JPWO2012032970A1 - 鍵盤楽器の練習補助用表示装置 - Google Patents

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Abstract

譜面の音高情報を鍵盤上の音高位置に視覚的に読み替えることを可能とする技術の提供。五線譜のそれぞれの線を互いに交わることなく湾曲または屈曲する曲線に延長し、それぞれの曲線の終端を、各曲線が示す音程の差に比例した間隔で1列に配列したことを特徴とした鍵盤楽器の練習補助用表示装置を提供する。この表示装置には、五線譜の線間の音を示すマークも該曲線の終点の列に音程関係を反映した距離で配列され、これらの五線譜の線上の音と線間の音の配列を、鍵盤楽器や鍵盤の模式図などの鍵盤の半音の幅に合わせることで、五線譜上の音符を視覚的に鍵盤楽器の音高位置に読み替えることが可能となる。あわせて該表示装置を用いて視覚的な認識から五線譜と鍵盤の鍵との関係を理解させる、鍵盤楽器の新たな教育方法を提供する。

Description

本発明は、ピアノ等の鍵盤楽器での読譜能力を養うための学習用具に関する。
現在、世界共通で音楽の譜表(楽譜)として一般的に用いられている五線譜は、5本の等間隔の水平の平行線で構成され、その縦方向は音の高さを表し、横方向は時間の流れを表す。五線譜を読むとは、音高情報の読み取りを時間の流れに沿って順次行っていくということである。つまり、音高は譜表における最も基本的な情報であると言える。
音高は、音符を五線譜の線上(線)あるいは線間(間)に置くことで示され、音符の位置の高低が音高の高低に対応している。基本となる5本の線の音域よりも外の領域の音は、必要な数の加線をその音符に追加することで表現される。つまり、音高情報は常に線と間という2値的な目盛りにプロットされる。
この音高情報の読み取りに関して、従来から広く行われている教育方法は、五線譜に描かれた音符を音名で読み取る訓練と、その音高を頭の中で音として想起できるようにする音感の訓練である。これらは音楽教育の基礎として位置づけられており、ピアノをはじめとする鍵盤楽器の教育においても、「音符を見て音名を同定し、その音名に対応する鍵盤の鍵を探す」ことが、初心者段階での最初の目標とされている場合が多い。
しかしながら、ピアノは幅広い音域をもち、また同時に演奏できる音の数も多いため、音名を使っての譜面読み取りの方法では、楽譜を見ながら即座に演奏していくことは困難である。音名読み取りの速度を訓練によって上げたとしても、「音符から音名、音名から鍵」という音名を媒介にした翻訳処理が伴うため、音数が増えるほど速度低下するのが避けられないからである。つまり、読譜しながらの演奏(Sight Reading)の能力が身に付
かないうちにピアノに挫折する学習者が多いのは、楽譜の音名読みをしてピアノを演奏しようとするために、そこで上達が止まってしまうわけである。
一方、熟練したピアノ奏者は、五線譜上の音符の並びを見ただけで、鍵盤の押さえるべき鍵の位置を映像として想起する能力を有する。つまり、楽譜を瞬間的に図式的に読み取る能力を有しており、実際の演奏においては弾かれるべき音を先読みしながら行われる。従来の教育方法においては、こうした図式的な読み替えの能力は、幼年期からの膨大な練習によって自然と身に付くものとされている場合が多い。そのため、図式的な読み取りを意識せずに行われる練習が、退屈なだけの練習となりがちであり、学習は進歩も実感できず、結局は、楽譜を読むこと自体が嫌いになりピアノから離れていくことになってしまいがちである。
つまり、音名と音感による楽譜の読み取り訓練は、音楽教育にとって重要であり、歌唱や単音楽器の習得にも効果的であっても、ピアノ学習にとってはかえって学習を阻害する要因ともなっているという側面を持つわけである。
五線譜の図式的な読み取りを効果的に訓練するための技術は、これまでもいくつか提案されている。例えば、特許文献1と2は、音符と鍵を対応する絵や色によって視覚的に読み替えできるようにしたものである。これらは音名という言語的な記号を媒介にすることなく、図式的な記号を媒介にすることによって、五線譜の図式的な読み取り能力の育成を狙ったものである。とくに学習者が幼児の場合、幼児は空間の位置的関係を表現する概念が十分に身に付いていないため、「左右」や「3番目」や「90度の回転」といった用語を使用した説明は、幼児になかなか理解されにくいものとなる。しかも、理解できない幼児に対して「繰り返し言い聞かせる」という方法しか持ち合わせていない教師も多く、こうした意思疎通の困難さが、音楽的な才能とは関係なく幼児をピアノから遠ざけてしまう原因になっていることも否定できない。その点、上記特許文献に記載された発明では幼児に親しみやすい絵を用いることで、幼児とのコミュニケーションギャップを容易に克服できる。しかしながら、これは同時に「幼児の初心者」に限定した色や絵を使った読み替えシステムを、新規に導入するということであり、ピアノが上達すれば必要がなくなる知識をわざわざ覚えさせることが、かえって学習者を遠回りさせかねないという欠点を持つ。
特許文献3は、鍵盤の各鍵に五線譜上での音符や音名の図を印刷したシールを設置するもので、音符と鍵の視覚的イメージを直接結びつける効果がある。しかしながら音符と鍵を個別に対応させただけでは、初心者は「同じ絵柄を探す」ということだけが意識づけられがちで、教師の指導方法によっては楽譜と鍵盤の音高の配列の方向の違いや五線譜の線と間といった大きな図式的な特質の理解にはなかなか至らないということが懸念される。また、指導方法において、音符と鍵を音名で媒介することが印象づけられると、音名読みの欠点から逃れられなくなることも懸念される。
五線譜の線と間の関係をそのままピアノ鍵盤上に投影することを可能にした技術としては、例えば特許文献4と5及び6がある。これらは五線譜の線を直接ピアノ鍵盤上に接続あるいは投影することで、音名に頼ることなく音符と鍵の図式的な対応を学習者に示すことが可能になる。しかしながら、これらの技術では、五線譜での縦方向の音高の配列を鍵盤の横方向の音高の配列に一致させるために、五線譜を右回りに90度回転させている。そのため、通常の水平方向の五線譜を読むときには、あらためて頭のなかで90度回転させて読み替える感覚を養う訓練が必要とされる。また、基本的に初心者への教育を目的としているため、ハ長調での練習が中心となってしまっている。特許文献6においてはハ長調以外の調に対応するために♯(シャープ)や♭(フラット)の印を鍵盤上に配置することで対応しているが(第2欄最下行〜第3欄第4行)、これではハ長調以外の調を「ハ長調を変化させた調」という認識を学習者に印象づけてしまう。
楽譜嫌いを生むもうひとつの原因として、ハ長調が入門用の調とされ、そこに初心者への教育が偏重していることがある。
五線譜は、音域を示す音部記号と調を示す調号が設定されることで、それぞれの「線(線上の音)」と「間(線間の音)」が表す、絶対的な音高(つまり音名)が決まる。調号として♯や♭が何も付いていない状態はハ長調を意味し、ハ長調の五線譜では、その「線」と「間」にプロットされるのはハ長調のダイアトニック音階である。「ダイアトニック音階」とは、いわゆるドレミファソラシと歌われる、7種類の音(ダイアトニック音)で構成される音階のことで、近世以降の西洋音楽の中心となっている音階である。そして、オクターブを構成する12個の半音のうち、ダイアトニック音ではない5個の非ダイアトニック音は、シャープやフラットなどの臨時記号を隣接するダイアトニック音に付けることによって、そのダイアトニック音の変化音として表現される。
つまり、五線譜は基本的にダイアトニックのグラフであり、オクターブを構成する12個の半音の配列のうち7個のダイアトニック音を「線」と「間」で視覚的に表し、残りの5個の非ダイアトニックを畳み込んだものと見ることができる。
「調」とは、ダイアトニック音の主音(第1の音)を12種類の半音のどの音にするかを決めるものである。図11を用いて調とダイアトニック音階との関係を説明する。例えば、図11(A)は、ト音記号(112)が設定されたハ長調(C Major)の五線譜(111)で、主音は下の加線のC(113)をはじめとしたCの音である。ここで、Cは音名(英語音名、以下同)を表す記号であり、ハ長調の各ダイアトニック音はルートから順にCDEFGABの各音名で表せる。また、図11(B)は、変イ長調(Ab Major)で、♭が4つで構成される調号(114)が設定された五線譜において、主音をA♭(115)にしたダイアトニック音階(A♭、B♭、C、D♭、E♭、F、G)がプロットされる。
なお、調には長調と短調という種類もあるが、これらは、どちらもダイアトニック音階の配列であり、違いは主音の位置だけである。例えばハ長調(C Major)でのダイアトニック音階は、Cを主音(音階の第1音)にしたダイアトニック長音階(C、D、E、F、G、A、B)であり、主音をAにするとイ短調(A Minor)のダイアトニック短音階(A、B、C、D、E、F、G)となる。ダイアトニック短音階は自然的短音階と呼ばれることもある。いずれにしても、どちらのダイアトニック音階も同じ音で構成されており、どの音がルートであるかは、メロディと和声を解釈することによって判断されるので、譜面記譜上の形式として長調と短調に違いはない。よって、本明細書では、調は長調を、また、ダイアトニック音階は長音階のみで解説していく。
一方、鍵盤のジオメトリ(形状的特徴)に注目すると、まず鍵盤の手前側では等間隔の白鍵の並びがハ長調のダイアトニック音階の配列となっている。また、鍵盤の奥側では黒鍵が5種類の非ダイアトニック音(ハ長調の場合)として加わり、ほぼ等間隔の半音が12個並ぶクロマティック(半音階的)な配列となっている。つまり、鍵盤ではダイアトニック音(白鍵)が手前側で非ダイアトニック音(黒鍵)を巧妙に覆うように変形しているという特徴を持つ。
このように、五線譜の音高の並びと鍵盤の白鍵の並びは、ハ長調では完全に対応しているため、初心者にとってハ長調が「やさしい」調となる。一方、ハ長調以外の調では、この完全な五線譜の音高の並びと鍵盤の鍵の並びの一致関係は破綻する。五線譜が調号によってダイアトニックなグラフであるという特徴を持ち続けるのに対して、鍵盤上でのダイアトニック音階の配列には図式的な規則性がなくなり、クロマティックな配列からダイアトニック音となる鍵を拾い上げていかねばならない。
従来、多くのピアノ教育法は、入門用のハ長調で音符と音名と鍵盤の対応を教えたあと、しだいに調号に使われる♯や♭が多くなる調に学習を進めていく傾向にある。これは「調号に♯や♭が多くなるにしたがって難しくなる」という、音楽的に意味のない誤った価値観を植え付けてしまうことになる。一方、楽譜を音名読みするとき、♯や♭が多く付く調号では、それらを付けた音名で音符を読む必要があり、その煩雑さも難しさにつながっているという側面がある。挫折したピアノ学習者の多くは、ハ長調以外の調によってもたらされる心理的な負担の増大を理由としており、彼らは♯や♭が多い譜面への抵抗感を強く持ち続けている。
こうした、調に関する問題を解決するための技術もすでに提案されている。例えば特許文献7は、楽譜に鍵盤のジオメトリを反映させ、オクターブの12個の半音すべてを臨時記号なしにプロットできるようにしたものであり、音高をクロマティックに表すグラフとなっている。これは、鍵盤の奥側のクロマティック配列と一致するため、この発明に従った楽譜をそのまま図式的に読み取ることができる。また、特許文献8では、鍵盤の手前側もクロマティックな配列にするものであり、すべての調を完全に水平的に捕らえることができる。
