JP2011029250A - マイクロ波プラズマ処理装置およびマイクロ波プラズマ処理方法 - Google Patents

マイクロ波プラズマ処理装置およびマイクロ波プラズマ処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来よりも面内均一性の高いマイクロ波プラズマ処理を行うことができるマイクロ波プラズマ処理装置およびマイクロ波プラズマ処理方法を提供すること。
【解決手段】マイクロ波プラズマによって被処理体であるウエハWにプラズマ処理を施すマイクロ波プラズマ処理装置100は、ウエハWを収容するチャンバー1と、マイクロ波を発生させるマイクロ波発生源39と、マイクロ波発生源で発生されたマイクロ波をチャンバー1に向けて導く導波手段37a,37b,31,28と、チャンバー1内に、プラズマ処理を行うためのガスを供給するガス供給手段16と、処理条件を制御する制御部50とを具備し、制御部50は、プラズマのモードが周期的に変化するように、処理条件を変化させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、被処理体にマイクロ波プラズマによる処理を施すマイクロ波プラズマ処理装置およびマイクロ波プラズマ処理方法に関する。
プラズマ処理は、窒化処理、酸化処理、成膜、エッチング等種々の処理に用いられており、半導体デバイスの製造に不可欠な技術であるが、近時、LSIの高集積化、高速化の要請からLSIを構成する半導体素子のデザインルールが益々微細化され、また、被処理基板である半導体ウエハが大型化されており、それにともなって、プラズマ処理装置においてもこのような微細化および大型化に対応するものが求められている。
このような要求に対応できるプラズマ処理装置として、RLSA(Radial Line Slot Antenna)マイクロ波プラズマ処理装置が注目されている(例えば特許文献1)。
RLSAマイクロ波プラズマ処理装置は、複数のスロットを有する平面アンテナであるRLSA(Radial Line Slot Antenna;ラジアルラインスロットアンテナ)にて処理室内にマイクロ波を導入してプラズマを発生させることによりマイクロ波プラズマを発生させ、チャンバー内の載置台に載置された状態の半導体基板にプラズマ処理を施すものである。これにより、高密度で低電子温度のプラズマを生成することができ、低ダメージでかつ高効率の処理を行うことができる。
また、プラズマ処理においては、半導体ウエハの面内における処理の均一性が求められ、RLSAマイクロ波プラズマ処理装置におけるプラズマ処理の面内均一性は、プロセス条件やアンテナのスロット形状を最適化することにより確保してきた。
特開2000−294550号公報
しかしながら、プラズマ処理の面内均一性の要求は、より厳しくなって来ており、従来の手法では対応することが困難になりつつある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、従来よりも面内均一性の高いマイクロ波プラズマ処理を行うことができるマイクロ波プラズマ処理装置およびマイクロ波プラズマ処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討した結果、以下のことを知見した。
この種のマイクロ波プラズマ処理装置においては、電力の反射を実質的になくして効率的にプラズマを生成するために、マイクロ波発生装置とプラズマの間にインピーダンス整合部(チューナ)を設け、プラズマのインピーダンスを見かけ上マイクロ波発生装置の特性インピーダンスに合わせるようにしているが(インピーダンス整合)、処理条件によっては、整合がとれずプラズマのモードが常に変化するハンティングという現象が生じる。ハンティングが生じている状態ではプラズマが不安定であり、ハンティングの大きさや発生頻度が基板毎にばらつくため、ハンティング領域で実際のプラズマ処理を行うことはないが、あえてこのハンティング領域にてプラズマ処理を行った結果、プラズマ処理の面内均一性が良好になることが判明した。これはハンティングが生じている場合には、プラズマモードが常に変化しているため、被処理基板上では種々のプラズマモードに対応した分布で処理がなされることとなり、プラズマ処理の程度が被処理基板面内で均されるためである。
