JPWO2012043839A1 - 絶縁電線 - Google Patents

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Abstract

【課題】 絶縁樹脂塗料を積層しても層間密着性に優れるため絶縁破壊が高く、比誘電率が低いため、耐部分放電性にも優れた絶縁電線を提供すること。【解決手段】 導体(1)上に直接又は間接に、導体側から順に、絶縁層(21、23)と、前記絶縁層(21、23)よりもそれぞれ比誘電率の高い絶縁層(22、24)とを積層した積層単位を少なくとも2つ有する絶縁電線。【選択図】 図1

Description

本発明は、絶縁電線に関する。
インバータは、効率的な可変速制御装置として、多くの電気機器に取り付けられるようになってきている。しかし、数kHz〜数十kHzでスイッチングが行われ、それらのパルス毎にサージ電圧が発生する。このようなインバータサージは、伝搬系内におけるインピーダンスの不連続点、例えば接続する配線の始端または終端等において反射が発生し、その結果、最大でインバータ出力電圧の2倍の電圧が印加される現象である。特に、IGBT等の高速スイッチング素子により発生する出力パルスは、電圧峻度が高く、それにより接続ケーブルが短くてもサージ電圧が高く、更にその接続ケーブルによる電圧減衰も小さく、その結果、インバータ出力電圧の2倍近い電圧が発生する。
インバータ関連機器、例えば高速スイッチング素子、インバータモーター、変圧器等の電気機器コイルには、マグネットワイヤとして主にエナメル線である絶縁電線が用いられている。従って、前述したように、インバータ関連機器では、インバータ出力電圧の2倍近い電圧がかかることから、インバータサージに起因する部分放電劣化を最小限にすることが、絶縁電線に要求されるようになってきている。
このような部分放電による絶縁電線の劣化を防ぐため、部分放電の発生電圧が高い絶縁電線の検討が行われている。この絶縁電線を得るためには、絶縁電線の絶縁層の厚さを厚くするか、絶縁層に比誘電率が低い樹脂を用いるという方法が考えられる。
しかし、絶縁層を厚くすると絶縁電線が太くなり、その結果、電気機器の大型化を招く。このことは、近年のモーターや変圧器に代表される電気機器において、小型化という要求に逆行する。例えば、具体的には、ステータースロット中に何本の電線を入れられるかにより、モーターなどの回転機の性能が決定するといっても過言ではなく、その結果、ステータースロット断面積に対する導体断面積の比率(占積率)が、近年非常に高くなってきている。従って、絶縁層の厚さを厚くすると占積率が低くなってしまうため好ましくない。
一方、絶縁層の比誘電率が低い絶縁電線として、分子内の特定部位にフッ素原子又はパーフルオロアルキル基を有するポリイミド樹脂塗料を導体上に塗布して得られたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、通常の絶縁電線は、溶剤を含んだ塗料を導体上に複数回塗り重ねて、乾燥させることにより、絶縁層が形成されている。上記の特許文献1記載のポリイミド樹脂は、層間密着力が十分でない。導体上に形成された樹脂塗料の層間密着力が不十分であると、絶縁電線を加工する際に極端な場合には層間剥離が起き、使用することができない。明確な層間剥離が起きない場合でも、絶縁破壊電圧が低く、電気絶縁性に問題のあることが多い。また、高温になるとフッ化水素をはじめとする腐食性のガスが発生するために使用機器の金属部の早期劣化を発生させるという問題点がある。
そのほかに絶縁層の比誘電率が低い絶縁電線として、繰り返し単位当たりのアミド基の数及びイミド基の数を減らしたポリアミドイミド樹脂塗料を用いた絶縁電線が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この絶縁電線の場合、アミド基の数及びイミド基の数を減らしているため、導体との密着力が十分でない。導体との密着力は曲げや伸びなどの加工を行った際に導体と絶縁皮膜との剥離が発生し、電気絶縁性に問題があることが多い。また、使用する原料が特殊なものであり非常に高価である。
また、厳しい圧延加工や巻線加工などを行なっても皮膜に損傷などを生じない耐加工性と、ポリアミドイミドと同等の高い耐熱性とを有し、しかも絶縁電線の端末を接合する工程で、接合部付近の絶縁皮膜が接合の熱などによって発泡したりしない接合性を有する絶縁電線が提案されている(例えば、特許文献3参照)。この特許文献3記載の絶縁電線は、(1)実質的にポリアミドイミド、およびポリイミドのうちの少なくとも一方からなる第1絶縁層と、(2)ポリアミドイミドAに、ガラス転移温度140℃以上の熱可塑性樹脂Bを、重量比A/Bで表してA/B=70/30〜30/70の割合で配合してなる第2絶縁層とをこの順に被覆、積層することによって、導体上に、上記第1絶縁層の膜厚Tと、第2絶縁層の膜厚Tとの比T/TがT/T=5/95〜40/60の範囲内で、かつ残留溶剤量が絶縁皮膜総量の0.05重量%以下である絶縁皮膜を形成したものである。特許文献3記載の絶縁電線では、熱軟化温度で評価される耐熱性が、400℃以上である。しかし、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層の2層の積層構造について、各層の比誘電率については何らの言及がなく、絶縁破壊強度が低いという問題点がある。