しかしながら、これらの技術は現在の五線譜や鍵盤のあり方を否定するところから発想されており、音楽におけるダイアトニック音階の重要性が考慮されないことや、なによりも五線譜で記された膨大な数の楽譜がそのまま活かせないことなどから、一般に受け入れられるまでには至っていない。
五線譜が17世紀のバロック期に音楽の記譜法として確立して以来、世界中で五線譜に記譜されてきた楽曲群は、人類にとっての共通の膨大な文化的な資産と言える。鍵盤楽器の学習者に無用な心理的な抵抗感をもたせず、五線譜を図式的に読み取る能力を養う効果的な学習方法と、それを可能にする技術が必要とされている。
本願出願人は、上記のようなニーズに対応して先に五線譜の図式化を意図した技術を開示しているが(特許文献9参照。)、本発明は、当該先に開示された思想を、学習者がより受け入れ易いものとなるよう具体化するものである。
米国特許第6284961号明細書 米国特許第5496179号明細書 米国特許第5546843号明細書 米国特許第1758043号明細書 米国特許第3577890号明細書 米国特許第4056999号明細書 米国特許第7439438号明細書 米国特許第5233899号明細書 特開2010−210981号公報
本発明は、五線譜のダイアトニック音階の音高グラフという特徴と、クロマティック楽器でありながらハ長調のダイアトニック楽器としての側面を持つ、鍵盤のジオメトリ的な特徴との関連を、幼児から大人まで幅広い学習者に直感的に理解させるとともに、それを基に五線譜の図式的な読み取りの訓練が行える技術を提供することを目的とする。
本願発明者は、五線譜の各線を、鍵盤の対応する音高位置まで曲線(特記なき場合、折れ線を含む。以下、同じ。)でつないだ経路を示したパネルもしくは表示装置を使用することによって、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、五線譜の各線を、それぞれ互いに交わることなく湾曲もしくは屈曲する曲線に延長し、それぞれの曲線の終端を、各曲線が示す音程の差に比例した間隔で前記五線譜の線と略並行に一列に配列し、前記各終端が五線譜の各音高に対向する鍵位置を示す表示装置を提供する。
さらに、この特徴に従う表示装置は、前記五線譜の各線が、基本の5本線及びその上下に付加される加線から任意に選択された線の群であり、基本の5本線と加線が表示態様に視覚的な区別が付けられたという特徴を持つ表示装置として構成することができる。
また、この特徴に従う表示装置は、前記五線譜の線間の各音の音高位置を示すマークを、前記曲線の終点の配列に終点と同様の音程関係を反映した距離で配列したという特徴を持つように構成することもできる。
前記五線譜には、音部記号と調号が付すこと、もしくは音部記号と調号を着脱可能に取り付けることができる。
前記五線譜は、線材、棒材又はパイプ材を用いて表示することができ、その際に前記表示装置は、当該五線譜の線材、棒材又はパイプ材を所定位置に保持する保持機能を備えてもよい。また、五線譜の各線に対応する前記各線材、棒材又はパイプ材は、調号によって変化する音高に応じて五線譜の線と略平行にスライド移動可能に保持されること、もしくは曲線の湾曲度が変化する柔軟性を備えることができる。さらには、五線譜の各線に対応する各線材、棒材又はパイプ材の前記終端は、当該各線材、棒材又はパイプ材の音高に対応する鍵盤の鍵に着脱可能に取り付けられるよう構成されてもよい。
前記表示装置は、電気的又は電子的なディスプレイ装置として形成することができ、その際には前記五線譜と前記曲線とはディスプレイ上に表示可能である。前記ディスプレイ装置は、中央演算装置であるCPU(71)と、記憶装置(72)と、作業領域を確定するRAM(73)と、ユーザー所望の操作を入力する入力部(74)と、前記五線譜、曲線を含む情報を表示する表示部(76)とから構成することができ、前記記憶装置に記憶された制御プログラムを前記入力部からの入力に応じて前記CPUにより実行することができる。前記ディスプレイ装置はさらに、ネットワーク情報を受信可能な通信部、楽音を再生するための楽音再生部(77)、外部の鍵盤楽器を接続するための鍵盤楽器インターフェイス(78)、のいずれか、もしくは全てを備えてもよい。
本発明に係る他の態様として、以上述べたいずれか一の表示装置を用い、五線譜と鍵盤と鍵との関係を、音名からではなく、鍵とのつながりの視覚的な認識から、五線譜と鍵盤の鍵との関係を理解させる鍵盤楽器の教育方法を提供している。
本発明により、五線譜と鍵盤との図式的な対応関係を、どの調においても、初学者(とくに幼児)に効果的に理解させることができるようになり、また譜面読み取り能力を高める訓練に従来の楽典的な知識を前提としないため、ピアノ学習への心理的負担を大幅に軽減するという効果を奏する。また、学習の早期段階から調自体に難易差を感じることなくさまざまな楽曲に接することができるため、学習者の学習意欲や音楽的な興味を阻害することなくピアノ習得に活かすことが可能となる。
さらに、幼年期にピアノを習ったものの途中で挫折してピアノそのものから遠ざかった、かつての学習者の多くは、ピアノに対する憧れを抱き続けている。そうした挫折者にとって、挫折の理由が音楽的な才能ではなく、ピアノの学習方法への適応ができなかったという原因が示唆されることは、ピアノの再学習への意欲をよみがえらせるきっかけと学習方法を提供することが可能となる。
鍵盤楽器の鍵盤に対して設置された本発明に係る表示装置の一例を示す。(実施例1) 図1に示す表示装置であるパネルの表示の一例を示す。 本発明の一実施例による表示装置であるパネルの表示の一例を示す。(実施例2) 本発明の一実施例による表示装置の一例を示す。(実施例3) 本発明の一実施例による表示装置の一例とその抜粋を示す。(実施例4) 図5に付属する棒材位置設定シートの一例を示す。 本発明の一実施例による表示装置の機能ブロック図である。(実施例5) 本発明の一実施例による表示部76の表示例を示す。 本発明の一実施例による学習プログラムの学習モード1での処理手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施例による学習プログラムの学習モード2での処理手順を示すフローチャートである。 ハ長調と変イ長調のダイアトニック音階と鍵盤の対応を示す図である。
まず、本発明の形態の説明に用いる音楽用語を、以下のように機能的な側面に注目して定義する。これは本発明の本質に関わるものである。
「ダイアトニック音階」とは、いわゆるドレミファソラシの7音で構成される音階で西洋音楽において中心的な音階である。ダイアトニック音階の各音(ダイアトニック音)の音程関係は「ドレミファソラシド」の1オクターブにおいて、全音、全音、半音、全音、全音、全音、半音となる。全音は半音2個分であり、ドレミファソラシの7音で半音12個となる。ドレミファソラシのようにドを主音にした場合は長音階(長調の音階)となり、ラシドレミファソのようにラを主音にした場合は自然的短音階(短調の音階)となる。
「五線譜」は、等間隔の平行線によって、ダイアトニック音階の音高をその線上と線間で表す機能を持つグラフである。五線譜は、ほかに横方向で時間的な情報も表すが、本発明においては五線譜の音高を表す機能にのみ注目する。五線譜は基本の5本の平行線が描かれ、その領域外の音符は加線として音符ごとに描かれる。五線譜の線上の音高や線間の音高を単に「線」および「間」と呼ぶこともある。
「音部記号」は、五線譜の音域を示す機能を持つ。ト音記号、ヘ音記号のほかにハ音記号がある。このうちハ音記号は、五線譜上に表示される位置によって、バリトン記号、テノール記号、アルト記号、メゾソプラノ記号、ソプラノ記号の別々の音域を表す音部記号となる。このうち、現在では、テノール記号とアルト記号以外はあまり使われなくなっている。
「調号」は、五線譜のダイアトニック音階の種類(主音の音名)を示す機能を持つ。♭(フラット)と♯(シャープ)の変化記号を用いて、五線譜の各線や各間が示す音高を半音上下(フラットで半音下、シャープで半音上)させることにより、12種類の半音の任意の音をダイアトニックの主音にすることができる。そして、変化記号の付き方は調として規定されている。
「調」は、ダイアトニック音階の主音が12個の半音のどれであるかを示すもので、長調と短調の2種類がある。フラットやシャープの変化記号が付かないハ長調(イ短調)以外に、ダイアトニック音階が7音なので、フラットが1個〜7個付く調、およびシャープが1個〜7個付く調がある。つまり、合計で15種類の変化記号の設定方法がある。それぞれの設定方法に長調と短調があるので、調名としては合計30種類となる。本明細書において「すべての調」と言う場合、15種類の調号の設定方法のことを表す。なお、オクターブを構成する半音12個に対して調号の設定方法が15種類と多いのは、シャープで表される調とフラットで表される調の主音が同一音である異名同音の調があるからであり、調によって決められる主音の種類は12個である。
上述した一般的な音楽用語以外に、本明細書において導入する概念として「鍵盤のジオメトリ」という用語を定義しておく。ピアノに代表される鍵盤楽器の鍵盤は、1オクターブ内が7個の白鍵と5個の黒鍵で構成されるが、その図形的な特徴は以下のようにまとめられる。
(1)鍵盤の手前側は7個の白鍵が等間隔に並んでハ長調のダイアトニック音階を構成する。
(2)鍵盤の奥側は、ハ長調の非ダイアトニック音の黒鍵が加えられることで、12個の鍵盤がほぼ等間隔に並んで半音階(クロマチック音階)を構成する。
上記の2点の鍵盤の図形的な特徴を本明細において「鍵盤のジオメトリ」という用語で表す。なお、白鍵と黒鍵は通常のピアノの鍵盤での色使いからの名称であり、鍵盤楽器の種類によってはチェンバロのように白と黒が逆に配色されている場合もある。本明細においては「白鍵=ハ長調のダイアトニック音」、「黒鍵=ハ長調の非ダイアトニック音」の意味で解説を行う。
本発明に係わる表示装置は、五線譜の各音と鍵盤楽器の各鍵との対応を表示するものであればその形態は問わず、例えば、鍵盤配列の奥側に沿って設置されるパネルの形態であってもよいし、実際の鍵盤楽器ではなく鍵盤の模式図上の鍵盤との対応を示すシートでもよいし、表示内容が立体的な造形物として構成されたものでもよいし、PC(パーソナルコンピューター)やPDA(携帯情報端末あるいは個人情報端末)などの、電子的な表示装置を伴なう演算処理装置でプログラムを実行することで表示内容を示すものであってもよい。以下に、図を参照して本発明に係る実施形態の例を順に説明していく。
図1は、鍵盤11の奥側の背面13に沿って本発明の表示装置に係わる第1の実施形態であるパネル12が設置されている様子を概略的に示す。
パネルが設置される具体的な位置は、パネル上の表示と鍵盤上の各鍵との対応を演奏者が認識できる位置であれば特に限定されないが、好ましくは鍵盤配列の奥側、例えば、鍵盤の背後にある背面13上に設置することによって、白鍵と黒鍵を含めた鍵盤全体及びパネル全体を容易に認識できるようになる。その際、例えば鍵盤の奥と背後の間の隙間にパネルを置くことによって、パネルを固定するための手段を要することなくパネルを設置することが可能であるが、パネルの形態等に応じて必要により、テープ又はパネル下部の補助脚(図示せず)等の任意の固定手段を用いて設置してもよい。
演奏者は、該パネルを上記のように設置した状態で、該パネルに表示されている五線譜が示す音高を五線譜の線に沿って視線を移動することによって、その延長された線が鍵盤の特定の鍵に対応していることが確認できる。五線譜の線間の音についても、後述する間を示す記号を頼りに線間を右に視線を移動していくことで対応する鍵を確認できる。
