JPWO2012039060A1 - マッシュシーム溶接方法および装置 - Google Patents

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Abstract

板厚が2mmを超える金属板のマッシュシーム溶接において、接合強度を安定化させ、接合部の段差を低減し、高い接合強度と信頼性を確保し、以て板厚が4.5mmを超える金属板の接合をも可能とする。2枚の金属板(5,6)をそれぞれ第1および第2把持装置(7,8)で把持し、2枚の金属板(5,6)の端部を重ね合わせ、その重ね合わせ部(L)を上下一対の電極輪(1,2)で加圧し、溶接電流を流しながら連続的に溶接し、2枚の金属板を接合する。重ね合わせ部(L)を溶接電流を流しながら連続的に溶接している間、重ね合わせ部に作用する上下の押圧力が等しくなるように上下の電極輪(1,2)に付与する加圧力を制御する。

Description

本発明は、板厚の厚い2枚の金属板を接合するマッシュシーム溶接方法および装置に関する。
マッシュシーム溶接は、2枚の金属板の端部を重ね合わせ、その重ね合わせた部分を一対の電極輪で加圧し、溶接電流を流しながら連続的に溶接すると同時に、高温状態に加熱され軟化した接合部を電極輪で圧延することにより、接合部厚みを低減する溶接方式である。
板厚の厚い金属板を接合するマッシュシーム溶接装置の従来技術として、例えば、特許文献1および特許文献2に記載されたものがある。
特許文献1では、板厚の厚い金属板を接合する場合の課題として、特許文献1の図13に示すように、金属板(被溶接材)をかなり極端に曲げなければならず、クランプ装置にかなり大きな力がかかり、クランプ装置が変形ならびに破損する問題を提起している。特許文献1は、その解決手段として、金属板と第1および第2のクランプ装置のクランプ位置までの距離を調整可能とする第1および第2のクランプ位置調整手段を設け、金属板の板厚が厚い場合は、接合部とクランプとの距離を大きく設定することにより、金属板の曲げ曲率を小さくし、クランプ装置に作用する力を低減し、クランプ装置の破損を防止している。
特許文献2では、高強度鋼板を接合する場合の課題として、特許文献2の図8を参照して、電極加圧力を高くする必要がありかつ上金属板の角部(特許文献2の図8の20)と電極輪が接触するため、電極輪に対する損傷ダメージが大きいこと、更には下金属板の角部(特許文献2の図8の21)に溶接電流が集中するため、溶接チリ(角部が過剰な電流密度となり溶融飛散し、そのスパッタが金属板上に残存する現象)が発生し、良好な溶接結果を得ることができない問題を提起している。金属板の板厚が厚いものを接合する場合も、接合部の体積が増加することから電流を高くする必要があり、また金属板の剛性が高くなることから電極輪の押圧力を増やさなければならず、高強度鋼板を接合する場合と同じ原理で同様の課題が生じる。特許文献2は、そのような問題に対し、金属板の重ね合わせ部分を押し潰す第1の加圧ロールを設け、この第1の加圧ロールで金属板の重ね合わせ部分を押し潰した後に、電極輪をその押し潰した重ね合わせ部分に接触させて通電し、溶接を行うことで、電極輪の疵付きや溶接チリの発生を抑えている。
特開平2−52179号公報 特開2006−110577号公報
従来のマッシュシーム溶接では、特許文献2に課題として述べられているように、溶接チリ発生と電極輪の疵付きの問題から、最大接合板厚は3.2mm程度が限界であると言われていた。
また、引用文献1および2では、溶接チリ発生と電極輪の疵付きを低減することで、板厚3.2mm以上の金属板を接合することが可能となる。
すなわち、特許文献1記載の技術では、金属板の板厚が厚い場合は、接合部とクランプとの距離を大きく設定することにより、金属板の曲げ曲率を小さくし、クランプ装置に作用する力を低減してクランプ装置の破損を防止しているが、これは、結果的に、金属板の曲げ曲率を小さくすることで、重ね合わせ部分における上金属板の接触面積を増大させることになり、これにより電流密度が低減し溶接チリの発生が抑えられると考えられる。
特許文献2の技術では、上記のように、加圧ロールで金属板の重ね合わせ部分を押し潰した後に、電極輪をその押し潰した重ね合わせ部分に接触させて通電し、溶接を行うことで、電極輪の疵付きや溶接チリの発生を抑えている。
しかし、これらの技術を適用したとしても、マッシュシーム溶接機の最大接合板厚は4.5mm程度が限界であることが分かった。その理由は次のようである。
まず、従来のマッシュシーム溶接におけるクランプ装置と電極輪の位置関係について述べる。特許文献1の図13および特許文献2の図3および図8に示すように、従来は、下電極輪外周部の上端位置はクランプ装置の材料把持部下面(以下パスラインと称す)に一致するように設定される。溶接中は下電極輪のその設定位置(高さ)を固定し、上電極輪を油圧シリンダ或いは空圧シリンダ等の加圧装置で押圧することで、重ね合わせ部分は上電極輪により押圧される。下電極輪は電極輪外周面の損耗により、定期的に表面を改削され、その結果電極輪直径が小さくなるが、改削量に相当する量をウォームジャッキ等で下電極輪の高さ位置を修正し、下電極輪外周部の上端位置がパスライン位置を維持するように設定される。
クランプ装置および電極輪の位置を保守管理する際には、下電極輪外周部上端とクランプのパスラインとが一致するようにすればよく、保守性の面からも本位置関係とする理由があった。
ところで、金属板の厚みが例えば2mm以下の比較的薄い場合は、上記のように下電極輪外周部の上端位置を設定したとしても、上電極輪の加圧装置で押圧されると重ね合わせ部の金属板は平行化するようにたわみ変形するので、余り問題となることはなかった。
しかし、4.5mmを超えるような板厚が厚い材料を溶接する場合には、金属板の剛性が高いため、上電極輪の押圧力では上下の金属板が平行化するまで、たわみ変形できなくなる。その結果、この状態で溶接電流を流しながら溶接する場合は、満足な接合強度が得られずかつ接合部の片側の段差が増大するという問題が生じる。
すなわち、上下の金属板の重ね合わせ部分において、上下の金属板が平行化するまでたわみ変形していない場合は、重ね合わせ部分における電極輪通過開始から終了までの溶接過程の初期段階において、下金属板角部(特許文献2の図3の16および図8の21)に電流が集中する。更には、上下の金属板が平行化するまでたわみ変形しない場合の金属板の重ね合わせ部分には、上金属板の角部(端面)と下金属板との間に大きな隙間が形成されることから、重ね合わせ部分の溶融ならびに変形は重ね合わせ部分の中心からではなく、下金属板角部が位置する部分から開始する。この部分の接合後、上金属板の角部は下金属板と接触することになるが、上記のように上金属板の角部は、接合開始時点では下金属板との間に隙間を持つため、材料間の接触抵抗発熱が遅れる。そして、上金属板角部は下金属板角部側の溶融および変形が進行した後に、下金属板と接触する。したがって、上金属板角部近傍の接合領域は下金属板角部近傍の接合領域と比較すると、相対的に入熱量が少なく、電極輪に高温で押圧される時間も短くなる。
ここで、マッシュシーム溶接では、接合部中央部に溶融凝固部(ナゲット)が生成し、ナゲットを挟み点対称の位置、すなわち下金属板角部とナゲット、上金属板角部とナゲットをそれぞれ結ぶ接合部境界に固相接合部が形成される。金属板の厚みが厚い場合の溶接では、前述の如く、下金属板角部側の溶接が先行する結果、下金属板角部側の固相接合部の長さが短く、かつ電極輪に押圧される時間が長いことから固相接合強度が高くなる。更には、下金属板角部近傍は高温での変形が進み、上金属板角部近傍の接合と比較し、接合部の段差が小さくなる。逆に、上金属板角部側の固相接合部は長さが長く、入熱量も劣るため接合強度が低くなると共に、高温変形が進まず、接合部の段差が大きくなる。
これらにより、接合部の形状は上下非対称になると共に、上金属板角部近傍には応力集中係数の高い大きな段差が形成され、またこの段差と連なる固相接合部は接合強度が低く、溶接継手の最弱部となる。
マッシュシーム溶接では、一般に母材の110〜160%程度にまで接合部の厚みが増加するため、金属板の厚みが厚くなるほど増厚量絶対値も増加する傾向にある。したがって、金属板の厚みが厚くなる程、接合部の上下非対称性が顕著となり、接合強度が著しく低下することになる。
また、上記の如く、下電極輪外周部の上端位置をパスラインに設定し、溶接中の重ね合わせ部分の位置を固定にした場合は、接合部形状は非対称となり、接合部の溶接強度は低下する。そこで、事前に接合部厚みを予測し、下電極輪外周部の上端位置を接合部の下面に合わせて設定することが考えられる。
しかし、接合部の厚みは接合部への入熱条件ならびに押圧力、クランプ間距離等多数のパラメータから決まり、接合後の接合部厚みは接合条件により変動するため、事前に接合部厚みを精度良く予測することは困難である。その上、クランプ装置で把持された金属板の接合部中心に対し、下電極輪外周部の上端位置が接合部の下面に接触し上下電極輪が対称になる加圧方向の位置はピンポイントにしか存在しない。したがって、接合時の上下電極輪が接合部中心に対して対称に位置するように上下電極輪の加圧方向位置を精度良く設定し、接合部の形状を上下対称にすることは困難である。
このような理由から、従来のマッシュシーム溶接では、板厚を3.2mm以下、最大でも4.5mm以下に制限を設けて接合せざるを得なかった。
本発明の目的は、板厚が2mmを超える金属板のマッシュシーム溶接において、接合強度を安定化させ、接合部の段差を低減し、高い接合強度と信頼性を確保し、以て板厚が4.5mmを超える金属板の接合をも可能とするマッシュシーム溶接方法および装置を提供することである。
上述した課題を解決する第1の発明は、2枚の金属板をそれぞれ第1および第2把持装置で把持し、前記2枚の金属板の端部を重ね合わせ、その重ね合わせ部を上下一対の電極輪で加圧し、溶接電流を流しながら連続的に溶接し、前記2枚の金属板を接合するマッシュシーム溶接方法において、前記重ね合わせ部を前記溶接電流を流しながら連続的に溶接している間、前記重ね合わせ部に作用する上下の押圧力が等しくなるように前記上下の電極輪に付与する加圧力を制御することを特徴とする。
上述した課題を解決する第2の発明は、第1の発明に係わるマッシュシーム溶接方法において、前記2枚の金属板の厚みを2mm以上としたことを特徴とする。
上述した課題を解決する第3の発明は、第1または第2の発明に係わるマッシュシーム溶接方法において、前記上下一対の電極輪のうちの一方の電極輪は、位置制御で電極輪を送って前記重ね合わせ部の接合端面に接触させて溶接を開始し、前記接合端面が溶接された後は加圧力制御に切り換え、他方の電極輪は、位置制御で電極輪を送って前記重ね合わせ部の接合端面に接触させ、電極輪が前記接合端面に接触すると同時或いはその直後に加圧力制御に切り替えて溶接を開始し、前記接合端面が溶接された後は、前記一方の電極輪と前記他方の電極輪とを同期して送り、かつその送りの間、前記重ね合わせ部に作用する上下の押圧力が等しくなるように前記加圧力制御を行うことを特徴とする。
上述した課題を解決する第4の発明は、第1または第2の発明に係わるマッシュシーム溶接方法において、前記上下一対の電極輪のうちの一方の電極輪は、加圧力制御でかつ電極輪の支持部を機械固定端に押し付けることにより電極輪の位置を保持した状態で、電極輪を送って前記重ね合わせ部の接合端面に接触させ、電極輪が前記接合端面に接触した後は、前記加圧力制御で前記電極輪の位置を制御しながら溶接を開始し、前記接合端面が溶接された後は前記重ね合わせ部に一定の押圧力を付与する加圧力制御に切り換え、他方の電極輪は、位置制御で電極輪を送って前記重ね合わせ部の接合端面に接触させ、電極輪が前記接合端面に接触すると同時或いはその直後に加圧力制御に切り替えて溶接を開始し、前記接合端面が溶接された後は、前記一方の電極輪と前記他方の電極輪とを同期して送り、かつその送りの間、前記重ね合わせ部に作用する上下の押圧力が等しくなるように前記加圧力制御を行うことを特徴とする。
