JPWO2011065015A1 - 有機半導体材料含有組成物及びそれを用いた有機薄膜トランジスタ - Google Patents

有機半導体材料含有組成物及びそれを用いた有機薄膜トランジスタ Download PDF

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Abstract

有機半導体材料、溶媒及び非イオン系脂肪酸からなる組成物であって、前記非イオン系脂肪酸の含有量が前記有機半導体材料100質量部に対して10質量部以上150質量部以下である組成物。

Description

本発明は、塗布プロセス可能な組成物及びそれを半導体層に用いた有機薄膜トランジスタに関する。
薄膜トランジスタ(TFT)は、液晶表示装置等の表示用のスイッチング素子として広く用いられている。代表的なTFTは、基板上にゲート電極、絶縁体層、半導体層をこの順に有し、半導体層上に、所定の間隔をあけて形成されたソース電極及びドレイン電極を有している。TFTは、半導体層がチャネル領域を成しており、ゲート電極に印加される電圧でソース電極とドレイン電極の間に流れる電流が制御されることによってオン/オフ動作する。
従来、このTFTは、アモルファスや多結晶シリコンを用いて作製されていたが、このようなシリコンを用いたTFTの作製に用いられる化学気相成長(CVD)装置は、非常に高額であり、TFTを用いた表示装置等の大型化は、製造コストの大幅な増加を伴うという問題点があった。また、アモルファスや多結晶のシリコンを成膜するプロセスは非常に高い温度下で行われるので、基板として使用可能な材料の種類が限られてしまい、軽量な樹脂基板等は使用できないという問題があった。
このような問題を解決するために、アモルファスや多結晶シリコンに代えて有機物を用いたTFT(有機TFT)が提案されている。有機物でTFTを製造する際に用いる成膜方法として真空蒸着法や塗布法等が知られている。これらの成膜方法によれば、製造コストの上昇を抑えつつ、多数のTFTを備えた電子素子の大型化が実現可能になり、成膜時に必要となるプロセス温度を比較的低温にすることができる。このように、有機TFTでは、基板に用いる材料の選択の制限が少ないという利点があり、その実用化が期待されており、盛んに研究報告がなされている。また、材料の有効利用や後述の点で、真空蒸着法と比較して塗布法が優れている。
有機TFTに用いる有機物半導体材料は、p型電界効果トランジスタの材料としては、共役系ポリマーやチオフェン等の多量体、金属フタロシアニン化合物、ペンタセン等の縮合芳香族炭化水素等が単体又は他の化合物との混合物の状態で用いられている。また、n型電界効果トランジスタの材料としては、例えば、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボキシルジアンヒドライド(NTCDA)、11,11,12,12−テトラシアノナフト−2,6−キノジメタン(TCNNQD)、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボキシルジイミド(NTCDI)や、フッ素化フタロシアニンが知られている。
一方、同じように電気伝導を利用する素子として有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子がある。有機EL素子では、一般に100nm以下の超薄膜の膜厚方向に10V/cm以上の強電界をかけ強制的に電荷を流している。これに対し、有機TFTの場合には、数μm以上の距離を10V/cm以下の電界で高速に電荷を流す必要があり、有機TFTに用いられる有機物自体に、さらなる電導性が必要になる。具体的には、電界効果移動度が大きく、応答速度が速く、トランジスタとしての高速応答性を達成する材料である必要がある。また、オン/オフ比に配慮する必要もある。
尚、オン/オフ比とは、ゲート電圧をかけたとき(即ち、オン)のソース−ドレイン間に流れる電流を、ゲート電圧をかけないとき(即ち、オフ)のソース−ドレイン間に流れる電流で割った値であり、オン電流とは通常ゲート電圧を増加させていき、ソース−ドレイン間に流れる電流が飽和したときの電流値(飽和電流)のことである。
有機TFTの代表的な有機半導体材料として電荷移動度の大きいことで知られるペンタセン、テトラセン、アントラセンジチオフェン等のアセン系材料は、結晶質の材料であり、その電荷移動度は結晶性が良好なほど大きい。なかでも、ペンタセンは電荷移動度が大きく、優れた半導体素子特性を発現することが知られている。
ペンタセン等のアセン系化合物による薄膜形成方法として、特許文献1、非特許文献1,2は、芳香族ハロゲン化炭化水素等の溶媒にアセン系化合物を溶解させた溶液を基板に塗布する、アセン系化合物の薄膜形成方法を開示している。
また、特許文献3は、有機TFTの半導体層に用いることのできる炭素炭素三重結合を含む芳香族化合物を開示しており、蒸着又は塗布により有機TFTの半導体層を作製している。
基板上に高結晶性の有機電子材料の薄膜を形成するために、例えば、真空蒸着等の成膜方法を用いる場合、結晶構造が多結晶状態となり、薄膜に多くの結晶粒界が存在する。電荷の移動は結晶粒界で妨げられてしまうため、結晶粒界が存在すると、電荷移動度は抑制される。また、真空蒸着の場合は、基板温度を高く、成膜速度を低くすることにより結晶成長核密度が低くなり結晶粒が大きくなることが知られているが、例えば電界効果トランジスタの典型的なチャネル幅(10μm以上)の結晶粒を得るのは困難であった。
これに対し、キャスト法、スピンコート法、インクジェット法等の塗布法により有機半導体材料等の有機電子材料の薄膜を基板上に形成する場合は、真空蒸着に比して結晶粒を大きくすることが可能である。このプロセスは概略、以下のようなものである。
即ち、有機半導体材料と溶媒で構成される塗布液を基板上に塗布した後の乾燥工程において、有機半導体材料を含む塗膜からは溶媒が蒸発し、これにより塗膜溶液中の有機半導体材料が濃縮され、その濃度が溶解限度に達した後、基板上に析出する。特に電荷移動度の大きい有機半導体材料は高結晶性で結晶の成長が速く、塗布法により薄膜を形成する場合、基板上の一部で析出が起こり結晶化するとその表面では結晶が成長しやすくなる(結晶成長核の形成)。塗布溶液中の有機半導体材料は、溶液中を拡散して析出した結晶に付着して成長する。この結果、その他の部分では溶液中の有機半導体材料の濃度が低下するため結晶析出は起こりにくくなる。このようにして、早い段階で結晶が析出した部分で結晶成長が選択的に継続する。
このような経過を経て、基板上に形成された薄膜において結晶化する部分では結晶粒が大きく良好な結晶が得られるが、その面積や割合は限定されやすい。さらに結晶析出が遅れた部分の結晶性は低くなり、ピンホール等の欠陥が生じて膜としての均一性が低下する場合がある。ピンホール等の欠陥が存在する有機半導体薄膜を備えたTFTの場合、その電荷移動度は本来有する特性を実現できず、著しく低下してしまう。
特許文献2は、シクロヘキサンを含む混合溶媒を用いて、有機電子材料の酸化を抑制することで結晶粒の大きな結晶性薄膜を作製している。しかしながら材料そのものに酸化耐性のある有機半導体材料は、酸化防止の効果を得られず、均一な塗布膜もTFTの移動度の向上も得られていない。
特開2005−272460号公報 特開2006−269740号公報 国際公開第2008/044695号パンフレット
南方尚、2004年春季応用物理学関係連合講演会講演予稿集No3、1466頁 Materials Science and Engineering B 140(2007)、1−4頁
本発明の目的は、塗布プロセスにより均一かつ粒径の大きな結晶粒で構成される有機半導体層を成膜できる組成物及び高い電界効果移動度の電界効果トランジスタを提供することである。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、有機半導体材料の塗布プロセスにおいて、有機半導体材料と非イオン系脂肪酸を含有する溶液を用いることで、均一かつ、粒径の大きな結晶粒で構成された薄膜を形成することが可能となり、この薄膜を用いることで高い電荷移動度(以下、電界効果移動度や電荷移動度を移動度と略記する場合がある。)の電界効果トランジスタを得られることを見出した。
本発明によれば、以下の組成物等が提供される。
1.有機半導体材料、溶媒及び非イオン系脂肪酸からなる組成物であって、前記非イオン系脂肪酸の含有量が前記有機半導体材料100質量部に対して10質量部以上150質量部以下である組成物。
2.前記非イオン系脂肪酸の融点が50℃以下である1に記載の組成物。
3.前記有機半導体材料が、下記式(1)で表される化合物である1又は2に記載の組成物。
Figure 2011065015
(式中、Arは、下記式(2)で表される置換基である。
Arは、置換基を有してもよい炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、又は置換基を有してもよい炭素数1〜60の芳香族複素環基である。
Arは、下記式(3)で表される置換基である。
nは、1〜20の整数である。
Figure 2011065015
