JPWO2011102314A1 - 液晶表示装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

(a1)液晶パネル20の第2の偏光手段26側とは反対側の表面の周縁部に、液状のシール部形成用硬化性樹脂組成物を塗布して未硬化のシール部52を形成する工程、(b1)未硬化のシール部52で囲まれた領域に、液状の樹脂層形成用硬化性樹脂組成物44を供給する工程、(c1)100Pa以下の減圧雰囲気下にて樹脂層形成用硬化性樹脂組成物44の上に、第1の偏光手段16が樹脂層形成用硬化性樹脂組成物44側となるように保護板10を重ねて、液晶パネル20、保護板10及び未硬化のシール部52で未硬化の樹脂層が密封された積層物を得る工程、及び、(d1)50kPa以上の圧力雰囲気下に積層物を置いた状態にて、未硬化のシール部52および未硬化の樹脂層を硬化させる工程を有する液晶表示装置の製造方法。

Description

本発明は、保護板により液晶パネルが保護された液晶表示装置の製造方法に関する。
液晶表示装置としては、液晶セルを一対の偏光板で挟んだ液晶パネルと、液晶パネルを保護する保護板とが樹脂層を介して貼り合わされたものが知られている。液晶パネルは、通常、液晶セルの両面に偏光板を粘着剤で貼り付けることによって得られる。この際、一対の偏光板の偏光軸を精度よく合わせる必要がある。しかし、柔らかいフィルム状の偏光板は取り扱いにくく、偏光板の貼り付けの際に、偏光軸の微調整が難しい。そして、もし貼り付けた後の一対の偏光板の偏光軸が合っていなければ、偏光板を貼り直すことはできず、不良品となってしまう。
そこで、2枚の偏光板のうち保護板側に位置する偏光板を、液晶パネルではなく、保護板にあらかじめ貼り付けておいて、保護板側とは反対側の表面のみに偏光板が貼り付けられた液晶パネルと、液晶パネル側の表面に偏光板が貼り付けられた保護板とを貼り合わせる直前に、柔らかいフィルム状の偏光板自体よりも取り扱いが容易な剛直な部材である、液晶パネルと保護板とを相対的に移動させ、偏光軸の微調整を行うことが提案されている(特許文献1の段落[0086]等)。
そして、液晶パネルと保護板との貼り合わせ方法としては、液晶パネルの表面の周縁の四辺に枠体を設け、枠体で囲まれた領域に液状の光硬化性樹脂を流し込んだ後、その上に保護板を重ねる方法が提案されている(特許文献1の段落[0058]等)。そして、液晶パネルと保護板との間に気泡を残さないために、枠体の一辺の上半分を多孔質部材にして、気泡を多孔質部材に吸収させることが行われている。
しかし、該方法では、枠体の多孔質部材付近の気泡は充分に吸収、除去できても、それ以外の場所の気泡は除去しにくいという問題がある。
日本国特開2009−75217号公報
本発明は、一対の偏光手段の偏光軸の成す好ましい角度を容易に合わせることができ、かつ保護板と液晶パネルとに挟まれた樹脂層への気泡の残留が充分に抑えられる液晶表示装置の製造方法を提供する。
本発明の液晶表示装置の製造方法は、透明面材の表面に第1の偏光手段が設けられた保護板と、液晶セルの表面に第2の偏光手段が設けられた液晶パネルと、保護板と液晶パネルとに挟まれた樹脂層と、樹脂層の周囲を囲むシール部とを有し、第1の偏光手段が透明面材と樹脂層との間に位置し、第2の偏光手段が樹脂層側とは反対側の液晶セルの表面に位置する液晶表示装置を製造する方法であって、下記工程(a1)〜(d1)、または下記工程(a2)〜(d2)を有することを特徴とする。
(a1)液晶パネルの第2の偏光手段側とは反対側の表面の周縁部に、液状のシール部形成用硬化性樹脂組成物を塗布して未硬化のシール部を形成する工程。
(b1)未硬化のシール部で囲まれた領域に、液状の樹脂層形成用硬化性樹脂組成物を供給する工程。
(c1)100Pa以下の減圧雰囲気下にて、樹脂層形成用硬化性樹脂組成物の上に、第1の偏光手段が樹脂層形成用硬化性樹脂組成物側となるように保護板を重ねて、保護板、液晶パネルおよび未硬化のシール部で樹脂層形成用硬化性樹脂組成物からなる未硬化の樹脂層が密封された積層物を得る工程。
(d1)50kPa以上の圧力雰囲気下に積層物を置いた状態にて、未硬化のシール部および未硬化の樹脂層を硬化させる工程。
(a2)保護板の第1の偏光手段側の表面の周縁部に、液状のシール部形成用硬化性樹脂組成物を塗布して未硬化のシール部を形成する工程。
(b2)未硬化のシール部で囲まれた領域に、液状の樹脂層形成用硬化性樹脂組成物を供給する工程。
(c2)100Pa以下の減圧雰囲気下にて、樹脂層形成用硬化性樹脂組成物の上に、第2の偏光手段が樹脂層形成用硬化性樹脂組成物側とは反対側となるように液晶パネルを重ねて、保護板、液晶パネルおよび未硬化のシール部で樹脂層形成用硬化性樹脂組成物からなる未硬化の樹脂層が密封された積層物を得る工程。
(d2)50kPa以上の圧力雰囲気下に積層物を置いた状態にて、未硬化のシール部および未硬化の樹脂層を硬化させる工程。
前記工程(c1)および工程(c2)にて、第1の偏光手段および第2の偏光手段の偏光軸の成す角度が液晶セルの設計に合うように、保護板および液晶パネルの位置を調整することが好ましい。
本発明の液晶表示装置の製造方法によれば、一対の偏光手段の偏光軸の成す好ましい角度を容易に合わせることができ、かつ保護板と液晶パネルとに挟まれた樹脂層への気泡の残留が充分に抑えられる。
図1は、保護板により液晶パネルが保護された液晶表示装置の一例を示す断面図である。 図2は、図1の液晶表示装置の平面図である。 図3は、工程(a1)の様子の一例を示す平面図である。 図4は、工程(a1)の様子の一例を示す断面図である。 図5は、工程(b1)の様子の一例を示す平面図である。 図6は、工程(b1)の様子の一例を示す断面図である。 図7は、工程(c1)の様子の一例を示す断面図である。 図8は、工程(d1)の様子の一例を示す断面図である。
本明細書においては、「透明」とは、光透過性を有することを意味し、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。
<液晶表示装置>
図1は、本発明における液晶表示装置の一例を示す断面図であり、図2は、平面図である。
液晶表示装置1は、保護板10と、液晶パネル20と、保護板10と液晶パネル20とに挟まれた樹脂層40と、樹脂層40の周囲を囲むシール部50とを有する。
液晶表示装置1の形状は、通常矩形である。
液晶表示装置1の大きさは、本発明の製造方法が比較的大面積の液晶表示装置の製造に特に適していることから、テレビ受像機の場合、0.5m×0.4m以上が適当であり、0.7m×0.4m以上が特に好ましい。液晶表示装置の大きさの上限は、表示パネルの大きさで決まることが多い。また、あまりに大きい液晶表示装置は、設置等における取り扱いが困難となりやすい。液晶表示装置1の大きさの上限は、これらの制約から、通常2.5m×1.5m程度である。
保護板10および液晶パネル20の寸法は、ほぼ等しくてもよいが、液晶表示装置1を収納する筺体との関係から、保護板10が液晶パネル20より一回り大きくなる場合も多い。また逆に、筺体の構造によっては、保護板10を液晶パネル20より若干小さくしてもよい。
〔保護板〕
保護板10は、液晶パネル20の画像表示側に設けられて液晶パネル20を保護するものである。
保護板10は、透明面材12と、透明面材12の樹脂層40側の表面の周縁部に形成された遮光印刷部14と、透明面材12の樹脂層40側の表面に設けられた第1の偏光手段16とを有する。
保護板10は、透明面材のみ、または周縁部に遮光印刷部を設けた透明面材からなる従来の保護板とは異なり、保護板10の表面に第1の偏光手段16が設けられているが、本発明においては、このような偏光手段付きの保護板も単に保護板と称する。
(透明面材)
透明面材12としては、ガラス板または透明樹脂板が挙げられ、液晶パネル20からの出射光や反射光に対して透明性が高い点はもちろん、耐光性、低複屈折性、高い平面精度、耐表面傷付性、高い機械的強度を有する点からも、ガラス板が最も好ましい。光硬化性樹脂組成物の硬化のための光を充分に透過させる点でも、ガラス板が好ましい。
ガラス板の材料としては、ソーダライムガラス等のガラス材料が挙げられ、鉄分がより低く、青みの少ない高透過ガラス(白板ガラス)がより好ましい。安全性を高めるために強化ガラスを用いてもよい。特に、薄い透明面材が求められる場合には、化学強化法により得られる強化ガラスを用いることができる。たとえば、透明面材の厚さが1.5mm以下の場合には、化学強化法による強化ガラスを用いると機械的強度が改善でき好ましい。
透明樹脂板の材料としては、透明性の高い樹脂材料(ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等)が挙げられる。
透明面材12の第1の偏光手段16側の表面には、第1の偏光手段16との界面接着力を向上させるために、表面処理を施してもよい。表面処理の方法としては、透明面材12の表面をシランカップリング剤で処理する方法、フレームバーナーによる酸化炎を介して酸化ケイ素の薄膜を形成する処理等が挙げられる。
透明面材12の第1の偏光手段16側とは反対側の表面には、画像のコントラスを高めるために、反射防止層を設けてもよい。反射防止層は、透明面材12の表面に無機薄膜を直接形成する方法、反射防止層を設けた透明樹脂フィルムを透明面材12に貼着する方法によって設けることができる。
