JPWO2011145683A1 - ポリエチレンテレフタレート様バイオマスプラスチック及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、新規なバイオマスプラスチックを提供する。本発明のバイオマスプラチックは、下記の工程を含む製造方法により得られる、高分子物質からなり、ポリエチレンテレフタレート様である。(1) デンプン、及び珪酸又は微生物培養上許容されるその塩を含む環境(medium)で、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、及びバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)からなる混合微生物を、30〜50℃、12時間〜4日間培養した後;(2) さらにコリネバクテリウム・グルタミカム(corynebacterium glutamicum)を添加して、30〜50℃、12時間〜4日間培養し;そして(3) 得られた培養物から、粘着性の高分子物質を採取する。

Description

本発明は、新規なバイオマスプラスチック及びその製造方法、並びにその成形品に関する。
ポリエチレンテレフタレート(PET)は、飲料・食品容器、衣料用繊維等に広く使用されている。PETは、石油からつくられるテレフタル酸とエチレングリコールとを、高温・高真空下で化学反応させてつくられる。
本発明者は、バイオマスプラスチックとして、ポリプロピレン(PP)仕様のバイオマスプラスチックを提案した(特許文献1)。この素材は、コウリャンデンプンを原料とし、バチルス属の3種の微生物を混合して用いることにより生産される高分子粘着性の物質をバインダーとして用いた、生分解性の素材である。微生物により生産され、生分解性である上、枯渇が懸念される化石燃料によらずに再生可能なバイオマス資源を利用しているという点にも特徴がある。
特開2008-137930号公報
再生可能なバイオマス資源を原料とし、更なる有用素材の提案が期待されている。特に、従来のPETと同様に透明性があり、熱にも比較的強く再資源化可能な素材が望ましい。
本発明者は、各種生分解性プラスチック及びバイオマスプラスチックについて研究してきた。その結果、デンプンを培養原料とし、該培養原料にバチルス属の3種の微生物を混合添加・培養し、更に、放線菌の一種であるコリネバクテリウム属のグルタミン酸生産菌(corynebacterium glutamicum)を添加して培養することにより、従来のPETと同様の特性を有するバイオマスプラスチックが得られることを見出し、本発明を完成した。本発明は、以下を提供する:
[1] (1) デンプン、及び珪酸又は微生物培養上許容されるその塩を含む環境(medium)で、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、及びバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)からなる混合微生物を、30〜50℃、12時間〜4日間培養した後;
(2) さらにコリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)を添加して、30〜50℃、12時間〜4日間培養し;そして
(3) 得られた培養物から、高分子物質を採取する
工程を含む製造方法により得られる、該高分子物質からなるポリエチレンテレフタレート様のバイオマスプラスチック。
[2] 下記のIRスペクトルを有する、[1]に記載のバイオマスプラスチック。
[3] デンプンが、イネ科植物からなる群より選択される一又は二以上の植物(好ましくは、コウリャン)に由来する、[1]又は[2]に記載のバイオマスプラスチック。
[4] [1]〜[3]のいずれか一に記載のバイオマスプラスチックを成形して得られる、製品。
[5] 飲料若しくは食品容器、フィルム、粒状体、粉体、磁気テープ基材、又は衣料用の繊維若しくは衣料である、[4]記載の製品。
[6] (1) デンプン、及び珪酸又は微生物培養上許容されるその塩を含む環境(medium)で、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、及びバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)からなる混合微生物を、30〜50℃、12時間〜4日間培養した後;