上述した課題を解決する第5の発明は、第1〜第4の発明に係わるマッシュシーム溶接方法において、前記重ね合わせ部と前記第1および第2把持装置間のそれぞれの距離を同一とし、前記金属板の厚みに応じて前記距離を調整することを特徴とする。
上述した課題を解決する第6の発明は、第1〜第5の発明に係わるマッシュシーム溶接方法において、前記上下一対の電極輪を積極的に駆動させ、かつ前記金属板の厚みに応じて前記電極輪の駆動トルクを変化させるトルク制御を行うことを特徴とする。
上述した課題を解決する第7の発明は、第1〜第6の発明に係わるマッシュシーム溶接方法において、前記2枚の金属板を接合した後、前記金属板の接合部を上下一対の加圧ローラで圧延する圧延工程を備え、前記圧延工程において、前記一対の加圧ローラの軸芯を前記接合部の接合線に直交する直線に対して水平面内で傾斜させ、前記一対の加圧ローラを積極的に駆動しながら前記接合部の段差を前記加圧ローラの進行方向に圧延することを特徴とする。
上述した課題を解決する第8の発明は、2枚の金属板をそれぞれ第1および第2把持装置で把持し、前記2枚の金属板の端部を重ね合わせ、その重ね合わせ部を上下一対の電極輪で加圧し、溶接電流を流しながら連続的に溶接し、前記2枚の金属板を接合するマッシュシーム溶接装置において、前記上下の電極輪のそれぞれに加圧力を付与する上下の加圧装置と、前記重ね合わせ部に作用する上下の押圧力が等しくなるように前記上下の加圧装置が前記上下の電極輪に付与する加圧力を制御する制御装置とを備えることを特徴とする。
上述した課題を解決する第9の発明は、第8の発明に係わるマッシュシーム溶接装置において、前記上下の加圧装置は、油圧または空圧シリンダ装置であることを特徴とする。
上述した課題を解決する第10の発明は、第8または第9の発明に係わるマッシュシーム溶接装置において、前記重ね合わせ部と前記第1および第2把持装置間のそれぞれの距離を調整する距離調整機構を更に備え、前記重ね合わせ部と前記第1および第2把持装置間のそれぞれの距離を同一とし、前記金属板の厚みに応じて前記距離を調整することを特徴とする。
上述した課題を解決する第11の発明は、第8〜第10の発明に係わるマッシュシーム溶接装置において、前記2枚の金属板を接合した後、前記金属板の接合部を上下一対の加圧ローラで圧延する加圧ローラ用加圧装置を備え、前記一対の加圧ローラの軸芯を前記接合部の接合線に直交する直線に対して互いに水平面内で傾斜させたことを特徴とする。
第1および第8の発明によれば次の効果が得られる。
2枚の金属板の板厚を2mm以上とした場合、重ね合わせ部で変形しながら接触する上下の金属板は、自身の剛性で上下で対称に変形しようとする。このような重ね合わせ部の上下の金属板に対し、本発明の制御を適用した場合、重ね合わせ部に作用する上下の押圧力が等しくなるため、重ね合わせ部における上下の金属板は電極輪で加圧された後も、上下対称のたわみ形状を維持しようとする。その結果、上金属板角部と下金属板との隙間は小さくなり、上下の金属板の接触面積が増大し、電流密度が減少する。これにより溶接チリの発生を抑制しつつ溶接電流を増大し、入熱量を増大することが可能となる。また、重ね合わせ部の金属板のたわみ形状が上下対称であるため、重ね合わせ部の中央付近から溶融が開始され、この溶融が点対称に進行する。これにより重ね合わせ部の中心付近にナゲットが形成され、固相接合部も上下対称に形成され、上下の固相接合部の長さも均等となる。
このように上下で接合条件を均等化させることで、溶接電流を増大させて入熱量を増大させ、かつ固相接合部を上下対称に形成することが可能となり、固相接合強度を安定化させることができる。また、上下で接合条件を均等化させることで、接合部の段差形状が対称化し、接合部の段差を低減し、接合部段差部の応力集中係数の増大を抑制できる。
これにより接合強度を安定化させ、接合部の段差を低減し、高い接合強度と信頼性を確保することができる。また、その結果、板厚が4.5mmを超える金属板の接合をも可能となる。
第2の発明によれば次の効果が得られる。
マッシュシーム溶接では一般に母材の110〜160%程度にまで接合部の厚みが増加する。接合材(金属板)の厚みが厚くなるほど増厚量絶対値も増加する傾向にある。したがって、接合材が厚くなると一方の電極輪の加圧方向位置の設定値に対する偏差も大きくなり、また接合材の剛性により前記偏差生成分、把持装置への加圧力支持分担量が大幅に増加する。これにより、上下電極輪の上下の押圧力の差が著しく増加し、押圧力が低い側の接合強度が著しく低下する課題があった。
従来、マッシュシーム溶接では接合厚みを3.2mm以下、最大でも4.5mm以下に制限を設けて接合してきた原因のひとつが、この接合条件の上下非対称性を容易に回避する有効な手段がなかったことが一因と考える。
第2の発明において、板厚が2mm以上の金属板の接合に本発明を適用することで、接合材料厚みが2mm以上の剛性の高い材料の場合に特に問題とされる接合部の非対称性に伴う強度低下を抑制し、材料厚みの厚い材料の接合部強度を向上させることができる。また、電極輪位置が接合部中心に対し対称化するため、金属板の重ね合わせ部の強制たわみが従来金属板の厚み相当であったものに対し、金属板の厚みの2分の1にすることができ、第1および第2把持装置に作用する金属板の曲げ反力を大幅に低減することができる。
第3および第4の発明によれば次の効果が得られる。
接合条件の上下非対称性を回避する目的で、重ね合わせ部に作用する上下の押圧力が等しくなるように加圧力制御した場合に想定される課題としては、接合開始時点で未接合の材料を上下電極輪で加圧すると、上下方向の電極輪位置が定まらず、接合材料が突き上げられ、接合を開始できないケースが生じることである。この問題は、剛性の低い薄い材料の場合に特に顕著となる。
第3および第4の発明においては、そのような課題に対し、
接合端面が溶接され、所望の材料剛性が得られるまでは一方の電極輪を位置制御とすることで、材料を突き上げることなく、接合を開始することが可能となり、接合端面が溶接され2枚の金属板の一部が接合された後は電極輪鉛直方向の剛性が必要十分となるため、上下電極輪共に加圧力制御とし接合することで、接合開始から終了まで安定して高品質の接合ができる。
また、第4の発明においては、機械固定端に電極輪の支持部を押し当てるように加圧した状態で接合を開始することで、初期荷重を電極輪に付与することが出来るため、上下電極輪が重ね合わせ部の金属板を挟み込み、押圧力が重ね合わせ部に作用する前後で、加圧力による位置制御で電極輪における重ね合わせ部に作用する荷重変動を大幅に抑えることができ、溶接開始時点の電極輪位置設定精度を確保できる。更には、上下の電極輪で重ね合わせ部を把持した直後に、上下電極輪加圧力が吊り合った時点で、機械固定端に押し付けられた電極輪の支持部は、力のつりあいにより、機械固定端を離れ、上下電極輪加圧力が自動調整されることで、接合開始端面の溶接完了後は、溶接開始時点から重ね合わせ部に作用する上下の押圧力を均等化することができ、接合強度が向上すると共に、接合部の信頼性が向上する。
第5および第10の発明によれば次の効果が得られる。
重ね合わせ部と第1および第2把持装置間の距離が異なる場合は、一方の把持装置と他方の把持装置のモーメントアームが異なり、重ね合わせ部分の接触角、すなわち金属板のたわみ角が異なり、重ね合わせ部の隙間が大きくなり、溶接チリが発生しやすくなる問題が生じる。
剛性の高い厚みの厚い同士の材料を重ねる場合、下電極輪の加圧方向位置をパスラインに設定すると材料厚みに相当する矯正変位を上金属板が受ける。上下電極輪の加圧方向位置を接合部中心に対し、対称に配置した場合には、材料厚みの2分の1の強制変位を低減することが可能となるが、把持装置との距離によっては、クランプ付け根部分から塑性変形する問題がある。また、塑性変形しない場合でも、電極輪押圧時、重ねあわせ部の傾斜角度が大きくエッジで電極輪に疵付く課題、あるいは電極輪の押圧力で接合部上下面を平行化しようとしても、材料剛性により平行化出来ない問題がある。
第5および第10の発明においては、重ね合わせ部と第1および第2把持装置間のそれぞれの距離を同一とし、金属板の厚みに応じて前記距離を調整することで、重ねあわせ部の形状を対称化することが出来、また2mm以上の剛性の高い厚みの厚い金属板同士を重ねる際でも、重ね合わせによる材料の強制変位に対し、塑性変形が起こらないように設定できる。また、少ない電極輪への押圧力で接合部上下面を平行化できる。
これにより、接合強度を安定化させ、接合部の段差勾配を低減し、高い接合強度を確保できる。
第6の発明によれば次の効果が得られる。
金属板の厚みが厚くなった場合には、上下電極輪による圧下量が増えるため、電極輪に必要とされる駆動トルクが金属板の厚みに応じて増加する。通常、電極輪には、エアーモータ等によるトルク駆動により、一定のトルクを補助的に供給する。しかしながら、接合する金属板の板厚範囲が広い場合には、板厚に応じて供給するトルクを変更しなければ、接合に必要な電極輪駆動トルクに過不足が生じる。
第6の発明においては、上下一対の電極輪を積極的に駆動させ、金属板の厚みに応じて電極輪の駆動トルクを制御する。これにより接合部上下面に所望の圧延動力を与えることが可能となり、駆動力不足による接合不良や接合部強度が低下する問題を解決し、接合部の信頼性を向上させることが出来る。また、電極輪の摩耗などの問題を解決できる。
第7および第11の発明によれば次の効果が得られる。
接合する金属板の厚みが厚くなるに従い、接合部と母材間の段差が大きくなる。段差寸法が大きくなるに従い、これらの段差は応力集中箇所となり、溶接継手強度弱める課題があった。
第7および第11の発明においては、溶接後の接合部を上下一対の加圧ローラの軸芯を接合線に直交する直線に対して水平面内で傾斜させ、一対の加圧ローラを積極的に駆動しながら接合部の段差を圧延するので、接合線直角方向に剪断変形により接合部の増厚量を減らし、かつ段差を平滑化或いは段差勾配を低減し、高い接合強度を確保出来る。
また、金属板の接合部の段差を平滑化或いは段差勾配を低減することで、接合部の応力集中係数を低減し、高い接合強度を確保出来る。
