JPWO2012114691A1 - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

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雅哲 赤松
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Abstract

プラズマディスプレイパネルの蛍光体層は、Zn2SiO4:Mn粒子を含む緑色蛍光体層を備え、Zn2SiO4:Mn粒子は、条件:Zn3p/Si2p≧2.06(1)、Zn2p/Si2p≧1.23(2)、(ここで、Zn3pは、粒子表面から10nmまでの領域におけるZn元素の3p軌道から放出される光電子の放出量、Zn2pは、粒子表面から3nmまでの領域におけるZn元素の2p軌道から放出される光電子の放出量、Si2pは、粒子表面から10nmまでの領域におけるSi元素の2p軌道から放出される光電子の放出量、である)を満足する。

Description

ここに開示された技術は、真空紫外線によって励起される蛍光体を含む蛍光体層を有するプラズマディスプレイパネルに関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと呼ぶ)における動画像品質は、赤色、緑色、青色の各色蛍光体の残光特性によって大きく左右される。蛍光体の残光時間が8msec以上あると、発光が尾を引くのが視認されるため、表示画像品質が悪化する。また、残光時間が4msec以下であると、残光が人の目に見えにくくなるため、表示画像品質が向上する。ここで、残光時間とは、蛍光体の発光強度がピークから1/10になるまでの時間を言い、以下同様とする。
PDPに用いられる蛍光体のうち緑色蛍光体では、ZnSiO:Mnや(Y,Gd)BO:Tbの残光時間が10msec以上と長い。そのため、残光時間の短い(Y,Gd)Al(BO:Tbを混合することなどが特許文献1に開示されている。しかし、ZnSiO:Mnは、赤色蛍光体や青色蛍光体と異なり負極性に帯電し易い。そのため、ZnSiO:Mnは、PDPの放電特性を悪化させ、PDPの発光効率低下の一因となっている。負帯電を改善するために、負帯電のZnSiO:Mnの表面に正帯電の酸化物を極性が正になるまで緻密に積層コーティングする方法が特許文献2に開示されている。
特開平10−195428号公報 特開平11−86735号公報
ここに開示されたPDPは、前面基板と、放電空間を介して前面基板と対向配置された背面基板と、背面基板に設けられ放電空間を複数に仕切る隔壁と、複数の隔壁間に設けられた蛍光体層と、を備える。蛍光体層は、ZnSiO:Mn粒子を含む緑色蛍光体層を有する。ZnSiO:Mn粒子は、以下の条件(1)および(2)を満足する。条件(1)は、Zn3p/Si2pが2.06と同じかそれより大きいことである。条件(2)は、Zn2p/Si2pが1.23と同じかそれより大きいことである。ここで、Zn3pは、粒子表面から10nmまでの領域におけるZn元素の3p軌道から放出される光電子の放出量、Zn2pは、粒子表面から3nmまでの領域におけるZn元素の2p軌道から放出される光電子の放出量、Si2pは、粒子表面から10nmまでの領域におけるSi元素の2p軌道から放出される光電子の放出量、である。
図1は、実施の形態1におけるPDPの要部を示す分解斜視図である。 図2は、実施の形態1におけるPDPの電極配列を表す図である。 図3は、実施の形態1におけるPDPの要部の断面を表す図である。 図4は、実施の形態1におけるZnSiO:Mn粒子表面のZnの化学結合状態をXPSで測定した結果を示す図である。
以下、ここに開示された技術にかかるPDPを備えたプラズマディスプレイ装置について、図1〜図3を用いて説明する。しかし、ここに開示された技術にかかる実施の態様はこれに限定されるものではない。
<実施の形態1>
1、PDPの構成
図1は、実施の形態1によるPDP100において、前面板1と背面板2とを分離した状態で示す分解斜視図、図2は、実施の形態1によるPDP100の電極配列を表す図、図3は前面板1と背面板2とを貼り合わせてPDP100としたときの放電セル構造を示す断面図である。
図1および図3に示すように、PDP100は、ガラス製の前面基板4と背面基板10とを、その間に放電空間3を形成するように対向配置することにより構成されている。
前面板1は、ガラス製の前面基板4上に、導電性の第1電極である走査電極5および第2電極である維持電極6が、間に放電ギャップMGを設けて互いに平行に配置された表示電極7を有している。表示電極7は、行方向に複数本配列して設けられている。走査電極5および維持電極6を覆うようにガラス材料からなる誘電体層8が形成されている。誘電体層8上にはMgOからなる保護層9が形成されている。走査電極5および維持電極6は、透明電極5a、6aと、バス電極5b、6bと、から構成されている。透明電極5a、6aは、それぞれITOなどからなる。バス電極5b、6bは、膜厚が数μm程度のAgなどの導電性金属からなり、透明電極5a、6aをそれぞれに電気的に接続している。
