JPWO2012004824A1 - 発光素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

下地層上に中間層を形成した後、前記中間層上に感光性樹脂材料を有する樹脂材料層を形成する。その後、前記樹脂材料層を選択的に露光した後、前記樹脂材料層及び前記中間層の両方を溶解する現像液を用いて現像処理する。これにより(a)前記樹
脂材料層の非硬化の部分を除去して前記樹脂材料層を貫通して前記中間層に通じる開口を形成し、(b)前記現像液の一部を前記開口を通じて前記中間層に浸入させ、前
記中間層における、前記開口に対応する第1の領域およびその周辺である第2の領域の、少なくとも表面部を除去する。前記樹脂材料層の、前記第2の領域に相当するオーバーハング部分を加熱により軟化させて下方に垂れさせることで、前記樹脂材料層下の空間に露出する前記中間層の端部を覆いつつ、前記樹脂材料層下の空間を埋める。これにより、前記オーバーハング部分を前記下地層または前記中間層上に接触させて前記樹脂材料層からなる隔壁を形成する。

Description

本発明は、発光素子の製造方法、並びに発光素子を用いた有機表示パネル、有機発光装置、及び有機表示装置に関する。
近年、研究・開発が進んでいる有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」と記載する。)は、有機材料の電界発光現象を利用した発光素子である。有機EL素子は、第1電極(陽極)と第2電極(陰極)との間に有機発光層が介挿された構造を有する。有機発光層の側方には、絶縁材料からなるバンクが形成されていて、このバンクにより有機発光層の形状が規定されている。
有機EL素子の製造工程の一例について簡単に説明すると、まず、基板上に第1電極を形成し、当該基板上に、第1電極を覆うようにバンクを形成するためのバンク材料層を形成する。その後、バンク材料層を選択的に露光した後、現像液を用いて現像処理することにより、バンク材料層の非硬化の部分を除去し、第1電極に相当する部分に開口を形成する。開口形成後、開口により露出した第1電極上に有機発光層を含む機能層を形成し、機能層上に第2電極を形成する(例えば、特許文献1参照)。
特許4439589号公報
ところで、第1電極に相当するバンク材料層の部分に開口を形成する際、第1電極上の全てのバンク材料層が現像処理により除去されるわけではなく、第1電極上にはバンク材料層が一部残存する(以下、残存するバンク材料層を「バンク残渣」という)。
一般的にバンクは、UV硬化樹脂等の樹脂材料からなり、この樹脂材料は、絶縁性の材料である。このため、バンク残渣が第1電極上に存在することにより有機EL素子における駆動電圧の上昇を招いてしまう。
バンクは上述のように樹脂材料、すなわち有機材料であるので、UVオゾン処理等によりバンク残渣を取り除くことが可能であるが、その反面、バンクの撥液性が損なわれてしまうという問題がある。
本発明は、バンクの撥液性を維持しつつバンク残渣を低減し、かつ新たに想定される不具合を未然に防止した発光素子の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る発光素子の製造方法は、基板の上方に、第1電極を含む下地層を形成する第1工程と、前記下地層上に、中間層を形成する第2工程と、前記中間層上に、感光性樹脂材料を有する樹脂材料層を形成する第3工程と、前記樹脂材料層を選択的に露光した後、前記樹脂材料層及び前記中間層の両方を溶解する現像液を用いて現像処理することにより、(a)前記樹脂材料層の非硬化の部分を除去して前記樹脂材料層を貫通して前記中間層に通じる開口を形成し、(b)前記現像液の一部を前記開口を通じて前記中間層に浸入させ、前記中間層における、前記開口に対応する第1の領域およびその周辺である第2の領域の、少なくとも表面部を除去する第4工程と、前記第4工程後に残存した樹脂材料層を加熱し、前記樹脂材料層の、前記第2の領域に相当するオーバーハング部分を軟化させて下方に垂れさせることで、前記第2の領域の少なくとも表面部が除去されることで生じた、前記樹脂材料層下の空間に露出する前記中間層の端部を覆いつつ、前記樹脂材料層下の空間を埋めることにより、前記樹脂材料層の、前記第2の領域に相当するオーバーハング部分を前記下地層または前記中間層上に接触させて前記樹脂材料層からなる隔壁を形成する第5工程と、前記第5工程の後、前記複数の隔壁間に、有機発光層を含む機能層を形成する第6工程と、前記機能層の上方に、第2電極を形成する第7工程とを有するとした。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、基板の上方に第1電極を含む下地層を形成した後、当該下地層上に樹脂材料層を形成するのではなく、当該下地層上に中間層をさらに形成し、この中間層上に樹脂材料層を形成する。
そして第4工程の現像処理の際、中間層に通じる開口を形成し当該中間層の第1の領域に対応する樹脂材料層の一部(以下、「開口対象部分」という)を中間層の前記第1の領域および第2の領域における表面部もろとも除去する。
