JPWO2011154987A1 - カメラ距離測定装置 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、特許文献1に代表される従来の技術は、時間的に異なる静止画像を利用するため、動画像の場合や車載カメラのように車両の移動が伴う場合、被写体に時間的なずれが発生する可能性がある。また、光照射する専用の機構を別途用意する必要がある。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるカメラ距離測定装置の構成を示すブロック図である。図1において、カメラ距離測定装置1は、測距演算部2、カメラユニット3、パラメータ格納部4、表示部5、画像補正部6、線描写部7、及び画像重畳部8を備える。
測距演算部2は、車両からの距離を示す目盛線画像を計算する構成部であり、目盛線生成部9、レンズ歪関数演算部10、射影関数演算部11、投影面変換関数演算部12及び映像出力関数演算部13を備える。
取り付け情報とは、車両に対してカメラがどのように取り付けられているか、すなわち取り付け位置及び取り付け角度を示す情報である。取り付け位置を示す情報には、車両に対するカメラの取り付け高さ、及び車両幅の中心からの偏移が含まれる。
画角情報とは、カメラユニット3のカメラで撮像される被写体の範囲を示す角度情報であり、カメラの最大水平画角Xa及び最大垂直画角Ya若しくは対角画角が含まれる。
射影方式情報とは、カメラユニット3のカメラに用いられるレンズの射影方式を示す情報である。実施の形態1では、カメラのレンズとして魚眼レンズを用いるので、射影方式情報としては、立体射影、等距離射影、等立体角射影及び正射影のいずれかが該当する。
なお、射影方式情報は、カメラ補正情報を構成している。
画面サイズ情報とは、映像出力における画面サイズ、すなわち表示部5の画像表示時における表示範囲を示す情報であり、表示部5の最大水平描画ピクセルサイズXp及び最大垂直描画ピクセルサイズYpが含まれる。
測距演算部2の目盛線生成部9は、予め設定された目盛線サイズ情報に基づいて、表示部5に表示させる目盛線の描写位置、すなわちカメラが撮像するカメラ画像における位置である目盛線情報を計算する。以下、カメラユニット3が車両の後部に取り付けられ、車両の後方を撮像範囲とする場合について説明する。
図2は、目盛線生成部で計算される実空間上における目盛線の被写体画像パターンの例を示す図である。目盛線の被写体画像パターンとは、カメラの撮像方向(車両の後方)の地平面に仮想的に設定する格子状の目盛線である。
図2において、直線L1は車両の幅方向に垂直に並ぶ目盛線であり、直線L2〜L5は車両の幅方向に平行に並ぶ目盛線である。直線L1と直線L2〜L5のそれぞれとは交差して複数の格子を形成している。各格子は、直線L1の長さ方向の辺と直線L2〜L5の長さ方向の辺とが、それぞれ実空間における所定の長さ(例えば、0.50メートル)を有する。
この座標の値に対して、カメラで撮像されたときに受ける影響と同様の影響を与える関数が後段の各関数演算部10〜13にて演算され、演算された結果としての位置の座標である目盛線情報に基づいて、線描写部7で目盛線画像を生成することによって、表示部5には、カメラ画像に対してずれなく目盛線が重畳された画像が表示される。
以下では、簡単のために、図2に示す車両の後方の地平面に仮想的に設定した目盛線の交点の座標のうちの1つの座標(x,y)を例に挙げて説明する。なお、座標(x,y)は、例えば車両から所定位置離れた車両後方の地平面上の点を原点とする直交座標上の位置として定義することができる。
レンズ歪関数iは、例えばレンズ歪みに関するZhangのモデルにより求めることができる。このモデルでは、放射歪曲でレンズ歪みをモデル化しており、(x,y)をレンズ歪みの影響を受けていない座標、(i(x),i(y))をレンズ歪みの影響を受けた座標、(u,v)をレンズ歪みの影響を受けていない正規化座標、(u〜,v〜)をレンズ歪みの影響を受けた正規化座標とするとき、下記式となる。なお、u〜はuチルダであり、v〜はvチルダである。