本発明のパネルの表示による、五線譜の線又は間に沿っての視線移動は、五線譜の音高を90度下に回転して鍵盤に投影するとともに、五線譜上で等間隔に表現されるダイアトニック音階での音程間隔を、鍵盤の奥側のクロマチックな音程関係に変換することになる。この音高方向の回転変換と、ダイアトニックからクロマチックへの距離変換という、譜面の読み取りに必要な2つの変換を視覚のみで行えるのが本発明の大きな特徴であり、従来の発明でなし得なかったことである。
本発明のパネルを譜面読み取りの補助として使用した訓練を重ねることによって、五線譜を見ただけで瞬間的に押さえるべき鍵をイメージすることができるという、譜面の視覚的な読み取り能力を養っていくことができる理由もここにある。
図1中のパネル12の表示について、図2を参照しながらより詳細に説明する。
図2のパネル21は、図1のパネル12と同等のものである。パネル21で表示されている五線譜は、ピアノ用の譜面として一般的な大譜表22である。大譜表はト音記号24を配した音部の五線譜23とヘ音記号25を配した音部の五線譜23で構成される。なお、譜表として大譜表を使うのは一例であり、任意の音部が1つで構成される五線譜の表示でもよい。
五線譜は音部記号とともに調号が配されることで、その五線譜が示す音高が確定される。図2の例では、調号としてシャープ(#)とフラット(♭)のいずれの変化記号も配置しないハ長調(もしくはイ短調)が指定されていることを示している。
本発明における表示装置は、どの調の五線譜にも対応させることができる。望ましくは、調に応じたパネルに交換しながら使用できるように、すべての調号のパネルがセットして用意されているのが好ましい。しかしながら、初心者のみを対象とする場合には、初心者が学習しやすい調のみを揃えたものでもかまわない。
五線譜の線27および加線位置を示す線26は、同一の音高を表す場合を除いて互いに交わることなく五線譜の横向きの方向に対して下方向に折れ曲がる曲線に延長される。それら延長された曲線の終端(272および262)は、それぞれの終端間の距離を元の五線譜での音程差を半音単位の距離に読み替えて、水平に配置する。つまり、該曲線の終点を半音階スケール上に配置する。このとき、半音間の距離をパネル21を設置する鍵盤楽器の鍵盤の奥側の半音階の並びにおける鍵の幅と等しくすることによって、五線譜の各線が対応する鍵盤の鍵の位置を示す表示装置とすることができる。
ここで、五線譜の線27および加線位置を示す線26を延長した曲線の折れ曲がりの形は、基本的に終点の位置までなめらかにつながるものであれば好ましく、パネルのサイズや表示要素の配置によって曲線の湾曲がどのような形をとってもよい。本明細書では五線譜の線27および加線位置を示す線26と鍵盤の鍵の位置とを曲線状につなぐことによって視認を容易にしているが、角度をもって折れ曲がる折れ線を使用して両者をつなぐようにしても良い。ただし、この場合にも各線の位置が交差しないよう配置することが好ましい。
使用者は、五線譜の線27および加線位置を示す線26に沿って視線を移動するだけで、五線譜の音高を示す線がそのまま鍵盤で対応する鍵の位置を示す線となり、五線譜と鍵盤のイメージを直接連結して両者の関係を即座に理解することが可能となる。
加線位置を示す線26については、図2の実施例においては、大譜表の2つの音部の中央の音高となる中央Cの加線位置を示す線26が表示されている。中央Cはト音記号の音部の下の加線として表されるほか、ヘ音記号の音部の上の加線としても表されるので、双方の加線が同じ鍵盤上の鍵を示す曲線に連結される。また、加線位置を示す線は、五線譜の基本の5本の線と視覚的に区別される態様で表示されるのが好ましく、図2では灰色で描画されている。色を変える以外に、加線を点線にするなど線の種類を変えてもよい。
五線譜の線27および加線位置を示す線26を延長したそれぞれの曲線の終端(272および262)は、視認しやすいように終端マークを表示するのが好ましい。マークの形状は円形、方形、矢印、星型をはじめとしてさまざまな形態を用いることが可能である。図2では最もシンプルな円形で表示している。また、五線の終端マーク272と加線位置を示す線の終端マーク262の区別が付きやすいように、色や濃度で区別が付くように表示するのが好ましい。例えば図2では、それぞれの線の色(黒と灰色)と同じ色で終点マークを表示している。
図示の例では、五線譜の「間」の音高に対応する鍵の位置を示すために、五線譜のそれぞれの線(五線および加線位置を示す線)が曲線に変化する付近に「間」を表す間マーク281が表示されている。また、五線譜の線27および加線位置を示す線26を延長したそれぞれの曲線の終端マーク(272および262)の配列に、間の音が対応する鍵盤の音高を示すための間マーク282が表示されている。間マーク282を終端マーク(272および262)の配列に配置する位置は、それぞれの「間」が示す音高を元に、「線」の音と同様に半音階スケール上に配置すればよい。
五線譜に置かれた間マークと対応するように、「線」の音についても、各線が曲線に変化する線上に視線移動を補助するためのマーク271が表示してある。このマークは必須のものではないが、間マーク281とともに置かれることで、五線譜において「線」と「間」の区別がより明確になるだけでなく、五線譜の線に沿っての視線の移動もスムーズに行えるようになる。マークの形状や色は任意でかまわないが、五線や加線位置を示す線の終点マーク(272と262)と共通イメージのマークを使用するのが望ましい。
本発明における五線譜と鍵盤との対応は、すべての調に対応させることが可能である。調はシャープ(♯)やフラット(♭)の変化記号を用いた調号によって表される。これらの変化記号はそれが置かれている「線」や「間」の音を半音高く(シャープ)あるいは半音低く(フラット)設定するものである。したがって、五線や加線の終端マーク(272および262)やそれらと同列に並べる間マーク282は、変化記号に応じて、それぞれの音高で半音階スケール上に配列すればよい。
本発明のパネル21の鍵盤上での設置位置は、五線譜から延長された曲線が示す音高が鍵盤楽器のどの鍵に対応するかを別途示すことによって、簡単に決めることができる。例えば図2のハ長調のパネルの場合、大譜表の中央の加線上の音261が中央C(ピアノの場合、まん中あたりのCの鍵)に対応することが示されればよい。そのほか、本実施形態のように、設置位置を示すための模式的な鍵盤図29を表示する方法も簡便で好ましい。この鍵盤図29のそれぞれの鍵盤の幅は、本パネル21を設置する鍵盤楽器の鍵盤の幅と一致させている。本パネル21を鍵盤楽器に設置するときには、図2の二点鎖線211によって示される位置を折線として、鍵盤図29の二点鎖線211から下の部分をパネル21の裏側に折り返して鍵盤楽器の鍵盤の奥側に設置する。パネル21の下部には、鍵盤図29の上部だけが鍵盤の模様として見えることになるが、これを鍵盤楽器に設置する際の音高の位置合わせに使うことができる。なお、本パネル21を、二点鎖線211で折り返さない状態のときは、単体で五線譜と鍵盤の鍵の位置の対応を示す教育用具として使用することが可能であるが、この応用例は実施例2で説明する。
〔使用方法〕
以上の構成による本発明のパネル21は、単に五線譜と鍵盤の対応を示すだけでなく、そこで視線移動を繰り返すことで、譜面を図形的に読み取って鍵盤上の演奏すべき鍵を瞬間的に判断する能力を育成することができる。具体的には、教師が生徒に対して用いる場合は、練習したい調および音部が表示されているパネルを選んで鍵盤楽器に設置することによって、幼少の生徒に対しても、五線譜に記される上下の音高情報がそのまま鍵盤楽器の鍵盤配列に対応していることを直感的に理解させることができる。さらに、五線譜の特定の音高(線や間)を教師が指先または指示棒などで示して、生徒がそれに対応する鍵盤の鍵を探し当てるという訓練を行うことができる。生徒は、教師が示した五線譜上の音高を、そのまま線に沿って視線を移動させて目的の鍵にたどりつく。これを繰り返すことで、五線譜上の音高と鍵盤ジオメトリの関係をそのまま読み替える感覚を効率的に養っていくことができる。
教師を伴わず、使用者が独習で用いる場合は、自分で本発明のパネル21に表示されている五線譜の特定の音高位置に注目して、視点を対応する鍵に移動する訓練を繰り返すことができる。また、演奏したい曲の譜面がある場合、その曲と同じ調の本発明のパネル21を鍵盤の奥側に設置しておくことで、譜面を読み取るときの補助具として使用できる。
こうした使用法から、パネルを電気的もしくは電子的なものとして、音部や調の選択もスイッチ選択によって表示を切り替えるようにし、さらに五線譜の部分に音符表示領域を設け、そこでプログラムによって自動的に音高を示す学習装置へ発展させていくことは、容易に考えつく本発明の拡張である。このような容易に表示内容を切り替えられる電子的な表示装置や使用者とインタラクティブな操作を可能にするソフトウェアを実行する中央演算装置を用いたシステムについては、実施例5で詳しく述べる。
〔実施例1の変形例〕
上記に記した実施形態は、本発明の本質を損なうことなく、種々の変形を加えることができる。
例えば、本実施形態において、五線譜23の領域を音符を表示する領域として活用することができる。例えば、透明の合成樹脂性の板に音符を表す記号を印刷したものを、本発明のパネルの音符表示用の補助具として使用することができる。教師が指先や指示棒の代わりに、この音符指示具を五線譜23上に置くことで、生徒は五線譜上の音符を見て対応する鍵を探るという練習が行える。また、該音符指示具を五線譜から音高の経路を示す曲線に沿って鍵盤までスライドさせていくことにより、初心者によりわかりやすく五線譜の音高と鍵盤の音高の図形的対応を示すことができる。
ほかに、本発明のパネルを鉄製の薄板に印刷した場合は、丸い磁石を五線譜23に配置することで音符を示すことができる。また、本発明のパネルをホワイトボードのように容易にペンで音符を書き込める素材に印刷した場合、五線譜23に教師が説明のための音符を書き込むことができる。
また別の変形例として、音名情報を本発明のパネル21に加えることもできる。本発明は、図形的に譜面を読み取り鍵盤の音高位置に読み替える訓練を行うことに主眼を置いているため、初学者には音名を示すことなく訓練を行うのが望ましい。しかし、音楽教育において音名は重要な習得すべき要素であるので、例えば、線の終端マーク(262と272)と間マーク(282)の内側や脇などに音名を表示することで、五線譜の音符の音高を鍵盤位置と音名の両方で認識する学習が行え、譜面上の音符から鍵盤の鍵を想起すると同時に音名を認識することができるようになる。
図3は、本発明の実施例2のパネル31である。基本的な表示要素は実施例1と同じである。音部記号としてト音記号322とヘ音記号321を鍵盤の音域に合わせて、左右の五線譜に配置している。図3においては、両方の音部の五線譜の高さを揃えているが、配置の仕方はこれに限定されない。例えば、大譜表にならってト音記号の五線譜をヘ音記号の五線譜よりも高い位置に配置するといったことも考えられる。調号33も、それぞれの音部に表示する。図3ではフラット(♭)が3個の変ホ長調(Ebメジャー)の調号の例を示している。
五線譜の基本の5本の線34と加線位置を示す線35は、五線譜の方向に対して下方向に折れ曲がる曲線に延長され、それぞれの終端は五線譜上での音高を半音階スケールに読み替えた距離で水平に配列される。五線譜の基本の5本の線34と加線位置を示す線35は見分けが付けられるように色や濃淡を変え区別するのが望ましい。加線位置を示す線35は、ここではト音記号の音部に対して上下に1本ずつ、ヘ音記号の音部に対して下に1本を表示しているが、音楽の理論的には加線の数に制限はないため、必要に応じて増減させればよい。
