JPWO2011070788A1 - 原子炉内作業システム及び原子炉内作業方法 - Google Patents

原子炉内作業システム及び原子炉内作業方法 Download PDF

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Abstract

原子炉内作業システムは、軸を鉛直にして原子炉圧力容器1内に配置されているシュラウド2の外表面に沿って周方向に移動する探傷ビークル11と、探傷ビークル11に搭載され、シュラウド2に対して作業を行う点検・検査用センサと、シュラウド2上での探傷ビークル11の初期位置を設定するビークル位置決め用マスト10と、探傷ビークル11とビークル位置決め用マスト10とを着脱させるビークル固定機構と、探傷ビークル11を装着したビークル位置決め用マスト10を原子炉圧力容器1内に搬送する搬送ビークルと、を備える。

Description

本発明は、原子力発電プラントにおいて原子炉内に設置されたシュラウドなどの炉内構造物の洗浄、点検、検査、予防保全、補修などの各種作業を行う原子炉内作業システム及びその作業方法に関する。
ここでは、原子炉運転停止時に原子炉圧力容器の上部を開放して原子炉内の水中で行われるシュラウドの溶接線の点検、検査作業を例として説明する。原子炉内水中におけるシュラウドの溶接線の点検、検査作業は、作業工期短縮、コスト削減のために燃料交換中に並行して行うことが求められており、作業時間、検査範囲、およびコストの優位性が求められている。
このようなシュラウドの点検、検査を遠隔/自動で行う手法として、作業装置位置決めにガイドなどの機械的な移動手段を用いる手法が提案されている。
例えば、特許文献1においては、原子炉内シュラウド外側のアニュラス部においてシュラウドサポートプレート上を円周方向に移動するために、牽引ロープを炉上部の作業台車上から操作して移動させている。
特許文献2においては、原子炉内のコアスプレー配管をガイドにして水平方向に作業装置を移動させて、燃料交換機を使用せずに燃料交換中に炉内の点検作業の監視支援などを可能にしている。
特許文献3においては、原子炉内のシュラウド上部に設置された周方向の走行台車にシュラウド外側に沿うよう垂下されたアクセスアームを搭載し、スシュラウド外周に作業装置を移動設置している。
特開2007−309788号公報 特開2004−294373号公報 特開平8−201573号公報
従来、原子炉内の主要構造物であるシュラウドにおける溶接線の点検や検査は、点検、検査用のビークルやアクセス装置を燃料交換機や作業台車上から作業員が操作し、対象溶接線への位置決めや動作状況の監視などを作業員が直接確認しながら進めているため、作業時間がばらつくと共に遅延を招きやすい状況であった。
さらに、作業工期短縮、コスト削減のためにシュラウドの点検、検査を燃料交換中に並行して行うことが求められており、作業時間が短いこと、検査範囲が広いこと、およびコストが低いことが点検、検査を行う作業システムに必要であった。
しかし、特許文献1のように、炉上部の燃料交換機や作業台車から牽引ロープや移動用ガイドを設置する方法では、点検、検査中も常に燃料交換機や作業台車が必須であり、燃料交換中の並行作業には不向きと考えられる。また、作業装置はシュラウドサポートプレート上を移動するのでシュラウド上方の溶接線に対しては適さないと考えられる。
また、特許文献2及び特許文献3のように、シュラウド上部胴など炉内構造物をガイドにして移動する方式では、作業装置をマストなどの伸縮構造物の先端に取付けてシュラウド外周に設置されたジェットポンプを回避しながら移動する必要があり、移動装置の設置変更が必要になるなど作業時間の増大を招く可能性がある。
従って、本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、燃料交換中にシュラウド溶接線の点検、検査を実施するにあたり、短時間で広範囲の点検、検査が可能であり、装置の位置決めや動作監視などの人手を要する作業が不要(自動アクセス性)で、かつ点検、検査中にクレーンや作業台車が不要であって、定検工程の省力化や短縮に寄与する原子炉内作業システム及び原子炉内作業方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明の原子炉内作業システムは、軸を鉛直にして原子炉圧力容器内に配置されている円筒構造物の外表面に沿って周方向に移動する移動機構と、前記移動機構に搭載され、前記円筒構造物に対して作業を行う作業装置と、前記円筒構造物上での前記移動機構の初期位置を設定する設置装置と、前記移動機構と前記設置装置とを着脱させる着脱機構と、前記移動機構を装着した前記設置装置を前記原子炉圧力容器内に搬送する搬送装置と、を備え、前記設置装置は、前記移動機構が前記円筒構造物表面を前記初期位置から時計回りに移動する場合と反時計回りに移動する場合に応じて、前記移動機構の姿勢を任意の水平軸を中心として回転可能に変更して初期位置に設定可能であることを特徴とする。