また、目的に応じて、透明面材12の一部または全体を着色したり、透明面材12の表面の一部または全体を磨りガラス状にして光を散乱させたり、透明面材12の表面の一部または全体に微細な凹凸等を形成して透過光を屈折または反射させたりしてもよい。また、着色フィルム、光散乱フィルム、光屈折フィルム、光反射フィルム等を透明面材12の表面の一部または全体に貼着してもよい。
透明面材12の厚さは、機械的強度、透明性の点から、ガラス板の場合は通常0.5〜25mmである。屋内で使用するテレビ受像機、PC用ディスプレイ等の用途では、液晶表示装置の軽量化の点から、1〜6mmが好ましく、屋外に設置する公衆表示用途では、3〜20mmが好ましい。透明樹脂板の場合は、2〜10mmが好ましい。
(遮光印刷部)
遮光印刷部14は、液晶パネル20の画像表示領域以外が保護板10側から視認できないようにして、液晶パネル20に接続されている配線部材等を隠蔽するものである。遮光印刷部14は、透明面材12の樹脂層40側またはその反対側に設けることができ、遮光印刷部14と画像表示領域との視差を低減する点では、透明面材12の樹脂層40側に設けるのが好ましい。透明面材12がガラス板の場合、遮光印刷部14に黒色顔料を含むセラミック印刷を用いると遮光性が高く好ましい。また、透明面材12の樹脂層40側に設置する第1の偏光手段16の樹脂層40側、またはその裏面に遮光印刷部を設けることもできる。第1の偏光手段16が樹脂フィルムにより提供される場合は、黒色顔料や黒色染料を含む有機系インクによる印刷が、印刷部形成の温度を低くでき好ましい。
(第1の偏光手段)
第1の偏光手段16は、偏光機能を有する偏光子を含む部材から構成される。
第1の偏光手段16は、偏光板を透明面材12の表面に粘着剤で貼着する方法、フィルム状の吸収型偏光子を透明面材12と保護フィルムとで挟み、これらを貼合する方法等によって設けることができる。
偏光板としては、フィルム状の吸収型偏光子の両面に一対の保護フィルムを貼合した吸収型偏光板、複数の金属細線を平行に配列してなるワイヤグリッド型偏光子が透明基材の表面に形成されたワイヤグリッド型偏光板等が挙げられる。
フィルム状の吸収型偏光子としては、ヨウ素等の二色性色素をポリビニルアルコール(以下、PVAと記す。)等の樹脂フィルム中に配向させたものが挙げられる。
保護フィルムとしては、トリアセチルセルロース(以下、TACと記す。)フィルム等が挙げられる。
〔液晶パネル〕
液晶パネル20は、液晶セル22と、液晶セル22に接続され、液晶セル22を動作させる駆動ICを搭載したフレキシブルプリント配線板24と、液晶セル22の樹脂層40側とは反対側の表面に設けられた第2の偏光手段26とを有する。
液晶パネル20は、液晶セルの両面に偏光板が設けられた従来の液晶パネルとは異なり、保護板10側とは反対側の表面のみに偏光板等の第2の偏光手段26が設けられているが、本発明においては、このような片面のみ偏光手段付きの液晶パネルも単に液晶パネルと称する。
(液晶セル)
液晶セル22は、カラーフィルタが設けられた透明面材32とTFTが設けられた透明面材34とを液晶層36を介して貼合したものである。
液晶セル22の樹脂層40側の表面には、樹脂層40およびシール部50との界面接着力を向上させるために、表面処理を施してもよい。表面処理は、表面の周縁部だけに施してもよく、表面全体に施してもよい。表面処理の方法としては、低温加工可能な接着用プライマー等で処理する方法等が挙げられる。
液晶セル22の厚さは、TFTによって動作させる液晶セルの場合は、通常0.4〜4mmである。
(第2の偏光手段)
第2の偏光手段26は、偏光機能を有する偏光子を含む部材から構成される。
第2の偏光手段26は、偏光板を液晶セル22の表面に粘着剤で貼着する方法等によって設けることができる。
偏光板としては、上述した吸収型偏光板、ワイヤグリッド型偏光板等が挙げられる。
〔樹脂層〕
樹脂層40は、後述する液状の樹脂層形成用硬化性樹脂組成物を硬化してなる層である。液晶表示装置1においては、硬化後の樹脂の弾性率が低くなる樹脂層形成用硬化性樹脂組成物が好ましい。樹脂の弾性率が大きいと、樹脂の硬化に際して硬化収縮等で発生する応力が、液晶パネル20の表示性能に悪影響を与えるおそれがある。
樹脂層40の厚さは、0.03〜2mmが好ましく、0.1〜0.8mmがより好ましい。樹脂層の厚さが0.03mm以上であれば、保護板10側からの外力による衝撃等を樹脂層40が効果的に緩衝して、液晶パネル20を保護できる。また、本発明の製造方法において、保護板10と液晶パネル20との間に樹脂層40の厚さを超える異物が混入しても、樹脂層40の厚さが大きく変化することなく、光透過性能への影響が少ない。樹脂層40の厚さが2mm以下であれば、樹脂層40に気泡が残留しにくく、また、液晶表示装置1の全体の厚さが不要に厚くならない。
樹脂層40の厚さを調整する方法としては、後述する未硬化のシール部の厚さを調節するとともに、未硬化のシール部に囲まれた領域に供給される液状の樹脂層形成用硬化性樹脂組成物の供給量を調節する方法が挙げられる。
〔シール部〕
シール部50は、後述する液状のシール部形成用硬化性樹脂組成物を塗布し、硬化してなるものである。液晶パネル20の画像表示領域の外側の領域が比較的狭いため、シール部50の幅は狭くすることが好ましい。シール部50の幅は、0.5〜2mmが好ましく、0.8〜1.6mmがより好ましい。
<液晶表示装置の製造方法>
本発明の液晶表示装置の製造方法は、下記工程(a1)〜(d1)を有する方法(α)、または下記工程(a2)〜(d2)を有する方法(β)である。
(方法(α))
(a1)液晶パネルの第2の偏光手段側とは反対側の表面の周縁部に、液状のシール部形成用硬化性樹脂組成物を塗布して未硬化のシール部を形成する工程。
(b1)未硬化のシール部で囲まれた領域に、液状の樹脂層形成用硬化性樹脂組成物を供給する工程。
(c1)100Pa以下の減圧雰囲気下にて、樹脂層形成用硬化性樹脂組成物の上に、第1の偏光手段が樹脂層形成用硬化性樹脂組成物側となるように保護板を重ねて、保護板、液晶パネルおよび未硬化のシール部で樹脂層形成用硬化性樹脂組成物からなる未硬化の樹脂層が密封された積層物を得る工程。
(d1)50kPa以上の圧力雰囲気下に積層物を置いた状態にて、未硬化のシール部および未硬化の樹脂層を硬化させる工程。
(方法(β))
(a2)保護板の第1の偏光手段側の表面の周縁部に、液状のシール部形成用硬化性樹脂組成物を塗布して未硬化のシール部を形成する工程。
(b2)未硬化のシール部で囲まれた領域に、液状の樹脂層形成用硬化性樹脂組成物を供給する工程。
(c2)100Pa以下の減圧雰囲気下にて、樹脂層形成用硬化性樹脂組成物の上に、第2の偏光手段が樹脂層形成用硬化性樹脂組成物側とは反対側となるように液晶パネルを重ねて、保護板、液晶パネルおよび未硬化のシール部で樹脂層形成用硬化性樹脂組成物からなる未硬化の樹脂層が密封された積層物を得る工程。
(d2)50kPa以上の圧力雰囲気下に積層物を置いた状態にて、未硬化のシール部および未硬化の樹脂層を硬化させる工程。
方法(α)、方法(β)ともに、減圧雰囲気下で保護板と液晶パネルとの間に液状の樹脂層形成用硬化性樹脂組成物を封じ込め、大気圧雰囲気下等の高い圧力雰囲気下で封じ込められている樹脂層形成用硬化性樹脂組成物を硬化させて樹脂層を形成する方法である。減圧下における樹脂層形成用硬化性樹脂組成物の封じ込めは、保護板と液晶パネルとの間隙の狭く広い空間に樹脂層形成用硬化性樹脂を注入する方法ではなく、保護板および液晶パネルのうちの一方の部材のほぼ全面に樹脂層形成用硬化性樹脂組成物を供給し、その後、他方の部材を重ねて、保護板と液晶パネルとの間に樹脂層形成用硬化性樹脂組成物を封じ込める方法である。
減圧下における液状の樹脂層形成用硬化性樹脂組成物の封じ込め、および大気圧下における樹脂層形成用硬化性樹脂組成物の硬化による透明積層体の製造方法の一例は公知である。たとえば、国際公開第2008/81838号パンフレット、国際公開第2009/16943号パンフレットに透明積層体の製造方法および該製造方法に用いられる硬化性樹脂組成物が記載されており、本明細書中に組み入れられる。
以下、方法(α)を例にして、本発明の液晶表示装置の製造方法を説明する。なお、方法(β)は、方法(α)における液晶パネルを保護板に置き換え、方法(α)における保護板を液晶パネルに置き換えただけであり、それ以外はまったく同じ方法であるため、方法(β)の説明は省略する。
(工程(a1))
まず、液晶パネルの第2の偏光手段側とは反対側の表面の周縁部に、液状のシール部形成用硬化性樹脂組成物を塗布して未硬化のシール部を形成する。
塗布は、印刷機、ディスペンサ等を用いて行われる。
未硬化のシール部には、後述の工程(c1)において、未硬化のシール部と液晶パネルとの界面、および未硬化のシール部と保護板との界面から液状の樹脂層形成用硬化性樹脂組成物が漏れ出さない程度以上の界面接着力、および形状を維持できる程度の固さが必要である。よって、未硬化のシール部には、粘度の高いシール部形成用硬化性樹脂組成物を用いることが好ましい。また、液晶パネルと保護板との間隔を保持するために、所定の粒子径のスペーサ粒子をシール部形成用硬化性樹脂組成物に配合してもよい。
シール部形成用硬化性樹脂組成物の粘度は、500〜3000Pa・sが好ましく、800〜2500Pa・sがより好ましく、1000〜2000Pa・sがさらに好ましい。粘度が500Pa・s以上であれば、未硬化のシール部の形状を比較的長時間維持でき、未硬化のシール部の高さを充分に維持できる。粘度が3000Pa・s以下であれば、未硬化のシール部を塗布によって形成できる。