このような検討結果に基づいてさらに検討した結果、ハンティングに相当するプラズマモードの周期的な変化は、処理条件を周期的に変化させることにより擬似的に形成することができ、このような擬似的なハンティングを形成することにより、被処理基板間のプラズマ処理の不均一を生じさせることなく、面内均一性が良好なプラズマ処理を行えることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、マイクロ波プラズマによって被処理体にプラズマ処理を施すマイクロ波プラズマ処理装置であって、被処理体を収容するチャンバーと、マイクロ波を発生させるマイクロ波発生源と、マイクロ波発生源で発生されたマイクロ波を前記チャンバーに向けて導く導波手段と、前記チャンバー内に、プラズマ処理を行うためのガスを供給するガス供給手段と、処理条件を制御する制御部とを具備し、前記制御部は、プラズマのモードが周期的に変化するように、処理条件を変化させることを特徴とするマイクロ波プラズマ処理装置を提供する。
また、本発明は、被処理体を収容するチャンバーと、マイクロ波を発生させるマイクロ波発生源と、マイクロ波発生源で発生されたマイクロ波を前記チャンバーに向けて導く導波手段と、前記チャンバー内にプラズマ処理を行うためのガスを供給するガス供給手段とを具備するマイクロ波プラズマ処理装置を用いて被処理体にマイクロ波プラズマ処理を施すマイクロ波プラズマ処理方法であって、前記チャンバーに被処理体を搬入する工程と、前記チャンバー内にマイクロ波を導入するとともにプラズマ処理を行うためのガスを導入してマイクロ波プラズマを生成する工程と、前記マイクロ波プラズマのモードが周期的に変化するように、処理条件を変化させる工程とを有することを特徴とするマイクロ波プラズマ処理方法を提供する。
さらに、本発明は、コンピュータ上で動作し、マイクロ波プラズマ処理装置を制御するためのプログラムが記憶された記憶媒体であって、前記プログラムは、実行時に、上記マイクロ波プラズマ処理方法が行われるように、コンピュータに前記マイクロ波プラズマ処理装置を制御させることを特徴とする記憶媒体を提供する。
上記マイクロ波プラズマ処理装置において、前記導波手段として、マイクロ波発生源で発生されたマイクロ波を伝送する導波路と、前記導波路にて伝送されたマイクロ波を前記チャンバーに向けて放射する複数のマイクロ波放射孔を有する導体からなる平面アンテナと、前記チャンバーの天壁を構成し、前記平面アンテナのマイクロ波放射孔から放射されたマイクロ波を透過する、誘電体からなるマイクロ波透過板とを有するものを好適に用いることができる。
上記マイクロ波プラズマ処理装置およびマイクロ波プラズマ処理方法において、前記処理条件として、前記プラズマ処理を行うためのガスの流量、マイクロ波のパワー、および前記チャンバー内の圧力の少なくとも1つとすることができる。また、前記プラズマのモードの周期的な変化は、前記処理条件を1〜20secの周期で変化させることにより形成されることが好ましい。
本発明によれば、プラズマのモードが周期的に変化するように、処理条件を変化させるので、プラズマを擬似的にハンティングした状態とすることができ、面内均一性が良好なマイクロ波プラズマ処理を行うことができる。
本発明の一実施形態に係るマイクロ波プラズマ処理装置を示す断面図である。 図1のプラズマ処理装置の平面アンテナ部材の構造を示す図面である。 図1の装置の制御部の概略構成を示すブロック図である。 ハンティングが生じている状態と生じていない状態におけるインピーダンス整合部(チューナ)のポジションのlogを示す図である。 ハンティングが生じている状態と生じていない状態におけるプラズマのOESのlogを示す図である。 Arガス流量を周期的に変化させてマイクロ波プラズマ処理を行った場合の、Arガス流量の変化とプラズマのOESの変化を示す図である。 マイクロ波パワーを周期的に変化させてマイクロ波プラズマ処理を行った場合の、マイクロ波パワーの変化とプラズマのOESの変化を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るマイクロ波プラズマ処理装置を示す断面図である。このマイクロ波プラズマ処理装置は、複数のスロットを有する平面アンテナであるRLSA(Radial Line Slot Antenna;ラジアルラインスロットアンテナ)にて処理室内にマイクロ波を導入してプラズマを発生させることにより、高密度かつ低電子温度のマイクロ波プラズマを発生させ得るRLSAマイクロ波プラズマ処理装置として構成されている。ここでは、プラズマ処理としてプラズマ窒化処理を行うものを例示する。