(2) さらにコリネバクテリウム・グルタミカム(corynebacterium glutamicum)を添加して、30〜50℃、12時間〜4日間培養し;そして
(3) 得られた培養物から、高分子物質を採取する
工程を含む、該高分子物質からなるポリエチレンテレフタレート様のバイオマスプラスチックの製造方法。
[7] デンプンが、イネ科植物からなる群より選択される一又は二以上の植物(好ましくは、コウリャン)に由来する、[6]に記載の製造方法。
本発明のバイオマスプラスチックは、植物由来の原料を用いることができるから、大気中の炭酸ガスを増加させない、すなわちカーボンニュートラルであり、枯渇性の化石資源の使用縮減(地球温暖化防止)に資する。
図1は、この発明によって製造されたバイオマスプラスチックのIRスペクトルである。 図2は、従来のPETのIRスペクトルである。
本発明は、特定の培養原料から、バチルス属の微生物及び放線菌を用いて、新規なバイオマスプラスチックを製造することに関する。
(培養原料)
本発明は、培養原料としてはデンプンを用いる。本発明においては、種々の植物由来のデンプンを用いることができる。本発明に適用し得るデンプンが得られる植物の例を以下に示す:
イネ科植物:コウリャン(学名Sorghum bicolor;タカキビ、モロコシ、ソルガムということもある。)、キビ、アワ、ヒエ、シコクビエ、トウジンビエ、テフ、コドラ(コードンビエ)、マコモ、米(イネ)(例えば、サティバ種(ジャポニカ種、ジャバニカ種、インディカ種)、グラベリマ種、ネリカ)、トウモロコシ(トウキビ)、麦類(大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、えん麦(オーツ麦)、ハトムギ);
マメ科植物:ダイズ、アズキ、リョクトウ、ササゲ、インゲンマメ、ライマメ、ラッカセイ、エンドウ、ソラマメ、レンズマメ、ヒヨコマメ、ヘントウ、ベニバナインゲン、ケツルアズキ、モスビーン、テリバービーン、タケアズキ、フジマメ、ホースグラム、バンバラマメ、ゼオカルバマメ、キマメ、ナタマメ、タチナタマメ、グラスビー、グラスタマメ、シカクマメ、ハッショウマメ、イナゴマメ、ルビナス、タマリンド;
擬穀類:ソバ、ダッタンソバ、アマランサス、キノア。
本発明には、好ましくはイネ科植物の、より好ましくはSorghum属に属する植物の、さらに好ましくはコウリャンの、デンプンを用いる。コウリャンは、米、コムギなどが育たない比較的過酷な条件でも成長することができる点で優れており、また本発明者の検討によると、コウリャンデンプンを原料として得られた本発明のバイオマスプラスチックは、物性の点でも優れていた。
本発明においてデンプンを培養原料として用いる場合、デンプンそのものを用いてもよく、また上述の植物の果実又は種子を、必要に応じてぬか層(果皮及び/又は糊粉層)等のデンプン含量が比較的少ない部位を除いたのちに粉砕した状態のもの、すなわちデンプンを多く含む穀類粉の状態で用いてもよい。
本発明へは、デンプンの分子構造を変化させ、ネット状分子構造を持つように加工(改質)した加工デンプンを用いることもできる。加工デンプンとしては、酸化デンプン、エステル化デンプン、エーテル化デンプン、及び、架橋デンプン等を挙げることができる。
本発明においては、培養原料として、さらに珪酸及び/又は微生物培養上許容されるその塩を用いる。微生物培養上許容される珪酸塩の例は、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミノケイ酸ナトリウム、及びケイ酸カルシウムアルミニウムである。
本発明においては、珪酸又は微生物培養上許容されるその塩の一又は二以上を用いることができる。本発明においては、珪酸又は微生物培養上許容されるその塩として、天然物、例えば珊瑚の化石(珊瑚貝化石ということもある。)の粉、貝殻粉等を用いることができる。珊瑚の化石は、ケイ酸カルシウムを主成分とし、マグネシウム、カリウム、鉄、亜鉛、リン、硫黄等の元素が吸収しやすい形で含まれている。
微生物の胞子形成には、珪酸が必要であり、マグネシウム等の元素は、微生物の増殖速度を促進する。したがって、珪酸及び/又は微生物培養上許容されるその塩(例えばマグネシウム塩)を培養系へ添加することにより、適切な培養を促進することができる。
本発明においては、培養系に、上記以外の他の栄養源、例えばナツメの果肉の摩砕物を添加してもよい。
(微生物)