背面板2は、ガラス製の背面基板10上に、ガラス材料からなる絶縁体層11で覆われかつ列方向にストライプ状に配列したAgからなる複数本のデータ電極12を有している。絶縁体層11上には、前面板1と背面板2との間の放電空間3を放電セル毎に区画するためのガラス材料からなる井桁状の隔壁13が設けられている。絶縁体層11の表面および隔壁13の側面には、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の蛍光体層14R、14G、14Bが設けられている。走査電極5および維持電極6とデータ電極12とが交差するように前面板1と背面板2とが対向配置されている。図3に示すように、走査電極5および維持電極6とデータ電極12とが交差する交差部分には、放電セル15が設けられている。放電空間3には、放電ガスとして、例えばネオンとキセノンの混合ガスが封入されている。なお、PDP100の構造は上述したものに限られるわけではなく、例えばストライプ状の隔壁を備えたものであってもよい。
ここで、図3に示すように、放電セル15を形成する井桁形状の隔壁13は、データ電極12に平行に形成された縦隔壁13aと、この縦隔壁13aに直交するように形成した横隔壁13bとから構成されている。また、この隔壁13内に塗布して形成される蛍光体層14R、14G、14Bは、縦隔壁13aに沿ってストライプ状に青色蛍光体層14B、赤色蛍光体層14R、緑色蛍光体層14Gの順に配列して形成されている。青色蛍光体層14B、赤色蛍光体層14R、緑色蛍光体層14Gをまとめて蛍光体層14と記す。
図2は、図1、図3に示すPDP100の電極配列図である。図2に示すように、行方向に長いn本の走査電極Y1、Y2、Y3・・・Yn(図1の5)およびn本の維持電極X1、X2、X3・・・Xn(図1の6)が配列されている。そして、列方向に長いm本のデータ電極A1・・・Am(図1の12)が配列されている。さらに、1対の走査電極Y1および維持電極X1と1つのデータ電極A1とが交差した部分に放電セル15が形成され、放電セル15は放電空間3内にm×n個形成されている。また、走査電極Y1および維持電極X1は、図2に示すように、走査電極Y1−維持電極X1−維持電極X2−走査電極Y2・・・・の配列で繰り返すパターンで、前面板1に形成されている。そしてこれらの電極のそれぞれは、前面板1、背面板2の画像表示領域外の周辺端部に設けられた接続端子それぞれに接続されている。そしてこれらの電極のそれぞれは、前面板1、背面板2の画像表示領域外の周辺端部に設けられた接続端子それぞれに接続されている。
2、PDPの製造方法
2−1、前面板の製造方法
フォトリソグラフィ法によって、前面基板4上に、走査電極5および維持電極6が形成される。走査電極5は、インジウム錫酸化物(ITO)などの透明電極5aと、透明電極5aに積層された銀(Ag)などからなるバス電極5bとから構成されている。維持電極6は、ITOなどの透明電極6aと、透明電極6aに積層されたAgなどからなるバス電極6bとから構成されている。バス電極5b、6bの材料には、銀(Ag)と銀を結着させるためのガラスフリットと感光性樹脂と溶剤などを含む電極ペーストが用いられる。
まず、スクリーン印刷法などによって、電極ペーストが、透明電極5a、6aが形成された前面基板4に塗布される。次に、乾燥炉によって、電極ペースト中の溶剤が除去される。次に、所定のパターンのフォトマスクを介して、電極ペーストが露光される。次に、電極ペーストが現像され、バス電極パターンが形成される。最後に、焼成炉によって、バス電極パターンが所定の温度で焼成される。つまり、電極パターン中の感光性樹脂が除去される。また、電極パターン中のガラスフリットが溶融する。その後、室温まで冷却することにより、溶融していたガラスフリットが、ガラス化する。以上の工程によって、バス電極5b、6bが形成される。ここで、電極ペーストをスクリーン印刷する方法以外にも、スパッタ法、蒸着法などを用いることができる。
次に、誘電体層8が形成される。誘電体層8の材料には、誘電体ガラスフリットと樹脂と溶剤などを含む誘電体ペーストが用いられる。たとえば、誘電体層8は、膜厚が約40μmの酸化ビスマス(Bi)系低融点ガラスまたは酸化亜鉛(ZnO)系低融点ガラスで形成されている。
まずダイコート法などによって、誘電体ペーストが所定の厚みで走査電極5、維持電極6を覆うように前面基板4上に塗布される。次に、乾燥炉によって、誘電体ペースト中の溶剤が除去される。最後に、焼成炉によって、誘電体ペーストが所定の温度で焼成される。つまり、誘電体ペースト中の樹脂が除去される。また、誘電体ガラスフリットが溶融する。その後、室温まで冷却することにより、溶融していた誘電体ガラスフリットが、ガラス化する。以上の工程によって、誘電体層8が形成される。ここで、誘電体ペーストをダイコートする方法以外にも、スクリーン印刷法、スピンコート法などを用いることができる。また、誘電体ペーストを用いずに、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などによって、誘電体層8となる膜を形成することもできる。
次に、誘電体層8上に保護層9が形成される。保護層9は、膜厚が約0.8μmの酸化マグネシウム(MgO)を主体とするアルカリ土類金属酸化物からなる薄膜層であり、誘電体層8をイオンスパッタから保護するとともに放電開始電圧などの放電特性を安定させるために設けられている。
以上の工程により前面基板4上に走査電極5、維持電極6、誘電体層8および保護層9を有する前面板1が完成する。
2−2、背面板の製造方法
