歯床10を熱風で温めながら係合片部13を蘇生することができるだろう。
図4Aおよび図4Bは本発明の理解に役立つ参考例を示す。
この例の場合、係合片部13が一対設けられている。前記一対の係合片部13は義歯床10から水平方向Xに延びている。この例の場合、成型時の型抜きが難しいだろう。
図5Aおよび図5Bは実施例2を示す。
この実施例2の場合、半円筒状の係合片部13が一対設けられている。前記一対の係合片部13は義歯床10から上下方向Zに延びている。前記溝15にはシリコーンゲルのような埋設材18が充填され(埋設され)ている。埋設材18は圧縮変形して係合片部13の可動を許容する。
図6Aおよび図6Bは実施例3を示す。
この実施例3の場合、係合片部13が4つに分割された状態で設けられている。前記4つに分割された4つの係合片部13は全体が略円筒状で義歯床10から上下方向Zに延びている。なお、係合要素13eは第1面31と一体の小さな半球状の突起(図20B参照)で形成されていてもよい。
前記実施例2および3において、前記各嵌合孔14の左側および右側に前記係合片部13および許容部15が配置されている場合、前記各アバットメント3に対する前記各嵌合孔14の位置が水平方向Xのうちの左右方向X1に微動できる。
前記嵌合孔14の前方および後方に前記係合片部13および許容部15が配置されている場合、前記アバットメント3に対する前記嵌合孔14の位置が前後方向Yに微動できる。 このように、左右方向X1または前後方向Yに微動できる場合、それらの方向についてアバットメント3の位置と嵌合孔14の位置とのズレが吸収されるだろう。
つぎに、本発明にかかる義歯床10の作成方法の一例が図7A〜図12Bにしたがって説明される。なお、作図の都合上、図7A〜図16Bの実施例、図18および図19の実施例においては係合片部13の突出部分の図示を省略している。
まず、図7Aの工程1に示すように、歯科医師は前記フィクスチャー2が埋め込まれた状態の口腔の雌型50を周知の方法に従って作成する。
すなわち、歯科医師はフィクスチャー2のメネジにガイドピン22をねじ込んで装着した後、自硬性レジンからなる印象材23を口腔内に配置し、印象材23の表面を口腔の表面に圧接する。印象材23は前記義歯床10を形成するナイロン系の樹脂よりも柔軟である。つづいて、オープントレー21の窓20からガイドピン22が突出するように、オープントレー21をセットする。その後、ガイドピン22の先端を回転させフィクスチャー2のメネジから抜き取った後にオープントレー21および印象材23を口腔から撤去する。こうして、雌型50が生成される。
ついで、図7Bの工程2に示すように、前記印象材23が固化した後に、前記ガイドピン22の先端にフィクスチャー2のレプリカ60をねじ込んで固定する。この後の工程は歯科医師ではなく歯科技工師が行う。
図8Aの工程3に示すように、技工師は、前記印象材23の雄型51を取るために、セッコウ51aを印象材23の表面に流し込む。こうして、前記雌型50から前記フィクスチャー2のレプリカ60が埋設され前記口腔の形状を持つ図8Bの雄型51が生成される。
その後、図8Bの工程4〜図9Bの工程6の順に従って、図9Bのように、前記嵌合孔14の形状、スリット13sの形状および前記許容部15を形成する溝15の形状を持つ第1中子70を図8Bのレプリカ60に装着して、図9Bの前記義歯床10の母型52を生成する。
図8Bの前記雄型51から前記母型52を生成するには、まず、図8Cの工程5に示すように、前記レプリカ60のメネジ60sに前記嵌合孔14およびスリット13sの形状を持ち前記第1中子70の一部を形成する金属製の第1部71をねじ込んで装着する。前記第1部71の装着後に、図9Aのように、前記溝15の形状を持ち、前記第1中子70の他部を形成する第2部72を前記第1部71のまわりに装着する。
ここで、図9Bに示すように、前記第2部72の端面と前記雄型51の表面との間には、成形品においてアンダーカットとなる隙間Sが生じるが、隙間Sを充填剤53で埋めて前記母型52の第1中子70の形状を補正する。なお、前記充填剤53としてはワックスの他にシリコーン樹脂やエポキシ樹脂などのレジンや、セッコウ、粘土などを用いることができる。なお、第2部72には第1部71の羽根部71Aが嵌り込む溝72eのように回転防止手段を設けられるのが好ましい。かかる溝72eは第2部72が回転するのを防止し、充填剤53で形成された部位が雄型51に対し位置ズレするのを防止する。
その後、前記母型52を自硬性樹脂で包んで、図10に示すように、前記母型52から自硬性の樹脂で形成され前記溝15に相当する溝15Aを持つ樹脂型54を作成する。なお、この樹脂型54は前記嵌合孔14およびスリット13sに相当する孔14A,17Aを有する。
その後、図10の工程7のように、前記樹脂型54の溝15Aに第2中子80を装着して、図11の工程8に示すように、前記第2中子80の一部81が前記樹脂型54から突出した状態の原型55を生成する。なお、前記第2中子80は前記溝15およびスリット13sに相当する形状を有する。
