JPWO2012090777A1 - 蒸着方法、蒸着膜および有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法 - Google Patents

蒸着方法、蒸着膜および有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明の蒸着方法は、シャドウマスク(81)と蒸着源(85)との相対的な位置を固定したマスクユニットを準備する準備工程と、上記マスクユニットおよび被成膜基板(200)のうち少なくとも一方を相対移動させて、蒸着源(85)から射出される蒸着流を蒸着領域(210)に蒸着させる蒸着工程と、蒸着不要領域(210)へ流れる蒸着流を遮蔽する様に第2シャッタ(111)の位置を調整するシャッタ位置調整工程とを備える。

Description

本発明は、蒸着マスクを用いた蒸着方法、その蒸着方法により形成された蒸着膜およびその蒸着方法を用いた有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法に関する。
近年、様々な商品や分野でフラットパネルディスプレイが活用されており、フラットパネルディスプレイのさらなる大型化、高画質化、低消費電力化が求められている。
そのような状況下、有機材料の電界発光(Electroluminescence:以下、「EL」と記す)を利用した有機EL素子を備えた有機EL表示装置は、全固体型で、低電圧駆動、高速応答性、自発光性等の点で優れたフラットパネルディスプレイとして、高い注目を浴びている。
有機EL表示装置は、例えば、TFT(薄膜トランジスタ)が設けられたガラス基板等からなる基板上に、TFTに接続された有機EL素子が設けられた構成を有している。
有機EL素子は、低電圧直流駆動による高輝度発光が可能な発光素子であり、第1電極、有機EL層、および第2電極が、この順に積層された構造を有している。そのうち、第1電極はTFTと接続されている。また、第1電極と第2電極との間には、上記有機EL層として、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロッキング層、発光層、正孔ブロッキング層、電子輸送層、電子注入層等を積層させた有機層が設けられている。
フルカラーの有機EL表示装置では、一般的に、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色の発光層を備えた有機EL素子がサブ画素として基板上に配列形成される。TFTを用いて、これら有機EL素子を選択的に所望の輝度で発光させることによりカラー画像表示を行う。
有機EL表示装置を製造するためには、各色に発光する有機発光材料からなる発光層を有機EL素子ごとに所定パターンで形成する必要がある。また、有機EL素子ごとにパターン形成が必要ない層については、有機EL素子で構成される画素領域全面に対して、一括して薄膜形成を行う。
発光層を所定パターンで形成する方法としては、例えば、真空蒸着法、インクジェット法、レーザ転写法が知られている。例えば、低分子型有機EL表示装置(OLED)では、真空蒸着法が用いられることが多い。
真空蒸着法では、所定パターンの開口が形成されたマスク(シャドウマスクとも称される)が使用される。マスクが密着固定された基板の被蒸着面を蒸着源に対向させる。そして、蒸着源からの蒸着粒子(成膜材料)を、マスクの開口を通して被蒸着面に蒸着させることにより、所定パターンの薄膜が形成される。蒸着は発光層の色ごとに行われる(これを「塗り分け蒸着」という)。
例えば特許文献1,2には、基板に対してマスクを順次移動させて各色の発光層の塗り分け蒸着を行う方法が記載されている。このような方法では、基板と同等の大きさのマスクが使用され、蒸着時にはマスクは基板の被蒸着面を覆うように固定される。
日本国公開特許公報「特開平8−227276号公報(1996年9月3日公開)」 日本国公開特許公報「特開2000−188179号公報(2000年7月4日公開)」
このような従来の塗り分け蒸着法では、基板が大きくなればそれに伴ってマスクも大型化する必要がある。しかしながら、マスクを大きくすると、マスクの自重撓みや伸びにより、基板とマスクとの間に隙間が生じ易い。しかも、その隙間の大きさは、基板の被蒸着面の位置によって異なる。そのため、高精度なパターンニングを行うのが難しく、蒸着位置のズレや混色が発生して高精細化の実現が困難である。
また、マスクを大きくすると、マスクやこれを保持するフレーム等が巨大になってその重量も増加するため、取り扱いが困難になり、生産性や安全性に支障をきたすおそれがある。また、蒸着装置やそれに付随する装置も同様に巨大化、複雑化するため、装置設計が困難になり、設置コストも高額になる。
そのため、従来の塗り分け蒸着法では大型基板への対応が難しく、例えば、60インチサイズを超えるような大型基板に対しては量産レベルで塗り分け蒸着できる方法が実現できていない。
上記の問題を解決する方法として、基板よりも小さなシャドウマスクを用い、蒸着源とシャドウマスクを一体化した状態で、シャドウマスクと基板との隙間を一定に保ちながら、その一体化物あるいは基板のいずれかを走査しながら蒸着することで、所定の基板の位置に有機膜をパターン形成する方法(スキャン蒸着法)が考えられる。このスキャン蒸着法であれば、シャドウマスクは小さくて良いので、上記のような問題は発生しない。
しかしながら、上記のスキャン蒸着法でも、以下のように、蒸着不要領域への蒸着を防ぐことができないという問題がある。
例えば有機EL表示装置で用いられるTFT基板では、画素領域の周りには、端子部が存在し、これらに蒸着膜が存在すると、一般に、有機EL素子の有機蒸着膜は高抵抗であるため、その部分での外部回路との電気的接続が困難となる。また蒸着膜が低抵抗であると電流リークが生じるので、やはり電気的不良を生じる。以上のような外部回路との電気的接続部分が蒸着不要領域となる。
スキャン蒸着法では、蒸着源の射出口の正面にシャッタが備えられており、そのシャッタの開放/閉鎖により、蒸着源から射出される蒸着粒子が蒸着/遮蔽される。また、シャドウマスクと蒸着源が一体化しており、シャドウマスクの開口部(以後、マスク開口と呼ぶ)上を基板が通過する時に、基板上へ有機膜が形成される。したがって、上記シャッタを常に開放していた場合、基板の端から端まで蒸着が行われる(蒸着不要領域にも蒸着される)。蒸着不要領域に蒸着させないためには、その領域が基板走査により、マスク開口に達した時に上記シャッタを閉鎖すればよいが、同時に蒸着が必要な領域(蒸着領域)もまだマスク開口上に残っているため、シャッタを閉鎖すると、蒸着領域の蒸着量が減り、蒸着領域の膜厚が減ってしまう。したがって、単純なシャッタの閉鎖だけでは、蒸着不要領域への蒸着は防げない。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、蒸着領域の端部での蒸着量を低減させること無く、蒸着不要領域への蒸着を防止できる蒸着方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明に係る蒸着方法は、被成膜基板に所定のパターンの成膜を行う蒸着方法であって、開口部を有する蒸着マスクと、上記蒸着マスクに対向配置された蒸着源とを備え、上記蒸着マスクと上記蒸着源との相対的な位置を固定したマスクユニットを準備する準備工程と、上記マスクユニットおよび上記被成膜基板のうち少なくとも一方を相対移動させて、上記蒸着源から射出される蒸着粒子を上記開口部を介して上記被成膜基板の蒸着領域に蒸着させる蒸着工程と、上記蒸着粒子の蒸着流のうち、上記被成膜基板の蒸着不要領域へと流れる蒸着流をシャッタ部材によって遮蔽する遮蔽工程と、を備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、移動可能なシャッタ部材が準備され、蒸着源から蒸着マスクの開口部を介して被成膜基板へと流れる蒸着粒子の蒸着流のうち、被成膜基板の蒸着不要領域へと流れる蒸着流を遮蔽する様に、シャッタ部材の位置が調整される。よって、蒸着領域の端部での蒸着量を低減させること無く蒸着不要領域への蒸着を防止できる。
これにより、(1)蒸着不要領域に蒸着した蒸着粒子を溶剤で拭き取る工程を省略でき、その拭き取り工程に伴う問題を防止できる。また(2)蒸着不要領域への蒸着を防止するために蒸着不要領域を保護する工程を追加しなくて済む。また(3)シャッタ部材と蒸着源との位置関係を変えるだけで、様々な蒸着不要領域のサイズに対応できる。したがって、蒸着領域の端部での蒸着量を低減させること無く、蒸着不要領域への蒸着を防止できる蒸着方法を提供することができる。
また本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法は、TFT基板上に第1電極を作製するTFT基板・第1電極作製工程と、上記TFT基板上に少なくとも発光層を含む有機層を蒸着する有機層蒸着工程と、第2電極を蒸着する第2電極蒸着工程と、上記有機層および第2電極を含む有機エレクトロルミネッセンス素子を封止部材で封止する封止工程とを有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法であって、上記有機層蒸着工程、上記第2電極蒸着工程、および上記封止工程の少なくともいずれかの工程は、上記の蒸着方法の上記準備工程、上記蒸着工程および上記遮蔽工程を有することを特徴としている。
上記の構成によれば、電気的不良がなく低コストの有機エレクトロルミネッセンス素子を製造できる。
以上のように、本発明に係る蒸着方法は、被成膜基板に所定のパターンの成膜を行う蒸着方法であって、開口部を有する蒸着マスクと、上記蒸着マスクに対向配置された蒸着源とを備え、上記蒸着マスクと上記蒸着源との相対的な位置を固定したマスクユニットを準備する準備工程と、上記マスクユニットおよび上記被成膜基板のうち少なくとも一方を相対移動させて、上記蒸着源から射出される蒸着粒子を上記開口部を介して上記被成膜基板の蒸着領域に蒸着させる蒸着工程と、上記蒸着粒子の蒸着流のうち、上記被成膜基板の蒸着不要領域へと流れる蒸着流をシャッタ部材によって遮蔽する遮蔽工程と、を備えている。
よって、蒸着領域の端部での蒸着量を低減させること無く蒸着不要領域への蒸着を防止できるという効果を奏する。
本発明の実施の一形態にかかる蒸着装置における真空チャンバ内の被成膜基板とマスクユニットとを被成膜基板の裏面側から見た平面図である。 本発明の実施の一形態にかかる蒸着装置における真空チャンバ内の主要構成要素の鳥瞰図である。 本発明の実施の一形態にかかる蒸着装置における要部の概略構成を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の一形態にかかる蒸着装置の構成の一部を示すブロック図である。 (a)〜(c)は、本発明の実施の一形態にかかる被成膜基板および蒸着マスクのアライメントマーカの形状の一例を示す図である。 RGBフルカラー表示の有機EL表示装置の概略構成を示す断面図である。 図6に示す有機EL表示装置を構成する画素の構成を示す平面図である。 図7に示す有機EL表示装置におけるTFT基板のA−A線矢視断面図である。 本発明の実施の一形態にかかる有機EL表示装置の製造工程を工程順に示すフローチャートである。 本発明の実施の一形態にかかる蒸着装置を用いてTFT基板に所定のパターンを成膜する方法の一例を示すフローチャートである。 アライメント調整方法を示すフローチャートである。 蒸着OFF時の蒸着制御のフローを示すフローチャートである。 蒸着ON時の蒸着制御のフローを示すフローチャートである。 実施の形態1に係る蒸着方法での第2シャッタの走査方法を説明する側面図である。 実施の形態1での第2シャッタの長さの決定方法を説明する図である。 実施の形態1での蒸着源側から見た被成膜基板の平面図である。 実施の形態1での第2シャッタの回避期間を説明する図である。 実施の形態1での第2シャッタの制御期間1を説明する図である。 実施の形態1での第2シャッタの制御期間2を説明する図である。 実施の形態1に係る蒸着方法を使用して形成した発光層を示した平面図である。 従来の蒸着方法を使用した場合の発光層を示した平面図である。 (a)は実施の形態1での端子部と端子部領域との接続状態を説明する図であり、(b)は従来技術での端子部と端子部領域との接続状態を説明する図である。 実施の形態2に係る蒸着方法での第2シャッタの走査方法を説明する側面図である。 実施の形態2の第2シャッタの長さの決定方法を説明する図である。 実施の形態2での第2シャッタの回避期間を説明する図である。 実施の形態2での第2シャッタの制御期間1を説明する図である。 実施の形態2での第2シャッタの制御期間2を説明する図である。 実施の形態2に係る蒸着方法を使用して形成した発光層を示した平面図である。 実施の形態3に係る蒸着方法での第2シャッタの走査方法を説明する側面図である。 実施の形態4に係る蒸着方法で使用される第2シャッタの構成を説明する側面図である。 実施の形態4で使用される第2シャッタの長さが最小になった状態を示した側面図である。 実施の形態4で使用される第2シャッタの長さが最大になった状態を示した側面図である。 実施の形態5に係る蒸着方法での第2シャッタの走査方法を説明する側面図である。 実施の形態5での第2シャッタの長さの決定方法を説明する図である。 実施の形態5での第2シャッタの回避期間を説明する図である。 実施の形態5での第2シャッタの制御期間1を説明する図である。 実施の形態5での第2シャッタの制御期間2を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1〜図22に基づいて説明すれば以下の通りである。
本実施の形態では、本実施の形態にかかる蒸着装置を用いた蒸着方法の一例として、TFT基板側から光を取り出すボトムエミッション型でRGBフルカラー表示の有機EL表示装置の製造方法を例に挙げて説明する。
まず、上記有機EL表示装置の全体構成について以下に説明する。
図6は、RGBフルカラー表示の有機EL表示装置の概略構成を示す断面図である。また、図7は、図6に示す有機EL表示装置を構成する画素の構成を示す平面図であり、図8は、図7に示す有機EL表示装置におけるTFT基板のA−A線矢視断面図である。
図6に示すように、本実施の形態で製造される有機EL表示装置1は、TFT12(図8参照)が設けられたTFT基板10上に、TFT12に接続された有機EL素子20、接着層30、封止基板40が、この順に設けられた構成を有している。
図6に示すように、有機EL素子20は、該有機EL素子20が積層されたTFT基板10を、接着層30を用いて封止基板40と貼り合わせることで、これら一対の基板(TFT基板10、封止基板40)間に封入されている。
上記有機EL表示装置1は、このように有機EL素子20がTFT基板10と封止基板40との間に封入されていることで、有機EL素子20への酸素や水分の外部からの浸入が防止されている。
