JPWO2012032847A1 - 液体現像剤 - Google Patents

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Abstract

液体現像剤は、トナー粒子を含み、該トナー粒子は樹脂と顔料とを含み、該樹脂は、低級アルキル基を有し得るスチレン、アクリル酸低級アルキル、およびメタクリル酸低級アルキルからなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーである第1モノマーと、アクリル酸およびメタクリル酸からなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーである第2モノマーと、を構成モノマーとするビニル系共重合体樹脂を含み、該第2モノマーの比率が5〜25モル%であり、該顔料は、第1顔料と第2顔料とを特定の含有量で含み、該第1顔料は、カーボンブラックであり、該第2顔料は、銅フタロシアニンブルー顔料、フタロシアニングリーン顔料、カーミン系顔料、ナフトール系顔料、およびキナクリドン系顔料からなる群より選ばれる少なくとも1種の顔料である。

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置に用いられる液体現像剤に関する。
電子写真方式の画像形成装置に用いられる現像剤としては、従来より粉体状の現像剤が用いられてきた。このような粉体状の現像剤(所謂トナー)は、顔料を樹脂中に分散したものであるが、粒径を小さくすると分散性が悪くなり、均一に帯電することが困難になるという問題があることから、その粒径の下限値を5〜6μm以上にする必要があった。しかしながら、当該装置により形成される画像は、上記粒径が小さいものほど高画質となるため、その粒径をより小さくすることが求められていた。
このため、絶縁性液体中で分散性を制御することができ、トナー粒子の粒径をより小さくすることが可能な液体現像剤が注目されている。このような液体現像剤としては、たとえば黒色画像を得るためにアクリル系樹脂に2種類の顔料、すなわちカーボンブラックと特定のアゾ顔料を分散させたトナー粒子を用いるもの(特開平11−044971号公報(特許文献1)および特開平11−044972号公報(特許文献2))や、特定のアクリル樹脂中に2種類の顔料、すなわちカーボンブラックとアジン系色素を分散させたトナー粒子を用いるもの(特開平10−254182号公報(特許文献3))が提案されている。
特開平11−044971号公報 特開平11−044972号公報 特開平10−254182号公報
電子写真方式の画像形成装置において黒色の画像を得る場合、現像剤の顔料としてはカーボンブラックを用いることが一般的である。画像濃度が高くかつ経済的にも有利なためである。そして、従来の粉体状の現像剤において、このようなカーボンブラックの含有量は、樹脂100質量部に対して10質量部以下とするのが一般的であった。
一方、粉体状の現像剤ではなく液体現像剤においては、トナー粒子の粒径が小さくなることから、画像濃度を確保するためには樹脂100質量部に対してカーボンブラックを少なくとも10質量部以上含有する必要があった。画像濃度は、画像の厚みに依存し、画像の厚みはトナー粒子の粒径に依存するため、粒径の小さいトナー粒子を用いて同等の画像濃度を得るためには、顔料含有量を増加しなければならないためである。
しかしながら、液体現像剤のトナー粒子の樹脂としてアクリル系樹脂を用いる場合、カーボンブラックを高濃度に含有すると、カーボンブラックが可塑剤として作用し、アクリル系樹脂が絶縁性液体に膨潤することから、保管安定性に問題があった。この問題は、特許文献1および2のようにカーボンブラックと特定のアゾ顔料を併用する場合であっても、また特許文献3のようにカーボンブラックとアジン系色素を併用する場合であっても、改善することができなかった。
またさらに、トナー粒子の樹脂として特許文献1〜3のアクリル系樹脂を用いたものでは、記録媒体に画像を形成した場合に、定着性が不十分であるという問題もあった。
本発明は、このような状況下においてなされたものであって、その目的とするところは、保管安定性および定着性に優れる液体現像剤を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねたところ、アクリル系樹脂を構成するモノマーの種類を選択することにより可塑化されにくい化学構造を採用するとともに、カーボンブラックによる可塑化作用を抑制しつつ十分な画像濃度が得られるように第2の顔料を用いると上記の課題を解決できるのではないかと考え、この知見に基づきさらに検討を重ねることにより、ついに本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明の液体現像剤は、トナー粒子と絶縁性液体と分散剤とを含み、該トナー粒子は、少なくとも、樹脂と、該樹脂中に分散された顔料とを含み、該樹脂は、炭素数1〜4のアルキル基を1または2個有していてもよいスチレン、アクリル酸アルキル(ただしアルキル基の炭素数は1〜4)、およびメタクリル酸アルキル(ただしアルキル基の炭素数は1〜4)からなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーである第1モノマーと、アクリル酸およびメタクリル酸からなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーである第2モノマーと、を含む複数のモノマーを構成モノマーとするビニル系共重合体樹脂を含み、該第1モノマーと該第2モノマーとの比率は、これら両者の全量に対する該第2モノマーの比率が5〜25モル%であり、該顔料は、第1顔料と第2顔料とを含み、該第1顔料は、カーボンブラックであり、該樹脂100質量部に対して10〜40質量部含まれ、該第2顔料は、銅フタロシアニンブルー顔料、フタロシアニングリーン顔料、カーミン系顔料、ナフトール系顔料、およびキナクリドン系顔料からなる群より選ばれる少なくとも1種の顔料により構成され、該第1顔料に対して10〜100質量%含まれることを特徴とする。