その後、図11の前記原型55の凹所内にセッコウを流し込んだ後に硬化させ、図12Aの工程9に示すように、前記第2中子80の前記一部81が前記セッコウに一体に埋設されたセッコウ型56を生成する。なお、前記セッコウ型56には前記図10の孔14Aに相当する略円柱部56sが一体に形成されている。
その後、図12Aのセッコウ型56からナイロン製の義歯床10が成型される。こうして、図9Bの前記義歯床10の母型52から図12Bの前記ナイロン製の義歯床10が得られる。したがって、歯科医師や患者の負担が軽減される。
こうして生成された入れ歯1は、以下の手順で、装着感を高めるために前記アバットメント3に対する前記係合片部13の嵌合状態が補正ないし補修されることができる。
まず、前記入れ歯1が患者に装着されて1〜3週間程度の短期間や数年の長期にわたって使用される。その後、歯科医師は患者から着用感を聞き、前記入れ歯1が患者から取り外され、この取り外し後に、歯科医師は前記係合片部13を昇温させる。前記着用感を参考にしながら、前記昇温した状態の前記係合片部13を変形させる。前記変形された前記係合片部13が冷却され、前記冷却後に前記入れ歯1が前記患者に再び装着される。
かかる補正ないし補修作業が繰り返されることで、装着感が向上する。
前記補正作業による装着感の向上は、図1の前記係合片部13が単一の場合や、あるいは、後述する図17Bの完全にループに連なった場合にも得られる。
しかし、図6Aのように、前記係合片部13の上方または下方の端部が前記本体部12に連なり、前記係合片部13の前記端部13aから前記係合片部13が上下方向Zに延び、かつ、前記係合片部13が前記アバットメント3の周囲に前記アバットメント3の周方向に複数に分離して設けられている場合には、前記係合片部13を変形させ易いので、補正作業が容易で、かつ、補正できる範囲が大きいだろう。
前記方法において、図9Aおよび図9Bの工程6に代えて、図13Aおよび図13Bの工程6Aを採用してもよい。すなわち、図13Aの雄型51のセッコウ部分51aに円筒形の溝15Bを形成し、この溝15Bに円筒体からなる第2部72を挿入してもよい。
また、図9Aの工程6〜図12Bの工程10に代えて、図14A〜図14Cの工程11〜13を採用することもできる。この場合、図14Aの雄型51に第1中子の第1部71を装着した状態から、図14Bのナイロン樹脂からなる半製品10Aを生成し、この半製品10Aに溝15を刻設する。
また、溝15や係合片部13が一対である場合には、前記図9Aおよび図9Bの形状に代えて、図15Aおよび図15Bに示す形状の中子や型を採用できる。その場合、図12Aおよび図12Bのセッコウ型56や義歯床10の形状に代えて、図16Aおよび図16Bに示す形状のセッコウ型56や義歯床10が得られる。
図17A〜図19Bは作成方法の別の実施例を示す。
図17Aに示すように、本実施例の中間品の状態では係合片部13が無端状に連なった円筒形状で、円形の嵌合孔14と円筒形状の溝15とを連ねるスリット13sは設けられていない。
この実施例の場合、図10の第2中子80に代えて、図18の第2中子80を用いる。第2中子80は、埋設部(一部)81と、後にセッコウ型56(図19A)に埋設され孔14Aに嵌合する円柱部82と、前記溝15Aに嵌合する円筒部83と、蓋板84とが一体に形成されている。
この実施例の場合、図12Aおよび図12Bの工程9および図10における前記セッコウ型56および義歯床10に代えて、図19Aおよび図19Bに示すセッコウ型56および義歯床10が得られる。その後、図19Cのように、スリット13sとなる部位を前記義歯床10に加工して、スリット13sを持つ義歯床10を得る。
図20Aおよび図20Bは更に別の実施例を示す。
これらの図に示すように、アバットメント3の天面は円錐形であってもよい。一方、嵌合孔14の天井面ないし底面は前記アバットメント3の天面に合致する形状であってもよい。
図21A〜図27Cは更に別の実施例を示す。
図27A〜図27Cに示すように、この実施例においては、義歯床10とは別に係合ピース13Pが設けられている。前記義歯床10および係合ピース13Pは、ナイロン系の互いに同種の熱可塑性樹脂または互いに異なる種類の樹脂で形成されている。前記義歯床10と係合ピース13Pとの間には2液性の即時重合レジンの結合層19が介挿されて、義歯床10と係合ピース13Pとが継がれて互いに一体に連なって形成されている。
図27Aおよび図27Bにおいて、前記係合ピース13Pは、複数(たとえば4つ)のスリット13sおよび係合片部13を有する略有底円筒状つまりカップ状に形成されており、前記複数の係合片部13を互いに連結するフタ部13cを有する。なお、各係合片部13は、各々、係合要素13eを有する。
前記フタ部13cはアバットメント3の頂部(トップ)3tを覆う。図27Aにおいて、このフタ部13cとこれに対面する義歯床10の部位にはアンカー用の溝13g,10gが形成されている。前記フタ部13cおよび義歯床10との間の空間および前記アンカー用の溝13g,10gには前記結合層19を形成する前記即時重合レジンが充填されている。