また、上述の目的を達成するため、本発明の原子炉内作業方法は、軸を鉛直にした円筒構造物が原子炉圧力容器内に配置された原子炉の運転停止時に、移動機構に搭載された作業装置を前記円筒構造物の外壁面に沿って移動させることによって作業を行う原子炉内作業方法であって、前記原子炉圧力容器の上部が開放され、原子炉圧力容器内で水が満たされた状態で、前記原子炉圧力容器の上方から、前記移動機構を着脱可能に装着した設置装置を搬送する搬送ステップと、前記円筒構造物の外壁面での前記移動機構の初期位置を設定する設定ステップと、前記設置装置から前記移動機構を脱着させる脱着ステップと、前記移動機構を前記円筒構造物の外表面に沿って移動させることにより前記作業装置によって作業を行う作業ステップと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、燃料交換中にシュラウド溶接線の点検、検査を実施するにあたり、短時間でシュラウド内の広範囲の点検、検査が可能であり、点検、検査中にクレーンや作業台車が不要で、装置の位置決めや動作監視などの人手を要する作業が不要(自動アクセス性)である。このため、定検工程の省力化や短縮化が可能になる。
本発明に係る原子炉内作業システムの第1の実施の形態を原子炉内に設置した状態を示す概略図である。 図1における探傷ビークルを裏面から見た拡大図である。 図1における固定アームを拡大して示す構成図である。 図1における展開部の拡大図である。 図1におけるビークル収納部の拡大図である。 図1における探傷ビークルがビークル位置決め用マストのほぼ中央に位置決めされ、かつ探傷ビークルが水平に移動していない場合の複合ケーブルの引廻し状態を示す概念図である。 図1における探傷ビークルがビークル位置決め用マストのほぼ中央に位置決めされ、かつ探傷ビークルが水平に移動した場合の複合ケーブルの引廻し状態を示す概念図である。 図1における探傷ビークルがビークル位置決め用マストの上部に位置決めされ、かつ探傷ビークルが水平に移動していない場合の複合ケーブルの引廻し状態を示す概念図である。 図1における探傷ビークルがビークル位置決め用マストの上部に位置決めされ、かつ探傷ビークルが水平に移動した場合の複合ケーブルの引廻し状態を示す概念図である。 図1における探傷ビークルがビークル位置決め用マストの下部に位置決めされ、かつ探傷ビークルが水平に移動していない場合の複合ケーブルの引廻し状態を示す概念図である。 図1における探傷ビークルがビークル位置決め用マストの下部に位置決めされ、かつ探傷ビークルが水平に移動した場合の複合ケーブルの引廻し状態を示す概念図である。 本発明に係る原子炉内作業システムの第1の実施の形態を原子炉内に設置した状態において、ビークル位置決め用マストの設置位置を示す原子炉上方から見た概略図である。 本発明に係る原子炉内作業システムの第2の実施の形態における信号多重化ユニットを設置したビークル収納部の拡大図である。 本発明に係る原子炉内作業システムの第3の実施の形態を原子炉内に設置した状態を示す概略図である。 本発明に係る原子炉内作業システムの第4の実施の形態における探傷ビークルを裏面から見た拡大図である。 本発明に係る原子炉内作業システムの第5の実施の形態における探傷ビークルを裏面から見た拡大図である。 本発明に係る原子炉内作業システムの第6の実施の形態における探傷ビークルを裏面から見た拡大図である。 本発明に係る原子炉内作業システムの第7の実施の形態における探傷ビークルを裏面から見た拡大図である。 本発明に係る原子炉内作業システムの第8の実施の形態における探傷ビークルを裏面から見た拡大図である。 本発明に係る原子炉内作業システムの第9の実施の形態における探傷ビークルを裏面から見た拡大図であり、(a)は通常状態、(b)は反転状態を示す。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明に係る原子炉内作業システムの第1の実施の形態を原子炉内に設置した状態を示す概略図である。
図1において、原子炉圧力容器1内には、軸を鉛直方向とする円筒状の溶接構造物であるシュラウド2が設置されている。このシュラウド2の外側下方には、水平に広がるドーナツ円盤状の構造物であるシュラウドサポートプレート3が配置されている。また、ビークル位置決め用マスト10がシュラウドサポートプレート3上のアニュラス部に設置されている。
ビークル位置決め用マスト10の上部には、シュラウド上部リング4と原子炉圧力容器1に対する固定アーム12が配置され、下部にはビークル収納部13が配置されている。
また、ビークル位置決め用マスト10の展開部7において、シュラウド2の水平溶接線の点検、検査を行う探傷ビークル11は、後述するビークル着脱部を介して展開アーム16によりビークル位置決め用マスト10と連結されている。更に、昇降ベース14がビークル位置決め用マスト10内の昇降ガイド15によって上下可動に配置されている。
次に、ビークル位置決め用マスト10および探傷ビークル11によりシュラウド2の水平溶接線の点検、検査を行う手順について述べる。
探傷ビークル11は、ビークル位置決め用マスト10のビークル収納部13に収納された状態で、図示しない水中ホイストを介して図示しない天井クレーンにより、シュラウドサポートプレート3上に設置される。
更に、固定アーム12を原子炉圧力容器1に対して展開し、その反力をシュラウド上部リング4で受けることにより上部で固定される。
設置完了後に、昇降ガイド15に沿って昇降ベース14を動作させて水平溶接線の位置に探傷ビークル11の位置を合わせ、展開アーム16により探傷ビークル11をシュラウド2の外周に押し付けることにより、探傷ビークル11の動作開始位置に設定する初期位置決めを行う。
探傷ビークル11は、後述するように、シュラウド2の鉛直壁に吸着し、水平方向に自走可能な機能を有している。上述の初期位置決め完了後に、探傷ビークル11は、後述するビークル着脱部により展開アーム16側と切り離され、水平溶接線に沿って走行し、搭載された目視検査用カメラ、体積検査用超音波探傷センサ、または渦流探傷用センサなどの点検、検査用センサにより溶接線の点検、検査を行う。
