JPWO2011065381A1 - 気体分析用カルボニル化合物捕集管、気体試料の分析方法、及びオゾンスクラバー - Google Patents

気体分析用カルボニル化合物捕集管、気体試料の分析方法、及びオゾンスクラバー Download PDF

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Abstract

カルボニル化合物捕集管(110)は、重合禁止剤担持シリカゲルを含有する第1吸着層(30)と2,4−ジニトロフェニルヒドラジン担持シリカゲルを含有する第2吸着層(40)とを備える。好ましくは、気体又は液体が前記第2吸着層(40)から前記第1吸着層(30)へと向かって流通するのを防ぐ逆流防止手段をさらに備える。

Description

本発明は、気体分析用カルボニル化合物捕集管、気体試料の分析方法、及びオゾンスクラバーに関する。
環境意識の高まりに伴い、空気中に含まれる微量の揮発性有機化合物(VOC: Volatile Organic Compounds)の分析方法に関する研究が近年盛んに行われている。VOCの中には様々な化合物群が含まれるが、その中の1グループとして、ホルムアルデヒドを始めとするアルデヒド類が知られている。アルデヒド類は高い反応性を有するため、皮膚や粘膜を強く刺激する。環境衛生管理の観点から、空気中に含まれるアルデヒド類を正確かつ簡便に同定し、定量する方法が望まれている。
アルデヒド類の中でも、分子内に共役二重結合を有する2−アルケナール(α,β−不飽和アルデヒド)の一種であるアクロレイン(別名として2−プロペナール、アクリルアルデヒドなど)は有害性が特に高いことで知られている。アクロレインは、人の眼,皮膚,気道などを強く刺激する。さらに、高濃度のアクロレインを含む空気が呼吸器から取り込まれると肺水腫を引き起こす恐れがある。このため、アクロレインに対しては他のアルデヒド類以上に正確なモニタリングが要求されている。
先に述べた通りアルデヒド類は高い反応性を有するため、そのままでは正確な定量は難しい。現在、アルデヒド類の定量分析法として最も広く用いられているのはヒドラゾン誘導体化法である。この方法では、カルボニル化合物と2,4−ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH: 2,4-Dinitrophenylhydrazine)との脱水縮合反応を利用して、アルデヒド類を比較的安定なヒドラゾン誘導体へと誘導する。得られたヒドラゾン誘導体を定量することによってアルデヒド類を含むカルボニル化合物を定量することができる。従来、この方法を応用した分析装置及び分析方法がいくつか報告されている。
例えば特開2007−218788号公報には、強酸性カチオン交換樹脂にDNPHを吸着させたカルボニル化合物捕集用充填材が開示されている。実施例には、この充填材を詰めたカートリッジをホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの定量分析に用いた例が記載されている。
特開2007−071815号公報には、シリカゲルにDNPHを吸着させたカルボニル化合物捕集材が開示されている。実施例として、この充填材を詰めたポリエチレンチューブをホルムアルデヒドの定量分析に用いた例が記載されている。さらに、このチューブはα,β−不飽和カルボニル化合物を捕集して長時間保存してもα,β−カルボニル化合物とDNPHとの反応物が消失せず、安定性に優れると記載されている。これを裏付けるデータとして、実施例にはこのチューブ内におけるDNPH−アクロレイン誘導体の安定性に関するデータが記載されている。
特開2007−218788号公報 特開2007−071815号公報 特開2007−333692号公報
アクロレイン等の2−アルケナールはアルデヒド基に加えて、反応性の高い共役二重結合をさらに有している。この共役二重結合は2−アルケナールとDNPHとの脱水縮合物であるヒドラゾン誘導体にも含まれている。このヒドラゾン誘導体は未反応のDNPHや他のヒドラゾン誘導体と容易に反応してしまう。特開2007−218788号公報に記載の方法はホルムアルデヒド等の定量分析には有効であるが、アクロレイン等の2−アルケナールを正確に同定し、定量することは困難である。
これに対し、特開2007−071815号公報に記載の捕集材はDNPH−アクロレイン誘導体の安定性向上に一定の効果を有すると考えられる。しかし、当該公報にはホルムアルデヒドの定量分析結果のみが記載されており、アクロレインの定量分析例は記載されていない。そこで発明者らは、当該公報に記載のデータを詳細に検討した。その結果、当該公報に記載の捕集材を用いてアクロレインを捕集し、25℃で4時間保管した場合、アクロレイン−DNPH誘導体の残存率は捕集直後の78%に過ぎなかった。これは、例えば気体試料中に含まれるアクロレインの濃度が低く長時間の捕集が必要な場合や、実験室外のいくつかの測定地点でそれぞれ試料を採取しこれを持ち帰ってまとめて分析するような場合を想定すると、十分とは言えない。捕集管を冷蔵保存することも考えられるが、操作が煩雑となる上、5℃においてもDNPH−アクロレイン誘導体の残存率は87%であり、減少を完全に抑制することはできない。このように当該公報に記載の捕集材及び定量方法も正確性や簡便性において十分なものとは言えず、さらなる改良が求められている。
本発明はこのような課題を解決するために為されたものであり、アクロレイン等の2−アルケナールを正確かつ簡便に定量分析できる気体分析用カルボニル化合物捕集管、気体試料の分析方法、及びオゾンスクラバーを提供することを目的とする。
本発明の第1の観点に係る気体分析用カルボニル化合物捕集管は、
重合禁止剤担持シリカゲルを含有する第1吸着層と、