本発明の液体現像剤は、保管安定性と定着性に優れるという極めて好適な効果を有する。
電子写真方式の画像形成装置の概略概念図である。
以下、本発明に係る実施の形態について、さらに詳細に説明する。
<液体現像剤>
本実施の形態の液体現像剤は、トナー粒子と絶縁性液体(キャリア液)と分散剤とを含む。かかる液体現像剤は、これらの成分を含む限り、他の任意の成分を含むことができる。他の成分としては、たとえば荷電制御剤、粘度調整剤等を挙げることができる。ここで、各成分の配合割合は、たとえばトナー粒子を10〜50質量%、絶縁性液体を50〜90質量%(45〜89.99質量%)、および分散剤をトナー粒子の質量に対して0.1〜10質量%とすることができる。
このような液体現像剤は、電子写真方式の画像形成装置用の現像剤として有用である。
<トナー粒子>
本実施の形態の液体現像剤に含まれるトナー粒子は、通常絶縁性液体に相溶せず絶縁性液体中に分散された状態で存在し、少なくとも、樹脂と、該樹脂中に分散された顔料とを含む。かかるトナー粒子は、これらの成分を含む限り、他の任意の成分を含むことができる。他の成分としては、たとえばワックス、荷電制御剤等を挙げることができる。ここで、樹脂と顔料との配合割合は、たとえば樹脂を50〜88質量%、より好ましくは72〜87質量%とすることができる。樹脂の配合割合が50質量%未満の場合は、結着成分が少なくなるため、必要な定着強度が得られない場合があり、88質量%を超えると、顔料濃度が不十分となる場合がある。
このようなトナー粒子の粒径は、特に限定されるものではないが、高画質の画像を得ることを目的として、0.5〜6μm、好ましくは1〜4μm、より好ましくは1〜3μmとすることが好適である。これらの粒径は、従来用いられていた粉体状現像剤(乾式現像剤)のトナー粒子の粒径に比べて小さく、本実施の形態の特徴の一つとなるものである。
なお、本実施の形態でいう粒径とは、平均粒径を意味し、各種の粒度分布計により体積平均粒径として特定することができる。
<樹脂>
本実施の形態のトナー粒子を構成する樹脂は、炭素数1〜4のアルキル基を1または2個有していてもよいスチレン、アクリル酸アルキル(ただしアルキル基の炭素数は1〜4)、およびメタクリル酸アルキル(ただしアルキル基の炭素数は1〜4)からなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーである第1モノマーと、アクリル酸およびメタクリル酸からなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーである第2モノマーと、を含む複数のモノマーを構成モノマーとするビニル系共重合体樹脂を含み、該第1モノマーと該第2モノマーとの比率は、これら両者の全量に対する該第2モノマーの比率が5〜25モル%であることを特徴とする。なお、本実施の形態において、「炭素数1〜4のアルキル基を1または2個有していてもよいスチレン」とは、スチレンを含むとともに、スチレンを構成するベンゼン環に炭素数1〜4のアルキル基が1または2個置換基として置換した化合物が含まれる。また、「構成モノマー」とは、それが重合することによりビニル系共重合体樹脂を構成し、その構成単位となるものである。
一般的に、トナー粒子を構成する樹脂として上記構成のビニル系共重合体樹脂をはじめとするアクリル系樹脂を採用する理由は、熱特性等の特性を広範囲に変化させることができるとともに、透光性、延展性、粘弾性に優れるためである。このようにアクリル系樹脂は、透光性に優れることから、カラー画像を得る場合に美しい色彩を得ることができ、また延展性および粘弾性に優れることから紙等の記録媒体上に形成された画像(樹脂膜)が強靭で、しかもその記録媒体と強力に接着することができる。そして、本実施の形態のビニル系共重合体樹脂は、第2モノマーとして酸成分を含むことから、上記のような一般的な特性に加えて、高濃度にカーボンブラックを含む場合においても可塑化することがなく、以ってこのビニル系共重合体樹脂により構成されるトナー粒子は絶縁性液体に対する膨潤性が抑制されることにより保管安定性に優れるという極めて優れた効果を示すことになる。さらに、この第2モノマーの含有率を上記範囲内で高めることにより、記録媒体への画像の定着性を向上できるという効果も示す。また、第1モノマーとして、少なくとも炭素数1〜4のアルキル基を1または2個有していてもよいスチレンを含む場合、定着強度が向上し、トナー面の耐擦傷性が高くなる。また、膨潤性の低減にも効果を示すため、保管安定性が向上する。
ここで、第1モノマーと第2モノマーの比率を表わす第2モノマーの含有率(モル%)は、第1モノマーと第2モノマーとの合計量に占める第2モノマーのモル比として表わされ、このモル比が上記のとおり5〜25モル%になることを要する。なお、上記第2モノマーのモル比が5モル%未満では、ビニル系共重合体樹脂の極性が低くなり、SP(ソルビリティーパラメータ)値が下がり、絶縁性液体との相溶性が上がり、絶縁性液体に膨潤しやすくなることから、液体現像剤の保管安定性が低下する。また、25モル%を超えると、ガラス転移点(Tg)が高くなり過ぎ、記録媒体への画像の定着が不可能となったり、極めて高温の定着温度が必要となり画像形成装置に対する負荷が大きくなるという不都合が生じる。より好ましいモル比は、8〜20モル%である。