特開2002−56720号公報 特開2009−161683号公報 特開2001−155551号公報
本発明は、比誘電率の低い層と比誘電率の高い層を積層してなる積層単位を少なくとも2つ具備してなることにより、高い比誘電率の層を含むのにもかかわらず、比誘電率の低い材料を高い比誘電率の材料にブレンドした単独の層を有する絶縁電線に比べて比誘電率を高くすることがなく、絶縁破壊電圧の高い絶縁電線を提供することを課題とする。
本発明者等は、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、導体上に比誘電率の高い絶縁層と比誘電率の低い絶縁層を複数繰り返して形成した絶縁電線が、比誘電率の高い層を含むのにもかかわらず、比誘電率の低い材料を高い比誘電率の材料にブレンドした単独の層を有する絶縁電線に比べて比誘電率を高くすることがなく、高い絶縁破壊電圧を有することを見出した。本発明はこの知見に基づきなされたものである。
本発明によれば、以下の手段が提供される:
<1>導体上に直接又は間接に、導体側から順に、第一の絶縁層(X1)と、前記第一の絶縁層(X1)よりも比誘電率の高い第二の絶縁層(X2)とを積層してなる積層単位を少なくとも2つ有することを特徴とする絶縁電線。
<2>ある1つの積層単位中の第二の絶縁層(X2)の比誘電率(ε(X2))が、その積層単位より外層側に位置する他の積層単位の第一の絶縁層(X1’)の比誘電率(ε(X1’))よりも高いことを特徴とする<1>記載の絶縁電線。
<3>前記絶縁層の内で互いに接する2つの層の比誘電率の差の絶対値が0.2以上であることを特徴とする<1>又は<2>記載の絶縁電線。
<4>各積層単位において、比誘電率の低い第一の絶縁層(X1、X1’、…)が、それぞれ、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニルスルホン、及びポリイミドからなる群から選ばれた少なくとも1種を含有する樹脂組成物で構成されていることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項記載の絶縁電線。
<5>各積層単位において、比誘電率の低い第一の絶縁層(X1、X1’、…)が、それぞれ、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニルスルホン、及びポリイミドからなる群から選ばれた少なくとも1種を含有し、さらにポリアミドイミドを含有する樹脂組成物で構成されていることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項記載の絶縁電線。
<6>各積層単位において、比誘電率の高い第二の絶縁層(X2、X2’、…)が、それぞれ、ポリアミドイミドを含有する樹脂組成物で構成されていることを特徴とする<4>又は<5>記載の絶縁電線。
<7>各積層単位において、比誘電率の高い第二の絶縁層(X2、X2’、…)が、それぞれ、ポリアミドイミドを含有し、さらにポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニルスルホン、及びポリイミドからなる群から選ばれた少なくとも1種を含有する樹脂組成物で構成されていることを特徴とする<4>又は<5>記載の絶縁電線。
ここで、本明細書においては、上で説明したような「第一の絶縁層よりも比誘電率の高い第二の絶縁層」を単に「比誘電率の高い第二の絶縁層」あるいは「比誘電率の高い絶縁層」とも、また、この関係にある「第二の絶縁層よりも比誘電率の低い第一の絶縁層」を単に「比誘電率の低い第一の絶縁層」あるいは「比誘電率の低い絶縁層」とも、それぞれいう場合がある。
本発明により、絶縁樹脂塗料を積層しても層間密着性に優れるため耐絶縁破壊性が高く、比誘電率が低いため、耐部分放電性にも優れた絶縁電線を提供することができる。
本発明の上記及び他の特徴及び利点は、適宜添付の図面を参照して、下記の記載からより明らかになるであろう。
図1は、本発明の絶縁電線の一実施態様を模式的に示した断面図である。 図2(a)は、本発明の絶縁電線の一実施態様の一部を模式的に示した断面図であり、図2(b)は、本発明の絶縁電線のさらに別の実施態様の一部を模式的に示した断面図であり、図2(c)は、本発明の絶縁電線のさらに別の実施態様の一部を模式的に示した断面図である。
以下、本発明の絶縁電線の実施態様について、図面を参照して説明する。
図1に断面図を示した本発明の絶縁電線の一実施態様では、導体1と、導体1を被覆した絶縁層2とを有している。本発明の絶縁電線は、導体上に直接又は間接に、導体側から順に、絶縁層(X1)と、前記絶縁層(X1)よりも比誘電率の高い絶縁層(X2)とを積層した積層単位を少なくとも2つ有している。図1では、導体上に直接、絶縁層を有する絶縁電線が記載されているが、後述のように、導体上の密着層(図1には図示せず)を介して絶縁層を有していてもよい。また絶縁層の最表層に表面潤滑層や耐磨耗層などのトップコート(図1には図示せず)を有していてもよい。図2(a)〜(c)には、密着層とトップコートを有する絶縁電線について、図1に示すように、A−A’の部分拡大図の一部が示されている。