中間層の前記第1の領域および第2の領域における表面部が除去されることで、当該中間層の第1の領域上に形成された開口対象部分は土台を失い、当該第1の領域および第2の領域における表面部とともに除去されることになる。これにより、現像処理後に開口対象部分の一部が残渣として下地層上に存在する可能性を低減することができる。
また、第4工程の現像処理の際、中間層における、開口に対応する前記第1の領域だけでなく、その周辺の第2の領域も併せて除去する。開口に対応する前記第1の領域より広い領域を除去するので、より確実に開口対象部分を除去することができる。
ところで、第4工程において、中間層が第2の領域に亘って除去される結果、樹脂材料層下に空間が形成されることになり、樹脂材料層の浮きあがりや剥がれ等の新たな不具合が懸念される。
そこで、本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、第5工程において、前記樹脂材料層の、前記第2の領域に相当するオーバーハング部分を加熱により軟化させて下方に垂れさせることで、前記空間に露出する前記中間層の端部を覆いつつ、前記空間を埋める。これにより、樹脂材料層の、前記第2の領域に相当するオーバーハング部分を下地層または中間層上に接触させて隔壁を形成する。したがって、隔壁と下地層または中間層との密着性が向上し、隔壁の浮きあがりや剥がれなどの懸念される不具合を未然に防止することができる。
実施の形態1の表示装置1の全体構成を模式的に示すブロック図である。 実施の形態1の有機EL表示パネルの一部を示す平面図である。 実施の形態1の有機EL表示パネルの一部断面を模式的に示す端面図である。 残渣除去層を形成しない場合の有機EL表示パネルの製造工程を示す工程図である。 実施の形態1の有機EL表示パネルの製造工程の一例を示す工程図である。 実施の形態1の有機EL表示パネルの製造工程のうち図4に示す工程に後続する部分の一例を示す工程図である。 (a)現像処理後のバンク材料層の写真をトレースした模式図である。(b)ベーク後のバンク材料層の写真をトレースした模式図である。 実施の形態1の変形例における有機EL表示パネルの一部断面を模式的に示す端面図である。 実施の形態1の変形例における有機EL表示パネルの製造工程の一例を示す工程図である。 実施の形態1の変形例における有機EL表示パネルの一部を示す平面図である。 表示装置100の外観を示す外観斜視図である。 (a)現像処理後のバンク材料層を示す写真である。(b)ベーク後のバンク材料層を示す写真である。
[実施の態様]
本発明の一態様である発光素子の製造方法は、基板の上方に、第1電極を含む下地層を形成する第1工程と、前記下地層上に、中間層を形成する第2工程と、前記中間層上に、感光性樹脂材料を有する樹脂材料層を形成する第3工程と、前記樹脂材料層を選択的に露光した後、前記樹脂材料層及び前記中間層の両方を溶解する現像液を用いて現像処理することにより、(a)前記樹脂材料層の非硬化の部分を除去して前記樹脂材料層を貫通して前記中間層に通じる開口を形成し、(b)前記現像液の一部を前記開口を通じて前記中間層に浸入させ、前記中間層における、前記開口に対応する第1の領域およびその周辺である第2の領域の、少なくとも表面部を除去する第4工程と、前記第4工程後に残存した樹脂材料層を加熱し、前記樹脂材料層の、前記第2の領域に相当するオーバーハング部分を軟化させて下方に垂れさせることで、前記第2の領域の少なくとも表面部が除去されることで生じた、前記樹脂材料層下の空間に露出する前記中間層の端部を覆いつつ、前記樹脂材料層下の空間を埋めることにより、前記樹脂材料層の、前記第2の領域に相当するオーバーハング部分を前記下地層または前記中間層上に接触させて前記樹脂材料層からなる隔壁を形成する第5工程と、前記第5工程の後、前記複数の隔壁間に、有機発光層を含む機能層を形成する第6工程と、前記機能層の上方に、第2電極を形成する第7工程とを有するとした。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、基板の上方に第1電極を含む下地層を形成した後、当該下地層上に樹脂材料層を形成するのではなく、当該下地層上に中間層をさらに形成し、この中間層上に樹脂材料層を形成する。
そして第4工程の現像処理の際、中間層に通じる開口を形成するため当該中間層の第1の領域に対応する樹脂材料層の一部(以下、「開口対象部分」という)を中間層の前記第1の領域および第2の領域における表面部もろとも除去する。
中間層の前記第1の領域および第2の領域における表面部が除去されることで、当該中間層の第1の領域上に形成された開口対象部分は土台を失い、当該第1の領域および第2の領域における表面部とともに除去されることになる。これにより、現像処理後に開口対象部分の一部が残渣として下地層上に存在する可能性を低減することができる。
また、第4工程の現像処理の際、中間層における、開口に対応する前記第1の領域だけでなく、その周辺の第2の領域も併せて除去する。開口に対応する前記第1の領域より広い領域を除去するので、より確実に開口対象部分を除去することができる。
ところで、第4工程において、中間層が第2の領域に亘って除去される結果、樹脂材料層下に空間が形成されることになり、樹脂材料層の浮きあがりや剥がれ等の新たな不具合が懸念される。