このプラズマ処理装置100は、気密に構成され、接地された略円筒状のチャンバー1を有している。チャンバー1の底壁1aの略中央部には円形の排気孔10が形成されており、底壁1aにはこの排気孔10と連通し、下方に向けて突出する排気室11が設けられて、チャンバー1内が均一に排気される構成となっている。
チャンバー1内には被処理基板であるウエハWを水平に支持するためのAlN等のセラミックスからなるサセプタ(載置台)2が設けられている。このサセプタ2は、排気室11の底部中央から上方に延びる円筒状のAlN等のセラミックスからなる支持部材3により支持されている。サセプタ2の外縁部にはウエハWをガイドするためのガイドリング4が設けられている。また、サセプタ2には抵抗加熱型のヒータ5が埋め込まれており、このヒータ5はヒータ電源5aから給電されることによりサセプタ2を加熱して、その熱で被処理体であるウエハWを加熱する。また、載置台2には、熱電対6が挿入されており、ウエハWの加熱温度を、例えば室温から900℃までの範囲で温度制御可能となっている。チャンバー1の内周には、不純物の少ない石英からなる円筒状のライナー7が設けられ、チャンバー構成材料による金属汚染を防止している。また、載置台2の外周側には、チャンバー1内を均一排気するための複数の孔8aが形成されたバッフルプレート8が環状に設けられ、このバッフルプレート8は、複数の支柱9により支持されている。
サセプタ2には、ウエハWを支持して昇降させるための3本(2本のみ図示)のウエハ支持ピン42がサセプタ2の表面に対して突没可能に設けられ、これらウエハ支持ピン42は支持板43に固定されている。そして、ウエハ支持ピン42は、エアシリンダ等の駆動機構44により支持板43を介して昇降される。
チャンバー1の側壁には環状をなすガス導入部材15が設けられており、このガス導入部材15にはガス供給系16が接続されている。ガス導入部材はシャワー状に配置してもよい。このガス供給系16は、例えばプラズマ生成ガスであるArガスを供給するArガス供給源17および処理ガスであるNガスを供給するNガス供給源18を有しており、これらのガスが、それぞれガスライン20を介してガス導入部材15に至り、ガス導入部材15からチャンバー1内に導入される。ガスライン20の各々には、マスフローコントローラ21およびその前後の開閉バルブ22が設けられている。なお、前記Nガスに代えて、例えばNHガス、NとHとの混合ガスなどを用いることもできる。また、後述するようにArガスに代えて他の希ガス、例えばKr、He、Ne、Xeなどのガスを用いてもよい。また、プラズマ窒化処理の際に、希ガスを含まなくてもよく、この場合は処理ガスがプラズマ生成ガスを兼ねることとなる。
上記排気室11の側面には排気管23が接続されており、この排気管23には高速真空ポンプを含む排気装置24が接続されている。そしてこの排気装置24を作動させることによりチャンバー1内のガスが、排気孔10を介して排気室11の空間11a内へ均一に排出され、排気管23を介して排気される。これによりチャンバー1内を所定の真空度、例えば0.133Paまで高速に減圧することが可能となっている。
チャンバー1の側壁には、プラズマ処理装置100に隣接する搬送室(図示せず)との間でウエハWの搬入出を行うための搬入出口25と、この搬入出口25を開閉するゲートバルブ26とが設けられている。
