JPWO2012018029A1 - 血圧測定装置 - Google Patents
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Abstract
Description
一方、家庭血圧が外来血圧より高値になる「仮面高血圧」と呼ばれるケースもある。代表的なケースとしては、早朝高血圧があり、血圧日内変動としての朝の血圧上昇が過度になった場合が含まれるが、日中の外来受診時には、血圧が下がり、高血圧を見落とされるおそれもある。
そこで従来、24時間の血圧を定期的に自動で測定する装置「24時間血圧計(ABPM)」が開発され、日常生活の中で、どのように血圧が変化しているかを観ることができるようになった。
血圧計の装着は医師または看護師が行い、装着後は帰宅して日常生活を過ごし、翌日指定された時間に装置をはずしに来院するという技術である。
すなわち、使用者は血圧測定器を肩から吊り下げて、空気ポンプからのチューブを身体に這わせた状態でかつ比較的大型のカフを巻いて日常生活を過さなければならず、カフは携帯用に24時間装着するように専用に開発されたものではないため、使用者に苦痛が多いということ。
また、使用者自身が日常活動の記録(就眠と起床時間、睡眠深度、食事、排便排尿、服薬など)を都度つける必要があり、1週間、1月など長期にわたる血圧測定には適していないという問題点があった。
従来、持ち運びに簡易で、日常生活において血圧を測定する技術として、腕時計型の血圧測定装置などが提案されている(例えば特許文献1参照)。
また、カフを用いずに血圧をモニタリングする装置の技術として、橈骨動脈を体表面から圧力センサーで押し付け、この押し付けた点の圧力を圧力計により測定し血圧を検出するトノメトリ法を使った血圧モニタリング装置もある(たとえば特許文献2参照)。
ところが、この技術では、脈波伝搬方式による電子腕時計式血圧計に加えて、腕に捲くカフを備えた直接測定方式の血圧測定装置が必要であり、コスト高になってしまう問題があった。
また、この血圧測定装置は電子腕時計式血圧計を備えたものであるが、24時間の血圧測定を前提として考えられたものではないため、日常の記録と血圧との関連など臨床の現場に必要な質の高い血圧測定をするには充分でないという問題があった。
特許文献2にかかる血圧モニタリング装置は、1心拍ごとの血圧を連続してモニタリングできるものであるが、橈骨に常に圧力センサーを押し付ける方法であるため、使用者に負担がかかり、圧力センサー自体も高価なことから、装置自体が大変高価なものとなり、一般向けとしては適用が難しいという問題がある。さらにこの血圧モニタリング装置も、日常の記録と血圧とを関連づけるための機能を備えていないという課題もある。
すなわち、本発明の血圧測定装置は、使用者の手首もしくは上腕に装着し手首もしくは上腕の血管を圧迫するためのカフ部と、このカフ部を保持するとともに最高血圧および最低血圧を測定する血圧測定手段を備えた血圧測定器本体と、前記血圧測定手段からの信号を解析して24時間行動下における動脈波形に変換する血圧解析手段と、血圧解析手段からの情報を表示する表示部とを備え、24時間行動下の血圧を測定するようにした血圧測定装置であって、前記血圧解析手段に、24時間行動下における血圧の測定時間を設定し当該設定時間において血圧測定手段を制御する血圧測定設定手段と、使用者の日常の活動内容を設定するアジェンダ設定手段と、血圧の測定時間と使用者の日常の活動内容とを関連づけて表示部に動脈波形とともにこれらの情報を表示するアジェンダ表示手段とを備えたことを特徴とする。
ここで、使用者の日常の活動内容とは、例えば、就眠時間や起床時間、睡眠深度、服薬時、食前、食後、排便排尿前後、等の日常的な活動や行動計画、予定、スケジュールを指しており、これらの使用者の日常の活動内容をアジェンダと称する。すなわち、前記アジェンダ設定手段とは、使用者の日常の活動内容を、血圧測定器本体に備えられる記憶手段等に記憶させるための手段を指している。
本発明によれば、血圧測定設定手段により、24時間行動下における血圧の測定時間を設定し、アジェンダ設定手段により、使用者の日常の活動内容を設定し、アジェンダ表示手段によって、血圧の測定時間と使用者の日常の活動内容とを関連づけて表示部に動脈波形とともにこれらの情報を表示するようにしたので、日常の記録と血圧との関連などを容易に把握することができる。また、カフ部を手首もしくは上腕に装着する操作によって、血圧測定器本体も装着され、この血圧測定器本体に血圧測定手段が備えられているので、肩から吊り下げて持ち歩くような従来の24時間血圧測定装置などに比べて、持ち運びにも簡易で、日常生活において気軽に血圧を測定することが可能となる。
