JPWO2011148579A1 - 望遠鏡光学系及びこれを備える光学装置 - Google Patents

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Abstract

対物レンズ系と、接眼レンズ系とを有する望遠鏡光学系において、前記対物レンズ系は、複層型の回折光学素子(PFo)と、正の屈折力を持つレンズと負の屈折力を持つレンズとを有する接合レンズ(So1)とを含み、接眼レンズ系は、複層型の回折光学素子(PFe)と、正の屈折力を持つレンズと負の屈折力を持つレンズとを有する接合レンズ(Se1)とを含み、対物レンズ系のパワーをKoとし、対物レンズ系の回折光学素子(PFo)のパワーをKodoeとし、Po=Kodoe/Koと定義し、接眼レンズ系のパワーをKeとし、接眼レンズ系の回折光学素子(PFe)のパワーをKedoeとし、Pe=Kedoe/Keと定義し、対物レンズ系のFナンバーをFNOとし、望遠鏡光学系の実視界をθとし、望遠鏡光学系の倍率をmとしたとき、 2≦|(Po/FNO)/{Pe/(θ×m)}|≦ 15 の条件を満足する。

Description

本発明は、双眼鏡や望遠鏡などに使用される望遠鏡光学系及びこの光学系を備える光学装置に関する。
通常の望遠鏡光学系は、物体側から順に並んだ対物レンズ系と接眼レンズ系とで構成されており、対物レンズ系で遠方の物体の像をその焦点面に作り、それを接眼レンズ系で拡大してみるものである。
対物レンズ系は、正の屈折力を持つレンズと負の屈折力を持つレンズの貼り合わせからなる接合レンズを含むことが一般的であり、これらの接合レンズで正負の収差を発生させてそれを打ち消すことにより、軸上色収差を補正している。また、接眼レンズ系は、二枚以上のレンズで構成されることが一般的であり、これらのレンズ間隔を適切にして倍率色収差を補正している。もしくは、接眼レンズ系が、負の屈折力を持つレンズと正の屈折力を持つレンズの貼り合わせからなる接合レンズを含む場合は、それらのレンズで、又はそれらのレンズとその他とのレンズ間隔を適切にすることで、倍率色収差のバランスをとっている。
一方、最近、従来の光学レンズとは構成が大きく異なる回折光学素子が、種々の光学系に対して諸収差低減のためなどに用いられている。対物レンズ系においては、諸収差、特に軸上色収差の発生を抑えるために、回折光学素子を用いたものが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。また、接眼レンズ系においても、諸収差、特に倍率色収差の発生を抑えるために、回折光学素子を用いたものが提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
特開2004−126395号公報 国際公開WO2009/081831号
しかしながら、上述のような対物レンズ系及び接眼レンズ系のそれぞれに回折光学素子を使用した従来の望遠鏡光学系では、全系における軸上色収差と、倍率色収差がバランス良く十分に補正されているとは言えなかった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、軸上色収差、倍率色収差をはじめとする諸収差が良好に補正された望遠鏡光学系及びこれを備える光学装置を提供することを目的とする。
本発明を例示する第一の態様によれば、対物レンズ系と、接眼レンズ系とを有する望遠鏡光学系において、前記対物レンズ系は、回折光学素子と、正の屈折力を持つレンズと負の屈折力を持つレンズとを有する少なくとも一組の接合レンズとを含み、前記接眼レンズ系は、回折光学素子と、負の屈折力を持つレンズと正の屈折力を持つレンズとを有する少なくとも一組の接合レンズとを含み、前記回折光学素子は、第1の回折光学面を有する第1の回折光学素子と、第2の回折光学面を有する第2の回折光学素子とを有し、前記第1の回折光学素子と前記第2の回折光学素子とは前記第1の回折光学面と前記第2の回折光学面とが互いに対向するように配置され、前記対物レンズ系のパワーをKoとし、前記対物レンズ系の前記回折光学素子のパワーをKodoeとし、Po=Kodoe/Koと定義し、前記接眼レンズ系のパワーをKeとし、前記接眼レンズ系の前記回折光学素子のパワーをKedoeとし、Pe=Kedoe/Keと定義し、前記対物レンズ系のFナンバーをFNOとし、前記望遠鏡光学系の実視界をθとし、前記望遠鏡光学系の倍率をmとしたとき、次式 2 ≦ |(Po/FNO)/{Pe/(θ×m)}| ≦ 15 の条件を満足する望遠鏡光学系が提供される。
なお、本明細書において、「第1の回折光学面と第2の回折光学面とが互いに対向するように配置されている」という表現は、「第1の回折光学面と第2の回折光学面とが互いに接するように配置されている」状態(いわゆる密着複層型)と、「第1の回折光学面と第2の回折光学面とが間隔を隔てて対向するように配置されている」状態(いわゆる分離複層型)とを含んだ、広い概念に対応している。
本発明を例示する第二の態様によれば、上記態様の望遠鏡光学系を備えることを特徴とする光学装置(例えば、双眼鏡)が提供される。
本発明によれば、軸上色収差、倍率色収差をはじめとする諸収差が良好に補正された望遠鏡光学系及びこれを備える光学装置を提供することができる。
本実施形態に係る回折光学素子を表す模式図である。 第1実施例における望遠鏡光学系のレンズ構成を示す図である。 第1実施例における望遠鏡光学系の諸収差図である。 第1実施例における接眼レンズ系の軸上色収差図である。 第2実施例における望遠鏡光学系のレンズ構成を示す図である。 第2実施例における望遠鏡光学系の諸収差図である。 第2実施例における接眼レンズ系の軸上色収差図である。 第3実施例における望遠鏡光学系のレンズ構成を示す図である。 第3実施例における望遠鏡光学系の諸収差図である。 第3実施例における接眼レンズ系の軸上色収差図である。 第4実施例における望遠鏡光学系のレンズ構成を示す図である。 第4実施例における望遠鏡光学系の諸収差図である。 第4実施例における接眼レンズ系の軸上色収差図である。 第5実施例における望遠鏡光学系のレンズ構成を示す図である。 第5実施例における望遠鏡光学系の諸収差図である。 第5実施例における接眼レンズ系の軸上色収差図である。 本実施形態に係る望遠鏡光学系を備えた双眼鏡の構成を示す図である。
以下、本実施形態について説明する。本実施形態に係る望遠鏡光学系は、対物レンズ系と、接眼レンズ系とを有する。そして、対物レンズ系は、少なくとも1つの回折光学素子と、少なくとも1組の正の屈折力を持つレンズと負の屈折力を持つレンズ(但し、これらレンズの並び順は不問)とを貼り合わせた接合レンズとを有する。また、接眼レンズ系は、少なくとも1つの回折光学素子と、少なくとも1組の負の屈折力を持つレンズと正の屈折力を持つレンズ(但し、これらレンズの並び順は不問)とを貼り合わせた接合レンズとを有する。なお、対物レンズ系と接眼レンズ系とに用いられる回折光学素子は、それぞれ単体で使用しても、後述するように接合レンズ内に組み込んで使用してもよい。