本実施の形態のビニル系共重合体樹脂は、その構成モノマーとして、第1モノマーおよび第2モノマーのみで構成されることが好ましいが、本実施の形態の効果が示される限り、他のモノマーが含まれていても差し支えない。このような他のモノマーとしては、たとえば酢酸ビニル、アルキル基の炭素数が5以上のアクリル酸アルキル、アルキル基の炭素数が5以上のメタクリル酸アルキル等を挙げることができる。
なお、構成モノマーの種類および第1モノマーと第2モノマーのモル比は、ビニル系共重合体樹脂を合成する際の原料モノマーの使用量を制御することにより調整することが可能であるが、液体現像剤中のトナー粒子または画像中のビニル系共重合体樹脂成分を、フーリエ変換核磁気共鳴装置(FT−NMR)を用いて、1H−NMR分析を行なってその積分比より決定することができる。
また、本実施の形態のビニル系共重合体樹脂は、重量平均分子量(Mw)が10000以上1000000以下であることが好ましく、より好ましくは50000以上200000以下である。重量平均分子量が10000未満では顔料との均一分散が困難となる場合がある。一方、重量平均分子量が1000000を超えると、記録媒体への定着時に要するエネルギが大きくなり好ましくない場合がある。なお、重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により測定することができる。
また、本実施の形態のビニル系共重合体樹脂は、熱可塑性を示し、40℃以上85℃以下のガラス転移点(Tg)を有することが好ましい。ガラス転移点が40℃未満の場合、保管安定性が悪化する場合があり、85℃を超えると、画像を定着させるエネルギが著しく増加し経済的に不利であるばかりか画像形成装置の各部に熱的ダメージを与えやすく、また定着温度が低い場合には画像の光沢が低下する場合がある。より好ましいガラス転移点は、55℃以上75℃以下である。
また、本実施の形態のビニル系共重合体樹脂は、酸価が20mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であることが好ましく、より好ましくは、30mgKOH/g以上60mgKOH/g以下である。酸価が20mgKOH/g未満ではトナー粒子と紙などの記録媒体との接着性が小さく定着性が悪化する場合がある。一方、100mgKOH/gを超えると、トナー粒子が硬くなりすぎ定着エネルギーが多大に必要となる場合がある。
このような本実施の形態のビニル系共重合体樹脂は、通常通りの方法、すなわちビニル系共重合体のラジカル重合反応により得ることができる。
ここで、上記第1モノマーとしては、たとえばスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン(以上、炭素数1〜4のアルキル基を1または2個有していてもよいスチレン)、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル(以上、アクリル酸アルキル(ただしアルキル基の炭素数は1〜4))、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸プロピル(以上、メタクリル酸アルキル(ただしアルキル基の炭素数は1〜4))等を挙げることができるが、これらのみに限定されるものではない。
上記例示中、第1モノマーとしては、スチレンを含むことが好ましく、熱物性の制御の観点、特に画像の定着性の観点から第1モノマーと第2モノマーとの合計量に対して、スチレンを50〜95モル%含むことが特に好ましい。なお、第1モノマーおよび第2モノマーは、それぞれ1種または複数のものを使用することができる。特に第1モノマーとしては、スチレンを単独で用いるか、スチレンとアクリル酸エステルまたはスチレンとメタクリル酸エステルを組み合わせて用いることが好ましい。
なお、本実施の形態の樹脂としては、このようなビニル系共重合体樹脂を単独で用いることができるが、必要に応じてスチレン−アクリル変性ポリエステル樹脂、ポリオレフィン共重合体樹脂(特にエチレン系共重合体樹脂)、エポキシ樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、パラフィンワックス等の樹脂を、樹脂の全質量に対して20質量%以下の範囲において適量混合して用いても差し支えない。
<顔料>
本実施の形態のトナー粒子に含まれる顔料は、上記の樹脂中に分散されており、第1顔料と第2顔料とを含む。本実施の形態の顔料は、このように第1顔料と第2顔料とを含むことにより、所望の黒色の色調を得るものである。このような顔料の粒径は、0.5μm以下、より好ましくは0.15μm以下である。顔料の粒径が0.5μmを超えると画像の色彩値がずれ、所望の色彩が得られない場合がある。また、顔料粒径の下限値は特に限定されない。以下、第1顔料および第2顔料についてさらに詳細に説明する。
<第1顔料>
本実施の形態の第1顔料は、カーボンブラックであり、上記樹脂100質量部に対して10〜40質量部含まれることを特徴とする。カーボンブラックの含有量が10質量部未満では、必要な画像濃度を得ることができず、40質量部を超えると、トナー粒子中に占める樹脂の含有量が少なくなるため十分な定着強度を得ることができなくなる。より好ましい含有量は、10〜25質量部、さらに好ましくは12〜20質量部である。
