JPWO2011049237A1 - 減感作療法における治療効果を予測するバイオマーカー - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、現行の減感作療法は皮下注射や舌下法であろうと2年から3年の長期の治療期間が必要となり、治療結果次第では、患者に多大な時間的及び経費的な負担がかかるのが現状である。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
被検者に対する即時型アレルギーの減感作療法の有効性の検出方法であって、前記被検者から採取された被検試料から、下記の遺伝子群から選ばれる少なくとも1つの遺伝子のコピー数多型を検出し、得られたコピー数多型の検出結果を母集団における同遺伝子のコピー数多型のデータと比較することにより、減感作療法の有効性と関連づけることを特徴とする、前記方法。
AGXT2L2、AZGP1、CAV3、CEP72、CUL4A、CXCR7、C12orf60、C16orf48、C19orf34、DNAJB8、FTH1、GEMIN4、GIGYF2、GJC3、HTT、ITCH、MARK2、METT10D、NAV3、NOB1、PAFAH2、PLEKHG4B、PPFIA1、SCARNA11、SDF2L1、SMPD3、SNORA44、SRP14、ST6GALNAC1、SULF2、TMED6、TYRP1、WFDC13、ZNFX1、NCAM2、PCDH17、CHODL、BTG3、DIAPH3、GBA3、IFRD1、KCNT2、THOC7、TMEM168、BST1、C7orf53、CD38、DCUN1D1、FGFBP1、FOXP2、GLRB、GTF2B、HSP90AB2P、MCCC1、MDFIC、ODF2L、PDGFC、SEP15、SH3GLB1、 TDRD3、YEATS2、CCDC127、C14orf180、SIVA1、TNFRSF14、AHNAK2、C14orf79、LOC25845、PLD4、GPR132、LOC389257、BRF1及びADSSL 本発明において、コピー数多型の検出結果と減感作療法の有効性との関連づけは、下記の(a)〜(d)のいずれかの判断基準又はその組み合わせに基づいて行なうことができる。
(a) NAV3、TYRP1、NCAM2、PCDH17、CHODL、BTG3、DIAPH3、GBA3、IFRD1、KCNT2、THOC7、TMEM168、BST1、C7orf53、CD38、DCUN1D1、FGFBP1、FOXP2、GLRB、GTF2B、HSP90AB2P、MCCC1、MDFIC、ODF2L、PDGFC、SEP15、SH3GLB1、TDRD3及びYEATS2からなる群から選ばれる少なくとも1つの遺伝子のコピー数が、母集団における同遺伝子の最も高頻度なコピー数(例えば2)よりも小さいとき、好ましくは1のときは減感作療法が有効である。
(b) AGXT2L2、AZGP1、CAV3、CEP72、CUL4A、CXCR7、C19orf34、DNAJB8、FTH1、GEMIN4、GIGYF2、GJC3、ITCH、HTT、MARK2、METT10D、PAFAH2、PLEKHG4B、PPFIA1、SCARNA11、SDF2L1、SNORA44、ST6GALNAC1、SULF2、WFDC13、ZNFX1、CCDC127、C14orf180、SIVA1、TNFRSF14、AHNAK2、C14orf79、LOC25845、PLD4、GPR132、LOC389257、BRF1及びADSSL1からなる群から選ばれる少なくとも1つの遺伝子のコピー数が、母集団における同遺伝子の最も高頻度なコピー数(例えば2)よりも大きいとき、好ましくは3のときは減感作療法が有効である。
(c) AGXT2L2、 CAV3、CEP72、CUL4A、CXCR7、C16orf48、C19orf34、DNAJB8、FTH1、GEMIN4、GIGYF2、GJC3、HTT、ITCH、MARK2、METT10D、NOB1、PAFAH2、PLEKHG4B、SCARNA11、SDF2L1、SMPD3、SNORA44、SRP14、ST6GALNAC1、SULF2、TMED6、WFDC13、ZNFX1、CCDC127、C14orf180、SIVA1、TNFRSF14、AHNAK2、C14orf79、LOC25845、PLD4、GPR132、LOC389257、BRF1及びADSSL1からなる群から選ばれる少なくとも1つの遺伝子のコピー数が、母集団における同遺伝子の最も高頻度なコピー数(例えば2)よりも小さいとき、好ましくは1のときは減感作療法が無効である。