対物レンズ系及び接眼レンズ系に用いる回折光学素子は、図1に示すように、異なる光学材料からなる、第1の回折光学面を有する第1の回折光学素子PF1と、第2の回折光学面を有する第2の回折光学素子PF2とを有し、第1の回折光学素子PF1と第2の回折光学素子PF2とは、第1の回折光学面と第2の回折光学面とが互いに対向するように配置された、複層型の回折光学素子PFである。本実施形態では、図1に示すように、回折光学面Cにて、第1の回折光学面C1と第2の回折光学面C2とが互いに密着接合するように配置された、いわゆる密着複層型の回折光学素子を使用している。
本実施形態の望遠鏡光学系は、対物レンズ系のパワーをKoとし、対物レンズ系の回折光学素子のパワーをKodoeとし、Po=Kodoe/Koと定義し、接眼レンズ系のパワーをKeとし、接眼レンズ系の回折光学素子のパワーをKedoeとし、Pe=Kedoe/Keと定義し、対物レンズ系のFナンバーをFNOとし、望遠鏡光学系の実視界をθとし、望遠鏡光学系の倍率をmとしたとき、以下の条件式(1)を満足する。
2 ≦ |(Po/FNO)/{Pe/(θ×m)}| ≦ 15 …(1)
上記条件式(1)は、複層型の回折光学素子を組み込んだ対物レンズ系と接眼レンズ系とを用いて諸収差を良好に補正するための条件であり、特に軸上色収差と倍率色収差とをバランス良く補正するための条件である。この条件式(1)の上限値を上回るか又は下限値を下回ると、軸上色収差と倍率色収差をはじめとする諸収差を良好に補正することが困難になる。なお、条件式(1)の下限値を「3」にすれば、軸上色収差と倍率色収差をはじめとする諸収差を一層良好に補正することが可能である。同様に、条件式(1)の上限値を「14」にすれば、軸上色収差と倍率色収差をはじめとする諸収差を一層良好に補正することが可能である。この上限値はさらに、「10」にすれば諸収差をより確実に補正することが可能である。
また、本実施形態に係る望遠鏡光学系において、対物レンズ系のパワーをKoとし、対物レンズ系の回折光学素子のパワーをKodoeとし、Po=Kodoe/Koと定義したとき、以下の条件式(2)を満足することが好ましい。
0.007 ≦ |Po| ≦ 0.018 …(2)
上記の条件式(2)は、対物レンズ系、接眼レンズ系の両方に回折光学素子を使用した望遠鏡光学系において、対物レンズ系の回折光学素子のパワーの、対物レンズ系のパワーに対する比の絶対値を規定するものである。この条件式(2)を満足することにより、軸上色収差、倍率色収差をはじめとした諸収差を良好に補正することができる。なお、条件式(2)の上限値を上回ると、d線を基準としたときのF線、g線の軸上色収差が色消し不足になる。また、条件式(2)の下限値を下回ると、d線を基準としたときのF線、g線の軸上色収差が色消し過剰になる。なお、条件式(2)の下限値を「0.01」にすれば、d線を基準としたときのF線、g線の軸上色収差が色消し過剰になることをより確実に防止でき、諸色収差をより良好に補正することができる。同様に、条件式(2)の上限値を「0.017」にすれば、d線を基準としたときのF線、g線の軸上色収差が色消し不足になることをより確実に防止でき、諸色収差をより良好に補正することができる。この上限値はさらに、「0.015」にすれば軸上色収差が色消し不足になることをさらに確実に防止でき、諸収差をより確実に補正することが可能である。
また、本実施形態に係る望遠鏡光学系において、対物レンズ系を構成する接合レンズは、全体として正の屈折力を持つことが好ましい。この構成により、軸上色収差を良好に補正することができる。
また、本実施形態に係る望遠鏡光学系において、対物レンズ系を構成する接合レンズは、物体側から順に並んで、正の屈折力を持つレンズと、負の屈折力を持つレンズとが配置されていることが好ましい。この構成により、軸上色収差を良好に補正することができる。
なお、本実施形態に係る望遠鏡光学系においては、対物レンズ系を構成する接合レンズが、上記順序とは逆に、物体側から順に並んで、負の屈折力を持つレンズと、正の屈折力を持つレンズとが配置されても、上記と同様の効果が得られる。すなわち、軸上色収差を良好に補正することができる。
また、本実施形態に係る望遠鏡光学系において、回折光学素子が、対物レンズ系の前記接合レンズを構成する負の屈折力を持つレンズのアイポイント側の面に接合されていることが好ましい。この構成により、軸上色収差を良好に補正することができる。
また、本実施形態に係る望遠鏡光学系において、回折光学素子が、対物レンズ系の前記接合レンズを構成する正の屈折力を持つレンズと、負の屈折力を持つレンズとの間に配置され(但し、これらレンズの並び順は不問)、これらが全て接合されていることが好ましい。この構成により、軸上色収差を良好に補正することができる。
また、本実施形態に係る望遠鏡光学系において、対物レンズ系は、該レンズ系を構成する前記接合レンズの物体側に平行平面板を有し、回折光学素子が、この平行平面板の物体側の面もしくはアイポイント側の面に接合されていることが好ましい。この構成により、軸上色収差を良好に補正することができる。
また、本実施形態に係る望遠鏡光学系において、対物レンズ系は、該レンズ系を構成する前記接合レンズの物体側に2枚の平行平面板を有し、回折光学素子が、この2枚の平行平面板の間に配置され、これらが全て接合されていることが好ましい。この構成により、軸上色収差を良好に補正することができる。
また、本実施形態に係る望遠鏡光学系において、接眼レンズ系を構成する前記接合レンズは、全体として正の屈折力を持つことが好ましい。この構成により、倍率色収差を良好に補正することができる。
また、本実施形態に係る望遠鏡光学系において、接眼レンズ系を構成する前記接合レンズは、物体側から順に並んで、負の屈折力を持つレンズと、正の屈折力を持つレンズとが配置されることが好ましい。この構成により、倍率色収差を良好に補正し、より広視界にすることができる。
なお、本実施形態に係る望遠鏡光学系においては、接眼レンズ系を構成する接合レンズが、上記順序とは逆に、物体側から順に並んで、正の屈折力を持つレンズと、負の屈折力を持つレンズとが配置されても、上記と同様の効果が得られる。すなわち、倍率色収差を良好に補正し、より広視界にすることができる。
また、本実施形態に係る望遠鏡光学系において、回折光学素子が、接眼レンズ系の前記接合レンズを構成する負の屈折力を持つレンズと、正の屈折力を持つレンズとの間に配置され(但し、これらレンズの並び順は不問)、これらが全て接合されていることが好ましい。この構成により、倍率色収差を良好に補正することができる。
また、本実施形態に係る望遠鏡光学系において、回折光学素子が、接眼レンズ系の前記接合レンズを構成する負の屈折力を持つレンズの物体側の面に接合されていることが好ましい。この構成により、倍率色収差を良好に補正することができる。
また、本実施形態に係る望遠鏡光学系において、接眼レンズ系は、正の屈折力を持つ単レンズを少なくとも一つ有することが好ましい。この構成により、倍率色収差を良好に補正し、より広視界にすることができる。
そして、上記正の屈折力を持つ単レンズは、接眼レンズ系を構成する前記接合レンズのアイポイント側に配置されていることが好ましい。この構成により、倍率色収差を良好に補正し、より広視界にすることができる。