本発明の一実施の形態に係わるマッシュシーム溶接装置の構成の概略を示す図である。 第1および第2把持装置を接合進行方向から見た側面図である。 図1に示したマッシュシーム溶接装置の制御系の概略を示す図である。 従来のマッシュシーム溶接方法で2枚の金属板を溶接する場合の接合工程を示す図であって、電極輪が待機位置にあるときの電極輪と重ね合わせ部の金属板との位置関係を示す図である。 同じく、接合開始端面に電極輪が到達し、重ね合わせ部の金属板が下電極輪によって押されて上昇した状態での電極輪と重ね合わせ部の金属板との位置関係を示す図である。 同じく、接合開始直後の電極輪と重ね合わせ部の金属板との位置関係を示す図である。 同じく、接合完了時の電極輪と重ね合わせ部の金属板との位置関係を示す図である。 本発明のマッシュシーム溶接方法で2枚の金属板を溶接する場合の接合工程を示す図であって、電極輪が重ね合わせ部の金属板を挟み込んだ溶接開始前の電極輪と重ね合わせ部の金属板との位置関係を示す図である。 同じく、溶接開始直後の電極輪と重ね合わせ部の金属板との位置関係を示す図である。 同じく、溶接中の電極輪と重ね合わせ部の金属板との位置関係を示す図である。 同、溶接完了直後の電極輪と重ね合わせ部の金属板との位置関係を示す図である。 同じく、接合された金属板の接合部の状態を示す図である。 本発明の第1の実施例におけるマッシュシーム溶接方法の電極輪待機位置から接合完了までの一連の工程を示す工程図である。 同じく、その一連の工程を示すフローチャートである。 同じく、上下電極輪が待機位置にあるときの電極輪と重ね合わせ部の金属板との位置関係を示す図である。 同じく、上電極輪が基準位置に下降しときの電極輪と重ね合わせ部の金属板との位置関係を示す図である。 本発明の第2の実施例におけるマッシュシーム溶接方法の電極輪待機位置から接合完了までの一連の工程を示す工程図である。 同じく、その一連の工程を示すフローチャートである。 同じく、上下電極輪が待機位置にあるときの電極輪と重ね合わせ部の金属板との位置関係を示す図である。 同じく、上下電極輪が金属板の接合開始端面との接触位置に下降したときの電極輪と重ね合わせ部の金属板との位置関係を示す図である。 同じく、上下電極輪が金属板の接合開始端面を押圧後の溶接開始直前の電極輪と重ね合わせ部の金属板との位置関係を示す図である。 本発明の第3の実施例におけるマッシュシーム溶接方法の電極輪待機位置から接合完了までの一連の工程を示す工程図である。 同じく、その一連の工程を示すフローチャートである。 同じく、上下電極輪が待機位置にあるときの電極輪と重ね合わせ部の金属板との位置関係を示す図である。 同じく、上電極輪が基準位置に下降したときの電極輪と重ね合わせ部の金属板との位置関係を示す図である。 同じく、上下電極輪が金属板の接合開始端面を押圧後の溶接開始直前の電極輪と重ね合わせ部の金属板との位置関係を示す図である。 本発明の第3の実施例を金属板の板厚が2mm以下の剛性の低い薄板に適用した場合の電極輪と重ね合わせ部の金属板との位置関係であって、上下の電極輪1,2が待機位置にあるとき位置関係を示す図である。 同じく、上下の電極輪1,2が金属板との接触位置にあるときの位置関係を示す図である。 薄板の金属板の接合に第1実施例の接合方法を適用した場合の図15Aと同様な図である。 同じく、図15Bと同様な図である。 同じく、図5Cと同様な図である。 同じく、図5Dと同様な図である。 同じく、図5Eと同様な図である。 金属板の材質を軟鋼と仮定し、材料が降伏しない接合板厚と第1および第2把持装置間距離Lの相関を示す。 加圧ローラの軸芯の傾斜角度を任意の角度に変更可能とする加圧ローラ傾斜機構を示す図である。 加圧ローラの軸芯を傾斜して接合部を圧延する場合の接触孤長内でのメタルフローを示す図であり、一例として、上加圧ローラの場合を示す図である。 一対の加圧ローラの進行方向部分が水平面内で、加圧ローラが最初に接触する金属材料が係わる金属板の存在する方向と反対方向を向くように、一対の加圧ローラの軸芯を溶接線に直交する直線に対して、各々傾斜させ、圧延する場合の加圧ローラ圧延初期状態を示す図である。 図20Aのように圧延した場合の加圧ローラ圧延終了状態を示す図である。 図20Aと比較し、加圧ローラを逆向きに傾斜させた場合、すなわち一対の加圧ローラの進行方向部分が水平面内で、加圧ローラが最初に接触する金属材料が係わる金属板の存在する方向を向くように、一対の加圧ローラの軸芯を溶接線に直交する直線に対して、各々傾斜させ、圧延する場合の加圧ローラ圧延初期状態を示す図である。 図21Aのように圧延した場合の加圧ローラ圧延終了状態を示す図である。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係わる金属板のマッシュシーム接合装置の構成の概略を示す図である。
図1において、本実施の形態に係わるマッシュシーム溶接装置は、上下一対の電極輪1,2、上下一対の加圧ローラ3,4、第1および第2把持装置7,8、キャリッジフレーム9、上下電極輪加圧装置10a,10bおよび上下加圧ローラ加圧装置11a,11bを備えている。上下電極輪加圧装置10a,10bおよび上下加圧ローラ加圧装置11a,11bは例えば油圧または空圧のシリンダ装置である。上電極輪1と上加圧ローラ3はそれぞれ上電極輪加圧装置10aおよび加圧ローラ加圧装置11aを介してキャリッジフレーム9の上水平フレーム9aに支持され、下電極輪2と下加圧ローラ4はそれぞれ上電極輪加圧装置10bおよび加圧ローラ加圧装置11bを介してキャリッジフレーム9の下水平フレーム9bに支持されている。上下一対の加圧ローラ3,4はキャリッジフレーム9内で上下一対の電極輪1,2に隣接して配置されている。
上下電極輪加圧装置10a,10bは、上下電極輪1,2をそれぞれ上下に可動させ、2枚の重ね合わせた金属板5,6をマッシュシーム溶接する際に重ね合わせ部Lに必要な押圧力を付与する。
上下電極輪加圧装置10a,10bは、加圧装置制御システム200(後述)により、電極輪の位置、マッシュシーム溶接に必要な金属板に付与する押圧力を制御する。加圧装置10a,10b,11a,11bは、本実施の形態では、油圧または空圧のシリンダ装置としたが、電動サーボモータ等でも良い。
一方、下電極輪2は、電極輪使用限界に至るまで、溶接による電極輪表面への疵付きおよび電極輪表面の偏摩耗による接合不良を抑制するために定期的に改削される。この改削により電極輪直径は小さくなることで、下電極輪2の上面位置は未改削時の上面位置とは異なり下降する。この下降した上面位置を未改削時の上面位置と合わせるようにするために、下電極輪加圧装置10bの下部に高さ調整を行なうウォームジャッキ120が配置されている。
また、下加圧ローラ4も溶接後の接合部の段差の平滑化による表面への疵付きおよび表面の偏摩耗による段差の平滑化不良を抑制するために、定期的に改削される。この結果生じる下加圧ローラの上面位置の変化に対応するため、電極輪と同様に下加圧ローラ加圧装置11bの下部に、高さ調整を行なうウォームジャッキ121が配置されている。
このウォームジャッキ120,121の高さ調整(ウォーム軸の回転)は、手動または電動モータ・エアーモータ(図示なし)などを駆動源として行われる。
キャリッジフレーム9は底部に支持ローラ54を備え、支持ローラ54を介して台板55上を接合する2枚の金属板5,6に直交する方向(溶接方向)に移動可能である。第1および第2把持装置7,8は、それぞれ、上下一対のクランプ板7a,7b;8a,8bと、上下の押圧シリンダ装置7c,7d;8c,8dと、支持フレーム7e;8eを有し、クランプ板7a,7b;8a,8bは支持フレーム7e;8e内で上下の押圧シリンダ装置7c,7d;8c,8dを介して支持され、支持フレーム7e;8eは台板55上に支持されている。
金属板の接合装置は、また、上下一対の電極輪回転駆動用の電動モータ61,62と、上下一対の加圧ローラ回転駆動用の電動モータ63,64を備えている。上下一対の電極輪回転駆動用の電動モータ61,62は、それぞれ、電極輪用加圧装置10a,10bの側面に取り付けられ、例えばチェーンおよびスプロケット機構67により電極輪1,2の回転軸に連結され、電動モータ61,62の回転動力が電極輪1,2に伝達される。上下一対の加圧ローラ回転駆動用の電動モータ63,64も、同様に、それぞれ、加圧ローラ用加圧装置11a,11bの側面に取り付けられ、例えばチェーンおよびスプロケット機構68により加圧ローラ3,4の回転軸に連結され、電動モータ63,64の回転動力が加圧ローラ3,4に伝達される。
図2は、第1および第2把持装置7,8を接合進行方向から見た図である。第1および第2把持装置7,8の一方、例えば第2把持装置8は、クランプ板8a,8bで把持した金属板6の先端を上下方向に可動とするため、把持装置8の支点であるピン101を中心に上下方向に回動させる把持装置傾斜装置110を備えている。また、第1および第2把持装置7,8は、クランプ板7a,7b;8a,8bで把持した金属板5,6の先端の重ね合わせ部Lの長さを調整するため、クランプ板7a,7b;8a,8bで把持した金属板5,6の先端を接合進行方向と直角方向に移動させる把持装置移動装置111a,111bを備えている。
把持装置傾斜装置110は、架台102bに設けられ、下クランプ板8bを支持するホルダ103bをピン101を中心に回動させる油圧または空圧のシリンダ装置104を有している。把持装置移動装置111bは、ベース105bに設けられ、架台102bを接合進行方向と直角方向に駆動する油圧または空圧のシリンダ装置106bを有し、把持装置移動装置111aも、同様に、ベース105aに設けられ、下クランプ板7bを支持するホルダ103aと一体の架台102aを接合進行方向と直角方向に駆動する油圧または空圧のシリンダ装置106aを有している。
ここで、把持装置移動装置111a,111bは、クランプ板7a,7b;8a,8bの接合進行方向と直角方向の位置を調整し、重ね合わせ部Lとクランプ板7a,7b;8a,8b間のそれぞれの距離を調整する距離調整機構を兼ねている。後述する如く、重ね合わせ部Lとクランプ板7a,7b;8a,8b間のそれぞれの距離は同一に設定され、かつその距離は金属板5,6の厚みに応じて調整される。
図3は、図1に示したマッシュシーム溶接装置の制御系の概略を示す図である。金属板接合装置の制御装置は、上位制御装置71と、キャリッジフレーム駆動制御装置72、マッシュシーム制御装置73および加圧ローラ制御装置74、クランプ制御装置76を有している。上位制御装置71はキャリッジフレーム駆動制御装置72、マッシュシーム制御装置73および加圧ローラ制御装置74、クランプ制御装置76の制御を統括する。キャリッジフレーム駆動制御装置72はキャリッジフレーム9の駆動用のシリンダ装置57の油圧回路(図示せず)に作動指令を与え、シリンダ装置57の駆動を制御する。マッシュシーム制御装置73は電極輪用加圧装置(シリンダ装置)10a,10bの油圧回路(図示せず)および電動モータ61,62に作動指令を与え、これらの駆動を制御する。加圧ローラ制御装置74は加圧ローラ用加圧装置(シリンダ装置)11a,11bの油圧回路(図示せず)および電動モータ63,64に作動指令を与え、これらの駆動を制御する。クランプ制御装置76は、第1および第2把持装置7,8の駆動用のシリンダ装置104,106a,106bの油圧回路(図示せず)に作動指令を与え、シリンダ装置104,106a,106bの駆動を制御する。
また、キャリッジフレーム9の上水平フレーム9aには上電極輪1に隣接してレーザ距離計75が設けられ、マッシュシーム制御装置73および加圧ローラ制御装置74はレーザ距離計75の検出信号を入力し、その信号に基づいて金属板5,6の重ね合わせ部分の端部がレーザ距離計75の真下に来たタイミングを検出する。また、マッシュシーム制御装置73および加圧ローラ制御装置74にはレーザ距離計と電極輪1,2および加圧ローラ3,4間の距離と、キャリッジフレーム9の移動速度が予め入力されており、金属板5,6の重ね合わせ部分の端部がレーザ距離計75の真下に来たタイミングとそれらの距離および移動速度に基づいて電極輪1,2および加圧ローラ3,4が金属板5,6の重ね合わせ部分の端部を挟み込むタイミングを演算し、そのタイミングの前後で、上下加圧ローラ3,4の接触に関する上述した設定状態(第1設定か第2設定か)に応じて電極輪用加圧装置10a,10bおよび電動モータ61,62および加圧ローラ用加圧装置11a,11bおよび電動モータ63,64を適宜制御する。
図4A〜図4Dに従来のマッシュシーム溶接方法で2枚の金属板を溶接する場合の接合工程を示す。図4Aは、電極輪が待機位置にあるときの電極輪と重ね合わせ部の金属板との位置関係を示し、図4Bは、接合開始端面に電極輪が到達し、重ね合わせ部の金属板が下電極輪によって押されて上昇した状態での電極輪と重ね合わせ部の金属板との位置関係を示し、図4Cは、接合開始直後の電極輪と重ね合わせ部の金属板との位置関係を示し、図4Dは接合完了時の電極輪と重ね合わせ部の金属板との位置関係を示している。
