JPWO2012035598A1 - 医療用材料、乾燥体及びそれらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
生体分子との接着性に優れた医療用材料及び乾燥体を提供することを目的とする。医療用材料は、求核性基を有する第1のヒドロゲル前駆体と、求核性基と結合可能であって且つ生体分子の官能基と結合可能な求電子性基を有する第2のヒドロゲル前駆体とが結合されてなるものである。また特に、本医療用材料は、上記求電子性基を上記求核性基よりも多く有している。好ましい実施形態において、本医療用材料は、求核性基を実質的に有していない。乾燥体は、上記医療用材料を凍結乾燥することにより得られる。
Description
本発明は、医療用材料、乾燥体及びそれらの製造方法に関するものであり、詳しくは、ヒドロゲルとしての医療用材料及びその乾燥体、並びにそれらの製造方法に関するものである。
従来、医療用具としては、例えば、注射による穿刺孔を閉塞して血液の流出を止めるための止血デバイスや、生体組織間などを接着するための生体接着剤などのように、生体分子に接着して各種性能を発揮するものが知られている。また、上記の医療用具やその材料について種々提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特許文献1には、止血デバイスが開示されている。この止血デバイスでは、凍結乾燥PEGポリマーからなるプラグを穿刺内に留置して止血を行う。プラグは、例えば反応性エステル末端基を有する第1のヒドロゲル前駆体及びアミノ基を有する第2のヒドロゲル前駆体から構成されており、水性生理学的環境に晒される前では不活性状態を保つ。そして、血液又はその他の体液に接触されることにより2つの前駆体の間でヒドロゲル形成反応が開始され、これにより、プラグが拡張して穿刺内に留置されるようになっている。
特許文献2には、求核性前駆体(例えば、求核性官能基を有する多アーム型PEG)と求電子性前駆体(例えば、求電子性官能基を有する多アーム型PEG)との反応によりヒドロゲルを作製し、これを凍結乾燥した材料について開示されている。この特許文献2のものでは、2つのポリマーを反応させて架橋を形成し、その架橋形成が完了する前に(全架橋時間が経過する前に)ヒドロゲルを冷凍し、凍結乾燥することで、ヒドロゲルの架橋の程度を調整するようにしている。また、上記特許文献2の実施例には、凍結乾燥サイクルの完了後に架橋した材料の温度や圧力、湿度を調整し、これにより、ヒドロゲル材料が、更なる架橋によって未反応の反応性エステル末端基(求電子性官能基)を有さない程度に完全に架橋される旨記載されている。
しかしながら、特許文献1の止血デバイスでは、プラグのヒドロゲル形成反応を生体内で行わせるため、生体環境によってはヒドロゲル形成が好適に行われず、穿刺孔を閉塞するのに十分に膨潤されない場合があると考えられる。また、特許文献2のヒドロゲル材料のように、凍結乾燥後の温度等の調整により、未反応の反応性エステル末端基を有さない程度に完全に架橋された場合、生体組織のタンパク質との結合力が弱いことが考えられる。そのため、同材料を止血デバイスや生体接着剤等に適用した場合に、生体組織との接着性が良好でないことが懸念される。よって、従来のものは、湿潤時に十分に膨潤するとともに、生体分子との良好な接着性が要求される医療用具の材料として最適であるとは必ずしも言えない。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、湿潤時の膨潤性を良好にしつつ、生体分子との接着性に優れた医療用材料及び乾燥体、並びにそれらの製造方法を提供することを主たる目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
すなわち、本発明は、求核性基を有する第1のヒドロゲル前駆体と、前記求核性基と結合可能であって且つ生体分子の官能基と結合可能な求電子性基を有する第2のヒドロゲル前駆体とが結合されてなる医療用材料であって、前記求電子性基を前記求核性基よりも多く有していることを特徴とする。
本構成の医療用材料によれば、求電子性基を求核性基よりも多く含むことにより、本材料を医療用具に適用しこれを生体組織に接触させた場合に、医療用具側の求電子性基と、生体分子の求核性基(例えばアミノ基やチオール基)との結合をできるだけ多くすることができる。つまり、本材料では、第1のヒドロゲル前駆体と第2のヒドロゲル前駆体との反応後において、求電子性基が求核性基よりも多く残存しているため、その残存した求電子性基により生体分子との接着性を高めることができる。また、ヒドロゲル前駆体同士を生体外で予め反応させておくため、製造段階において膨潤性等の設計がしやすく、湿潤時の膨潤性を良好にできる。よって、本材料によれば、医療用具に対して、湿潤時の膨潤性を良好にしつつ、生体分子との高い接着性を付与することができる。
また、上記の医療用材料を乾燥体とした場合には、例えば止血デバイスとして好適に用いることができる。すなわち、注射等の穿刺孔に本発明の乾燥体を留置した場合、乾燥体は体液等によって膨潤する。このとき、膨潤したヒドロゲルに残存する求電子性基が生体組織側の求核性基と結合することにより、止血デバイスが穿刺孔から外れるのが抑制される。よって、高い止血効果を得ることができる。
本発明において、上記医療用材料は、前記求核性基を実質的に備えていないのが好ましい。例えば、上記特許文献1のものでは、ヒドロゲルの架橋形成が完了するのに十分な時間が経過する前にその架橋体を冷凍するため、凍結乾燥体において、求核性基及び求電子性基が残存した状態になっていることが考えられる。この場合、凍結乾燥体の保管状況によっては、残存する求核性基と求電子性基とが反応して更なる架橋が形成されるおそれがあり、保存安定性が良好でないと考えられる。
