JPWO2011129439A1 - 内燃機関用スパークプラグ及びスパークプラグの製造方法 - Google Patents

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Abstract

スパークプラグ(1)は、中心電極(5)、接地電極(27)、及び、貴金属チップ(32)を備える。貴金属チップ(32)は、両電極(5),(27)の少なくとも一方の対象部分に溶融部(35)を介して接合される。投影面(PF)において、貴金属チップ(32)の投影領域(AR1)に対して、貴金属チップ(32)と溶融部(35)とが重なる領域(AR2)の占める割合が70%以上とされる。対象部分を構成する金属材料は、Al及びSiのうち少なくともSiを含み、Siの含有量が0.4質量%以上、かつ、Al及びSiの合計含有量が0.5質量%以上所定量以下とされる。溶融部(35)の表面には、多重溶融領域(35X)が存在し、基準線(BL)のうち多重溶融領域(35X)を通過する部位の長さが、基準線(BL)の長さの所定値以下とされる。これにより、接合対象がSi等を含む際に、貴金属チップ(32)の接合強度を飛躍的に向上できる。

Description

本発明は、内燃機関に使用されるスパークプラグ及びその製造方法に関する。
内燃機関に使用されるスパークプラグは、例えば、軸線方向に延びる中心電極と、中心電極の外周に設けられる絶縁体と、絶縁体の外周に組付けられる円筒状の主体金具と、基端部が前記主体金具の先端部に接合される接地電極とを備える。接地電極は、その先端部が前記中心電極の先端部と対向するように、自身の略中間部分が屈曲されており、これにより中心電極の先端部及び接地電極の先端部の間に火花放電間隙が形成される。
また近年では、耐消耗性の向上を図るべく、中心電極や接地電極のうち、前記火花放電間隙を形成する部位に貴金属チップを接合する技術が知られている。貴金属チップを接合する手法としては、貴金属チップと電極との接触面外縁にレーザービームを間欠的に照射することで、複数の溶融領域が連なってなる環状の溶融部を形成し、当該溶融部を介して貴金属チップを電極に接合する手法が提案されている(例えば、特許文献1等参照)。尚、貴金属チップの接合にあたっては、貴金属チップをより確実に接合すべく、外表面において溶融領域同士が重なり合うようにしてレーザービームが照射される。このとき、貴金属チップの接合強度を確保するために、溶融部の表面に3つ以上の溶融領域が重なり合うことで形成された多重溶融領域が形成され得る。
また、前記中心電極や接地電極には、不可避的に、又は、表面に酸化被膜を形成して、耐酸化性の向上を図るために、アルミニウム(Al)やケイ素(Si)が含有されることがある。
特開2005−158323号公報
しかしながら、本願発明者が鋭意検討したところ、中心電極や接地電極にAlやSiが含有されていると、前記溶融部の内部(外部に進展する場合もある)に割れ(クラック)が生じてしまい、貴金属チップの接合強度が低下してしまうおそれがあることが明らかとなった。そこで、このクラックの発生する要因について、本願発明者が更なる検討を行ったところ、溶融部の表面に、前記多重溶融領域が存在する場合に、特にクラックが発生しやすいことが見出された。これは、接合時において、溶融状態にある溶融領域に対して複数回に亘って重ねてレーザービームを照射することで、レーザービームの被照射部位が過度に熱せられるとともに、固化する際に急速に冷却されることとなり、その結果、溶融領域が急速に収縮し、AlやSiが凝縮してしまうためであると考えられる。
この検討結果を鑑みて、クラックの発生を抑制すべく、多重溶融領域が形成されないように溶融部を構成することが考えられる。ところが、多重溶融領域が全く形成されないように溶融部を構成すると、貴金属チップの接合強度を十分に確保することができないおそれがある。すなわち、クラックの発生抑制を図るという面からは、多重溶融領域が存在しないように溶融部を構成したいが、接合強度を確保するという面から、多重溶融領域は必要なのである。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、中心電極や接地電極にAlやSiが含有されるとともに、溶融部の表面に多重溶融領域が形成された内燃機関用スパークプラグにおいて、貴金属チップの接合強度を飛躍的に向上させることができる内燃機関用スパークプラグ及びその製造方法を提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各構成につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果を付記する。
構成1.本構成の内燃機関用スパークプラグは、軸線方向に延びる棒状の中心電極と、
前記中心電極の外周に設けられた筒状の絶縁体と、
前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
前記主体金具の先端部に配置された接地電極と、
貴金属合金により形成されるとともに、前記中心電極及び前記接地電極の少なくとも一方の対象部分に設けられた貴金属チップとを備え、
前記対象部分を構成する金属材料の成分、及び、前記貴金属チップを構成する貴金属合金の成分を含有する溶融部を介して、前記対象部分に前記貴金属チップが接合されるとともに、
前記貴金属チップの中心軸に沿って、前記中心軸と直交する投影面に前記貴金属チップ及び前記溶融部を投影した投影面において、
前記貴金属チップが投影されてなる領域に対して、前記貴金属チップと前記溶融部とが重なる領域の占める割合が70%以上である内燃機関用スパークプラグであって、
前記対象部分を構成する金属材料は、ニッケル(Ni)を主成分とするとともに、Al及びSiのうち少なくともSiを含み、Siの含有量が0.4質量%以上、かつ、Al及びSiの合計含有量が0.5質量%以上1.6質量%以下であり、
前記溶融部は、レーザービーム又は電子ビームを間欠的に照射することにより形成された複数の溶融領域が連なることで形成されており、
前記溶融部の表面には、3つ以上の溶融領域が重なり合うことで形成された多重溶融領域が存在する一方で、
各溶融領域の外表面上におけるそれぞれの中心を通過する線である基準線をとったとき、前記基準線のうち前記多重溶融領域を通過する部位の長さが、前記基準線の長さの35%以下とされていることを特徴とする。
尚、「主成分」とあるのは、材料中に最も多く含有されている成分であることを意味する。また、一般に溶融領域は、外表面において円形状の外周線(輪郭)を有するが、溶融領域が重なり合うことで外周線が明確にならない場合がある。この場合には、溶融領域の外周線のうち比較的明確なものを通るように描かれた仮想円を基準とすることで、外表面上における溶融領域の中心や多重溶融領域の位置・大きさを特定することができる(以下、同様)。
上記構成1によれば、対象部分(中心電極や接地電極)において、Siの含有量が0.4質量%以上とされるとともに、Al及びSiの合計含有量が0.5質量%以上とされているため、対象部分の耐酸化性を向上させることができる。
さらに、溶融部の表面に多重溶融領域が形成されているため、貴金属チップにおける接合強度の低下を防止することができる。
また、前記投影面においては、貴金属チップが投影されてなる領域に対して、貴金属チップと溶融部とが重なる領域の占める割合が70%以上とされている。すなわち、貴金属チップと対象部分との間の比較的広い範囲に亘って溶融部が形成されており、当該溶融部によって、貴金属チップと対象部分との間の熱膨張の差をより確実に吸収することができる。その結果、冷熱サイクルの繰り返しに伴う、溶融部と貴金属チップや対象部分との境界部分におけるクラックの発生をより確実に防止することができる。
