JPWO2012104910A1 - 電力開閉装置の動作時間予測装置および方法 - Google Patents

電力開閉装置の動作時間予測装置および方法 Download PDF

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Abstract

電力開閉装置が使用される周囲温度の変化や、装置の経時変化等に伴って、高精度かつ安定的に動作特性パラメータを推定することが困難な条件下においても、計算量を増大させずに安定的に動作特性パラメータを推定し、動作時間予測精度の高い装置を提供する。電力開閉装置の動作時間予測装置において、動作特定パラメータ推定手段に用いる動作履歴データとして、近傍動作履歴データ抽出手段によって、現在の動作環境条件の近傍の動作履歴データのみを抽出して入力することにより、動作時間の予測精度を向上させることができる。

Description

この発明は、遮断器等の電力開閉装置における動作時間予測装置および方法に関するものである。
遮断器等の電力開閉装置においては、動作時間を予測して制御するための動作時間予測装置が知られている。例えば特許文献1には、遮断器等の電力開閉装置における動作時間予測装置およびその方法として、遮断器が開極または閉極を行う際に動作時間および環境条件を記憶し、その履歴を関数近似することで動作特性パラメータを推定し、推定された動作特性パラメータと現在の環境条件から次回の動作時間を予測するものが開示されている。
一方、遮断器にて一般的に使用されているSF6ガスは、低温領域にて凝固する性質があるために、開閉極に要する動作時間が大きく変動する。
また、遮断器には接点摩耗などによる経時変化により動作時間が徐々に変化することや、正規分布に従う動作時間のばらつき量が存在することが知られている。さらに、それら経時変化率やばらつき量には、個体差があることも知られている。
特開2009−238673号公報 特開2000−11824号公報
しかしながら、上記のような従来の電力開閉装置における動作時間予測装置およびその方法が備える動作特性パラメータ推定機構においては、周囲温度の変化や、経時変化等に応じて、計算量を増大させずに安定的に動作特性パラメータを推定することは困難であるという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、従来方法では高精度かつ安定的に動作特性パラメータを推定することが困難な条件下においても、計算量を増大させずに安定的に動作特性パラメータを推定し、動作時間推定精度の高い、電力開閉装置における動作時間予測装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、この発明に係る電力開閉装置の動作時間予測装置は、電力開閉装置の開閉指令信号、および、主回路電流または動作行程に基づいて、前記電力開閉装置の動作時間を測定する動作時間測定手段と、前記電力開閉装置の現在の動作環境条件を測定する動作環境条件測定手段と、前記動作時間測定手段により測定された動作時間と前記動作環境条件測定手段により測定された動作環境条件の履歴データを関連付けて記憶する動作履歴保持手段と、前記動作履歴保持手段に記憶された履歴データを関数近似することにより前記電力開閉装置の動作特性パラメータを推定する動作特性パラメータ推定手段と、前記動作特性パラメータ推定手段により推定された動作特定パラメータの推定値と前記電力開閉装置の現在の動作条件とに基づいて、次回動作時間を予測する動作時間予測手段と、前記動作履歴保持手段に記憶された動作時間と前記動作時間予測手段により予測された次回動作時間の誤差の履歴を過去参照パラメータnを用いて過去n回分だけ参照してフィードバック補正量を算出し、前記次回動作時間を補正するフィードバック補正手段と、前記動作履歴保持手段に記憶された動作時間と前記フィードバック補正手段により補正した後の次回動作時間の誤差の履歴が、予め規定された閾値を、予め定めた回数下回ったことを検出したときに運用開始信号を出力する学習完了判定手段とを備え、前記動作特性パラメータ推定のために用いる履歴データは、前記動作履歴保持手段に記憶された履歴データのうち、現在の動作環境条件の近傍の履歴データである近傍履歴データのみを抽出する近傍動作履歴データ抽出手段によって抽出された履歴データであることを特徴とする。
この発明に係る電力開閉装置の動作時間予測装置によれば、従来方法では高精度かつ安定的に動作特性パラメータを推定することが困難な条件下においても、遮断器の動作時間を予測する際に、計算量を増大させずに安定的に動作特性パラメータを推定し、動作時間推定精度を向上させることができる。
この発明の実施の形態1に係る電力開閉装置(遮断器1)の動作時間予測装置の構成を示したブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る近傍動作履歴データ抽出手段の動作を示した図である。 フィードバック補正手段のフローチャートである。 この発明の実施の形態2に係る電力開閉装置(遮断器1)の動作時間予測装置の構成を示したブロック図である。 遮断器1の経時変化の様子を説明する図である。 この発明の実施の形態2において、nの値を変化させると予測誤差の平均値と標準偏差が変化することを説明する図である。 可変フィードバック補正手段のフローチャートである。 この発明の実施の形態3に係る電力開閉装置(遮断器1)の動作時間予測装置の構成を示したブロック図である。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る電力開閉装置(遮断器1)の動作時間予測装置の構成を示すブロック図である。当該動作時間予測装置および方法について、図1を参照しながら説明する。
遮断器1は主回路100の電力開閉装置であって、各種センサ2〜6およびコントローラ200を備える。遮断器1は、電流センサ2と、動作行程センサ3と、動作環境条件測定手段21である温度センサ4と、制御電圧センサ5と、圧力センサ6とを備える。電流センサ2は主回路電流を測定してそれを示す主回路電流信号7を動作時間測定手段13に出力し、動作行程センサ3は遮断器1の接点の動作行程を測定してそれを示す動作行程信号8を動作時間測定手段13に出力する。また、温度センサ4は周囲温度を測定してそれを示す周囲温度信号9を動作履歴保持手段14、近傍動作履歴データ抽出手段15および動作時間予測手段19に出力し、制御電圧センサ5は制御電圧を測定してそれを示す制御電圧信号10を動作履歴保持手段14および動作時間予測手段19に出力し、圧力センサ6は操作圧力を測定してそれを示す操作圧力信号11を動作履歴保持手段14および動作時間予測手段19に出力する。
遮断器1のコントローラ200は例えばディジタル計算機などのCPUで構成され、動作時間測定手段13と、動作履歴保持手段14と、近傍動作履歴データ抽出手段15と、動作特性パラメータ推定手段17と、動作時間予測手段19と、フィードバック補正手段24と、学習完了判定手段27とを備えて構成される。
動作時間測定手段13は、遮断器1の開閉指令信号12が入力される毎に、開閉指令の入力タイミングから遮断器1の接点が機械的に開閉するタイミングまでの遅延時間である動作時間を測定し動作履歴保持手段14に出力する。ここで、遮断器1の接点が機械的に開閉するタイミングの検出には、従来技術と同じく主回路電流信号7もしくは動作行程信号8を用いるものとする。
動作履歴保持手段14は、動作時間29と、周囲温度信号9と、制御電圧信号10と、操作圧力信号11を履歴データとして記憶したのち、周囲温度信号9と、制御電圧信号10と、操作圧力信号11を記憶したものを動作履歴データ28として、近傍動作履歴データ抽出手段15に出力し、動作時間29を記憶したものを、動作時間履歴データ31としてフィードバック補正手段24および学習完了判定手段27に出力する。なお、動作時間履歴データ31と動作履歴データ28とは、それぞれの信号が検出された時間に対応して関連付けて記憶されているものである。