その点、本構成では、ヒドロゲル又は乾燥体において、求核性基が実質的に残存していないため、製造後において架橋の形成が更に行われるのを抑制することができる。したがって、保管状況や使用環境、あるいは使用者の操作等によって架橋の程度が変化するのを抑制することができ、ヒドロゲルの状態において安定した膨潤性及び接着性を発揮することができる。すなわち、本構成によれば、保存安定性に優れた材料を提供することができる。
しかも、求核性基を実質的に残存させないのであるから、第1のヒドロゲル前駆体と第2のヒドロゲル前駆体との架橋形成反応を製造段階で完了させておくことができる。よって、製造段階において乾燥体の硬さや膨潤性を調整しておくことができ、またその調整により得られた性能を生体内で発現することができる。
また、本発明によれば、求核性基を有する第1のヒドロゲル前駆体と、前記求核性基と結合可能であって且つ生体分子と結合可能な求電子性基を有する第2のヒドロゲル前駆体とを、反応系において前記求核性基よりも前記求電子性基の数が多くなるように混合し、前記求核性基と前記求電子性基とを反応させる工程を含むことを特徴とする医療用材料の製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、求核性基を有する第1のヒドロゲル前駆体と、前記求核性基と結合可能であって且つ生体分子と結合可能な求電子性基を有する第2のヒドロゲル前駆体とを、反応系において前記求核性基よりも前記求電子性基の数が多くなるように混合し、前記求核性基と前記求電子性基とを反応させる工程と、前記求核性基と前記求電子性基との反応が終了した後、その反応生成物を凍結乾燥する工程と、を含むことを特徴とする乾燥体の製造方法が提供される。
上記の医療用材料又は乾燥体の製造方法によれば、求核性基に対する求電子性基の数が多くなるように第1及び第2のヒドロゲル前駆体を混合することにより、第1及び第2のヒドロゲル前駆体の反応後において、求電子性基を求核性基よりも多く残存させることができる。これにより、残存した求電子性基によって、生体分子との接着性を高めることができる。また、ヒドロゲル前駆体同士を生体外で予め反応させておくことにより、製造段階において膨潤性等の設計がしやすく、湿潤時の膨潤性も良好にできる。よって、上記方法によれば、湿潤時の膨潤性を良好にしつつ、生体分子との接着性が高い医療用材料及び乾燥体を提供することができる。
加えて、乾燥体の製造方法においては、求核性基と求電子性基との反応が終了した後、その反応生成物を凍結乾燥することにより、保管時などにおいて求核性基と求電子性基とが更に反応するのを抑制できる。よって、上記乾燥体の製造方法によれば、保存安定性に優れた乾燥体を得ることができる。
本発明の一実施形態の医療用材料は、求核性基を有する第1のヒドロゲル前駆体と、求電子性基を有する第2のヒドロゲル前駆体との反応により得られるヒドロゲル又はその乾燥体(キセロゲル)である。つまり、本材料では、2つのヒドロゲル前駆体における求核性基と求電子性基との共有結合によって架橋が形成され、その架橋により網目構造が構築されることでヒドロゲルとして機能する。以下に、本発明の一実施形態について詳細に説明する。
(ヒドロゲル前駆体)
ヒドロゲル前駆体としては、求核性基と求電子性基との結合により架橋が形成され、これによりヒドロゲルを形成するものであれば特に限定しない。例えば、ポリアルキレングリコールや、ポリグリコール酸、ポリアクチジン酸、ポリビニルアルコールなどを基本骨格とする重合体を挙げることができる。第1のヒドロゲル前駆体と第2のヒドロゲル前駆体とは、同じであってもよいし異なっていてもよい。生体適合性や生体吸収性、湿潤時の膨潤性、乾燥体としたときの取り扱いやすさ等の観点からすると、好ましくは、第1及び第2のヒドロゲル前駆体のいずれもがポリアルキレングリコール誘導体である。ヒドロゲル前駆体としてポリアルキレングリコール誘導体を用いた場合、本材料はポリアルキレングリコール鎖を備えるものとなる。
ヒドロゲル前駆体としては、求核性基と求電子性基との結合により架橋が形成され、これによりヒドロゲルを形成するものであれば特に限定しない。例えば、ポリアルキレングリコールや、ポリグリコール酸、ポリアクチジン酸、ポリビニルアルコールなどを基本骨格とする重合体を挙げることができる。第1のヒドロゲル前駆体と第2のヒドロゲル前駆体とは、同じであってもよいし異なっていてもよい。生体適合性や生体吸収性、湿潤時の膨潤性、乾燥体としたときの取り扱いやすさ等の観点からすると、好ましくは、第1及び第2のヒドロゲル前駆体のいずれもがポリアルキレングリコール誘導体である。ヒドロゲル前駆体としてポリアルキレングリコール誘導体を用いた場合、本材料はポリアルキレングリコール鎖を備えるものとなる。
ポリアルキレングリコール誘導体は、例えばアルキレンオキシドの単独重合又は共重合によって得られる化合物である。ポリアルキレングリコール誘導体として好ましくは、ポリエチレングリコール(PEG)やポリプロピレングリコール、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体に求核性基又は求電子性基を導入したものであり、より好ましくは、ポリエチレングリコール誘導体である。
ポリアルキレングリコール誘導体の形状は、直鎖状であってもよいし、放射状や星型に分岐した形状であってもよい。好ましくは、第1及び第2のヒドロゲル前駆体の少なくともいずれかが、放射状や星型に分岐した分岐化合物である。分岐化合物とした場合、ヒドロゲル中における求核性基と求電子性基との数の比を、その分岐の数によって調整することが可能となり好ましい。