2,4−ジニトロフェニルヒドラジン担持シリカゲルを含有する第2吸着層と、
を備える。
前記気体分析用カルボニル化合物捕集管は、被測定ガスが前記第2吸着層から前記第1吸着層へと向かって流通するのを防ぐ逆流防止手段をさらに備えることが好ましい。
前記気体分析用カルボニル化合物捕集管は、1つの管内に前記第1吸着層及び前記第2吸着層を備えていてもよい。
前記気体分析用カルボニル化合物捕集管は、
その内部に前記第1吸着層を有する第1吸着管と、
その内部に前記第2吸着層を有する第2吸着管と、
を備え、
前記第1吸着管と前記第2吸着管とは直接又は連結部を介して気密に連結可能であってもよい。
前記第1吸着管と前記第2吸着管とは直接気密に連結可能でありかつ着脱自在であることが好ましい。
本発明の第2の観点に係る気体試料の分析方法は、
本発明の第1の観点に係る気体分析用カルボニル化合物捕集管を用いた気体試料の分析方法であって、
被測定ガスを第1吸着層を通過させた後第2吸着層を通過させる捕集工程と、
非プロトン性極性溶媒を含む溶媒を用いて前記第1吸着層及び前記第2吸着層に含まれる可溶成分を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程を経た前記溶媒中に含まれる成分を分析する分析工程と、
がこの順で行われることを特徴とする。
前記溶媒はカルボニル化合物と2,4−ジニトロフェニルヒドラジンとの脱水縮合反応を促進する触媒を含むことが好ましい。
前記気体試料の分析方法は、
前記溶媒にプロトン性極性溶媒を添加する反応停止工程をさらに含み、
前記反応停止工程は前記抽出工程と前記分析工程との間に行われる、ことが好ましい。
前記プロトン性極性溶媒は水又はアルコールである、ことがさらに好ましい。
前記気体試料の分析方法において、
前記気体分析用カルボニル化合物捕集管はその内部に前記第1吸着層を有する第1吸着管とその内部に前記第2吸着層を有する第2吸着管とを備え、
前記第1吸着管と前記第2吸着管とは直接又は連結部を介して気密に連結可能であり、
前記第1吸着管と前記第2吸着管とは前記捕集工程後に分離され、前記抽出工程前に再び連結されることが好ましい。
前記気体試料の分析方法において、
前記第1吸着管と前記第2吸着管とは直接気密に連結可能でありかつ着脱自在であることが特に好ましい。
本発明の第3の観点に係るオゾンスクラバーは、
気体中のカルボニル化合物を捕集する際に用いられ、重合禁止剤担持シリカゲルを備える。
前記重合禁止剤担持シリカゲルはハイドロキノンを含む、
ことが好ましい。
前記カルボニル化合物の捕集は、カルボニル化合物吸着剤を担持させたシリカゲルを用いて行われる、
ことが好ましい。
本発明によれば、アクロレイン等の2−アルケナールを正確かつ簡便に定量分析できる気体分析用カルボニル化合物捕集管、気体試料の分析方法、及びオゾンスクラバーを提供できる。
本発明の第1実施形態に係るカルボニル化合物捕集管の構造を説明するための模式図である。 本発明の第2実施形態に係るカルボニル化合物捕集管の構造を説明するために一部を切り欠いて示した外観図である。 図2に示すカルボニル化合物捕集管を用いた気体の分析方法において、捕集工程を説明するための図である。 図2に示すカルボニル化合物捕集管を用いた気体の分析方法において、捕集された物質を抽出する工程を説明するための模式図である。 本発明の第3実施形態に係るカルボニル化合物捕集管の外観図である。 本発明に係るカルボニル化合物捕集管と従来技術に係るカルボニル化合物捕集管とをそれぞれ用いて行ったアクロレインの分析結果であって、試料採取〜分析までの時間が分析結果に与える影響を示すグラフである。 本発明に係るカルボニル化合物捕集管を用いて行ったアクロレインの分析結果であって、溶媒に含まれるリン酸の濃度が分析結果に与える影響を示すグラフである。 本発明に係るカルボニル化合物捕集管を用いて行ったアクロレインの分析結果であって、抽出液に添加されるエタノールの量が分析結果に与える影響を示すグラフである。 電子タバコから発生する気体を本発明に係るカルボニル化合物捕集管を用いて捕集し、高速液体クロマトグラフを用いて分析した際のクロマトグラムである。 従来技術に係るカルボニル化合物捕集管を用いて同様に分析した際のクロマトグラムである。
(第1実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。図1に示すように、カルボニル化合物捕集管100は第1吸着層30と第2吸着層40を備えている。第1吸着層30及び第2吸着層40は円筒形のチューブ10内に形成されている。チューブ10は、ポリエチレン等の樹脂で形成されている。チューブ10の両端部と、第1吸着層30と第2吸着層40の間には、フィルター20が配置されている。
第1吸着層30は、ハイドロキノンを吸着させたシリカゲルである。ハイドロキノンはシリカゲルにより吸着されたアクロレインを含む2−アルケナールの重合やカルボニル化合物の酸化や分解を防ぐ。気体捕集時にはアクロレインを含む2−アルケナールは全て第1吸着層30に吸着され、第2吸着層40の2,4−ジニトロフェニルヒドラジンと反応することは無い。
一方、第2吸着層40は、2,4−ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)を吸着させたシリカゲルである。DNPHはカルボニル化合物と所定の条件下で脱水縮合し、ヒドラゾン誘導体を形成する。シリカゲル自体もある程度カルボニル化合物を吸着する能力を持つが、シリカゲルにDNPHを吸着させることにより、気体試料に含まれるカルボニル化合物をより効率よく捕集することができる。