u〜=u+u(k1r2+k2r4)
v〜=v+v(k1r2+k2r4)
r2=u2+v2
ただし、k1及びk2は、レンズ歪みの影響を受けていない正規化座標(u,v)に対するレンズ歪みの影響を受けた正規化座標(u〜,v〜)の放射歪曲によるレンズ歪みを多項式で表したときの係数であり、レンズに固有な定数である。ここで、レンズ歪みの影響を受けていない座標における放射歪曲の中心を主点(xo,yo)とすると、下記式の関係が成り立つ。
i(x)=x+(x−xo)(k1r2+k2r4)
i(y)=y+(y−yo)(k1r2+k2r4)
なお、x0及びy0は、レンズに固有な定数である。
この関係式によって、レンズ歪みの影響を受けていない座標(x,y)をレンズ歪みの影響を受けた座標(i(x),i(y))に変換することができる。
射影方式による関数hとは、レンズに対して角度θで入射した光が、レンズ中心からどれだけ離れた位置に集光するかを関数で示したものである。射影方式による関数hは、レンズの焦点距離をfとし、入射光の入射角度、すなわち半画角をθ、カメラの撮像面における像高をYとすると、下記関係が成り立つ。
立体射影では、Y=2ftan(θ/2)、等距離射影では、Y=fθ、等立体角射影では、Y=2fsin(θ/2)となり、正射影では、Y=fsinθとなる。
よって、レンズ歪関数演算部10から出力されるレンズ歪みを受けた座標(i(x),i(y))の値i(x)を、レンズに対する入射角度θに変換して上記射影式に代入することにより、射影歪みを受けた値h(i(x))が得られる。同様に、レンズ歪みを受けた座標(i(x),i(y))の値i(y)を、レンズに対する入射角度θに変換して上記射影式に代入することにより、値h(i(y))が得られる。以上のようにして、射影歪みを受けた座標(h(i(x)),h(i(y)))を得ることができる。
投影面変換とは、カメラで撮像される画像がカメラの取り付け位置や角度といった取り付け状態に影響することから、取り付け状態による影響を加える変換のことである。
投影面変換関数fは、地平面に対するカメラの取り付けの高さL、鉛直線に対するカメラの光軸の傾き角度である取り付け垂直角度φ、車両を前後に縦断する中心線に対する傾き角度である取り付け水平角度θ、車両幅の中心からの偏移である距離Hを係数に持つ幾何学関数で表される。なお、カメラは光軸を回転軸とするチルト回転の方向にはずれておらず、正しく取り付けられているものとする。
そこで、映像出力関数演算部13において、カメラ画像の表示部5に表示可能なサイズへの変更に相当する変換を投影面変換を受けた座標(g(f(h(i(x)))),g(f(h(i(y)))))に対して行うことで、カメラ画像とスケールを一致させることができる。映像出力変換関数gは、カメラの最大水平画角Xaと最大垂直画角Yaと、映像出力における最大水平描画ピクセルサイズXpと最大垂直描画ピクセルサイズYpを係数に持つ写像関数で表される。
従来でも奥行き方向には距離を示す目盛線を表示できたが、カメラのレンズ歪みによって画像の横方向が歪むため、車両の幅方向には、距離を示す目盛線を正確に表示することができなかった。
これに対して、この実施の形態1では、測距演算部2によってレンズ歪み及び射影方式による歪みが取り除かれるため、表示部5の表示画面において、車両の幅方向での距離も正確に表示することができる。
図5は、この発明の実施の形態2によるカメラ距離測定装置の構成を示すブロック図である。図5において、カメラ距離測定装置1Aは、測距演算部2A、カメラユニット3、パラメータ格納部4、出力部5A、及び画面内位置特定部14を備える。
測距演算部2Aは、画面内位置特定部14で指定されたカメラ画像における任意の座標位置を、実空間上の地面平面の位置に変換計算して車両からの距離を計算する構成部であり、レンズ歪関数演算部10、射影関数演算部11、投影面変換関数演算部12及び映像出力関数演算部13を備える。