分岐化合物は、複数のポリアルキレングリコール鎖を有し、そのポリアルキレングリコール鎖のそれぞれの一方の末端が連結基に結合されている。連結基は、ポリアルキレングリコール鎖と結合可能であれば特に限定しないが、ポリアルキレングリコール基であるのが好ましい。分岐化合物としては、例えば、3以上のポリエチレングリコール鎖を有する化合物であるマルチアームPEG(日油製)を用いることができる。
なお、マルチアームPEGについて以下では、ポリエチレングリコール鎖の数をアーム数として表す。例えば、連結基に3つのポリエチレングリコール鎖が結合したものを「3アームPEG」、4つのポリエチレングリコール鎖が結合したものを「4アームPEG」として表す。また、直鎖状のポリエチレングリコール鎖の両末端基が求核性基又は求電子性基であるPEGを「2アームPEG」として表す。
ポリアルキレングリコール誘導体の分子量は、直鎖状の場合には、300以上10,000以下とするのが好ましく、500以上3,000以下とするのがより好ましい。また、放射状の場合には、300以上100,000以下とするのが好ましく、5,000以上40,000以下とするのがより好ましい。
(求核性基及び求電子性基)
求電子性基としては、生体分子、具体的には、タンパク質のアミノ基やチオール基等に共有結合により結合可能であれば特に限定しない。また、求核性基としては、上記の求電子性基に結合可能であればよい。例えば、求電子性基としては、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)基やカルボキシル基、アルデヒド基、スクシンイミジルグルタレート(SG)基、カルボキシメチル−ヒドロキシブチレート−N−ヒドロキシスクシニミジル(CM-HBA-NS)基、スクシニミジルエステル基、マレイミド基等を用いることができ、求核性基としては、アミノ基やチオール基等を用いることができる。なお、第1のヒドロゲル前駆体が有する求核性基及び第2のヒドロゲル前駆体が有する求電子性基は、それぞれ1種であってもよいし複数種であってもよい。
求電子性基としては、生体分子、具体的には、タンパク質のアミノ基やチオール基等に共有結合により結合可能であれば特に限定しない。また、求核性基としては、上記の求電子性基に結合可能であればよい。例えば、求電子性基としては、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)基やカルボキシル基、アルデヒド基、スクシンイミジルグルタレート(SG)基、カルボキシメチル−ヒドロキシブチレート−N−ヒドロキシスクシニミジル(CM-HBA-NS)基、スクシニミジルエステル基、マレイミド基等を用いることができ、求核性基としては、アミノ基やチオール基等を用いることができる。なお、第1のヒドロゲル前駆体が有する求核性基及び第2のヒドロゲル前駆体が有する求電子性基は、それぞれ1種であってもよいし複数種であってもよい。
ヒドロゲル前駆体において、求核性基及び求電子性基のそれぞれは分子末端に結合されているのが好ましい。例えば、ヒドロゲル前駆体をポリアルキレングリコール誘導体とした場合、直鎖状であれば、その一方の末端又は両末端に求核性基又は求電子性基を有し、分岐状であれば、各ポリアルキレングリコール鎖の末端に求核性基又は求電子性基を有するものが好ましい。
(比率)
本医療用材料及びその乾燥体は、第1のヒドロゲル前駆体と第2のヒドロゲル前駆体との間で架橋が形成された後において、求電子性基を求核性基よりも多く備えている。そのため、同材料が生体内に導入された場合、材料中に残存する求電子性基が生体側の求核性基、例えば生体組織のタンパク質のアミノ基等と共有結合することが可能である。この共有結合により、本材料と生体組織との接着性を高めることができる。
本医療用材料及びその乾燥体は、第1のヒドロゲル前駆体と第2のヒドロゲル前駆体との間で架橋が形成された後において、求電子性基を求核性基よりも多く備えている。そのため、同材料が生体内に導入された場合、材料中に残存する求電子性基が生体側の求核性基、例えば生体組織のタンパク質のアミノ基等と共有結合することが可能である。この共有結合により、本材料と生体組織との接着性を高めることができる。
好ましくは、本材料及びその乾燥体が、架橋形成後において求電子性基を有し、かつ求核性基を実質的に有していないものである。架橋形成後に求核性基を実質的に残存しないことにより、製造後の保管時において、更なる架橋形成が行われるのを抑制することができる。したがって、本材料及びその乾燥体を、架橋形成が進行可能な温度(例えば室温)で保管した場合であっても、架橋の程度がさほど変化せず、生体内へ導入された際に安定した膨潤性及び接着性を発揮することができる。また、第1のヒドロゲル前駆体と第2のヒドロゲル前駆体との架橋形成反応を製造段階で完了させておくことができるため、ヒドロゲルの生体内における膨潤性及び接着性を製造段階で調整しておくことができる点においても有意である。
ここで、本材料及びその乾燥体中に「求核性基を実質的に有していない」とは、求核性基を有していないか、又は有していても僅少であることを意味する。具体的には、本材料中の求核性基の数は、求電子性基の数の0%以上5%未満が好ましく、0%以上1%未満であるのがより好ましい。
ヒドロゲル中において求電子性基が求核性基よりも多いこと、及びヒドロゲル中において求核性基を実質的に有していないことは、例えば1H−NMRによって分析可能である。この場合の検体は、ヒドロゲルの状態の本材料を、NMR測定用の溶媒(例えば重水や重クロロホルムなど)に混合したものとしてもよいし、ヒドロゲルを乾燥した乾燥体を重溶媒等で膨潤させたものとしてもよい。あるいは、第1及び第2のヒドロゲル前駆体を重溶媒中で反応させてヒドロゲルとしたものを用いてもよい。