近傍動作履歴データ抽出手段15には、動作履歴保持手段14から出力された動作履歴データ28と、温度センサ4が一定周期で取得する現在の周囲温度信号9が入力される。そして、近傍動作履歴データ抽出手段15は、動作履歴保持手段14から出力された動作履歴データ28のうち、現在の周囲温度9の近傍の予め定めた切り出し範囲内で発生した動作履歴データのみを抽出し、近傍動作履歴データ16として動作特性パラメータ推定手段17に出力する。
ところで、ガス遮断器において一般的に使用されているSF6ガスを使用した遮断器においては、周囲温度がSF6ガスの凝固点に達することで、遮断器の動作特性が急激に変化することが知られている。従来技術では、前記動作特性を含む履歴を高精度に近似するためには、高次の関数もしくは指数関数を用いる必要があるが、当該関数を用いる場合、計算量が増大すること、毎回の動作ごとのパラメータの変動量が大きくなり動作が不安定となること、繰り返し計算が必要となる場合は局所解に陥るために動作が不安定になること、等の課題があった。
図2は近傍動作履歴データ抽出手段15において、動作履歴データ28のうち現在温度の近傍(予め定めた切り出し範囲内)で発生した動作履歴データのみを抽出し、抽出した近傍動作履歴データ16について低次の初等関数を近似する概念図である。本構成により近傍動作履歴データ16を関数近似対象としたため、低次の初等関数を用いても高精度な近似が可能となり、従来技術における課題であった、高次関数もしくは指数関数を用いると計算量が増大すること、高次関数では毎回の動作ごとのパラメータの変動量が大きくなり動作が不安定となること、指数関数では繰り返し計算による解放を用いた場合は局所解に陥るために解を求めることができない場合があること、という課題を解消することができる。
なお、この実施の形態では、動作環境条件のうち周囲温度信号9のみを近傍動作履歴データ抽出手段15に入力しているが、制御電圧信号10など他の動作環境条件を近傍動作履歴データ抽出手段15に入力するよう構成しても良いことは言うまでもない。
次に、動作特性パラメータ推定手段17は、近傍動作履歴データ16に基づいて、開極時と閉極時の動作特性パラメータ18をそれぞれ計算する。動作特性パラメータ18の決定方法を以下詳細に説明する。
まず、遮断器1の動作時間とは、定格条件における動作時間に、周囲温度補正、制御電圧補正、操作圧力補正、および休止時間補正を行った結果であると考え、それぞれの関係は独立であるとみなす。すなわち、次式で表される。
遮断器1の動作時間=定格電圧における動作時間+周囲温度補正関数+制御電圧補正関数+操作圧力補正関数+休止時間補正関数 (1)
ここで、定格条件における周囲温度をAstd、制御電圧をVstd、操作圧力をPstd、休止時間をIstdとし、定格条件における動作時間をTstdとする。定格条件は任意に設定され、例えば、Astd=20゜C、Vstd=125V、Pstd=29MPa、Istd=24時間とする。そして、周囲温度補正関数を、未知パラメータpと周囲温度Aに依存した関数fa(p,A)と表す。同様に、制御電圧補正関数を、未知パラメータpと制御電圧Vに依存した関数fv(p,V)と表す。同様に、操作圧力補正関数を未知パラメータpと操作圧力Pに依存した関数fp(p,P)と表す。同様に、休止時間補正関数を未知パラメータpと休止時間Iに依存した関数fi(p,I)と表す。ここで関数fa(p,A)、fv(p,V)、fp(p,P)、fi(p,I)は、遮断器1の構造に基づいて予め定義しておく任意の関数とする。
以上の変数を用いれば、(1)式は以下のように書くことができる。
遮断器の動作時間=Tstd+fa(p,A)+fv(p,V)+fp(p,P)+fi(p,I) (2)
すなわち、動作特性パラメータ18の決定方法とは、動作履歴データから(2)式の未知パラメータであるTstd,p,p,p,pを決定することであると言い換えることができる。なお、この実施の形態では、(2)式の未知パラメータを決定するために使用する動作履歴データは、近傍動作履歴データ16である。
次に、記憶された動作履歴データのうち、k回目(kは自然数である。)の動作時における周囲温度をA(k)、制御電圧をV(k),操作圧力をP(k)、休止時間をI(k)、動作時間測定値をT(k)とし、現在m回分の動作履歴データが記憶されているとする。参照している動作履歴データは、開極時と閉極時でそれぞれ別々であることに注意する。このとき、k回目の動作時間測定値は、(3)式を用いて次式で表される。
T(k)=Tstd+fa(p,A(k))+fv(p,V(k))+fp(p,P(k))+fi(p,I(k)) (3)
m回分(mは自然数である。)の動作履歴データがある場合、m個の(3)式が連立される。これらの式から未知パラメータTstd,p,p,p,pを決定するには、(3)式の左辺と右辺の二乗誤差が最小となるような値を見つければよい。すなわち、(3)式で表される二乗誤差が最小となるように未知パラメータを決定すればよい。なお、ここでは、k=1〜nに対して重み係数w(k)=1とする。
Figure 2012104910
二乗誤差が最小となるように未知パラメータを定める方法については、既知の方法が多数提案されており、いずれを用いても良い。以上より、動作特性パラメータ18(Tstd,p,p,p,p)が決定される。
動作時間予測手段19は、動作特性パラメータ推定手段17から出力された動作特性パラメータ18と現在の動作環境条件9〜11に基づいて、第1予測動作時間20を出力する。具体的には、現在の周囲温度A、制御電圧V、操作圧力P、休止時間Iを用いて、次回の動作時間である第1予測動作時間20を演算して出力する。前記動作特性パラメータ18および動作環境条件9〜11を(2)式に代入することで第1予測動作時間20として遮断器の動作時間を求めることができる。なお、開極時と閉極時でそれぞれ別の動作特性パラメータを用いていることに注意する。
フィードバック補正手段24は図3に示すとおり構成されており、動作時間予測手段19から出力された第1予測動作時間20の履歴と、動作履歴保持手段14から出力された動作時間履歴データ31に従って第1予測動作時間20を補正し、新たに第2予測動作時間25を出力する。具体的には、(5)式のとおり第1予測動作時間20と動作時間履歴データ31に基づいて第1予測誤差40を算出する。
第1予測誤差40=動作時間履歴データ31−第1予測動作時間20
(5)
次に(6)式のとおり、過去参照パラメータnに基づいて第1予測誤差40を過去n回分参照し、平均値としてフィードバック量41を算出する。ここで、過去参照パラメータとは、過去何回分のデータを参照して計算に用いるかを定義したパラメータである。
Figure 2012104910
最後に、(7)式のとおり、フィードバック量41を第1予測動作時間20に加算して第2予測動作時間25を算出し、学習完了判定手段27に出力する。
第2予測動作時間25=第1予測動作時間20+フィードバック量41
(7)
(7)式によりフィードバック補正を行った後の第2予測誤差42は(8)式のとおりである。
第2予測誤差42=動作時間履歴データ31−第2予測動作時間25
(8)
フィードバック補正手段24は、遮断器の経時変化(遮断器の接点摩耗などが原因となって動作時間が徐々に変化すること)により、推定した動作特性パラメータ18が最新の動作履歴とは異なる結果となるために発生する第1予測動作時間20のオフセット的な誤差を除去する効果がある。