さらに、本実施形態に係る望遠鏡光学系において、回折光学素子が、接眼レンズ系を構成する前記正の屈折力を持つ単レンズのアイポイント側の面に接合されていることが好ましい。この構成により、倍率色収差を良好に補正することができる。なお、本実施形態に係る望遠鏡光学系においては、回折光学素子が、上記順序とは逆に、接眼レンズ系を構成する前記正の屈折力を持つ単レンズの物体側の面に接合されても、上記と同様の効果が得られる。すなわち、この構成によっても、倍率色収差を良好に補正することができる。
また、本実施形態に係る望遠鏡光学系において、接眼レンズ系は、対物レンズ系の作る像位置よりも物体側に、負の屈折力を持つレンズを有することが好ましい。なお、前記負の屈折力を持つレンズとして、単レンズ、接合レンズ、及び、接眼レンズ系の接合レンズを構成する負の屈折力を持つレンズのうち少なくとも一つが該当する。この構成により、倍率色収差を良好に補正し、より広視界にすることができる。
ところで、本実施形態に係る望遠鏡光学系で用いる回折光学素子は、1mmあたり数本から数百本の細かい溝状又はスリット状の格子構造が同心円状に形成された回折光学面(図1参照)を備え、この回折光学面に入射した光を格子ピッチ(回折格子溝の間隔)と入射光の波長によって定まる方向へ回折する性質を有している。また、回折光学素子(回折光学面)は、負の分散値を有し、分散が大きく、また異常分散性が強いため、強力な色収差補正能力を有している。光学ガラスのアッベ数は、通常30〜80程度であるが、回折光学素子のアッベ数は負の値を持っている。言い換えると、回折光学素子の回折光学面は、分散特性が通常のガラス(屈折光学素子)とは逆で、光の波長が短くなるに伴い屈折率が小さくなり、長い波長の光ほど大きく曲がる性質を有している。そのため、通常の屈折光学素子と組み合わせることにより、大きな色消し効果が得られる。したがって、回折光学素子を利用することで、色収差を良好に補正することが可能になる。
本実施形態に係る望遠鏡光学系に用いる回折光学素子は、上述したように、異なる光学材料からなる第1の回折光学素子と、第2の回折光学面を有する第2の回折光学素子とを有し、第1の回折光学素子と第2の回折光学素子とは、第1の回折光学面と第2の回折光学面とが互いに対向するように配置された、いわゆる複層型(又は積層型)の回折光学素子に属するものであるため、g線からC線を含む広波長域において回折効率を高くすることができる。したがって、本実施形態に係る望遠鏡光学系は広波長域において利用することが可能となる。なお、回折効率は、透過型の回折光学素子において1次回折光を利用する場合、入射強度I0と一次回折光の強度I1との割合η(=I1/I0×100[%])を示す。
また、本実施形態に係る望遠鏡光学系に用いる回折光学素子にあっては、上述したように、対向配置された第1の回折光学面と第2の回折光学面とが互いに接するように構成してもよい。つまり、2つの回折素子要素のそれぞれに形成された回折格子溝を互いに密着させて密着複層型回折光学素子として構成してもよい。このような密着複層型回折光学素子は、回折格子溝が形成された2つの回折素子要素をこの回折格子溝同士が対向するように近接配置してなるいわゆる分離複層型回折光学素子に比べ、製造工程を簡素化することができるため、量産効率がよく、また光線の入射角に対する回折効率が良いという長所を備えている。したがって、このような密着複層型回折光学素子を利用した本実施形態に係る望遠鏡光学系では、製造が容易となり、また回折効率も良くなる。
さらに、本実施形態に係る望遠鏡光学系において、回折光学素子を構成する第1の回折光学素子及び第2の回折光学素子の少なくとも一方は、紫外線硬化型樹脂からなるように構成してもよい。この構成により、回折光学素子の量産性、生産性を高めることができる。したがって、この回折光学素子を利用した本実施形態に係る望遠鏡光学系の量産性、生産性を高めることができる。
詳細に述べると、2つの回折素子要素の材料として、一方に一般のガラスもしくは射出成形などが可能な熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を、他方に紫外線硬化型樹脂を用いて、回折光学素子を製造することができる。例えば、一方の材料としてガラスを用いる場合は、切削研磨によって回折格子面を成形する。その後で、この回折格子面に紫外線硬化型樹脂を滴下し、紫外線を照射して硬化させる製造方法を採用できる。また、一方の材料として熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を用いる場合は、回折格子溝が形成された金型を用いて射出成形などを行うことにより、回折格子面を成形する。その後で、この回折格子面に紫外線硬化型樹脂を滴下し、紫外線を照射して硬化させる製造方法を採用できる。このような製造方法が採用でき、2つの回折素子要素に対して回折格子面を別々に作製し、さらにこれらの位置合わせを行うという作業が不要になるため、回折光学素子の生産性、量産性を高めることができる。
また、本実施形態に係る望遠鏡光学系において、回折光学素子を構成する第1の回折光学素子及び第2の回折光学素子は、互いに異なる光学特性を有する紫外線硬化型樹脂からなるように構成してもよい。この構成により、回折光学素子の量産性、生産性を高めることができる。したがって、この回折光学素子を利用した本実施形態に係る望遠鏡光学系の量産性、生産性を高めることができる。
この場合には、まず、基板上に滴下した一方の紫外線硬化型樹脂に対して回折格子溝が形成された金型を型押し、その金型の反対方向から紫外線を照射して回折格子面を有する一方の回折素子要素を成形する。次に、金型を取り除き、この紫外線照射により硬化した回折格子面に他方の紫外線硬化型樹脂を滴下する。続いて、この滴下した他方の紫外線硬化型樹脂に紫外線を照射することにより、他方の紫外線硬化型樹脂も硬化させ、他方の回折素子要素を形成する。このような製造方法を採用することにより、回折格子溝の成形が1つの金型のみで可能になるとともに、2つの回折素子要素に対して回折格子面を別々に形成し、これらの位置合わせを行うという作業が不要であり、紫外線硬化型樹脂を滴下して硬化させるという作業を2回実施するのみで製造することができる。したがって、回折光学素子の量産性、生産性をより高めることができる。
また、本実施形態に係る望遠鏡光学系において、回折光学素子を構成する2つの回折素子要素のうち、より低屈折率高分散な方の回折素子要素の材質のd線(波長587.562nm)、F線(波長486.133nm)及びC線(波長656.273nm)に対する屈折率をnd1、nF1及びnC1とし、より高屈折率低分散な方の回折素子要素の材質のd線、F線及びC線に対する屈折率をnd2、nF2及びnC2としたとき、以下の条件式(3)〜(6)を満足することが好ましい。
nd1 ≦ 1.54 …(3)
0.0145 ≦ nF1−nC1 …(4)
1.55 ≦ nd2 …(5)
nF2−nC2 ≦ 0.013 …(6)
上記条件式(3)〜(6)は、望遠鏡光学系の回折光学素子を構成する異なる2つの回折素子要素に用いる光学材料、すなわち2つの異なる樹脂のd線に対する屈折率と、F線及びC線に対する屈折率差(nF−nC)をそれぞれ規定している。もう少し説明すると、これら条件式(3)〜(6)は、回折光学素子に用いる異なる2種類の樹脂、具体的には相対的に低屈折率高分散な光学特性を持つ樹脂と、高屈折率低分散な光学特性を持つ樹脂とにおいて、回折光学素子を製造するために硬化させた後において満足すべき樹脂の光学特性を規定するものである。