ヒドロゲル及び乾燥体中における求電子性基の数に対する求核性基の数は、架橋形成前の反応液中(反応系)における求電子性基と求核性基との数の比によって調整することができる。ここで、本発明者の検討結果によると、反応液中において、求核性基に対する求電子性基の数を多くするほど、ヒドロゲル中や乾燥体中における求電子性基の残存量が多くなる(図3参照)。これは、反応液中において求核性基に対する求電子性基の数が多くなることで、架橋形成反応に寄与しない求電子性基の数が増加するためと考えられる。よって、ヒドロゲル及び乾燥体が、「求電子性基が求核性基よりも多い」又は「求核性基を実質的に有していない」ようにするには、反応液中における求核性基の数に対して求電子性基の数を多くすることにより実現可能である。
反応液中における求核性基に対する求電子性基の数の比(以下、求電子比とも示す)について、具体的には、1よりも大きく6未満であるのが好ましい。求電子比を1よりも多くすることにより、ヒドロゲル及び乾燥体中の求電子性基を求核性基よりも多くすることができ、生体組織との接着性や保存安定性を高めることができる。一方、求電子比を6未満とすることにより、ヒドロゲルを乾燥体とした後、これを水系に接触させた場合に、より速やかに膨潤し、かつその膨潤した状態において適度な硬さを有するものとすることができる。また、乾燥した状態において柔らかくなりすぎず、取り扱いも良好であり好ましい。
反応液中の求電子性基と求核性基との比を調整するには、例えば、反応液中の第1のヒドロゲル前駆体に対する第2のヒドロゲル前駆体の濃度比(モル比)を調整することにより行うことができる。この場合、ヒドロゲル及び乾燥体中において、求電子性基を求核性基よりも多くする、好ましくは、求核性基を実質的に有しない状態にするには、例えば、第1のヒドロゲル前駆体1分子あたりの求核性基の数と第2のヒドロゲル前駆体1分子あたりの求電子性基の数とが同じ場合には、第2のヒドロゲル前駆体の濃度(モル濃度)を第1のヒドロゲル前駆体よりも高くするとよい。
また、ヒドロゲル前駆体がポリアルキレングリコール誘導体の場合、ポリアルキレングリコール鎖のアーム数により、反応前の求電子性基と求核性基との数の比を調整することができる。この場合、求電子性基を求核性基よりも多くするには、第2のヒドロゲル前駆体のアーム数を第1のヒドロゲル前駆体と同じにするか、又は第1のヒドロゲル前駆体よりも多くするとよい。好ましくは、第2のヒドロゲル前駆体のアーム数が4以上8以下であり、第1のヒドロゲル前駆体のアーム数が2以上8以下である。より好ましくは、第2ヒドロゲル前駆体のアーム数が8であって、第1のヒドロゲル前駆体のアーム数が2、4及び8のいずれかであり、特に好ましくは、第2ヒドロゲル前駆体のアーム数が8であって、第1のヒドロゲル前駆体のアーム数が2又は4である。
ヒドロゲル及び乾燥体中の求電子性基と求核性基との比を調整するには、反応液中の第1及び第2のポリアルキレングリコール誘導体の濃度比及びアーム数の両者によって行うとよい。なお、反応液中の濃度比及びアーム数の両者によってヒドロゲル及び乾燥体中の求電子性基と求核性基との比を調整する場合、反応液中における第1のポリアルキレングリコール誘導体のアームの総数(1分子あたりのアーム数×分子数)が、反応液中(反応系)の求核性基の総数に相当し、第2のポリアルキレングリコール誘導体のアームの総数が、反応液中(反応系)の求電子性基の総数に相当する。したがって、アーム総数を比較することにより、反応系における求電子性基と求核性基との数の比が分かる。
具体的には、例えば、第1のヒドロゲル前駆体が8アームPEG誘導体であり、第2のヒドロゲル前駆体が2アームPEG誘導体である場合、反応液中において、求核性基に対する求電子性基の数の比(求電子比)が、1よりも大きく2以下であると好ましい。求電子比を2以下とすることにより、乾燥体が柔らかくなりすぎず、また、乾燥体を湿潤させたときのゲルが柔らかくなりすぎるのを抑制できる。乾燥体が収縮しすぎないといった観点や、ゲルを適度な硬さにする、乾燥体を速やかに膨潤させる等といった観点からすると、より好ましくは1.25以上1.5以下である。
また、第1のヒドロゲル前駆体と第2のヒドロゲル前駆体との両者を分岐化合物としてもよい。例えば、第1のヒドロゲル前駆体が8アームPEG誘導体であり、第2のヒドロゲル前駆体が4アームPEG誘導体である場合、反応液中において、求核性基に対する求電子性基の数の比が、2以上4以下が好ましく、2.5よりも大きく3.5未満であるとより好ましく、2.9以上3.1以下であると更に好ましい。また、第1のヒドロゲル前駆体が8アームPEG誘導体であり、第2のヒドロゲル前駆体が8アームPEG誘導体である場合、反応液中において、求核性基に対する求電子性基の数の比が、2よりも大きく6未満であると好ましい。
第1及び第2のヒドロゲル前駆体としてアルキレングリコール誘導体を用いる場合、反応液の全体に対する第1及び第2のヒドロゲル前駆体の合計量が、3重量%以上10.0以下であるのが好ましく、5重量%以上7.5重量%以下であるのがより好ましい。この範囲では、ヒドロゲル及び乾燥体の硬さを適度なものにすることができる。
本材料には、第1及び第2ヒドロゲル前駆体以外の他の化合物が含有されていてもよい。具体的には、カルボキシメチルセルロース、酸化セルロース、アルギナート等といった生物由来の材料や、種々の薬剤、放射線不透過性物質等が挙げられる。
(用途)
本材料からなるヒドロゲル及びその乾燥体は、医療用具の少なくとも一部を構成することができる。こうした医療用具では、本発明のヒドロゲル及びその乾燥体を構成する部分において、湿潤時の膨潤性が良好であり、また、生体組織に対して高い接着性を示すことができる。このような医療用具としては、生体組織に接着する又は接着させることを用途の少なくとも一つとするものであればよく、具体的には、注射等による穿刺孔を閉塞して血液の流出を止めるための止血デバイスや、生体組織間又は生体組織−非生体組織間などを接着するための生体接着剤、裂傷や炎症部などの被覆剤等に用いることができる。
