JPWO2011125703A1 - プラズマ窒化処理方法 - Google Patents

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Abstract

プラズマ処理装置の処理容器で被処理体に対して高窒素ドーズ量のプラズマ窒化処理をした後に、低窒素ドーズ量のプラズマ窒化処理をするプラズマ窒化処理方法であって、高窒素ドーズ量条件のプラズマ窒化処理の終了後、同一の前記処理容器内に希ガスと窒素ガスと酸素ガスを導入し、処理容器内の圧力が532Pa以上833Pa以下で、全処理ガス中の酸素ガスの体積流量比が1.5%以上、5%以下の条件で微量酸素添加窒素プラズマにより処理容器内をプラズマシーズニング処理する。

Description

本発明は、プラズマ窒化処理方法に関する。
プラズマを利用して成膜等の処理を行なうプラズマ処理装置は、例えば、シリコンや化合物半導体から作製される各種半導体装置、液晶表示装置(LCD)に代表されるFPD(フラット・パネル・ディスプレイ)などの製造過程で使用されている。このようなプラズマ処理装置においては、処理容器内の部品として、石英などの誘電体を材質とするパーツが多用されている。例えば、複数のスロットを有する平面アンテナによって処理容器内にマイクロ波を導入してプラズマを発生させるマイクロ波励起プラズマ処理装置が知られている。このマイクロ波励起プラズマ処理装置では、平面アンテナに導かれたマイクロ波を石英製のマイクロ波透過板(天板あるいは透過窓と呼ばれることもある)を介して処理容器内の空間に導入し、処理容器内で生成した電界により、処理ガスを励起させて高密度プラズマを生成させる構成となっている(例えば、国際公開第2008/146805号参照)。
上記国際公開第2008/146805号では、プラズマ窒化処理の前処理段階として、次のような手順が開示されている。まず、チャンバ内にダミーウエハを搬入し、サセプタ上に載置して、所定の真空雰囲気にする。そして、チャンバ内にマイクロ波を導入して酸素を含有するガスを励起して酸化プラズマを形成する。次に、チャンバ内を真空引きしつつチャンバ内にマイクロ波を導入して窒素を含有するガスを励起して窒化プラズマを形成する。所定時間窒化プラズマを形成した後、チャンバからダミーウエハを搬出して、前処理段階を終了する。そして、プラズマ窒化処理段階においては、まず、チャンバ内に酸化膜を有するウエハ(酸化膜ウエハ)を搬入し、チャンバ内を真空引きしつつチャンバ内に窒素を含有するガスを導入する。その後、チャンバ内にマイクロ波を導入することにより窒素を含有するガスを励起させてプラズマを形成し、このプラズマにより、ウエハの酸化膜に対してプラズマ窒化処理を施すようにしている。
また、プラズマを利用して成膜等の処理を行なうプラズマ処理装置において、チャンバの清浄化方法として酸素を含むガスのプラズマを形成する工程と、前記チャンバ内に窒素を含むガスのプラズマを形成する工程とを少なくとも1サイクル交互に実施する方法も提案されている(例えば、国際公開第2007/074016号参照)。
一つの処理容器において別工程で異種プロセスを実施する場合、例えば、前段のプロセスが高窒素ドーズ量のプラズマ窒化処理を行う工程で、後段のプロセスが低窒素ドーズ量のプラズマ窒化処理を行う工程である場合には、前段のプロセス雰囲気(残留窒素イオンなどを含む)を引きずる、いわゆるメモリ効果が生じる。このメモリ効果によって、後段のプロセスの初期では、窒素ドーズ量が目標値から外れてしまう。このようなメモリ効果による影響を少なくするために、前段のプロセスの終了後、後段のプロセスを開始する前に、二酸化シリコン(SiO)等の酸化膜をつけた再使用不可のダミーウエハを数枚使用し、後段のプロセスと同じ条件で低窒素ドーズ量のプラズマ窒化処理を行う必要があった。しかし、この方法では、ダミーウエハが再使用できないため、自動化することができない。従って、人手によってダミーウエハを1枚ずつセットしなければならず、その準備に手間がかかる。また、メモリ効果の影響を排除して後段のプロセスが正常な状態に安定するまで時間がかかるため、生産性が落ち、量産運用の障害になる、ということが課題となっていた。
そこで、本発明は、高窒素ドーズ量のプラズマ窒化処理から低窒素ドーズ量のプラズマ窒化処理へ移行する際、短時間で安定した低窒素ドーズ量のプラズマ状態にすることができるプラズマ窒化処理方法を提供することを目的とする。
本発明のプラズマ窒化処理方法は、プラズマ処理装置の処理容器に窒素ガスを含む処理ガスを導入し、高窒素ドーズ量条件の窒素含有プラズマを生成させ、酸化膜を有する被処理体に対して高窒素ドーズ量のプラズマ窒化処理をした後に、低窒素ドーズ量条件の窒素含有プラズマを生成させ、被処理体に対して低窒素ドーズ量のプラズマ窒化処理をするプラズマ窒化処理方法であって、
前記高窒素ドーズ量条件のプラズマ窒化処理の終了後、同一の前記処理容器内に希ガスと窒素ガスと酸素ガスを導入し、前記処理容器内の圧力が532Pa以上、833Pa以下で、全処理ガス中の酸素ガスの体積流量比が1.5%以上、5%以下の条件で微量酸素添加窒素プラズマを生成させ、該微量酸素添加窒素プラズマにより前記処理容器内をプラズマシーズニング処理するものである。
本発明のプラズマ窒化処理方法は、前記高窒素ドーズ量条件のプラズマ窒化処理における被処理体への窒素ドーズ量の目標値が10×1015atoms/cm以上50×1015atoms/cm以下であり、前記低窒素ドーズ量条件のプラズマ窒化処理における被処理体への窒素ドーズ量の目標値が1×1015atoms/cm以上10×1015atoms/cm未満であることが好ましい。
本発明のプラズマ窒化処理方法において、前記プラズマは、前記処理ガスと、複数のスロットを有する平面アンテナにより前記処理容器内に導入されるマイクロ波と、によって形成されるマイクロ波励起プラズマであることが好ましい。
本発明のプラズマ窒化処理方法において、前記プラズマシーズニング処理における前記マイクロ波のパワーは、1000W以上1200W以下、好ましくは1050W以上1150W以下、の範囲内である。
本発明のプラズマ窒化処理方法によれば、高窒素ドーズ量のプラズマ窒化処理を行う工程から低窒素ドーズ量のプラズマ窒化処理を行う工程へ移行する間に、処理容器(チャンバ)内の圧力が532Pa以上833Pa以下の範囲内で、全処理ガス中の酸素ガスの体積流量比が1.5%以上5%以下の条件で微量酸素添加窒素プラズマを用いてプラズマシーズニング処理を実行する。これにより、高窒素ドーズ量のプラズマ窒化処理から低窒素ドーズ量のプラズマ窒化処理へ移行する際、メモリ効果が抑制され、短時間で低窒素ドーズ量のプラズマ窒化処理を安定化させることができる。そして、低窒素ドーズ量のプラズマ窒化処理を安定して行うことができる。