なお、点検、検査のみならず、探傷ビークル11に所望の作業手段を搭載することにより、ブラシや研磨治具、水洗浄用ノズルによる磨き作業や洗浄作業、ウォータジェットピーニングヘッドやレーザーピーニングヘッドによる予防保全作業、溶接ヘッドや研削治具による補修作業も可能である。
以下、探傷ビークル11についてさらに詳しく説明する。
図2は、図1における探傷ビークルを裏面から見た拡大図である。
探傷ビークル11は、2基のスラスタ17a、スラスタ17bを備えており、これらの2基のスラスタ17a、17bを除き枠体9に覆われている。スラスタ17a、スラスタ17bは、それぞれタイミングベルト18aとかさ歯車19a、タイミングベルト18bとかさ歯車19bを介して、スラスタモータ20aとスラスタモータ20bに接続されており、これらのスラスタモータ20a、20bにより回転駆動される。
また、探傷ビークル11には、2個の走行車輪21a、走行車輪21bが図中左方に配置されており、それぞれタイミングベルト22aとタイミングプーリ23a、タイミングベルト22bとタイミングプーリ23bを介して、車輪駆動モータ24aと車輪駆動モータ24bに接続され、これらの車輪駆動モータ24a、24bにより回転駆動される。
シュラウド壁面に対して、これらの走行車輪21a、21b、及び自在車輪25の3点が接触し、シュラウド壁面までの距離が一定に保たれる。また、水平方向の走行距離は、距離計測車輪26a及び距離計測車輪26bの回転回数に変換され、おのおの距離計測センサ27a及び距離計測センサ27bにより検出される。
上記のセンサやモータの各々のケーブルは2本の複合ケーブル28にまとめられ、図1に示すビークル位置決め用マスト10に接続され、最終的には、例えばオペレーションフロア上に設置された制御装置と接続される。また、点検、検査用センサ30が、可動ガイド29を介して探傷ビークル11に接続されている。
探傷ビークル11は、図1に示すビークル位置決め用マスト10によって初期位置決め完了後に、スラスタ17aおよびスラスタ17bを回転させ、探傷ビークル11のシュラウド2壁面側から吸い込んで探傷ビークル11の背面側に吐出する流れを生成する。これにより探傷ビークル11のシュラウド2壁面側の圧力が背面側より小さくなることで、探傷ビークル11をシュラウド2壁面に吸着させることができる。この状態で走行車輪21aと走行車輪21bを探傷ビークル11に対して同方向に回転駆動することで、シュラウド2上を右方向または左方向に走行移動することができる。
仮に、走行車輪21aや走行車輪21bがスリップしても、水平方向の走行距離は距離計測車輪26aおよび距離計測車輪26bにより直接的に検出されるため、実際の動作状態を検出することができる。
また、どちらか片方の走行車輪がスリップすると、探傷ビークル11が傾斜し、その結果、点検、検査用センサ30側が上方または下方にずれることがある。例えば、図2の状態で右方向に走行中に点検、検査用センサ30が上方にずれる場合には、計測車輪26aが計測する走行距離より計測車輪26bが計測する走行距離が大きくなるので、この差分を検出して走行車輪21aに対して走行車輪21bの回転速度を減少させることにより、探傷ビークル11が水平になるよう調整制御を行い姿勢補正が可能である。逆に、下方にずれる場合には上記とは逆に走行車輪21aに対して走行車輪21bの回転速度を増加させることにより姿勢補正が可能である。
図3は、図1における固定アーム12を拡大して示す構成図である。
図3において、エアシリンダ31の先端にラック32が取付けられており、ピニオンギヤ33を介して固定アーム12が配置されている。
エアシリンダ31によりラック32を上下させることで、ピニオンギヤ33と固定アーム12を回転することができる。この動作により図1に示す固定アーム12をビークル位置決め用マスト10内部へ収納したり、固定アーム12を展開して原子炉圧力容器1内面に押付けてその反力をシュラウド上部リング4で受けることでビークル位置決め用マスト10の上部を固定したり、することができる。
図4は、図1における展開部7の拡大図である。
図4において、探傷ビークル11は、長手方向が上下に向いており、ビークル固定機構34によってビークル固定金具35と固定保持されている。ビークル固定金具35には、複合ケーブル28の繰出しと引き込みを行うケーブル長さ調整プーリ38と複合ケーブルを挟み込むアイドラローラ39が配置されている。ケーブル長さ調整プーリ38は、かさ歯車37を介してプーリ回転モータ36により回転駆動される。
以上の探傷ビークル11、ビークル固定金具35、ビークル固定機構34、ケーブル長さ調整プーリ38、アイドラローラ39、かさ歯車37、およびプーリ回転モータ36の全ては、ビークル回転機構41により、ベアリングを介して展開アーム16側と水平軸まわりに回転可能に、即ち、探傷ビークル11の長手方向の端部が図4で示した状態から紙面手前側に90度の位置と紙面向う側に90度の位置にくるように回転可能に接続されている。
また、図4において回転側に検出ドグ78が取り付けられ、探傷ビークル11の長手方向の端部が図4で示した状態から紙面手前側に90度と紙面向う側に90度回転するに従って検出ドグ78も追従して回転可動とされている。さらに、展開アーム16が接続されている固定側には、近接センサ79a,79bが取り付けられている。これより、紙面手前側に検出ドグ78が90度回転した時には近接センサ79aにより検出ドグ78を検出し、紙面向う側に検出ドグ78が90度回転した時には近接センサ79bにより検出する。以上の動作により、探傷ビークル11をシュラウド2上へ設置するときの向きの変更を検出する。更に、これらの要素は、昇降ベース14と2本の展開アーム16によりビークル位置決め用マスト10側と接続されている。
