JPWO2011096082A1 - ネットワーク中継装置および診断方法 - Google Patents

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Abstract

ユーザパケットの通過する経路における診断を行う。ルーティングテーブル(1)は、パケットの転送先の情報を記憶している。フォワーディング部(2a〜2d)は、ルーティングテーブル(1)の情報に基づいて、パケットの転送先を決定する。スイッチ部(3)は、フォワーディング部(2a〜2d)の転送先の決定に基づいて、パケットのフォワーディング部(2a〜2d)への出力先を切り替える。診断用パケット生成部(4)は、ルーティングテーブル(1)の情報に基づいて、装置内のアクティブパスを循環する診断用パケットを生成する。診断用パケット送信部(5)は、診断用パケット生成部(4)によって生成された診断用パケットを、スイッチ部(3)を介してフォワーディング部(2a〜2d)に送出する。

Description

本件は、装置内のパケットの経路を診断するネットワーク中継装置および診断方法に関する。
IP(Internet Protocol)ネットワークにおいて、高速かつ大容量のパケットフォワーディングを可能とするハイエンドルータは、パケットのハードウェア処理が主流となっている。また、処理性能の拡張性を実現するため、フォワーディング処理部の増減が可能である。このような特徴を持つルータにおいては、パケットのフォワーディング先の検索方式として、例えば、Ingress/Egress方向でそれぞれフォワーディング先を検索する2段検索方式が採用されている。
図20は、2段検索方式のIPルータのブロック図である。図20に示すように、IPルータは、制御部101、増減設可能なフォワーディング処理部102,103、スイッチ104、およびポート105a〜105c,106a〜106cを有している。フォワーディング処理部102は、I(Ingress)側モジュール102aおよびE(Egress)側モジュール102bを有し、フォワーディング処理部103は、I側モジュール103aおよびE側モジュール103bを有している。
I側モジュール102a,103aは、ポート105a〜105c,106a〜106cにて受信されたIPパケットの転送先であるE側モジュール102b,103bを決定している。スイッチ104は、I側モジュール102a,103aによって、E側モジュール102b,103bへの出力先が決定されたパケットを、所定のE側モジュール102b,103bへ出力する。E側モジュール102b,103bは、IPパケットの転送先であるポート105a〜105c,106a〜106cを決定している。
制御部101は、図20に図示していないが、ルーティングテーブルを有しており、I側モジュール102a,103aおよびE側モジュール102b,103bのIPパケットの転送先を制御している。すなわち、I側モジュール102a,103aおよびE側モジュール102b,103bは、制御部101の制御によって、IPパケットの転送先を決定している。
例えば、ポート105aにて受信されたIPパケットは、I側モジュール102aによって、E側モジュール102bへ転送されるように決定される。転送先が決定されたIPパケットは、スイッチ104によって、E側モジュール102bへ出力される。E側モジュール102bは、I側モジュール102aから転送されたパケットをポート105bに出力する。また、ポート106aにて受信されたIPパケットは、I側モジュール103aによって、E側モジュール102bへ転送されるように決定される。転送先が決定されたIPパケットは、スイッチ104によって、E側モジュール102bへ出力される。E側モジュール102bは、I側モジュール103aから転送されたパケットをポート105cに出力する。このようにして、2段検索方式のIPルータは、受信したIPパケットを所定のポート105a〜105c,106a〜106cから出力するようにする。
ハイエンドのIPルータは、高速かつ大容量の処理が可能なため、IPネットワークの中枢部に配置されるのが一般的であり、ハードウェア障害による予期せぬダウンタイムは極力短いのが好ましい。そのため、ハイエンドのIPルータは、ハードウェア単体やデバイス間を接続するインタフェース部等に障害検出機能を設け、システム運用(オンライン)状態において障害監視を行っている。
しかし、ハイエンドのIPルータは、一般に市販の汎用デバイスを使用することが多く、デバイスの障害検出機能を強化するには限界がある。そのため、ハイエンドのIPルータは、オンライン状態においては、障害を検出する機能を補完する目的で装置内に診断用パケットを疎通させ、その正常性を確認している。
なお、従来、自己診断方法を内蔵したパケット信号のルーティング装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ネットワークシステム資源を監視制御するためのプログラムをネットワーク上の全装置に巡回プログラムとして巡回させ、各装置における該プログラムの実行結果を該巡回プログラムに取り込み回収するネットワークシステムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−331259号公報 特開平10−313337号公報
しかし、従来のネットワーク中継装置では、ユーザパケットが実際に通過する経路の診断を行うことができないという問題点があった。
例えば、図20の制御部101は、スイッチ104を経由してフォワーディング処理部102に診断用パケットを送出し、フォワーディング処理部102から診断用パケットを受信する。これにより、制御部101は、送出した診断用パケットが戻ってきたか否かに基づいて、例えば、フォワーディング処理部102内のデバイスやデバイス間のインタフェースの診断を行うことができる。
しかし、上記のように制御部101は、単にフォワーディング処理部102に診断用パケットを送出して受信するため、例えば、フォワーディング処理部103、スイッチ104、およびフォワーディング処理部102を経由するユーザパケットの経路や、フォワーディング処理部102、スイッチ104、およびフォワーディング処理部102を経由するユーザパケットの経路の診断を行うことができない。そのため、制御部101は、例えば、フォワーディング処理部102,103内のユーザパケットの経路を決定するためのメモリ内のデータやソフトエラーを診断することができない。
本件はこのような点に鑑みてなされたものであり、ユーザパケットの通過する経路における診断を行うことができるネットワーク中継装置および診断方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、装置内のパケットの経路を診断するネットワーク中継装置が提供される。このネットワーク中継装置は、前記パケットの転送先の情報を記憶したルーティングテーブルと、前記ルーティングテーブルの情報に基づいて、前記パケットの転送先を決定するフォワーディング部と、前記フォワーディング部の転送先の決定に基づいて、前記パケットの前記フォワーディング部への出力先を切り替えるスイッチ部と、前記ルーティングテーブルの情報に基づいて、装置内のアクティブパスを循環する診断用パケットを生成する診断用パケット生成部と、前記診断用パケット生成部によって生成された前記診断用パケットを、前記スイッチ部を介して前記フォワーディング部に送出する診断用パケット送信部と、を有する。