本実施の形態において、このように従来のものに比し極めて高濃度のカーボンブラックを含有できるのは、樹脂として上記のように特定構造のビニル系共重合体樹脂を採用したことおよび下記の第2顔料を併用したことによるものであり、本実施の形態の大きな特徴の一つである。
<第2顔料>
本実施の形態の第2顔料は、銅フタロシアニンブルー顔料、フタロシアニングリーン顔料、カーミン系顔料、ナフトール系顔料、およびキナクリドン系顔料からなる群より選ばれる少なくとも1種の顔料により構成され、上記第1顔料に対して10〜100質量%含まれることを特徴とする。上記の通り、本実施の形態においては、従来の含有量に比しより高濃度のカーボンブラックを含有し得るものであるが、第2顔料の使用により、カーボンブラックによる可塑化(すなわち樹脂が絶縁性液体で膨潤すること)を防止しつつ、より十分な画像濃度を得ることに成功したものである。カーボンブラックと併用する顔料として、特許文献1〜3のようなアゾ系顔料やアジン系色素を用いても、本実施の形態の第2顔料のような可塑化防止作用(膨潤防止作用)を得ることはできない。本実施の形態の第2顔料がなぜこのような優れた可塑化防止作用(膨潤防止作用)を示すのかその詳細なメカニズムは解明されていないものの、第2顔料の顔料粒子の表面状態が好適な作用を及ぼしているのではないかと考えられる。
そして、特にこの第2顔料としては、塩基性のものを採用することが好ましい。これは、上述のビニル系共重合体樹脂の酸価が高くなるために第2顔料として塩基性のものを採用することにより、樹脂中における第1顔料を含めた顔料全体の分散性が良好となるとともに色相への影響も小さくなるという効果を得ることができるからである。
ここで、「塩基性」とは、第2顔料0.5gと蒸留水20mlとをガラス製スクリュー管に入れ、それをペイントシェーカーを用いて30分間振り混ぜた後、ろ過することにより得られたろ液のpHをpHメータを用いて測定し、そのpHが7より大きい場合をいう。より好ましいpHは、7.5〜12である。すなわち、本実施の形態の第2顔料は、水20mlに対してそれを0.5g分散させた分散液のろ液のpHが7.1〜14であること、より好ましくは7.5〜12であることが好適である。なお、第2顔料を2種以上用いる場合は、個々の顔料についてpHを測定するものとする。
このような第2顔料の含有量が第1顔料に対して10質量%未満の場合、ビニル系共重合体樹脂の膨潤性の抑制効果が小さくなり長期間の保管安定性を十分に得ることができず、また100質量%を超えると所望する黒色の色調を得ることができなくなる。第2顔料のより好ましい含有量は、10〜50質量%であり、さらに好ましくは15〜40質量%である。なお、この第2顔料の含有量は、第2顔料として2種以上の顔料を用いる場合はそれらの合計含有量とする。
このような第2顔料は、銅フタロシアニンブルー顔料、フタロシアニングリーン顔料、カーミン系顔料、ナフトール系顔料、およびキナクリドン系顔料からなる群より選ばれる少なくとも1種の顔料により構成されるものであるが、これらの顔料種に含まれる限り、従来公知の顔料を特に限定することなく使用することができる。たとえば、以下の顔料を挙げることができる。
銅フタロシアニンブルー顔料:C.I.(カラーインデックス)Pigment Blue15:1、同15:2、同15:3、同15:4等。
フタロシアニングリーン顔料:C.I.Pigment Green7、同36等。
カーミン系顔料:C.I.Pigment Red48:1、同53:1、同57:1等。
ナフトール系顔料:C.I.Pigment Red5、同269等。
キナクリドン系顔料:C.I.Pigment Red122、同209等。
<絶縁性液体>
本実施の形態の液体現像剤に含まれる絶縁性液体とは、常温で不揮発性であり、電気的に絶縁性を示すもの(たとえば抵抗値が1011〜1016Ω・cmの範囲のもの)が好ましい。この範囲の抵抗値を有すれば、通常静電潜像を乱すことがないためである。さらに、このような絶縁性液体としては、臭気および毒性がないものが好ましい。
このような絶縁性液体としては、たとえば脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ポリシロキサン等を挙げることができる。特に、臭気、無害性、コストの観点から、ノルマルパラフィン系溶媒、イソパラフィン系溶媒が好ましい。より具体的には、松村石油研究所社製のモレスコホワイトP40(商品名)、同P60(商品名)、同P120(商品名)、アイソパー(商品名、エクソン化学社製)、シェルゾール71(商品名、シェル石油化学社製)、IPソルベント1620(商品名、出光石油化学社製)、IPソルベント2028(商品名、出光石油化学社製)等を挙げることができる。
<分散剤>
本実施の形態の液体現像剤に含まれる分散剤は、トナー粒子を絶縁性液体中に安定的に分散させる作用を有するものであり、このため、通常はトナー粒子の表面部に存在(吸着)している。このような分散剤は、絶縁性液体に対して可溶性であることが好ましい。
このような分散剤としては、トナー粒子を安定に分散させるものである限り特に限定されるものではなく、たとえば界面活性剤、高分子分散剤等を用いることができる。