なお、義歯床10のアンカー用の溝13gは収容凹所10cの内表面に形成されている。
前記義歯床10には前記レジンを流し込むための湯口となる深孔10hが形成されており、この深孔10hにも前記レジンが充填されている。なお、深孔10hは義歯床10の外表面と前記収容凹所10cの奥側とを連通させる。
前記義歯床10には前記係合ピース13Pが収容される円柱状の収容凹所10cが形成されている。前記収容凹所10cは義歯床10の第3面33によって定義されている。前記第3面33は前記第2面32に対面する。
なお、スリット13sは第1面31から第2面32まで、係合ピース13Pを径方向(放射方向)に貫通している。
つぎに、前記実施例の入れ歯1の作成方法について説明する。
まず、図21A、図21Bおよび図22Aの工程1、工程2および工程3により図22Aの雌型50が生成される。これらの工程1〜3は前述の図7A、図7Bおよび図8Aの工程1〜3と同様であり、その説明を省略する。
その後、図22B〜図26Aの工程34〜40の順に従って、図27Aの許容部15を形成する前記収容凹所10cを持つ義歯床10を形成する。以下、前記義歯床10の形成方法について説明する。
前記義歯床10を形成するには、前記工程3の後に、図22Bに示す工程34において、雄型51に埋設された第1レプリカ60にアバットメント3の第2レプリカ61を図23Aのように装着する。この装着時に係合ピース13Pの各係合片部13は弾性変形してアバットメント3の被係合溝3eに係合する。その後、図23Bの工程35において、前記第2レプリカ61に係合ピース13Pを嵌合させる。この状態において係合ピース13Pと雄型51との間にはアンダーカットとなる隙間Sが存在する。
前記嵌合後、図24Aの工程36に示すように、係合ピース13Pの周囲に係合片部13の許容部15(図27A)を形成するために中子90を配置する。この例の場合、中子90は係合ピース13Pのフタ部13cおよび外周囲を覆うと共に前記隙間Sを埋めるワックスで形成される。こうして、図22Aの雌型50から許容部15に対応する突部15Pの形状および口腔の形状を持つ雄型51が生成される。
なお、前記中子90は係合ピース13Pの外周囲およびフタ部13cを覆うカップ型の金属ないし樹脂中子と係合ピース13Pの下方の隙間Sを埋める充填剤(ワックス)53で形成されていてもよい。
前記中子90を形成するワックスは前記係合ピース13Pと雄型51との表面に生じる隙間(アンダーカット)Sを埋める充填剤53を兼ねている。また、前記中子90を形成するワックスは前記係合ピース13Pのフタ部13cに形成されたアンカー用の溝13gを埋める。
こうして形成された中子90(突部15P)の外表面は略円柱状の形状を持つ。
前記中子90の形成後、図24Aの雄型51から図24Bの工程37に示すセッコウ型56Aを得る。このセッコウ型56Aと図示しない周知の雌型を用いて、人工歯11を持つ義歯床10を得る。すなわち、前記雄型51から許容部15を形成する孔15Hの形状を持つ義歯床10を得る。
つづいて、図24Bの義歯床10をセッコウ型56Aから取り外し、図25Aの工程38に示すように、前記義歯床10にアンカー用の溝10gと深孔10hを形成する。
一方、図24Aの工程36で得た雄型51のフタ部に相当するワックスの部位を図25Bの工程39に示すように除去し、これにより係合ピース13Pのフタ部13cが露出する。この後、図26Aの工程40に示すように、一部のワックスを除去して露出した係合ピース13Pに前記24Bで得た義歯床10を装着する。
図26Aに示す状態において、前記係合ピース13Pと義歯床10との間には、前記結合層19に相当する空隙19sが形成されている。この後、図26Bの工程41に示すように、深孔10hから前記空隙19sおよびアンカー用の溝10g,13gに周知の2液性の即時重合レジンを流し込む。
前記重合レジンが硬化すると、係合ピース13Pと義歯床10とが許容部15において互いに離間した状態で、前記結合層19を介して前記義歯床10と係合ピース13Pとが互いに一体となる。すなわち、前記中子70の残部によって係合片部13の可動域が確保されながら、前記結合層19を介して義歯床10と係合ピース13Pとが互いに一体となる。前記重合レジンが硬化した後に、係合ピース13Pと一体の義歯床10を雄型51から取り外して、図27Aの入れ歯1が得られる。
こうして技工師が作成した入れ歯1は、図27Cのように、係合ピース13Pの嵌合孔14がアバットメント3に嵌り、かつ、義歯床10が歯肉40に接するようにして、患者の口腔内に装着される。
この装着時に係合ピース13Pの各係合片部13は弾性変形してアバットメント3の被係合溝3eに係合する。
図28A〜図29Bは入れ歯1の他の例を示す。