開示のネットワーク中継装置および診断方法によれば、ユーザパケットの通過する経路における診断を行うことができる。
本発明の上記および他の目的、特徴および利点は本発明の例として好ましい実施の形態を表す添付の図面と関連した以下の説明により明らかになるであろう。
第1の実施の形態に係るネットワーク中継装置のブロック図である。 第2の実施の形態に係るネットワーク中継装置のブロック図である。 ユーザパケットのアクティブパスを説明する図である。 診断用パスのオンライン診断を説明する図である。 SCMのブロック図である。 ルーティングテーブルを示した図である。 診断用パケット生成テーブルを示した図である。 診断用パケットの生成を説明する図である。 診断用パケット送信部を説明する図である。 LTMの診断用パケットの折り返しを説明する図である。 アクティブパスの診断例を説明する図のその1である。 アクティブパスの診断例を説明する図のその2である。 アクティブパスの診断処理を示したフローチャートである。 診断用パケットによるネットワーク中継装置の負荷を説明する図である。 ネットワーク中継装置の障害箇所を特定するための診断経路を説明する図のその1である。 ネットワーク中継装置の障害箇所を特定するための診断経路を説明する図のその2である。 ネットワーク中継装置の障害箇所を特定するための診断経路を説明する図のその3である。 ネットワーク中継装置の障害箇所を特定するための診断経路を説明する図のその4である。 障害箇所の特定処理を示したフローチャートである。 2段検索方式のIPルータのブロック図である。
以下、第1の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、第1の実施の形態に係るネットワーク中継装置のブロック図である。図1に示すように、ネットワーク中継装置は、ルーティングテーブル1、フォワーディング部2a〜2d、スイッチ部3、診断用パケット生成部4、および診断用パケット送信部5を有している。
ルーティングテーブル1は、パケット(ユーザパケット)の転送先の情報を記憶している。
フォワーディング部2a〜2dは、スイッチ部3と接続されている。フォワーディング部2a〜2dは、ルーティングテーブル1の情報に基づいて、パケットの転送先を決定する。
スイッチ部3は、フォワーディング部2a〜2dの転送先の決定に基づいて、パケットのフォワーディング部2a〜2dへの出力先を切り替える。
診断用パケット生成部4は、ルーティングテーブル1の情報に基づいて、装置内のアクティブパスを循環する診断用パケットを生成する。アクティブパスは、一般にはユーザパケットの宛先プレフィクスへ到達するための有効なネットワーク経路を言うが、ここでは、ユーザパケットが宛先プレフィクスへ到達するために通過するネットワーク中継装置内の経路をいう。例えば、フォワーディング部2aから、スイッチ部3を介してフォワーディング部2bへユーザパケットが通過する場合、この経路をアクティブパスと呼ぶ。
診断用パケット送信部5は、診断用パケット生成部4によって生成された診断用パケットを、スイッチ部3を介してフォワーディング部2a〜2dに送出する。
ここで、診断用パケットは、ユーザパケットの転送先の情報を記憶したルーティングテーブル1に基づいて、アクティブパスを循環するように生成される。そのため、診断用パケットは、フォワーディング部2a〜2dによって、ユーザパケットの経由する経路と同様に経路が決定される。従って、例えば、図1に示してない判定部によって、装置内を循環した診断用パケットを受信することによって、装置内のユーザパケットの通過する経路における診断を行うことが可能となる。
このように、ネットワーク中継装置は、ルーティングテーブル1に基づいて、装置内のアクティブパスを循環する診断用パケットを生成し、装置内を循環させるようにした。これにより、ユーザパケットの通過する経路における診断を行うことができる。
次に、第2の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図2は、第2の実施の形態に係るネットワーク中継装置のブロック図である。図2に示すようにネットワーク中継装置は、SCM(System Control Module)11、SFM(Switch Fabric Module)12、PFM(Packet Forwarding Module)13a〜13n,14a〜14n、およびLTM(Line Terminal Module)15a〜15n,16a〜16nを有している。ネットワーク中継装置は、例えば、ハイエンドのIPルータである。
SCM11は、ネットワーク中継装置のシステム制御や管理、ルーティングプロトコル終端処理等を行うモジュールである。また、SCM11は、診断用パケットの生成、送受信、正常性確認等を行う。SCM11は、図2に示してないが、ルーティングテーブルを有しており、PFM13a〜13n,14a〜14nのパケットの転送先を制御している。
SFM12は、PFM13a〜13n,14a〜14n間のパケットスイッチングを行うモジュールである。SFM12は、クロスバ・スイッチ(Cross Bar Switch)方式により、パケット入力インタフェースおよびパケット出力インタフェースを収容するPFM13a〜13n,14a〜14nを接続する。
PFM13a〜13n,14a〜14nは、レイヤ2およびレイヤ3のプロトコル終端処理等を行うモジュールである。PFM13a〜13n,14a〜14nはそれぞれ、例えば、図20で説明したように、I側モジュールおよびE側モジュールを有し、SCM11の制御に基づいて、Ingress/Egress方向でパケットのフォワーディング先を検索する(2段検索方式)。
LTM15a〜15n,16a〜16nは、レイヤ1のプロトコル終端処理およびレイヤ2処理を行うモジュールである。LTM15a〜15n,16a〜16nは、回線から受信したパケットの正常性確認やレイヤ1のヘッダおよびテイラの除去、レイヤ2のテイラ除去の処理等を行う。また、LTM15a〜15n,16a〜16nは、回線に出力するパケットのレイヤ2のテイラ付与、レイヤ1のヘッダおよびテイラの付与処理等を行う。
図3は、ユーザパケットのアクティブパスを説明する図である。図3のネットワーク中継装置において、図2と同じものには同じ符号を付し、その説明を省略する。なお、図3のネットワーク中継装置では、4つのPFM13a,13b,14a,14bと、4つのLTM15a,15b,16a,16bが示してある。
図3に示す矢印A11,A12は、ユーザパケットが通過するアクティブパスを示している。例えば、矢印A11に示すように、LTM15aに入力されたユーザパケットは、PFM13aによってPFM13bへ転送されることが決定され、SFM12に出力される。SFM12は、PFM13aの決定に基づいて、入力されたユーザパケットをPFM13bに出力する。PFM13bは、SFM12から入力されたユーザパケットをLTM15bに出力し、LTM15bは、所定の宛先プレフィクスへとユーザパケットを出力する。
図4は、診断用パスのオンライン診断を説明する図である。図4において、図3と同じものには同じ符号を付し、その説明を省略する。
SCM11は、従来、自身からPFM13a〜13n,14a〜14nに対して診断用パケットを送信し、再び自身に戻ってくるようにしてオンライン診断を行っていた。例えば、SCM11は、図4の矢印A21〜A24に示すように、PFM13a〜13n,14a〜14nに対して診断用パケットを送信し、再び自身に戻ってくるようにしてオンライン診断を行っていた。
