JPWO2011092851A1 - 圧延ラインにおける注水制御装置、注水制御方法、注水制御プログラム - Google Patents

圧延ラインにおける注水制御装置、注水制御方法、注水制御プログラム Download PDF

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Abstract

所定の予測サイクルT1毎に、所定の予測対象期間T2内における冷却水の使用状況を予測する冷却水使用状況予測部(11)と、予測された冷却水の使用状況に基づいて、予測対象期間T2内で必要なポンプ部(9)の運転条件を、所定の制約条件を満たすように予測する制約内運転条件予測部(12)と、予測したポンプ部(9)の運転条件に基づいて使用エネルギー量を計算する使用エネルギー量計算部(13)と、ポンプ部(9)の運転条件を変更した複数の使用エネルギー量のうちで最適な使用エネルギー量を求める最適化部(14)と、最適な使用エネルギー量となるポンプ部(9)の運転条件を目標値としてポンプ部(9)の運転を制御するポンプ部運転制御部(15)と、を備える。

Description

本発明は、タンクに貯蔵された冷却水を圧延ラインにおける圧延材(圧延ロールも含む。)の冷却に使用し、使用後の冷却水を回収し、ポンプ部によりタンクに戻す圧延ラインにおける注水制御装置、注水制御方法、注水制御プログラムに関する。
金属材料を圧延して圧延材にする圧延ラインとして、鉄鋼の板を製造する熱間薄板圧延ライン、厚板圧延ライン、冷間圧延のライン、またアルミや銅の圧延ラインなどがある。このうち、圧延材に直接注水して圧延材自体の温度を制御する機能があるものは、熱間薄板圧延ライン、厚板圧延ライン等である。また、圧延材が巻き取られる圧延ロール等を冷却する機能は、すべての圧延ラインに備わっている。前者のように圧延材自体に直接注ぐ冷却水を直接冷却水、圧延材が巻き取られる圧延ロール等に注ぐ冷却水を間接冷却水と呼び、これらを総称して冷却水という。
特に、熱間薄板圧延ラインや、厚板圧延ラインにおいては、1000℃前後の高温の圧延材を圧延するため、冷却するための直接冷却水が大量に必要である。また、高温材料と接する圧延ロールを冷やすためには、多量の間接冷却水を必要とする。
そのため、圧延ラインにおける冷却装置として、例えば、冷却装置のバルブを制御して、冷却水の流量等を調整する技術が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
特開2007−268540号公報 特開2005−297015号公報 特開2004−034122号公報
ところで、一般に、圧延ラインにおける冷却装置では、冷却水を貯めるタンクに十分な冷却水がないと、圧延材の冷却に支障をきたすため、1台あるいは複数台のポンプを使用して、圧延材の冷却に使用した冷却水を回収してタンクに戻し、タンクを常にオーバーフロー状態におき、タンク内の水量を一定の値に保っている。
その一方、タンクにてオーバーフローした冷却水も、ポンプ部によりタンクに戻される冷却水も、圧延材の冷却に使われていないので、適正にタンクにおける冷却水の水量を制御して、オーバーフローする冷却水の量を減少させることができれば、冷却水をタンクに戻すため運転するポンプ部の省エネにつながる。
しかしながら、上述した背景技術では、バルブ等の制御により冷却水の流量等を調整して、圧延材等を冷却する技術は開示するもの、使用後の冷却水をタンクへ戻す注水制御装置における制御については、何ら開示されていなかった。
そのため、タンク内の冷却水の容量制御をオーバーフローにより行うとすると、常に十分な台数のポンプを運転させておく必要があり、電力等を無駄に使用する、という課題があった。
また、タンク内に水位計を設置する方法も考えられる。この場合、冷却水の水位を適正に保つため、水位計による測定値をフィードバックし、ポンプ台数を調整する制御を行うことになるが、水位計の指示値が最上位の値にあるときは、冷却のために冷却水が使われているのか、オーバーフローによって最上位の値に保たれているのか判別し難く、また、水位計等を新たにタンク内に設けなければならない、という課題が生じる。また、冷却水の水位が低下したときに、急激にポンプを駆動すると、ポンプを駆動する電動機に大きな電力が必要になり、非効率的となる、という課題もある。
本発明は前記課題を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、圧延ラインにおける制約条件を確保しつつ、ポンプ部を効率良く運転して冷却水をタンクに注水することができる圧延ラインにおける注水制御装置、注水制御方法、注水制御プログラムを提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明に係る圧延ラインにおける注水制御装置の第1の特徴は、タンクに貯蔵された冷却水を圧延ラインにおける圧延材の冷却に使用し、使用後の前記冷却水を回収しポンプ部により前記タンクに戻す圧延ラインにおける注水制御装置であって、前記圧延材の冷却に関連する情報に基づいて、所定の予測サイクルT1毎に、所定の予測対象期間T2内における前記冷却水の使用状況を予測する冷却水使用状況予測部と、前記冷却水使用状況予測部により予測された前記冷却水の使用状況に基づいて、前記所定の予測サイクルT1毎に、前記予測対象期間T2内における前記ポンプ部の運転条件を、所定の制約条件を満たすように予測する制約内運転条件予測部と、前記ポンプ部の運転条件に基づいて、前記ポンプ部が前記予測対象期間T2内に運転した場合における使用エネルギー量を計算する使用エネルギー量計算部と、前記所定の予測サイクルT1毎に、前記制約内運転条件予測部により予測された前記ポンプ部の運転条件を変更して前記使用エネルギー量計算部に与え、前記使用エネルギー量計算部に複数の前記使用エネルギー量を計算させ、前記使用エネルギー量計算部によって計算された複数の前記使用エネルギー量のうち、最適な使用エネルギー量を求める最適化部と、前記最適化部によって求められた最適な使用エネルギー量となる前記ポンプ部の運転条件を目標値として、前記ポンプ部の運転を制御するポンプ部運転制御部と、を有することにある。
また、前記目的を達成するため、本発明に係る圧延ラインにおける注水制御装置の第2の特徴は、前記制約内運転条件予測部は、前記冷却水使用状況予測部により予測された前記冷却水の使用状況に基づいて、前記所定の予測サイクルT1毎に、前記予測対象期間T2内における前記ポンプ部の運転条件を予測する運転条件予測部と、前記運転条件予測部により予測された前記ポンプ部の運転条件が所定の制約条件を満たすか否かを判定し、前記ポンプ部の運転条件が前記制約条件を外れた場合のみ、前記制約条件を満たすように前記ポンプ部の運転条件を修正する運転条件修正部と、を有することにある。
また、前記目的を達成するため、本発明に係る圧延ラインにおける注水制御装置の第3の特徴は、さらに、前記所定の制約条件に関連する前記圧延ラインの状態量をリアルタイムで監視し、前記圧延ラインの状態量が前記所定の制約条件を外れるか否かを監視する制約条件監視部と、前記制約条件監視部によって前記圧延ラインの状態量が前記所定の制約条件を外れたと判定された場合、前記圧延ラインの状態量が前記所定の制約条件内に入るように、前記ポンプ部運転制御部の目標値を修正する目標値修正部と、を有することにある。
また、前記目的を達成するため、本発明に係る圧延ラインにおける注水制御装置の第4の特徴は、前記冷却水使用状況予測部は、前記圧延材の冷却に関連する情報として、現在冷却している圧延材の前記冷却水の使用水量と時間変化の操作情報を入力し、その操作情報に基づいて、所定の予測サイクルT1毎に、所定の予測対象期間T2内における前記冷却水の使用状況を予測する直接的使用状況予測部を有する、ことにある。
また、前記目的を達成するため、本発明に係る圧延ラインにおける注水制御装置の第5の特徴は、前記冷却水使用状況予測部は、過去に冷却した圧延材の属性情報と、過去に冷却した圧延材の使用状況とを対応させた参照テーブルを記憶しておき、前記圧延材の冷却に関連する情報として、現在冷却している圧延材の属性情報を入力し、その属性情報に基づいて、前記参照テーブルを参照し、所定の予測サイクルT1毎に、所定の予測対象期間T2内における前記冷却水の使用状況を予測する間接的使用状況予測部を有する、ことにある。
また、前記目的を達成するため、本発明に係る圧延ラインにおける注水制御装置の第6の特徴は、前記冷却水使用状況予測部は、さらに、過去に冷却した圧延材についての冷却水の使用状況を入力して所定の学習を行い、学習後の前記使用状況を、前記間接的使用状況予測部が記憶している前記参照テーブルの過去に冷却した前記圧延材の使用状況として更新する使用状況学習部を有し、前記間接的使用状況予測部は、前記圧延材の冷却に関連する情報として、現在冷却している圧延材の属性情報を入力し、その属性情報に基づいて、前記参照テーブルを参照し、所定の予測サイクルT1毎に、所定の予測対象期間T2内における前記冷却水の使用状況を予測する、ことにある。
また、前記目的を達成するため、本発明に係る圧延ラインにおける注水制御装置の第7の特徴は、前記冷却水使用状況予測部は、前記圧延材の冷却に関連する情報として、現在冷却している圧延材の前記冷却水の使用水量と時間変化の操作情報を入力し、その操作情報に基づいて、所定の予測サイクルT1毎に、所定の予測対象期間T2内における前記冷却水の使用状況を予測する直接的使用状況予測部と、過去に冷却した圧延材の属性情報と、過去に冷却した圧延材の使用状況とを対応させた参照テーブルを記憶しておき、前記圧延材の冷却に関連する情報として、現在冷却している圧延材の属性情報を入力し、その属性情報に基づいて、前記参照テーブルを参照し、所定の予測サイクルT1毎に、所定の予測対象期間T2内における前記冷却水の使用状況を予測する間接的使用状況予測部と、過去に冷却した圧延材ついての冷却水の使用状況を入力して所定の学習を行い、学習後の前記使用状況を、前記間接的使用状況予測部が記憶している前記参照テーブルの過去に冷却した前記圧延材の使用状況として更新する使用状況学習部とを有し、入力する前記圧延材の冷却に関連する情報に応じて、適応的に前記直接的使用状況予測部あるいは前記間接的使用状況予測部に、前記冷却水の使用状況を予測させる、ことにある。
また、前記目的を達成するため、本発明に係る圧延ラインにおける注水制御装置の第8の特徴は、前記所定の予測サイクルT1と、所定の予測対象期間T2との関係は、T1≦T2である、ことにある。
また、前記目的を達成するため、本発明に係る圧延ラインにおける注水制御装置の第9の特徴は、前記所定の制約条件とは、前記タンク内の保有水量または水位レベルの上下限値、ポンプ部を構成するポンプの運転台数の最小値またはポンプを駆動する電動機の運転出力の最小値のうち少なくとも一つである、ことにある。
前記目的を達成するため、本発明に係る圧延ラインにおける注水制御方法の特徴は、タンクに貯蔵された冷却水を圧延ラインにおける圧延材の冷却に使用し、使用後の前記冷却水を回収しポンプ部により前記タンクに戻す圧延ラインにおける注水制御方法であって、前記圧延材の冷却に関連する情報に基づいて、所定の予測サイクルT1毎に、所定の予測対象期間T2内における前記冷却水の使用状況を予測するステップと、予測された前記冷却水の使用状況に基づいて、前記所定の予測サイクルT1毎に、前記予測対象期間T2内における前記ポンプ部の運転条件を、所定の制約条件を満たすように予測するステップと、予測された前記ポンプ部の運転条件に基づいて、前記ポンプ部が前記予測対象期間T2内に運転した場合における使用エネルギー量を計算するステップと、前記所定の予測サイクルT1毎に、予測された前記ポンプ部の運転条件を変更して複数の前記使用エネルギー量を計算させ、計算された複数の前記使用エネルギー量のうち、最適な使用エネルギー量を求めるステップと、最適な使用エネルギー量となる前記ポンプ部の運転条件を目標値として、前記ポンプを駆動するステップと、を備えることにある。