(d) C12orf60、NAV3、TYRP1、NCAM2、PCDH17、CHODL、BTG3、DIAPH3、GBA3、IFRD1、KCNT2、THOC7、TMEM168、BST1、C7orf53、CD38、FGFBP1、FOXP2、GLRB、GTF2B、HSP90AB2P、MDFIC、ODF2L、PDGFC、SEP15、SH3GLB1及び TDRD3からなる群から選ばれる少なくとも1つの遺伝子のコピー数が、母集団における同遺伝子の最も高頻度なコピー数(例えば2)よりも大きいとき、好ましくは3のときは減感作療法が無効である。
被検者に対する即時型アレルギーの減感作療法の有効性の検出方法であって、前記被検者から採取された被検試料から、下記の遺伝子群から選ばれる少なくとも1つの遺伝子のコピー数多型を検出し、得られたコピー数多型の検出結果を、下記の(e)〜(h)のいずれかの判断基準又はその組み合わせに基づいて減感作療法の有効性と関連づけることを特徴とする、前記方法。
(e) NAV3、TYRP1、NCAM2、PCDH17、CHODL、BTG3、DIAPH3、GBA3、IFRD1、KCNT2、THOC7、TMEM168、BST1、C7orf53、CD38、DCUN1D1、FGFBP1、FOXP2、GLRB、GTF2B、HSP90AB2P、MCCC1、MDFIC、ODF2L、PDGFC、SEP15、SH3GLB1、TDRD3及びYEATS2からなる群から選ばれる少なくとも1つの遺伝子のコピー数が1のときは減感作療法が有効である。
(f) AGXT2L2、AZGP1、CAV3、CEP72、CUL4A、CXCR7、C19orf34、DNAJB8、FTH1、GEMIN4、GIGYF2、GJC3、ITCH、HTT、MARK2、METT10D、PAFAH2、PLEKHG4B、PPFIA1、SCARNA11、SDF2L1 、SNORA44、ST6GALNAC1、SULF2、WFDC13、ZNFX1、CCDC127、C14orf180、SIVA1、TNFRSF14、AHNAK2、C14orf79、LOC25845、PLD4、GPR132、LOC389257、BRF1及びADSSL1からなる群から選ばれる少なくとも1つの遺伝子のコピー数が3のときは減感作療法が有効である。
(g) AGXT2L2、 CAV3、CEP72、CUL4A、CXCR7、C16orf48、C19orf34、DNAJB8、FTH1、GEMIN4、GIGYF2、GJC3、HTT、ITCH、MARK2、METT10D、NOB1、PAFAH2、PLEKHG4B、SCARNA11、SDF2L1、SMPD3、SNORA44、SRP14、ST6GALNAC1、SULF2、TMED6、WFDC13、ZNFX1、CCDC127、C14orf180、SIVA1、TNFRSF14、AHNAK2、C14orf79、LOC25845、PLD4、GPR132、LOC389257、BRF1及びADSSL1からなる群から選ばれる少なくとも1つの遺伝子のコピー数が1のときは減感作療法が無効である。
(h) C12orf60、NAV3、TYRP1、NCAM2、PCDH17、CHODL、BTG3、DIAPH3、GBA3、IFRD1、KCNT2、THOC7、TMEM168、BST1、C7orf53、CD38、FGFBP1、FOXP2、GLRB、GTF2B、HSP90AB2P、MDFIC、ODF2L、PDGFC、SEP15、SH3GLB1及び TDRD3からなる群から選ばれる少なくとも1つの遺伝子のコピー数が3のときは減感作療法が無効である。
本発明において、減感作療法としては、例えば舌下減感作療法が挙げられる。また、即時型アレルギーとしては、例えば花粉症、蕁麻疹、食物アレルギー、ダニアレルギー、アレルギー性鼻炎、気管支喘息及びアトピー性皮膚炎からなる群から選ばれる少なくとも1つが挙げられる。
1.概要
本発明は、被検者(即時型アレルギー患者又は健常人等)由来の被検試料において、遺伝子のコピー数多型を指標として(減感作療法の有効性と関連付けて)、即時型アレルギー患者に対する減感作療法の有効性を検出する方法に関するものである。
