JPWO2011148618A1 - 超音波探触子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

バッキング層の厚みを抑えつつ、背面に出力される超音波を減衰させることができる超音波探触子は、超音波の送受信に用いられる圧電振動子(1)と、圧電振動子(1)の背面に接合され、圧電振動子(1)から背面方向に放射された超音波を減衰するバッキング層(4d)とを備え、バッキング層(4d)は、圧電振動子(1)との接合面から背面方向に形成された、音波の重ね合わせの原理に基づく長さの異なる複数の音響管(5c)を有し、前記複数の音響管(5c)には、長さのうちの一部が背面方向に対して垂直な方向に形成され、長さのうちの他部が背面方向に平行な方向に形成されている音響管(5c)が含まれる。

Description

本発明は、超音波診断に用いられる超音波探触子とその製造方法に関する。
図1は、超音波探触子および超音波診断装置の外観の一例を示す図である。超音波探触子70は、超音波診断装置80にケーブルで接続されており、図中の矢印方向に超音波を送信し、生体で反射された矢印と逆方向の反射波を受信する。超音波診断装置80は、超音波探触子70で受信された反射波を画像解析し、解析によって得られた生体内部の画像をモニタに表示する。
このような超音波探触子70は、圧電振動子から超音波を送信する際、振動子の前面のみならず、背面にも超音波が放射される。以下、従来の超音波探触子の構成の一例について、図を用いて説明する。
図2は、従来の超音波探触子90の構成を示す断面図である。図2に示す超音波探触子90は、上方から、音響レンズ93、整合層92、圧電振動子91、バッキング層94が積層された構造を有する。なお、図2においては、超音波探触子90を構成するそれぞれの部材の厚み方向を模式的に示している。
一般的な超音波診断装置では、圧電振動子91から発信された超音波が整合層92及び音響レンズ93を通り、生体に放射される。そして、生体内で反射した超音波が往路と逆のルートを辿り、再び圧電振動子91にて受信され、その受信強度や応答時間に即した信号が濃淡になることで映像化される。
一方、冒頭で述べたように、圧電振動子91からは、前面(図2で上方)と逆の位相の超音波が同時に背面へ放射される。圧電振動子91の背面(図2で下方)に放射された超音波は、バッキング層94で減衰される。しかし、バッキング層94がその超音波を減衰するに十分な損失を持たない素材で構成されている場合には、その超音波がバッキング層94内で反射し、圧電振動子91側へ戻ってしまう。
このような反射波の影響で、超音波探触子90が受信した、生体で反射された超音波信号にノイズが重畳し、超音波診断装置の特性が劣化してしまう現象が起きる。
そのため、背面に出力された超音波に対して十分な減衰を得られるだけの内部損失と距離とを有した素材をバッキング層94として配置する(例えば特許文献1)。
特許第3806349号公報
しかしながら、上記特許文献1の構成では、つまり従来手法の超音波に対して十分な減衰を得られるだけの内部損失と距離とを有した素材をバッキング層として配置する構成では、バッキング層そのものが厚くなってしまうという課題がある。
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、バッキング層の厚みを抑えつつ、背面に出力される超音波を減衰させることができる超音波探触子およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様にかかる超音波探触子は、超音波の送受信に用いられる振動子と、前記振動子の背面に接合され、前記振動子から背面方向に放射された超音波を減衰するバッキング部材とを備え、前記バッキング部材は、前記振動子との接合面から前記背面方向に形成された、音波の重ね合わせの原理に基づく長さの異なる複数の反射構造体を有し、前記複数の反射構造体には、前記長さのうちの一部が前記背面方向に対して垂直な方向に形成され、前記長さのうちの他部が前記背面方向に平行な方向に形成されている反射構造体が含まれる。
この構成によれば、例えば長さの長い反射構造体の一部を折れ曲げて形成することができるので、バッキング部材の厚みを抑えつつ、背面に出力される超音波を減衰させることができる超音波探触子を実現できる。
また、好ましくは、前記反射構造体は、音響管の特性を有する。ここで、前記反射構造体は、所定の単位長さの整数倍の長さで形成されており、前記複数の反射構造体のうち近傍に形成されている反射構造体では、長さの長い方の反射構造体の前記長さのうちの一部が前記背面方向に対して垂直な方向に折れ曲がって、長さの短い方の反射構造体の前記背面方向に形成されているとしてもよい。
また、上記目的を達成するために、本発明の一態様にかかる超音波探触子は、超音波の送受信に用いられる振動子と、前記振動子の背面に接合され、前記振動子から背面方向に放射された超音波を減衰するバッキング部材とを備え、前記バッキング部材は、前記振動子との接合面から前記背面方向に、ヘルムホルツの共鳴器の原理に基づき形成された複数の反射構造体を有する。
この構成により、反射構造体が共鳴器の特性を有する。さらに、この構成の反射構造体は形成が容易であるという効果も奏する。
したがって、バッキング部材の厚みを抑えつつ、背面に出力される超音波を減衰させることができる超音波探触子を実現できる。