シール部形成用硬化性樹脂組成物の粘度は、25℃においてE型粘度計を用いて測定する。
シール部形成用硬化性樹脂組成物は、光硬化性樹脂組成物であってもよく、熱硬化性樹脂組成物であってもよい。シール部形成用硬化性樹脂組成物としては、低温で硬化でき、かつ硬化速度が速い点から、硬化性化合物および光重合開始剤(C1)を含む光硬化性樹脂組成物が好ましい。また、硬化には高い温度を必要としないことから、高温による液晶パネルの損傷のおそれも少ない。
シール部形成用光硬化性樹脂組成物としては、粘度を前記範囲に調整しやすい点から、前記硬化性化合物として、硬化性基を有し、かつ数平均分子量が30000〜100000であるオリゴマー(A)の1種以上と、硬化性基を有し、かつ分子量が125〜600であるモノマー(B)の1種以上とを含み、モノマー(B)の割合が、オリゴマー(A)とモノマー(B)との合計(100質量%)のうち、15〜50質量%であるものが好ましい。
オリゴマー(A)の数平均分子量は、30000〜100000であり、40000〜80000が好ましく、50000〜65000がより好ましい。オリゴマー(A)の数平均分子量が該範囲であれば、シール部形成用光硬化性樹脂組成物の粘度を前記範囲に調整しやすい。
オリゴマー(A)の数平均分子量は、GPC測定によって得られた、ポリスチレン換算の数平均分子量である。なお、GPC測定において、未反応の低分子量成分(モノマー等)のピークが現れる場合は、該ピークを除外して数平均分子量を求める。
オリゴマー(A)の硬化性基としては、付加重合性の不飽和基(アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等)、不飽和基とチオール基との組み合わせ等が挙げられ、硬化速度が速い点および透明性の高いシール部が得られる点から、アクリロイルオキシ基およびメタクリロイルオキシ基から選ばれる基が好ましい。また、比較的高分子量のオリゴマー(A)における硬化性基は、比較的低分子量のモノマー(B)における硬化性基よりも反応性が低くなりやすいため、モノマー(B)の硬化が先に進んで急激に組成物全体の粘性が高まり硬化反応が不均質となるおそれがある。両者の硬化性基の反応性の差を小さくし、均質なシール部を得るために、オリゴマー(A)の硬化性基を比較的反応性の高いアクリロイルオキシ基とし、モノマー(B)の硬化性基を比較的反応性の低いメタクリロイルオキシ基とすることがより好ましい。
オリゴマー(A)としては、シール部形成用光硬化性樹脂組成物の硬化性、シール部の機械的特性の点から、硬化性基を1分子あたり平均1.8〜4個有するものが好ましい。
オリゴマー(A)としては、ウレタン結合を有するウレタンオリゴマー、ポリオキシアルキレンポリオールのポリ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリオールのポリ(メタ)アクリレート等が挙げられ、ウレタン鎖の分子設計等によって硬化後の樹脂の機械的特性、液晶パネルまたは保護板との密着性等を幅広く調整できる点から、ウレタンオリゴマー(A1)が好ましい。
数平均分子量が30000〜100000のウレタンオリゴマー(A1)は、高粘度となるため、通常の方法では合成が難しく、合成できたとしてもモノマー(B)との混合が難しい。よって、本発明においては、ウレタンオリゴマー(A1)を下記の合成方法で合成した後、得られた生成物をそのままシール部形成用光硬化性樹脂組成物として用いる、または得られた生成物をさらに後述するモノマー(B)(モノマー(B1)、モノマー(B3)等)で希釈してシール部形成用光硬化性樹脂組成物として用いることが好ましい。
ウレタンオリゴマー(A1)の合成方法:
希釈剤として、後述するモノマー(B)の1種であるイソシアネート基と反応する基を有さないモノマー(B1)の存在下、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させてイソシアネート基を有するプレポリマーを得た後、該プレポリマーのイソシアネート基に、イソシアネート基と反応する基および硬化性基を有するモノマー(B2)を反応させる方法。
ポリオール、ポリイソシアネートとしては、公知の化合物、たとえば、国際公開第2009/016943号パンフレットに記載のウレタン系オリゴマー(a)の原料として記載された、ポリオール(i)、ジイソシアネート(ii)等が挙げられ、本明細書に組み入れられる。
イソシアネート基と反応する基を有さないモノマー(B1)としては、炭素数8〜22のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−オクタデシル(メタ)アクリレート、n−ベヘニル(メタ)アクリレート等)、脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレート(イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等)が挙げられる。
イソシアネート基と反応する基および硬化性基を有するモノマー(B2)としては、活性水素(水酸基基、アミノ基等)および硬化性基を有するモノマーが挙げられ、具体的には、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等)等が挙げられ、炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキルアクリレートが好ましい。
モノマー(B)の分子量は、125〜600であり、140〜400が好ましく、150〜350がより好ましい。モノマー(B)の分子量が125以上であれば、後述の減圧積層方法によって液晶表示装置を製造する際のモノマー(B)の揮発が抑えられる。モノマー(B)の分子量が600以下であれば、高分子量のオリゴマー(A)に対するモノマー(B)の溶解性を高めることができ、シール部形成用光硬化性樹脂組成物としての粘度調整を好適に行うことができる。
モノマー(B)の硬化性基としては、付加重合性の不飽和基(アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等)、不飽和基とチオール基との組み合わせ等が挙げられ、硬化速度が速い点および透明性の高いシール部が得られる点から、アクリロイルオキシ基およびメタクリロイルオキシ基から選ばれる基が好ましい。また、比較的低分子量のモノマー(B)における硬化性基は、比較的高分子量のオリゴマー(A)における硬化性基よりも反応性が高くなりやすいため、モノマー(B)の硬化が先に進んで急激に組成物全体の粘性が高まり硬化反応が不均質となるおそれがある。均質なシール部を得るために、モノマー(B)の硬化性基を比較的反応性の低いメタクリロイルオキシ基とし、オリゴマー(A)の硬化性基を比較的反応性の高いアクリロイルオキシ基とすることがより好ましい。
モノマー(B)としては、シール部形成用光硬化性樹脂組成物の硬化性、シール部の機械的特性の点から、硬化性基を1分子あたり1〜3個有するものが好ましい。
シール部形成用光硬化性樹脂組成物は、モノマー(B)として、上述したウレタンオリゴマー(A1)の合成方法において希釈剤として用いたモノマー(B1)を含んでいてもよい。また、モノマー(B)として、上述したウレタンオリゴマー(A1)の合成方法に用いた未反応のモノマー(B2)を含んでいてもよい。
モノマー(B)は、液晶パネルまたは保護板とシール部との密着性や後述する各種添加剤の溶解性の点から、水酸基を有するモノマー(B3)を含むことが好ましい。
水酸基を有するモノマー(B3)としては、水酸基数1〜2、炭素数3〜8のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシメタアクリレート(2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート等)が好ましく、2−ヒドロキシブチルメタクリレートが特に好ましい。
モノマー(B)の割合は、オリゴマー(A)とモノマー(B)との合計(100質量%)のうち、15〜50質量%であり、20〜45質量%が好ましく、25〜40質量%がより好ましい。モノマー(B)の割合が15質量%以上であれば、シール部形成用光硬化性樹脂組成物の硬化性、液晶パネルまたは保護板とシール部との密着性が良好となる。モノマー(B)の割合が50質量%以下であれば、シール部形成用光硬化性樹脂組成物の粘度を500Pa・s以上に調整しやすい。
光重合開始剤(C1)としては、アセトフェノン系、ケタール系、ベンゾインまたはベンゾインエーテル系、フォスフィンオキサイド系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、キノン系等の光重合開始剤が挙げられ、アセトフェノン系、ケタール系、ベンゾインエーテル系の光重合開始剤が好ましい。短波長の可視光による硬化を行う場合は、吸収波長域の点から、フォスフィンオキサイド系の光重合開始剤がより好ましい。吸収波長域の異なる2種以上の光重合開始剤(C1)を併用することによって、硬化時間をさらに速めたり、シール部における表面硬化性を高めることができる。また、未硬化のシール部に隣接する部分の樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物の硬化を阻害しない範囲内において、後述の光重合開始剤(C2)を併用してもよい。併用する場合、重合開始剤(C1)と重合開始剤(C2)との割合は、硬化を効率的にかつ有効に行える点から、20:1〜5:1が好ましい。