本明細書において、絶縁層(X1)と、前記絶縁層(X1)よりも比誘電率の高い絶縁層(X2)とを積層したものを積層単位という。したがって、積層単位を少なくとも2つ有するものとしては、例えば、図1に示すように、絶縁層21(X1)上に前記絶縁層21(X1)よりも比誘電率の高い絶縁層22(X2)が積層されて第一の積層単位が形成され、さらに該第一の積層単位の上に、比誘電率が低い絶縁層23(X1’)とさらにその上に前記絶縁層23(X1’)よりも比誘電率の高い絶縁層24(X2’)が積層されて第二の積層単位が形成されたものを挙げることができる。
さらに好ましくは、第一の積層単位中の比誘電率の高い絶縁層22(X2)と、該第一の積層単位と異なる第二の積層単位に属する比誘電率の低い絶縁層23(X1’)の比誘電率が、下記式(1)で表されることが好ましい。
ε(X2)>ε(X1’) 式(1)
上記式(1)において、ε(X2)は絶縁層(X2)における比誘電率、ε(X1’)は絶縁層(X1’)における比誘電率を表す。
ここで、式(1)で表わされる関係は、上で例示したような隣り合う2つの積層単位の間で満たされる場合に限定されるものではなく、この態様を包含して前記<2>項で規定したように、必ずしも隣接していない特定の2つの積層単位の間で満たされていてもよい。
これにより、本発明の絶縁電線は、導体側から順に、比誘電率の低い絶縁層とその絶縁層よりも比誘電率の高い絶縁層が交互に積層された積層単位を少なくとも2つ以上有している。
導体1は、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金又はそれらの組み合わせ等で作られている。導体1の断面形状は限定されるものではなく、円形、矩形(平角)などが適用できる。
導体1のサイズ(断面形状が円形の場合には直径、又は断面形状が矩形の場合には長辺の長さ)は適宜設定できるが、0.05〜5mmとすることができる。さらに好ましくは、サイズ0.1〜4mmである。
絶縁層2の厚さは適宜設定できるが、絶縁層21〜24の合計で、厚さ20〜200μmとすることができる。さらに好ましくは、厚さ30〜150μmである。
図1に示すように、本発明の絶縁電線は、導体上に、絶縁層21(X1)と、前記絶縁層21(X1)よりも比誘電率の高い絶縁層22(X2)が形成され、さらに好ましくは、前記絶縁層22(X2)上に前記絶縁層22(X2)よりも比誘電率の低い絶縁層23(X1’)が形成され、さらに前記絶縁層23(X1’)上に前記絶縁層23(X1’)よりも比誘電率の高い絶縁層24(X2’)が形成されている。絶縁層24(X2’)上には、さらに積層単位を積み重ねて積層単位を3つ以上とすることができる。比誘電率は、市販の測定器を使用して測定することができる。測定温度および測定周波数については、必要に応じて変更できるが、本明細書において特に記載のない限り、測定温度を25℃とし、測定周波数を50Hzとして測定した値をいう。各絶縁層の比誘電率は、絶縁層を構成する樹脂組成物塗料を乾燥し、該塗料に含まれる溶剤を揮発させたもので測定した値をいう。
各絶縁層間の内で互いに接する2つの層の比誘電率の差の絶対値が、0.2以上あることが好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.8である。さらに、各積層単位内の互いに接する2つの絶縁層の比誘電率の差は、比誘電率の高い外層(導体から離れた側)の絶縁層の比誘電率の、比誘電率の低い内層(導体に近い側)の絶縁層の比誘電率に対する差が0.2以上あることが好ましく、さらに好ましくはこの差が0.3〜1.8である。比誘電率の差が小さすぎると、比誘電率の低い絶縁電線を得ることができない。比誘電率の差が大きすぎる場合でも、X2の比誘電率が結果的に高くなることになり、皮膜全体としての比誘電率を下げることができない。
本発明の絶縁電線の絶縁層は導体上に直接又は間接に形成できる。例えば、図2(a)に示すように、各絶縁層21〜24は、絶縁層を構成する樹脂組成物を塗り重ねて、適宜乾燥して、積層することにより、各絶縁層を形成することができる。このように絶縁層21は、導体上に直接形成してもよいが、導体1と最下層の(導体に一番近い)絶縁層21との間に導体との密着性に優れた密着層11を形成してもよい。密着層として使用できるものとして、例えば、ポリイミド、ポリウレタン、ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリエステルイミド、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができる。これらの樹脂は通常、比誘電率が高いため、密着層を含めないで密着層上に形成した層を絶縁層21とする。これら密着層の樹脂には、例えば、シランアルコキシド系密着改良剤(シランカップリング剤)、チタンアルコキシド、チタンアシレート、チタンキレートなどチタン系密着改良剤、トリアジン系密着改良剤、イミダゾール系密着改良剤、メラミン系密着改良剤、チオール系密着改良剤などの密着改良剤を加えてもよい。