そこで、本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、第5工程において、前記樹脂材料層の、前記第2の領域に相当するオーバーハング部分を加熱により軟化させて下方に垂れさせることで、前記空間に露出する前記中間層の端部を覆いつつ、前記空間を埋める。これにより、樹脂材料層の、前記第2の領域に相当するオーバーハング部分を下地層または中間層上に接触させて隔壁を形成する。したがって、隔壁と下地層または中間層との密着性が向上し、隔壁の浮きあがりや剥がれなどの懸念される不具合を未然に防止することができる。
ここで、本発明の別の態様として、前記中間層と前記樹脂材料とが同一の現像液にてエッチングされるとしてもよい。
本態様の発光素子の製造方法では、前記中間層と前記樹脂材料とが同一の現像液にてエッチングされるので、前記中間層を除去するための工程を別途追加する必要がなく、生産工程という観点から効果的である。
ここで、本発明の別の態様として、前記中間層として、タングステン酸化物、モリブデン酸化物、またはタングステン−モリブデン酸化物のいずれかを用い、前記樹脂材料層として、アクリレート樹脂、ポリイミド樹脂、またはフェノール樹脂のいずれかを用い、前記現像液として、TMAH(Tetra methyl ammonium hydroxide)を用いるとしてもよい。
ここで、本発明の別の態様として、前記第1工程における下地層を、前記第4工程における前記現像液に対して溶解性を有しない材料を用いて構成するとしてもよい。
本態様の発光素子の製造方法では、前記下地層を、前記第4工程における前記現像液に対して溶解性を有しない材料を用いて構成しているので、前記現像液により前記下地層が溶解することを防止することができる。
ここで、本発明の別の態様として、前記下地層は第1電極のみからなり、前記第1電極としてITOまたはIZOを用いるとしてもよい。
ここで、本発明の別の態様として、前記第5工程は、前記樹脂材料層の、前記第2の領域に相当するオーバーハング部分を軟化させて下方に垂れさせることで、前記樹脂材料層下の空間に露出する前記中間層の端部を覆いつつ、前記樹脂材料層下の空間を埋めることにより、前記樹脂材料層の、前記第2の領域に相当するオーバーハング部分を前記下地層または前記残渣除去層上に接触させるとともに、対向する樹脂材料層同士を接触させることなく開口を成し、樹脂材料層からなる複数の隔壁を形成し、前記第6工程は、前記複数の隔壁間である前記開口に相当する部分に、有機発光層を含む機能層を形成するとしてもよい。
ここで、本発明の別の態様として、前記中間層における、前記第1の領域及び前記第2の領域の表面部を除いた一部を前記第4工程後に前記下地層上に残存させ、前記第6工程において、前記機能層を、残存している前記中間層上に形成するとしてもよい。
その際、本発明の別の態様として、前記中間層は、前記機能層に対して電荷を注入および/または輸送する電荷注入輸送層であるとしてもよい。
本態様の発光素子の製造方法では、前記電荷注入輸送層の一部が、前記第4工程後に下地層上に残存しているため、前記機能層に対して効果的に電荷の注入および/または輸送を行うことができる。
ここで、本発明の別の態様として、前記下地層を、第1電極である陽極として設け、前記電荷注入輸送層を、前記機能層に対して正孔を注入する正孔注入層として設けるとしてもよい。
本態様の発光素子の製造方法では、前記電荷注入輸送層が、前記機能層に対して正孔を注入する正孔注入層であるので、前記機能層に対して効果的に正孔を注入することができる。
ここで、本発明の別の態様として、前記第4工程において、前記中間層における、前記第1の領域及び前記第2の領域の全てが除去され、前記第6工程において、前記機能層を、前記下地層上に形成するとしてもよい。
ここで、本発明の一態様である有機表示パネルは、上記本発明の一態様に係る発光素子の製造方法により製造された発光素子を用いた有機表示パネルとした。
本態様の有機表示パネルは、上記本発明の一態様である発光素子の製造方法により製造された発光素子を用いることで得られるものであり、そのために第1電極上に樹脂材料層の残渣が残っていない。よって、本態様の有機表示パネルでは、駆動電圧の上昇を抑制することができる。
ここで、本発明の一態様である有機発光装置は、上記本発明の一態様に係る発光素子の製造方法により製造された発光素子を用いた有機発光装置とした。
本態様の有機発光装置は、上記本発明の一態様である発光素子の製造方法により製造された発光素子を用いることで得られるものであり、そのために第1電極上に樹脂材料層の残渣が残っていない。よって、本態様の有機発光装置では、駆動電圧の上昇を抑制することができる。
ここで、本発明の一態様である有機表示装置は、上記本発明の一態様に係る発光素子の製造方法により製造された発光素子を用いた有機表示装置とした。
本態様の有機表示装置は、上記本発明の一態様である発光素子の製造方法により製造された発光素子を用いることで得られるものであり、そのために第1電極上に樹脂材料層の残渣が残っていない。よって、本態様の有機表示装置では、駆動電圧の上昇を抑制することができる。
[実施の形態1]
<表示装置100の全体構成>