光重合開始剤(C1)の量(光重合開始剤(C2)を含む場合は(C1)と(C2)との合計量)は、オリゴマー(A)とモノマー(B)との合計100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.1〜2.5質量部がより好ましい。
本発明のシール部形成用光硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、重合禁止剤、光硬化促進剤、連鎖移動剤、光安定剤(紫外線吸収剤、ラジカル捕獲剤等)、酸化防止剤、難燃化剤、接着性向上剤(シランカップリング剤等)、顔料、染料等の各種添加剤を含んでいてもよく、重合禁止剤、光安定剤を含むことが好ましい。特に、重合禁止剤を重合開始剤より少ない量含むことによって、シール部形成用光硬化性樹脂組成物の安定性を改善でき、硬化後の樹脂層の分子量も調整できる。
重合禁止剤としては、ハイドロキノン系(2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン等)、カテコール系(p−t−ブチルカテコール等)、アンスラキノン系、フェノチアジン系、ヒドロキシトルエン系等の重合禁止剤が挙げられる。
光安定剤としては、紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチレート系等)、ラジカル捕獲剤(ヒンダードアミン系)等が挙げられる。
酸化防止剤としては、リン系、イオウ系の化合物が挙げられる。
各種添加剤の合計量は、オリゴマー(A)とモノマー(B)との合計100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
(工程(b1))
工程(a1)の後、未硬化のシール部で囲まれた領域に液状の樹脂層形成用硬化性樹脂組成物を供給する。
樹脂層形成用硬化性樹脂組成物の供給量は、未硬化のシール部、液晶パネルおよび保護板によって形成される空間が樹脂層形成用硬化性樹脂組成物によって充填され、かつ液晶パネルと保護板との間を所定の間隔とする(すなわち樹脂層を所定の厚さとする)だけの分量にあらかじめ設定する。この際、樹脂層形成用硬化性樹脂組成物の硬化収縮による体積減少をあらかじめ考慮することが好ましい。よって、該分量は、樹脂層の所定厚さよりも樹脂層形成用硬化性樹脂組成物の厚さが若干厚くなる量が好ましい。
供給方法としては、液晶パネルを平置きにし、ディスペンサ、ダイコータ等の供給手段によって、点状、線状または面状に供給する方法が挙げられる。
樹脂層形成用硬化性樹脂組成物の粘度は、0.05〜50Pa・sが好ましく、1〜20Pa・sがより好ましい。粘度が0.05Pa・s以上であれば、後述するモノマー(B’)の割合を抑えることができ、樹脂層の物性の低下が抑えられる。また、低沸点の成分が少なくなるため、後述する減圧積層方法に好適となる。粘度が50Pa・s以下であれば、樹脂層に気泡が残留しにくい。
樹脂層形成用硬化性樹脂組成物の粘度は、25℃においてE型粘度計を用いて測定する。
樹脂層形成用硬化性樹脂組成物は、光硬化性樹脂組成物であってもよく、熱硬化性樹脂組成物であってもよい。樹脂層形成用硬化性樹脂組成物としては、低温で硬化でき、かつ硬化速度が速い点から、硬化性化合物および光重合開始剤(C2)を含む光硬化性樹脂組成物が好ましい。また、硬化には高い温度を必要としないことから、高温による液晶パネルの損傷のおそれも少ない。
樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物としては、粘度を前記範囲に調整しやすい点から、前記硬化性化合物として、硬化性基を有し、かつ数平均分子量が1000〜100000であるオリゴマー(A’)の1種以上と、硬化性基を有し、かつ分子量が125〜600であるモノマー(B’)の1種以上とを含み、モノマー(B’)の割合が、オリゴマー(A’)とモノマー(B’)との合計(100質量%)のうち、40〜80質量%であるものが好ましい。
オリゴマー(A’)の数平均分子量は、1000〜100000であり、10000〜70000が好ましい。オリゴマー(A’)の数平均分子量が該範囲であれば、樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物の粘度を前記範囲に調整しやすい。
オリゴマー(A’)の数平均分子量は、GPC測定によって得られた、ポリスチレン換算の数平均分子量である。なお、GPC測定において、未反応の低分子量成分(モノマー等)のピークが現れる場合は、該ピークを除外して数平均分子量を求める。
オリゴマー(A’)の硬化性基としては、付加重合性の不飽和基(アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等)、不飽和基とチオール基との組み合わせ等が挙げられ、硬化速度が速い点および透明性の高い樹脂層が得られる点から、アクリロイルオキシ基およびメタクリロイルオキシ基から選ばれる基が好ましい。また、比較的高分子量のオリゴマー(A’)における硬化性基は、比較的低分子量のモノマー(B’)における硬化性基よりも反応性が低くなりやすいため、モノマー(B’)の硬化が先に進んで急激に組成物全体の粘性が高まり硬化反応が不均質となるおそれがある。均質な樹脂層を得るために、オリゴマー(A’)の硬化性基を比較的反応性の高いアクリロイルオキシ基とし、モノマー(B’)の硬化性基を比較的反応性の低いメタクリロイルオキシ基とすることがより好ましい。
オリゴマー(A’)としては、樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物の硬化性、樹脂層の機械的特性の点から、硬化性基を1分子あたり平均1.8〜4個有するものが好ましい。
オリゴマー(A’)としては、ウレタン結合を有するウレタンオリゴマー、ポリオキシアルキレンポリオールのポリ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリオールのポリ(メタ)アクリレート等が挙げられ、ウレタン鎖の分子設計等によって硬化後の樹脂の機械的特性、液晶パネルまたは保護板との密着性等を幅広く調整できる点から、ウレタンオリゴマーが好ましい。
オリゴマー(A’)の割合は、オリゴマー(A’)とモノマー(B’)との合計(100質量%)のうち、20〜60質量%が好ましく、30〜50質量%がより好ましい。オリゴマー(A’)の割合が20質量%以上であれば、樹脂層の耐熱性が良好となる。オリゴマー(A’)の割合が60質量%以下であれば、樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物の硬化性、液晶パネルまたは保護板と樹脂層との密着性が良好となる。
モノマー(B’)の分子量は、125〜600であり、140〜400が好ましい。モノマー(B’)の分子量が125以上であれば、後述の減圧積層方法によって表示装置を製造する際のモノマーの揮発が抑えられる。モノマー(B’)の分子量が600以下であれば、液晶パネルまたは保護板と樹脂層との密着性が良好となる。
モノマー(B’)の硬化性基としては、付加重合性の不飽和基(アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等)、不飽和基とチオール基との組み合わせ等が挙げられ、硬化速度が速い点および透明性の高い樹脂層が得られる点から、アクリロイルオキシ基およびメタクリロイルオキシ基から選ばれる基が好ましい。また、比較的低分子量のモノマー(B’)における硬化性基は、比較的高分子量のオリゴマー(A’)における硬化性基よりも反応性が高くなりやすいため、モノマー(B’)の硬化が先に進んで急激に組成物全体の粘性が高まり硬化反応が不均質となるおそれがある。均質な樹脂層を得るために、モノマー(B’)の硬化性基を比較的反応性の低いメタクリロイルオキシ基とし、オリゴマー(A’)の硬化性基を比較的反応性の高いアクリロイルオキシ基とすることがより好ましい。
モノマー(B’)としては、樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物の硬化性、樹脂層の機械的特性の点から、硬化性基を1分子あたり1〜3個有するものが好ましい。
モノマー(B’)は、液晶パネルまたは保護板と樹脂層との密着性の点から、水酸基を有するモノマー(B3)を含むことが好ましい。
水酸基を有するモノマー(B3)としては、シール部形成用光硬化性樹脂組成物におけるモノマー(B3)と同様のものが挙げられ、2−ヒドロキシブチルメタクリレートが特に好ましい。
モノマー(B3)の割合は、オリゴマー(A’)とモノマー(B’)との合計(100質量%)のうち、15〜70質量%が好ましく、20〜50質量%がより好ましい。モノマー(B3)の割合が15質量%以上であれば、樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物の硬化性、液晶パネルまたは保護板と樹脂層との密着性が良好となる。