図28Aおよび図28Bの例においては、前記係合片部13および前記義歯床10がナイロン系の熱可塑性樹脂で形成され、かつ、係合ピース13Pのフタ部13cと義歯床10とが収容凹所10cにおいて互いに溶着されている。これらの例の場合、前記結合工程は、前記係合ピース13Pと前記義歯床10とが互いに溶着されることにより実行される。
かかる溶着は高周波による誘導加熱で行われてもよい。また、前記溶着に加え、図28Bのように、係合ピース13Pと義歯床10とが互いに係合していてもよい。
図29Aまたは図29Bの例においては、前記係合片部13が前記義歯床10に直接的または間接的に係合して保持されている。これらの例の場合、前記結合工程は、前記係合ピース13Pと前記義歯床10とが互いに直接または間接的に係合されることにより実行される。
図29Aおよび図29Bの例においては、係合ピース13Pのフタ部13cと義歯床10との間にシリコーンゲルのようなクッション16Kを介挿してもよい。
なお、図29Bにおいて、係合ピース13Pと義歯床10とはC字状の係合リング19Rを介して互いに係合している。
図30は口腔に対するアバットメント3の配置を示す模型の斜視図である。
この図において、奧に配置された一対のアバットメント301,302は、その軸線301s,302sが互いに平行である。また、前方に配置された一対のアバットメント303,304は、その軸線303s,304sが互いに平行である。しかし、アバットメント301,302の軸線301s,302sとアバットメント303,304軸線303s,304sとは平行ではなく互いにネジレの関係に配置されている。
このような場合に、本義歯システムの係合片部13は弾性変形して、4本の前記アバットメント301〜304に嵌合する入れ歯1の実現が可能となる。
かかる場合に、複数の係合片部13を持つ入れ歯1や図4Aおよび図4Bに示す構造を持つ入れ歯1は有用性が高い。
以下の例では窓を有するオープントレー21ではなく、クローズドトレー21Aを用いる。
図31A〜図33Dは同作成方法の一例を示す。
まず、図31Aの工程51に示すように、歯科医師は前記フィクスチャー2が埋め込まれた状態で、かつ、アバットメント3がフィクスチャー2に連結された状態の口腔の雌型50をトレー21Aおよび柔軟な印象材23(自硬性レジン)を用いて周知の方法に従って作成する。前記印象材23が固まるとトレー21Aおよび印象材23を口腔から撤去することで、雌型50が得られる。
得られた雌型50に石膏を流し込み、同石膏が硬化することにより、図31Bの工程52に示すアバットメント3の形状および口腔の形状を持つ雄型51が生成される。
なお、前記印象材23は柔軟であるから、アバットメント3に被係合溝3eがあっても雌型50および雄型51の型抜きが可能である。
ついで、図32Bのように、前記雄型51におけるアバットメントに相当する部位51bのまわりに筒形の中子70を装着する。中子70はたとえばステンレスのような金属、テフロンまたはセラミックで形成されるが、成型時の耐熱性と義歯床10からの離型が容易な材料が好ましい。
図32Aおよび図32Bに示すように、前記中子70は円筒形の円筒部72Aと、前記各スリット13sに相当する位置において前記円筒部72Aの内周面から前記円筒部72Aの中心に向かって延びる複数の羽根部71Aとを備える。前記羽根部71Aは、後述する義歯床10得る工程において前記スリット13sの一部を形成する。
羽根部71Aの内周側の端は前記部位51bに近接ないし接触する。
中子70における雄型51に対峙する上下方向の一方(図面では下方)の端面70eは歯肉の尾根に相当する部位51cに当接し、そのため、前記中子70の端面70eと前記雄型51の表面との間にはアンダーカットとなる隙間Sが生じるが、本実施例では前記隙間Sを充填剤53で埋めて母型52を生成する。本実施例の場合、充填剤53は、たとえば、石膏のように、容易に成形かつ破壊でき、しかも、義歯床10の成型時の熱に耐え得るセラミック質の素材を好的に用いることができる。
その後、前記母型52から周知の方法で図32Cの工程54に示す人工歯11を備えた義歯床10の中間品を成型する。義歯床10を構成するナイロンが硬化した後、雄型51および充填剤53を砕き、更に、中子70を義歯床10の中間品から抜き取る。
こうして、図33Aおよび図33Bに示す義歯床10の中間品を得る。この中間品はスリット13sの一部となる溝130が形成されている。
その後、前記溝130の部位において、嵌合孔14と許容部15とを連通させるように、図33Cのスリット13sを形成する。このスリット13sは係合片部13,13同士が互いに独立して変形し易くなるのに役立つ。
こうして、図31Aの雌型50から図33Cの前記ナイロン製の義歯床10が得られる。したがって、歯科医師や患者の負担が軽減される。
図34A〜図36Cは実施例11の構造および作成方法を示す。
この例では、アバットメント3に複数本の縦溝3gを有する。