(式中、R〜R10は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のハロアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルチオ基、炭素数1〜30のハロアルキルチオ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜30のジアルキルアミノ基(2つのアルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のハロアルキルスルホニル基、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、炭素数1〜60の芳香族複素環基、炭素数1〜30のアルキルシリル基又はシアノ基であり、これらの基は置換基をさらに有していてもよい。
〜R及びR〜R10は、隣接する2つの基が互いに結合して、飽和又は不飽和の環状構造を形成してもよい。)
4.前記式(1)のArが、置換基を有してもよい炭素数6〜60の芳香族炭化水素基である3に記載の組成物。
5.前記式(1)のArが、置換基を有してもよいベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、テトラセン、クリセン又はペンタセンに対応する2価の残基である3又は4に記載の組成物。
6.前記式(1)で表される化合物が、下記の式(4)で表される化合物である3に記載の組成物。
Figure 2011065015
(式中、R〜R10及びnは、前記式(1)と同様である。
11〜R14は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のハロアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルチオ基、炭素数1〜30のハロアルキルチオ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜30のジアルキルアミノ基(2つのアルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のハロアルキルスルホニル基、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、炭素数1〜60の芳香族複素環基、炭素数1〜30のアルキルシリル基又はシアノ基であり、これらの基は置換基をさらに有していてもよい。
11及びR12並びにR13及びR14は、それぞれ互いに結合して、飽和又は不飽和の環状構造を形成してもよい。)
7.前記式(4)のR11〜R14が、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のハロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基、炭素数1〜8のアルキルアミノ基、炭素数2〜8のジアルキルアミノ基(2つのアルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)、炭素数1〜8のアルキルスルホニル基又はシアノ基である6に記載の組成物。
8.前記式(4)のR、R、R、R、R、R及びR〜R14の全てが水素原子であり、
及びRの少なくとも一方が、ハロゲン原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のハロアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、又は炭素数2〜30のジアルキルアミノ基(2つのアルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)であり、これらでないR又はRが水素原子である6又は7に記載の組成物。
9.前記式(1)で表される化合物が、下記式(5)で表される化合物である3に記載の組成物。
Figure 2011065015
(式中、R〜R10は、前記式(1)と同様である。
15〜R22は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のハロアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルチオ基、炭素数1〜30のハロアルキルチオ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜30のジアルキルアミノ基(2つのアルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のハロアルキルスルホニル基、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、炭素数1〜60の芳香族複素環基、炭素数1〜30のアルキルシリル基又はシアノ基であり、これらの基は置換基をさらに有していてもよい。)
10.前記式(5)のR15〜R22がそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルチオ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜30のジアルキルアミノ基(2つのアルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基又はシアノ基である9に記載の組成物。
11.前記式(5)のR、R、R、R、R、R、R、R10及びR15〜R22の全てが水素原子であり、
及びRの少なくとも一方が、ハロゲン原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のハロアルコキシ基、又は炭素数2〜30のジアルキルアミノ基(2つのアルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)であり、これらでないR又はRが水素原子である9又は10に記載の組成物。
12.前記溶媒の沸点が、前記非イオン系脂肪酸の沸点より10℃以上低い1〜11のいずれかに記載の組成物。
13.1〜12のいずれかに記載の組成物を用いて製造した有機半導体膜を含む有機薄膜トランジスタ。
14.有機半導体材料と非イオン系脂肪酸を含み、前記非イオン系脂肪酸が前記有機半導体材料100質量部に対して10質量部以上150質量部以下である有機半導体膜を含む有機薄膜トランジスタ。
本発明によれば、塗布プロセスに適した組成物及び高移動度の電界効果トランジスタを提供できる。
本発明の薄膜トランジスタの一実施形態を示す図である。 本発明の薄膜トランジスタの他の実施形態を示す図である。 本発明の薄膜トランジスタの他の実施形態を示す図である。 本発明の薄膜トランジスタの他の実施形態を示す図である。 本発明の薄膜トランジスタの他の実施形態を示す図である。 本発明の薄膜トランジスタの他の実施形態を示す図である。 本発明の薄膜トランジスタの他の実施形態を示す図である。
本発明の組成物は、有機半導体材料、溶媒及び非イオン系脂肪酸からなる。非イオン系脂肪酸の含有量は有機半導体材料100質量部に対して10質量部以上150質量部以下である。
尚、有機半導体材料、溶媒、非イオン系脂肪酸は1種類又は2種類以上用いてもよい。2種類以上の非イオン系脂肪酸を含むとき、それらの総量が10質量部以上150質量部以下となる。
有機半導体材料は特に限定されず、p型有機半導体材料でもn型有機半導体材料でもよい。例えば、オリゴフェニレンビニレン、4,4’−ビス(スチリル)ビフェニル等のスチリル構造を含む化合物、ペンタセン等のアセン、ポリチオフェンやオリゴチオフェン、チオフェン・フェニレンコオリゴマー等のチオフェン系材料、フタロシアニン、フラーレン、ペリレンテトラカルボキシリックジイミド等のペリレン系材料、テトラフェニルピレン等のピレン系材料等が挙げられ、これらの化合物はさらに置換基を有してもよい。
有機半導体材料は好ましくは下記式(1)で表される化合物である。式(1)の化合物は、塗布性や得られる有機薄膜トランジスタの性能等が好ましい。
Figure 2011065015
式中、Arは、下記式(2)で表される置換基である。Arは、置換基を有してもよい炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、又は置換基を有してもよい炭素数1〜60の芳香族複素環基である。Arは、下記式(3)で表される置換基である。nは、1〜20の整数である。
Figure 2011065015
式中、R〜R10は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のハロアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルチオ基、炭素数1〜30のハロアルキルチオ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜30のジアルキルアミノ基(2つのアルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のハロアルキルスルホニル基、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、炭素数1〜60の芳香族複素環基、炭素数1〜30のアルキルシリル基又はシアノ基であり、これらの基は置換基をさらに有していてもよい。