また、上記目的を達成するために、本発明の一態様にかかる超音波探触子の製造方法は、超音波の送受信に用いられる振動子と、前記振動子の背面に接合され、基板と反射構造体とで構成されるバッキング部材であって前記振動子から背面方向に放射された超音波を減衰するバッキング部材とを備える超音波探触子の製造方法であって、基板上に前記基板と異なる音響インピーダンスの印刷材料を印刷することで、前記振動子との接合面から前記背面方向に、音波の重ね合わせの原理に基づく長さの異なる複数の反射構造体を有するバッキング部材を形成する工程を含む。
それにより、バッキング部材の厚みを抑えつつ、背面に出力される超音波を減衰させることができる超音波探触子の形成を容易にすることができる。
本発明によれば、バッキング層の厚みを抑えつつ、背面に出力される超音波を減衰させることができる超音波探触子およびその製造方法を実現することができる。
図1は、超音波探触子および超音波診断装置の外観の一例を示す図である。 図2は、従来の超音波探触子の構成を示す断面図である。 図3は、本発明の実施の形態1における超音波探触子の構成を示す断面図である。 図4は、本発明の実施の形態2におけるバッキング層の断面図である。 図5は、本発明の実施の形態2における複数の音響管の配列の一例を示す断面図である。 図6は、本発明の実施の形態2におけるバッキング層に音響管を備える場合と備えない場合とにおける雑音の振幅変化を示す図である。 図7は、本発明の実施の形態2における複数の音響管の配列の別の一例を示す断面図である。 図8Aは、本発明の実施の形態2における音響管の立体的構造の例を示す図である。 図8Bは、本発明の実施の形態2における音響管の立体的構造の例を示す図である。 図8Cは、本発明の実施の形態2における音響管の立体的構造の例を示す図である。 図8Dは、本発明の実施の形態2における音響管の立体的構造の例を示す図である。 図9Aは、本発明の実施の形態2における音響管の別の立体的構造の例を示す図である。 図9Bは、本発明の実施の形態2における音響管の別の立体的構造の例を示す図である。 図9Cは、本発明の実施の形態2における音響管の別の立体的構造の例を示す図である。 図9Dは、本発明の実施の形態2における音響管の別の立体的構造の例を示す図である。 図10Aは、本発明の実施の形態2におけるバッキング層に形成された音響管の開口部を有する面と圧電振動子との接合方向を示す断面図である。 図10Bは、本発明の実施の形態2におけるバッキング層に形成された音響管の開口部を有する面と圧電振動子との接合方向を示す断面図である。 図11は、本発明の実施の形態2におけるバッキング層に形成される一次元音響管の形成方向と圧電振動子のダイシング方向との関係を示す図である。 図12Aは、本発明の実施の形態3における音波探触子の構成例を示す断面図である。 図12Bは、本発明の実施の形態3における音波探触子の別の構成例を示す断面図である。 図13Aは、本発明の実施の形態3における圧電振動子の配置の一例を示す図である。 図13Bは、本発明の実施の形態3における圧電振動に対する音響管の配置の一例を示す図である。 図14は、図12Aに示す音響管の配列の一例を示す断面図である。 図15は、図12Bに示す音響管の折れ曲がり部を含む配列の一例を示す断面図である。 図16は、本発明の実施の形態4における印刷パターンの一例を示す図である。 図17は、本発明の実施の形態4におけるスクリーン印刷を利用した印刷パターンの形成手順を示すフローチャートである。 図18は、本発明の実施の形態5における印刷パターンの一例を示す図である。 図19Aは、本発明の実施の形態6における超音波探触子の構成を示す断面図である。 図19Bは、本発明の実施の形態7における反射構造体の一例である共鳴器を模式的に示す図である。 図20は、本発明の実施の形態6における複数の共鳴器の配列の一例を示すバッキング層4fの斜視図である。 図21は、本発明の実施の形態6における複数の共鳴器の別の一例を示すバッキング層の斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図3は、本発明の実施の形態1における超音波探触子の構成を示す断面図である。図3に示す超音波探触子10は、圧電振動子1、整合層2、音響レンズ3、およびバッキング層4を備えている。また、超音波探触子10は、図3に示すようにバッキング層4の内部に、音響管5が配置されている。
音響管5は、圧電振動子1から放射される超音波の波長(λ)に比べて十分に小さい幅(w)で、かつ、直接波と反射波とでその超音波の打ち消しが生じるような長さ(Ln)に形成されている。
ここで、バッキング層4での波長λは式1で求めることができる。
Figure 2011148618
例えば、バッキング層4がエポキシ樹脂で構成され、圧電振動子1からf=5MHzの超音波が放射されるとする。この場合に、エポキシ樹脂内の音速cを5000m/sとすれば、超音波の波長はλ=1000μmと求めることができる。
そして、この場合に、音響管5の長さLnが250μmであるとすれば、反射波の位相が1/4ずれるので、超音波の打消しが生じる。ここで、音響管5の幅(w)は、音波の直進性を維持するため、w<Lnにする必要がある。
つまり、超音波探触子10を構成するバッキング層4に圧電振動子1との接合面から背面方向(図で下方向)に、音波の重ね合わせの原理に基づく長さの音響管5を配置することで、圧電振動子1から背面に放射される超音波を減衰させ、前面の超音波のみを受信できる。それにより、超音波探触子10を用いた超音波診断装置では、超音波信号の感度が上がり、良好な画像を得ることができるという効果を奏する。