フィルター20はカルボニル化合物に対して不活性な多孔質材料、例えば焼結ポリエチレンで形成されている。フィルター20のメッシュサイズは、気体試料の通過を妨げない程度に粗く、かつ各吸着層に用いられているシリカゲルを通過させない程度に細かい。フィルター20は、チューブ10から各吸着層が流出したり、チューブ10内で第1吸着層30と第2吸着層40とが混ざったりすることを防ぐ。
カルボニル化合物捕集管100を用いて気体試料を分析する場合、試料ガスは図1中白矢印で示すように導入口100aからチューブ10内へと流入し、第1吸着層30、第2吸着層40を順に通過し、排出口100bからチューブ10外へと流出する。この際、試料ガス中に含まれるカルボニル化合物は第1吸着層30及び第2吸着層40により吸着される。吸着されたカルボニル化合物を、例えばアセトニトリル等の溶媒で抽出することにより、試料ガス中に含まれていたカルボニル化合物の同定及び定量が可能となる。なお、抽出以降の操作については後述する。
カルボニル化合物捕集管100に気体試料を導入する方法は特に限定されない。採取した試料ガスをシリンジ等を用いて導入口100aから注入してもよい。あるいは、排出口100bにポンプやシリンジ等の吸引器を接続し、吸引することによって導入口100aから試料ガスを吸い込ませてもよい。なお、カルボニル化合物の定量分析を行う場合は、吸引器としてカルボニル化合物捕集管100内に導入された試料ガスの量を計測できるポンプ、シリンジ等を用いるか、又は公知のガス量測定装置を用いることが好ましい。
本実施形態においては第1吸着層30としてハイドロキノンを吸着させたシリカゲルを例示したが、2−アルケナール等の重合反応を停止又は阻害する物質であればよく、ハイドロキノンに限定されない。例えば、t−ブチルカテコール等も用いることができる。
本実施形態においてはチューブ10がポリエチレンで形成されている例を示したが、チューブ10の材料はこれに限定されない。試料ガスを透過させず、かつ、分析対象であるカルボニル化合物、第1吸着層30に含まれているハイドロキノン、第2吸着層40に含まれているDNPH及び抽出に用いられる溶媒等に対して不活性な材料であれば好ましく用いることができる。このような材料として、例えばフッ素樹脂、ガラス等が挙げられる。これらの材料が多孔質に成形されたものは、フィルター20としても用いることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るカルボニル化合物捕集管110について図2を参照しながら説明する。図2に示すように、カルボニル化合物捕集管110は第1吸着管110aと第2吸着管110bとを備える。第1吸着管110aの内部には第1吸着層30が形成されている。第2吸着管110bの内部には第2吸着層40が形成されている。
第1吸着管110aと第2吸着管110bとは着脱自在である。通常、第1吸着管110aと第2吸着管110bとは別々に製造され、両端が密栓された状態で保管される。カルボニル化合物捕集管110が用いられる際には、第1吸着管110aと第2吸着管110bとは図2に示すように連結される。試料ガスは第1吸着管110aの側から導入され、第1吸着層30、第2吸着層40をこの順番で通過して、カルボニル化合物捕集管110の外へと流出する。この際、試料ガスに含まれるカルボニル化合物が第1実施形態において示したカルボニル化合物捕集管100と同様に各吸着層によって捕集される。
本実施形態では第1吸着層30と第2吸着層40がそれぞれ別のチューブ10内に形成されている。このため、1つのチューブ10内に2つの吸着層を形成するカルボニル化合物捕集管100と比べて製造が容易である。また、いずれも比較的反応性の高い化合物であるハイドロキノンとDNPHとを別々に保管しておくことができるため、カルボニル化合物捕集管110はカルボニル化合物捕集管100に比べて性能が低下しにくく、長期保管に適している。また、分析条件に応じて各吸着層の量や厚みを選択することも容易である。
(気体試料の分析方法)
カルボニル化合物捕集管110を用いた気体試料の分析方法について、図3A及び図3Bを参照しながら具体的に説明する。カルボニル化合物捕集管110を用いて気体試料を分析する場合、例えば図3Aに示すように、第2吸着管110bの端部が空気ポンプ60に接続される。空気ポンプ60は、あらかじめ設定された値に対応して所定量の気体を吸引することができる。この状態で空気ポンプ60を作動させると、所定量の試料ガス、例えば測定対象となる室内の空気等、が図3Aにおいて白矢印で示す方向でカルボニル化合物捕集管110内に導入される。試料ガスは第1吸着管110a、第2吸着管110bをこの順番で通過する。試料ガス中にカルボニル化合物が含まれている場合、カルボニル化合物は各吸着層によって吸着され、捕集される。所定量の試料ガスが吸引されると、カルボニル化合物捕集管110の両端部はただちに密栓される。すぐに次の工程に移ることができない場合は、さらに第1吸着管110aと第2吸着管110bが分離され、それぞれ密栓されて保管される。
次に図3Bに示すように、捕集された試料を抽出するための溶媒、例えばアセトニトリルがカルボニル化合物捕集管110内に所定量流される。第1吸着管110aと第2吸着管110bが分離されて保管されている場合は、溶媒が流される前に第1吸着管110aと第2吸着管110bとが再び連結されることが好ましい。溶媒が流される方向は限定されないが、抽出効率の観点から図3Bに示すように試料ガスの流通とは反対方向、すなわち第2吸着管110bから第1吸着管110aへと向かう方向に流されることが好ましい。