そのため、図4のオンライン診断では、図3の矢印A11,A12に示すように、ユーザパケットが実際にPFM13a,13b,14a,14bの相互間を通過するアクティブパスに対して診断を行うことができない。例えば、図4において、PFM13aからSFM12を介してPFM13bを通過するアクティブパスに対して診断を行うことができない。
また、図4のオンライン診断では、PFM13a,13b,14a,14b自身を折り返し通過するアクティブパスに対して診断を行うことができない。例えば、図4において、LTM15a−PFM13a−SFM12−PFM13a−LTM15aという折り返しのアクティブパスに対して診断を行うことができない。
従って、図4のオンライン診断では、例えば、各PFM13a,13b,14a,14b内におけるデバイスやデバイス間のインタフェースを診断することはできるが、ユーザパケットのルーティングを決定するメモリ内のデータやソフトエラー、SFM12のパケット切り替えの診断をすることができない。そのため、例えば、特定のフローがスタックしたような異常状態を検出できない場合が生じる。
そこで、SCM11は、ルーティングテーブルに基づいて、ユーザパケットのアクティブパスを循環する診断用パケットを生成する。例えば、図4において、SCM11は、SCM11−SFM12−PFM13a−LTM15a−PFM13a−SFM12−PFM13b−LTM15b−PFM13b−SFM12−SCM11を循環する診断用パケットを生成する。これにより、SCM11は、装置内に送出した診断用パケットの受信有無や、受信した診断用パケットのペイロードデータの変化等によって、例えば、図3の矢印A11のユーザパケットのアクティブパスの診断(障害検出)を行うことができる。
なお、ネットワーク中継装置内を循環する診断用パケットを再びSCM11へ戻す方法として、Time Exceededを使用する。例えば、SCM11は、TTL(Time To Live)が‘0’になったパケットにおいては、ICPM Time Exceeded Messageを送信元に送信する。そのため、PFM13a,13b,14a,14bは、TTL=0となったパケットをSCM11へ送信する。そこで、SCM11は、診断用パケットに所定のTTLを設定し、PFM13a,13b,14a,14bがTTL=0となったパケットをSCM11に返すことを利用する。
具体的には、SCM11は、生成する診断用パケットが所定のアクティブパスを通過するようにTTLを設定する。診断用パケットのTTLは、PFM13a,13b,14a,14bを通過するたびに減算(I側モジュールを通過するたびに減算)される。PFM13a,13b,14a,14bは、診断用パケットのTTLが‘0’となった時点で、診断用パケットをSCM11に転送する。よって、例えば、SCM11は、生成した診断用パケットを上述したSCM11−SFM12−PFM13a−LTM15a−PFM13a−SFM12−PFM13b−LTM15b−PFM13b−SFM12−SCM11を循環させる場合には、TTL=2を設定すればよい。
LTM15a,15b,16a,16bが、PFM13a,13b,14a,14bから受診した診断用パケットをPFM13a,13b,14a,14bに折り返す動作については後述する。
図5は、SCMのブロック図である。図5に示すように、SCM11は、テーブル生成部11a、診断用パケット生成部11b、診断用パケット送信部11c、診断用パケット受信部11d、判定部11e、ルーティングテーブル11f、および診断用パケット生成テーブル11gを有している。
テーブル生成部11aは、ルーティングテーブル11fに基づいて、診断用パケット生成部11bがアクティブパスを循環する診断用パケットを生成するための診断用パケット生成テーブル11gを生成する。
診断用パケット生成部11bは、診断用パケット生成テーブル11gに基づいて、ネットワーク中継装置のアクティブパスを循環するための診断用パケットを生成する。すなわち、診断用パケット生成部11bは、ユーザパケットの転送先の情報を記憶したルーティングテーブル11fの情報に基づいて、アクティブパスを循環する診断用パケットを生成する。
診断用パケット送信部11cは、診断用パケット生成部11bによって生成された診断用パケットをSFM12へ出力する。
診断用パケット受信部11dは、ネットワーク中継装置内を循環した診断用パケットをSFM12から受信する。
判定部11eは、診断用パケット受信部11dによって受信された診断用パケットに基づいて、ネットワーク中継装置の障害を判断する。
ルーティングテーブル11fには、ユーザパケットを目的の宛先へ転送するための情報が格納されている。
診断用パケット生成テーブル11gには、診断用パケットを生成するための情報が格納されている。
図6は、ルーティングテーブルを示した図である。図6に示すように、ルーティングテーブル11fは、経路制御プロトコル、宛先ネットワークアドレス、メトリック、経由インタフェース、および学習時刻の欄を有している。
経路制御プロトコルの欄には、SCM11がどのようなプロトコルでルーティングテーブル11fを学習したかを示す情報が格納される。例えば、図6に示す‘O’は、OSPF(Open Shortest Path First)で学習したことを示している。‘B’は、BGP(Border Gateway Protocol)で学習したことを示している。
宛先ネットワークアドレスの欄には、ユーザパケットの宛先アドレスが格納される。図6に示す宛先アドレスのスラッシュの右側は、サブネットマスク長を示している。
メトリックの欄には、ユーザパケットの宛先までの到達距離を示す。
経由インタフェースの欄には、どのインタフェースを経由してユーザパケットが目的の宛先に到達するかの情報を示している。例えば、受信したユーザパケットを転送する次のルータのアドレスを示している。
学習時刻は、ルーティングテーブル11fを学習した時刻が格納される。
図7は、診断用パケット生成テーブルを示した図である。図7に示すように、診断用パケット生成テーブル11gは、Entry_No、IPDA、Transmit_INF、Payload_Pattern、およびPacket_Lengthの欄を有している。
Entry_Noの欄には、診断用パケット生成テーブル11gに格納される情報を区別するための番号が格納される。
IPDAの欄には、診断用パケットの宛先アドレスが格納される。
Transmit_INFの欄には、診断用パケットを送出するインタフェースが格納される。例えば、診断用パケットを送出するポートの識別子が格納される。
Payload_Patternの欄には、診断用パケットのペイロードに格納すべきデータパターンが格納される。
Packet_Lengthの欄には、診断用パケットのパケットレングスが格納される。
テーブル生成部11aは、ルーティングテーブル11fの宛先ネットワークアドレスに基づいて宛先アドレスを生成し、IPDAの欄に格納する。これにより、診断用パケットには、ユーザパケットと同じ宛先アドレスを設定でき、アクティブパスを循環させることが可能となる。
また、テーブル生成部11aは、ルーティングテーブル11fの宛先ネットワークアドレスおよび経由インタフェースに基づいて、診断用パケットがアクティブパスを循環するよう、診断用パケットを送出するインタフェースを算出し、Transmit_INFに格納する。