さらに、アジェンダの設定により、例えば、降圧薬服用中の血圧の変化を日内変動として、表示部でいつでも確認することができるので、降圧の程度とスビードを診療経過の中で医師ばかりでなく使用者(患者)自身も確認でき、服薬の状態と薬効、さらに血圧レベルの推移が明確となり、患者の服薬に関する自己責任を認識させ、服用コンプライアンスを向上させることができる。
そのことは、患者の診療への参加意識を高めるとともに高血圧診療の質も向上する。
さらに、1日に複数回測定し、1日のみならず1ヶ月の平均をとればサンプル数も多くなり、推計学的信頼性の高い値が得られ、複数回測定した血圧値の平均値の平均はある個体の固有の血圧レベルをより良く反映する。そして、このような情報は、診察室以外では正常血圧を示す白衣高血圧の診療には不可欠なものとなる。
このような特徴を備えた本発明においては、ドクター指示入力部によって、医師が医師の必要とする血圧の測定データを取得するために、予め血圧の測定時間を自由に設定することができるので、例えば投薬の前後や、起床時の前後等を集中的に血圧測定すれば、時間毎(30分毎、1時間毎等)に決めて得られた測定データよりも、詳細な臨床のデータを得ることができる。またこれにより、例えば、朝と晩の統一的な測定条件下に得られるある個人の長期的な血圧情報を得ることもでき、臨床的な意義を向上させることができる。
そして、本発明による血圧測定装置では、血圧測定タイマー回路によって、血圧測定前に使用者に血圧測定時間が始まることを知らせるため、使用者は血圧測定に適した体位をとる準備ができ、正確な血圧測定をすることができる。
本発明による血圧測定装置では、昼覚醒時のおいては、昼覚醒時制御回路によって、昼間の行動期に応じた血圧測定を設定することで、昼間労作時血圧に対応した分析を行うことができ、また、夜間睡眠時制御回路によって、夜間就眠時血圧の測定を設定することで、夜間睡眠時の血圧と睡眠より早朝覚醒に到る血圧上昇(morning surge)を詳細に分析することが可能となる。そして、これらにより、昼覚醒時と夜間睡眠時とで異なる血圧測定を行い、昼間労作時血圧や夜間就眠時血圧を正確に測定することができるので、昼間平均値、夜間平均値を各回路で独自に算出することができ、この平均値を使用者固有の血圧の基準値として呈示することも可能となる。
さらに、このような情報は、例えば一定時間間隔での血圧測定における血圧日内リズムや血圧変動性の分析に役立つものとなる。
本発明によれば、腕時計本体とバンド部とを主体とする腕時計型の血圧測定装置であることから、持ち運びに簡易で、日常生活において気軽に血圧を測定することができ、腕時計本体の表示部上で血圧の測定データも確認することができる。
また、腕時計本体に備えられた血圧測定手段と、血圧解析手段と、血圧測定設定手段とにより、24時間の血圧測定を行うことができる上、アジェンダ設定手段により使用者の日常の活動内容を設定するようにしているので、随時外来血圧(測定)に比べ測定頻度が多いことに加えて、時間との関係、アジェンダとの関係で血圧情報が得られ、血圧情報としての質を高めることができる。特に、前記アジェンダ表示手段により、血圧を測定した時間と、使用者の日常の活動内容とを関連付けて表示することができるので、使用者がどのような行動をとった時に血圧が高くなるか、または低くなるか等の情報を容易に得ることができ、臨床の現場に必要な質の高い血圧測定を行うことができる。
また、これらの血圧測定のための設定操作は腕時計本体に設けられた血圧測定設定スイッチと、アジェンダ設定スイッチとで行うことができるので、腕時計の時間合わせ操作と同じように、その血圧測定の操作も簡単であるといった利点がある。
ここで、使用者の体位とは、臥位・坐位・立位のいずれかを指している。また、臥位であれば使用者が睡眠中である場合も考慮する必要があり、この場合、体位は変化しやすいものと考えられる。このため、使用者の体位としては、臥位・坐位・立位だけでなく、この腕時計型をした血圧測定装置を装着した腕と心臓との位置関係を含むものとする。
本発明によれば、前記血圧補正手段によって使用者の体位を考慮して血圧測定を行うことができるので、例えば使用者の体位が、臥位・坐位・立位のいずれなのか、また、臥位であれば、腕の位置と心臓の位置との関係等を判定して正確に血圧を測定することができる。
本発明によれば、カフ部を着脱自在に取り付けることにより、使用者が代わったり、カフ部が汚れたりしても取替えができ、衛生的に使用できる利点がある。