さらに、前記対象部分にはAlやSiが含有されているため、多重溶融領域の形成に伴うクラックの発生が懸念されるが、上記構成1によれば、対象部分中のAl及びSiの合計含有量が1.6質量%以下であることに対応して、前記基準線のうち多重溶融領域を通過する部位の長さが、基準線の長さの35%以下とされている。従って、溶融部のうち、溶接時において過熱・急冷される部分を極力少なくすることができ、ひいては固化に際しての溶融部の急速な収縮をより確実に防止することができる。その結果、溶融部の内部におけるクラックの発生を効果的に抑制することができる。
以上、上記構成1によれば、多重溶融領域を設けつつ、溶融部の内部、及び、溶融部と貴金属チップ等との境界部分におけるクラックの発生を抑制することができ、その結果、貴金属チップの接合強度を飛躍的に向上させることができる。
尚、多重溶融領域を形成することによる上述の作用効果をより確実に実現すべく、前記基準線のうち多重溶融領域を通過する部位の長さを、基準線の長さの5%以上とすることが好ましく、基準線の長さの10%以上とすることがより好ましい。
構成2.本構成の内燃機関用スパークプラグは、軸線方向に延びる棒状の中心電極と、
前記中心電極の外周に設けられた筒状の絶縁体と、
前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
前記主体金具の先端部に配置された接地電極と、
貴金属合金により形成されるとともに、前記中心電極及び前記接地電極の少なくとも一方の対象部分に設けられた貴金属チップとを備え、
前記対象部分を構成する金属材料の成分、及び、前記貴金属チップを構成する貴金属合金の成分を含有する溶融部を介して、前記対象部分に前記貴金属チップが接合されるとともに、
前記貴金属チップの中心軸に沿って、前記中心軸と直交する投影面に前記貴金属チップ及び前記溶融部を投影した投影面において、
前記貴金属チップが投影されてなる領域に対して、前記貴金属チップと前記溶融部とが重なる領域の占める割合が70%以上である内燃機関用スパークプラグであって、
前記対象部分を構成する金属材料は、Niを主成分とするとともに、Al及びSiのうち少なくともSiを含み、Siの含有量が0.4質量%以上、かつ、Al及びSiの合計含有量が0.5質量%以上1.9質量%以下であり、
前記溶融部は、レーザービーム又は電子ビームを間欠的に照射することにより形成された複数の溶融領域が連なることで形成されており、
前記溶融部の表面には、3つ以上の溶融領域が重なり合うことで形成された多重溶融領域が存在する一方で、
各溶融領域の外表面上におけるそれぞれの中心を通過する線である基準線をとったとき、前記基準線のうち前記多重溶融領域を通過する部位の長さが、前記基準線の長さの30%以下とされていることを特徴とする。
本願発明者が鋭意検討したところ、Al及びSiの合計含有量が多くなるほど、溶融部の内部におけるクラックが発生しやすいことが見出された。従って、上記構成2のように、Al及びSiの合計含有量が1.9質量%以下とされ、AlやSiが比較的多く含有され得る場合には、溶融部内におけるクラックの発生がより懸念される。
この点、上記構成2によれば、Al及びSiの合計含有量が1.9質量%以下と比較的多くされ得ることに対応して、前記基準線のうち多重溶融領域を通過する部位の長さが、基準線の長さの30%以下とされている。従って、溶接時において過熱・急冷される部分をより少なくすることができ、溶融部の急速な収縮を一層確実に防止することができる。その結果、Al及びSiが比較的多く含有され、クラックの発生がより懸念される場合であっても、クラックの発生をより確実に抑制することができる。
構成3.本構成の内燃機関用スパークプラグは、軸線方向に延びる棒状の中心電極と、
前記中心電極の外周に設けられた筒状の絶縁体と、
前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
前記主体金具の先端部に配置された接地電極と、
貴金属合金により形成されるとともに、前記中心電極及び前記接地電極の少なくとも一方の対象部分に設けられた貴金属チップとを備え、
前記対象部分を構成する金属材料の成分、及び、前記貴金属チップを構成する貴金属合金の成分を含有する溶融部を介して、前記対象部分に前記貴金属チップが接合されるとともに、
前記貴金属チップの中心軸に沿って、前記中心軸と直交する投影面に前記貴金属チップ及び前記溶融部を投影した投影面において、
前記貴金属チップが投影されてなる領域に対して、前記貴金属チップと前記溶融部とが重なる領域の占める割合が70%以上である内燃機関用スパークプラグであって、
前記対象部分を構成する金属材料は、Niを主成分とするとともに、Al及びSiのうち少なくともSiを含み、Siの含有量が0.4質量%以上、かつ、Al及びSiの合計含有量が0.5質量%以上5.0質量%以下であり、
前記溶融部は、レーザービーム又は電子ビームを間欠的に照射することにより形成された複数の溶融領域が連なることで形成されており、
前記溶融部の表面には、3つ以上の溶融領域が重なり合うことで形成された多重溶融領域が存在する一方で、
各溶融領域の外表面上におけるそれぞれの中心を通過する線である基準線をとったとき、前記基準線のうち前記多重溶融領域を通過する部位の長さが、前記基準線の長さの20%以下とされていることを特徴とする。
上記構成3によれば、Al及びSiの合計含有量が5.0質量%以下と非常に多くされ得ることに対応して、前記基準線のうち多重溶融領域を通過する部位の長さが、基準線の長さの20%以下とされている。このため、溶接時において過熱・急冷される部分をより一層少なくすることができ、クラックの発生がより一層懸念される場合であっても、クラックの発生を極めて効果的に抑制することができる。
尚、Al及びSiの合計含有量が5.0質量%を超えると、金属材料が脆化してしまい、加工性が低下してしまうおそれがある。
構成4.本構成の内燃機関用スパークプラグは、上記構成1乃至3のいずれかにおいて、前記貴金属チップは、少なくとも前記接地電極に設けられることを特徴とする。
中心電極及び接地電極は、使用時において非常に高温となるが、燃焼室の中心により接近する接地電極の方が、中心電極よりも高温となる。また、一般に接地電極は、スパークプラグの最も先端に配置されるため、内燃機関の動作による振動に伴って、中心電極よりも大きな応力が加わる。すなわち、接地電極は、温度及び振動の双方において、中心電極よりも厳しい環境に置かれる。そのため、接地電極に接合された貴金属チップにおいては、優れた接合強度が要求される。
この点、上記構成4によれば、貴金属チップの接合される対象部分が接地電極とされており、優れた接合強度が要求されるところ、上記構成1等を採用することで、所望の接合強度をより確実に実現することができる。換言すれば、上記構成1等は、貴金属チップが接地電極に接合される場合において、特に有効である。
構成5.本構成の内燃機関用スパークプラグは、上記構成4において、前記接地電極の基端部の断面積が3mm2以下であることを特徴とする。
上記構成5によれば、接地電極は、その基端部の断面積が3mm2以下とされており、使用時において一層高温となり得る。そのため、貴金属チップにおいては一層優れた接合強度が求められるところ、上記構成1等を採用することで、より厳しい環境にも耐え得る十分な接合強度を実現することができる。換言すれば、上記構成1等は、貴金属チップが接地電極に接合されるとともに、接地電極の基端部の断面積が3mm2以下とされた場合において、特に有効である。
構成6.本構成のスパークプラグの製造方法は、軸線方向に延びる棒状の中心電極と、
前記中心電極の外周に設けられた筒状の絶縁体と、