図4Aに示すように、2枚の金属板5,6を、第1および第2の把持装置7,8でそれぞれ把持し、重ね合わせる。このとき、下電極輪2の外周部の上端位置は、パスライン(把持装置の材料把持部下面の延長線)上に設定され、重ね合わせた金属板5,6の下面と接触する位置に固定される。このため、図4Bに示すように、電極輪1,2が金属板5,6の接合開始端面まで移動して金属板5,6と接触するとき、金属板5,6は押し上げられ、上金属板6の角部E2と下金属板5との間に大きな隙間Gが形成される。上電極輪1は、重ね合わせ部Lを溶接する際に、上電極輪加圧装置10aにより下降し、重ね合わせ部Lに所望の押圧力を作用させる構造となる。すなわち、溶接中は、上電極輪1の加圧装置10aのみで重ね合わせ部Lに作用する押圧力を、接合に必要な所望の値に制御する。
ところで、金属板の厚みが例えば2mm以下の比較的薄い場合は、上記のように下電極輪外周部の上端位置をパスラインに設定したとしても、上電極輪1の加圧装置10aで押圧されると重ね合わせ部Lの金属板5,6は平行化するようにたわみ変形するので、余り問題となることはなかった。
しかし、4.5mmを超えるような板厚が厚い材料を溶接する場合には、金属板の剛性が高いため、上電極輪1の押圧力では上下の金属板5,6が平行化するまで、たわみ変形できなくなる。その結果、この状態で溶接電流を流しながら溶接する場合は、満足な接合強度が得られずかつ接合部の段差が増大するという問題が生じる。
すなわち、上下の金属板5,6の重ね合わせ部分Lにおいて、上下の金属板5,6が平行化するまでたわみ変形していない場合は、重ね合わせ部分Lにおける電極輪通過開始から終了までの溶接過程の初期段階において、上金属板6と接触する下金属板角部E1に電流が集中する。更には、上下の金属板5,6が平行化するまでたわみ変形しない場合の金属板5,6の重ね合わせ部分Lには、上金属板の角部E2と下金属板5との間に大きな隙間Gが形成されることから、重ね合わせ部分Lの溶融ならびに変形は重ね合わせ部分Lの中心からではなく、図4CにN0で示すように、下金属板角部E1が位置する部分から開始する。この部分の接合後、上金属板の角部E2は下金属板5と接触することになるが、上記のように上金属板の角部E2は、接合開始時点では下金属板5と間に隙間Gを持つため、材料間の接触抵抗発熱が遅れる。そして、上金属板角部E2は下金属板角部E1側の溶融および変形が進行した後に、下金属板5と接触する。したがって、上金属板角部E2近傍の接合領域は下金属板角部E1近傍の接合領域と比較すると、相対的に入熱量が少なく、電極輪1に高温で押圧される時間も短くなる。
ここで、マッシュシーム溶接では、接合部中央部に溶融凝固部(ナゲット)Nが生成し、ナゲットNを挟み点対称の位置、すなわち下金属板角部E1とナゲットN、上金属板角部E2とナゲットNを結ぶ接合部境界に固相接合部B1,B2が形成される。図4Dに示すように、金属板の厚みが厚い場合の溶接では、前述の如く、下金属板角部E1側の溶接が先行する結果、下金属板角部E1側の固相接合部B1の長さが短く、かつ電極輪2に押圧される時間が長いことから固相接合強度が高くなる。更には、下金属板角部E1近傍は高温での変形が進み、上金属板角部E2近傍の接合と比較し、接合部の段差が小さくなる。逆に、上金属板角部E2側の固相接合部は長さが長く、入熱量も劣るため接合強度が低くなると共に、高温変形が進まず、接合部の段差が大きくなる。
これらにより、接合部の形状は上下非対称となると共に、上金属板角部E2近傍には応力集中係数の高い大きな段差が形成され、またこの段差と連なる固相接合部B2は接合強度が低く、溶接継手の最弱部となる。
マッシュシーム溶接では、一般に母材の110〜160%程度にまで接合部の厚みが増加するため、金属板の厚みが厚くなるほど増厚量絶対値も増加する傾向にある。したがって、金属板の厚みが厚くなる程、接合部の上下非対称性が顕著となり、接合強度が著しく低下することになる。
本発明者等は、上述した現象(第1および第2把持装置で把持された材料の中心位置と溶接時に形成されるナゲットの中心位置が一致せず、上下の固相接合部の長さが異なって接合強度に差ができ、その結果、接合状態の不安定化および接合強度の低下すること、および接合部の上金属板側の段差が増大すること)を試験で確認した。
また、この現象は、材料の剛性が高い場合に顕著に現れることを確認した。
更に、従来から接合強度を低下させる問題として挙がっている金属板の角部による電極輪表面への溝状の疵つきも、材料の剛性が高くなるにしたがい、深くなる傾向も合わせて確認した。
これは、重ね合わせた材料の変形が上下で非対称になることで発生する。この非対称を解消するためには、下電極輪の位置が接合部増厚量の1/2分、材料把持基準位置よりも低くなければ、解消することはできない。
また、上下の固相接合部B1,B2の非対称性は、接合部と第1および第2把持装置間の距離にも起因することを試験で確認をした。
上述した課題を解決する本実施の形態の特徴を図5A〜図5Eを用いて説明する。図5Aは電極輪が重ね合わせ部の金属板を挟み込んだ溶接開始前の電極輪と重ね合わせ部の金属板との位置関係を示し、図5Bは溶接開始直後の電極輪と重ね合わせ部の金属板との位置関係を示し、図5Cは溶接中の電極輪と重ね合わせ部の金属板との位置関係を示し、図5Dは、溶接完了直後の電極輪と重ね合わせ部の金属板との位置関係を示し、図5Eは、接合された金属板の接合部の状態を示す図である。
本実施の形態では、2枚の金属板5,6をそれぞれ第1および第2把持装置7,8で把持し、2枚の金属板5,6の端部を重ね合わせ、その重ね合わせ部Lを上下一対の電極輪1,2で加圧し、溶接電流を流しながら連続的に溶接し、2枚の金属板5,6を接合する。そして、重ね合わせ部Lを溶接電流を流しながら連続的に溶接している間、重ね合わせ部Lに作用する上下の押圧力が等しくなるように加圧装置10a,10bが上下の電極輪1,2に付与する加圧力を制御する。
金属板の板厚を2mm以上とした場合、重ね合わせ部Lとクランプ板7a,7b;8a,8b間のそれぞれの距離を同一に設定しかつその距離を金属板5,6の厚みに応じた適切な値に調整することで、重ね合わせ部Lで変形しながら接触する上下の金属板5,6は、自身の剛性で上下で対称に変形しようとする。このような重ね合わせ部Lの上下の金属板5,6に対し、本発明では上記のように重ね合わせ部Lに作用する上下の押圧力が等しくなるように制御されるため、重ね合わせ部Lにおける上下の金属板5,6は、図5Aに示すように、電極輪1,2で加圧された後も、上下対称のたわみ形状を維持しようとする。その結果、上金属板角部E2と下金属板5との隙間は小さくなり、上下の金属板5,6の接触面積が増大し、電流密度が減少する。これにより溶接チリの発生を抑制しつつ溶接電流を増大し、入熱量を増大することができる。また、重ね合わせ部Lの金属板5,6のたわみ形状が上下対称であるため、図5BにN0で示すように、重ね合わせ部Lの中央付近から溶融が開始され、図5B〜図5Dに示すように、その溶融が点対称に進行する。これにより図5Dおよび図5Eに示すように、重ね合わせ部Lの中心付近にナゲットNが形成され、固相接合部B1,B2も上下対称に形成され、上下の固相接合部B1,B2の長さも均等となる。
このように上下で接合条件を均等化させることで、溶接電流を増大させて入熱量を増大させ、かつ固相接合部B1,B2を上下対称に形成することが可能となり、固相接合強度を安定化させることができる。また、上下で接合条件を均等化させることで、図5Eに示すように、接合部Jの段差形状が対称化し、接合部Jの段差を低減し、接合部段差部の応力集中係数の増大を抑制できる。
前述した課題を解決する本発明の第1の実施例におけるマッシュシーム溶接方法を図6〜図8Bと図5A〜図5Eを用いて説明する。
図6は、第1の実施例におけるマッシュシーム溶接方法の電極輪待機位置から接合完了までの一連の工程を示す工程図であり、図7はその一連の工程を示すフローチャートである。図8Aは、上下電極輪が待機位置にあるときの電極輪と重ね合わせ部の金属板との位置関係を示し、図8Bは上電極輪が基準位置に下降したときの電極輪と重ね合わせ部の金属板との位置関係を示している。
2枚の金属板5,6はそれぞれ、第1および第2の把持装置7,8のクランプ板7a,7b;8a,8bにより把持される。金属板5,6を把持後、把持装置傾斜装置110により、一方の金属板6の先端を上方に持ち上げて、その状態を維持したまま、金属板6の先端を他方の金属板5の先端の上表面に重ね合わせる位置になるように把持装置移動装置111aまたは111bで移動する。移動完了後、把持装置傾斜装置110により、上方に持ち上げた金属板6の先端を下降させて、他方の金属板5の上表面に重ね合わせる。このとき、2枚の金属板5,6の先端部分を重ね代は、金属板の材種、板厚、板幅などによって、上位制御装置71からの情報により、クランプ制御装置76にて事前に決定される。
マッシュシーム溶接開始前は、図6のSTEP1および図8Aに示すように、上下電極輪1,2は待機位置にある(図7のSTEP1)。上電極輪1の待機位置は、金属板5,6に接触しない位置である。一方、下電極輪2の待機位置は、下電極輪2の外周部の上端(以下、適宜電極輪上面という)をパスラインに合わせる位置である。
上位制御装置71の溶接開始の指令に基づき、キャリッジフレーム駆動制御装置72により、キャリッジフレーム9を接合進行方向へ移動することで、上下電極輪1,2を接合進行方向へ移動する。上電極輪1は、接合進行方向へキャリッジフレーム9を移動すると同時に、図6のSTEP1からSTEP2に示すように、上電極輪1の外周部の下端(以下、適宜電極輪下面という)を待機位置から基準位置に下降させる(図7のSTEP1〜2)。このとき、接合開始端面において上電極輪1の下面が金属板表面と接触するように下降速度を調整する。基準位置は金属板5,6の材種および板厚によって、マッシュシーム溶接制御装置73で予め定めておく。この基準位置は、下金属板5の上面位置から、重ね合わせた上部の金属板の板厚の1/2から接合部材料増厚量の1/2の範囲内に決定される。
上電極輪1が基準位置に到達した時点では、電極輪1,2はまだ金属板5,6の接合開始端面に接触していない。このときの送り方向の位置を中間位置という。
一方、図8Bに示すように、下電極輪2は、電極輪2の上面をパスラインに合わせた位置に保持されている。このとき、上電極輪1の下面と下電極輪2の上面は接触せず、隙間が存在する。また、図6のSTEP2に示すように、上電極輪1が基準位置に到達すると、その基準位置を保持する制御に切替え(図7のSTEP2)、この状態で、図6のSTEP2〜3に示すように、キャリッジフレーム9を更に接合開始端面まで移動する(図7のSTEP2〜3)。
上下の電極輪1,2が接合開始端面に到達後、次のようなタイミングで加圧力制御へ切り換える。
上電極輪1の下面と下電極輪2の上面は、図6のSTEP3に示すように、重ね合わせ部Lの金属板5,6の接合部開始端面において、重ね合わせた金属板5,6を挟み込むような形で接触する。上電極輪1は、電極輪1と金属板5,6が接触すると同時あるいはその直後に、重ね合わせ部Lに一定の押圧力を作用させる加圧力制御に切替える(図7のSTEP3)。下電極輪2は、このときも電極輪2の上面をパスラインに合わせた位置に保持する。図6のSTEP3〜4において、重ね合わせ部Lに加圧装置10aが上電極輪1を加圧することによる押圧力を作用させながら溶接(通電)を開始し、接合開始端面を溶接する(図7のSTEP3〜4)。この間、上電極輪1は加圧力制御により押圧力バランス位置へと移動する。図6のSTEP4において、接合開始端面の溶接が完了すると、下電極輪2も重ね合わせ部Lに一定の押圧力を作用させる加圧力制御に切替える(図7のSTEP4)。このとき、マッシュシーム溶接制御装置73により、金属板5,6への押圧力を上下均等でかつマッシュシーム溶接に必要な押圧力になるように、加圧装置10a,10bが上下の電極輪1,2に付与する加圧力を制御する。
