JPWO2012029831A1 - 貼付体シート - Google Patents

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Abstract

キャリアシート、貼付剤及び剥離シートを、この順序で積層した貼付体シートであって、(a)貼付剤は、同形状の支持体と粘着剤層との2層からなり、(b)キャリアシートは、前記貼付剤の支持体に隣接し、(c)該貼付体シートは、掴み部と本体部とから構成され、(d)本体部、または、本体部と掴み部において、剥離シートの面積が、貼付剤の面積より大きく、(e)掴み部と本体部との境界が、切り込みによって形成され、かつ、(f)該切り込みが、剥離シート側から、貼付剤を貫通し、キャリアシートの貼付剤側からの厚みの20%以上50%未満の範囲の深さに達する前記貼付体シート;キャリアシートを積層した貼付剤の複数枚が剥離シート上に並列されて形成されている貼付体シート;並びに、皮膚患部の直接掻破防止のために皮膚表面に貼付し、または、リフトアップのために顔に貼付する前記貼付体シートの使用、及び、前記貼付体シートの貼付方法。

Description

本発明は、貼付剤(粘着剤層に薬理活性物質を含有する場合と、含有しない場合との両方を指す。)を含む貼付体シートに関し、詳しくは薄い支持体を有する貼付剤を、片手で操作性よく、粘着剤が指に接触することなく、皮膚等の被着面に貼付することができ、貼付を完了したときに廃棄物が少なくて済む貼付体シートに関する。更に好ましくは、皮膚表面に貼付され、皮膚患部の直接掻破を防止するために用いられる貼付剤を含む貼付体シート、または、顔に貼付され、リフトアップのために用いられる化粧用途の貼付剤を含む貼付体シートに関する。
皮膚面に貼付して使用する貼付剤は、通常、プラスチックフィルムや布帛などの柔軟な支持体の一方の面に粘着剤層を設け、救急絆創膏や巻絆、ドレッシング、皮膚面固定シート、経皮吸収薬含有貼付剤などの種々の用途に利用されている。
通常の貼付剤は、支持体の厚みが20〜200μm程度であり、支持体がそれ自体で粘着剤を支持し、皮膚等の目的箇所に貼付できるような剛性を有している。
一方、ドレッシング材等の薄い貼付剤では、支持体として、厚みが20μm前後の剛性が低い柔軟な透明なフィルムを用いることがある。器具等を皮膚に固定したあとも、チューブや注射針の脱落、固定部位の皮膚の発赤等を、透明なフィルム越しに見えるようにするためである。
また、貼付剤を、顔、首、腕や足等に貼付する場合、支持体として、厚みが20μm前後で透明なフィルムを使用することで貼付剤が目立ちにくくなれば、化粧用途としての効果や患者のQOL向上の効果等が得られ、貼付剤の付加価値を高めることができる。
支持体の厚みが20μm以下となると、支持体自身の形状を維持する能力が低下し、貼付時に、貼付剤に皺が発生したり、支持体が切れたりすることがある。そこで、従来、厚みが20μm以下である薄い支持体を貼付剤に用いる場合には、キャリアシートを支持体に剥離可能に貼付することが行われてきた。
特開平7−132139号公報(特許文献1)には、厚み5〜50μmの熱可塑性ポリエステルポリウレタンフィルムを支持体とし、該支持体の片面に、厚み1〜20μmのピロリドンを共重合したアクリル系粘着剤層を設け、該支持体の他面に、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等からなるガイドフィルムを剥離可能に積層した層構成を有するガイドフィルム付貼付剤が開示されている。国際公開第2009/41122号(特許文献2)には、皺や肌の細かな凹凸にも適合し、貼付箇所が目立たない貼付剤として、厚み1〜10μmのエラストマーフィルムからなる基材層の片面に、厚み1〜15μmの粘着剤層を設け、該基材層の粘着剤層とは反対側にキャリア層が配置された貼付剤が開示されている。
特許文献1〜2においては、腰がない支持体を持つ貼付剤の取り扱い性を向上させる目的で、支持体上にキャリアシートを形成することが技術的な共通事項である。しかし、剥離材またはセパレータ層から、貼付剤を剥離後、皮膚等の被着面に貼付するまでの間に、粘着面に指が触れる場合があり、取り扱い性の面で改良の余地があった。
特開2003−277254号公報(特許文献3)には、治療用貼付体を剥離紙から剥がしやすく、また患部に貼り付けやすい外用貼付薬が開示され、特開2009−28137号公報(特許文献4)には、貼付体の剥離シートからの剥離が容易で、粘着面に触れずに貼付体を貼付することができ、必要なときに必要な数の貼付体を簡単に取り出すことができる医療用貼付体セットが開示されている。
特許文献3及び4においては、ツマミ片または摘み片を把持して、剥離シートごと貼付体を剥がすことで、粘着面に指が触れずに貼付体を皮膚に貼付することが可能である点が技術的な共通事項である。しかし、これらの貼付体は、支持体にキャリアシートを積層することを想定していない。仮に、貼付体の支持体上に剥離可能なキャリアシートを仮着可能であったとしても、その場合は、剥離シートを貼付体から剥離後、皮膚に貼付体を貼付した後にキャリアシートを剥離する操作が必要であるので、剥離シートとキャリアシートとの複数の廃棄物が発生し、剥離操作や廃棄操作が煩雑となる。
特開平5−38348号公報(特許文献5)には、裏打部材、支持体、粘着剤層及びセパレータをこの順に有する粘着シートであって、セパレータから支持体にまで少なくとも1本の切り込み線によって分割可能な状態とした粘着シートが開示されている。特許文献5には、人の皮膚に貼付する手順として、貼付剤を皮膚に貼付後、周辺部に残ったセパレータ、これに隣接する粘着剤層及び支持体を剥離除去し、残りの裏打部材を別途剥離し、貼付を完了させることが開示されている。廃棄の操作は少なくとも2回以上の複数回であり、依然、廃棄操作が煩雑である。
特開平7−132139号公報 国際公開第2009/41122号 特開2003−277254号公報 特開2009−28137号公報号公報 特開平5−38348号公報
本発明は、上記実情に鑑みてされたものであって、薄い支持体を有する貼付剤を皮膚面などの被着体に貼付する際に、粘着面を指等で汚染することなく容易に貼付することができ、貼付を完了するまでの廃棄操作が1回で済む貼付体シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、キャリアシート、薄い支持体を含む貼付剤及び剥離シートを有する貼付体シートの構造について、鋭意検討を重ねた結果、支持体を含む貼付剤よりも面積が大きい剥離シート側から、貼付剤を貫いて、キャリアシートの厚み方向の途中に至るまでの特定の切り込みを設けることによって、上記目的が達成されることを見いだした。
すなわち、本発明によれば、キャリアシート、貼付剤及び剥離シートを、この順序で積層した貼付体シートであって、
(a)貼付剤は、同形状の支持体と粘着剤層との2層からなり、
(b)キャリアシートは、前記貼付剤の支持体に隣接し、
(c)該貼付体シートは、掴み部と本体部とから構成され、
(d)本体部において、剥離シートの面積が、貼付剤の面積より大きく、
(e)掴み部と本体部との境界が、切り込みによって形成される切り込み線であり、かつ、