前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
前記主体金具の先端部に配置された接地電極と、
貴金属合金により形成されるとともに、前記中心電極及び前記接地電極の少なくとも一方の対象部分に設けられた貴金属チップとを備え、
前記対象部分を構成する金属材料の成分、及び、前記貴金属チップを構成する貴金属合金の成分を含有する溶融部を介して、前記対象部分に前記貴金属チップが接合されるとともに、
前記貴金属チップの中心軸に沿って、前記中心軸と直交する投影面に前記貴金属チップ及び前記溶融部を投影した投影面において、
前記貴金属チップが投影されてなる領域に対して、前記貴金属チップと前記溶融部とが重なる領域の占める割合が70%以上であるスパークプラグの製造方法であって、
前記対象部分を構成する金属材料は、Niを主成分とするとともに、Al及びSiのうち少なくともSiを含み、Siの含有量が0.4質量%以上、かつ、Al及びSiの合計含有量が0.5質量%以上1.6質量%以下であり、
前記対象部分及び前記貴金属チップの接触面外縁部にレーザービーム又は電子ビームを間欠的に照射することによって、複数の溶融領域が連なってなる前記溶融部を形成し、前記対象部分に前記貴金属チップを接合する工程において、
前記溶融部の表面に、3つ以上の溶融領域を重なり合わせる多重溶融領域を形成する一方で、
各溶融領域の外表面上におけるそれぞれの中心を通過する線である基準線をとったとき、前記基準線のうち前記多重溶融領域を通過する部位の長さが、前記基準線の長さの35%以下となるように、レーザービーム又は電子ビームを照射することを特徴とする。
上記構成6によれば、製造されたスパークプラグにおいて、上記構成1と同様の作用効果が奏されることとなる。
構成7.本構成のスパークプラグの製造方法は、軸線方向に延びる棒状の中心電極と、
前記中心電極の外周に設けられた筒状の絶縁体と、
前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
前記主体金具の先端部に配置された接地電極と、
貴金属合金により形成されるとともに、前記中心電極及び前記接地電極の少なくとも一方の対象部分に設けられた貴金属チップとを備え、
前記対象部分を構成する金属材料の成分、及び、前記貴金属チップを構成する貴金属合金の成分を含有する溶融部を介して、前記対象部分に前記貴金属チップが接合されるとともに、
前記貴金属チップの中心軸に沿って、前記中心軸と直交する投影面に前記貴金属チップ及び前記溶融部を投影した投影面において、
前記貴金属チップが投影されてなる領域に対して、前記貴金属チップと前記溶融部とが重なる領域の占める割合が70%以上であるスパークプラグの製造方法であって、
前記対象部分を構成する金属材料は、Niを主成分とするとともに、Al及びSiのうち少なくともSiを含み、Siの含有量が0.4質量%以上、かつ、Al及びSiの合計含有量が0.5質量%以上1.9質量%以下であり、
前記対象部分及び前記貴金属チップの接触面外縁部にレーザービーム又は電子ビームを間欠的に照射することによって、複数の溶融領域が連なってなる前記溶融部を形成し、前記対象部分に前記貴金属チップを接合する工程において、
前記溶融部の表面に、3つ以上の溶融領域を重なり合わせる多重溶融領域を形成する一方で、
各溶融領域の外表面上におけるそれぞれの中心を通過する線である基準線をとったとき、前記基準線のうち前記多重溶融領域を通過する部位の長さが、前記基準線の長さの30%以下となるように、レーザービーム又は電子ビームを照射することを特徴とする。
上記構成7によれば、製造されたスパークプラグにおいて、上記構成2と同様の作用効果が奏されることとなる。
構成8.本構成のスパークプラグの製造方法は、軸線方向に延びる棒状の中心電極と、
前記中心電極の外周に設けられた筒状の絶縁体と、
前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
前記主体金具の先端部に配置された接地電極と、
貴金属合金により形成されるとともに、前記中心電極及び前記接地電極の少なくとも一方の対象部分に設けられた貴金属チップとを備え、
前記対象部分を構成する金属材料の成分、及び、前記貴金属チップを構成する貴金属合金の成分を含有する溶融部を介して、前記対象部分に前記貴金属チップが接合されるとともに、
前記貴金属チップの中心軸に沿って、前記中心軸と直交する投影面に前記貴金属チップ及び前記溶融部を投影した投影面において、
前記貴金属チップが投影されてなる領域に対して、前記貴金属チップと前記溶融部とが重なる領域の占める割合が70%以上であるスパークプラグの製造方法であって、
前記対象部分を構成する金属材料は、Niを主成分とするとともに、Al及びSiのうち少なくともSiを含み、Siの含有量が0.4質量%以上、かつ、Al及びSiの合計含有量が0.5質量%以上5.0質量%以下であり、
前記対象部分及び前記貴金属チップの接触面外縁部にレーザービーム又は電子ビームを間欠的に照射することによって、複数の溶融領域が連なってなる前記溶融部を形成し、前記対象部分に前記貴金属チップを接合する工程において、
前記溶融部の表面に、3つ以上の溶融領域を重なり合わせる多重溶融領域を形成する一方で、
各溶融領域の外表面上におけるそれぞれの中心を通過する線である基準線をとったとき、前記基準線のうち前記多重溶融領域を通過する部位の長さが、前記基準線の長さの20%以下となるように、レーザービーム又は電子ビームを照射することを特徴とする。
上記構成8によれば、製造されたスパークプラグにおいて、上記構成3と同様の作用効果が奏されることとなる。
構成9.本構成のスパークプラグの製造方法は、上記構成6乃至8のいずれかにおいて、レーザービーム又は電子ビームのパルス長を10ms以上30ms以下とするとともに、
1パルス中における出力が最大となる時の後に、前記パルス長の50%以上の時間に亘って、1パルス中における最大出力の30%以下の出力でレーザービーム又は電子ビームを照射することを特徴とする。
上記構成9によれば、1つの溶融領域を形成する際において、1パルス中における出力が最大となる時の後に、前記パルス長の50%以上の時間に亘って、1パルス中における最大出力の30%以下の出力でレーザービーム等が出力される。すなわち、溶融領域は、パルス長の50%以上の時間に亘って徐々に冷却されることとなる。従って、固化に際しての溶融領域の急速な収縮をより確実に防止することができ、ひいては溶融部の内部におけるクラックの発生を非常に効果的に抑制することができる。
尚、パルス長を10ms未満とすると、溶接対象部分を予熱することができなかったり(つまり、急速に加熱することになってしまったり)、徐冷時間が短くなって(つまり、急冷となって)しまったりするため、上述の作用効果が十分に発揮されないおそれがある。一方で、パルス長を30ms超とすると、外表面において溶融領域の外径(いわゆる、ビード径)が大きくなってしまい、多重溶融領域が過度に大きく形成されてしまうおそれがある。従って、これらの点を考慮して、パルス長を10ms以上30ms以下とすることが好ましい。
構成10.本構成のスパークプラグの製造方法は、上記構成6乃至8のいずれかにおいて、レーザービーム又は電子ビームのパルス長を10ms以上30ms以下とするとともに、
1パルス中における出力が最大となる時の後に、前記パルス長の70%以上の時間に亘って、1パルス中における最大出力の30%以下の出力でレーザービーム又は電子ビームを照射することを特徴とする。
上記構成10によれば、1パルス中における出力が最大となる時の後に、パルス長の70%以上の時間に亘って、1パルス中における最大出力の30%以下の出力でレーザービーム等が照射される。従って、溶融領域は一層ゆっくりと冷却されることとなり、その結果、溶融部の内部におけるクラックの発生をより一層確実に抑制することができる。