以後は、図6のSTEP4〜5および図5A〜図5Eに示すように、上下電極輪1,2は、加圧力制御の状態で、接合部終了端面(マッシュシーム溶接終了位置)まで溶接を継続する(図7のSTEP4〜5)。この間の制御は本実施の形態の特徴として前述した通りであり、上下の電極輪1,2は押圧力バランス位置を取りながら、重ね合わせ部Lの金属板5,6を上下対称に溶接する。図6のSTEP5において、マッシュシーム溶接終了位置に到達する直前に、その時点での上下電極輪の位置を保持する位置保持制御に切替え、マッシュシーム溶接終了位置を通過させるように制御する(図7のSTEP5)。
これにより、前述したように、接合部の上下で接合条件が均等化され、接合部の形状を対称化し、接合部段差部の応力集中係数の増大を抑制できる。また、接合部中心に対し点対称位置に形成される固相接合部B1,B2への入熱量を均等化させることができ、接合強度を向上させると共に、接合部の信頼性を向上することができる。
ここで、本発明のように、上電極輪1に加え、下電極輪2も加圧力制御で上下方向に移動するようにし、金属板5,6への押圧力を上下均等でかつマッシュシーム溶接に必要な押圧力になるように加圧力制御することで、新たな課題が発生する。
新たな課題は、金属板の剛性に対し、設定する押圧力が充分大きな場合には、接合開始時点で上下電極輪加圧位置が決まらず、接合材料が突き上げられ、接合を開始できないことである。この課題は、特に金属板の板厚が薄い場合に顕著になる。本実施例では、このような新たな課題を解決するために、接合開始端面の溶接時は下電極輪は位置保持制御として溶接を完了し、所望の材料剛性を得ることができた後に、金属板への押圧力を上下均等でかつマッシュシーム溶接に必要な押圧力になるように加圧力制御を行うこととした。これにより接合開始時点で上下電極輪加圧位置が決まらず、接合材料が突き上げられ、接合を開始できなくなる事態を防止できる。また、接合開始端面近傍の溶接が行われることで、重ね合わせ部Lの金属板5,6の上下方向位置が定まるため、その後の溶接を安定して行うことができる。
上述した過程を以下のように要約する。
上下一対の電極輪(1,2)のうちの一方の電極輪(2)を、電極輪の外周部の前記重ね合わせ部(L)側の端部位置が前記第1および第2把持装置の前記一方の電極輪(2)側の金属板把持面の延長面近傍の第1位置(パスライン位置)に設定し、他方の電極輪(1)を、電極輪の外周部の前記重ね合わせ部(L)側の端部位置が前記第1および第2把持装置の前記他方の電極輪(1)側の金属板把持面の延長面から離れた第2位置(待機位置)に設定し、前記上下一対の電極輪(1,2)のうちの一方の電極輪(2)は、前記第1位置を保持する位置制御で電極輪を送って前記重ね合わせ部(L)の接合端面に接触させて溶接を開始し、前記接合端面が溶接された後は加圧力制御に切り換え、他方の電極輪(1)は、前記第2位置から前記重ね合わせ部(L)の金属板を加圧可能な位置(基準位置)に位置制御で移動しながら送り、更に、その位置を保持する位置制御で電極輪を送って前記重ね合わせ部の接合端面に接触させ、電極輪が前記接合端面に接触すると同時或いはその直後に加圧力制御に切り替えて溶接を開始し、前記接合端面が溶接された後は、前記一方の電極輪(2)と前記他方の電極輪(1)とを同期して送り、かつその送りの間、前記重ね合わせ部に作用する上下の押圧力が等しくなるように前記加圧力制御を行う。
前述した課題を解決する本発明の第2の実施例におけるマッシュシーム溶接方法の溶接過程を図9〜図11Cと図5A〜図5Eを用いて説明する。
図9は、第2の実施例におけるマッシュシーム溶接方法の電極輪待機位置から接合完了までの一連の工程を示す工程図であり、図10はその一連の工程を示すフローチャートである。図11Aは、上下電極輪が待機位置にあるときの電極輪と重ね合わせ部の金属板との位置関係を示し、図11Bは、上下電極輪が金属板の接合開始端面との接触位置に下降したときの電極輪と重ね合わせ部の金属板との位置関係を示し、図11Cは、上下電極輪が金属板の接合開始端面を押圧後の溶接開始直前の電極輪と重ね合わせ部の金属板との位置関係を示している。
マッシュシーム溶接開始前は、図9のSTEP1および図11Aに示すように、上下電極輪1,2は待機位置にある(図10のSTEP1)。上下電極輪1,2の待機位置は、共に、金属板5,6に接触しない位置である。図示しないが、下電極輪2の待機位置は、金属板5,6の材種および板厚によって、電極輪2の上面が、下金属板5の下面から、マッシュシーム溶接制御装置73で予めた、重ね合わせた上部の金属板の板厚の1/2から接合部材料増厚量の1/2の範囲内となる位置(基準位置)であってもよい。
上位制御装置71の溶接開始の指令に基づき、キャリッジフレーム駆動制御装置72により、キャリッジフレーム9を接合進行方向に移動することで、上下電極輪1,2を接合進行方向へ移動する。上電極輪1は、接合進行方向へキャリッジフレーム9を移動すると同時に、図9のSTEP1からSTEP2に示すように、上電極輪1の下面を待機位置から下降させ、金属板5,6の接合開始端面において上電極輪1の下面が金属板表面と接触するように下降速度を調整する(図10のSTEP1〜2)。同時に、下電極輪2は、電極輪2の上面を待機位置から上昇させ、金属板5,6の接合開始端面において下電極輪2の上面が金属板表面と接触するように上昇速度を調整する。この上下電極輪1,2の速度調整は加圧装置10a,10bによる加圧力を変化させ電極輪1,2の位置を制御することにより行う。この状態で、キャリッジフレーム9を待機位置から接合開始端面まで移動する。これにより、接合開始端面における金属板による電極輪への傷つきや電極輪の摩耗を減少させることが可能となる。
上下の電極輪1,2が接合開始端面に到達後、次のようなタイミングで加圧力制御へ切り換える。
上電極輪1の下面と下電極輪2の上面は、図9のSTEP2および図11Bに示すように、接合部開始端面において、重ね合わせた金属板5,6を挟み込むような形で接触する。上電極輪1は、電極輪1と金属板5,6が接触すると同時あるいはその直後に、重ね合わせ部Lに一定の押圧力を作用させる加圧力制御に切替える(図10のSTEP2)。このとき、下電極輪2は、位置制御を継続するが、上昇速度が遅くなるよう位置制御の増分が変更される。図9のSTEP2〜3および図11Cに示すように、重ね合わせ部Lに加圧装置10aが上電極輪1を加圧することによる押圧力を作用させながら溶接(通電)を開始し、接合開始端面を溶接する(図10のSTEP2〜3)。この間、上電極輪1は加圧力制御により押圧力バランス位置へと移動する。下電極輪2は、基準位置(下金属板5の下面から、重ね合わせた上部の金属板の板厚の1/2から接合部材料増厚量の1/2の範囲内となる位置)へと移動する。
図9のSTEP3において、接合開始端面の溶接が完了すると、下電極輪2も重ね合わせ部Lに一定の押圧力を作用させる加圧力制御に切替える(図10のSTEP3)。このとき、マッシュシーム溶接制御装置73により、金属板5,6への押圧力を上下均等でかつマッシュシーム溶接に必要な押圧力になるように、加圧装置10a,10bが上下の電極輪1,2に付与する加圧力を制御する。
以後は、図9のSTEP3〜4および図5A〜図5Eに示すように、上下電極輪1,2は、加圧力制御の状態で、接合部終了端面(マッシュシーム溶接終了位置)まで溶接を継続する(図10のSTEP3〜4)。この間の制御の詳細は本実施の形態の特徴として前述した通りであり、上下の電極輪1,2は押圧力バランス位置を取りながら、重ね合わせ部Lの金属板5,6を上下対称に溶接する。図9のSTEP4において、マッシュシーム溶接終了位置に到達する直前に、その時点での上下電極輪の位置を保持する位置保持制御に切替え、マッシュシーム溶接終了位置を通過させるように制御する(図10のSTEP4)。
これにより、前述したように、接合部の上下で接合条件が均等化され、接合部の形状を対称化し、接合部段差部の応力集中係数の増大を抑制できる。また、接合部中心に対し点対称位置に形成される固相接合部B1,B2への入熱量を均等化させることができ、接合強度を向上させると共に、接合部の信頼性を向上することができる。
また、接合開始時点で上下電極輪加圧位置が決まらず、接合材料が突き上げられ、接合を開始できなくなる事態を防止できるとともに、接合開始端面近傍の溶接が行われることで、重ね合わせ部Lの金属板5,6の上下方向位置が定まるため、その後の溶接を安定して行うことができる。
上述した過程を以下のように要約する。
上下一対の電極輪(1,2)のうちの一方の電極輪(2)を、電極輪の外周部の前記重ね合わせ部(L)側の端部位置が前記第1および第2把持装置の前記一方の電極輪(2)側の金属板把持面の延長面から離れた第1位置(待機位置)に設定し、他方の電極輪(1)を、電極輪の外周部の前記重ね合わせ部(L)側の端部位置が前記第1および第2把持装置の前記他方の電極輪(1)側の金属板把持面の延長面から離れた第2位置(待機位置)に設定し、前記上下一対の電極輪(1,2)のうちの一方の電極輪(2)は、電極輪を前記第1位置から加圧方向に移動させながら位置制御で電極輪を送って前記重ね合わせ部の接合端面に接触させて溶接を開始し、前記接合端面が溶接された後は加圧力制御に切り換え、他方の電極輪(1)は、電極輪を前記第1位置から加圧方向に移動させながら位置制御で電極輪を送って前記重ね合わせ部の接合端面に接触させ、電極輪が前記接合端面に接触すると同時或いはその直後に加圧力制御に切り替えて溶接を開始し、前記接合端面が溶接された後は、前記一方の電極輪(2)と前記他方の電極輪(1)とを同期して送り、かつその送りの間、前記重ね合わせ部に作用する上下の押圧力が等しくなるように前記加圧力制御を行う。
前述した課題を解決する本発明の第3の実施例におけるマッシュシーム溶接方法の溶接過程を図12〜図14Cと図5A〜図5Eを用いて説明する。
図12は、第3の実施例におけるマッシュシーム溶接方法の電極輪待機位置から接合完了までの一連の工程を示す工程図であり、図13はその一連の工程を示すフローチャートである。図14Aは、上下電極輪が待機位置にあるときの電極輪と重ね合わせ部の金属板との位置関係を示し、図14Bは、上電極輪が基準位置に下降したときの電極輪と重ね合わせ部の金属板との位置関係を示し、図14Cは、上下電極輪が金属板の接合開始端面を押圧後の溶接開始直前の電極輪と重ね合わせ部の金属板との位置関係を示している。
マッシュシーム溶接開始前は、図12のSTEP1および図14Aに示すように、上下電極輪1,2は待機位置にある(図13のSTEP1)。上電極輪1の待機位置は、金属板5,6に接触しない位置である。一方、下電極輪2の待機位置は、下電極輪2の支持部が下電極輪加圧装置であるシリンダ装置10bのストロークエンド(機械固定端)に押し当てられた位置である。ここで、下電極輪2の上面位置は、下電極輪2の直径によって変化する。電極輪は、電極輪使用限界に至るまで、溶接による電極輪表面への疵付きおよび電極輪表面の偏摩耗による接合不良を抑制するために定期的に改削される。この改削により電極輪直径は小さくなる。図示の例は、下電極輪2の改削が少ない場合のものであり、電極輪直径が比較的大きく、その結果、下電極輪2の上面位置はパスラインを超えてその上方に突出している。下電極輪2の上面位置は、下電極輪2の支持部をシリンダ装置10bのストロークエンド(機械固定端)に押し当てられることで、パスラインを超えた位置が保持されている。
但し、下電極輪2の改削に伴う電極輪直径の変化による下電極輪2の上面位置の変化を、シリンダ装置10bの下部に備えたウォームジャッキ120(図1及び図2参照)で、常時補正することで、シリンダ装置10bのストロークエンドに押し当てられた状態で、下電極輪2の上面位置を所望の位置、例えばパスライン位置に保持するようにしても良い。