本発明のプラズマ窒化処理方法の実施に適したプラズマ窒化処理装置の構成例を示す概略断面図である。 平面アンテナの構成例を示す図面である。 制御部の構成例を示す説明図である。 本発明のプラズマ窒化処理方法の工程の概要を説明する図面である。 高窒素ドーズ量のプラズマ処理から低窒素ドーズ量のプラズマ処理工程へ移行する際のメモリ効果による窒素ドーズ量の変化を示す説明図である。 高窒素ドーズ量のプラズマ処理から低窒素ドーズ量のプラズマ処理工程へ移行する間に、プラズマシーズニング処理を実施した場合の窒素ドーズ量の変化を示す説明図である。 処理容器内で窒化処理を行っている場合における処理容器1内の窒素と酸素の量の時間変化を示す説明図である。 安定窒素ドーズ量のダミーウエハ依存(基板依存)の実験結果の一例を示す図である。 プラズマシーズニング処理における圧力条件を変えた実験結果の一例を示す図である。 プラズマシーズニング処理における処理ガスの総流量を変えた実験結果の一例を示す図である。 プラズマシーズニング処理におけるOガスの体積流量比率を変えた実験結果の一例を示す図である。
以下、本発明の一実施の形態にかかるプラズマ窒化処理方法について図面を参照して詳細に説明する。
<プラズマ窒化処理装置>
まず、図1〜3を参照しながら、本発明のプラズマ窒化処理方法に利用可能なプラズマ窒化処理装置の構成について説明する。図1はプラズマ窒化処理装置100の概略構成を模式的に示す断面図である。また、図2は、図1のプラズマ窒化処理装置100の平面アンテナを示す平面図であり、図3はプラズマ窒化処理装置100の制御系統の構成を説明する図面である。
プラズマ窒化処理装置100は、複数のスロット状の孔を有する平面アンテナ、特にRLSA(Radial Line Slot Antenna;ラジアルラインスロットアンテナ)にて処理容器内にマイクロ波を導入し、処理容器内で高密度かつ低電子温度のマイクロ波励起プラズマを発生させ得るRLSAマイクロ波プラズマ処理装置として構成されている。プラズマ窒化処理装置100では、例えば1×1010〜5×1012/cmのプラズマ密度で、かつ0.7〜2eVの低電子温度を有するプラズマによる処理が可能である。従って、プラズマ窒化処理装置100は、各種半導体装置の製造過程において、窒化珪素膜(SiN膜)等の窒化膜を形成する目的で好適に利用できる。
プラズマ窒化処理装置100は、主要な構成として、被処理体である半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」と記す)Wを収容する処理容器1と、処理容器1内でウエハWを載置する載置台2と、処理容器1内にガスを導入するガス導入部15に接続されたガス供給装置18と、処理容器1内を減圧排気するための排気装置24と、処理容器1の上部に設けられ、処理容器1内にマイクロ波を導入してプラズマを生成するプラズマ生成手段としてのマイクロ波導入装置27と、これらプラズマ窒化処理装置100の各構成部を制御する制御部50と、を備えている。なお、被処理体(ウエハW)というときは、その表面に成膜された各種薄膜、例えばポリシリコン層や、二酸化珪素膜等も含む意味で用いる。また、ガス供給装置18は、プラズマ窒化処理装置100の構成部分には含めずに、外部のガス供給装置をガス導入部15に接続して使用する構成としてもよい。
処理容器1は、接地された略円筒状の容器により形成されている。なお、処理容器1は角筒形状の容器により形成してもよい。処理容器1は、上部が開口しており、アルミニウム等の材質からなる底壁1aと側壁1bとを有している。
処理容器1の内部には、被処理体であるウエハWを水平に載置するための載置台2が設けられている。載置台2は、例えばAlN、Al等のセラミックスにより構成されている。その中でも特に熱伝導性の高い材質例えばAlNが好ましく用いられる。この載置台2は、排気室11の底部中央から上方に延びる円筒状の支持部材3により支持されている。支持部材3は、例えばAlN等のセラミックスにより構成されている。
また、載置台2には、その外縁部または全面をカバーし、かつウエハWをガイドするためのカバー部材4が設けられている。このカバー部材4は、環状に形成され、載置台2の載置面及び/または側面をカバーしている。カバー部材4によって、載置台2とプラズマの接触を遮断し、載置台2がスパッタリングされることを防止して、ウエハWへの不純物の混入防止を図ることができる。カバー部材4は、例えば石英、単結晶シリコン、ポリシリコン、アモルファスシリコン、窒化珪素等の材質で構成され、これらの中でもプラズマとの相性がよい石英がもっとも好ましい。また、カバー部材4を構成する前記材質は、アルカリ金属、金属などの不純物の含有量が少ない高純度のものが好ましい。
また、載置台2には、抵抗加熱型のヒータ5が埋め込まれている。このヒータ5は、ヒータ電源5aから給電されることにより載置台2を加熱して、その熱で被処理体であるウエハWを均一に加熱する。
また、載置台2には、熱電対(TC)6が配備されている。この熱電対6によって温度計測を行うことにより、ウエハWの加熱温度を例えば室温から900℃までの範囲で制御可能になっている。
また、載置台2には、ウエハWを処理容器1内に搬入する際にウエハWの受け渡しに用いるウエハ支持ピン(図示せず)が設けられている。各ウエハ支持ピンは、載置台2の表面に対して突没可能に設けられている。
処理容器1の内周には、石英からなる円筒状のライナー7が設けられている。また、載置台2の外周側には、処理容器1内で均一な排気を実現するため、多数の排気孔8aを有する石英製のバッフルプレート8が環状に設けられている。このバッフルプレート8は、複数の支柱9により支持されている。
処理容器1の底壁1aの略中央部には、円形の開口部10が形成されている。底壁1aにはこの開口部10と連通し、下方に向けて突出する排気室11が設けられている。この排気室11には、排気管12が接続されており、この排気管12は排気装置24に接続されている。このようにして、処理容器1内を真空排気できるように構成されている。
開口した処理容器1の上部には、処理容器1を開閉する機能(Lid機能)を有する枠状のプレート13が配置されている。プレート13の内周は、内側(処理容器内空間)へ向けて突出し、環状の支持部13aを形成している。このプレート13と処理容器1との間は、シール部材14を介して気密にシールされている。
処理容器1の側壁1bには、プラズマ窒化処理装置100と、これに隣接する搬送室(図示せず)との間で、ウエハWの搬入出を行うための搬入出口16と、この搬入出口16を開閉するゲートバルブ17とが設けられている。
また、処理容器1の側壁1bには、環状をなすガス導入部15が設けられている。このガス導入部15は、プラズマ励起用ガスや窒素ガスを供給するガス供給装置18に接続されている。なお、ガス導入部15はノズル状またはシャワー状に設けてもよい。