次に、探傷ビークル11によりシュラウド2の水平溶接線の点検、検査を行う手順についてさらに詳しく述べる。
先ず、探傷ビークル11は、図5に示すように、ビークル位置決め用マスト10下部のビークル収納部13に、長手方向が上下になった姿勢で収納されている。
次に、ビークル位置決め用マスト10の設置完了後に、図示しないエアシリンダ等により展開アーム16を回転駆動させ、図4に示すように探傷ビークル11をシュラウド側に展開し、ビークル位置決め用マスト10の外部に探傷ビークル11を移動させる。
更に、ビークル回転機構41により探傷ビークル11を90度回転させて、図2に示すように探傷ビークル11の長手方向を水平にする。
次に、展開アーム16を回転駆動させて、探傷ビークル11をシュラウド2の外壁に接触させる。
その後、前述したように探傷ビークル11をシュラウド2に吸着させ、ビークル固定機構34により探傷ビークル11の保持を解除し、探傷ビークル11を水平に走行させる。走行方向を逆にする場合には、ビークル回転機構41による探傷ビークル11の回転方向を逆にする。
ここで、ビークル位置決め用マスト10は固定されているので、探傷ビークル11の位置に応じて複合ケーブル28の長さを調整する必要がある。探傷ビークル11の移動距離を計測車輪26a、計測車輪26bにより測定し、距離に応じてケーブル長さ調整プーリ38を回転させることで、複合ケーブル28の長さを調整制御する。これにより、探傷ビークル11へ作用するケーブル反力を軽減し、安定した水平走行が可能となり、正確な探傷作業が実施できる。
図6乃至図11は、本実施の形態の探傷ビークル11における複合ケーブル28の引廻し状態を示す概念図である。
図6及び図7は、探傷ビークル11がビークル位置決め用マスト10のほぼ中央に位置決めされた場合に、複合ケーブル28を繰出した場合の複合ケーブル28の引廻し状態を示す。
図6において、複合ケーブル28はS字状に引き廻され、上部プーリ45及び下部プーリ46は例えばコンストンバネなどにより、複合ケーブル28がたるまないように上方または下方に引張られており、プーリ間は例えば3mに配置されている。
探傷ビークル11が水平に例えば4m移動したときには、ケーブル長さ調整プーリ38とアイドラローラ39により複合ケーブル28を繰り出し、図7に示すように上部プーリ45および下部プーリ46間が例えば1mとなることでケーブルの繰出しが可能であり、ケーブルを戻した時にもビークル位置決め用マスト10内でたるみなく複合ケーブル28の引廻しが可能である。
図8及び図9は、探傷ビークル11がビークル位置決め用マスト10の上部に位置決めされた場合に、複合ケーブル28を繰出した場合の複合ケーブル28の引廻し状態を示す。
図8においても、複合ケーブル28はS字状に引き廻され、上部プーリ45及び下部プーリ46は例えばコンストンバネなどにより、複合ケーブル28がたるまないように上方または下方に引張られており、プーリ間は例えば2mに配置されている。
探傷ビークル11が水平に例えば4m移動したときには、ケーブル長さ調整プーリ38とアイドラローラ39により複合ケーブル28を繰り出し、図9に示すように上部プーリ45及び下部プーリ46間がほぼ0mとなることでケーブルの繰出しが可能であり、ケーブルを戻した時にもビークル位置決ビークル位置決め用マスト10内でたるみなく複合ケーブル28の引廻しが可能である。
図10及び図11は、探傷ビークル11がビークル位置決め用マスト10の下部に位置決めされた場合に、複合ケーブル28を繰出した場合の複合ケーブル28の引廻し状態を示す。
図10においても、複合ケーブル28はS字状に引き廻され、上部プーリ45および下部プーリ46は例えばコンストンバネなどにより、複合ケーブル28がたるまないように上方または下方に引張られており、プーリ間は例えば4mに配置されている。
探傷ビークル11が水平に例えば4m移動したときには、ケーブル長さ調整プーリ38とアイドラローラ39により複合ケーブル28を繰り出し、図11に示すように上部プーリ45が例えば2m下降し、下部プーリ46がそのままの位置を保持することでケーブルの繰出しが可能であり、ケーブルを戻した時にもビークル位置決ビークル位置決め用マスト10内でたるみなく複合ケーブル28の引廻しが可能である。
以上、図6乃至図11より、探傷ビークル11の位置が変化しても、ビークル位置決め用マスト10内で複合ケーブル28をたるませること無く配置し、探傷ビークル11の移動に応じて複合ケーブル28の長さを調整することが可能である。
図12は、本実施の形態において、原子炉上方からビークル位置決め用マスト10の設置位置を見た場合の概略図である。
図12において、ビークル位置決め用マスト10はアクセスホールカバー6の脇に設置される。前述したように探傷ビークル11を回転させ探傷ビークル11をシュラウド2の外面上に設置後、溶接線に沿ってジェットポンプ5の内側を図示のようにCW(時計廻り)方向に90度分を走行移動させてシュラウド2の溶接線の点検、検査を行う。
次に、探傷ビークル11をビークル位置決め用マスト10まで戻し、CCW(反時計廻り)方向に90度分を走行移動させて溶接線の点検、検査を行う。これによりシュラウド2の半周分の点検、検査を行う。