流された溶媒はカルボニル化合物捕集管110の反対側の開口端から流出する。この流出液には第1吸着管に吸着された未反応のアクロレイン及び他のカルボニル化合物、第2吸着管に吸着されたカルボニル化合物とDNPHとが反応したヒドラゾン誘導体、未反応のDNPH、及びハイドロキノンが含まれている。未反応のアクロレインを含むカルボニル化合物とDNPHとは溶媒中で脱水縮合し、ヒドラゾン誘導体となる。流出液に含まれているヒドラゾン誘導体の種類及び量を公知の分析手段、例えば質量分析計と可視・紫外分光光度計とを備える高速液体クロマトグラフ等によって分析することで、試料ガスに含まれていたカルボニル化合物を同定し、定量することができる。
先に述べたように、本発明に係るカルボニル化合物捕集管を用いる際、気体捕集時にはアクロレインを含む2−アルケナールは全て第1吸着層30に吸着され、第2吸着層40の2,4−ジニトロフェニルヒドラジンと反応することは無い。しかし、第1吸着管110aと第2吸着管110bとを捕集後も長時間連結したままにしておくと、第1吸着管110aに吸着されたアクロレインが自然拡散により第2吸着管110bへと拡散する可能性がある。この場合、一度第1吸着管110aに吸着されたアクロレインが第2吸着管110b中のDNPHと反応してしまうため、本発明の効果が十分に得られない。
本実施形態においてはこのような事態を避けるため捕集後ただちに第1吸着管110aと第2吸着管110bとを切り離す例を示したが、方法はこれに限定されない。例えば、カルボニル化合物捕集管110は第1吸着管110aと第2吸着管110bとの間にさらに弁を備えていてもよい。捕集後ただちに弁を閉じることで、第1吸着管110aに吸着されたアクロレインが第2吸着管110b内のDNPHと反応するのを防ぐことができる。又は、第1吸着管110aと第2吸着管110bとを軟質樹脂の管、例えばシリコンゴムチューブ等を介して気密に連結し、この状態で捕集を行ってもよい。この場合、捕集後に第1吸着管110aと第2吸着管110bとを分離する代わりに、シリコンゴムチューブの部分をピンチコック等の締め付け具によって締め付けることで、同様の効果が得られる。
本実施形態においては気体試料の採取に空気ポンプ60を用いたが、試料の採取方法はこれに限られない。別途採取した気体試料を第1吸着管110aの開口端から注入してもよい。又は、第2吸着管110bの開口端にシリンジや気体採取器を接続し、吸引してもよい。
また、本実施形態においてはカルボニル化合物捕集管110内に導入される気体試料や用いられる溶媒は所定量とする例を示したが、これはカルボニル化合物の定量を目的とする場合であり、微量成分の同定など、定性分析を目的とする場合は気体試料の量をあらかじめ定めなくともよい。例えば、空気中に極微量含まれる不明成分を特定したい場合、例えば12時間、24時間等、あらかじめ定めた時間連続的に気体試料の吸引を行い、その後分析を行ってもよい。本発明に係るカルボニル化合物捕集管は、アクロレイン等の2−アルケナール類を捕集した場合でも、これらを室温で長時間安定的に保つことができる。このため、本発明に係るカルボニル化合物捕集管はカルボニル化合物の定量に適しているだけでなく、微量成分の同定にも適している。
(溶媒の種類)
本実施形態においては溶媒としてアセトニトリルを用いる例を示したが、溶媒はこれに限定されない。溶媒は、カルボニル化合物、DNPH及びヒドラゾン誘導体を抽出可能なものであり、カルボニル化合物とDNPHとの脱水縮合反応を妨げないものであり、かつ後の分析を妨害しないものであればよい。一般的には、水分量が少ない、又は水分を含まない非プロトン性極性溶媒が好ましい。例えば、アセトニトリル、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド(DMSO)等が好ましい。
(触媒の種類)
本発明の実施において触媒は必須ではないが、捕集されたカルボニル化合物とDNPHとを速やかに脱水縮合させるために、この反応を促進する触媒を加えることができる。しかし、触媒の種類や濃度によっては効果が十分でなかったり、好ましくない副反応を促進したり、分析の妨げになったりするおそれがある。触媒としては一般に酸が用いられる。例えば、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸若しくはこれらの塩、酢酸等の有機酸若しくはこれらの塩、ゼオライト等の固体酸触媒又はスルホン酸系イオン交換樹脂等が挙げられる。これらの中では、取り扱いが容易であり、溶媒に可溶であり、高速液体クロマトグラフによる分析を妨げないリン酸が特に好ましい。触媒の添加量については後述する。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態に係るカルボニル化合物捕集管120について、図4を参照しながら説明する。図4に示すように、カルボニル化合物捕集管120は第1吸着管110aと、第2吸着管110bと、逆止弁50とを備える。第1吸着管110a及び第2吸着管110bの構造は、第2実施形態に係るカルボニル化合物捕集管110と同じである。
逆止弁50は、図4に示すように第1吸着管110aと第2吸着管110bとの間に連結されている。逆止弁50は試料ガスが図4に示す白矢印とは逆方向、すなわち第2吸着管110bから第1吸着管110aに向かう方向へと流れるのを防ぐ役割を有する。
本発明に係るカルボニル化合物捕集管を用いる際、接続ミス等の理由により、試料ガスが所定の方向とは逆の方向、カルボニル化合物捕集管110でいえば第2吸着管110bから第1吸着管110aへと向かう方向に流される可能性がある。この場合、試料ガスに含まれているカルボニル化合物の大部分は第2吸着管110b内で捕集されてしまい、第1吸着管110aを備えることによる本発明の効果が十分に得られない。この結果、例えば2−アルケナールの分析値が実際の値より低くなったり、さらには検出されなかったりするおそれがある。