スパークプラグの構成を示す一部破断正面図である。 スパークプラグの先端部の構成を示す一部破断拡大正面図である。 (a)は、溶融部等の構成を示す部分拡大正面図であり、(b)は、溶融部や貴金属チップを投影した投影面を示す投影図である。 溶融部や貴金属チップの外周面を展開した際の展開図である。 レーザービームの波形を示すグラフである。 別の実施形態における溶融部等を示す部分拡大断面図である。 (a)〜(c)は、別の実施形態におけるレーザービームの波形を示すグラフである。
〔第1実施形態〕
以下に、実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、内燃機関用スパークプラグ(以下、「スパークプラグ」と称す)1を示す一部破断正面図である。尚、図1では、スパークプラグ1の軸線CL1方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ1の先端側、上側を後端側として説明する。
スパークプラグ1は、絶縁体としての絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。
絶縁碍子2は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その外形部において、後端側に形成された後端側胴部10と、当該後端側胴部10よりも先端側において径方向外向きに突出形成された大径部11と、当該大径部11よりも先端側においてこれよりも細径に形成された中胴部12と、当該中胴部12よりも先端側においてこれよりも細径に形成された脚長部13とを備えている。加えて、絶縁碍子2のうち、大径部11、中胴部12、及び、大部分の脚長部13は、主体金具3の内部に収容されている。また、中胴部12と脚長部13との連接部にはテーパ状の段部14が形成されており、当該段部14にて絶縁碍子2が主体金具3に係止されている。
さらに、絶縁碍子2には、軸線CL1に沿って軸孔4が貫通形成されており、当該軸孔4の先端側には中心電極5が挿入、固定されている。当該中心電極5は、銅又は銅合金からなる内層5Aと、ニッケル(Ni)を主成分とするNi合金からなる外層5Bとにより構成されている。また、中心電極5は、全体として棒状(円柱状)をなし、先端部が絶縁碍子2の先端から突出している。加えて、中心電極5の先端部には、貴金属合金(例えば、白金合金やイリジウム合金等)からなる円柱状の貴金属部31が接合されている。
また、軸孔4の後端側には、絶縁碍子2の後端から突出した状態で、低炭素鋼等の金属により形成された端子電極6が挿入、固定されている。
さらに、軸孔4の中心電極5と端子電極6との間には、円柱状の抵抗体7が配設されている。当該抵抗体7の両端部は、導電性のガラスシール層8,9を介して、中心電極5と端子電極6とにそれぞれ電気的に接続されている。
加えて、前記主体金具3は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その外周面にはスパークプラグ1を内燃機関のエンジンヘッドに取付けるためのねじ部(雄ねじ部)15が形成されている。また、ねじ部15の後端側の外周面には座部16が形成され、ねじ部15後端のねじ首17にはリング状のガスケット18が嵌め込まれている。さらに、主体金具3の後端側には、スパークプラグ1をエンジンヘッドに取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部19が設けられるとともに、後端部において絶縁碍子2を保持するための加締め部20が設けられている。尚、本実施形態においては、スパークプラグ1の小型化を図るべく、主体金具3の小径化が図られている。そのため、ねじ部15のねじ径も比較的小径(例えば、M12以下)とされている。
また、主体金具3の内周面には、絶縁碍子2を係止するためのテーパ状の段部21が設けられている。そして、絶縁碍子2は、主体金具3の後端側から先端側に向かって挿入され、自身の段部14が主体金具3の段部21に係止された状態で、主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって固定されている。尚、前記両段部14,21間には、円環状の板パッキン22が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、燃焼室内に晒される絶縁碍子2の脚長部13と主体金具3の内周面との隙間に入り込む燃料ガスが外部に漏れないようになっている。
さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁碍子2との間に環状のリング部材23,24が介在され、リング部材23,24間にはタルク(滑石)25の粉末が充填されている。すなわち、主体金具3は、板パッキン22、リング部材23,24及びタルク25を介して絶縁碍子2を保持している。
また、図2に示すように、主体金具3の先端部26には、自身の略中間が曲げ返されて、その先端部側面が中心電極5(貴金属部31)の先端部と対向する接地電極27が接合されている。当該接地電極27は、Ni合金により形成された鉤状の本体部28と、当該本体部28のうち前記貴金属部31と対向する部位に設けられた円柱状の台座部29とにより構成されている。加えて、前記台座部29には、レーザー溶接により所定の貴金属合金(例えば、白金合金やイリジウム合金等)により形成された円柱状の貴金属チップ32が接合されている(すなわち、本実施形態では、台座部29が本発明の「対象部分」に相当する)。そして、前記貴金属部31の先端部及び貴金属チップ32の先端部の間には、火花放電間隙33が形成されており、当該火花放電間隙33において、前記軸線CL1にほぼ沿った方向で火花放電が行われるようになっている。尚、前記台座部29は、本体部28を構成するNi合金と、貴金属チップ32を構成する貴金属合金との間の熱膨張係数を有する合金により形成されている。すなわち、台座部29によって、本体部28と貴金属チップ32との間における熱膨張の差が吸収されるようになっている。
加えて、貴金属チップ32は、接地電極27(台座部29)を構成する金属材料の成分、及び、貴金属チップ32を構成する貴金属合金の成分を含有する溶融部35を介して、接地電極27に接合されている。溶融部35は、図3(a)に示すように、レーザービームを間欠的に照射することにより形成された複数(本実施形態では、12個)の溶融領域35Aが環状に連なることで形成されている。また、溶融部35は、その溶け込み深さ(溶融部35の表面から最も内部にある部位までの長さ)が比較的大きなものとされており、その結果、接地電極27と貴金属チップ32との間の比較的大きな領域に亘って形成されている。具体的には、図3(b)に示すように、貴金属チップ32の中心軸CL2に沿って、前記中心軸CL2と直交する投影面に貴金属チップ32及び溶融部35を投影した投影面PFにおいて、貴金属チップ32が投影されてなる領域AR1に対して、貴金属チップ32と溶融部35とが重なる領域AR2〔図3(b)中、斜線を付した部位〕の占める割合(以下、「溶融部投影割合」と称す)が70%以上とされている。
さらに、前記台座部29を構成する金属材料は、Niを主成分とするとともに、高温下における耐酸化性の向上を図るべく、アルミニウム(Al)及びケイ素(Si)のうち少なくともSiが含有され、Siの含有量が0.4質量%以上、かつ、Al及びSiの合計含有量が0.5質量%以上1.6質量%以下とされている。