そして、特に本実施の形態においては、トナー粒子を構成する樹脂として上述の通りのものを使用することから、このような分散剤として塩基性の高分子分散剤を用いることが好ましく、その塩基性基としてピロリドン基を有する高分子分散剤を用いることが特に好ましい。これは、恐らくトナー粒子を構成する上述のビニル系共重合体樹脂の酸価が高くなるために塩基性の高分子分散剤を用いることにより、これら両者の相互作用によりトナー粒子の良好な分散性が長期間に亘り安定化されるためではないかと考えられる。なお、本実施の形態の塩基性の高分子分散剤とは、塩基性基を有する高分子分散剤をいい、重量平均分子量が3000〜10000程度のものをいう。
このような塩基性の高分子分散剤としては、上記ピロリドン基をはじめ、たとえば芳香族アミノ基、脂肪族アミノ基、ヘテロ環窒素含有基、ヘテロ環酸素含有基、ヘテロ環硫黄含有基等を有する高分子分散剤を挙げることができる。また、ピロリドン基としては、たとえばN−ビニルピロリドン基を挙げることができ、N−ビニルピロリドン基を有する塩基性の高分子分散剤としては、たとえばN−ビニル−2−ピロリドンとメタクリル酸エステル、アクリル酸エステルまたはアルキレン化合物とのランダム共重合体またはグラフト共重合体等を挙げることができる。ここで、メタクリル酸エステルおよびアクリル酸エステルがアルキルエステルである場合、そのアルキル基の炭素数は10〜20程度であることが好ましい。これらの市販品を例示すると、たとえば「Antaron V−216」、「Antaron V−220」(いずれも商品名、GAF/ISP Chemicals社製)等を挙げることができる。また、上記アルキレン化合物のアルキル基の炭素数は10〜30程度が好ましい。
<製造方法>
まず、トナー粒子を構成するビニル系共重合体樹脂は、上述の組成を有する限り従来公知のラジカル重合方法により製造することができる。すなわち、用いる原料モノマーの種類に応じて異なるものの、一般的には50〜300℃の温度範囲で行なうことができる。また、雰囲気ガスとして不活性ガスを用いたり、各種の溶媒を任意に選択したり、反応容器内圧力を常圧または減圧にする等、任意の条件を採用することができる。
次いで、上記のようにして得られたビニル系共重合体樹脂を用いて、液体現像剤を調製する。液体現像剤の調製は、従来公知の技法に基づいて行なうことができる。たとえば、加圧ニーダ、ロールミル、3本ロール等の混練機を用いて、ビニル系共重合体樹脂と顔料とを所定の配合比で溶融混練し、ビニル系共重合体樹脂中に顔料を均一に分散させることにより顔料−樹脂分散体を得る。
続いて、上記で得られた顔料−樹脂分散体を冷却し、冷却後これを粗粉砕する。引き続き、粗粉砕された顔料−樹脂分散体(これを「粗粉砕トナー」ということもある)をさらに所望の粒径となるまで粉砕することにより、トナー粒子を得る。
上記で用いることができる粉砕方法としては、乾式粉砕法と湿式粉砕法を挙げることができるが、省エネルギで所望の粒径まで粉砕できる方法であれば特に限定されるものではない。
たとえば、カッターミルにより粗粉砕トナーを得、引き続き乾式粉砕法としてジェットミルを用いて、粗粉砕トナーを所望の粒径となるまでさらに粉砕することによりトナー粒子を得る。そして、このトナー粒子を絶縁性液体および分散剤と混合することにより液体現像剤を調製することができる。
一方、湿式粉砕法を採用する場合は、たとえば上記で得られた粗粉砕トナー、絶縁性液体、および分散剤を混合し、サンドミルを用いてこの混合物を粉砕することによりトナー粒子を所望の粒径とし、液体現像剤を調製することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中「部」とあるのは特に断らない限り「質量部」を示す。
<ビニル系共重合体樹脂>
以下の表1に記載した組成および分子量を有するビニル系共重合体樹脂(No.1〜No.9)を準備した。
Figure 2012032847
表1中のモノマー組成、モル%、および分子量(重量平均分子量(Mw))は、後述の方法によりトナー粒子中の各樹脂を分析することにより得られた値である。
<トナー粒子Aの製造方法>
樹脂として表1のビニル系共重合体樹脂No.1を100部、第1顔料としてカーボンブラック(商品名:「REGAL330R」、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク社製)15部、第2顔料(便宜上「第2顔料A」とする)として銅フタロシアニンブルー顔料(商品名:「Fastgen Blue GNPSG」、DIC社製)3部、同じく第2顔料(便宜上「第2顔料B」とする)としてキナクリドン系顔料(商品名:「FASTOGEN Super Magenta RTS」、DIC社製)3部を、ヘンシェルミキサーに投入し十分混合した。その後、ロール内加熱温度100℃の同方向回転二軸押出し機を用いて、この混合物を溶融混練し、冷却後、これをカッターミルを用いて粗粉砕することにより粗粉砕トナーAを得た。
次いで、この粗粉砕トナーAをカウンタジェットミル200AFG(商品名、ホソカワミクロン社製)を用いてさらに粉砕することにより、トナー粒子Aを得た。このとき、粉砕条件は空圧量2.4m3/min.、空気圧力1.1kPa、ノズル径3mm、回転速度12000rpmで行なった。そして、トナー粒子Aの粒径を粒度分布計(商品名:「SALD−2200」、島津製作所社製)を用いて測定したところ、トナー粒子Aの粒径は2.2μmであった。
<トナー粒子Bの製造方法>
トナー粒子Aの製造方法において、第1顔料としてカーボンブラック(商品名:「REGAL330R」、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク社製)20部用い、第2顔料(便宜上「第2顔料A」とする)として銅フタロシアニンブルー顔料(商品名:「Fastgen Blue GNPSG」、DIC社製)1.5部、同じく第2顔料(便宜上「第2顔料B」とする)としてナフトール系顔料(商品名:「TOSHIKI Red 1022」、DIC社製)1.5部を用いることを除き、他は全てトナー粒子Aと同様にしてトナー粒子Bを得た。このトナー粒子Bの粒径を上記と同様にして測定したところ、2.4μmであった。