ここで、カルボニル化合物捕集管120は逆止弁50を備える。逆止弁50は吸着接続ミス等により試料ガスが逆方向に流されようとした場合にこれを阻止する。すると使用者はシリンジが操作できない、吸引装置が圧力上限値を超えて自動停止する等の現象により、接続ミスがあったことを知ることができる。このように、カルボニル化合物捕集管120によれば分析ミスを未然に防ぐことができる。
なお、本実施形態においては逆止弁50が第1吸着管110aと第2吸着管110bとの間に連結されている例を示したが、逆止弁50が連結される位置はこれに限定されない。逆止弁50は第1吸着管110aの開口端に連結されてもよく、第2吸着管110bの開口端に連結されてもよい。
逆止弁50は着脱自在であってもよい。又は、逆止弁50は第1吸着管110a若しくは第2吸着管110b又はその両方と一体化されていてもよい。逆止弁50が着脱自在である場合、試料ガスを流した後で逆止弁50を外して溶媒を任意の方向から流すことができる。この場合、例えば逆止弁50の2つの開口端をそれぞれ一方の吸着管としか気密に連結できない形状とすることによって、接続ミスを防ぐことができる。
(実施例1)
次に、本願発明に係るカルボニル化合物捕集管及びその性能評価結果について実施例を示しながらさらに具体的に説明する。なお各実施例において、特に断りのない限り、薬品類は市販の試薬を精製することなくそのまま用いた。
(第1吸着管の作製)
第1吸着管の作製について説明する。まず、第1吸着層として用いられるHQ−シリカを以下の手順により作製した。ハイドロキノン(0.05g)をアセトニトリル(50mL)に溶解し、HQ溶液を調製した。シリカゲル(50g、AGCエスアイテック社製D−60/80 120A)を水(3×500mL)、メタノール(2×500mL)、アセトニトリル(2×500mL)で順番に洗浄した。ロータリーエバポレータを用いて100℃で30分間減圧し、水分を完全に除去した。このシリカゲルに先ほどのHQ溶液を加え、撹拌した。40℃の水浴下、再びロータリーエバポレータを用いてこの混合物から溶媒を留去し、乾燥させてHQ−シリカを得た。このHQ−シリカ(130mg)をポリエチレン管(Supelco Inc.製レゾリアンチューブ)に充填し、第1吸着管を作製した。作製した第1吸着管は、分析に用いるまで4℃で保管した。
(第2吸着管の作製)
第2吸着管の作製について説明する。まず、第2吸着層として用いられるDNPH−シリカを以下の手順により作製した。2,4−ジニトロフェニルヒドラジン塩酸塩(0.25g、東京化成工業製)とリン酸(0.5mL)とをアセトニトリル(200mL)に溶解し、DNPH溶液を調製した。シリカゲル(50g)を水(3×500mL)、メタノール(2×500mL)、アセトニトリル(2×500mL)で順番に洗浄した。ロータリーエバポレータを用いて100℃で30分間減圧し、水分を完全に除去した。このシリカゲルに先ほどのDNPH溶液を加え、撹拌した。40℃の水浴下、再びロータリーエバポレータを用いてこの混合物から溶媒を留去して乾燥させ、DNPH−シリカを得た。このDNPH−シリカ(270mg)をポリエチレン管に充填し、第2吸着管を作製した。作製した第2吸着管は、分析に用いるまで4℃で保管した。
(アクロレイン標準ガスの調製)
分析値の校正及びカルボニル化合物捕集管の性能評価に用いるアクロレイン標準ガスは、以下の手順により調製した。市販の気体試料捕集用200Lアルミバッグに、湿度50%の純空気を2L/分の速度で注入した。アルミバッグ中に約50Lの純空気が注入された時点で、13μLのアクロレインをATIS(Supelco Inc.製)を用いて気流中に混入した。ATISはセプタム付きのガラス管とこれを加熱する炉とを備える器具である。シリンジ等でガラス管内に液体試料を注入し、必要に応じて炉でガラス管を加熱することでこの試料を気化させることができる。本実施例ではアクロレインの分解を防ぐため、加熱は行わず室温でアクロレインを気化させた。アルミバッグ中の気体が200Lに達するまで引き続き純空気を注入し、アクロレイン濃度20ppmのアクロレイン標準ガスを得た。
(カルボニル化合物捕集管の性能評価)
上述の通り作製した第1吸着管と第2吸着管を接続し、カルボニル化合物捕集管とした。次に、大気サンプリングポンプSP−100 Dual(GLサイエンス社製)及び湿式ガスメータWS D−1A(株式会社シナガワ製)を用いて、この捕集管内にアクロレイン標準ガス1Lを流通させた。この際、アクロレイン標準ガスは第1吸着管側から導入した。標準ガスの流量は100mL/分とした。所定量のガスが導入された後、第1吸着管と第2吸着管を分離した。各吸着管の両端はただちに密栓し、35℃で所定時間放置した。所定時間経過後、第1吸着管と第2吸着管を再び接続し、1%のリン酸を含むアセトニトリル(4mL)を第2吸着管から第1吸着管へと流して抽出液を得た。
この抽出液をただちに、高速液体クロマトグラフを用いて分析した。高速液体クロマトグラフは、島津製作所製高速液体クロマトグラフ(HPLC)システム(ポンプ:LC−20AD、オートサンプラー:SIL−20AC、検出器:SPD−M20A)を用いた。分離カラムにはAscentis Express RP-Amide(150mm×4.6mm、Supelco Inc.製)を用いた。カラム温度は40℃、検出に用いる波長の範囲は190〜600nmとした。サンプル量の注入量は10μLとした。溶離液には5mmol/Lの酢酸アンモニウムを含むアセトニトリル/水(体積比60/40)を用いた。送液条件はアイソラクティックモードで0.6mL/分とした。
(比較例1)
実施例1において用いたカルボニル化合物捕集管の代わりに、実施例1において作製した第2吸着管のみを使用し、分離及び接続を省略した他は、実施例1と同様にして抽出液を得た。抽出液を実施例1と同じ条件で分析した。
(結果と考察)