チャンバー1の上部は開口部となっており、チャンバー1の上端部の上にプレート27がシール部材29aを介して気密にシールされた状態で設けられている。このプレート27は環状をなし、その内周に沿って内側に突出する環状の支持部27aが形成されている。この支持部27aに、例えば石英やAl、AlN等のセラミックスのような絶縁体からなり、マイクロ波を透過するマイクロ波透過板28がシール部材29bを介して気密な状態で支持されている。従って、チャンバー1の上部の開口部は、プレート27およびマイクロ波透過板28により気密な状態で閉塞されており、チャンバー1内は気密に保持される。
マイクロ波透過板28の上方には、サセプタ2と対向するように、円板状の平面アンテナ31が設けられている。平面アンテナ31は、マイクロ波透過板よりも少し大きな径を有し、例えば表面が銀または金メッキされた銅またはアルミニウムまたはNiからなる円板であり、多数のマイクロ波放射孔32(スロット)が所定のパターンで貫通して形成された構成となっている。この平面アンテナ31はプレート27に係止され、接地されている。
このマイクロ波放射孔32は、例えば図2に示すように細長い形状をなすものが対をなし、典型的には対をなすマイクロ波放射孔32同士が「T」字状に配置され、これらの対が複数、同心円状に配置されている。スロット32の長さや配列間隔は、マイクロ波の波長(λg)に応じて決定され、例えばマイクロ波放射孔32の間隔は、λg/4〜λgとなるように配置される。なお、図2においては、同心円状に形成された隣接するスロット32同士の間隔をΔrで示している。また、スロット32は、円形状、円弧状等の他の形状であってもよい。さらに、スロット32の配置形態は特に限定されず、同心円状のほか、例えば、螺旋状、放射状に配置することもできる。
この平面アンテナ31の上面には、真空よりも大きい誘電率を有する遅波材33が設けられている。遅波材33は、例えば石英、セラミックス、フッ素系樹脂やポリイミドのような樹脂等で形成することができる。この遅波材33は、真空中ではマイクロ波の波長が長くなることから、マイクロ波の波長を短くしてプラズマを調整する機能を有している。なお、平面アンテナ31とマイクロ波透過板28との間、および、遅波材33と平面アンテナ31との間は、密着して配置されているが、離間していてもよい。
チャンバー1の上面には、これら平面アンテナ31および遅波材33を覆うように、例えばアルミニウムやステンレス鋼、銅等の金属材からなる導波管機能を有するカバー部材34がプレート27に支持された状態で設けられている。チャンバー1の上面とカバー部材34とはシール部材35によりシールされている。カバー部材34には、冷却水流路34aが形成されており、そこに冷却水を通流させることにより、カバー部材34、遅波材33、平面アンテナ31、マイクロ波透過板28を冷却して、これらの破損、変形を防止するようになっている。なお、カバー部材34は接地されている。
カバー部材34の上壁の中央には開口部36が形成されており、この開口部36には導波管37が接続されている。この導波管37の端部には、インピーダンス整合部(チューナ)38を介してマイクロ波発生装置39が接続されている。これにより、マイクロ波発生装置39で発生した例えば周波数2.45GHzのマイクロ波が導波管37を介して上記平面アンテナ31へ伝搬されるようになっている。なお、マイクロ波の周波数としては、8.35GHz、1.98GHz、800MHz〜1GHz等を用いることもできる。
導波管37は、上記カバー部材34の開口部36から上方へ延出する断面円形状の同軸導波管37aと、この同軸導波管37aの上端部にモード変換器40を介して接続された水平方向に延びる矩形導波管37bとを有している。矩形導波管37bと同軸導波管37aとの間のモード変換器40は、矩形導波管37b内をTEモードで伝播するマイクロ波をTEMモードに変換する機能を有している。同軸導波管37aの中心には内導体41が延在しており、この内導体41の下端部は、平面アンテナ31の中心に接続固定されている。これにより、マイクロ波は、同軸導波管37aの内導体41を介して平面アンテナ31へ均一に効率よく伝播される。
マイクロ波プラズマ処理装置100の各構成部は、制御部50に接続されて制御されるようになっている。制御部50はコンピュータで構成されており、図3に示すように、マイクロプロセッサを備えたプロセスコントローラ51と、このプロセスコントローラに接続されたユーザーインターフェース52および記憶部53とを備えている。