前記目的を達成するため、本発明に係る圧延ラインにおける注水制御プログラムの特徴は、タンクに貯蔵された冷却水を圧延ラインにおける圧延材の冷却に使用し、使用後の前記冷却水を回収しポンプ部により前記タンクに戻す際に、コンピュータが実行する圧延ラインにおける注水制御プログラムであって、前記コンピュータに、前記圧延材の冷却に関連する情報に基づいて、所定の予測サイクルT1毎に、所定の予測対象期間T2内における前記冷却水の使用状況を予測するステップと、予測された前記冷却水の使用状況に基づいて、前記所定の予測サイクルT1毎に、前記予測対象期間T2内における前記ポンプ部の運転条件を、所定の制約条件を満たすように予測するステップと、予測された前記ポンプ部の運転条件に基づいて、前記ポンプ部が前記予測対象期間T2内に運転した場合における使用エネルギー量を計算するステップと、前記所定の予測サイクルT1毎に、予測された前記ポンプ部の運転条件を変更して複数の前記使用エネルギー量を計算させ、計算された複数の前記使用エネルギー量のうち、最適な使用エネルギー量を求めるステップと、最適な使用エネルギー量となる前記ポンプ部の運転条件を目標値として、前記ポンプを駆動するステップと、を実行させることにある。
以上のように、本発明によれば、圧延ラインにおける圧延材の冷却に関連する情報に基づいて、所定の予測サイクルT1毎に、所定の予測対象期間T2内における冷却水の使用状況を予測すると共に、ポンプ部の運転条件を所定の制約条件を満たすように予測し、使用エネルギー量が最小になる等、最適となるポンプ部の運転条件を目標値としてポンプ部の運転を制御するようにしたので、所定の制約条件を満たした上で、ポンプ部を効率良く運転して冷却水をタンクに戻すことができる。これにより、冷却水をタンクに戻すポンプ部の省エネ、省コストを直接的に図ることが可能になり、圧延ラインの環境負荷を低減することができる。
熱間圧延ラインにおける冷却水の循環および冷却水処理設備の概要を説明するための説明図である。 ROTにおける冷却水の循環および冷却水処理設備の概要を説明するための説明図である。 本発明に係る第1の実施形態の冷却ラインにおける注水制御装置の構成例を示すブロック図である。 本発明に係る第1の実施形態の冷却ラインにおける注水制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。 本発明に係る第1の実施形態の冷却ラインにおける注水制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。 ポンプを複数台運転した場合におけるポンプ特性曲線と配管抵抗曲線との関係の一例を示す説明図である。 ポンプを1台運転した場合におけるポンプ特性と電動機出力との関係の一例を示す説明図である。 本発明に係る第1の実施形態の冷却ラインにおける注水制御装置による制御の一例を示す説明図である。 本発明に係る第1の実施形態の冷却ラインにおける注水制御装置の動作の他の例を示すフローチャートである。 本発明に係る第2の実施形態の冷却ラインにおける注水制御装置の冷却水使用状況予測部の構成例を示すブロック図である。 本発明に係る第2の実施形態の冷却ラインにおける注水制御装置の冷却水使用状況予測部の予測方法の一例を示す説明図である。 本発明に係る第3の実施形態の冷却ラインにおける注水制御装置の冷却水使用状況予測部の構成例を示すブロック図である。 本発明に係る第4の実施形態の冷却ラインにおける注水制御装置の冷却水使用状況予測部の構成例を示すブロック図である。 本発明に係る第5の実施形態の冷却ラインにおける注水制御装置の構成例を示すブロック図である。 本発明に係る第5の実施形態の冷却ラインにおける注水制御装置による目標値の修正の一例を示す説明図である。
<第1の実施形態>
以下、本発明に係る第1の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置について図面を参照して説明する。なお、下記に説明する実施形態は、あくまで本発明を実施するための一形態であり、本発明が下記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態を適宜変更することが可能である。
まず、本発明に係る圧延ラインにおける注水制御装置の冷却対象となる、圧延ラインの一例から説明する。
《圧延ラインの一例》
図1は、圧延ラインの一例として、熱間薄板圧延ラインの概略の構成と、そこで使用される冷却水の流れを示す説明図である。
本実施形態では、圧延ラインとして、熱間薄板圧延ラインを一例に説明するが、本発明では、これに限定されるものではなく、タンクに貯蔵された冷却水を圧延ラインにおける圧延材の冷却に使用し、使用後の前記冷却水を回収しポンプ部により前記タンクに戻す圧延ラインであれば、厚板圧延ラインや、冷間圧延ライン等の圧延ラインを対象にしても勿論よい。
まず、熱間薄板圧延ラインの概略の構成を説明する。
図1に示す熱間薄板圧延ラインは、スラブと呼ばれる直方体状の鉄鋼材料等である圧延材を加熱炉1で1200℃程度に熱し、粗圧延機2で数パスの圧延を施して、厚み30〜40mm程度のバーとする。その後、仕上圧延機3にて、そのバーを、製品厚み1.2〜12mm程度に圧延する。その後、Run out Table (以下、ROTと略す。)4において、巻取機5の前で500〜700℃くらいの巻取り温度になるように冷却され、最終的に巻取機5で巻き取られ、製品コイルとなる。なお、スラブと呼ばれる鉄鋼材料は、圧延の各工程を経る度に、バー、コイルなどと呼び方が変わるが、ここでは圧延材という呼称で統一するものとする。
熱間薄板圧延ラインは、大きく分けると、前記のように、加熱炉1、粗圧延機2、仕上圧延機3、ROT4、巻取機5という設備で構成される。もちろんその他の設備もあるが、冷却水の流れの量を考慮する上では、これらの重要な設備のみを対象としてかまわない。
次に、熱間薄板圧延ラインにおいて使用される冷却水の流れ等を説明する。
図1において、粗圧延機2、仕上圧延機3では、それぞれ、ロール2a,3aの冷却のために圧延機用タンク6aの冷却水(間接水)が使用され、また圧延材の表面の酸化膜を除去するスケールブレーカ6でも、冷却水が使われる。また、仕上圧延機3では、圧延スタンド3b間に圧延材に冷却水(直接水)を噴射して冷却するスプレー3cが設置されている。
また、仕上圧延機3の最終圧延スタンド3bを出た圧延材は、ROT4に運ばれる。ROT4では、ROT用タンク6bからの冷却水により、巻取機5にて所望の巻取り温度になるように制御される。
このように、ロール2a,3aや圧延材等の冷却のため、圧延機用タンク6aや、ROT用タンク6bに蓄えられた冷却水が使用される。
ロール2a,3aや圧延材等の冷却に使われた冷却水は、鉄粉や油、ごみ等が含まれるおそれがあり、また温度が高くなっているため、蒸発分を除き、配管(図示せず。)等を経由して回収され、周知の浄化・冷却プロセスが行われる浄化・冷却装置7aに送られる。その際、必要あれば、冷却塔(図示せず。)等を経て常温に戻される。
そして、回収された使用後の冷却水は、浄化・冷却装置7aから電動機8bにより駆動されるポンプ8aにより冷却水ピット7bにて集められる。この冷却水の経路は、長く、時間もかかり、また浄化・冷却装置7aや冷却塔(図示せず。)の容量は、非常に大きい。そのため、浄化・冷却装置7aから冷却水ピット7bへ十分な冷却水が供給されていると考えることができる。
ところで、熱間薄板圧延ラインにおいては、ROT4にて注水される冷却水が最も多いため、図1に示すように、ROT4で使う冷却水専用のROT用タンク6bを、圧延機用タンク6aとは独立して設けることが一般的である。
このため、圧延ラインにおける注水制御装置の省エネを検討する上では、ROT4回りの冷却水系を最適化することが重要であり、本実施形態では、ROT4回りの冷却水系を最適化する例について説明する。なお、ROT4以外の、粗圧延機2、仕上圧延機3、スケールブレーカ6についても同様に考えることができる。
図2は、図1に示すROT4回りの冷却水の流れを概略的に示す説明図である。
なお、浄化・冷却装置7aや冷却塔(図示せず。)の容量は、非常に大きく、また、浄化・冷却装置7aと冷却水ピット7bとの間では、それほど高低差もなく、ポンプ8aを駆動する電動機8bの電力や負荷は考慮する必要がないので、図2では、浄化・冷却装置7a等を省略して示している。
図2では、ROT用タンク6bの貯蔵容量は、CW[m]、単位時間当たりのオーバーフロー流量は、QOVF[m3/h]としている。
また、ROT用タンク6bにおける単位時間当たりの吐出流量は、QOT[m3/h]である。また、流単位時間当たりの流入流量は、QIT[m3/h]である。これらの流量に、時間をかければ、ROT用タンク6bにおける冷却水の吐出水量(使用水量)や流入水量(注水水量)が計算できる。
同様に、図2において、ポンプ9aの単位時間当たりの吐出流量は、QOPP[m3/h]である。吐出流量QOPP[m3/h]に時間をかければ、ポンプ9aにおける冷却水の吐出水量が計算できる。
図1でも説明したように、ROT4にて使用された冷却水は、回収され、最終的に冷却水ピット7bに集められ、電動機9bにより駆動されるポンプ9aにより、冷却水ピット7bから汲み上げられ、ROT用タンク6bに流入流量QIT[m3/h]で戻される。そして、ROT用タンク6bに蓄えられた冷却水は、必要に応じて、吐出流量QOT[m3/h]で、ROT4へ供給され、圧延材等の冷却に使用され、使用後に再度回収され、冷却水ピット7bに集められる、という一連のプロセスを繰り返す。
なお、ポンプ9aは、大きな流量が必要な場合は、図2に示すように並列に複数台並べられて、電動機9bにより並列運転される。また、大きな揚程Hが必要な場合は、図示はしないが、ポンプ9aを直列に並べ、電動機9bにより直列運転する。
また、本実施形態では、ポンプ9aと、電動機9b等の冷却水をタンクに戻すための注水設備をまとめてポンプ部9と総称することとする。
≪第1の実施形態の構成≫
次に、本発明の第1の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置10を、図面を参照して説明する。なお、以後の説明の対象は、図1および図2に示す熱間薄板圧延ラインとするが、厚板圧延ライン、冷間圧延のライン、またアルミや銅の圧延ライン等、他の形態の圧延ラインにおいても同様に適用することができる。
図3は、本発明に係る第1の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置10の構成例を、温度制御装置100と共に示すブロック図である。
図3において、この実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置10は、冷却水使用状況予測部11と、制約内運転条件予測部12と、使用エネルギー量計算部13と、最適化部14と、ポンプ部運転制御部15とを有し、温度制御装置100からの圧延材の冷却に関連する操作情報等の情報に基づいて、最適な運転条件でポンプ部9を構成する、ポンプ9aや電動機9bの運転を制御し、ROT用タンク6bに冷却水を戻すように構成されている。
ここで、冷却水使用状況予測部11は、温度制御装置100からの圧延材の冷却に関連する情報に基づいて、所定の予測サイクルT1毎に、所定の予測対象期間T2内におけるROT4にて使用される冷却水の使用状況を予測するもので、直接的使用状況予測部111を有する。
直接的使用状況予測部111は、圧延材の冷却に関連する情報として、後述するように、例えば、温度制御装置100から現在、ROT4において現在冷却している圧延材に使用している冷却水の実際の単位時間当たりの使用水量(実績値)[m3/h]や、その使用タイミングや使用時間等の時間変化の操作情報(直接情報)を受け取り、その操作情報(直接情報)に基づいて所定の予測サイクルT1毎に、所定の予測対象期間T2内におけるROT4にて使用される冷却水の使用状況、すなわちROT用タンク6bへ戻す冷却水の注水状況を予測している。
つまり、冷却水使用状況予測部11は、例えば、所定の予測対象期間T2内におけるROT用タンク6bから吐出される冷却水の単位時間当たりの吐出水量や、その使用タイミングや使用時間等の時間変化等の冷却水の使用状況でも良いし、所定の予測対象期間T2内におけるポンプ9aによりROT用タンク6bに戻される冷却水の単位時間当たりの流入水量(注水量)や、その使用タイミングや使用時間等の時間変化の冷却水の使用状況のどちらを予測するようにしてもよい。
これは、ROT用タンク6bにおける冷却水の貯蔵容量を一定に保つという観点からすれば、ROT用タンク6bからの吐出流量と、ポンプ部によりタンクに戻す冷却水の流入流量とは等しく、あるいは安全の点から多少のオーバーフローを考慮して、ROT用タンク6bへの冷却水の流入流量はROT用タンク6bからの吐出流量以上の関係を保つとしても、ROT用タンク6bからの吐出流量か、ポンプ部9により、ROT用タンク6bに戻す冷却水の流入流量のいずれか一方を予測すれば、他方を簡単に求めることができるからである。