本発明によれば、上腕に装着する血圧測定器本体にカフ部を設け、この血圧測定器本体にカフ部に空気を送る空気ポンプ有しカフ部内の空気を徐々に逃がして血管に加えている圧力を減圧し、血行を開始させるための血圧測定手段を設け、制御リモコン部の制御によって、血圧測定手段を動作させているので、空気ポンプからカフ部への空気管の取り回し等がなく、持ち運びも簡易で、日常生活においても気軽に血圧を測定することが可能となる。また上腕での血圧測定を可能としているため、手首で測定する血圧測定器に比べて、血圧測定時にカフ部の位置を心臓近くまで位置させるような動作をする必要がなく、24時間行動下での血圧測定への適用性をより高めたものとなっている。
さらに本発明においても血圧測定設定手段により、24時間行動下における血圧の測定時間を設定し、アジェンダ設定手段により、使用者の日常の活動内容を設定し、アジェンダ表示手段によって、血圧解析手段により解析された血圧情報を、血圧の測定時間と使用者の日常の活動内容とを関連づけて表示部に動脈波形とともに表示するようにしたので、日常の記録と血圧との関連などを容易に把握することができる。
また本発明にかかる装置を使って、1日のみならず1ヶ月の平均をとればサンプル数もより多くなり、推計学的信頼性の高い値が得られ、この血圧値の平均値の平均はある個体の固有の血圧レベルをより良く反映することとなる。そして、このような情報は、診察室以外では正常血圧を示す白衣高血圧の診療には不可欠なものとなる。
また本発明により、得られる情報は、夜間睡眠時の血圧、睡眠より早朝覚醒に到る血圧上昇(morning surge)、昼間の行動期、労作時の血圧などに加え、一定時間間隔で測定しているため血圧日内リズムや血圧変動性の分析にも役立つ。
以下、添付の図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。添付の図面は、本発明の好ましい実施形態を例示するものである。図面および関連する説明における具体的な特定は、本発明を広く特定するための一般性を放棄するものではないことは言うまでもない。
腕時計型血圧測定装置
この実施形態では、腕時計本体2がカフ部4を保持する血圧測定器本体となる。
これら親バンド3aおよび剣先バンド3bは、装着部位である腕(手首)Aに対してフィットするように予め湾曲され、ゴム、皮革等の素材により形成されている。なお、これら親バンド3aおよび剣先バンド3bがそれぞれゴム等の伸縮性のある素材により形成された場合には、腕(手首)Aに対し、バンド部3をよりフィットするように装着できるので望ましい。
カフ部4の中央部分4aは、腕時計本体2の裏側に、前記空気供給管により連結されており、空気供給管の一端は腕時計本体2に付属の空気ポンプ29に接続され、空気ポンプ29より送られてきた空気がカフ部4の中に入るようになっている。また、この空気供給管には洩圧弁30が接続され、カフ部4に充填された空気を逃がすことができるようになっている。
なお、前記圧力センサー20およびマイクロフォン21は、カフ部をディスポーザブルとする場合には、腕時計本体2に設けるようにしても良い。この場合、コロトコフ音を採取しやすくするためには、腕時計本体は2は手首の裏側に位置するようにして装着することが好ましい。
そして、図11、図12に示すように、このような長条形かつ両端が膨らむ形態の充気嚢により、腕(手首)A全体に付けたときに、カフ部4の両端部分4b,4cが腕(手首)Aの裏側全体に重なるように位置し、充気時、腕Aの裏側を強く圧迫し、橈骨動脈A1と尺骨動脈A2の2つの動脈A1,A2を阻血できるようになっている。なお、カフ部4の両端部分4b,4cには表面に特殊な加工が施された面ファスナー4dが設けられ、カフ部4の両端部分4b,4cを重ねた時に、カフ部4の端部がそれぞれずれないように配慮されている。
また、この表示部10の画面下部には、圧力センサー20に連動する圧力目盛10aが表示されており、空気ポンプ29による腕(手首)Aへの圧力が高い場合には、図7のように目盛で示す値が高くなるように設定されており、圧力が低い場合には、図8のように目盛で示す値が小さくなるように設定されている。
図6に示す例では、画面10上にドライブアイコンF1、食事アイコンF2、通勤アイコンF3、アラームアイコンF4が表示されている。
実施例では、その他のアイコンとして、投薬、会議、睡眠、風呂など日常の活動がアイコンにより一目でわかるようになっており、第3ボタン13と第4ボタン14とによる操作で各種アイコンが表示されるとともに各種アイコンを決定し、スケジュールの中に組み込まれて、スケジュール上の画面や血圧データの出力画面において、表示されるようになっている。なお、このアイコンは時計本体2からの操作だけでなく、外部パソコンのスケジュール管理ソフトからも設定できるようになっていることはもちろんである。