図34Aおよび図34Bに示すように、アバットメント3又はアバットメント3に近似した形状を持つアバットメント3のレプリカ3Rはフィクスチャー2の雌ネジ2sにねじ込まれる雄ネジ部3sと、前記フィクスチャー2から突出し前記嵌合孔14において前記入れ歯1が嵌るトップ(top)3tとを備える。なお、トップ3tは下顎の場合にはアバットメント3の上端部分であるが、上顎の場合にはアバットメント3の下端部分である。
図36Cにおいて、前記アバットメント3には義歯床10および係合片部13が嵌合する円筒状または球状の外表面が形成されている。前記アバットメント3の側面には被係合溝3eと2本、3本または4本の縦溝3gとが形成されている。
図36Cにおいて、前記被係合溝3eは前記トップ3tと前記雄ネジ部3sとの間において円周状に形成されている。前記被係合溝3eは前記係合片部13が係合する括れた形状に形成されている。前記縦溝3gは前記アバットメント3の側面に設けられ、前記トップ3tから前記雄ネジ部3sに向かって延び前記被係合溝3eの深さと概ね同じか、それよりも大きい深さを持つ。各縦溝3g同士は前記円周の方向に互いに離間し前記スリット13sの数と同じ数設けられている。
図34Bにおいて、前記アバットメント3または前記レプリカ3Rには、円筒状の外周面39が前記フィクスチャー2に接近した位置に形成されている。前記円筒状の外周面39は前記フィクスチャー2から突出し前記嵌合孔14において前記入れ歯1が嵌るトップ3tの外径よりも大きい外径で、かつ、前記フィクスチャー2の外径よりも小さい外径を持つ。
図35Aおよび図35Bの円筒状の中子70の下端部分には、C字状または円環状の位置決め部79が円筒部71Aと一体に形成されている。この位置決め部79は前記雄型51における前記円筒状の外周面39(図34B)に相当する部位519に接した状態で嵌合して前記中子70が前記雄型51に対して位置決めされるためのものである。
本実施例においては、前記実施例の図31A〜図32Cの前記工程51〜54と同様に、図34A〜図35Cの工程61〜64が実行されることで、図35Cの義歯床10が成型される。
本実施例の図34Cおよび図34Dの前記雄型51を生成する工程62において、図35Aの前記羽根部71Aの突端が嵌り、かつ、前記中子70の装着時に前記羽根部71Aが上下に移動するのを許容するための縦溝51gが前記雄型51におけるアバットメントの相当部位に形成され、図35Aおよび図35Bに示す装着工程においては、前記縦溝51gに沿って前記中子70の羽根部71Aが上下方向Zに装着される。この際、位置決め部79は前記円筒状の外周面39(図34B)に相当する部位519に嵌った状態で、中子70が雄型51に装着される。
このように、中子70の羽根部71Aが縦溝51gに嵌り込んでおり、更に位置決め部79が部位519に嵌っているため、中子70と雄型51とが位置ズレしにくい。そのため、充填剤53で形成された部位が雄型51に対して位置ズレしにくい。
なお、本実施例の中子70の羽根部71Aは上下方向Zに延び、かつ、アバットメント3の被係合溝3eの最深部まで入り込みスリット13s(図36A)の全部を形成する。
本実施例の場合、図35Cにおいてナイロン樹脂が固まった後、雄型51および充填剤53を砕き、更に、中子70を義歯床10から抜き取ることで、図36Aおよび図36Bに示す入れ歯1が生成される。したがって、成型後にスリット13sを加工で作成する必要がない。
図36Aに示すように、この実施例の場合、スリット13sは3本設けられている。各スリット13sは各係合片部13を周方向に互いに分断するようにアバットメント3の放射方向に延びている。係合片部13はアバットメント3に対し、180°よりも小さい中心角θの範囲において、図36Cのアバットメント3の側面に沿って、図36Aのように、アバットメント3の円周方向に延びる。
前記係合片部13は一般に2〜4個が好ましいので、前記中心角θは60°よりも大きく180°よりも小さいのが好ましいだろう。
係合片部13は入れ歯1の脱着時に図36Bの端部13aを中心にして回転するように変形して拡開するのであるが、前記中心角θが180°よりも大きいと曲げ剛性が大きくなって変形しにくくなるだろう。
一方、中心角θが60°よりも小さいと係合片部13によるアバットメント3の保持力が不十分になり易い。
本実施例において、図36Cのアバットメント3に縦溝3gおよび/または位置決め部79を必ずしも設ける必要はなく、図34Bのアバットメント3のレプリカ3Rに縦溝3gおよび/または位置決め部79を設けてもよい。たとえば、アバットメント3には縦溝3gおよび位置決め部79を設けずに、歯科医師はアバットメント3に代えて前記縦溝3gおよび/または位置決め部79を有するレプリカ3Rをフィクスチャー2にねじ込んで装着し、このレプリカ3Rを装着した状態で図34Bの雌型50を作成する。
このように縦溝3gを有するレプリカ3Rを用いて人工歯11を作成する場合、図38Cのように、アバットメント3には縦溝3gを形成する必要がなく、トップ3tに工具が係合する孔を持つ既存のアバットメント3を用いることが可能である。