また、テーブル生成部11aは、ネットワーク中継装置内の障害を適切に検出できるように所定の‘0’,‘1’パターンを有するペイロードパターンを生成し、Payload_Patternの欄に格納する。
また、テーブル生成部11aは、ネットワーク中継装置内の障害を適切に検出できるようにパケット長を算出し、Packet_Lengthの欄に格納する。
なお、Payload_PatternおよびPacket_Lengthは固定値であってもよい。この場合、Payload_PatternおよびPacket_Lengthの欄は不要である。
図8は、診断用パケットの生成を説明する図である。図8の矢印上部に示すModule1〜Module4には、診断用パケット生成部11bの処理内容が示してある。図8のModule1〜Module4には、スクリプト言語のパールで処理内容の例が示してあり、診断用パケット生成部11bは、図8のスプリクト言語を実行することにより、図中矢印下部に示す診断用パケットを生成する。
例えば、診断用パケット生成部11bは、診断用パケット生成テーブル11gのEntry_Noに基づいてIPDAの宛先アドレスを取得し、診断用パケットのIPヘッダに格納する。
また、診断用パケット生成部11bは、診断用パケット生成テーブル11gのTransmit_INFに基づいて、生成した診断用パケットを送出する送信キュー(後述する)を決定する。
また、診断用パケット生成部11bは、診断用パケット生成テーブル11gからPayload_Patternを取得し、診断用パケットがPacket_Lengthに示すパケット長となるよう、Payload_Patternをペイロードに格納する。
また、診断用パケット生成部11bは、ユーザパケットのアクティブパスを診断できるようにするためのTTLを診断用パケットのIPヘッダに格納する。
また、診断用パケット生成部11bは、生成したパケットが診断用パケットであることを示す診断用パケット識別ヘッダを付与する。
診断用パケット生成部11bは、例えば、CPU(Central Processing Unit)の処理能力の低下を抑制するために、複数のModule1〜Module4で診断用パケットの生成を行う。診断用パケット生成部11bは、重複した診断用パケットを生成しないように、Module1〜Module4のそれぞれでは、異なるEntry_Noに基づいて診断用パケット生成テーブル11gを参照し、診断用パケットを生成する。なお、Module1〜Module4は、1つであってもよいし、4つ以上であってもよい。また、Module1〜Module4に示す処理を専用のハードウェアで実現するようにしてもよい。
図9は、診断用パケット送信部を説明する図である。図9には、診断用パケット送信部11cが有する送信キュー11ca〜11cdおよびセレクタ11ceが示してある。また、図9には、診断用パケット生成部11bによって生成された診断用パケットが示してある。
送信キュー11ca〜11cdは、図3に示したPFM13a,13b,14a,14bに対応して設けられる。これにより、例えば、送信キュー11caに入力された診断用パケットは、PFM13aに出力され、送信キュー11cbに入力された診断用パケットは、PFM13bに出力される。以下同様に、送信キュー11cdに入力された診断用パケットは、PFM14bに出力される。
セレクタ11ceは、送信キュー11ca〜11cdから出力された診断用パケットをSFM12に出力する。これにより、送信キュー11ca〜11cdに保持された診断用パケットは、SFM12を介して所定のPFM13a,13b,14a,14bに出力される。
診断用パケットの送信キュー11ca〜11cdへの振り分けは、診断用パケット生成部11bによって行われる。診断用パケット生成部11bは、診断用パケット生成テーブル11gのTransmit_INFに基づいて、生成した診断用パケットを送出する送信キュー11ca〜11cdを決定し、診断用パケットは、所定の送信キュー11ca〜11cdへ振り分けられる。送信キュー11ca〜11cdに振り分けられた診断用パケットは、送信キュー11ca〜11cdに対応するPFM13a,13b,14a,14bへ出力される。
図10は、LTMの診断用パケットの折り返しを説明する図である。図10には、図3に示したPFM13aおよびLTM15aが示してある。図10に示すように、PFM13aは、フラグ付与部13aaを有し、LTM15aは、折り返し制御部15aaを有している。
アクティブパスに対し、オンライン環境下で診断パケットを疎通させるには、ユーザパケットと診断用パケットを区別し、診断用パケットをネットワーク中継装置内で折り返すようにする。そして、ネットワーク中継装置内の診断範囲を広くカバーするには、診断用パケットの折り返しを可能な限り対向するネットワーク中継装置に近いポイント、すなわち、回線側で行うようにするのが有効である。
しかし、回線側に近づくほどデバイスの処理が下位レイヤの処理となり、例えば、レイヤ2では、PPP(Point-to-Point Protocol)、Cisco-HDLC(HDLC: High level Data Link Control procedures)、MPLS(Multiprotocol Label Switching)、Ethernet(登録商標)、Ethernet(VLAN-Tag)等、プロトコルごとにフォーマットが異なるため、診断用パケットの識別処理が複雑化する。
そこで、レイヤ3の終端部であるPFM13aで診断用パケットを識別し、レイヤ2処理を行うLTM15aにて診断用パケットを折り返すようにする。
フラグ付与部13aaは、E側モジュールに設けられ、SFM12から出力されるパケットのレイヤ3の終端処理を行う。このとき、フラグ付与部13aaは、受信したパケットにて、診断用パケット識別ヘッダを検出すると、終端処理を行った診断用パケットの先頭に、例えば、値が‘1’のフラグ(図10ではFlag_diag)を付加する。フラグ付与部13aaは、フラグを付与した、終端処理を行った診断用パケットをLTM15aに出力する。
折り返し制御部15aaは、PFM13aから出力されたパケットの先頭に値が‘1’のフラグが付与されているか否か判断する。折り返し制御部15aaは、PFM13aから出力されたパケットの先頭に‘1’のフラグが付与されていた場合、そのパケットをネットワーク中継装置内に折り返す。一方、折り返し制御部15aaは、PFM13aから出力されたパケットの先頭に‘1’のフラグが付与されていない場合、そのパケットを対向するネットワーク中継装置内に出力するようにする。
例えば、折り返し制御部15aaは、‘1’のフラグが付与されている場合、図10に示すPort_loopbackに受信したパケットを出力し、PFM13aに折り返すようにする。また、折り返し制御部15aaは、‘1’のフラグが付与されていない場合、図10に示すPort_lineに受信したパケットを出力し、対向するネットワーク中継装置に出力するようにする。
図11は、アクティブパスの診断例を説明する図のその1である。図11において、図3と同じものには同じ符号を付し、その説明を省略する。矢印A31は、診断用パケットの通過する経路を示している。
診断用パケット生成部11bは、Entry_Noに基づいて診断用パケット生成テーブル11gを参照し、そのEntry_Noに対応するIPDA、Transmit_INF、Payload_Pattern、およびPacket_Lengthを取得する。診断用パケット生成部11bは、取得した情報に基づき、診断用パケットを生成する。