「線」の音の位置をよりわかりやすく表すため、五線譜の基本の5本の線34と加線位置を示す線35には、それぞれの線の終端に終端マーク(342と352)が表示され、加えて図示の例では、それぞれの線が曲線に連続するあたりに視線移動を補助するためのマーク(341と351)が表示されている。マークの形状は円形、方形、矢印、星型をはじめとしてさまざまな形態を用いることが可能である。ここでの例では五線譜の基本の5本の線34の上のマークは黒い丸印、加線位置を示す線35は灰色の丸印としている。
五線譜のそれぞれの「間」についても、視認しやすいように「線」が曲線に連続する付近に間マーク361を表示することが好ましい。また、五線譜の線34および加線位置を示す線35を延長したそれぞれの曲線の終端マーク(342および352)の配列に、間の音が対応する音高の鍵盤を示すための間マーク342および加線部分の間マーク352が表示されている。「線」の終端マーク(342および352)と同列に並べる間マーク362は、それぞれの「間」が示す音高を基に、「線」の音と同様に半音階スケール上に配置すればよい。
間マークの形状は、円形、方形、矢印、星型をはじめとしてさまざまな形状を用いることが可能であるが、「線」のマークとは形状や色などで視覚的に区別をつけるのが好ましい。ここでの例では、「間」を連想しやすい白丸としている。また、五線譜の基本の5本の線の「間」と加線部分の「間」を区別するために視覚的に区別をつけるのも好ましい。ここでの例では、それぞれの線を濃淡で区別したことにならい、間マークにおいても、五線譜の間マーク362は黒色、加線部分の間マーク372は灰色で表示している。
本実施例では、鍵盤図38が併せて表示される。鍵盤図38は鍵盤楽器の鍵盤を模式的に表した図で、そのサイズについては、鍵盤図38の鍵盤の奥側における白鍵と黒鍵の等間隔な配列の個々の鍵盤の幅が、五線譜の基本の5本の線34と加線位置を示す線35を延長した曲線の終点である終端マーク(342と352)の配列の基準となる半音階スケールの半音間隔と等しくなるようにする。鍵盤の縦方向(手前から奥)の長さについては、鍵盤と認識できるサイズであればよい。
本実施例の特徴は、鍵盤図38を表示することによって鍵盤楽器との併用を前提とせずに単独で使用でき、本発明の効果を享受することができる点である。実際の鍵盤楽器に設置する必要がないので、自由なサイズでパネルを作成することができる。数センチのものから数メートルのもの(あるいはそれ以上)まで、自由に本発明の表示装置を構成することができる。例えば、数センチのカード状のパネルにした場合、すべての調を揃えた場合でも手軽に持ち歩くことのできるカードセットとして実現できる。例えば、ピアノで練習したい楽譜の横に、本実施例によるカードを置くだけで、その曲の調における五線譜と鍵盤との対応を手軽に確認することができ、実際の曲の譜面を使いながら譜面を視覚的に読み取る訓練を行うことが可能となる。また、数メートルのものを準備した場合、例えばこれを教室の黒板に立て掛けることで、生徒に向かって教師が説明用として使用することができる。
また、本発明を表示するパネル31は、板状の平面的なものには限られず、印刷可能な表面を持つものであれば、どんなものにでも本発明を表示して、音楽教育補助具としての機能を持たせることができる。例えば、コーヒーカップなどの食器の表面や、衣服やタオルなどの表面、その他、文具の表面など、さまざまなものへの本実施例の適用が可能である。
図4は、本発明における表示を立体的な造形で行った実施例3である。ここでは1つの音部の五線譜を構成する例を示す。五線譜の左端において各線の先端は五線支持部43で等間隔に保持される。各線の先端を固定する方式は、それぞれの線を表す細い棒状の物体を保持できればよく、特定の方式に限定されるものではない。図4の形態においては、五線支持部43に開けた穴に五線の各線を差し込んで固定する方式を示している。なお、五線譜の線はここでは基本の5本だけを図示しているが、上下の加線位置を示す線を加えてもよい。
五線支持部43は、五線譜の各線を表す棒を支えるだけでなく、五線譜に所望の調号を表示するための調号カード44を五線の各線45の背後に設置する役目も果たす。調号カード44は、調号を表示できる装置であればなんでもよいが、図4の形態においては紙や薄い合成樹脂などの素材に印刷したカードで実現している。調号カード44は、すべての調について1組のセットとして用意されていることが望ましい。また、音部記号42によって、同じ調であっても調号記号のフラット(♭)やシャープ(♯)の位置が異なるため、使用される音部記号ごとに調号カード44のセットが用意されていることが望ましい。使用者は学習したい調の調号カード44を五線支持部43にセットする。
五線支持部43に調号カード44をセットする方式は、例えば五線支持部43の裏に調号カード44を挟むためのクリップを設置することで実現できる。そのほか、調号カード44にあらかじめ穴を開けその穴を五線支持部43の背面のボルトに差し込むといった方式なども考えられる。また、五線支持部43の裏に磁石を仕込み、一方の調号カード44の五線支持部43に接触する部分に鉄のシートや磁性体のテープなどを設置しておくことでも調号カード44の設置が実現できる。いずれの方式においても、調号カード44はすべての調号について用意され、それらから1つを選択して簡単に付け替えられるようになっていることが望ましい。
音部記号42は、素材は限定されないが、例えば、針金や樹脂成形素材などで音部記号
の形を成形したものを五線支持部43に設置する。設置方法は五線支持部43の手前側に穴を、音部記号42の裏側に突起をそれぞれ設定しておき、音部記号42の突起を支持部43の穴にはめ込む方式が簡便であり好ましい。あるいは、五線支持部43側に突起を設け、音部記号42側にその突起をはめ込むための小さな筒を設置する方式も考えられる。そのほか、五線支持部43の手前側に磁石を仕込み、一方の音部記号42を磁石に吸着する素材にする方式もよい。なお、音部記号42は図4で示されているト音記号だけでなく、ヘ音記号やアルト記号、テノール記号を付け替えられるようになっていることが望ましい。
五線譜のそれぞれの線45は、延長され下方向に折り曲げられ、鍵盤楽器の鍵盤を模した鍵盤部41の、五線の各線に対応する位置の鍵に接続される。五線譜のそれぞれの線45が鍵盤部41に接続されることによって、該五線譜を鍵盤に対して垂直方向に立たせることができる。これはピアノなどの鍵盤楽器を演奏する奏者の鍵盤楽器と楽譜と奏者の位置関係と同じ配置となっており、五線譜と鍵盤とのジオメトリ的な結びつきを効果的に学習することにつながる。
五線譜のそれぞれの線45と鍵盤部41との接続方法は、ここでは一例として、鍵盤部41のそれぞれの鍵の奥側に近いところに接続用の穴47を設置し、五線譜の各線45を対応する音高の鍵に差し込むという方式で行う。あるいは、各線45の終端に吸盤を設け、これを対応する各鍵に吸着させてもよい。五線譜のそれぞれの線45は、折り曲げる度合いを調整でき、また鍵盤部に接続することで五線支持部43や音部記号42、調号カード44を支える強度を持つ素材を使う。針金や弾性を有する樹脂成形素材などの柔軟性を有する材料が適しているが、これらに限定されるものではない。なお、鍵盤部への接続方式も、ほかの方式でも実現可能であり、上記の方式に限定されるものではない。例えば、鍵盤部の個々の鍵に穴47の代わりに突起部を付け、一方、五線譜の線45の先端に該突起部を差し込む穴を設定する方式でもよい。この場合、五線譜の線45自体を細いパイプ材で構成してもよい。
鍵盤部41は鍵盤楽器の白鍵と黒鍵を模した形状で構成され、上記の方式によって五線譜を表示する部分を支える役目をするために、ある程度の重量を持つ必要がある。素材としては木材や合成樹脂や固形化した粘土などが望ましいが、これらに限定されるものではない。
図4では、鍵盤部41には五線譜の「間」の音に対応する鍵盤位置を示すための間マーク46も設置されている。ここでは、五線譜の線45と同じ素材の細い棒状の部材に白い球体を付けた間マーク46を、鍵盤部41の各鍵の奥側の設置穴47に着脱する方式を図示している。間マーク46は音部記号42と調号カード44に示された調に応じて、差し変えて使用される。
〔使用方法〕
本形態での使用方法は、まず五線支持部43に所望の音部記号42を設置する。音部記号42は、ト音記号、ヘ音記号、テノール記号、アルト記号などから選択する。次に所望の調の調号カード44を五線支持部43に設置する。
音部と調号がセットされると、五線譜の「線」と「間」の音高が決まるので、五線譜の各線45の終端を鍵盤部41の対応する鍵の設置穴47に差し込み、同様に「間」の音に対応する鍵に間マーク46を設置穴47に差し込む。それぞれの「線」や「間」の音の対応位置は、別途、対応を示す解説書などを用意することで、使用者はそれに従って、間違いなく、目的の音部と調号における五線譜上の音の位置と鍵盤の鍵の位置を合わせることが可能となる。例えば、先の実施例2のようなカードを付属させてもよい。
教師が指導用に用いる場合には、教師が設定した音部記号と調号を課題として生徒に与
え、生徒がその音部と調号によって、正しく五線譜の各線45と間マーク46を鍵盤部にセットできるかどうかを試す訓練も行える。逆に、教師が先に線の音と間の音を鍵盤に設定した状態で、ふさわしい音部記号や調号を生徒に選ばせるという訓練も行える。
五線譜表示部が正しく鍵盤部にセットされている状態では、前記の実施形態1や実施例2と同様に、五線譜のどれかの線45に注目し、そのまま線45に沿って視線を移動させて鍵盤部41の対応する鍵の位置を確認する訓練が行える。「間」の場合は、「線」の間の空間をたどることで鍵盤部41の対応する間マーク46が示す鍵を探し当てることができる。こうした訓練を積み重ねることで、実際の鍵盤楽器を演奏するとき、そこに本実施形態のような鍵盤上に立体的に浮かび上がった五線譜のイメージを想起できるようになる。これは実際の演奏用の楽譜を図式的に読み取る能力を効率的に養う訓練となる。
〔実施例3の変形例〕
鍵盤部41について、単なる鍵盤の模型ではなく、電子楽器として機能するように拡張することも考えられる。例えば、各鍵盤上部にタッチセンサーやマイクロスイッチなどを埋込み、別途、楽音発生装置を組み込むことで容易に実現できる。そのとき、ここでの例では鍵盤の奥側の穴47によって五線譜の各線45との結合を行っているが、穴47の位置は鍵盤上に限られるものではない。また、鍵盤部との結合方法も鍵盤部に穴を設ける方式に限られるものではない。例えば既存の電子キーボードにそのまま本発明を組み込む方式の一例として、電子キーボードにおいて、鍵盤の奥側の本体部分に各鍵の位置に対応した位置に穴や筒状の突起部を設けることによって、そこに五線譜の各線45の終端や間マーク46を設定することができる。
ここでの実施例3は、表示装置としての汎用性を高めるため、音部と調号を所望のものに付け替えることが可能であることを念頭においた実施形態である。特定の音部と特定の調号に固定された表示装置であっても本発明の本質を具体化した形態であることは言うまでもない。音部と調号、またはそれらのどちらかを固定した形態である場合、音部や調号は着脱可能なものである必要はない。例えば、ト音記号の音部のホ長調の調号(シャープが4個)の表示に固定した装置の場合、五線譜の部分に直接、ト音記号の形の部品とシャープを4個を接着した形態でよい。カードで表示する場合はト音記号とホ長調の調号の両方を印刷したカードが五線譜の線の背後に接着されていればよい。さらに音部と調号の両方を固定する場合、五線譜と鍵盤との関係も固定されるので、五線譜の線45が鍵盤部41に固定されたものでよく、五線譜の線45の素材も弾力性や可塑性がない素材でかまわない。