本実施の形態に係る表示装置100の全体構成について、図1を用い説明する。図1は、表示装置100の全体構成を模式的に示すブロック図である。
図1に示すように、表示装置100は、有機EL表示パネル10と、これに接続された駆動制御部20とを有し構成されている。有機EL表示パネル10は、有機材料の電界発光現象を利用したトップエミッション型の有機EL表示パネルである。
また、駆動制御部20は、4つの駆動回路21〜24と制御回路25とから構成されている。
なお、実際の表示装置100では、有機EL表示パネル10に対する駆動制御部20の配置については、これに限られない。
<有機EL表示パネル10の構成>
(有機EL表示パネル10の概略構成)
有機EL表示パネル10の構成について詳細に説明する。図2は、実施の形態1の有機EL表示パネル10における有機発光層とバンクとの配置関係を模式的に示す図である。
図2の例では、井桁状のピクセルバンク55が採用されており、Y軸方向に延伸するバンク要素55aにより、X軸方向に隣接する有機発光層56a1,56b1,56c1が区分けされると共に、有機発光層56a2,56b2,56c2が区分けされる。
有機発光層は、サブピクセル単位で区分けされており、X軸方向に隣り合う3つのサブピクセル10a,10b,10cの組み合わせにより1画素(ピクセル)が構成される。
一方、X軸方向に延伸するバンク要素55bにより、Y軸方向に隣接する有機発光層56a1,56a2が区分けされ、有機発光層56b1,56b2が区分けされ、さらに、有機発光層56c1,56c2が区分けされる。
図3は、実施の形態1の有機EL表示パネル10の要部断面を模式的に示す部分端面図(図2のA−Aの断面)である。図3に示すように、実施の形態1の有機EL表示パネル10では、TFT基板1上に、陽極である第1電極2がサブピクセル単位で行列状にパターニングして形成されている。TFT基板1上において第1電極2間には、中間層である残渣除去層3が、両側の第1電極の端部に一部が乗り上げた状態で形成されている。
また、第1電極2間には、残渣除去層3を覆ってバンク4が形成されており、バンク4で規定された領域内には有機発光層5が積層されている。
さらに、有機発光層5上には、電子注入層6、陰極である第2電極7、及び封止層8が、それぞれバンク4で規定された領域を超えて隣接する有機発光層5のものと連続するように形成されている。
以下、有機EL表示パネル10における各部の材料等について詳細に説明する。
<各部構成>
TFT基板1は、例えば、無アルカリガラス、ソーダガラス、無蛍光ガラス、燐酸系ガラス、硼酸系ガラス、石英、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン、ポリエステル、シリコーン系樹脂、又はアルミナ等の絶縁性材料の基板本体上に、TFT、配線部材、および前記TFTを被覆するパッシベーション膜など(図示せず)を形成した構成である。また、前記基板本体は有機樹脂フィルムであってもかまわない。
なお、TFT基板1の表面段差を平坦に調整するために、TFT基板1上に層間絶縁膜が設けられていてもよい。層間絶縁膜は例えば、ポリイミド系樹脂またはアクリル系樹脂等の絶縁材料で構成される。
第1電極2は、Ag(銀)で形成されている。なお、第1電極2は、銀とパラジウムと銅との合金、銀とルビジウムと金との合金、MoCr(モリブデンとクロムの合金)、NiCr(ニッケルとクロムの合金)、Al(アルミニウム)、アルミニウム合金、ITO(酸化インジウムスズ)、IZO(酸化インジウム亜鉛)等で形成されていても良い。本実施の形態1に係る有機EL表示パネル10はトップエミッション型であるので、第1電極2は、光反射性の材料で形成されていることが好ましい。また、後述する現像処理で用いられる現像液に対して溶解性を有しない材料で構成されていることが好ましい。
なお、第1電極2の表面には公知の透明導電膜を設けてもよい。透明導電膜の材料としては、例えばITO(酸化インジウムスズ)を用いることができる。
残渣除去層3は、例えば金属酸化物で形成されている。金属酸化物として例えば、タングステン酸化物、モリブデン酸化物、タングステン−モリブデン酸化物等が挙げられる。残渣除去層3は、電荷注入性及び/または電荷輸送性を有する材料で形成されることが好ましい。
バンク4は、樹脂等の有機材料で形成されており絶縁性を有する。有機材料の例として、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等が挙げられる。バンク4は、有機溶剤耐性を有することが好ましい。さらに、バンク4はエッチング処理、ベーク処理等がなされるので、それらの処理に対して過度に変形、変質などをしないような耐性の高い材料で形成されることが好ましい。
有機発光層5は、例えば、ポリフルオレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリパラフェニレンエチレン、ポリ3−ヘキシルチオフェンやこれらの誘導体などの高分子材料や、特開平5−163488号公報に記載のオキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物及びアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属錯体、2−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩とIII族金属との錯体、オキシン金属錯体、希土類錯体等の蛍光物質で形成されることが好ましい。