結果について、図5を参照しながら説明する。図5は実施例1及び比較例1において得られた抽出液に含まれていた各種ヒドラゾン誘導体の濃度と、各吸着管の放置時間との関係を示すグラフである。図5中、HQ-DNPHは実施例1において得られたデータ群を示し、DNPHは比較例1において得られたデータ群を示す。各データ群において、ACR-DはアクロレインとDNPHとが脱水縮合することにより生成したヒドラゾン誘導体を表し、AD1はACR-Dに未反応のDNPHが付加した生成物を表し、AD2はAD1がさらに他のACR-Dに付加した生成物を表す。各化合物の構造はそれぞれ下記化学式の通りである。
Figure 2011065381
Figure 2011065381
Figure 2011065381
アクロレインの定量はACR-Dを定量することにより行われる。このため、放置時間がACR-Dの濃度に及ぼす影響が少ない捕集管や分析方法ほど、アクロレインをより正確に定量することができると言える。このような捕集管や分析方法によれば、試料採取後の捕集管をただちに分析したり又は冷蔵保存したりする必要がないため、アクロレインの定量をより簡便に行うことができる。
図5から明らかなように、本願発明に係るカルボニル化合物捕集管を用いた場合、35℃で最大8時間保管してもACR-Dの濃度はほとんど変化しなかった。これに対し、第2吸着管のみを用いた場合わずか10分間の放置でもACR-Dの濃度は初期の濃度の86%まで低下した。2時間放置した場合、ACR-Dの濃度は初期の濃度の30%まで低下した。このように、本願発明によればアクロレインを正確かつ簡便に定量できることが明らかとなった。
なお、ここでは発明の理解を容易にするために具体的な条件を示して説明したが、本発明の実施は上記の組み合わせや数値範囲に限定されるものではない。本発明の実施における好ましい数値範囲に関して以下に述べる。
(重合禁止剤)
本実施例においては第1吸着層にハイドロキノンを用いる例を示したが、t−ブチルカテコールを用いた場合でも同様の効果が得られることを実験により確認した。
(触媒の濃度)
触媒の濃度の影響について図6を参照しながら述べる。図6はリン酸を触媒としてアセトニトリル中でアクロレインとDNPHとを脱水縮合させた場合における、ACR-Dの濃度の経時変化を示している。図6において横軸は反応時間を示し、縦軸はACR-Dの相対量を示している。図6は、触媒の濃度が溶媒に対して0.2質量%未満の場合、触媒の効果が十分でなく、反応に長時間を要することを示唆している。この結果、分析結果が実際に試料中に含まれていたアクロレイン濃度よりも低くなる等の問題が生じ得る。一方、触媒濃度の上限については、溶媒に対して10質量%以下であれば大きな支障はないが、脱水縮合反応の速度からは5.0質量%程度で十分と考えられる。また、リン酸濃度が2.0%を超えると、分析条件によっては得られるクロマトグラムのピーク形状が崩れるおそれがある。以上のことから、触媒の濃度は、吸着管から試料を抽出する際に用いられる溶媒中0.2〜5.0質量%が好ましく、0.5〜1.0質量%が特に好ましい。
(プロトン性極性溶媒の種類)
プロトン性極性溶媒の種類は、カルボニル化合物の濃度や分析方法に応じて適切に選択される。一般的には、入手の容易さや安全性の観点からアルコール、水が好ましく、エタノールが特に好ましい。
(プロトン性極性溶媒の添加量)
上述のように、カルボニル化合物とDNPHとの脱水縮合反応を促進する触媒は、好ましくない副反応も促進してしまい、ACR-Dの濃度を低下させて見かけ上のアクロレイン濃度を低くしてしまうおそれがある。本発明の実施においては、プロトン性極性溶媒の添加によってこのような副反応を抑制することもできる。プロトン性極性溶媒の影響について、図7を参照しながら述べる。図7は、100μmol/LのACR-Dを含むアセトニトリル(リン酸1%含有)に所定量のエタノールを添加し、常温で放置した場合におけるACR-Dの濃度の経時変化を示すグラフである。図7が示唆するように、プロトン性極性溶媒の添加量を多くするほどACR-Dの濃度低下を抑制することができる。プロトン性極性溶媒の添加量は特に制限されないが、図7が示唆するように、10%未満ではACR-Dの濃度低下を十分に抑制できないおそれがある。プロトン性極性溶媒の添加量は10〜90%が好ましく、10〜20%が特に好ましい。
(実施例2)
次に、本発明に係るカルボニル化合物捕集管及び分析方法を用いて、複数のカルボニル化合物を含む気体試料を分析した結果をデータを示しながら詳細に説明する。本実施例においては、気体試料としていわゆる電子タバコから発生するガスを用いた。電子タバコとは、ニコチン等を含む液体を霧化する道具である。電子タバコを自動喫煙装置にセットし、発生したガスを本発明に係るカルボニル化合物捕集管に通して、このガスに含まれる各種カルボニル化合物の同定と定量を試みた。
(分析)
カルボニル化合物捕集管は、実施例1において用いたカルボニル化合物捕集管と同じ構造の物を用いた。気体試料をこのカルボニル化合物捕集管に所定の向きで流通させた。この際、気体試料の流通速度は500mL/分とした。3分間捕集した後、カルボニル化合物捕集管の両端を密栓し、室温で所定時間放置した。その後、実施例1と同じ手順により抽出液を得た。この抽出液を高速液体クロマトグラフにより分析した。溶離液の流量は0.7mL/分とし、送液はグラジエントモードで行った(移動相A:5mmol/Lの酢酸アンモニウムを含むアセトニトリル/水(体積比40/60)、移動相B:5mmol/Lの酢酸アンモニウムを含むアセトニトリル/水(体積比75/25)、グラジエント条件:A 100%(8分間)→37分間→B 100%(15分間))。結果を表1に示す。また、放置時間が17時間の場合に得られた高速液体クロマトグラフのチャートを図8Aに示す。
Figure 2011065381
Figure 2011065381