学習完了判定手段27は、フィードバック補正手段24から出力された第2予測動作時間25と動作履歴保持手段14から出力された動作時間履歴データ31に基づいて、すなわち前記第2予測誤差42に基づいて、運用開始信号22と第3予測動作時間26を出力する。具体的には、前記第2予測誤差42が予め定める所定回数だけ連続して予め定める所定範囲内であった場合に、動作特性パラメータが正しく推定され、予測動作時間が正しく求められるようになったとみなし、運用開始信号22をオン出力する。運用開始信号22がオンされていない場合は、動作時間履歴データ31の平均値を第3予測動作時間26とするようにする。また、第3予測動作時間26が、最終的に予測された動作時間である。
なお、開極時と閉極時の動作時間を各々分けて判定するように構成してもよいし、分けることなく判定するように構成してもよい。また、近傍動作履歴データ抽出手段15から出力された近傍動作履歴データ16の個数が近似関数の次数に満たない場合には、動作特性パラメータを計算することができないため、設定された初期値もしくは動作時間履歴データ31の平均値を第3予測動作時間26とするようにする。
以上の実施の形態によれば、電力開閉装置が寒冷地において使用され周囲温度が遮断器に一般的に使用されるSF6ガスの凝固点に達することで開閉動作に要する動作時間が急激に変化するような、従来方法では高精度かつ安定的に動作特性パラメータを推定することが困難な条件下においても、遮断器の動作時間を予測する際に、計算量を増大させずに安定的に動作特性パラメータを推定し、動作時間を高精度に予測することができる。
実施の形態2.
図4は本発明の実施の形態2の構成を示す図である。この実施の形態は、実施の形態1におけるフィードバック補正手段24を可変フィードバック補正手段30に置き換えたものであり、前記第2予測誤差42がより小さくなるよう構成したものである。
可変フィードバック補正手段30は、遮断器の経時変化(遮断器の接点摩耗などが原因となって動作時間が徐々に変化すること)により、推定した動作特性パラメータ18が最新の動作履歴とは異なる結果となって発生する第1予測動作時間20のオフセット的な誤差を、フィードバック補正手段24によるものよりさらに補正するものである。
図5は遮断器1の経時変化の例を示す図である。図5中の2本のグラフは、2つの遮断器についての経時変化を示している。そして、例1および例2の傾きは遮断器の経時変化率に相当するものであり、経時変化率には個体差が存在することが知られている。したがって、予め一律に経時変化率を定めてフィードバック量41を求めることは困難である。
経時変化の影響をより効果的に除去するためには、なるべく最近の第1予測誤差40からフィードバック量41を求めること、すなわち(6)式のnはなるべく小さい値を用いることが必要である。
動作特性パラメータ推定手段17に入力する近傍動作履歴データ16は、経時変化の影響を受けたものである。過去の動作履歴ほど経時変化の影響を強く受け、最新の動作特性とは異なっているため、フィードバック補正手段24においても直近の第1予測誤差40に基づいてフィードバック量41を算出し、第2予測動作時間25を求めることが望ましい。すなわち(6)式の過去参照パラメータnはなるべく小さな値であることが望ましい。
しかし、遮断器には正規分布に従う動作時間のばらつき量が存在することが知られている。前記ばらつき量についても、図5中の例3および例4に示すように、遮断器ごとに個体差が存在することが知られている。(6)式においては、前記ばらつき量を含む値である第1予測誤差40の平均値を計算しているため、フィードバック量41は前記ばらつき量を含む値となる。したがって、第2予測誤差42もまた前記ばらつき量を含む値となる。前記ばらつき量による第2予測誤差42を小さくするためには、なるべく多くの第1予測誤差40に基づいてフィードバック量41を算出し、第2予測動作時間25を求めることが望ましい。すなわち(6)式の過去参照パラメータnはなるべく大きな値であることが望ましい。
以上のように、経時変化の影響と前記ばらつき量の影響が生む誤差は、過去参照パラメータnについて両者トレードオフの関係である。
そこで、この実施の形態では、前記経時変化の影響と前記ばらつき量の影響が生む誤差を定量的に示し、最適な過去参照パラメータnを求めるための評価式を導入し、第2予測誤差42がより小さくなる構成とした。
前記経時変化を原因とする誤差はオフセット的な誤差であるため、第2予測誤差42の平均値|μ|を用いて評価し、一方前記ばらつき量を原因とする誤差は正規分布に従う誤差であるため、第2予測誤差42の標準偏差σを用いて評価することができる。
過去参照パラメータnと第2予測誤差42の平均値|μ|と第2予測誤差42の標準偏差σの関係について、図6を用いて説明する。上記第2予測誤差42の平均値|μ|と標準偏差σは、過去参照パラメータnによって変化する。過去参照パラメータnを大きくした場合には多くの履歴を参照して平均値を求めるために、第2予測誤差42の標準偏差σは小さくなる。経時変化が存在しない場合には、第2予測誤差の平均値|μ|はゼロであり、過去参照パラメータnが大きいほど、第2予測誤差42は小さくなる。しかし、遮断器においては経時変化が存在するため、第2予測誤差42の平均値|μ|はゼロではなく、過去参照パラメータnの値が大きいほど経時変化の影響を大きく受けた過去の動作履歴時間データ31を参照するため、図6中(a)に示すとおり、標準偏差σは小さい一方、平均値|μ|は増大し、動作時間の予測精度が悪化する。
一方、過去参照パラメータnの値が小さい場合には、経時変化の影響が小さい最近の動作履歴時間データ31のみを参照するため、図6中(b)に示すとおり、平均値|μ|は小さいが、ばらつき量を含む値である第1予測誤差40の少数の平均値を計算するため標準偏差σの値は増大し、動作時間の予測精度が悪化する。
従来技術では、使用開始前に過去参照パラメータnを固定値に定めているが、前記の経時変化率の個体差およびばらつき量の個体差を考慮して定められている値ではない。また、長期的に遮断器を使用することを想定すると、ばらつき量あるいは経時変化率が変化するという状況が発生した場合には、固定値である過去参照パラメータnでは前記の変化が発生した際にフィードバックの精度が悪化する。
図7は、この実施の形態に係る可変フィードバック補正手段30の構成である。以下動作について説明する。
過去参照パラメータnは、N=[N1,N2,・・・,Ni,・・・]として予め候補となる値をいくつか定めておく。それぞれのNiについて第2予測誤差42を算出し、誤差履歴(i)を記憶する。予め定めた過去参照パラメータnを更新するタイミングで、前記第2予測誤差42の履歴を参照してそれぞれのNiを用いた時の評価値を計算する。評価値を計算するための評価式としては、例えば(9)式および(10)式がある。
評価値 = (過去Ni回の第2予測誤差42の標準偏差)+|(過去Ni回の第2予測誤差42の平均値)| (9)
評価値 = (過去Ni回の第2予測誤差42の標準偏差)×|(過去Ni回の第2予測誤差42の平均値)| (10)
上記の評価式は前記経時変化の影響と前記ばらつき量の影響が生む誤差を定量的に示すものであり、評価値を最も小さくするNiを選択することで、第2予測誤差42を最も小さくすることができる。
過去参照パラメータnを更新するタイミングは、遮断器が動作する度もしくは一定回数動作する度もしくは一定期間経過する度に選択するようにして、ばらつき量あるいは経時変化率が変化するという状況に自動で追従可能であるようにする。
以上の実施の形態によれば、ばらつき量および経時変化率の遮断器ごとの個体差を考慮して動作時間の予測精度を向上することができる。また、運用中に発生するばらつき量もしくは経時変化率の変化に自動で追従して、動作時間の予測精度を向上する効果をさらに得ることができる。
実施の形態3.