(f)該切り込みが、剥離シート側から、貼付剤を貫通し、キャリアシートの貼付剤側からの厚みの20%以上50%未満の範囲の深さに達する前記貼付体シートが提供される。
また、本発明によれば、実施態様として、以下の貼付体シートが提供される。
(1)キャリアシートを積層した貼付剤の複数枚が、剥離シート上に並列している前記の貼付体シート。
(2)キャリアシートを積層した貼付剤の複数枚が、剥離シート上に並列し、かつ、掴み部の外縁が前記の切り込み線に接続して形成されている前記の貼付体シート。
(3)更に、掴み部において、剥離シートの面積が、貼付剤の面積より大きい前記の貼付体シート。
(4)掴み部が、キャリアシートのみで構成される前記の貼付体シート。
(5)(f)の切り込みが、剥離シートを貫通していない前記の貼付体シート。
(6)支持体の厚みが1〜10μmである前記の貼付体シート。
(7)支持体が、エラストマーフィルムである前記の貼付体シート。
(8)支持体が、ポリウレタンエラストマーフィルムである前記の貼付体シート。
(9)キャリアシートが、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルムまたはポリラミ紙であり、かつ、剥離シートが、剥離処理されたポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルムまたはポリラミ紙である前記の貼付体シート。
(10)貼付剤が、短辺と長辺の長さの比が1:2〜1:9の略長方形であり、かつ、前記の切り込み線が、該貼付剤の長辺の長さの1/8〜1/3の範囲内の距離で、短辺に平行な方向に形成されている前記の貼付体シート。
(11)前記の略長方形である貼付剤の頂点近傍が略円弧状に切り欠かれている前記の貼付体シート。
(12)掴み部におけるキャリアシートが、前記切り込み線を起点として、本体部の表面の延長方向に対して1〜90度の角度をなしている前記の貼付体シート。
(13)支持体からキャリアシートを剥離する剥離力が、粘着剤層から剥離シートを剥離する剥離力よりも大きい前記の貼付体シート。
(14)薬理活性物質を粘着剤層中に含有する前記の貼付体シート。
(15)貼付剤を顔に貼付して用いる前記の貼付体シート。
(16)リフトアップのために貼付剤を顔に貼付して用いる前記の貼付体シート。
(17)皮膚の直接掻破防止のために用いる前記の貼付体シート。
また、本発明によれば、リフトアップのために貼付剤を顔に貼付する前記の貼付体シートの使用、または、皮膚の直接掻破を防止するために貼付剤を皮膚表面に貼付する前記の貼付体シートの使用が提供される。
更に、本発明によれば、掴み部を把持して、剥離シートから、本体部のキャリアシートを積層した貼付剤を剥離し、被着体にキャリアシートを積層した貼付剤を貼付した後に、該掴み部及びキャリアシートを取り外すことで、貼付操作を完成する前記の貼付体シートの貼付剤の被着体への貼付方法が提供される。
本発明の貼付体シートは、キャリアシート、貼付剤及び剥離シートを、この順序で積層した貼付体シートであって、
(a)貼付剤は、同形状の支持体と粘着剤層との2層からなり、
(b)キャリアシートは、前記貼付剤の支持体に隣接し、
(c)該貼付体シートは、掴み部と本体部とから構成され、
(d)本体部において、剥離シートの面積が、貼付剤の面積より大きく、
(e)掴み部と本体部との境界が、切り込みによって形成される切り込み線であり、かつ、
(f)該切り込みが、剥離シート側から、貼付剤を貫通し、キャリアシートの貼付剤側からの厚みの20%以上50%未満の範囲の深さに達する前記貼付体シートであることによって、皮膚等の被着体への貼付剤の貼付操作性に優れ、皺が入らずきれいに貼付剤を貼付することができるという効果を奏する。
また、本発明の貼付体シートは、被着体に貼付剤を貼付する際に、粘着剤層の表面が手指で汚染されることがなく、キャリアシートの剥離も従来のものと比べて簡単に行うことができ、貼付を完了するまでの廃棄操作が少なくて済むという効果を奏する。
本発明の貼付体シートは、これらの特徴を利用して、医療用、化粧用、工業用、文具用、家庭用等の各種貼付体シートとして利用することができる。
本発明による貼付体シートの具体例の平面図である。切り込みXが、掴み部aと本体部bとの境界となる切り込み線を形成している。本例においては、本体部bにおいて、剥離シート4の面積が、貼付剤の面積より大きい。剥離シート4の4’の部分は、貼付剤が設けられていない。 本発明による貼付体シートの他の具体例の平面図である。本例においては、掴み部a及び本体部bにおいて、剥離シート4の面積が、貼付剤の面積より大きい。剥離シート4の4’の部分は、貼付剤が設けられていない。 図2の貼付体シートの断面図である。キャリアシート1、支持体2、粘着剤層3及び剥離シート4が、この順序で設けられている。 キャリアシート1を積層した貼付剤の複数枚が、剥離シート4上に並列して、貼付体シートが形成されている具体例の平面図である。剥離シート4の4’の部分は、貼付剤が設けられていない。 キャリアシート1を積層した貼付剤の複数枚が、剥離シート4上に並列して、貼付体シートが形成されている他の具体例の平面図である。剥離シート4の4’の部分は、貼付剤が設けられていない。
1.貼付体シートの層構成
本発明の貼付体シートは、キャリアシート、貼付剤及び剥離シートを、この順序で積層した貼付体シートであって、
(a)貼付剤は、同形状の支持体と粘着剤層との2層からなり、
(b)キャリアシートは、前記貼付剤の支持体に隣接し、
(c)該貼付体シートは、掴み部と本体部とから構成され、
(d)本体部において、剥離シートの面積が、貼付剤の面積より大きく、
(e)掴み部と本体部との境界が、切り込みによって形成される切り込み線であり、かつ、
(f)該切り込みが、剥離シート側から、貼付剤を貫通し、キャリアシートの貼付剤側からの厚みの20%以上50%未満の範囲の深さに達する前記貼付体シートである。
すなわち、本発明の貼付体シートは、キャリアシート、貼付剤及び剥離シートを、この順序で積層した構造を持ち、かつ、該貼付剤は、同形状の支持体と粘着剤層との2層からなり、該キャリアシートは、前記貼付剤の支持体に隣接している。したがって、本発明の貼付体シートは、キャリアシート1、支持体2、粘着剤層3及び剥離シート4がこの順に積層された構造を有するものである。
本発明の貼付体シートは、支持体と粘着剤層とからなる貼付剤が一体となった状態で、該貼付剤の粘着剤層が、皮膚面などの被着体に貼付されるように使用される貼付体シートである。
本発明の貼付体シートは、掴み部と本体部とから構成されている。
本発明の貼付体シートにおいて、「掴み部」とは、貼付体シートの貼付剤を人の皮膚面などの被着体に貼付する際に、該掴み部を把持した状態で、貼付体シートの残余である貼付体シートの「本体部」の貼付剤の粘着剤層を、被着体に当接させるために使用する部分をいう。掴み部と本体部の境界は、後に詳述する切り込みによって形成される切り込み線である。通常、掴み部の面積は、本体部の面積に比較して小さい。
2.キャリアシート
本発明では、貼付体シートの貼付時の操作性を向上させるために、支持体の裏面、すなわち、支持体の粘着剤層の反対側の面に、支持体よりも高い剛性を有するキャリアシートが、易剥離状態で仮着されている。