図5(A)は、本発明の実施例4のパネル51である。基本的な構成要素は前述の実施例1の鍵盤楽器の鍵盤の奥側に設置するパネルと同じである。本実施例4の特徴は、パネル上の五線譜の線などを立体的かつ可動な部材によって構成することで、複数の音部記号や調号に対応可能にしたことにある。
パネル51の設置方法は、実施例1と同様に鍵盤楽器の鍵盤の奥側とその背面との間の隙間に差し込むことで自立させる方式である。ただし、表示内容が立体構成物となるため、手前に倒れないように背面に任意の固定具を基盤の背面に設置してもよい。また、パネル51の手前側の底部近くに支えとなる脚を追加する方法なども簡便で好ましい。
鍵盤楽器に設置する位置は、該パネル51上に表示されている本体設置マーク512を特定の鍵盤位置に合わせることで正しい設置位置にセットできる。ただし、パネル51の五線譜に設定される後述の音部記号561によって、本体設置マーク512を合わせる鍵盤の位置は変わってくる。例えば、図5の例での本体設置マーク512は、音部表示カード561の音部記号がト音記号のときに、鍵盤楽器の鍵盤の中央C(ピアノの場合、鍵盤
の並びの中央あたりにあるCの鍵)より1オクターブ下のCの鍵に合わせるように表示されている。この場合、五線譜に設定する音部記号と本体設置マーク512が対応する鍵との関係は以下のようになる。
(1)音部がト音記号 …鍵盤の中央Cより1オクターブ下のC(ハ) (2)音部がヘ音記号 …鍵盤の中央Cより3オクターブ下のCより短3度高いE♭(変ホ)
(3)音部がアルト記号 …鍵盤の中央Cより2オクターブ下のCより短1度高いD♭(変ニ)
(4)音部がテノール記号…鍵盤の中央Cより2オクターブ下のCより長2度低いB♭(変ロ)
なお、ここでの本体設置マーク(512)の位置は一例であり、上記に限定されるものではない。
パネル51上には、五線譜の音部を示す音部表示カード561、調号を示す調号表示カード562、および五線譜上の音符位置を示す音符表示カード563を表示する。本実施例においては、これらの表示用のカードはカード設置部56によって保持される。これらの表示カードをカード設置部56に保持させる方式は特に限定されず、例えば図5においては、カード設置部56に低粘着性のテープを表面に設定する方式などを想定している。そのほかカード設置部56に各カードを差し込むスリットを設け、そこにそれぞれのカードを差し込む方式なども好ましい。また、カード設置部に磁石を埋め込み、それぞれのカードに磁石に吸着される素材を用いてもよい。いずれの方式にしても、それぞれの表示カードは容易に付け替えられるようになっていることが基本となる。
本実施例においては、五線譜の「線」を表す棒材53と五線譜の「間」を表す棒材52を交互に並べることで五線譜を立体的に構成する。それぞれの棒材(53と52)は、垂直下方向に折れ曲がる曲線に延長され、その終点が鍵盤楽器の対応する音高の鍵の奥側を示す位置に設置される。
これらの棒材(53と52)は、パネル51に設置された先端側支持部551と各棒材ごとの中間支持部552で支えられる。
先端側支持部551は、五線譜を構成する「線」の棒材と「間」の棒材の先端側を支える支持部であり、これらの棒材(53と52)の数だけ穴が開けられており、そこに各棒材(53と52)が差し込まれた形となる。
中間支持部552は、各棒材(53と52)ごとに、それぞれの棒材が垂直下方向に折れ曲がる手前あたりの後述する位置に設置する。中間支持部552にも穴が開けられており、そこに棒材(53と52)を通すことで、それぞれの棒材(53と52)を水平に支えるとともに、左右への棒材の移動を可能にする。
なお、中間支持部552が棒材(53と52)を支える方式としてここで挙げた例は、方式の一例であって、各棒材が水平に支持され、かつ左右に移動できるように支えられれば方式は限定されない。例えば、穴に通す代わりにフックで下から支える方式や、棒材(53と52)に対してレールとして機能する支持部を設ける方式でもよい。
後述するように、五線譜を構成するこれらの棒材(53と52)を左右に移動させることによって、複数の音部やすべての調の五線譜の「線」と「間」を鍵盤楽器の鍵の位置に対応させることが可能となる。
なお、それぞれの棒材(53と52)ごとに設置される中間支持部552は、それぞれの棒材が垂直下方向に折れ曲がる手前あたりに設置されることにより、前述の実施例1の図2における「線」や「間」の視線移動補助マーク(271と281)としての役割も果たす。
ここでの例では、五線譜を構成する「線」の棒材53と「間」の棒材52は、両者を色によって視覚的に区別をつけることが好ましい。例えば、背景となるパネル51を白色に近い色にした場合、「線」の棒材53の色は、パネル51とは対照的に黒色のような濃い色にし、「間」の棒材52は、背景のパネル51の色と同色もしくは近い色とすることが、通常の五線譜の表示の仕方と同様になるので好ましい。もちろん、「線」と「間」で視覚的に区別がつきやすい色の組み合わせであれば、別の色であってもよい。
「線」の棒材53と「間」の棒材52の、先端側支持部551よりも左側(外側)の先端には、先端側支持部551の棒材を通すための前述の穴よりも大きな球状の部材を接着し、それらを設定位置指示ボール(531と521)とする。そのとき、「線」の設定位置指示ボール531は「線」の棒材53と、「間」の設定位置指示ボール
521は「間」の棒材52と、それぞれ同じ色にするのが好ましい。設定位置指示ボール(531と521)は、先端側支持部551からの棒材(53と52)の脱落を防ぐとともに、それぞれの棒材(53と52)を左右に移動する際の「ツマミ」としての役割を持つ。なお、設定位置指示ボール(531と521)を設定する位置は、後述の棒材位置設定シート57を使って決定する。
「線」の棒材53と「間」の棒材52の鍵盤楽器に近い側の終端にも、各棒材と同じ色によって着色された球状の部材をそれぞれの棒材に接着し、終端ボール(532と522)とする。終端ボール(532と522)は実施例1の図2における終端マーク(272と282)に相当し、鍵盤位置の指示が認識しやすくするとともに、棒材(53と52)を左右に移動するときの取っ手としても機能する。
〔棒材各部の長さ〕
それぞれの棒材(53と52)の形態を決めるための各部の長さの説明のために、図5(A)とともに、図5(A)から棒材(53と52)と、設定位置指示ボール(531と521)と、終端ボール(532と522)と、先端側支持部551と、中間支持部552を抜粋した図5(B)を参照しながら説明する。
図5(B)においては、それぞれの棒材(53と52)について、設定位置指示ボール(531と521)が接続されている部分から先端側支持部551の左側面までの長さをP、先端側支持部551の右側面から中間支持部552の左側面までの長さをQ、中間支持部552の右側面から垂直下方向に折れ曲がる位置(終端ボールの水平方向の位置)までの長さをR、そして、折れ曲がった位置から終端ボール(532と522)までの垂直方向の長さをSとし、それぞれの長さの算出法の一例について説明していく。
まず、棒材(53と52)の設定位置指示ボール(531と521)が接続されている部分から先端側支持部551の左側面までの長さPは、設定位置指示ボール(531と521)が、鍵盤59の奥側の半音の幅の5個分にあたる距離を可動させるに十分な長さであればよい。半音5個分というのは、設定位置指示ボール(531と521)を棒材設定位置指示シート57の基準位置(後述の図6のト音記号での黒い丸印65と白い丸印64)に合わせた状態から、左右それぞれに半音の幅2個分の可動領域が必要だからである。
棒材(53と52)の、先端側支持部551の右側面から中間支持部552の左側面までの長さQは、まず、カード設置部56の幅、つまり音部表示カード561、調号表示カード562、そして音符表示カード563を並べて表示する領域より大きいことが前提条件となる。そして、それぞれの棒材(53と52)の設定位置指示ボール(531と521)から終端ボール(532と522)までの水平方向の全体長である、「設定位置指示ボール(531と521)の幅+P+先端側支持部551の幅+Q+中間支持部552の幅+R」を決めることでQの実際の長さが得られる。
前記水平方向の全体長は、本体設置マーク512の位置と、設定位置指示ボール(531と521)の基準の位置(後述の図6のト音記号での黒い丸印65と白い丸印64)、カード設置部56の幅(つまり、音部カード561、調号カード562、音符カード563を並べて設置する幅)、およびパネル51を設置する鍵盤楽器59の鍵盤の奥側の半音の幅によって決まる。
例えば、五線譜を構成する「線」の棒材53と「間」の棒材52のうち、図5(B)で棒材Xとして示されている、最下段に設置される「間」の棒材52は、水平方向および垂直方向のどちらも最も短い棒材となる。棒材Xの水平方向の全体長は、本体設置マーク512を鍵盤楽器59の正しい設定位置(中央Cの1オクターブ下のC)に合わせた状態で、棒材Xの設定位置指示ボール 521を棒材設定位置指示シート57の基準位置(図6のト音記号での白い丸印64)に置いたときに、棒材Xが五線譜で表している音高(音名D)に対応する鍵盤楽器59の鍵の位置(中央Cより1度高いD)に、棒材Xの終端ボール522が位置する長さとなる。
最下段以外の棒材(53と52)については、順次、五線譜上での棒材(53と52)の音高が上がる分だけ、終端ボール(532と522)が示す鍵盤59上の位置は右方向に伸びることになる。
そして、中間支持部552の右側面から垂直下方向に折れ曲がる変曲点までの長さRは、鍵盤59の奥側の均等な鍵の幅(半音)の2個分の距離よりも大きくなるという条件で適当な長さに決めればよい。ただし、ここでの半音2個分というのは、設定位置指示ボール(531と521)を棒材設定位置指示シート57の基準位置(図6のト音記号での黒い丸印65と白い丸印64)に置いている場合である。
以上から、それぞれの棒材(53と52)に付けられる中間支持部552の設定位置が決められ、長さQの長さも決められる。
なお、ここでの例では、それぞれの棒材(53と52)の湾曲の仕方は、直角に近い湾曲としているが、なだらかな曲線によって水平方向から垂直方向に変化するものであってもよく、その場合は長さRが大きくなる。
棒材(53と52)が垂直下方向に折れ曲がる変曲点から終端ボールまでの垂直方向の長さSは、それぞれの棒材(53および52)の終端ボール(532と522)が同じ高さに水平に配列される長さにする。それぞれの棒材(532と522)は垂直方向に均等な幅で五線譜の線と間を構成しているので、その幅だけ順次差がついた長さとなる。
以上の棒材(53と52)の各部の長さについて、機能的な面からも説明しておくと、すべての棒材(53と52)は、設定位置指示ボール(531と521)を基準の位置(ト音記号でハ長調)に揃えたところから、鍵盤59の奥側の半音の幅の2個分の距離だけ左右に移動できるようになっていることが好ましい。この可動性によって、本実施例の実施形態が複数の音部記号におけるすべての調号に対応できるようになるからである。そして設定位置指示ボール(531と521)の設定に必要な装置が、次に述べる棒材位置設定シート57である。