本発明者は、スギ花粉症患者に対する舌下減感作療法の治療効果に関する検討を行い、アレルギー症状に対して顕著に治療効果が認められた患者群(治療有効群)と効果が認められなかった患者群(治療無効群)とに分類を行った。
それぞれの患者群について、統合解析と呼ばれる手法を用いて、治療有効群と治療無効群とを含む母集団について治療効果と相関する遺伝子を検出した。統合解析とは、臨床症状データ、血清検査結果、mRNA解析及びコピー数多型解析を全体としてまとめ、これらの項目の全部又は一部を組み合わせて総合的に統計解析処理する方法である。これにより、減感作療法の有効性の検出に使用することが可能な遺伝子、すなわち、減感作療法が有効であるか無効であるかを検出することが可能なコピー数多型を有する所定の遺伝子(後述)を見出すことができる。
コピー数多型(Copy Number Variation: CNV)とは、ある集団のなかで1細胞あたりのコピー数が個人間で異なるゲノムの領域のことをいう。ヒトの細胞には、通常、父方及び母方由来の2個(2コピー)の遺伝子が存在する。しかし、個人によっては1細胞あたり、ある遺伝子が1個(1コピー)しか存在しない場合や、3個(3コピー)以上存在する場合がある。遺伝子におけるこのような個体差をCNVという。例えば、前記母集団に最も高頻度に認められるCNVを「N(Normal)」と定め(CNV=N)、Nよりも数の小さなCNVを「L(Loss)」と定め(CNV=L)、Nよりも数の多きなCNVを「G(Gain)」と定める(CNV=G)。
被験者のサンプルに含まれる遺伝子のCNVを検出し、当該CNVが、前記L、N又はGのいずれに該当するのかによって、当該被験者に対し減感作療法が有効又は無効なのかを治療に先立って判断することができる。
従って、本発明において、所定の遺伝子のコピー数多型を解析することにより、解析結果と減感作療法の有効性とを関連付けて、即時型アレルギー患者に対して減感作療法が有効であるか否かを検査することが可能となった。
減感作療法とは、現在行われているアレルギー治療の中で唯一の根本治療であり、徐々にアレルギー抗原を体内に暴露することによって抗原特異的な免疫応答を不応答にする免疫療法を意味し、現在では舌下減感作療法、皮下減感作療法などが知られている。
舌下減感作療法は、専門医に通院することなく自宅で抗原感作することが可能であり、注射針を体内に侵入させることがないため苦痛を伴わない(患者の負担が少ない)ことが特徴である。舌下減感作療法は、抗原エキスを舌下に滴下することによって抗原感作を行い、約2年間の治療期間において初めの1か月は低濃度から高濃度まで段階的に毎日抗原感作を行い、その後は週2回の抗原感作をすることにより行われる。
また、皮下減感作療法は、注射により抗原を皮下に注入することによりある程度の苦痛を伴い、2年間の治療期間において専門医に少なくとも50回以上の通院が必要であることが特徴である。皮下減感作療法は、舌下減感作療法と同様に抗原感作を約2年間の治療期間において行い、初めの1か月は低濃度から高濃度まで段階的に毎日抗原感作を行い、その後は週2回の抗原感作をすることにより行われる。
本発明においては、いずれの減感作療法に対しても、これらの療法が有効であるかどうかを検出することが可能であるが、WHOが推奨している減感作療法として舌下減感作療法であることが好ましい。
本発明の方法の対象となる被検者、すなわち、即時型アレルギーに罹患した場合の即時型アレルギーの減感作療法の対象となる患者は、即時型(I型)アレルギーを呈する患者であれば特に限定されるものではない。
例えばI型アレルギーは以下の通り分類することができる。
抗原に基づく分類:花粉症、食物アレルギー、ダニアレルギー
病態に基づく分類:蕁麻疹、アレルギー性鼻炎、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、
中でも、花粉症(スギ花粉症、イネ花粉症、ブタクサ花粉症、ヒノキ花粉症等)が好ましい。
また、健常人であっても、将来即時型アレルギーに罹患する可能性がある。したがって、本発明においては、即時型アレルギー患者のほかに健常人も被検者とすることができる。
(1)被検試料
被検試料は、例えば、健常人又は即時型アレルギー患者由来の生体試料を用いることができる。
コピー数多型(CNV)解析に用いる被検試料としては、例えば、上記被検者から採取された血液、鼻粘膜、鼻水、喀痰等を用いることができ、血液又はその成分(血清、血漿等)を用いることが好ましい。これらの生体試料等を採取する方法は、当業者において公知である。