さらに、溶融部35を形成するにあたっては、前記溶融部投影割合をより確実に70%以上とすべく、隣接する溶融領域35Aの表面同士が重なり合うようにしてレーザービームが照射されている。本実施形態では、図3(a)に示すように、溶融部35の表面には、3つ以上の溶融領域35Aが重なり合うことで形成された多重溶融領域35X〔図3(a)中、散点模様を付した部位〕が存在している。
その一方で、溶融部35の外表面において、多重溶融領域35Xの占める範囲が過度に大きなものとならないように、各溶融領域35Aの外表面の直径(いわゆるビード径)や各溶融領域35A同士の間隔が設定されている。詳述すると、図4(図4は、円柱状をなす溶融部35や貴金属チップ32の外周面を平面状に開いた展開図である)に示すように、各溶融領域35Aの外表面上におけるそれぞれの中心を通過する線である基準線BLをとったとき、基準線BLの長さに対する、基準線BLのうち多重溶融領域35Xを通過する部位(図4中、太線で示す部位)の占める割合(以下、「多重溶融割合」と称す)が35%以下とされている。
尚、外表面において溶融領域35Aが重なり合う部分では、個々の溶融領域35Aの外周線(輪郭)が明確にならず、溶融領域35Aの中心や多重溶融領域35Xの位置・大きさを特定しにくい場合がある。この場合、貴金属チップ32や接地電極27(台座部29)側では、比較的明確に溶融領域35Aの外周線が表れることから、当該外周線を通るように描かれた仮想円を基準とすることで、溶融領域35Aの中心や多重溶融領域35Xの位置・大きさを特定することができる。
また、上述の通り、主体金具3は比較的小径とされているため、主体金具3の先端部26に接合される接地電極27(本体部28)は比較的細くされている。具体的には、接地電極27(本体部28)の基端部の断面積が3mm2以下とされている。
次に、上記のように構成されてなるスパークプラグ1の製造方法について説明する。
まず、主体金具3を予め加工しておく。すなわち、円柱状の金属素材に対して冷間鍛造加工等を施すことにより貫通孔を形成するとともに、概形を製造する。その後、切削加工を施すことで外形を整え、主体金具中間体を得る。
続いて、主体金具中間体の先端面に、Ni合金(例えばインコネル系合金等)からなる直棒状の本体部28が抵抗溶接される。当該溶接に際してはいわゆる「ダレ」が生じるので、その「ダレ」を除去した後、主体金具中間体の所定部位にねじ部15が転造によって形成される。これにより、主体金具3が得られる。その後、本体部28の接合された主体金具3に対して、亜鉛メッキ或いはニッケルメッキが施される。尚、耐食性向上を図るべく、その表面に、さらにクロメート処理を施すこととしてもよい。
次いで、本体部28の先端部に、Niを主成分とし、AlやSiを含有する合金からなる台座部29を介して貴金属チップ32が接合される。
具体的には、まず、台座部29の端面上に貴金属チップ32を載置した上で、所定の押さえピン(図示せず)により貴金属チップ32を支持する。そして、レーザー照射手段に対して、貴金属チップ32の中心軸CL2を回転軸として貴金属チップ32を相対回転させつつ、台座部29と貴金属チップ32との接合面外縁に対してレーザービームを間欠的に照射する。これにより、貴金属チップ32の中心軸CL2を中心として環状に連なる複数の溶融領域35Aが形成され、台座部29と貴金属チップ32とが接合される(スポット溶接法)。
尚、レーザービームを照射し、溶融領域35Aを形成にあたっては、直前に形成された溶融領域35Aと重なり合う一方で、2つ前に形成された溶融領域35Aと重なり合う部分が比較的小さくなるように、レーザービームの照射位置や出力が調節され、前記多重溶融割合が35%以下とされる。
さらに、1つの溶融領域35Aを形成するにあたっては、図5に示すように、レーザービームのパルス長Tが10ms以上30ms以下とされるとともに、1パルス中における出力が最大となる時の後に、パルス長Tの50%以上(より好ましくは70%以上)の時間に亘って、1パルス中における最大出力の30%以下の出力でレーザービームが照射される。尚、レーザービームが照射されることで、貴金属チップ32や台座部29に熱エネルギーが蓄積されていくため、溶融量を調節すべく、レーザービームの出力エネルギーを段階的に減少させることとしてもよい。尚、出力エネルギーを変更することなく、または、出力エネルギーを変更しつつ、レーザービームの焦点距離を変更することで、溶融量を調節することとしてもよい。
次いで、貴金属チップ32が接合された台座部29が、本体部28の先端部に対して抵抗溶接される。尚、溶接をより確実なものとするべく、当該溶接に先だって溶接部位のメッキ除去が行われたり、又は、メッキ工程に際し溶接予定部位にマスキングが施されたりする。
一方、主体金具3等とは別に、絶縁碍子2を成形加工しておく。例えば、アルミナを主体としバインダ等を含む原料粉末を用い、成形用素地造粒物を調製し、これを用いてラバープレス成形を行うことで、筒状の成形体が得られる。次いで、得られた成形体が研削加工により整形され、整形されたものが焼成炉により焼成される。焼成後、種々の研磨加工を施すことで、絶縁碍子2が得られる。
また、前記主体金具3、絶縁碍子2とは別に、中心電極5を製造しておく。すなわち、中央部に放熱性向上を図るための銅合金等を配置したNi合金を鍛造加工して中心電極5を作製する。次いで、中心電極5の先端部に対して貴金属合金からなる貴金属部31がレーザー溶接等により接合される。
そして、上記のようにして得られた絶縁碍子2及び中心電極5と、抵抗体7と、端子電極6とが、ガラスシール層8,9によって封着固定される。ガラスシール層8,9としては、一般的にホウ珪酸ガラスと金属粉末とが混合されて調製されており、当該調製されたものが抵抗体7を挟むようにして絶縁碍子2の軸孔4内に注入された後、後方から前記端子電極6を先端側へと押圧しつつ、焼成炉内にて焼き固められる。尚、このとき、絶縁碍子2の後端側胴部10表面には釉薬層が同時に焼成されることとしてもよいし、事前に釉薬層が形成されることとしてもよい。
その後、上記のようにそれぞれ作成された中心電極5及び端子電極6を備える絶縁碍子2と、接地電極27を備える主体金具3とが組付けられる。より詳しくは、主体金具3に絶縁碍子2を挿通した上で、比較的薄肉に形成された主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって固定される。
そして最後に、接地電極27を屈曲させるとともに、貴金属部31及び貴金属チップ32間の前記火花放電間隙33の大きさを調整する加工が実施され、上述したスパークプラグ1が得られる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、台座部29において、Siの含有量が0.4質量%以上とされるとともに、Al及びSiの合計含有量が0.5質量%以上とされているため、台座部29における耐酸化性の向上を図ることができる。
さらに、溶融部35の表面に多重溶融領域35Xが形成されているため、貴金属チップ32における接合強度の低下を防止することができる。
また、前記投影面PFにおいては、貴金属チップ32が投影されてなる領域AR1に対して、貴金属チップ32と溶融部35とが重なる領域AR2の占める割合が70%以上とされている。このため、溶融部35によって、貴金属チップ32と台座部29との間の熱膨張の差をより確実に吸収することができ、その結果、冷熱サイクルの繰り返しに伴う、溶融部35と貴金属チップ32等との境界部分におけるクラックの発生をより確実に防止することができる。
さらに、台座部29中のAl及びSiの合計含有量が1.6質量%以下であることに対応して、前記基準線BLのうち多重溶融領域35Xを通過する部位の長さが、基準線BLの長さの35%以下とされている。従って、溶融部35のうち、溶接時において過熱・急冷される部分を極力少なくすることができ、ひいては固化に際しての溶融部35の急速な収縮をより確実に防止することができる。その結果、溶融部35の内部におけるクラックの発生を効果的に抑制することができる。