プロセスコントローラ51は、プラズマ処理装置100において、温度、圧力、ガス流量、マイクロ波出力、バイアス印加用の高周波電力等のプロセス条件が所望のものとなるように、各構成部、例えばヒータ電源5a、ガス供給系16、排気装置24、マイクロ波発生装置39などを制御するようになっている。
ユーザーインターフェース52は、オペレータがプラズマ処理装置100を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや、プラズマ処理装置100の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等を有している。また、記憶部53は、プラズマ処理装置100で実行される各種処理をプロセスコントローラ51の制御にて実現するためのプログラムや、処理条件に応じてプラズマ処理装置100の各構成部に処理を実行させるためのプログラムすなわち処理レシピが格納されている。
制御プログラムや処理レシピは記憶部53の中の記憶媒体(図示せず)に記憶されている。記憶媒体は、ハードディスクや半導体メモリであってもよいし、CDROM、DVD、フラッシュメモリ等の可搬性のものであってもよい。また、記憶媒体に記憶しておく代わりに、処理レシピ等を他の装置から、例えば専用回線を介して適宜伝送させるようにしてもよい。
そして、必要に応じて、ユーザーインターフェース52からの指示等にて任意の処理レシピを記憶部53から呼び出してプロセスコントローラ51に実行させることで、プロセスコントローラ51の制御下で、プラズマ処理装置100において以下に説明するようなプラズマ処理方法が行われる。
本実施形態では、制御部50のプロセスコントローラ51により、プラズマ窒化処理の際に、プラズマのモードが周期的に変化するように、マイクロ波出力、チャンバー内圧力、アルゴンガスの流量等の処理条件(パラメータ)の1または2以上を変化させる制御を行う。
次に、このように構成されたRLSA方式のプラズマ処理装置100によるプラズマ処理方法について説明する。
まず、ヒータ5によりサセプタ2の温度を例えば250〜800℃で加熱した状態で、ゲートバルブ26を開いて搬入出口25からウエハWをチャンバー1内に搬入し、サセプタ2上に載置する。
そして、Arガスを500〜2000mL/min(sccm)の流量で導入し、チャンバー1内の圧力を、67〜667Pa(0.5〜5Torr)に調整し、その状態でパワー1000〜5000W、パワー密度0.5〜2.6W/cmでマイクロ波を導入してプラズマを着火する。
プラズマ着火は、マイクロ波発生装置39をオンにして、そこで発生したマイクロ波を、インピーダンス整合部(チューナ)38を経て導波管37に導き、矩形導波管37b、モード変換器40、および同軸導波管37aを順次通過させて内導体41を介して平面アンテナ31に供給し、平面アンテナ31のマイクロ波放射孔32からマイクロ波透過板28を介してチャンバー1内におけるウエハWの上方空間に放射させ、チャンバー1内に供給されたArガスを励起することにより行う。このとき、マイクロ波は、矩形導波管37b内ではTEモードで伝搬し、このTEモードのマイクロ波はモード変換器40でTEMモードに変換されて、同軸導波管37a内を平面アンテナ31に向けて伝搬されていく。平面アンテナ31からマイクロ波透過板28を経てチャンバー1に放射されたマイクロ波によりチャンバー1内で電磁界が形成され、Arガスが励起されてプラズマ化する。
プラズマを着火した後、チャンバー1内にNガスを導入し、ウエハWに対してプラズマ窒化処理を行う。本実施形態においては、このプラズマ窒化処理の際に、プラズマのモードが周期的に変化するように、マイクロ波出力、チャンバー内圧力、アルゴンガスの流量等の処理条件(パラメータ)の1または2以上を変化させる制御を行う。これにより擬似的なハンティング状態を形成してプラズマ窒化処理の面内均一性を良好なものとする。