これらのボタン17,18は正しい姿勢で腕時計型血圧測定装置1が心臓Hの高さ(乳頭の位置)になるように位置させた時の血圧値の測定や、腕時計型血圧測定装置1が腰の高さ(直立して気をつけをした手の位置)になるように位置させた時の血圧値の測定時などに利用するものである。
なお、第7ボタン17、第8ボタン18にはそれぞれ無線送受信部17(赤外線、特定小電力無線、Bluetoothなどを含む)が内蔵され、図4に示すように、単方向または双方向で情報を伝達できるようになっている。
また、腕時計本体2内部には、カフ部4への加減圧を行う加減圧手段としての前記空気ポンプ29、洩圧弁30等と、カフ部4の圧力変化に基づいて血圧測定を行う血圧測定手段(実施例では、圧力センサー20、マイクロフォン21、血圧測定回路22)と、血圧測定等の各種制御を司る制御手段(図示例では血圧解析手段も兼ねる制御部31)と、腕時計本体2の位置、動き、衝撃などを測定する位置センサー24(加速度センサー)等を備えている。
図3は、前記制御手段の基本回路を示すものである。本実施の形態において該制御手段の基本回路に組み込まれる各種回路は制御部31と接続されており、この制御部31の制御によって各種の動作を行うことが可能となっている。
上述のように、圧力センサー20は阻血圧力を検知するものであり、またマイクロフォン21はコロトコフ音を検知するものであり、これらの動作は前記血圧測定回路22に基づいて制御される。
昼覚醒時制御回路32は昼間の行動期、労作時の血圧などを測定する際に使用され、昼間平均値の算出をする。
夜間睡眠時制御回路33は主として夜間睡眠時の血圧、睡眠より早朝覚醒に至る血圧上昇を測定する際に使用され、夜間平均値の算出をするようになっている。
なお、本実施の形態においては、昼と夜との血圧測定を昼覚醒時制御回路32と夜間睡眠時制御回路33との2つの回路を使って行うようにしているが、これらの回路32,33は一つの回路で行うようにしても良いことは言うまでもない。
また、昼間と夜間との区別は、後述のアジェンダ設定部23により設定されており、通常は、昼覚醒時は例えば起床した朝6時から就寝前の午後10時に設定され、夜間睡眠時は例えば就寝後の午後10時から朝6時などに設定される。
すなわち、この血圧補正回路26は、人間の体位(臥位、坐位、立位)によってカフ部4の中心が心臓Hの位置より高くなったり、低くなったりするために生じる差h(h1,h2)に対して静水圧の差が加わることになるために、その誤差(誤差△mmHg=h×10×1.055/13.6)を補正するもので、後述の位置センサー24および体位判定回路25によって測定時の体位を判定し、測定値の補正をすることができるようになっている)。
使用者の臥位時において腕時計型血圧測定装置1が作動した際には、図14に示すように、装置1(カフ部4)と心臓Hとの差h1分の誤差に対して静水圧の差が加わるため、血圧補正回路26によって、その誤差が適正に補正されることになる。なお、この時、使用者は、身体の一側面が上に、他側面が下になるように横に寝た状態となっており、身体の一面側の腕(手首)Aに装置1が装着されている。この装置1が装着された腕(手首)Aは、心臓Hよりも高い位置に配置されている。
使用者の臥位時において腕時計型血圧測定装置1が作動した際には、図16に示すように、装置1(カフ部4)と心臓Hとの差h2分の誤差に対して静水圧の差が加わるため、血圧補正回路26によって、その誤差が適正に補正されることになる。なお、この時、使用者は、身体の正面が上に、背面が下になるように寝た状態となっており、装置1が装着された腕Aは、心臓Hよりも低い位置に配置されている。
さらに、この機器制御回路34には安全回路35が接続されており、前記空気ポンプ29の異常加圧等、機器の異常が検知されたときに動作を自動で中止して血圧測定を中断できるようになっている。
位置センサー24として加速度センサーを用いた場合には、加速度を測定し、適切な信号処理を臥位・坐位・立位判定回路が行うことによって、傾きや動き、振動や衝撃といった様々な情報を得ることができる。
例えば、昼覚醒時においては、腕時計本体2の動きや振動などを測定することにより、測定時に後述のアラーム回路39を介して測定時間の注意を喚起し、所定の体位での血圧測定を実行できるようになっている。
表示形式としては、例えば図6および図18に示すようなものとなる。
なお、スケジュールの登録変更はいつでも可能であり、時計本体2とは別にパソコン上のスケジュール管理ソフトで登録した内容と同期させて登録することもできるものである。
血圧の測定時間としては、例えば30分毎、1時間毎等の時間毎による測定設定はもちろん、日常活動のポイント(例えば就眠時間と起床時間、服薬時、食前、食後、排便排尿前後などのポイント)において設定できるものである。