本材料からなるヒドロゲル及びその乾燥体は、医療用具の少なくとも一部を構成することができる。こうした医療用具では、本発明のヒドロゲル及びその乾燥体を構成する部分において、湿潤時の膨潤性が良好であり、また、生体組織に対して高い接着性を示すことができる。このような医療用具としては、生体組織に接着する又は接着させることを用途の少なくとも一つとするものであればよく、具体的には、注射等による穿刺孔を閉塞して血液の流出を止めるための止血デバイスや、生体組織間又は生体組織−非生体組織間などを接着するための生体接着剤、裂傷や炎症部などの被覆剤等に用いることができる。
本発明の乾燥体(キセロゲル)については、止血デバイスに適用するのが好ましい。本乾燥体を、注射等による穿刺孔に乾燥した状態のまま留置した場合、体液によって乾燥体が膨潤してヒドロゲルになる。そして、その膨潤した状態のヒドロゲルが穿刺孔を塞ぎ、血液の流出を防ぐ。このとき、ヒドロゲルには求電子性基が残存しているため、ヒドロゲルが膨潤して穿刺孔内壁の生体組織と接触した場合には、ヒドロゲルの求電子性基と生体組織の求核性基(タンパク質のアミノ基やチオール基)とが結合可能と考えられる。この結合(共有結合)により、ヒドロゲルが穿刺孔の内部から外れるのを抑制することができ、その結果、止血性能を持続させることができる。例えば、ヒドロゲルがPEGから構成される場合であれば、ヒドロゲルが体内で吸収・分解されるまで止血を持続して行うことが可能となる。
また、本材料は、1剤で接着性を有する粘調性ゲルとすることができる。したがって、本材料を例えば生体接着剤として用いる場合、複数剤を混合する必要がなく、調製のための工程を簡略化することができ好ましい。また、本材料には求核性基が実質的に残存していないため、本材料を生理食塩水に溶解した場合であっても、その溶解後において求電子性基と求核性基とが更に反応するのを抑制できる。よって、生理食塩水への溶解後、使用に至るまでの時間の制約が比較的少なくて済む。
乾燥体は、ヒドロゲルを乾燥したものであるため多孔質を有している、すなわちスポンジ状になっている。乾燥体の形状は特に限定せず、例えば、円筒状、円柱状、円盤状、楕円状、三角錐状、円錐状など種々の形状とすることができる。また、その大きさも用途に合わせたものとすればよく、特に限定しない。例えば、乾燥体を止血デバイスとして用いる場合であれば、その形状は円筒状であるのが好ましく、その大きさは、ヒドロゲルの状態において注射等による穿刺孔を閉塞可能な大きさであればよい。
(製造方法)
本発明の医療用材料及び乾燥体の製造方法は、上記の第1のヒドロゲル前駆体と上記の第2のヒドロゲル前駆体とを混合して求核性基と求電子性基とを反応させる反応工程を含んでいる。
本発明の医療用材料及び乾燥体の製造方法は、上記の第1のヒドロゲル前駆体と上記の第2のヒドロゲル前駆体とを混合して求核性基と求電子性基とを反応させる反応工程を含んでいる。
(反応工程)
反応工程では、準備した第1及び第2のヒドロゲル前駆体をそれぞれ溶媒(例えば水)に溶解し、その2つの溶液を混合して反応させる。このとき、反応液中において求核性基よりも求電子性基の数が多くなるように、第1のヒドロゲル前駆体と第2のヒドロゲル前駆体とを混合する。なお、必要に応じて反応促進剤等を加えてもよい。
反応工程では、準備した第1及び第2のヒドロゲル前駆体をそれぞれ溶媒(例えば水)に溶解し、その2つの溶液を混合して反応させる。このとき、反応液中において求核性基よりも求電子性基の数が多くなるように、第1のヒドロゲル前駆体と第2のヒドロゲル前駆体とを混合する。なお、必要に応じて反応促進剤等を加えてもよい。
反応時間は、架橋の形成の程度に応じて適宜調整すればよいが、ヒドロゲル前駆体による架橋形成が完了するのに十分な時間であるのが好ましい。したがって、架橋形成が完了するのに必要な時間がT1(例えば10分)であれば、反応時間はT1よりも長い時間(例えば30分や1時間など)とするとよい。反応時間の上限値は、生成物が安定である限り特に限定しない。
(乾燥工程)
乾燥体を製造する場合、上記反応工程により得られた生成物を反応終了後に乾燥させる。乾燥方法は特に限定せず、例えば、ヒドロゲルの凝固点よりも十分に低い温度(例えば−40℃)かつ真空条件でヒドロゲルを乾燥させる真空凍結乾燥により行う。凍結乾燥を行う場合、好ましくは、凍結乾燥前に、ヒドロゲルを液体窒素等を用いて、凍結乾燥時よりも低い温度で瞬時に凍結させる。こうすることにより、乾燥体の網目構造を均質なものにすることができる。よって、乾燥体を適度に柔らかくすることができるとともに、膨潤性能を良好にすることができる。
乾燥体を製造する場合、上記反応工程により得られた生成物を反応終了後に乾燥させる。乾燥方法は特に限定せず、例えば、ヒドロゲルの凝固点よりも十分に低い温度(例えば−40℃)かつ真空条件でヒドロゲルを乾燥させる真空凍結乾燥により行う。凍結乾燥を行う場合、好ましくは、凍結乾燥前に、ヒドロゲルを液体窒素等を用いて、凍結乾燥時よりも低い温度で瞬時に凍結させる。こうすることにより、乾燥体の網目構造を均質なものにすることができる。よって、乾燥体を適度に柔らかくすることができるとともに、膨潤性能を良好にすることができる。
以下、本発明を、具体例を挙げて説明するが、本発明は以下に例示する具体例に限定されるものではない。
(1)ヒドロゲルの作製
マルチアームPEGの末端基がNHS基であるPEG誘導体(以下、NHS化PEGと示す)及びマルチアームPEGの末端基がNH2基であるPEG誘導体(以下、アミノ化PEGと示す)を準備した。PEG誘導体は、全て日油製SUNBRIGHT(登録商標)を使用した。