本発明においては、先ず初期工程として、バチルス属に属する微生物、バチルス・ズブチリス、バチルス・プミルス及びバチルス・チューリンゲンシスから選択された少なくとも2種以上を混合したものを用いる。好ましくは、バチルス・ズブチリス、バチルス・プミルス及びバチルス・チューリンゲンシスからなる3種を混合したものを用いる。
バチルス属に属する微生物は、土壌中や、空気中に飛散している常在細菌であり、胞子(芽胞)を形成する性質を利用して、当業者であれば、自然環境から枯草菌を分離することが可能である。
微生物の混合割合は、当業者であれば、適宜調製できる。混合割合を調整することにより、製造されるバイオマスプラスチックの特性を調整することができる。三種の微生物を用いる場合の好適な混合比率の例は、バチルス・ズブチリス:バチルス・プミルス:バチルス・チューリンゲンシスが3:3〜7:0.5〜4であり、好ましくは3:4〜6:1〜3であり、より好ましくは3:4.5〜5.5:1.5〜2.5である。なお、本発明で微生物の比をいう場合は、特に記載した場合を除き、重量比を指す。重量比は、菌数比と略同じであると考えられる。
本発明においては、バチルス・ズブチリス、バチルス・プミルス及びバチルス・チューリンゲンシスそれぞれとして、既存の株を適宜利用することができるが、タンパク質生産の高い株を、特に好適に用いることができる。
ここでの培養のための温度及び時間は、当業者であれば、バチルス属の微生物を培養するための通常の培養条件を参考にし、適宜決定することができる。典型的には、30〜50℃、12時間〜4日間である。
培地への微生物の添加量は、当業者であれば、バチルス属の微生物を培養するための通常の培養条件を参考にし、適宜決定することができる。典型的には、培養ストックからの微生物を試験管等で予備的に培養して充分に増殖させることにより得られた培養物を、培地に対して約5〜20重量%用いる。
ここでの培養条件は、タンパク質生産上有効な条件であることが好ましい。
本発明においては、次の工程として、コリネバクテリウム属のグルタミン酸生産菌、すなわちコリネバクテリウム・グルタミカムを用いる。この菌は、当業者であれば土壌から得ることができ、また市場で市販されている。本発明においては、コリネバクテリウム・グルタミカムとして、既存の株を適宜利用することができる。
ここでの培養のための温度及び時間は、当業者であれば、コリネバクテリウム属の微生物を培養するための通常の培養条件を参考にし、適宜決定することができる。典型的には、30〜50℃、12時間〜4日間である。
培地への微生物の添加量は、当業者であれば、コリネバクテリウム・グルタミカムを培養するための通常の培養条件を参考にし、適宜決定することができる。典型的には、培養ストックからの微生物を試験管等で予備的に培養して充分に増殖させることにより得られた培養物を、培地に対して約5〜20重量%用いる。
培養が進むにつれ、菌体内に目的の高分子物質が蓄積される。バチルス属微生物によって生産された蛋白質が利用され、コリネバクテリウム・グルタミカムによりベンゼン環を有する高分子物質が生産されると考えられる。
このとき、芳香族アミノ酸(チロシン、フェニルアラニン及びトリプトファン)の生合成反応経路である、シキミ酸経路が利用されていると考えられる。
目的の高分子物質は、その比重(密度)を利用して(比重が大きいので、培養物中でゲル状物として沈殿しうる)、細胞残滓から分離することができる。得られた高分子物質は、必要に応じ洗浄し、乾燥させることにより、粉末状のバイオマスプラスチック原料とすることができる。本発明のバイオマスプラスチックの密度は、1.25 g/cm3以上、より特定すると1.28 g/cm3 以上、さらに特定すると1.31 g/cm3以上である。
(バイオマスプラスチック)
本発明のバイオマスプラスチックの一例の赤外吸収スペクトルを、図1に示す。該吸収スペクトルは、従来の石油系PETの吸収スペクトル(図2.独立行政法人「産業技術総合研究機構」提供)と近似している。本発明のバイオマスプラスチックの構造式は、赤外吸収スペクトルから判断して、下記の構造を含むと推定される。
本発明でPET仕様のバイオマスプラスチックというときは、特に記載した場合を除き、石油系PETとは区別されうる、バイオマスを原料とし、高分子構造の骨格にベンゼン環を有しており、そのためPETに類似するIRスペクトルを有するプラスチックを指す。
本発明のPET仕様バイオマスプラスチックは、石油系PETと区別可能である。