また、この血圧データはパソコンPにも送られて、パソコンPの表示部上でも血圧測定で得られた情報が表示されるようになっていることはもちろんである。
この場合、パソコンPには、独自に血圧データを解析するソフトが組み込まれており、時計本体部2の小さな画面では表示が難しい各種解析データ(活動量との組み合わせデータ等)をすべて表示できるとともに、プリンターに信号を送って紙情報としても出力できるようになっている。
例えば、成人の場合、次の条件を一つでも満たさない測定値の場合はエラー表示する。
1)70mmHg≦SBP(収縮期血圧)≦250mmHg
2)30mmHg≦DBP(拡張期血圧)≦130mmHg
また、位置センサー24からの情報による体位(臥位・坐位・立位)判定回路25を通じ、腕時計本体2・カフ部4の位置を判定し、血圧補正回路26を制御し、さらに、時計回路27、アジェンダ設定部23、ドクター指示入力回路37、キー入力部11〜18からのデータを管理しながら、各回路からの信号によって、血圧測定を行い、さらに得られた血圧データをメモリー40に保管するとともに、血圧データを判断し、日内変動パターンを液晶表示指示回路42を通じて表示部10に表示する。
さらに無線送受信部17,18からパソコンPへメモリー40内のデータを転送する。
また、目覚まし等の用途でアラーム音を発生できるように設定してもよい。
例えば、制御部の基本回路には、図示しない身体情報入力回路が組み込まれており、キー入力よって、身体の特徴(背の高さ、胸囲、胴囲、体重など)を入力し、メモリー40内に記憶させることができるようになっている。
なお、これらの設定は、第2ボタン12、第3ボタン13、第4ボタン14等を利用して表示部10に表示される画面に従って行うものである。
目覚まし時計モードは、アラーム回路39を動作させ、目覚ましの時間を設定するもので、起床のためのアラーム音等を鳴らす時刻を設定できるモードとなっている。
また、このアジェンダ設定モードに連動して、血圧測定回路22が動作するように設定することができる。
また、この血圧測定タイマーモードにより測定開始時間、測定間隔、測定時間(24〜48時間)などが予めプログラムできるようになっている。また、この血圧測定タイマーモードに連動して、血圧測定回路22が動作するように設定することができる。
なお、この血圧測定モードにすることにより、手動測定回路36が動作に基づいて第7ボタン17と第8ボタン18が動作可能となり、手動での血圧測定ができるようになる。
また、血圧測定タイマーモードで設定した血圧測定時間が到来した際に、使用者が、手動測定を始めると、自動的に表示部10は血圧測定モードの画面となり、カフ部4の加圧状況、最高血圧、最低血圧、脈拍などが表示部10に表示されるようになっている。
なお、本実施の形態においては、このデータ転送は無線送受信部17,18を介して行うようになっている。
この際、腕時計本体2に付いているカフ部4を手首に素肌の上から捲くようにし、バンド部3を手首にカフ部4がフィットするように留め付ける。このときにカフ部4が尺骨にかからないように注意し、またゆるく感じないようにカフ部4を捲く。
なお、血圧測定は右腕、左腕のどちらでも可能である。
例えば図17に示すように、椅子に座り、手のひらを上に向け軽く広げてひじを机の上にのせる。腕Aをタオル等に当て、カフ部4が心臓Hの高さと同じ位置となるように合わせる。すなわち、坐位である。ただし、坐位に限られるものではない。
以上のように腕時計型血圧測定装置1を装着し、正しい姿勢を取ったら、まずは、この状態で血圧測定を行い、この初回の測定データを、後の手順である血圧補正のための標準値として設定する。
血管に圧力が加わると、前記表示部10の画面下部に表示された目盛10aで示す値が高くなる。なお、本実施の形態では、4つに分けられた目盛10a…が表示されており、目盛10aの色が左から順番に変化することによって、血管にかけられる圧力が高いか低いかを示すことができる。すなわち、図7では血管にかかる圧力が高いので4つの目盛10a…のうち、3つの目盛10a…の色が変化し、図8では血管にかかる圧力が低いので4つの目盛10a…のうち、1つの目盛10aだけが変化している。つまり、表示部10は、画面下部に、血管にかけられる圧力の高低を示す部分が表示されるように構成されている。
そして、圧力により血行が停止すると、徐々にカフ部4内の空気を洩圧弁30から逃がして血管に加えている圧力を減少し、血行を開始させる。その際、図7に示すように、減圧を示す矢印Y1が、表示部10に表示される。なお、カフ部4内に空気を供給し、加圧していく際には、図8に示すように、加圧を示す矢印Y2が、表示部10に表示される。