このような条件式(3)〜(6)を満足することで、より良い性能で異なる2つの回折素子要素を密着接合させて回折光学面を形成することができる。その結果、g線〜C線までの広波長域に亘って90%以上の回折効率を実現することができる。しかしながら、条件式(3)〜(6)の上限値を上回るか又は下限値を下回ると、広波長域において90%以上の回折効率を得ることが困難になり、密着複層型回折光学素子の利点を維持することが困難になる。
なお、上記条件を満足する樹脂、及びこれらの樹脂を用いた密着複層型回折光学素子の製造方法については、例えば、欧州特許公開第1830204号公報、及び欧州特許公開第1830205号公報に記載されている。
ここで、念のため、回折効率を求める式について記載する。回折次数をmとし、m次回折光の回折効率をηをとし、回折格子面(回折光学面)を形成する一方の回折素子要素の回折格子高さをd1とし、回折格子面(回折光学面)を形成する他方の回折素子要素の回折格子高さをd2とし、回折格子面(回折光学面)を形成する一方の回折素子要素の材料の屈折率をn1とし、回折格子面(回折光学面)を形成する他方の回折素子要素の材料の屈折率をn2とし、波長をλとしたとき、回折効率は、以下の式(7),(8)で表される。
ηm = {sin(a−m)π/(a−m)π}^2 …(7)
a = {(n1−1)d1−(n2−1)d2)/λ …(8)
以下、本実施形態に係る各実施例について、図面に基づいて説明する。以下に、表1〜表5を示すが、これらは第1実施例〜第5実施例における各諸元の表である。
なお、表中、[全体諸元]において、mは望遠鏡倍率(倍)、EPDは入射瞳直径(mm)、θは実視界(度)、foは望遠鏡光学系を構成する対物レンズ系のd線(波長587.562nm)での焦点距離(mm)、fは望遠鏡光学系を構成する接眼レンズ系のd線(波長587.562nm)での焦点距離(mm)、nは接眼レンズ系を構成する回折光学素子を除いたレンズ枚数(枚)を示す。
また、[レンズデータ]において、面番号は物体側から数えた光学面の順番、rは光学面の曲率半径(mm)、dは各光学面から次の光学面(又は像面)までの光軸上の距離である面間隔(mm)、νdはd線に対するアッベ数、ndはd線に対する屈折率を示す。なお、曲率半径の「∞」は平面を示す。また、空気の屈折率1.000000は省略する。
また、[回折面データ]は、各実施例にて用いる回折光学素子の性能を、後述する位相関数Φ(h)及びその係数により示している。なお、位相関数Φ(h)は、光軸からの高さをhとし、波長をλとし、位相係数をC2,C4としたとき、式(a)で表される。
Φ(h)=2π/λ(C22+C44) …(a)
また、表中には、[条件式対応値]として、上記条件式(1)〜(6)に対応する値も示す。
以下、全ての諸元値において掲載される曲率半径r、面間隔d、その他の長さ等は、特記のない場合一般に「mm」が使われるが、光学系は比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。また、単位は「mm」に限定されることなく、他の適当な単位を用いることが可能である。
各実施例に共通する事項として、対物レンズ系内に配置される回折光学素子PFoは、軸上色収差を良好に補正し、且つ、広波長域に亘り高い回折効率を得るため、密着複層型回折光学素子である。また、接眼レンズ系内に配置される回折光学素子PFeは、倍率色収差をそれぞれ良好に補正し、且つ、広波長域に亘り高い回折効率を得るため、密着複層型の回折光学素子である。これら回折光学素子PFo,PFeは、異なる2つの紫外線硬化型樹脂からなる回折光学素子要素PFo1とPFo2,PFe1とPFe2がそれぞれ密着接合して構成されており、その接合面は回折格子溝が形成された回折光学素子面Co,Ceとなっている。
なお、回折光学素子PFo,PFeを構成する異なる2つの紫外線硬化型樹脂として、以下の値の屈折率を有する樹脂を使用した。ここで、樹脂屈折率は、樹脂硬化後の屈折率を示す。また、それぞれの樹脂に対して、nCはC線(波長656.273nm)に対する屈折率、ndはd線(波長587.562nm)に対する屈折率、nFはF線(波長486.133nm)に対する屈折率、ngはg線(波長435.835nm)に対する屈折率を示す。
(樹脂屈折率)
nC nd nF ng
低屈折率樹脂 1.523300 1.527600 1.538500 1.547700
高屈折率樹脂 1.553700 1.556900 1.564800 1.571100
また、各実施例で使用する回折光学素子PFo,PFeは、回折格子高さが20.05μmであり、1次の回折効率がC線で98%、d線で100%、F線で98%、及び、g線で98%である。
また、図2、図5、図8、図11及び図14では、各実施例におけるレンズ構成をそれぞれ示しているが、これらの構成図において図示の煩雑さを回避すべく、上述の回折光学素子要素PFo1とPFo2,PFe1とPFe2の符号、及び、回折光学面Co,Ceの符号の記載及び回折格子溝の形状の記載は省略し、単に回折光学素子PFo,PFeの符号のみを記載している。また、各実施例において正立光学系によって光路が折り曲げられる構成であるが、図2、図5、図8、図11及び図14では展開して示すこととする。
ここまでの説明は全ての実施例において共通であり、以下での説明を省略する。
(第1実施例)
第1実施例に係る望遠鏡光学系について、図2〜図4及び表1を用いて説明する。図2に示すように、第1実施例に係る望遠鏡光学系は、物体側から順に光軸に沿って順に並んだ、対物レンズ系Goと、正立光学系Gpと、接眼レンズ系Geとを有する。
対物レンズ系Goは、物体側から順に光軸に沿って並んだ、平行平面板Lo1と、正の屈折力を有するレンズLo2と負の屈折力を持つレンズLo3との貼り合わせからなる接合レンズSo1と、正の屈折力を持つレンズLo4と、負の屈折力を持つレンズLo5とを有する。なお、接合レンズSo1は、全体として正の屈折力を持つ接合レンズである。正立光学系Gpは、プリズムLo6,Lo7とを有する。
接眼レンズ系Geは、物体側から順に光軸に沿って並んだ、負の屈折力を持つレンズLe1と正の屈折力を持つレンズLe2との貼り合わせからなる接合レンズSe1と、正の屈折力を持つレンズLe3とを有する。なお、接合レンズSe1は、全体として正の屈折力を持つ接合レンズである。
なお、本実施例においては、対物レンズ系Goを構成する平行平面板Lo1のアイポイント側の面に、上述の密着複層型の回折光学素子PFoが組み込まれている。接眼レンズ系Geを構成する負の屈折力を持つレンズLe1の物体側の面に、上述の密着複層型の回折光学素子PFeが組み込まれている。
表1に第1実施例における各諸元の値を掲げる。なお、表1の面番号1〜22は、図2に示す面1〜22に対応している。
(表1)
[全体諸元]
m = 8.0
EPD = 36
θ = 6.5
fo = 132.7
fe = 16.6