生体試料が血液である場合には、CNVの解析に利用するために、例えば、血液試料から、細胞を抽出し、そのライセートを調製すること、又は当該細胞からRNA(例えばmRNA)若しくはDNAを抽出することが好ましい。ライセートの調製及びDNAの抽出は、公知の方法又は市販のキットを使用して行うことができる。あるいは、血液試料から抽出した細胞は、さらにFluorescence Activated Cell Sorter(FACS)又はMACS(登録商標)等により、ソーティングされていてもよい。抽出する細胞の例としては、免疫細胞が挙げられる。免疫細胞としては、例えばリンパ球、マクロファージ、好中球、好酸球、好塩基球、単球、樹状細胞、形質細胞様樹状細胞(plasmacytoid Dendritic Cell:PDC)等が挙げられ、アレルギーとの関連性が示唆されるCD4T細胞、樹状細胞及び好塩基球が好ましい。さらに、前記試料は、前記細胞から抽出されたメッセンジャーRNA(mRNA)であってもよい。
また、生体試料が液状のものである場合には、例えば、緩衝液等で希釈してDNAの測定などに利用することが好ましい。
CNVの測定は、操作が容易である点でマイクロアレイ法が好ましい。
本発明において、減感作療法の有効性の検出に使用される遺伝子は以下の通りである。
本発明においては、上記遺伝子のうち、少なくとも1つの遺伝子を用いることができる。
なお、遺伝子の塩基配列情報は、上記アクセッション番号から容易に入手することができる。
本発明において、遺伝子のCNV多型解析方法としては、例えばマイクロアレイ法、シーケンス法などの公知の方法が挙げられ、例えば市販のキットを用いることも可能である(例えば「Agilent SurePrint G3 Human CNV マイクロアレイキット 2 x 400 K」(Agilent Technologies社))。
DNAマイクロアレイは、ヌクレオチドプローブの一端が支持体上にアレイ状に固定されたものであり、DNAチップ、Geneチップ、マイクロチップ、ビーズアレイ等を含むものである。DNAチップなどのDNAマイクロアレイアッセイとしてはGeneChipアッセイが挙げられる(Affymetrix社)。GeneChip技術は、チップに貼り付けたオリゴヌクレオチドプローブの小型化高密度マイクロアレイを利用するものである。
シークエンス法とは、コピー数多型を含む領域をPCRにて増幅させ、Dye Terminatorなどを用いてDNA配列をシークエンスすることで、コピー数多型の有無を解析する方法である(Sambrook, Fritsch and Maniatis, ”Molecular Cloning: A Laboratory Manual” 2nd Edition (1989), Cold Spring Harbor Laboratory Press)。
以上のように設計されたオリゴヌクレオチドプライマー又はオリゴヌクレオチドプローブは、公知の手段・方法により化学合成することができるが、一般には、市販の化学合成装置を使用して合成される。
なお、プローブには、予め蛍光標識(例えば、FITC、FAM、VIC、Redmond Dye等)及び蛍光標識に対するクエンチャーを付加して作業の自動化を図ることも可能である。
検出結果と減感作療法の有効性との関連づけは、下記の(a)〜(d)のいずれかの判断基準又はその組み合わせに基づいて行なうことができる。
(a) NAV3、TYRP1、NCAM2、PCDH17、CHODL、BTG3、DIAPH3、GBA3、IFRD1、KCNT2、THOC7、TMEM168、BST1、C7orf53、CD38、DCUN1D1、FGFBP1、FOXP2、GLRB、GTF2B、HSP90AB2P、MCCC1、MDFIC、ODF2L、PDGFC、SEP15、SH3GLB1、 TDRD3及びYEATS2からなる群から選ばれる少なくとも1つの遺伝子のコピー数が、母集団における同遺伝子の最も高頻度なコピー数(例えば2)よりも小さいとき、好ましくは1のときは減感作療法が有効である。