一方、縦溝3gを有するアバットメント3を用いる場合には、アバットメント3の縦溝3gはアバットメント3をフィクスチャー2にねじ込む際に工具を係合させる溝となる。したがって、既存のアバットメント3の前記係合する孔が不必要で、トップ3tにおいてアバットメント3が義歯床10に接する表面積が大きい。
図37A〜図38Cは更に別の実施例を示す。この実施例では図37Aの中子70が径方向に複数個に分割されている。分割された各分割中子70Dは図37Bの雄型51におけるアバットメントに相当する部位51bに対し径方向から接近して装着することが可能である。
なお、前記装着後に、両分割中子70D、70Dは接着材や粘着剤で互いに一体とされてもよい。
図39A〜図40Dは凡用性の高い実施例を示す。前述の図1A〜図38C前記各実施例において、中子70の高さはアバットメント3よりも低くしてもよいし、逆に高くしてもよいが、図39Aの実施例では中子70となる円管の高さを予め高く設定する。
図39Aにおいて、中子70は2点鎖線で示す仮想のラインに沿って切断され、上方が予め除去される。また、本実施例の中子70は羽根部71Aを有しておらず、したがって、図40Aおよび図40Bの円筒状の部位130に、成形後に加工を施すことで、図40Cおよび図40Dのスリット13sを形成する。
図41A〜図41Dは更に他の実施例を示す。
この例では、アバットメント3またはそのレプリカ3Rの側面に複数の突条3pが一体に形成されている。前記突条3pは前記トップ3tから前記雄ネジ部3s(図34B)に向かって延び前記被係合溝3eの深さよりも大きい高さを持ち、前記円周の方向に互いに離間し前記スリット13s(図40C)の数と同じ数だけ設けられる。
この例の場合、図41Bのように雌型50を取った後に、図41Cおよび図41Dの雄型51が生成される。この雄型51には前記突条3pに対応する突条51pが一体に形成される。この雄型51に円筒形の中子70を装着し、その後、図35B〜図36Bのステップ63〜65の工程を経て、入れ歯1が生成される。
この例の場合、中子70には羽根部71Aを必要としない。
図42Aおよび図42Bは更に他の例を示す。
この例においては中子70の下端部に位置決め部79が一体に形成されている。かかる位置決め部79は雄型51のアバットメントに相当する部位51bの外周に当接ないし接近し、中子70を径方向に位置決めする。また、位置決め部79は充填剤53の充填を容易にするだろう。
図43〜図46Cは係合片部13が1つである場合の製造方法を示す。
図43において、中子70は位置決め部79と、これに連なる湾曲した円板状の第1部71および一対の羽根73とを備える。円環状の位置決め部79は図45Aのように中子70が雄型51に装着された状態を保持する機能を持つ。
本実施例の場合、前記一対の羽根73に対応する一対の縦溝3gを有するアバットメントのレプリカ3Rを用いて、以下に説明するように、入れ歯を作成する。
本実施例においては、前記実施例の図34A〜図35Cの前記工程61〜66と同様に、図44A〜図46Cの工程111〜116が実行されることで、図46Cの義歯床10が成型される。
ここで、本実施例においては、図45Aに示すように、雄型51におけるアバットメントの被係合溝3eに相当する部位がセッコウなどのセラミック質の充填剤300で埋められる。これにより、図46Cの義歯床10が前記被係合溝3eに係合しないようにして、義歯床10をアバットメント3に対し脱着することが可能となる。
図47の参考例においては、義歯床10に一体に形成された複数(好ましくは3個または4個)の係合片部13が前記アバットメント3の内側に形成された被係合凹所3cに嵌り込んでいる。この参考例に比べ、本発明の場合、係合片部13がアバットメント3の外周面に係合するので、嵌合状態が安定し易いなどの利点が得られる。
本発明は、歯科治療に適用することができる。
1:入れ歯、10:義歯床、10c:収容凹所、10g:アンカー用の溝、10h:深孔、11:人工歯、12:本体部
13:係合片部、13a:端部、13c:フタ部、13e:係合要素、13g:アンカー用の溝、13p:係合ピース、13s:スリット、130:円筒状の部位
14:嵌合孔、14A:孔
15:許容部(溝)、15A:溝、15P:突部
16:クッション部、16K:クッション
17A:孔
18:埋設材
19:結合層、19R:係合リング、19s:空隙
2:フィクスチャー、20:窓、21,21A:トレー、22:ガイドピン、23:印象材
3:アバットメント、3R:レプリカ、3e:被係合溝、3g:縦溝、3s:雄ネジ部、3t:頂部(トップ)、3p:突条、39:円筒状の外周面
301〜304:アバットメント、301s〜304s:軸線
31:第1面、32:第2面、33:第3面
4:口腔組織、40:歯肉、41:歯槽骨
50:雌型、51:雄型、51b:アバットメントに相当する部位、51g:縦溝、52:母型、53:充填剤、54:樹脂型、55:原型、56:セッコウ型、56A:セッコウ型、519:相当する部位
60:レプリカ、61:第1レプリカ、62:第2レプリカ