パネル51上には、音部記号ごとに用意された棒材位置設定シート57を、パネル51上の下向き三角形のマーク511に合わせて設置する。図5(A)では、音部記号がト音記号のときの棒材(53と52)の設定位置を示す棒材位置設定シート57を、パネル51に設置している。その設置方法は特に限定されないが、容易に付け替えられる方式が好ましい。例えば、低粘着性のテープをパネル51上、または棒材位置設定シート57の裏面に付ける方法が考えられる。ほかに棒材位置設定シート57の裏面に磁力を帯びたテープを貼り付け、パネル51側には薄い鉄のテープを設置しておくといった方法も付け替えの手間がいらず望ましい。
棒材位置設定シート57は、音部表示カード561に表示される音部ごとに対応したものが用意される。具体的な表示内容を図6に示す。この図6では、音部としてト音記号、ヘ音記号、アルト記号、テノール記号に対応したそれぞれの棒材位置設定シート57を示しており、それぞれの音部は棒材位置設定シート57の左上の音部記号62で示されている。棒材位置設定シート57には、パネル51上に表示される下向きの三角形の形状のマーク511に合わせて設置するための、上向きの三角形の形状の設定位置マーク63と、基準となるハ長調における設定位置指示ボール(531と521)の設定位置を示す、黒い丸印65と白い丸印64が表示されている。ここでの色の使い分けは「線」の音を黒色またはそれに近い色、「間」の音を白色またはそれに近い色という設定にならったものである。
また、これらの丸印(65と64)の左右には、調号表示カード562によって指定された調号に従って棒材を左右にスライドする位置を示す♭記号66と♯記号67が表示される。音部によって基準となるハ長調での位置、つまり丸印(65と64)の位置が違ってくるため、設定位置指示ボール(531と521)の可動範囲としては、半音5個分の範囲が必要となる。
以下に、本実施例4の実施形態を鍵盤楽器に設置するときの手順の例を示す。
1.使用したい音部を決め、目的の音部表示カード561と棒材設定位置シート57をセットする。
2.本体設置マーク512を上記でセットした音部にしたがって鍵盤楽器59上の適切な位置に合わせてパネル51を設置する。
3.使用したい調号表示カード562をセットする
4.各棒材(53と52)の位置を調号表示カード562の調号の♭や♯に一致するように、棒材設定位置シート57で示された♭記号66と♯記号67が示す音高に、該当する棒材の位置設定ボール(531と521)を合わせる。
以上の作業によって、各棒材の鍵盤楽器側の終端が正しく五線譜の線の音と間の音に対応する位置にセットされる。一度、本パネル51をセットすると、音部記号を変更しない限りは、五線譜を構成する各棒材(53と52)を左右にスライドさせることで、すべての調に対応させることができる。
五線譜を構成する「線」の棒材53と「間」の棒材52は、下部のものからダイアトニック音階の並びになるので、棒材(53と52)の8個の並びごとに、1オクターブ離れた同じ音名となる。例えば、図5(B)で五線譜の一番下の「線」の下にある「間」の棒材52である棒材Xは、その7個上の棒材Y、つまり五線譜の上から2本目の「線」の棒材53と、1オクターブの関係にある。これらオクターブが違う棒材(53と52)どうしは、常に同時に左右にスライドできるようになっているほうが便利である。この目的のために、オクターブの関係にある棒材(53と52)どうしを連結するための、オクターブ連結シャフト54を付ける。図5(A)の実施例においては、「線」と「間」の棒材(53と52)の合計は11本なので、4組のオクターブ関係があり(11音−7音の引き算)、4本のオクターブ連結シャフト54を付けている。
オクターブ連結シャフト54は、図5(A)の実施例では終端ボール(532と522)の少し上あたりでオクターブが異なる2つの棒材どうしを連結している。オクターブ連結シャフト54は、視覚的には目立つ必要がないので、透明なアクリルのような素材で、他の棒材の動きを阻害しないように他の棒材をまたいでオクターブ関係にある棒材どうし(53と52)を連結している。なお、オクターブ連結シャフト54の設置位置は、図5(A)に示した位置に限らず、位置設定ボール(531と521)や先端側支持部551と中間支持部552の間の棒材部分や、終端ボール(532と522)などに設置してもよい。
音符表示カード563は、五線譜の線上や線間の位置に音符を表示するための表示装置であり、例えば、図5(A)の実施形態においては、一例として、薄いポリエステルなどの合成樹脂の透明な素材に印刷したカードで実現している。使用者は、音符表示カード563に示された音符の位置を、線の棒材53や間の棒材52をたどりながら、鍵盤59の該当位置との関係を把握する練習を行うことができる。音符表示カード563に表示される音符は任意のものであってよく、学習者のレベルに応じたカードセットが用意されていることが好ましい。図5においては、3個の音符が縦に並んだ和音を示しているが、音符は1個でもよい。また、音符表示カード563の幅を広く拡張し、いくつかの音符が並べてメロディーを表したものなども好ましい。さらに、ここでは音符表示カードを1つのみ設置するようにしているが、複数の音符表示カードを並べて設置できるように幅を拡張したものも考えられる。
図5(A)に示される音符指示棒58は、本実施例でのオプションで、音符表示カード563を設置する代わりに、教師が生徒に対して五線譜の任意の位置を指し示すためのものである。図5(A)では音符を表す球状の部位を先端に持つ形態を示しているが、生徒に音符をイメージさせるものであればなんでもよい。
〔実施例4の変形例〕
以上、図5(A)および図5(B)をもとに実施例4を説明してきたが、ここでの形態は「五線譜を構成する線と間を鍵盤ジオメトリに図式的(視覚的)に直接結びつける部材を可動とすることによって、複数の音部においてすべての調号に対応する」という発明の精神を具現化する場合の、最も拡張性の高い形態を示したものであり、それらの機能を限定することで目的に応じた利便性を増すことができる。例えば、音部記号をト音記号やヘ音記号に限定したものでも初心者へのピアノ教育の目的に十分に供することが可能である。
また、この実施例4では、実際の鍵盤楽器に設定する場合の形態で説明したが、実際の鍵盤楽器の替わりに、実施例3のような鍵盤の模型や、平面的な鍵盤図であってもよいし、電子鍵盤楽器と組み合わされた形態であってもよい。
本発明の出願時において、PC(パーソナルコンピュータ)などにおいて「画面に譜面および鍵盤図を表示し、この譜面上に音符を提示し、それに対応する該鍵盤図の鍵をユーザーが指定することで、正答率などを求める」といった音楽教育ゲームは、さまざまな形態で実現されている公知の技術であり、インターネット上のサイトにおいても無料で実行できるようなサイトもいくつか存在している。そうしたゲームに本発明を付加することは容易に考えられ、ゲームが持つ「自習に意欲を持たせ効率的に訓練を行う」という特性によって本発明の効用をより高めることになることが期待できる。本発明を音楽学習用プログラムに適用した場合の実施形態である実施例5を以下に示す。
〔機器の構成〕
以下、図面を参照して本発明の実施例5を説明する。図7は、本発明に係る楽譜表示装置の機能ブロックの一例を示す図である。本実施形態の楽譜表示装置は、中央演算装置であるCPU(Central Processing Unit)71、ROM(Read Only
Memory)やHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Sold State Drive)やメモリーカード(Flashメモリー)などの記憶装置72、RAM(Randam Access Memory)73、キーボードやマウスやタッチパネル(タッチスクリーン)などの入力部74、通信部75、LCDなどの表示部76、楽音を再生するための楽音再生部77、および外部の鍵盤楽器を接続するための鍵盤楽器インターフェイス78を備える。
こうした構成の機器は、本発明の発明時においては、PC、電子ブックリーダー、携帯電話、PDA、ゲーム機などなどがあり、それらすべてにおいて本実施形態を適用することが可能である。
CPU71は、記憶装置72に予め記憶された制御プログラム72aを作業領域であるRAM73に読み込んで実行することで、各部の動作を制御し、本発明に係わる音楽学習プログラムを実現する。
記憶装置72には、表示部76に学習のために表示する音符データ72bも記憶されている。このデータはメモリーカードなどの取り外し可能な記憶媒体で供給されたり、通信部75bからネットワーク上のサーバーから供給される。音楽学習プログラム実行時には、ユーザーによって、RAM73に指定されたデータのファイルが読み込まれ使用される。
入力部74は、キーボードのキー入力やマウスの操作、また、表示部76がタッチパネル(タッチスクリーンとも呼ばれる)となっている場合、パネル上での入力用ペンや指によるタッチ操作をCPU71に伝える。これにより、制御プログラム72aの起動と終了、そして該プログラム起動中のユーザーによるさまざまな操作が行われる。
楽音再生部77は、学習プログラムの学習効果を高めるために、必要に応じて設けられる。
鍵盤楽器接続インターフェイス78も、より実践的な学習を行うために、必要に応じて外部の鍵盤楽器の接続用として設けられる。鍵盤楽器との情報の通信の方法としては、すでにMIDIという一般的な規格があるので、MIDI入力ポートもしくはUSBポートを設置し、そこにMIDIキーボードを接続しMIDIデータをやり取りすることで実現される。
〔初期表示動作〕
図8は、制御プログラム72aが実行された状態での、表示部76に表示される表示画面の一例である。このうち初期表示画面として表示される要素は、基本的に五線譜表示部81、鍵盤指示部82、鍵盤表示部83、および操作パネル部84である。
以下の説明において、表示部76上に表示される画面上の操作子や特定のオブジェクトに指示を与える操作を、マウスでクリックする操作として説明していくが、表示部76と入力部74が一体となったタッチパネルの場合には、タッチパネル上をタッチする操作として読み換えることができる。
五線譜表示部81には、五線譜の基本の5本の平行線のグループ811および下部の加線位置を表す平行線のグループ812、上部の加線位置を表す平行線のグループ813、音部記号814、調号815で構成される五線譜と、その五線譜上に音符を表示する音符表示領域816がそれぞれ表示される。
ここで、加線位置を表す線(812と813)は、五線譜の基本の5本の線とは視覚的に異なる表示にするのが望ましく、図8(A)においては基本の5本の線811を黒色、加線位置を表す線(812と813)を灰色としている。また、加線位置を表す線の本数は必要に応じて表示本数を変更できれば汎用性が高まるが、ここでは、基本の5本の線に対して、上部に5本、下部に5本の加線を表示しているが、この本数に限られるものではない。以後、五線譜に表示される3つの平行線のグループ811〜813を総称する場合、五線のグループと呼ぶ。
なお、ここでは音部記号が1個だけ、つまり1つの五線譜だけの例を示すが、ト音記号とへ音記号の2つの音部で構成される大譜表を表示してもよい。