カフ部4には脈拍を検出するマイクロフォン21が内蔵され、図示しない信号線を介して手動測定回路36に信号が送られ、血行の停止時と開始時に対応するカフ部4内の圧力から血圧データが得られる。
すなわち、例えば図15に示すように、臥位の状態において、測定位置が心臓Hよりも低いと、測定値は高くなる傾向になるが、このように身体情報が入力されていれば、血圧補正回路26により血圧測定時の補正がなされ、質の良い血圧データが測定されることになる。
まず、アジェンダ設定モードで日常のスケジュールを登録し、血圧測定タイマーモードで血圧測定時間を設定しておく。この日常のスケジュール登録、血圧の測定時間の設定は、図6に示すように腕時計本体2の表示部10を見ながら、各種アイコン(ドライブアイコンF1、食事アイコンF2、通勤アイコンF3、アラームアイコンF4)を選択するなど腕時計本体2から設定できることはもちろんであるが、パソコンに備えられたスケジュール管理ソフトと連動させて、パソコン上からもスケジュールの登録と測定時間の設定ができることはいうまでもない。
昼間の覚醒時には、腕時計型血圧測定装置1を手首に装着した状態で、血圧測定時間になると、昼覚醒時制御回路32が動作するとともにアラーム回路39が動作して使用者に血圧測定時間が始まることが通知される(例えばバイブ機能あるいはアラーム音など)。
この際(アラーム回路により血圧測定が始まることが使用者に通知された際)、現実の行動予定を時計本体2で設定も可能である。実際にスケジュール登録した行動内容と異なれば、その際の行動内容を改めて登録し、スケジュール変更すると、現実に即した行動と血圧の状態とをより正確に把握できるので、好ましい。このスケジュール変更の操作は時計本体2のボタンひとつで容易にできる。なお、スケジュール変更は、血圧測定後であっても可能である。
そして、手動ボタン17,18を押すか、あるいはその状態で静かに待っていると、血圧測定回路22が動作してカフ部4が加圧され、血圧測定が始まる。
夜間睡眠時には、夜間睡眠時制御回路33が動作し、昼覚醒時とは異なり、眠りを妨げないようにアラーム音等が鳴動しない。
また、例えば、就眠中の腕Aの位置(カフ部4の位置)が心臓Hよりも高い位置や低い位置にあっても血圧補正回路26の働きにより、適正な血圧が測定されることになる。
この際、アジェンダ設定により使用者の日常の活動(就眠と起床時間、睡眠深度、食事、排便排尿、服薬など)がメモリーに登録されているので、日常の活動と血圧との関係が詳細に記録されることになる。
そして、腕時計型血圧測定装置1で記憶された血圧データは、図4に示すように、無線送受信部17,18を介してパソコンPへと送信される。パソコンP内では、装置1内で解析されるよりも、より詳細に解析することができる。医師は、パソコンP内で解析された詳細な血圧データに基づいて、使用者の健康状態をより詳細に診断することができる。
また、同じ図表の中で棒グラフとして活動量のひとつである歩行数がその数字とともに棒グラフで表示され、さらに、各種アイコン(ドライブアイコンF1,食事アイコンF2,薬アイコンF5、歩行アイコンF6、会議アイコンF7,デスクワークアイコンF8、アルコールアイコンF9、バスアイコンF10、お休みアイコンF11)が時間ごとに表示されている。
またこの図表ではLifeの列G1に起床、朝食、運動、仕事(外回り)、昼食、会議、仕事(デスク)、夕食、風呂、就寝、睡眠などといった具体的な内容が表示されるようになっており、さらにDocの列G2に、投薬の際の時間など医師が設定した内容が表示されるようになっている。
これらの表示内容はアジェンダ設定、ドクター指示設定時に自動生成されて画面上に表示されるものである。
なお、このようにドクター指示入力部37に送られたデータに基づいて設定された血圧測定時間の設定は、その他の回路によって登録された血圧測定時間の設定のいずれよりも優先される。
また、アジェンダ設定モードにより予め計画された使用者の行動を、血圧測定タイマーモードによって管理することができるので、血圧情報の質をより高めることができる。
また、医師によって指示された時間を前記血圧測定タイマー手段によって管理することができるので、血圧情報の質をさらに高めることができる。
また、ドクター指示入力部37により、血圧測定モードでの血圧測定を自由に医師が選択できるため、例えば、朝と晩の統一的な測定条件下に得られる使用者の長期的な血圧情報を得ることもでき、臨床的な意義を向上させることができる。
さらに、アジェンダの設定により、例えば、降圧薬服用中の血圧の変化を日内変動として、表示部10や外部のパソコンPでいつでも確認することができるので、降圧の程度とスビードを診療経過の中で医師ばかりでなく患者自身も確認でき、服薬の状態と薬効、さらに血圧レベルの推移が明確となり、患者の服薬に関する自己責任を認識させ、服用コンプライアンスを向上させることができる。