電子注入層6は、後述する第2電極7から注入された電子を有機発光層5へ輸送する機能を有し、例えば、バリウム、フタロシアニン、フッ化リチウム、あるいはこれらの組み合わせや、さらにはこれらの材料をドープした電子輸送材料で形成されることが好ましい。
第2電極7は、例えば、ITO(酸化インジウムスズ)やIZO(酸化インジウム亜鉛)等で形成される。有機EL表示パネル10はトップエミッション型であるので、第2電極7は、光透過性の材料で形成されることが好ましい。
封止層8は、有機発光層5等が水分に晒されたり、空気に晒されたりすることを抑制する機能を有し、例えば、SiO(酸化シリコン),SiN(窒化シリコン)、SiON(酸窒化シリコン)、SiC(炭化ケイ素),SiOC(炭素含有酸化シリコン),AlN(窒化アルミニウム),Al2O3(酸化アルミニウム)等の材料で形成される。有機EL表示パネル10はトップエミッション型であるので、封止層8は、光透過性の材料で形成されることが好ましい。
続いて、本実施の形態の有機EL表示パネル10の製造工程を説明する前に、残渣除去層を形成しない場合の有機EL表示パネルの製造工程を、本実施の形態の比較例として簡単に説明する。
<残渣除去層を形成しない場合の有機EL表示パネルの製造工程>
図4は、残渣除去層を形成しない場合の有機EL表示パネルの製造工程の一例を示す図である。なお、図4では、有機EL表示パネルの一部を抜き出して模式的に示している。
まず、図4(a)に示すように、TFT基板101の主面上に、スパッタリング法によりAg薄膜を製膜し、当該Ag薄膜を、例えば、フォトリソグラフィでパターニングすることにより行列状に第1電極102を形成する。
次に、図4(b)に示すように、絶縁性有機材料からなるバンク材料層1031を形成する。バンク材料層1031の形成は、例えば塗布等により行うことができる。
次に、バンク材料層1031上に所定形状の開口部を持つマスクを重ねる。そして、マスクの上から感光させ、余分なバンク材料層1031を現像液で洗い出す(ウェットプロセス)。これによりバンク材料層1031のパターニングが完了する。以上でバンク103が完成する(図4(c)参照)。
ただし、ウェットプロセスにおいて、開口部に対応するバンク材料層1031の全てが除去されるわけではなく、第1電極102上にはバンク材料層1031が一部残存する(以下、残存するバンク材料層を「バンク残渣1032」という)。
これは、第1電極102の表面の形状が凹凸形状を成しており、バンク残渣が第1電極102の表面にはまり込んでいることが原因として考えられる。このため、現像処理の際、現像液がバンク残渣にまで浸透するものの、バンク残渣を除去するには至らず、依然として残渣として存在することとなる。また、バンク残渣1032は膜状に存在しており、例えばその膜厚は4nmである。
バンク103形成後、図4(d)に示すように、バンク103で区画された領域内に例えばインクジェット法により有機EL材料を含む組成物インク(以下、単に「インク」という)を滴下し、そのインクを乾燥させて有機発光層104を形成する。ただし、第1電極102上にはバンク残渣1032が存在しているため、有機発光層104は、バンク残渣1032を介して、第1電極102上に形成されることになる。
次に、例えば真空蒸着により電子注入層105となるバリウム薄膜を形成し、例えばスパッタリングにより第2電極106となるITO薄膜を形成し、さらに封止層107を形成する(図4(e)参照)。
上記製造方法では、第1電極102上に絶縁性のバンク残渣1032が存在するため、有機EL表示パネルを駆動する際の駆動電圧の上昇を招いてしまう。
<本実施の形態の有機EL表示パネル10の製造方法>
続いて、本実施の形態の有機EL表示パネル10の製造工程を例示する。図5、6は、有機EL表示パネル10の製造工程の一例を示す図である。なお、図5,6では、有機EL表示パネル10の一部を抜き出して模式的に示している。
まず、図5(a)に示すように、TFT基板1の主面上に、スパッタリング法によりAg薄膜を製膜し、当該Ag薄膜を、例えば、フォトリソグラフィでパターニングすることにより行列状に第1電極2を形成する。なお、Ag薄膜の製膜には、スパッタリング法の他に、真空蒸着法を用いることもできる。
次に、図5(b)に示すように、第1電極2を含むTFT基板1の表面に対し、WOx、MoxOy又はMoxWyOzを含む組成物を用いて真空蒸着、スパッタリングなどの技術によりWOx、MoxOy又はMoxWyOzの薄膜である残渣除去層3を形成する。残渣除去層3の膜厚は、例えば数nm〜数十nm程度が好ましい。
次に、図5(c)に示すように、残渣除去層3上に絶縁性有機材料からなるバンク材料層41を形成する。バンク材料層41の形成は、例えば塗布等により行うことができる。