本発明に用いるキャリアシートは、支持体と粘着剤層からなる貼付剤を被着体に貼付するまで、貼付剤の支持体の裏面に仮着されており、貼付剤を皮膚等の被着体に貼付した後に、支持体から剥離できるように、易剥離状態で仮着されている。
キャリアシートと支持体の仮着は、通常は粘着剤を用いない加圧法、加熱圧着法によって行うが、ポリウレタン等の弱粘着性の粘着剤を介在させる方法、天然ゴム等のバインダーを用いた圧着法など任意の方法によって行うこともできる。
キャリアシートと支持体との剥離力は、キャリアシートを支持体から剥離するときに、皮膚等の被着体に貼付した貼付剤を剥離することがないよう、当然に、粘着剤層と皮膚との粘着力よりも小さい必要がある。加えて、貼付操作において、剥離シートを粘着剤層から剥離して、粘着剤層を露出することの妨げにならないよう、キャリアシートと支持体との剥離力は、粘着剤層と剥離シートとの剥離力よりも大きいことが好ましい。
キャリアシートの材質は、自己支持性があれば特に制限はなく、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンなど各種プラスチックのシートやフィルム、または、クラフト紙などが採用できる。キャリアシートが、紙を素材とする場合には、吸湿してカールするなど、貼付体シートとしての見栄えが悪くなることがあるため、クラフト紙または上質紙等にポリエチレン等をラミネートしたポリラミ紙(プラスチックフィルムと紙とのラミネート紙)などを使用することが好ましい。キャリアシートとしては、剛性のあるポリエステル素材のプラスチックシートやフィルムがより好ましい。キャリアシートの厚みは、取り扱い性の点から、20〜200μm程度のものを用いることが好ましく、より好ましくは40〜170μm、更に好ましくは60〜150μm、特に好ましくは80〜120μmである。キャリアシートと支持体を仮着する方法としては、剥離処理等を行ったキャリアシート上で、支持体となるポリウレタンフィルムを製膜する方法のほか、ポリウレタンなどの弱粘着性の粘着剤を介在させる方法、加圧法、加熱圧着法、天然ゴムなどのバインダーを用いた圧着法など任意の方法によって行うことができる。
本発明において、「仮着」とは、片手の力で、支持体からキャリアシートを分離することができる程度の弱い力で支持体とキャリアシートとが接着していることを指す。
キャリアシートは、貼付剤の支持体に積層されるものなので、通常、支持体と同じ形状と大きさにカットされるが、支持体より大きなものを使用することもできる。キャリアシートは、通例、貼付剤に対して1枚用いられる。キャリアシートを分割して、支持体に積層することもできるが、貼付剤を被着体に貼付するまでの一連の操作が煩雑になる上、廃棄物の発生数が増えるため好ましくない。
なお、後述するように、掴み部が、貼付剤及び剥離シートを除いたキャリアシートのみで構成される場合は、キャリアシートの形状と大きさは、支持体と異なるものとなる。
3.支持体
本発明の貼付体シートにおいて、粘着剤層とともに貼付剤を構成する支持体は、厚みが、通常20μm以下、好ましくは1〜15μm、より好ましくは1〜10μm、更に1μm以上10μm未満、特に好ましくは1〜8μm、最も好ましくは1〜6μmのものが採用される。支持体の厚みが1μm未満の場合には、支持体としての強度が不充分となり、貼付剤を被着体に貼付したり、貼付剤を被着体から剥がしたりする作業の際に、支持体が切れてしまうことがある。支持体の厚みが大きすぎると、貼付剤全体の厚みを薄くしても、貼付剤が皮溝などの微細な凹凸のある皮膚表面に沿って密着しにくく、貼付状態が目立ちやすくなり、違和感も大きくなることがある。
支持体としては、紙や織布、不織布等の不透明な支持体を用いることも可能である。しかし、貼付剤を皮膚に貼付した後に、目立たないことが必要な場合(化粧用途、経皮吸収剤用途等)は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアミド、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル、ポリエステルなどの各種プラスチックやエラストマーなどの材料からなる透明なフィルムが好ましく、特にエラストマーフィルムが好ましい。また、支持体の材料は、水で膨潤しないものであることが好ましい。
エラストマーとしては、例えば、ポリウレタンエラストマー、1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、これらの2種以上の混合物などを挙げることができる。これらのエラストマーの中でも、薄いフィルムへの製膜性に優れ、フィルムの伸縮性に優れるなどの観点から、ポリウレタンエラストマーが好ましい。
本発明に適したポリウレタンエラストマーとしては、市販品では、セイコー化成株式会社製の商品名ラックスキン(登録商標)US2268(ポリエーテル型);ラックスキンU−1223、U−1285、及びU−2860(ポリエステル型);を挙げることができるが、これらに限定されない。これらのポリウレタンエラストマーは、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
エラストマーのガラス転移温度(Tg)は、特に限定されない。例えば、高弾性のポリウレタンエラストマーのガラス転移温度は、50℃の高さになるものもある。エラストマーのガラス転移温度は、エラストマーフィルムの伸縮性、柔軟性、10%引張荷重などの観点から、−70〜20℃の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは−60〜10℃、特に好ましくは−55〜0℃の範囲内である。なお、エラストマーのガラス転移温度は、常法に従って、動的粘弾性測定装置を用いて測定した値である。
本発明の貼付体シートの貼付剤における支持体は、好ましくは1μm以上10μm未満の厚みを持つエラストマーフィルムである。該エラストマーフィルムは、貼付中の違和感(皮膚が伸縮したときに感じる貼付剤の抵抗感をいう。)が少ない点で、物性の方向による差異(異方性)が小さいことが好ましい。該エラストマーフィルムの製膜方法としては、10%引張荷重などの物性が縦方向と横方向とで実質的に同じ薄いフィルムを得ることができることから、溶液キャスティング法が好ましい。しかし、その他の製膜法によっても、エラストマーフィルムの10%引張荷重値が、縦方向と横方向とで大幅に異なることは少ない。
支持体を構成するエラストマーフィルムの厚みは、更に好ましくは1〜9μm、より好ましくは1〜8μmの範囲内である。貼付中の貼付剤の目立ちにくさや違和感の緩和の観点から、エラストマーフィルムの厚みを1〜6μmの範囲内にまで薄くすることができる。エラストマーフィルムの厚みが1μm未満の場合には、製膜が困難になることがある。
貼付剤の縦方向及び横方向の10%引張荷重を各々0.01〜1.2N/10mmの範囲内に制御するために、支持体として、日本工業規格のJIS Z 0237に従って測定した縦方向及び横方向の10%引張荷重が、各々0.01〜1.2N/10mmの範囲内にあるエラストマーフィルムを使用することが好ましい。エラストマーフィルムの縦方向及び横方向の10%引張荷重は、好ましくは各々0.03〜1.1N/10mm、より好ましくは各々0.05〜1.0N/10mm、特に好ましくは各々0.06〜0.95N/10mmの範囲内である。