ここで、取得したIPDAは、例えば、LTM15aに対向するネットワーク中継装置にパケットが出力される宛先アドレスを示しているとする。また、取得したTransmit_INFは、LTM15bのインタフェース(ポート)を示しているとする。また、診断用パケット生成部11bは、TTLに‘2’を設定したとする。
この場合、診断用パケット生成部11bの生成した診断用パケットは、SFM12を介してPFM13bに出力される。
PFM13bは、SFM12から受信した診断用パケットのレイヤ3の終端処理を行うとともに、終端処理を行った診断用パケットの先頭に‘1’のフラグを付与し、LTM15bに出力する。
LTM15bは、先頭に‘1’のフラグが付与されたパケットを受信すると、そのパケットをPFM13bに折り返す。
PFM13bは、折り返されたパケットのレイヤ2の終端処理を行って診断用パケットを抽出し、TTLを1減算する。PFM13bは、診断用パケットに含まれる宛先アドレスに基づいて、診断用パケットの転送先をPFM13aであると決定し、SFM12に出力する。
SMF12は、PFM13bから出力された診断用パケットをPFM13aに出力する。
PFM13aは、受信した診断用パケットのレイヤ3の終端処理を行うとともに、終端処理を行った診断用パケットの先頭に‘1’のフラグを付与し、LTM15aに出力する。
LTM15aは、先頭に‘1’のフラグが付与されたパケットを受信すると、そのパケットをPFM13aに折り返す。
PFM13aは、折り返されたパケットのレイヤ2の終端処理を行って、TTLを1減算する。診断用パケットのTTLの値は、この減算によって‘0’となるので、PFM13aは、診断用パケットをSCM11に送り返すようにする。
これにより、図11の点線丸B11に示すようなPFM13bとPFM13aを経由するアクティブパスを診断することができる。
図12は、アクティブパスの診断例を説明する図のその2である。図12において、図3と同じものには同じ符号を付し、その説明を省略する。矢印A32は、診断用パケットの通過する経路を示している。
診断用パケット生成部11bは、Entry_Noに基づいて診断用パケット生成テーブル11gを参照し、そのEntry_Noに対応するIPDA、Transmit_INF、Payload_Pattern、およびPacket_Lengthを取得する。診断用パケット生成部11bは、取得した情報に基づき、診断用パケットを生成する。
ここで、取得したIPDAは、例えば、LTM15bに対向するネットワーク中継装置にパケットが出力される宛先アドレスを示しているとする。また、取得したTransmit_INFは、LTM15bのインタフェースを示しているとする。また、診断用パケット生成部11bは、TTLに‘2’を設定したとする。
この場合、診断用パケット生成部11bの生成した診断用パケットは、SFM12を介してPFM13bに出力される。
PFM13bは、SFM12から受信した診断用パケットのレイヤ3の終端処理を行うとともに、終端処理を行った診断用パケットの先頭に‘1’のフラグを付与し、LTM15bに出力する。
LTM15bは、先頭に‘1’のフラグが付与されたパケットを受信すると、そのパケットをPFM13bに折り返す。
PFM13bは、折り返されたパケットのレイヤ2の終端処理を行って診断用パケットを抽出し、TTLを1減算する。PFM13bは、診断用パケットに含まれる宛先アドレスに基づいて、診断用パケットの転送先をPFM13bであると決定し、SFM12に出力する。
SMF12は、PFM13bから出力された診断用パケットをPFM13bに出力する。
PFM13bは、受信した診断用パケットのレイヤ3の終端処理を行うとともに、終端処理を行った診断用パケットの先頭に‘1’のフラグを付与し、LTM15bに出力する。
LTM15bは、先頭に‘1’のフラグが付与されたパケットを受信すると、そのパケットをPFM13bに折り返す。
PFM13bは、折り返されたパケットのレイヤ2の終端処理を行って、TTLを1減算する。診断用パケットのTTLの値は、この減算によって‘0’となるので、PFM13bは、診断用パケットをSCM11に送り返すようにする。
これにより、図11の点線丸B12に示すようなPFM13b自身を折り返すアクティブパスを診断することができる。
図13は、アクティブパスの診断処理を示したフローチャートである。
[ステップS1]テーブル生成部11aは、ルーティングテーブル11fに基づいて、診断用パケット生成テーブル11gを生成する。なお、ルーティングテーブル11fは、動的に変化する。そのため、テーブル生成部11aは、その変化に同期した診断用パケット生成テーブル11gが生成されるよう、例えば、ネットワーク中継装置のアクティブパスの診断を行う際に、診断用パケット生成テーブル11gを生成する。
[ステップS2]診断用パケット生成部11bは、変数Entry_Noに‘0001’を設定する。
[ステップS3]診断用パケット生成部11bは、変数Entry_No‘0001’に基づいて診断用パケット生成テーブル11gのEntry_Noを参照し、IPDA、Transmit_INF、Payload_Pattern、およびPacket_Lengthの情報を取得する。
なお、ネットワーク中継装置は、診断用パケットを生成する4つのModule1〜Module4有しているとする。従って、診断用パケット生成部11bは、変数Entry_No‘0001’〜‘0004’に対応する診断用パケット生成テーブル11gのEntry_Noを参照し、IPDA、Transmit_INF、Payload_Pattern、およびPacket_Lengthの情報を取得する。図13のModule1〜Module4は、図8のModule1〜Module4に対応する。
[ステップS4]診断用パケット生成部11bは、診断用パケット生成テーブル11gのIPDAの欄の情報が空でないか判断する。診断用パケット生成部11bは、IPDAの欄の情報が空でない場合、ステップS5へ進む。診断用パケット生成部11bは、IPDAの欄の情報が空である場合、処理を終了する。
[ステップS5]診断用パケット生成部11bは、取得した情報に基づいて、診断用パケットを生成する。診断用パケット生成部11bは、生成した診断用パケットが所定のアクティブパスを循環した場合、PFM13a,13b,14a,14bがSCM11に診断用パケットを戻すよう、TTLを設定する。また、診断用パケット生成部11bは、診断用パケット生成テーブル11gから取得したTransmit_INFに基づいて、生成した診断用パケットを送出する送信キュー11ca〜11cd、すなわち、PFM13a,13b,14a,14bを決定する。
なお、以下では、Module1の動作について説明する。Module2〜Module4においても、それぞれModule1のEntry_Noを1ずつインクリメントした情報に基づいて、診断用パケットが生成され、アクティブパスの診断が行われる。
[ステップS6]診断用パケット送信部11cは、SFM12を介して、生成された診断用パケットを所定のPFM13a,13b,14a,14bに出力する。また、図5に示してないタイマ部は、診断用パケット送信部11cが診断用パケットをSFM12に出力すると、タイマを起動する。