次に、図12中下方に位置する反対側のアクセスホールカバー6に対して、同様にビークル位置決め用マスト10を設置して残りの半周分の点検、検査を行う。以上に示したように、水平面において初期位置から時計回り、反時計回りの両方向に探傷ビークル11がシュラウド2上を走行できるのでビークル位置決め用マスト10をシュラウド2に対して2箇所設置するのみでシュラウド2全周の溶接の点検、検査を行うことができる。
本実施の形態においては、探傷ビークル11が水平方向にのみ走行移動可能としたが、走行車輪にステアリング機能を持ったビークルを用いることにより上下移動も可能になるので垂直溶接線の探傷も可能である。
以上説明したように、本発明に係る原子炉内作業システムの第1の実施の形態によれば、燃料交換中にシュラウド2の溶接線の点検、検査を実施するにあたり、溶接線の点検、検査中に天井クレーンや作業台車を使用することがなく、探傷ビークル11によって溶接線沿って点検、検査用センサ30を搬送している。このため、短時間で広範囲の点検、検査が可能であり、初期位置決めが遠隔、自動で可能なり人手作業による不確定性を削減すると共に時間を短縮することができる。その結果、定検工程の省力化や短縮に寄与することができる。
また、探傷ビークル11の移動を阻害しないために、ケーブル28は、探傷ビークル11の移動方向において後方で探傷ビークル11と接続されていることが望ましい。本実施の形態では、探傷ビークル11の初期位置における姿勢を反転可能としたことで、ケーブル28に阻害されることなく、初期位置から両方向に探傷ビークル11を移動させることが可能である。
[第2の実施の形態]
以下に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
本発明に係る原子炉内作業システムの第2の実施の形態では、図13に示すように、ビークル位置決め用マスト10の下部のビークル収納部13にマルチプレクサ等による信号多重化ユニット50を配置した以外は、第1の実施の形態と同様の構成を備えている。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏する他、ビークル位置決め用マスト10及び探傷ビークル11を設置する際に、ケーブル本数を削減することができる。
このため、ケーブル数が減少することにより設置や移動時に必要な作業人数を削減できると共に、作業時間が短縮されるので、工程短縮に寄与することができる。
[第3の実施の形態]
以下に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
本発明に係る原子炉内作業システムの第3の実施の形態では、探傷ビークル11とビークル位置決め用マスト10を原子炉圧力容器1内へ搬送する手段として、第1の実施の形態の水中ホイスト及び天井クレーンによる手段ではなく、図14に示すように、遊泳移動可能な搬送ビークル52を用いている。即ち、ビークル位置決め用マスト10及び探傷ビークル11を、搬送ビークル52で吊り下げて搬送し、図14に示した箇所に設置する。
また、搬送ビークル11とビークル位置決め用マスト10の接続部には、水平2軸まわりに回転可能な傾斜機構(図示せず)を配置する。この傾斜機構により、搬送ビークル11とビークル位置決め用マスト10の全体が傾斜しても、狭隘なアニュラス部へ長尺なビークル位置決め用マスト10を挿入設置することができる。
本実施の形態によれば、天井クレーンを使用せずに、ビークル位置決め用マスト10および探傷ビークル11の設置や移動が可能となり、定検作業における他の原子炉内作業と干渉することなく、シュラウド2の点検、検査作業を実施することができる。
[第4の実施の形態]
以下に、本発明の第4の実施の形態について説明する。
本発明に係る原子炉内作業システムの第4の実施の形態では、探傷ビークル55として、図15に示すように目視用カメラ57を搭載した以外は、第1の実施の形態における探傷ビークル11と同様の構成とされている。
第4の実施の形態では、この目視用カメラ57によりシュラウド2表面の画像を連続して取得する。この取得したカメラ画像を画像処理することで移動方向に対する垂直方向のずれを検出し、探傷ビークル55の2つの走行車輪の回転速度を調整制御して走行方向を補正する。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏する他、2つの距離計測車輪26a、26bの回転方向と垂直な方向にずれた場合でも走行ずれを検出可能であり、非接触で走行時のずれを検出しているので探傷ビークル55の移動に外乱を与えずに走行方向を補正することができる。その結果、点検、検査用センサ30の走査精度が向上するので取得データの精度向上に寄与する。
[第5の実施の形態]
以下に、本発明の第5の実施の形態について説明する。
本発明に係る原子炉内作業システムの第5の実施の形態では、探傷ビークル60として、図16に示すように深度センサ62を搭載した以外は、第1の実施の形態における探傷ビークル11と同様の構成とされている。
第5の実施の形態では、この深度センサ62により、水平走行移動時の水深を連続して取得する。取得した水深データより移動方向に対する垂直方向のずれを検出し、探傷ビークル60の2つの走行車輪の回転速度を調整制御して走行方向を補正する。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏する他、2つの距離計測車輪26a、26bの回転方向と垂直な方向にずれた場合でも走行ずれを検出可能であり、非接触で走行時のずれを検出しているので、探傷ビークル60の移動に外乱を与えずに走行方向を補正することができる。その結果、点検、検査用センサ30の走査精度が向上するので取得データの精度向上に寄与する。