以上、実施の形態1の超音波探触子によれば、バッキング層4に音響管5を配置することにより、超音波に対して十分な減衰を得られるだけの内部損失と距離とを有した素材をバッキング層として配置する場合に比べて、バッキング層の厚みを抑制しつつ、超音波を減衰させることができる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、バッキング層に1つの音響管を配置する場合を例示したが、それに限らない。実施の形態2では、バッキング層に複数の音響管を配置する場合について説明する。
図4は、本発明の実施の形態2におけるバッキング層4aの断面図である。図4に示すバッキング層4aには、圧電振動子1以外にも、図示していないが図3と同様に、整合層2および音響レンズ3が積層されている。
図4に示すように、バッキング層4aの内部には、複数の音響管5が配置されている。ここで、複数の音響管5は、音波の重ね合わせの原理に基づく長さ(Ln)で形成されており、複数の音響管5の長さ(Ln)は一定の規則により配列される。
以下、複数の音響管5の長さ(Ln)について説明する。
図5は、本発明の実施の形態2における複数の音響管5の配列の一例を示すバッキング層4の断面図である。図5では、複数の音響管5が平方剰余系列に基づいてバッキング層4aの内部に配列された例を示している。具体的には、各音響管の長さ(Ln)は、以下の式2を満たす1次元の平方剰余系列によって定められている。
Figure 2011148618
ここで、cは音速、Nは素数、nは0〜(N−1)まで変化する整数、ωrは任意の設計周波数である。
例えば、バッキング層4がエポキシ樹脂で構成されるとし、エポキシ樹脂内での音速c=5000m/s、N=11、ωr=5MHzと仮定する。この場合、バッキング層4内の各音響管5は、45.5μmを単位長さ「1」として、それぞれ1、4、9、5、3、3、5、9、4、1、0の長さにとなるように配列されている。
音響管5を、上記の式を満たす長さ(Ln)の配列で配置したものは、隣り合う音響管5の入口付近で位相の不連続が生じるため、広帯域の音波を吸音および拡散させることが知られている。つまり、音響管5を、上記の式を満たす長さ(Ln)の配列でバッキング層4の内部に配列することで、反射波を低減させることができる。
ここで、複数の音響管5を上記の式を満たす長さ(Ln)の配置した場合の効果の一例を図6に示す。図6は、本発明の実施の形態2におけるバッキング層に音響管を備える場合と備えない場合とにおける雑音の振幅変化を示す図である。図6に示すように、音響管5を、上記の式を満たす長さ(Ln)の配列でバッキング層4aに備える場合には、そうでない場合に比べると雑音の振幅変化が少ない、つまり、雑音を吸音および拡散できることがわかる。
なお、複数の音響管5の長さ(Ln)は、平方剰余系列に基づいて配列される場合に限らない。各音響管5の長さ(Ln)は、以下の式3を満たす原始根系列に基づいて配列されてもよく、同様の効果を得ることができる。
Figure 2011148618
ここで、cは音速、Nは素数、nは0〜(N−1)まで変化する整数、rはNの原始根、ωrは任意の設計周波数である。
図7は、本発明の実施の形態2における複数の音響管5の配列の別の一例を示すバッキング層4の断面図である。図7では、各音響管5が原始根系列に基づいて配列されたバッキング層の一例として、N=11、r=2の場合の音響管5の配列を示している。
また、複数の音響管5の配列は、図5および図7に示した一次元の配列に限らず、二次元の配列であってもよい。
図8A〜図8Dは、本発明の実施の形態2における音響管の立体的構造の例を示す図である。図8Aは、図5に示した一次元の配列で音響管5が形成されたバッキング層4aを示す斜視図である。図8B〜図8Dは、図8Aの三面図を示しており、図8Bは平面図、図8Cは正面図、図8Dは側面図である。例えば、図8Bに示すように、バッキング層4aには、横方向に平行な溝が形成されている。溝の深さ(音響管の長さ)は、縦方向に順に、1、4、9、5、3、3、5、9、4、1、0の深さの順で形成される。図8Cに示すように、複数の音響管5を形成する溝の深さは均一である。これを溝の長手方向に対して垂直な面で切断したとすると、図8Dのように、それぞれの溝の深さ(各音響管5の長さ(Ln))は平方剰余系列で配列されている。
図9A〜図9Dは、本発明の実施の形態2における音響管の別の立体的構造の例を示す図である。図9Aは、二次元の配列で音響管5bが形成されたバッキング層4bを示す斜視図である。図9B〜図9Dは、図9Aの三面図を示しており、図9Bは平面図、図9Cは正面図、図9Dは側面図である。例えば、図9Bに示すように、バッキング層4bには、縦横の二次元方向にまちまちの深さで溝が形成される。c=5000m/s、N=7、ωr=5MHzの場合、溝の深さは、71.5μmを単位長さとして、整数倍の深さで形成される。また、図9Cおよび図9Dで示すように、断面垂直方向から見ても水平方向から見ても、溝の深さが所定のパターンで繰り返されるよう配列されている。