各絶縁層21〜24において、比誘電率の低い層と比誘電率の高い層を積層することにより、高い比誘電率の層を含むのにもかかわらず、比誘電率の低い材料を高い比誘電率の材料にブレンドした単独の層を有する絶縁電線と比較して比誘電率を高くすることがなく、絶縁破壊電圧の高い絶縁電線を得ることができる。この原因については、定かではないが、比誘電率は体積あたりの各材料の体積によって決まるためと考えられる。さらに、本発明の絶縁電線は、高い絶縁破壊電圧を有し、電気絶縁性に優れる。従来、比誘電率の低い樹脂、例えば、ポリエーテルイミドやポリエーテルスルホンを単独で絶縁層に用いた絶縁電線は、確かに比誘電率は低いが、絶縁破壊電圧が低かった。これに対して、本発明の絶縁電線は、例えば、これらの比誘電率の低い樹脂を用いた層と比誘電率の高い樹脂を積層した層を複数設けることにより、比誘電率の高い層を含むのにもかかわらず、比誘電率の低い材料を高い比誘電率の材料に混合して作製した単独の層を有する絶縁電線と比較して比誘電率を高くすることがなく、高い絶縁破壊電圧を有することができる。
本発明の絶縁電線は、皮膜全体の比誘電率が3.9以下、さらに好ましくは3.8以下のものが好ましい。皮膜全体の比誘電率の下限値には特に制限はないが、通常、2.5以上、好ましくは3.0以上である。ここで、皮膜全体とは、前記の密着層(プライマー層)、低い比誘電率を有する絶縁層、それより高い比誘電率を有する絶縁層、及び表面潤滑層や耐磨耗層などのトップコートを合わせた全体をいう。また、低い比誘電率を有する絶縁層と、それより高い比誘電率を有する絶縁層とを合わせて、絶縁層2といい、あるいは積層部ともいう。上述のように、各絶縁層間のうち接する層の比誘電率の差が下層に対し0.2以上あることが好ましい。皮膜全体の比誘電率が高すぎると、絶縁破壊電圧が高くても部分放電が発生するため樹脂が劣化し、絶縁耐力が十分とはいえない。本発明の絶縁電線の絶縁破壊電圧は、後述の実施例記載のツイストペア法で9.0kV以上であることが好ましい。
例えば、ポリアミドイミドを被覆層とする絶縁電線の場合、従来、比誘電率が4.0、被覆層の厚さが40μm程度のものが使用されている。仮に、本発明の構成を用いて被覆樹脂の比誘電率を0.2だけ下げて3.8にすると、部分放電開始電圧を同程度に留める範囲で削減できる被覆層の厚さは5%である。つまり、被覆層の厚さを2.0μm削減することができる。これによってコイル成形後の大きさを大幅に減少させることができる。一般のポリアミドイミドを被覆層とする絶縁電線は、例えば、一層2μmの厚さのポリアミドイミドを重ねて製造されている。比誘電率を0.2下げることにより、ポリアミドイミドの塗り重ね回数を1回減らすことができるという優れた効果を奏する。
図2(b)に示されるように、本発明の絶縁電線は、比誘電率の高い絶縁層24(X2’)上に、絶縁層24(X2’)よりも比誘電率の低い絶縁層31(Y1’)と、前記絶縁層31(Y1’)よりも比誘電率の高い絶縁層32(Y2’)が交互に形成されていてもよい。この場合、絶縁層31と絶縁層32が第三の積層単位である。このように、比誘電率の高い層と比誘電率の低い層の積層回数を多くすることにより、高い絶縁破壊電圧を有する絶縁電線を得ることができる。この原因については定かではないが、誘電体の絶縁破壊は電子のなだれ効果により発生するとされており、エナメル線皮膜である絶縁体の厚さが薄いほど単位厚さあたりの絶縁破壊電圧が向上するという現象が、積層することによって効果が持続するものと考えられる。比誘電率の高い層と比誘電率の低い層の積層回数は2〜30回であることが好ましく、さらに好ましくは、2〜15回である。積層回数が多すぎると、作業効率が悪くなる問題が発生する。
また図2(c)に示されるように、比誘電率の高い絶縁層24(X2’)上に、絶縁層24(X2’)よりも比誘電率の低い絶縁層31(Y1’)と、前記絶縁層31(Y1’)よりも比誘電率の高い絶縁層32(Y2’)が形成され、さらに、同様にして、比誘電率の低い絶縁層(33、35、37)と比誘電率の高い絶縁層(34、36、38)が交互に形成されていてもよい。この場合、積層単位は計6つ設けられている。
本発明の絶縁電線は、前記絶縁層(X1)及び絶縁層(X1’)等の各積層単位における低い比誘電率を有する絶縁層が、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニルスルホン、及びポリイミドから選ばれた少なくとも1種で構成されていることが好ましい。ポリエーテルイミドとしては、例えば、ウルテム(GEプラスチック社製商品名)などを使用することができる。ポリエーテルスルホンとしては、例えば、スミカエクセルPES(住友化学社製商品名)、PES(三井化学社製商品名)、ウルトラゾーンE(BASFジャパン社製商品名)、レーデルA(ソルベイアドバンストポリマーズ社製商品名)などを使用することができる。