ガス供給装置18は、ガス供給源と、配管(例えば、ガスライン20a、20b、20c、20d)と、流量制御装置(例えば、マスフローコントローラ21a、21b、20c)と、バルブ(例えば、開閉バルブ22a、22b、22c)とを有している。ガス供給源としては、例えば希ガス供給源19a、窒素ガス供給源19b、及び酸素ガス供給源19cを有している。なお、ガス供給装置18は、上記以外の図示しないガス供給源として、例えば処理容器1内雰囲気を置換する際に用いるパージガス供給源等を有していてもよい。
希ガス供給源19aから供給される希ガスとしては、例えば希ガスを用いることができる。希ガスとしては、例えばArガス、Krガス、Xeガス、Heガスなどを用いることができる。これらの中でも、経済性に優れている点でArガスを用いることが特に好ましい。図1では代表的にArガスを図示した。
希ガス、窒素ガス及び酸素ガスは、ガス供給装置18の希ガス供給源19a、窒素ガス供給源19b、酸素ガス供給源19cから、それぞれガスライン(配管)20a,20b,20cを介して供給される。ガスライン20a,20b,20cは、ガスライン20dにおいて合流し、このガスライン20dに接続されたガス導入部15から処理容器1内に導入される。各ガス供給源に接続する各々のガスライン20a,20b,20cには、それぞれマスフローコントローラ21a,21b,21cおよびその前後に配備された一組の開閉バルブ22a,22b,22cが設けられている。このようなガス供給装置18の構成により、供給されるガスの切替えや流量等の制御が出来るようになっている。
排気装置24は、例えばターボ分子ポンプなどの高速真空ポンプを備えている。前記のように、排気装置24は、排気管12を介して処理容器1の排気室11に接続されている。処理容器1内のガスは、排気室11の空間11a内へ均一に流れ、排気装置24を作動させることにより、さらに空間11aから排気管12を介して外部へ排気される。これにより、処理容器1内を所定の真空度、例えば0.133Paまで高速に減圧することが可能となっている。
次に、マイクロ波導入装置27の構成について説明する。マイクロ波導入装置27は、主要な構成として、透過板28、平面アンテナ31、遅波材33、カバー部材34、導波管37、マッチング回路38およびマイクロ波発生装置39を備えている。マイクロ波導入装置27は、処理容器1内に電磁波(マイクロ波)を導入してプラズマを生成させるプラズマ生成手段である。
マイクロ波を透過させる機能を有する透過板28は、プレート13において内周側に突出した支持部13a上に配備されている。透過板28は、誘電体、例えば石英等の材質で構成されている。この透過板28と支持部13aとの間は、Oリング等のシール部材29を介して気密にシールされている。したがって、処理容器1内は気密に保持される。
平面アンテナ31は、透過板28の上方(処理容器1の外側)において、載置台2と対向するように設けられている。平面アンテナ31は、円板状をなしている。なお、平面アンテナ31の形状は、円板状に限らず、例えば四角板状でもよい。この平面アンテナ31は、プレート13の上端に係止されている。
平面アンテナ31は、例えば表面が金または銀メッキされた銅板、アルミニウム板、ニッケル板およびそれらの合金などの導電性部材で構成されている。平面アンテナ31は、マイクロ波を放射する多数のスロット状のマイクロ波放射孔32を有している。マイクロ波放射孔32は、所定のパターンで平面アンテナ31を貫通して形成されている。
個々のマイクロ波放射孔32は、例えば図2に示すように、スロット状(細長い長方形状)をなしている。そして、典型的には隣接するマイクロ波放射孔32が「L」字状に配置されている。また、このように所定の形状(例えばL字状)に組み合わせて配置されたマイクロ波放射孔32は、さらに全体として同心円状に配置されている。マイクロ波放射孔32の長さや配列間隔は、導波管37内のマイクロ波の波長(λg)に応じて決定される。例えば、マイクロ波放射孔32の間隔は、λg/4〜λgとなるように配置される。図2においては、同心円状に形成された隣接するマイクロ波放射孔32どうしの間隔をΔrで示している。なお、マイクロ波放射孔32の形状は、円形状、円弧状等の他の形状であってもよい。さらに、マイクロ波放射孔32の配置形態は特に限定されず、同心円状のほか、例えば、螺旋状、放射状等に配置することもできる。
平面アンテナ31の上面(平面アンテナ31とカバー部材34との間に形成される偏平導波路)には、真空よりも大きい誘電率を有する遅波材33が設けられている。この遅波材33は、真空中ではマイクロ波の波長が長くなることから、マイクロ波の波長を短くしてプラズマを効率よく生成させる調整機能を有している。遅波材33の材質としては、例えば石英、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリイミド樹脂などを用いることができる。なお、平面アンテナ31と透過板28との間、また、遅波材33と平面アンテナ31との間は、それぞれ接触させても離間させてもよいが、接触させることが好ましい。
処理容器1の上部には、これら平面アンテナ31および遅波材33を覆うように、カバー部材34が設けられている。カバー部材34は、例えばアルミニウムやステンレス鋼等の金属材料によって構成されている。カバー部材34と平面アンテナ31によって、偏平導波路が形成され、マイクロ波を処理容器1内に均一に伝播されるようになっている。プレート13の上端とカバー部材34とは、シール部材35によりシールされている。また、カバー部材34の壁体の内部には、冷却水流路34aが形成されている。この冷却水流路34aに冷却水を通流させることにより、カバー部材34、遅波材33、平面アンテナ31および透過板28を冷却できるようになっている。なお、カバー部材34は接地されている。
カバー部材34の上壁(天井部)の中央には、開口部36が形成されており、この開口部36には導波管37が接続されている。導波管37の他端側には、マッチング回路38を介してマイクロ波を発生するマイクロ波発生装置39が接続されている。
導波管37は、上記カバー部材34の開口部36から上方へ延出する断面円形状の同軸導波管37aと、この同軸導波管37aの上端部にモード変換器40を介して接続された水平方向に延びる矩形導波管37bとを有している。モード変換器40は、矩形導波管37b内をTEモードで伝播するマイクロ波をTEMモードに変換する機能を有している。
同軸導波管37aの中心には内導体41が延在している。この内導体41は、その下端部において平面アンテナ31の中心に接続固定されている。このような構造により、マイクロ波は、同軸導波管37aの内導体41を介して平面アンテナ31とカバー部材34とにより形成される偏平導波路へ放射状に効率よく均一に伝播される。