図10Aおよび図10Bは、本発明の実施の形態2におけるバッキング層に形成された音響管の開口部を有する面と圧電振動子1との接合方向を示す断面図である。図10Aには、図5と同様、バッキング層4aに形成された複数の音響管5の開口部のない方の面が、圧電振動子1の層に接合される例を示している。反対に、図10Bには、バッキング層4cの音響管5の開口部のある方の面が、圧電振動子1の層に接合される例を示している。
つまり、バッキング層の終端で反射して戻ってくる反射波を打ち消す場合、音響管5の開口部を有する面は、図10Aおよび図10Bに示すように圧電振動子1に対してどちら側で形成されてもよい。
図11は、本発明の実施の形態2におけるバッキング層に形成される一次元音響管の形成方向と圧電振動子のダイシング方向との関係を示す図である。同図に示すように、バッキング層4に一次元の配列で音響管5を形成する場合、圧電振動子1のダイシング方向と、音響管5の溝の長手方向とが直交するように音響管5を形成するのが好ましい。それにより、1ch(チャンネル)分の圧電振動子に、より多くの長さが異なる音響管5が作用することになるので、バッキング層4において反射波をより効果的に低減することができる。
以上、実施の形態2の超音波探触子によれば、バッキング層に複数の音響管を配置することにより、超音波に対して十分な減衰を得られるだけの内部損失と距離とを有した素材をバッキング層として配置する場合に比べて、バッキング層の厚みを抑制しつつ、超音波を減衰させることができる。
(実施の形態3)
実施の形態1および実施の形態2では、バッキング層に音響管を1以上配置する場合の例について説明したが、それに限らない。バッキング層に音響管に準ずる反射構造体を配置する構成であればよい。実施の形態3では、反射構造体が音響管の特性を有するとして、音響管5として説明する。
図12Aは、本発明の実施の形態3における音波探触子の構成例を示す断面図である。
図12に示す超音波探触子30は、図10Bに相当するバッキング層を備える具体的構成を示しており、超音波の送受信に用いられる圧電振動子1と、整合層2と、音響レンズ3と、およびバッキング層4cを備える。
バッキング層4cは、圧電振動子1の背面に接合され、圧電振動子1から背面方向に放射された超音波を減衰する。
バッキング層4cは、圧電振動子1との接合面から背面方向に形成された、音波の重ね合わせの原理に基づく長さの異なる複数の反射構造体(音響管5)を有する。ここで、反射構造体は上述したように音響管の特性を有する。以下、反射構造体は音響管5であるとして説明する。つまり、バッキング層4cの内部には、複数の音響管5が配置され、複数の音響管5の開口部のある方の面が、圧電振動子1の層に接合されている。
音響管5は、音波の重ね合わせの原理に基づく長さで形成されている。
具体的には、音響管5は、圧電振動子1から放射される超音波の波長に比べて十分に小さい幅(w)で、かつ、直接波と反射波とでその超音波の打ち消しが生じる長さ(Ln)に形成されている。例えば、バッキング層4cがエポキシ樹脂で構成され、音響管5の内部には、エポキシ樹脂とは音響インピーダンスの異なる金属ペーストが充填されるとする。その場合に、圧電振動子1から5MHzの超音波が放射されたとすれば、音響管5での波長は600μmとなる。例えば、一の音響管5の長さが150μmであれば、反射波の位相が1/4ずれて、打消しが生じる。ただし、この音響管5の幅は、上述したように、その長さよりも短い必要があるので、150μm以下にする必要がある。さらに、バッキング層4cに一の音響管5の長さと異なる長さの他の音響管5を配置することにより、異なる波長の超音波を打ち消すことができる。すなわち、図12Aのように、長さの異なる複数の音響管5をバッキング層4cに配置することにより、周波数の異なる複数の超音波を打ち消すことができる。
このように、バッキング層4cに複数の音響管5を配置することにより、超音波に対して十分な減衰を得られるだけの内部損失と距離とを有した素材をバッキング層として配置する場合に比べて、バッキング層の厚みを抑制しつつ、超音波を減衰させることができる。
しかしながら、バッキング層に複数の音響管を配置する場合、バッキング層には音響管の最大長さ以上の厚みが必要である。換言すると、実施の形態2における音波探触子では、バッキング層の厚みが、音響管の最大長さに依存するため、厚みの抑制が十分でない場合も考えられる。
そこで、バッキング層の厚みをさらに抑制できる構成例について以下説明する。
図12Bは、本発明の実施の形態3における音波探触子の別の構成例を示す断面図である。図12Aと同様の要素には同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。
図12Bに示す超音波探触子35は、圧電振動子1、整合層2、音響レンズ3、およびバッキング層4dを備える。このバッキング層4dの内部には、複数の音響管5cが配置され、複数の音響管5の開口部のある方の面が、圧電振動子1の層に接合されている。
音響管5cは、本発明の反射構造体に相当し、音波の重ね合わせの原理に基づく長さで形成されている。
ここで、複数の音響管5cには、長さの一部が背面方向に対して垂直な方向に形成され、長さのうちの他部が背面方向に平行な方向に形成されている音響管5cもある。具体的には、複数の音響管5cは、所定の単位長さの整数倍の長さで形成されており、複数の音響管5cのうち近傍に形成されているものでは、長さの長い方の音響管5cの長さのうちの一部が背面方向に対して垂直な方向に折れ曲がって、長さの短い方の音響管5cの背面方向に形成されている。