マルチアームPEGの末端基がNHS基であるPEG誘導体(以下、NHS化PEGと示す)及びマルチアームPEGの末端基がNH2基であるPEG誘導体(以下、アミノ化PEGと示す)を準備した。PEG誘導体は、全て日油製SUNBRIGHT(登録商標)を使用した。
ヒドロゲルの作製は以下のように行った。まず、NHS化PEGとアミノ化PEGとを下記表1に示す量ずつ秤量してそれぞれ別のガラス製容器に入れ、NHS化PEG及びアミノ化PEGのそれぞれを蒸留水で溶解した。続いて、アミノ化PEG溶液をNHS化PEG溶液に添加し、両液をマイクロピペットで吸ったり出したりして素早く混合した。この混合動作を約15〜30秒続け、その後、約30分放置した。これによりヒドロゲルを得た。
ヒドロゲルの作製に際しては、マルチアームPEGのアーム数及び分子量が異なる複数のPEG誘導体を準備し、下記表1に示す複数の組み合わせについてヒドロゲルを作製した。なお、NHS化PEGとしては、HGEO-150GS(8アームPEG、Mw=15,000),HGEO-200GS(8アームPEG、Mw=20,000),HGEO-400GS(8アームPEG、Mw=40,000)のいずれかを用い、アミノ化PEGとしては、DE-010PA(2アームPEG、Mw=1,000),DE-034PA(2アームPEG、Mw=3,400),DE-100PA(2アームPEG、Mw=10,000),PTE-20PA(4アームPEG、Mw=20,000),HGEO-150PA(8アームPEG、Mw=15,000)のいずれかを用いた。
表1中、(A)はNHS化PEG及びアミノ化PEGの1分子あたりのアーム数と分子量、(B)は反応液中におけるNH2基に対するNHS基の数の比率(総アーム数の比率)、(C)は反応液中におけるアミノ化PEGに対するNHS化PEGの重量比、(D)は反応液中におけるPEG含有量(NHS化PEG+アミノ化PEG)の比率(重量%)を示す。
(2)スポンジの作製
得られた試料(ヒドロゲル)を、外径φ5.7mm、内径φ4.5mm、長さ25mmのPEチューブに気泡が入らないように入れ、PEチューブの一端をシリコンゴム栓でキャップした。このPEチューブをガラス製のマイクロチューブに入れて30分間放置し、ヒドロゲルの架橋形成を十分に行った。放置後、ヒドロゲルをマイクロチューブごと液体窒素に下から上へ徐々に浸漬し、その後、今度はシリコンゴム栓を外して、ヒドロゲルの入ったPEチューブを液体窒素で更に凍結した。得られた凍結状態のヒドロゲル(PEチューブ入り)を真空凍結乾燥した。その後、PEチューブ内から試料を取り出した。得られた試料はスポンジ状態であった。
得られた試料(ヒドロゲル)を、外径φ5.7mm、内径φ4.5mm、長さ25mmのPEチューブに気泡が入らないように入れ、PEチューブの一端をシリコンゴム栓でキャップした。このPEチューブをガラス製のマイクロチューブに入れて30分間放置し、ヒドロゲルの架橋形成を十分に行った。放置後、ヒドロゲルをマイクロチューブごと液体窒素に下から上へ徐々に浸漬し、その後、今度はシリコンゴム栓を外して、ヒドロゲルの入ったPEチューブを液体窒素で更に凍結した。得られた凍結状態のヒドロゲル(PEチューブ入り)を真空凍結乾燥した。その後、PEチューブ内から試料を取り出した。得られた試料はスポンジ状態であった。
(3)ヒドロゲル中におけるNHS基及びNH2基の確認
1H-NMRにより、ヒドロゲル中のNHS基及びNH2基の数を分析した。試料は、表1の実施例5と同じ混合比率となるアミノ化PEG及びNHS化PEGを準備し、それぞれ重水に溶解させた後、両液を混合することにより作製した。混合後15分間、室温で放置し、その後測定を行った。なお、測定用の試料はゲル状になっていることを確認した。この試料についての測定結果を以下に示すとともに、そのスペクトルを図1に示す。なお、図1中、(a)はNHS化PEGのスペクトルであり、(b)はアミノ化PEGのスペクトルであり、(c)はヒドロゲルのスペクトルである。
1H-NMR(in D2O,400MHz):δ(ppm)=4.11(22H,m),3.40(4H,t),3.08(4H,t),2.78(32H,s),2.63(16H,t), 2.39(16H,t),2.27(16H,t),2.11(16H,t),1.87(16H,q),1.73(16H,m),1.61
(4H,q).
1H-NMRにより、ヒドロゲル中のNHS基及びNH2基の数を分析した。試料は、表1の実施例5と同じ混合比率となるアミノ化PEG及びNHS化PEGを準備し、それぞれ重水に溶解させた後、両液を混合することにより作製した。混合後15分間、室温で放置し、その後測定を行った。なお、測定用の試料はゲル状になっていることを確認した。この試料についての測定結果を以下に示すとともに、そのスペクトルを図1に示す。なお、図1中、(a)はNHS化PEGのスペクトルであり、(b)はアミノ化PEGのスペクトルであり、(c)はヒドロゲルのスペクトルである。
1H-NMR(in D2O,400MHz):δ(ppm)=4.11(22H,m),3.40(4H,t),3.08(4H,t),2.78(32H,s),2.63(16H,t), 2.39(16H,t),2.27(16H,t),2.11(16H,t),1.87(16H,q),1.73(16H,m),1.61
(4H,q).
また、上記試料の調製に用いたアミノ化PEG及びNHS化PEGについてもそれぞれ1H-NMR測定を行った。その結果を以下に示す。
・アミノ化PEG
1H-NMR(in D2O,400MHz):δ(ppm)=3.42(4H,t),2.57(4H,t),1.58(4H,q).
・NHS化PEG
1H-NMR(in D2O,400MHz):δ(ppm)=4.12(22H,m), 2.78(32H,s),2.63(16H,t) ,2.39
(16H,t),1.87(16H,q).