画面内位置特定部14は、画面に表示したカメラ画像上の任意の位置を指定する構成部であり、例えば、画面上にポインタを表示し、ポインタで任意の位置を指定する入力処理部であったり、カメラ画像を表示する画面に設けたタッチパネルで構成してもよい。
画面内位置特定部14を用いて、画面に表示したカメラ画像上の任意の位置を指定すると、当該カメラ画像空間の指示位置の座標(u,v)は、測距演算部2Aへ入力される。
測距演算部2Aのレンズ歪関数演算部10は、画面内位置特定部14で指定されたカメラ画像の位置座標(u,v)にレンズ歪関数iを演算することで、レンズ歪みを受けた座標(i(u),i(v))に変換する。なお、レンズ歪関数iは、上記実施の形態1と同様に、カメラユニット3のカメラで被写体を撮像する際に、レンズ形状によってカメラ画像が受ける歪みを関数で表現したものである。
レンズ歪関数iは、例えばレンズ歪みに関するZhangのモデルにより求めることができる。このモデルでは、放射歪曲でレンズ歪みをモデル化しており、(u,v)Tをレンズ歪みの影響を受けていない理想的な画像座標、(u〜,v〜)Tをレンズ歪みの影響を受けた観測画像座標、(x,y)Tをレンズ歪みの影響を受けていない理想的な正規化座標、(x〜,y〜)Tをレンズ歪みの影響を受けた観測正規化座標とするとき、下記式となる。なお、x〜はxチルダ、y〜はyチルダ、u〜はuチルダ、v〜はvチルダである。
x〜=x+x(k1r2+k2r4)
y〜=y+y(k1r2+k2r4)
r2=x2+y2
ただし、k1及びk2は、レンズ歪みの影響を受けていない正規化座標(x,y)Tに対するレンズ歪みの影響を受けた正規化座標(x〜,y〜)Tの放射歪曲によるレンズ歪みを多項式で表したときの係数であり、レンズに固有な定数である。ここで、レンズ歪みの影響を受けていない座標における放射歪曲の中心を主点(uo,vo)Tとすると、下記式の関係が成り立つ。
u〜=u+(u−uo)(k1r2+k2r4)
v〜=v+(v−vo)(k1r2+k2r4)
なお、uO及びvOは、レンズに固有な定数である。
この関係式によって、カメラ画像空間の被写体の位置(u,v)を、実空間の被写体の位置座標(x,y)(=(i(u),i(v)))に変換することができる。
射影方式による関数hとは、レンズに対して角度θで入射した光が、レンズ中心からどれだけ離れた位置に集光するかを関数で示したものである。射影方式による関数hは、レンズの焦点距離をfとし、入射光の入射角度、すなわち半画角をθ、カメラの撮像面における像高をYとすると、下記関係が成り立つ。
立体射影では、Y=2ftan(θ/2)、等距離射影では、Y=fθ、等立体角射影では、Y=2fsin(θ/2)となり、正射影では、Y=fsinθとなる。
よって、レンズ歪関数演算部10から出力されるレンズ歪みを受けた座標(i(u),i(v))の値i(u)を、レンズに対する入射角度θに変換して上記射影式に代入することにより、射影歪みを受けた値h(i(u))が得られる。同様に、レンズ歪みを受けた座標(i(u),i(v))の値i(v)を、レンズに対する入射角度θに変換して上記射影式に代入することにより、値h(i(v))が得られる。以上のようにして、射影歪みを受けた座標(h(i(u)),h(i(v)))を得ることができる。
投影面変換とは、カメラで撮像される画像がカメラの取り付け位置や角度といった取り付け状態に影響することから、取り付け状態による影響を加える変換のことである。
投影面変換関数fは、地平面に対するカメラの取り付けの高さL、鉛直線に対するカメラの光軸の傾き角度である取り付け垂直角度φ、車両を前後に縦断する中心線に対する傾き角度である取り付け水平角度θ、車両幅の中心からの偏移である距離Hを係数に持つ幾何学関数で表される。なお、カメラは光軸を回転軸とするチルト回転の方向にはずれておらず、正しく取り付けられているものとする。
映像出力関数演算部13において、カメラ画像の表示部に表示可能なサイズへの変更に相当する変換を投影面変換を受けた座標(g(f(h(i(u)))),g(f(h(i(v)))))に対して行うことで、カメラ画像とスケールを一致させることができる。映像出力変換関数gは、カメラの最大水平画角Xaと最大垂直画角Yaと、映像出力における最大水平描画ピクセルサイズXpと最大垂直描画ピクセルサイズYpを係数に持つ写像関数で表される。