ハンティングは、インピーダンス整合部(チューナ)38で、プラズマのインピーダンスを見かけ上マイクロ波発生装置の特性インピーダンスに合わせるインピーダンス整合を試みても整合がとれずプラズマのモードが常に変化する現象をいう。このハンティング状態は、特定の条件で生じる。例えば、チャンバー1内の圧力:40Pa(300mTor)、Arガスの流量:660mL/min(sccm)、Nガス流量:200mL/min(sccm)、マイクロ波パワー:2700W、温度:500℃の条件でハンティングが生じる。マイクロ波パワーのみを2600Wに変更するとハンティングは生じなくなる。これらハンティングが生じている状態と生じていない状態におけるインピーダンス整合部(チューナ)38のポジションのlogおよびプラズマの発光状態を示すOES(Optical Emission Spectroscopy)のlogをそれぞれ図4および図5に示す。図4に示すように、ハンティングはインピーダンス整合部(チューナ)38のポジションが短い周期で変動する現象であり、それにともなって、図5に示すように、プラズマの発光状態(プラズマのモード)が短い周期で変化する。これに対して、インピーダンス整合部(チューナ)38のポジションが一定でハンティングが生じていない場合には、プラズマの発光状態(プラズマのモード)はほぼ一定である。
上記ハンティングが生じる条件と生じない条件で実際に65sec間プラズマ窒化処理を行って窒化膜を形成した結果、窒化膜の平均N濃度と面内均一性は以下のような結果となった。
(a)ハンティングなし
平均N濃度(Avg.)
18.3atm%
σ/Avg. 1.528
Range 0.806
(b)ハンティングあり
平均N濃度(Avg.)
18.3atm%
σ/Avg. 0.941
Range 0.614
この結果に示すように、「ハンティングあり」のほうが、「ハンティングなし」よりも窒素濃度の面内均一性が高い。これは、ハンティングが生じている場合には、プラズマモードが常に変化しているため、ウエハ上では種々のプラズマモードに対応した分布で処理がなされることとなり、プラズマ処理の程度が被処理基板面内で均されるためであると考えられる。
そこで、本実施形態では、処理条件(パラメータ)の1または2以上を変化させてプラズマモードを周期的に変化させることにより、擬似的にハンティング状態を形成する。つまり、マイクロ波出力、チャンバー内圧力、アルゴンガスの流量等の処理条件(パラメータ)の1または2以上を短周期で変化させることにより、プラズマのモードが短周期で変化し、擬似的なハンティング状態となる(この手法を以下マルチステップという)。このようにマルチステップを用いることにより、ハンティング状態と同様の効果が得られ、プラズマ窒化処理の面内均一性を高めることができる。ハンティングは、ウエハ毎に均一に生じるわけではなく、大きさや発生頻度がウエハ毎にばらつくため、ハンティングが生じる条件でプラズマ処理を行ってもプラズマ窒化処理のウエハ間ばらつきが大きいが、このようにマルチステップの手法を用いることにより、OESの振幅や周期は、プラズマ窒化処理中にほぼ一定とすることができ、プラズマ窒化処理のウエハ間の均一性も高めることができる。
実際に、チャンバー1内の圧力:30.67Pa(230mTor)、Arガスの流量:1000mL/min(sccm)、Nガス流量:200mL/min(sccm)、マイクロ波パワー:2300W、温度:500℃の条件を基準条件である条件Aとし、条件AのArガスの流量を2sec周期で900mL/min(sccm)、1000mL/min(sccm)、1100mL/min(sccm)と変化させてマルチステップとしたものを条件Bとし、条件Aのマイクロ波パワーを2sec周期で2100W、2300W、2500Wと変化させてマルチステップとしたものを条件Cとして、それぞれ90sec間のプラズマ窒化処理を行った。図6は条件BにおけるArガス流量の変化およびプラズマのOESの変化を示す図、図7は条件CにおけるArガス流量の変化およびプラズマのOESの変化を示す図である。これらに示すように、マルチステップを用いることにより、プラズマモードが周期的に変化し、擬似的なハンティング状態を形成することができる。また、このようにしてプラズマ窒化処理を行った結果、窒化膜の平均N濃度と面内均一性は以下のような結果となった。
(1)条件A
平均N濃度(Avg.)