図8は本発明の実施の形態3の構成を示す図である。この実施の形態は、実施の形態1における近傍動作履歴データ抽出手段15を含まず、実施の形態2と同様に、フィードバック補正手段24に代えて可変フィードバック補正手段30を備える構成である。
この実施の形態であっても、実施の形態2と同様に可変フィードバック補正手段30を用いることにより、第2予測誤差42を小さくすることができるので、ばらつき量および経時変化率の遮断器ごとの個体差を考慮して、動作時間の予測精度を向上することができる。また、運用中に発生するばらつき量もしくは経時変化率の変化に自動で追従して動作時間の予測精度を向上する効果を得ることができる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
以上のように、この発明に係る電力開閉装置の動作時間予測装置は、周囲動作環境や経年変化を考慮した構成としたため、従来方法では高精度かつ安定的に動作特性パラメータを推定することが困難な条件下においての使用にも適している。
1 遮断器、2 電流センサ、3 動作行程センサ、4 温度センサ、5 制御電圧センサ、6 圧力センサ、7 主回路電流信号、8 動作行程信号、9 周囲温度信号、10 制御電圧信号、11 操作圧力信号、12 開閉指令信号、13 動作時間測定手段、14 動作履歴保持手段、15 近傍動作履歴データ抽出手段、16 近傍動作履歴データ、17 動作特性パラメータ推定手段、18 動作特性パラメータ、19 動作時間予測手段、20 第1予測動作時間、21 動作環境条件測定手段、22 運用開始信号、24 フィードバック補正手段、25 第2予測動作時間、26 第3予測動作時間、27 学習完了判定手段、28 動作履歴データ、29 動作時間、30 可変フィードバック補正手段、31 動作時間履歴データ、40 第1予測誤差、41 フィードバック量、42 第2予測誤差、100 主回路、200 コントローラ。
この発明は、遮断器等の電力開閉装置における動作時間予測装置および方法に関するものである。
遮断器等の電力開閉装置においては、動作時間を予測して制御するための動作時間予測装置が知られている。例えば特許文献1には、遮断器等の電力開閉装置における動作時間予測装置およびその方法として、遮断器が開極または閉極を行う際に動作時間および環境条件を記憶し、その履歴を関数近似することで動作特性パラメータを推定し、推定された動作特性パラメータと現在の環境条件から次回の動作時間を予測するものが開示されている。
一方、遮断器にて一般的に使用されているSF6ガスは、低温領域にて凝固する性質があるために、開閉極に要する動作時間が大きく変動する。
また、遮断器には接点摩耗などによる経時変化により動作時間が徐々に変化することや、正規分布に従う動作時間のばらつき量が存在することが知られている。さらに、それら経時変化率やばらつき量には、個体差があることも知られている。
特開2009−238673号公報 特開2000−11824号公報
しかしながら、上記のような従来の電力開閉装置における動作時間予測装置およびその方法が備える動作特性パラメータ推定機構においては、周囲温度の変化や、経時変化等に応じて、計算量を増大させずに安定的に動作特性パラメータを推定することは困難であるという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、従来方法では高精度かつ安定的に動作特性パラメータを推定することが困難な条件下においても、計算量を増大させずに安定的に動作特性パラメータを推定し、動作時間推定精度の高い、電力開閉装置における動作時間予測装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、この発明に係る電力開閉装置の動作時間予測装置は、電力開閉装置の開閉指令信号、および、主回路電流または動作行程に基づいて、前記電力開閉装置の動作時間を測定する動作時間測定手段と、前記電力開閉装置の現在の周囲温度、制御電圧、操作圧力のうち少なくとも一つを含んだ動作環境条件を測定する動作環境条件測定手段と、前記動作時間測定手段により測定された動作時間と前記動作環境条件測定手段により測定された動作環境条件の履歴データを関連付けて記憶する動作履歴保持手段と、前記動作履歴保持手段に記憶された履歴データを関数近似することにより前記電力開閉装置の動作特性パラメータを推定する動作特性パラメータ推定手段と、前記動作特性パラメータ推定手段により推定された動作特定パラメータの推定値と前記電力開閉装置の現在の動作条件とに基づいて、次回動作時間を予測する動作時間予測手段と、前記動作履歴保持手段に記憶された動作時間と前記動作時間予測手段により予測された次回動作時間の誤差の履歴を過去参照パラメータnを用いて過去n回分だけ参照してフィードバック補正量を算出し、前記次回動作時間を補正するフィードバック補正手段と、前記動作履歴保持手段に記憶された動作時間と前記フィードバック補正手段により補正した後の次回動作時間の誤差の履歴が、予め規定された閾値を、予め定めた回数下回ったことを検出したときに運用開始信号を出力する学習完了判定手段とを備え、前記動作特性パラメータ推定のために用いる履歴データは、前記動作履歴保持手段に記憶された履歴データのうち、現在の前記動作環境条件の値の近傍にある前記履歴データを抽出する近傍動作履歴データ抽出手段によって抽出された履歴データであることを特徴とする。
この発明に係る電力開閉装置の動作時間予測装置によれば、従来方法では高精度かつ安定的に動作特性パラメータを推定することが困難な条件下においても、遮断器の動作時間を予測する際に、計算量を増大させずに安定的に動作特性パラメータを推定し、動作時間推定精度を向上させることができる。