本発明のPET仕様のバイオマスプラスチックはまた、アンチモンを含まないか、含んだとしても石油系PETよりも少ない点でも、石油系PETと区別可能であろう。石油系PETからは、重合の際に用いるアンチモン系の触媒に起因して、微量のアンチモンが検出されることがある。本発明のバイオマスプラスチックも、培養の際に珊瑚の化石、貝殻粉等を用いた場合は、それらに由来するアンチモンが極微量に含まれることがあるが、石油系PETよりも少ないと考えられる。
(バイオマスプラスチックフィルム及び容器等の製造)
本発明のバイオマスプラスチックは、公知の石油系PETの成形手段により、石油系PETと同様に、容器等に成形できる。成形方法としては、容器類の成形においては、例えば、延伸・ブロー成型による手段を用いることができる。
(バイオマスプラスチック容器の特徴)
この発明において製造されるバイオマスプラスチック容器は、石油系PET同様の特性のほか、特に、ブロー成型された容器は、光沢があり品質にも優れている。
なお、上記バイオマスプラスチックは、通常、チップ、フィルム、板体、円筒体等、従来のPETと同様の形態で、バイオマスプラスチック素材として、市場に提供される。
また、上記請求項1記載のバイオマスプラスチックの製造方法を用いて製造された、バイオマスプラスチック、又は、このリサイクル素材を用いて製造された成形品は、ボトル等の容器、フィルム、粒状体、粉体、磁気テープの基材、衣料用の繊維衣類等の有形物のうちのいずれか、を提供する。
本発明のバイオマスプラスチックは、従来の化石資源から合成されるPETに代替し得るものであり、またPETと同様、熱に比較的強いので、再資源化(recycle)することができると考えられる。
本発明のバイオマスプラスチックは、微生物により製造されるので、既存の微生物ポリエステルと同様、自然環境中での生分解速度が速いと考えられる。
以下、実施例によりこの発明をより具体的に説明するが、この発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
(バイオマスプラスチックの製造)
コウリャンデンプン1kg、ナツメの果肉の摩砕物、及び珪酸マグネシウム(珊瑚の化石粉又は貝殻粉)約100g用い、水10〜15wt%を含む環境(medium)で、バチルス・ズブチリス、バチルス・プミルス及びバチルス・チューリンゲンシスを略3:5:2の比率で、合計約10重量%となるように添加し(これらの混合微生物から形成される菌又は菌そう(flora)を「PET仕様イヴリ菌」ということがある。)、約45℃でしばらく培養を行なった。
この培養物に、更にcorynebacterium glutamicumを添加して、約45℃で培養した。
培養開始後、約36時間を経過した時点で、目的の高分子物質を回収した。詳細には、回収は、培養物を微振動すると、比重(密度)の小さい細胞残滓は浮遊し、一方比重の大きい目的の高分子物質は沈殿するので、この微振動操作を数回繰り返すことにより、ゲル状の沈殿物として、目的の高分子物質を回収した。ゲル状の高分子物質は、乾燥させ、粉末状とすることができた。
(バイオマスプラスチックの同定)
得られたバイオマスプラスチック原料粉末を、シート又はペレット状に加工し、赤外線吸収スペクトル分析(IR分析)を行った(顕微透過法、日本食品分析センターによる。)。その結果を図1に示した。本発明のバイオマスプラスチックについてのIRスペクトルは、図2に示した石油系PET(三菱樹脂株式会社製)のIRスペクトル(独立行政法人 産業技術総合研究機構提供、)と近似していることがわかった。
すなわち、両スペクトルとも、
1.1700 cm-1近辺で吸収が見られる。これは、C=O原子団に基づくものであり、特に、1700 cm-1近傍の非常に強い吸収は、ベンゼン環組成体の存在を示している。
2. 3000 cm-1近辺に細かな吸収が見られる。これは、CH原子団に基づくものである。
3. 1250 cm-1、730 cm-1近辺で、共に非常に強い吸収を示している。
4. 1250 cm-1近辺以下で近似した吸収がある。
したがって、上記類似性により、実施例1で得られたバイオマスプラスチックと石油系PETの構造は、近似していると想定される。
上記実施例1で得られたバイオマスプラスチック(以下「イブリPET」という。)について、以下の物性試験を行なった。
(試験1)