70:第1中子、70D:分割中子、70e:端面、71:第1部、71A:羽根部、72:第2部、72A:円筒部、73:羽根、79:位置決め部
80:第2中子、81:一部
90:中子
θ:中心角
S:隙間
X:水平方向、X1:左右方向、Y:前後方向、Z:上下方向

Claims (16)

  1. 口腔組織4に埋め込まれるためのフィクスチャー2と、前記フィクスチャー2に連結され口腔内において露出する表面を有するアバットメント3と、前記アバットメント3に着脱可能に装着される入れ歯1とを備えた義歯システムであって、
    前記入れ歯1は、歯肉40に接するナイロン系の熱可塑性樹脂製の義歯床10と、前記義歯床10に支持された人工歯11と、前記入れ歯1の脱着時に上下方向Zの端部13aを中心にして回転するように変形して拡開し着用中に前記アバットメント3に係合する少なくとも1つの舌片状の係合片部13とを備え、前記係合片部13はそれ自体で又は前記義歯床10と共に、前記アバットメント3の前記表面に着脱自在に嵌合するための嵌合孔14を定義しており、
    前記係合片部13はナイロン系の熱可塑性樹脂で形成され、前記アバットメント3に対し180°よりも小さな中心角θの範囲において前記表面に沿って水平方向Xに延びると共に前記端部13aから前記上下方向Zに延び前記アバットメント3の表面に接する第1面31と、前記第1面31の反対側の第2面32とを有し、
    前記義歯床10は前記第2面32に対面し、かつ、前記第2面32から離間した第3面33を有し、前記第1面31から前記第2面32に向かう方向に前記係合片部13が変形して拡開するのを許容する溝状の許容部15が前記係合片部13の前記第2面32と前記義歯床10の前記第3面33との間で定義されている義歯システム。
  2. 請求項1において、前記嵌合孔14一つに対し前記係合片部13が1個または複数個設けられ、前記係合片部13と義歯床10との間に、あるいは、前記複数の係合片部13,13同士の間に前記上下方向Zに延びるスリット13sが定義されている。
  3. 請求項2のシステムにおいて、前記アバットメント3は、前記フィクスチャー2にねじ込まれる雄ネジ部3sと、前記フィクスチャー2から突出し前記嵌合孔14において前記入れ歯1が嵌るトップ3tとを備え、
    前記トップ3tと前記雄ネジ部3sとの間において前記係合片部13が係合する括れた円周状の被係合溝3eと、前記トップ3tから前記雄ネジ部3sに向かって延び前記被係合溝3eの深さと概ね同じか、それよりも大きい深さを持ち、前記円周の方向に互いに離間し前記スリット13sの数と同じ数の複数の縦溝3gとが前記アバットメント3によって定義されている。
  4. 請求項2のシステムにおいて、前記アバットメント3に近似した形状を持つレプリカ3Rを更に備え、前記レプリカ3Rは、前記フィクスチャー2にねじ込まれる雄ネジ部3sと、前記フィクスチャー2から突出し前記嵌合孔14において前記入れ歯1が嵌ることが可能なトップ3tとを備え、
    前記トップ3tと前記雄ネジ部3sとの間において前記係合片部13が係合することが可能な括れた円周状の被係合溝3eと、前記トップ3tから前記雄ネジ部3sに向かって延び前記被係合溝3eの深さと概ね同じか、それよりも大きい深さを持ち、前記円周の方向に互いに離間し前記スリット13sの数と同じ数の複数の縦溝3gとが前記アバットメントのレプリカ3Rによって定義されている。
  5. 請求項2ないし4のいずれか1項のシステムにおいて、前記係合片部13の前記端部13aが前記義歯床10に一体に連なっている。
  6. 請求項1もしくは2のシステムにおいて、前記複数の係合片部13が前記ナイロン系の熱可塑性樹脂からなる1つの係合ピース13Pで形成されている。
  7. 請求項6のシステムにおいて、前記係合ピース13Pを構成する樹脂および前記義歯床10を構成する前記樹脂とは異なる別の樹脂が前記係合ピース13Pと前記義歯床10との間に介挿されて、前記係合片部13と前記義歯床10とが互いに一体となるように継ぐための結合層19を更に備えている。
  8. 口腔組織4に埋め込まれるためのフィクスチャー2と、前記フィクスチャー2に連結され口腔内において露出する表面を有するアバットメント3と、前記アバットメント3に着脱可能に装着される入れ歯1とを備えた義歯システムの前記入れ歯1を作成するための方法であって、
    前記入れ歯1は、歯肉40に接するナイロン系の熱可塑性樹脂製の義歯床10と、前記義歯床10に支持された人工歯11と、着用中に前記アバットメント3に係合する少なくとも1つの舌片状の係合片部13とを備え、前記係合片部13はそれ自体で又は前記義歯床10と共に、前記アバットメント3の前記表面に着脱自在に嵌合するための嵌合孔14を定義しており、
    前記係合片部13はナイロン系の熱可塑性樹脂で形成され、前記アバットメント3の側面に沿って水平方向Xに延びると共に前記上下方向Zに延び前記アバットメント3の表面に接する第1面31と、前記第1面31の反対側の第2面32とを有し、