フォトリソグラフィ法によって、背面基板10上に、データ電極12が形成される。データ電極12の材料には、導電性を確保するための銀(Ag)と銀を結着させるためのガラスフリットと感光性樹脂と溶剤などを含むデータ電極ペーストが用いられる。
まず、スクリーン印刷法などによって、データ電極ペーストが所定の厚みで背面基板10上に塗布される。次に、乾燥炉によって、データ電極ペースト中の溶剤が除去される。次に、所定のパターンのフォトマスクを介して、データ電極ペーストが露光される。次に、データ電極ペーストが現像され、データ電極パターンが形成される。最後に、焼成炉によって、データ電極パターンが所定の温度で焼成される。つまり、データ電極パターン中の感光性樹脂が除去される。また、データ電極パターン中のガラスフリットが溶融する。その後、室温まで冷却することにより、溶融していたガラスフリットが、ガラス化する。以上の工程によって、データ電極12が形成される。ここで、データ電極ペーストをスクリーン印刷する方法以外にも、スパッタ法、蒸着法などを用いることができる。
次に、絶縁体層11が形成される。絶縁体層11の材料には、絶縁体ガラスフリットと樹脂と溶剤などを含む絶縁体ペーストが用いられる。例えば、絶縁体層11は、誘電体層8と同様の酸化ビスマス(Bi)系低融点ガラスなどであってもよいが、可視光反射層としての働きも兼ねるように酸化チタン(TiO)粒子を混合した材料であってもよい。
まず、スクリーン印刷法などによって、絶縁体ペーストが所定の厚みでデータ電極12が形成された背面基板10上にデータ電極12を覆うように塗布される。次に、乾燥炉によって、絶縁体ペースト中の溶剤が除去される。最後に、焼成炉によって、絶縁体ペーストが所定の温度で焼成される。つまり、絶縁体ペースト中の樹脂が除去される。また、絶縁体ガラスフリットが溶融する。その後、室温まで冷却することにより、溶融していた絶縁体ガラスフリットが、ガラス化する。以上の工程によって、絶縁体層11が形成される。ここで、絶縁体ペーストをスクリーン印刷する方法以外にも、ダイコート法、スピンコート法などを用いることができる。また、絶縁体ペーストを用いずに、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などによって、絶縁体層11となる膜を形成することもできる。
次に、フォトリソグラフィ法によって、隔壁13が形成される。隔壁13の材料には、フィラーと、フィラーを結着させるためのガラスフリットと、感光性樹脂と、溶剤などを含む隔壁ペーストが用いられる。まず、ダイコート法などによって、隔壁ペーストが所定の厚みで絶縁体層11上に塗布される。次に、乾燥炉によって、隔壁ペースト中の溶剤が除去される。
次に、所定のパターンのフォトマスクを介して、隔壁ペーストが露光される。次に、隔壁ペーストが現像され、隔壁パターンが形成される。最後に、焼成炉によって、隔壁パターンが所定の温度で焼成される。つまり、隔壁パターン中の感光性樹脂が除去される。また、隔壁パターン中のガラスフリットが溶融する。その後、室温まで冷却することにより、溶融していたガラスフリットが、ガラス化する。以上の工程によって、隔壁13が形成される。ここで、フォトリソグラフィ法以外にも、サンドブラスト法などを用いることができる。
隔壁13は、例えば低融点ガラス材料を用いて約0.12mmの高さに形成されている。また、実施の形態1では、画面サイズが42インチクラスのフルハイビジョンテレビに合わせて、隔壁13の高さは0.1mm〜0.15mm、また隣接する隔壁13のピッチは0.15mmとしている。なお、PDP100の構造は上述したものに限られるわけではなく、隔壁13の形状がストライプ状であってもよい。
次に、蛍光体層14が形成される。蛍光体層14の材料には、蛍光体粒子とバインダと溶剤などとを含む蛍光体ペーストが用いられる。まず、ディスペンス法などによって、蛍光体ペーストが所定の厚みで隣接する複数の隔壁13間の絶縁体層11上および隔壁13の側面に塗布される。次に、乾燥炉によって、蛍光体ペースト中の溶剤が除去される。最後に、焼成炉によって、蛍光体ペーストが所定の温度で焼成される。つまり、蛍光体ペースト中の樹脂が除去される。以上の工程によって、蛍光体層14が形成される。ここで、ディスペンス法以外にも、スクリーン印刷法などを用いることができる。
以上の工程により、背面基板10上に、データ電極12、絶縁体層11、隔壁13および蛍光体層14を有する背面板2が完成する。
2−3、前面板と背面板との組立方法
まず、ディスペンス法などによって、背面板2の周囲に封着ペーストが塗布される。塗布された封着ペーストは、封着ペースト層(図示せず)を形成する。次に乾燥炉によって、封着ペースト層中の溶剤が除去される。その後、封着ペースト層は、約350℃の温度で仮焼成される。仮焼成によって、封着ペースト層中の樹脂成分などが除去される。次に、表示電極とデータ電極12とが直交するように、前面板1と背面板2とが対向配置される。さらに、前面板1と背面板2の周縁部が、クリップなどにより押圧した状態で保持される。この状態で、所定の温度で焼成することにより、低融点ガラス材料が溶融する。その後、室温まで冷却することにより、溶融していた低融点ガラス材料がガラス化する。これにより、前面板1と背面板2とが気密封着される。最後に、放電空間3にNe、Xeなどを含む放電ガスが封入される。封入する放電ガスの組成は、従来から用いられているNe−Xe系であるが、Xeの含有量を5体積%以上に設定し、封入圧力は55kPa〜80kPaの範囲に設定する。これによりPDP100が完成する。