この発明の実施の形態1に係る電力開閉装置(遮断器1)の動作時間予測装置の構成を示したブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る近傍動作履歴データ抽出手段の動作を示した図である。 フィードバック補正手段のフローチャートである。 この発明の実施の形態2に係る電力開閉装置(遮断器1)の動作時間予測装置の構成を示したブロック図である。 遮断器1の経時変化の様子を説明する図である。 この発明の実施の形態2において、nの値を変化させると予測誤差の平均値と標準偏差が変化することを説明する図である。 可変フィードバック補正手段のフローチャートである。 この発明の実施の形態3に係る電力開閉装置(遮断器1)の動作時間予測装置の構成を示したブロック図である。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る電力開閉装置(遮断器1)の動作時間予測装置の構成を示すブロック図である。当該動作時間予測装置および方法について、図1を参照しながら説明する。
遮断器1は主回路100の電力開閉装置であって、各種センサ2〜6およびコントローラ200を備える。遮断器1は、電流センサ2と、動作行程センサ3と、動作環境条件測定手段21である温度センサ4と、制御電圧センサ5と、圧力センサ6とを備える。電流センサ2は主回路電流を測定してそれを示す主回路電流信号7を動作時間測定手段13に出力し、動作行程センサ3は遮断器1の接点の動作行程を測定してそれを示す動作行程信号8を動作時間測定手段13に出力する。また、温度センサ4は周囲温度を測定してそれを示す周囲温度信号9を動作履歴保持手段14、近傍動作履歴データ抽出手段15および動作時間予測手段19に出力し、制御電圧センサ5は制御電圧を測定してそれを示す制御電圧信号10を動作履歴保持手段14および動作時間予測手段19に出力し、圧力センサ6は操作圧力を測定してそれを示す操作圧力信号11を動作履歴保持手段14および動作時間予測手段19に出力する。
遮断器1のコントローラ200は例えばディジタル計算機などのCPUで構成され、動作時間測定手段13と、動作履歴保持手段14と、近傍動作履歴データ抽出手段15と、動作特性パラメータ推定手段17と、動作時間予測手段19と、フィードバック補正手段24と、学習完了判定手段27とを備えて構成される。
動作時間測定手段13は、遮断器1の開閉指令信号12が入力される毎に、開閉指令の入力タイミングから遮断器1の接点が機械的に開閉するタイミングまでの遅延時間である動作時間を測定し動作履歴保持手段14に出力する。ここで、遮断器1の接点が機械的に開閉するタイミングの検出には、従来技術と同じく主回路電流信号7もしくは動作行程信号8を用いるものとする。
動作履歴保持手段14は、動作時間29と、周囲温度信号9と、制御電圧信号10と、操作圧力信号11を履歴データとして記憶したのち、周囲温度信号9と、制御電圧信号10と、操作圧力信号11を記憶したものを動作履歴データ28として、近傍動作履歴データ抽出手段15に出力し、動作時間29を記憶したものを、動作時間履歴データ31としてフィードバック補正手段24および学習完了判定手段27に出力する。なお、動作時間履歴データ31と動作履歴データ28とは、それぞれの信号が検出された時間に対応して関連付けて記憶されているものである。
近傍動作履歴データ抽出手段15には、動作履歴保持手段14から出力された動作履歴データ28と、温度センサ4が一定周期で取得する現在の周囲温度信号9が入力される。そして、近傍動作履歴データ抽出手段15は、動作履歴保持手段14から出力された動作履歴データ28のうち、現在の周囲温度9の近傍の予め定めた切り出し範囲内で発生した動作履歴データのみを抽出し、近傍動作履歴データ16として動作特性パラメータ推定手段17に出力する。
ところで、ガス遮断器において一般的に使用されているSF6ガスを使用した遮断器においては、周囲温度がSF6ガスの凝固点に達することで、遮断器の動作特性が急激に変化することが知られている。従来技術では、前記動作特性を含む履歴を高精度に近似するためには、高次の関数もしくは指数関数を用いる必要があるが、当該関数を用いる場合、計算量が増大すること、毎回の動作ごとのパラメータの変動量が大きくなり動作が不安定となること、繰り返し計算が必要となる場合は局所解に陥るために動作が不安定になること、等の課題があった。
図2は近傍動作履歴データ抽出手段15において、動作履歴データ28のうち現在温度の近傍(予め定めた切り出し範囲内)で発生した動作履歴データのみを抽出し、抽出した近傍動作履歴データ16について低次の初等関数を近似する概念図である。本構成により近傍動作履歴データ16を関数近似対象としたため、低次の初等関数を用いても高精度な近似が可能となり、従来技術における課題であった、高次関数もしくは指数関数を用いると計算量が増大すること、高次関数では毎回の動作ごとのパラメータの変動量が大きくなり動作が不安定となること、指数関数では繰り返し計算による解放を用いた場合は局所解に陥るために解を求めることができない場合があること、という課題を解消することができる。
なお、この実施の形態では、動作環境条件のうち周囲温度信号9のみを近傍動作履歴データ抽出手段15に入力しているが、制御電圧信号10など他の動作環境条件を近傍動作履歴データ抽出手段15に入力するよう構成しても良いことは言うまでもない。
次に、動作特性パラメータ推定手段17は、近傍動作履歴データ16に基づいて、開極時と閉極時の動作特性パラメータ18をそれぞれ計算する。動作特性パラメータ18の決定方法を以下詳細に説明する。
まず、遮断器1の動作時間とは、定格条件における動作時間に、周囲温度補正、制御電圧補正、操作圧力補正、および休止時間補正を行った結果であると考え、それぞれの関係は独立であるとみなす。すなわち、次式で表される。
遮断器1の動作時間=定格電圧における動作時間+周囲温度補正関数+制御電圧補正関数+操作圧力補正関数+休止時間補正関数 (1)