TFT基板10は、図8に示すように、支持基板として、例えばガラス基板等の透明な絶縁基板11を備えている。絶縁基板11上には、図7に示すように、水平方向に敷設された複数のゲート線と、垂直方向に敷設され、ゲート線と交差する複数の信号線とからなる複数の配線14が設けられている。ゲート線には、ゲート線を駆動する図示しないゲート線駆動回路が接続され、信号線には、信号線を駆動する図示しない信号線駆動回路が接続されている。
有機EL表示装置1は、フルカラーのアクティブマトリクス型の有機EL表示装置であり、絶縁基板11上には、これら配線14で囲まれた領域に、それぞれ、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色の有機EL素子20からなる各色のサブ画素2R・2G・2Bが、マトリクス状に配列されている。
すなわち、これら配線14で囲まれた領域が1つのサブ画素(ドット)であり、サブ画素毎にR、G、Bの発光領域が画成されている。
画素2(すなわち、1画素)は、赤色の光を透過する赤色のサブ画素2R、緑色の光を透過する緑色のサブ画素2G、青色の光を透過する青色のサブ画素2Bの、3つのサブ画素2R・2G・2Bによって構成されている。
各サブ画素2R・2G・2Bには、各サブ画素2R・2G・2Bにおける発光を担う各色の発光領域として、ストライプ状の各色の発光層23R・23G・23Bによって覆われた開口部15R・15G・15Bがそれぞれ設けられている。
これら発光層23R・23G・23Bは、各色毎に、蒸着によりパターン形成されている。なお、開口部15R・15G・15Bについては後述する。
これらサブ画素2R・2G・2Bには、有機EL素子20における第1電極21に接続されたTFT12がそれぞれ設けられている。各サブ画素2R・2G・2Bの発光強度は、配線14およびTFT12による走査および選択により決定される。このように、有機EL表示装置1は、TFT12を用いて、有機EL素子20を選択的に所望の輝度で発光させることにより画像表示を実現している。
次に、上記有機EL表示装置1におけるTFT基板10および有機EL素子20の構成について詳述する。
まず、TFT基板10について説明する。
TFT基板10は、図8に示すように、ガラス基板等の透明な絶縁基板11上に、TFT12(スイッチング素子)、層間膜13(層間絶縁膜、平坦化膜)、配線14、エッジカバー15がこの順に形成された構成を有している。
上記絶縁基板11上には、配線14が設けられているとともに、各サブ画素2R・2G・2Bに対応して、それぞれTFT12が設けられている。なお、TFTの構成は従来よく知られている。したがって、TFT12における各層の図示並びに説明は省略する。
層間膜13は、各TFT12を覆うように、上記絶縁基板11上に、上記絶縁基板11の全領域に渡って積層されている。
層間膜13上には、有機EL素子20における第1電極21が形成されている。
また、層間膜13には、有機EL素子20における第1電極21をTFT12に電気的に接続するためのコンタクトホール13aが設けられている。これにより、TFT12は、上記コンタクトホール13aを介して、有機EL素子20に電気的に接続されている。
エッジカバー15は、第1電極21のパターン端部で有機EL層が薄くなったり電界集中が起こったりすることで、有機EL素子20における第1電極21と第2電極26とが短絡することを防止するための絶縁層である。
エッジカバー15は、層間膜13上に、第1電極21のパターン端部を被覆するように形成されている。
エッジカバー15には、サブ画素2R・2G・2B毎に開口部15R・15G・15Bが設けられている。このエッジカバー15の開口部15R・15G・15Bが、各サブ画素2R・2G・2Bの発光領域となる。
言い換えれば、各サブ画素2R・2G・2Bは、絶縁性を有するエッジカバー15によって仕切られている。エッジカバー15は、素子分離膜としても機能する。
次に、有機EL素子20について説明する。
有機EL素子20は、低電圧直流駆動による高輝度発光が可能な発光素子であり、第1電極21、有機EL層、第2電極26が、この順に積層されている。
第1電極21は、上記有機EL層に正孔を注入(供給)する機能を有する層である。第1電極21は、前記したようにコンタクトホール13aを介してTFT12と接続されている。
第1電極21と第2電極26との間には、図8に示すように、有機EL層として、第1電極21側から、正孔注入層兼正孔輸送層22、発光層23R・23G・23B、電子輸送層24、電子注入層25が、この順に形成された構成を有している。
なお、上記積層順は、第1電極21を陽極とし、第2電極26を陰極としたものであり、第1電極21を陰極とし、第2電極26を陽極とする場合には、有機EL層の積層順は反転する。
正孔注入層は、発光層23R・23G・23Bへの正孔注入効率を高める機能を有する層である。また、正孔輸送層は、発光層23R・23G・23Bへの正孔輸送効率を高める機能を有する層である。正孔注入層兼正孔輸送層22は、第1電極21およびエッジカバー15を覆うように、上記TFT基板10における表示領域全面に一様に形成されている。
なお、本実施の形態では、上記したように、正孔注入層および正孔輸送層として、正孔注入層と正孔輸送層とが一体化された正孔注入層兼正孔輸送層22を設けた場合を例に挙げて説明する。しかしながら、本実施の形態はこれに限定されるものではない。正孔注入層と正孔輸送層とは互いに独立した層として形成されていてもよい。
正孔注入層兼正孔輸送層22上には、発光層23R・23G・23Bが、エッジカバー15の開口部15R・15G・15Bを覆うように、それぞれ、サブ画素2R・2G・2Bに対応して形成されている。
発光層23R・23G・23Bは、第1電極21側から注入されたホール(正孔)と第2電極26側から注入された電子とを再結合させて光を出射する機能を有する層である。発光層23R・23G・23Bは、それぞれ、低分子蛍光色素、金属錯体等の、発光効率が高い材料で形成されている。
電子輸送層24は、第2電極26から発光層23R・23G・23Bへの電子輸送効率を高める機能を有する層である。また、電子注入層25は、第2電極26から発光層23R・23G・23Bへの電子注入効率を高める機能を有する層である。
電子輸送層24は、発光層23R・23G・23Bおよび正孔注入層兼正孔輸送層22を覆うように、これら発光層23R・23G・23Bおよび正孔注入層兼正孔輸送層22上に、上記TFT基板10における表示領域全面に渡って一様に形成されている。また、電子注入層25は、電子輸送層24を覆うように、電子輸送層24上に、上記TFT基板10における表示領域全面に渡って一様に形成されている。
なお、電子輸送層24と電子注入層25とは、上記したように互いに独立した層として形成されていてもよく、互いに一体化して設けられていてもよい。すなわち、上記有機EL表示装置1は、電子輸送層24および電子注入層25に代えて、電子輸送層兼電子注入層を備えていてもよい。
第2電極26は、上記のような有機層で構成される有機EL層に電子を注入する機能を有する層である。第2電極26は、電子注入層25を覆うように、電子注入層25上に、上記TFT基板10における表示領域全面に渡って一様に形成されている。
なお、発光層23R・23G・23B以外の有機層は有機EL層として必須の層ではなく、要求される有機EL素子20の特性に応じて適宜形成すればよい。また、有機EL層には、必要に応じ、キャリアブロッキング層を追加することもできる。例えば、発光層23R・23G・23Bと電子輸送層24との間にキャリアブロッキング層として正孔ブロッキング層を追加することで、正孔が電子輸送層24に抜けるのを阻止し、発光効率を向上することができる。
上記有機EL素子20の構成としては、例えば、下記(1)〜(8)に示すような層構成を採用することができる。
(1)第1電極/発光層/第2電極
(2)第1電極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/第2電極
(3)第1電極/正孔輸送層/発光層/正孔ブロッキング層(キャリアブロッキング層)/電子輸送層/第2電極
(4)第1電極/正孔輸送層/発光層/正孔ブロッキング層/電子輸送層/電子注入層/第2電極
(5)第1電極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/第2電極(6)第1電極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔ブロッキング層/電子輸送層/第2電極
(7)第1電極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔ブロッキング層/電子輸送層/電子注入層/第2電極
(8)第1電極/正孔注入層/正孔輸送層/電子ブロッキング層(キャリアブロッキング層)/発光層/正孔ブロッキング層/電子輸送層/電子注入層/第2電極
なお、上記したように、例えば正孔注入層と正孔輸送層とは、一体化されていてもよい。また、電子輸送層と電子注入層とは一体化されていてもよい。
また、有機EL素子20の構成は上記例示の層構成に限定されるものではなく、上記したように、要求される有機EL素子20の特性に応じて所望の層構成を採用することができる。
次に、上記有機EL表示装置1の製造方法について以下に説明する。
図9は、上記有機EL表示装置1の製造工程を工程順に示すフローチャートである。
図9に示すように、本実施の形態にかかる有機EL表示装置1の製造方法は、例えば、TFT基板・第1電極作製工程(S1)、正孔注入層・正孔輸送層蒸着構成(S2)、発光層蒸着工程(S3)、電子輸送層蒸着工程(S4)、電子注入層蒸着工程(S5)、第2電極蒸着工程(S6)、封止工程(S7)を備えている。
以下に、図9に示すフローチャートに従って、図6および図8を参照して上記した各工程について説明する。
但し、本実施の形態に記載されている各構成要素の寸法、材質、形状等はあくまで一実施形態に過ぎず、これによって本発明の範囲が限定解釈されるべきではない。
また、前記したように、本実施形態に記載の積層順は、第1電極21を陽極、第2電極26を陰極としたものであり、反対に第1電極21を陰極とし、第2電極26を陽極とする場合には、有機EL層の積層順は反転する。同様に、第1電極21および第2電極26を構成する材料も反転する。
まず、図8に示すように、公知の技術でTFT12並びに配線14等が形成されたガラス等の絶縁基板11上に感光性樹脂を塗布し、フォトリソグラフィ技術によりパターニングを行うことで、絶縁基板11上に層間膜13を形成する。
上記絶縁基板11としては、例えば厚さが0.7〜1.1mmであり、y軸方向の長さ(縦長さ)が400〜500mmであり、x軸方向の長さ(横長さ)が300〜400mmのガラス基板あるいはプラスチック基板が用いられる。なお、本実施の形態では、ガラス基板を用いた。
層間膜13としては、例えば、アクリル樹脂やポリイミド樹脂等を用いることができる。アクリル樹脂としては、例えば、JSR株式会社製のオプトマーシリーズが挙げられる。また、ポリイミド樹脂としては、例えば、東レ株式会社製のフォトニースシリーズが挙げられる。但し、ポリイミド樹脂は一般に透明ではなく、有色である。このため、図8に示すように上記有機EL表示装置1としてボトムエミッション型の有機EL表示装置を製造する場合には、上記層間膜13としては、アクリル樹脂等の透明性樹脂が、より好適に用いられる。
上記層間膜13の膜厚としては、TFT12による段差を補償することができればよく、特に限定されるものではない。本実施の形態では、例えば、約2μmとした。
次に、層間膜13に、第1電極21をTFT12に電気的に接続するためのコンタクトホール13aを形成する。
次に、導電膜(電極膜)として、例えばITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)膜を、スパッタ法等により、100nmの厚さで成膜する。
次いで、上記ITO膜上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ技術を用いてパターニングを行った後、塩化第二鉄をエッチング液として、上記ITO膜をエッチングする。その後、レジスト剥離液を用いてフォトレジストを剥離し、さらに基板洗浄を行う。これにより、層間膜13上に、第1電極21をマトリクス状に形成する。
なお、上記第1電極21に用いられる導電膜材料としては、例えば、ITO、IZO(Indium Zinc Oxide:インジウム亜鉛酸化物)、ガリウム添加酸化亜鉛(GZO)等の透明導電材料、金(Au)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)等の金属材料、を用いることができる。
また、上記導電膜の積層方法としては、スパッタ法以外に、真空蒸着法、CVD(chemical vapor deposition、化学蒸着)法、プラズマCVD法、印刷法等を用いることができる。
上記第1電極21の厚さとしては特に限定されるものではないが、上記したように、例えば、100nmの厚さとすることができる。
次に、層間膜13と同様にして、エッジカバー15を、例えば約1μmの膜厚でパターニング形成する。エッジカバー15の材料としては、層間膜13と同様の絶縁材料を使用することができる。
以上の工程により、TFT基板10および第1電極21が作製される(S1)。
次に、上記のような工程を経たTFT基板10に対し、脱水のための減圧ベークおよび第1電極21の表面洗浄として酸素プラズマ処理を施す。
次いで、従来の蒸着装置を用いて、上記TFT基板10上に、正孔注入層および正孔輸送層(本実施の形態では正孔注入層兼正孔輸送層22)を、上記TFT基板10における表示領域全面に蒸着する(S2)。
具体的には、表示領域全面が開口したオープンマスクを、TFT基板10に対しアライメント調整を行った後に密着して貼り合わせ、TFT基板10とオープンマスクとを共に回転させながら、蒸着源より飛散した蒸着粒子を、オープンマスクの開口部を通じて表示領域全面に均一に蒸着する。
ここで表示領域全面への蒸着とは、隣接した色の異なるサブ画素間に渡って途切れなく蒸着することを意味する。
正孔注入層および正孔輸送層の材料としては、例えば、ベンジン、スチリルアミン、トリフェニルアミン、ポルフィリン、トリアゾール、イミダゾール、オキサジアゾール、ポリアリールアルカン、フェニレンジアミン、アリールアミン、オキザゾール、アントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベン、トリフェニレン、アザトリフェニレン、およびこれらの誘導体、ポリシラン系化合物、ビニルカルバゾール系化合物、チオフェン系化合物、アニリン系化合物等の、複素環式共役系のモノマー、オリゴマー、またはポリマー、等が挙げられる。
正孔注入層と正孔輸送層とは、前記したように一体化されていてもよく、独立した層として形成されていてもよい。各々の膜厚としては、例えば、10〜100nmである。
本実施の形態では、正孔注入層および正孔輸送層として、正孔注入層兼正孔輸送層22を設けるとともに、正孔注入層兼正孔輸送層22の材料として、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)を使用した。また、正孔注入層兼正孔輸送層22の膜厚は30nmとした。