10%引張荷重が小さすぎるエラストマーフィルムは、一般に、その厚みが小さくなりすぎるので、製膜性や取り扱い性が低下する。エラストマーフィルムの10%引張荷重が大きすぎると、剛性が強くなり、伸縮性や柔軟性が不足するため、該エラストマーフィルムを支持体とする貼付剤が皮溝などの微細な凹凸のある皮膚表面に沿って密着しにくくなり、貼付状態が目立ちやすくなる。しかも、10%引張荷重が大きすぎるエラストマーフィルムを支持体とする貼付剤は、皮膚表面への貼付時の違和感が強くなる。
これに対して、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムは、縦方向と横方向の10%引張荷重が、その厚みが1.5μmと薄い場合であっても、各々3.0N/10mmを超える大きさになるので、本発明において化粧用途で目立たないことが特に必要な場合に使用する支持体としては好ましくない。すなわち、PETフィルムを支持体とする貼付剤は、皮溝などの微細な凹凸のある皮膚表面に沿って密着しにくいため、貼付状態が目立ちやすく、また、皮膚表面への貼付時の違和感が強い。
4.粘着剤層
本発明の貼付体シートにおいて、支持体とともに貼付剤を構成する粘着剤層には、ゴム系やアクリル系、ウレタン系、シリコーン系、ビニルエーテル系などの公知の粘着剤を用いることができる。粘着剤層としては、被着体が皮膚面である場合は、皮膚刺激性が少ない粘着剤が採用され、アクリル系粘着剤やシリコーン系粘着剤が好ましく、更に、皮膚に確実に貼付し皮膚を抑える等の保持力が必要な場合は、アクリル系粘着剤が好ましく、角質剥離量を少なく抑える必要がある場合は、ウレタン系粘着剤や付加反応型シリコーン粘着剤が特に好ましい。
粘着剤層の厚みは、通常1〜25μm、好ましくは2〜22μm、より好ましくは3〜20μm、更に好ましくは3〜15μm、特に好ましくは4〜12μmの範囲内である。
〔薬理活性物質〕
粘着剤層には、薬理活性物質を配合することができる。したがって、本発明において、貼付剤には、粘着剤層に、薬理活性物質を含有するものと、薬理活性物質を含有しないものとのいずれの場合もある。
薬理活性物質としては、特に限定されないが、セラミド類、皮膚の保湿や皺やしみの発生防止などに対して効果を示すビタミン類、皮膚の炎症を抑えるグリチルレチン、グリチルリチン酸塩及びメントール、皮膚の痒みを抑えるクロタミトン、鎮痛薬のリドカイン、などを使用することができる。
ビタミン類としては、脂溶性ビタミンであるビタミンEやそのエステル、水溶性ビタミンであるビタミンB6、ビタミンCやそのエステル、及びその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種が有効である。特に好ましい薬理活性物質としては、皮膚に対する浸透性が高く、酸化ストレスを緩和し、色素沈着などを抑制するビタミンC誘導体のテトラヘキシルデカン酸アスコルビル〔商品名NIKKOL (登録商標)VC−IP、日光ケミカルズ株式会社〕や、保湿効果が高いビタミンB6誘導体であるトリ2−ヘキシルデカン酸ピリドキシン(商品名NIKKOL VB6−IP、日光ケミカルズ株式会社)などが挙げられる。
薬理活性物質としては、アトピー性皮膚炎の患部において、減少が著しいとされるセラミド1や、セラミドの合成促進や静菌作用を持つフィトスフィンゴシンなどの添加も有用である。また、適宜、保湿性を維持するためのグリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、尿素、乳酸ナトリウム、ペプチド、ヘパリン、ヒアルロン酸などの保湿剤の添加も可能である。その他、シミなどの皮膚の様々なトラブルに効果が期待される成分も、添加する薬理活性物質として有用である。その他、抗菌剤などを必要に応じて配合することによって、貼付剤を貼付した被着体部位の雑菌の繁殖を防止することができるので好ましい。
5.貼付剤
本発明の貼付体シートにおける貼付剤は、同形状の支持体と粘着剤層の2層が、積層されてなるものである。
支持体と粘着剤層との合計厚み(単に、「貼付剤の厚み」ということがある)は、通常2〜25μmの範囲内であり、好ましくは3〜20μm、より好ましくは4〜18μmである。多くの場合4〜14μmという極めて薄い貼付剤の厚みの範囲内で、良好な結果をもたらすことができる。
貼付剤の厚みが小さすぎると、粘着力が低下したり、製造が困難になったりする。貼付剤の厚みが大きすぎると、貼付した後の貼付剤が目立ちやすくなり、貼付時の違和感が増大することもある。
貼付剤の大きさ及び形状は、通常、貼付剤として採用される大きさ及び形状であればよく、特に限定されないが、短辺と長辺とを有する略長方形の形状のものが取り扱いやすい。更に、前記略長方形の4頂点の近傍が略円弧状に切り欠かれて丸くなった(Rをつけた)いわゆるカプセル型の形状が好ましい。特に、貼付剤を顔に貼付する場合には、長辺を縦方向、短辺を横方向としたとき、縦方向が2.0〜8.0cm、好ましくは3.0〜7.0cm、より好ましくは3.5〜6.0cmの範囲の長さであり、横方向が0.5〜3.5cm、好ましくは0.8〜3.0cm、より好ましくは1.0〜2.5cmの範囲の長さである略長方形で、更に、頂点近傍にRをつけたカプセル型が好ましい。貼付剤の短辺と長辺の長さの比は、1:2〜1:9の範囲内であることが好ましく、より好ましくは1:3〜1:6の範囲内である。
貼付剤の形状としては、カプセル型のほかに、涙型(しずく型)、半月型、三日月型、ひょうたん型、円形型、ブーメラン型等にすることもできる。
6.剥離シート
本発明の貼付体シートにおける剥離シートは、貼付剤の粘着剤層の表面が、貼付前に汚染されることを防止するために、粘着剤層を被覆し保護するものであり、粘着剤層に易剥離状態で仮着されている。易剥離状態の程度としては、剥離シートを粘着剤層から剥離して、粘着剤層を露出することの妨げにならないよう、剥離シートと粘着剤層との剥離力は、キャリアシートと支持体との剥離力より小さいことが好ましい。
剥離シートとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、または、ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステルなどのプラスチックのシートやフィルム、プラスチックフィルムと紙とのラミネート紙(ポリラミ紙)などの上にシリコーン剥離処理を行うなど、通常、貼付剤の技術分野で汎用されている剥離シートが使用できる。また、粘着剤層に含有される薬理活性物質が剥離シートに移行するおそれがあるので、キャリアシートと同様に、ポリエステルフィルムなど、薬物非吸着性のフィルムに表面処理加工することが好ましい。剥離シートの厚みは、適宜設定できるが、取り扱い性の点から、通常10〜500μm、好ましくは20〜300μm、より好ましくは25〜200μmの範囲である。
〔剥離シートの面積〕
本発明の貼付体シートは、少なくとも本体部において、剥離シートの面積が、貼付剤の面積、すなわち、支持体及び粘着剤層の面積よりも大きい。