<トナー粒子Cの製造方法>
トナー粒子Aの製造方法において、第1顔料としてカーボンブラック(商品名:「REGAL330R」、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク社製)12部用い、第2顔料(便宜上「第2顔料A」とする)として銅フタロシアニンブルー顔料(商品名:「Fastgen Blue GNPSG」、DIC社製)6部、同じく第2顔料(便宜上「第2顔料B」とする)としてカーミン系顔料(商品名:「SYMULER Brilliant Carmine 6B 226」、DIC社製)6部を用いることを除き、他は全てトナー粒子Aと同様にしてトナー粒子Cを得た。このトナー粒子Cの粒径を上記と同様にして測定したところ、2.5μmであった。
<トナー粒子Dの製造方法>
トナー粒子Aの製造方法において、第1顔料としてカーボンブラック(商品名:「MA100S」、三菱化学社製)15部用い、第2顔料(便宜上「第2顔料A」とする)として銅フタロシアニンブルー顔料とフタロシアニングリーン顔料の混合物(商品名:「KET Blue 111」、DIC社製)3部、同じく第2顔料(便宜上「第2顔料B」とする)としてキナクリドン系顔料(商品名:「FASTOGEN Super Red 7100Y」、DIC社製)3部を用いることを除き、他は全てトナー粒子Aと同様にしてトナー粒子Dを得た。このトナー粒子Dの粒径を上記と同様にして測定したところ、2.5μmであった。
<トナー粒子Eの製造方法>
トナー粒子Aの製造方法において、ビニル系共重合体樹脂No.1に代えてビニル系共重合体樹脂No.2を用い、第1顔料としてカーボンブラック(商品名:「REGAL330R」、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク社製)35部、第2顔料(便宜上「第2顔料A」とする)として銅フタロシアニンブルー顔料(商品名:「Fastgen Blue GNPSG」、DIC社製)8部、同じく第2顔料(便宜上「第2顔料B」とする)としてキナクリドン系顔料(商品名:「FASTOGEN Super Magenta RTS」、DIC社製)7部を用いることを除き、他は全てトナー粒子Aと同様にしてトナー粒子Eを得た。このトナー粒子Eの粒径を上記と同様にして測定したところ、2.6μmであった。
<トナー粒子Fの製造方法>
トナー粒子Aの製造方法において、ビニル系共重合体樹脂No.1に代えてビニル系共重合体樹脂No.3を用い、第1顔料としてカーボンブラック(商品名:「MA100S」、三菱化学社製)15部、第2顔料(便宜上「第2顔料A」とする)として銅フタロシアニンブルー顔料(商品名:「Fastgen Blue GNPSG」、DIC社製)5部、同じく第2顔料(便宜上「第2顔料B」とする)としてキナクリドン系顔料(商品名:「FASTOGEN Super Magenta RTS」、DIC社製)5部を用いることを除き、他は全てトナー粒子Aと同様にしてトナー粒子Fを得た。このトナー粒子Fの粒径を上記と同様にして測定したところ、2.4μmであった。
<トナー粒子Gの製造方法>
トナー粒子Aの製造方法において、第1顔料としてカーボンブラック(商品名:「REGAL330R」、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク社製)20部用い、第2顔料(便宜上「第2顔料A」とする)として銅フタロシアニンブルー顔料(商品名:「Fastgen Blue GNPSG」、DIC社製)4部、を用いることを除き、他は全てトナー粒子Aと同様にしてトナー粒子Gを得た。このトナー粒子Gの粒径を上記と同様にして測定したところ、2.4μmであった。
<トナー粒子Hの製造方法>
トナー粒子Aの製造方法において、ビニル系共重合体樹脂No.1に代えてビニル系共重合体樹脂No.4を用いることを除き、他は全てトナー粒子Aと同様にしてトナー粒子Hを得た。このトナー粒子Hの粒径を上記と同様にして測定したところ、2.5μmであった。
<トナー粒子Iの製造方法>
トナー粒子Bの製造方法において、ビニル系共重合体樹脂No.1に代えてビニル系共重合体樹脂No.5を用いることを除き、他は全てトナー粒子Bと同様にしてトナー粒子Iを得た。このトナー粒子Iの粒径を上記と同様にして測定したところ、2.3μmであった。
<トナー粒子Jの製造方法>
トナー粒子Aの製造方法において、ビニル系共重合体樹脂No.1に代えてビニル系共重合体樹脂No.6を用いることを除き、他は全てトナー粒子Aと同様にしてトナー粒子Jを得た。このトナー粒子Jの粒径を上記と同様にして測定したところ、2.6μmであった。
<トナー粒子Kの製造方法>
トナー粒子Bの製造方法において、ビニル系共重合体樹脂No.1に代えてビニル系共重合体樹脂No.7を用いることを除き、他は全てトナー粒子Bと同様にしてトナー粒子Kを得た。このトナー粒子Kの粒径を上記と同様にして測定したところ、2.5μmであった。
<トナー粒子Lの製造方法>
トナー粒子Aの製造方法において、ビニル系共重合体樹脂No.1に代えてビニル系共重合体樹脂No.8を用いることを除き、他は全てトナー粒子Aと同様にしてトナー粒子Lを得た。このトナー粒子Lの粒径を上記と同様にして測定したところ、2.7μmであった。