モノマー(B’)は、樹脂層の機械的特性の点から、下記のモノマー(B4)を含むことが好ましい。
モノマー(B4):炭素数8〜22のアルキル基を有するアルキルメタクリレート。
モノマー(B4)としては、n−ドデシルメタクリレート、n−オクタデシルメタクリレート、n−ベヘニルメタクリレート等が挙げられ、n−ドデシルメタクリレート、n−オクタデシルメタクリレートが好ましい。
モノマー(B4)の割合は、オリゴマー(A’)とモノマー(B’)との合計(100質量%)のうち、5〜50質量%が好ましく、15〜40質量%がより好ましい。モノマー(B4)の割合が5質量%以上であれば、樹脂層の柔軟性が良好となる。
光重合開始剤(C2)は、前記光重合開始剤(C1)の吸収波長域(λ1)よりも長波長側に存在する吸収波長域(λ2)を有するものである。光重合開始剤(C2)は、吸収波長域(λ2)のみを有するものであってもよく、吸収波長域(λ1)と重複する吸収波長域(λ1’)および吸収波長域(λ2)を有するものであってもよい。
光重合開始剤(C2)としては、アセトフェノン系、ケタール系、ベンゾインまたはベンゾインエーテル系、フォスフィンオキサイド系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、キノン系等の光重合開始剤が挙げられ、フォスフィンオキサイド系、チオキサントン系の光重合開始剤が好ましく、光重合反応後に着色を抑える面ではフォスフィンオキサイド系が特に好ましい。
光重合開始剤(C2)としては、これらの光重合開始剤のうち、光重合開始剤(C1)に対して吸収波長域(λ2)を有するものを適宜選択して用いる。
光重合開始剤(C2)の量は、オリゴマー(A’)とモノマー(B’)との合計100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.1〜2.5質量部がより好ましい。
樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、重合禁止剤、光硬化促進剤、連鎖移動剤、光安定剤(紫外線吸収剤、ラジカル捕獲剤等)、酸化防止剤、難燃化剤、接着性向上剤(シランカップリング剤等)、顔料、染料等の各種添加剤を含んでいてもよく、重合禁止剤、光安定剤を含むことが好ましい。特に、重合禁止剤を重合開始剤より少ない量含むことによって、樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物の安定性を改善でき、硬化後の樹脂層の分子量も調整できる。
(工程(c1))
工程(b1)の後、樹脂層形成用硬化性樹脂組成物が供給された液晶パネルを減圧装置に入れ、減圧装置内の固定支持盤の上に、樹脂層形成用硬化性樹脂組成物が上を向くように液晶パネルを平置きする。
減圧装置内の上部に設けられた、上下方向に移動可能な移動支持機構に、第1の偏光手段が下を向くように保護板を取り付ける。
保護板は、液晶パネルの上方かつ樹脂層形成用硬化性樹脂組成物と接しない位置に保持される。すなわち、液晶パネルの表面の樹脂層形成用硬化性樹脂組成物と保護板とを接触させることなく対向させる。
また、液晶パネルの取り付け位置および保護板の取り付け位置は、第1の偏光手段および第2の偏光手段の偏光軸の成す角度が液晶セルの設計に合うように調整する。たとえば、非通電時に液晶セル中の液晶が概ね液晶セルの透明面材に対して垂直方向となる液晶セルにおいては、第1の偏光手段および第2の偏光手段の偏光軸の成す角度はほぼ90°とする。
なお、上下方向に移動可能な移動支持機構を減圧装置内の下部に設け、移動支持機構の上に樹脂層形成用硬化性樹脂組成物が供給された液晶パネルを置いてもよい。この場合、保護板を、減圧装置内の上部に設けられた固定支持盤に取り付けて、液晶パネルと保護板とを対向させる。また、液晶パネルおよび保護板の両方を、減圧装置内の上下に設けた移動支持機構で支持してもよい。
液晶パネルおよび保護板を所定の位置に配置した後、減圧装置の内部を減圧して所定の減圧雰囲気とする。可能であれば、減圧操作中または所定の減圧雰囲気とした後に、減圧装置内で液晶パネルおよび保護板を所定の位置に位置させてもよい。
減圧装置の内部が所定の減圧雰囲気となった後、移動支持機構で支持された保護板を下方に移動し、液晶パネルの表面の樹脂層形成用硬化性樹脂組成物の上に第2の面材を重ね合わせる。
重ね合わせによって、液晶パネルの表面、保護板の表面、および未硬化のシール部で囲まれた空間内に、樹脂層形成用硬化性樹脂組成物が密封される。
重ね合わせの際、保護板の自重、移動支持機構からの押圧等によって、樹脂層形成用硬化性樹脂組成物が押し広げられ、前記空間内に樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物が充満し、未硬化の樹脂層が形成される。その後、工程(d)において高い圧力雰囲気に曝した際に、気泡の少ないまたは気泡のない未硬化の樹脂層となる。
重ね合わせの際の減圧雰囲気は、100Pa以下であり、10Pa以上が好ましい。減圧雰囲気があまりに低圧であると、樹脂層形成用硬化性樹脂組成物に含まれる各成分(硬化性化合物、光重合開始剤、重合禁止剤、光安定剤等)に悪影響を与えるおそれがある。たとえば、減圧雰囲気があまりに低圧であると、各成分が気化するおそれがあり、また、減圧雰囲気を提供するために時間がかかることがある。減圧雰囲気の圧力は、15〜40Paがより好ましい。
液晶パネルと保護板とを重ね合わせた時点から減圧雰囲気を解除するまでの時間は、特に限定されず、樹脂層形成用硬化性樹脂組成物の密封後、直ちに減圧雰囲気を解除してもよく、樹脂層形成用硬化性樹脂組成物の密封後、減圧状態を所定時間維持してもよい。減圧状態を所定時間維持することによって、樹脂層形成用硬化性樹脂組成物が密閉空間内を流れて液晶パネルと保護板と間の間隔が均一となり、雰囲気圧力を上げても密封状態を維持しやすくなる。減圧状態を維持する時間は、数時間以上の長時間であってもよいが、生産効率の点から、1時間以内が好ましく、10分以内がより好ましい。
本発明の製造方法においては、粘度が高いシール部形成用硬化性樹脂組成物を塗布して未硬化のシール部を形成した場合、工程(c)で得られた積層物における未硬化の樹脂層の厚さを30μm〜3mmと比較的厚くすることができる。
(工程(d1))
工程(c1)において減圧雰囲気を解除した後、積層物を雰囲気圧力が50kPa以上の圧力雰囲気下に置く。
積層物を50kPa以上の圧力雰囲気下に置くと、上昇した圧力によって液晶パネルと保護板とが密着する方向に押圧されるため、積層物内の密閉空間に気泡が存在すると、気泡に未硬化の樹脂層が流動していき、密閉空間全体が未硬化の樹脂層によって均一に充填される。
圧力雰囲気は、通常80k〜120kPaである。圧力雰囲気は、大気圧雰囲気であってもよく、それよりも高い圧力であってもよい。未硬化の樹脂層の硬化等の操作を、特別な設備を要することなく行うことができる点から、大気圧雰囲気が最も好ましい。
積層物を50kPa以上の圧力雰囲気下に置いた時点から未硬化の樹脂層の硬化を開始するまでの時間(以下、高圧保持時間と記す。)は、特に限定されない。積層物を減圧装置から取り出して硬化装置に移動し、硬化を開始するまでのプロセスを大気圧雰囲気下で行う場合には、そのプロセスに要する時間が高圧保持時間となる。よって、大気圧雰囲気下に置いた時点ですでに積層物の密閉空間内に気泡が存在しない場合、またはそのプロセスの間に気泡が消失した場合は、直ちに未硬化の樹脂層を硬化させることができる。気泡が消失するまでに時間を要する場合は、積層物を気泡が消失するまで50kPa以上の圧力の雰囲気下で保持する。また、高圧保持時間が長くなっても通常支障は生じないことから、プロセス上の他の必要性から高圧保持時間を長くしてもよい。高圧保持時間は、1日以上の長時間であってもよいが、生産効率の点から、6時間以内が好ましく、1時間以内がより好ましく、さらに生産効率が高まる点から、10分以内が特に好ましい。
ついで、未硬化の樹脂層を硬化させることによって、液晶パネルと保護板とを接合する樹脂層が形成され、液晶表示装置が製造される。この際、未硬化のシール部は、未硬化の樹脂層の硬化と同時に硬化させてもよく、未硬化の樹脂層の硬化の前にあらかじめ硬化させてもよい。
未硬化の樹脂層および未硬化のシール部は、光硬化性組成物からなる場合、光を照射して硬化させる。たとえば、光源(紫外線ランプ、高圧水銀灯、UV−LED等)から紫外線または短波長の可視光を照射して、光硬化性樹脂組成物を硬化させる。
この際、積層物の液晶パネルおよび保護板のうち、光透過性を有する保護板の側から未硬化の樹脂層に光を照射し、また、積層物の側方から遮光印刷部および液晶パネルに挟まれた未硬化のシール部および未硬化の樹脂層に光を照射する。
液晶パネルおよび保護板のうち、液晶パネルは動作させない状態では光透過性を有さないものが多いため、保護板の側から遮光印刷部に囲まれた透光部を通して光を照射する。
また、保護板の周縁部に遮光印刷部が設けられていて、遮光印刷部と液晶パネルに挟持される領域に、未硬化のシール部および未硬化の樹脂層が存在すると、保護板の透光部からの光だけでは充分に硬化できない。よって、積層物の側方から光を照射する。
光としては、紫外線または450nm以下の可視光が好ましい。特に、保護板に反射防止層が設けられ、反射防止層または反射防止層を形成した透明樹脂フィルムやその反射防止フィルムと透明面材間に設けられた粘着層等が紫外線を透過しない場合には、可視光による硬化が必要となる。