次に、上記正孔注入層兼正孔輸送層22上に、エッジカバー15の開口部15R・15G・15Bを覆うように、サブ画素2R・2G・2Bに対応して発光層23R・23G・23Bをそれぞれ塗り分け形成(パターン形成)する(S3)。
前記したように、発光層23R・23G・23Bには、低分子蛍光色素、金属錯体等の発光効率が高い材料が用いられる。
発光層23R・23G・23Bの材料としては、例えば、アントラセン、ナフタレン、インデン、フェナントレン、ピレン、ナフタセン、トリフェニレン、アントラセン、ペリレン、ピセン、フルオランテン、アセフェナントリレン、ペンタフェン、ペンタセン、コロネン、ブタジエン、クマリン、アクリジン、スチルベン、およびこれらの誘導体、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体、ビス(ベンゾキノリノラト)ベリリウム錯体、トリ(ジベンゾイルメチル)フェナントロリンユーロピウム錯体、ジトルイルビニルビフェニル、等が挙げられる。
発光層23R・23G・23Bの膜厚としては、例えば、10〜100nmである。
本実施の形態にかかる蒸着方法並びに蒸着装置は、このような発光層23R・23G・23Bの塗り分け形成(パターン形成)に特に好適に使用することができる。
本実施の形態にかかる蒸着方法並びに蒸着装置を用いた発光層23R・23G・23Bの塗り分け形成については、後で詳述する。
次に、上記した正孔注入層・正孔輸送層蒸着工程(S2)と同様の方法により、電子輸送層24を、上記正孔注入層兼正孔輸送層22および発光層23R・23G・23Bを覆うように、上記TFT基板10における表示領域全面に蒸着する(S4)。
続いて、上記した正孔注入層・正孔輸送層蒸着工程(S2)と同様の方法により、電子注入層25を、上記電子輸送層24を覆うように、上記TFT基板10における表示領域全面に蒸着する(S5)。
電子輸送層24および電子注入層25の材料としては、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェニルキノキサリン誘導体、シロール誘導体等が挙げられる。
具体的には、Alq(トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム)、アントラセン、ナフタレン、フェナントレン、ピレン、アントラセン、ペリレン、ブタジエン、クマリン、アクリジン、スチルベン、1,10−フェナントロリン、およびこれらの誘導体や金属錯体、LiF、等が挙げられる。
前記したように電子輸送層24と電子注入層25とは、一体化されていても独立した層として形成されていてもよい。各々の膜厚としては、例えば、1〜100nmである。また、電子輸送層24および電子注入層25の合計の膜厚は、例えば20〜200nmである。
本実施の形態では、電子輸送層24の材料にAlqを使用し、電子注入層25の材料には、LiFを使用した。また、電子輸送層24の膜厚は30nmとし、電子注入層25の膜厚は1nmとした。
次に、上記した正孔注入層・正孔輸送層蒸着工程(S2)と同様の方法により、第2電極26を、上記電子注入層25を覆うように、上記TFT基板10における表示領域全面に蒸着する(S6)。
第2電極26の材料(電極材料)としては、仕事関数の小さい金属等が好適に用いられる。このような電極材料としては、例えば、マグネシウム合金(MgAg等)、アルミニウム合金(AlLi、AlCa、AlMg等)、金属カルシウム等が挙げられる。第2電極26の厚さは、例えば50〜100nmである。
本実施の形態では、第2電極26としてアルミニウムを50nmの膜厚で形成した。これにより、TFT基板10上に、上記した有機EL層、第1電極21、および第2電極26からなる有機EL素子20を形成した。
次いで、図6に示すように、有機EL素子20が形成された上記TFT基板10と、封止基板40とを、接着層30にて貼り合わせ、有機EL素子20の封入を行った。
上記封止基板40としては、例えば厚さが0.4〜1.1mmのガラス基板あるいはプラスチック基板等の絶縁基板が用いられる。なお、本実施の形態では、ガラス基板を用いた。
なお、封止基板40の縦長さおよび横長さは、目的とする有機EL表示装置1のサイズにより適宜調整してもよく、TFT基板10における絶縁基板11と略同一のサイズの絶縁基板を使用し、有機EL素子20を封止した後で、目的とする有機EL表示装置1のサイズに従って分断してもよい。
なお、有機EL素子20の封止方法としては、上記した方法に限定されない。他の封止方式としては、例えば、掘り込みガラスを封止基板40として使用し、封止樹脂やフリットガラス等により枠状に封止を行う方法や、TFT基板10と封止基板40との間に樹脂を充填する方法等が挙げられる。上記有機EL表示装置1の製造方法は、上記封止方法に依存せず、あらゆる封止方法を適用することが可能である。
また、上記第2電極26上には、該第2電極26を覆うように、酸素や水分が外部から有機EL素子20内に浸入することを阻止する、図示しない保護膜が設けられていてもよい。
上記保護膜は、絶縁性や導電性の材料で形成される。このような材料としては、例えば、窒化シリコンや酸化シリコンが挙げられる。また、上記保護膜の厚さは、例えば100〜1000nmである。
上記の工程により、有機EL表示装置1が完成される。
このような有機EL表示装置1において、配線14からの信号入力によりTFT12をON(オン)させると、第1電極21から有機EL層へ正孔が注入される。一方で、第2電極26から有機EL層に電子が注入され、正孔と電子とが発光層23R・23G・23B内で再結合する。再結合した正孔および電子がエネルギーを失活する際に、光として出射される。
上記有機EL表示装置1においては、各サブ画素2R・2G・2Bの発光輝度を制御することで、所定の画像が表示される。
次に、本実施の形態にかかる蒸着装置の構成について説明する。
図1は、本実施の形態にかかる蒸着装置における真空チャンバ内の被成膜基板とマスクユニットとを被成膜基板の裏面側(つまり蒸着面とは反対側)から見た平面図である。なお、図示の便宜上、図1において、被成膜基板は二点鎖線にて示している。また、図2は、本実施の形態にかかる蒸着装置における真空チャンバ内の主要構成要素の鳥瞰図である。図3は、本実施の形態にかかる蒸着装置における要部の概略構成を模式的に示す断面図である。なお、図3は、図1に示すB−B線矢視断面から見たときの蒸着装置の断面に相当する。図4は、本実施の形態にかかる蒸着装置の構成の一部を示すブロック図である。
図3に示すように、本実施の形態にかかる蒸着装置50は、真空チャンバ60(成膜チャンバ)、基板移動機構70(基板移動手段、移動手段)、マスクユニット80、イメージセンサ90、制御回路100(図4参照)およびシャッタ移動機構110(図4参照)を備えている。
上記真空チャンバ60内には、図3に示すように、基板移動機構70、マスクユニット80およびシャッタ移動機構110(図4参照)が設けられている。
なお、上記真空チャンバ60には、蒸着時に該真空チャンバ60内を真空状態に保つために、該真空チャンバ60に設けられた図示しない排気口を介して真空チャンバ60内を真空排気する図示しない真空ポンプが設けられている。
上記基板移動機構70は、例えば、被成膜基板200(例えばTFT基板10)を保持する基板保持部材71(基板保持手段)と、モータ72(図4参照)とを備えている。
上記基板移動機構70は、基板保持部材71により被成膜基板200を保持するとともに、後述するモータ駆動制御部103(図4参照)によってモータ72を駆動させることで、被成膜基板200を保持して水平方向に移動させる。なお、上記基板移動機構70は、x軸方向(例えば基板走査方向)およびy軸方向(例えばx軸に直交する水平な方向)の何れにも移動可能に設けられていてもよく、何れか一方向に移動可能に設けられていてもよい。
上記基板保持部材71には、静電チャックが使用される。被成膜基板200は、上記静電チャックにより、自重による撓みがない状態で、上記マスクユニット80における後述するシャドウマスク81との間の隙間g1(空隙、垂直間距離)が一定に保持されている。
上記被成膜基板200とシャドウマスク81との間の隙間g1は、50μm以上、3mm以下の範囲内であることが好ましく、より好ましくは200μm程度である。
上記隙間g1が50μm未満の場合、被成膜基板200がシャドウマスク81に接触するおそれが高くなる。
一方、上記隙間g1が3mmを越えると、シャドウマスク81の開口部82を通過した蒸着粒子が広がって、形成される蒸着膜211のパターン幅が広くなり過ぎる。例えば上記蒸着膜211が、発光層23Rである場合、上記隙間g1が3mmを越えると、隣接サブ画素であるサブ画素2G・2Bの開口部15G・15Bにも発光層23Rの材料が蒸着されてしまうおそれがある。
また、上記隙間g1が200μm程度であれば、被成膜基板200がシャドウマスク81に接触するおそれもなく、また、蒸着膜211のパターン幅の広がりも十分に小さくすることができる。
また、マスクユニット80は、図3に示すように、シャドウマスク81(蒸着マスク、マスク)と、蒸着源85と、マスク保持部材87(保持手段)と、マスクテンション機構88と、第1シャッタ89(図4参照)とを備えている。
上記シャドウマスク81としては、例えば金属製のマスクが用いられる。
上記シャドウマスク81は、例えば、被成膜基板200の蒸着領域210よりも面積が小さく、その少なくとも1辺が、被成膜基板200の蒸着領域210の幅よりも短く形成されている。
本実施の形態では、上記シャドウマスク81として、以下の大きさを有する矩形状(帯状)のシャドウマスクを使用する。上記シャドウマスク81は、図1に示すように、その長手方向(長軸方向)の長さである長辺81aの幅d1が、蒸着領域210における、上記シャドウマスク81の長辺81aに対向する辺(図1に示す例では蒸着領域210の長辺210a)の幅d3よりも長くなるように形成されている。また、上記シャドウマスク81は、その短手方向(短軸方向)の長さである短辺81bの幅d2が、蒸着領域210における、上記シャドウマスク81の短辺81bに対向する辺(図1に示す例では蒸着領域210の短辺210b)の幅d4よりも短くなるように形成されている。
上記シャドウマスク81には、図1および図2に示すように、例えば帯状(ストライプ状)の開口部82(貫通口)が、一次元方向に複数配列して設けられている。上記開口部82は、被成膜基板200への蒸着膜211(図3参照)のパターン形成として、例えばTFT基板10における発光層23R・23G・23Bの塗り分け形成を行う場合、これら発光層23R・23G・23Bの同色列のサイズとピッチに合わせて形成されている。
また、上記シャドウマスク81には、図1に示すように、例えば、被成膜基板200の走査方向(基板走査方向)に沿って、アライメントマーカ部83が設けられており、該アライメントマーカ部83に、被成膜基板200とシャドウマスク81との位置合わせ(アライメント)を行うためのアライメントマーカ84(図3参照)が設けられている。
本実施の形態では、上記アライメントマーカ部83は、図1に示すように、上記シャドウマスク81の短辺81b(短軸)に沿って設けられている。
また、上記したようにシャドウマスク81として、その長辺81aの幅d1が、蒸着領域210における対向する辺の幅d3よりも長く、短辺81bの幅d2が、蒸着領域210における対向する辺の幅d4よりも短いシャドウマスクを使用することで、その長手方向両側部(つまり、両短辺81b・81b)にアライメントマーカ部83を形成することができる。したがって、アライメントを容易かつより精密に行うことができる。
一方、被成膜基板200には、図1に示すように、蒸着領域210の外側に、被成膜基板200の走査方向(基板走査方向)に沿って、アライメントマーカ部220が設けられており、該アライメントマーカ部220に、被成膜基板200とシャドウマスク81との位置合わせを行うためのアライメントマーカ221(図3参照)が設けられている。
本実施の形態では、上記アライメントマーカ部220は、図1に示すように、被成膜基板200の蒸着領域210の短辺210b(短軸)に沿って設けられている。
本実施の形態では、上記ストライプ状の開口部82は、基板走査方向であるシャドウマスク81の短辺方向に延設されているとともに、基板走査方向に直交するシャドウマスク81の長辺方向に複数並んで設けられている。
蒸着源85は、例えば、内部に蒸着材料を収容する容器であり、図1〜図3に示すように、シャドウマスク81との間に一定の隙間g2(空隙)を有して(つまり、一定距離離間して)対向配置されている。
なお、上記蒸着源85は、容器内部に蒸着材料を直接収容する容器であってもよく、ロードロック式の配管を有する容器であってもよい。
上記蒸着源85は、例えば、上方に向けて蒸着粒子を射出する機構を有している。
上記蒸着源85は、シャドウマスク81との対向面に、上記蒸着材料を蒸着粒子として射出(飛散)させる複数の射出口86を有している。
本実施の形態では、上記したように蒸着源85が被成膜基板200の下方に配されており、被成膜基板200が、上記蒸着領域210が下方を向いている状態で基板保持部材71により保持される。このため、本実施の形態では、蒸着源85は、シャドウマスク81の開口部82を介して蒸着粒子を下方から上方に向かって被成膜基板200に蒸着(アップデポジション、以下、「デポアップ」と記す)させる。
上記射出口86は、図1および図2に示すように、シャドウマスク81の開口領域において開口するように、それぞれ、シャドウマスク81の開口部82に対向して設けられている。本実施の形態では、上記射出口86は、シャドウマスク81の開口部82に対向して、シャドウマスク81の開口部82の並設方向に沿って一次元配列されている。
このため、図1および図2に示すように、被成膜基板200の裏面側から見たときに(つまり平面視で)、上記蒸着源85におけるシャドウマスク81との対向面(すなわち、射出口86の形成面)は、例えば、矩形状(帯状)のシャドウマスク81の形状に合わせて、矩形状(帯状)に形成されている。
上記マスクユニット80において、上記シャドウマスク81と蒸着源85とは、相対的に位置が固定されている。すなわち、上記シャドウマスク81と上記蒸着源85の射出口86の形成面との間の隙間g2は、常に一定に保たれているとともに、上記シャドウマスク81の開口部82の位置と上記蒸着源85の射出口86の位置とは、常に同じ位置関係を有している。
なお、上記蒸着源85の射出口86は、上記マスクユニット80を上記被成膜基板200の裏面から見たときに(つまり、平面視で)、上記シャドウマスク81の開口部82の中央に位置するように配置されている。
上記シャドウマスク81と蒸着源85とは、例えば、図3に示すように、マスクテンション機構88を介して上記シャドウマスク81および蒸着源85を保持・固定するマスク保持部材87(例えば同一のホルダ)に備えられ、これにより一体化されることで、その相対的な位置が保持・固定されている。
またシャドウマスク81は、マスクテンション機構88により、テンション(張力)が加えられ、自重によるたわみや延びが発生しないように適宜調整されている。