ポリフェニレンエーテルとしては、例えば、ザイロン(旭化成ケミカルズ社製商品名)、ユピエース(三菱エンジニアリングプラスチックス社製商品名)などを使用することができる。ポリフェニルスルホンとしては、例えば、レーデルR(ソルベイアドバンストポリマー社製商品名)などを使用することができる。ポリイミドとしては、例えば、U−ワニス(宇部興産社製商品名)、HCIシリーズ(日立化成社商品名)、Uイミド(ユニチカ社製商品名)、オーラム(三井化学社製商品名)などを使用することができる。これらの樹脂の比誘電率は、ポリエーテルイミド(比誘電率3.2〜3.4)、ポリエーテルスルホン(比誘電率3.5)、ポリフェニレンエーテル(比誘電率2.7)、ポリフェニルスルホン(比誘電率3.4)ポリイミド(比誘電率3.5)であり、比誘電率が低い。しかしこれらの樹脂単独での絶縁破壊電圧は低いが、後述の絶縁層(X2)及び絶縁層(X2’)に用いられる樹脂と組み合わせることにより、比誘電率が低く、絶縁破壊電圧の高い絶縁電線を得ることができる。
前記絶縁層(X1)及び絶縁層(X1’)等の各積層単位における低い比誘電率を有する絶縁層を、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニルスルホン、及びポリイミドから選ばれた少なくとも1種を用い、さらに発泡させることにより、比誘電率を低くすることができる。
本発明の絶縁電線においては、前記絶縁層(X2)及び絶縁層(X2’)等の各積層単位における高い比誘電率を有する絶縁層が、ポリアミドイミドを含有することが好ましい。これらの絶縁層がポリアミドイミドを含有することにより、耐熱性と加工性を具備する絶縁電線を得ることができる。
さらに好ましくは、本発明の絶縁電線は、前記絶縁層(X2)及び絶縁層(X2’)等の各積層単位における高い比誘電率を有する絶縁層が、ポリアミドイミドを含有し、さらにポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニルスルホン、及びポリイミドから選ばれた少なくとも1種を含有する樹脂組成物で構成されていることが好ましい。ポリアミドイミドを必須樹脂成分として含み、さらにポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニルスルホン、及びポリイミドから選ばれた少なくとも1種を含有する樹脂組成物とすることにより、耐熱性に優れた低い比誘電率の絶縁材料を得ることができる。樹脂組成物の樹脂成分中、ポリアミドイミドが20〜100質量%であることが好ましく、さらに好ましくは、60〜90質量%である。ポリアミドイミドが少なすぎると耐溶剤性および耐熱性が悪くなり、多すぎると比誘電率を低くする効果が十分に得られなくなる。
ポリアミドイミドとしては、例えば、バイロマックス(東洋紡社製商品名)、トーロン(ソルベイアドバンストポリマーズ社製商品名)、HI−400,HI−405,HI−406シリーズ(日立化成工業社製商品名)などを使用することができる。ポリエーテルイミドとしては、例えば、ウルテム(GEプラスチック社製商品名)などを使用することができる。ポリエーテルスルホンとしては、例えば、スミカエクセルPES(住友化学社製商品名)、PES(三井化学社製商品名)、ウルトラゾーンE(BASFジャパン社製商品名)、ベラデル(ソルベイアドバンストポリマーズ社製商品名)などを使用することができる。ポリフェニレンエーテルとしては、例えば、ザイロン(旭化成ケミカルズ社製商品名)、ユピエース(三菱エンジニアリングプラスチックス社製商品名)などを使用することができる。ポリフェニルスルホンとしては、例えば、レーデルR(ソルベイアドバンストポリマー社製商品名)などを使用することができる。ポリイミドとしては、例えば、U−ワニス(宇部興産社製商品名)、HCIシリーズ(日立化成社商品名)、Uイミド(ユニチカ社製商品名)、オーラム(三井化学社製商品名)などを使用することができる。
一般にポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホンなどの非晶性樹脂は、耐薬品性に乏しく、絶縁電線をコイル状に成形した後に、該コイルをワニスに含浸する処理を行う際に絶縁被膜にクラックを発生し、電気特性を低下させやすい。この原因については定かではないが、該クラックは、残留応力の存在する樹脂に薬品が浸透し、ポリマー鎖が動き易くなる結果、局所的に応力が緩和され被膜に亀裂が発生する現象と考えられる。例えば、絶縁電線を巻線してコイルを形成し、エポキシ樹脂等の含浸ワニスに浸漬後、含浸ワニスを硬化するときに、含浸ワニスの浸透を受けてクラックが発生しやすい。
これに対して、前記絶縁層(X2)及び絶縁層(X2’)等の各積層単位における高い比誘電率を有する絶縁層、特に最外層の絶縁層が、ポリアミドイミドを含有し、さらにポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニルスルホン、及びポリイミドから選ばれた少なくとも1種を含有する樹脂組成物で構成されていることにより、耐溶剤性を向上させることができる。