積層物の側方からの光照射の光源としては、保護板の側からの光照射に用いる光源を用いてもよいが、紫外線または450nm以下の可視光を発光するLEDを用いることが光源の配置スペースおよび特定個所への効率的な光照射に適している点から好ましい。
光は、保護板の側からの照射の後に積層物の側方から照射してもよく、積層物の側方からの照射の後に保護板の側から照射してもよく、保護板の側および積層物の側方から同時に照射してもよい。遮光印刷部における未硬化のシール部および未硬化の樹脂層の硬化をより促進するためには、先に積層物の側方から照射するか、積層物の側方と同時に保護板の側から照射することが好ましい。
本発明の製造方法においては、下記の理由から、樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物に含まれる光重合開始剤(C2)として、シール部形成用光硬化性樹脂組成物に含まれる光重合開始剤(C1)の吸収波長域(λ1)よりも長波長側に存在する吸収波長域(λ2)を有する光重合開始剤を用い、そして、積層物の側方から照射される光として、吸収波長域(λ1)内の波長の光および吸収波長域(λ2)内の波長の光を含む光を用いることが好ましい。
理由:
遮光印刷部および液晶パネルに挟まれた未硬化のシール部の幅は0.5〜2mmであり、遮光印刷部および液晶パネルに挟まれた未硬化の樹脂層の幅は1〜10mmである、すなわち未硬化の樹脂層の厚さの0.03〜2mmよりも大きい場合が多い。そのため、側方から照射された光は、遮光印刷部と透光部との境界の部分の未硬化の樹脂層まで届きにくい。
該状況において、もし、未硬化のシール部の光重合開始剤と、未硬化の樹脂層の光重合開始剤として、まったく同じ吸収波長域を有するものを用いると、側方から照射された光が未硬化のシール部の光重合開始剤にほとんどが吸収されるため、硬化に必要な光が未硬化の樹脂層に充分に到達せず、硬化を充分に行うことができない。遮光印刷部における未硬化の樹脂層の硬化が充分でないと、遮光印刷部と透光部との境界の部分に、硬化が充分でない樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物または未硬化の樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物が経時的に拡散することがあり、透光部の充分に硬化した樹脂層と、硬化が充分でない部分とのわずかな屈折率の違いにより、遮光印刷部と透光部との境界の部分において、透過光に光学的な歪が発生することがあり、画質が低下するおそれがある。
一方、未硬化の樹脂層の光重合開始剤(C2)として、未硬化のシール部の光重合開始剤(C1)の吸収波長域(λ1)よりも長波長側に存在する吸収波長域(λ2)を有する光重合開始剤(C2)を用い、そして、積層物の側方から照射される光として、吸収波長域(λ1)内の波長の光および吸収波長域(λ2)内の波長の光の両方を用いる。これにより、未硬化のシール部の光重合開始剤(C1)に吸収されなかった吸収波長域(λ2)内の波長の光が、遮光印刷部および液晶パネルに挟まれた未硬化の樹脂層に充分に到達し、吸収波長域(λ2)を有する光重合開始剤(C2)によって、未硬化の樹脂層の硬化を充分に行うことができる。
この際、吸収波長域(λ1)と少なくとも一部が重複する発光波長域を有する光源からの光と、吸収波長域(λ2)と少なくとも一部が重複する発光波長域を有する光源からの光を、同時に照射してもよく、別々に照射してもよい。また、吸収波長域(λ1)および吸収波長域(λ2)の両方と少なくとも一部が重複する発光波長域を有する光源からの光を照射してもよい。
〔具体例〕
以下、方法(α)の場合を例にして、図1の液晶表示装置の製造方法を、図面を用いて具体的に説明する。
(工程(a1))
図3および図4に示すように、液晶パネル20の第2の偏光手段26側とは反対側の表面の周縁部に沿ってディスペンサ(図示略)等によってシール部形成用光硬化性樹脂組成物を塗布して未硬化のシール部を形成する。
液晶パネル20の外周部には、液晶パネル20を動作させるための電気信号を伝達するフレキシブルプリント配線板24等の配線部材が設置されていることがある。本発明の製造方法において液晶パネル20および保護板10を保持する際に、配線部材の配置を容易にする点では、液晶パネル20を下側に配置することが好ましい。
(工程(b1))
ついで、図5および図6に示すように、液晶パネル20の未硬化のシール部52に囲まれた矩形状の領域42に樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物44を供給する。樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物44の供給量は、未硬化のシール部52と液晶パネル20と保護板10(図7参照)とによって密閉される空間が樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物44によって充填されるだけの量にあらかじめ設定されている。
樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物44の供給は、図5および図6に示すように、液晶パネル20を下定盤66に平置きにし、水平方向に移動するディスペンサ60によって樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物44を線状、帯状または点状に供給することによって実施される。
ディスペンサ60は、一対の送りねじ62と、送りねじ62に直交する送りねじ64とからなる公知の水平移動機構によって、領域42の全範囲において水平移動可能となっている。なお、ディスペンサ60の代わりに、ダイコータを用いてもよい。
(工程(c1))
ついで、図7に示すように、液晶パネル20と保護板10とを減圧装置70内に搬入する。減圧装置70内の上部には、複数の吸着パッド72を有する上定盤74が配置され、下部には、下定盤76が設けられている。上定盤74は、エアシリンダ78によって上下方向に移動可能とされている。
保護板10は、第1の偏光手段16を下に向けて吸着パッド72に取り付けられる。液晶パネル20は、樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物44を上に向けて下定盤76の上に固定される。
ついで、減圧装置70内の空気を真空ポンプ80によって吸引する。減圧装置70内の雰囲気圧力が、たとえば15〜40Paの減圧雰囲気に達した後、保護板10を上定盤74の吸着パッド72によって吸着保持した状態で、下に待機している液晶パネル20に向けて、エアシリンダ78を動作させて下降させる。そして、液晶パネル20と保護板10とを、未硬化のシール部52を介して重ね合わせて、保護板10、液晶パネル20および未硬化のシール部52で樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物44からなる未硬化の樹脂層が密封された積層物を構成し、減圧雰囲気下で所定時間積層物を保持する。
なお、下定盤76に対する液晶パネル20の取り付け位置、吸着パッド72の個数、上定盤74に対する保護板10の取り付け位置等は、液晶パネル20および保護板10のサイズ、形状等に応じて適宜調整する。また、液晶パネル20の取り付け位置および保護板10の取り付け位置は、第1の偏光手段16および第2の偏光手段26の偏光軸の成す角度が液晶セルの設計に合うように調整する。たとえば、非通電時に液晶セル中の液晶が概ね液晶セルの透明面材に対して垂直方向となる液晶セルにおいては、第1の偏光手段および第2の偏光手段の偏光軸の成す角度はほぼ90°とする。この際、吸着パッドとして静電チャックを用い、日本国特願2008−206124に添付された明細書(本明細書に組み入れられる)に記載の静電チャック保持方法を採用することで、ガラス基板を安定して減圧雰囲気下で保持できる。
(工程(d1))
ついで、減圧装置70の内部をたとえば大気圧にした後、積層物を減圧装置70から取り出す。積層物を大気圧雰囲気下に置くと、積層物の液晶パネル20の側の表面と保護板10の側の表面とが大気圧によって押圧され、密閉空間内の樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物44が液晶パネル20と保護板10とで加圧される。この圧力によって、密閉空間内の未硬化の樹脂層が流動して、密閉空間全体が未硬化の樹脂層によって均一に充填される。上記密閉空間全体が未硬化の樹脂層によって充填された後であっても、僅かな位置調整であれば保護板10の位置を液晶パネル20に対して移動させることにより、第1の偏光手段16および第2の偏光手段26の偏光軸の成す角度を調整することもできる。
ついで、図8に示すように、積層物の側方から遮光印刷部14および液晶パネル20に挟まれた未硬化のシール部52および未硬化の樹脂層46に光(紫外線)を積層物の全周に照射し、かつ保護板10の側から透光部18を通して未硬化の樹脂層46に光(紫外線)を照射して、積層物内部の未硬化のシール部52および未硬化の樹脂層46を硬化させることによって、液晶表示装置1が製造される。
以上、方法(α)の場合を例にして本発明の液晶表示装置の製造方法を具体的に説明したが、方法(β)の場合も同様にして液晶表示装置を製造できる。