    前記義歯床10は前記第2面32に対面し、かつ、前記第2面32から離間した第3面33を有し、前記第1面31から前記第2面32に向かう方向に前記係合片部13が変形するのを許容する溝状の許容部15が前記係合片部13の前記第2面32と前記義歯床10の前記第3面33との間で定義されており、
    ここにおいて、少なくとも前記フィクスチャー2が前記口腔組織4に埋め込まれた状態で柔軟な印象材23により口腔の雌型50を生成する工程と、
    前記雌型50から前記アバットメント3の形状および前記口腔の形状を持つ雄型51を生成する工程と、
    少なくとも前記許容部15を形成する溝の形状を持つ中子70を前記雄型51における前記アバットメント3に相当する部位のまわりに装着する工程と、
    前記中子70の上端もしくは下端の端面と前記雄型51の表面との間に生じるアンダーカットとなる隙間Sを充填剤53で埋めて母型52を生成する工程と、
    前記母型52から前記樹脂製の義歯床10および係合片部13を得る工程とを備える。
  9. 請求項8の方法において、前記雌型50を生成する工程において前記フィクスチャー2に前記アバットメント3または前記アバットメント3のレプリカ3Rが装着された状態で前記雌型50を生成する。
  10. 請求項9の方法において、
    前記アバットメント3または前記レプリカ3Rには、前記フィクスチャー2から突出し前記嵌合孔14において前記入れ歯1が嵌るトップ3tの外径以上の大きさの外径で、かつ、前記フィクスチャー2の外径よりも小さい外径を持つ円筒状の外周面39が前記フィクスチャー2に接近した位置に設けられ、
    前記中子70には前記雄型51における前記円筒状の外周面に相当する部位519に接した状態で嵌合して前記中子70が前記雄型51に対して位置決めされるためのC字状または円環状の位置決め部79が形成され、
    前記装着する工程において、前記位置決め部79が前記円筒状の外周面39に相当する部位519に嵌った状態で前記中子70が前記雄型51に装着される。
  11. 請求項9の方法において、前記中子70は円筒状の円筒部72Aと、前記係合片部13,13同士の間において上下に延び前記係合片部13,13同士が互いに独立して変形するのを許容するスリット13sに相当する位置において前記円筒部72Aの内周面から前記円筒部72Aの中心に向かって延びる複数の羽根部71Aとを備え、前記羽根部71Aにより、前記義歯床10を得る工程において前記スリット13sの一部または全部が形成される。
  12. 請求項11の方法において、前記装着する工程において、前記羽根部71Aの突端が嵌り、かつ、前記中子70の装着時に前記羽根部71Aが上下に移動するのを許容するための縦溝51gが前記雄型51における前記アバットメント3の相当部位に設けられ、前記縦溝51gに沿って前記中子70の羽根部71Aを前記上下方向Zに装着する。
  13. 請求項8ないし11のいずれか1項の方法において、
    前記母型52から生成された前記義歯床10において、前記係合片部13の円周方向の両端に形成されるスリット13sとなる部位を除去する加工工程を更に備える。
  14. 請求項8の方法において、前記雄型51を生成する工程において、前記フィクスチャー2のレプリカ60が前記雄型51に埋設され前記口腔の形状を持つ前記雄型51を前記雌型50から生成し、
    前記中子70を装着する工程において、前記嵌合孔14の形状および前記許容部15を形成する溝15の形状を持つ中子70を前記レプリカ60に装着する。
  15. 請求項6の前記入れ歯1を形成するための方法であって、
    少なくとも前記フィクスチャー2が前記口腔組織4に埋め込まれた状態で口腔の雌型50を生成する工程と、
    前記雌型50から前記許容部15に対応する突部15Pの形状および前記口腔の形状を持つ雄型51を生成する工程と、
    前記雄型51から前記許容部15を形成する孔15Hの形状を持つ義歯床10を形成する工程と、
    前記係合ピース13Pと前記義歯床10とが前記許容部15において互いに離間した状態で、前記係合ピース13Pの前記上下方向Zの端部を前記義歯床10に結合させて前記許容部15を確保して前記入れ歯1を得る結合工程とを備える。
  16. 請求項1の義歯システムにおける前記係合片部13の補修方法であって、
    前記入れ歯1が患者に装着されて使用される工程と、
    前記入れ歯1が患者から取り外される工程と、
    前記取り外し後に、前記係合片部13を昇温させる工程と、
    前記昇温した状態の係合片部13を変形させて前記アバットメント3に対する前記係合片部13の嵌合状態を改善する工程と、
    前記変形された係合片部13を冷却する工程と、
    前記冷却後に前記入れ歯1を前記患者に再び装着する工程とを備えている。
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