前記絶縁層(X1)及び絶縁層(X1’)等の各積層単位における低い比誘電率を有する絶縁層を構成する樹脂組成物として、ポリアミドイミドを樹脂成分として含有し、さらにポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニルスルホン、及びポリイミドからなる群から選ばれた少なくとも1種を含有したものを使用することができる。この場合、前記絶縁層(X1)及び絶縁層(X1’)等の各積層単位における低い比誘電率を有する絶縁層を構成する樹脂組成物として、ポリアミドイミド5〜70質量%を樹脂成分として含有し、さらにポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニルスルホン、及びポリイミドからなる群から選ばれた少なくとも1種95〜30質量%を含有したものを使用することが好ましい。この構成の樹脂組成物を用いることにより、絶縁破壊電圧を低下させることなく比誘電率を低く保つことができる。ポリアミドイミドの比誘電率は4.0であるが、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニルスルホン、及びポリイミドからなる群から選ばれた少なくとも1種と混合した樹脂組成物を用いることで、比誘電率を低く保つことができる。またポリアミドイミドは耐熱性・耐溶剤性の特性が優れているため、この樹脂組成物を用いることにより、含浸ワニス時の高温硬化処理時のクラックを防ぐ効果を奏する。
前記絶縁層(X1)及び絶縁層(X1’)等の各積層単位における低い比誘電率を有する絶縁層を構成する樹脂組成物の樹脂成分中、ポリアミドイミドは10〜60質量%、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニルスルホン、及びポリイミドからなる群から選ばれた少なくとも1種は90〜40質量%であることがさらに好ましい。ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニルスルホン、及びポリイミドが少なすぎると比誘電率の低下が小さく、多すぎると耐溶剤性が悪化し、さらに絶縁破壊電圧が低下する。
ポリアミドイミドとしては、例えば、バイロマックス(東洋紡社製商品名)、トーロン(ソルベイアドバンストポリマーズ社製商品名)、HI−400,HI−405,HI−406シリーズ(日立化成工業社製商品名)などを使用することができる。また、ポリエーテルイミドとしては、例えば、ウルテム(GEプラスチック社製商品名)などを使用することができる。ポリエーテルスルホンとしては、例えば、スミカエクセルPES(住友化学社製商品名)、PES(三井化学社製商品名)、ウルトラゾーンE(BASFジャパン社製商品名)、ベラデル(ソルベイアドバンストポリマーズ社製商品名)などを使用することができる。ポリフェニレンエーテルとしては、例えば、ザイロン(旭化成ケミカルズ社製商品名)、ユピエース(三菱エンジニアリングプラスチックス社製商品名)などを使用することができる。ポリフェニルスルホンとしては、例えば、レーデルR(ソルベイアドバンストポリマー社製商品名)などを使用することができる。ポリイミドとしては、例えば、U−ワニス(宇部興産社製商品名)、HCIシリーズ(日立化成社商品名)、Uイミド(ユニチカ社製商品名)、オーラム(三井化学社製商品名)などを使用することができる。
本発明においては、前記絶縁層(X1)及び絶縁層(X1’)等の各積層単位における低い比誘電率を有する絶縁層には、前記のポリイミドに代えて、比誘電率が通常のポリイミドより低いポリイミド(以下、低比誘電率ポリイミド、又は低比誘電率PIともいう。)を用いることができる。この低比誘電率ポリイミドは、所定のアミン成分と所定の酸成分とのイミド化反応により得ることができる。ここで、前記アミン成分としては、2,2−ビス[4−[4−アミノフェノキシ]フェニル]プロパン、4,4’−オキシジアニリン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル等を用いることができる。またアミン成分は単一成分を用いてもよく、または複数種を混合するなどその成分の組み合わせには特に制限はない。一方、前記酸成分としては、5,5’−[1−メチル−1,1−エタンジイルビス(1,4−フェニレン)ビスオキシ]ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)、無水ピロメリット酸、オキシジフタル酸二無水物、ビフェニル−3,4,3’,4’テトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノン−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、4,4’−(2,2−ヘキサフルオロイソプロビリデン)ジフタル酸無水物等を用いることができる。酸成分は単一成分を用いてもよく、または複数種を混合するなどその成分の組み合わせには特に制限はない。
低比誘電率ポリイミドとしては、その構造中に、非極性炭化水素部分が多いものが好ましい。
低比誘電率ポリイミドの比誘電率は2.8程度であり、通常のポリイミドの比誘電率3.5よりも低い。