上位制御装置71の溶接開始の指令に基づき、キャリッジフレーム駆動制御装置72により、キャリッジフレーム9を接合進行方向へ移動することで、上下電極輪1,2を接合進行方向へ移動する。上電極輪1は、接合進行方向へキャリッジフレーム9を移動すると同時に、図12のSTEP1からSTEP2に示すように、上電極輪1の下面を待機位置から基準位置に下降させる(図13のSTEP1〜2)。このとき、接合開始端面において上電極輪1の下面が金属板表面と接触するように下降速度を調整する。基準位置は、前述したとおり、下金属板5の上面位置から、重ね合わせた上部の金属板の板厚の1/2から接合部材料増厚量の1/2の範囲内の位置である。
上電極輪1が基準位置に到達した時点では、電極輪1,2はまだ金属板5,6の接合開始端面に接触していない。このときの送り方向の位置を中間位置という。
一方、図14Bに示すように、下電極輪2においては、加圧力制御でかつ電極輪2の支持部を機械固定端に押し付けることにより電極輪の上面位置が保持されている。また、図12のSTEP2に示すように、上電極輪1が基準位置に到達すると、その基準位置を保持する制御に切替え(図13のSTEP2)、この状態で、図12のSTEP2〜3に示すように、キャリッジフレーム9を更に接合開始端面まで移動する(図13のSTEP2〜3)。
上下の電極輪1,2が接合開始端面に到達後、次のようなタイミングで加圧力制御へ切り換える。
上電極輪1の下面と下電極輪2の上面は、図12のSTEP3に示すように、重ね合わせ部Lの金属板5,6の接合部開始端面において、重ね合わせた金属板5,6を挟み込むような形で接触する。上電極輪1は、電極輪1と金属板5,6が接触すると同時あるいはその直後に、重ね合わせ部Lに一定の押圧力を作用させる加圧力制御に切替える(図13のSTEP3)。下電極輪2は、このとき、下電極輪2は、下電極輪2の支持部が機械固定端から押し下げられる位置制御に切替えられる。図12のSTEP3〜4および図14Cに示すように、重ね合わせ部Lに加圧装置10aが上電極輪1を加圧することによる押圧力を作用させながら溶接(通電)を開始し、接合開始端面を溶接する(図13のSTEP3〜4)。この間、上電極輪1は加圧力制御により押圧力バランス位置へと移動する。下電極輪2は、加圧力制御で、基準位置(下金属板5の下面から、重ね合わせた上部の金属板の板厚の1/2から接合部材料増厚量の1/2の範囲内となる位置)へと移動する。
図12のSTEP4において、接合開始端面の溶接が完了すると、下電極輪2も重ね合わせ部Lに一定の押圧力を作用させる加圧力制御に切替える(図13のSTEP4)。このとき、マッシュシーム溶接制御装置73により、金属板5,6への押圧力を上下均等でかつマッシュシーム溶接に必要な押圧力になるように、加圧装置10a,10bが上下の電極輪1,2に付与する加圧力を制御する。
以後は、図12のSTEP4〜5および図5A〜図5Eに示すように、上下電極輪1,2は、加圧力制御の状態で、接合部終了端面(マッシュシーム溶接終了位置)まで溶接を継続する(図13のSTEP4〜5)。この間の制御の詳細は本実施の形態の特徴として前述した通りであり、上下の電極輪1,2は押圧力バランス位置を取りながら、重ね合わせ部Lの金属板5,6を上下対称に溶接する。図12のSTEP5において、マッシュシーム溶接終了位置に到達する直前に、その時点での上下電極輪の位置を保持する位置保持制御に切替え、マッシュシーム溶接終了位置を通過させるように制御する(図13のSTEP5)。
これにより、前述したように、接合部の上下で接合条件が均等化され、接合部の形状を対称化し、接合部段差部の応力集中係数の増大を抑制できる。また、接合部中心に対し点対称位置に形成される固相接合部B1,B2への入熱量を均等化させることができ、接合強度を向上させると共に、接合部の信頼性を向上することができる。
また、接合開始時点で上下電極輪加圧位置が決まらず、接合材料が突き上げられ、接合を開始できなくなる事態を防止できるとともに、接合開始端面近傍の溶接が行われることで、重ね合わせ部Lの金属板5,6の上下方向位置が定まるため、その後の溶接を安定して行うことができる。
更に、第3の実施例においては、機械固定端(ストロークエンド)に下電極輪2の支持部を押し当てるように加圧した状態で接合を開始することで、初期荷重を電極輪2に付与することが出来るため、上下電極輪1,2が重ね合わせ部Lの金属板を挟み込み、上電極輪1からの押圧力が重ね合わせ部Lに作用する前後で、加圧力による位置制御で下電極輪2における重ね合わせ部Lに作用する荷重変動を大幅に抑えることができ、溶接開始時点の電極輪位置設定精度を確保できる。更には、接合開始端面の溶接が完了した直後に、下電極輪2側も加圧力制御に切替えられ、機械固定端に押し付けられた下電極輪2の支持部は、力のつりあいにより、機械固定端を離れ、上下電極輪加圧力が自動調整されることで、接合開始端面の溶接完了後は、溶接開始時点から重ね合わせ部Lに作用する上下の押圧力を均等化することができ、接合強度が向上すると共に、接合部の信頼性が向上する。
次に、本発明のマッシュシーム溶接方法を金属板の板厚が2mm以下の剛性の低い薄板に適用した場合について図15Aおよび図15Bを用いて説明する。図15Aおよび図15Bは上述した第3の実施例を金属板の板厚が2mm以下の剛性の低い薄板に適用した場合の電極輪と重ね合わせ部の金属板との位置関係を示し、図15Aは、上下の電極輪1,2が待機位置にあるときのもの、図15Bは、上下の電極輪1,2が金属板との接触位置にあるときのものである。
前述したように、電極輪は、電極輪使用限界に至るまで、溶接による電極輪表面への疵付きおよび電極輪表面の偏摩耗による接合不良を抑制するために定期的に改削される。この改削により電極輪直径は小さくなり、それに応じて下電極輪2の上面の位置は下方に移動する。電極輪直径が小さくなり、下電極輪2の上面位置が下方に移動しても、溶接時に金属板に押圧力を付与できる位置を保持するために、未改削時の下電極輪2の上面位置をパスラインから金属板側に突出する位置にしておく必要がある。図15Aは、下電極輪2が未改削あるいは改削が少ない場合の上面位置を示したものであり、下電極輪2の加圧力制御でかつ電極輪2の支持部を機械固定端に押し付けることにより電極輪2の上面の位置は、金属板把持面の延長面から金属板側に突出する構成となる。
金属板の剛性が低い(薄板)場合には、前記の状態で、キャリッジフレーム駆動制御装置72により、キャリッジフレーム9を接合進行方向へ移動することで、上下電極輪1,2を接合進行方向へ移動すると、図15Bに示すように、接合開始端面において、下電極輪2で金属板を突き上げるなどの強制変位を付与することになり、金属板のたわみ量が大きく、材料の重ね代が十分取れずに、接合不良を発生させる要因となる。
したがって、接合する金属板の板厚が2mm以下のような剛性が低い(薄板)場合には、第3の実施例以外の接合方法を適用することが好適であり、特に、第1実施例の接合方法を適用することが好適である。
但し、下電極輪2の改削に伴う電極輪直径の変化による下電極輪2の上面位置の変化を、シリンダ装置10bの下部に備えたウォームジャッキ120(図1及び図2参照)で、常時補正することで、シリンダ装置10bのストロークエンドに押し当てられた状態で、下電極輪2の上面位置を所望の位置、例えばパスライン位置に保持するようにすれば、第2実施例も適用可能である。
図16A〜図16Eは、薄板の金属板の接合に第1実施例の接合方法を適用した場合の図15A、図15B、図5C〜図5Eと同様な図である。これらの図から分かるように、金属板が薄板の場合であっても、本発明を適用して好適に金属板を接合することができる。
なお、金属板が薄板の場合は、下電極輪については、マッシュシーム溶接開始後もパスライン位置を保持する位置制御の状態で、マッシュシーム溶接終了位置を通過させても、マッシュシーム溶接は可能である。
次に、2枚の金属板の板厚と、接合部と第1および第2の把持装置間の距離CLとの関係について説明する。
剛性の高い厚みの厚い同士の材料を重ねる場合、下電極輪の加圧方向位置をパスラインに設定すると材料厚みに相当する強制変位を上金属板が受ける。上下電極輪の加圧方向位置を接合部中心に対し、対称に配置した場合には、材料厚みの2分の1の強制変位を低減することが可能となるが、把持装置との距離によっては、クランプ付け根部分から塑性変形する問題がある。また、塑性変形しない場合でも、電極輪押圧時、重ねあわせ部の傾斜角度が大きくエッジで電極輪に疵付く課題、あるいは電極輪の押圧力で接合部上下面を平行化しようとしても、材料剛性により平行化出来ない問題がある。
本発明者等は、重ね合わせ部と第1および第2の把持装置間の距離に着目し、検討を進め、数値解析および試験により、2枚の金属板の板厚に応じた重ね合わせ部と第1および第2の把持装置間の距離を確認し、上記課題を解決するに至った。なお、本明細書において、「重ね合わせ部と第1および第2の把持装置間の距離」とは、重ね合わせ部Lの中心と第1の把持装置7のクランプ板7a,7b間の距離、および重ね合わせ部Lの中心と第2の把持装置8のクランプ板8a,8b間の距離を意味するものとして使用する。
金属板の板厚と、重ね合わせ部と第1および第2の把持装置間距離との相関を、金属板の把持状態を、片持ち梁でモデル化して解いた。図17は、その結果を示すものであり、金属板の材質を軟鋼と仮定し、材料が降伏しない金属板の板厚と重ね合わせ部と第1および第2把持装置間距離CLの相関を示すものである。
図17に示すように、板厚が厚い範囲までマッシュシーム溶接する場合には、重ね合わせ部と把持装置間の距離を長く取れば良い。これにより剛性の高い厚みの厚い金属板同士を重ねる際に、金属板の厚みの2分の1の強制変位を受けた場合でも、把持装置で把持している部分から塑性変形が起こらない。その結果として、接合強度を安定化させ、接合部の段差勾配を低減し、高い接合強度を確保できる。接合試験により確認した結果、好適には、金属板の厚みが2mm以上3mm未満で距離は60mm以上、3mm以上4mm未満で90mm以上、4mm以上6mm以下で120mm以上であれば、接合強度が安定化することを確認した。
以上の検討結果に基づき、本実施の形態では、重ね合わせ部Lと第1および第2把持装置7,8間のそれぞれの距離CLを同一とし、金属板5,6の厚みに応じて前記距離CLを調整する。これにより重ねあわせ部Lの形状を対称化することが出来、また2mm以上の剛性の高い厚みの厚い金属板同士を重ねる際でも、重ね合わせによる材料の強制変位に対し、塑性変形が起こらないように設定できる。また、少ない電極輪1,2への押圧力で接合部上下面を平行化できる。
これにより、接合強度を安定化させ、接合部の段差勾配を低減し、高い接合強度を確保できる。
次に、2枚の金属板の板厚と電極輪の駆動トルクとの関係について説明する。
金属板の厚みが厚くなった場合には、上下電極輪による圧下量が増えるため、電極輪に必要とされる駆動トルクが金属板の厚みに応じて増加する。通常、電極輪には、エアーモータ等によるトルク駆動により、一定のトルクを補助的に供給する。しかしながら、接合する金属板の板厚範囲が広い場合には、板厚に応じて供給するトルクを変更しなければ、接合に必要な電極輪駆動トルクに過不足が生じる。
本実施の形態では、上下一対の電極輪1,2を電動モータ63,64で積極的に駆動させ、金属板5,6の厚みに応じて、電動モータ63,64の駆動トルクを制御する。これにより、接合部上下面に所望の圧延動力を与えることが可能となり、駆動力不足による接合不良や接合部強度が低下する問題を解決し、接合部の信頼性を向上させることが出来る。また、電極輪の摩耗などの問題を解決できる。
次に、上下の加圧ローラを互いに傾斜(クロス)して接合部を加圧するクロス圧延技術について説明する。