以上のような構成のマイクロ波導入装置27により、マイクロ波発生装置39で発生したマイクロ波が導波管37を介して平面アンテナ31へ伝播され、さらにマイクロ波放射孔32(スロット)から透過板28を介して処理容器1内に導入されるようになっている。なお、マイクロ波の周波数としては、例えば2.45GHzが好ましく用いられ、他に8.35GHz、1.98GHz等を用いることもできる。
プラズマ窒化処理装置100の各構成部は、制御部50に接続されて制御される構成となっている。
制御部50は、典型的にはコンピュータであり、例えば図3に示したように、CPUを備えたプロセスコントローラ51と、このプロセスコントローラ51に接続されたユーザーインターフェース52及び記憶部53を備えている。プロセスコントローラ51は、プラズマ窒化処理装置100において、例えば温度、圧力、ガス流量、マイクロ波出力などの処理条件に関係する各構成部(例えば、ヒータ電源5a、ガス供給装置18、排気装置24、マイクロ波発生装置39など)を統括して制御する制御手段である。
ユーザーインターフェース52は、工程管理者がプラズマ窒化処理装置100を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや、プラズマ窒化処理装置100の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等を有している。また、記憶部53には、プラズマ窒化処理装置100で実行される各種処理をプロセスコントローラ51の制御にて実現するための制御プログラム(ソフトウェア)や処理条件データ等が記録されたレシピなどが保存されている。
そして、必要に応じて、ユーザーインターフェース52からの指示等にて任意のレシピを記憶部53から呼び出してプロセスコントローラ51に実行させることで、プロセスコントローラ51による制御のもとでプラズマ窒化処理装置100の処理容器1内で所望の処理が行われる。また、前記制御プログラムや処理条件データ等のレシピは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体、例えばCD−ROM、ハードディスク、フレキシブルディスク、フラッシュメモリ、DVD、ブルーレイディスクなどに格納された状態のものを利用できる。さらに、前記レシピを他の装置から例えば専用回線を介して伝送させて利用することも可能である。
このように構成されたプラズマ窒化処理装置100では、例えば25℃(室温程度)以上600℃以下の低温でウエハWへのダメージフリーなプラズマ処理を行うことができる。また、プラズマ窒化処理装置100は、プラズマの均一性に優れていることから、大口径のウエハWに対してもプロセスの均一性を実現できる。
次に、RLSA方式のプラズマ窒化処理装置100を用いて1枚のウエハWに対し行われるプラズマ窒化処理の手順の一例について説明する。この手順は、プロセス条件が異なる点を除き、高窒素ドーズ量のプロセスでも低窒素ドーズ量のプロセスでも同様である。まず、ゲートバルブ17を開にして搬入出口16からウエハWを処理容器1内に搬入し、載置台2上に載置する。次に、処理容器1内を均一に減圧排気しながら、ガス供給装置18の希ガス供給源19aおよび窒素ガス供給源19bから、希ガスおよび窒素ガスを所定の流量でそれぞれガス導入部15を介して処理容器1内に均一に導入する。このようにして、処理容器1内を所定の圧力に調節する。
次に、マイクロ波発生装置39で発生させた所定周波数例えば2.45GHzのマイクロ波を、マッチング回路38を介して導波管37に導く。導波管37に導かれたマイクロ波は、矩形導波管37bおよび同軸導波管37aを順次通過し、内導体41を介して平面アンテナ31に供給される。マイクロ波は、矩形導波管37b内ではTEモードで伝播し、このTEモードのマイクロ波はモード変換器40でTEMモードに変換されて、同軸導波管37a内を平面アンテナ31に向けて伝播されていく。そして、マイクロ波は、平面アンテナ31に貫通形成されたスロット状のマイクロ波放射孔32から透過板28を介して処理容器1内においてウエハWの上方空間に放射される。
平面アンテナ31から透過板28を経て処理容器1内に放射されたマイクロ波により、処理容器1内で電磁界が形成され、希ガスおよび窒素ガス等の処理ガスがプラズマ化する。このようにして生成するマイクロ波励起プラズマは、マイクロ波が平面アンテナ31の多数のマイクロ波放射孔32から放射されることにより、略1×1010〜5×1012/cmの高密度で、かつウエハW近傍では、略1.2eV以下の低電子温度プラズマとなる。
プラズマ窒化処理装置100で実施されるプラズマ窒化処理の条件は、制御部50の記憶部53にレシピとして保存しておくことができる。そして、プロセスコントローラ51がそのレシピを読み出してプラズマ窒化処理装置100の各構成部、例えばガス供給装置18、排気装置24、マイクロ波発生装置39、ヒータ電源5aなどへ制御信号を送出することにより、所望の条件でのプラズマ窒化処理が実現する。
<プラズマ窒化処理方法の手順>
次に、本実施の形態のプラズマ窒化処理方法の手順について、図面を参照しながら説明する。図4は、本実施の形態のプラズマ窒化処理方法の全体的な工程手順を示している。図4に示すように、プラズマ窒化処理方法は、第1の窒化処理工程と、第1の窒化処理工程の後で行われるプラズマシーズニング工程と、第1の窒化処理工程とは異なる種類のプラズマ窒化処理を行なう第2の窒化処理工程とを、有している。より具体的には、第1の窒化処理工程は、プラズマ窒化処理装置100の処理容器1に窒素ガスを含む処理ガスを導入し、第1のプラズマ生成条件で窒素含有プラズマを生成させ、ウエハWを窒化処理することを、ウエハWを交換しながら繰り返す工程である。また、プラズマシーズニング工程は、第1の窒化処理工程の後に行われる工程であり、微量の酸素を添加した窒素含有プラズマ(微量酸素添加窒素プラズマ)によって、第1の窒化処理工程後の処理容器1内の残留酸素量及び残留窒素量を調整する工程である。また、第2の窒化処理工程は、プラズマシーズニング工程の後で、処理容器1内に窒素ガスを含む処理ガスを導入し、第2のプラズマ生成条件で窒素プラズマを生成させ、ウエハWを窒化処理することを、ウエハWを交換しながら繰り返す工程である。
第1の窒化処理工程と第2の窒化処理工程は、いずれもプラズマ窒化処理を行う点で共通するが、例えば各工程で目標とする窒化力(ウエハW上の薄膜を窒化する能力)の程度によって、第1の窒化処理工程と第2の窒化処理工程におけるプラズマ窒化処理の内容を区別することができる。具体的には、第1の窒化処理工程のプラズマ窒化処理は、第1のプラズマ生成条件で窒素プラズマを生成させ、ウエハWに対して処理を行なうものであり、第2の窒化処理工程でのプラズマ窒化処理は、第1の窒化処理工程のプラズマ窒化処理よりもウエハWへの窒素ドーズ量が小さくなる第2のプラズマ生成条件で窒素プラズマを生成させウエハWに対してプラズマ窒化処理を行なう工程である。