本体部において、剥離シートが、貼付剤よりも大きいことによって、片方の手で、貼付体シートの掴み部を指で摘み、貼付体シートの貼付剤が設けられていない部分(図1及び2における4’の部分)の剥離シートを、同じ手または他方の手で押さえて、掴み部をキャリアシート側に剥離することで、容易に貼付剤を剥離シートから剥離することができる。
一方、本体部において、剥離シートの面積が、貼付剤の面積と同一またはそれ以下である場合は、剥離シートを貼付剤から剥離するときに、貼付体シート全体を一定以上折り曲げて、分割線から剥離シートを剥離するきっかけをつくる必要が生じる。しかし、例えば、厚みが1μm以上10μm未満であるような極めて薄い支持体の場合は、キャリアシートの剛性が強くないと剥離するきっかけをつくるのが困難である。特に、紙等の剛性が弱い素材をキャリアシートに用いる場合は、貼付体シートを折り曲げても、必ずしも剥離シートを、分割線から剥がすことができない。また、剥離シートを剥がすために、何度も貼付体シートを折り曲げると、掴み部に余計な力がかかってしまい、剥離シートから貼付剤を剥離する前に、掴み部がちぎれてしまうなどの不都合が生じる。
本発明の貼付体シートは、掴み部においては、剥離シートの面積が、貼付剤の面積より大きくなくてもよい。例えば、図1に示すように、掴み部においては、剥離シートと貼付剤とが同一形状であってもよく、この場合は、貼付体シートの掴み部の外縁(輪郭)は、切り込みによって形成され掴み部と本体部との境界となる切り込み線に接続して形成されている。剥離シートと貼付剤とが同一形状である掴み部は、キャリアシート、貼付剤及び剥離シートを積層した状態で、掴み部の形状に合致する打ち抜き型により容易に形成することができる。
また、図2に示すように、本発明の貼付体シートは、本体部に加えて、掴み部においても、剥離シートの面積が、貼付剤の面積、すなわち、支持体及び粘着剤層の面積より大きくてもよい。この場合は、掴み部に設けられている貼付剤及びキャリアシートを摘んで、掴み部及び本体部に設けられている貼付剤及びキャリアシートを剥離シートから分離して、皮膚等の被着体に貼付する。
なお、本発明において、剥離シートの面積が、貼付剤の面積よりも大きいとは、剥離シートの面積が、貼付剤の面積より、通常15%以上、好ましくは20%以上、より好ましくは25%以上大きい場合を意味する。15%未満の面積の差であると、本発明の効果が十分発揮されないことがある。また、特に、後述する貼付剤の複数枚が、剥離シート状に並列している貼付体シートの場合は、隙間なく貼付剤を並べると不都合が生じることがある。
7.掴み部
本発明の貼付体シートの掴み部の形状は、特に限定されず、円形、矩形、楕円形、山型等にすることができる。ただし、掴み部の形状を、略長方形やカプセル型など先に述べた貼付剤の形状に対応した形状にすることが、製造工程上は簡便である。
また、掴み部は、通常、キャリアシート、貼付剤及び剥離シートから構成されているが、キャリアシートが唯一の必須構成である。例えば、掴み部は、貼付剤(支持体と粘着剤層とから構成される。)及び剥離シートを除いて、キャリアシートのみで構成されるものとしてもよい。
さらに、掴み部を掴みやすくするための工夫として、掴み部の貼付剤が配置されている面またはその反対側の面に、新たに掴み部を補強するものを加えてもよい。例えば、掴み部よりも若干大きな面積を持つ粘着テープを積層して、掴み部の剛性を高めることができる。
8.切り込み
本発明の貼付体シートは、掴み部と本体部との境界が、特有の切り込みによって形成される切り込み線である。該切り込みは、剥離シート側から始まり、剥離シートと貼付剤とを貫通し、キャリアシートの貼付剤側からの厚みの20%以上50%未満の範囲の深さに達するようになされている。
すなわち、切り込み線を形成する切り込みは、剥離シート、粘着剤層及び支持体を貫通することによってこれらを分割するとともに、キャリアシートを、その厚みの少なくとも半分以上を残して切り込んだ状態としている。キャリアシートの貼付剤側からの厚みの50%以上の範囲の深さまで切り込むと、キャリアシートの切り込みがある部分の強度が小さくなるので、貼付剤を被着体に貼付しているときや、剥離シートから貼付剤を剥離する前に、掴み部が切れてしまうなどの不都合が生じるおそれがある。キャリアシートの貼付剤側からの切り込みの深さは、キャリアシートの厚みの、好ましくは25〜45%、より好ましくは30〜40%の範囲である。
本発明の貼付体シートは、この切り込みを設けることによって、掴み部におけるキャリアシート(貼付剤及びキャリアシートが積層されている場合を含む。)が、無荷重状態では、切り込みの先端を支点として、本体部の表面の延長方向に対して1〜90度の角度、好ましくは3〜80度の角度、より好ましくは5〜70度の角度をなしていることがある。この場合、掴み部におけるキャリアシートが、剥離シートから貼付剤を剥離する側に向かって、折ぐせがついて持ち上がっているため、貼付剤をより一層剥離しやすく、また、視認性も良好であるので好ましい。この結果、貼付体シートの本体部において剥離シートから貼付剤を剥離するときに、粘着剤の表面を汚染する懸念がなく、貼付剤を皮膚等の被着体にきれいに貼付することができ、貼付剤の被着体への貼付操作が容易になる。掴み部におけるキャリアシートの本体部の延長方向に対する角度は、切り込みの位置や深さ、キャリアシートの厚みなどを変更することによって調整することができる。
切り込み線は、通常、掴み部側の貼付剤の長辺方向の端部から、長辺の長さの1/10〜2/5、好ましくは1/8〜1/3離れた範囲内の位置で、貼付剤の短辺方向(直角方向)に一直線に切り込まれる切り込みによって形成される。掴み部側の貼付剤の長辺方向の端部に近すぎる位置に切り込み線を設けると、掴み部の強度が不足することがあり、また、粘着剤が手に触れやすくなることがある。掴み部側の貼付剤の長辺方向の端部から離れすぎる位置に切り込み線を設けると、貼付体シートにおいて最終的に廃棄される量が増加する。
切り込み線は、直線状のほか、曲線状でもジグザグ状でもよい。具体的には、円弧状、波状、のこぎり状のような形状にすることもできる。切り込みの先端部には、貼付剤の短辺方向に、V字型またはU字形のノッチやくぼみを設けてもよい。ノッチやくぼみは、通常、短辺方向長さの半分以下とすることが好ましい。
9.複数の貼付剤の配列
本発明の貼付体シートは、キャリアシート、貼付剤及び剥離シートが1つずつ設けられた単体で使用することができるが、図4及び5に示すように、キャリアシートを積層した貼付剤の複数枚を、1つの剥離シート上に並列して形成されている貼付体シートとしてもよい。この場合、剥離シートは、キャリアシートを積層した貼付剤の複数枚において共有されることとなる。キャリアシートを積層した貼付剤の複数枚が、剥離シート上に、複数並列して貼付体シートが形成されていると、剥離シートから貼付剤を剥離し、皮膚等の被着体に貼付する操作を、片手で次々に行うことができるので操作性が向上する。
キャリアシートを積層した貼付剤の複数枚を剥離シートに並列して貼付体シートが形成される場合、貼付剤を剥離シート上に隙間なく並べておくことも、一定の間隔を空けて並べることもできる。しかし、貼付剤を隙間なく並べると、隣あう貼付剤の剥離の仕方によっては、剥離シート上にある隣の貼付剤に空気が入って、皺が発生するなどの不都合が生じることがある。