なお、冷却水の使用状況として、さらに、冷却水の単位時間当たりの吐出水量や流入水量(注水量)の使用時間の変化の傾きや変化率等を予測するようにしても勿論よい。
また、制約内運転条件予測部12は、冷却水使用状況予測部11により予測された冷却水の使用状況に基づいて、所定の予測サイクルT1毎に、予測対象期間T2内におけるポンプ部9の運転条件を、所定の制約条件を満たすように予測するもので、ここでは、運転条件予測部121と、運転条件修正部122とを有する。
運転条件予測部121は、冷却水使用状況予測部11により予測されたROT4にて使用される冷却水の使用状況に基づいて、所定の予測サイクルT1毎に、予測対象期間T2内に必要とされるポンプ部9の運転条件、例えば、ポンプ部9を構成する1または複数台のポンプ9aを駆動する電動機9bの運転台数や運転出力等を予測するものである。
運転条件修正部122は、運転条件予測部121により予測されたポンプ部9の運転条件が、圧延ラインにおける所定の制約条件を満たすか否かを判定し、ポンプ部9の運転条件がその制約条件を外れた場合のみ、その制約条件を満たすようにポンプ部9の運転条件を修正するものである。なお、圧延ラインにおける所定の制約条件について後述する。
なお、本実施形態では、制約内運転条件予測部12を前記のように運転条件予測部121と運転条件修正部122とに分けているが、本発明では、制約内運転条件予測部12を運転条件予測部121と運転条件修正部122とに分けず、制約内運転条件予測部12が、冷却水使用状況予測部11により予測された冷却水の使用状況に基づいて、所定の予測サイクルT1毎に、予測対象期間T2内におけるポンプ部9の運転条件を、所定の制約条件を満たすように予測するようにしても勿論よい。
使用エネルギー量計算部13は、運転条件修正部122を介したポンプ部9の運転条件に基づいて、所定の予測サイクルT1毎に、所定の予測対象期間T2内にポンプ部9にて使用される使用エネルギー量、例えば、ポンプ部9を構成する1または複数台のポンプ9aの台数や、そのポンプ9aを駆動する電動機9bの運転台数や運転出力等を実現するために必要な使用エネルギー量を計算するものである。
最適化部14は、所定の予測サイクルT1毎に、運転条件予測部121により予測された上述のようなポンプ部9の運転条件を変更して運転条件修正部122を介し使用エネルギー量計算部13に与え、使用エネルギー量計算部13に複数の使用エネルギー量を計算させ、計算された複数の使用エネルギー量のうち、最適な、例えば、使用エネルギー量が最少となる使用エネルギー量を求めるものである。
ポンプ部運転制御部15は、最適化部14によって求められた所定の制約条件を満たす最適なポンプ部9の運転条件を目標値として、ポンプ部9の運転を制御するものである。
なお、本実施形態では、温度制御装置100は、巻取機5の温度を制御対象として、ROT用タンク6bにおける吐出バルブ(図示せず)等の開閉等を操作して、ROT4における冷却水の使用状況を調整する装置としている。このため、この第1の実施形態では、温度制御装置100は、圧延材の冷却に関連する情報として、例えば、ROT4において現在冷却している圧延材に使用している冷却水の単位時間当たりの使用水量と、その使用タイミング、使用時間等を含む使用水量の時間変化等の操作情報を、第1の実施形態の注水制御装置10に出力する。なお、操作情報としては、巻取機5の温度に基づいて、時々刻々と変化する、ROT4における冷却水の使用状況が予測できるものであれば、ROT4において現在冷却している圧延材に使用している冷却水の単位時間当たりの使用水量と、その使用タイミング、使用時間等を含む時間変化等の操作情報に限らず、これら以外の操作情報でも良い。
《第1の実施形態の動作》
次に、前記のように構成された第1の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置10の動作について、フローチャートを参照して説明する。
図4A,図4Bは、第1の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
図4A,図4Bに示すように、第1の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置10では、所定の予測サイクルT1毎に、ステップ420〜500の処理を繰り返し行う。
(1)所定の予測サイクルT1と、所定の予測対象期間T2の設定(ステップ410)
まず、最適化部14は、所定の予測サイクルT1と、所定の予測対象期間T2とを、冷却水使用状況予測部11や運転条件予測部121等に対し設定する(ステップ410)。
なお、所定の予測サイクルT1と、所定の予測対象期間T2とが固定値の場合には、このステップ410の処理は省略して、予め冷却水使用状況予測部11や運転条件予測部121等に設定されているものとしても良い。また、最適化部14自身ではなく、他の冷却水使用状況予測部11や運転条件予測部121が独自に設定するようにしても勿論よい。
ここで、所定の予測サイクルT1とは、使用水量や運転条件の予測を繰り返す時間間隔(周期)のことであり、例えば、0.5時間とする。また、所定の予測対象期間T2とは、使用水量や運転条件の予測を行う対象期間のことであり、例えば、2時間や3時間とする。なお、これらは一例であり、これに限定されるものではない。
また、第1の実施形態では、予測対象期間T2をずらす所定の予測サイクルT1と、予測対象期間T2との関係は、T1≦T2、すなわち予測対象期間T2を所定の予測サイクルT1以上としている。
これは、T1≦T2とすることにより、予測をしない期間がなくなるばかりでなく、予測対象期間T2というより長い予測対象期間で予測しながら、予測対象期間T2より短い予測サイクルT1毎に計算することにより、予測結果を最新情報により更新しやすくするためである。ただし、本発明では、予測サイクルT1と予測対象期間T2とは、T1≦T2の関係に限定されることはなく、T1>T2であっても良いし、さらに、双方とも、所定の固定値でなく、適応的な可変な設定値としても良い。
なお、所定の予測サイクルT1と、所定の予測対象期間T2とは、固定値でも、適応的な可変値でもどちらでも良い。つまり、所定の予測サイクルT1および予測対象期間T2の設定方法は、本発明を実施する計算機等のハードウェアの処理能力や、圧延操業の態様にも依存するので、本実施形態では、最適化部14等が、例えば、以下の(i)〜(iv)のような設定方法の中から1つを選ぶものとする。
(i)所定の予測サイクルT1および予測対象期間T2を一定値として設定する。
(ii)所定の予測サイクルT1を可変として、温度制御装置100からの情報が更新されるたびに直接的使用状況予測部121が起動されるので、所定の予測サイクルT1の上下限値を設けその範囲内で予測サイクルT1を設定するとともに、所定の予測対象期間T2は一定値として設定する。
(iii)所定の予測サイクルT1を可変として、温度制御装置100からの情報が更新されるたびに直接的使用状況予測部121が起動されるので、所定の予測サイクルT1の上下限値を設け、その範囲内で予測サイクルT1を設定するとともに、所定の予測対象期間T2も可変として、所定の予測サイクルT1の値の大小に応じて変えるが、所定の予測対象期間T2の上下限値を設けその範囲内で設定する。
(iv)所定の予測サイクルT1および予測対象期間T2を可変とし、圧延の間隔または注水制御装置の稼動間隔が長いときは、それに応じて所定の予測サイクルT1および予測対象期間T2も長く設定し、圧延の間隔または注水制御装置の稼動間隔が短いときは、それに応じて所定の予測サイクルT1および予測対象期間T2も短く設定する。ただし、所定の予測サイクルT1および予測対象期間T2に、それぞれの上下限値を設け、その範囲内で所定の予測サイクルT1および予測対象期間T2を設定する。
ここで、所定の予測サイクルT1を可変にすることが有利な理由について説明する。例えば、所定の予測サイクルT1の時間を一定値に固定することなく、直接的使用状況予測部111には、温度制御装置100から数回の制御演算毎に使用水量等の操作情報が更新されて入力しているので、その操作情報の入力タイミングを所定の予測サイクルT1とする。すると、本実施形態では、使用水量等の操作情報の入力毎に予測対象期間T2をずらして予測を行うことになるので、最新の使用水量等の操作情報に基づいて常に最適な予測を実行できるからである。
また、所定の予測対象期間T2を可変にすることが有利な理由についても説明する。圧延の間隔や注水制御装置の稼動間隔が大きく開いているときに、所定の予測対象期間T2を一定の細かい値とすることは、予測計算負荷をいたずらに増やすことになりかねないので、圧延の間隔や注水制御装置の稼動間隔に応じて所定の予測対象期間T2を可変にすることにより、予測計算負荷を軽くすることができる。
さらに、所定の予測対象期間T2を一定値とすることが有利な理由すると、予測計算機能力が限られている場合に、所定の予測対象期間T2を可変とすると、演算処理時間が長くなり、処理能力が追いつかないことがあり、かかる事態を避けるためである。なお、連続鋳造設備と直結した圧延ラインの場合、スラブが供給される時間間隔がほぼ一定であるので、所定の予測サイクルT1や所定の予測対象期間T2を可変にするメリットは少ないので、このような場合には、所定の予測サイクルT1や所定の予測対象期間T2を固定値とする。
このように、種々の条件により、最適な、所定の予測サイクルT1および予測対象期間T2の選び方は異なるので、最適化部14等は、種々の条件に基づいて最適な予測サイクルT1および予測対象期間T2を選ぶ。その際、所定の予測サイクルT1または所定の予測対象期間T2を可変とする場合には、上下限値を設けるようにすると良い。
(2)使用状況の予測(ステップ420)。
次に、冷却水使用状況予測部11は、温度制御装置100から与えられる圧延材の冷却に関連する情報に基づいて、所定の予測サイクルT1毎に、所定の予測対象期間T2内にROT用タンク6bから吐出されて使用される冷却水の使用状況を予測する(ステップ420)。
ここで、ROT用タンク6bにおいて冷却水のオーバーフローが発生しないとすれば、所定の予測対象期間T2内にROT用タンク6bから吐出されて使用される冷却水の使用状況を予測することは、所定の予測対象期間T2内にポンプ9aによりROT用タンク6bに注水される冷却水の使用状況を予測することと同じになる。
ここで、温度制御装置100は、例えば、図1に示すROT4での冷却を想定しており、巻取機5の温度を制御対象にしている。そのため、温度制御装置100は、巻取機5の前に設定された温度計(図示せず)の測定値が所望の目標温度になるように、ROT用タンク6bの吐出バルブ(図示せず)等の開閉を操作して、ROT4における冷却水の使用状況を調整している。なお、温度制御装置100は、図1に示す仕上圧延機3の温度を制御対象とする場合には、仕上圧延機3の仕上出側に設置された温度計(図示せず)の測定値が所望の目標温度とするように仕上圧延機3内のスタンド間冷却水や圧延速度を調整することになる。
よって、本実施形態では、説明の便宜上、一例として、温度制御装置100は、図2に示すROT4での冷却を想定し、巻取機5の温度を制御対象として、ROT4における冷却水の使用状況を制御するものとして説明する。
ここで、この温度制御装置100は、ROT4上に次々に運ばれ冷却される圧延材毎に、単位時間当たりどれくらいの使用水量の冷却水を、どのタイミングで、どのくらいの時間使用するのか等の直接的な操作情報が事前に分かっており、これらの直接的な操作情報を、圧延材の冷却に関連する情報として、冷却水使用状況予測部11へ出力する。
ここで、本実施形態では、温度制御装置100は、冷却対象の圧延材に対して、数回、使用水量の計算を行っており、その都度、冷却水の使用状況の計算(予測)結果を、冷却水使用状況予測部11へ出力するものとする。
例えば、温度制御装置100は、冷却対象である圧延材がまだ加熱炉1(図1参照)の中にある場合にROT4における冷却水の使用水量を計算し(1回目)、仕上圧延機3(図1参照)の入り側に設置された温度計(図示せず)で圧延材の温度を測定したときにもROT4における冷却水の使用水量を計算し(2回目)、さらに仕上圧延機3(図1参照)の最上流スタンドに圧延材が噛み込まれたときにもROT4における冷却水の使用水量を計算し(3回目)、最終的には、仕上圧延機3の出側に設けられた温度計で全長にわたり温度を測定し、その測定温度をもとに、ROT4における冷却水の使用水量を計算して求めている(最終回)。