以上、本実施形態によれば、多重溶融領域35Xを設けつつ、溶融部35の内部、及び、溶融部35と貴金属チップ32等との境界部分におけるクラックの発生を抑制することができ、その結果、貴金属チップ32の接合強度を飛躍的に向上させることができる。
さらに、本実施形態では、レーザービームのパルス長Tが10ms以上とされるとともに、1つの溶融領域35Aを形成する際において、1パルス中における出力が最大となる時の後に、パルス長Tの50%以上の時間に亘って、1パルス中における最大出力の30%以下の出力でレーザービームが出力されている。従って、固化に際しての溶融領域35Aの急速な収縮をより確実に防止することができ、ひいては溶融部35の内部におけるクラックの発生を非常に効果的に抑制することができる。
また、パルス長Tが30ms以下とされているため、多重溶融領域35Xが過度に大きく形成されてしまうことをより確実に防止できる。
〔第2実施形態〕
次いで、第2実施形態について説明する。本第2実施形態においては、上記第1実施形態と比較して、接地電極27(特に、貴金属チップ32が接合される台座部29)を構成する金属材料の組成、及び、基準線BLのうち多重溶融領域35Xを通過する部位の長さが相違している。すなわち、本第2実施形態では、台座部29におけるAlやSiの含有量がより多くされ得る構成となっており、Al及びSiの合計含有量が0.5質量%以上1.9質量%以下とされている。
また、台座部29におけるAlやSiの合計含有量の変更に対応して、前記多重溶融割合が設定されており、本第2実施形態においては、多重溶融割合が30%以下とされている。尚、多重溶融割合を30%以下とすべく、接地電極27に対する貴金属チップ32の溶接にあたっては、上記第1実施形態と比較して、レーザービームの最大出力等がやや低く調節される等の対応が行われる(但し、前記溶融部投影割合は70%以上とされている)。
以上、本第2実施形態によれば、Al及びSiを含有することによる耐酸化性の向上効果がより確実に発揮されるとともに、溶融部35の内部におけるクラックの発生が抑制され、貴金属チップ32の接合強度を飛躍的に向上させることができる。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態について説明する。本第3実施形態においては、上記第1、第2実施形態と比較して、台座部29におけるAlやSiの含有量がより多くされ得る構成となっており、Al等の合計含有量が0.5質量%以上5.0質量%以下とされている。
また、台座部29におけるAlやSiの合計含有量が増大したことに対応して、前記多重溶融割合が設定されており、本第3実施形態では、多重溶融割合が20%以下とされている。但し、前記溶融部投影割合は70%以上とされている。
以上、本第3実施形態によれば、Al及びSiを含有することによる耐酸化性の向上効果がより一層確実に発揮されるとともに、溶融部35の内部におけるクラックの発生が抑制され、貴金属チップ32の接合強度を効果的に向上させることができる。
次に、上記実施形態で奏される作用効果を確認すべく、溶融部の溶け込み深さを変更することで溶融部投影割合を種々変更したスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて実機冷熱試験を行った。実機冷熱試験の概要は次の通りである。すなわち、サンプルを直列6気筒2000ccエンジンに取付けた上で、1分間全開状態(5000rpm)で運転した後、1分間アイドリングとすることを1サイクルとして、100時間実施した。100時間経過後、溶融部及び接地電極の境界部分、並びに、溶融部及び貴金属チップの境界部分におけるクラックの有無を確認した。ここで、境界部分においてクラックが確認されなかったサンプルは、接合強度が優れるとして「○」の評価を下す一方で、クラックが確認されたサンプルは、接合強度に劣るとして「×」の評価を下すこととした。表1に、実機冷熱試験の試験結果を示す。尚、各サンプルともに、貴金属チップの外径を0.75mmとした。
Figure 2011129439
表1に示すように、溶融部投影割合を70%以上としたサンプル(サンプル5〜10)は、優れた接合強度を有することが分かった。これは、接地電極と貴金属チップとの間において、十分に広い溶融部を形成したことで、溶融部により接地電極と貴金属チップとの熱膨張の差を効果的に吸収することができたためであると考えられる。
次いで、Niを主成分とするとともに、Al及びSiの含有量が種々変更された接地電極(対象部分)に対して、レーザービームの出力等を調節することで多重溶融割合が種々異なるようにして貴金属チップを接合したスパークプラグのサンプルを40本又は30本ずつ作製し、各サンプルの溶融部断面におけるクラックの有無を確認した。表2及び表3に、40本又は30本中においてクラックが発生したサンプルの本数(クラック発生数)と、40本又は30本中におけるクラックの発生割合(クラック発生率)とを示す。また、参考として、外表面における溶融領域の直径(ビード径)を示す。
尚、形成した溶融領域の個数(つまり、レーザービームの照射回数)は、8、10、12、又は、18とした。また、貴金属チップとしては、Alを0.0質量%、Siを0.4質量%含有したもの、Alを0.2質量%、Siを0.3質量%したもの、Alを0.1質量%、Siを0.4質量%したもの、Alを2.0質量%、Siを3.0質量%含有したもの、Alを1.4質量%、Siを1.0質量%含有したもの、Alを1.0質量%、又は、Siを0.9質量%含有したもの、Alを0.9質量%、Siを0.7質量%含有したものであって、それぞれ外径を0.75mmとしたものを用いた。加えて、Alを2.0質量%、Siを3.0質量%含有したものについては、30本のサンプルを作製し、その他の組成のものは、40本ずつのサンプルを作製した。
Figure 2011129439
Figure 2011129439
表2に示すように、Siの含有量を0.4質量%未満としたサンプルや、Al及びSiの合計含有量を0.5質量%未満としたサンプルは、多重溶融割合の大小に関わらず、クラック発生率が10%以下となり、優れた接合強度を有することが分かった。一方で、表2及び表3に示すように、Siの含有量を0.4質量%以上とし、かつ、Al及びSiの合計含有量を0.5質量%以上としたサンプルは、クラックが発生しやすくなり、接合強度が不十分となり得ることが確認された。
これに対して、表2及び表3に示すように、Al及びSiの合計含有量を1.6質量%以下としたサンプルについては、多重溶融割合を35%以下とすることで、Al及びSiの合計含有量を1.6質量%超1.9質量%以下としたサンプルについては、多重溶融割合を30%以下とすることで、Al及びSiの合計含有量を1.9質量%超5.0質量%以下としたサンプルについては、多重溶融割合を20%以下とすることで、クラック発生率が10%以下に低減され、優れた接合強度を有することが明らかとなった。