上記したように、上記蒸着装置50においては、被成膜基板200が、基板保持部材71(静電チャック)にて吸着板に吸着されることで自重による撓みが防止されており、マスクテンション機構88によってシャドウマスク81にテンションが加えられていることで、被成膜基板200とシャドウマスク81とが平面上で重なる領域の全面に渡って、被成膜基板200とシャドウマスク81との距離が一定に保持されている。
また、第1シャッタ89は、蒸着粒子のシャドウマスク81への到達を制御するために、必要に応じて用いられる。第1シャッタ89は、後述する蒸着ON/OFF制御部104(図4参照)からの蒸着OFF信号もしくは蒸着ON信号に基づいてシャッタ駆動制御部105(図4参照)によって閉鎖もしくは開放される。
上記第1シャッタ89は、例えば平板状に形成されており、シャドウマスク81と蒸着源85との間に進退可能(挿入可能)に設けられている。第1シャッタ89は、シャドウマスク81と蒸着源85との間に挿入されることでシャドウマスク81の開口部82を閉鎖する。このように、シャドウマスク81と蒸着源85との間に第1シャッタ89を適宜差し挟むことで、余計な部分(非蒸着領域)への蒸着を防止することができる。
シャッタ移動機構110は、図4に示すように、第2シャッタ111(シャッタ部材)と、第2シャッタ111を保持するシャッタ保持部材112と、モータ113とを備えている。
第2シャッタ111は、図1に示すように、例えば平板状に形成されている。第2シャッタ111のy軸方向の長さは、例えば、被成膜基板200の同方向の長さと同程度に形成されており、第2シャッタ111のx軸方向の長さは、後述のように適切な長さに形成される。
また図14に示すように、第2シャッタ111は、蒸着源85から被成膜基板200へと流れる蒸着粒子の蒸着流Cのうち、被成膜基板200の蒸着不要領域230へと流れる蒸着流Bを遮蔽するものである。即ち第2シャッタ111は、蒸着源85から射出された蒸着粒子の流れである蒸着流Cの範囲を制御するものである。蒸着源85から射出された蒸着粒子は、蒸着源85の射出口86の形状や防着板などによって、その蒸着範囲が規定される。その蒸着範囲が被成膜基板200において蒸着領域210に制限されるように、第2シャッタ111が蒸着流Cに差し込まれることによって、蒸着流Cの範囲が更に制限される。換言すれば、第2シャッタ111によって蒸着流Cの蒸着範囲の端が決定される。
より詳細には、第2シャッタ111は、上記のように蒸着流Cの蒸着範囲を制御するために、以下のように位置調整(即ち走査)される。図14に示すように、被成膜基板200には、蒸着領域210と蒸着不要領域230との間に境界領域240が設けられている。なお、境界領域240は、蒸着粒子が蒸着されても蒸着されなくてもどちらでもよい緩衝領域である。第2シャッタ111は、シャッタ保持部材112によって、シャドウマスク81に平行に且つシャドウマスク81と一定間隔あけて配置される。そして第2シャッタ111は、蒸着源85の射出口86と第2シャッタ111の基板走査方向(即ち被成膜基板200の走査方向(相対移動の方向))側の一方端111aとを結ぶ直線m1が、シャドウマスク81の開口部82を通過して境界領域240上に至るように、位置調整される。換言すれば、第2シャッタ111は、蒸着源85から開口部82を介して被成膜基板200に蒸着する蒸着流Cの蒸着範囲の一方側の端(基板走査方向の一方側の端)が境界領域240に位置するように、位置調整される。
また図14に示すように、被成膜基板200において、基板走査方向に沿って蒸着領域210と蒸着不要領域230とが各々1つずつ存在する場合は、第2シャッタ111における基板走査方向の長さXは、図15から式1を満たすように決定されている。
Figure 2012090777
なお、図15に示すように、式1中の符号Dは、蒸着不要領域230における基板走査方向の幅であり、符号L1は、射出口86と蒸着不要領域230との間隔であり、符号L2は、射出口86と第2シャッタ111との間隔である。換言すると、符号L1は、射出口86と蒸着不要領域230を含む平面との最短距離であり、符号L2は、射出口86と第2シャッタ111を含む平面との最短距離である。
なお、式1は、図15に示すように、射出口86の中心点Pと蒸着不要領域230の幅Dの両端P,Pとで形成される三角形Pと、中心点Pと第2シャッタ111の長さXの両端P,Pとで形成される三角形Pとが相似となるように、設定されている。
なお、第2シャッタ111の厚みや端面形状、蒸着源85の射出口86の開口形状等を加味して、式1は微調整することができる。また、十分に大きな長さXを有するシャッタを用いることによって、有機ELパネルの各機種によって様々な幅Dの蒸着不要領域が存在しても、式1を満たすことができる。更には、L2を調整することによっても、様々な幅Dの大きさに対して、式1を満たすことができる。即ち、十分に大きな長さXを有するシャッタを用いることによって、第2シャッタ111を多数作製する必要がなく、設備コストの低減が図れる。
シャッタ保持部材112は、上述のように、第2シャッタ111を、シャドウマスク81と第1シャッタ89との間において、シャドウマスク81との隙間が一定に保たれる様に保持する。なお、第2シャッタ111は、シャドウマスク81と第1シャッタ89との間において保持される代わりに、被成膜基板200とシャドウマスク81との間において保持されてもよい。またシャッタ保持部材112は、例えば、第2シャッタ111を基板走査方向に走査するために、真空チャンバ60内において基板走査方向に移動可能に設置されている。
モータ113は、モータ駆動制御部103の制御に応じて、例えば、シャッタ保持部材112を基板走査方向に移動させることで、第2シャッタ111を、上述のように蒸着流Bを遮蔽する様に(即ち射出口86と一端111aとを結ぶ直線m1が境界領域240上に至るように)基板走査方向に移動させる。
なお、上記蒸着装置50において、蒸着源85から飛散した蒸着粒子はシャドウマスク81内に飛散するように調整されており、シャドウマスク81外に飛散する蒸着粒子は、防着板(遮蔽板)等で適宜除去される構成としてもよい。
また、上記真空チャンバ60の外側には、撮像手段(画像読取手段)として例えばCCDを備えたイメージセンサ90(図4参照)が設けられているとともに、制御手段として、上記イメージセンサ90に接続された制御回路100が設けられている。
上記イメージセンサ90は、被成膜基板200とシャドウマスク81との位置合わせを行うための位置検出手段として機能する。
また、制御回路100は、画像検出部101、演算部102、モータ駆動制御部103、蒸着ON/OFF制御部104、およびシャッタ駆動制御部105を備えている。
前記したように、被成膜基板200には、図1に示すように、蒸着領域210の外側に、例えば基板走査方向に沿ってアライメントマーカ部220が設けられており、該アライメントマーカ部220に、アライメントマーカ221が設けられている。
画像検出部101は、イメージセンサ90で取り込まれた画像から、被成膜基板200に設けられたアライメントマーカ221並びにシャドウマスク81のアライメントマーカ84の画像検出を行うとともに、被成膜基板200に設けられたアライメントマーカ221における、蒸着領域210の始端を示す始端マーカ、および、蒸着領域210の終端を示す終端マーカから、被成膜基板200の蒸着領域210の始端および終端を検出する。
また画像検出部101は、蒸着不要領域230の始端および終端を例えば以下のように検出する。例えば、被成膜基板200には、蒸着不要領域230の始端および終端を示す始端マーカおよび終端マーカ(図示省略)が設けられており、画像検出部101は、それら各マーカを検出することで、蒸着不要領域230の始端および終端を検出する。
また画像検出部101は、被成膜基板200における基板走査方向の端部を以下のように検出する。例えば、被成膜基板200には、その基板走査方向の端部を示す端部マーカ(図示省略)が設けられており、画像検出部101は、その端部マーカを検出することで、被成膜基板200における基板走査方向の端部を検出する。
なお、蒸着不要領域230の始端および終端、並びに被成膜基板200の上記端部の検出方法は、上記のようにマーカを用いる代わりに、例えば蒸着領域210の終端が検出されてから一定距離、被成膜基板200が走査されたときに、蒸着不要領域230の始端を検出したとしてもよい。同様に蒸着領域210の終端が検出されてから上記一定距離と異なる一定距離、被成膜基板200が走査されたときに、蒸着不要領域230の終端を検出したとしてもよく、同様に蒸着領域210の終端が検出されてから上記一定距離と異なる一定距離、被成膜基板200が走査されたときに、蒸着不要領域230の端部を検出したとしてもよい。なお、これらの検出は、演算部102またはモータ駆動制御部103で行わせてもよい。
なお、上記始端マーカと終端マーカとは、同じものであってもよい。この場合、基板走査方向にて、蒸着領域210の始端か終端か、および蒸着不要領域230の始端か終端かを判断する。
また、上記演算部102は、画像検出部101で検出された画像より、被成膜基板200とシャドウマスク81との相対的な移動量(例えばシャドウマスク81に対する被成膜基板200の移動量)を決定する。例えば、上記演算部102は、アライメントマーカ221とアライメントマーカ84とのズレ量(x軸方向およびy軸方向におけるズレ成分、並びに、xy平面における回転成分)を計算し、被成膜基板200の基板位置の補正値を演算して決定する。つまり、上記補正値は、基板走査方向に対して垂直な方向および被成膜基板200の回転方向に関して演算することで決定される。
なお、ここで、被成膜基板の回転方向とは、被成膜基板200の被成膜面の中心におけるz軸を回転軸とした、xy平面内での回転の方向を示す。
上記補正値は、補正信号としてモータ駆動制御部103に出力され、モータ駆動制御部103は、上記演算部102からの補正信号に基づいて、基板保持部材71に接続されたモータ72を駆動することで、被成膜基板200の基板位置を補正する。
なお、アライメントマーカ84・221を用いた基板位置補正については、アライメントマーカ84・221の形状例と併せて後述する。
モータ駆動制御部103は、モータ72を駆動することで、被成膜基板200を、前記したように水平方向に移動(走査)させる。
またモータ駆動制御部103は、画像検出部101の検出結果(蒸着領域210および蒸着不要領域230の各々の始端および終端)および被成膜基板200の水平方向の移動量に基づいて、蒸着領域210、蒸着不要領域230、境界領域240および開口部82との相対的な位置関係を把握して、第2シャッタ111を、上述のように蒸着流Bを遮蔽する様に基板走査方向(被成膜基板200の移動方向)に移動させる。
蒸着ON/OFF制御部104は、例えば、画像検出部101で蒸着領域210の始端が検出されると、蒸着ON(オン)信号を発生させ、画像検出部101で被成膜基板200の終端が検出されると、蒸着OFF(オフ)信号を発生させる。
シャッタ駆動制御部105は、上記蒸着ON/OFF制御部104から蒸着OFF信号が入力されると、第1シャッタ89を閉鎖する一方、上記蒸着ON/OFF制御部104から蒸着ON信号が入力されると、第1シャッタ89を開放する。
次に、アライメントマーカ84・221を用いた基板位置補正並びにアライメントマーカ84・221の形状例について説明する。
図5の(a)〜(c)に、上記アライメントマーカ84・221の形状の一例を示す。なお、図5の(b)・(c)は、それぞれ、図示の都合上、並列して配置されたアライメントマーカ84・221のうち2つだけを抜粋して示している。
演算部102は、画像検出部101で検出したアライメントマーカ84・221の画像から、x軸方向におけるアライメントマーカ84・221の端部(外縁部)間の距離rおよびy軸方向におけるアライメントマーカ84・221の端部(外縁部)間の距離qを測定(算出)することで、アライメントのズレ量を計算して基板位置の補正値を演算する。
例えば、基板走査方向がx軸方向である場合、図5の(a)〜(c)中、rが基板走査方向における上記端部間の距離であり、qが、基板走査方向に垂直な方向の上記端部間の距離である。演算部102は、距離rと距離qとを、例えば被成膜基板200における蒸着領域210の両側で測定(算出)することで、基板走査時におけるアライメントのズレ量を計算する。
なお、本実施の形態では、被成膜基板200を走査しながらシャドウマスク81と被成膜基板200とのアライメントを行う場合を例に挙げて説明するが、これに限らず、基板走査前に十分なアライメントを行い、基板走査中はアライメントを行わないことも可能である。
例えば、被成膜基板200を被成膜基板200の蒸着領域210の一辺(例えば、図5の(a)〜(c)中、y軸方向)に沿って移動させた後、上記辺に直交する辺(例えば、図5の(a)〜(c)中、x軸方向)に沿って移動させることが考えられる。この場合、図5の(a)〜(c)中、rが、基板走査方向に垂直な方向の上記端部間の距離であり、qは、被成膜基板200の移動方向(シフト方向)の上記端部間の距離を示す。
この場合、演算部102は、四隅のアライメントマーカにおける、距離rと距離qとを測定することで、基板走査開始時におけるアライメントのズレ量と被成膜基板200の移動(シフト)時のアライメントのズレ量とを計算する。
なお、図5の(a)〜(c)に示すように、アライメントマーカ84・221の形状は、帯状であってもよく、正方形等の四角形状であってもよく、枠状、十字状等であってもよい。アライメントマーカ84・221の形状は、特に限定されるものではない。
また、上記したように、基板走査前に十分なアライメントを行い、基板走査中はアライメントを行わない場合、被成膜基板200の蒸着領域210の側面に沿ってアライメントマーカ221が配置されている必要はなく、被成膜基板200の四隅等に配置されていればよい。
次に、本実施の形態にかかる上記蒸着装置50を有機EL表示装置1の製造装置として用いて、有機EL層をパターン形成する方法について詳述する。
なお、以下の説明では、前記したように、被成膜基板200として、前記正孔注入層・正孔輸送層蒸着工程(S2)が終了した段階でのTFT基板10を使用し、有機EL層のパターン形成として、発光層蒸着工程(S3)において発光層23R・23G・23Bの塗り分け形成を行う場合を例に挙げて説明する。
なお、TFT基板10には、図16に示すように、表示領域(画素領域)となる例えば矩形状の蒸着領域210が1つ設けられている。また蒸着領域210における基板走査方向の上流側には、境界領域240を介して、端子部領域(蒸着不要領域)230が設けられている。また蒸着領域210における基板走査方向に直交する方向の両側にはそれぞれ、第2電極接続部(蒸着不要領域)230bを介して、端子部領域(蒸着不要領域)230aが設けられている。
なお、本実施の形態では、蒸着源85とシャドウマスク81との間の隙間g2(すなわち、蒸着源85の射出口86形成面とシャドウマスク81との間の距離)を100mmとし、被成膜基板200である上記TFT基板10とシャドウマスク81との間の距離を200μmとした。