(b) AGXT2L2、AZGP1、CAV3、CEP72、CUL4A、CXCR7、C19orf34、DNAJB8、FTH1、GEMIN4、GIGYF2、GJC3、ITCH、HTT、MARK2、METT10D、PAFAH2、PLEKHG4B、PPFIA1、SCARNA11、SDF2L1、SNORA44、ST6GALNAC1、SULF2、WFDC13、ZNFX1、CCDC127、C14orf180、SIVA1、TNFRSF14、AHNAK2、C14orf79、LOC25845、PLD4、GPR132、LOC389257、BRF1及びADSSL1からなる群から選ばれる少なくとも1つの遺伝子のコピー数が、母集団における同遺伝子の最も高頻度なコピー数(例えば2)よりも大きいとき、好ましくは3のときは減感作療法が有効である。
(c) AGXT2L2、 CAV3、CEP72、CUL4A、CXCR7、C16orf48、C19orf34、DNAJB8、FTH1、GEMIN4、GIGYF2、GJC3、HTT、ITCH、MARK2、METT10D、NOB1、PAFAH2、PLEKHG4B、SCARNA11、SDF2L1、SMPD3、SNORA44、SRP14、ST6GALNAC1、SULF2、TMED6、WFDC13、ZNFX1、CCDC127、C14orf180、SIVA1、TNFRSF14、AHNAK2、C14orf79、LOC25845、PLD4、GPR132、LOC389257、BRF1及びADSSL1からなる群から選ばれる少なくとも1つの遺伝子のコピー数が、母集団における同遺伝子の最も高頻度なコピー数(例えば2)よりも小さいとき、好ましくは1のときは減感作療法が無効である。
(d) C12orf60、NAV3、TYRP1、NCAM2、PCDH17、CHODL、BTG3、DIAPH3、GBA3、IFRD1、KCNT2、THOC7、TMEM168、BST1、C7orf53、CD38、FGFBP1、FOXP2、GLRB、GTF2B、HSP90AB2P、MDFIC、ODF2L、PDGFC、SEP15、SH3GLB1及び TDRD3からなる群から選ばれる少なくとも1つの遺伝子のコピー数が、母集団における同遺伝子の最も高頻度なコピー数(例えば2)よりも大きいとき、好ましくは3のときは減感作療法が無効である。
なお、本明細書において「著効」と「有効」とは同義である。
(1) CNV=Lにおける著効率
[{CNV=Lの著効数/(著効におけるCNV=Lの人数+CNV=N補正値+CNV=Gの人数) } − {CNV=Lの無効数/(無効におけるCNV=Lの人数+CNV=N補正値+CNV=G の人数)}]x100
(2) CNV=Gにおける著効率
[{CNV=Gの著効数/(著効におけるCNV=Lの人数+CNV=N補正値+CNV=Gの人数) } − {CNV=Gの無効数/(無効におけるCNV=Lの人数+CNV=N補正値+CNV=Gの人数) }]x100
(3) 上記(1)と(2)で得られた値が、基準値(正の数)以上のときは、計算の対象となった遺伝子を著効のマーカー遺伝子として選択し、基準値(負の数)以下のときは、計算の対象となった遺伝子を無効のマーカー遺伝子として選択する。上記計算式によれば、得られた値が正の数のときは、対象となった遺伝子が著効を示す遺伝子、負の数のときは対象となった遺伝子が無効を示す遺伝子であると判断できる。
式(1):(0/12-8/9)x100=-88.9
式(2):(12/12-1/9)x100=88.9
となる。なお、 CNV=2(CNV=N)はバックグラウンドと考え、母集団の80%に相当する人数部分(例えばCNV=1は24×0.8=19名)を差し引いた。19名を引くことにより負の数字になったので、この場合は0とした。
従って、式(1)により得られた値は負の値であるため、GEMIN4遺伝子のCNVが1のときは減感作療法が無効を示す遺伝子として選択され、GEMIN4遺伝子のCNVが3のときは減感作療法が著効を示す遺伝子として選択されることとなる。
ところで、本発明の方法では、予め規定された数の患者(1次母集団)から得られた上記遺伝子のCNVの測定結果を基本データとして、1次母集団以外の被検者においてもその各遺伝子のCNVとこの基本データとを比較して、減感作療法の有効性を判定することができる。
また、一次母集団以外の被検者のデータを前記1次母集団の値に組み込んで発現レベルを再度データ処理し(平均値化等)、対象となる被検者(母集団)の例数を増やすこともできる。例数を増やすことにより、各遺伝子のCNVの精度を高め、これにより検出又は診断精度を高めることができる。