以上の試験結果より、貴金属チップの接合強度を飛躍的に向上させるという観点から、溶融部投影割合を70%以上とするとともに、対象部分におけるAl及びSiの合計含有量が1.6質量%以下である場合には、多重溶融割合を35%以下とし、Al及びSiの合計含有量が1.9質量%以下である場合には、多重溶融割合を30%以下とし、Al及びSiの合計含有量が5.0質量%以下である場合には、多重溶融割合を20%以下とすることが好ましいといえる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、貴金属チップ32が接合される対象部分が接地電極27とされており、接地電極27に対する貴金属チップ32の接合において、本発明の技術思想が適用されている。これに対して、対象部分を中心電極とし、中心電極に対する貴金属チップの接合において、本発明の技術思想を適用することとしてもよい。この場合には、中心電極に対する貴金属チップの接合強度を向上させることができる。また、中心電極に対する貴金属チップの接合、及び、接地電極に対する貴金属チップの接合の双方において、本発明の技術思想を適用することとしてもよい。
(b)上記実施形態では、接地電極27の台座部29に貴金属チップ32が接合されているが、図6に示すように、台座部29を設けることなく、Niを主成分とし、Al及びSiを合計で0.5質量%以上含有する接地電極37に、溶融部45を介して貴金属チップ32を接合することとしてもよい。
(c)上記実施形態におけるレーザービームの波形は例示であって、その波形は限定されるものではない。従って、図7(a),(b),(c)に示すような波形で、レーザービームを照射することとしてもよい。
(d)上記実施形態において、対象部分に対する貴金属チップ32の接合は、レーザービームを照射することで行われているが、電子ビームを照射することにより貴金属チップ32を対象部分に接合することとしてもよい。
(e)上記実施形態では、所定の押さえピンにより貴金属チップ32を支持した状態で、接地電極27に貴金属チップ32がレーザー溶接されているが、抵抗溶接により貴金属チップ32を仮止めした上で、貴金属チップ32をレーザー溶接することとしてもよい。この場合には、押さえピンを介して溶融部35の熱が引かれることがないため、溶融部35の急冷をより確実に防止することができる。その結果、溶融部35の内部におけるクラックの発生をより一層抑制することができる。
(f)上記実施形態では、主体金具3の先端部26に、接地電極27が接合される場合について具体化しているが、主体金具の一部(又は、主体金具に予め溶接してある先端金具の一部)を削り出すようにして接地電極を形成する場合についても適用可能である(例えば、特開2006−236906号公報等)。
(g)上記実施形態では、工具係合部19は断面六角形状とされているが、工具係合部19の形状に関しては、このような形状に限定されるものではない。例えば、Bi−HEX(変形12角)形状〔ISO22977:2005(E)〕等とされていてもよい。
1…スパークプラグ(内燃機関用スパークプラグ)
2…絶縁碍子(絶縁体)
3…主体金具
5…中心電極
27,37…接地電極
32…貴金属チップ
35,45…溶融部
35A…溶融領域
35X…多重溶融領域
BL…基準線
CL1…軸線
CL2…中心軸
PF…投影面

Claims (10)

  1. 軸線方向に延びる棒状の中心電極と、
    前記中心電極の外周に設けられた筒状の絶縁体と、
    前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
    前記主体金具の先端部に配置された接地電極と、
    貴金属合金により形成されるとともに、前記中心電極及び前記接地電極の少なくとも一方の対象部分に設けられた貴金属チップとを備え、
    前記対象部分を構成する金属材料の成分、及び、前記貴金属チップを構成する貴金属合金の成分を含有する溶融部を介して、前記対象部分に前記貴金属チップが接合されるとともに、
    前記貴金属チップの中心軸に沿って、前記中心軸と直交する投影面に前記貴金属チップ及び前記溶融部を投影した投影面において、
    前記貴金属チップが投影されてなる領域に対して、前記貴金属チップと前記溶融部とが重なる領域の占める割合が70%以上である内燃機関用スパークプラグであって、
    前記対象部分を構成する金属材料は、ニッケルを主成分とするとともに、アルミニウム及びケイ素のうち少なくともケイ素を含み、ケイ素の含有量が0.4質量%以上、かつ、アルミニウム及びケイ素の合計含有量が0.5質量%以上1.6質量%以下であり、
    前記溶融部は、レーザービーム又は電子ビームを間欠的に照射することにより形成された複数の溶融領域が連なることで形成されており、
    前記溶融部の表面には、3つ以上の溶融領域が重なり合うことで形成された多重溶融領域が存在する一方で、
    各溶融領域の外表面上におけるそれぞれの中心を通過する線である基準線をとったとき、前記基準線のうち前記多重溶融領域を通過する部位の長さが、前記基準線の長さの35%以下とされていることを特徴とする内燃機関用スパークプラグ。
  2. 軸線方向に延びる棒状の中心電極と、
    前記中心電極の外周に設けられた筒状の絶縁体と、
    前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
    前記主体金具の先端部に配置された接地電極と、
    貴金属合金により形成されるとともに、前記中心電極及び前記接地電極の少なくとも一方の対象部分に設けられた貴金属チップとを備え、
    前記対象部分を構成する金属材料の成分、及び、前記貴金属チップを構成する貴金属合金の成分を含有する溶融部を介して、前記対象部分に前記貴金属チップが接合されるとともに、
    前記貴金属チップの中心軸に沿って、前記中心軸と直交する投影面に前記貴金属チップ及び前記溶融部を投影した投影面において、
    前記貴金属チップが投影されてなる領域に対して、前記貴金属チップと前記溶融部とが重なる領域の占める割合が70%以上である内燃機関用スパークプラグであって、
    前記対象部分を構成する金属材料は、ニッケルを主成分とするとともに、アルミニウム及びケイ素のうち少なくともケイ素を含み、ケイ素の含有量が0.4質量%以上、かつ、アルミニウム及びケイ素の合計含有量が0.5質量%以上1.9質量%以下であり、
    前記溶融部は、レーザービーム又は電子ビームを間欠的に照射することにより形成された複数の溶融領域が連なることで形成されており、
    前記溶融部の表面には、3つ以上の溶融領域が重なり合うことで形成された多重溶融領域が存在する一方で、
    各溶融領域の外表面上におけるそれぞれの中心を通過する線である基準線をとったとき、前記基準線のうち前記多重溶融領域を通過する部位の長さが、前記基準線の長さの30%以下とされていることを特徴とする内燃機関用スパークプラグ。
  3. 軸線方向に延びる棒状の中心電極と、
    前記中心電極の外周に設けられた筒状の絶縁体と、
    前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
    前記主体金具の先端部に配置された接地電極と、
    貴金属合金により形成されるとともに、前記中心電極及び前記接地電極の少なくとも一方の対象部分に設けられた貴金属チップとを備え、
    前記対象部分を構成する金属材料の成分、及び、前記貴金属チップを構成する貴金属合金の成分を含有する溶融部を介して、前記対象部分に前記貴金属チップが接合されるとともに、
    前記貴金属チップの中心軸に沿って、前記中心軸と直交する投影面に前記貴金属チップ及び前記溶融部を投影した投影面において、
    前記貴金属チップが投影されてなる領域に対して、前記貴金属チップと前記溶融部とが重なる領域の占める割合が70%以上である内燃機関用スパークプラグであって、
    前記対象部分を構成する金属材料は、ニッケルを主成分とするとともに、アルミニウム及びケイ素のうち少なくともケイ素を含み、ケイ素の含有量が0.4質量%以上、かつ、アルミニウム及びケイ素の合計含有量が0.5質量%以上5.0質量%以下であり、