[ステップS7]判定部11eは、タイマがタイムアウト前か否か判断する。判定部11eは、タイマがタイムアウト前であれば、ステップS8へ進む。判定部11eは、タイマがタイムアウトしていれば、ステップS12へ進む。
[ステップS8]診断用パケット受信部11dは、アクティブパスを循環した診断用パケットを受信したか否か判断する。診断用パケット受信部11dは、診断用パケットを受信してれば、ステップS9へ進む。診断用パケット受信部11dは、診断用パケットを受信していなければ、ステップS7へ進む。
[ステップS9]判定部11eは、タイムがタイムアウト前か否か判断する。判定部11eは、タイマがタイムアウト前であれば、ステップS10へ進む。判定部11eは、タイマがタイムアウトしていれば、ステップS12へ進む。
[ステップS10]判定部11eは、診断用パケット受信部11dによって受信された診断用パケットが正常であるか否か判断する。判定部11eは、例えば、受信した診断用パケットのペイロードが送信前と同じである場合、正常であると判断する。判定部11eは、診断用パケットが正常である場合、ステップS11へ進む。判定部11eは、診断用パケットが正常でない場合、ステップS12へ進む。
[ステップS11]診断用パケット生成部11bは、変数Entry_Noをインクリメントする。なお、図13の場合、診断用パケットを生成するモジュールが4つ存在するので、診断用パケット生成部11bは、変数Entry_Noを‘4’インクリメントする。従って、診断用パケット生成部11bは、例えば、Module1〜Module4においてEntry_No‘0001’〜‘0004’に基づき診断用パケット生成テーブル11gを参照して診断用パケットを生成した場合には、次回、Entry_No‘0001’〜‘0004’に基づき診断用パケット生成テーブル11gを参照して診断用パケットを生成することになる。
[ステップS12]判定部11eは、障害処理を起動する。例えば、装置内のアクティブパスに障害が発生している旨をオペレータに通知する。
このように、ネットワーク中継装置は、ルーティングテーブル11fに基づいて、装置内のアクティブパスを循環する診断用パケットを生成するための診断用パケット生成テーブル11gを生成する。そして、ネットワーク中継装置は、診断用パケット生成テーブル11gに基づいて診断用パケットを生成し、装置内のアクティブパスを循環させるようにした。これにより、ユーザパケットの通過する経路における診断を行うことができる。
また、例えば、PFM13a,13b,14a,14bのユーザパケットの経路を決定するためのメモリ内のデータの診断やソフトエラーの診断を行うことができる。より具体的には、1.PFM内の共有メモリのアクティブな領域についてのソフトエラーやビットスタックの検出、2.アクティブなアドレス管理FIFOについてのソフトエラーやビットスタックの検出、3.アクティブなフローについてのスケジューラロジック部の動作異常検出、4.アクティブなフローについてのキューイングコントローラロジック部の動作異常検出、5.アクティブなCAM(エントリ探索用メモリ、Content Addressable Memory)のソフトエラーやビットスタックの検出が可能となる。
また、SFM12のアクティブパスの診断を行うことができる。より具体的には、1.SFM12のBP(Back Pressure)スタックの検出、2.SFM12のソフトエラー、ビットスタックの検出、3.SFM12のスイッチングロジックの異常検出が可能となる。
次に、第3の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。ネットワーク中継装置は、自身のアクティブパスを診断するために、診断用パケットを生成して装置内を循環させる。そのため、装置内の信号帯域が圧迫される場合がある。そこで、第3の実施の形態では、ネットワーク中継装置の負荷に応じて、サイズの異なるペイロードを有する診断用パケットを生成し、ネットワーク中継装置の診断用パケットによる負荷を低減するようにする。なお、第3の実施の形態におけるSCMのブロック図は、図5のSCM11と同様である。
診断用パケット生成部11bは、IP長の異なる第1の診断用パケットと第2の診断用パケットを生成する。第1の診断用パケットは、最小サイズであるIP長とする。すなわち、第1の診断用パケットは、ルーティング処理に用いられるIPヘッダ(20バイト)のみを有するとする。
一方、第2の診断用パケットは、第1の診断用パケットよりIP長が長く、例えば、1500バイトのIP長とする。これは、最小サイズの第1の診断用パケットでは、ペイロードを有さないため、経路切り替え等によって生じるペイロードデータの改ざん等を検査することができず、例えば、PFM、LTM、およびSFMの有するメモリ内容の診断を網羅することができないからである。
診断用パケット生成部11bは、図5で説明したように、診断用パケット生成テーブル11gに基づいて、第1の診断用パケットと第2の診断用パケットを生成する。ただし、診断用パケット生成テーブル11gのPacket_Lengthには、例えば、‘0’と‘1500’が所定の比率で格納されている。すなわち、テーブル生成部11aは、診断用パケット生成部11bによって第1の診断用パケットと第2の診断用パケットが所定の比率で生成されるよう、診断用パケット生成テーブル11gを生成する。
図14は、診断用パケットによるネットワーク中継装置の負荷を説明する図である。以下では、診断用パケット生成部11bは、250PPS(Packet Per Second)で第1の診断用パケットと第2の診断用パケットを生成するとする。図14には、条件1における結果1と、条件2における結果2とが示してある。
条件1は、第1の診断用パケットを90%、第2の診断用パケットを10%の比率で生成し、パケットの経路数が10000経路とした場合である。この場合、結果1に示すように、ネットワーク中継装置の診断用パケットにおける負荷は、336Kbpsとなり、障害検出までの最長時間は、40secとなる。
条件2は、第1の診断用パケットを99%、第2の診断用パケットを1%の比率で生成し、パケットの経路数が10000経路とした場合である。この場合、結果2に示すように、ネットワーク中継装置の診断用パケットにおける負荷は、70Kbpsとなり、障害検出までの最長時間は、40secとなる。
このように、IP長の短い第1の診断用パケットの比率を高めることによって、ネットワーク中継装置の診断用パケットにおける負荷を低減し、信号帯域の低下を抑制することができる。一方、信号帯域に余裕がある場合には、第2の診断用パケットの比率を高め、例えば、PFM、LTM、およびSFMの有するメモリ内容の診断を適切に行うことができるようになる。また、OSPFの障害検出(Hold Timer:40sec)と同等のレベルで障害を検出することが可能となる。
なお、上記では、ペイロードがある場合とない場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、50バイトのペイロードと1000バイトのペイロードとを有する第1の診断用パケットと第2の診断用パケットを生成するようにしてもよい。すなわち、信号帯域に応じて、第1の診断用パケットと、それとはパケット長の異なる第2の診断用パケットとを生成できればよい。
また、上記では、2種類の診断用パケットについて説明したが、3種類以上のIP長の異なる診断用パケットを生成し、ネットワーク中継装置の負荷に応じて、それらの比率を制御するようにしてもよい。