さらに具体的には、音響管5cは、圧電振動子1から放射される超音波の波長に比べて十分に小さい幅(w)で、かつ、直接波と反射波とでその超音波の打ち消しが生じる長さ(Ln)に形成されている。ただし、音響管5cは、図12Bに示すように、バッキング層4dの深さ方向にのみ形成されているのではなく、一部分が、バッキング層4dの深さ方向に対して直行する方向に形成されている。例えば、複数の音響管5cのうちで長さが最も短い音響管5cの長さを基準にして、その基準の長さよりも長い音響管5cの一部分をバッキング層4dの深さ方向に対して直交する方向に形成することが考えられる。
換言すると、長さが最も短い音響管を除く音響管5cの深さ方向の長さは、深さ方向の長さが最も短い音響管の深さ方向の長さに、音響管の幅の長さを加えたものとなるように、音響管の深さ方向の長さの一部を垂直に折り曲げて形成する。このように、音響管の深さ方向の一部を、バッキング層の深さ方向に対して直行する方向に形成することにより、超音波を打ち消す効果を維持しつつ、音響管の深さ方向の長さを短くし、さらにバッキング層の厚みを薄くすることができるという効果を奏する。
ここで、圧電振動子1は、図13Aに示すように、超音波探触子35の短手方向(図でy方向)に平行に切断されており、複数のチャンネルが独立に超音波信号の送受信を行っている。図13Aは、本発明の実施の形態3における圧電振動子1の配置の一例を示す図であり、図13Bは、本発明の実施の形態3における圧電振動子1に対する音響管5cの配置の一例を示す図である。
また、音響管5cは、図13Bに示すように、圧電振動子1の層に接合されている音響管5cの開口端の断面が、超音波探触子35の長手方向(図でx方向)に平行に配置されている。すなわち、音響管5cの開口端の断面の長手方向(図でx方向)が、圧電振動子1の長手方向(図でy方向)に対して略垂直となる構成となっている。このように、音響管5cの開口端を配置することにより、それぞれの圧電振動子1に対し、長さの異なる複数の音響管5cが配置され、周波数の異なる複数の超音波を打ち消すことができるという効果を奏する。
なお、音響管5cは、開口端の断面が、超音波探触子35の長手方向(図でx方向)に平行に配置されている構成、すなわち、溝状に配置されている構成として説明したが、開口端の断面の形状はこれに限らない。例えば、それぞれの音響管5cの開口端の断面が、孔状に構成されているものであってもよい。
また、音響管5cの長さ(Ln)は、実施の形態2で説明したのと同様に、平方剰余系列および原始根系列などの一定の規則に基づいて配列される。
図14は、図12Aに示す音響管5の配列の一例を示す断面図である。図15は、図12Bに示す折れ曲がり部が形成された音響管を含む音響管5cの配列の一例を示す断面図である。
例えば、各音響管5の長さ(Ln)が、式2で示した平方剰余系列に基づいてより配列されるとする。ここで、例えば音響管5の内部に金属ペーストが充填されているとし、音速c=3000m/s、N=7、ωr=5MHzと仮定する。
この場合、図14に示すように、各音響管5は、43μmを単位長さ「1」として、それぞれ1、4、2、2、4、1、0の長さになるように配列されている。
例えば図14に示すように音響管5を配列した場合、一番長い音響管5は、単位長さの音響管5に比べて4倍の長さが必要である。しかし、音響管は途中で折り曲げてもその効果は変わらないので、図15に示すように短い音響管5cの背後に長い音響管5cを折り曲げることができる。それにより、バッキング層4d全体の厚さを約半分にすることができる。
以上、実施の形態4の超音波探触子によれば、バッキング層に圧電振動子1との接合面から背面方向(図で下方向)に、音波の重ね合わせの原理に基づく長さの異なる複数の音響管を配置し、さらに音響管の長さの一部を垂直に折り曲げて形成することにより、バッキング層の厚みをさらに抑制しつつ、超音波を減衰させることができる。
(実施の形態4)
実施の形態4では、本発明におけるバッキング層を実現する製造方法について説明する。
つまり、圧電振動子1の背面に接合され、基板と音響管とで構成されるバッキング層であって圧電振動子1から背面方向に放射された超音波を減衰するバッキング層とを備える超音波探触子の製造方法について説明する。
以下、基板(母材)上に基板(母材)と異なる音響インピーダンスの印刷材料を印刷することで、圧電振動子1との接合面から背面方向に、音波の重ね合わせの原理に基づく長さの異なる複数の音響管(反射構造体)を有するバッキング層を形成する工程の具体的態様について説明する。この工程では、複数の音響管(反射構造体)は、長さのうちの一部が背面方向に対して垂直な方向となり、長さのうちの他部が背面方向に平行な方向となる音響管を含むよう形成される。
図16は、本発明の実施の形態4における印刷パターンの一例を示す図である。
本発明におけるバッキング層を実現するために、図16に示すような150μmの起伏を有する複数の印刷パターンをスクリーン印刷(精密印刷)によって形成する。そして、形成した複数の印刷パターンを積層することで、図12Bや図13Bに示すバッキング層4dを製造することができる。換言すると、図16において、例えば母材41aと溝51aとを有する印刷パターンは、図13Bでバッキング層4dをz方向に垂直に分割したもののうち、圧電振動子1との接合する音響管の開口部を有するものである。また、例えば、母材41nと溝51nとを有する印刷パターンは、図13Bでバッキング層4dをz方向に垂直に分割したもののうち、最下層のものである。そして、これら複数の印刷パターンを接着して積層させることにより、複数の音響管を有するバッキング層を形成することができる。