(比較例2)
実施例2の比較例として、カルボニル化合物捕集管の代わりに比較例1において用いた第2吸着管のみを用いた他は実施例2と同様の手順により捕集と分析を行った。結果を表1に示す。また、放置時間が17時間の場合に得られた高速液体クロマトグラフのチャートを図8Bに示す。
Figure 2011065381
なお、図8中に示した略号のうち、表1に記載されているものは、それぞれ表1中に示した化合物に由来するヒドラゾン誘導体のピークを表す。図8に記載された他の略号のうち、DNPHは2,4−ジニトロフェニルヒドラジンを表し、AD1、AD2はそれぞれ下記化学式記載の化合物を表す。
表1から明らかなように、実施例2と比較例2との間ではα,β−不飽和アルデヒドであるアクロレインの分析結果に顕著な差が認められた。比較例2では放置時間わずか10分でもアクロレインが実施例2の約69%の値しか検出されなかった。さらに、実施例2では捕集後のカルボニル化合物捕集管を室温で17時間放置しても分析値がほとんど変化しなかったのに対し、比較例2では0.3mg/mと、実施例1の約1/30程度にまで減少していた。保持率で表すと、実施例2が約99%であったのに対し、比較例2は5%未満であった。このように、本発明に係るカルボニル化合物捕集管を用いれば、アクロレイン等の2−アルケナールを捕集後も長時間安定に保持できることが分かった。すなわち、本発明によればアクロレイン等の2−アルケナールを正確かつ簡便に定量できることが明らかとなった。一方、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等の不飽和結合を持たないカルボニル化合物については実施例2の結果と比較例2の結果とは良好な一致を示した。以上のことから、本発明によれば、α,β−不飽和カルボニル化合物を含む各種カルボニル化合物を正確かつ簡便に同定し、定量できることが明らかとなった。
(実施例3)
次に、本発明に係るカルボニル化合物捕集管の第1吸着管が、オゾンスクラバーとしての機能を有するかについて検討した。その結果をデータを示しながら詳細に説明する。カルボニル化合物を分析する際に、空気中のオゾンがその測定値に影響を与えることが知られている。カルボニル化合物とDNPHとの反応により生じるヒドラゾン誘導体、及び未反応のDNPHが、オゾンにより分解されるからである。オゾンスクラバーとしてはヨウ化カリウム(KI)を用いたものも知られているが、KIを用いたオゾンスクラバーは、雨天時などでは、水分を吸収することにより潮解する。この場合、アルデヒドなどの水溶性のカルボニル化合物は、潮解したオゾンクラバーに捕集され、カルボニル化合物の測定値が低くなるという問題がある。実施例1,2では2−アルケナールであるアクロレインに特に注目して評価を行ったが、第1吸着管がオゾンスクラバーとして有効であることが実証されれば、本発明に係る気体分析用カルボニル捕集管が、2−アルケナールに限らず広くカルボニル化合物一般の分析に有用であることが立証される。本実施例においては、本発明に係るカルボニル化合物捕集管の第1吸着管にBPE/DNPHカートリッジ(シグマアルドリッチ製)を連結させた物(以下、連結カートリッジという)を用い、BPE/DNPHカートリッジに捕集されたオゾン及びカルボニル化合物を定量した。
連結カートリッジにおける第1吸着管は、実施例1において用いた第1吸着管と同じ物を用いた。第1吸着管を、BPE/DNPHカートリッジのBPE層側の連結部に接続し、連結カートリッジとした。次に、大気サンプリングポンプSP−100 Dual(GLサイエンス社製)及び湿式ガスメータWS D−1A(株式会社シナガワ製)を用いて、この連結カートリッジ内に気体試料(環境大気)144Lを流通させた。この際、気体試料は連結カートリッジの第1吸着管側から導入した。気体試料の流量は100mL/分とした。所定量の気体試料が導入された後、第1吸着管とBPE/DNPHカートリッジを分離し、各々密栓した。その後、1%のリン酸を含むジメチルスルホキシド/アセトニトリル溶液(体積比25/75)(3mL)をBPE/DNPHカートリッジのDNPH層側からBPE層側へと流して抽出液を得た。
この抽出液を20分間放置した後、高速液体クロマトグラフを用いて分析した。高速液体クロマトグラフは、島津製作所製高速液体クロマトグラフ(HPLC)システム(ポンプ:LC−20AD、オートサンプラー:SIL−20AC、検出器:SPD−M20A)を用いた。分離カラムにはAscentis Express C18(150mm×4.6mm、Supelco Inc.製)を用いた。カラム温度は40℃、検出に用いる波長の範囲は190〜600nmとした。サンプル量の注入量は10μLとした。溶離液には5mmol/Lの酢酸アンモニウムを含むアセトニトリル/水(体積比55/45)を用いた。送液条件はアイソラクティックモードで0.6mL/分とした。
(比較例3)
実施例3の連結カートリッジの代わりに、実施例1において作製した第2吸着管(DNPH)のみを使用した。実施例1と同様の条件で、第2吸着管(DNPH)に捕集されたカルボニル化合物を定量した。
(比較例4)
実施例3での連結カートリッジから第1吸着管を除き、BPE/DNPHカートリッジのみを使用した。実施例3と同様の条件で、BPE/DNPHカートリッジに捕集されたオゾン及びカルボニル化合物を定量した。
(比較例5)
実施例3の連結カートリッジで用いた第1吸着管の代わりに、KI(ヨウ化カリウム)カートリッジ(シグマアルドリッチ製)を使用した。KIカートリッジは、従来から汎用されているオゾンスクラバーである。実施例3と同様の条件で、BPE/DNPHカートリッジに捕集されたオゾン及びカルボニル化合物を定量した。