接合する金属板の厚みが厚くなるに従い、接合部と母材間の段差が大きくなる。段差寸法が大きくなるに従い、これらの段差は応力集中箇所となり、溶接継手強度弱める問題がある。
前述したように、本発明では、重ね合わせ部に作用する上下の押圧力が等しくなるように制御することで、接合部の段差を低減し、高い接合強度と信頼性を確保することができる。しかし、接合する金属板の厚みが厚くなるに従い、ある程度、接合部の厚みが厚くなることは避けられない。本実施の形態では、上下の加圧ローラ3,4を互いに傾斜(クロス)して接合部を加圧することで、接合部の段差を平滑化し、段差を更に低減することができる。
まず、傾斜角度の設定について説明する。
加圧ローラ3,4の軸芯の傾斜角度は固定でもよいが、好ましくは任意の角度に変更可能とする。図18は、その場合の加圧ローラの傾斜装置を示す図である。なお、図示の煩雑さを避けるため、加圧ローラを回転駆動する電動モータおよびチェーンおよびスプロケット機構の図示は省略している。
図18において、加圧ローラ用加圧装置11aには傾斜装置27が設けられ、傾斜装置27を作動させることで加圧ローラ3の軸芯の傾斜角度は水平面内で任意の角度に設定可能である。傾斜装置27は種々の方式を取り得るが、図示の例では、電動駆動方式である。すなわち、傾斜装置27は、加圧ローラ用加圧装置11aの上端に設けられ、キャリッジフレーム9の上水平フレーム9aに回転可能に挿入された回転軸81と、この回転軸81をピニオン82,83を介して回転駆動する電動モータ84とを備え、電動モータ84は傾斜角度制御装置85により制御される。図示はしないが、傾斜装置27は設定後の傾斜角を保持するためのロック装置を備えている。
また、傾斜装置27は、加圧ローラ3の傾斜角度を検知するための角度センサ86を備え、傾斜角度制御装置85は接合開始前に上位制御装置71から平滑化すべき段差量に応じて角度情報を入手して設定し、角度センサ86の信号を用いて加圧ローラ3の傾斜角度が設定角度に一致するように電動モータ84を駆動制御する。その場合、段差量と加圧ローラ3の傾斜角度との関係は、事前に接合する材料の厚みから制御モデルを構築しておき、これら制御モデルから上位制御装置71においてデータベースを構成し、上位制御装置71から設定すべき角度を随時与える。これにより段差量に応じ、適宜最適な傾斜角を容易に設定出来るとともに、接合材料の異厚範囲の広い接合装置を提供出来る。角度センサ86は図示の如く回転軸81の回転角度を検出するものであってもよいし、電動モータ84の回転角度を検出するエンコーダであってもよい。
図示はしないが、下加圧ローラ4の加圧装置11b側も、同様の構成を備えている。
なお、段差量は、電極輪1,2による溶接後に例えば前述したレーザ距離計75等の検出手段で計測し、この段差量の計測値からデータベースの設定情報に基づいて設定すべき角度を与え、リアルタイムで傾斜角度を制御してもよい。
上下一対の加圧ローラ3,4の軸芯15,16を傾斜させることにより、溶接線直角方向の塑性流動(メタルフロー)が促進される作用の詳細を図19を用いて説明する。
図19は、加圧ローラ3,4の軸芯15,16を傾斜して接合部Jを圧延する場合の接触孤長内でのメタルフローを示す図であり、一例として、上加圧ローラ3の場合を示している。
図中、Aは加圧ローラ3の進行方向(圧延方向)を示す矢印であり、Xは進行方向A上にある接合部Jの溶接線(接合線)を仮想的に示す直線であり、Yは溶接線Xに直交する直線である。また、45は加圧ローラ3の軸芯直角方向の幅方向中央部を通る直線であり、αは加圧ローラ3の傾斜角度(溶接線Xと上加圧ローラ3の軸芯直角方向の直線45とのなす角度)である。更に、46は加圧ローラ3が接合部Jに接触する接触孤長部分であり、Rは接触孤長部分46における加圧ローラ3の速度ベクトルであり、R1は速度ベクトルRの溶接線Xの方向の成分であり、R2は速度ベクトルRの溶接線Xに直角方向の成分である。
図19に示すように加圧ローラ3の軸芯15を溶接線Xに直交する直線Yに対して水平面内で傾斜させて加圧ローラ3を接合部Jに押し付けながら積極的に回転駆動すると、加圧ローラ3と接合部J間の押圧力および摩擦係数により、接合部Jとの接触孤長部分46に溶接線Xに直角方向の速度ベクトル成分R2に対応した摩擦力が作用し、接合部Jにはその摩擦力に対応した溶接線Xに直交する方向の剪断力14(図20A〜26B参照)が作用し、接合部Jに速度ベクトル成分R1の方向(溶接線Xに平行な方向)のメタルフローだけではなく速度ベクトル成分R2の方向(溶接線Xに直角方向)のメタルフロー、すなわち剪断力14による剪断変形による溶接線Xに直角方向の塑性流動が生じる。この溶接線Xに直角方向の剪断変形ないしは塑性流動により接合部Jの段差Sを平滑化することが出来る。
上下一対の加圧ローラ3,4を傾斜させる角度αの向きは2種類設定可能である。
第1の設定方法は、図20Aおよび図20Bに示すように、一対の加圧ローラ3,4の進行方向部分3A,4Aが水平面内で、加圧ローラ3,4が最初に接触する金属材料が係わる金属板5,6の存在する方向と反対方向を向くように、一対の加圧ローラ3,4の軸芯15,16を溶接線Xに直交する直線Yに対して、各々傾斜させる場合である。言い換えれば、金属板5,6の接合部Jの内、接合部Jの段差Sを起点として厚みが厚い側(接合部Jのうち加圧ローラ3,4が最初に接触する材料部分)に位置する加圧ローラ3,4の軸端が接合部Jの圧延方向Aに向くよう、加圧ローラ3,4の軸芯15,16を傾斜させる。この場合は、金属板5,6の接合部Jの段差Sから加圧ローラ3,4が最初に接触した金属材料が係わる金属板5,6の存在する方向に上記速度ベクトル成分R2に対応した剪断力14が作用し、同方向の溶接線直角方向に剪断変形を付与しながら段差部を圧延し平滑化する。なお、このとき、接合部Jから加圧ローラ3,4には剪断力14と反対方向の力がスラスト力13として作用する。言い換えれば、接合部Jにスラスト力13の反力が剪断力14として作用する。
第2の設定方法は、図21Aおよび図21Bに示すように、第1の設定方法と比較し、加圧ローラ3,4を逆向きに傾斜させることである。すなわち、一対の加圧ローラ3,4の進行方向部分3A,4Aが水平面内で、加圧ローラ3,4が最初に接触する金属材料が係わる金属板5,6の存在する方向を向くように、一対の加圧ローラ3,4の軸芯15,16を溶接線Xに直交する直線Yに対して、各々傾斜させる場合である。言い換えれば、金属板5,6の接合部(マッシュシーム溶接部)Jの内、接合部Jの段差Sを起点として厚みが薄い側(接合部Jのうち加圧ローラ3,4が最初に接触しない材料部分)に位置する加圧ローラ3,4の軸端が接合部Jの圧延方向Aに向くよう、加圧ローラ3,4の軸芯15,16を傾斜させる。この場合は、金属板5,6の接合部Jの段差Sから加圧ローラ3,4が最初に接触した金属材料が係わる金属板5,6の存在する方向と反対方向に上記速度ベクトル成分R2に対応した剪断力14が作用し、同方向の溶接線直角方向に剪断変形を付与しながら段差部を圧延し平滑化する。このときも、接合部Jから加圧ローラ3,4には剪断力14と反対方向の力がスラスト力13として作用する。
本実施の形態では第1の設定方法を採用する。その理由は下記の通りである。
上下一対の加圧ローラ3,4を第2の設定方法により傾斜させても段差Sは剪断力14により塑性流動を受け、平滑化することが出来る。しかし、この場合は、図21Bに示すように段差Sの部分が母材に折り込まれ、段差Sが亀裂状に母材に埋没する新たなる課題が発生する。単に接合部Jの表面性状が平滑のものが必要であり、かつ強度を必要としない部位に適用する場合は問題ないが、応力が作用する部位に適用する場合並びにテーラードブランクのようにプレス成形されるような塑性加工用途では、埋没した段差の先端部が特異応力場となり、破損の原因になる。したがって、好適には加圧ローラ3、4を傾斜させる向きは、図20Aおよび図20Bに示すとおり、一対の加圧ローラ3,4の進行方向部分3A,4Aが水平面内で、加圧ローラ3,4が最初に接触する金属材料が係わる金属板5,6の存在する方向と反対方向を向くように、一対の加圧ローラ3,4の軸芯15,16を溶接線Xに直交する直線Yに対して、各々傾斜させる向きであり、この場合は図20Bに示すように段差Sを亀裂状に母材に埋没させることなく接合部段差を平滑化することが出来、接合部の品質が向上する。
加圧ロール3,4の軸芯15,16の傾斜角度αは段差Sの大きさ(段差量)に応じて設定する。定性的には、段差量が小さい場合には傾斜角度αを小さく設定し、段差量が大きくなるほど傾斜角度αを大きく設定する。図19に示したように、上加圧ロール3の軸芯15の傾斜による剪断変形は上加圧ローラ3と材料間の接触孤長部分46内で、傾斜角度αにより支配されるため、平滑化すべき段差量に応じて設定する傾斜角度αを適宜調整する。金属板5,6の厚みの異なる材料を接合した場合には、マッシュシーム溶接部Jの段差量は表裏面で異なるが、上述の如く段差量に見合った上加圧ロール3の傾斜角度αに設定することで、段差を平滑化することが出来る。図を用いて説明はしないが、傾斜角度αを付与した下加圧ローラ4による圧延状態も同様であり、下加圧ローラ4の傾斜角度αを下側の段差量に応じて設定する。
1:上電極輪
2:下電極輪
3:上加圧ローラ
4:下加圧ローラ
5:金属板
6:金属板
7:入側クランプ装置
8:出側クランプ装置
9:キャリッジフレーム
10a,10b:電極輪加圧装置
11a,11b:加圧ローラ加圧装置
13:剪断力
14:スラスト力
15:上加圧ローラ軸芯
16:下加圧ローラ軸芯
27:加圧ローラ傾斜装置
45:加圧ローラ軸芯直角方向直線
46:接触孤長部分
54:支持ローラ
55:台板
57:キャリッジフレーム駆動用のシリンダ装置
61,62:電動モータ
63,64:電動モータ
67,68:チェーンおよびスプロケット機構
71:上位制御装置
72:キャリッジフレーム駆動制御装置
73:マッシュシーム制御装置
74:加圧ローラ制御装置
75:レーザ距離計
75:クランプ制御装置
81:回転軸
82,83:ピニオン
84:電動モータ
85:傾斜角度制御装置
86:角度センサ
101:ピン(支点)
102a,102b:架台
103a,103b:ホルダ
104:シリンダ装置
105a,105b:ベース
106a,106b:シリンダ装置
110:把持装置傾斜装置
111a,111b:把持装置移動装置
120,121:ウォームジャッキ
CL:重ね合わせ部と第1および第2把持装置間距離
G:隙間
L:重ね合わせ部
J:接合部
A:進行方向(圧延方向)
X:溶接線(接合線)
Y:溶接線直角方向
R:接触孤長部分における加圧ローラの速度ベクトル
R1:速度ベクトルRの溶接線Xの方向の成分
R2:速度ベクトルRの溶接線Xに直角方向の成分
α:傾斜角度
上述した課題を解決する第1の発明は、2枚の金属板をそれぞれ第1および第2把持装置で把持し、前記2枚の金属板の端部を重ね合わせ、その重ね合わせ部を上下一対の電極輪で加圧し、溶接電流を流しながら連続的に溶接し、前記2枚の金属板を接合するマッシュシーム溶接方法において、前記上下一対の電極輪が前記重ね合わせ部の接合端面に接触した後、前記上下一対の電極輪のうちの一方の電極輪は位置制御で送り、他方の電極輪は加圧力制御で送って前記重ね合わせ部の接合端面を接合し、その後、前記一方の電極輪と前記他方の電極輪とも加圧力制御に切り換え、かつこの加圧力制御において、前記重ね合わせ部を前記溶接電流を流しながら連続的に溶接している間、前記重ね合わせ部に作用する上下の押圧力が等しくなるように前記上下の電極輪に付与する加圧力を制御することを特徴とする。