<トナー粒子Mの製造方法>
トナー粒子Aの製造方法において、顔料として第1顔料(カーボンブラック(商品名:「REGAL330R」、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク社製))15部のみを用いることを除き、他は全てトナー粒子Aと同様にしてトナー粒子Mを得た。このトナー粒子Mの粒径を上記と同様にして測定したところ、2.3μmであった。
<トナー粒子Nの製造方法>
トナー粒子Aの製造方法において、第2顔料(便宜上「第2顔料A」とする)として銅フタロシアニンブルー顔料(商品名:「Fastgen Blue GNPSG」、DIC社製)8部、同じく第2顔料(便宜上「第2顔料B」とする)としてキナクリドン系顔料(商品名:「FASTOGEN Super Magenta RTS」、DIC社製)8部を用いることを除き、他は全てトナー粒子Aと同様にしてトナー粒子Nを得た。このトナー粒子Nの粒径を上記と同様にして測定したところ、2.6μmであった。
<トナー粒子Oの製造方法>
トナー粒子Aの製造方法において、ビニル系共重合体樹脂No.1に代えてビニル系共重合体樹脂No.9を用いることを除き、他は全てトナー粒子Aと同様にしてトナー粒子Oを得た。このトナー粒子Oの粒径を上記と同様にして測定したところ、2.5μmであった。
<トナー粒子Pの製造方法>
トナー粒子Aの製造方法において、第1顔料の含有量を8部、第2顔料Aの含有量を1.6部、第2顔料Bの含有量を1.6部とする以外は、全てトナー粒子Aと同様にしてトナー粒子Pを得た。このトナー粒子Pの粒径を上記と同様にして測定したところ、2.7μmであった。
<トナー粒子Qの製造方法>
トナー粒子Aの製造方法において、第1顔料の含有量を42部、第2顔料Aの含有量を8.4部、第2顔料Bの含有量を8.4部とする以外は、全てトナー粒子Aと同様にしてトナー粒子Qを得た。このトナー粒子Qの粒径を上記と同様にして測定したところ、2.5μmであった。
<トナー粒子Rの製造方法>
トナー粒子Aの製造方法において、第2顔料Aとしてアゾ系顔料(商品名:「SYMULER BRILLIANT CARMINE 6B300」、DIC社製)を用い、第2顔料Bとしてアゾ系顔料(商品名:「SUNBRITE YELLOW 74」、DIC社製)を用いる以外は、全てトナー粒子Aと同様にしてトナー粒子Rを得た。このトナー粒子Rの粒径を上記と同様にして測定したところ、2.4μmであった。
<液体現像剤の製造>
以下、実施例1〜12および比較例1〜7の液体現像剤を製造した。
<実施例1>
絶縁性液体として「IPソルベント2028」(商品名、出光石油化学社製)70部、トナー粒子Aを30部、N−ビニルピロリドン基を有する塩基性の高分子分散剤であるN−ビニルピロリドン/アルキレン共重合体「Antaron V−216」(商品名、GAF/ISP Chemicals社製)1.2部を混合し、ペイントシェーカーにて1時間分散することにより、液体現像剤を得た。
<実施例2〜12および比較例1〜7>
実施例1におけるトナー粒子Aに代えて、表2の通りトナー粒子B〜Rをそれぞれ用いることを除き、他は全て実施例1と同様にして実施例2〜12および比較例1〜7の液体現像剤を得た。ただし、実施例8は、トナー粒子Aを用い、分散剤を「Antaron V−216」に代えて、「Solsperse3000」(商品名、日本ルーブリゾール社製)を用いた。この「Solsperse3000」は、高分子分散剤であり、酸性を示す。
<評価>
<分子量の測定方法>
ビニル系共重合体樹脂の重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により測定した。測定条件は以下の通りである。
DETECTOR:RI
COLUMN:ShodexKF-404HQ(商品名、昭和電工社製)+ShodexKF-402HQ(商品名、昭和電工社製)
溶 媒:テトラヒドロフラン(THF)
流 速:0.3ml/min.
較正曲線:標準ポリスチレン
<第1モノマーと第2モノマーの比率(モル%)>
ビニル系共重合体樹脂を構成するモノマーの組成とその割合(モル%)は、フーリエ変換核磁気共鳴装置(FT−NMR)(商品名:「Lambda400」、日本電子社製)を用いて、1H−NMR分析を行なってその積分比より決定した。測定溶媒はクロロホルムD溶剤とした。その結果を表1に示す。
<第2顔料のpH>
第2顔料0.5gと蒸留水20mlとをガラス製スクリュー管に入れ、それをペイントシェーカーを用いて30分間振り混ぜた後、ろ過することにより得られたろ液のpHをpHメータ(商品名:「D−51」、堀場製作所社製)を用いて測定し、そのpHが7より大きい場合を塩基性、7より小さい場合を酸性とした。このようにして測定したpHを表2(「第2顔料のpH」の項)に示す。なお、同項における「A」、「B」はそれぞれ「第2顔料A」、「第2顔料B」を示す。
<保管安定性の評価>
20ccガラス瓶に10ccの液体現像剤を入れて、40℃に設定した恒温槽で1ヶ月間保管した。保管前後の粒径を粒度分布計(商品名:「SALD−2200」、島津製作所社製)にて測定した。
保管後の平均粒径/保管前の平均粒径の比が1.1以下のものを「A」、1.2以下のものを「B」、1.2を超えるものを「C」とした。上記比が小さいものほど、保管安定性に優れていることを示す。その結果を表2に示す。
<画像濃度の評価>
図1に示した画像形成装置を用い、実施例1〜12および比較例1〜7の各液体現像剤の単色ソリッド(ベタ)パターン(10cm×10cm、付着量:1.6mg/m2)を記録媒体(コート紙)上に形成し、引き続き、ヒートローラで定着した(170℃×ニップ時間60msec.)。