〜R及びR〜R10は、隣接する2つの基が互いに結合して、飽和又は不飽和の環状構造を形成してもよい。
〜R10が示す各基の具体例を説明する。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素原子が挙げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基等が挙げられる。
ハロアルキル基としては、例えば、クロロメチル基、1−クロロエチル基、2−クロロエチル基、2−クロロイソブチル基、1,2−ジクロロエチル基、1,3−ジクロロイソプロピル基、2,3−ジクロロ−t−ブチル基、1,2,3−トリクロロプロピル基、ブロモメチル基、1−ブロモエチル基、2−ブロモエチル基、2−ブロモイソブチル基、1,2−ジブロモエチル基、1,3−ジブロモイソプロピル基、2,3−ジブロモ−t−ブチル基、1,2,3−トリブロモプロピル基、ヨードメチル基、1−ヨードエチル基、2−ヨードエチル基、2−ヨードイソブチル基、1,2−ジヨードエチル基、1,3−ジヨードイソプロピル基、2,3−ジヨード−t−ブチル基、1,2,3−トリヨードプロピル基、フルオロメチル基、1−フルオロメチル基,2−フルオロメチル基、2−フルオロイソブチル基、1,2−ジフロロエチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロイソプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロシクロヘキシル基等が挙げられる。
アルコキシ基は、−OXで表される基であり、Xの例としては、アルキル基で説明したものと同様の例が挙げられ、ハロアルコキシ基は、−OXで表される基であり、Xの例としては、ハロアルキル基で説明したものと同様の例が挙げられる。
アルキルチオ基は、−SXで表される基であり、Xの例としては、アルキル基で説明したものと同様の例が挙げられ、ハロアルコキシチオ基は、−SXで表される基であり、Xの例としては、ハロアルキル基で説明したものと同様の例が挙げられる。
アルキルアミノ基は、−NHXで表される基であり、ジアルキルアミノ基は−NXで表される基であり、X及びXは、それぞれアルキル基で説明したものと同様の例が挙げられる。尚、ジアルキルアミノ基のアルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよく、環構造としては、例えば、ピロリジン、ピペリジン等が挙げられる。
アルキルスルホニル基は、−SOで表される基であり、Xの例としては、アルキル基で説明したものと同様の例が挙げられ、ハロアルキルスルホニル基は、−SOで表される基であり、Xの例としては、ハロアルキル基で説明したものと同様の例が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオレニル基、ペリレニル基、テトラセニル基、ペンタセニル基等が挙げられる。
芳香族複素環基としては、例えば、ジチエノフェニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、キノリニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾチアジアゾニル基等が挙げられる。
アルキルシリル基としては、−SiXで表される基であり、X、X及びXは、それぞれアルキル基で説明したものと同様の例が挙げられる。
飽和環状構造としては、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、1,4−ジオキサニル基等が挙げられる。
不飽和環状構造としては、芳香族炭化水素基で説明したものと同様の例が挙げられる。
上記したR〜R及びR〜R10の基に付加する置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−ヘキシル基等の炭素数1〜8のアルキル基が挙げられる。
式(1)のArは、置換基を有してもよい炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、又は置換基を有してもよい炭素数1〜60の芳香族複素環基であるが、好ましくは置換基を有してもよい炭素数6〜60の芳香族炭化水素基である。好ましい芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、テトラセン、クリセン又はペンタセンに対応する2価の残基を挙げることができる。
一方、炭素数1〜60の芳香族複素環基としては、炭素数6〜60(好ましくは炭素数8〜60)の縮合多環式芳香族複素環基が好ましく(縮合多環式芳香族複素環基はベンゼン環又はナフタレン環を含む構造であると好ましく、ベンゼン環を含む構造であるとより好ましい)、ピロール、ピリジン、ピリミジン、イミダゾール、チアゾール、ジチエノベンゼン、ベンゾチアジアゾール、キノリン、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ベンゾフラン又はジベンゾフラン等の2価の残基が挙げられる。
Arに付加する置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−ヘキシル基等の炭素数1〜8のアルキル基やフッ素原子等のハロゲン原子が挙げられる。
式(1)のnは1〜20の整数であり、好ましくは1〜5の整数である。nが1〜20の場合、基板に対して有効に配置するため移動度の向上に寄与する。
式(2)、(3)において、好ましくはR、R、R〜R、R及びR10が全て水素原子であり、R及びRの少なくとも一方がハロゲン原子、炭素数1〜30、好ましくは炭素数4〜16のアルキル基、炭素数1〜30、好ましくは炭素数4〜16のハロアルキル基、炭素数1〜30、好ましくは炭素数4〜16のハロアルコキシ基、炭素数1〜30、好ましくは炭素数4〜16のアルキルアミノ基、又は炭素数2〜30、好ましくは炭素数4〜30のジアルキルアミノ基(アルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)であり、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、ハロアルコキシ基、アルキルアミノ基、又はジアルキルアミノ基でない場合には水素原子である。この場合、化合物がより緻密な配向構造をとることとなり好ましい。
式(1)で表される化合物は、好ましくは下記の式(4)で表される。
Figure 2011065015
〜R14は、それぞれ式(1)におけるR〜R10と同様の基を示し、同様の具体例が挙げられる。R〜R、R〜R10、R11〜R12、R13〜R14は隣接するもの同士で飽和又は不飽和の環状構造を形成していてもよく、環状構造の具体例としては上記と同様のものが挙げられる。nは式(1)と同様である。
式(4)のR11〜R14は、好ましくはそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のハロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基、炭素数1〜8のアルキルアミノ基、炭素数2〜8のジアルキルアミノ基(2つのアルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)、炭素数1〜8のアルキルスルホニル基又はシアノ基である。
より好ましくは式(4)のR、R、R、R、R、R及びR〜R14の全てが水素原子であり、R及びRの少なくとも一方が、ハロゲン原子、炭素数1〜30、好ましくは炭素数4〜16のアルキル基、炭素数1〜30、好ましくは炭素数4〜16のハロアルキル基、炭素数1〜30、好ましくは炭素数4〜16のハロアルコキシ基、炭素数1〜30、好ましくは炭素数4〜16のアルキルアミノ基、又は炭素数2〜30、好ましくは炭素数4〜30のジアルキルアミノ基(2つのアルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)であり、これらでないR又はRが水素原子である。
及びRはより好ましくは炭素数4〜16のアルキル基(好ましくは鎖状)である。
また、式(4)において、R1〜R14のいずれかが、フッ素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、又はペンタフルオロエチル基であると好ましい。
式(1)で表される化合物は、より好ましくは下記式(5)で表される。
Figure 2011065015
式中、R〜R10は、前記式(1)と同様である。R15〜R22は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のハロアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルチオ基、炭素数1〜30のハロアルキルチオ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜30のジアルキルアミノ基(2つのアルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のハロアルキルスルホニル基、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、炭素数1〜60の芳香族複素環基、炭素数1〜30のアルキルシリル基又はシアノ基であり、これらの基は置換基をさらに有していてもよい。これらの基に付加する置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−ヘキシル基等の炭素数1〜8のアルキル基が挙げられる。