例えば、ある患者から採取したゲノムDNAに存在するNAV3遺伝子のCNVがLである場合には、当該患者は、減感作療法に対し著効性を示すことが期待される。
また、ある患者から採取したゲノムにNAV3、TYRP1、NCAM2、PCDH17、CHODL、BTG3、DIAPH3、GBA3、IFRD1、KCNT2、THOC7、TMEM168、BST1、C7orf53、CD38、DCUN1D1、FGFBP1、FOXP2、GLRB、GTF2B、HSP90AB2P、MCCC1、MDFIC、ODF2L、PDGFC、SEP15、SH3GLB1、TDRD3及びYEATS2の遺伝子のうち、M個の遺伝子についてコピー数を検査し、検査した一部の遺伝子でコピー数がLであるが、残りの遺伝子についてはコピー数がN又はGである場合には、各遺伝子のコピー数がL、N、Gの場合をそれぞれ、+1、0、-1点と定めて、各遺伝子ごとに点数を合計し、得られた合計値から、総合的に著効性又は無効性を判断することができる。この場合、合計値がMの50%以上、好ましくは、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上又は100%の場合に、当該患者は 減感作療法に著効性を示すと判断することができる。
あるいは、このような特定の遺伝子のコピー数又は複数の遺伝子のコピー数について定めた点数の合計値は、これを患者に提示し、そのコピー数又は合計値と減感作療法の著効性又は無効性との関連性を患者に説明することにより、患者自身が前記コピー数又は合計値を考慮して実際に減感作療法を行うべきか又は続けるべきかを決断するためのリスクファクターとして用いることができる。
また、本発明のオリゴヌクレオチドの一端をガラス、シリコン、ゲルなどの支持体に固定することでマイクロアレイを作製することができる。オリゴヌクレオチドのアレイは、例えば、固相化学合成法と半導体産業において用いられているフォトリソグラフィー製造技術とを組み合わせた光照射化学合成法(Affymetrix社)により製造される。チップの化学反応部位の境界を明確するためにフォトリソグラフィーマスクを利用し、特定の化学合成工程を行うことによって、アレイの所定の位置にオリゴヌクレオチドプローブが貼り付けられた高密度アレイを構築することができる。
また、本発明の別の態様では、本発明のオリゴヌクレオチド及び/又は該オリゴヌクレオチドを用いて作製したマイクロアレイを含む、遺伝子のCNV多型検出用キットが提供される。このようなキットには、本発明のオリゴヌクレオチド又は該オリゴヌクレオチドを用いて作製したマイクロアレイ以外にも、検出反応用の溶液、コントロール用のオリゴヌクレオチド、検出反応に利用する容器、使用説明書などが含まれていてもよい。
1.治療有効群と無効群との選別
まず、2年間にわたる花粉症治療薬(減感作療法用薬)の投与において、スギ花粉症に対する舌下減感作療法の治療効果に関する検討を行った。減感作療法用薬(標準化スギ花粉エキス〔鳥居薬品製〕)は表2に示す投与スケジュールで行った。
舌下減感作療法期間中、採血は図1のスケジュールにて8回(採血1〜採血8)行った。1回の採血量は一人当たり8mlであり、採血後直ちに遠心分離操作を行い、血清を分離した。分離された血清は、1mlずつ分注し、使用時まで-80℃にて保存を行った。
舌下減感作療法を施す前後のRNAサンプルは、上記の血清とは別に、図1における採血1(治療前)と採血7(治療後)より採取した。
舌下減感作療法は、202名の患者に対し実薬投与を行っており、平成18(2006)年8月より2年間の実施を行った。実施は、日本国内の8か所の病院で行った。血液サンプルは図1に示す採血1〜8のスケジュールで行い、DNAサンプルは、図1に示す採血2により抽出した。
1回の採血量は一人当たり8mlであり、採血後直ちにフローサイトメトリー(ベクトン社製FACSaria)にて細胞分離操作を行い、CD4T細胞、樹状細胞などに分離した。分離された細胞は、それぞれ使用時まで細胞用凍結保存培地に懸濁後-80℃にて保存を行った。
一方、DNAの採取は上記の通り試験期間を通じて1回行い、採血量は一人当たり8mlであった。採血後直ちに遠心分離操作を行い血液細胞を分離した。得られた血液細胞より通例に従ってDNAを採取した。精製分離されたDNAは遺伝子解析時まで-80℃にて保存を行った。