次に、バンク材料層41上に所定形状の開口部を持つマスクを重ねる。そして、マスクの上から感光させ、余分なバンク材料層41を現像液(例えば、TMAH(Tetra methyl ammonium hydroxide)水溶液)で洗い出す。これによりバンク材料層41のパターニングが完了する。ただし、上記ウェットプロセスの実行の際に、残渣除去層3も上記現像液により溶解する。このため、バンク材料層41だけでなく残渣除去層3も除去され第1電極2の一部が露出する(図6(a)参照)。このとき、残渣除去層3は、開口に対応する第1の領域3aだけでなく、当該第1の領域3aの周辺の第2の領域3bに亘って溶解する(すなわち、サイドエッチ)。
このようにウェットプロセスの実行の際に、バンク材料層41だけでなく残渣除去層3もろとも除去するので、残渣除去層3上に形成されたバンク材料層41は土台を失い、残渣除去層3とともに除去されることになる。これにより、現像処理後にバンク残渣が第1電極2上に存在する可能性を低減することができる。
また、バンク材料層41と残渣除去層3とが同一の現像液にてエッチングされるので、残渣除去層3を除去するための工程を別途追加する必要がなく、生産工程という観点から効果的である。
さらに、残渣除去層3における第1の領域3aだけでなく、第2の領域3bも溶解するので、より確実にバンク材料層41を除去することができる。ただし、第2の領域3bが溶解することで、バンク材料層41下に空間が形成されてしまう。このため、バンク材料層41の、第2の領域3bに相当するオーバーハング部分(以下、単に「オーバーハング部分」という)が第1電極2に接しておらず、浮き上がった状態になっている。この状態のままでは、バンクの浮きあがりや剥がれ等の新たな不具合が懸念される。
そこで、次に、基板1に対してベークを行い、オーバーハング部分を軟化させ下方に垂れさせる。これにより、バンク材料層41下の空間に露出する残渣除去層3の端部3cを覆いつつ、バンク材料層41下の空間が埋められることになる。こうすることで、オーバーハング部分が第1電極2上に接触しバンク4を形成する(図6(b)参照)。以上でバンク4が完成する。
バンク4が第1電極2と接触しているので、密着性が向上し、バンク4の浮きあがりや剥がれなどの懸念される不具合を未然に防止することができる。
次に、図6(c)に示すように、バンク4で区画された領域内に例えばインクジェット法により有機EL材料を含む組成物インク(以下、単に「インク」という。)を滴下し、そのインクを乾燥させて有機発光層5を形成する。なお、有機発光層5は、ディスペンサー法、ノズルコート法、スピンコート法、凹版印刷、凸版印刷等により形成しても良い。
次に、例えば真空蒸着により電子注入層6となるバリウム薄膜を形成し、例えばスパッタリングにより第2電極7となるITO薄膜を形成し、さらに封止層8を形成する(図6(d)参照)。
上記製造方法によれば、残渣除去層3上に形成されたバンク材料層41は、現像処理の際に残渣除去層3とともに除去されるので、第1電極2上にバンク残渣が存在する状況を回避することができ、その結果、有機EL表示パネル10の駆動電圧の上昇を抑制することができる。さらに、オーバーハング部分を軟化させ下方に垂れさせ、第1電極2上に接触させるので、バンク4の浮きあがりや剥がれなどの懸念される不具合を未然に防止することができる。
<現像処理後及びベーク後のバンクの形状>
次に、現像処理後とベーク後とでバンク材料層41の形状が実際にどのように変化するのかを実験により検証した。まず、実験条件について説明する。発明者は今回、基板としてガラス基板1を、第1電極2としてAPCを、残渣除去層3としてMoWOxを用いた。ただし、第1電極2上に透明導電膜としてITO2aを設けている(図7参照)。
また、露光条件として300mj/cm2で露光し、現像液としてTMAHを用いて60[sec.]現像を行った。なお、TMAHは、0.2%濃度のものを用いた。その後、洗浄液として純水を用いて30[sec.]基板洗浄し、基板洗浄後、220[℃]で60[min.]間ベークした。
図7(a)は、現像処理後のバンク材料層41の写真をトレースした模式図であり、図7(b)は、ベーク後のバンク材料層41の写真をトレースした模式図である。図7(a)に示すように、現像処理後は、サイドエッチによりMoWOxの一部が除去されるため、バンク材料層41のオーバーハング部分が浮き上がった状態となっている。
これに対し、ベーク後のバンク材料層41は、図7(b)に示すように、サイドエッチ上部のバンク材料層41のオーバーハング部分が熱ダレにより下方に垂れた、テーパー形状となっており、基板に接した状態となっている。
このようにベークにより形成されたバンク4が、サイドエッチにより生じた空間に露出した残渣除去層3の端部を覆いつつ当該空間を埋めていることが実験結果からも確認できる。
(補足)