次に、図16に示す印刷パターンの形成方法について説明する。
図17は、本発明の実施の形態4におけるスクリーン印刷を利用した印刷パターンの形成手順を示すフローチャートである。
まず、150μmの乾燥厚みが得られるように調整された溝部分で構成されるスクリーン印刷用マスクを用意する(S101)。
次に、母材部分が音響インピーダンスの高い材料となるように、所定のパターンのスクリーン印刷用マスクで音響インピーダンスの高い材料を印刷する(S102)。ここで、音響インピーダンスの高い材料とは、例えば金属を用いた導電ペーストなどである。
溝部分を構成するスクリーン印刷用マスクのパターンは、口径が150μm以下を保つようにすることが必要である。そうすることで、口径が150μm以下の溝を形成することができるので、溝(音響管5c)への超音波の直進性が良好となり、高い効果が得られる。ただし、150μmを超えた時点で効果がゼロになるわけではないため、所望の効果が得られていれば、必ずしも全てが150μm以下という精度を保っている必要はない。なお、被印刷体である母材部分は、超音波の反射を容易にするため、印刷に用いた導電ペーストと同等かそれに近い音響インピーダンスを有する素材であることが望ましい。
次に、母材のない領域すなわち溝部分に音響インピーダンスの小さい樹脂材料を流し込む(S103)。
次に、スキージ(へら)などを用いて溝部分内部の空気を完全に追い出しながら、溝部分内部にその樹脂材料を充填する(S104)。
次に、乾燥または反応などによってその樹脂材料を固化させる(S105)。
このようにして、図16に示す印刷パターンの1つを形成することができる。
そして、図16に示す複数の印刷パターンを形成し、形成した複数の印刷パターンを積層することにより5MHzで効果的に反射波を低減させるバッキング層4dを得ることができる。
言い換えると、本実施の形態の超音波探触子の製造方法は、複数の溝を有する母材(基板)を印刷により形成する第1形成工程と、複数の溝に母材と異なる音響インピーダンスの材料を印刷により充填する第2工程と、第1形成工程と第2形成工程とで印刷された複数の母材を接着して積層させることにより、複数の音響管5c(反射構造体)を有するバッキング層4dを形成する工程とを含む。
したがって、図12Bおよび図16に示すように、一部を折り曲げた形の音響管5cを有するバッキング層4dを設計すれば、図12Aに示す音響管5を有するバッキング層4cを設計する場合に比べて、印刷パターン数すなわち積層枚数を減らすことができる。つまり、複数の音響管が配置されたバッキング層をより容易に製造することができる。
なお、図16に示す複数の印刷パターンを形成する方法は、上述のスクリーン印刷を用いる場合に限られない。例えば、ナノインプリント技術などに用いられる精密型を用いて、複数の印刷パターンのそれぞれを形成してもよい。その場合、ナノインプリント技術で所定のパターンに微細加工された型を樹脂材料に型押ししすることで、口径が150μm以下となるような溝(細孔)を有する印刷パターンを形成することができる。ここで、本手段においても、上記と同様の理由から、必ずしも口径が150μm以下である必要はない。
また、このときの所定のパターンは、音波の伝達する波導路を凸部で形成する必要がある。さらに、S103〜S105と同様に、得られた印刷パターンの溝(細孔)に金属など音響インピーダンスの高いペーストを流し込み、スキージ(へら)などを用いて溝内部の空気を完全に追い出しながら、溝内部にペーストを充填する。そして、乾燥または反応などによってこのペーストを固化させる。
このようにして、図16に示す複数の印刷パターンを形成し、積層することにより5MHzで効果的に反射波を低減させるバッキング層を製造することができる。
以上、実施の形態4の超音波探触子の製造方法によれば、バッキング部材の厚みを抑えつつ、背面に出力される超音波を減衰させることができる超音波探触子の形成を容易にすることができる。
(実施の形態5)
実施の形態4では、図13Bでバッキング層4dをz方向に垂直に分割した印刷パターンを形成し、バッキング層4dを製造する方法について説明したが、それに限らない。図13Bでバッキング層4dをx方向に垂直に分割した印刷パターンを形成し、バッキング層4dを製造するとしてもよい。
図18は、本発明の実施の形態5における印刷パターンの一例を示す図である。
本実施の形態では、本発明におけるバッキング層を実現するために、図18に示す複数の印刷パターンをスクリーン印刷(精密印刷)によって形成し、複数の印刷パターンを積層することで、図12Aに示すバッキング層4cを製造することができる。換言すると、図18において、母材42aおよび溝52a、母材42bおよび溝52b、母材42cおよび溝52c、母材42dおよび溝52d、母材42eおよび溝52e…をそれぞれ有する印刷パターンは、図12Aに示すバッキング層4cをx方向に垂直に分割したものである。そして、これら複数の印刷パターンを積層させることにより、複数の音響管5を有するバッキング層4cを形成することができる。
つまり、音響管5の形成にあたっては、音響管5の深さ方向(z方向)に積層させるだけでなく、図18に示すように、x方向で分割した複数の音響管5を印刷し、積層させてもよい。