上述した課題を解決する第4の発明は、第1または第2の発明に係わるマッシュシーム溶接方法において、前記上下一対の電極輪のうちの一方の電極輪は、加圧力電極輪の支持部を機械固定端に押し付けることにより電極輪の位置を保持した状態で、電極輪を送って前記重ね合わせ部の接合端面に接触させ、電極輪が前記接合端面に接触した後は、位置制御で前記電極輪の位置を制御しながら溶接を開始し、前記接合端面が溶接された後は前記重ね合わせ部に一定の押圧力を付与する加圧力制御に切り換え、他方の電極輪は、位置制御で電極輪を送って前記重ね合わせ部の接合端面に接触させ、電極輪が前記接合端面に接触すると同時或いはその直後に加圧力制御に切り替えて溶接を開始し、前記接合端面が溶接された後は、前記一方の電極輪と前記他方の電極輪とを同期して送り、かつその送りの間、前記重ね合わせ部に作用する上下の押圧力が等しくなるように前記加圧力制御を行うことを特徴とする。
上述した課題を解決する第8の発明は、2枚の金属板をそれぞれ第1および第2把持装置で把持し、前記2枚の金属板の端部を重ね合わせ、その重ね合わせ部を上下一対の電極輪で加圧し、溶接電流を流しながら連続的に溶接し、前記2枚の金属板を接合するマッシュシーム溶接装置において、前記上下の電極輪のそれぞれに加圧力を付与する上下の加圧装置と、前記上下一対の電極輪が前記重ね合わせ部の接合端面に接触した後、前記上下一対の電極輪のうちの一方の電極輪は位置制御で送り、他方の電極輪は加圧力制御で送って前記重ね合わせ部の接合端面を接合し、その後、前記一方の電極輪と前記他方の電極輪とも加圧力制御に切り換え、かつこの加圧力制御において、前記重ね合わせ部に作用する上下の押圧力が等しくなるように前記上下の加圧装置が前記上下の電極輪に付与する加圧力を制御する制御装置とを備えることを特徴とする。
これにより接合強度を安定化させ、接合部の段差を低減し、高い接合強度と信頼性を確保することができる。また、その結果、板厚が4.5mmを超える金属板の接合をも可能となる。
また、第3及び第4の発明で説明するように、接合端面が溶接され、所望の材料剛性が得られるまでは一方の電極輪を位置制御とすることで、材料を突き上げることなく、接合を開始することが可能となり、接合端面が溶接され2枚の金属板の一部が接合された後は電極輪鉛直方向の剛性が必要十分となるため、上下電極輪共に加圧力制御とし接合することで、接合開始から終了まで安定して高品質の接合ができる。
一方、図14Bに示すように、下電極輪2においては、加圧力電極輪2の支持部を機械固定端に押し付けることにより電極輪の上面位置が保持されている。また、図12のSTEP2に示すように、上電極輪1が基準位置に到達すると、その基準位置を保持する制御に切替え(図13のSTEP2)、この状態で、図12のSTEP2〜3に示すように、キャリッジフレーム9を更に接合開始端面まで移動する(図13のSTEP2〜3)。
上電極輪1の下面と下電極輪2の上面は、図12のSTEP3に示すように、重ね合わせ部Lの金属板5,6の接合部開始端面において、重ね合わせた金属板5,6を挟み込むような形で接触する。上電極輪1は、電極輪1と金属板5,6が接触すると同時あるいはその直後に、重ね合わせ部Lに一定の押圧力を作用させる加圧力制御に切替える(図13のSTEP3)。下電極輪2は、このとき、下電極輪2は、下電極輪2の支持部が機械固定端から押し下げられる位置制御に切替えられる。図12のSTEP3〜4および図14Cに示すように、重ね合わせ部Lに加圧装置10aが上電極輪1を加圧することによる押圧力を作用させながら溶接(通電)を開始し、接合開始端面を溶接する(図13のSTEP3〜4)。この間、上電極輪1は加圧力制御により押圧力バランス位置へと移動する。下電極輪2は、位置制御で、基準位置(下金属板5の下面から、重ね合わせた上部の金属板の板厚の1/2から接合部材料増厚量の1/2の範囲内となる位置)へと移動する。
但し、下電極輪2の改削に伴う電極輪直径の変化による下電極輪2の上面位置の変化を、シリンダ装置10bの下部に備えたウォームジャッキ120(図1及び図2参照)で、常時補正することで、シリンダ装置10bのストロークエンドに押し当てられた状態で、下電極輪2の上面位置を所望の位置、例えばパスライン位置に保持するようにすれば、第3実施例も適用可能である。
上述した課題を解決する第1の発明は、2枚の金属板をそれぞれ第1および第2把持装置で把持し、前記2枚の金属板の端部を重ね合わせ、その重ね合わせ部を上下一対の電極輪で加圧し、溶接電流を流しながら連続的に溶接し、前記2枚の金属板を接合するマッシュシーム溶接方法において、前記上下一対の電極輪が前記重ね合わせ部の接合端面に接触した後、前記上下一対の電極輪のうちの一方の電極輪は位置制御で送り、他方の電極輪は加圧力制御で送って前記重ね合わせ部の接合端面を接合し、前記重ね合わせ部の接合端面の接合後、前記一方の電極輪と前記他方の電極輪とも加圧力制御に切り換え、かつこの加圧力制御において、前記重ね合わせ部を前記溶接電流を流しながら連続的に溶接している間、前記重ね合わせ部に作用する上下の押圧力が等しくなるように前記上下の電極輪に付与する加圧力を制御することを特徴とする。
上述した課題を解決する第8の発明は、2枚の金属板をそれぞれ第1および第2把持装置で把持し、前記2枚の金属板の端部を重ね合わせ、その重ね合わせ部を上下一対の電極輪で加圧し、溶接電流を流しながら連続的に溶接し、前記2枚の金属板を接合するマッシュシーム溶接装置において、前記上下の電極輪のそれぞれに加圧力を付与する上下の加圧装置と、前記上下一対の電極輪が前記重ね合わせ部の接合端面に接触した後、前記上下一対の電極輪のうちの一方の電極輪は位置制御で送り、他方の電極輪は加圧力制御で送って前記重ね合わせ部の接合端面を接合し、前記重ね合わせ部の接合端面の接合後、前記一方の電極輪と前記他方の電極輪とも加圧力制御に切り換え、かつこの加圧力制御において、前記重ね合わせ部に作用する上下の押圧力が等しくなるように前記上下の加圧装置が前記上下の電極輪に付与する加圧力を制御する制御装置とを備えることを特徴とする。

Claims (11)

  1. 2枚の金属板(5,6)をそれぞれ第1および第2把持装置(7,8)で把持し、前記2枚の金属板(5,6)の端部を重ね合わせ、その重ね合わせ部(L)を上下一対の電極輪(1,2)で加圧し、溶接電流を流しながら連続的に溶接し、前記2枚の金属板を接合するマッシュシーム溶接方法において、
    前記重ね合わせ部(L)を前記溶接電流を流しながら連続的に溶接している間、前記重ね合わせ部に作用する上下の押圧力が等しくなるように前記上下の電極輪(1,2)に付与する加圧力を制御することを特徴とするマッシュシーム溶接方法。
  2. 請求項1に記載のマッシュシーム溶接方法において、前記2枚の金属板(5,6)の厚みを2mm以上としたことを特徴とするマッシュシーム溶接方法。
  3. 請求項1または2に記載のマッシュシーム溶接方法において、
    前記上下一対の電極輪(1,2)のうちの一方の電極輪(2)は、位置制御で電極輪を送って前記重ね合わせ部の接合端面に接触させて溶接を開始し、前記接合端面が溶接された後は加圧力制御に切り換え、
    他方の電極輪(1)は、位置制御で電極輪を送って前記重ね合わせ部の接合端面に接触させ、電極輪が前記接合端面に接触すると同時或いはその直後に加圧力制御に切り替えて溶接を開始し、
    前記接合端面が溶接された後は、前記一方の電極輪(2)と前記他方の電極輪(1)とを同期して送り、かつその送りの間、前記重ね合わせ部に作用する上下の押圧力が等しくなるように前記加圧力制御を行うことを特徴とするマッシュシーム溶接方法。
  4. 請求項1または2に記載のマッシュシーム溶接方法において、
    前記上下一対の電極輪(1,2)のうちの一方の電極輪(2)は、加圧力制御でかつ電極輪の支持部を機械固定端に押し付けることにより電極輪の位置を保持した状態で、電極輪を送って前記重ね合わせ部の接合端面に接触させ、電極輪が前記接合端面に接触した後は、前記加圧力制御で前記電極輪の位置を制御しながら溶接を開始し、前記接合端面が溶接された後は前記重ね合わせ部に一定の押圧力を付与する加圧力制御に切り換え、
    他方の電極輪(1)は、位置制御で電極輪を送って前記重ね合わせ部の接合端面に接触させ、電極輪が前記接合端面に接触すると同時或いはその直後に加圧力制御に切り替えて溶接を開始し、
    前記接合端面が溶接された後は、前記一方の電極輪(2)と前記他方の電極輪(1)とを同期して送り、かつその送りの間、前記重ね合わせ部に作用する上下の押圧力が等しくなるように前記加圧力制御を行うことを特徴とするマッシュシーム溶接方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のマッシュシーム溶接方法において、
    前記重ね合わせ部(L)と前記第1および第2把持装置(7,8)間のそれぞれの距離を同一とし、前記金属板(5,6)の厚みに応じて前記距離を調整することを特徴とするマッシュシーム溶接方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のマッシュシーム溶接方法において、
    前記上下一対の電極輪(1,2)を積極的に駆動させ、かつ前記金属板(5,6)の厚みに応じて前記電極輪(1,2)の駆動トルクを変化させるトルク制御を行うことを特徴とするマッシュシーム溶接方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のマッシュシーム溶接方法において、
    前記2枚の金属板(5,6)を接合した後、前記金属板の接合部(J)を上下一対の加圧ローラ(3,4)で圧延する圧延工程を備え、
    前記圧延工程において、前記一対の加圧ローラ(3,4)の軸芯(15,16)を前記接合部(J)の接合線(X)に直交する直線(Y)に対して水平面内で傾斜させ、前記一対の加圧ローラを積極的に駆動しながら前記接合部の段差(S)を前記加圧ローラ(3,4)の進行方向(A)に圧延することを特徴とする金属板の接合方法。
  8. 2枚の金属板(5,6)をそれぞれ第1および第2把持装置(7,8)で把持し、前記2枚の金属板(5,6)の端部を重ね合わせ、その重ね合わせ部(L)を上下一対の電極輪(1,2)で加圧し、溶接電流を流しながら連続的に溶接し、前記2枚の金属板を接合するマッシュシーム溶接装置において、
    前記上下の電極輪(1,2)のそれぞれに加圧力を付与する上下の加圧装置(10A,10B)と、
    前記重ね合わせ部(L)に作用する上下の押圧力が等しくなるように前記上下の加圧装置が前記上下の電極輪に付与する加圧力を制御する制御装置(73)とを備えることを特徴とするマッシュシーム溶接装置。
  9. 請求項8に記載のマッシュシーム溶接装置において、
    前記上下の加圧装置(10A,10B)は、油圧または空圧シリンダ装置であることを特徴とするマッシュシーム溶接装置。
  10. 請求項8または9に記載の記載のマッシュシーム溶接装置において、
    前記重ね合わせ部(L)と前記第1および第2把持装置(7,8)間のそれぞれの距離を調整する距離調整機構(111a,111b)を更に備え、
    前記重ね合わせ部(L)と前記第1および第2把持装置(7,8)間のそれぞれの距離を同一とし、前記金属板(5,6)の厚みに応じて前記距離を調整することを特徴とするマッシュシーム機。
  11. 請求項8〜10に記載のマッシュシーム溶接装置において、
    前記2枚の金属板(5,6)を接合した後、前記金属板の接合部(J)を上下一対の加圧ローラ(3,4)で圧延する加圧ローラ用加圧装置(11)を備え、
    前記一対の加圧ローラ(3,4)の軸芯(15,16)を前記接合部(J)の接合線(X)に直交する直線(Y)に対して互いに水平面内で傾斜させたことを特徴とするマッシュシーム溶接装置。
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