上記TFT基板10の基板サイズは、走査方向が320mm、走査方向に垂直な方向が400mmとし、蒸着領域(表示領域)の幅は、走査方向の幅(幅d4)が260mm、走査方向に垂直な方向の幅(幅d3)が310mmとした。
また、上記TFT基板10における各サブ画素2R・2G・2Bの開口部15R・15G・15Bの幅は、360μm(走査方向)×90μm(走査方向に垂直な方向)とした。また、上記開口部15R・15G・15B間のピッチは480μm(走査方向)×160μm(走査方向に垂直な方向)とした。なお、上記開口部15R・15G・15B間のピッチ(画素開口部間ピッチ)は、隣り合うサブ画素2R・2G・2Bにおけるそれぞれの開口部15R・15G・15B間のピッチを示しており、同色サブ画素間のピッチではない。
また、シャドウマスク81には、長辺81a(長軸方向)の幅d1(走査方向に垂直な方向の幅)が600mm、短辺81b(短軸方向)の幅d2(走査方向の幅)が200mmのシャドウマスクを用いた。また、シャドウマスク81の開口部82の開口幅は、150mm(長軸方向の幅d5:図1参照)×130μm(短軸方向の幅d6:図1参照)とし、隣り合う開口部82・82間の間隔d8(図1参照)は350μmとし、隣り合う開口部82・82の中心間のピッチp(図1参照)は480μmとした。
なお、本実施の形態において、上記シャドウマスク81の短辺81bの幅d2(短辺長)としては、200mm以上であることが好ましい。この理由は以下の通りである。
つまり、蒸着レートは10nm/s以下が好ましく、これを越えると、蒸着された膜(蒸着膜)の均一性が低下し、有機EL特性が低下する。
また、蒸着膜の膜厚は一般に100nm以下である。100nm以上となると、必要な印加電圧が高くなり、結果として、製造された有機EL表示装置の消費電力が増加する。したがって、蒸着レートと蒸着膜の膜厚とから、必要な蒸着時間は10秒と見積もられる。
一方、処理能力(タクトタイム)の制限によって、例えば幅2mのガラス基板に対して蒸着を150秒で完了するためには、少なくとも、走査速度を13.3mm/s以上にする必要がある。処理時間150秒は、およそ一日当たり570枚を処理できるタクトタイムである。
上記走査速度で、上記したように10秒の蒸着時間を得るためには、シャドウマスク81の開口部82は、走査方向に少なくとも133mm以上、開口している必要がある。
開口部82の端からシャドウマスク81の端までの距離(マージン幅d7:図1参照)を30mm程度が妥当と想定した場合、シャドウマスク81の走査方向の幅は、133+30+30≒200mmが必要となる。
したがって、シャドウマスク81の短辺長(幅d2)は、200mm以上であることが好ましいと言える。但し、蒸着レートや蒸着膜の膜厚、タクトタイムの許容量が変化すればこの限りではない。
また、本実施の形態において、上記TFT基板10の走査速度は30mm/sとした。
図10は、本実施の形態にかかる蒸着装置50を用いてTFT基板10に所定のパターンを成膜する方法の一例を示すフローチャートである。
以下に、上記蒸着装置50を用いて図10に示す発光層23R・23G・23Bを成膜する方法について、図10に示すフローにしたがって具体的に説明する。
まず、図3に示すように、マスク保持部材87を用いて、マスクテンション機構88を介して、シャドウマスク81を真空チャンバ60内の蒸着源85上に設置(固定)し、自重による撓みや延びが発生しないように、マスクテンション機構88にてテンションをかけて水平に保持する。このとき、蒸着源85とシャドウマスク81との間の距離を、マスク保持部材87によって一定に保持すると同時に、基板走査方向とシャドウマスク81に形成されたストライプ状の開口部82の長軸方向とが一致するように、シャドウマスク81のアライメントマーカ84を用いて位置合わせすることで、マスクユニット80を組み立てる(マスクユニットの準備)。
次に、上記真空チャンバ60にTFT基板10を投入し、該TFT基板10の同色サブ画素列の方向が基板走査方向に一致するように、被成膜基板200であるTFT基板10のアライメントマーカ221を用いて、図10に示すように粗アライメントを行う(S11)。TFT基板10は、自重による撓みが発生しないように、基板保持部材71により保持する。
続いて、TFT基板10とシャドウマスク81との粗アライメントを行い(S12)、TFT基板10とシャドウマスク81との間の隙間g1(基板−マスクギャップ)が一定になるようにギャップ調整してTFT基板10とシャドウマスク81とを対向配置させることにより、TFT基板10とシャドウマスク81との位置合わせを行う(S13)。本実施の形態では、TFT基板10とシャドウマスク81との間の隙間g1が、TFT基板10全体に渡って凡そ200μmとなるようにギャップ調整した。
次に、S14で、TFT基板10とシャドウマスク81とのアライメントを調整しつつ、S15で、上記TFT基板10を30mm/sで走査するとともに第2シャッタ111を走査させて、該TFT基板10に、赤色の発光層23Rの材料を蒸着させた。このとき、上記TFT基板10が、上記シャドウマスク81上を通過するように基板走査を行った。またS14では、後述のように、シャドウマスク81の開口部82が、赤色のサブ画素2R列に一致するように上記アライメントマーカ84・221を用いて、走査と同時に精密なアライメントを行った。
上記発光層23Rは、その材料に、3−フェニル−4(1’−ナフチル)−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ)(ホスト材料)と、ビス(2−(2'−ベンゾ[4,5−α]チエニル)ピリジナト−N,C3')イリジウム(アセチルアセトネート)(btp2Ir(acac))(赤色発光ドーパント)とを使用し、それぞれの蒸着速度を5.0nm/s、0.53nm/sとして、これら材料(赤色有機材料)を共蒸着させることにより形成した。
蒸着源85から射出された上記赤色有機材料の蒸着粒子は、上記TFT基板10がシャドウマスク81上を通過するときに、シャドウマスク81の開口部82を通じて、TFT基板10におけるシャドウマスク81の開口部82に対向する位置に蒸着される。本実施の形態においては、上記TFT基板10がシャドウマスク81上を完全に通過した後には、上記赤色有機材料が、膜厚25nmにて上記TFT基板10に蒸着された。
ここで、上記S14におけるアライメントの調整方法について、図11を参照して以下に説明する。
図11は、アライメント調整方法を示すフローチャートである。アライメントの調整は、図11に示すフローに従って行われる。
まず、被成膜基板200である上記TFT基板10の基板位置を、イメージセンサ90にて取り込む(S21)。
次に、上記イメージセンサ90で取り込まれた画像から、画像検出部101にて、上記TFT基板10のアライメントマーカ221およびシャドウマスク81のアライメントマーカ84の画像検出を行う(S22)。
その後、上記画像検出部101にて検出されたアライメントマーカ221・84の画像から、演算部102にて、アライメントマーカ221とアライメントマーカ84とのズレ量を計算し、基板位置の補正値を演算して決定する(S23)。
次いで、モータ駆動制御部103が、上記補正値に基づいてモータ72を駆動することで、基板位置を補正する(S24)。
次いで、補正後の基板位置を再びイメージセンサ90で検出してS21〜S24の工程(ステップ)を繰り返す。
このように、本実施の形態によれば、繰り返し基板位置をイメージセンサ90で検出して基板位置を補正することで、基板走査しながら基板位置を補正することが可能であり、TFT基板10とシャドウマスク81とを精密アライメントしながら成膜することができる。
そしてS15で、蒸着源85がONされる。なお、蒸着源85のON動作は、図13に示すフローに従って行われる。即ち図13に示すように、被成膜基板200である上記TFT基板10の基板位置が、蒸着処理の間、イメージセンサ90によって絶えず取り込まれていることは、前記した通りである(S41)。
画像検出部101は、TFT基板10のアライメントマーカ221として、蒸着領域の始端を示す始端マーカを検出することで、蒸着領域210の始端を検出する(S42)。
画像検出部101で蒸着領域210の始端が検出されると、蒸着ON/OFF制御部104は、蒸着ON信号を発生させる(S43)。
シャッタ駆動制御部105は、蒸着ON/OFF制御部104から蒸着ON信号が入力されると、第1シャッタ89を開放する(S44)。第1シャッタ89が開放されると、蒸着粒子がマスクに到達するようになり、蒸着ONとなる(S45)。このように蒸着源85がONされる。
そしてS16で、TFT基板10の走査とともに第2シャッタ111が走査されて、TFT基板10への蒸着が行われる。
その際、第2シャッタ111は、図14に示すように、蒸着源85から開口部82を介してTFT基板10へと蒸着する蒸着流Cの蒸着範囲の端(基板走査方向の上流側の端)が境界領域240に位置するように、走査される。なお、この第2シャッタ111の走査は、TFT基板10の走査と完全に同調しておらず、上記蒸着範囲の端が境界領域240に位置するように、その速度および位置が調整される。
より詳細には、第2シャッタ111は、図17〜図19に示すように走査(即ち位置調整)される。
蒸着源85から開口部82を通過してTFT基板10へと流れる蒸着流の全体を全蒸着流Cとし、全蒸着流Cのうち、TFT基板10の蒸着領域210へと流れる蒸着流を蒸着流Aと呼び、TFT基板10の蒸着不要領域230へと流れる蒸着流を蒸着流Bと呼ぶ。即ち、蒸着流Aは、第2シャッタ111により制限されない蒸着流であり、蒸着流Bは、第2シャッタ111により制限される蒸着流である。
基板走査の開始時は、図17に示すように、開口部82上に蒸着領域210が差し掛かった状態である。この状態では、蒸着流A,Bのうち蒸着流Aだけが存在する。この状態(回避期間)では、第2シャッタ111は、蒸着流Aを遮蔽しないように(即ち回避するように)位置調整される。
そしてTFT基板10が更に走査されると、図18に示すように、開口部82上に蒸着領域210および蒸着不要領域230が共に存在する状態になる。この状態(制御期間1)では、第2シャッタ111は、蒸着流Aは遮蔽せずに蒸着流Bだけを遮蔽するように位置調整される。
そしてTFT基板10が更に走査されると、図19に示すように、開口部82上に蒸着不要領域230だけが存在する状態になる。この状態では、蒸着流A,Bのうち蒸着流Bだけが存在する。この状態(制御期間2)では、第2シャッタ111は、蒸着流Bを遮蔽するように位置調整される。
そしてTFT基板10が更に走査されて、開口部82上に蒸着不要領域230が存在しなくなった場合は、図18の場合と同様に、第2シャッタ111は回避期間(即ち蒸着流Cを遮蔽しないように位置調整される)となる。このように第2シャッタ111を走査することによって、蒸着不要領域230には蒸着粒子が蒸着されることなく、蒸着領域210には蒸着粒子が十分に蒸着される。なお、S16の処理中も、S14による精密アライメントが行われている。
そしてS17で、上記発光層23Rの膜厚は、往復走査(つまり、TFT基板10の往復移動)並びに走査速度により調整される。本実施の形態では、S16でTFT基板10を基板走査方向の上流側の端部まで走査した後、TFT基板10の走査方向を反転させ、S16と同様の方法にて、上記赤色有機材料の蒸着位置に、さらに上記赤色有機材料を蒸着させる(S16)。なお、TFT基板10の走査方向を反転させた場合は、第2シャッタ111は、上述の順序(図17→図18→図19の順序)と逆の順序(図19→図18→図17の順序)で走査される。これにより、膜厚50nmの発光層23Rを形成した。
なお、上記S17における往復走査は、より詳細には、以下のようにして行われる。まず、S14に示すステップで精密アライメントを行いながらTFT基板10を走査し、画像検出部101でTFT基板10における基板走査方向の上流側の端部が検出されると、モータ駆動制御部103によってモータ72を駆動してTFT基板10の基板走査方向を反転させる。そしてS14に示すステップで再度、精密アライメントを行いながら、S16で示すステップの走査順序と逆の順序(図19→図18→図17)で第2シャッタ111を走査させることで、TFT基板10への蒸着を行う。
このようにして、S17で示したように、所望の膜厚の発光層23Rが形成される。
そしてS18で、蒸着源85がOFFされる。なお、蒸着源85のOFF動作は、図12に示すフローに従って行われる。
即ち図12に示すように、被成膜基板200である上記TFT基板10の基板位置は、図11で説明したように、蒸着処理の間、イメージセンサ90によって絶えず取り込まれている(S31)。
画像検出部101は、基板走査方向の反転後において、上記イメージセンサ90で取り込まれた画像から、上述のように被成膜基板200における基板走査方向の端部を検出する。(S32)。
そして、上記したように画像検出部101で被成膜基板200の端部が検出されると、蒸着ON/OFF制御部104は、蒸着OFF信号を発生させる(S33)。
なお、画像検出部101で、上述のように被成膜基板200の端部を検出させる代わりに、画像検出で検出させた各アライメントマーカ221,84および被成膜基板200の移動量に基づいてシャドウマスク81と被成膜基板200との相対的な位置関係を把握させ、その位置関係から、開口部82上を蒸着領域210が通過したか否かを検出させ、開口部82上を蒸着領域210が通過したことを検出したときに、蒸着ON/OFF制御部104に蒸着OFF信号を発生させてもよい。
シャッタ駆動制御部105は、蒸着ON/OFF制御部104から蒸着OFF信号が入力されると、第1シャッタ89を閉鎖する(S34)。第1シャッタ89が閉鎖されると、蒸着粒子がマスクに到達しなくなり、蒸着OFFとなる(S35)。このように蒸着源85がOFFされる。
本実施の形態では、上記S18に示すステップ後、上記発光層23Rが形成されたTFT基板10を上記真空チャンバ60から取り出し(S19)、緑色の発光層23G形成用のマスクユニット80並びに真空チャンバ60を用いて、上記発光層23Rの成膜処理と同様にして緑色の発光層23Gを成膜した。
また、このようにして発光層23Gを形成した後、青色の発光層23B形成用のマスクユニット80並びに真空チャンバ60を用いて、上記発光層23R・23Gの成膜処理と同様にして青色の発光層23Bを成膜した。
すなわち、上記発光層23G・23Bの成膜処理では、これら発光層23G・23Bに相当する位置に開口部82を有するシャドウマスク81をそれぞれ準備した。そして、それぞれのシャドウマスク81を、発光層23G・23B形成用の各真空チャンバ60に設置し、それぞれのシャドウマスク81の開口部82が、各サブ画素2G・2B列に一致するようにアライメントを行いながら、TFT基板10を走査して蒸着を行った。
上記発光層23Gは、その材料に、(TAZ)(ホスト材料)と、Ir(ppy)3(緑色発光ドーパント)とを使用し、それぞれの蒸着速度を5.0nm/s、0.67nm/sとして、これら材料(緑色有機材料)を共蒸着させることにより形成した。
また、発光層23Bは、その材料に、TAZ(ホスト材料)と、2−(4’−t−ブチルフェニル)−5−(4’’−ビフェニルイル)−1,3,4−オキサジアゾール(t−Bu PBD)(青色発光ドーパント)とを使用し、それぞれの蒸着速度を5.0nm/s、0.67nm/sとして、これら材料(青色有機材料)を共蒸着させることにより形成した。
なお、上記発光層23G・23Bの膜厚は、それぞれ50nmとした。
以上の工程によって、図20に示すように、TFT基板10の蒸着領域210上に、赤(R)、緑(G)、青(B)の各発光層23R・23G・23Bがストライプ状にパターン形成される。この様に形成されたTFT基板10では、端子部領域などの蒸着不要領域230a,230(特に蒸着領域210における基板走査方向の上流側にある蒸着不要領域230)には、発光層23R・23G・23Bが形成されない。
これに対し、従来技術では、図21に示すように、蒸着領域210だけでなく、蒸着領域210における基板走査方向の上流側にある蒸着不要領域230にも、発光層23R・23G・23B(蒸着膜)が形成される。そのため、従来技術では、蒸着不要領域230の蒸着膜は後工程で有機溶剤による蒸着膜の拭き取りを行っていた。それに伴い、従来技術では、下記(1)〜(3)の問題があった。
(1)拭き取りが不十分で残渣が残りやすい。
(2)拭き取り時に新たな上乗り異物が発生し、外部回路との接続などに不良を及ぼし、有機EL表示装置の歩留まりを低下させる。
(3)封止樹脂などによる封止を行っている場合、有機溶剤が封止樹脂に損傷を与え、有機EL表示装置の信頼性を低下させる虞がある。
本実施の形態によれば、蒸着不要領域230に蒸着膜は形成されないので、拭き取りの必要がなく、上記(1)〜(3)の問題を回避できる。
また本実施の形態では、上述のように端子部領域(蒸着不要領域)230に蒸着膜が形成されないので、図22の(a)に示すように、端子部Tを端子部領域230に良好に接続できる。これに対し、従来技術では、図22の(b)に示すように、端子部領域230上に蒸着膜Jが形成されるので、蒸着膜Jを介して端子部領域230上に端子部Tが接続される。よって端子部Tを端子部領域230に良好に接続できない。
なお、本実施の形態では、蒸着不要領域230は一例として端子部領域である場合で説明したが、封止領域においても蒸着膜を形成したくない場合は、封止領域を蒸着不要領域230として扱えばよい。
以上のように本実施の形態によれば、移動可能な第2シャッタ111が準備され、蒸着源85からシャドウマスク81の開口部82を介して被成膜基板200へと流れる蒸着粒子の蒸着流のうち、被成膜基板200の蒸着不要領域230へと流れる蒸着流Bを遮蔽する様に、第2シャッタ111の位置が調整される。よって、被成膜基板200の蒸着領域210の端部での蒸着量を低減させること無く蒸着不要領域230への蒸着を防止できる。
また本実施の形態によれば、蒸着と同時に第2シャッタ111の移動を制御するだけであり、従来のように蒸着不要領域230の蒸着膜への対応として工程を追加する必要がない。したがって、工程追加による有機EL表示装置の製造日数の増加を防ぎ、結果として低コストの有機EL表示装置を実現できる。
なお、本実施の形態では、上記マスクユニット80が、真空チャンバ60内に固定配置された構成としたが、本実施の形態はこれに限定されるものではない。
上記蒸着装置50は、上記基板移動機構70に代えて、被成膜基板200を固定する基板保持部材71(例えば静電チャック)を備えるとともに、上記マスクユニット80を、上記シャドウマスク81と蒸着源85との相対的な位置を保ったまま被成膜基板200に対して相対移動させるマスクユニット移動機構(マスクユニット移動手段)を備えていてもよい。あるいは、基板移動機構70およびマスクユニット移動機構の両方を備えていてもよい。なお、上記基板移動機構70およびマスクユニット移動機構としては、例えば、ローラ式の移動機構であってもよく、油圧式の移動機構であってもよい。
すなわち、上記被成膜基板200およびマスクユニット80は、その少なくとも一方が相対移動可能に設けられていればよく、何れを移動させる場合であっても、本発明の効果を得ることができる。この場合、第2シャッタ111は、上記相対移動の方向に走査される。
上記したように被成膜基板200に対してマスクユニット80を相対移動させる場合、上記マスクユニット80は、例えばマスク保持部材87(例えば同一のホルダ)ごと、シャドウマスク81および蒸着源85を被成膜基板200に対して相対移動させる。これにより、上記シャドウマスク81と蒸着源85との相対的な位置を保ったまま被成膜基板200に対して上記マスクユニット80を相対移動させることができる。
このように、被成膜基板200に対してマスクユニット80を相対移動させる場合には、上記シャドウマスク81と蒸着源85とは、例えば、同一のホルダ(保持部材、保持手段)にて保持されることで、一体化されていることが好ましい。
但し、上記したようにマスクユニット80に対して被成膜基板200を相対移動させる場合には、上記シャドウマスク81と蒸着源85とは、相対的に位置が固定されていれば、必ずしも一体化されている必要はない。
例えば、上記マスクユニット80は、蒸着源85が真空チャンバ60の内壁における例えば底壁に固定されるとともに、マスク保持部材87が、上記真空チャンバ60の内壁の何れかに固定されることで、上記シャドウマスク81と蒸着源85との相対的な位置が固定されていても構わない。
また、上記シャドウマスク81の開口部82は、上記蒸着源85における射出口86の配置に合わせて、各射出口86が、平面視で何れかの開口部82内に位置するとともに、開口部82と射出口86とが1対1に対応して設けられている場合を例に挙げて説明した。しかしながら、本実施の形態は、これに限定されるものではない。開口部82と射出口86とは、必ずしも対向配置されている必要はなく、また、必ずしも1対1に対応していなくてもよい。
具体的には、開口部82のピッチpと射出口86のピッチとは一致しなくてもよい。また、開口部82の幅d5あるいは幅d6と射出口86の開口幅(開口径)とは一致していなくてもよい。例えば、図1に示す例において、射出口86の開口径は、開口部82の幅d6よりも大きくても小さくても構わない。また、一つの開口部82に対して複数の射出口86が設けられていてもよく、複数の開口部82に対して一つの射出口86が設けられていてもよい。また、複数の射出口86のうち一部(少なくとも一つ)の射出口86、あるいは、射出口86の一部の領域が、非開口部(つまり、シャドウマスク81における開口部82以外の領域(例えば開口部82・82間の領域))に対向して設けられていても構わない。
また、材料利用効率の向上の観点からは、開口部82と射出口86とが1対1に対応していることが望ましい。
また、本実施の形態では、シャドウマスク81の開口部82および蒸着源85の射出口86が、一次元に配列されている場合を例に挙げて説明した。しかしながら、本実施の形態はこれに限定されるものではない。シャドウマスク81の開口部82と蒸着源85の射出口86とは、それぞれ、互いに対向して配置されていればよく、二次元に配列されていても構わない。
また、本実施の形態では、シャドウマスク81の開口部82および蒸着源85の射出口86が、それぞれ複数設けられている場合を例に挙げて説明した。しかしながら、本実施の形態はこれに限定されるものではない。上記シャドウマスク81は、開口部82を少なくとも1つ備えていればよく、蒸着源85は、射出口86を少なくとも1つ備えていればよい。
つまり、シャドウマスク81並びに蒸着源85は、開口部82並びに射出口86が、それぞれ1つだけ設けられている構成を有していてもよい。この場合でも、マスクユニット80および被成膜基板200のうち少なくとも一方を相対移動させて、蒸着粒子をシャドウマスク81の開口部82を介して被成膜基板200の蒸着領域210に順次蒸着させることで、被成膜基板200に所定のパターンの成膜を行うことができる。
また、本実施の形態では、蒸着流の広がりを制限するような機構に関しては特に記載していないが、例えば、蒸着源85とシャドウマスク81との間に射出口86から射出された蒸着流の広がりを一定の量に制限し得るような制限板が挿入されていてもよい。この構造によれば、開口部82を通過して被成膜基板200の蒸着領域210に到達する蒸着粒子の入射角を制限することができるため、被成膜基板上のパターンのボケをより抑制することができる。
また、本実施の形態では、シャドウマスク81が、スリット状の開口部82を有している場合を例に挙げて説明した。しかしながら、上記開口部82の形状は、所望の蒸着パターンが得られるように適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。
また、本実施の形態では、基板移動機構70が、基板保持部材71として静電チャックを備えている場合を例に挙げて説明した。このように、被成膜基板200が静電チャックにより保持されていることで、被成膜基板200の自重による撓みの発生を効果的に防止することができる。
しかしながら、本実施の形態はこれに限定されるものではなく、被成膜基板200の大きさによっては、例えば、上記基板保持部材71としては、基板にテンションを掛けて機械的に挟んで保持するローラ等の保持部材を用いても構わない。
また、本実施の形態では、第1シャッタ89として、シャドウマスク81と蒸着源85との間に進退可能なシャッタが設けられている場合を例に挙げて説明した。しかしながら、本実施の形態は、これに限定されるものではなく、例えば、蒸着源85として、ON/OFF切り替えが可能な蒸着源85を使用し、被成膜基板200における、蒸着不要な部分がシャドウマスク81の開口領域(つまり、開口部82に対向する領域)に位置する場合には、蒸着をOFFし、蒸着分子が飛翔しないようにしてもよい。
例えば、第1シャッタ89として、蒸着源85の射出口86を閉鎖することで蒸着粒子の射出(放出)を止める第1シャッタ89が、蒸着源85に設けられている構成としてもよい。
あるいは、上記射出口86に第1シャッタ89を設ける代わりに、蒸着ON信号あるいは蒸着OFF信号に基づいて、蒸着源85の電源をON/OFFすることで、蒸着粒子の発生そのものを停止させる構成としても構わない。
また、本実施の形態では、前記したように、TFT基板10側から光を取り出すボトムエミッション型の有機EL表示装置1の製造方法を例に挙げて説明した。しかしながら、本実施の形態はこれに限定されるものではない。本発明は、封止基板40側から光を取り出すトップエミッション型の有機EL表示装置1にも好適に適用することができる。
また、本実施の形態では、TFT基板10および封止基板40の支持基板としてガラス基板を用いる場合を例に挙げて説明したが、本実施の形態はこれに限定されるものではない。
これらTFT基板10並びに封止基板40における各支持基板としては、有機EL表示装置1がボトムエミッション型の有機EL表示装置である場合、ガラス基板以外に、例えば、プラスチック基板等の透明基板を用いることもできる。一方、上記有機EL表示装置1がトップエミッション型の有機EL表示装置である場合には、上記支持基板としては、上記したような透明基板以外に、例えば、セラミックス基板等の不透明な基板を用いることもできる。
また、本実施の形態では、陽極(本実施の形態では、第1電極21)が、マトリクス状に形成されている場合を例に挙げて説明した。しかしながら、上記陽極としては、有機EL層に正孔を供給する電極としての機能を有していれば、その形状、材質、並びに大きさは、特に限定されるものではなく、例えばストライプ状に形成されていても構わない。但し、有機EL素子の性質上、陽極および陰極のうち少なくとも一方は透明であることが好ましい。一般的には、透明な陽極が用いられる。
また、本実施の形態において、上記走査速度、蒸着速度、上記TFT基板10の往復走査回数は、上記した値に限定されるものではない。これらを調整することにより、所望のタクトタイムで所望の膜厚を得ることができる。
〔実施の形態2〕
実施の形態1では、被成膜基板200において基板走査方向に蒸着領域210と蒸着不要領域230とが1つずつ配列し、その蒸着不要領域230に対応して1つの第2シャッタ111が配置される場合を例に挙げて説明した。
これに対し、本実施の形態では、図23に示すように、被成膜基板200において基板走査方向に蒸着領域210a,210bと蒸着不要領域230c,230dとが交互に2つずつ配列し、それら蒸着不要領域230c,230dに対応して2つの第2シャッタ111a,111bが配置される。なお、各領域210a,230c間には境界領域240aが存在し、各領域230c,210b間には境界領域240bが存在し、各領域210b,230d間には境界領域240cが存在する。
以下では、実施の形態1と異なる点を説明し、実施の形態1と共通する点は説明を省略する。
本実施の形態では、第2シャッタ111aにおける基板走査方向の長さXは、図24から式2を満たすように決定される。
Figure 2012090777
なお、図24に示すように、式2中の符号Dは、第2シャッタ111aが対応する蒸着不要領域230cにおける基板走査方向の幅である。符号L1は、射出口86と蒸着不要領域230cとの間隔である。符号L2は、射出口86と第2シャッタ111aとの間隔である。符号S1は、蒸着不要領域230cにおける基板走査方向の一方側に隣接する境界領域240a(第1境界領域)の同方向の幅である。符号S2は、蒸着不要領域230cにおける基板走査方向の他方側に隣接する境界領域240b(第2境界領域)の同方向の幅である。
なお、式2は、図24に示すように、第2シャッタ111aの長さXが、線分Pの長さ以上で線分Pの長さ以下の長さとなるように設定されている。なお、各点P,Pは蒸着不要領域230cの幅Dの両端である。
なお、点Pは、線分Pと線分K1との交点であり、点Pは、線分Pと線分K1との交点であり、点Pは、線分Pと線分K1との交点であり、点Pは、線分Pと線分K1との交点である。なお、線分K1は、第2シャッタ111aの中心を通り、蒸着不要領域230cに平行な線分である。点Pは、蒸着不要領域230cにおける基板走査方向の一方側に隣接する境界領域230aの上記一方側の端である。点Pは、蒸着不要領域230cにおける基板走査方向の他方側に隣接する境界領域240bの上記他方側の端である。
なお、第2シャッタ111bにおける基板走査方向の長さXも、第2シャッタ111aと同様に式2により決定される。
なお、第2シャッタ111a,111bの厚みや端面形状、蒸着源85の射出口86の開口形状等を加味して、式2は微調整することができる。また、L2を調整することによっても、様々なDの大きさに対して、式2を満たすことができる。すなわち、有機ELパネルの各機種によって様々な幅Dの蒸着不要領域が存在しても、第2シャッタ111a,111bを多数作製する必要がなく、設備コストの低減が図れる。また、基板走査により、蒸着不要領域が移動しても、式2は不変であり、基板走査時も常に成立する式である。
本実施の形態では、各第2シャッタ111a,111b毎にシャッタ移動機構110が備えられている。これにより、各第2シャッタ111a,111bは互いに独立して走査される。