これにより、カメラ映像の2次元空間の位置と、実空間における3次元空間の1元である高さを固定した空間との相互変換が可能になる。
このように、カメラ映像の2次元空間と、実空間の3次元空間を相互変換できるので、画面内位置特定部14を用いて任意のカメラ画像内の位置をユーザが特定することで、カメラ画像から実空間上の位置を提示することができる。
実施の形態3は、上記実施の形態1,2を組み合わせた構成である。
図6は、この発明の実施の形態3によるカメラ距離測定装置の構成を示すブロック図である。図6において、カメラ距離測定装置1Bは、図1と図2とを組み合わせた構成を有している。上記実施の形態1と同様にして表示部5に目盛線画像を表示しつつ、上記実施の形態2と同様に当該目盛線画像内の任意の位置を画面内位置特定部14で特定し、実空間での高さz(地平面からカメラまでの高さ)における座標位置に変換計算する。
また、画面内位置特定部14として、当該目盛線画像を表示する表示部5に設けたタッチパネルを採用し、図7に示すように目盛線画像上の任意の位置を指示することにより、当該位置の車両からの距離を求めることができる。測距演算部2によって演算された当該距離は、表示部5によって画面上に文字表示してもよい。
図7の例では、車両幅の中心に対応する直線L5aを基準としてx軸方向の距離が規定され、y軸方向は、格子ごとの奥行き方向の所定距離で規定されており、指示された任意の点は、車両幅の中心から、x軸方向に0.50メートルで、y軸方向(奥行き方向)に1.25メートルであることを示している。このようにすることで、車両からの距離を視認することができる。
図8は、この発明の実施の形態4によるカメラ距離測定装置の構成を示すブロック図である。カメラ距離測定装置1Cは、上記実施の形態2における画面内位置特定部14として画像認識部15を備える。画像認識部15は、表示画面に写った特定の被写体(障害物)を画像認識してカメラ画像上の座標位置を特定する構成部である。例えば、駐車支援の際、駐車場の障害物を既存の画像認識技術を用いて認識し、カメラ画像上での位置座標を特定する。この位置座標を測距演算部2Aが処理することにより、障害物と車両との距離を提示することができる。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、カメラ画像に写る被写体までの距離を測定できるカメラ距離測定装置を得ることを目的とする。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるカメラ距離測定装置の構成を示すブロック図である。図1において、カメラ距離測定装置1は、測距演算部2、カメラユニット3、パラメータ格納部4、表示部5、画像補正部6、線描写部7、及び画像重畳部8を備える。
測距演算部2は、車両からの距離を示す目盛線画像を計算する構成部であり、目盛線生成部9、レンズ歪関数演算部10、射影関数演算部11、投影面変換関数演算部12及び映像出力関数演算部13を備える。
取り付け情報とは、車両に対してカメラがどのように取り付けられているか、すなわち取り付け位置及び取り付け角度を示す情報である。取り付け位置を示す情報には、車両に対するカメラの取り付け高さ、及び車両幅の中心からの偏移が含まれる。
画角情報とは、カメラユニット3のカメラで撮像される被写体の範囲を示す角度情報であり、カメラの最大水平画角Xa及び最大垂直画角Ya若しくは対角画角が含まれる。
射影方式情報とは、カメラユニット3のカメラに用いられるレンズの射影方式を示す情報である。実施の形態1では、カメラのレンズとして魚眼レンズを用いるので、射影方式情報としては、立体射影、等距離射影、等立体角射影及び正射影のいずれかが該当する。
なお、射影方式情報は、カメラ補正情報を構成している。