・アミノ化PEG
1H-NMR(in D2O,400MHz):δ(ppm)=3.42(4H,t),2.57(4H,t),1.58(4H,q).
・NHS化PEG
1H-NMR(in D2O,400MHz):δ(ppm)=4.12(22H,m), 2.78(32H,s),2.63(16H,t) ,2.39
(16H,t),1.87(16H,q).
NHS化PEGの測定データのうち、2.78ppmのピークはNHS基のプロトンに由来するものと考えられる(図1(a)参照)。この2.78ppmのピークについては、図1(c)に示すように、ヒドロゲルの測定データにおいても検出された。これらの結果から、ヒドロゲルにおいてNHS基が残存していることが裏付けられた。
また、NH2基については、アミノ化PEGの測定データのうち、2.57ppmのピークはNH2基に結合するCH2基のプロトンに由来するものと考えられる(図1(b)参照)。一方、ヒドロゲルの測定データでは、図1(c)に示すように、この2.57ppmに対応するピークが検出されなかった。このことから、ヒドロゲルにおいては、NH2基が残存していないか、又は残存していたとしても1H-NMRによる分析では検出できないほど少ないことが裏付けられた。
さらに、上記試料について、アミノ化PEG溶液とNHS化PEG溶液とを混合した後、1時間又は6時間それぞれ室温で放置し、その後1H-NMR測定を行った。その結果を図2に示す。なお、図中、(a)は1時間放置したときのスペクトルであり、(b)は6時間放置したときのスペクトルである。
図2に示すように、1時間放置の場合及び6時間放置の場合の両者において、上記図1(c)と同様にNHS基のプロトンに由来するピークが観察され、しかもそのピークの高さはほとんど変化しなかった。また、NH2基に結合するCH2基由来のピークは検出されないままであった。このことから、反応開始から15分の状態で架橋形成反応がほぼ完了し、その後、NHS基が残存していることが分かった。
(4)IR分析
得られた試料(ヒドロゲル)中のNHS基の残存量をIR分析により検討した。なお、NHS基は1740cm-1付近に吸収帯を持つ。ここでは、表1における実施例19のヒドロゲル、及びNH2基に対するNHS基の総数の比を4から6に変更した以外は実施例19と同様に作製したヒドロゲル(作製例1)についてIR分析を行った。分析に際しては、まず、ヒドロゲルを凍結乾燥してスポンジとし、そのスポンジを1mm程度の厚さに切断して薄膜とした。切断後の薄膜を分析用試料とし、IR装置(SHIMADZU FTIR-8300)を用いて吸収スペクトルを測定した。その結果を図3に示す。図3中、(a)は実施例19の吸収スペクトルであり、(b)は作製例1の吸収スペクトルである。
得られた試料(ヒドロゲル)中のNHS基の残存量をIR分析により検討した。なお、NHS基は1740cm-1付近に吸収帯を持つ。ここでは、表1における実施例19のヒドロゲル、及びNH2基に対するNHS基の総数の比を4から6に変更した以外は実施例19と同様に作製したヒドロゲル(作製例1)についてIR分析を行った。分析に際しては、まず、ヒドロゲルを凍結乾燥してスポンジとし、そのスポンジを1mm程度の厚さに切断して薄膜とした。切断後の薄膜を分析用試料とし、IR装置(SHIMADZU FTIR-8300)を用いて吸収スペクトルを測定した。その結果を図3に示す。図3中、(a)は実施例19の吸収スペクトルであり、(b)は作製例1の吸収スペクトルである。
図3に示すように、NHS化PEGとアミノ化PEGとの反応液中において、NH2基に対するNHS基の数の比が大きくなるほど、1740cm-1付近のピーク強度が大きくなった。このことは、反応液中のNHS基の数を多くするほど、架橋形成反応に寄与しない求電子性基の数が増加し、その結果、ヒドロゲル中における求電子性基の残存量が多くなったことを示唆するものと考えられる。
(5)スポンジの状態及び膨潤性の評価
各試料のスポンジの状態及び膨潤性を評価した。スポンジの状態の評価は、形状等の外観や手で触った際の感触により行い、スポンジが収縮しすぎず、かつスポンジが適度に硬くて崩れにくく、またべたつき感もない状態を「5」とし、以下順に、「4」,「3」,「2」,「1」と数が小さくなるにつれてスポンジ状態が低下した状態を表すものとして、5段階で評価した。また、膨潤性については、得られたスポンジに2〜3mLの蒸留水を添加した際の膨潤の様子を観察することにより行い、膨潤が2〜3秒で速やかに行われ、膨潤後のゲルの状態も適度に硬い状態を「5」とし、以下順に、「4」,「3」,「2」,「1」と数が小さくなるにつれて膨潤性が低下した状態を表すものとして5段階で評価した。なお、「1」の評価は、PEG誘導体としてHGEO-200GS(8アームNHS化PEG)とDE-010PA(2アームアミノ化PEG)とを用い、そのときの総アーム数の比率を1:1としてスポンジを作製したときのスポンジ状態及び膨潤性を基準とした。その結果を上記表1中の(E)及び(F)に示す。
各試料のスポンジの状態及び膨潤性を評価した。スポンジの状態の評価は、形状等の外観や手で触った際の感触により行い、スポンジが収縮しすぎず、かつスポンジが適度に硬くて崩れにくく、またべたつき感もない状態を「5」とし、以下順に、「4」,「3」,「2」,「1」と数が小さくなるにつれてスポンジ状態が低下した状態を表すものとして、5段階で評価した。また、膨潤性については、得られたスポンジに2〜3mLの蒸留水を添加した際の膨潤の様子を観察することにより行い、膨潤が2〜3秒で速やかに行われ、膨潤後のゲルの状態も適度に硬い状態を「5」とし、以下順に、「4」,「3」,「2」,「1」と数が小さくなるにつれて膨潤性が低下した状態を表すものとして5段階で評価した。なお、「1」の評価は、PEG誘導体としてHGEO-200GS(8アームNHS化PEG)とDE-010PA(2アームアミノ化PEG)とを用い、そのときの総アーム数の比率を1:1としてスポンジを作製したときのスポンジ状態及び膨潤性を基準とした。その結果を上記表1中の(E)及び(F)に示す。