15〜R22としては式(1)のR〜R10と同様の具体例が挙げられる。R15、R16、R21、R22及びR17〜R20は隣接するもの同士で飽和又は不飽和の環状構造を形成していてもよく、環状構造の具体例としては上記と同様のものが挙げられる。
また、式(1)、(4)及び(5)で説明した各基が有していてもよい置換基としては式(1)のR〜R10と同様の基が挙げられる。
式(5)のR15〜R22は、好ましくはそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルチオ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜30のジアルキルアミノ基(2つのアルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基又はシアノ基である。
より好ましくは式(5)のR、R、R、R、R、R、R、R10及びR15〜R22の全てが水素原子であり、R及びRの少なくとも一方が、ハロゲン原子、炭素数1〜30、好ましくは炭素数4〜16のアルキル基、炭素数1〜30、好ましくは炭素数4〜16のハロアルキル基、炭素数1〜30、好ましくは炭素数4〜16のハロアルコキシ基、又は炭素数2〜30、好ましくは炭素数4〜30のジアルキルアミノ基(2つのアルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)であり、これらでないR又はRが水素原子である。R及びRはより好ましくは炭素数4〜16のアルキル基、好ましくは鎖状アルキル基である。
及びRの少なくとも一方が、炭素数4〜16のアルキル基、炭素数4〜16のハロアルキル基、炭素数4〜16のハロアルコキシ基又は炭素数4〜30のジアルキルアミノ基の場合、溶解性が改善されるため、塗布膜の製造上都合が良い。
また、式(5)において、R〜R10のいずれかが、ハロゲン原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、又はペンタフルオロエチル基であると好ましい。
以下、本発明の組成物に用いる有機半導体材料の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2011065015
Figure 2011065015
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Figure 2011065015
Figure 2011065015
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Figure 2011065015
Figure 2011065015
Figure 2011065015
式(1)の化合物は、国際公開第2008/044695号パンフレットに記載の方法で製造できる。
本発明の組成物に用いる溶剤は特に限定されないが、好ましくは有機半導体材料を溶解する有機系溶媒で、極性のない溶媒であり、例えばキシレン、トルエン、ベンゼン、テトラリン、インダン等の芳香族炭化水素、1,2,4−トリクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素、シクロヘキサン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等のケトン類、ジメチルスルホキシド(DMSO)等のスルホキシド類、シクロヘキサノン、アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル類、γ−ブチルラクトン等の環状エステル類等が挙げられる。
溶剤は有機半導体材料の溶解性や有機薄膜トランジスタの性能に悪影響を与えにくい点で、芳香族ハロゲン化炭化水素やハロゲン化炭化水素が好ましい。
また好ましくは、膜形成の際、溶媒を非イオン系脂肪酸より先に蒸発させるため、溶媒と非イオン系脂肪酸が共沸しないようにする。例えば、沸点が非イオン系脂肪酸の沸点より10℃以上低い溶媒を用いる。
溶剤の使用量は、好ましくは有機半導体材料1質量部に対して9質量部以上999質量部以下(溶液濃度0.1重量%〜10重量%)である。この範囲内であると均一な薄膜が得られる。
本発明の組成物に用いる非イオン系脂肪酸とは、イオンとなるカチオン、アニオン部位を持たない電気的に中性である脂肪酸である。
非イオン系脂肪酸を用いることで塩の形成を抑制でき、また、イオン性の不純物により生じるヒステリシス等の動作上の問題を防ぐことができる。
非イオン系脂肪酸としては、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、α−リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、リノール酸、γ−リノレン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、アラキドン酸、オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、ネルボン酸、10−ウンデシレン酸等が挙げられる。好ましい非イオン系脂肪酸は後記する融点範囲にあるものであり、特に好ましくは10−ウンデシレン酸、カプリル酸である。
通常用いられる塗布プロセスの工程における塗布溶液温度を鑑み、非イオン系脂肪酸の融点は好ましくは50℃以下、より好ましくは25℃以下である。例えば下限は−30℃である。
非イオン系脂肪酸の含有量は有機半導体材料100質量部に対して10質量部以上150質量部以下であり、好ましくは25質量部以上100質量部以下である。特に好ましくは製造安定性の観点から60質量部以上100質量部以下である。これらの範囲であると高い移動度が安定して得られる。
本発明の組成物は、好ましくは実質的に上記の成分からなり、他に、移動度等に悪影響を与えない範囲で、有機半導体材料及び非イオン系脂肪酸の合成上含有される不純物を含むことができる。本発明の組成物は、溶媒を除いて、例えば90重量%以上が有機半導体材料及び非イオン系脂肪酸からなる。
次に本発明の有機薄膜トランジスタを説明する。
(基本素子構成)
次に、本発明の有機薄膜トランジスタの素子構成について説明する。
本発明の有機薄膜トランジスタの有機半導体膜は有機半導体材料と非イオン系脂肪酸を含み、非イオン系脂肪酸は有機半導体材料100質量部に対して10質量部以上150質量部以下である。
また、本発明の有機薄膜トランジスタは、上記の組成物を用いて製造した有機半導体膜を含む。有機半導体層は好ましくは塗布プロセスにより製造する。
有機薄膜トランジスタの構造は、特に限定されず、有機半導体層以外の構成は公知の素子の構成であってもよい。例えば、少なくとも基板上にゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の3端子、絶縁体層並びに有機半導体層が設けられ、ソース−ドレイン間電流をゲート電極に電圧を印加することによって制御する。
有機薄膜トランジスタの素子構成の具体例を、図を用いて説明する。
図1〜図4は、本発明の有機薄膜トランジスタの素子構成の一例を示す図である。
図1の有機薄膜トランジスタ1は、基板10上に、相互に所定の間隔をあけて対向するように形成されたソース電極20及びドレイン電極30を有する。そして、ソース電極20、ドレイン電極30及びそれらの間の間隙を覆うように有機半導体層40が形成され、さらに、絶縁体層50が積層されている。絶縁体層50の上部であって、かつソース電極20及びドレイン電極30の間の間隙上にゲート電極60が形成されている。
図2の有機薄膜トランジスタ2は、基板10上に、ゲート電極60及び絶縁体層50をこの順に有し、絶縁体層50上に、所定の間隔をあけて形成された一対のソース電極20及びドレイン電極30を有し、その上に有機半導体層40が形成される。有機半導体層40がチャネル領域を成しており、ゲート電極60に印加される電圧でソース電極20とドレイン電極30の間に流れる電流が制御されることによってオン/オフ動作する。
図3の有機薄膜トランジスタ3は、基板10上に、ゲート電極60、絶縁体層50及び有機半導体層40をこの順に有し、有機半導体層40上に、所定の間隔をあけて形成された一対のソース電極20及びドレイン電極30を有する。
図4の有機薄膜トランジスタ4は、基板10上に有機半導体層40を有し、有機半導体層40上に、所定の間隔をあけて形成された一対のソース電極20及びドレイン電極30を有する。そして、さらに絶縁体層50及びゲート電極60をこの順に有している。
これらの有機薄膜トランジスタは、電界効果トランジスタ構造を有している。上述したとおり、電極の位置、層の積層順等によりいくつかの構成がある。有機薄膜トランジスタは、有機半導体層と、相互に所定の間隔をあけて対向するように形成されたソース電極及びドレイン電極と、ソース電極、ドレイン電極からそれぞれ所定の距離をあけて形成されたゲート電極とを有し、ゲート電極に電圧を印加することによってソース−ドレイン電極間に流れる電流を制御する。ここで、ソース電極とドレイン電極の間隔は用途によって決定され、通常は0.1μm〜1mm、好ましくは1μm〜100μm、さらに好ましくは5μm〜100μmである。