温度制御装置100は、1回目から回数を経るごとに、より高精度にROT4における冷却水の使用水量を計算して求めている。
そのため、本実施形態の冷却水使用状況予測部11では、温度制御装置100が各計算タイミングにおいて計算したROT4における冷却水の使用水量やその時間変化等の操作情報を、各計算回毎に出力する場合には、最も高精度となる計算回数の遅いときの操作情報に基づいて、所定の予測対象期間T2内におけるROT4での冷却水の使用状況を予測する。
(3)ポンプ部9の運転条件の予測(ステップ430)。
ステップ420の処理により、冷却水使用状況予測部11により所定の予測対象期間T2内におけるROT4での冷却水の使用状況が予測されると、次に、運転条件予測部121は、冷却水使用状況予測部11によって予測された所定の予測対象期間T2内におけるROT4での冷却水の使用状況に基づいて、予測対象期間T2内で必要なポンプ部9の運転条件を予測し、その予測結果を運転条件修正部122へ出力する(ステップ430)。
ここで、ポンプ部9の運転条件とは、ROT用タンク6bの注水に必要なポンプ9aの台数や、ポンプ9aを運転する電動機9bの運転台数、その電動機9bの運転出力(消費電力)のことである。
なお、運転条件予測部121による、所定の予測サイクルT1毎の、所定の予測対象期間T2内における、ROT4での冷却水の使用状況に基づくポンプ部9の運転条件の予測方法については、後述する。
(4)ポンプ部9の運転条件の修正(ステップ440)。
運転条件予測部121により、所定の予測対象期間T2内における、ROT4での冷却水の使用状況に基づくポンプ部9の運転条件が予測されると、運転条件修正部122は、運転条件予測部121により予測されたポンプ部9の運転条件が所定の制約条件を満たすか否かを判定し、ポンプ部9の運転条件が制約条件を外れた場合のみ、当該制約条件を満たすようにポンプ部9の運転条件を修正し、使用エネルギー量計算部13へ出力する(ステップ440)。
これは、ポンプ9aや、ポンプ9aを駆動する電動機9b等のポンプ部9を含む注水設備には、多くの制約条件があり、運転条件予測部121が予測したポンプ部9の運転条件が制約条件を外れていた場合には、制約条件内に入るようにポンプ部9の運転条件を修正しないと、注水設備が故障したり、注水に支障をきたすからである。
ここで、制約条件としては、例えば、ROT用タンク6bの貯蔵容量または水位レベルが下限値より下がらないことがある。これは,高所にあるROT用タンク6bから冷却水をROT4に供給する場合、ある程度の圧力を持って冷却水を圧延材に注水する必要があるからである。つまり、数100℃から1000℃近くの圧延材の表面に注水すると、いわゆる沸騰膜ができ、冷却を阻害するため、ある程度の圧力を持ってこの沸騰膜を破り、冷却能力を高めることが必要であり、圧力を維持するためには、ROT用タンク6b内の水位を一定以上確保しておく必要があるからである。
また、ポンプ9aに求められることは、図2に示すように、吐出流量QOPP[m3/h]だけでなく、高所に冷却水を持ち上げる揚程Hの性能もある。そのため、制約条件の一つとして、必要な揚程Hを確保するために、ポンプ9aの運転台数の最小値や、ポンプ9aを運転する電動機9bの出力の最小値を制約条件としても良い。
さらに、ポンプ9aの運転台数を0にしてしまうと、配管(図示せず)やポンプ9a中に冷却水が全くなくなってしまい、ポンプ9aを再起動するときに、空転し、ポンプ9aや電動機9bを壊したり、異音を発生するおそれがある。そのため、制約条件の一つとして、例えば、常に1台のポンプ9aは運転しておき、配管(図示せず)やポンプ内に水を確保することを制約条件にしても良い。
運転条件修正部122では、これらの制約条件を考慮して、運転条件予測部121が所定の予測サイクルT1毎に予測した所定の予測対象期間T2内に必要とされるポンプ部9の運転条件がこれらの制約条件を外れないように制約をかけ、外れた場合には制約条件内に納まるように適宜修正する。
その一方、運転条件予測部121によって予測されたポンプ部9の運転条件が制約条件を外れなかった場合は、運転条件修正部122は、運転条件予測部121によって予測された所定の予測対象期間T2内に要求されるポンプ部9の運転条件である、ポンプ9aの運転台数やポンプ9aを駆動する電動機9bの運転出力(消費電力)等を、修正せずそのまま使用エネルギー量計算部13へ出力する。
なお、制約内運転条件予測部12を運転条件予測部121と運転条件修正部122とに分けず、制約内運転条件予測部12が、冷却水使用状況予測部11により予測された冷却水の使用状況に基づいて、所定の予測サイクルT1毎に、予測対象期間T2内におけるポンプ部9の運転条件を、所定の制約条件を満たすように予測するようにした場合には、ステップ430のポンプ部の運転条件予測処理と、ステップ440のポンプ部の運転条件の修正処理とは、一つのステップで実行されることになる。
(5)使用エネルギー量が最適となるポンプ部の運転条件の選択(ステップ450〜495)。
そして、使用エネルギー量計算部13は、運転条件修正部122を介して、運転条件予測部121から所定の予測対象期間T2内に必要とされるポンプ部9の運転条件である、ポンプ9aの運転台数やポンプ9aを駆動する電動機9bの運転出力(消費電力)の予測結果を入力すると、その予測結果であるポンプ部9の運転条件を実現するために必要な所定の予測対象期間T2内における使用エネルギー量を計算し、最適化部14へ出力する(ステップ450)。
ここで、使用エネルギー量計算部13は、使用エネルギー量計算の際、ポンプ9aを駆動する電動機9bの効率や、インバータ駆動が可能であるか否か等も考慮した上で、電源側から与える使用エネルギー量、すなわち電力量を計算する。
すると、最適化部14は、まず、ポンプ部9の運転条件の変更回数を確認し、ポンプ部9の運転条件の変更回数が所定回数以内であるか否かを判定する(ステップ460)。なお、変更回数は、本装置の処理能力、計算能力、さらには、所定の予測サイクルT1や予測対象期間T2等も考慮して、5回や、10回等と任意の値を設定できる。
ここで、最適化部14は、ポンプ部9の運転条件の変更回数が所定回数を超えた場合には(ステップ460“Yes”)、今までポンプ部9の運転条件を変更させて使用エネルギー量計算部13に計算させた使用エネルギー量のうち、最適、すなわち最小の使用エネルギー量となるポンプ部9の運転条件を、目標値として、ポンプ部運転制御部15に与える(ステップ490)。
これに対し、最適化部14は、ポンプ部9の運転条件の変更回数が所定回数以内である場合には(ステップ460“Yes”)、ステップ470以降の処理により、使用エネルギー量計算部13における今回の使用エネルギー量の計算結果と、前回の使用エネルギー量の計算結果との比較処理に移行する。
つまり、最適化部14は、使用エネルギー量計算部13によって今回計算された使用エネルギー量を記憶し、まずは、今回計算した使用エネルギー量と、前回計算し記憶したポンプ部9の運転条件が若干異なる使用エネルギー量とを比較し、今回計算した使用エネルギー量が前回計算した使用エネルギー量より減少したか否かを判定する(ステップ470)。
ここで、最適化部14は、今回計算した使用エネルギー量が前回計算した使用エネルギー量より減少していないと判定した場合(ステップ470“No”)、さらにポンプ部9の運転条件である、ポンプ9aの運転台数やポンプ9aを駆動する電動機9bの運転出力(消費電力)を若干変えて(ステップ475)、再度、使用エネルギー量計算部13にそのポンプ部9の運転条件に必要な使用エネルギー量を計算させ(ステップ450)、それ以降の処理を実行する。
その一方、最適化部14は、今回計算した使用エネルギー量が前回計算した使用エネルギー量より減少していると判定した場合(ステップ470“Yes”)、さらに、今回計算した使用エネルギー量から前回計算した使用エネルギー量を減算した減少量が十分小さいか否かを判定する(ステップ480)。
ここで、最適化部14は、前回計算した使用エネルギー量からの減少量が十分小さいくないと判定した場合は(ステップ480“No”)、ステップ470にて“No”と判定した場合と同様に、さらにポンプ部9の運転条件を若干変えて(ステップ475)、ステップ450の処理に戻り、これ以降の処理を実行する。
これに対し、最適化部14は、今回計算した使用エネルギー量が前回計算した使用エネルギー量より減少しており(ステップ470“Yes”)、かつ、今回計算した使用エネルギー量から前回計算した使用エネルギー量を減算した減少量が十分小さいと判定した場合には(ステップ480“Yes”)、今回計算した使用エネルギー量となるポンプ部9の運転条件を、目標値としてポンプ部運転制御部15に与える(ステップ485)。
(6)目標値に基づくポンプ部9の運転(ステップ495)。
ポンプ部運転制御部15は、最適化部14におけるステップ485またはステップ490の処理により、使用エネルギー量が最少等の最適なポンプ部9の運転条件が目標値として与えられると、この目標値に従ってポンプ9aや電動機9bを選択して制御し、ポンプ9aを運転する(ステップ495)。
(7)所定の予測サイクルT1が経過したの判定(ステップ500)。
そして、最適化部14は、所定の予測サイクルT1が経過するか否かを判定し(ステップ500)、所定の予測サイクルT1が経過した場合には(ステップ500“Yes”)、ステップ420の処理に戻り、ステップ420〜ステップ500の処理を繰り返させる。
以上のように、第1の実施形態の圧延ラインにおけるポンプ駆動装置では、所定の予測サイクルT1毎に、以上説明したステップ420〜500の処理を繰り返すことにより、所定の予測対象期間T2内にROT4にて使用される冷却水の使用状況や、ポンプ部の運転条件を予測して、予測した運転条件が制約条件を外れれば修正し、予測したポンプ部の運転条件を少しずつ変更しながら使用エネルギー量が最小になる等の最適なポンプ部の運転条件を目標値として設定して、ポンプ部9の運転を制御している。
これにより、第1の実施形態の圧延ラインにおけるポンプ駆動装置では、ポンプ部9を構成するポンプ9aや、ポンプ9aを駆動する電動機9b等を、圧延ラインにおける所定の制約条件を満たした上で、効率良く運転することができる。
その結果、圧延ラインにおけるポンプ部9の省エネ、省コストを直接的に図ることが可能になり、圧延ラインの環境負荷を低減することができる。
《ポンプ部9の運転条件の予測方法の一例》
次に、運転条件予測部121におけるポンプ部9の運転条件の予測方法の一例を、図面を参照して説明する。
図5は、ポンプ9aを1台〜5台並列運転する場合におけるポンプ9aの吐出流量QOPP[m3/h]と、ポンプ9aの揚程[m]との関係を示す特性曲線と、ポンプ9aにつながる配管(図示せず)の抵抗曲線とを示す説明図である。
図5では、横軸にポンプ9aの吐出流量QOPP[m3/h]をとり、縦軸にポンプ9aの揚程[m]をとっている。
ポンプ9aの運転を台数ごとに行う場合は、ポンプ1台、2台、・・・、5台運転の特性曲線510〜550と、配管抵抗曲線560の交点が運転点となる。
例えば、ポンプ9aを4台で運転する場合、図5に示すように、4台で運転の場合の特性曲線540と、配管抵抗曲線560との交点が運転点となり、吐出流量QOPP[m3/h]は約9200[m3/h]、揚程は約25[m]となる。
ここで、ポンプ9aを駆動する電動機9bをインバータ駆動する場合は、配管抵抗曲線上で連続的な吐出流量、揚程の変更が可能になる。例えば、4台のポンプ9aにプラスして、5台目のポンプ9aのみを95%出力でインバータ駆動により運転する場合には、図5に示すように、4台+95%運転の特性曲線570と、配管抵抗曲線560との交点が運転点となり、吐出流量は約9600[m3/h]、揚程は26[m]となる。
このように、ポンプ9aを複数台並列運転する場合には、ポンプ9aの吐出流量QOPP[m3/h]と、ポンプ9aの揚程[m]とは、配管抵抗曲線560により定まる。
図6は、1台のポンプ9aのポンプ特性と、ポンプ9aを駆動する電動機9bの出力の関係を示す説明図である。
図6では、横軸にポンプ9aの吐出流量QOPP[m3/h]をとり、縦軸にポンプ9aの全揚程[m]をとっており、電動機出力−吐出流量曲線610と、全揚程−吐出流量曲線620とを示している。
図6に示すように、ポンプ9aの1台当たりが負担すべき吐出流量QOPP[m3/h]が決まれば、電動機出力−吐出流量曲線610に従い、それを駆動する電動機9bの出力[kW]を求めることができる。