表1に示すように、いずれにおいても、スポンジの状態及び膨潤性の少なくともいずれかにおいて「1」よりも高い評価であった。その中でも、実施例5,7,13〜15,20,23では、スポンジの状態及び膨潤性の評価が「5」又は「4」であり、特に、実施例5及び実施例7では、スポンジの状態及び膨潤性の両者において非常に良好であった。また、実施例13〜15,20,23については、NH2基に対するNHS基の総数の比率が2.9〜4と比較的大きく、スポンジ又はこれを膨潤させたヒドロゲル中においてNHS基の残存量をできるだけ多くしつつ、スポンジの状態等を好適にできることが分かった。
NHS化PEGとして分子量10,000の4アームPEG又は分子量20,000の4アームPEGを用い、アミノ化PEGとして上記実施例1〜25で用いたもののいずれかを用いて、上記(1)と同様の方法でヒドロゲルを作製する。この場合にも、ヒドロゲル中において、NHS基を残存させた状態とし、かつNH2基をほとんど残存していない状態にできる。
Claims (15)
- 求核性基を有する第1のヒドロゲル前駆体と、前記求核性基と結合可能であって且つ生体分子の官能基と結合可能な求電子性基を有する第2のヒドロゲル前駆体とが結合されてなる医療用材料であって、
前記求電子性基を前記求核性基よりも多く有していることを特徴とする医療用材料。 - 前記求核性基を実質的に有していない請求項1に記載の医療用材料。
- 前記第1のヒドロゲル前駆体と前記第2のヒドロゲル前駆体とを、反応系において前記求核性基よりも前記求電子性基の数が多くなるように混合して得られる請求項1又は2に記載の医療用材料。
- 前記第1のヒドロゲル前駆体及び前記第2のヒドロゲル前駆体が、ポリアルキレングリコール鎖を有するポリアルキレングリコール誘導体である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の医療用材料。
- 前記第1のヒドロゲル前駆体及び前記第2のヒドロゲル前駆体が、ポリエチレングリコール誘導体であり、
前記求核性基がアミノ基であり、
前記求電子性基がN−ヒドロキシスクシンイミド基である請求項4に記載の医療用材料。 - 前記第1のヒドロゲル前駆体は、1つのポリアルキレングリコール鎖を有し、該ポリアルキレングリコール鎖の両末端に前記求核性基を有し、
前記第2のヒドロゲル前駆体は、8つのポリアルキレングリコール鎖を有し、該ポリアルキレングリコール鎖のそれぞれの一方の末端が連結基に結合されるとともに他方の末端に前記求電子性基を有する請求項4又は5に記載の医療用材料。 - 前記第1のヒドロゲル前駆体と前記第2のヒドロゲル前駆体とを、反応系において前記求核性基に対する前記求電子性基の数の比が1よりも大きく2以下となるように混合して得られる請求項6に記載の医療用材料。
- 前記第1のヒドロゲル前駆体及び前記第2のヒドロゲル前駆体が、複数のポリアルキレングリコール鎖を有し、該複数のポリアルキレングリコール鎖が分岐状である請求項4又は5に記載の医療用材料。
- 前記第1のヒドロゲル前駆体は、4つのポリアルキレングリコール鎖を有し、該ポリアルキレングリコール鎖のそれぞれの一方の末端が連結基に結合されるとともに他方の末端に前記求核性基を有し、
前記第2のヒドロゲル前駆体は、8つのポリアルキレングリコール鎖を有し、該ポリアルキレングリコール鎖のそれぞれの一方の末端が連結基に結合されるとともに他方の末端に前記求電子性基を有する請求項8に記載の医療用材料。 - 前記第1のヒドロゲル前駆体と前記第2のヒドロゲル前駆体とを、反応系において前記求核性基に対する前記求電子性基の数の比が2.5よりも大きく3.5未満となるように混合して得られる請求項9に記載の医療用材料。
- 前記第1のヒドロゲル前駆体は、8つのポリアルキレングリコール鎖を有し、該ポリアルキレングリコール鎖のそれぞれの一方の末端が連結基に結合されるとともに他方の末端に前記求核性基を有し、
前記第2のヒドロゲル前駆体は、8つのポリアルキレングリコール鎖を有し、該ポリアルキレングリコール鎖のそれぞれの一方の末端が連結基に結合されるとともに他方の末端に前記求電子性基を有する請求項8に記載の医療用材料。 - 前記第1のヒドロゲル前駆体と前記第2のヒドロゲル前駆体とを、反応系において前記求核性基に対する前記求電子性基の数の比が3以上6未満となるように混合して得られる請求項11に記載の医療用材料。
- 請求項1乃至12のいずれか一項に記載の医療用材料を乾燥することにより得られる乾燥体。
- 医療用材料の製造方法であって、
求核性基を有する第1のヒドロゲル前駆体と、前記求核性基と結合可能であって且つ生体分子と結合可能な求電子性基を有する第2のヒドロゲル前駆体とを、反応系において前記求核性基よりも前記求電子性基の数が多くなるように混合し、前記求核性基と前記求電子性基とを反応させる工程を含むことを特徴とする医療用材料の製造方法。 - 乾燥体の製造方法であって、
求核性基を有する第1のヒドロゲル前駆体と、前記求核性基と結合可能であって且つ生体分子と結合可能な求電子性基を有する第2のヒドロゲル前駆体とを、反応系において前記求核性基よりも前記求電子性基の数が多くなるように混合し、前記求核性基と前記求電子性基とを反応させる工程と、
前記求核性基と前記求電子性基との反応が終了した後、その反応生成物を凍結乾燥する工程と、
を含むことを特徴とする乾燥体の製造方法。
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