3、蛍光体材料の構成とその製造方法
次に、各色の蛍光体材料と蛍光体材料の製造方法について説明する。実施の形態1において、蛍光体材料は固相反応法により製造されたものを用いている。
3−1、青色蛍光体の構成とその製造方法
まず青色蛍光体材料について説明する。実施の形態1では、青色蛍光体層14Bとして、残光時間の短いBaMgAl1017:Euの青色蛍光体材料を用いている。青色蛍光体材料であるBaMgAl1017:Euは以下の方法で作製する。
炭酸バリウム(BaCO)と炭酸マグネシウム(MgCO)と酸化アルミニウム(Al)と酸化ユーロピウム(Eu)とを蛍光体組成に合うように混合する。この混合物を空気中において800℃〜1200℃で焼成し、さらに水素と窒素を含む混合ガス雰囲気において1200℃〜1400℃で焼成して作製する。
3−2、赤色蛍光体の構成とその製造方法
次に赤色蛍光体材料について説明する。実施の形態1では、赤色蛍光体層14Rとして、(Y,Gd)(P,V)O:Eu蛍光体またはY:Eu蛍光体の少なくとも一つを含む赤色蛍光体材料を用いている。赤色蛍光体材料である(Y,Gd)(P,V)O:Eu蛍光体またはY:Eu蛍光体は以下の方法で作製する。酸化イットリウム(Y)、酸化ガドリミウム(Gd)、酸化バナジウム(V)、5酸化リン(P)と酸化ユーロピウム(EuO)とを蛍光体組成に合うように混合する。この混合物を空気中において600℃〜800℃で焼成し、さらに酸素と窒素を含む混合ガス雰囲気において1000℃〜1200℃で焼成して作製する。
3−3、緑色蛍光体とその製造方法
3−3−1、緑色蛍光体
まず、緑色蛍光体材料について説明する。実施の形態1では、緑色蛍光体層14Gとして、ZnSiO:Mnを含む緑色蛍光体材料を用いている。ZnSiO:Mn粒子は、Zn3p/Si2pが2.06と同じかそれより大きく、Zn2p/Si2pが1.23と同じかそれより大きいことを特徴としている。
ここで、Zn3p/Si2pは、粒子表面から10nmまでの領域におけるSi元素に対する、粒子表面から10nmまでの領域におけるZn元素の存在比(原子数比)を示している。また、Zn2p/Si2pは、粒子表面から10nmまでの領域におけるSi元素に対する、粒子表面から3nmまでの領域におけるZn元素の存在比(原子数比)を示している。
Zn3p、Si2p、Zn2pの値は、それぞれZn元素の3p軌道、Si元素の2p軌道、Zn元素の2p軌道から放出される光電子の放出量であり、XPS(X−ray Photoelectron Spectroscopyの略)装置で測定することができる。XPSは、X線光電子分光分析と呼ばれ、物質の表面から約10nm以下の化学組成および化学結合状態を分析することができる。
Zn3pの値は、ZnSiO:Mn粒子の粒子表面から10nmまでの領域におけるZn元素の3p軌道から放出される光電子の放出量である。ここでは、Zn3p軌道の光電子放出量は、粒子表面から10nmまでの領域における構成元素中のZn元素の存在比率(原子数比率)として表わされる。
Si2pの値は、ZnSiO:Mn粒子の粒子表面から10nmまでの領域におけるSi元素の2p軌道から放出される光電子の放出量である。ここでは、Si2p軌道の光電子放出量は、粒子表面から10nmまでの領域における構成元素中のSi元素の存在比率(原子数比率)として表わされる。
Zn2pの値は、ZnSiO:Mnの粒子表面から3nmまでの領域におけるZn元素の2p軌道から放出される光電子の放出量である。ここでは、Zn2p軌道の光電子放出量は、粒子表面から3nmまでの領域における構成元素中のZn元素の存在比率(原子数比率)として表わされる。
3−3−2、緑色蛍光体の製造方法
次に、実施の形態1における緑色蛍光体の製造方法について詳しく説明する。ZnSiO:Mnは、従来の固相反応法や液相法や液体噴霧法を用いて作製する。固相反応法は酸化物や炭酸化物原料とフラックスを焼成して作製する方法である。また、液相法は、有機金属塩や硝酸塩を水溶液中で加水分解し、必要に応じてアルカリなどを加えて沈殿させて生成した蛍光体材料の前駆体を熱処理して作製する方法である。
さらに、液体噴霧法は、蛍光体材料の原料が入った水溶液を加熱された炉中に噴霧して作製する方法である。実施の形態1で使用するZnSiO:Mnは、特に作製方法に影響を受けるものではないが、ここでは一例として固相反応法による製法について述べる。
はじめに原料混合であるが、原料としては酸化亜鉛、酸化珪素、炭酸マンガン(MnCO)を用いる。また、上述のように、炭酸マンガンを用いる方法と同様に水酸化マンガン、硝酸マンガン、ハロゲン化マンガン、シュウ酸マンガン等を初期の材料に用い、これらを製造過程における焼成工程(後に詳細に説明する)を経ることにより、間接的に酸化マンガンを得る方法がある。また、直接的に酸化マンガンを使用しても構わない。
ZnSiO:Mnにおける亜鉛供給源となる材料として(以下、「Zn材」という。)、高純度の(純度99%以上)の酸化亜鉛を用いる。また、上述のように、酸化亜鉛を直接用いる方法以外に、高純度(純度99%以上)の水酸化亜鉛、炭酸亜鉛、硝酸亜鉛、ハロゲン化亜鉛、シュウ酸亜鉛等を初期の材料に用い、これらを製造過程における焼成工程(後に詳細に説明する)を経ることにより、間接的に上記酸化亜鉛を得る方法であっても構わない。