以上、本発明に係る有機EL表示パネル10について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施の形態に限られないことは勿論である。例えば、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態では、ウェットプロセスにおいて、残渣除去層3の第1の領域および第2の領域が除去され、第1電極2が露出しているが、本発明は、残渣除去層3の第1の領域および第2の領域における表面部さえ除去できれば、これに限られない。表面部さえ除去できれば、残渣除去層3上に形成されたバンク材料層41を併せて除去できるからである。したがって、例えば、図8に示すように、残渣除去層3の第1の領域および第2の領域が表面部を含む一部しか除去されずに、第1電極2が露出しなくてもよい。図8の構成を採用した場合には、残渣除去膜3が正孔注入性を有する材料で形成されていることが好ましい。こうすることで、有機発光層5に対して効果的に正孔を注入することができる。この構成の場合の有機EL表示パネルの製造方法について図9を用いて簡単に説明する。
バンク材料層41を形成するまでの工程は図5(a)〜(c)で示した通りである。次に、バンク材料層41上に所定形状の開口部を持つマスクを重ねる。そして、マスクの上から感光させ、余分なバンク材料層41を現像液(例えば、TMAH)で洗い出す。これによりバンク材料層41のパターニングが完了する。上記ウェットプロセスの実行の際に、残渣除去層3も上記現像液により溶解する。ただし、第1電極2は露出しておらず、第1電極2上には残渣除去層3が残存している(図9(a)参照)。なお、現像条件は、残存させる残渣除去層3の厚み等を勘案して適宜設定すればよい。
ウェットプロセスの実行の際に、残渣除去層3は、開口に対応する第1の領域3aだけでなく、当該第1の領域3aの周辺の第2の領域3bに亘って溶解するので、バンク材料層41下に空間が形成されてしまう。
そこで、次に、図6(b)で説明したように、基板1に対してベークを行い、オーバーハング部分を軟化させ下方に垂れさせることでバンク4を形成する(図9(b)参照)。
その後の工程である図9(c)、(d)については、図6(c)、(d)と同様であるので説明を省略する。
なお、残渣除去膜3は、正孔輸送性を有する材料により構成されていてもよく、その場合には、第1電極2上に残渣除去膜3が残存することにより、有機発光層5に対して効果的に正孔を輸送することができる。
(2)上記実施の形態では、所謂、ピクセルバンク(井桁状バンク)を採用しているが、本発明は、これに限らない。例えば、ラインバンク(ライン状のバンク)を採用することができる。図10の例では、ラインバンク65が採用されており、X軸方向に隣接する有機発光層66a,66b,66cが区分けされる。なお、図10に示すように、ラインバンク65を採用する場合には、Y軸方向に隣接する有機発光層同士はバンク要素により規定されていないが、駆動方法および陽極のサイズおよび間隔などを適宜設定することにより、互いに影響せず発光させることができる。
(3)上記実施の形態では、トップエミッション型で説明しているが、これに限定されず、ボトムエミッション型であっても良い。
(4)上記実施の形態では、有機発光層と第2電極との間に電子注入層のみが介挿されているが、これに加えて電子輸送層が介挿されているとしてもよい。
(5)上記実施の形態では、表示装置1の外観を示さなかったが、例えば、図11に示すような外観を有するものとすることができる。
(6)上記実施の形態では、表示装置に備えられた有機EL表示パネルについて説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、有機EL表示パネルの一のサブピクセルに対応する発光素子であってもよい。
(7)上記実施の形態では、表示装置を例に挙げて説明したが、これに限らず、発光装置に適用することも可能である。
(8)上記実施の形態では、第1電極2もしくは残渣除去膜3と、有機発光層5とが直接接する構成のみが示されているが、本発明はこれに限定するものではなく、例えば第一電極2もしくは残渣除去膜3と、有機発光層との間に正孔注入層や正孔輸送層が介挿される構成であってもよい。
(9)上記図7(a)に現像処理後のバンク材料層の写真をトレースした模式図を、上記図7(b)にベーク後のバンク材料層の写真をトレースした模式図を示したが、図12(a)は、現像処理後のバンク材料層を示す写真であり、図12(b)は、ベーク後のバンク材料層を示す写真である。
現像処理後は、バンク材料層のオーバーハング部分が浮き上がった状態となっていることが図12(a)からも確認できる。
また、ベーク後のバンク材料層が、サイドエッチ上部のバンク材料層のオーバーハング部分が熱ダレにより下方に垂れた、テーパー形状となっており、基板に接した状態となっていることが図12(b)からも確認できる。
このようにベークにより形成されたバンクが、サイドエッチにより生じた空間に露出した残渣除去層の端部を覆いつつ当該空間を埋めていることが図12(a)、(b)の写真からも確認できる。
本発明は、例えば、家庭用もしくは公共施設、あるいは業務用の各種表示装置、テレビジョン装置、携帯型電子機器用ディスプレイ等に利用可能である。
100 表示装置
10 有機EL表示パネル
20 駆動制御部
21−24 駆動回路
25 制御回路
1 TFT基板
2 第1電極
3 残渣除去層
4 バンク
5 有機発光層
6 電子注入層
7 第2電極
8 封止層
【0001】
本発明は、発光素子の製造方法に関する。
【背景技術】