23.8atm%
σ/Avg. 1.563
Range 1.249
(2)条件B
平均N濃度(Avg.)
22.3atm%
σ/Avg. 0.984
Range 0.704
(3)条件C
平均N濃度(Avg.)
22.3atm%
σ/Avg. 1.137
Range 0.898
これら結果から明らかなように、マルチステップの手法を用いることにより、ハンティングが生じた場合と同様、プラズマ窒化処理の面内均一性が向上する。
ここでは、Ar流量とマイクロ波パワーを変化させたが、もちろんチャンバー内圧力を変化させてマルチステップを行ってもよく、また、2つ以上の処理条件を変化させてもよい。
このようなマルチステップでプラズマ窒化処理を行う際の好ましい条件としては、チャンバー内圧力:6.7〜667Pa(0.05〜5Torr)Arガス流量:500〜2000mL/min(sccm)、Nガス流量:20〜200mL/min(sccm)、ウエハWの温度:250〜600℃、マイクロ波のパワー:500〜5000W(パワー密度:0.5〜2.6W/cm)を挙げることができ、これらの範囲内でマイクロ波出力、チャンバー内圧力、アルゴンガスの流量等の処理条件(パラメータ)の1または2以上を変化させることが好ましい。処理条件(パラメータ)を変化させる周期は、1〜20secが好ましい。処理条件(パラメータ)を変化させるサイクル数は、周期と処理時間とにより決まるが、2〜50サイクル程度が好ましい。このように処理条件(パラメータ)を周期的に変化させることにより同様の周期でプラズマのモードが変化する。
窒化処理が終了した後、プラズマをオフにし、その後窒素ガスを停止し、図示しないパージガス供給系からチャンバー1内にパージガスを供給してチャンバー1内のパージを行い、次いで、ゲートバルブ26を開いて搬入出口25からウエハWを搬出する。
本実施形態においては、マルチステップの手法により、インピーダンス整合部(チューナ)38でハンティングが生じている際に生成されるマイクロ波プラズマの状態を擬似的に形成してマイクロ波プラズマ窒化処理を行うので、プラズマ窒化処理の面内均一性を良好なものとすることができる。また、マルチステップの手法を用いることにより、プラズマのOESの振幅や周期は、プラズマ窒化処理中にほぼ一定とすることができ、プラズマ窒化処理のウエハ間の均一性も高めることができる。
さらに、マイクロ波プラズマには、処理条件を変化させていくと、プラズマモードジャンプというプラズマのモードが変化する現象が存在する。この現象は、各処理条件(パラメータ)に対してヒステリシス傾向を有するため、プラズマモードジャンプ領域付近で連続処理を行っていると、ウエハ間でプラズマモードが変化し、ウエハ間のプラズマ処理均一性が悪化し、ウエハ間における窒化膜の膜厚均一性の悪化や、面内均一性の再現性悪化が生じていた。これに対し、本実施形態のようなマルチステップの手法を用いることにより、たとえ処理中に別モードに入っても瞬時に元のモードに一旦戻すことが可能となるので、別モード滞在時間が減少し、その結果ウエハ間の均一性改善を期待することができる。
さらにまた、このようにマイクロ波を平面アンテナ31の多数のマイクロ波放射孔32から放射させてマイクロ波プラズマを形成するので、略1×1010〜5×1012/cmの高密度で、かつウエハW近傍では0.7〜1.2eV以下の低電子温度プラズマとなり、ラジカルを主体とした下地へのイオンのダメージの少ないプラズマ窒化処理を実現することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく、本発明の思想の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態ではマイクロ波プラズマ窒化処理を例にとって説明したが、窒化処理に限らず、酸化処理、エッチング処理、化学蒸着(CVD)成膜等の他の処理にも適用することができる。また、上記実施形態では、マイクロ波プラズマ処理として、RLSAマイクロ波プラズマ処理を用いた例を示したが、これに限らず、他のマイクロ波プラズマ処理であってもよい。