そして、電動機9bの出力が決まると、その出力を得るためのインバータ出力、インバータへの入力電力が求められる。なお、インバータ駆動でない場合には、電動機9bの出力を決めると、電動機9bへの入力電力が求められる。
例えば、4台のポンプ9aで吐出流量を約9200[m3/h]、揚程を約25[m]とした場合、1台のポンプ9aが負担すべき吐出流量QOPP[m3/h]は、9200[m3/h]÷4[台]=2300[m3/h]となる。
そして、この図6より、ポンプ1台あたりで負担すべき吐出流量が2300[m3/h]ということは、インバータ駆動なしとした場合、電動機9bの出力は、電動機出力−吐出流量曲線610に従い、約252[kW]となる。また、ポンプ9aの1台当たりの全揚程[m]は、全揚程−吐出流量曲線620に従い、吐出流量[m3/h]が2300[m3/h]のときの、約24[m]となる。
このように、1台のポンプ9aが負担する吐出流量QOPP[m3/h]が決まれば、そのポンプ9aの全揚程[m]と、1台のポンプ9aを駆動する電動機9bの出力とが決まり、また、1台のポンプ9aの全揚程[m]を決めれば、1台のポンプ9aが負担する吐出流量QOPP[m3/h]と、1台のポンプ9aを駆動する電動機9bの出力とが決まり、さらに、1台のポンプ9aを駆動する電動機9bの出力が決まれば、1台のポンプ9aが負担する吐出流量QOPP[m3/h]と、そのポンプ9aの全揚程[m]とが決まることになる。
そのため、図2に示すように、冷却水ピット7bからROT用タンク6bまでの揚程H[m]や、冷却水ピット7bからROT用タンク6bまでの配管(図示せず。)の管径等が、固定で決まっている場合には、運転条件予測部121は、所定の予測サイクルT1毎に、図5に示すポンプ特定曲線と配管抵抗曲線との関係図や、図6に示すポンプ特性と電動機出力との関係図等に従って、何台のポンプ9aにより運転する必要があるか、その場合にポンプ9aを直列接続するか、並列接続するか、電動機9bの出力がどれくらいになるか等のポンプ部9の運転条件を予測することができる。
《所定の予測サイクルT1毎にポンプ9aの運転台数の予測を変更する一例》
次に、運転条件予測部121が、所定の予測サイクルT1毎に、図5に示すポンプ特定曲線(1〜5台運転)と配管抵抗曲線との関係図や、図6に示すポンプ特性と電動機出力との関係図等に従って、ポンプ9aの運転台数の予測を変更した一例を、図面を参照して説明する。
図7は、図2に示すROT4における冷却水の循環において、運転条件予測部121が、所定の予測サイクルT1毎に、ポンプ9aの運転台数の予測を変更した一例を示す説明図である。
図7では、横軸に時間time[s]をとり、縦軸には、
(i)ROT用タンク6bの貯蔵容量値CW[m3]の上限値CW UL[m3]、
(ii)ROT用タンク6bの貯蔵容量CW[m3]の下限値CW LL[m3]、
(iii)ポンプ部9の運転条件の指令値(ポンプ9aの運転台数の指令値PREF[台数])、
(iv)ROT用タンク6bからの吐出流量QOT[m3/h]の予測値QOT PRD[m3/h]、
(v)ROT用タンク6bからの吐出流量QOT[m3/h]の実績値QOT ACT[m3/h]、
をとっている。
そして、図7において、折れ線710は、ROT用タンク6bの貯蔵容量値CW[m3]、折れ線720は、ポンプ部9の運転条件の指令値(ポンプ9aの運転台数の指令値PREF[台数])、折れ線730は、ROT用タンク6bからの吐出流量QOT[m3/h]の予測値QOT PRD[m3/h]、折れ線740は、ROT用タンク6bからの吐出流量QOT[m3/h]の実績値QOT ACT[m3/h]の変化を示している。
ここで、前記(iii)に示す最適化部14がポンプ部運転制御部15に対し指示するポンプ部9の運転条件の指令値(目標値)は、説明をわかりやすくするため、ポンプ9aの運転台数の指令値PREF[台数]としているが、ポンプ9aを駆動する電動機9bの運転出力等を入れても勿論よい。
また、前記(iv)に示すROT用タンク6bからの吐出流量QOT[m3/h]の予測値QOT PRD[m3/h]は、運転条件予測部121が、所定の予測サイクルT1毎に所定の予測対象期間T2内で予測する値である。
また、前記(v)に示すROT用タンク6bからの吐出流量QOT[m3/h]の実績値QOT ACT[m3/h]は、温度制御装置100が操作しているROT用タンク6bからの吐出流量QOT[m3/h]である。
また、図7において、i番時間ウインドウとは、時点t1から始まる予測サイクルT1とする所定の予測対象期間T2であり、時点t1〜t7までの期間である。また、i+1番時間ウインドウは、時点t3から始まる予測サイクルT1とする所定の予測対象期間T2であり、時点t3〜t11までの期間である。なお、図7では、所定の予測対象期間T2は、所定の予測サイクルT1のおよそ2倍としている。
次に、図7を参照して、本装置の動作を説明する。時点t2〜t3の区間では、折れ線710により示すROT用タンク6bの貯蔵容量CW[m3]が減っている。これは、温度制御装置100の操作によって、折れ線720により示すROT用タンク6bからの吐出流量QOT[m3/h]の実績値QOT ACT[m3/h]が増え、圧延材を冷却しているからである。なお、この吐出流量QOT[m3/H]の実績値QOT ACT[m3/h]に応じ、冷却水使用状況予測部11が予測する、折れ線730により示す吐出流量QOT[m3/h]の予測値QOT PRD[m3/h]も増えることになる。
また、図7におけるt3〜t5の区間は、圧延材の冷却が終わって、次の圧延材が来るまでの間であり、折れ線740により示すROT用タンク6bからの吐出流量QOT[m3/h]の実績値QOT ACT[m3/h]が減り、その吐出流量QOT[m3/h]に応じ、冷却水使用状況予測部11が予測する、折れ線730により示す吐出流量QOT[m3/h]の予測値QOT PRDも減少している。
つまり、図7において、折れ線710により示すROT用タンク6bの貯蔵容量値CW[m3]が下降すると、ROT用タンク6bからROT4に冷却水が供給されているということなので、温度制御装置100が操作している折れ線730により示すROT用タンク6bからの吐出流量QOT[m3/h]の実績値QOT ACT[m3/h]は上昇し、運転条件予測部121が予測する折れ線740により示すROT用タンク6bからの吐出流量QOT[m3/h]の予測値QOT PRD[m3/h]もそれに従って上昇し、ROT用タンク6bの貯蔵容量値CW[m3]が上昇すると、ROT用タンク6bからの吐出流量QOT[m3/h]の実績値QOT ACT[m3/]も、その予測値QOT PRD[m3/h]もそれに従って下降する。
従って、時点t1〜t7の間のi番時間ウインドウでは、最適化部14が、これらの運転条件予測部121のROT用タンク6bからの吐出流量QOT[m3/h]の予測値QOT PRD[m3/h]に基づいて、ポンプ部9の運転条件として、ポンプ9aの運転台数の指令値PREF[台数]を、例えば、2台と予測したものとする。
次に、時点t1から所定の予測サイクルT1が経過して、時点t3になり、i+1番時間ウインドウの予測タイミングが到来すると、i番時間ウインドウにおける予測の場合と同様に、運転条件予測部121は、温度制御装置100が操作しているROT用タンク6bからの吐出流量QOT[m3/h]の実績値QOT ACT[m3/h]に従い、ROT用タンク6bからの吐出流量QOT[m3/h]の予測値QOT PRD[m3/h]を予測する。
その際、例えば、圧延が早まってROT4における冷却が早く必要になり、温度制御装置100は、折れ線740により示すROT用タンク6bからの吐出流量QOT[m3/h]の実績値QOT ACT[m3/h]を、時点t5のタイミングで急に増加させるものとする。
すると、運転条件予測部121は、i番目の予測対象期間T2であるi番時間ウインドウでは、ROT用タンク6bからの吐出流量QOT[m3/h]の予測値QOT PRD[m3/h]を、実線の折れ線730に示すように予測していたものの、温度制御装置100からのROT4での使用水量やその時間変化等の操作情報の変更を入力して、i+1番時間ウインドウでは、ROT用タンク6bからの吐出流量QOT[m3/h]の実績値QOT ACT[m3/h]の急増に応じて、破線の折れ線750に示すように予測する。
つまり、運転条件予測部121は、i番目の予測対象期間T2であるi番時間ウインドウでは、ROT用タンク6bからの吐出流量QOT[m3/h]の予測値QOT PRD[m3/h]を、実線の折れ線730に示すように時点t6から増加させようと予測していたが、i+1番時間ウインドウでは、時点t5におけるROT用タンク6bからの吐出流量QOT[m3/h]の実績値QOT ACT[m3/h]の急増に合わせて、破線の折れ線750に示すように時点t5から増加させるよう予測を変更する。
すると、最適化部14は、これらの運転条件予測部121のROT用タンク6bからの吐出流量QOT[m3/h]の予測値QOT PRD[m3/h]に基づいて、時点t1のタイミングで、i番時間ウインドウにおいてポンプ9aの運転台数を、実線の折れ線720に示すように2台と予測していたもの、時点t3のタイミングでは、i+1番時間ウインドウにおいてポンプ9aの運転台数を、破線の折れ線760で示すように3台と予測して目標値を変更する。
これにより、ポンプ部運転制御部15は、i+1番時間ウインドウでは、ポンプ9aの運転台数が3台等の、ポンプ部9の運転条件の目標値に基づいて、ポンプ部9の運転を制御する。
なお、図2に示すように、ROT用タンク6bの貯蔵容量CW[m3]には、下限値CW LL[m3]と、上限値CW UL[m3]とがあり、オーバーフローの仕組み、すなわちオーバーフロー流量QOVF[m3/h]の発生により、ROT用タンク6bの貯蔵容量CW[m3]が上限値CW UL[m3]を超えることはない。
これらの変数の関係を表すと、次の式1で表せる。
Figure 2011092851

・・・(式1)
なお、前記式1において、CW(0)は、ROT用タンク6bの貯蔵容量CW(t)の初期値であり、記号(t)は,その変数が時間tの関数、すなわち時間tによって変化する変数であることを示している。
最適化部14が実現すべきことは、前記のようなROT用タンク6bを中心とした冷却水の収支を予測し、ポンプ部9の運転を制御する上で、電動機9bの消費エネルギーを最小化することである。
このとき、最適化部14は、最小の消費エネルギー量を求める対象期間を非常に長い時間とすると、最小の消費エネルギーを見出すための計算時間が非常に長くかかる。
このため、最適化部14は、冷却水使用状況予測部11や制約内運転条件予測部12が所定の予測サイクルT1毎に予測する予測対象期間T2の中で消費エネルギーを最小化する。
これにより、最適化部14は、この予測対象期間T2を所定の予測サイクルT1ずつずらすことにより、時間変化に対応する。
このように、第1の実施形態では、冷却水使用状況予測部11は、所定の予測サイクルT1毎に、所定の予測対象期間T2における冷却水の使用状況である、ROT用タンク6bからの吐出水量あるいはROT用タンク6bへの流入水量とその時間変化等を予測し、運転条件予測部121は、その所定の予測対象期間T2における吐出水量あるいはROT用タンク6bへの流入水量とその時間変化等の予測値に基づいて、ポンプ部9の運転条件を予測し、運転条件修正部122は、予測されたポンプ部9の運転条件が所定の制約条件を外れれば、制約条件を満たすように修正し、使用エネルギー量計算部13が、そのポンプ部9の運転条件に基づいて使用エネルギー量を計算する。
そして、最適化部14は、予測したポンプ部の運転条件を若干変更させ、幾つかのポンプ部9の運転条件にて、使用エネルギー量計算部13に使用エネルギー量を計算させ、最適な、例えば、最小の使用エネルギー量となるときのポンプ部9の運転条件を選び、目標値としてポンプ部運転制御部15に送る。
例えば、冷却水ピット7bからROT用タンク6bまで要求される揚程H(図2参照)と、ROT用タンク6bへの流入流量QIT[m3/h]またはポンプ9aの吐出流量QOPP[m3/h](図2参照)とを一定とすると、図5のところで説明したように、必要となるポンプ9aの運転台数を連続量ではない離散的な量として求まるので、最適化部14は、必要となるポンプ9aの運転台数を、ポンプ部9の運転条件を求めることができる。
また、ポンプ9aの吐出流量QOPP[m3/h](図2参照)が決まれば、図6のところで説明したように,電動機9bの出力が求まるので、使用エネルギー量計算部13は、所定の予測対象期間T2における消費エネルギー量(電力量)を求めることができる。
