JPWO2012046434A1 - エビネ様香料組成物 - Google Patents

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    • C11BPRODUCING, e.g. BY PRESSING RAW MATERIALS OR BY EXTRACTION FROM WASTE MATERIALS, REFINING OR PRESERVING FATS, FATTY SUBSTANCES, e.g. LANOLIN, FATTY OILS OR WAXES; ESSENTIAL OILS; PERFUMES
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Abstract

【課題】エビネの自然な香りを有する香料組成物を提供する。【解決手段】L体の比率が67%以上になるようにリナロールを配合する。【選択図】図1

Description

本発明は、香料組成物、特にエビネ様の優れた香りを有するエビネ様香料組成物に関する。
ニオイエビネは、ラン科エビネ属の常緑多年草であり、甘くやわらかな良好な香りの気品のある青紫色の花をつけ、観賞用植物として多くの人々に愛されている。特に近年、他の蘭科の植物とまた一味違ったエビネの特異かつ甘美な香りが注目され、エビネ様の香りを人工的に調合したエビネの香りの芳香剤、フレグランスまたは香水などが商品化されている。
しかしながら、従来のそのようなエビネの香りを模した調合香料は、多少メタリックな匂いがして、実際に花が咲いているときに感じられる自然なやわらかさをもつエビネの香りに至っていないのが実情であった。
非特許文献1には、Linalool(リナロール)がエビネの主要香料成分であることが記載されている。リナロールは多くの植物の精油成分であることが分っており、種々の植物から異なる光学純度の光学活性リナロールが得られ、また化学合成による光学活性リナロールの製造方法も報告されている(特許文献1)。
特開平9−278号明細書
Flavour Frag.J., 12, 327 (1997)
本発明は、上記のような事情に鑑み、エビネの花が咲いているときのようなやわらかく自然な香りを有するエビネ様香料組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者は、エビネの自然な香りをより忠実に再現すべく鋭意検討を行った結果、配合するリナロールのL体の比率を67%以上にすることにより、従来のエビネ様香料組成物におけるメタリックな匂いが改善され、より自然なエビネの香りを再現できることを見出し、本発明を完成するに至った。従来のエビネ様香料組成物ではリナロールのラセミ体(L体とD体の等量混合物)が配合されており、リナロールの光学異性体の比率がエビネの香りに影響し得ることは全く知られていなかった。
本発明のエビネ様香料組成物は、L体の比率が67%以上であるリナロールを含有することを特徴とする。L体が67%以上になるようにリナロールを配合することにより、エビネの自然な香りを有する香料組成物を提供することができる。
本発明のエビネ様香料組成物は通常、エビネ様ベース香料として、メチルベンゾエート、ネロリドールおよびインドール等をさらに含有する。
本発明のエビネ様香料組成物において、リナロール全体の配合量は、香料組成物全量に対して0.01〜40質量%であることが好ましい。
また、本発明のエビネ様香料組成物の製造方法は、メチルベンゾエート、ネロリドール、インドールを含むエビネ様ベース香料に、L体の比率が67%以上になるようにリナロールを添加することを特徴とする。
本発明のエビネ様香料組成物は、L体の比率が67%以上になるようにリナロールを配合することにより、従来のエビネ様香料組成物のメタリックな匂いが改善され、より生花に近い自然なエビネの香りを提供することができる。
エビネ様香料組成物の香気に対するリナロールのL体の比率の影響を検討した香気評価試験の結果を示すグラフ。
リナロールのL体((R)リナロール)およびD体((S)リナロール)の構造式を以下に示す。
Figure 2012046434
リナロールは、多くの植物の精油成分であり、様々なフレーバーやフレグランスの香料原料として市販されている。また、種々の植物から抽出により、異なる光学純度の光学活性リナロールを得ることができ、あるいは、特開平9−278号明細書に記載されているように、L体およびD体をそれぞれ化学合成により製造することが可能である。L−リナロールはFluka社からおよびリナロールのラセミ体はBASF社から市販されており、例えば、それらを適切な割合で配合することにより、所望の比率でL体を含むリナロールを調製できる。
本発明の香料組成物において、リナロール中のL体の比率は67%以上であるが、好ましくは70%以上であり、より好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。L体の比率が67%以上になるようにリナロールを配合することにより、より生花に近い自然なエビネの香りを再現することができる。
本発明において、リナロール全体の配合量は、香料組成物全量に対して、0.01〜40質量%であることが好ましく、より好ましくは0.05〜30質量%であり、さらに好ましくは0.1〜20質量%である。リナロールの配合量が0.01質量%未満ではエビネの香りを充分醸し出すことができない場合があり、また40質量%より高くなると、香気のバランスが悪くなり、エビネの持つ甘くやわらかな香りを再現できない場合がある。
本発明のエビネ様香料組成物は、公知のエビネ様香料組成物におけるリナロールを、L体を67%以上含むリナロールで置き換えることにより調製することができる。すなわち、リナロールを除くエビネ様ベース香料に、L体の比率が67%以上になるようにリナロールを添加することにより、本発明のエビネ様香料組成物を調製できる。そのようなエビネ様ベース香料として公知のものを用いることができるが、少なくともメチルベンゾエート、ネロリドールおよびインドールを含むことが好ましく、より好ましくはサリチル酸メチル、ゲラニオール等をさらに含む。
尚、本発明の香料組成物には、そのナチュラルなエビネ様香気を阻害しない限り、ポリオキシエチレンラウリル硫酸エーテルなどの界面活性剤、ジプロピレングリコール、ジエチルフタレートなどの溶剤、ダマスコン、ヘキシルシンナミックアルデヒド、レモンオイル、ローズオイルなどの香料物質などを配合可能である。
本発明のエビネ様香料組成物は、限定はされないが、入浴剤、香水、オーデコロン、芳香剤の他、軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、ファンデーション、頬紅、おしろい、アイシャドー、口紅、あぶら取り紙、紙おしろい、シャンプー、リンス、ヘアスプレー、制汗スプレー、ボディパウダー、ベビーパウダー等の化粧料;ティッシュペーパーやペーパータオル、ナプキン、ノート、メモ帳等の紙用品;雑巾、歯磨き粉、マスク、医療用ガーゼ、柔軟仕上げ剤、衣料用洗浄剤、台所用洗浄剤、芳香剤等の日用雑貨類、食品等に応用可能である。化粧料に配合する場合、その配合量は特に限定されるものではないが、一般的な濃度範囲、例えば化粧料全量に対し0.001〜50質量%とすることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。配合例は特記しない限り、その成分が配合される系に対する質量%で示す。
(1)エビネ様ベース香料
以下の実施例では、下記組成のエビネ様ベース香料を用いた:

成分 配合量(質量%)
メチルヘプテノン 0.5
10%メロナール 0.5
リナロールオキシド(THF) 2.0
10%アルデヒドC10 0.6
ベンズアルデヒド 0.6
10%ホトリエノール 25.0
メチルベンゾエート 28.0
α−テルピネオール 0.2
1,4−ジメトキベンゼン 0.2
10%サリチル酸メチル 0.6
イソブチルベンゾエート 0.6
ゲラニオール 1.0
ブチルベンゾエート 0.2
ベンジル2−メチルブチレート 0.2
イソアミルベンゾエート 0.6
ネロリドール 6.0
インドール 2.5
ベンジルベンゾエート 6.0
フェニルエチルベンゾエート 0.2
ジプロピレングリコール 24.5
合計 100.0
(2)香料組成物の調製
上記のエビネ様ベース香料に、下記表1に示すように、リナロールのラセミ体(L体とD体の等量混合物)とL−リナロールとを異なる比率で添加して、50〜100%の間の様々な比率でL体を含む香料組成物(試験例1〜6)を調製した。
(3)香気評価試験
専門パネラー7名により、各香料組成物の塗布直後の香気、ならびに塗布2時間後の香気(保香性)について、以下の評価基準により評価した:
5:非常に優れたエビネ様の自然な香気を有する
4:優れたエビネ様の自然な香気を有する
3:エビネ様の自然な香気を有する
2:エビネ様の香気を有する
1:エビネ様の香気はほとんどしない。
結果を平均値として下記表1、ならびに図1に示す。
Figure 2012046434
配合したリナロール中のL体の比率が67%〜100%の試験例3〜6において、塗布直後の香気の評価において、従来技術のL体の比率が50%の試験例1よりも有意に高い評価が得られ、リナロールのL体の比率を約67%以上にすることにより、自然なエビネの香りをより忠実に再現した香料組成物を調製できることが示された。特に、L体の比率が80%以上になると評価点が顕著に高くなり、さらに90%以上になると塗布2時間後の評価点も有意に高く、保香性も優れていることが示された。

Claims (4)

  1. L体の比率が67%以上であるリナロールを含有する、エビネ様香料組成物。
  2. メチルベンゾエート、ネロリドールおよびインドールをさらに含有する請求項1記載のエビネ様香料組成物。
  3. リナロール全体の配合量が香料組成物全量に対して0.01〜40質量%であることを特徴とする請求項1または2記載のエビネ様香料組成物。
  4. メチルベンゾエート、ネロリドール、インドールを含むエビネ様ベース香料に、L体の比率が67%以上になるようにリナロールを添加することを含む、エビネ様香料組成物の製造方法。
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