剥離シート上に、キャリアシートを積層した貼付剤の複数枚を隙間なく並べる場合は、掴み部側から隣あう2つの貼付剤の間にキャリアシートを完全に分断する切り込みを更に付与するなどの工夫が必要となることが多い。したがって、剥離シート上に一定の間隔を空けて、キャリアシートを積層した貼付剤の複数枚を並べることが好ましく、通常1〜10mm程度、より好ましくは1.5〜8mm程度、更に好ましくは2〜7mm程度の間隔で並べる。
10.貼付体シートの製造方法
本発明の貼付体シートを製造する方法は、キャリアシート1、貼付剤(同形状の支持体2と粘着剤層3との2層からなる。)及び剥離シート4をこの順序で積層した貼付体シートを製造し、更に、剥離シート側から、貼付剤を貫通し、キャリアシート1の貼付剤側からの厚みの20%以上50%未満の範囲の深さに達する切り込みXによって、掴み部aと本体部bとの境界である切り込み線を形成することができれば、特に限定されない。以下に、キャリアシートを積層した貼付剤の複数枚を剥離シートに並列して、貼付体シートを製造する方法について、一例を説明する。
剥離シート4の片面に、アクリル系、シリコーン系などの粘着剤の有機溶剤溶液を、バーコーティング法で所定厚み塗布し、その後、乾燥して粘着剤層3を形成する。
一方、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルムや、上質紙等にポリエチレン等をラミネートしたポリラミ紙などをキャリアシート1とし、ポリラミ紙の場合についていえば、そのポリエチレン等側の面上に、ポリエーテル型またはポリエステル型のポリウレタンエラストマー溶液などを、バーコーティング法にて所定厚み塗布し、乾燥して支持体2を作製する。ポリエーテル型ポリウレタンエラストマー溶液としては、セイコー化成株式会社製の商品名「ラックスキン US2268」(Tg=−23.1℃)などが使用できる。
上記方法で得られた支持体2と、上記粘着剤層3とを貼り合わせて、キャリアシート1/支持体2/粘着剤層3/剥離シート4の積層構成を持つ貼付体シートを作製する。ここでは、転写塗工方式による貼付体シートの製造方法を説明したが、本発明においてはこの限りではなく、コンマコーティングやナイフコーティング、リバースコーティングなど様々なコーティング法で製造してもよく、また、塗工方式は直塗工方式なども用いることができる。
その後、略長方形の形状を有する貼付剤の長辺方向の端から、例えば、約1cm離れた位置に、剥離シート4側から、粘着剤層3と支持体2とを貫通して、キャリアシート1の貼付剤側からの厚みの20%以上50%未満の範囲の深さに達する切り込みXを入れる。
次いで、キャリアシート1側から剥離シート側4に向けて、貼付剤の大きさを、例えば、横1cm、縦5cmの長方形とし、かつ、頂点近傍を丸くした(Rをとった)状態で、横12cm、縦10cmに形成した剥離シート4上に、20個の貼付剤が並列するように、キャリアシート1と貼付剤のカット(例えば、レシプロ式やロータリー式)を行う。このとき、掴み部aとなる部分は、剥離シート4からキャリアシート1まで貫通させた切り込みを入れて、掴み部aの周囲の耳が残るようにして貼付体シートを作製する。その後、貼付剤以外の余白部分(キャリアシート1、支持体2及び粘着剤層3)と、耳の部分(キャリアシート1、支持体2、粘着剤層3及び剥離シート4)を剥がし取って、貼付体シートとしてもよい。
また、貼付体シートのその他の態様及び製造方法として、工程数が増えるが、キャリアシート/支持体/粘着剤層/剥離シートの積層構成を備えるロール状の粘着テープの元巻を作製して、剥離シート側から、貼付剤(支持体と粘着剤層)を貫通し、キャリアシートの貼付剤側からの厚みの20%以上50%未満の範囲の深さに達する切り込みを1本または複数本形成した後に、該切り込みで2つ以上に分割された剥離シートをすべて剥がし、現れた粘着剤面の切り込みの部分を覆うことのできる十分な大きさの剥離シートを粘着剤層に積層し、次いで、キャリアシート側から、所望の貼付体シートの形状にカットして、貼付体シート以外の不要な構成物であるキャリアシート/支持体/粘着剤層の部分を除いた後、剥離シート上にキャリアシートを積層した貼付剤の1枚または複数枚が載るように剥離シートをカットすることによって、貼付体シートを得てもよい。
この場合に得られる貼付体シートは、キャリアシートを積層した貼付剤の1枚または複数枚が、1つの剥離シート上に形成されている貼付体シートとなる。したがって、本発明の貼付体シートにおいて、「(f)該切り込みが、剥離シート側から、貼付剤を貫通し、キャリアシートの貼付剤側からの厚みの20%以上50%未満の範囲の深さに達する」とは、該切り込みが、剥離シートを貫通していないものを包含する。この態様においても、掴み部は、貼付剤(支持体と粘着剤層とから構成される。)及び剥離シートを除いて、キャリアシートのみで構成されるものとしてもよい。
さらに、貼付体シートのその他の態様として、剥離シートの粘着剤とは反対側の面の全面または一部に、テーブル等に固定するための両面テープを配置することもできる。
貼付体シートは、当業者が通常用いる包装体に入った状態で提供される。
11.貼付剤の被着体への貼付手順
本発明の貼付体シートを使用して、貼付剤を皮膚などの被着体に貼付する操作手順を説明する。
まず、貼付体シートの掴み部aを把持して、キャリアシート1上方に向かって、剥離シート4から貼付剤を剥離し、粘着剤層3の表面の粘着剤を露出させる。貼付体シートの掴み部aは、キャリアシート1に貼付剤側からの厚みの20%以上50%未満の範囲の深さに達する切り込みXがあるために、キャリアシート側に、本体部bの表面の延長方向に対して1〜90度折れ曲がった状態となっていることがある。この場合、掴み部aの視認性がよく、片手でも剥離シート4から貼付剤を剥がしやすい。
次に、皮膚等の被着体と粘着剤層3の表面とを合わせるように、貼付剤を貼付する。貼付剤の貼付時には、支持体2上にキャリアシート1が仮着されていることによって、厚みが薄い支持体2であっても、自己支持性が付与されているので、支持体2に皺が入ったり、粘着剤が指に付着したりすることなく、貼付剤を皮膚に貼付することができる。
貼付剤の貼付後は、粘着剤層3及び支持体2は、切り込みXによって、掴み部aと本体部bとに分割されているので、掴み部aを剥離すれば、支持体2と粘着剤層3から構成される本体部bの貼付剤のみが、皮膚に貼付され、貼付操作が終了する。
このような手順によって、剥離シートからの貼付剤の剥離、貼付剤の皮膚への貼付、及び、掴み部を含むキャリアシートを剥がして貼付を終了するという一連の操作を、片手でも実施することができ、また、廃棄物を一度に取り除くことが可能であり、かつ、1回の貼付操作での廃棄物が実質上1つしかない、などの利点がある。
12.貼付体シートの用途等
本発明の貼付体シートは、医療用、化粧用、工業用、文具用、家庭用等の各種貼付剤として利用することができる。
例えば、厚みが1〜10μmである薄いポリウレタンエラストマーフィルムを支持体とし、厚みが3〜8μmであるアクリル系またはシリコーン系粘着剤を含む比較的薄い粘着剤層が積層して形成され、横1cm〜3cm×縦3〜5cmの略長方形で頂点近傍を丸くしたカプセル型形状の貼付剤は、顔の眼周辺や耳の裏、頬等に貼付して、化粧用途、特に皺やたるみを引き上げて伸ばす、いわゆるリフトアップ用として用いるのに適している。本発明の貼付体シートは、片手で貼付剤を貼付することができるため、リフトアップ用途においては、顔の皮膚を片手で抑えて、もう片方の手で貼付剤の貼付操作を行えばよいため、一人でもリフトアップを行う作業をすることが容易であり、従来の貼付剤よりも取り扱い性が向上している。