[レンズデータ]
面番号 r d nd νd
1 ∞ 3.0 1.516800 64.17
2 ∞ 0.1 1.527600 34.71
3 ∞ 0.1 1.556900 50.17(回折面Co)
4 ∞ 0.5
5 72.5284 6.7 1.516800 64.20
6 -73.0000 2.4 1.688930 31.16
7 -252.7703 0.5
8 59.6464 5.0 1.516800 64.20
9 172.3308 30.0
10 273.2629 2.0 1.516800 64.20
11 38.6887 9.7
12 ∞ 29.9 1.568830 56.04
13 ∞ 0.4
14 ∞ 47.9 1.516800 64.20
15 ∞ 14.5
16 99.0906 0.1 1.556900 50.17
17 99.0906 0.1 1.527600 34.71(回折面Ce)
18 99.0906 2.0 1.795040 28.56
19 19.0015 7.6 1.497820 82.52
20 -17.9878 0.2
21 16.6767 5.0 1.589130 61.09
22 -490.7856 16.0
(EP)

[回折面データ]
第3面 C2=-5.0000E-05 , C4=7.8000E-09
第17面 C2=-1.6720E-03 , C4=8.9141E-06

[条件式対応値]
Ko = 7.53E-03
Kodoe = 1.00E-04
Ke = 6.02E-02
Kedoe= 3.34E-03
Pe = 5.56E-02
FNO= 3.7

条件式(1) (Po/FNO)/{Pe/(a×m)} = 3.4
条件式(2) Po = 1.33E-02
条件式(3) nd1 = 1.527600
条件式(4) (nF1−nC1) = 0.0152
条件式(5) nd2 = 1.556900
条件式(6) (nF2−nC2) = 0.0111
このように表1に示す諸元の表から、本実施例に係る望遠鏡光学系では、上記条件式(1)〜(6)を満たすことが分かる。
図3は、第1実施例に係る望遠鏡光学系における、球面収差図、非点収差図、歪曲収差図及び倍率色収差図である。また、図4は、第1実施例に係る望遠鏡光学系を構成する、接眼レンズ系単体をアイポイント側から追跡したときの軸上色収差を示す図である。
図3に示す各収差図はいずれも、本実施例に係る望遠鏡光学系を物体側から光線追跡したものである。なお、球面収差図において、dはd線(波長586.562nm)、CはC線(波長656.273nm)、FはF線(波長486.133nm)、gはg線(波長435.835nm)における収差をそれぞれ示す。また、非点収差図において、Sはサジタル面、Mはメリジオナル面をそれぞれ示す。また、倍率色収差図においては、d線(波長586.562nm)を基準としており、CはC線(波長656.273nm)、FはF線(波長486.133nm)、gはg線(波長435.835nm)における収差をそれぞれ示す。また、球面収差図において、縦軸は入射瞳半径の最大値を1として規格化して示した値を、横軸は各光線における収差の値(ディオプター)を示す。非点収差図において、縦軸は物体から光が入射したとき入射光線が光軸となす角度(度)を、横軸は各光線における収差の値(ディオプター)を示す。歪曲収差図において、縦軸は物体から光が入射したとき入射光線が光軸となす角度(度)を、横軸は収差の割合を百分率(%値)で示す。また、倍率色収差図において、横軸は実視界を1として規格化して示した値を、縦軸は収差の値(分)を示す。以上、各収差図の説明は、全ての実施例において共通であり、以下での説明を省略する。
図3に示す収差図から明らかであるように、第1実施例に係る望遠鏡光学系では、諸収差、特に軸上色収差、倍率色収差が良好に収差補正されていることが分かる。また、図4に示す収差図から明らかであるように、d線を基準波長としたとき、C線の軸上色収差が補正過剰であり、F線の軸上色収差の方が小さいことが分かる。
(第2実施例)
第2実施例に係る望遠鏡光学系について、図5〜図7及び表2を用いて説明する。図5に示すように、第2実施例に係る望遠鏡光学系は、物体側から順に光軸に沿って順に並んだ、対物レンズ系Goと、正立光学系Gpと、接眼レンズ系Geとを有する。
対物レンズ系Goは、物体側から順に光軸に沿って並んだ、平行平面板Lo1,Lo2の貼り合わせからなる接合レンズSo2と、正の屈折力を持つレンズLo3と負の屈折力を持つレンズLo4との貼り合わせからなる接合レンズSo2と、正の屈折力を持つレンズLo5と、負の屈折力を持つレンズLo6とを有する。なお、接合レンズSo1,So2は、全体として正の屈折力を持つ接合レンズである。正立光学系Gpは、プリズムLo7,Lo8とを有する。
接眼レンズ系Geは、物体側から順に光軸に沿って並んだ、負の屈折力を持つレンズLe1と正の屈折力を持つレンズLe2との貼り合わせからなる接合レンズSe1と、正の屈折力を持つレンズLe3,Le4とを有する。なお、接合レンズSe1は、全体として正の屈折力を持つ接合レンズである。
なお、本実施例においては、対物レンズ系Goを構成する平行平面板Lo1,Lo2の間に、上述の密着複層型の回折光学素子PFoが組み込まれている。また、接眼レンズ系Geを構成する正の屈折力を持つレンズLe3のアイポイント側の面に上述の密着複層型の回折光学素子PFeが組み込まれている。
表2に第2実施例における各諸元の値を掲げる。なお、表2の面番号1〜25は、図5に示す面1〜25に対応している。
(表2)
[全体諸元]
m = 10.5
EPD = 45
θ = 6.1
fo = 170.6
fe = 16.2

[レンズデータ]
面番号 r d nd νd
1 ∞ 3.0 1.516800 64.11
2 ∞ 0.05 1.527600 34.71
3 ∞ 0.05 1.556900 50.17(回折面Co)
4 ∞ 3.0 1.516800 64.11
5 ∞ 5.0
6 136.0628 7.5 1.516800 64.11
7 -112.9560 2.5 1.717362 29.52
8 -347.5000 0.5
9 77.9870 5.5 1.516800 64.11
10 342.8874 47.2
11 183.8022 2.0 1.516800 64.11
12 53.0040 20.0
13 ∞ 33.3 1.568832 56.34
14 ∞ 0.5
15 ∞ 54.8 1.516800 64.11
16 ∞ 13.4
17 -98.6070 1.5 1.805181 25.43
18 21.0243 10.0 1.696797 55.52
19 -25.7116 0.2
20 22.7973 4.0 1.620411 60.29
21 95.5367 0.1 1.527600 34.71
22 95.5367 0.1 1.556900 50.17(回折面Ce)
23 95.5367 0.2
24 22.7973 3.7 1.620411 60.29
25 95.5367 16.3
(EP)

[回折面データ]
第3面 C2=-4.2000E-05 , C4=1.0100E-08
第22面 C2=-8.8814E-04 , C4=2.5274E-06

[条件式対応値]
Ko = 5.86E-03
Kodoe = 8.40E-05
Ke = 6.18E-02
Kedoe= 1.78E-03
Pe = 2.88E-02
FNO= 3.7