通常、低比誘電率ポリイミドは、耐熱性および耐溶剤性が通常のポリイミドよりも劣っているため、低比誘電率ポリイミドのみでエナメル線を構成しても優れた特性を示さなかった。本発明者らは、低比誘電率ポリイミドで前記の低い比誘電率を有する絶縁層を構成し、一方、耐熱性および耐溶剤性に優れるポリアミドイミドやポリイミドなどで前記の高い比誘電率を有する絶縁層を構成して、これら2種の絶縁層を積層単位として2つ以上の積層単位を導体上に積層させることによって、低比誘電率ポリイミドを含んでなる絶縁層が構成されていても、得られる絶縁電線が高い耐熱性および耐溶剤性を発現することを見出したものである。
本発明の絶縁電線の絶縁層としては、本発明の目的とする効果を損なわない範囲内で、顔料、染料などの着色剤、無機又は有機のフィラー、潤滑剤などの各種の添加剤を含む樹脂組成物を用いることができる。前記のとおり、導体上には前記の密着層(プライマー層)を有していてもよく、絶縁層の最表層(トップコート)として表面潤滑層や耐磨耗層を有していてもよい。表面潤滑層としては、特に制限されないが、例えば、流動パラフィンや固形パラフィンなどを塗布したり、各種ワックス、ポリエチレン、フッ素樹脂などの潤滑剤を絶縁層の最表層に製膜することができる。耐磨耗層としては、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂等の各種樹脂中に酸化ケイ素、酸化チタン、ジルコニア、アルミナなどの無機フィラーを充填させたものを絶縁層の最表層に製膜させてもよい。
ここで、密着層の厚さには特に制限はないが、例えば3〜9μmとすることができる。また、トップコートの厚さには特に制限はないが、例えば2〜8μmとすることができる。
本発明の絶縁電線の製造方法を図1を参照しながら説明する。例えば、導体の周りに、絶縁層21を構成する樹脂組成物として、前記の樹脂組成物を用い、適宜、塗り重ねと乾燥を繰り返して絶縁層21を形成する。その後、同様の方法で、さらに絶縁層22〜24を形成することで、所望の絶縁電線が得られる。得られた絶縁電線は、複数本の絶縁電線を束ねた上で、これらをまとめて被覆して1本の絶縁電線(多芯線)としてもよい。
以下、本発明を実施例に基いてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明者らは、表1〜4に記載の構成の絶縁電線を製造し、その性能について評価した。直径1mmの銅導体に、表1〜4記載の比誘電率の低い絶縁層と比誘電率の高い絶縁層を、表1〜4記載の繰り返し回数で交互に積層して、表1〜4記載の厚さで、絶縁層を形成して実施例1〜13と、比較例1〜4の絶縁電線を得た。ここで実施例1〜10、実施例13、及び比較例3においては、導体の周りに表1〜4記載の密着性ポリアミドイミド層として、HI−406シリーズ(日立化成工業社製商品名)を形成したものを使用した。得られた絶縁電線について、以下の項目について評価した。また実施例1〜10、実施例12、及び比較例3では、トップコートとして、潤滑性ポリアミドイミドAIB−SL3(古河電気工業社製商品名)を形成したものを使用した。
実施例1〜13、比較例1〜4においては、絶縁層を構成する樹脂として、以下のものを使用し、樹脂を混合して組成物としたものを用いる場合は、表1〜4に示す質量比のものを用いた。
(1)PEI;ポリエーテルイミド(ウルテム(GEプラスチック社製商品名))
(2)PES;ポリエーテルスルホン(スミカエクセルPES(住友化学社製商品名))
(3)PI;ポリイミド(Uイミド(ユニチカ社製商品名))
(4)PAI;ポリアミドイミド(HI−406シリーズ(日立化成工業社製商品名))
(5)PPSU;ポリフェニルスルホン(レーデルR(ソルベイアドバンストポリマー社製商品名))
(6)PPE;ポリフェニレンエーテル(ザイロン(旭化成ケミカルズ社製商品名))
<低比誘電率ポリイミドの調製>
実施例14、15では、前記実施例1〜13の絶縁電線の調製と同様にして、但し、以下のように調製した表3記載の低比誘電率ポリイミド(低比誘電率PI)を用いて絶縁電線を調製した。
すなわち、500mlのフラスコに、N−メチル−2−ピロリドン395g、2,2−ビス[4−[4−アミノフェノキシ]フェニル]プロパン47.94g(0.117mol)及び5,5’−[1−メチル−1,1−エタンジイルビス(1,4−フェニレン)ビスオキシ]ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)57.06g(0.117mol)を加え、室温、窒素雰囲気下で12時間攪拌して反応させ、低比誘電率ポリイミドを得た。
以上のように作製した低比誘電率ポリイミドを、前記の低い比誘電率を有する絶縁層(X1)および(X1’)等の形成に使用するワニスに用いて、これを焼き付ける(塗布、乾燥)ことで実施例14および15の絶縁電線を得た。
[比誘電率]
比誘電率は、エナメル線の静電容量を測定し、静電容量と絶縁層の厚さから得られた比誘電率を測定値とした。静電容量の測定には、LCRハイテスタ(日置電機株式会社製、型式3532−50)を用いた。測定温度は25℃、測定周波数は50Hzとした。比誘電率が3.9以下を合格とした。