本実施の形態において、「高窒素ドーズ量」、「低窒素ドーズ量」は、相対的な意味で用いる。第1の窒化処理工程におけるウエハWへの窒素ドーズ量の目標値は、例えば10×1015atoms/cm以上50×1015atoms/cm以下、好ましくは15×1015atoms/cm以上30×1015atoms/cm以下とすることができる。第2の窒化処理工程におけるウエハWへの窒素ドーズ量の目標値は、例えば1×1015atoms/cm以上10×1015atoms/cm未満、好ましくは5×1015atoms/cm以上9×1015atoms/cm以下とすることができる。この場合、第2のプラズマ生成条件は、第1のプラズマ生成条件よりも窒化力の弱いプラズマ生成条件と言うことができる。なお、プラズマ窒化処理におけるウエハWへの窒素ドーズ量は、例えばマイクロ波パワー、処理ガスの流量、処理圧力などの条件を調節することにより、上記範囲内にすることが可能である。
本実施の形態において、高窒素ドーズ量のプロセス条件及び低窒素ドーズ量のプロセス条件は、それぞれ以下のように例示できる。
<高窒素ドーズ量のプロセス条件>
処理圧力;20Pa
Arガス流量;48mL/min(sccm)
ガス流量;32mL/min(sccm)
マイクロ波の周波数:2.45GHz
マイクロ波パワー:2000W(パワー密度2.8W/cm
処理温度:500℃
処理時間:110秒
ウエハ径:300mm
<低窒素ドーズ量のプロセス条件>
処理圧力;20Pa
Arガス流量;456mL/min(sccm)
ガス流量;24mL/min(sccm)
マイクロ波の周波数:2.45GHz
マイクロ波パワー:1000W(パワー密度1.4W/cm
処理温度:500℃
処理時間:5秒
ウエハ径:300mm
本実施の形態のプラズマ窒化処理方法では、第1の窒化処理工程である高窒素ドーズ量のプラズマ処理工程から第2の窒化処理工程である低窒素ドーズ量のプラズマ処理工程へ移行する間に、図4に示すように、プラズマシーズニング工程を実行する。このプラズマシーズニング工程は、処理容器1内で、微量の酸素を加えた窒素プラズマを生成させて、処理容器1内の酸素及び窒素の量を調節する目的で行われる。
<プラズマシーズニングの手順>
ここで、プラズマ窒化処理装置100におけるプラズマシーズニング工程の手順について説明する。まず、ゲートバルブ17を開にして搬入出口16からダミーウエハを処理容器1内に搬入し、載置台2上に載置する。なお、ダミーウエハは使用しなくてもよい。次に、処理容器1内を減圧排気しながら、ガス供給装置18の希ガス供給源19a、窒素ガス供給源19b及び酸素ガス供給源19cから、希ガス、窒素ガス及び酸素ガスを所定の流量でそれぞれガス導入部15を介して処理容器1内に導入する。このようにして、処理容器1内を所定の圧力に調節する。
次に、マイクロ波発生装置39で発生させた所定周波数例えば2.45GHzのマイクロ波を、マッチング回路38を介して導波管37に導く。導波管37に導かれたマイクロ波は、矩形導波管37bおよび同軸導波管37aを順次通過し、内導体41を介して平面アンテナ31に供給される。マイクロ波は、矩形導波管37b内ではTEモードで伝播し、このTEモードのマイクロ波はモード変換器40でTEMモードに変換されて、同軸導波管37a内を平面アンテナ31に向けて伝播されていく。そして、マイクロ波は、平面アンテナ31に貫通形成されたスロット状のマイクロ波放射孔32から透過板28を介して処理容器1内においてウエハWの上方空間に放射される。
平面アンテナ31から透過板28を経て処理容器1内に放射されたマイクロ波により、処理容器1内で電磁界が形成され、希ガス、窒素ガス及び酸素ガスがプラズマ化する。このようにして生成するマイクロ波励起プラズマは、マイクロ波が平面アンテナ31の多数のマイクロ波放射孔32から放射されることにより、略1×1010〜5×1012/cmの高密度で、かつウエハW近傍では、略1.2eV以下の均一な低電子温度プラズマとなる。
<プラズマシーズニングの条件>
プラズマ窒化処理装置100において行なわれるプラズマシーズニングの好ましい条件は、以下のとおりである。
[処理ガス]
プラズマシーズニング工程における処理ガスとしては、NガスとOガスと、希ガスとしてArガスを使用することが好ましい。このとき、全処理ガス中に含まれるNガスの流量比率(体積比率)は、極力N雰囲気を緩和させる観点から、例えば2%以上8%以下の範囲内が好ましく、4%以上6%以下の範囲内がより好ましい。また、全処理ガス中に含まれるOガスの流量比率(体積比率)は、マイルドなO雰囲気を作る観点から、例えば1.5%以上5%以下の範囲内が好ましく、1.5%以上2.5%以下の範囲内がより好ましい。また、処理ガス中に含まれるNガスとOガスとの流量比(Nガス:Oガス;体積比)は、N雰囲気を残したままO雰囲気を混在させる観点から、例えば1.5:1以上4:1以下の範囲内が好ましく、2:1以上3:1以下の範囲内がより好ましい。
例えば300mm径のウエハWを処理する場合には、Arガスの流量は100mL/min(sccm)以上500mL/min(sccm)以下の範囲内、Nガスの流量は4mL/min(sccm)以上20mL/min(sccm)以下の範囲内、Oガスの流量は2mL/min(sccm)以上10mL/min(sccm)以下の範囲内から、それぞれ上記流量比になるように設定することができる。
[処理圧力]
プラズマシーズニング工程における処理圧力は、ラジカルが主体のプラズマを生成させるとともに、制御性を高める観点から、532Pa以上833Pa以下の範囲内が好ましく、532Pa以上667Pa以下の範囲内がより好ましい。処理圧力が532Pa未満では、酸素ラジカルが主体になりすぎ、N雰囲気が消えてしまう。
[処理時間]
プラズマシーズニング工程における処理時間は、例えば4秒以上6秒以下に設定することが好ましく、4.5秒以上5.5秒以下に設定することがより好ましい。処理容器1内における酸素量の調節効果はある程度の時間までは処理時間に比例して大きくなるが、処理時間が長くなりすぎると頭打ちになり、全体のスループットが低下する。従って、所望の酸素量調節効果が得られる範囲で、出来るだけ処理時間を短く設定することが好ましい。
[マイクロ波パワー]
プラズマシーズニング工程におけるマイクロ波のパワーは、安定かつ均一に窒素プラズマを生成させるとともに、出来るだけマイルドなプラズマを生成する観点から、パワー密度として、ウエハWの面積1cm当り1.4W以上1.7W以下の範囲内とすることが好ましい。従って、300mm径のウエハWを用いる場合、マイクロ波パワーとしては、1000W以上1200W以下の範囲内とすることが好ましく、1050W以上1150W以下の範囲内とすることがより好ましい。