ここで、定格条件における周囲温度をAstd、制御電圧をVstd、操作圧力をPstd、休止時間をIstdとし、定格条件における動作時間をTstdとする。定格条件は任意に設定され、例えば、Astd=20゜C、Vstd=125V、Pstd=29MPa、Istd=24時間とする。そして、周囲温度補正関数を、未知パラメータpと周囲温度Aに依存した関数fa(p,A)と表す。同様に、制御電圧補正関数を、未知パラメータpと制御電圧Vに依存した関数fv(p,V)と表す。同様に、操作圧力補正関数を未知パラメータpと操作圧力Pに依存した関数fp(p,P)と表す。同様に、休止時間補正関数を未知パラメータpと休止時間Iに依存した関数fi(p,I)と表す。ここで関数fa(p,A)、fv(p,V)、fp(p,P)、fi(p,I)は、遮断器1の構造に基づいて予め定義しておく任意の関数とする。
以上の変数を用いれば、(1)式は以下のように書くことができる。
遮断器の動作時間=Tstd+fa(p,A)+fv(p,V)+fp(p,P)+fi(p,I) (2)
すなわち、動作特性パラメータ18の決定方法とは、動作履歴データから(2)式の未知パラメータであるTstd,p,p,p,pを決定することであると言い換えることができる。なお、この実施の形態では、(2)式の未知パラメータを決定するために使用する動作履歴データは、近傍動作履歴データ16である。
次に、記憶された動作履歴データのうち、k回目(kは自然数である。)の動作時における周囲温度をA(k)、制御電圧をV(k),操作圧力をP(k)、休止時間をI(k)、動作時間測定値をT(k)とし、現在m回分の動作履歴データが記憶されているとする。参照している動作履歴データは、開極時と閉極時でそれぞれ別々であることに注意する。このとき、k回目の動作時間測定値は、(3)式を用いて次式で表される。
T(k)=Tstd+fa(p,A(k))+fv(p,V(k))+fp(p,P(k))+fi(p,I(k)) (3)
m回分(mは自然数である。)の動作履歴データがある場合、m個の(3)式が連立される。これらの式から未知パラメータTstd,p,p,p,pを決定するには、(3)式の左辺と右辺の二乗誤差が最小となるような値を見つければよい。すなわち、(3)式で表される二乗誤差が最小となるように未知パラメータを決定すればよい。なお、ここでは、k=1〜nに対して重み係数w(k)=1とする。
Figure 2012104910
二乗誤差が最小となるように未知パラメータを定める方法については、既知の方法が多数提案されており、いずれを用いても良い。以上より、動作特性パラメータ18(Tstd,p,p,p,p)が決定される。
動作時間予測手段19は、動作特性パラメータ推定手段17から出力された動作特性パラメータ18と現在の動作環境条件9〜11に基づいて、第1予測動作時間20を出力する。具体的には、現在の周囲温度A、制御電圧V、操作圧力P、休止時間Iを用いて、次回の動作時間である第1予測動作時間20を演算して出力する。前記動作特性パラメータ18および動作環境条件9〜11を(2)式に代入することで第1予測動作時間20として遮断器の動作時間を求めることができる。なお、開極時と閉極時でそれぞれ別の動作特性パラメータを用いていることに注意する。
フィードバック補正手段24は図3に示すとおり構成されており、動作時間予測手段19から出力された第1予測動作時間20の履歴と、動作履歴保持手段14から出力された動作時間履歴データ31に従って第1予測動作時間20を補正し、新たに第2予測動作時間25を出力する。具体的には、(5)式のとおり第1予測動作時間20と動作時間履歴データ31に基づいて第1予測誤差40を算出する。
第1予測誤差40=動作時間履歴データ31−第1予測動作時間20
(5)
次に(6)式のとおり、過去参照パラメータnに基づいて第1予測誤差40を過去n回分参照し、平均値としてフィードバック量41を算出する。ここで、過去参照パラメータとは、過去何回分のデータを参照して計算に用いるかを定義したパラメータである。
Figure 2012104910
最後に、(7)式のとおり、フィードバック量41を第1予測動作時間20に加算して第2予測動作時間25を算出し、学習完了判定手段27に出力する。
第2予測動作時間25=第1予測動作時間20+フィードバック量41
(7)
(7)式によりフィードバック補正を行った後の第2予測誤差42は(8)式のとおりである。
第2予測誤差42=動作時間履歴データ31−第2予測動作時間25
(8)
フィードバック補正手段24は、遮断器の経時変化(遮断器の接点摩耗などが原因となって動作時間が徐々に変化すること)により、推定した動作特性パラメータ18が最新の動作履歴とは異なる結果となるために発生する第1予測動作時間20のオフセット的な誤差を除去する効果がある。
学習完了判定手段27は、フィードバック補正手段24から出力された第2予測動作時間25と動作履歴保持手段14から出力された動作時間履歴データ31に基づいて、すなわち前記第2予測誤差42に基づいて、運用開始信号22と第3予測動作時間26を出力する。具体的には、前記第2予測誤差42が予め定める所定回数だけ連続して予め定める所定範囲内であった場合に、動作特性パラメータが正しく推定され、予測動作時間が正しく求められるようになったとみなし、運用開始信号22をオン出力する。運用開始信号22がオンされていない場合は、動作時間履歴データ31の平均値を第3予測動作時間26とするようにする。また、第3予測動作時間26が、最終的に予測された動作時間である。
なお、開極時と閉極時の動作時間を各々分けて判定するように構成してもよいし、分けることなく判定するように構成してもよい。また、近傍動作履歴データ抽出手段15から出力された近傍動作履歴データ16の個数が近似関数の次数に満たない場合には、動作特性パラメータを計算することができないため、設定された初期値もしくは動作時間履歴データ31の平均値を第3予測動作時間26とするようにする。
以上の実施の形態によれば、電力開閉装置が寒冷地において使用され周囲温度が遮断器に一般的に使用されるSF6ガスの凝固点に達することで開閉動作に要する動作時間が急激に変化するような、従来方法では高精度かつ安定的に動作特性パラメータを推定することが困難な条件下においても、遮断器の動作時間を予測する際に、計算量を増大させずに安定的に動作特性パラメータを推定し、動作時間を高精度に予測することができる。
実施の形態2.