画面サイズ情報とは、映像出力における画面サイズ、すなわち表示部5の画像表示時における表示範囲を示す情報であり、表示部5の最大水平描画ピクセルサイズXp及び最大垂直描画ピクセルサイズYpが含まれる。
測距演算部2の目盛線生成部9は、予め設定された目盛線サイズ情報に基づいて、表示部5に表示させる目盛線の描写位置、すなわちカメラが撮像するカメラ画像における位置である目盛線情報を計算する。以下、カメラユニット3が車両の後部に取り付けられ、車両の後方を撮像範囲とする場合について説明する。
図2は、目盛線生成部で計算される実空間上における目盛線の被写体画像パターンの例を示す図である。目盛線の被写体画像パターンとは、カメラの撮像方向(車両の後方)の地平面に仮想的に設定する格子状の目盛線である。
図2において、直線L1は車両の幅方向に垂直に並ぶ目盛線であり、直線L2〜L5は車両の幅方向に平行に並ぶ目盛線である。直線L1と直線L2〜L5のそれぞれとは交差して複数の格子を形成している。各格子は、直線L1の長さ方向の辺と直線L2〜L5の長さ方向の辺とが、それぞれ実空間における所定の長さ(例えば、0.50メートル)を有する。
この座標の値に対して、カメラで撮像されたときに受ける影響と同様の影響を与える関数が後段の各関数演算部10〜13にて演算され、演算された結果としての位置の座標である目盛線情報に基づいて、線描写部7で目盛線画像を生成することによって、表示部5には、カメラ画像に対してずれなく目盛線が重畳された画像が表示される。
以下では、簡単のために、図2に示す車両の後方の地平面に仮想的に設定した目盛線の交点の座標のうちの1つの座標(x,y)を例に挙げて説明する。なお、座標(x,y)は、例えば車両から所定位置離れた車両後方の地平面上の点を原点とする直交座標上の位置として定義することができる。
レンズ歪関数iは、例えばレンズ歪みに関するZhangのモデルにより求めることができる。このモデルでは、放射歪曲でレンズ歪みをモデル化しており、(x,y)をレンズ歪みの影響を受けていない座標、(i(x),i(y))をレンズ歪みの影響を受けた座標、(u,v)をレンズ歪みの影響を受けていない正規化座標、(u~,v~)をレンズ歪みの影響を受けた正規化座標とするとき、下記式となる。なお、u~はuチルダであり、v~はvチルダである。
u~=u+u(k1r2+k2r4)
v~=v+v(k1r2+k2r4)
r2=u2+v2
ただし、k1及びk2は、レンズ歪みの影響を受けていない正規化座標(u,v)に対するレンズ歪みの影響を受けた正規化座標(u~,v~)の放射歪曲によるレンズ歪みを多項式で表したときの係数であり、レンズに固有な定数である。ここで、レンズ歪みの影響を受けていない座標における放射歪曲の中心を主点(xo,yo)とすると、下記式の関係が成り立つ。
i(x)=x+(x−xo)(k1r2+k2r4)
i(y)=y+(y−yo)(k1r2+k2r4)
なお、x0及びy0は、レンズに固有な定数である。
この関係式によって、レンズ歪みの影響を受けていない座標(x,y)をレンズ歪みの影響を受けた座標(i(x),i(y))に変換することができる。
射影方式による関数hとは、レンズに対して角度θで入射した光が、レンズ中心からどれだけ離れた位置に集光するかを関数で示したものである。射影方式による関数hは、レンズの焦点距離をfとし、入射光の入射角度、すなわち半画角をθ、カメラの撮像面における像高をYとすると、下記関係が成り立つ。
立体射影では、Y=2ftan(θ/2)、等距離射影では、Y=fθ、等立体角射影では、Y=2fsin(θ/2)となり、正射影では、Y=fsinθとなる。
よって、レンズ歪関数演算部10から出力されるレンズ歪みを受けた座標(i(x),i(y))の値i(x)を、レンズに対する入射角度θに変換して上記射影式に代入することにより、射影歪みを受けた値h(i(x))が得られる。同様に、レンズ歪みを受けた座標(i(x),i(y))の値i(y)を、レンズに対する入射角度θに変換して上記射影式に代入することにより、値h(i(y))が得られる。以上のようにして、射影歪みを受けた座標(h(i(x)),h(i(y)))を得ることができる。