イヴリ(加工しないもの)、300℃で加工して透明にしたもの2種(イヴリ耐熱I,II)の、計3種について、IZOD衝撃試験;ノッチ付き(JIS K7770)、曲げ強度/曲げ弾性率(JIS K7770)、引張破壊応力/破断時伸び(JIS K7161)、密度(JIS K7112)、VICAT軟化点に関し、行った。その結果は、下記の通り。
いずれの試験項目をみても、石油系PETと同等あるいは、それ以上の有用性があることがわかった。
(試験2):
次に、上記「イヴリ耐熱I」を用いて、下記の項目について、計測した。
いずれの試験項目をみても、石油系PETと同等であることがわかった。
実施例1で得られたPET仕様バイオマスプラスチック原料を用いて、cold parison法(第一ステップでは、射出成形によりpreformed parisonを作り、第二ステップでpreformを延伸・ブロー成型する)により、飲料用のボトルを成形した。その結果、石油系PETのボトルと比べて、さらに表面の光沢が優れたボトルが得られた。
また、上記ボトルのほか、本発明のバイオマスプラスチック又はこれらのリサイクル素材を用いて、ボトル等の容器、フィルム、粒状体、粉体、磁気テープの基材、衣料用の繊維衣類等の、従来の石油系PETで製造できた品物のほとんどを代替できると考えられる。
小麦デンプン、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、キャッサバデンプン又はふすまを用いた点以外は、実施例1と同様にして、バイオマスプラスチックの製造を試みた。その結果、いずれのデンプンからも、同様のPET仕様のバイオマスプラスチックが得られた。
本発明により得られるバイオマスプラスチックは、従来の石油系PETに代わる、植物由来のPET仕様のバイオマスプラスチックとして、有用である。

Claims (7)

  1. (1) デンプン、及び珪酸又は微生物培養上許容されるその塩を含む環境(medium)で、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、及びバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)からなる混合微生物を、30〜50℃、12時間〜4日間培養した後;
    (2) さらにコリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)を添加して、30〜50℃、12時間〜4日間培養し;そして
    (3) 得られた培養物から、高分子物質を採取する
    工程を含む製造方法により得られる、該高分子物質からなるポリエチレンテレフタレート様のバイオマスプラスチック。
  2. 下記のIRスペクトルを有する、請求項1に記載のバイオマスプラスチック。
  3. デンプンが、イネ科植物からなる群より選択される一又は二以上の植物(好ましくは、コウリャン)に由来する、請求項1又は2に記載のバイオマスプラスチック。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のバイオマスプラスチックを成形して得られる、製品。
  5. 飲料若しくは食品容器、フィルム、粒状体、粉体、磁気テープ基材、又は衣料用の繊維若しくは衣料である、請求項4記載の製品。
  6. (1) デンプン、及び珪酸又は微生物培養上許容されるその塩を含む環境(medium)で、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、及びバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)からなる混合微生物を、30〜50℃、12時間〜4日間培養した後;
    (2) さらにコリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)を添加して、30〜50℃、12時間〜4日間培養し;そして
    (3) 得られた培養物から、粘着性の高分子物質を採取する
    工程を含む、該高分子物質からなるポリエチレンテレフタレート様のバイオマスプラスチックの製造方法。
  7. デンプンが、イネ科植物からなる群より選択される一又は二以上の植物(好ましくは、コウリャン)に由来する、請求項6に記載の製造方法。
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