図4は本発明の実施の形態2の構成を示す図である。この実施の形態は、実施の形態1におけるフィードバック補正手段24を可変フィードバック補正手段30に置き換えたものであり、前記第2予測誤差42がより小さくなるよう構成したものである。
可変フィードバック補正手段30は、遮断器の経時変化(遮断器の接点摩耗などが原因となって動作時間が徐々に変化すること)により、推定した動作特性パラメータ18が最新の動作履歴とは異なる結果となって発生する第1予測動作時間20のオフセット的な誤差を、フィードバック補正手段24によるものよりさらに補正するものである。
図5は遮断器1の経時変化の例を示す図である。図5中の2本のグラフは、2つの遮断器についての経時変化を示している。そして、例1および例2の傾きは遮断器の経時変化率に相当するものであり、経時変化率には個体差が存在することが知られている。したがって、予め一律に経時変化率を定めてフィードバック量41を求めることは困難である。
経時変化の影響をより効果的に除去するためには、なるべく最近の第1予測誤差40からフィードバック量41を求めること、すなわち(6)式のnはなるべく小さい値を用いることが必要である。
動作特性パラメータ推定手段17に入力する近傍動作履歴データ16は、経時変化の影響を受けたものである。過去の動作履歴ほど経時変化の影響を強く受け、最新の動作特性とは異なっているため、フィードバック補正手段24においても直近の第1予測誤差40に基づいてフィードバック量41を算出し、第2予測動作時間25を求めることが望ましい。すなわち(6)式の過去参照パラメータnはなるべく小さな値であることが望ましい。
しかし、遮断器には正規分布に従う動作時間のばらつき量が存在することが知られている。前記ばらつき量についても、図5中の例3および例4に示すように、遮断器ごとに個体差が存在することが知られている。(6)式においては、前記ばらつき量を含む値である第1予測誤差40の平均値を計算しているため、フィードバック量41は前記ばらつき量を含む値となる。したがって、第2予測誤差42もまた前記ばらつき量を含む値となる。前記ばらつき量による第2予測誤差42を小さくするためには、なるべく多くの第1予測誤差40に基づいてフィードバック量41を算出し、第2予測動作時間25を求めることが望ましい。すなわち(6)式の過去参照パラメータnはなるべく大きな値であることが望ましい。
以上のように、経時変化の影響と前記ばらつき量の影響が生む誤差は、過去参照パラメータnについて両者トレードオフの関係である。
そこで、この実施の形態では、前記経時変化の影響と前記ばらつき量の影響が生む誤差を定量的に示し、最適な過去参照パラメータnを求めるための評価式を導入し、第2予測誤差42がより小さくなる構成とした。
前記経時変化を原因とする誤差はオフセット的な誤差であるため、第2予測誤差42の平均値|μ|を用いて評価し、一方前記ばらつき量を原因とする誤差は正規分布に従う誤差であるため、第2予測誤差42の標準偏差σを用いて評価することができる。
過去参照パラメータnと第2予測誤差42の平均値|μ|と第2予測誤差42の標準偏差σの関係について、図6を用いて説明する。上記第2予測誤差42の平均値|μ|と標準偏差σは、過去参照パラメータnによって変化する。過去参照パラメータnを大きくした場合には多くの履歴を参照して平均値を求めるために、第2予測誤差42の標準偏差σは小さくなる。経時変化が存在しない場合には、第2予測誤差の平均値|μ|はゼロであり、過去参照パラメータnが大きいほど、第2予測誤差42は小さくなる。しかし、遮断器においては経時変化が存在するため、第2予測誤差42の平均値|μ|はゼロではなく、過去参照パラメータnの値が大きいほど経時変化の影響を大きく受けた過去の動作履歴時間データ31を参照するため、図6中(a)に示すとおり、標準偏差σは小さい一方、平均値|μ|は増大し、動作時間の予測精度が悪化する。
一方、過去参照パラメータnの値が小さい場合には、経時変化の影響が小さい最近の動作履歴時間データ31のみを参照するため、図6中(b)に示すとおり、平均値|μ|は小さいが、ばらつき量を含む値である第1予測誤差40の少数の平均値を計算するため標準偏差σの値は増大し、動作時間の予測精度が悪化する。
従来技術では、使用開始前に過去参照パラメータnを固定値に定めているが、前記の経時変化率の個体差およびばらつき量の個体差を考慮して定められている値ではない。また、長期的に遮断器を使用することを想定すると、ばらつき量あるいは経時変化率が変化するという状況が発生した場合には、固定値である過去参照パラメータnでは前記の変化が発生した際にフィードバックの精度が悪化する。
図7は、この実施の形態に係る可変フィードバック補正手段30の構成である。以下動作について説明する。
過去参照パラメータnは、N=[N1,N2,・・・,Ni,・・・]として予め候補となる値をいくつか定めておく。それぞれのNiについて第2予測誤差42を算出し、誤差履歴(i)を記憶する。予め定めた過去参照パラメータnを更新するタイミングで、前記第2予測誤差42の履歴を参照してそれぞれのNiを用いた時の評価値を計算する。評価値を計算するための評価式としては、例えば(9)式および(10)式がある。
評価値 = (過去Ni回の第2予測誤差42の標準偏差)+|(過去Ni回の第2予測誤差42の平均値)| (9)
評価値 = (過去Ni回の第2予測誤差42の標準偏差)×|(過去Ni回の第2予測誤差42の平均値)| (10)
上記の評価式は前記経時変化の影響と前記ばらつき量の影響が生む誤差を定量的に示すものであり、評価値を最も小さくするNiを選択することで、第2予測誤差42を最も小さくすることができる。
過去参照パラメータnを更新するタイミングは、遮断器が動作する度もしくは一定回数動作する度もしくは一定期間経過する度に選択するようにして、ばらつき量あるいは経時変化率が変化するという状況に自動で追従可能であるようにする。
以上の実施の形態によれば、ばらつき量および経時変化率の遮断器ごとの個体差を考慮して動作時間の予測精度を向上することができる。また、運用中に発生するばらつき量もしくは経時変化率の変化に自動で追従して、動作時間の予測精度を向上する効果をさらに得ることができる。
実施の形態3.
図8は本発明の実施の形態3の構成を示す図である。この実施の形態は、実施の形態1における近傍動作履歴データ抽出手段15を含まず、実施の形態2と同様に、フィードバック補正手段24に代えて可変フィードバック補正手段30を備える構成である。
この実施の形態であっても、実施の形態2と同様に可変フィードバック補正手段30を用いることにより、第2予測誤差42を小さくすることができるので、ばらつき量および経時変化率の遮断器ごとの個体差を考慮して、動作時間の予測精度を向上することができる。また、運用中に発生するばらつき量もしくは経時変化率の変化に自動で追従して動作時間の予測精度を向上する効果を得ることができる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 遮断器、2 電流センサ、3 動作行程センサ、4 温度センサ、5 制御電圧センサ、6 圧力センサ、7 主回路電流信号、8 動作行程信号、9 周囲温度信号、10 制御電圧信号、11 操作圧力信号、12 開閉指令信号、13 動作時間測定手段、14 動作履歴保持手段、15 近傍動作履歴データ抽出手段、16 近傍動作履歴データ、17 動作特性パラメータ推定手段、18 動作特性パラメータ、19 動作時間予測手段、20 第1予測動作時間、21 動作環境条件測定手段、22 運用開始信号、24 フィードバック補正手段、25 第2予測動作時間、26 第3予測動作時間、27 学習完了判定手段、28 動作履歴データ、29 動作時間、30 可変フィードバック補正手段、31 動作時間履歴データ、40 第1予測誤差、41 フィードバック量、42 第2予測誤差、100 主回路、200 コントローラ。