音部記号814と調号815は、パソコンのキーボード操作あるいはマウス操作などによって、任意のものに変更できるようにする。例えば、表示されている音部記号814をマウスでクリックすると、ト音記号、ヘ音記号、アルト記号、テノール記号のリストが表示され、そこから選択できるようにする。調号815も同様にマウスのクリックによって「♯も♭もなし、♯が1個、♯が2個、♯が3個、♯が4個、♯が5個、♯が6個、♯が7個、♭が1個、♭が2個、♭が3個、♭が4個、♭が5個、♭が6個、♭が7個」の調号のリストから選択できるようにする。調号の選択方法については、ほかに、パソコンのキーボードの矢印キー(方向キー)やマウス操作によって調を循環して選択する方法なども考えられる。また、調号815をクリックすることで、調を環状に配置した五度圏の図(Circle of 5ths diagram)を調名とともにダイアログに表示し、そこで選択させる方式にしてもよい。五度圏の図を用いることは、音楽理論の基本の理解にもつながるので望ましい。
ユーザーが音部記号814を切り替えた場合、CPU71は制御プログラム72aに基づいて、調号815の調号記号である♯(シャープ)や♭(フラット)の表示位置を正しく変更するとともに、後述するように鍵盤図831も音部記号に対応した音高での表示に変更する。また、ユーザーが音部記号814や調号815を変更した場合は、CPU71は制御プログラム72aに基づいて、音部と調号にしたがって五線譜の「線」と「間」のそれぞれの音が鍵盤部83のそれぞれの鍵に対応するように鍵盤指示部82の表示を自動的に変更する。
鍵盤指示部82には、五線譜のそれぞれの「線」が鍵盤部83のどの鍵に対応しているかを示すための五線譜−鍵盤対応曲線821が、五線譜のそれぞれの「線」を延長した曲線として表示される。
五線譜−鍵盤対応曲線821の変曲点付近には五線譜から鍵盤への視線移動を楽に行うための視線移動補助マーク822が表示され、また終端の位置を見やすくするために終端マーク823が終端に表示される。視線移動補助マーク822と終端マーク823の形状は、図8(A)においてはそれぞれ黒色の丸型マークを使用しているが、視覚的に強調する目的に合致するものであればどんな形状のものでもかまわない。
鍵盤指示部82で表示される五線譜−鍵盤対応曲線821の数は、任意であってよいが、ここでの実施例においては五線譜の基本の5本の線のグループ811、五線の下部の加線グループ812、五線譜の上部の加線グループ813の3つのグループごとに表示を切り替えるようにしている。図8は基本の5本の線のグループ811に対する五線譜−鍵盤対応曲線821の表示例である。
五線譜−鍵盤対応曲線821を表示する線のグループを切り替える一方式としては、例えば、それぞれの線のグループの左に表示されている五線グループ切り替えボタン817をマウスでクリックする方式が考えられる。なお、五線譜の上下の加線の数を5本ずつとしたのは、ピアノの場合、加線が5本程度までの音符を読み取る能力が身に付いていれば多くの楽曲の楽譜を読みこなすことができるからである。
加線グループ(812と813)に対応する五線譜−鍵盤対応曲線821は、五線譜表示部81と同様に、五線譜の基本の5本の線のグループ811の線の表示と容易に識別できる様態にすることが望ましい。図8(B)は五線譜の下部の加線グループ812に対応した五線譜−鍵盤対応曲線821および視線移動補助マーク822と終端マーク823を表示した例であり、五線譜表示部81の加線位置を表す線(812と813)の表示と同じく灰色に設定されている。なお、図8(B)は、音部記号もヘ音記号に切り替えた状態を示している。
鍵盤指示部82のもうひとつの重要な要素は、五線譜表示部81のそれぞれの「間」が鍵盤表示部83のどの鍵に対応しているかを示すための間マーク824である。間マーク824は、表示されている五線譜−鍵盤対応曲線821に隣接した「間」の音の鍵盤上での位置を示すために、前述の「線」の音の位置を示す終端マーク823と同じ列に表示される。つまり、終端マーク823と間マーク824は、鍵盤表示部83の鍵盤図の上部に五線譜が表すダイアトニック音階の配列として並ぶこととなる。
加線グループ(812と813)に対応する五線譜−鍵盤対応曲線821を表示したときの間マーク824は、五線譜表示部81の加線位置を表す線(812と813)の表示と同じく加線領域の音であることが識別できる様態であることが望ましく、図8(B)では、線の態様と同様の灰色で表示している。
鍵盤表示部83は、鍵盤楽器の鍵盤部の模式図である鍵盤図831と、音名Cの鍵の下部に配置されるオクターブ位置付の音名表示832で構成される。オクターブ位置の情報を付加した音名の表記方法は国によって異なっており、特定の表記法に限定されるものではない。図8(A)においては音名とオクターブ位置を表す数字をセットにした表記法で、C4を中央C(middle C)とする表記規則に従った例を示している。ユーザーが音部記号814を切り替えた場合や、五線グループ切り替えボタン817によって表示する「線」のグループを切り替えた場合、CPU71は、制御プログラム72aに基づいて、すべての五線譜−鍵盤対応曲線821が見やすい位置に表示されるように、鍵盤図831の音高を左右にずらして表示する。例えば、図8(B)では、音部記号がヘ音記号に、表示する「線」のグループが五線譜の下部の加線位置を表す線のグループに切り替えられた状態である。このとき鍵盤図831は、オクターブ位置付の音名表示832を変更することで、すべての五線譜−鍵盤対応曲線821が表示される低音の音域の鍵盤図が表示される。
〔初期表示の変形例〕
初期表示状態のまま、ユーザーに五線譜上の音高と鍵盤の鍵位置の対応をインタラクティブに示すため、次のような機能を付加することができる。
五線譜表示部81において五線グループ選択ボタン817で選択されている線のグループの「線」および「間」が、マウスでクリックされた場合、クリックされた場所とそれが示す音高に対応する鍵盤表示部83の鍵盤の鍵の対応を示す曲線が五線や加線とは別の態様(例えば、赤色)で一定時間表示される。その際、
(a)クリックされたのが線の場合、その線とそれが連続する五線譜−鍵盤対応曲線821と一致する曲線が、一定時間表示される。
(b)クリックされたのが間の場合、その間とそれに対応する間マーク824までの経路が、五線譜−鍵盤対応曲線821の各線に並行する曲線として、一定時間表示される。
また、鍵盤表示部83の鍵盤をクリックした場合に、その音高に対応する五線譜上の線や間の態様を上記a、bのように変化させる機能を付加することもできる。
そのとき、鍵盤楽器接続インターフェイス78に、外部のMIDIキーボードが接続されている場合、該MIDIキーボードの鍵盤で押された鍵の音高に対応する五線譜上の線や間の態様を上記a、bのように変化させる機能を付加することもできる。
さらに、これらの変形例において、五線譜の線や間や鍵盤をマウスでのクリックする操作に伴い、クリックされた線や間や鍵が示す音高を実際の音として鳴らす機能を付け加えることもできる。その場合、ハードウェア構成において楽音再生部77が内蔵または接続されている必要がある。
〔学習モードと学習用プログラム〕
音符表示領域816は、学習用に出題される音符を表示する領域であり、図8(A)では、五線譜の基本の5本の下から1番目と2番目の線の「間」に1個の音符が表示されている状態を示している。また、図8(B)では基本の5本の線の下部の2番目の加線の下の「間」に1個の音符が表示されている。基本的に、学習者は出題された該音符を見て、鍵盤図831の対応する鍵を探し当てる訓練を繰り返す。出題される音符は、図7の制御プログラム72aに含まれる学習用プログラムのルーチンに基づいて表示される。
図8(A)に示すように、表示部76の表示画面の上部余白領域には、学習用プログラムの設定用に操作パネル84が設けられており、例えば「Preferences」と表示されるメニュー844をマウスでクリックすると、学習用プログラムの動作について、次のような設定が行える。
(1)難易度
(2)学習ポイント
(3)音域と調
上記のうち、難易度は、後で説明する出題音符の表示時間の設定や、一度に表示される音符の数の設定、また、♯や♭やナチュラルなどの臨時記号付きの音符を出題するかどうかの設定である。次の学習のポイントの選択は、例えば線の音に重点を置いたり、間の音に重点を置いたり、加線部の音に重点を置いたりといった出題傾向の選択となる。最後の音域と調の設定は、現在の表示状態の音部と調号、および五線のグループ(811〜813)のそれぞれについて、「固定する/しない」を選択できる。つまり、特定の調号に固定した出題や、特定の音部と調号に固定した出題など、音域と調を絞った学習を行うための設定である。
出題音符の生成については、基本的には音符をランダムに発生させ、それに選択された学習ポイントに応じてフィルター(ふるいわけ)を掛ける方式によって実現できる。ほかに、ある学習意図をもって構成されたカリキュラムに基づいた音符シーケンスや特定の曲の音符を出現順に並べた音符シーケンスを読み込むこともできる。これらの音符データ72bは、記憶装置72に接続されるCD−ROMやメモリーカードから読み出したり、あるいは通信部75を通してインターネットから配信されるデータを記憶部72のHDDやSSDのファイルとして保存したものを読み出したりする方式が望ましい。例えば、操作パネル部84の「File」と表示されるメニュー841をマウスでクリックすることで、コンピューターによって生成されるランダムな出題か、保存されている出題ファイルからの出題かを選択できるようにする。
以下、学習用プログラムの動作例として学習モード1と学習モード2の2つの例を示す。学習モードの切り替えは、図8(A)に示される操作パネル表示部84の学習モードメニュー842で行う。ここには現在の学習モード番号が表示されており、ここをマウスでクリックすることで学習モードを切り替えることができる。例えば該学習モードメニュー842が「Mode1」となっている状態で、学習開始/停止メニュー843をマウスでクリックすると、学習モード1のプログラムの開始と停止の操作ができる。
〔学習モード1〕
学習モード1は、音符出題に対して学習者の回答を必要としないモードであり、学習モードメニュー842が「Mode1」の状態で、学習開始/停止(Start/Stop)メニュー843がマウスでクリックされると開始される。図9は、学習モード1のフローチャートである。
まず、所定の音符シーケンスを出題音符にする設定になっている場合は、記憶装置72の出題用の音符データ72bが、RAM73に読み込まれる。ランダムな音符を前述の学習ポイントにしたがって出題する場合は、出題音符数のみがセットされる(ステップS11)。
続いて音符の出題が開始される(ステップS12)。このとき、操作パネル部84の出題数表示845に出題済みの数と全出題数が表示される。
学習モード1では、学習者に回答の必要はなく、学習者は、出題音符が音符表示領域816にt11秒表示される間に、該出題音符の音高が鍵盤図831のどの鍵に対応しているかを、鍵盤指示部82の曲線や間マーク824を目で追いながら特定する訓練を行う。
音符出題の表示がt11秒後に終了すると、次の正解表示(ステップS13)に移る。ここでは、出題された音符と、それが示す音高に対応する鍵盤を結ぶ経路を次のように表示する。
(a’)出題された音符が線の音の場合、その線とそれが連続する五線譜−鍵盤対応曲線821上を通る経路が曲線として、一定時間(t12秒間)表示される。
(b’)出題された音符が間の音の場合、その間とそれに対応する間マーク824までの経路が、五線譜−鍵盤対応曲線821の各線と並行する曲線として、一定時間(t12秒間)表示される。