条件式(1) (Po/FNO)/{Pe/(a×m)} = 8.5
条件式(2) Po = 1.43E-02
条件式(3) nd1 = 1.527600
条件式(4) (nF1−nC1) = 0.0152
条件式(5) nd2 = 1.556900
条件式(6) (nF2−nC2) = 0.0111
このように表2に示す諸元の表から、本実施例に係る望遠鏡光学系では、上記条件式(1)〜(6)を満たすことが分かる。
図6は、第2実施例に係る望遠鏡光学系における、球面収差図、非点収差図、歪曲収差図及び倍率色収差図である。また、図7は、第2実施例に係る望遠鏡光学系を構成する、接眼レンズ系単体をアイポイント側から追跡したときの軸上色収差を示す図である。
図6に示す収差図から明らかであるように、第2実施例に係る望遠鏡光学系では、諸収差、特に軸上色収差、倍率色収差が良好に収差補正されていることが分かる。また、図7に示す収差図から明らかであるように、d線を基準波長としたとき、C線の軸上色収差が補正過剰であり、F線の軸上色収差の方が小さいことが分かる。
(第3実施例)
第3実施例に係る望遠鏡光学系について、図8〜図10及び表3を用いて説明する。図8に示すように、第3実施例に係る望遠鏡光学系は、物体側から順に光軸に沿って順に並んだ、対物レンズ系Goと、正立光学系Gpと、接眼レンズ系Geとを有する。
対物レンズ系Goは、物体側から順に光軸に沿って並んだ、正の屈折力を持つレンズLo1と負の屈折力を持つレンズLo2との貼り合わせからなる接合レンズSo1と、正の屈折力を持つレンズLo3と、負の屈折力を持つレンズLo4とを有する。なお、接合レンズSo1は、全体として正の屈折力を持つ接合レンズである。正立光学系Gpは、プリズムLo5,Lo6を有する。
接眼レンズ系Geは、物体側から順に光軸に沿って並んだ、負の屈折力を持つレンズLe1と正の屈折力を持つレンズLe2との貼り合わせからなる接合レンズSe1と、正の屈折力を持つレンズLe3と、正の屈折力を持つレンズLe4と負の屈折力を持つレンズLe5との貼り合わせからなる接合レンズSe2とを有する。なお、接合レンズSe1,Se2は、全体として正の屈折力を持つ接合レンズである。
なお、本実施例においては、対物レンズ系Goの接合レンズSo1を構成する負の屈折力を持つレンズLo2のアイポイント側の面に、上述の密着複層型の回折光学素子PFoが組み込まれている。また、接眼レンズ系Geの接合レンズSe1を構成する負の屈折力を持つレンズLe1と正の屈折力を持つレンズLe2の間に、上述の密着複層型の回折光学素子PFeが組み込まれている。
表3に第3実施例における各諸元の値を掲げる。なお、表3の面番号1〜23は、図8に示す面1〜23に対応している。
(表3)
[全体諸元]
m = 8.0
EPD = 36
θ = 7.0
fo = 132.2
fe = 16.6

[レンズデータ]
面番号 r d nd νd
1 98.4300 6.7 1.516800 64.20
2 -78.5856 2.4 1.688930 31.16
3 -273.1872 0.05 1.527600 34.71
4 -273.1872 0.05 1.556900 50.17(回折面Co)
5 -273.1872 0.5
6 57.2744 5.0 1.516800 64.20
7 400.1262 30.0
8 720.9295 2.0 1.516800 64.20
9 43.4184 9.7
10 ∞ 29.9 1.568830 56.04
11 ∞ 0.4
12 ∞ 47.9 1.516800 64.20
13 ∞ 16.0
14 -24.9790 2.0 1.805182 25.35
15 700.8713 0.2 1.527600 34.71
16 700.8713 0.2 1.556900 50.17(回折面Ce)
17 700.8713 7.0 1.664460 35.83
18 -18.7578 0.2
19 60.6934 4.0 1.620409 60.14
20 -77.4658 0.2
21 17.2844 6.0 1.692111 54.55
22 -63.8725 2.0 1.805182 25.35
23 39.4682 14.6
(EP)

[回折面データ]
第4面 C2=-5.4597E-05 , C4=2.0695E-08
第16面 C2=-1.4844E-03 , C4=3.9901E-06

[条件式対応値]
Ko = 7.56E-03
Kodoe = 1.09E-04
Ke = 6.01E-02
Kedoe= 2.97E-03
Pe = 4.94E-02
FNO= 3.7

条件式(1) (Po/FNO)/{Pe/(a×m)} = 4.4
条件式(2) Po = 1.44E-02
条件式(3) nd1 = 1.527600
条件式(4) (nF1−nC1) = 0.0152
条件式(5) nd2 = 1.556900
条件式(6) (nF2−nC2) = 0.0111
このように表3に示す諸元の表から、本実施例に係る望遠鏡光学系では、上記条件式(1)〜(6)を満たすことが分かる。
図9は、第3実施例に係る望遠鏡光学系における、球面収差図、非点収差図、歪曲収差図及び倍率色収差図である。また、図10は、第3実施例に係る望遠鏡光学系を構成する、接眼レンズ系単体をアイポイント側から追跡したときの軸上色収差を示す図である。
図9に示す収差図から明らかであるように、第3実施例に係る望遠鏡光学系では、諸収差、特に軸上色収差、倍率色収差が良好に収差補正されていることが分かる。また、図10に示す収差図から明らかであるように、d線を基準波長としたとき、C線の軸上色収差が補正過剰であることが分かる。
(第4実施例)
第4実施例に係る望遠鏡光学系について、図11〜図13及び表4を用いて説明する。図11に示すように、第4実施例に係る望遠鏡光学系は、物体側から順に光軸に沿って順に並んだ、対物レンズ系Goと、正立光学系Gpと、接眼レンズ系Geとを有する。
対物レンズ系Goは、物体側から順に光軸に沿って並んだ、正の屈折力を持つレンズLo1と負の屈折力を持つレンズLo2との貼り合わせからなる接合レンズSo1と、正の屈折力を持つレンズLo3と、負の屈折力を持つレンズLo4とを有する。なお、接合レンズSo1は、全体として正の屈折力を持つ接合レンズである。正立光学系Gpは、Lo5,Lo6を有する。
接眼レンズ系Geは、物体側から順に光軸に沿って並んだ、負の屈折力を持つレンズLe1と正の屈折力を持つレンズLe2との貼り合わせからなる接合レンズSe1と、正の屈折力を持つレンズLe3と、正の屈折力を持つレンズLe4と負の屈折力を持つレンズLe5との貼り合わせからなる接合レンズSe2と、正の屈折力を持つレンズLe6,Le7とを有する。なお、接合レンズSe1,Se2は、全体として正の屈折力を持つ接合レンズである。
なお、本実施例においては、対物レンズ系Goの接合レンズSo1を構成する負の屈折力を持つレンズLo2のアイポイント側の面に、上述の密着複層型の回折光学素子PFoが組み込まれている。また、接眼レンズ系Geを構成する正の屈折力を持つレンズLe6のアイポイント側の面に、上述の密着複層型の回折光学素子PFeが組み込まれている。
表4に第4実施例における各諸元の値を掲げる。なお、表4の面番号1〜28は、図11に示す面1〜28に対応している。
(表4)
[全体諸元]
m = 8.0
EPD = 32
θ = 7.8
fo = 118.1
fe = 14.8

[レンズデータ]
面番号 r d nd νd
1 93.7522 6.0 1.516800 64.10
2 -65.8641 2.5 1.648311 33.75
3 -220.3076 0.01 1.527600 34.71
4 -220.3076 0.01 1.556900 50.17(回折面Co)
5 -220.3076 0.5
6 48.3716 4.2 1.516800 64.10
7 117.4024 16.9
8 82.5080 2.0 1.516800 64.10
9 40.2700 16.8
10 ∞ 34.8 1.568829 56.05
11 ∞ 0.4
12 ∞ 45.7 1.516800 64.10
13 ∞ 6.1
14 -42.3960 1.2 1.516800 64.10
15 16.6258 2.6 1.713000 53.93
16 27.2560 3.1
17 ∞ 6.1 (対物レンズ系Goの像位置)
18 -39.4700 4.4 1.620409 60.14
19 -17.4140 0.2
20 246.6220 7.0 1.620409 60.14
21 -19.0000 1.5 1.805182 25.41
22 -55.6420 0.2
23 93.5363 6.0 1.620409 60.14
24 -93.5363 0.2 1.527600 34.71
25 -93.5363 0.2 1.556900 50.17(回折面Ce)
26 -93.5363 0.2
27 22.4370 5.0 1.589130 61.09
28 530.3439 18.4
(EP)