各第2シャッタ111a,111bはそれぞれ、実施の形態1の第2シャッタ111と同様に、基板走査と共に走査されて、その対応する蒸着不要領域230c,230dへと流れる蒸着流を遮蔽する。
より詳細には、各第2シャッタ111a,111bは、図25〜図27に示すように走査(即ち位置調整)される。
なお、図23および図25〜図27に示しように、蒸着源85から開口部82を通過して被成膜基板200であるTFT基板10へと流れる蒸着流の全体を全蒸着流Cとし、全蒸着流Cのうち、TFT基板10の蒸着領域210a,210bへと流れる蒸着流をそれぞれ蒸着流A1,A2と呼び、TFT基板10の蒸着不要領域230c,230dへと流れる蒸着流を蒸着流B1,B2と呼ぶ。
基板走査の開始時は、図25に示すように、開口部82上に蒸着領域210aが差し掛かった(即ち突入した)状態である。この状態では、蒸着流A1,A2,B1,B2のうち蒸着流A1だけが存在する。この状態(回避期間)では、各第2シャッタ111a,111bは、蒸着流A1を遮蔽しないように(即ち回避するように)位置調整される。
そしてTFT基板10が更に走査されると、図26に示すように、開口部82上に各蒸着領域210a,210bおよび蒸着不要領域230cが共に存在する状態になる。この状態(制御期間1)では、第2シャッタ111aは、各蒸着領域210a,210bへと流れる各蒸着流A1,A2を遮蔽せずに、第2シャッタ111aに対応する蒸着不要領域230cへの蒸着流B1を遮蔽するように、位置調整される。他方、第2シャッタ111bは、各蒸着流A1,A2,B1を遮蔽しないように、位置調整される。
なお、蒸着不要領域230cへと流れる蒸着流B1は、第2シャッタ111bに対応しない蒸着不要領域230cへと流れる蒸着流であるので、第2シャッタ111bにより遮蔽されない。
そしてTFT基板10が更に走査されると、図27に示すように、開口部82上に蒸着不要領域230dだけが存在する状態になる。この状態では、蒸着流A1,A2,B1,B2のうち蒸着流B2だけが存在する。この状態(制御期間2)では、第2シャッタ111aは、蒸着流B2を遮蔽しないように位置調整される。他方、第2シャッタ111bは、蒸着流B1(即ち第2シャッタ111bに対応する蒸着不要領域230dへと流れる蒸着流)を遮蔽するように位置調整される。
そしてTFT基板10が更に走査されて、開口部82上に蒸着不要領域230dが存在しなくなると、図25の場合と同様に、各第2シャッタ111a,111bは回避期間となる。
このように各第2シャッタ111a,111bを走査することによって、各蒸着不要領域230c,230dには蒸着粒子が蒸着されることなく、各蒸着領域210a,210bには蒸着粒子が十分に蒸着される。なお、TFT基板10を逆方向に走査する場合は、図27→図26→図25の順序に各第2シャッタ111a,111bは走査される。
図28は、上記の様にして、上記TFT基板10の蒸着領域210a,210b上に、赤(R)、緑(G)、青(B)の各発光層23R・23G・23Bをストライプ状にパターン形成した状態を示した平面図である。
図28に示すように、この様に形成されたTFT基板10では、各蒸着不要領域230b,230c,230e,230d(特に蒸着不要領域230c,230d)には、発光層23R・23G・23Bが形成されない。従来技術では、蒸着不要領域230c、230dにも蒸着膜が形成されるので、各蒸着不要領域230c,230dの蒸着膜は後工程で有機溶剤による蒸着膜の拭き取りを行っていた。しかし、本実施の形態のように作製した有機EL表示装置では、第2シャッタ111a,111bにより、各蒸着不要領域230c,230dには蒸着膜は形成されないので、拭き取りの必要がない。
なお、有機EL表示装置の他の製造工程については、実施の形態1と同様であるので、説明は省略する。
以上のように、本実施の形態によれば、複数の蒸着不要領域230c,230dにそれぞれ第2シャッタ111a,111bを対応させ、各第2シャッタ111a,111bの各々の長さXを式2を満たすように決定し、各第2シャッタ111a,111bによりそれぞれ、それに対応する蒸着不要領域230c,230dへと流れる蒸着流B1,B2だけを遮蔽させている。これにより、基板走査方向に対して、蒸着領域210bを挟む様にして両側に蒸着不要領域230c,230dが存在する場合でも、実施の形態1と同様の効果を得る。
なお、上述のように、基板走査の際に、開口部82上に最初に蒸着領域が現れ、次に蒸着不要領域が現れる場合は、上述のように図25→図26→図27の順序に各第2シャッタ111a,111bは走査されるが、基板走査の際に、開口部82上に最初に蒸着不要領域が現れ、次に蒸着領域が現れる場合は、図27→図26→図25の順序に各第2シャッタ111a,111bは走査される。
なお、本実施の形態では、基板走査方向に2つの蒸着不要領域230c,230dが存在する場合で説明したが、基板走査方向に3以上の蒸着不要領域が存在する場合は、それら各蒸着不要領域にそれぞれ対応する第2シャッタを配置させればよい。
〔実施の形態3〕
実施の形態2では、基板走査方向に複数の蒸着不要領域230c,230dが存在する場合に、それら各蒸着不要領域にそれぞれ異なる第2シャッタ111a,111bを対応させた。即ち上記複数の蒸着不要領域の数と同数の第2シャッタが配置された。一方、本実施の形態では、上記複数の蒸着不要領域の数よりも少ない数の第2シャッタが配置される。即ち、同一の第2シャッタは複数の蒸着不要領域に対応する。
図29に示すように、TFT基板10において、基板走査方向に蒸着領域210d,210e,210fおよび蒸着不要領域230g,230h,230iが交互に各々3つずつ存在する場合を例に挙げて具体的に詳説する。この場合、この実施の形態では、各々各蒸着不要領域210d,210eに対応する様に各第2シャッタ111g,111hが備えられるが、蒸着不要領域210fに対応する第2シャッタは備えられない。尚、各蒸着不要領域210d,210eにおける基板走査方向の長さは、互いに同じ長さとする。
なお、この実施の形態でも、各第2シャッタ111g,111hは、シャドウマスク81の開口部82上に一方側から突入して他方側へと離脱するものとする。
図29に示すように、基板走査を開始して、各蒸着不要領域230g,230h,230iをその順番に開口部82上を例えば1つずつ通過させ、それに伴って、各第2シャッタ111g,111hを実施の形態2と同様に走査させる。図29は、1つ目の第2シャッタ111gが基板走査に伴って開口部82上に突入して離脱し、2つ目の第2シャッタ111hが開口部82上に突入して、各蒸着領域210e,210fへと流れる蒸着流A3,A4を遮蔽しない様に蒸着不要領域230hへと流れる蒸着流B3を遮蔽している状態を示している。
この実施の形態では、開口部82上を離脱して回避期間にある1つ目の第2シャッタ111gは、蒸着源85からの蒸着流A3,A4,B3を遮蔽しない様に、例えば矢印Yに示すようにTFT基板10の裏面側を回って、シャドウマスク81の上記一方側(即ち基板走査方向の上流側)に戻されて、未だシャドウマスク81上に突入していない蒸着不要領域230iに対応させられる。
そしてその第2シャッタ111gによって、実施の形態2と同様に、蒸着不要領域230iへと流れる蒸着流を遮蔽させる。
この様に上記の例では、3つの蒸着不要領域230g,230h,230iに対して2つの第2シャッタ111g,111hが備えられる。即ち、第2シャッタ111gは、2つの蒸着不要領域(より詳細には基板走査方向の長さが同じである2つの蒸着不要領域)230g,230iに対応される。
以上のように、本実施の形態によれば、第2シャッタ111gは、それに対応する蒸着不要領域230gと共にシャドウマスク81上に一方側から突入して他方側へと離脱した後、TFT基板10へと流れる蒸着流を回避する様にシャドウマスク81の上記一方側に戻されて、異なる蒸着不要領域230iに対応させられるので、第2シャッタを蒸着不要領域毎に準備する必要が無くなり、第2シャッタの数を削減できる。
尚、この実施の形態では、1つの第2シャッタ111gに、基板走査方向の長さが同じである複数の蒸着不要領域230g,230iを対応させたが、走査基板方向の長さが異なる複数の蒸着不要領域に対応させる場合は、当該第2シャッタ111gを、下記の実施の形態4の様に、その基板走査方向の長さが変更可能となる様に構成し、その対応する蒸着不要領域の長さに応じて、その長さを変更させればよい。
〔実施の形態4〕
この実施の形態の第2シャッタは、その基板走査方向の長さが変更可能となる様に構成される。以下、図30〜図32に基づいて詳説する。
図30に示すように、この実施の形態の第2シャッタ111kは、平板状の複数(図30では2つ)のシャッタ構成部材111k1,111k2が互いに基板走査方向の重なり量が調整可能に重ねられて構成される。
即ち、各シャッタ構成部材111k1,111k2間における基板走査方向の重なり量kを調整することで、第2シャッタ111kにおける基板走査方向の長さXが変更される。例えば図31に示すように、重なり量kを最大にすると、第2シャッタ111kの長さXは最小になり、例えば図32に示すように、重なり量kを最小にすると、第2シャッタ111kの長さXは最大になる。
第2シャッタ111kの長さXは、その第2シャッタ111kが対応する蒸着不要領域における基板走査方向の幅と同じ長さになるように変更される。これにより1つの第2シャッタ111kにより、幅の異なる複数の蒸着不要領域に対応させる事ができる。
なお、この実施の形態では、蒸着装置50は、第2シャッタ111kの長さXを変更する長さ変更機構を更に備えている。
以上のように、本実施の形態によれば、第2シャッタ111kは、複数の第2シャッタ構成部材111k1,111k2の間の重なり量が調整可能に重ねられて構成される。よって、各シャッタ構成部材111k1,111k2間の重なり量kを調整することで、第2シャッタ111kの長さXを調整できる。
〔実施の形態5〕
この実施の形態は、図33に示すように、実施の形態1において、蒸着源85から見て、第2シャッタ111における基板走査方向の長さXが開口部82を閉鎖できる程度の長さに設定されたものである。以下、この実施の形態について詳説する。
この実施の形態では、図33に示すように、蒸着不要領域230と境界領域240の各々の基板走査方向の幅の和D11がシャドウマスク81の開口部82の同方向の幅Dmよりも長く設定されている。またこの実施の形態では、図33に示すように、実施の形態1と同様に、TFT基板10には、基板走査方向に蒸着領域210と蒸着不要領域230とが1つずつ配置されている。
この実施の形態の第2シャッタ111における基板走査方向の長さXは、式3を満たすように決定される。
Figure 2012090777
なお、図33に示すように、式3中の符号Dmは、シャドウマスク81の開口部82における基板走査方向の幅であり、符号L2は、射出口86と第2シャッタ111との間隔であり、符号L3は、射出口86とシャドウマスク81との間隔である。
なお、式3は、図34に示すように、射出口86の中心点Pと開口部82における基板走査方向の両端P10,P11とで形成される三角形P1011と、中心点Pと第2シャッタ111の長さXの両端P,Pとで形成される三角形Pとが相似となるように、設定されている。
またこの実施の形態では、第2シャッタ111は下記のように走査される。蒸着源85から開口部82を介してTFT基板10へと流れる全蒸着流Cのうち、蒸着領域210へと流れる蒸着流をAと呼び、蒸着不要領域230へと流れる蒸着流をBと呼ぶ。
基板走査の開始時では、図35に示すように、開口部82上には蒸着領域210だけが存在する。この状態(回避期間)では、シャッタ111は、蒸着流Aを遮蔽しないように走査される。
そして基板走査が更に行われて、図36に示すように、開口部82上に蒸着領域210および蒸着不要領域230が存在する状態になる。この状態(制御期間1)では、第2シャッタ111は、蒸着流Aを遮蔽せずに蒸着流Bを遮蔽するように走査される。
そして基板走査が更に行われて、図37示すように、開口部82上に蒸着不要領域230だけが存在する(即ち蒸着領域210が存在しない)状態になる。この状態(制御期間2)では、蒸着流Aは存在せず、蒸着流Bだけが存在する。この状態では、第2シャッタ111は、蒸着源85から見て完全に開口部82を閉塞するように走査され、その位置に停止される(即ち第2シャッタ111の位置を蒸着源85に対して相対的に固定する)。このように第2シャッタ111が走査されることで、蒸着流Bは完全に遮蔽される。
以上の様に、この実施の形態によれば、第2シャッタ111の長さXは蒸着源85から見て開口部85を閉鎖できる長さに形成されるので、第2シャッタ111により蒸着源85から開口部82を介してTFT基板10へと流れる蒸着流を完全に遮蔽できる。
そしてこの遮蔽状態では、第2シャッタ111の位置は蒸着源85に対して相対的に固定されるので、第2シャッタ111の位置の調整を省略できる。
なお、この実施の形態では、蒸着源85およびシャドウマスク81を固定してTFT基板10を走査するが、その逆の場合、即ち蒸着源85およびシャドウマスク81を走査してTFT基板10を固定する場合も、第2シャッタ111の位置を蒸着源85に対して相対的に固定することで、その分、第2シャッタ111の位置の調整を簡略化できる。
なお、この実施の形態では、図37に示すように、第2シャッタ111が開口部82を蒸着源85から見て完全に閉塞する状態では、開口部82を通過する蒸着流は存在しないので、第2シャッタ111は、蒸着流のTFT基板10への蒸着をオン/オフさせるシャッタとして機能する。よって、この実施の形態では、第1シャッタ89を省略することができる。
〔要点概要〕
以上のように、本発明の実施の形態に係る蒸着方法は、被成膜基板に所定のパターンの成膜を行う蒸着方法であって、開口部を有する蒸着マスクと、上記蒸着マスクに対向配置された蒸着源とを備え、上記蒸着マスクと上記蒸着源との相対的な位置を固定したマスクユニットを準備する準備工程と、上記マスクユニットおよび上記被成膜基板のうち少なくとも一方を相対移動させて、上記蒸着源から射出される蒸着粒子を上記開口部を介して上記被成膜基板の蒸着領域に蒸着させる蒸着工程と、上記蒸着粒子の蒸着流のうち、上記被成膜基板の蒸着不要領域へと流れる蒸着流をシャッタ部材によって遮蔽する遮蔽工程と、を備えている。
上記の構成によれば、移動可能なシャッタ部材が準備され、蒸着源から蒸着マスクの開口部を介して被成膜基板へと流れる蒸着粒子の蒸着流のうち、被成膜基板の蒸着不要領域へと流れる蒸着流を遮蔽する様に、シャッタ部材の位置が調整される。よって、蒸着領域の端部での蒸着量を低減させること無く蒸着不要領域への蒸着を防止できる。
これにより、(1)蒸着不要領域に蒸着した蒸着粒子を溶剤で拭き取る工程を省略でき、その拭き取り工程に伴う問題を防止できる。また(2)蒸着不要領域への蒸着を防止するために蒸着不要領域を保護する工程を追加しなくて済む。また(3)シャッタ部材と蒸着源との位置関係を変えるだけで、様々な蒸着不要領域のサイズに対応できる。したがって、蒸着領域の端部での蒸着量を低減させること無く、蒸着不要領域への蒸着を防止できる蒸着方法を提供することができる。