なお、図7では、説明の便宜上、ポンプ部9の運転条件として、ポンプ9aあるいはポンプ9aを駆動する電動機9bの運転台数を変更するものとしているが、電動機9bがインバータ等により駆動されている場合には、電動機9bの出力を連続的に変更することができるので、ROT用タンク6bへの流入流量QIT REF[m3/h]も連続的に変更することができる。
この場合、最適化部14は、試行錯誤的に多くの運転条件にて使用エネルギー量を繰返し計算させても良いし、さらには、周知のニュートンラプソン法や、最急降下法などを適用して、消費エネルギー量が最少となるポンプ9aを駆動する電動機9bの出力を求めることができる。
従って、第1の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置10によれば、所定の予測サイクルT1毎に、所定の予測対象期間T2内における冷却水の使用状況を予測する冷却水使用状況予測部11と、予測された冷却水の使用状況に基づいて予測対象期間T2内で必要なポンプ部9の運転条件を予測する運転条件予測部121と、予測されたポンプ部9の運転条件が圧延ラインにおける制約条件を外れた場合に修正する運転条件修正部122と、運転条件修正部122を介したポンプ部9の運転条件に基づいて、予測対象期間T2内におけるポンプ部9の使用エネルギー量を計算する使用エネルギー量計算部13と、予測されたポンプ部9の運転条件を変更して計算させた複数の使用エネルギー量のうち最適な使用エネルギー量を求める最適化部14と、最適化部14によって求められた最適な使用エネルギー量となるポンプ部9の運転条件を目標値としてポンプ部9の運転を制御するポンプ部運転制御部15と、を備えたので、所定の予測サイクルT1毎に、圧延ラインにおける制約条件を確保しつつ、ポンプ部9を効率良く運転することができる。
これにより、圧延ラインにおけるポンプ部9の省エネ、省コストを直接的に図ることが可能になり、圧延ラインの環境負荷を低減することができる。
なお、第1の実施形態の説明では、図4A,図4Bに示すフローチャートに従って動作するものとして説明したが、例えば、図4Bに示すフローチャートからステップ470、ステップ480、ステップ485の処理を省略した図8に示すフローチャートに従って動作するようにしても良い。
≪第2の実施形態≫
次に、本発明の第2の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置20について説明する。
本発明の第2の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置20は、温度制御装置100から、ROT4上に運ばれ、これから冷却される圧延材に対する冷却水の使用水量やその時間変化等の直接的な操作情報は得られず、これから冷却される圧延材の厚みや幅などの製品サイズ、鋼種、品種、材料の長さ、圧延材の速度、前段で冷やすのか、後段で冷やすのか等の注水パターン、フィードバック制御を行うか否か等の制御パターン等の属性情報(間接情報)を得て、これらの属性情報(間接情報)に基づいて、所定の予測サイクルT1毎に、所定の予測対象期間T2内における冷却水の使用状況やポンプ部の運転条件を予測して、最適なポンプ部の運転条件を目標として設定して駆動するものである。
なお、上述した第1の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置10とは、冷却水使用状況予測部における予測方法が異なるだけであるので、第2の実施形態の冷却水使用状況予測部についてのみ説明する。
図9は、第2の実施形態の冷却水使用状況予測部21の構成例を示すブロック図である。
図9において、第2の実施形態の冷却水使用状況予測部21は、間接的使用状況予測部211を有している。
間接的使用状況予測部211は、温度制御装置100から圧延材の冷却に関連する情報として、ROT4における冷却水の使用水量やその時間変化等の操作情報を得ることができない場合に使用されるものである。
この場合、温度制御装置100は、最低限、ROT4上に運ばれ冷却される圧延材に対して、圧延材の厚みや幅などの製品サイズ、鋼種、品種、材料の長さ、圧延材の速度、前段で冷やすのか、後段で冷やすのか等の注水パターン、フィードバック制御を行うか否か等の制御パターン等の属性情報(間接情報)を持っており、間接的使用状況予測部211は、これらの属性情報を、圧延材の冷却に関連する情報として入手して、所定の予測サイクルT1毎に、所定の予測対象期間T2内における冷却水の使用状況、すなわち冷却水の使用水量とその時間変化等を予測する。
具体的には、間接的使用状況予測部211は、温度制御装置100からのこれらの属性情報と、過去に冷却した圧延材についての同様の属性情報や、過去に冷却した圧延材について予測したROT用タンク6bからの冷却水の吐出水量や実際の使用水量等の情報から、次にROT4上に運ばれ冷却される圧延材に対し、また次の次にROT4上に運ばれ冷却される圧延材などに対し、どれくらいの使用水量がROT用タンク6bの注水に必要であるかを予測する。
そのため、間接的使用状況予測部211は、例えば、図10に示すように、過去に冷却した圧延材等の鋼種毎に、製品板厚や、全量、板幅、目標巻取り温度、圧延材の速度(図示せず)等の属性情報(間接情報)により区分した参照テーブル211n(nは自然数)を有し、その各参照テーブル211nの1つ1つの区分に、例えば、使用水量Wと、圧延材の全量L[m]と使用水量W[m3]とにより正規化した使用パターンkとを、冷却水の使用状況として記憶している。
ここで、間接的使用状況予測部211は、例えば、図10に示すように、使用パターンkとして、横軸を圧延材の全長L[m]により1.0で正規化し、縦軸を使用水量Wの最大値を1.0として正規化し、折れ線で近似している。
そして、間接的使用状況予測部211は、温度制御装置100から次にROT4に運ばれる圧延材の全量や、板厚、板幅、鋼種、目標巻取り温度、圧延材の速度等に属性情報を入手して、記憶している参照テーブル211nを参照し、次に来る圧延材の属性情報に合致する区分の使用水量W[m3]と、正規化した使用パターンkとを取り出し、次に来る圧延材の全量L[m]も参照して、所定の予測サイクルT1毎に、所定の予測対象期間T2内における冷却水の実際の使用状況を予測する。
つまり、間接的使用状況予測部211は、圧延材の全長L[m]の情報は、温度制御装置100によって与えられるため、正規化された使用パターンkを参照することにより、横軸を圧延材の全長L[m]に変換でき、使用パターンの区分に記載された使用水量W[m3]を、正規化された縦軸の値に掛けることで、使用水量の絶対値がわかる。
従って、第2の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置20によれば、第1の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置10と同様に、圧延ラインにおける制約条件を確保しつつ、ポンプ部9を効率良く運転することができ、圧延ラインにおけるポンプ部9の省エネ、省コストを直接的に図ることが可能になり、圧延ラインの環境負荷を低減することができる。
特に、第2の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置20では、間接的使用状況予測部211により、圧延材の冷却に関連する情報として、圧延材の厚みや幅などの製品サイズ、鋼種、品種、材料の長さ、制御パターン等の属性情報(間接情報)に基づいて、所定の予測サイクルT1毎に、所定の予測対象期間T2内に使用される冷却水の使用状況を予測するようにしたので、冷却水の使用水量やその時間変化等の直接的な操作情報(直接情報)が入手できない場合でも、属性情報(間接情報)に基づいて所定の予測対象期間T2内に使用される冷却水の使用状況を予測することができる。
≪第3の実施形態≫
次に、本発明の第3の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置30について説明する。
本発明の第3の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置30は、上述した第2の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置20における間接的使用状況予測部311が記憶する各参照テーブル211nの区分中の使用水量の値を、学習していくようにしたものである。このため、上述した第2の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置20の構成を前提としているので、第3の実施形態の冷却水使用状況予測部についてのみ説明する。
図11は、第3の実施形態の冷却水使用状況予測部31の構成例を示すブロック図である。
図11において、第3の実施形態の冷却水使用状況予測部31は、第2の実施形態の間接的使用状況予測部211と同様の間接的使用状況予測部311と、使用状況学習部312とを有しており、第2の実施形態の冷却水使用状況予測部21に対し、使用水量の学習機能を追加したのである。
つまり、間接的使用状況予測部311は、第2の実施形態の間接的使用状況予測部211と同様に、温度制御装置100から圧延材の冷却に関連する情報として、ROT4における冷却水の使用水量やその時間変化等の操作情報を得ることができない場合に、温度制御装置100からの属性情報と、過去に冷却した圧延材についての同様の属性情報や、過去に冷却した圧延材について予測した冷却水の吐出水量や実際の使用水量等の情報から、次にROT4上に運ばれ冷却される圧延材に対して、どれくらいの使用水量がROT用タンク6bの注水に必要であるかを予測する。
その際、第3の実施形態では、使用状況学習部312は、温度制御装置100から過去に冷却した圧延材に使用した冷却水の使用状況の実績値を入力して学習し、間接的使用状況予測部311の該当する参照テーブル211nの各区分中の使用水量Wの値として設定する。
つまり、使用状況学習部312は、図10に示すように、温度制御装置100から過去に冷却した圧延材の使用水量と、その圧延材の板厚、板幅、鋼種、目標巻取り温度を入力して、その圧延材の板厚、板幅、鋼種、目標巻取り温度が合致する区分について、例えば、次の式2により使用水量を学習する。
(学習後の使用水量)=K・(使用水量実績値)+(1−K)・(学習前の参照テーブル区分格納値)…(式2)
ここで、Kは学習ゲインである。
使用状況学習部312は、前記式2により学習後の使用水量を、同じ区分に格納すべき使用水量Wの値として、参照テーブル211nを更新する。さらに、使用状況学習部312は、参照テーブル211nにおける正規化された使用パターンkも、折れ線の中の各折れ点の横軸、縦軸の位置を、使用水量の実績値を使用して、前記式2と同様に学習して更新するようにしても良い。
このように、本実施形態の使用状況学習部312は、温度制御装置100から得た過去に冷却した圧延材についての冷却水の実際の使用水量Wや使用パターンk等を入力して、間接的使用状況予測部311が記憶する参照テーブル211nの各区分中の使用水量Wや使用パターンkを学習して更新していくことが可能となる。
従って、第3の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置30によれば、第1,第2の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置10,20と同様に、圧延ラインにおける制約条件を確保しつつ、ポンプ部9を効率良く運転することができ、圧延ラインにおけるポンプ部9の省エネ、省コストを直接的に図ることが可能になる。
また、第3の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置30では、第2の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置20と同様に、間接的使用状況予測部211により、圧延材の属性情報に基づいて、所定の予測サイクルT1毎に、所定の予測対象期間T2内に使用される冷却水の使用状況を予測するようにしたので、現在冷却している圧延材についての冷却水の使用水量やその時間変化等の直接的な操作情報(直接情報)が入手できない場合でも、現在冷却している圧延材についての所定の予測対象期間T2における冷却水の使用状況を予測することができる。