[第6の実施の形態]
以下に、本発明の第6の実施の形態について説明する。
本発明に係る原子炉内作業システムの第6の実施の形態では、探傷ビークル65として、図17に示すように加速度センサ67を搭載した以外は、第1の実施の形態における探傷ビークル11と同様の構成とされている。
第6の実施の形態では、この加速度センサ67により、センサ情報から移動方向に対する垂直方向のずれを連続して取得する。取得したずれから、探傷ビークル65の2つの走行車輪の回転速度を調整制御して走行方向を補正する。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏する他、2つの距離計測車輪26a、26bの回転方向と垂直な方向にずれた場合でも走行ずれを検出可能であり、非接触で走行時のずれを検出しているので、探傷ビークル65の移動に外乱を与えずに走行方向を補正することができる。その結果、点検、検査用センサ30の走査精度が向上するので取得データの精度向上に寄与する。
[第7の実施の形態]
以下に、本発明の第7の実施の形態について説明する。
本発明に係る原子炉内作業システムの第7の実施の形態では、探傷ビークル70として、図18に示すように2つの超音波センサ72a、72bを搭載した以外は、第1の実施の形態における探傷ビークル11と同様の構成とされている。
第7の実施の形態では、これらの超音波センサ72a、72bにより、図1のシュラウド2の中間部リング下面51までの距離を測定しながらシュラウド2の壁面上を水平方向に移動する。各々の超音波センサ72a、72bによる検出距離を連続して取得し、検出した距離から移動方向に対する垂直方向のずれを検出し、検出距離の差から探傷ビークル70の傾斜角を算出する。
取得した垂直方向のずれと傾斜角度から、探傷ビークル70の2つの走行車輪の回転速度を調整制御して走行方向および傾斜角度を補正する。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏する他、2つの距離計測車輪26a、26bの回転方向と垂直な方向にずれた場合でも走行ずれを検出可能であり、非接触で走行時のずれを検出しているので、探傷ビークル70の移動に外乱を与えずに走行方向やビークルの傾斜角度を補正することができる。その結果、点検、検査用センサ30の走査精度が向上するので取得データの精度向上に寄与する。
[第8の実施の形態]
以下に、本発明の第8の実施の形態について説明する。
本発明に係る原子炉内作業システムの第8の実施の形態では、探傷ビークル75として、図19に示すように2つの接触ローラ77a、77bを搭載した以外は、第1の実施の形態における探傷ビークル11と同様の構成とされている。
第8の実施の形態では、これらの接触ローラ77a、77bにより、図1のシュラウド2の中間部リング下面51にローラを接触させながら、中間部リングに沿ってシュラウド2の壁面上を水平移動する。探傷ビークル75に水中での浮力を付与することで浮き気味になり、中間部リング下面51にローラを接触させることができる。従って、ローラを接触させているため、水平方向に移動したときの上下方向のずれの発生を抑えることができる。
また、図19において、探傷ビークル75の下側に接触ローラを配置し、図1に示すシュラウドサポートプレート3上面にローラを接触させながら、シュラウドサポートシリンダ54に沿ってシュラウド2の壁面上を水平移動することも可能である。この場合には探傷ビークル75を水中で沈み気味にしておけば、水中自重によるシュラウドサポートプレート3の上面にローラを接触させることができる。ローラを接触させているので、同様に水平方向に移動したときの上下方向のずれの発生を抑えることができる。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏する他、シュラウド2に対して水平方向に移動したときの上下方向のずれの発生を抑えることができるので、点検、検査用センサ30の走査精度が向上する。その結果、取得データの精度向上に寄与する。
[第9の実施の形態]
第5の実施の形態では、探傷ビークルの上下方向の向きが変わっても水深を検出可能なセンサを搭載した探傷ビークル60について説明した。本実施の形態では、探傷ビークルの進行方向を左右に変える際に上下方向の向きが変わった場合においても水深を検出可能な探傷ビークル80について説明する。
本発明に係る原子炉内作業システムの第9の実施の形態では、探傷ビークル80として、図20(a),(b)に示すように本体の一端に一対のエアチューブ81a,81b、本体の他端に一対のエアチューブ82a,82bを搭載した以外は、第1の実施の形態における探傷ビークル11と同様の構成とされている。
即ち、図20(a)に示すように、探傷ビークル80の右端には、開口部を下方に向けたエアチューブ81aと、開口部を上方に向けたエアチューブ81bが取り付けられている。他方、探傷ビークル80の左端には、開口部を下方に向けたエアチューブ82aと、開口部を上方に向けたエアチューブ82bが取り付けられている。そして、これらのエアチューブ81a,81b、エアチューブ82a,82bを用いて水圧を検出する。