    前記溶融部は、レーザービーム又は電子ビームを間欠的に照射することにより形成された複数の溶融領域が連なることで形成されており、
    前記溶融部の表面には、3つ以上の溶融領域が重なり合うことで形成された多重溶融領域が存在する一方で、
    各溶融領域の外表面上におけるそれぞれの中心を通過する線である基準線をとったとき、前記基準線のうち前記多重溶融領域を通過する部位の長さが、前記基準線の長さの20%以下とされていることを特徴とする内燃機関用スパークプラグ。
  4. 前記貴金属チップは、少なくとも前記接地電極に設けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  5. 前記接地電極の基端部の断面積が3mm2以下であることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  6. 軸線方向に延びる棒状の中心電極と、
    前記中心電極の外周に設けられた筒状の絶縁体と、
    前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
    前記主体金具の先端部に配置された接地電極と、
    貴金属合金により形成されるとともに、前記中心電極及び前記接地電極の少なくとも一方の対象部分に設けられた貴金属チップとを備え、
    前記対象部分を構成する金属材料の成分、及び、前記貴金属チップを構成する貴金属合金の成分を含有する溶融部を介して、前記対象部分に前記貴金属チップが接合されるとともに、
    前記貴金属チップの中心軸に沿って、前記中心軸と直交する投影面に前記貴金属チップ及び前記溶融部を投影した投影面において、
    前記貴金属チップが投影されてなる領域に対して、前記貴金属チップと前記溶融部とが重なる領域の占める割合が70%以上であるスパークプラグの製造方法であって、
    前記対象部分を構成する金属材料は、ニッケルを主成分とするとともに、アルミニウム及びケイ素のうち少なくともケイ素を含み、ケイ素の含有量が0.4質量%以上、かつ、アルミニウム及びケイ素の合計含有量が0.5質量%以上1.6質量%以下であり、
    前記対象部分及び前記貴金属チップの接触面外縁部にレーザービーム又は電子ビームを間欠的に照射することによって、複数の溶融領域が連なってなる前記溶融部を形成し、前記対象部分に前記貴金属チップを接合する工程において、
    前記溶融部の表面に、3つ以上の溶融領域を重なり合わせる多重溶融領域を形成する一方で、
    各溶融領域の外表面上におけるそれぞれの中心を通過する線である基準線をとったとき、前記基準線のうち前記多重溶融領域を通過する部位の長さが、前記基準線の長さの35%以下となるように、レーザービーム又は電子ビームを照射することを特徴とするスパークプラグの製造方法。
  7. 軸線方向に延びる棒状の中心電極と、
    前記中心電極の外周に設けられた筒状の絶縁体と、
    前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
    前記主体金具の先端部に配置された接地電極と、
    貴金属合金により形成されるとともに、前記中心電極及び前記接地電極の少なくとも一方の対象部分に設けられた貴金属チップとを備え、
    前記対象部分を構成する金属材料の成分、及び、前記貴金属チップを構成する貴金属合金の成分を含有する溶融部を介して、前記対象部分に前記貴金属チップが接合されるとともに、
    前記貴金属チップの中心軸に沿って、前記中心軸と直交する投影面に前記貴金属チップ及び前記溶融部を投影した投影面において、
    前記貴金属チップが投影されてなる領域に対して、前記貴金属チップと前記溶融部とが重なる領域の占める割合が70%以上であるスパークプラグの製造方法であって、
    前記対象部分を構成する金属材料は、ニッケルを主成分とするとともに、アルミニウム及びケイ素のうち少なくともケイ素を含み、ケイ素の含有量が0.4質量%以上、かつ、アルミニウム及びケイ素の合計含有量が0.5質量%以上1.9質量%以下であり、
    前記対象部分及び前記貴金属チップの接触面外縁部にレーザービーム又は電子ビームを間欠的に照射することによって、複数の溶融領域が連なってなる前記溶融部を形成し、前記対象部分に前記貴金属チップを接合する工程において、
    前記溶融部の表面に、3つ以上の溶融領域を重なり合わせる多重溶融領域を形成する一方で、
    各溶融領域の外表面上におけるそれぞれの中心を通過する線である基準線をとったとき、前記基準線のうち前記多重溶融領域を通過する部位の長さが、前記基準線の長さの30%以下となるように、レーザービーム又は電子ビームを照射することを特徴とするスパークプラグの製造方法。
  8. 軸線方向に延びる棒状の中心電極と、
    前記中心電極の外周に設けられた筒状の絶縁体と、
    前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
    前記主体金具の先端部に配置された接地電極と、
    貴金属合金により形成されるとともに、前記中心電極及び前記接地電極の少なくとも一方の対象部分に設けられた貴金属チップとを備え、
    前記対象部分を構成する金属材料の成分、及び、前記貴金属チップを構成する貴金属合金の成分を含有する溶融部を介して、前記対象部分に前記貴金属チップが接合されるとともに、
    前記貴金属チップの中心軸に沿って、前記中心軸と直交する投影面に前記貴金属チップ及び前記溶融部を投影した投影面において、
    前記貴金属チップが投影されてなる領域に対して、前記貴金属チップと前記溶融部とが重なる領域の占める割合が70%以上であるスパークプラグの製造方法であって、
    前記対象部分を構成する金属材料は、ニッケルを主成分とするとともに、アルミニウム及びケイ素のうち少なくともケイ素を含み、ケイ素の含有量が0.4質量%以上かつ、アルミニウム及びケイ素の合計含有量が0.5質量%以上5.0質量%以下であり、
    前記対象部分及び前記貴金属チップの接触面外縁部にレーザービーム又は電子ビームを間欠的に照射することによって、複数の溶融領域が連なってなる前記溶融部を形成し、前記対象部分に前記貴金属チップを接合する工程において、
    前記溶融部の表面に、3つ以上の溶融領域を重なり合わせる多重溶融領域を形成する一方で、
    各溶融領域の外表面上におけるそれぞれの中心を通過する線である基準線をとったとき、前記基準線のうち前記多重溶融領域を通過する部位の長さが、前記基準線の長さの20%以下となるように、レーザービーム又は電子ビームを照射することを特徴とするスパークプラグの製造方法。
  9. レーザービーム又は電子ビームのパルス長を10ms以上30ms以下とするとともに、
    1パルス中における出力が最大となる時の後に、前記パルス長の50%以上の時間に亘って、1パルス中における最大出力の30%以下の出力でレーザービーム又は電子ビームを照射することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載のスパークプラグの製造方法。
  10. レーザービーム又は電子ビームのパルス長を10ms以上30ms以下とするとともに、
    1パルス中における出力が最大となる時の後に、前記パルス長の70%以上の時間に亘って、1パルス中における最大出力の30%以下の出力でレーザービーム又は電子ビームを照射することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載のスパークプラグの製造方法。
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