このようにすることで、それぞれの印刷パターンを、実施の形態5の場合と比較して精密に積層させる必要がないので、複数の音響管が配置されたバッキング層をより容易に製造することができる。
つまり、本実施の形態の超音波探触子の製造方法は、複数の溝を有する母材(基板)を印刷により形成する第1形成工程と、複数の溝に母材と異なる音響インピーダンスの材料を印刷により充填する第2工程と、第1形成工程と第2形成工程とで印刷された複数の母材を積層させることにより、複数の音響管5c(反射構造体)を有するバッキング層4dを形成する工程とを含む。
したがって、本実施の形態の超音波探触子の製造方法によれば、バッキング層に圧電振動子との接合面から背面方向に、音波の重ね合わせの原理に基づく長さの異なる複数の音響管を配置し、さらに音響管の長さの一部を垂直に折り曲げて形成することができる。
それにより、バッキング層の厚みをさらに抑制しつつ、超音波を減衰させることができる超音波探触子を製造することができる。
(実施の形態6)
実施の形態1〜実施の形態5では、厚みを抑制しつつも超音波を減衰させるバッキング層に配置される反射構造体として、音響管または音響管の特性を有するものの例について説明したが、それに限らない。
バッキング層に配置される音響管に準ずる反射構造体として、共鳴器または共鳴器の特性を有するものであってもよい。換言すると、厚みを抑制しつつも超音波を減衰させるバッキング層は、実施の形態1〜5における音響管の第一共振周波数と同じ第一共振周波数になるように設計された共鳴器を用いることでも実現できる。具体的には、ヘルムホルツの共鳴器の原理を用いて設計した口径とネック長と有する共鳴器を用いることでも実現できる。それにより、実施の形態1〜5で説明したバッキング層に音響管を配置する場合と同様の効果を得ることができる。
図19Aは、本発明の実施の形態6における超音波探触子の構成を示す断面図である。図19Bは、本発明の実施の形態7における反射構造体の一例である共鳴器を模式的に示す図である。図19Aに示す超音波探触子40は、超音波の送受信に用いられる圧電振動子1、整合層2、音響レンズ3、およびバッキング層4eを備えている。なお、図12Aと同様の要素には同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。
バッキング層4eは、圧電振動子1の背面に接合され、圧電振動子1から背面方向に放射された超音波を減衰する。
バッキング層4eは、圧電振動子1との接合面から背面方向に、ヘルムホルツの共鳴器の原理に基づき形成された複数の反射構造体(共鳴器6)を有する。ここで、反射構造体は上述したように共鳴器の特性を有する。以下、反射構造体は共鳴器6であるとして説明する。
共鳴器6は、それぞれ、所望の共振周波数を有するよう設計されたネック長と口径とを有する。具体的には、共鳴器6は、図18Bに示す口径(rd)とネック長(nd)とを設計することで、所望の第一共振周波数を得ることができる。共鳴器6は、ネック長(nd)と口径(rd)とを変化させることで、第一共振周波数を変化させることができるので、さまざまな共振周波数の共鳴器を簡単にバッキング層4eに配置することができる。
なお、共鳴器6間の距離61は、任意である。つまり、例えば図20に示すように共鳴器の内部は隣り合う共鳴器の内部とつながっていてもよい。その場合、複数の共鳴器を配置するバッキング層4fをより容易に製造することができる。ここで、図20は、本発明の実施の形態6における複数の共鳴器6の配列の一例を示すバッキング層4fの斜視図である。
また、図21は、本発明の実施の形態6における複数の共鳴器の別の一例を示すバッキング層4gの斜視図である。つまり、圧電振動子1との接合面における共鳴器の口径部分の形状は、図20のようにスリット状(例えばスリット62)でも、図20のように孔状(例えば孔63)でもよい。
次に、以上のように複数の共鳴器が配置されたバッキング層の形成方法について図21に示すバッキング層4gを形成する場合を例に挙げて説明する。
まず、音響インピーダンスの大きい金属ペースト、例えば銀ペーストを用いて母材(図21でバッキング層4gの下部)を形成する。
次に、形成した母材の上に、音響インピーダンスが小さい樹脂材料、例えばエポキシ、ポリエステル、ポリイミドなどのプラスチックまたはゴム高分子材料の共鳴器層(図21で共鳴器6a)を形成する。
次に、共鳴器層上に口径の異なる複数の孔63を空けた金属層(図21でバッキング層4gの上部)を配置する。
次に、この金属層上の孔63に共鳴器層と同じ材料(例えば樹脂材料)を流し込み、スキージ(へら)などを用いて孔63の内部に材料(例えば樹脂材料)を充填する。
このようにして、図22に示す複数の共鳴器が配置されたバッキング層を形成することができる。
なお、母材と孔63の内部に充填される材料とは、入れ替わってもよく、音響インピーダンスの小さい樹脂材料の母材の上に金属ペーストなど音響インピーダンスの大きい材料でこの構造を印刷することで、実現してもよい。
以上、実施の形態6の超音波探触子によれば、バッキング層に圧電振動子1との接合面から背面方向に、ヘルムホルツの共鳴器の原理に基づき形成された複数の共鳴器を配置することにより、バッキング層の厚みをさらに抑制しつつ、超音波を減衰させることができる。
以上、本発明によれば、バッキング層の厚みを抑えつつ、背面に出力される超音波を減衰させることができる超音波探触子およびその製造方法を実現できる。