上記の素子構成にも、有機薄膜トランジスタとして種々の構成が提案されている。例えば、産業技術総合研究所の吉田らにより第49回応用物理学関係連合講演会講演予稿集27a−M−3(2002年3月)において提案されたトップアンドボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタ(図5参照)や、千葉大学の工藤らにより電気学会論文誌118−A(1998)1440頁において提案された縦形の有機薄膜トランジスタ(図6参照)のような素子構成を有するものであってもよい。
図7は、ゲート電極としての機能を備えた基板12とリード線接続用電極70を備えた有機薄膜トランジスタである。図7の有機薄膜トランジスタは、Au層72の上にCr層74が積層されたリード線接続用電極70の上に、ゲート電極として機能する基板12を備える。その上に絶縁体層52と有機半導体層40を有し、有機半導体層40上に、所定の間隔をあけて形成された一対のソース電極22及びドレイン電極32を有する。
以下、有機薄膜トランジスタの構成部材について説明する。
(有機半導体層)
有機半導体層は上記の組成物を用いて形成される。有機半導体層の膜厚は、特に制限されることはないが、通常、0.5nm〜1μmであり、2nm〜250nmであると、好ましい。
また、有機半導体層はディッピング法、スピンコーティング法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法、インクジェット法等の塗布法で形成できる。
(基板)
基板は、有機薄膜トランジスタの構造を支持する役目を担うものであり、材料としてはガラスの他、金属酸化物や窒化物等の無機化合物、プラスチックフィルム(PET,PES,PC)や金属基板又はこれら複合体や積層体等も用いることが可能である。また、基板以外の構成要素により有機薄膜トランジスタの構造を十分に支持し得る場合には、基板を使用しないことも可能である。また、基板の材料としてはシリコン(Si)ウエハが用いられることが多い。この場合、Si自体をゲート電極兼基板として用いることができる。また、Siの表面を酸化し、SiOを形成して絶縁層として活用することも可能である。この場合、図7に示すように、基板兼ゲート電極のSi基板にリード線接続用の電極として、Au等の金属層を成膜することもある。
(電極)
ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の材料としては、導電性材料であれば特に限定されず、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、酸化スズ・アンチモン、酸化インジウム・スズ(ITO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、亜鉛、炭素、グラファイト、グラッシーカーボン、銀ペースト及びカーボンペースト、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、マンガン、ジルコニウム、ガリウム、ニオブ、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム混合物、リチウム/アルミニウム混合物等が用いられる。
電極の形成方法としては、例えば、蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、大気圧プラズマ法、イオンプレーティング、化学気相蒸着、電着、無電解メッキ、スピンコーティング、印刷又はインクジェット等の手段が挙げられる。また、必要に応じてパターニングする方法としては、上記の方法を用いて形成した導電性薄膜を、公知のフォトリソグラフ法やリフトオフ法を用いて電極形成する方法、アルミニウムや銅等の金属箔上に熱転写、インクジェット等により、レジストを形成しエッチングする方法等がある。
このようにして形成された電極の膜厚は電流の導通さえあれば特に制限はないが、好ましくは0.2nm〜10μm、さらに好ましくは4nm〜300nmの範囲である。この好ましい範囲内であれば、膜厚が薄いことにより抵抗が高くなり電圧降下を生じることがない。また、厚すぎないため膜形成に時間がかからず、保護層や有機半導体層等他の層を積層する場合に、段差が生じることが無く積層膜が円滑にできる。
他のソース電極、ドレイン電極、ゲート電極及びその形成方法としては、上記の導電性材料を含む、溶液、ペースト、インク、分散液等の流動性電極材料を用いて形成したものが挙げられる。この場合、導電性ポリマー、又は白金、金、銀、銅を含有する金属微粒子を含む流動性電極材料を用いることが好ましい。金属微粒子を含有する分散物としては、例えば、公知の導電性ペースト等を用いればよい。
金属微粒子の材料としては、例えば、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、亜鉛等を用いることができる。
これらの金属微粒子分散物を用いて直接インクジェット法によりパターニングしてもよく、塗工膜からリソグラフやレーザーアブレーション等により形成してもよい。また凸版、凹版、平版、スクリーン印刷等の印刷法でパターニングする方法も用いることができる。前記電極を成形し、溶媒を乾燥させた後、必要に応じて100℃〜300℃、好ましくは150℃〜200℃の範囲で形状様に加熱することにより、金属微粒子を熱融着させ、目的の形状を有する電極パターンを形成できる。
さらに、別のゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の材料として、ドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマーを用いることも好ましく、例えば、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン(ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体等)等が好適に用いられる。これらの材料によりソース電極とドレイン電極の有機半導体層との接触抵抗を低減することができる。これらの形成方法もインクジェット法によりパターニングしてもよく、塗工膜からリソグラフやレーザーアブレーション等により形成してもよい。また凸版、凹版、平版、スクリーン印刷等の印刷法でパターニングする方法も用いることができる。
特にソース電極及びドレイン電極を形成する材料は、前述した例の中でも有機半導体層との接触面において電気抵抗が少ないものが好ましい。この際の電気抵抗は、即ち電流制御デバイスを作製したとき電界効果移動度と対応しており、大きな移動度を得るためにはできるだけ抵抗が小さいことが好ましい。これは一般に電極材料の仕事関数と有機半導体層のエネルギー準位との大小関係で決まる。
電極材料の仕事関数(W)をa、有機半導体層のイオン化ポテンシャルを(Ip)をb、有機半導体層の電子親和力(Af)をcとすると、以下の関係式を満たすことが好ましい。ここで、a、b及びcはいずれも真空準位を基準とする正の値である。
p型有機薄膜トランジスタの場合には、b−a<1.5eV(式(I))であることが好ましく、さらに好ましくはb−a<1.0eVである。有機半導体層との関係において上記関係が維持できれば高性能なデバイスを得ることができるが、特に電極材料の仕事関数はできるだけ大きいことものを選ぶことが好ましく、仕事関数4.0eV以上であることが好ましく、さらに好ましくは仕事関数4.2eV以上である。
金属の仕事関数の値は、例えば化学便覧 基礎編II−493頁(改訂3版 日本化学会編 丸善株式会社発行1983年)に記載されている4.0eV又はそれ以上の仕事関数をもつ有効金属の前記リストから選別すればよく、高仕事関数金属は、主としてAg(4.26,4.52,4.64,4.74eV),Al(4.06,4.24,4.41eV),Au(5.1,5.37,5.47eV),Be(4.98eV),Bi(4.34eV),Cd(4.08eV),Co(5.0eV),Cu(4.65eV),Fe(4.5,4.67,4.81eV),Ga(4.3eV),Hg(4.4eV),Ir(5.42,5.76eV),Mn(4.1eV),Mo(4.53,4.55,4.95eV),Nb(4.02,4.36,4.87eV),Ni(5.04,5.22,5.35eV),Os(5.93eV),Pb(4.25eV),Pt(5.64eV),Pd(5.55eV),Re(4.72eV),Ru(4.71eV),Sb(4.55,4.7eV),Sn(4.42eV),Ta(4.0,4.15,4.8eV),Ti(4.33eV),V(4.3eV),W(4.47,4.63,5.25eV),Zr(4.05eV)等である。
この中でも、貴金属(Ag,Au,Cu,Pt),Ni,Co,Os,Fe,Ga,Ir,Mn,Mo,Pd,Re,Ru,V,Wが好ましい。金属以外では、ITO、ポリアニリンやPEDOT:PSSのような導電性ポリマー及び炭素が好ましい。電極材料としてはこれらの高仕事関数の物質を1種又は複数含んでいても、仕事関数が前記式(I)を満たせば特に制限を受けるものではない。