[処理温度]
処理温度(ダミーウエハの加熱温度)は、載置台2の温度として、例えば室温(25℃程度)以上600℃以下の範囲内とすることが好ましく、200℃以上500℃以下の範囲内に設定することがより好ましく、400℃以上500℃以下の範囲内に設定することが望ましい。
プラズマ窒化処理装置100で実施される微量酸素添加窒素プラズマによるプラズマシーズニング工程の条件は、制御部50の記憶部53にレシピとして保存しておくことができる。そして、プロセスコントローラ51がそのレシピを読み出してプラズマ窒化処理装置100の各構成部、例えばガス供給装置18、排気装置24、マイクロ波発生装置39、ヒータ電源5aなどへ制御信号を送出することにより、所望の条件でのプラズマシーズニング処理が実現する。
次に、本発明の基礎となった実験結果について説明する。図5は、第1の窒化処理工程である高窒素ドーズ量のプラズマ処理工程から第2の窒化処理工程である低窒素ドーズ量のプラズマ処理工程へ移行する間に、プラズマシーズニング工程を実施しない場合の窒素ドーズ量の変化の一例を示す説明図である。図5では、横軸に時間、縦軸に窒素ドーズ量[×1015atoms/cm]を取っている。この場合、高窒素ドーズ量のプラズマ処理における窒素ドーズ量の基準は、例えば20×1015atoms/cm以上に設定されている。低窒素ドーズ量のプラズマ処理における窒素ドーズ量の基準は、例えば9×1015atoms/cm以下に設定されている。図5に示すように、高窒素ドーズ量のプラズマ処理から低窒素ドーズ量のプラズマ処理に移行した後も、ダミーウエハD1〜D3は窒素ドーズ量の基準を外れており、所望の低窒素ドーズ量(図5では、例えば、8×1015atoms/cm)が安定して得られるまで、かなり時間がかかっていることがわかる。つまり、図5から、前段の工程である高窒素ドーズ量のプラズマ処理の雰囲気(窒素イオンなど)を引きずる、いわゆるメモリ効果が生じていることがわかる。
図6は、本発明の特徴である、前記第1の窒化処理工程である高窒素ドーズ量のプラズマ処理工程の終了後、第2の窒化処理工程である低窒素ドーズ量のプラズマ処理工程へ移行する前に、微量酸素添加窒素プラズマにより処理容器1内でプラズマシーズニングを実施した場合の窒素ドーズ量の変化の一例を示す説明図である。
図6では、図5と同様に、横軸に時間、縦軸に、窒素ドーズ量[×1015atoms/cm]を取っている。図6では、低窒素ドーズ量のプラズマ処理の開始直後から、低窒素ドーズ量のプラズマ処理における基準である9×1015atoms/cm以下の窒素ドーズ量が安定して得られている。図5と図6を比較すると明らかであるが、本実施の形態のプラズマシーズニング処理を行うことにより、高窒素ドーズ量のプラズマ処理から低窒素ドーズ量のプラズマ処理に移行した場合に、低窒素ドーズ量のプラズマ処理の開始直後に、所望の低窒素ドーズ量(図6では、例えば、8×1015atoms/cm)に短時間で落ち着いている。そのため、本実施の形態のプラズマ窒化方法によれば、プラズマシーズニング工程を含むことにより、メモリ効果が排除されて第2の窒化処理工程である低窒素ドーズ量のプラズマ窒化処理において、迅速に所望の処理を実現できることがわかる。
図7は、処理容器1内で複数のウエハWに対して高窒素ドーズ量のプラズマ窒化処理を行う場合における処理容器1内の窒素量と酸素量の時間変化を示す説明図である。処理容器1内では、例えば石英製のパーツが多用されているが、プラズマ窒化処理によって石英の表面が窒化されてSiN膜が形成されたり、被処理体上の酸素含有膜(例えば二酸化珪素膜)から放出される酸素が多いプロセスでは、プラズマ窒化処理を繰返す間に石英表面のSiN膜がさらに薄く酸化されてSiON膜が形成されたりする。このように、プラズマ窒化処理を行う処理容器1内では、存在する窒素量と酸素量がプラズマ窒化処理の条件によって変動する。図7では、横軸に時間、縦軸に処理容器1内の雰囲気における窒素と酸素の量を取り、上記のような処理容器1内の窒素量と酸素量の変動を示している。図7において、曲線61は処理容器1内に存在している酸素の量を、曲線62は処理容器1内に存在する窒素の量を、それぞれ示している。
図7において、時点tから時点tまで、処理容器1内で複数のウエハWに対して順次高窒素ドーズ量のプラズマ窒化処理を行った場合、曲線61から明らかなように、処理容器1内の酸素量は時間と共に減少していく(点A→点B)。これは、ウエハW上の酸素含有膜から脱離される酸素も増えるが、高窒素ドーズ量のプロセスであるため、それ以上に処理容器1内から排出される酸素が多いためである。これに対し、処理容器1内の窒素量は、高窒素ドーズ量のプロセスであるため、曲線62に示すように、プラズマ窒化処理の間、処理容器1内で徐々に増加していく(点C→点D)。そして、時点tは、処理容器1内の窒素量が多く(D)、酸素量が少ない(B)が、窒素量と酸素量の両者のバランスが安定した状態であり、高窒素ドーズ量のプラズマ処理を安定して行う上で好ましいコンディションであると言える。
ここで、処理容器1内で低窒素ドーズ量のプラズマ処理を安定して行うために好ましいコンディションが、処理容器1内の窒素量が少なく(C)、酸素量が多い(A)状態であると仮定する。そうすると、仮に時点tで高窒素ドーズ量の処理を終了し、低窒素ドーズ量の処理に移行した場合、処理容器1内は窒素量が多く(D)、かつ酸素量が少ない(B)状態であるため、低窒素ドーズ量の処理を安定して行う状態が整っていないことになる。従って、少なくとも、処理容器1内の酸素量が(B)から(A)の位置に、また、処理容器1内の窒素量が(D)から(C)の位置に、それぞれ達するまでは、低窒素ドーズ量のプラズマ窒化処理が安定しない(上記メモリ効果)。そこで、本実施の形態では、酸素量が少ない(B)の状態から、酸素量が多い(A)の状態に戻すため、また、窒素量が多い(D)の状態から窒素量が少ない(C)の状態に戻すため、微量酸素添加窒素プラズマによるプラズマシーズニングを行い、処理容器1内の酸素量を(A)の状態、窒素量を(C)の状態まで近付けるように制御する。
つまり、本実施の形態では、処理容器1内の酸素量が少ない状態(B)及び窒素量が多い状態(D)のときに安定したプロセスが可能な高窒素ドーズ量のプラズマ窒化処理工程から、処理容器1内の酸素量が多い状態(A)及び窒素量が少ない状態(C)のときに安定したプロセスが可能な低窒素ドーズ量のプラズマ窒化処理へ移行する間に、微量の酸素を添加した窒素プラズマを用いてプラズマシーズニング処理を行う。これにより、処理容器1内における酸素量を、図7における破線63に示すように、酸素量が少ない(B)の状態から、酸素量が多い(A)の状態に戻すとともに、破線64に示すように、窒素量が多い(D)の状態から、窒素量が少ない(C)の状態に戻すようにしたものである(ここでは、時間は無関係に酸素量、窒素量の変化について述べている)。