ZnSiO:Mnにおける珪素供給源となる材料(以下、「Si材」という。)としては、高純度(純度99%以上)の二酸化珪素を用いることができる。また、珪酸エチルなどの珪素アルコキシド化合物を加水分解して得られる珪素の水酸化物を用いてもよい。
具体的な緑色蛍光体の材料の配合の一例として0.16molのMnCOと、1.80molのZnOと、1.00molのSiOとを混合している。Mn材、Zn材およびSi材の混合には、工業的に通常用いられるV型混合機、攪拌機等を用いることができ、また、粉砕機能を有したボールミル、振動ミル、ジェットミル等も用いることができる。以上のようにして、緑色蛍光体材料の混合粉が得られる。
次に焼成工程について説明する。蛍光体材料の混合粉を大気雰囲気中において、焼成開始後6時間程度で最高温度1200℃にし、この最高温度を維持して4時間焼成を行う。その後、通常行なわれる大気雰囲気中で約12時間かけて降温させる。なお、焼成時の雰囲気は、大気雰囲気に限るものではなく、窒素雰囲気中、窒素と水素の混合雰囲気中でもよい。また、最高温度は、1100℃〜1350℃の間が好ましいが、最高温度維持時間や昇温時間や降温時間などは適宜変更しても問題ない。
3−3−3、緑色蛍光体の粒子表面のZn比率を調整する方法
次に、緑色蛍光体の蛍光体粒子表面のZn比率を調整する方法について説明する。前記の方法で得られた焼成後のZnSiO:Mn粉体を硝酸亜鉛が溶解した水溶液中に入れ、攪拌する。
この時、Zn元素換算において、水溶液中の硝酸亜鉛の重量パーセント濃度(wt%)は、水溶液中のZnSiO:Mn粉体の重量パーセント濃度(wt%)に対して、100ppmかそれより大きくする必要がある。つまり、Zn元素換算において、水溶液中の亜鉛イオン(Zn2+)の重量は、水溶液中のZnSiO:Mn粉体の重量に対して、100ppmかそれより大きくする必要がある。
次に、硝酸亜鉛水溶液中に焼成後のZnSiO:Mn粉体が十分に分散した状態で、アンモニア水を水溶液のpHが8と同じかそれより大きく、11と同じかそれより小さい範囲になるまで加える。この混合液を濾過、乾燥する。その後、この乾燥物(すなわち濾物)を500℃と同じかそれより高い温度で焼成する。この方法で作成したZnSiO:Mnは、従来の手法で製造したZnSiO:Mnよりも蛍光体粒子表面から10nmまでの領域におけるZn存在比率が非常に高い蛍光体を作成することができる。
なお、実施の形態1では、硝酸亜鉛が溶解した水溶液が用いられたが、これに限られるものではない。亜鉛塩が溶解した水溶液、つまり、水溶液に亜鉛イオン(Zn2+)が含まれていればよく、例えば、硫酸亜鉛であってもよい。また、実施の形態1では、アンモニア水が用いられたが、アルカリ性の水溶液であればよく、例えば、水酸化ナトリウム水溶液などであってもよい。但し、焼成後に他の金属イオン(Naなど)が残存しないことが好ましい。また、実施の形態1では、水溶液のpHが8と同じかそれより大きく、11と同じかそれより小さい範囲になるまでアンモニア水を加えたが、水溶液のpHが8より小さくなると、または、11より大きくなると所望の蛍光体が得られない。より迅速かつ確実にZnSiO:Mn粒子の表面を調整できるので、水溶液のpHは9と同じかそれより大きく、10と同じかそれより小さい範囲であることが好ましい。より迅速かつ確実にZnSiO:Mn粒子の表面を調整できるからである。
図4は、実施の形態1における製造方法で作製したZnSiO:Mnと従来手法で作製したZnSiO:Mnとの蛍光体粒子表面から10nmまでの領域におけるZnの化学結合状態を比較した図である。なお、実施の形態1における製造方法で作製したZnSiO:Mnは粒子表面のZn比率が調整されている。一方、従来手法で作製したZnSiO:Mnは、粒子表面のZn比率が調整されていない。
図4に示すように、横軸は、Znと隣接元素との化学結合エネルギーを示し、縦軸はXPS装置で測定したZn2pの強度(a.u.)を示す。図4に示すように、スペクトルのZn2pの強度(a.u.)のピーク位置により、ZnSiO:Mn粒子の粒子表面のZnの化学結合状態がわかる。また、▲は、実施の形態1における製造方法で作製した実施例品1のZnSiO:Mn粒子のZnの化学結合状態を示している。そして、□は、従来手法で作製したZnSiO:Mn粒子の粒子表面のZnの化学結合状態を示している。点線は、酸化亜鉛(ZnO)の粒子表面におけるZnの化学結合状態を示している。
図4に示すように、実施の形態1における製造方法で作製したZnSiO:Mn粒子は、従来手法で作製したZnSiO:Mn粒子とZn2pのピーク位置が一致している。つまり、実施の形態1における製造方法で作製したZnSiO:Mn粒子は、粒子表面から10nmまでの領域において、従来手法で作製したZnSiO:Mn粒子と同様の化学結合状態でZnが存在していることが確認できる。
さらに、Znの存在比率が調整されたZnSiO:Mnを用いて次のような評価実験を行った。
4、実機評価試験結果
実施の形態1におけるZnSiO:Mnを含む緑色蛍光体層14Gを備えたPDP100の実機評価結果を表1に示した。表1には、比較例品1と実施例品1〜11についてのパネル性能を調べるため、相対輝度と輝度維持率と放電開始電圧の3項目について評価した結果を示している。なお、比較例品1とは、従来手法で作製したZnSiO:Mnを含む緑色蛍光体層を備えたPDPである。