次に、第4の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第4の実施の形態では、ネットワーク中継装置の障害箇所を特定する方法について説明する。第4の実施の形態では、診断用パケットを複数のパターンの経路で装置内を循環させ、各パターンにおける診断用パケットの疎通結果に基づいて障害箇所を特定する。
図15は、ネットワーク中継装置の障害箇所を特定するための診断経路を説明する図のその1である。図15において、図3と同じものには同じ符号を付し、その説明を省略する。なお、図15では、図3の一部を省略している。また、LTM15aには、経路X.X.X.Xのネットワークが接続され、LTM15bには、経路Y.Y.Y.Yのネットワークが接続されているとする。
診断用パケット生成部11bは、診断用パケット生成テーブル11gに基づいて、診断用パケットが経路X.X.X.Xに最短経路で出力されるように診断用パケットを生成する。また、診断用パケット生成部11bは、診断パケットがPFM13a自身を折り返すように、TTL=2を設定する。これにより、診断用パケットは、図15の矢印A41に示す経路を通過する。
図16は、ネットワーク中継装置の障害箇所を特定するための診断経路を説明する図のその2である。図16において、図15と同じものには同じ符号を付し、その説明を省略する。
診断用パケット生成部11bは、診断用パケット生成テーブル11gに基づいて、診断用パケットが経路X.X.X.Xに最短経路で出力されるように診断用パケットを生成する。また、診断用パケット生成部11bは、診断パケットが最短経路で戻ってくるように、TTL=1を設定する。これにより、診断用パケットは、図16の矢印A42に示す経路を通過する。
ここで、図15で説明した経路の診断において、診断用パケットがSCM11に戻ってこなかった場合、判定部11eは、PFM13a−LTM15a間、ユーザパケットを自身に折り返すPFM13aの経路決定、PFM13a−PFM13a間を結ぶSFM12、または、SCM11−SFM12間に障害が発生していると推定する。
そして、診断用パケット生成部11bは、図16に示すTTL=1の診断用パケットを生成し送出する。判定部11eは、TTL=1の診断用パケットがSCM11に戻ってきた場合、PFM13aの経路決定、または、PFM13a−PFM13a間を結ぶSFM12に障害があると障害箇所を特定する。
一方、判定部11eは、TTL=1の診断用パケットがSCM11に戻ってこなかった場合、PFM13a−LTM15a間、または、SCM11−SFM12間に障害があると障害範囲を限定する。
図17は、ネットワーク中継装置の障害箇所を特定するための診断経路を説明する図のその3である。図17において、図15と同じものには同じ符号を付し、その説明を省略する。
診断用パケット生成部11bは、診断用パケット生成テーブル11gに基づいて、PFM13a,LTM15aとは別のPFM13b,LTM15bに診断用パケットが送出されるように診断用パケットを生成する。例えば、診断用パケット生成部11bは、経路Y.Y.Y.Yに診断用パケットが送出される、TTL=1の診断用パケットを生成する。これにより、診断用パケットは、図18の矢印A43に示すように経路を通過する。
図15、図16で説明した経路の診断において、診断用パケットが戻ってこない場合で、図17の経路の診断において、SCM11に診断用パケットが戻ってきた場合、判定部11eは、PFM13a−LTM15a間に障害があると障害箇所を特定する。
一方、判定部11eは、図17の経路の診断において、SCM11に診断用パケットが戻ってこない場合、SCM11−SFM12間に障害があると障害箇所を特定する。
図18は、ネットワーク中継装置の障害箇所を特定するための診断経路を説明する図のその4である。図18において、図15と同じものには同じ符号を付し、その説明を省略する。
診断用パケット生成部11bは、診断用パケット生成テーブル11gに基づいて、診断用パケットがPFM間を経由して経路X.X.X.Xに出力されるように診断用パケットを生成する。例えば、図18に示すように、診断用パケット生成部11bは、診断用パケットがPFM13b,13a間を経由して、経路X.X.X.Xに出力されるように、LTM15bに出力される診断用パケットを生成する。また、診断用パケット生成部11bは、PFM13b,13a間を経由して、SCM11に診断用パケットが戻ってくるように、TTL=2を設定する。これにより、診断用パケットは、図18の矢印A44に示すように経路を通過する。
図15で説明した経路の診断において、診断用パケットが戻ってきた場合、判定部11eは、PFM13a−LTM15a間、ユーザパケットを自身に折り返すPFM13aの経路決定、PFM13a−PFM13a間を結ぶSFM12、または、SCM11−SFM12間に障害がないと判断できる。そして、判定部11eは、図18の経路の診断において、診断用パケットがSCM11に戻ってきた場合、さらに、PFM13b−PFM13a間を結ぶSFM12に障害がないと判断できる。
一方、判定部11eは、図18の経路の診断において、診断用パケットがSCM11に戻ってこない場合、PFM13b−LTM15b間、ユーザパケットをPFM13aに転送するPFM13bの経路決定、または、PFM13b−PFM13a間を結ぶSFM12に障害があると障害箇所を限定する。この場合において、図17の経路の診断を行い、診断用パケットが戻ってきたら、判定部11eは、PFM13bの経路決定、または、PFM13b−PFM13a間を結ぶSFM12に障害があると障害箇所を特定する。
図19は、障害箇所の特定処理を示したフローチャートである。図19に示す疎通経路(1)は、図15の矢印A41に示す診断用パケットの経路を示す。疎通経路(2)は、図16の矢印A42に示す診断用パケットの経路を示す。疎通経路(3)は、図17の矢印A43に示す診断用パケットの経路を示す。疎通経路(4)は、図18の矢印A44に示す診断用パケットの経路を示す。
[ステップS21]診断用パケット生成部11bは、疎通経路(1)を経由する診断用パケットを生成する。診断用パケット送信部11cは、生成された診断用パケットを、SFM12を介して、PFM13aに出力する。
[ステップS22]判定部11eは、診断用パケットの廃棄があったか否か判断する。すなわち、判定部11eは、診断用パケットが診断用パケット受信部11dに受信されたか否か判断する。判定部11eは、診断用パケットの廃棄があったと判断した場合、ステップS23へ進む。判定部11eは、診断用パケットの廃棄がないと判断した場合、ステップS30へ進む。
[ステップS23]診断用パケット生成部11bは、疎通経路(2)を経由する診断用パケットを生成する。診断用パケット送信部11cは、生成された診断用パケットを、SFM12を介して、PFM13aに出力する。
[ステップS24]判定部11eは、診断用パケットの廃棄があったか否か判断する。判定部11eは、診断用パケットの廃棄があったと判断した場合、ステップS26へ進む。判定部11eは、診断用パケットの廃棄がないと判断した場合、ステップS25へ進む。
[ステップS25]判定部11eは、ユーザパケットを自身に折り返すPFM13aの経路決定、または、PFM13a−PFM13a間を結ぶSFM12の障害と判断する。判定部11eは、障害を判断すると障害処理を起動し、例えば、装置内の別の経路でパケットを転送するようにする。