このように、本実施の形態のプラズマ処理方法は、前工程である高窒素ドーズ量のプラズマ窒化処理工程の終了時点の処理容器1内のコンディションから、窒素を完全に除去することなく一定量を残しながら、処理容器1内の酸素量及び窒素量を後工程である低窒素ドーズ量のプラズマ窒化処理工程に適合させることを目的としている。そして、この目的のため、微量酸素添加窒素プラズマを用いて処理容器1内のプラズマシーズニング処理を行うようにしたので、前工程から後工程への移行を速やかに完了させることができ、前工程からのメモリ効果が抑制され、スループットを向上させることができる。なお、背景技術の欄に記載した国際公開第2008/146805号等に記載の従来の発明では、プラズマ窒化処理工程を行う前に、2種のプラズマ処理によって、処理容器1内の雰囲気を強制的にリセットしている。すなわち、国際公開第2008/146805号の方法は、酸素プラズマ処理によって処理容器1内に酸素を強制的に入れ、処理容器1内から窒素を完全に追い出した後、窒素プラズマ処理によって、処理容器1内の窒素量と酸素量を酸化膜の窒化処理雰囲気レベルに調節している点で、本発明とは異なっている。本実施の形態のプラズマ処理方法では、1回のプラズマシーズニング処理で、上記従来技術と同等以上の効果を実現できる点で有利である。
次に、安定窒素ドーズ量のダミーウエハ依存(基板依存)性の実験結果の一例について説明する。図8は、プラズマ窒化処理装置100と同様の構成のプラズマ窒化処理装置における安定窒素ドーズ量の基板依存性(ダミーウエハ依存性)の実験結果の一例を示す図である。本実施の形態では、間隔をおいてモニタを実施する間に処理するダミーウエハとして、シリコンからなるSiダミーウエハと、二酸化珪素膜を有するSiOダミーウエハを使用して実験を行った。図8では、横軸にウエハ番号をとり、縦軸に、窒素ドーズ量[×1015atoms/cm]を取っている。
この実験におけるプラズマ窒化処理条件は、以下のとおりである。
<プラズマ窒化処理条件>
処理圧力;20Pa
Arガス流量;228mL/min(sccm)
ガス流量;12mL/min(sccm)
ガス流量;0mL/min(sccm)
マイクロ波の周波数:2.45GHz
マイクロ波パワー:1100W(パワー密度1.6W/cm
処理温度:500℃
処理時間:20秒
ウエハ径:300mm
図8から、モニタ間のダミーウエハがSiダミーウエハの場合、窒素ドーズ量がウエハ番号1で9.76×[1015atoms/cm]、ウエハ番号6で、9.74×[1015atoms/cm]、ウエハ番号15で、9.76×[1015atoms/cm]となっている。このように、モニタ間にSiダミーウエハを使用した場合の窒素ドーズ量は、約9.7×1015atoms/cm台の値で安定している。一方、二酸化珪素膜を有するSiOダミーウエハの場合には、窒素ドーズ量が、ウエハ番号1で7.70×1015atoms/cm、ウエハ番号2で7.63×1015atoms/cm、ウエハ番号3で7.67×1015atoms/cm、ウエハ番号4で7.65×1015atoms/cm、ウエハ番号5で7.68×1015atoms/cm、ウエハ番号6で7.77×1015atoms/cm、ウエハ番号10で7.65×1015atoms/cm、ウエハ番号15で7.59×1015atoms/cm、ウエハ番号(wafer No.)20で7.59×1015atoms/cm、ウエハ番号(wafer No.)25で7.70×1015atoms/cmとなっている。このように、モニタ間にSiOダミーウエハを使用した場合、窒素ドーズ量は、約7.6〜7.8×1015atoms/cmの範囲の値であり、Siダミーウエハ使用時より低い値で安定している。
図8に示す2種類のダミーウエハでの実験から、窒素ドーズ量は、モニタ間のダミーウエハの基板の素材に依存することがわかる。すなわち、ウエハW上につけた膜種によって処理容器1の雰囲気が変化していることがわかる。これは、酸化膜を用いた場合、酸化膜からの酸素の放出により処理容器1内は、酸素が多く、窒素が少ない状態でバランスが取れている。それに比べて、シリコンの場合は、酸素の放出がないので、酸素が少なく、窒素が多い状態でバランスが取れているものと考えられる。
次に、プラズマシーズニングにおける圧力/流量依存性の実験結果の一例について説明する。図9〜図11は、微量酸素添加窒素プラズマによるプラズマシーズニング条件の実験結果を示す図である。ここでは、プラズマ窒化処理装置100と同様の構成のプラズマ窒化処理装置を用い、高窒素ドーズ量のプラズマ窒化処理を行った後、下記の条件の微量酸素添加プラズマでプラズマシーズニングを実施した。その後、窒素ドーズ量の目標値が7×1015atoms/cmの低窒素ドーズ量のプラズマ窒化処理を行った。プラズマシーズニングでは、そのプロセス条件によって処理容器1内の雰囲気が変化するので、低窒素ドーズ量のプラズマ窒化処理における窒素ドーズ量が目標値とどの程度近いか(離れているか)を評価することによって、プラズマシーズニングの最適なプロセス条件範囲を検証した。ウエハWとしては、表面にSiO膜が形成されたものを使用した。なお、図9〜図11の縦軸は、窒素ドーズ量の目標値[7×1015atoms/cm]をゼロ(0)とした場合の差分(×1015atoms/cm)を示している。なお、許容されるスペックの範囲(窒素ドーズ量変化量)は、目標値(7×1015atoms/cm)±1×1015atoms/cmである。
図9は、微量酸素添加窒素プラズマによるプラズマシーズニング条件として、処理容器1内の圧力を変えて検討を行った結果を示している。この実験では、下記のプラズマシーズニング条件Aで、処理圧力を変化させた。
<プラズマシーズニング条件A>
処理圧力;20Pa、127Pa又は667Pa
Arガス流量;228mL/min(sccm)
ガス流量;12mL/min(sccm)
ガス流量;5mL/min(sccm)
ガスの体積流量比率(O/総流量);2%
処理ガスの総流量:245mL/min(sccm)
マイクロ波の周波数:2.45GHz
マイクロ波パワー:1100W(パワー密度1.6W/cm
処理温度:500℃
処理時間:5秒
ウエハ径:300mm
図9から、処理圧力は、532Pa以上が好ましく、例えば、532Pa以上667Paで窒素ドーズ量の変化量が小さく安定した窒素ドーズ量の良好な結果が得られているが、さらに667Paより高い圧力(例えば833Pa)でもよいことが確認された。