特に、第3の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置30では、冷却水使用状況予測部31に、使用状況学習部312を設けており、使用状況学習部312は、温度制御装置100から得た過去に冷却した圧延材についての冷却水の実際の使用水量や使用パターン等の使用状況を学習して、間接的使用状況予測部311の該当する参照テーブル区分の中の使用水量等の値として設定するようにしたので、学習が進むにつれ、より的確な使用水量や使用パターン等が間接的使用状況予測部311の該当する参照テーブルの区分の中に設定されていくことになる。これにより、温度制御装置100から現在冷却している圧延材についての冷却水の使用水量やその時間変化等の操作情報(直接情報)が得られず、間接的使用状況予測部311が温度制御装置100から得た属性情報(間接情報)と参照テーブルとに基づいて、所定の予測サイクルT1毎に、所定の予測対象期間T2内における冷却水の使用水量やその時間変化等の使用状況を予測する場合でも、より正確な使用状況を予測することが可能となる。
≪第4の実施形態≫
次に、本発明の第の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置について説明する。なお、上述した第1〜第3の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置とは、冷却水使用状況予測部における予測方法が異なるだけであるので、第4の実施形態の冷却水使用状況予測部についてのみ説明する。
図12は、第4の実施形態の冷却水使用状況予測部41の構成例を示すブロック図である。
図12に示すように、第4の実施形態の冷却水使用状況予測部41は、図3に示す第4の実施形態の冷却水使用状況予測部11の直接的使用状況予測部111と、図11に示す第3の実施形態の間接的使用状況予測部311と、使用状況学習部312とを有するものである。なお、この図12に示す間接的使用状況予測部311は、図9に示す第2の実施形態の間接的使用状況予測部211と同様に、使用状況学習部312を使用せずに使用状況を予測するようにしても良い。
そして、本実施形態の冷却水使用状況予測部41では、温度制御装置100から現在冷却している圧延材についての使用水量やその時間変化等の操作情報(直接情報)が得られる場合には、直接的使用状況予測部111が第1の実施形態と同様に、その操作情報(直接情報)に基づいて所定の予測サイクルT1毎に、所定の予測対象期間T2内における冷却水の使用状況を予測する。
これに対し、温度制御装置100から現在冷却している圧延材についての使用水量やその時間変化等の操作情報(直接情報)が得られない場合は、間接的使用状況予測部211が第2,第3の実施形態と同様に、温度制御装置100等から圧延材の厚みや幅などの製品サイズ、鋼種、品種、材料の長さ、制御パターン等の属性情報(間接情報)を入手して、これらの属性情報(間接情報)に基づいて、所定の予測サイクルT1毎に、所定の予測対象期間T2内に使用される冷却水の使用状況を予測する。
従って、第4の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置によれば、第1〜3の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置と同様に、圧延ラインにおける制約条件を確保しつつ、ポンプ部9を効率良く運転することができ、圧延ラインにおけるポンプ部9の省エネ、省コストを直接的に図ることが可能になり、圧延ラインの環境負荷を低減することができる。
特に、第4の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置40では、冷却水使用状況予測部41が第1の実施形態の直接的使用状況予測部111と、第3の実施形態の間接的使用状況予測部311および使用状況学習部312とを有するので、温度制御装置100等から現在冷却している圧延材についての使用水量やその時間変化等の操作情報(直接情報)が得られる場合でも、あるいはそれらの操作情報(直接情報)が得られず、圧延材の厚みや幅などの製品サイズ、鋼種、品種、材料の長さ、制御パターン等の属性情報(間接情報)しか得られない場合でも、適応的に対応して、所定の予測サイクルT1毎に、所定の予測対象期間T2内に使用される冷却水の使用状況を予測することができる。
≪第5の実施形態≫
次に、本発明の第5の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置50について説明する。
冷却水の使用状況を正確に予測することは非常に難しく、例えば、圧延材がROT4上に出てくるタイミングがずれたり、温度制御装置100における巻取機5の温度制御の際のフィードバック制御によって、冷却水の使用状況が変化する場合がある。そのため、使用状況の予測値と、実績値との間に誤差が生じる場合があり、その誤差によってROT用タンク6bの貯蔵容量CW[m]が下限値CW LL[m3]を下回り、圧延ラインにおける制約条件を外れる場合が起こりえる。
そこで、本発明の第5の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置では、ROT用タンク6bの貯蔵容量CW[m]が下限値CW LL[m3]を下回る等、各種状態量が変化し、圧延ラインにおける所定の制約条件を外れる場合には、最適化部14がポンプ部運転制御部15に対し設定したポンプ部9の運転条件の目標値を、直接修正できるようにしたものである。
図13は、本発明の第5の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置50の構成例を示すブロック図である。
図13において、第5の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置50は、図3に示す第1の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置10の構成に追加して、制約条件監視部17と、目標値修正部18とをさらに設けたものである。つまり、それ以外の構成要素は、図3に示す第1の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置10の構成要素と同じであるので、同一番号を付して、説明は省略し、制約条件監視部17と、目標値修正部18とについて説明する。なお、第5の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置50は、第1の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置10ではなく、第2〜第4の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置の構成に追加して、制約条件監視部17と、目標値修正部18とをさらに設けるようにしても勿論よい。
ここで、制約条件監視部17は、リアルタイムでこの圧延ラインにおける所定の制約条件に関係する状態量、例えば、ROT用タンク6bの貯蔵容量CW[m]等を検出し、その貯蔵容量CW[m]が下限値CW LL[m3]を下回らないか等、状態量が制約条件を外れるか否かを監視するものである。この場合、制約条件としては、例えば、ROT用タンク6bの貯蔵容量CW[m]がその下限値CW LL[m3]を下回らないことである。
目標値修正部18は、制約条件監視部17から監視している状態量が制約条件を外れたと監視結果が送られてきた場合、監視している状態量が制約条件内に入るように、直ちにポンプ部9の運転条件の目標値を、直接、ポンプ部運転制御部15に対し修正するものである。
そのため、第5の実施形態では、ポンプ部運転制御部15は、最適化部14により目標値として設定されたポンプ部9の運転条件に従って、ポンプ部9の運転を制御するだけでなく、目標値修正部18により直接修正された目標値に従って、ポンプ部9の運転を制御する。
ここで、第5の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置50では、圧延ラインにおける所定の制約条件を速やかに達成する観点から、最適化部14により計算されたポンプ部9の運転条件の目標値よりも、目標値修正部18により修正された目標値を優先させて修正するものとする。
次に、その具体例を説明する。
図14は、第5の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置50における目標値修正部18による目標値の修正の一例を示す図である。
図14において、時点t9において、折れ線710により示すROT用タンク6bの貯蔵容量CW[m]が下限値CW LL[m3]を下回ったとする。
すると、本実施形態では、制約条件監視部17がリアルタイムにROT用タンク6bの貯蔵容量CW[m]等の制約条件に関係する状態量を検出し、貯蔵容量CW[m]がその下限値CW LL[m3]を下回らないか等を監視しているので、時点t9においてROT用タンク6bの貯蔵容量CW[m]が下限値CW LL[m3]を下回ると、リアルタイムにその監視結果を目標値修正部18へ出力する。
目標値修正部18は、制約条件監視部17からの監視結果に基づいて、監視している状態量が制約条件内に入るように、すなわち、この場合ではROT用タンク6bの貯蔵容量CW[m]がその下限値CW LL[m3]以上となるように、直ちにポンプ部9の運転条件である、ポンプ9aの運転台数やポンプ9aを駆動する電動機9bの運転出力(消費電力)の目標値を、直接、ポンプ部運転制御部15に対し修正する。
ここで、図14における折れ線720により示すように、時点t1〜t7までのi番時間ウインドウ、および時点t3〜t11までのi+1番時間ウインドウでは、時点t7〜t12までのi+2番時間ウインドウでは、最適化部14は、ポンプ9aの運転台数は2台が最適と判定して目標値PREF[台数]としてポンプ部運転制御部15に設定していたものとする。
しかし、本実施形態では、最適化部14により設定された目標値よりも、目標値修正部18により修正された目標値の方を優先させるので、時点t9においてROT用タンク6bの貯蔵容量CW[m]が下限値CW LL[m3]を下回ると、目標値修正部18は、時点t3〜t11までのi+1番時間ウインドウでも、折れ線730により示すように、時点t9あるいはその直後からROT用タンク6bの貯蔵容量CW[m]がその下限値CW LL[m3]以上となるように、目標値(指令値)PREF[台数]の修正指示として、ポンプ9aの運転台数を2台から3台に修正する。
これにより、折れ線710により示すROT用タンク6bの貯蔵容量CW[m]は、時点t10から上がり続け、直ぐにその下限値CW LL[m3]以上となる。
なお、制約条件監視部17と、目標値修正部18とを備えていない前記第1〜第4の実施形態の注水制御装置10〜40では、予測サイクルT1毎に使用水量や運転条件を予測しているので、すぐに目標値(指令値)PREF[台数]を修正することが不可能であり、前記第1〜第4の実施形態では、例えば、ROT用タンク6bの貯蔵容量CW[m]が下限値CW LL[m3]を下回る影響が出る時点t9以降に予測サイクルT1が到来したとき、例えば、i+4番時間ウインドウの予測サイクルT1のタイミングである時点t11のときに、初めて目標値PREF[台数]が修正される。
これに対し、第5の実施形態の注水制御装置50では、時点t9において直ちに目標値(指令値)PREF[台数]を修正しており、時点t9以降に次の予測サイクルT1が到来したとき初めて目標値PREF[台数]を修正する前記第1〜第4の実施形態の注水制御装置10〜40よりも、迅速に、図11の例の場合あれば、約(t9−t11)の分だけ早く制約条件を満たすようにポンプ部9の運転を制御して、ROT用タンク6bの貯蔵容量CW[m]を上昇させていることがわかる。
これにより、第5の実施形態の注水制御装置50では、図11の例の場合あれば、約(t11−t9)の分だけ早くROT用タンク6bの貯蔵容量CW[m]が上がることになり、ROT用タンク6bの貯蔵容量CW[m]がその下限値CW LL[m3]を下回るという、制約条件を外れた状態を、迅速に修復することが可能となり、第1〜第4の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置10〜40よりも、より安定した注水制御装置とすることができる。