投影面変換とは、カメラで撮像される画像がカメラの取り付け位置や角度といった取り付け状態に影響することから、取り付け状態による影響を加える変換のことである。
投影面変換関数fは、地平面に対するカメラの取り付けの高さL、鉛直線に対するカメラの光軸の傾き角度である取り付け垂直角度φ、車両を前後に縦断する中心線に対する傾き角度である取り付け水平角度θ、車両幅の中心からの偏移である距離Hを係数に持つ幾何学関数で表される。なお、カメラは光軸を回転軸とするチルト回転の方向にはずれておらず、正しく取り付けられているものとする。
そこで、映像出力関数演算部13において、カメラ画像の表示部5に表示可能なサイズへの変更に相当する変換を投影面変換を受けた座標(g(f(h(i(x)))),g(f(h(i(y)))))に対して行うことで、カメラ画像とスケールを一致させることができる。映像出力変換関数gは、カメラの最大水平画角Xaと最大垂直画角Yaと、映像出力における最大水平描画ピクセルサイズXpと最大垂直描画ピクセルサイズYpを係数に持つ写像関数で表される。
従来でも奥行き方向には距離を示す目盛線を表示できたが、カメラのレンズ歪みによって画像の横方向が歪むため、車両の幅方向には、距離を示す目盛線を正確に表示することができなかった。
これに対して、この実施の形態1では、測距演算部2によってレンズ歪み及び射影方式による歪みが取り除かれるため、表示部5の表示画面において、車両の幅方向での距離も正確に表示することができる。
図5は、この発明の実施の形態2によるカメラ距離測定装置の構成を示すブロック図である。図5において、カメラ距離測定装置1Aは、測距演算部2A、カメラユニット3、パラメータ格納部4、出力部5A、及び画面内位置特定部14を備える。
測距演算部2Aは、画面内位置特定部14で指定されたカメラ画像における任意の座標位置を、実空間上の地面平面の位置に変換計算して車両からの距離を計算する構成部であり、レンズ歪関数演算部10、射影関数演算部11、投影面変換関数演算部12及び映像出力関数演算部13を備える。
画面内位置特定部14は、画面に表示したカメラ画像上の任意の位置を指定する構成部であり、例えば、画面上にポインタを表示し、ポインタで任意の位置を指定する入力処理部であったり、カメラ画像を表示する画面に設けたタッチパネルで構成してもよい。
画面内位置特定部14を用いて、画面に表示したカメラ画像上の任意の位置を指定すると、当該カメラ画像空間の指示位置の座標(u,v)は、測距演算部2Aへ入力される。
測距演算部2Aのレンズ歪関数演算部10は、画面内位置特定部14で指定されたカメラ画像の位置座標(u,v)にレンズ歪関数iを演算することで、レンズ歪みを受けた座標(i(u),i(v))に変換する。なお、レンズ歪関数iは、上記実施の形態1と同様に、カメラユニット3のカメラで被写体を撮像する際に、レンズ形状によってカメラ画像が受ける歪みを関数で表現したものである。
レンズ歪関数iは、例えばレンズ歪みに関するZhangのモデルにより求めることができる。このモデルでは、放射歪曲でレンズ歪みをモデル化しており、(u,v)Tをレンズ歪みの影響を受けていない理想的な画像座標、(u~,v~)Tをレンズ歪みの影響を受けた観測画像座標、(x,y)Tをレンズ歪みの影響を受けていない理想的な正規化座標、(x~,y~)Tをレンズ歪みの影響を受けた観測正規化座標とするとき、下記式となる。なお、x~はxチルダ、y~はyチルダ、u~はuチルダ、v~はvチルダである。
x~=x+x(k1r2+k2r4)
y~=y+y(k1r2+k2r4)
r2=x2+y2
ただし、k1及びk2は、レンズ歪みの影響を受けていない正規化座標(x,y)Tに対するレンズ歪みの影響を受けた正規化座標(x~,y~)Tの放射歪曲によるレンズ歪みを多項式で表したときの係数であり、レンズに固有な定数である。ここで、レンズ歪みの影響を受けていない座標における放射歪曲の中心を主点(uo,vo)Tとすると、下記式の関係が成り立つ。
u~=u+(u−uo)(k1r2+k2r4)