そのことは、患者の診療への参加意識を高めるとともに高血圧診療の質も向上する。
さらに、1日に複数回測定し、1日のみならず1ヶ月の平均をとればサンプル数も多くなり、推計学的信頼性の高い値が得られ、複数回測定した血圧値の平均値の平均はある個体の固有の血圧レベルをより良く反映する。そして、このような情報は、診察室以外では正常血圧を示す白衣高血圧の診療には不可欠なものとなる。
また、昼覚醒時と夜間睡眠時とで異なる血圧測定が行われた場合には、夜間睡眠時の血圧、睡眠より早朝覚醒に到る血圧上昇(morning surge)、昼間の行動期、労作時の血圧などの情報を得ることができる。さらに、このような情報は、例えば一定時間間隔での血圧測定における血圧日内リズムや血圧変動性の分析に役立つ。
さらに、昼覚醒時と夜間睡眠時の血圧測定を別モードで行い、昼間労作時血圧や夜間就眠時血圧を正確に測定することができるので、昼間平均値、夜間平均値を算出することができ、この平均値を使用者固有の血圧の基準値として呈示することができる。
上腕装着型血圧測定装置
この血圧測定装置70は、使用者の上腕に装着されて血圧を測定する血圧測定器本体71と、この血圧測定器本体71に備えられて上腕の血管を圧迫するカフ部72と、表示部付の制御リモコン部73、74(図示例では、携帯情報端末73、腕時計型血圧計1)とを主体として構成されており、血圧測定器本体71に設けられた機器本体76の作用によって、カフ部72により上腕の血管を圧迫して最高血圧および最低血圧を測定できるようになっている。
図示例では2つの制御リモコン部(携帯情報端末73、腕時計型血圧計1)が開示されているが、本発明ではいずれかひとつの制御リモコン部があれば、血圧測定は可能であり、本発明はこの図示例に限定されるものではない。
そして、この制御基板により、空気ポンプ29を制御し、カフ部72を加圧したり、空気を徐々に逃がして血管に加えている圧力を減圧したりして、マイクロフォン21でコロトコフ音を集音し、血圧を測定できるようになっている。
なお、この血圧測定用の機器は電池80によって動作する。
そして、前記制御リモコン部73には、機器本体76からの信号を解析して動脈波形に変換する血圧解析手段31Aと、24時間行動下における血圧の測定時間を設定し当該設定時間において血圧測定手段を制御する血圧測定設定手段(血圧測定タイマー回路28、ドクター指示入力部37など)と、使用者の日常の活動内容を設定するアジェンダ設定手段(アジェンダ設定部23)と、血圧の測定時間と使用者の日常の活動内容とを関連づけて表示部に動脈波形とともにこれらの情報を表示するアジェンダ表示手段(液晶表示指示回路42、表示部10など)とが備えられている。
なお、図3で説明した血圧測定装置の基本回路と同じ構成要素(回路、部品等)には同一符号を付してその説明を省略する。
この上腕装着型血圧測定装置の基本回路は、血圧測定のための機器本体76の回路と、表示部付制御リモコン部73の回路との二つからなる。
また、この血圧測定機器本体76には位置センサー24、体位測定回路25、活動量測定回路50が備えられており、いわゆるライフレコーダーとして歩行数、歩行時間等も測定できるようになっている。
そして、これらの測定情報は無線送受信部17によって制御リモコン部73へ送られ、また制御リモコン部73から送られてきた制御情報を受けて、メモリー40に情報を記録し、当該制御情報に基づいて血圧測定機器本体76を作動させる。
この際、保持板部75を持ち、上腕二頭筋の側に保持板部75を合わせてカフ部72を素肌の上から捲くようにし、カフ部72の両端を面ファスナーで留める。これにより、測定機器本体76が上腕二頭筋の上側に位置し、マイクロフォンがコロトコフ音を集音できる適正な位置に位置することとなる。
そして、この血圧測定装置70を用いて血圧の日内変動を記録するには、血圧測定装置70を上腕に装着した状態で、正しい姿勢を取った状態で血圧測定を行う。
アジェンダの設定、血圧測定時の設定等は前述した腕時計型血圧測定装置1と同様のため、その説明は省略する。
さらに、血圧測定機器本体76により、24時間行動下における血圧の測定が行われ、また、アジェンダの設定により、使用者の日常の活動内容が設定されて、血圧の測定と関連付けられ、さらに腕時計もしくは携帯情報表示端末の表示部に動脈波形とともにこれらの情報を表示されるので、日常の記録と血圧との関連などを容易に把握することができる。
2 腕時計本体
3 バンド部
4 カフ部
20 圧力センサー
21 マイクロフォン
22 血圧測定回路