また、本発明の貼付体シートは、皮膚患部を覆うことにより、掻破による患部の悪化を回避することができ、アトピー性皮膚炎などの皮膚炎の患部に対して自然の回復を促すことが可能となる。すなわち、本発明の貼付体シートは、支持体として厚みが薄いポリウレタンエラストマーフィルム等を使用することができるため、粘着剤層に薬理活性物質を含有し、または含有しなくても、適度な透湿性を有しながら皮膚表面を保護することができる。この結果、本発明の貼付体シートは、外因物質の侵入を防ぎ、皮膚炎の症状を有するヒトが、無意識に皮膚を掻破してしまうことを防ぐことができる。さらに、本発明の貼付体シートは、アトピー性皮膚炎症状のヒトなどが、皮膚掻破行動をとったときにも、皮膚上の貼付剤が皮膚の直接的な掻破を防止するバリアとして機能するので、医療用のみならず、家庭用または化粧用の貼付剤としても有用である。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限られるものではない。実施例及び比較例における貼付体シートの形状、及び、貼付特性の測定方法は、以下のとおりである。
(1)層の厚み
キャリアシート、支持体、粘着剤層及び剥離シートの厚みは、ダイヤルシックネスゲージによって測定した。
(2)切り込みの深さ
切り込みの深さは、レーザー顕微鏡を用いて測定を行った。
(3)貼付特性の評価
以下の1)から3)の貼付体シートの貼付特性の評価は、実施例及び比較例で作製した貼付体シートを用いて、ヒトの皮膚に対して、貼付剤の貼付が完了するまでの使用性について官能評価を行った。具体的には、成人男女20代〜30代の5名を被験者として、剥離シートから剥離した横1cm、縦4.5cmの貼付剤を、前腕内側部に5枚ずつ貼付した。貼付する際には、貼付剤の粘着剤を、皮膚に貼付後、指で軽く圧着した。
1)剥離シートからの剥離時の評価
剥離シートから、上記の貼付剤を5枚ずつ剥離して、剥離シートから貼付剤を剥離するときの評価を行った。評価基準は次のとおりである。
AA: 5名中4〜5名が、剥離の重さや強さ、貼付剤のヨレ、及び剥離シートへのテープ残りがない、と回答した。
A: 5名中3名が、剥離の重さや強さ、貼付剤のヨレ、及び剥離シートへのテープ残りがない、と回答した。
B: 5名中2名が、剥離の重さや強さ、貼付剤のヨレ、及び剥離シートへのテープ残りがない、と回答した。
C: 5名中1名または0名が剥離の重さや強さ、貼付剤のヨレ及び剥離シートへのテープ残りがない、と回答した。
2)貼付時の評価(粘着剤への触れ)
剥離シートから剥離した、上記の貼付剤を5枚ずつ、前腕内側部に貼付したときの粘着剤への接触の有無を評価した。5枚中1枚でも、指が粘着剤に触れた場合は、「指が粘着剤に触れた」ものと取り扱った。評価基準は次のとおりである。
AA: 5名中5名が、貼付剤を皮膚に貼付するまでに、指が粘着剤に触れることなく貼付可能であった。
A: 5名中3〜4名が、貼付剤を皮膚に貼付するまでに、指が粘着剤に触れることなく貼付可能であった。
B: 5名中1〜2名が、貼付剤を皮膚に貼付するまでに、指が粘着剤に触れることなく貼付可能であった。
C: 5名中5名が、貼付剤を皮膚に貼付するまでに、指が粘着剤に触れてしまった。
3)取り扱い性の評価
剥離シートからの貼付剤の剥離、貼付剤の皮膚への貼付、及び、掴み部を含むキャリアシートを剥がして貼付を終了するという一連の操作について評価した。評価基準は次のとおりである。
AA: 5名中4〜5名が、取り扱い性がよいと回答した。
A: 5名中3名が、取り扱い性がよいと回答した。
B: 5名中2名が、取り扱い性がよいと回答した。
C: 5名中1名、または0名が取り扱い性がよいと回答した。
[実施例1]
ポリエチレンをラミネートした上質紙(厚み100μm)をキャリアシート1とし、そのポリエチレン側の面上にポリエーテル型の透湿性ポリウレタンエラストマー溶液を、乾燥後の厚みが5μmとなるように、バーコーティング法にて塗布し、乾燥して、支持体2を形成した。ポリエーテル型ポリウレタンエラストマー溶液は、セイコー化成株式会社の商品名「ラックスキン US2268」(Tg=−23.1℃)である。
剥離シート4(ポリエチレンラミネート紙にシリコーン処理したもので、縦10cm、横12cm、厚み120μmである。)の片面に、アクリル系粘着剤(アクリル酸2−エチルヘキシルエステル/酢酸ビニル/アクリル酸=85/11/4重量比の共重合体)の有機溶剤溶液を、乾燥後の厚みが5μmになるようにバーコーティング法で塗布し、その後、乾燥して粘着剤層3を形成した。
上記で得られたキャリアシート1と支持体2とからなる積層体の支持体2側に、上記粘着剤層3を貼り合わせて、キャリアシート1/支持体2/粘着剤層3/剥離シート4の積層構成の貼付体シートを作製した。
貼付体シートの縦方向の端から1cm付近に、剥離シート4側から、貼付剤(粘着剤層3と支持体2とからなる。)を貫通し、キャリアシート1の貼付剤側からの深さ35μmにまで達する直線状の切り込みXを入れた。
次いで、キャリアシート1側から剥離シート4側に向けて、貼付剤が、横1cm、縦4.5cmの略長方形で、頂点近傍を丸くした(Rをとった)カプセル型である状態で、上記の剥離シート4上に、20個(10個×2列)の貼付剤が並列するように、キャリアシート1と貼付剤とをカットした。隣り合う貼付剤の間隔は約2mmであった。
このとき、掴み部aとなる部分の貼付剤が設けられていない剥離シート4に、貼付剤の縦方向の端部から1cmの部分と貼付剤の輪郭とに合わせて、該剥離シート4側からキャリアシート1を貫通する切り込みを入れて、貼付剤の複数枚が剥離シート4上に並列している貼付体シートを作製した。その後、本体部bの貼付剤以外の余白部分(キャリアシート1、支持体2及び粘着剤層3)、及び、掴み部aの耳の部分(キャリアシート1、支持体2、粘着剤層3及び剥離シート4)を剥がし取って、図4のような貼付体シートを作製した。貼付体シートの貼付特性の評価結果を、表1に示す。
[実施例2]
掴み部aを、キャリアシート1のみ(支持体2、粘着剤層3及び剥離シート4を取り除いた。)としたほかは、実施例1と同様の手順で貼付体シートを作製した。貼付体シートの貼付特性の評価結果を、表1に示す。
[比較例1]
剥離シート4側からの切り込みXを入れず、したがって、掴み部と本体部との境界となる切り込み線を形成しないで、剥離シートの大きさを横1cm、縦4.5cmの略長方形で、頂点近傍を丸くした(Rをとった)カプセル型形状の貼付体シートと同形状に製造したこと以外は、実施例1と同様の手順で、キャリアシート1/支持体2/粘着剤層3/剥離シート4の各層がすべて同一の大きさである貼付体シートを評価で必要な枚数分作製した。貼付体シートの貼付特性の評価結果を、表1に示す。
[比較例2]
切り込みXを、キャリアシート1の深さ60μmに達するまで入れて深くして、切り込み線を形成したほかは、実施例1と同様の手順で貼付体シートを作製した。貼付体シートの貼付特性の評価結果を、表1に示す。