[回折面データ]
第4面 C2=-5.0000E-05 , C4=2.0000E-08
第25面 C2=-7.5960E-04 , C4=4.1262E-07

[条件式対応値]
Ko = 8.47E-03
Kodoe = 1.00E-04
Ke = 6.77E-02
Kedoe= 1.52E-03
Pe = 2.24E-02
FNO= 3.7

条件式(1) (Po/FNO)/{Pe/(a×m)} = 8.9
条件式(2) Po = 1.18E-02
条件式(3) nd1 = 1.527600
条件式(4) (nF1−nC1) = 0.0152
条件式(5) nd2 = 1.556900
条件式(6) (nF2−nC2) = 0.0111
このように表4に示す諸元の表から、本実施例に係る望遠鏡光学系では、上記条件式(1)〜(6)を満たすことが分かる。
図12は、第4実施例に係る望遠鏡光学系における、球面収差図、非点収差図、歪曲収差図及び倍率色収差図である。また、図13は、第4実施例に係る望遠鏡光学系を構成する、接眼レンズ系単体をアイポイント側から追跡したときの軸上色収差を示す図である。
図12に示す収差図から明らかであるように、第4実施例に係る望遠鏡光学系では、諸収差、特に軸上色収差、倍率色収差が良好に収差補正されていることが分かる。また、図13に示す収差図から明らかであるように、d線を基準波長としたとき、C線の軸上色収差が補正過剰であることが分かる。
(第5実施例)
第5実施例に係る望遠鏡光学系について、図14〜図16及び表5を用いて説明する。図14に示すように、第5実施例に係る望遠鏡光学系は、物体側から順に光軸に沿って順に並んだ、対物レンズ系Goと、正立光学系Gpと、接眼レンズ系Geとを有する。
対物レンズ系Goは、物体側から順に光軸に沿って並んだ、正の屈折力を持つレンズLo1と負の屈折力を持つレンズLo2との貼り合わせからなる接合レンズSo1と、正の屈折力を持つレンズLo3と、負の屈折力を持つレンズLo4とを有する。なお、接合レンズSo1は、全体として正の屈折力を持つ接合レンズである。正立光学系Gpは、Lo5,Lo6を有する。
接眼レンズ系Geは、物体側から順に光軸に沿って並んだ、負の屈折力を持つレンズLe1と正の屈折力を持つレンズLe2との貼り合わせからなる接合レンズSe1と、正の屈折力を持つレンズLe3とを有する。なお、接合レンズSe1は、全体として正の屈折力を持つ接合レンズである。
なお、本実施例においては、対物レンズ系Goの接合レンズSo1を構成する正の屈折力を持つレンズLo1と負の屈折力を持つレンズLo2との間に、上述の密着複層型の回折光学素子PFoが組み込まれている。また、接眼レンズ系Geを構成する正の屈折力を持つレンズLe3の物体側の面に、上述の密着複層型の回折光学素子PFeが組み込まれている。
表5に第5実施例における各諸元の値を掲げる。なお、表5の面番号1〜20は、図14に示す面1〜20に対応している。
(表5)
[全体諸元]
m = 10.5
EPD = 45
θ = 6.1
fo = 170.3
fe = 16.2

[レンズデータ]
面番号 r d nd νd
1 77.7927 6.7 1.516800 64.20
2 -76.0000 0.1 1.527600 33.41
3 -76.0000 0.1 1.556900 49.74(回折面Co)
4 -76.0000 2.4 1.688930 31.16
5 -270.7204 0.5
6 48.5533 5.0 1.516800 64.20

110.8840 30.0
8 75.6340 2.0 1.516800 64.20
9 28.2809 9.7
10 ∞ 29.9 1.568830 56.04
11 ∞ 0.4
12 ∞ 52.4 1.516800 64.20
13 ∞ 11.6
14 52.8044 2.0 1.805181 25.43
15 16.0000 8.0 1.696797 55.53
16 -33.2675 0.2
17 16.1059 0.1 1.527600 33.41
18 16.1059 0.1 1.556900 49.74(回折面Ce)
19 16.1059 5.0 1.589130 61.0
20 96.5806 15.6
(EP)

[回折面データ]
第3面 C2=-5.0000E-05 , C4=3.2000E-08
第18面 C2=-1.1000E-03 , C4=6.2357E-06

[条件式対応値]
Ko = 5.87E-03
Kodoe = 9.77E-05
Ke = 6.18E-02
Kedoe= 1.25E-03
Pe = 2.02E-02
FNO= 3.7

条件式(1) (Po/FNO)/{Pe/(a×m)} = 14.0
条件式(2) Po = 1.66E-02
条件式(3) nd1 = 1.527600
条件式(4) (nF1−nC1) = 0.0152
条件式(5) nd2 = 1.556900
条件式(6) (nF2−nC2) = 0.0111
このように表5に示す諸元の表から、本実施例に係る望遠鏡光学系では、上記条件式(1)〜(6)を満たすことが分かる。
図15は、第5実施例に係る望遠鏡光学系における、球面収差図、非点収差図、歪曲収差図及び倍率色収差図である。また、図16は、第5実施例に係る望遠鏡光学系を構成する、接眼レンズ系単体をアイポイント側から追跡したときの軸上色収差を示す図である。
図15に示す収差図から明らかであるように、第5実施例に係る望遠鏡光学系では、諸収差、特に軸上色収差、倍率色収差が良好に収差補正されていることが分かる。また、図16に示す収差図から明らかであるように、d線を基準波長としたとき、C線の軸上色収差が補正過剰であることが分かる。
続いて、上述の実施形態に係る望遠鏡光学系を備えた双眼鏡について、図17に基づき説明する。双眼鏡10は、図17に示すように、観察者の左右の眼に対応する左右一対の観察鏡筒10a,10b内に、望遠鏡光学系20a,20bを有する。望遠鏡光学系20a,20bは、観察対象物側から光軸に沿って順に、対物レンズ系21と、正立光学系22と、接眼レンズ系23とを備える。この構成の下、観察対象物からの光は、対物レンズ系21によって集光され、物体像が形成される。この物体像は、正立光学系22によって正立化された後、接眼レンズ系23によって拡大される。これにより観察者は、観察対象物を拡大観察することができる。なお、本実施形態においては、望遠鏡光学系20a,20bとして、上記実施例で説明した望遠鏡光学系を用いている(すなわち、双眼鏡10の対物レンズ系21、正立光学系22、及び、接眼レンズ系23は、上記実施例の対物レンズ系Go、正立光学系Gp、及び、接眼レンズ系Geに相当する)。したがって、このような望遠鏡光学系を利用した本実施形態に係る双眼鏡では、製造が容易で、軸上色収差、倍率色収差をはじめとする諸収差を良好に補正することが可能である。
上述の実施形態においては、望遠鏡光学系を備えた光学装置の一例として双眼鏡を示したが、光学装置はこれに限定されるものではなく、本発明の望遠鏡光学系は単眼鏡等にも勿論適用できる。
以上により、製造が容易で、軸上色収差、倍率色収差をはじめとした諸収差を良好に補正することが可能な望遠鏡光学系、及び、それを用いた光学装置を提供することができる。
なお、本発明を分かりやすくするために、実施形態の構成要件を付して説明したが、本発明がこれに限定されるものではないことは言うまでもない。
例えば、上述の実施例では、望遠鏡光学系内に密着複層型の回折光学素子を、2つ設けたが、これに限定されることなく、2つ以上設けても差し支えない。
また、上述の実施例では、望遠鏡光学系に密着複層型の回折光学素子を組み込んでいるが、これに限定されることなく、分離複層型の回折光学素子を組み込んでもよい。この場合においても、密着型と同様の効果が得られる。
Go 望遠鏡光学系の対物レンズ系
Gp 望遠鏡光学系の正立光学系
Ge 望遠鏡光学系の接眼レンズ系
Lo 対物レンズ系の構成レンズ(単レンズ)
Le 接眼レンズ系の構成レンズ(単レンズ)
So 対物レンズ系の構成レンズ(接合レンズ)
Se 接眼レンズ系の構成レンズ(接合レンズ)
PF 回折光学素子
PFo 対物レンズ系内に配置された回折光学素子
PFe 接眼レンズ系内に配置された回折光学素子
Co 対物レンズ系内に配置された回折光学素子の回折光学面
Ce 対物レンズ系内に配置された回折光学素子の回折光学面
10 双眼鏡(光学装置)
10a,10b 観察鏡筒
20a,20b 望遠鏡光学系
21 双眼鏡の対物レンズ系
22 双眼鏡の正立光学系
23 双眼鏡の接眼レンズ系