その後、上記で得られた定着画像のブラックソリッド部の画像濃度を反射濃度計「X−Rite model 404」(商品名、X−Rite社製)により測定し、以下の3段階のランク評価を行なった。
A:画像濃度1.8以上
B:画像濃度1.7以上1.8未満
C:画像濃度1.7未満
画像濃度の数値が高いものほど、画像濃度が高いことを示す。その結果を表2に示す。
<色差の評価>
上記と同様にして定着画像を得た。その後、その定着画像を色差計(商品名:「CM−3700」、ミノルタ社製)にてL*a*b*測定を行ない、「Japan Color 色再現印刷2001」のコート紙/K/面積100%部のL*a*b*測定値との色差(ΔE)を算出し、以下の3段階のランク評価を行なった。
A:色差が3未満
B:色差が3以上5未満
C:色差が5以上
数値が小さいものほど、色差が小さいことを示す。その結果を表2に示す。
<定着強度の評価>
上記と同様にして定着画像を得た。その後、オフセットがない部位に対して消しゴム(商品名:砂消し「LION 26111」、ライオン事務器社製)を押圧荷重1kgfで2回擦り、画像濃度の残存率を反射濃度計「X−Rite model 404」(商品名、X−Rite社製)により測定し、以下の3段階のランク評価を行なった。
A:画像濃度残存率が90%以上。
B:画像濃度残存率が70%以上90%未満。
C:画像濃度残存率が70%未満。
画像濃度残存率が高いものほど、画像の定着強度が大きいことを示す。その結果を表2(「定着性」の項)に示す。
なお、画像形成装置のプロセス条件およびプロセスの概略は以下の通りである。
<プロセス条件>
システム速度:40cm/s
感光体:負帯電OPC
帯電電位:−650V
現像電圧(現像ローラ印加電圧):−450V
1次転写電圧(転写ローラ印加電圧):+620V
2次転写電圧:+1200V
現像前コロナCHG:針印加電圧−3〜5kVで適宜調整。
<プロセスの概略>
図1は、電子写真方式の画像形成装置1の概略概念図である。まず、液体現像剤2が規制ブレード4によりすりきられ、現像ローラ3上に液体現像剤2の薄層が形成される。その後、現像ローラ3と感光体5とのニップでトナー粒子が移動し、感光体5上にトナー画像が形成される。
次いで、感光体5と中間転写体6とのニップでトナー粒子が移動し、中間転写体6上にトナー画像が形成される。続いて、中間転写体6上でトナーは重ね合わせられ、記録媒体10上へ画像が形成される。そして、記録媒体10上の画像がヒートローラ11で定着される。
なお、画像形成装置1は、上記以外にもクリーニングブレード7、荷電装置8、バックアップローラ9を備えている。
Figure 2012032847
表2中、「第1顔料含有量」とは樹脂100質量部に対する第1顔料の含有量(質量部)を示し、「第2顔料含有量」とは第1顔料に対する第2顔料全体の含有量(質量%)を示す。
表2より明らかなように、実施例の液体現像剤は、画像濃度、色差を一定のレベルに維持しつつ、比較例1、2、6、7の液体現像剤に比べ、保管安定性および定着性に優れていることが確認できた。なお、比較例3〜5の液体現像剤は、画像濃度または色差に問題があった。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 画像形成装置、2 液体現像剤、3 現像ローラ、4 規制ブレード、5 感光体、6 中間転写体、7 クリーニングブレード、8 荷電装置、9 バックアップローラ、10 記録媒体、11 ヒートローラ。

Claims (5)

  1. トナー粒子と絶縁性液体と分散剤とを含み、
    前記トナー粒子は、少なくとも、樹脂と、該樹脂中に分散された顔料とを含み、
    前記樹脂は、炭素数1〜4のアルキル基を1または2個有していてもよいスチレン、アクリル酸アルキル(ただしアルキル基の炭素数は1〜4)、およびメタクリル酸アルキル(ただしアルキル基の炭素数は1〜4)からなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーである第1モノマーと、アクリル酸およびメタクリル酸からなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーである第2モノマーと、を含む複数のモノマーを構成モノマーとするビニル系共重合体樹脂を含み、
    前記第1モノマーと前記第2モノマーとの比率は、これら両者の全量に対する前記第2モノマーの比率が5〜25モル%であり、
    前記顔料は、第1顔料と第2顔料とを含み、
    前記第1顔料は、カーボンブラックであり、前記樹脂100質量部に対して10〜40質量部含まれ、
    前記第2顔料は、銅フタロシアニンブルー顔料、フタロシアニングリーン顔料、カーミン系顔料、ナフトール系顔料、およびキナクリドン系顔料からなる群より選ばれる少なくとも1種の顔料により構成され、前記第1顔料に対して10〜100質量%含まれる、
    液体現像剤。
  2. 前記第1モノマーは、スチレンを含む、請求項1記載の液体現像剤。
  3. 前記第2顔料は、塩基性である、請求項1記載の液体現像剤。
  4. 前記第2顔料は、水20mlに対してそれを0.5g分散させた分散液のろ液のpHが7.1〜14である、請求項3記載の液体現像剤。
  5. 前記分散剤は、塩基性の高分子分散剤である、請求項1記載の液体現像剤。
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