そして、実施例品1〜11は、蛍光体粒子表面のZnの存在比率がそれぞれ調整されたZnSiO:Mnを備えたPDP100である。つまり、実施例品1〜11は、製造条件によって、Zn3p/Si2p及びZn2p/Si2pを異ならせたものである。さらに、各実機における蛍光体の製造条件と表面組成についても示している。Zn後処理量(ppm)とは、製造工程でのZn元素換算におけるZnSiO:Mn粉体の重量パーセント濃度(wt%)に対する硝酸亜鉛の重量パーセント濃度(wt%)を示している。そして、熱処理温度とは硝酸亜鉛を加えた後の焼成工程における濾物の焼成温度を示している。
また、Zn3p/Si2pおよびZn2p/Si2pは、各製造条件で作製されたZnSiO:Mnにおいてのそれぞれの存在比率を示している。
4−1、輝度評価
上記の緑色蛍光体を用いて緑色蛍光体層14Gを形成したPDP100を作製する。このPDP100に駆動回路などを接続してPDP装置を作製する。このPDP装置において緑色蛍光体層14Gのみを発光させて初期輝度を測定した。なお、比較品1の初期輝度を100とした時の相対値でそれぞれの実施例品の初期輝度を示している。
4−2、輝度寿命
輝度寿命評価をおこなうために、輝度維持率を算出する。輝度維持率は、各PDP装置において、緑色を連続して1000時間点灯させた後の輝度を測定し、初期点灯時の輝度からの輝度維持率を算出することで示される。
4−3、駆動電圧評価
駆動電圧の評価をおこなうために、放電開始電圧特性を評価する。放電開始電圧特性は、上記PDP装置におけるアドレス放電後の放電セル15において、維持放電が生じるのに必要な維持電極間の電圧差を放電開始電圧として測定される。なお、表1において、比較品1の放電開始電圧と各実施例品の放電開始電圧との差を示している。
4−4、各試験対象品の仕様および性能評価結果
Figure 2012114691
表1に示すように、実施例品1〜11は、いずれもZn3p/Si2pが2.06と同じかそれより大きく、かつ、Zn2p/Si2pが1.23と同じかそれより大きい。これら実施例品1〜11において、相対輝度は比較例品1とほぼ同等かそれより大きい。また、実施例品1〜9において、いずれも1000時間点灯後の輝度維持率が、比較品1より大きい。さらに、放電開始電圧が比較品1よりも低く、長寿命、低消費電力のPDP装置の実現が可能となる。
この時、Zn後処理量は、100ppmかそれより大きくする必要がある。Zn後処理量を100ppmかそれより大きくにすることで、パネル性能を向上させることができるためである。
また、実施例品1〜11のうち、Zn2p/Si2pが1.23と同じかそれより大きく、2.00と同じかそれより小さい実施例品1〜9において、比較品1に対する相対輝度が100%と同じかそれより大きく、より高輝度のPDP装置を実現することが可能となる。
したがって、ZnSiO:MnのZn3p/Si2pが2.06と同じかそれより大きく、かつ、Zn2p/Si2pが1.23と同じかそれより大きく、2.00と同じかそれより小さい場合、長寿命、低消費電力、高輝度のPDP100の実現が可能となる。
なお、PDP100のパネル性能上、Zn後処理量は、1000ppmと同じかそれより大きいことが好ましい。特に放電開始電圧において、比較品1と比べて優れているからである。また、Zn後処理量は、50000ppmと同じかそれより小さいことが好ましいと考えられる。相対輝度の低下が考えられるからである。PDP100のパネル性能上、さらに好ましくは、Zn後処理量が20000ppmと同じかそれより小さく、熱処理温度が550℃と同じかそれより高いことである。それは、比較品1と比べて、相対輝度を低下させずに輝度維持率の向上と放電開始電圧の低下を実現できるからである。熱処理温度は、400℃と同じかそれより高く、700℃と同じかそれより低い温度であることが好ましく、より好ましくは、500℃と同じかそれより高く、600℃と同じかそれより低い温度であることである。さらに好ましくは、550℃と同じかそれより高く、600℃と同じかそれより低い温度であることである。
また、PDP100のパネル性能上、Zn3p/Si2pは、3.30と同じかそれより小さいことが好ましいと考える。相対輝度の低下が考えられるからである。また、Zn2p/Si2pは、2.00と同じかそれより小さいことが好ましい。それは、比較品1と比べて、相対輝度を低下させずに輝度維持率の向上と放電開始電圧の低下を実現できるからである。PDP100のパネル性能上、さらに好ましくは、Zn3p/Si2pが2.50と同じかそれより大きく、かつ、Zn2p/Si2pが1.50と同じかそれより大きいことである。それは、特に放電開始電圧において、比較品1と比べて優れているからである。
5、実施の形態1のまとめ
従来、ZnSiO:Mn(残光時間:通常8〜14msec)に(Y,Gd)Al(BO:Tbを混合しても色域が狭くなる上、残光時間を4msecより短くすることができないという課題があった。また、ZnSiO:Mnの表面が正帯電の酸化物でコーティングされても、PDP100内へコーティング成分由来の不純ガスが混入し、パネル初期輝度低下の抑制に対して十分な効果が得られないという課題があった。
そこで、ここに開示された技術は、上記課題を解決して、緑色発光の高輝度、長寿命化及び駆動電圧を低減したPDPを提供することを目的としている。