n型有機薄膜トランジスタの場合にはa−c<1.5eV(式(II))であることが好ましく,さらに好ましくはa−c<1.0eVである。有機半導体層との関係において上記関係が維持できれば高性能なデバイスを得ることができるが、特に電極材料の仕事関数はできるだけ小さいものを選ぶことが好ましく、仕事関数4.3eV以下であることが好ましく、さらに好ましくは仕事関数3.7eV以下である。
低仕事関数金属の具体例としては、例えば化学便覧 基礎編II−493頁(改訂3版 日本化学会編 丸善株式会社発行1983年)に記載されている4.3eV又はそれ以下の仕事関数をもつ有効金属の前記リストから選別すればよく、Ag(4.26eV),Al(4.06,4.28eV),Ba(2.52eV),Ca(2.9eV),Ce(2.9eV),Cs(1.95eV),Er(2.97eV),Eu(2.5eV),Gd(3.1eV),Hf(3.9eV),In(4.09eV),K(2.28),La(3.5eV),Li(2.93eV),Mg(3.66eV),Na(2.36eV),Nd(3.2eV),Rb(4.25eV),Sc(3.5eV),Sm(2.7eV),Ta(4.0,4.15eV),Y(3.1eV),Yb(2.6eV),Zn(3.63eV)等が挙げられる。これらの中でも、Ba,Ca,Cs,Er,Eu,Gd,Hf,K,La,Li,Mg,Na,Nd,Rb,Y,Yb,Znが好ましい。
電極材料としてはこれらの低仕事関数の物質を1種又は複数含んでいても、仕事関数が前記式(II)を満たせば特に制限を受けるものではない。ただし、低仕事関数金属は、大気中の水分や酸素に触れると容易に劣化してしまうので、必要に応じてAgやAuのような空気中で安定な金属で被覆することが望ましい。被覆に必要な膜厚は10nm以上必要であり、膜厚が熱くなるほど酸素や水から保護することができるが、実用上、生産性を上げる等の理由から1μm以下にすることが望ましい。
有機薄膜トランジスタでは、例えば、電荷の注入効率を向上させる目的で、有機半導体層とソース電極及びドレイン電極との間に、バッファ層を設けてもよい。バッファ層としてはn型有機薄膜トランジスタに対しては有機ELの陰極に用いられるLiF、LiO、CsF、NaCO、KCl、MgF、CaCO等のアルカリ金属、アルカリ土類金属イオン結合を持つ化合物が望ましい。また、Alq等有機EL素子で電子注入層、電子輸送層として用いられる化合物を挿入してもよい。
p型有機薄膜トランジスタに対してはFeCl、TCNQ、F−TCNQ、HAT等のシアノ化合物、CFxやGeO、SiO、MoO、V、VO、V、MnO、Mn、ZrO、WO、TiO、In、ZnO、NiO、HfO、Ta、ReO、PbO等のアルカリ金属、アルカリ土類金属以外の金属酸化物、ZnS、ZnSe等の無機化合物が望ましい。これらの酸化物は多くの場合、酸素欠損を起こし、これが正孔注入に好適である。さらにはTPDやNPD等のアミン系化合物やCuPc等有機EL素子において正孔注入層、正孔輸送層として用いられる化合物でもよい。また、上記の化合物二種類以上からなるものが望ましい。
(絶縁体層)
絶縁体層の材料としては、電気絶縁性を有し薄膜として形成できるものであるのなら特に限定されず、金属酸化物(珪素の酸化物を含む)、金属窒化物(珪素の窒化物を含む)、高分子材料、有機低分子化合物材料等室温での電気抵抗率が10Ωcm以上の材料を用いることができる。比誘電率が高い材料を必要とする場合には、無機酸化物薄膜が好ましい。
無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、ランタン酸化物、フッ素酸化物、マグネシウム酸化物、ビスマス酸化物、チタン酸ビスマス、ニオブ酸化物,チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、五酸化タンタル、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウム及びこれらを組合せたもの等が挙げられ、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンが好ましい。
また、窒化ケイ素(Si、SixNy(x、y>0))、窒化アルミニウム等の無機窒化物も好適に用いることができる。
さらに、絶縁体層は、アルコキシド金属を含む前駆物質で形成されていてもよく、この前駆物質の溶液を、例えば基板に被覆し、これを熱処理を含む化学溶液処理をすることにより絶縁体層が形成される。
前記アルコキシド金属における金属としては、例えば、遷移金属、ランタノイド、又は主族元素から選択され、具体的には、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、チタン(Ti)、ビスマス(Bi)、タンタル(Ta)、ジルコン(Zr)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、鉛(Pb)、ランタン(La)、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、フランシウム(Fr)ベリリウム(Be)マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ニオブ(Nb)、タリウム(Tl)、水銀(Hg)、銅(Cu)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、スカンジウム(Sc)及びイットリウム(Y)等が挙げられる。また、前記アルコキシド金属におけるアルコキシドとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール等を含むアルコール類、メトキシエタノール、エトキシエタノール、プロポキシエタノール、ブトキシエタノール、ペントキシエタノール、ヘプトキシエタノール、メトキシプロパノール、エトキシプロパノール、プロポキシプロパノール、ブトキシプロパノール、ペントキシプロパノール、ヘプトキシプロパノールを含むアルコキシアルコール類等から誘導されるものが挙げられる。
絶縁体層を上記したような材料で構成すると、絶縁体層中に分極が発生しやすくなり、トランジスタ動作のしきい値電圧を低減することができる。また、上記材料の中でも、特に、Si、SixNy、SiONx(x、y>0)等の窒化ケイ素で絶縁体層を形成すると、空乏層がいっそう発生しやすくなり、トランジスタ動作のしきい値電圧をさらに低減させることができる。
有機化合物を用いた絶縁体層としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬化性樹脂、アクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、ポリパラキシレン誘導体及びシアノエチルプルラン等を用いることもできる。
その他、ワックス、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、ポリビニルクロライド、ポリフッ化ビニリデン、ポリサルホン、ポリイミドシアノエチルプルラン、ポリ(ビニルフェノール)(PVP)、ポリ(メチルメタクレート)(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリアクリルアミド、ポリ(アクリル酸)、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、ポリキシリレン、エポキシ樹脂に加え、プルラン等の高い誘電率を持つ高分子材料を使用することも可能である。
絶縁体層に用いる有機低分子化合物材料、高分子材料として、特に好ましいのは撥水性を有する材料である。撥水性を有することにより絶縁体層と有機半導体層との相互作用を抑え、有機半導体が本来保有している凝集性を利用して有機半導体層の結晶性を高めデバイス性能を向上させることができる。このような例としては、Yasudaら Jpn.J.Appl.Phys.Vol.42(2003)pp.6614−6618に記載のポリパラキシリレン誘導体やJanos Veres ら Chem.Mater.,Vol.16(2004)pp.4543−4555に記載のものが挙げられる。
また、図1及び図4に示すようなトップゲート構造を用いるときに、このような有機化合物を絶縁体層の材料として用いると、有機半導体層に与えるダメージを小さくして成膜することができるため有効な方法である。
前記絶縁体層は、前述したような無機又は有機化合物材料を複数用いた混合層であってもよく、これらの積層構造体であってもよい。この場合、必要に応じて誘電率の高い材料と撥水性を有する材料を混合したり、積層することによりデバイスの性能を制御することもできる。
また、前記絶縁体層は、陽極酸化膜、又は該陽極酸化膜を構成として含んでもよい。陽極酸化膜は封孔処理されることが好ましい。陽極酸化膜は、陽極酸化が可能な金属を公知の方法により陽極酸化することにより形成される。陽極酸化処理可能な金属としては、アルミニウム又はタンタルを挙げることができ、陽極酸化処理の方法には特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。陽極酸化処理を行なうことにより、酸化被膜が形成される。