(作用効果)
以上説明した本発明の液晶表示装置の製造方法にあっては、2つの偏光手段のうち保護板側に位置する偏光手段を、液晶パネルではなく、保護板にあらかじめ貼り付けているため、液晶パネルと保護板とを重ねる直前に、液晶パネルと保護板とを相対的に移動させ、2つの偏光手段の偏光軸の微調整を行うことができる。そのため、2つの偏光手段の偏光軸の成す好ましい角度を容易に合わせることができる。
また、以上説明した本発明の液晶表示装置の製造方法によれば、比較的大面積の液晶表示装置を樹脂層中に気泡を発生させることなく製造できる。仮に、減圧下で密封した未硬化の樹脂層中に気泡が残存しても、硬化前の高い圧力雰囲気下では密封した未硬化の樹脂層にもその圧力がかかり、その気泡の体積は減少し、気泡は容易に消失する。たとえば、100Pa下で密封した未硬化の樹脂層中の気泡中の気体の体積は100kPa下では1/1000になると考えられる。気体は未硬化の樹脂層に溶解することもあるので、微小体積の気泡中の気体は未硬化の樹脂層に速やかに溶解して消失する。
また、密封後の未硬化の樹脂層に大気圧等の圧力がかかっても、液状の樹脂層形成用硬化性樹脂組成物は流動性の組成物であることから、液晶パネルの表面にその圧力は均一に分布し、未硬化の樹脂層に接した液晶パネルの表面の一部にそれ以上の応力がかかることはなく、液晶パネルの損傷のおそれは少ない。
また、樹脂層形成用硬化性樹脂組成物の硬化による樹脂層と液晶パネルおよび保護板との界面接着力は、熱融着性樹脂の融着による界面接着力よりも高い。しかも、流動性の樹脂層形成用硬化性樹脂組成物を加圧して液晶パネルおよび保護板の表面に密着させ、その状態で硬化させるため、より高い界面接着力が得られるとともに、液晶パネルおよび保護板の表面に対し均一な接着が得られ、部分的に界面接着力が低くなることが少ない。したがって、樹脂層の表面にて剥離が発生するおそれが低く、また界面接着力が不充分な部分から水分や腐食性ガスが浸入するおそれも少ない。
また、液晶パネルおよび保護板の間の狭くかつ広い面積の空間に流動性の樹脂層形成用硬化性樹脂組成物を注入する方法(注入法)と比較すると、気泡の発生が少なくかつ短時間に樹脂層形成用硬化性樹脂組成物を充填できる。しかも、樹脂層形成用硬化性樹脂組成物の粘度の制約が少なく、高粘度の樹脂層形成用硬化性樹脂組成物を容易に充填できる。したがって、樹脂層の強度を高められる比較的高分子量の硬化性化合物を含む高粘度の樹脂層形成用硬化性樹脂組成物を用いることができる。
また、未硬化の樹脂層の光重合開始剤(C2)として、未硬化のシール部の光重合開始剤(C1)の吸収波長域(λ1)よりも長波長側に存在する吸収波長域(λ2)を有する光重合開始剤(C2)を用い、そして、積層物の側方から照射される光として、吸収波長域(λ1)内の波長の光および吸収波長域(λ2)内の波長の光の両方を用いているため、未硬化のシール部の光重合開始剤(C1)に吸収されなかった吸収波長域(λ2)内の波長の光が、遮光印刷部と液晶パネルとに挟まれた未硬化の樹脂層に充分に到達し、吸収波長域(λ2)を有する光重合開始剤(C2)によって、未硬化の樹脂層の硬化を充分に行うことができる。
以下に、本発明の有効性を確認するために実施した例について示す。例1が実施例であり、例2が比較例である。
(数平均分子量)
オリゴマーの数平均分子量は、GPC装置(TOSOH社製、HLC−8020)を用いて求めた。
(粘度)
光硬化性樹脂組成物の粘度は、E型粘度計(東機産業社製、RE−85U)にて測定した。
(ヘイズ値)
ヘイズ値は、東洋精機製作所社製のヘイズガードIIを用い、ASTM D1003に準じた測定によって求めた。
〔例1〕
(液晶パネル)
非通電時に液晶が液晶セルの透明面材に対して概ね垂直な方向に配向している、長さ712mm、幅412mm、厚さ約2mmの液晶セルの片面だけに、偏光軸が液晶セルの短辺と平行となるように吸収型偏光板が貼着された液晶パネルAを用意した。画像表示領域は、長さ696mm、幅390mmであった。
(保護板)
長さ794mm、幅479mm、厚さ3mmのソーダライムガラス板の一方の表面の周縁部に、透光部が長さ698mm、幅392mmとなるように黒色顔料を含むセラミック印刷にて額縁状に遮光印刷部を形成した。
ついで、ヨウ素をPVAフィルム中に配向させたフィルム状の吸収型偏光子の偏光軸が保護板の長辺と平行となるようにして、ソーダライムガラス板の遮光印刷部を形成した側の表面と接するように、吸収型偏光子をソーダライムガラス板とTACフィルムとで挟み、これらを貼合した。
ついで、ソーダライムガラス板の吸収型偏光子側とは反対側の表面全体に、反射防止フィルム(日本油脂社製、リアルックX4001)を保護フィルムをつけた状態で貼着して、保護板Bを作製した。
(シール部形成用光硬化性樹脂組成物)
分子末端をエチレンオキシドで変性した2官能のポリプロピレングリコール(水酸基価より算出した数平均分子量:4000)と、ヘキサメチレンジイソシアネートとを、6対7となるモル比で混合し、ついでイソボルニルアクリレート(大阪有機化学工業社製、IBXA)で希釈した後、錫化合物の触媒存在下で70℃で反応させて得られたプレポリマーに、2−ヒドロキシエチルアクリレートをほぼ1対2となるモル比で加えて70℃で反応させることによって、30質量%のイソボルニルアクリレートで希釈されたウレタンアクリレートオリゴマー(以下、UC−1と記す。)溶液を得た。UC−1の硬化性基数は2であり、数平均分子量は約55000であった。UC−1溶液の60℃における粘度は約580Pa・sであった。
UC−1溶液の90質量部および2−ヒドロキシブチルメタクリレート(共栄社化学社製、ライトエステル HOB)の10質量部を均一に混合して混合物を得た。該混合物の100質量部、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(光重合開始剤、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGACURE 184)の0.9質量部、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(光重合開始剤、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGACURE 819)の0.1質量部、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン(重合禁止剤)の0.04質量部を均一に混合し、シール部形成用光硬化性樹脂組成物Cを得た。
シール部形成用光硬化性樹脂組成物Cを容器に入れたまま開放状態で減圧装置内に設置して、減圧装置内を約20Paに減圧して10分保持することで脱泡処理を行った。シール部形成用光硬化性樹脂組成物Cの25℃における粘度を測定したところ、約1400Pa・sであった。
(樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物)
分子末端をエチレンオキシドで変性した2官能のポリプロピレングリコール(水酸基価より算出した数平均分子量:4000)と、イソホロンジイソシアネートとを、4対5となるモル比で混合し、錫化合物の触媒存在下で70℃で反応させて得られたプレポリマーに、2−ヒドロキシエチルアクリレートをほぼ1対2となるモル比で加えて70℃で反応させることによって、ウレタンアクリレートオリゴマー(以下、UA−2と記す。)を得た。UA−2の硬化性基数は2であり、数平均分子量は約24000であり、25℃における粘度は約830Pa・sであった。
UA−2の40質量部、2−ヒドロキシブチルメタクリレート(共栄社化学社製、ライトエステル HOB)の24質量部、n−ドデシルメタクリレートの36質量部を均一に混合し、該混合物の100質量部に、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(光重合開始剤、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGACURE 819)の0.2質量部、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン(重合禁止剤)の0.04質量部、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン(連鎖移動剤、昭和電工社製、カレンズMT BD−1)の1質量部、紫外線吸収剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、TINUVIN 109)の0.3質量部を均一に溶解させて、樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物Dを得た。
IRGACURE 819は、IRGACURE 184の吸収波長域(約380nm以下)よりも長波長側にも吸収波長域(約440nm以下)を有する。
樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物Dを容器に入れたまま開放状態で減圧装置内に設置して、減圧装置内を約20Paに減圧して10分保持することで脱泡処理を行った。樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物Dの25℃における粘度を測定したところ、1.7Pa・sであった。