上記にて得られた血清は、スギ花粉特異的IgE量(RISA−すぎ)ならびに総IgE量(RAST)を通例に従いELISA法にて測定した。また血液中の免疫に関与する50種類(表3)の液性因子を蛍光ビーズ測定法(Bio-Rad社製バイオプレックス)にて測定を行った。
約200人による実薬投与規模で臨床研究を行った。治療期間は約2年間であり、最終的には約150名の患者で臨床症状などのデーターを得た。症状のスコア化(重症度値)を行い詳細に治療効果の分類を行った結果、5つの群に分類され、その中でも最も治療効果がよい群(治療著効群)と悪い群(治療無効群)とを抽出し、その中から上位24名と下位25名の生体材料を以下の研究解析に供することとした。
治療開始時より2年間の舌下減感作療法を施行し、2008年(平成20年)6月における臨床症状に関する問診を受けた患者154人を解析の対象にした。そこでこれまでの症状の評価に加え、QOLのデータ等を加味し調査した結果、図2に示す結果となった。
図2において、上段左のグラフが示すように、症状の重症度値の平均を事前検診の結果と比較して年度ごとに症状が緩和されており、治療が成功したことを表している。この治療著効群においては、38人を抽出した。一方、下段のグラフに示したように、事前検診のアレルギー症状の平均重症度値の推移が年次ごとに変化がないかむしろ上昇しているのが認められる。これは、2年間の舌下減感作療法が結果的に有効ではなかった患者群を示している。この治療無効群から37人を抽出した。さらに抽出された患者群においてその治療効果が悪かった順に上から色別の百分位で図2の右パネルに示した。
症状は、最高(症状が重症)が重症度値5で赤く示しており、最低(症状が軽症)が1で緑で示している。最高と最低の重症度値の間は赤から緑への濃度勾配によって示している。治療効果別に抽出された患者は、著効群においては上から下にかけて効果が高い順に並んでおり、治療無効群においては上から治療効果が悪かった順に並んでいる。そこで、著効群の上位24名、治療無効群の上位25名を今後の解析へ供した。
(1)臨床症状解析
重症度の指標として、減感作療法開始時(2006年時)の重症度値を、1(軽い)〜5(重い)の5段階とし、用いた。軽症化の指標として、減感作療法2年経過時(2008年時)の効果判定において、無症状化した場合あるいは重症度値の2段階の改善をグレード1(治療著効群)、重症度値の1段階の改善をグレード2、変化なしあるいは悪化をグレード3(治療無効群)とした。
(2)血清検査
前記の免疫液性因子50項目(表3)に加えて、抗原特異的IgEと総IgEの値を追加した。
(3)mRNA解析
採血ポイント1及び7の重症度評価時及び軽症化評価時の採血サンプルから、FACSにより分画したCD4+ T Cell由来のmRNAを用い、Affymetrix社 GeneChip(R) Human Gene 1.9 ST arrayにて検出を行い、プリプロセスとしてaroma.affymetrixパーケージ[Rプログラム]によるRMAアルゴリズム(1)を用いたmRNA発現値の正規化を行い、補正遺伝子mRNA値とした。
Agilent Sure Print3G CNV microarray kitを用い、以下の方法により各患者群 計49名(治療著効群24名、治療無効群25名)のCNVコピー数を検出した。
末梢血由来血液サンプルより抽出したゲノムDNAを由来としたゲノムDNAについて、プリプロセスとしてHapMap日本人サンプルNA19000リファレンスDNAとの競合ハイブリダイゼーションにより得られたLog2値についてNormtools(2)による集団データによる正規化を行い、この補正Log2値を用いてCBSアルゴリズム[Rプログラム]によるCopy Number Aberration(CNA)としてセグメント判定を行いCNVデータとした。このCNVデータをもとに、CNVデータ値の中央値population+/-2SDpopulation*中央値indivisualを閾値(Copy number=2)とした遺伝子単位のCNVコピー数を判定した。
1) 2006年 花粉症の重症度 〜 CNV:mRNA(治療前採血ポイント1)
2) 2008年 効果評価(軽症化) 〜CNV:mRNA(治療後採血ポイント7)
解析モデルは、1)については2006年の臨床研究開始前の個人の花粉症の症状を反映した内容として重症度との関係、2)については2008年の臨床研究による減感作療法の効果判定を反映した内容として軽症化との関係について解析を行った。