[絶縁破壊電圧]
ツイストペア法で絶縁破壊電圧を測定した。絶縁破壊電圧が9.0kV以上を合格とした。
(ツイストペア法)
2本の絶縁電線を撚り合わせ、各々の導体間に正弦波50Hzの交流電圧を印加して、連続的に昇圧させながら絶縁破壊する電圧(実効値)を測定した。測定温度は25℃とした。
[耐溶剤性]
長さ50cmの絶縁電線を直径50mmの棒に巻付けたものを室温にてクレゾールに1時間浸漬し、その後取り出し、絶縁電線の表面を観察した。その様子からクラックの発生がないものを合格とし、合格のものは表1〜4に○、不合格のものは表1〜4に×で表示した。
実施例1〜15および比較例1〜4で得られた絶縁電線の評価結果を、表1〜4に示す。
Figure 2012043839
Figure 2012043839
Figure 2012043839
Figure 2012043839
表1〜4からわかるように、実施例1〜15の絶縁電線は比誘電率、絶縁破壊電圧及び耐溶剤性において優れた結果を示した。一方、ポリエーテルイミド層のみからなる絶縁電線は、比誘電率は低いが、耐電圧(絶縁破壊電圧)と耐溶剤性が不合格であった(比較例1)。またポリアミドイミド層のみからなる絶縁電線は、耐電圧(絶縁破壊電圧)は高いが、比誘電率が高かったために不合格であった(比較例2)。さらに、比較例3に示されるように、比誘電率が低い層としてポリエーテルイミドを用い、比誘電率が高い層としてポリイミドを用いても、積層単位が1つのみのものは、比誘電率は合格レベルであったが、絶縁破壊電圧が不合格であった。また、比較例4は、前記特許文献3(特開2001−155551号公報)に記載の実施例12を模した試験例であるが、表4に示したように、比誘電率が低い層としてポリイミドのワニスを用い、比誘電率が高い層としてポリエーテルイミドとポリアミドイミドからなるワニスを用いても、積層単位が1つのみのものは、比誘電率は合格レベルであったが、耐溶剤性に劣り、また、絶縁破壊電圧が不合格であった。
本発明をその実施態様とともに説明したが、我々は特に指定しない限り我々の発明を説明のどの細部においても限定しようとするものではなく、添付の請求の範囲に示した発明の精神と範囲に反することなく幅広く解釈されるべきであると考える。
本願は、2010年10月1日に日本国で特許出願された特願2010−224337に基づく優先権を主張するものであり、これはここに参照してその内容を本明細書の記載の一部として取り込む。
1 導体
2 絶縁層
11 密着層
21 第一の絶縁層(X1)
22 第一の絶縁層(X1)より比誘電率の高い絶縁層(X2)
23 第一の絶縁層(X1’)
24 第一の絶縁層(X1’)より比誘電率の高い絶縁層(X2’)
31 第一の絶縁層(Y1’)
32 第一の絶縁層(Y1’)より比誘電率の高い絶縁層(Y2’)
33、35、37 比誘電率の低い絶縁層
34、36、38 比誘電率の高い絶縁層
41 トップコート

Claims (7)

  1. 導体上に直接又は間接に、導体側から順に、第一の絶縁層と、前記第一の絶縁層よりも比誘電率の高い第二の絶縁層とを積層してなる積層単位を少なくとも2つ有することを特徴とする絶縁電線。
  2. ある1つの積層単位中の第二の絶縁層の比誘電率が、その積層単位より外層側に位置する他の積層単位の第一の絶縁層の比誘電率よりも高いことを特徴とする請求項1記載の絶縁電線。
  3. 前記絶縁層の内で互いに接する2つの層の比誘電率の差の絶対値が0.2以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の絶縁電線。
  4. 各積層単位において、第一の絶縁層が、それぞれ、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニルスルホン、及びポリイミドからなる群から選ばれた少なくとも1種を含有する樹脂組成物で構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の絶縁電線。
  5. 各積層単位において、第一の絶縁層が、それぞれ、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニルスルホン、及びポリイミドからなる群から選ばれた少なくとも1種を含有し、さらにポリアミドイミドを含有する樹脂組成物で構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の絶縁電線。
  6. 各積層単位において、第二の絶縁層が、それぞれ、ポリアミドイミドを含有する樹脂組成物で構成されていることを特徴とする請求項4又は5記載の絶縁電線。
  7. 各積層単位において、第二の絶縁層が、それぞれ、ポリアミドイミドを含有し、さらにポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニルスルホン、及びポリイミドからなる群から選ばれた少なくとも1種を含有する樹脂組成物で構成されていることを特徴とする請求項4又は5記載の絶縁電線。
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