(工程(a1))
液晶パネルAの偏光板側とは反対側の表面(つまり、偏光板が形成されていない面)、かつ画像表示領域の外側の約5mmの位置の全周にわたって、幅約1mm、塗布厚さ約0.6mmとなるようにシール部形成用光硬化性樹脂組成物Cをディスペンサにて塗布し、未硬化のシール部を形成した。
(工程(b1))
液晶パネルAの画像表示領域の外周に塗布された未硬化のシール部の内側の領域に、樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物Dを、ディスペンサを用いて総質量が125gとなるように複数個所に供給した。
樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物Dを供給する間、未硬化のシール部の形状は維持されていた。
(工程(c1))
液晶パネルAを、一対の定盤の昇降装置が設置されている減圧装置内の下定盤の上面に、樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物Dが上を向くように平置した。
保護板Bを、吸収型偏光子側の表面が液晶パネルAに対向するように、減圧装置内の昇降装置の上定盤の下面に静電チャックを用いて、上面から見た場合に保護板Bの遮光印刷部のない透光部と液晶パネルAの画像表示領域とが約1mmのマージンをもって同位置となるように、垂直方向では液晶パネルAとの距離が30mmとなるように保持させた。このとき、液晶パネルAの偏光板および保護板Bの吸収型偏光子の偏光軸はお互いに直交するように配置されていた。
減圧装置を密封状態として減圧装置内の圧力が約10Paとなるまで排気した。減圧装置内の昇降装置にて上下の定盤を接近させ、液晶パネルAと保護板Bとを樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物Dを介して2kPaの圧力で圧着し、1分間保持させた。静電チャックを除電して上定盤から保護板Bを離間させ、約15秒で減圧装置内を大気圧に戻し、液晶パネルA、保護板Bおよび未硬化のシール部で樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物Dからなる未硬化の樹脂層が密封された積層物Eを得た。
積層物Eにおいて未硬化のシール部の形状は、ほぼ初期の状態のまま維持されていた。
(工程(d1))
積層物Eの液晶パネルAの周縁部に設けられた未硬化のシール部(シール部形成用光硬化性樹脂組成物C)に、積層物Eの側方から、紫外線LEDを線状に配した紫外線光源(Spectrum Illumination社製 LL146−395)を用いて、未硬化のシール部の全周にわたって約10分間光を照射し、未硬化のシール部を硬化させた。照射光の強度を、照度計(オーク製作所社製、UV−M02、受光器UV−42)で測定したところ、約5mW/cmであった。未硬化のシール部を硬化させた後、積層物Eを水平に保って約10分静置した。
積層物Eの保護板B側の面から、ケミカルランプからの紫外線および450nm以下の可視光を均一に照射して、未硬化の樹脂層(樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物D)を硬化させることによって、樹脂層を形成し、液晶表示装置Fを得た。液晶表示装置Fは、従来の注入法による製造時に要する気泡除去の工程が不要であるにもかかわらず、樹脂層中に残留する気泡等の欠陥は確認されなかった。また、シール部からの樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物の漏れ出し等の欠陥も確認されなかった。また、樹脂層の厚さは、目標とする厚さ(約0.4mm)となっていた。
保護板Bの遮光印刷部下の樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物Dの硬化状態を観察するために、硬化後のシール部より長さ35mm、幅5mm、厚み0.25mmのステンレス板を差し入れたところ、シール部に隣接する遮光印刷部下の樹脂層は流動することなく樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物Dは充分に硬化していた。
液晶パネルAに代えてほぼ同じサイズのガラス板を用いて同様に透明積層体を作製し、印刷遮光部のない部分でのヘイズ値を測定したところ1%以下であり、透明度が高い良好なものであった。
液晶表示装置Fを、液晶テレビ受像機の筺体に入れ、配線を再接続して電源を入れたところ、表示コントラストの高い画像が得られた。画像表示面を指で強く押しても画像が乱れることはなく、保護板Bが液晶パネルAを効果的に保護していた。
〔例2〕
液晶パネルAの周縁部に、厚さ0.5mm、幅2mmの両面接着テープを貼着し、1辺の両面接着テープの離型フィルムのみを残して、表面の離型フィルムを剥がした。保護板Bの上に液晶パネルAを重ね、3辺の両面接着テープで貼り合わせた。
離型フィルムを残した1辺の両面接着テープと保護板Bとの間を、ドライバによって2mm程度抉じ開け、その部分から樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物Dを155g注ぎ入れようとしたが、液晶パネルAと保護板Bと間の空間の下部に気泡が残り、樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物Dを該空間中に密実に注入できなかった。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは、当業者にとって明らかである。
本出願は、2010年2月18日出願の日本特許出願2010−033702に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明によれば、保護板により液晶パネルが保護された液晶表示装置を製造する際の問題点を解消できる。
1 液晶表示装置
10 保護板
12 透明面材
16 第1の偏光手段
20 液晶パネル
22 液晶セル
26 第2の偏光手段
40 樹脂層
42 シール部に囲まれた領域
44 樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物
46 未硬化の樹脂層
50 シール部
52 未硬化のシール部

Claims (4)

  1. 透明面材の表面に第1の偏光手段が設けられた保護板と、液晶セルの表面に第2の偏光手段が設けられた液晶パネルと、保護板と液晶パネルとに挟まれた樹脂層と、樹脂層の周囲を囲むシール部とを有し、第1の偏光手段が透明面材と樹脂層との間に位置し、第2の偏光手段が樹脂層側とは反対側の液晶セルの表面に位置する液晶表示装置を製造する方法であって、
    下記工程(a1)〜(d1)を有する、液晶表示装置の製造方法。
    (a1)液晶パネルの第2の偏光手段側とは反対側の表面の周縁部に、液状のシール部形成用硬化性樹脂組成物を塗布して未硬化のシール部を形成する工程。
    (b1)未硬化のシール部で囲まれた領域に、液状の樹脂層形成用硬化性樹脂組成物を供給する工程。
    (c1)100Pa以下の減圧雰囲気下にて、樹脂層形成用硬化性樹脂組成物の上に、第1の偏光手段が樹脂層形成用硬化性樹脂組成物側となるように保護板を重ねて、液晶パネル、保護板および未硬化のシール部で樹脂層形成用硬化性樹脂組成物からなる未硬化の樹脂層が密封された積層物を得る工程。
    (d1)50kPa以上の圧力雰囲気下に積層物を置いた状態にて、未硬化のシール部および未硬化の樹脂層を硬化させる工程。
  2. 前記工程(c1)にて、第1の偏光手段および第2の偏光手段の偏光軸の成す角度が液晶セルの設計に合うように、保護板および液晶パネルの位置を調整する、請求項1に記載の液晶表示装置の製造方法。
  3. 透明面材の表面に第1の偏光手段が設けられた保護板と、液晶セルの表面に第2の偏光手段が設けられた液晶パネルと、保護板と液晶パネルとに挟まれた樹脂層と、樹脂層の周囲を囲むシール部とを有し、第1の偏光手段が透明面材と樹脂層との間に位置し、第2の偏光手段が樹脂層側とは反対側の液晶セルの表面に位置する液晶表示装置を製造する方法であって、
    下記工程(a2)〜(d2)を有する、液晶表示装置の製造方法。
    (a2)保護板の第1の偏光手段側の表面の周縁部に、液状のシール部形成用硬化性樹脂組成物を塗布して未硬化のシール部を形成する工程。
    (b2)未硬化のシール部で囲まれた領域に、液状の樹脂層形成用硬化性樹脂組成物を供給する工程。
    (c2)100Pa以下の減圧雰囲気下にて、樹脂層形成用硬化性樹脂組成物の上に、第2の偏光手段が樹脂層形成用硬化性樹脂組成物側とは反対側となるように液晶パネルを重ねて、液晶パネル、保護板および未硬化のシール部で樹脂層形成用硬化性樹脂組成物からなる未硬化の樹脂層が密封された積層物を得る工程。
    (d2)50kPa以上の圧力雰囲気下に積層物を置いた状態にて、未硬化のシール部および未硬化の樹脂層を硬化させる工程。
  4. 前記工程(c2)にて、第1の偏光手段および第2の偏光手段の偏光軸の成す角度が液晶セルの設計に合うように、保護板および液晶パネルの位置を調整する、請求項3に記載の液晶表示装置の製造方法。
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