v~=v+(v−vo)(k1r2+k2r4)
なお、uO及びvOは、レンズに固有な定数である。
この関係式によって、カメラ画像空間の被写体の位置(u,v)を、実空間の被写体の位置座標(x,y)(=(i(u),i(v)))に変換することができる。
射影方式による関数hとは、レンズに対して角度θで入射した光が、レンズ中心からどれだけ離れた位置に集光するかを関数で示したものである。射影方式による関数hは、レンズの焦点距離をfとし、入射光の入射角度、すなわち半画角をθ、カメラの撮像面における像高をYとすると、下記関係が成り立つ。
立体射影では、Y=2ftan(θ/2)、等距離射影では、Y=fθ、等立体角射影では、Y=2fsin(θ/2)となり、正射影では、Y=fsinθとなる。
よって、レンズ歪関数演算部10から出力されるレンズ歪みを受けた座標(i(u),i(v))の値i(u)を、レンズに対する入射角度θに変換して上記射影式に代入することにより、射影歪みを受けた値h(i(u))が得られる。同様に、レンズ歪みを受けた座標(i(u),i(v))の値i(v)を、レンズに対する入射角度θに変換して上記射影式に代入することにより、値h(i(v))が得られる。以上のようにして、射影歪みを受けた座標(h(i(u)),h(i(v)))を得ることができる。
投影面変換とは、カメラで撮像される画像がカメラの取り付け位置や角度といった取り付け状態に影響することから、取り付け状態による影響を加える変換のことである。
投影面変換関数fは、地平面に対するカメラの取り付けの高さL、鉛直線に対するカメラの光軸の傾き角度である取り付け垂直角度φ、車両を前後に縦断する中心線に対する傾き角度である取り付け水平角度θ、車両幅の中心からの偏移である距離Hを係数に持つ幾何学関数で表される。なお、カメラは光軸を回転軸とするチルト回転の方向にはずれておらず、正しく取り付けられているものとする。
映像出力関数演算部13において、カメラ画像の表示部に表示可能なサイズへの変更に相当する変換を投影面変換を受けた座標(g(f(h(i(u)))),g(f(h(i(v)))))に対して行うことで、カメラ画像とスケールを一致させることができる。映像出力変換関数gは、カメラの最大水平画角Xaと最大垂直画角Yaと、映像出力における最大水平描画ピクセルサイズXpと最大垂直描画ピクセルサイズYpを係数に持つ写像関数で表される。
これにより、カメラ映像の2次元空間の位置と、実空間における3次元空間の1元である高さを固定した空間との相互変換が可能になる。
このように、カメラ映像の2次元空間と、実空間の3次元空間を相互変換できるので、画面内位置特定部14を用いて任意のカメラ画像内の位置をユーザが特定することで、カメラ画像から実空間上の位置を提示することができる。
実施の形態3は、上記実施の形態1,2を組み合わせた構成である。
図6は、この発明の実施の形態3によるカメラ距離測定装置の構成を示すブロック図である。図6において、カメラ距離測定装置1Bは、図1と図2とを組み合わせた構成を有している。上記実施の形態1と同様にして表示部5に目盛線画像を表示しつつ、上記実施の形態2と同様に当該目盛線画像内の任意の位置を画面内位置特定部14で特定し、実空間での高さz(地平面からカメラまでの高さ)における座標位置に変換計算する。
また、画面内位置特定部14として、当該目盛線画像を表示する表示部5に設けたタッチパネルを採用し、図7に示すように目盛線画像上の任意の位置を指示することにより、当該位置の車両からの距離を求めることができる。測距演算部2によって演算された当該距離は、表示部5によって画面上に文字表示してもよい。
図7の例では、車両幅の中心に対応する直線L5aを基準としてx軸方向の距離が規定され、y軸方向は、格子ごとの奥行き方向の所定距離で規定されており、指示された任意の点は、車両幅の中心から、x軸方向に0.50メートルで、y軸方向(奥行き方向)に1.25メートルであることを示している。このようにすることで、車両からの距離を視認することができる。