例えば、バッキング層に反射構造体として複数の音響管または複数の共鳴器を配置することによって、バッキング層4での反射波を減衰させることができ、超音波探触子の感度を上げることができる。
さらに、複数の音響管または複数の共鳴器を利用して、熱を外部に逃がすことができるので、バッキング層の内部の熱を放熱することができるという効果もある。
以上、本発明の超音波探触子およびその製造方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
例えば、本発明の超音波探触子を用いた超音波診断装置も本発明の範囲に含まれる。
本発明は、例えば超音波診断装置に用いられる超音波探触子およびその製造方法に利用でき、特にバッキング層での反射波を低減し、受信超音波信号の感度を向上させることに加え、薄型化を図り、薄型化に伴う低コスト化を実現する超音波探触子およびその製造方法も利用できる。
1、91 圧電振動子
2、92 整合層
3、93 音響レンズ
4、4a、4b、4c、4d、4e、4f、4g、94 バッキング層
5、5b、5c 音響管
6、6a 共鳴器
10、30、35、40、70、90 超音波探触子
41a、41n、42a、42b、42c、42d、42e 母材
51a、52a、52b、52c、52d、52e、51n 溝
61 距離
62 スリット
63 孔
80 超音波診断装置

Claims (12)

  1. 超音波の送受信に用いられる振動子と、
    前記振動子の背面に接合され、前記振動子から背面方向に放射された超音波を減衰するバッキング部材とを備え、
    前記バッキング部材は、前記振動子との接合面から前記背面方向に形成された、音波の重ね合わせの原理に基づく長さの異なる複数の反射構造体を有し、
    前記複数の反射構造体には、前記長さのうちの一部が前記背面方向に対して垂直な方向に形成され、前記長さのうちの他部が前記背面方向に平行な方向に形成されている反射構造体が含まれる
    超音波探触子。
  2. 前記反射構造体は、音響管の特性を有する
    請求項1に記載の超音波探触子。
  3. 前記反射構造体は、所定の単位長さの整数倍の長さで形成されており、
    前記複数の反射構造体のうち近傍に形成されている反射構造体では、長さの長い方の反射構造体の前記長さのうちの一部が前記背面方向に対して垂直な方向に折れ曲がって、長さの短い方の反射構造体の前記背面方向に形成されている
    請求項1または2に記載の超音波探触子。
  4. 超音波の送受信に用いられる振動子と、
    前記振動子の背面に接合され、前記振動子から背面方向に放射された超音波を減衰するバッキング部材とを備え、
    前記バッキング部材は、前記振動子との接合面から前記背面方向に、ヘルムホルツの共鳴器の原理に基づき形成された複数の反射構造体を有する
    超音波探触子。
  5. 前記反射構造体は、共鳴器の特性を有し、
    前記複数の反射構造体それぞれは、所望の共振周波数を有するよう設計されたネック長と口径とを有する
    請求項4に記載の超音波探触子。
  6. 前記バッキング部材は、
    基板と前記複数の反射構造体とで構成されており、
    前記複数の反射構造体は、前記基板と異なる音響インピーダンスの材料で形成されている
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の超音波探触子。
  7. 前記複数の反射構造体は、
    前記基板に印刷によって形成されている
    請求項6に記載の超音波探触子。
  8. 超音波の送受信に用いられる振動子と、前記振動子の背面に接合され、基板と反射構造体とで構成されるバッキング部材であって前記振動子から背面方向に放射された超音波を減衰するバッキング部材とを備える超音波探触子の製造方法であって、
    基板上に前記基板と異なる音響インピーダンスの印刷材料を印刷することで、前記振動子との接合面から前記背面方向に、音波の重ね合わせの原理に基づく長さの異なる複数の反射構造体を有するバッキング部材を形成する工程を含む
    超音波探触子の製造方法。
  9. 前記工程では、
    前記複数の反射構造体は、前記長さのうちの一部が前記背面方向に対して垂直な方向となり、前記長さのうちの他部が前記背面方向に平行な方向となる反射構造体を含むよう形成される
    請求項8に記載の超音波探触子の製造方法。
  10. 前記工程は、
    複数の溝を有する母材を印刷により形成する第1形成工程と、
    前記複数の溝に前記母材と異なる音響インピーダンスの材料を印刷により充填する第2工程と、
    前記第1形成工程と第2形成工程とで印刷された複数の母材を接着して積層させることにより、前記複数の反射構造体を有するバッキング部材を形成する工程とを含む
    請求項8または9に記載の超音波探触子の製造方法。
  11. 前記第1形成工程では、
    音波の重ね合わせの原理に基づく長さの異なる複数の溝を有する母材を印刷により形成する
    請求項10に記載の超音波探触子の製造方法。
  12. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の超音波探触子を備える
    超音波診断装置。
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