結果を表2に示す。オゾンについては、比較例4では190μg/m捕集されたのに対して、実施例3では3.1μg/m、比較例5では0.7μg/mしか捕集されなかった。このことから、実施例3で用いた第1吸着管が、比較例5で用いたKIカートリッジと同様に、オゾンを捕集することが示された。なお、捕集された各種カルボニル化合物については、実施例3、比較例4、及び比較例5の間で大差はなかった。
Figure 2011065381
以上より、本発明に係るカルボニル化合物捕集管の第1吸着管が、オゾンスクラバーとしての機能を有することが示された。第1吸着管に含まれるハイドロキノンが、オゾンと反応してベンゾキノンとなることで、オゾンが消去されると考えられる。また、HPLCシステムを用いた分析において、生じたベンゾキノンが妨害物質とはならないことが示唆された。
このように、本発明に係るカルボニル化合物捕集管を用いれば、KIなどのオゾンスクラバーを用いることなく、カルボニル化合物の定性及び定量分析におけるオゾンの影響を回避することができる。このことから、本発明によれば、α,β−不飽和カルボニル化合物を含む各種カルボニル化合物を正確かつ簡便に同定し、定量できることが明らかとなった。
以上、実施の形態及び実施例を挙げて本発明について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施の形態及び実施例に限定されるものではないことは言うまでもない。当業者により為される改良、置換、組み合わせ等は、本発明の要旨を超えない限り、本発明の範囲に含まれるものである。
本出願は、2009年11月27日に出願された日本国特許出願特願2009−270849に基づく。本明細書中にそれらの明細書、特許請求の範囲、図面全体を参照として取り込むものとする。
10 チューブ
20 フィルター
30 第1吸着層
40 第2吸着層
50 逆止弁
60 空気ポンプ
70 接続チューブ
100,110,120 カルボニル化合物捕集管
100a 導入口
100b 排出口
110a 第1吸着管
110b 第2吸着管

Claims (14)

  1. 重合禁止剤担持シリカゲルを含有する第1吸着層と、
    2,4−ジニトロフェニルヒドラジン担持シリカゲルを含有する第2吸着層と、
    を備える、
    気体分析用カルボニル化合物捕集管。
  2. 被測定ガスが前記第2吸着層から前記第1吸着層へと向かって流通するのを防ぐ逆流防止手段をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の気体分析用カルボニル化合物捕集管。
  3. 1つの管内に前記第1吸着層及び前記第2吸着層を備える、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の気体分析用カルボニル化合物捕集管。
  4. その内部に前記第1吸着層を有する第1吸着管と、
    その内部に前記第2吸着層を有する第2吸着管と、
    を備え、
    前記第1吸着管と前記第2吸着管とは直接又は連結部を介して気密に連結可能である、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の気体分析用カルボニル化合物捕集管。
  5. 前記第1吸着管と前記第2吸着管とは直接気密に連結可能でありかつ着脱自在である、
    ことを特徴とする請求項4に記載の気体分析用カルボニル化合物捕集管。
  6. 請求項1に記載の気体分析用カルボニル化合物捕集管を用いた気体試料の分析方法であって、
    被測定ガスを第1吸着層を通過させた後第2吸着層を通過させる捕集工程と、
    非プロトン性極性溶媒を含む溶媒を用いて前記第1吸着層及び前記第2吸着層に含まれる可溶成分を抽出する抽出工程と、
    前記抽出工程を経た前記溶媒中に含まれる成分を分析する分析工程と、
    がこの順で行われることを特徴とする気体試料の分析方法。
  7. 前記溶媒はカルボニル化合物と2,4−ジニトロフェニルヒドラジンとの脱水縮合反応を促進する触媒を含む、
    ことを特徴とする請求項6に記載の気体試料の分析方法。
  8. 前記溶媒にプロトン性極性溶媒を添加する反応停止工程をさらに含み、
    前記反応停止工程は前記抽出工程と前記分析工程との間に行われる、
    ことを特徴とする請求項6又は7に記載の気体試料の分析方法。
  9. 前記プロトン性極性溶媒は水又はアルコールである、
    ことを特徴とする請求項8に記載の気体試料の分析方法。
  10. 前記気体分析用カルボニル化合物捕集管はその内部に前記第1吸着層を有する第1吸着管とその内部に前記第2吸着層を有する第2吸着管とを備え、
    前記第1吸着管と前記第2吸着管とは直接又は連結部を介して気密に連結可能であり、
    前記第1吸着管と前記第2吸着管とは前記捕集工程後に分離され、前記抽出工程前に再び連結される、
    ことを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載の気体試料の分析方法。
  11. 前記第1吸着管と前記第2吸着管とは直接気密に連結可能でありかつ着脱自在である、
    ことを特徴とする請求項10に記載の気体試料の分析方法。
  12. 気体中のカルボニル化合物を捕集する際に用いられ、重合禁止剤担持シリカゲルを備えるオゾンスクラバー。
  13. 前記重合禁止剤担持シリカゲルはハイドロキノンを含む、
    ことを特徴とする請求項12に記載のオゾンスクラバー。
  14. 前記カルボニル化合物の捕集は、カルボニル化合物吸着剤を担持させたシリカゲルを用いて行われる、
    ことを特徴とする請求項12又は13に記載のオゾンスクラバー。
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