図8は、この発明の実施の形態4によるカメラ距離測定装置の構成を示すブロック図である。カメラ距離測定装置1Cは、上記実施の形態2における画面内位置特定部14として画像認識部15を備える。画像認識部15は、表示画面に写った特定の被写体(障害物)を画像認識してカメラ画像上の座標位置を特定する構成部である。例えば、駐車支援の際、駐車場の障害物を既存の画像認識技術を用いて認識し、カメラ画像上での位置座標を特定する。この位置座標を測距演算部2Aが処理することにより、障害物と車両との距離を提示することができる。
Claims (4)
- 車両に取り付けたカメラが撮像したカメラ画像上に前記車両を基準に格子状に配置した複数の目盛線を重畳した画像を表示装置に表示して、前記目盛線の各格子辺に規定された単位距離から、前記車両の幅方向及び前記カメラの撮像方向の距離を測定するカメラ距離測定装置であって、
前記カメラの前記車両への取り付け位置及び角度を示す取り付け情報、前記カメラの画角を示す画角情報、前記カメラのレンズの射影方式を示す射影方式情報及び前記表示装置の画面サイズを示す画面サイズ情報を、パラメータ情報として格納するパラメータ格納部と、
前記複数の目盛線を前記単位距離で格子状に配置した各格子点の実空間における各位置座標に前記カメラのレンズの歪みを補正する処理をそれぞれ施し、前記パラメータ格納部から読み出した前記取り付け情報、前記画角情報、前記射影方式情報及び前記画面サイズ情報に基づいて、前記レンズの歪みの補正後の各位置座標を前記カメラ画像における位置座標にそれぞれ変換した目盛線情報を生成する測距演算部と、
前記目盛線情報に基づいて前記複数の目盛線を格子状に直交させて配置した目盛線画像を生成する線描写部と、
前記カメラ画像における前記カメラのレンズの歪み及び前記射影方式による歪みを除去する補正を行う画像補正部と、
前記線描写部に生成された前記目盛線画像と前記画像補正部で補正された前記カメラ画像とを重畳して前記表示装置に出力する画像重畳部とを備えたカメラ距離測定装置。 - 車両に取り付けたカメラが撮像したカメラ画像を表示装置に表示し、当該カメラ画像内の位置から前記車両までの距離を測定するカメラ距離測定装置であって、
前記カメラの前記車両への取り付け位置及び角度を示す取り付け情報、前記カメラの画角を示す画角情報、前記カメラのレンズの射影方式を示す射影方式情報及び前記表示装置の画面サイズを示す画面サイズ情報を、パラメータ情報として格納するパラメータ格納部と、
前記表示装置に表示された前記カメラ画像内の位置を特定する画面内位置特定部と、
前記画面内位置特定部で特定されたカメラ画像空間の位置座標に前記カメラのレンズの歪みを補正する処理を施し、前記パラメータ格納部から読み出した前記取り付け情報、前記画角情報、前記射影方式情報及び前記画面サイズ情報に基づいて、前記レンズの歪みの補正後の位置座標を、実空間での地平面から所定の高さにおける位置座標に変換した位置情報を生成する測距演算部と、
前記位置情報に基づいて、前記画面内位置特定部で特定された前記カメラ画像内の位置から前記車両までの距離を出力する出力部とを備えたカメラ距離測定装置。 - 前記表示装置に表示されたカメラ画像内の位置を特定する画面内位置特定部を備え、
前記測距演算部は、前記画面内位置特定部で特定されたカメラ画像空間の位置座標に前記カメラのレンズの歪みを補正する処理を施し、前記パラメータ格納部から読み出した前記取り付け情報、前記画角情報、前記射影方式情報及び前記画面サイズ情報に基づいて、前記レンズの歪みの補正後の位置座標を、実空間での地平面から所定の高さにおける位置座標に変換した前記位置情報を生成し、
前記表示部は、前記位置情報に基づいて前記画面内位置特定部で特定された前記カメラ画像内の位置から前記車両までの距離を出力することを特徴とする請求項1記載のカメラ距離測定装置。 - 前記画面内位置特定部は、画像認識によって前記カメラ画像内の対象物の位置を検出する画像認識部であることを特徴とする請求項2記載のカメラ距離測定装置。
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