水圧の検出に際しては、図20(a)において、右方向に走行する場合にはエアチューブ81aに接続された図示しない圧力計により周囲の水圧を検出する。検出した水深データにより移動方向に対する垂直方向のずれを検出し、探傷ビークル80の2つの走行車輪の回転速度を調整制御して走行方向を補正する。逆に左に走行する場合には、エアチューブ82aに接続された図示しない圧力計により周囲の水圧を検出して、同様に走行車輪の回転速度を調整制御して走行方向を補正する。
第1の実施の形態で述べたように探傷ビークル80の上下を逆にした場合には、図20(b)に示すように、右方向に走行する場合にはエアチューブ82bに接続された図示しない圧力計により周囲の水圧を検出する。検出した水深データにより移動方向に対する垂直方向のずれを検出し、探傷ビークル80の2つの走行車輪の回転速度を調整制御して走行方向を補正する。逆に左に走行する場合には、エアチューブ81bに接続された図示しない圧力計により周囲の水圧を検出して、同様に走行車輪の回転速度を調整制御して走行方向を補正する。
本実施の形態では水圧を検出するためにエアチューブを用いているため、例えば図20(a)において開口部が上方を向いているエアチューブ81b、82bではエアチューブ内に水が浸入してしまう。従って、図20(b)に示したように探傷ビークル80の上下方向の向きを変えた時に水圧を検出することが不可能になってしまうため、エアを印加してフラッシングを行って水を排除した後に水圧を検出する。
また、本実施の形態では、走行車輪21a、21bより先行した位置の水深を検出して走行方向を制御している。図20(a)において右方向に走行する場合には水圧をエアチューブ81aで検出しており、探傷ビークル80の上下位置が下がった場合には、探傷ビークル80がCCW(反時計)方向に回転して上下位置を補正する。その結果、エアチューブ81aの位置が上がり、探傷ビークル80の上下位置が補正された方向の水圧を検出する。すなわち、補正後の状態量である水圧が、補正前の状態量である水圧の変化を打ち消すように検出されるので安定に制御することができる。
これに対し、図20(a)において右方向に走行する場合に、水圧をエアチューブ82aで検出して制御しようとすると、探傷ビークル80の上下位置が下がった場合には、探傷ビークル80がCCW(反時計)方向に回転して上下位置を補正するのでエアチューブ82aの位置がさらに下がってしまう。その結果、探傷ビークル80の上下位置を補正する方向とは逆方向の水圧を検出してしまうので、エアチューブ81aに基づいた制御に比較して、不安定になる可能性がある。つまり、補正後の状態量である水圧が、補正前の状態量である水圧の変化を増やす方向に検出されるので制御が不安定となってしまう。
さらに本実施の形態では、水圧により上下方向の高さを検出するだけでなく、エアチューブ81aとエアチューブ82aの水圧を比較することで探傷ビークル11の傾斜角度を検出することもできる。したがって、より高精度に姿勢のずれを検出し、進行方向を補正することができる。
以上説明した第9の実施の形態では、2つの距離計測車輪の回転方向と垂直な方向にずれた場合でも走行ずれを検出可能であり、非接触で走行時のずれを検出しているので探傷ビークル11の移動に外乱を与えずに走行方向を補正することができる。また、走行車輪21a、21bより先行した位置の水深を検出して走行方向を制御しているので、安定した制御を可能にしている。さらに、探傷ビークル80の傾斜角度を検出することも可能である。その結果、点検、検査用センサ30の走査精度が向上するので、取得データの精度向上に寄与する。
なお、各エアチューブ81a,81b、82a,82bの検出結果に基づいた補正制御は、探傷ビークル80の制御装置(図示せず)で自動的に行なうようにしてもよい。すなわち、探傷ビークル80の制御は、例えばオペレーションフロア上に設置したコンピュータあるいは専用のハードウェアによって構成された制御装置により行なうが、この制御装置における各エアチューブの検出結果に基づいて自動補正する機能を探傷ビークル80に実装させることができる。
[他の実施の形態]
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上記第4乃至第8の実施の形態では、点検、検査用センサ30を固定し、更に他の要素を追加した探傷ビークルの例を示したが、これらの各要素を複数組み合わせた探傷ビークルとすることもできる。
また、第2の実施の形態の信号多重化ユニット50や第3の実施の形態の搬送ビークル52を第4乃至第8の実施の形態において用いることもできる。
また、各実施形態では、沸騰水型原子炉内のシュラウドを適用対象として説明したが、これに限定されず、例えば加圧水型原子炉の炉心槽への適用が考えられる。
1…原子炉圧力容器、2…シュラウド(円筒構造物)、3…シュラウドサポートプレート、4…シュラウド上部リング、6…アクセスホールカバー、7…展開部、9…枠体、10…ビークル位置決め用マスト(設置装置)、11…探傷ビークル(移動機構)、12…固定アーム、13…ビークル収納部、14…昇降ベース(昇降部)、15…昇降ガイド、16…展開アーム、17a,17b…スラスタ(吸着部)、18a,18b…タイミングベルト、19a,19b…かさ歯車、20a,20b…スラスタモータ、21a,21b…走行車輪(移動部)、22a,22b…タイミングベルト、23a,23b…タイミングプーリ、24a,24b…車輪駆動モータ、25…自在車輪(移動部)、26a,26b…距離計測車輪、27a,27b…距離計測センサ、28…複合ケーブル、29…可動ガイド、30…点検、検査用センサ(作業装置)、31…エアシリンダ、32…ラック、33…ピニオンギヤ、34…ビークル固定機構(着脱機構)、35…ビークル固定金具、36…プーリ回転モータ、37…かさ歯車、38…ケーブル長さ調整プーリ(ケーブル処理手段)、39・・・アイドラローラ(ケーブル処理手段)、41…ビークル回転機構、45…上部プーリ、46…下部プーリ、50…信号多重化ユニット、51…中間部リング下面、52…搬送ビークル(搬送装置)、54…シュラウドサポートシリンダ、55…探傷ビークル(移動機構)、57…目視用カメラ、60…探傷ビークル(移動機構)、62…深度センサ、65…探傷ビークル(移動機構)、67…加速度センサ、70…探傷ビークル(移動機構)、72a、72b…超音波センサ、75…探傷ビークル(移動機構)、77a、77b…接触ローラ、78…検出ドグ、79a、79b…近接センサ、80…探傷ビークル(移動機構)、81a…エアチューブ(第1深度センサ)、81b…エアチューブ(第3深度センサ)、82a…エアチューブ(第2深度センサ)、82b…エアチューブ(第4深度センサ)

Claims (12)

  1. 軸を鉛直にして原子炉圧力容器内に配置されている円筒構造物の外表面に沿って周方向に移動する移動機構と、
    前記移動機構に搭載され、前記円筒構造物に対して作業を行う作業装置と、
    前記円筒構造物上での前記移動機構の初期位置を設定する設置装置と、
    前記移動機構と前記設置装置とを着脱させる着脱機構と、
    前記移動機構を装着した前記設置装置を前記原子炉圧力容器内に搬送する搬送装置と、
    を備え、
    前記設置装置は、前記移動機構が前記円筒構造物表面を前記初期位置から時計回りに移動する場合と反時計回りに移動する場合に応じて、前記移動機構の姿勢を任意の水平軸を中心として回転可能に変更して初期位置に設定可能であることを特徴とする原子炉内作業システム。
  2. 前記移動機構は、少なくとも、枠体と、該枠体を前記円筒構造物の外表面に沿って移動させる移動部と、移動時に前記枠体の円筒構造物側から前記枠体の背面側に吐出する流れを形成することにより前記枠体を前記円筒構造物の外表面に吸着させる吸着部とを備えることを特徴とする請求項1記載の原子炉内作業システム。
  3. 前記移動機構は、更に、移動時における水深を測定する第1深度センサを搭載していることを特徴とする請求項1または2記載の原子炉内作業システム。
  4. 前記移動機構は第2深度センサを更に搭載し、
    前記第2深度センサは、前記移動機構の前記初期位置からの進行方向において、前記第1深度センサよりも後方に配置されたことを特徴とする請求項3記載の原子炉内作業システム。
  5. 前記第1深度センサと前記第2深度センサの検出結果を比較結果に基づいて、前記移動機構の進行方向のずれを補正する補正部を備えることを特徴とする請求項4記載の原子炉内作業システム。
  6. 前記移動機構は第3深度センサおよび第4深度センサを更に搭載し、
    前記第1深度センサ、前記第2深度センサ、前記第3深度センサおよび前記第4深度センサは水圧を検出するエアチューブであり、
    前記第1深度センサおよび前記第2深度センサは前記移動機構が前記初期位置から時計回りに移動する姿勢において下方に開口するよう配置され、
    前記第3深度センサおよび第4深度センサは前記移動機構が前記初期位置から反時計回りに移動する姿勢において下方に開口するよう配置されていることを特徴とする請求項4記載の原子炉内作業システム。
  7. 前記移動機構は、更に、前記枠体の前記背面と直交する面で進行方向と平行な面側に、少なくとも2つのローラを搭載していることを特徴とする請求項1又は2記載の原子炉内作業システム。
  8. 前記設置装置は、前記移動機構及び該移動機構と接続されたケーブルを内蔵可能であり、前記移動機構を前記円筒構造物に対して機械的に圧接する展開アームと、前記円筒構造物に対して上下方向の位置を設定する昇降部と、前記移動機構の移動に応じてケーブルの繰出し及び収納を行うケーブル処理手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の原子炉内作業システム。
  9. 前記設置装置の下部に信号多重化ユニットを備えることを特徴とする請求項8記載の原子炉内作業システム。
  10. 前記搬送装置は、遠隔操作可能な、水中ホイストと天井クレーンから構成されることを特徴とする請求項1記載の原子炉内作業システム。
  11. 前記搬送装置は、遠隔操作可能な遊泳移動する搬送ビークルであることを特徴とする請求項1記載の原子炉内作業システム。
  12. 軸を鉛直にした円筒構造物が原子炉圧力容器内に配置された原子炉の運転停止時に、移動機構に搭載された作業装置を前記円筒構造物の外壁面に沿って移動させることによって作業を行う原子炉内作業方法であって、
    前記原子炉圧力容器の上部が開放され、原子炉圧力容器内で水が満たされた状態で、前記原子炉圧力容器の上方から、前記移動機構を着脱可能に装着した設置装置を搬送する搬送ステップと、
    前記円筒構造物の外壁面での前記移動機構の初期位置を設定する設定ステップと、
    前記設置装置から前記移動機構を脱着させる脱着ステップと、
    前記移動機構を前記円筒構造物の外表面に沿って移動させることにより前記作業装置によって作業を行う作業ステップと、
    を備えることを特徴とする原子炉内作業方法。
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