絶縁体層の厚さとしては、層の厚さが薄いと有機半導体に印加される実効電圧が大きくなるので、デバイス自体の駆動電圧、閾電圧を下げることができるが、逆にソース−ゲート間のリーク電流が大きくなるので、適切な膜厚を選ぶ必要があり、通常10nm〜5μm、好ましくは50nm〜2μm、さらに好ましくは100nm〜1μmである。
また、前記絶縁体層と有機半導体層の間に、任意の配向処理を施してもよい。その好ましい例としては、絶縁体層表面に撥水化処理等を施し絶縁体層と有機半導体層との相互作用を低減させ有機半導体層の結晶性を向上させる方法であり、具体的には、シランカップリング剤、例えば、ヘキサメチルジシラザン、オクタデシルトリクロロシラン、トリクロロメチルシラザンや、アルカン燐酸、アルカンスルホン酸、アルカンカルボン酸等の自己組織化配向膜材料を、液相又は気相状態で、絶縁膜表面に接触させ自己組織化膜を形成後、適度に乾燥処理を施す方法が挙げられる。また、液晶の配向に用いられるように、絶縁膜表面にポリイミド等で構成された膜を設置し、その表面をラビング処理する方法も好ましい。
前記絶縁体層の形成方法としては、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、CVD法、スパッタリング法、大気圧プラズマ法等のドライプロセスや、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法等の塗布による方法、印刷やインクジェット等のパターニングによる方法等のウェットプロセスが挙げられ、材料に応じて使用できる。ウェットプロセスは、無機酸化物の微粒子を、任意の有機溶剤又は水に必要に応じて界面活性剤等の分散補助剤を用いて分散した液を塗布、乾燥する方法や、酸化物前駆体、例えば、アルコキシド体の溶液を塗布、乾燥する、いわゆるゾルゲル法が用いられる。
(有機薄膜トランジスタの形成方法)
有機薄膜トランジスタの形成方法としては、特に限定されず公知の方法によればよいが、所望の素子構成に従い、基板投入、ゲート電極形成、絶縁体層形成、有機半導体層形成、ソース電極形成、ドレイン電極形成までの一連の素子作製工程を全く大気に触れることなく形成すると、大気との接触による大気中の水分や酸素等による素子性能の阻害を防止できるため好ましい。やむをえず、一度大気に触れさせなければならないときは、有機半導体層成膜以後の工程は大気に全く触れさせない工程とし、有機半導体層成膜直前には、有機半導体層を積層する面(例えば、絶縁層に一部ソース電極、ドレイン電極が積層された表面)を紫外線照射、紫外線/オゾン照射、酸素プラズマ、アルゴンプラズマ等で清浄化・活性化した後、有機半導体層を積層することが好ましい。また、p型TFT材料の中には一旦大気にふれさせ、酸素等を吸着させることにより性能が向上するものもあるので、材料によっては適宜大気にふれさせる。
さらに、例えば、大気中に含まれる酸素、水等の有機半導体層に対する影響を考慮し、有機トランジスタ素子の外周面の全面又は一部に、ガスバリア層を形成してもよい。ガスバリア層を形成する材料としては、この分野で常用されるものを使用でき、例えば、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリクロロトリフロロエチレン等が挙げられる。さらに、前記絶縁体層で例示した、絶縁性を有する無機物も使用できる。
(有機薄膜発光トランジスタ)
ソース電極−ドレイン電極間を流れる電流を利用して発光し、ゲート電極に電圧を印加することによって発光を制御する有機薄膜発光トランジスタを提供することができる。即ち、有機薄膜トランジスタを発光素子(有機EL)として用いることができる。発光を制御するためのトランジスタと発光素子を統合できるため、ディスプレイの開口率向上や作製プロセスの簡易化によるコストダウンが可能となり実用上の大きなメリットを与える。有機発光トランジスタとして用いるときは、ソース電極、ドレイン電極の一方から正孔、もう一方から電子を注入する必要あり、発光性能を向上させるため以下の条件を満たすことが好ましい。
有機薄膜発光トランジスタにおいて、正孔の注入性を向上させるため、ソース電極及びドレイン電極の少なくとも一方は正孔注入性電極であることが好ましい。正孔注入電極とは上記仕事関数4.2eV以上の物質を含む電極である。
また、電子の注入性を向上させるため、ソース電極及びドレイン電極の少なくとも一方は電子注入性電極であることが好ましい。電子注入性電極とは上記仕事関数4.3eV以下の物質を含む電極である。
さらに好ましくは一方が正孔注入性であり、かつ、もう一方が電子注入性である電極を備える有機薄膜発光トランジスタである。
また、正孔の注入性を向上させるため、ソース電極及びドレイン電極の少なくとも一方の電極と有機半導体層の間に正孔注入層を挿入することが好ましい。正孔注入層には有機EL素子において、正孔注入材料、正孔輸送材料として用いられるアミン系材料が挙げられる。
また、電子の注入性を向上させるため、ソース電極及びドレイン電極の少なくとも一方電極と有機半導体層の間に電子注入性層を挿入すること好ましい。正孔と同じく電子注入層には有機EL素子に用いられる電子注入材料を用いることができる
さらに好ましくは一方の電極に正孔注入層を備え、かつ、もう一方の電極に電子注入層を備える有機薄膜発光トランジスタである。
実施例1
(有機半導体層形成用組成物の調製)
以下の有機半導体材料(175)をクロロホルム(沸点:61℃)に0.5質量部溶解させた後、10−ウンデシレン酸(融点:25℃、沸点:275℃)を有機半導体材料100質量部に対し10,25,50,60,80,100,150質量部添加した異なる7種類の組成物溶液を作製した。
Figure 2011065015
(有機薄膜トランジスタの製造)
まず、ガラス基板を、中性洗剤、純水、アセトン及びエタノールで各30分超音波洗浄した後、スパッタ法にて金(Au)を40nm成膜してゲート電極を作製した。次いで、この基板を熱CVD装置の成膜部にセットした。一方、原料の蒸発部には、絶縁体層の原料のポリパラキシレン誘導体(ポリパラ塩化キシレン(Parylene))(商品名:diX−C、第三化成社製)250mgをシャーレに入れて設置した。熱CVD装置を真空ポンプで5Paまで減圧した後、蒸発部を180℃、重合部を680℃まで加熱して2時間放置しゲート電極上に厚さ1μmの絶縁体層を形成した。
上記で作製した組成物溶液を用い、絶縁体層まで成膜した基板の上にスピンコーター(ミカサ社製:1H−D7)で成膜し、窒素雰囲気下80℃にて乾燥させ有機半導体層として成膜した。次いで、真空蒸着装置で金属マスクを通して金を50nmの膜厚で成膜することにより、互いに接しないソース電極及びドレイン電極を、間隔(チャンネル長)が75μmになるように形成した。このときソース電極とドレイン電極の幅(チャンネル幅)は5mmとなるように成膜して有機薄膜トランジスタを作製した。
得られた有機薄膜トランジスタのゲート電極に−40Vのゲート電圧を印加し、ソース−ドレイン間に電圧を印加して電流を流した。この場合、電子が有機半導体層のチャンネル領域(ソース−ドレイン間)に誘起され、p型トランジスタとして動作した。電流飽和領域での正孔の電界効果移動度μを下記式(A)より算出した。結果を表1に示す。
=(W/2L)・Cμ・(V−V (A)
式中、Iはソース−ドレイン間電流、Wはチャンネル幅、Lはチャンネル長、Cはゲート絶縁体層の単位面積あたりの電気容量、Vはゲート閾値電圧、Vはゲート電圧である。
尚、液体クロマトグラフィー分析により、形成された有機半導体膜には、有機半導体材料と10−ウンデシレン酸が、形成に用いた組成物溶液中での比率と同等の比率で存在することが確認された。
比較例1
10−ウンデシレン酸の添加量を有機半導体材料100質量部に対して0,5,200質量部とした他は実施例1と同様にして、異なる3種類の溶液を作製し、有機薄膜トランジスタを作製し、正孔の電界効果移動度μを算出した。結果を表1に示す。
また、形成された有機半導体膜を、実施例1と同様に液体クロマトグラフィー分析した。有機半導体膜には、有機半導体材料と10−ウンデシレン酸が、形成に用いた組成物溶液中での比率と同等の比率で存在することが確認された。
Figure 2011065015
実施例及び比較例の結果より、ウンデシレン酸の添加量が10質量部〜150質量部の場合に電界効果移動度の向上が確認できた。
また、ウンデシレン酸の混合比率が0,10,50,80,200質量部で形成した膜を偏光顕微鏡で観察した結果、ウンデシレン酸の添加によりピンホールの減少が確認できた。また、移動度の最も向上した80質量部の膜が均一性が最も高いことが分かった。
実施例2
(有機半導体層形成用組成物の調製)
実施例1と同じ有機半導体材料(175)をクロロホルム(沸点:61℃)に0.5質量部溶解させた後、カプリル酸(融点:15℃、沸点:233℃)を有機半導体材料100質量部に対し10,25,50,60,80,100,150質量部添加した異なる7種類の組成物溶液を作製した。この組成物溶液を用いて、実施例1と同様に有機薄膜トランジスタを作製し、正孔の電界効果移動度μを算出した。結果を表2に示す。
また、液クロマトグラフィー分析により有機半導体膜には、用いた組成物溶液と同等な比率の有機半導体材料とカプリル酸が検出された。
比較例2