上記目的を達成するため、この発明に係る電力開閉装置の動作時間予測装置は、電力開閉装置の開閉指令信号、および、主回路電流または動作行程に基づいて、前記電力開閉装置の動作時間を測定する動作時間測定手段と、前記電力開閉装置の現在の周囲温度、制御電圧、操作圧力のうち少なくとも一つを含んだ動作環境条件を測定する動作環境条件測定手段と、前記動作時間測定手段により測定された動作時間と前記動作環境条件測定手段により測定された動作環境条件の履歴データを関連付けて記憶する動作履歴保持手段と、前記動作履歴保持手段に記憶された履歴データを関数近似することにより前記電力開閉装置の動作特性パラメータを推定する動作特性パラメータ推定手段と、前記動作特性パラメータ推定手段により推定された動作特定パラメータの推定値と前記電力開閉装置の現在の動作条件とに基づいて、次回動作時間を予測する動作時間予測手段と、前記動作履歴保持手段に記憶された動作時間と前記動作時間予測手段により予測された次回動作時間の誤差の履歴を過去参照パラメータnを用いて過去n回分だけ参照してフィードバック補正量を算出し、前記次回動作時間を補正するフィードバック補正手段と、前記動作履歴保持手段に記憶された動作時間と前記フィードバック補正手段により補正した後の次回動作時間の誤差の履歴が、予め規定された閾値を、予め定めた回数下回ったことを検出したときに運用開始信号を出力する学習完了判定手段とを備え、前記動作特性パラメータ推定のために用いる履歴データは、前記動作履歴保持手段に記憶された履歴データのうち、前記動作環境条件測定手段により測定された現在の前記動作環境条件の近傍にある少なくとも3点以上の前記履歴データを抽出する近傍動作履歴データ抽出手段によって抽出された履歴データであることを特徴とする。

Claims (4)

  1. 電力開閉装置の開閉指令信号、および、主回路電流または動作行程に基づいて、前記電力開閉装置の動作時間を測定する動作時間測定手段と、
    前記電力開閉装置の現在の動作環境条件を測定する動作環境条件測定手段と、
    前記動作時間測定手段により測定された動作時間と前記動作環境条件測定手段により測定された動作環境条件の履歴データを関連付けて記憶する動作履歴保持手段と、
    前記動作履歴保持手段に記憶された履歴データを関数近似することにより前記電力開閉装置の動作特性パラメータを推定する動作特性パラメータ推定手段と、
    前記動作特性パラメータ推定手段により推定された動作特定パラメータの推定値と前記電力開閉装置の現在の動作環境条件とに基づいて、次回動作時間を予測する動作時間予測手段と、
    前記動作履歴保持手段に記憶された動作時間と前記動作時間予測手段により予測された次回動作時間の誤差の履歴を過去参照パラメータnを用いて過去n回分だけ参照してフィードバック補正量を算出し、前記次回動作時間を補正するフィードバック補正手段と、
    前記動作履歴保持手段に記憶された動作時間と前記フィードバック補正手段により補正した後の次回動作時間の誤差の履歴が、予め規定された閾値を予め定めた回数下回ったことを検出したときに運用開始信号を出力する学習完了判定手段と
    を備え、
    前記動作特性パラメータ推定のために用いる履歴データは、前記動作履歴保持手段に記憶された履歴データのうち、現在の動作環境条件の近傍の履歴データである近傍履歴データのみを抽出する近傍動作履歴データ抽出手段によって抽出された履歴データである
    ことを特徴とする電力開閉装置の動作時間予測装置。
  2. 前記フィードバック補正手段を、複数の前記過去参照パラメータnについて、前記動作履歴保持手段に記憶された動作時間と前記動作時間予測手段により予測された次回動作時間の誤差の履歴を過去n回分だけ参照してフィードバック補正量を算出し、前記動作履歴保持手段に記憶された動作時間と前記フィードバック補正手段により補正した後の次回動作時間の誤差の平均値と標準偏差を用いた評価値が最小である前記過去参照パラメータnを新たに選択して前記次回動作時間を補正する可変フィードバック補正手段とした
    ことを特徴とする請求項1記載の電力開閉装置の動作時間予測装置。
  3. 電力開閉装置の開閉指令信号、および、主回路電流または動作行程に基づいて、前記電力開閉装置の動作時間を測定する動作時間測定手段と、
    前記電力開閉装置の現在の動作環境条件を測定する動作環境条件測定手段と、
    前記動作時間測定手段により測定された動作時間と前記動作環境条件測定手段により測定された動作環境条件の履歴データを関連付けて記憶する動作履歴保持手段と、
    前記動作履歴保持手段に記憶された履歴データを関数近似することにより前記電力開閉装置の動作特性パラメータを推定する動作特性パラメータ推定手段と、
    前記動作特性パラメータ推定手段により推定された動作特定パラメータの推定値と前記電力開閉装置の現在の動作環境条件とに基づいて、次回動作時間を予測する動作時間予測手段と、
    前記動作履歴保持手段に記憶された動作時間と前記動作時間予測手段により予測された次回動作時間の誤差の履歴を過去参照パラメータnを用いて過去n回分だけ参照してフィードバック補正量を算出し、前記次回動作時間を補正するフィードバック補正手段と、
    前記動作履歴保持手段に記憶された動作時間と前記フィードバック補正手段により補正した後の次回動作時間の誤差の履歴が、予め規定された閾値を予め定めた回数下回ったことを検出したときに運用開始信号を出力する学習完了判定手段と
    を備え、
    前記フィードバック補正手段を、複数の前記過去参照パラメータnについて、前記動作履歴保持手段に記憶された動作時間と前記動作時間予測手段により予測された次回動作時間の誤差の履歴を過去n回分だけ参照してフィードバック補正量を算出し、前記動作履歴保持手段に記憶された動作時間と前記フィードバック補正手段により補正した後の次回動作時間の誤差の平均値と標準偏差を用いた評価値が最少である前記過去参照パラメータnを新たに選択して前記次回動作時間を補正する可変フィードバック補正手段とした
    ことを特徴とする電力開閉装置の動作時間予測装置。
  4. 電力開閉装置の開閉指令信号、および、主回路電流または動作行程に基づいて、前記電力開閉装置の動作時間を測定する動作時間測定ステップと、
    前記電力開閉装置の現在の動作環境条件を測定する動作環境条件測定ステップと、
    前記動作時間測定ステップにより測定された動作時間と前記動作環境条件測定ステップにより測定された動作環境条件の履歴データを関連付けて記憶する動作履歴保持ステップと、
    前記動作履歴保持ステップにおいて記憶された履歴データを関数近似することにより前記電力開閉装置の動作特性パラメータを推定する動作特性パラメータ推定ステップと、
    前記動作特性パラメータ推定ステップにより推定された動作特定パラメータの推定値と前記電力開閉装置の現在の動作環境条件とに基づいて、次回動作時間を予測する動作時間予測ステップと、
    前記動作履歴保持ステップにおいて記憶された動作時間と前記動作時間予測ステップにより予測された次回動作時間の誤差の履歴を過去参照パラメータnを用いて過去n回分だけ参照してフィードバック補正量を算出し、前記次回動作時間を補正するフィードバック補正ステップと、
    前記動作履歴保持ステップにおいて記憶された動作時間と前記フィードバック補正ステップにより補正した後の次回動作時間の誤差の履歴が、予め規定された閾値を予め定めた回数下回ったことを検出したときに運用開始信号を出力する学習完了判定ステップと
    を備え、
    前記動作特性パラメータ推定のために用いる履歴データは、前記動作履歴保持ステップにおいて記憶された履歴データのうち、現在の動作環境条件の近傍の履歴データである近傍履歴データのみを抽出する近傍動作履歴データ抽出ステップによって抽出された履歴データである
    ことを特徴とする電力開閉装置の動作時間予測方法。
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