また本発明の実施の形態に係る蒸着方法は、上記遮蔽工程では、上記被成膜基板に蒸着する上記蒸着粒子の蒸着範囲の端が、上記蒸着領域と上記蒸着不要領域との間の境界領域に位置する様に、上記シャッタ部材の位置が調整されることが望ましい。
上記の構成によれば、蒸着領域と蒸着不要領域との間に境界領域がある場合は、被成膜基板に蒸着する蒸着粒子の蒸着範囲の端が境界領域に位置する様に、シャッタ部材の位置が調整されるので、蒸着領域の端部での蒸着量を低減させること無く蒸着不要領域への蒸着を防止できる。
また本発明の実施の形態に係る蒸着方法は、上記シャッタ部材は上記被成膜基板に対して平行に配置され、上記蒸着不要領域における上記相対移動の方向の幅をDとし、上記蒸着源と上記蒸着不要領域との間隔をL1とし、上記蒸着源と上記シャッタ部材との間隔をL2とすると、上記シャッタ部材における上記相対移動の方向の長さXは、式1を満たすことが望ましい。
Figure 2012090777
上記の構成によれば、シャッタ部材は式1を満たすので、例えば相対移動の方向に蒸着領域が1つだけある場合において、シャッタ部材の長さXを有効な長さに決定できる。
また本発明の実施の形態に係る蒸着方法は、上記シャッタ部材は上記被成膜基板に対して平行に配置され、上記蒸着不要領域における上記相対移動の方向の一方側に第1境界領域があり他方側に第2境界領域があり、上記蒸着不要領域における上記相対移動の方向の幅をDとし、上記第1境界領域における上記相対移動の方向の幅をS1とし、上記第2境界領域における上記相対移動の方向の幅をS2とし、上記蒸着源と上記蒸着不要領域との間隔をL1とし、上記蒸着源と上記シャッタ部材との間隔をL2とすると、上記シャッタ部材における上記相対移動の方向の長さXは、式2を満たすことが望ましい。
Figure 2012090777
上記の構成によれば、シャッタ部材の長さXは式2を満たすので、蒸着不要領域の両側に境界領域がある場合において、シャッタ部材の長さXを有効な長さに決定できる。
また本発明の実施の形態に係る蒸着方法は、上記遮蔽工程では、上記シャッタ部材は、上記蒸着不要領域へと流れる上記蒸着流を遮蔽するために、上記蒸着不要領域と共に上記蒸着マスク上に一方側から突入して他方側へと離脱した後、上記被成膜基板へと流れる上記蒸着流を回避する様に上記蒸着マスクの上記一方側に戻されて、異なる上記蒸着不要領域へと流れる上記蒸着流を遮蔽するために使用されることが望ましい。
上記の構成によれば、シャッタ部材は、蒸着不要領域と共に蒸着マスク上に一方側から突入して他方側へと離脱した後、被成膜基板へと流れる蒸着流を回避する様に蒸着マスクの上記一方側に戻されて、異なる蒸着不要領域へと流れる蒸着流を遮蔽するために使用されるので、シャッタ部材を蒸着不要領域毎に準備する必要が無くなり、シャッタ部材の数を削減できる。
また本発明の実施の形態に係る蒸着方法は、上記シャッタ部材は、複数のシャッタ構成部材が互いに上記相対移動の方向の重なり量が変更可能に重ねられて構成されることが望ましい。
上記の構成によれば、シャッタ部材は、複数のシャッタ構成部材が互いに上記相対移動の方向の重なり量が調整可能に重ねられて構成されるので、各シャッタ構成部材間の重なり量を調整することで、シャッタ部材の長さを変更できる。
また本発明の実施の形態に係る蒸着方法は、上記シャッタ部材が上記蒸着不要領域に流れる上記蒸着流を遮蔽する場合において、当該蒸着不要領域における上記相対移動の方向の幅に応じて、当該シャッタ部材における上記相対移動の方向の長さを変更することが望ましい。
上記の構成によれば、上記シャッタ部材が上記蒸着不要領域に流れる上記蒸着流を遮蔽する場合において、当該蒸着不要領域における上記相対移動の方向の幅に応じて、当該シャッタ部材における上記相対移動の方向の長さを変更するので、幅の異なる複数の蒸着不要領域の各々に対してシャッタ部材の長さを適切な長さに変更できる。
また本発明の実施の形態に係る蒸着方法は、上記シャッタ部材における上記相対移動の方向の長さは、上記蒸着源から見て上記開口部を閉鎖できる長さに形成されることが望ましい。
上記の構成によれば、シャッタ部材の長さは上記蒸着源から見て上記開口部を閉鎖できる長さに形成されるので、シャッタ部材により蒸着源から開口部を介して被成膜基板へと流れる蒸着流を完全に遮蔽できる。
また本発明の実施の形態に係る蒸着方法は、上記シャッタ位置調整工程では、上記開口部上に上記蒸着領域が存在しない状態では、上記蒸着源から見て上記シャッタ部材が上記開口部を閉塞する様に、上記シャッタ部材の位置を上記蒸着源に対して相対的に固定することが望ましい。
上記の構成によれば、蒸着マスクの開口部上に蒸着領域が存在しない状態では、蒸着源から見てシャッタ部材が上記開口部を閉塞する様に、シャッタ部材の位置を蒸着源に対して相対的に固定するので、シャッタ部材の位置の調整を省略(被成膜基板が走査される場合)または簡略化(マスクユニットが走査される場合)できる。
また本発明の実施の形態に係る蒸着方法は、上記シャッタ部材は上記被成膜基板に対して平行に配置され、上記開口部における上記相対移動の方向の幅をDmとし、上記蒸着源と上記シャッタ部材との間隔をL2とし、上記蒸着源と上記開口部との間隔をL3とすると、上記シャッタ部材における上記相対移動の方向の幅Xは、式3を満たすことが望ましい。
Figure 2012090777
上記の構成によれば、シャッタ部材の長さXは式3を満たすので、蒸着源から見てシャッタ部材により開口部を閉塞できるように決定できる。
また本発明の実施の形態に係る蒸着方法は、上記所定のパターンが、有機エレクトロルミネッセンス素子の有機層であることが望ましい。
また本発明の実施の形態に係る蒸着方法は、上記蒸着領域は、有機エレクトロルミネッセンス素子の画像領域であり、上記蒸着不要領域は、封止基板が接着される封止領域であることが望ましい。
また本発明の実施の形態に係る蒸着方法は、上記蒸着領域は、有機エレクトロルミネッセンス素子の画像領域であり、上記蒸着不要領域は、外部回路との接続がなされる端子部領域であることが望ましい。
上記の構成によれば、蒸着領域である画像領域には蒸着膜が十分に形成され、蒸着不要領域である端子部領域には蒸着膜が形成される事が防止できる。よって端子部領域での接続性および画素領域での発光性能を良好に保てる有機エレクトロルミネッセンス素子を製造できる。
また本発明の実施の形態に係る蒸着膜は、上記蒸着方法にて形成された蒸着膜であって、ストライプ状の上記蒸着膜の少なくとも一端が上記蒸着領域と上記蒸着不要領域との間にある境界領域にあることが望ましい。
上記の構成によれば、蒸着領域の端にストライプ状の蒸着膜の一端が存在すると、もし走査方向に対して被成膜基板上への蒸着膜のパターン形成にずれが生じた場合、蒸着領域上にパターン欠損が生じる恐れがある。しかしながら、境界領域内にストライプ状の蒸着膜の一端が存在するようにしておけば、パターン形成にずれが生じたとしても、蒸着領域での膜欠損を境界領域上の蒸着膜にて補うことができ、膜欠損が生じない。すなわち、境界領域上に形成された分の蒸着膜がパターンずれに対するマージンとなる。
また本発明の実施の形態に係る有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法は、TFT基板上に第1電極を作製するTFT基板・第1電極作製工程と、上記TFT基板上に少なくとも発光層を含む有機層を蒸着する有機層蒸着工程と、第2電極を蒸着する第2電極蒸着工程と、上記有機層および第2電極を含む有機エレクトロルミネッセンス素子を封止部材で封止する封止工程とを有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法であって、上記有機層蒸着工程、上記第2電極蒸着工程、および上記封止工程の少なくともいずれかの工程は、上記の蒸着方法の上記準備工程、上記蒸着工程および上記遮蔽工程を有している。
上記の構成によれば、電気的不良がなく低コストの有機エレクトロルミネッセンス素子を製造できる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、例えば、有機EL表示装置における有機層の塗り分け形成等の成膜プロセスに用いられる、有機EL表示装置の製造装置並びに製造方法等に好適に用いることができる。
10 TFT基板
81 シャドウマスク(蒸着マスク)
82 開口部
85 蒸着源
111,111a,111b,111g,111h 第2シャッタ(シャッタ部材)
111k1,111k2 シャッタ構成部材(第2シャッタ構成部材)
200 被成膜基板
210,210a,210b,210d,210e,210f 蒸着領域
230,230c,230d,230g,230i 蒸着不要領域
240,240a,240b,240c 境界領域

Claims (15)

  1. 被成膜基板に所定のパターンの成膜を行う蒸着方法であって、
    開口部を有する蒸着マスクと、上記蒸着マスクに対向配置された蒸着源とを備え、上記蒸着マスクと上記蒸着源との相対的な位置を固定したマスクユニットを準備する準備工程と、
    上記マスクユニットおよび上記被成膜基板のうち少なくとも一方を相対移動させて、上記蒸着源から射出される蒸着粒子を上記開口部を介して上記被成膜基板の蒸着領域に蒸着させる蒸着工程と、
    上記蒸着粒子の蒸着流のうち、上記被成膜基板の蒸着不要領域へと流れる蒸着流をシャッタ部材によって遮蔽する遮蔽工程と、
    を備えていることを特徴とする蒸着方法。
  2. 上記遮蔽工程では、上記被成膜基板に蒸着する上記蒸着粒子の蒸着範囲の端が、上記蒸着領域と上記蒸着不要領域との間の境界領域に位置する様に、上記シャッタ部材の位置が調整されることを特徴とする請求項1に記載の蒸着方法。
  3. 上記シャッタ部材は上記被成膜基板に対して平行に配置され、
    上記蒸着不要領域における上記相対移動の方向の幅をDとし、上記蒸着源と上記蒸着不要領域との間隔をL1とし、上記蒸着源と上記シャッタ部材との間隔をL2とすると、上記シャッタ部材における上記相対移動の方向の長さXは、式1を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の蒸着方法。
    Figure 2012090777
  4. 上記シャッタ部材は上記被成膜基板に対して平行に配置され、
    上記蒸着不要領域における上記相対移動の方向の一方側に第1境界領域があり他方側に第2境界領域があり、
    上記蒸着不要領域における上記相対移動の方向の幅をDとし、上記第1境界領域における上記相対移動の方向の幅をS1とし、上記第2境界領域における上記相対移動の方向の幅をS2とし、上記蒸着源と上記蒸着不要領域との間隔をL1とし、上記蒸着源と上記シャッタ部材との間隔をL2とすると、上記シャッタ部材における上記相対移動の方向の長さXは、式2を満たすことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の蒸着方法。
    Figure 2012090777
  5. 上記遮蔽工程では、上記シャッタ部材は、上記蒸着不要領域へと流れる上記蒸着流を遮蔽するために、上記蒸着不要領域と共に上記蒸着マスク上に一方側から突入して他方側へと離脱した後、上記被成膜基板へと流れる上記蒸着流を回避する様に上記蒸着マスクの上記一方側に戻されて、異なる上記蒸着不要領域へと流れる上記蒸着流を遮蔽するために使用されることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の蒸着方法。
  6. 上記シャッタ部材は、複数のシャッタ構成部材が互いに上記相対移動の方向の重なり量が変更可能に重ねられて構成されることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の蒸着方法。
  7. 上記シャッタ部材が上記蒸着不要領域に流れる上記蒸着流を遮蔽する場合において、当該蒸着不要領域における上記相対移動の方向の幅に応じて、当該シャッタ部材における上記相対移動の方向の長さを変更することを特徴とする請求項6に記載の蒸着方法。
  8. 上記シャッタ部材における上記相対移動の方向の長さは、上記蒸着源から見て上記開口部を閉鎖できる長さに形成されることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の蒸着方法。
  9. 上記遮蔽工程では、上記開口部上に上記蒸着領域が存在しない状態では、上記蒸着源から見て上記シャッタ部材が上記開口部を閉塞する様に、上記シャッタ部材の位置を上記蒸着源に対して相対的に固定することを特徴とする請求項8に記載の蒸着方法。
  10. 上記シャッタ部材は上記被成膜基板に対して平行に配置され、
    上記開口部における上記相対移動の方向の幅をDmとし、上記蒸着源と上記シャッタ部材との間隔をL2とし、上記蒸着源と上記開口部との間隔をL3とすると、上記シャッタ部材における上記相対移動の方向の幅Xは、式3を満たすことを特徴とする請求項8または9に記載の蒸着方法。
    Figure 2012090777
  11. 上記所定のパターンが、有機エレクトロルミネッセンス素子の有機層であることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の蒸着方法。
  12. 上記蒸着領域は、有機エレクトロルミネッセンス素子の画像領域であり、
    上記蒸着不要領域は、封止基板が接着される封止領域であることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の蒸着方法。
  13. 上記蒸着領域は、有機エレクトロルミネッセンス素子の画像領域であり、
    上記蒸着不要領域は、外部回路との接続がなされる端子部領域であることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の蒸着方法。
  14. 請求項1〜13の何れか1項に記載の蒸着方法にて形成された蒸着膜であって、
    ストライプ状の上記蒸着膜の少なくとも一端が上記蒸着領域と上記蒸着不要領域との間にある境界領域にあることを特徴とする蒸着膜。
  15. TFT基板上に第1電極を作製するTFT基板・第1電極作製工程と、
    上記TFT基板上に少なくとも発光層を含む有機層を蒸着する有機層蒸着工程と、
    第2電極を蒸着する第2電極蒸着工程と、
    上記有機層および第2電極を含む有機エレクトロルミネッセンス素子を封止部材で封止する封止工程とを有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法であって、
    上記有機層蒸着工程、上記第2電極蒸着工程、および上記封止工程の少なくともいずれかの工程は、請求項1〜13のいずれか1項に記載の蒸着方法の上記準備工程、上記蒸着工程および上記遮蔽工程を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
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