Figure 2012029831
剥離シート側から、貼付剤を貫通し、キャリアシートの厚みの20%以上50%未満の範囲の深さに達する切り込みXによって、掴み部と本体部との境界である切り込み線を形成した実施例1及び2の貼付体シートは、剥離シートから貼付剤を剥離するときの評価、貼付時の評価、及び取り扱い性の評価が、いずれも優れていた。これに対し、剥離シート側から、貼付剤を貫通し、キャリアシートに達する切り込みを形成していない比較例1の貼付体シートは、剥離シートからの剥離時の評価、貼付時の評価、及び取り扱い性の評価が、良好(B)または不良(C)であった。また、剥離シート側から、貼付剤を貫通し、キャリアシートに達する切り込みにおいて、キャリアシートの厚みの50%以上の範囲の深さに達する切り込みを形成した比較例2の貼付体シートは、粘着剤の触れはなかったが、剥離シートからの剥離時の評価及び取り扱い性の評価が、良好(B)にとどまった。
本発明は以上のように支持体背面に自己支持性を有するキャリアシートを易剥離状態に仮着した貼付剤に、剥離シートから支持体にわたる特定の切り込み線を設けているので、被着体への貼付操作性に優れ、皺が入らずきれいに貼付することができる。また、貼付の際に粘着剤層の表面が手指で汚染されることもなく、キャリアシートの剥離も従来のものと比べて簡単に行えるものである。
1 キャリアシート
2 支持体
3 粘着剤層
4 剥離シート
4’ 剥離シート(貼付剤なし)
a 掴み部
b 本体部
X 切り込み
本発明によれば、キャリアシート、貼付剤及び剥離シートを、この順序で積層した貼付体シートであって、
(a)貼付剤は、同形状の支持体と粘着剤層との2層からなり、
(b)キャリアシートは、前記貼付剤の支持体に隣接し、
(c)該貼付体シートは、掴み部と本体部とから構成され、
(d)本体部において、剥離シートの面積が、貼付剤の面積より大きく、
(e)掴み部と本体部との境界が、切り込みによって形成される切り込み線であり、かつ、
(f)該切り込みが、剥離シート側から、貼付剤を貫通し、キャリアシートの貼付剤側からの厚みの少なくとも半分以上を残して切り込んだ状態としている前記貼付体シートが提供される。また、本発明によれば、キャリアシート、貼付剤及び剥離シートを、この順序で積層した貼付体シートであって、
(a)貼付剤は、同形状の支持体と粘着剤層との2層からなり、
(b)キャリアシートは、前記貼付剤の支持体に隣接し、
(c)該貼付体シートは、掴み部と本体部とから構成され、
(d)本体部において、剥離シートの面積が、貼付剤の面積より大きく、
(e)掴み部と本体部との境界が、切り込みによって形成される切り込み線であり、かつ、
(f)該切り込みが、剥離シート側から、貼付剤を貫通し、キャリアシートの貼付剤側からの厚みの20%以上50%未満の範囲の深さに達する前記貼付体シートが提供される。
また、本発明者らによれば、リフトアップのために貼付剤を顔に貼付する前記の貼付体シートの使用、または、皮膚の直接掻破を防止するために貼付剤を皮膚表面に貼付する前記の貼付体シートの使用が提供される。
更に、本発明者らによれば、掴み部を把持して、剥離シートから、本体部のキャリアシートを積層した貼付剤を剥離し、被着体にキャリアシートを積層した貼付剤を貼付した後に、該掴み部及びキャリアシートを取り外すことで、貼付操作を完成する前記の貼付体シートの貼付剤の被着体への貼付方法が提供される。

Claims (21)

  1. キャリアシート、貼付剤及び剥離シートを、この順序で積層した貼付体シートであって、
    (a)貼付剤は、同形状の支持体と粘着剤層との2層からなり、
    (b)キャリアシートは、前記貼付剤の支持体に隣接し、
    (c)該貼付体シートは、掴み部と本体部とから構成され、
    (d)本体部において、剥離シートの面積が、貼付剤の面積より大きく、
    (e)掴み部と本体部との境界が、切り込みによって形成される切り込み線であり、かつ、
    (f)該切り込みが、剥離シート側から、貼付剤を貫通し、キャリアシートの貼付剤側からの厚みの20%以上50%未満の範囲の深さに達する
    前記貼付体シート。
  2. キャリアシートを積層した貼付剤の複数枚が、剥離シート上に並列している請求項1に記載の貼付体シート。
  3. キャリアシートを積層した貼付剤の複数枚が、剥離シート上に並列し、かつ、掴み部の外縁が前記の切り込み線に接続して形成されている請求項1に記載の貼付体シート。
  4. 更に、掴み部において、剥離シートの面積が、貼付剤の面積より大きい請求項1に記載の貼付体シート。
  5. 掴み部が、キャリアシートのみで構成される請求項1に記載の貼付体シート。
  6. 前記(f)の切り込みが、剥離シートを貫通していない請求項1記載の貼付体シート。
  7. 支持体の厚みが1〜10μmである請求項1に記載の貼付体シート。
  8. 支持体が、エラストマーフィルムである請求項1に記載の貼付体シート。
  9. 支持体が、ポリウレタンエラストマーフィルムである請求項1に記載の貼付体シート。
  10. キャリアシートが、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルムまたはポリラミ紙であり、かつ、剥離シートが、剥離処理されたポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルムまたはポリラミ紙である請求項1に記載の貼付体シート。
  11. 貼付剤が、短辺と長辺の長さの比が1:2〜1:9の略長方形であり、かつ、前記の切り込み線が、該貼付剤の長辺の長さの1/8〜1/3の範囲内の距離で、短辺に平行な方向に形成されている請求項1に記載の貼付体シート。
  12. 前記の略長方形である貼付剤の頂点近傍が略円弧状に切り欠かれている請求項11に記載の貼付体シート。
  13. 掴み部におけるキャリアシートが、前記切り込み線を起点として、本体部の表面の延長方向に対して1〜90度の角度をなしている請求項1に記載の貼付体シート。
  14. 支持体からキャリアシートを剥離する剥離力が、粘着剤層から剥離シートを剥離する剥離力よりも大きい請求項1に記載の貼付体シート。
  15. 薬理活性物質を粘着剤層中に含有する請求項1に記載の貼付体シート。
  16. 貼付剤を顔に貼付して用いる請求項1に記載の貼付体シート。
  17. リフトアップのために貼付剤を顔に貼付して用いる請求項16に記載の貼付体シート。
  18. 皮膚の直接掻破防止のために用いる請求項1に記載の貼付体シート。
  19. リフトアップのために貼付剤を顔に貼付する請求項1に記載の貼付体シートの使用。
  20. 皮膚の直接掻破を防止するために貼付剤を皮膚表面に貼付する請求項1に記載の貼付体シートの使用。
  21. 掴み部を把持して、剥離シートから、本体部のキャリアシートを積層した貼付剤を剥離し、被着体にキャリアシートを積層した貼付剤を貼付した後に、該掴み部及びキャリアシートを取り外すことで、貼付操作を完成する請求項1に記載の貼付体シートの貼付剤の被着体への貼付方法。
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