図10は、微量酸素添加窒素プラズマによるプラズマシーズニング条件として、処理ガスの総流量を変えて検討を行った結果を示している。この実験では、下記のプラズマシーズニング条件Bで、処理ガスの総流量を変化させて窒素ドーズ量の変化量を確認した。
<プラズマシーズニング条件B>
処理圧力;667Pa
ガス流量;12mL/min(sccm)
ガスの体積流量比率(O/総流量);2%
処理ガスの総流量:240、600又は1200mL/min(sccm)(ここで、処理ガスの総流量は、Oガスの体積流量比率が一定になるようにArガス流量で調整した)
マイクロ波の周波数:2.45GHz
マイクロ波パワー:1100W(パワー密度1.6W/cm
処理温度:500℃
処理時間:5秒
ウエハ径:300mm
図10から、窒素ドーズ量の変化量が小さく、安定した窒素ドーズ量が得られる処理ガスの総流量は、例えば100mL/min(sccm)以上500mL/min(sccm)以下の範囲内が好ましく、100mL/min(sccm)以上300mL/min(sccm)以下の範囲内がより好ましいことが確認された。
図11は、微量酸素添加窒素プラズマによるプラズマシーズニング条件として、全処理ガス中のOの体積流量比率を変えて検討を行った結果を示している。この実験では、下記のプラズマシーズニング条件Cで、Oの流量比率を変化させて窒素ドーズ量の変化量を確認した。
<プラズマシーズニング条件C>
処理圧力;667Pa
Arガス流量;228mL/min(sccm)
ガス流量;12mL/min(sccm)
ガスの体積流量比率(O/総流量);0.2%、0.4%、1.2%、2%又は4%
マイクロ波の周波数:2.45GHz
マイクロ波パワー:1100W(パワー密度1.6W/cm
処理温度:500℃
処理時間:5秒
ウエハ径:300mm
図11から、窒素ドーズ量の変化量が小さく、安定した窒素ドーズ量が得られる全処理ガス中のOの体積流量比率は、例えば1.5%以上5%以下の範囲内が好ましく、1.5%以上2.5%以下の範囲内がより好ましいことが確認された。
以上の結果から、特に処理ガスの流量と処理圧力のバランスを考慮することによって処理容器1内の酸素の量を効率よく制御でき窒素ドーズ量の変化量が小さく、安定した窒素ドーズ量がえられることが確認された。すなわち、処理容器1内の圧力は、532Pa以上833Pa以下の範囲内とし、処理ガスの総流量は100mL/min(sccm)以上500mL/min(sccm)以下の範囲内とし、かつ、全処理ガス中に含まれるOガスの流量比率(体積比率)は1.5%以上5%以下となるようにすることが好ましい。
以上のように、本実施の形態によれば、高窒素ドーズ量のプラズマ窒化処理を行う第1の窒化処理工程から低窒素ドーズ量のプラズマ窒化処理を行う第2の窒化処理工程へ移行する間に、処理容器(チャンバ)内の圧力が532Pa以上833Pa以下の範囲内で、酸素の体積流量比率が1.5%以上、5%以下の微量の酸素を添加した窒素プラズマによるプラズマシーズニング処理を実行するようにした。これにより、窒素ドーズ量の変化量を小さく、安定した低窒素ドーズ量のプラズマ処理へ短時間に移行させることができる。また、プラズマシーズニング処理では、自動でダミーウエハを流すことも可能になるので、従来のように毎回、人手でダミーウエハを複数枚セットする手間もなくなる。従って、ダミーウエハの交換回数の削減により処理時間の削減(スループットの向上)を図ることができると共に、生産性が改善し、工数削減、さらには、量産性が上がり、量産運用可能性が向上する。
以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはない。当業者は本発明の思想及び範囲を逸脱することなく多くの改変を成し得、それらも本発明の範囲内に含まれる。例えば、上記実施の形態では、RLSA方式のプラズマ窒化処理装置100を使用したが、他の方式のプラズマ処理装置を用いてもよく、例えば平行平板方式、電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマ、マグネトロンプラズマ、表面波プラズマ(SWP)等の方式のプラズマ処理装置を利用してもよい。
また、本発明のプラズマ窒化処理の処理対象として、酸化膜が形成されたウエハWを対象とすることができるが、酸化膜としては、SiO膜に限らず、High−K膜などの強誘電金属酸化膜、例えばHfO,Al,ZrO,HfSiO,ZrSiO,ZrAlO,HfAlO、TiO,DyO,PrO等およびそれらの少なくとも2つ以上を組み合わせたものを用いることもできる。
また、上記実施の形態では、半導体ウエハを被処理体とするプラズマ窒化処理を例に挙げて説明したが、化合物半導体にも適用できる。また、被処理体としての基板は、例えばFPD(フラットパネルディスプレー)用の基板や太陽電池用基板などでもよい。
本国際出願は、2010年3月31日に出願された日本国特許出願2010−81985号に基づく優先権を主張するものであり、当該出願の全内容をここに援用する。

Claims (4)

  1. プラズマ処理装置の処理容器に窒素ガスを含む処理ガスを導入し、高窒素ドーズ量条件の窒素含有プラズマを生成させ、酸化膜を有する被処理体に対して高窒素ドーズ量のプラズマ窒化処理をした後に、低窒素ドーズ量条件の窒素含有プラズマを生成させ、被処理体に対して低窒素ドーズ量のプラズマ窒化処理をするプラズマ窒化処理方法であって、
    前記高窒素ドーズ量条件のプラズマ窒化処理の終了後、同一の前記処理容器内に希ガスと窒素ガスと酸素ガスを導入し、前記処理容器内の圧力が532Pa以上833Pa以下で、全処理ガス中の酸素ガスの体積流量比が1.5%以上5%以下の条件で、微量酸素添加窒素プラズマを生成させ、該微量酸素添加窒素プラズマにより前記処理容器内をプラズマシーズニング処理するプラズマ窒化処理方法。
  2. 前記高窒素ドーズ量条件のプラズマ窒化処理における被処理体への窒素ドーズ量の目標値が10×1015atoms/cm以上50×1015atoms/cm以下であり、前記低窒素ドーズ量条件のプラズマ窒化処理における被処理体への窒素ドーズ量の目標値が1×1015atoms/cm以上10×1015atoms/cm未満である請求項1に記載のプラズマ窒化処理方法。
  3. 前記プラズマは、前記処理ガスと、複数のスロットを有する平面アンテナにより前記処理容器内に導入されるマイクロ波と、によって形成されるマイクロ波励起プラズマである請求項1に記載のプラズマ窒化処理方法。
  4. 前記プラズマシーズニング処理における前記マイクロ波のパワーは、1000W以上1200W以下の範囲内である請求項3に記載のプラズマ窒化処理方法。
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