従って、第5の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置50によれば、第1〜第4の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置10〜40と同様に、圧延ラインにおける制約条件を確保しつつ、ポンプ部9を効率良く運転することができ、圧延ラインにおけるポンプ部9の省エネ、省コストを直接的に図ることが可能になり、圧延ラインの環境負荷を低減することができる。
特に、第5の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置50では、第1〜第5の実施形態の圧延ラインにおける注水制御装置10〜40の構成に追加して、制約条件監視部17と、目標値修正部18とをさらに設け、最適化部14によりポンプ部運転制御部15に目標値が設定されていても、その目標値より、制約条件監視部17と目標値修正部18とにより修正された目標値の方を優先させるように構成しているので、制約条件を速やかに守り、より安定した注水制御装置とすることができる。
なお、前記実施形態1〜5では、本発明に係る圧延ラインにおける注水制御装置の構成例を、図3や図13等に示すようにハードウェア的に説明したが、本発明では、これに限らず、本発明に係る圧延ラインにおける注水制御装置を、CPUと、前記実施形態と同様の動作を実行させる注水制御プログラムを記憶した記憶部等を設けて、コンピュータ装置や、制御装置により、ソフトウェア的に実行するように構成しても勿論よい。
また、前記実施形態1〜5では、熱間圧延機を中心に記載したが、本発明に係る圧延ラインにおける注水制御装置、注水制御方法、注水制御プログラムは、これに限らず、同様の注水設備を有する他の態様の圧延プラントでも同様に適用することができる。
産業上の利用の可能性
以上のように、本発明に係る圧延ラインにおける注水制御装置、注水制御方法、注水制御プログラムは、製品品質を確保するための制御機能に対する制約を守りつつ、圧延ラインの注水設備で使われるポンプ部の運転に必要なエネルギーを最小化することが可能になり、省エネ、省コストを図ることが可能になり、圧延ラインの環境負荷を低減することができる、という効果を有し、タンクに貯蔵された冷却水を圧延ラインにおける圧延材の冷却に使用し、使用後の冷却水を回収しポンプ部によりタンクに戻す圧延ラインであれば、熱間薄板圧延ラインや、厚板圧延ラインや、冷間圧延ライン等の圧延ライン全てが対象になり、これらの圧延ラインにおける注水制御装置、注水制御方法、注水制御プログラムに対し産業上の利用の可能性が高くなる。
10,20,30,40,50・・・冷却ラインにおける注水制御装置
11,21,31,41・・・冷却水使用状況予測部
111・・・直接的使用状況予測部
211,311・・・間接的使用状況予測部
312・・・使用状況学習部
12・・・制約内運転条件予測部
121・・・運転条件予測部
122・・・運転条件修正部
13・・・使用エネルギー量計算部
14・・・最適化部
15・・・ポンプ部運転制御部
16・・・制約条件監視部
17・・・目標値修正部
100・・・温度制御装置

Claims (11)

  1. タンクに貯蔵された冷却水を圧延ラインにおける圧延材の冷却に使用し、使用後の前記冷却水を回収しポンプ部により前記タンクに戻す圧延ラインにおける注水制御装置であって、
    前記圧延材の冷却に関連する情報に基づいて、所定の予測サイクルT1毎に、所定の予測対象期間T2内における前記冷却水の使用状況を予測する冷却水使用状況予測部と、
    前記冷却水使用状況予測部により予測された前記冷却水の使用状況に基づいて、前記所定の予測サイクルT1毎に、前記予測対象期間T2内における前記ポンプ部の運転条件を、所定の制約条件を満たすように予測する制約内運転条件予測部と、
    前記ポンプ部の運転条件に基づいて、前記ポンプ部が前記予測対象期間T2内に運転した場合における使用エネルギー量を計算する使用エネルギー量計算部と、
    前記所定の予測サイクルT1毎に、前記制約内運転条件予測部により予測された前記ポンプ部の運転条件を変更して前記使用エネルギー量計算部に与え、前記使用エネルギー量計算部に複数の前記使用エネルギー量を計算させ、前記使用エネルギー量計算部によって計算された複数の前記使用エネルギー量のうち、最適な使用エネルギー量を求める最適化部と、
    前記最適化部によって求められた最適な使用エネルギー量となる前記ポンプ部の運転条件を目標値として、前記ポンプ部の運転を制御するポンプ部運転制御部と、
    を有する圧延ラインにおける注水制御装置。
  2. 請求項1記載の圧延ラインにおける注水制御装置において、
    前記制約内運転条件予測部は、
    前記冷却水使用状況予測部により予測された前記冷却水の使用状況に基づいて、前記所定の予測サイクルT1毎に、前記予測対象期間T2内における前記ポンプ部の運転条件を予測する運転条件予測部と、
    前記運転条件予測部により予測された前記ポンプ部の運転条件が所定の制約条件を満たすか否かを判定し、前記ポンプ部の運転条件が前記制約条件を外れた場合のみ、前記制約条件を満たすように前記ポンプ部の運転条件を修正する運転条件修正部と、
    を有する圧延ラインにおける注水制御装置。
  3. 請求項1または請求項2のいずれか一の請求項に記載の圧延ラインにおける注水制御装置において、
    さらに、
    前記所定の制約条件に関連する前記圧延ラインの状態量をリアルタイムで監視し、前記圧延ラインの状態量が前記所定の制約条件を外れるか否かを監視する制約条件監視部と、
    前記制約条件監視部によって前記圧延ラインの状態量が前記所定の制約条件を外れたと判定された場合、前記圧延ラインの状態量が前記所定の制約条件内に入るように、前記ポンプ部運転制御部の目標値を修正する目標値修正部と、
    を有する圧延ラインにおける注水制御装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一の請求項に記載の圧延ラインにおける注水制御装置において、
    前記冷却水使用状況予測部は、
    前記圧延材の冷却に関連する情報として、現在冷却している圧延材の前記冷却水の使用水量と時間変化の操作情報を入力し、その操作情報に基づいて、所定の予測サイクルT1毎に、所定の予測対象期間T2内における前記冷却水の使用状況を予測する直接的使用状況予測部を有する、
    圧延ラインにおける注水制御装置。
  5. 請求項1〜請求項3のいずれか一の請求項に記載の圧延ラインにおける注水制御装置において、
    前記冷却水使用状況予測部は、
    過去に冷却した圧延材の属性情報と、過去に冷却した圧延材の使用状況とを対応させた参照テーブルを記憶しておき、前記圧延材の冷却に関連する情報として、現在冷却している圧延材の属性情報を入力し、その属性情報に基づいて、前記参照テーブルを参照し、所定の予測サイクルT1毎に、所定の予測対象期間T2内における前記冷却水の使用状況を予測する間接的使用状況予測部を有する、
    圧延ラインにおける注水制御装置。
  6. 請求項5に記載の圧延ラインにおける注水制御装置において、
    前記冷却水使用状況予測部は、さらに、
    過去に冷却した圧延材ついての冷却水の使用状況を入力して所定の学習を行い、学習後の前記使用状況を、前記間接的使用状況予測部が記憶している前記参照テーブルの過去に冷却した前記圧延材の使用状況として更新する使用状況学習部を有し、
    前記間接的使用状況予測部は、
    前記圧延材の冷却に関連する情報として、現在冷却している圧延材の属性情報を入力し、その属性情報に基づいて、前記参照テーブルを参照し、所定の予測サイクルT1毎に、所定の予測対象期間T2内における前記冷却水の使用状況を予測する、
    圧延ラインにおける注水制御装置。
  7. 請求項1〜請求項3のいずれか一の請求項に記載の圧延ラインにおける注水制御装置において、
    前記冷却水使用状況予測部は、
    前記圧延材の冷却に関連する情報として、現在冷却している圧延材の前記冷却水の使用水量と時間変化の操作情報を入力し、その操作情報に基づいて、所定の予測サイクルT1毎に、所定の予測対象期間T2内における前記冷却水の使用状況を予測する直接的使用状況予測部と、
    過去に冷却した圧延材の属性情報と、過去に冷却した圧延材の使用状況とを対応させた参照テーブルを記憶しておき、前記圧延材の冷却に関連する情報として、現在冷却している圧延材の属性情報を入力し、その属性情報に基づいて、前記参照テーブルを参照し、所定の予測サイクルT1毎に、所定の予測対象期間T2内における前記冷却水の使用状況を予測する間接的使用状況予測部と、
    過去に冷却した圧延材ついての冷却水の使用状況を入力して所定の学習を行い、学習後の前記使用状況を、前記間接的使用状況予測部が記憶している前記参照テーブルの過去に冷却した前記圧延材の使用状況として更新する使用状況学習部とを有し、
    入力する前記圧延材の冷却に関連する情報に応じて、適応的に前記直接的使用状況予測部あるいは前記間接的使用状況予測部に、前記冷却水の使用状況を予測させる、
    圧延ラインにおける注水制御装置。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか一の請求項に記載の圧延ラインにおける注水制御装置において、
    前記所定の予測サイクルT1と、所定の予測対象期間T2との関係は、T1≦T2である、圧延ラインにおける注水制御装置。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか一の請求項に記載の圧延ラインにおける注水制御装置において、
    前記所定の制約条件とは、
    前記タンク内の保有水量または水位レベルの上下限値、ポンプ部を構成するポンプの運転台数の最小値またはポンプを駆動する電動機の運転出力の最小値のうち少なくとも一つである、圧延ラインにおける注水制御装置。
  10. タンクに貯蔵された冷却水を圧延ラインにおける圧延材の冷却に使用し、使用後の前記冷却水を回収しポンプ部により前記タンクに戻す圧延ラインにおける注水制御方法であって、
    前記圧延材の冷却に関連する情報に基づいて、所定の予測サイクルT1毎に、所定の予測対象期間T2内における前記冷却水の使用状況を予測するステップと、
    予測された前記冷却水の使用状況に基づいて、前記所定の予測サイクルT1毎に、前記予測対象期間T2内における前記ポンプ部の運転条件を、所定の制約条件を満たすように予測するステップと、
    予測された前記ポンプ部の運転条件に基づいて、前記ポンプ部が前記予測対象期間T2内に運転した場合における使用エネルギー量を計算するステップと、
    前記所定の予測サイクルT1毎に、予測された前記ポンプ部の運転条件を変更して複数の前記使用エネルギー量を計算させ、計算された複数の前記使用エネルギー量のうち、最適な使用エネルギー量を求めるステップと、
    最適な使用エネルギー量となる前記ポンプ部の運転条件を目標値として、前記ポンプを駆動するステップと、
    を有する圧延ラインにおける注水制御方法。
  11. タンクに貯蔵された冷却水を圧延ラインにおける圧延材の冷却に使用し、使用後の前記冷却水を回収しポンプ部により前記タンクに戻す際に、コンピュータが実行する圧延ラインにおける注水制御プログラムであって、
    前記コンピュータに、
    前記圧延材の冷却に関連する情報に基づいて、所定の予測サイクルT1毎に、所定の予測対象期間T2内における前記冷却水の使用状況を予測するステップと、
    予測された前記冷却水の使用状況に基づいて、前記所定の予測サイクルT1毎に、前記予測対象期間T2内における前記ポンプ部の運転条件を、所定の制約条件を満たすように予測するステップと、
    前記ポンプ部の運転条件に基づいて、前記ポンプ部が前記予測対象期間T2内に運転した場合における使用エネルギー量を計算するステップと、
    前記所定の予測サイクルT1毎に、予測された前記ポンプ部の運転条件を変更して複数の前記使用エネルギー量を計算させ、計算された複数の前記使用エネルギー量のうち、最適な使用エネルギー量を求めるステップと、
    最適な使用エネルギー量となる前記ポンプ部の運転条件を目標値として、前記ポンプを駆動するステップと、
    を実行させるための圧延ラインにおける注水制御プログラム。
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