上記a’、b’は前述の初期表示の変形例で示したa、bの挙動と同様であるが、出題音符とその音高に対応する鍵盤位置を結ぶ曲線の経路の態様は、五線譜の線(811や812や813)及び、五線譜−鍵盤対応曲線821の表示態様とは視覚的に差異が付けられるとともに、初期表示の変形例での表示態様とも区別されるのが望ましい。例えば、該経路が青色で点滅したり、また、音符から徐々に該経路が青色で伸びていくようなアニメーション効果を伴う表示にする。なお、ここでの青色は前述の初期表示の変形例で示した赤色とは区別する色の一例である。
上記の時間t11とt12は、前述したように「Preferences」という設定メニュー844で、学習の難易度のパラメーターとして、比較的長時間から比較的短時間までを、学習を開始する前に設定することができる。
次のステップS12では、前記正解音符の表示状態を終了し、ステップS11で決定する出題数の表示がすべて済んでいれば終了し、済んでいなければステップS12に戻って次の出題をするという分岐処理を行う。
なお、出題数を無限にする設定を設けておいてもよく、そうした場合には、学習開始/停止(Start/Stop)メニュー843をマウスでクリックするといった割り込み操作によって学習モード1を終了させればよい。
〔学習1モードの変形例〕
以上の学習モード1の動作は一例であり、以下のような機能をはじめとした、種々の変形を加えることができる。
出題音符が表示されているあいだ、前述した初期表示の変形例のように、学習者が鍵盤図831の鍵をマウスでクリックした場合や、外部に接続したMIDIキーボードの鍵を押した場合、その音高と五線譜上との経路の表示態様を変化させると、より積極的な学習が可能となるので望ましい。
また、出題音符の表示時および学習者の回答時に、該当の音を鳴らす機能を付加することもできる。表示された音符の音が鳴ることで音感の訓練にもなり望ましい。その場合、本実施形態を実施するハードウェア構成において楽音再生部77が内蔵または接続されている必要がある。
〔学習モード2〕
次に学習モード2を説明する。図10は、学習モード2のフローチャートである。
学習モード2への切り替えも、学習モードメニュー842をマウスでクリックする操作によって行う。学習モード2は、出題された音符の音高に対応する鍵盤図831上の鍵の位置を、ユーザーが制限時間内に回答し、その正答率などを表示するモードである。
学習モードメニュー842が「Mode1」となっている状態で、学習開始/停止(Start/Stop)メニュー843をマウスでクリックして、学習モード2を開始すると、まず、所定の音符シーケンスを出題音符にする設定になっている場合は、記憶装置72の出題用の音符データ72bが、RAM73に読み込まれる。ランダムな音符を前述の学習ポイントにしたがって出題する場合は、出題音符数のみがセットされる(ステップS201)。
続いて、音符データをすべて出題するまでループ処理を行う。このとき、操作パネル部84の出題数表示845に出題済みの数と全出題数が表示(更新)される(ステップS202)。
ステップS203は、出題がすべて行われたかどうかを判断し、すべての出題が終わっている場合は、ステップS213で、出題数、制限時間内正答数、正答ヒット率(正解ヒット数/全体ヒット数)などの結果情報を一定時間表示し、プログラムを終了する。なお、正解ヒット数はステップS210でカウントされるヒットカウントで、全体ヒット数は、ステップS210でのヒットカウントとステップS211でのミスカウントの合計である。
出題する音符が残っている場合は、音符を出題する。出題音符が音符表示領域816に表示され(ステップS204)、回答までの制限時間のタイマーがセットされる(S205)。
そして、制限時間が残っているかどうかを判断しながら(ステップS206)、学習者の回答の入力操作を待つ(ステップS208)。
制限時間のタイマーが0以下になると、ステップS207に移り、時間切れであることを示すメッセージが表示され、時間切れで不正答となった問題数がカウントされる。そして、出題音符とその音符が示す鍵盤図831での音高位置をつないだ経路を所定の時間だけ表示し、出題ループの先頭に戻る。なお、この正解の経路の表示は、前述の学習モード1のステップS13と同様のものである。
学習者の回答操作は、鍵盤図831の鍵をマウスでクリックするか、鍵盤楽器接続インターフェイス78を通じて外部に接続されたMIDIキーボードの鍵を押すことによって音高を指定する操作となる。制限時間内に学習者の回答入力があった場合は、学習者が指定した音高が出題音符の音高と一致するかどうか判断される(ステップS209)。
出題された音符と同じ音高を学習者が指定していれば、ステップS210により、学習モード1のステップS13と同様の正解の経路の表示が所定の時間で行われ、その後、正解された音符は正解で回答済みであることを示す態様での表示に変更される。また、正答ヒット数としてカウントされる(ヒットカウント)。
学習者の回答が出題された音符に一致しない場合、ステップS211により、学習者の不正解の音高で、音符表示領域813と鍵盤図831とを結ぶ経路が、不正解であることを示す態様で所定の時間、表示される。また、ミス数としてカウントされる(ミスカウント)。
出題音符は、1個の音符だけでなく2個以上の音符で構成される和音でもよく、いずれの場合も、ステップS212により、出題されたすべての音符について正解の音高が指定されるまでは、ステップS206に戻り、制限時間内での入力をチェックするループが繰り返される。出題音符がすべて正解になっている場合は、ステップS202に戻る。
なお、和音が出題された場合の回答方法は、鍵盤図831の鍵をマウスでクリックする場合は、和音のすべての音が順序を問わず回答されればよい。また、学習者が鍵盤楽器接続インターフェイス78に接続したMIDIキーボードで回答する場合、MIDIキーボードで和音を押すことで、一度に複数の音高を回答することもできる。
〔学習モード2の変形例〕
上記の学習モード2の動作は一例であり、以下に列挙するような機能をはじめとした、種々の変形を加えることができる。
出題音符の表示時および学習者の回答時に、該当の音を鳴らす機能を付加することもできる。表示された音符の音が鳴ることで音感の訓練にもなり望ましい。その場合、本実施形態を実施するハードウェア構成において楽音再生部77が内蔵または接続されている必要がある。
出題音符の表示について、1個の音符、または、2音以上の和音としたが、左から右に並ぶ複数の音符の並びでもよい。
出題音符の表示について、回答の制限時間を反映し、残り時間が少なくなるにつれて、表示が薄くなる表示動作を加えてもよい。
出題音符の表示について、音符表示領域816の右端位置に単音または和音の音符が表示されたあと、該音符表示領域の左端まで同じ音高のまま移動し、消滅するという動きのある表示にしてもよい。このときの動作スピードは、回答の制限時間で該音符表示領域の右端から左に移動するように設定されるとよい。これは学習のゲーム性を増す意味とともに、実際に譜面を読んでいくときに、視線の移動によって音符が視野を右から左に移動する動きを模したもので、初見演奏能力の養成の効果を高めことを意図したものである。
学習記録をファイルに保存する機能を加えることで、正答率が低い苦手な音域や調を見つけることができ、それによって出題傾向を変化させることができる。
回答の操作手段として、PCの通常の文字入力用のキーボードを用いることもできる。その際、鍵盤楽器の白鍵と黒鍵の位置関係に対応するように、文字入力用キーボードの文字を割り当てると入力しやすくなる。例えば、一般的なキー配列であるQWERTY方式でレイアウトされた文字入力用キーボードの、Z、S、X、D、C、Vの各キーを、鍵盤楽器の音名のC、C#、D、D#、E、Fの鍵に割り当てるような方式である。
本発明に係る鍵盤楽器の練習補助用の表示装置は、音楽教育の産業分野、及び鍵盤楽器製造、販売の産業分野において広く利用することができる。さらに本発明の表示装置は、基本的に、印刷可能な表面を持つさまざまなものに適用して音楽学習用の補助具の機能を持たせることができるので、音楽教育の産業分野にとどまらず、その他の産業分野においても広く利用することができる。
11.鍵盤
12.パネル
13.背面
14.白鍵
15.黒鍵
22.大譜表
23.五線譜
24.音部記号
27.線の音と鍵盤位置の対応を示す経路
282.間の音の位置を示す印

Claims (12)

  1. 五線譜に表示された音高と鍵盤の鍵との関係を表示する表示装置であって、
    五線譜の各線を、それぞれ互いに交わることなく湾曲もしくは屈曲する曲線に延長し、それぞれの曲線の終端を、各曲線が示す音程の差に比例した間隔で前記五線譜の線と略平行に一列に配列し、前記各終端が五線譜の各音高に対応する鍵位置を示す表示装置。
  2. 前記五線譜の各線が、基本の5本線及びその上下に付加される加線から任意に選択された線の群であり、基本の5本線と加線が表示態様に視覚的な区別が付けられたことを特徴とする、請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記五線譜の線間の各音の音高位置を示すマークを、当該線間の各音の音高と前記各曲線が示す音高との音程の差に比例した間隔で、前記曲線の終端の配列の間に配列し、前記マークが、前記線間の各音の音高に対応する鍵位置を示す、請求項1に記載の表示装置。
  4. 前記五線譜に音部記号と調号が付されていること、もしくは音部記号と調号が着脱可能に取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載の表示装置。
  5. 前記五線譜が線材、棒材又はパイプ材を用いて表示され、表示装置が当該五線譜の線材、棒材又はパイプ材を所定位置に保持する保持機能を備えている、請求項1に記載の表示装置。
  6. 五線譜の各線に対応する前記各線材、棒材又はパイプ材が、調号によって変化する音高に応じて五線譜の線と略平行にスライド移動可能に保持されていること、もしくは曲線の湾曲度が変化する柔軟性を備えていることを特徴とする、請求項5に記載の表示装置。
  7. 五線譜の各線に対応する各線材、棒材又はパイプ材の前記終端が、当該各線材、棒材又はパイプ材の音高に対応する鍵盤の鍵に着脱可能に取り付けられるよう構成されている、請求項5に記載の表示装置。
  8. 前記マークが、当該マークの音高に対応する鍵盤の鍵に着脱可能に取り付けられるよう構成されている、請求項3に記載の表示装置。
  9. 前記表示装置が電気的又は電子的なディスプレイ装置として形成され、前記五線譜と前記曲線とがディスプレイ上に表示される、請求項1に記載の表示装置。
  10. 前記ディスプレイ装置が、中央演算装置であるCPU(71)と、記憶装置(72)と、作業領域を確定するRAM(73)と、ユーザー所望の操作を入力する入力部(74)と、前記五線譜、曲線を含む情報を表示する表示部(76)とから構成され、前記記憶装置に記憶された制御プログラムを前記入力部からの入力に応じて前記CPUにより実行する、請求項9に記載の表示装置。
  11. 前記ディスプレイ装置が、ネットワーク情報を受信可能な通信部、楽音を再生するための楽音再生部(77)、外部の鍵盤楽器を接続するための鍵盤楽器インターフェイス(78)、のいずれか、もしくは全てをさらに備えている、請求項10に記載の表示装置。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか一に記載された表示装置を用い、五線譜と鍵盤と鍵との関係を、音名からではなく、鍵とのつながりの視覚的な認識から、五線譜と鍵盤の鍵との関係を理解させる、鍵盤楽器の教育方法。
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