上記課題を解決する技術の一つとして、上記実施の形態1を説明した。以下、実施の形態1において特徴的な部分を列記する。なお、ここに開示される技術は、以下に限定されるものではない。なお、各構成の後ろに括弧で記載したものは、各構成の具体例である。各構成はこれらの具体例に限定されるものではない。
(A)
実施の形態1に開示されたPDP(100)は、前面基板(4)と、放電空間(3)を介して前面基板(4)と対向配置された背面基板(10)と、背面基板(10)に設けられ放電空間(3)を複数に仕切る隔壁(13)と、複数の隔壁(13)間に設けられた蛍光体層(14)と、を備える。蛍光体層(14)は、ZnSiO:Mn粒子を含む緑色蛍光体層(14G)を有する。ZnSiO:Mn粒子は、以下の条件(1)および(2)を満足する。条件(1)は、Zn3p/Si2pが2.06と同じかそれより大きいことである。条件(2)は、Zn2p/Si2pが1.23と同じかそれより大きいことである。ここで、Zn3pは、ZnSiO:Mn粒子の粒子表面から10nmまでの領域におけるZn元素の3p軌道から放出される光電子の放出量である。Zn2pは、ZnSiO:Mn粒子の粒子表面から3nmまでの領域におけるZn元素の2p軌道から放出される光電子の放出量である。Si2pは、ZnSiO:Mn粒子の粒子表面から10nmまでの領域におけるSi元素の2p軌道から放出される光電子の放出量である。
これにより、PDP(100)の駆動電圧を低下させ、更に連続点灯時の発光効率の低下を抑制した低消費電力かつ長寿命のPDP(100)を実現することができる。
(B)
上記(A)に記載のPDP(100)であって、ZnSiO:Mn粒子は、さらに条件(3)を満足する。条件(3)は、Zn3p/Si2pが3.30と同じかそれより小さいことである。
これにより、高輝度、高発光効率なPDP(100)を実現することができる。
(C)
上記(A)または(B)に記載のPDP(100)であって、ZnSiO:Mn粒子は、さらに条件(4)を満足する。条件(4)は、Zn2p/Si2pが2.00と同じかそれより小さいことである。
これにより、より高輝度、高発光効率、長寿命なPDP(100)を実現することができる。
(D)
上記(C)に記載のPDP(100)であって、ZnSiO:Mn粒子は、さらに以下の条件(5)および(6)を満足する。条件(5)は、Zn3p/Si2pが2.50と同じかそれより大きいことである。条件(6)は、Zn2p/Si2pが1.50と同じかそれより大きいことである。
これにより、さらに高輝度、高発光効率、長寿命なPDP(100)を実現することができる。
(E)
ここに開示されたプラズマディスプレイ装置は、上記(A)または(B)に記載のPDP(100)を備えている。
これにより、プラズマディスプレイ装置の駆動電圧を低下させ、更に連続点灯時の発光効率の低下を抑制した低消費電力かつ長寿命のプラズマディスプレイ装置を実現することができる。
(F)
ここに開示されたプラズマディスプレイ装置は、上記(C)に記載のPDP(100)を備えている。
これにより、より高輝度、高発光効率、長寿命なプラズマディスプレイ装置を実現することができる。
(G)
ここに開示されたPDP(100)の製造方法は、ZnSiO:Mn粒子を含む緑色蛍光体層(14G)を備えたPDP(100)の製造方法であって、ZnSiO:Mn粉体と亜鉛塩とを含む水溶液は、pHが8と同じかそれより大きく、11と同じかそれより小さいこと、を備えている。この水溶液は、Zn元素換算において、ZnSiO:Mn粉体重量パーセント濃度に対する亜鉛塩の重量パーセント濃度が100ppmと同じかそれより大きいことである。
これにより、駆動電圧を低下させ、更に連続点灯時の発光効率の低下を抑制した低消費電力かつ長寿命のPDP(100)を実現することができる。
(H)
上記(G)に記載のPDP(100)の製造方法は、水溶液が、Zn元素換算におけるZnSiO:Mn粉体の重量パーセント濃度に対する亜鉛塩の重量パーセント濃度が3000ppmと同じかそれより大きいこと、を備えている。
これにより、より高輝度、高発光効率、長寿命なPDP(100)を実現することができる。
(I)
上記(G)または(H)のいずれか一項に記載のPDP(100)の製造方法は、水溶液は、さらにアルカリ性溶液を含むこと、を備えている。
これにより、より高輝度、高発光効率、長寿命なPDP(100)を実現することができる。
(J)
上記(I)に記載のPDP(100)の製造方法は、さらに水溶液の濾物の焼成温度は、400℃と同じかそれより高いこと、を備えている。
これにより、より高輝度、高発光効率、長寿命なPDP(100)を実現することができる。
(K)
上記(G)または(H)に記載のPDP(100)の製造方法は、亜鉛塩が、硝酸亜鉛であること、を備えている。
(L)
上記(I)に記載のPDP(100)の製造方法は、アルカリ性溶液が、アンモニア水であること、を備えている。
(M)
ここに開示されたPDP(100)の製造方法は、ZnSiO:Mn粒子を含む緑色蛍光体層(14G)を備えたPDP(100)の製造方法であって、ZnSiO:Mn粉体と、Zn元素換算におけるZnSiO:Mn粉体の重量パーセント濃度に対する硝酸亜鉛の重量パーセント濃度が100ppmと同じかそれより大きい水溶液と、が混合され、混合された水溶液と、アンモニア水と、がpH8と同じかそれより大きく、11と同じかそれより小さくなるように混合されること、を備えている。