さらに、上記実施形態では被処理体として半導体ウエハを処理する場合について示したが、これに限らず、FPD用のガラス基板等、他の被処理体にも適用可能であることは言うまでもない。
1;チャンバー
2;サセプタ
3;支持部材
5;ヒータ
15;ガス導入部材
16;ガス供給系
24;排気装置
28;マイクロ波透過板
31;平面アンテナ
32;マイクロ波放射孔
37;導波管
37a;同軸導波管
37b;矩形導波管
38;インピーダンス整合部(チューナ)
39;マイクロ波発生装置
40;モード変換器
50;制御部
51;プロセスコントローラ
53;記憶部
100;プラズマ処理装置
W;ウエハ(被処理体)

Claims (7)

  1. マイクロ波プラズマによって被処理体にプラズマ処理を施すマイクロ波プラズマ処理装置であって、
    被処理体を収容するチャンバーと、
    マイクロ波を発生させるマイクロ波発生源と、
    マイクロ波発生源で発生されたマイクロ波を前記チャンバーに向けて導く導波手段と、
    前記チャンバー内に、プラズマ処理を行うためのガスを供給するガス供給手段と、
    処理条件を制御する制御部と
    を具備し、
    前記制御部は、プラズマのモードが周期的に変化するように、処理条件を変化させることを特徴とするマイクロ波プラズマ処理装置。
  2. 前記導波手段は、マイクロ波発生源で発生されたマイクロ波を伝送する導波路と、前記導波路にて伝送されたマイクロ波を前記チャンバーに向けて放射する複数のマイクロ波放射孔を有する導体からなる平面アンテナと、前記チャンバーの天壁を構成し、前記平面アンテナのマイクロ波放射孔から放射されたマイクロ波を透過する、誘電体からなるマイクロ波透過板とを有することを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
  3. 前記処理条件は、前記プラズマ処理を行うためのガスの流量、マイクロ波のパワー、および前記チャンバー内の圧力の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
  4. 前記プラズマのモードの周期的な変化は、前記処理条件を1〜20secの周期で変化させることにより形成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
  5. 被処理体を収容するチャンバーと、マイクロ波を発生させるマイクロ波発生源と、マイクロ波発生源で発生されたマイクロ波を前記チャンバーに向けて導く導波手段と、前記チャンバー内にプラズマ処理を行うためのガスを供給するガス供給手段とを具備するマイクロ波プラズマ処理装置を用いて被処理体にマイクロ波プラズマ処理を施すマイクロ波プラズマ処理方法であって、
    前記チャンバーに被処理体を搬入する工程と、
    前記チャンバー内にマイクロ波を導入するとともにプラズマ処理を行うためのガスを導入してマイクロ波プラズマを生成する工程と、
    前記マイクロ波プラズマのモードが周期的に変化するように、処理条件を変化させる工程と
    を有することを特徴とするマイクロ波プラズマ処理方法。
  6. 前記処理条件は、前記プラズマ処理を行うためのガスの流量、マイクロ波のパワー、および前記チャンバー内の圧力の少なくとも1つであることを特徴とする請求項5に記載のマイクロ波プラズマ処理方法。
  7. 前記プラズマのモードの周期的な変化は、前記処理条件を1〜20secの周期で変化させることにより形成されることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のマイクロ波プラズマ処理方法。
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