Claims (21)

  1. 対物レンズ系と、接眼レンズ系とを有する望遠鏡光学系において、
    前記対物レンズ系は、回折光学素子と、正の屈折力を持つレンズと負の屈折力を持つレンズとを有する少なくとも一組の接合レンズとを含み、
    前記接眼レンズ系は、回折光学素子と、負の屈折力を持つレンズと正の屈折力を持つレンズとを有する少なくとも一組の接合レンズとを含み、
    前記回折光学素子は、第1の回折光学面を有する第1の回折光学素子と、第2の回折光学面を有する第2の回折光学素子とを有し、前記第1の回折光学素子と前記第2の回折光学素子とは前記第1の回折光学面と前記第2の回折光学面とが互いに対向するように配置され、
    前記対物レンズ系のパワーをKoとし、前記対物レンズ系の前記回折光学素子のパワーをKodoeとし、Po=Kodoe/Koと定義し、
    前記接眼レンズ系のパワーをKeとし、前記接眼レンズ系の前記回折光学素子のパワーをKedoeとし、Pe=Kedoe/Keと定義し、
    前記対物レンズ系のFナンバーをFNOとし、前記望遠鏡光学系の実視界をθとし、前記望遠鏡光学系の倍率をmとしたとき、次式
    2 ≦ |(Po/FNO)/{Pe/(θ×m)}| ≦ 15
    の条件を満足することを特徴とする望遠鏡光学系。
  2. 前記対物レンズ系において、次式
    0.007 ≦ |Po| ≦ 0.018
    の条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の望遠鏡光学系。
  3. 前記対物レンズ系を構成する前記接合レンズは、全体として正の屈折力を持つことを特徴とする請求項1又は2に記載の望遠鏡光学系。
  4. 前記対物レンズ系を構成する前記接合レンズは、物体側から順に並んで、前記正の屈折力を持つレンズと、前記負の屈折力を持つレンズとが配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の望遠鏡光学系。
  5. 前記回折光学素子が、前記対物レンズ系の前記接合レンズを構成する前記負の屈折力を持つレンズのアイポイント側の面に接合されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の望遠鏡光学系。
  6. 前記回折光学素子が、前記対物レンズ系の前記接合レンズを構成する前記正の屈折力を持つレンズと、前記負の屈折力を持つレンズとの間に配置され、これらが全て接合されていること請求項1〜5のいずれか一項に記載の望遠鏡光学系。
  7. 前記対物レンズ系は、該レンズ系を構成する前記接合レンズの物体側に平行平面板を有し、
    前記回折光学素子が、前記平行平面板に接合されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の望遠鏡光学系。
  8. 前記対物レンズ系は、該レンズ系を構成する前記接合レンズの物体側に、2枚の平行平面板を有し、
    前記回折光学素子が、前記2枚の平行平面板の間に配置され、これらが全て接合されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の望遠鏡光学系。
  9. 前記接眼レンズ系を構成する前記接合レンズは、全体として正の屈折力を持つことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の望遠鏡光学系。
  10. 前記接眼レンズ系を構成する前記接合レンズは、物体側から順に並んで、前記負の屈折力を持つレンズと、前記正の屈折力を持つレンズとが配置されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の望遠鏡光学系。
  11. 前記回折光学素子が、前記接眼レンズ系の前記接合レンズを構成する前記負の屈折力を持つレンズと、前記正の屈折力を持つレンズとの間に配置され、これらが全て接合されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の望遠鏡光学系。
  12. 前記回折光学素子が、前記接眼レンズ系の前記接合レンズを構成する前記負の屈折力を持つレンズの物体側の面に接合されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の望遠鏡光学系。
  13. 前記接眼レンズ系は、正の屈折力を持つ単レンズを少なくとも一つ有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の望遠鏡光学系。
  14. 前記正の屈折力を持つ単レンズは、前記接眼レンズ系を構成する前記接合レンズよりアイポイント側に配置されていることを特徴とする請求項13に記載の望遠鏡光学系。
  15. 前記回折光学素子が、前記接眼レンズ系を構成する前記正の屈折力を持つ単レンズのアイポイント側の面に接合されていることを特徴とする請求項13又は14に記載の望遠鏡光学系。
  16. 前記接眼レンズ系は、前記対物レンズ系の作る像位置よりも物体側に、負の屈折力を持つレンズを有することを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の望遠鏡光学系。
  17. 前記回折光学素子を構成する前記第1の回折光学面及び前記第2の回折光学面は、互いに接するように配置されることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の望遠鏡光学系。
  18. 前記回折光学素子を構成する前記第1の回折光学素子及び前記第2の回折光学素子は、少なくとも一方が紫外線硬化型樹脂からなることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の望遠鏡光学系。
  19. 前記回折光学素子を構成する前記第1の回折光学素子及び前記第2の回折光学素子は、互いに異なる光学特性を有する紫外線硬化型樹脂からなることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載の望遠鏡光学系。
  20. 前記回折光学素子を構成する前記2つの回折素子要素のうち、
    より低屈折率高分散な方の前記回折素子要素の材質のd線、F線及びC線に対する屈折率をnd1、nF1及びnC1とし、
    より高屈折率低分散な方の前記回折素子要素の材質のd線、F線及びC線に対する屈折率をnd2、nF2及びnC2としたとき、次式
    nd1 ≦ 1.54
    (nF1−nC1)≧0.0145
    nd2 ≧ 1.55
    (nF2−nC2)≦0.0130
    の条件を満足することを特徴とする請求項1〜19のいずれか一項に記載の望遠鏡光学系。
  21. 請求項1〜請求項20のいずれか一項に記載の望遠鏡光学系を備えることを特徴とする光学装置。
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