これにより、より高輝度、高発光効率、長寿命なPDP(100)を実現することができる。
(N)
上記(M)に記載のPDP(100)の製造方法は、さらに混合された水溶液の濾物が、400℃と同じかそれより高い温度で焼成されること、を備えている。
これにより、より高輝度、高発光効率、長寿命なPDP(100)を実現することができる。
本発明ここに開示された技術は、長寿命、低消費電力、高輝度のPDP装置を実現することができ、大画面の表示デバイスなどに有用である。
1 前面板
2 背面板
3 放電空間
4 前面基板
5 走査電極
6 維持電極
8 誘電体層
9 保護層
10 背面基板
11 絶縁体層
12 データ電極
13 隔壁
13a 縦隔壁
13b 横隔壁
14 蛍光体層
14R 赤色蛍光体層
14G 緑色蛍光体層
14B 青色蛍光体層
15 放電セル

Claims (12)

  1. 前面基板と、
    放電空間を介して前記前面基板と対向配置される背面基板と、
    前記背面基板に設けられ前記放電空間を複数に仕切る隔壁と、
    前記複数の隔壁間に設けられた蛍光体層と、を備え、
    前記蛍光体層は、ZnSiO:Mn粒子を含む緑色蛍光体層を有し、
    前記ZnSiO:Mn粒子は、以下の条件(1)および(2):
    Zn3p/Si2p≧2.06・・・(1)
    Zn2p/Si2p≧1.23・・・(2)
    ここで、
    Zn3p:粒子表面から10nmまでの領域におけるZn元素の3p軌道から放出される光電子の放出量、
    Zn2p:粒子表面から3nmまでの領域におけるZn元素の2p軌道から放出される光電子の放出量、
    Si2p:粒子表面から10nmまでの領域におけるSi元素の2p軌道から放出される光電子の放出量
    を満足する、プラズマディスプレイパネル。
  2. 前記ZnSiO:Mn粒子は、さらに以下の条件(3):
    3.30≧Zn3p/Si2p・・・(3)
    を満足する、請求項1記載のプラズマディスプレイパネル。
  3. 前記ZnSiO:Mn粒子は、さらに以下の条件(4):
    2.00≧Zn2p/Si2p・・・(4)
    を満足する、請求項1または2に記載のプラズマディスプレイパネル。
  4. 前記ZnSiO:Mn粒子は、さらに以下の条件(5)および(6):
    Zn3p/Si2p≧2.50・・・(5)
    Zn2p/Si2p≧1.50・・・(6)
    を満足する、請求項3に記載のプラズマディスプレイパネル。
  5. ZnSiO:Mn粒子を含む緑色蛍光体層を備えたプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
    ZnSiO:Mn粉体と亜鉛塩とを含む水溶液のpHが、8と同じかそれより大きく、11と同じかそれより小さいこと、を備え、
    前記水溶液は、Zn元素換算において、前記ZnSiO:Mn粉体の重量パーセント濃度に対する前記亜鉛塩の重量パーセント濃度が100ppmと同じかそれより高い、
    プラズマディスプレイパネルの製造方法。
  6. 前記水溶液は、Zn元素換算において、前記ZnSiO:Mn粉体の重量パーセント濃度に対する前記亜鉛塩の重量パーセント濃度が3000ppmと同じかそれより高いであること、を備えた、
    請求項5に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  7. 前記水溶液は、さらにアルカリ性溶液を含むこと、を備えた、
    請求項5または6に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  8. さらに前記水溶液の濾物の焼成温度は、400℃と同じかそれより高いことであること、を備えた、
    請求項7に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  9. 前記亜鉛塩は、硝酸亜鉛であること、を備えた、
    請求項5または6に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  10. 前記アルカリ性溶液は、アンモニア水であること、を備えた、
    請求項7に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  11. ZnSiO:Mn粒子を含む緑色蛍光体層を備えたプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
    前記ZnSiO:Mn粉体と、Zn元素換算における前記ZnSiO:Mn粉体の重量パーセント濃度に対する硝酸亜鉛の重量パーセント濃度が100ppmと同じかそれより高い水溶液と、が混合され、
    混合された水溶液とアンモニア水とが、pHが8と同じかそれより大きく、11と同じかそれより小さくなるように混合されること、を備えた、
    プラズマディスプイパネルの製造方法。
  12. さらに前記水溶液の濾物が、400℃と同じかそれより高い温度で焼成されること、を備えた、
    請求項11に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
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