ここで、本発明の別の態様として、前記第5工程は、前記樹脂材料層の、前記第2の領域に相当するオーバーハング部分を軟化させて下方に垂れさせることで、前記樹脂材料層下の空間に露出する前記中間層の端部を覆いつつ、前記樹脂材料層下の空間を埋めることにより、前記樹脂材料層の、前記第2の領域に相当するオーバーハング部分を前記下地層または前記中間層上に接触させるとともに、対向する樹脂材料層同士を接触させることなく開口を成し、樹脂材料層からなる複数の隔壁を形成し、前記第6工程は、前記複数の隔壁間である前記開口に相当する部分に、有機発光層を含む機能層を形成するとしてもよい。

Claims (13)

  1. 基板の上方に、第1電極を含む下地層を形成する第1工程と、
    前記下地層上に、中間層を形成する第2工程と、
    前記中間層上に、感光性樹脂材料を有する樹脂材料層を形成する第3工程と、
    前記樹脂材料層を選択的に露光した後、前記樹脂材料層及び前記中間層の両方を溶解する現像液を用いて現像処理することにより、(a)前記樹脂材料層の非硬化の部分を除去して前記樹脂材料層を貫通して前記中間層に通じる開口を形成し、(b)前記現像液の一部を前記開口を通じて前記中間層側に浸入させ、前記中間層における、前記開口に対応する第1の領域およびその周辺である第2の領域の、少なくとも表面部を除去する第4工程と、
    前記第4工程後に残存した樹脂材料層を加熱し、前記樹脂材料層の、前記第2の領域に相当するオーバーハング部分を軟化させて下方に垂れさせることで、前記第2の領域の少なくとも表面部が除去されることで生じた、前記樹脂材料層下の空間に露出する前記中間層の端部を覆いつつ、前記樹脂材料層下の空間を埋めることにより、前記樹脂材料層の、前記第2の領域に相当するオーバーハング部分を前記下地層または前記中間層上に接触させて前記樹脂材料層からなる隔壁を形成する第5工程と、
    前記第5工程の後、前記複数の隔壁間に、有機発光層を含む機能層を形成する第6工程と、
    前記機能層の上方に、第2電極を形成する第7工程と
    を有することを特徴とする発光素子の製造方法。
  2. 前記中間層と前記樹脂材料とが同一の現像液にてエッチングされる
    請求項1記載の発光素子の製造方法。
  3. 前記中間層として、タングステン酸化物、モリブデン酸化物、またはタングステン−モリブデン酸化物のいずれかを用い、
    前記樹脂材料層として、アクリレート樹脂、ポリイミド樹脂、またはフェノール樹脂のいずれかを用い、
    前記現像液として、TMAH(Tetra methyl ammonium hydroxide)を用いる
    請求項2記載の発光素子の製造方法。
  4. 前記第1工程における下地層を、前記第4工程における前記現像液に対して溶解性を有しない材料を用いて構成する
    請求項1または2記載の発光素子の製造方法。
  5. 前記下地層は第1電極のみからなり、前記第1電極としてITOまたはIZOを用いる
    請求項4記載の発光素子の製造方法。
  6. 前記第5工程は、前記樹脂材料層の、前記第2の領域に相当するオーバーハング部分を軟化させて下方に垂れさせることで、前記樹脂材料層下の空間に露出する前記中間層の端部を覆いつつ、前記樹脂材料層下の空間を埋めることにより、前記樹脂材料層の、前記第2の領域に相当するオーバーハング部分を前記下地層または前記残渣除去層上に接触させるとともに、対向する樹脂材料層同士を接触させることなく開口を成し、樹脂材料層からなる複数の隔壁を形成し、
    前記第6工程は、前記複数の隔壁間である前記開口に相当する部分に、有機発光層を含む機能層を形成する
    請求項1記載の発光素子の製造方法。
  7. 前記中間層における、前記第1の領域及び前記第2の領域の表面部を除いた一部を前記第4工程後に前記下地層上に残存させ、
    前記第6工程において、前記機能層を、残存している前記中間層上に形成する
    請求項1〜6の何れかに記載の発光素子の製造方法。
  8. 前記中間層は、前記機能層に対して電荷を注入および/または輸送する電荷注入輸送層である
    請求項7記載の発光素子の製造方法。
  9. 前記下地層を、第1電極である陽極として設け、
    前記電荷注入輸送層を、前記機能層に対して正孔を注入する正孔注入層として設ける
    請求項8記載の発光素子の製造方法。
  10. 前記第4工程において、前記中間層における、前記第1の領域及び前記第2の領域の全てが除去され、
    前記第6工程において、前記機能層を、前記下地層上に形成する
    請求項1〜6の何れかに記載の発光素子の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載された発光素子の製造方法により製造された発光素子を用いた有機表示パネル。
  12. 請求項1〜10のいずれかに記載された発光素子の製造方法により製造された発光素子を用いた有機発光装置。
  13. 請求項1〜10のいずれかに記載された発光素子の製造方法により製造された発光素子を用いた有機表示装置。
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