カプリル酸の添加量を有機半導体材料100質量部に対して0,5,200質量部とした他は実施例2と同様にして、異なる3種類の溶液を作製し、有機薄膜トランジスタを作製し、正孔の電界効果移動度μを算出した。結果を表2に示す。
また、液クロマトグラフィー分析により有機半導体膜には、用いた組成物溶液と同等な比率の有機半導体材料とカプリル酸が検出された。
Figure 2011065015
実施例及び比較例の結果より、カプリル酸の添加量が5質量部〜150質量部の場合に電界効果移動度の向上が確認できた。
また、カプリル酸の混合比率が0,10,50,80,200質量部で形成した膜を偏光顕微鏡で観察した結果、カプリル酸の添加によりピンホールの減少が確認できた。また、移動度の最も向上した60質量部の膜が均一性が最も高いことが分かった。
本発明の組成物は有機薄膜トランジスタの半導体膜に使用できる。本発明の有機薄膜トランジスタは、薄膜ディスプレイに用いる電子デバイス等の表示用電子機器、プラスチックICカードや情報タグ等のウエアラブル電子機器、バイオセンサ等の医療機器や測定装置に用いることができる。
上記に本発明の実施形態及び/又は実施例を幾つか詳細に説明したが、当業者は、本発明の新規な教示及び効果から実質的に離れることなく、これら例示である実施形態及び/又は実施例に多くの変更を加えることが容易である。従って、これらの多くの変更は本発明の範囲に含まれる。
この明細書に記載の文献の内容を全てここに援用する。

Claims (14)

  1. 有機半導体材料、溶媒及び非イオン系脂肪酸からなる組成物であって、前記非イオン系脂肪酸の含有量が前記有機半導体材料100質量部に対して10質量部以上150質量部以下である組成物。
  2. 前記非イオン系脂肪酸の融点が50℃以下である請求項1に記載の組成物。
  3. 前記有機半導体材料が、下記式(1)で表される化合物である請求項1又は2に記載の組成物。
    Figure 2011065015
    (式中、Arは、下記式(2)で表される置換基である。
    Arは、置換基を有してもよい炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、又は置換基を有してもよい炭素数1〜60の芳香族複素環基である。
    Arは、下記式(3)で表される置換基である。
    nは、1〜20の整数である。
    Figure 2011065015
    (式中、R〜R10は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のハロアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルチオ基、炭素数1〜30のハロアルキルチオ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜30のジアルキルアミノ基(2つのアルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のハロアルキルスルホニル基、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、炭素数1〜60の芳香族複素環基、炭素数1〜30のアルキルシリル基又はシアノ基であり、これらの基は置換基をさらに有していてもよい。
    〜R及びR〜R10は、隣接する2つの基が互いに結合して、飽和又は不飽和の環状構造を形成してもよい。)
  4. 前記式(1)のArが、置換基を有してもよい炭素数6〜60の芳香族炭化水素基である請求項3に記載の組成物。
  5. 前記式(1)のArが、置換基を有してもよいベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、テトラセン、クリセン又はペンタセンに対応する2価の残基である請求項3又は4に記載の組成物。
  6. 前記式(1)で表される化合物が、下記の式(4)で表される化合物である請求項3に記載の組成物。
    Figure 2011065015
    (式中、R〜R10及びnは、前記式(1)と同様である。
    11〜R14は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のハロアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルチオ基、炭素数1〜30のハロアルキルチオ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜30のジアルキルアミノ基(2つのアルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のハロアルキルスルホニル基、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、炭素数1〜60の芳香族複素環基、炭素数1〜30のアルキルシリル基又はシアノ基であり、これらの基は置換基をさらに有していてもよい。
    11及びR12並びにR13及びR14は、それぞれ互いに結合して、飽和又は不飽和の環状構造を形成してもよい。)
  7. 前記式(4)のR11〜R14が、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のハロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基、炭素数1〜8のアルキルアミノ基、炭素数2〜8のジアルキルアミノ基(2つのアルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)、炭素数1〜8のアルキルスルホニル基又はシアノ基である請求項6に記載の組成物。
  8. 前記式(4)のR、R、R、R、R、R及びR〜R14の全てが水素原子であり、
    及びRの少なくとも一方が、ハロゲン原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のハロアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、又は炭素数2〜30のジアルキルアミノ基(2つのアルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)であり、これらでないR又はRが水素原子である請求項6又は7に記載の組成物。
  9. 前記式(1)で表される化合物が、下記式(5)で表される化合物である請求項3に記載の組成物。
    Figure 2011065015
    (式中、R〜R10は、前記式(1)と同様である。
    15〜R22は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のハロアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルチオ基、炭素数1〜30のハロアルキルチオ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜30のジアルキルアミノ基(2つのアルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のハロアルキルスルホニル基、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、炭素数1〜60の芳香族複素環基、炭素数1〜30のアルキルシリル基又はシアノ基であり、これらの基は置換基をさらに有していてもよい。)
  10. 前記式(5)のR15〜R22がそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルチオ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜30のジアルキルアミノ基(2つのアルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基又はシアノ基である請求項9に記載の組成物。
  11. 前記式(5)のR、R、R、R、R、R、R、R10及びR15〜R22の全てが水素原子であり、
    及びRの少なくとも一方が、ハロゲン原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のハロアルコキシ基、又は炭素数2〜30のジアルキルアミノ基(2つのアルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)であり、これらでないR又はRが水素原子である請求項9又は10に記載の組成物。
  12. 前記溶媒の沸点が、前記非イオン系脂肪酸の沸点より10℃以上低い請求項1〜11のいずれかに記載の組成物。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の組成物を用いて製造した有機半導体膜を含む有機薄膜トランジスタ。
  14. 有機半導体材料と非イオン系脂肪酸を含み、前記非イオン系脂肪酸が前記有機半導体材料100質量部に対して10質量部以上150質量部以下である有機半導体膜を含む有機薄膜トランジスタ。
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