[ステップS26]診断用パケット生成部11bは、疎通経路(3)を経由する診断用パケットを生成する。診断用パケット送信部11cは、生成された診断用パケットを、SFM12を介して、PFM13bに出力する。
[ステップS27]判定部11eは、診断用パケットの廃棄があったか否か判断する。判定部11eは、診断用パケットの廃棄があったと判断した場合、ステップS29へ進む。判定部11eは、診断用パケットの廃棄がないと判断した場合、ステップS28へ進む。
[ステップS28]判定部11eは、PFM13a−LTM15a間の障害と判断する。判定部11eは、障害を判断すると障害処理を起動し、例えば、装置内の別の経路でパケットを転送するようにする。
[ステップS29]判定部11eは、SCM11−SFM12間の障害と判断する。判定部11eは、障害を判断すると障害処理を起動し、例えば、装置内の別の経路でパケットを転送するようにする。
[ステップS30]診断用パケット生成部11bは、疎通経路(4)を経由する診断用パケットを生成する。診断用パケット送信部11cは、生成された診断用パケットを、SFM12を介して、PFM13bに出力する。
[ステップS31]判定部11eは、診断用パケットの廃棄があったか否か判断する。判定部11eは、診断用パケットの廃棄があったと判断した場合、ステップS32へ進む。判定部11eは、診断用パケットの廃棄がないと判断した場合、経路X.X.X.Xへ出力されるパケットの経路に異常はないとして処理を終了する。
[ステップS32]診断用パケット生成部11bは、疎通経路(3)を経由する診断用パケットを生成する。診断用パケット送信部11cは、生成された診断用パケットを、SFM12を介して、PFM13bに出力する。
[ステップS33]判定部11eは、診断用パケットの廃棄があったか否か判断する。判定部11eは、診断用パケットの廃棄があったと判断した場合、ステップS35へ進む。判定部11eは、診断用パケットの廃棄がないと判断した場合、ステップS34へ進む。
[ステップS34]判定部11eは、ユーザパケットをPFM13aに転送するPFM13bの経路決定、または、PFM13b−PFM13a間を結ぶSFM12の障害と判断する。判定部11eは、障害を判断すると障害処理を起動し、例えば、装置内の別の経路でパケットを転送するようにする。
[ステップS35]判定部11eは、PFM13b−LTM15b間、または、PFM13b−PFM13b間を結ぶSFM12に障害があると障害箇所を限定し、経路Y.Y.Y.Yで診断を開始する。すなわち、SCM11は、経路X.X.X.Xと同様の経路診断を行って、経路Y.Y.Y.Yにおける障害箇所を特定する。
このように、SCM11は、例えば、図15、図16で説明したように、TTLの値の異なる診断用パケットで、経路X.X.X.Xに出力される、複数の診断用パケットを生成する。また、SCM11は、例えば、図17で説明したように、パケットが他の経路Y.Y.Y.Yに出力される経路を経由する、診断用パケットを生成する。さらに、SCM11は、例えば、図18で説明したように、PFM13a,13bを跨ぐ経路を経由して、経路X.X.X.Xに出力される診断用パケットを生成する。これにより、SCM11は、経路X.X.X.Xにおける装置内の障害箇所を特定することができる。
上記については単に本発明の原理を示すものである。さらに、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、本発明は上記に示し、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではなく、対応するすべての変形例および均等物は、添付の請求項およびその均等物による本発明の範囲とみなされる。
1 ルーティングテーブル
2a〜2d フォワーディング部
3 スイッチ部
4 診断用パケット生成部
5 診断用パケット送信部

Claims (9)

  1. 装置内のパケットの経路を診断するネットワーク中継装置において、
    前記パケットの転送先の情報を記憶したルーティングテーブルと、
    前記ルーティングテーブルの情報に基づいて、前記パケットの転送先を決定するフォワーディング部と、
    前記フォワーディング部の転送先の決定に基づいて、前記パケットの前記フォワーディング部への出力先を切り替えるスイッチ部と、
    前記ルーティングテーブルの情報に基づいて、装置内のアクティブパスを循環する診断用パケットを生成する診断用パケット生成部と、
    前記診断用パケット生成部によって生成された前記診断用パケットを、前記スイッチ部を介して前記フォワーディング部に送出する診断用パケット送信部と、
    を有することを特徴とするネットワーク中継装置。
  2. 前記フォワーディング部は、前記スイッチ部から前記診断用パケットを受信すると、前記診断用パケットにフラグを付与し、自身のレイヤ処理より下位のレイヤ処理を行うレイヤ処理部に出力することを特徴とする請求の範囲第1項記載のネットワーク中継装置。
  3. 前記レイヤ処理部は、前記フォワーディング部からフラグの付与された前記診断用パケットを受信すると、前記フォワーディング部に前記診断用パケットを折り返すことを特徴とする請求の範囲第2項記載のネットワーク中継装置。
  4. 前記診断用パケット生成部は、生存時間の異なる前記診断用パケットを生成することを特徴とする請求の範囲第1項または第3項記載のネットワーク中継装置。
  5. 前記診断用パケット生成部は、前記スイッチ部を介して、ある前記フォワーディング部から別の前記フォワーディング部を経由する前記診断用パケットを生成することを特徴とする請求の範囲第1項または第3項記載のネットワーク中継装置。
  6. 前記診断用パケット生成部は、ペイロード長が異なる前記診断用パケットを所定の比率で生成することを特徴とする請求の範囲第1項または第3項記載のネットワーク中継装置。
  7. 前記診断用パケット生成部は、装置内の経路を循環する複数の前記診断用パケットを生成し、
    前記診断用パケット生成部によって生成された複数の前記診断用パケットの受信の有無に基づいて、装置内の経路の障害箇所を特定する判定部をさらに有することを特徴とする請求の範囲第1項または第3項記載のネットワーク中継装置。
  8. 前記ルーティングテーブルに基づいて、装置内のアクティブパスを循環する前記診断用パケットを生成するための診断用パケット生成テーブルを生成するテーブル生成部をさらに有し、
    前記診断用パケット生成部は、前記診断用パケット生成テーブルに基づいて、前記診断用パケットを生成することを特徴とする請求の範囲第3項記載のネットワーク中継装置。
  9. パケットの転送先の情報を記憶したルーティングテーブルと、
    前記ルーティングテーブルの情報に基づいて、前記パケットの転送先を決定するフォワーディング部と、
    前記フォワーディング部の転送先の決定に基づいて、前記パケットの前記フォワーディング部への出力先を切り替えるスイッチ部と、
    を備えた、装置内の前記パケットの経路を診断するネットワーク中継装置の診断方法において、
    前記ルーティングテーブルの情報に基づいて、装置内のアクティブパスを循環する診断用パケットを生成し、
    生成された前記診断用パケットを、前記スイッチ部を介して前記フォワーディング部に送出する、
    ことを特徴とする診断方法。
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