23 アジェンダ設定部
24 位置センサー
25 体位判定回路
32 昼覚醒時制御回路
33 夜間睡眠時制御回路
26 血圧補正回路
28 血圧測定タイマー回路
29 空気ポンプ
30 洩圧弁
34 機器制御回路
35 安全回路
36 手動測定回路
40 メモリー
41 脈拍検出回路
70 上腕型血圧測定装置
71 血圧測定器本体
72 カフ部
A 腕
B 上腕
H 心臓
Claims (9)
- 使用者の手首もしくは上腕に装着し手首もしくは上腕の血管を圧迫するためのカフ部と、このカフ部を保持するとともに最高血圧および最低血圧を測定する血圧測定手段を備えた血圧測定器本体と、前記血圧測定手段からの信号を解析して24時間行動下における動脈波形に変換する血圧解析手段と、血圧解析手段からの情報を表示する表示部とを備え、24時間行動下の血圧を測定するようにした血圧測定装置であって、
前記血圧解析手段には、24時間行動下における血圧の測定時間を設定し当該設定時間において血圧測定手段を制御する血圧測定設定手段と、使用者の日常の活動内容を設定するアジェンダ設定手段と、血圧の測定時間と使用者の日常の活動内容とを関連づけて表示部に動脈波形とともにこれらの情報を表示するアジェンダ表示手段とを備えたことを特徴とする血圧測定装置。 - 血圧測定設定手段には、医師によってのみ血圧の測定時間を設定可能なドクター指示入力部が備えられていることを特徴とする、請求項1に記載の血圧測定装置。
- 血圧測定設定手段には、血圧測定時に使用者に血圧測定時間であることを知らせる血圧測定タイマー回路が備えられていることを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載の血圧測定装置。
- 血圧測定手段には、昼覚醒時と夜間睡眠時とで異なる血圧測定を行うための昼覚醒時制御回路と、夜間睡眠時制御回路とを備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の血圧測定装置。
- 腕時計本体と、この腕時計本体を手首に装着するバンド部に備えられて使用者の手首の血管を圧迫するためのカフ部と、腕時計本体内に設けられ最高血圧および最低血圧を測定する血圧測定手段と、当該血圧測定手段からの信号を解析して動脈波形に変換する血圧解析手段とを備え、24時間行動下の血圧を測定するようにした血圧測定装置であって、
前記血圧解析手段には、24時間行動下における血圧の測定時間を設定し当該設定時間において血圧測定手段を制御する血圧測定設定手段と、使用者の日常の活動内容を設定するアジェンダ設定手段と、血圧の測定時間と使用者の日常の活動内容とを関連づけて表示部に動脈波形とともにこれらの情報を表示するアジェンダ表示手段とを備えてなり、腕時計本体には、血圧測定の設定を行う血圧測定設定スイッチと、使用者の日常の活動内容の設定を行うアジェンダ設定スイッチとが設けられていることを特徴とする血圧測定装置。 - 血圧解析手段には、血圧測定時の使用者の体位に応じて、血圧測定データの誤差を補正する血圧補正手段が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の血圧測定装置。
- カフ部は腕時計本体に対して着脱自在に取り付けられていることを特徴とする請求項5ないし請求項6のいずれかに記載の血圧測定装置。
- 血圧測定器本体を使用者の上腕に装着し、血圧測定器本体に備えたカフ部により上腕の血管を圧迫して最高血圧および最低血圧を測定するようにした血圧測定装置において、血圧測定器本体には、カフ部に空気を送る空気ポンプ有しカフ部内の空気を徐々に逃がして血管に加えている圧力を減圧し、血行を開始させるための血圧測定手段が設けられ、さらに血圧測定器本体とは別に備えられて血圧測定器本体の血圧測定手段を制御する血圧測定制御手段を有する表示部付制御リモコン部を具備し、当該制御リモコン部よりの信号によって血圧測定手段を動作させ、24時間行動下の血圧を測定するようにした血圧測定装置であって、
前記表示部付制御リモコン部には、血圧測定手段からの信号を解析して動脈波形に変換する血圧解析手段と、24時間行動下における血圧の測定時間を設定し当該設定時間において血圧測定手段を制御する血圧測定設定手段と、使用者の日常の活動内容を設定するアジェンダ設定手段と、血圧の測定時間と使用者の日常の活動内容とを関連づけて表示部に動脈波形とともにこれらの情報を表示するアジェンダ表示手段とが備えられていることを特徴とする血圧測定装置。 - 制御リモコン部は携帯情報端末であることを特徴とする請求項9に記載の血圧測定装置。
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