解析モデル1)及び2)として約363万解析についてP値および寄与度(補正R2値)を算出した。解析モデル1)及び2)について、解析モデルの回帰直線への寄与度を基準としたフィルタリングによる選別を行った後、P値との関係についてボンフェローニ補正P値として評価を行った。上記により得られた解析モデルについて、臨床血清マーカー値、mRNA値、CNV値と臨床表現型との関連として解析モデルと各説明変数について詳細に検討を行い、最終的な候補モデルとした。
統計値の算出の後、1段階目のフィルタリングとして、各解析モデルにおいて、R2>0.2、P値<0.05の組み合わせについて候補となる組み合わせを抽出した。この結果、解析モデル1)については79の組み合わせが得られ、解析モデル2)については396の組み合わせが得られた。これらの組み合わせについて、2段階目のフィルタリングとして得られた組み合わせとして遺伝子のCNVコピー数について、上記(4)CNV解析で得たコピー数判定結果を改めて評価した。
上記結果から、解析モデル1)についてはフィルタリングの2段階までによる12遺伝子(表4)、解析モデル2)についてはフィルタリングの3段階までによる22遺伝子が得られ(表5)、解析モデル1)および解析モデル2)で計34遺伝子となった(表6)。
このスコアを各患者に適用した結果が表7である。そして、それぞれの患者におけるこのスコアを合計し、各患者におけるスコアの合計の分布を示したものが表8である。
(a) CNVが1で著効
(b) CNVが3で著効
(c) CNVが1で無効
(d) CNVが3で無効
上記基準に該当する遺伝子を表9に示す。表9において、上記基準に当てはまる遺伝子について、表の右側に○印を付した。
これに対し、AGXT2L2、 CAV3、CEP72、CUL4A、CXCR7、C16orf48、C19orf34、DNAJB8、FTH1、GEMIN4、GIGYF2、GJC3、HTT、ITCH、MARK2、METT10D、NOB1、PAFAH2、PLEKHG4B、SCARNA11、SDF2L1、SMPD3、SNORA44、SRP14、ST6GALNAC1、SULF2、TMED6、WFDC13及びZNFX1については、コピー数が1のときは減感作療法が無効である傾向を認め、C12orf60、NAV3及びTYRP1については、コピー数が3のときは減感作療法が無効である傾向を認めた。
本実施例では、有効性の判断をより高確率で行うために必要な遺伝子を探索することを目的として、重回帰分析を行った。
ある変数y (目的変数(criterion variable)又は従属変数(dependent variable)という)と、それに影響すると考えられる変数x1、x2、・・・xp (説明変数(explanatory variable)又は独立変数(independent variable)という)との間の関係式を求め、それに基づいてx1、x2、・・・xpの値からyの値を予測したり、その際の各xの寄与の大きさを評価する分析を回帰分析(regression analysis)という。特に、説明変数が2つ以上の場合を重回帰分析(multiple regression anaysis)という。
重回帰分析は、ソフトウエアR-2.9プログラム(R Development Core Team)を用いて行った。
結果を表10に示す。
解析モデルとして約149万解析についてP値および寄与度(補正R2値)を算出した。解析モデルの回帰直線への寄与度を基準としたフィルタリングによる選別を行った後、P値との関係についてボンフェローニ補正P値として評価を行った。
上記により得られた解析モデルについて、臨床血清マーカー値、mRNA値、CNV値と臨床表現型との関連として解析モデルと各説明変数について詳細に検討を行い、最終的な候補モデルとした。
統計値の算出の後、1段階目のフィルタリングとして、R2>0.25、P値<0.00000363の組み合わせについて候補となる組み合わせを抽出した。この結果、254個の組み合わせが得られた。これらの組み合わせについて、2段階目のフィルタリングとして得られた組み合わせとして遺伝子のCNVコピー数について、CNV解析で得たコピー数判定結果を改めて評価した。
(a) CNVが1で著効
(b) CNVが3で著効
(c) CNVが1で無効
(d) CNVが3で無効
上記基準に該当する遺伝子を表16に示す。表16において、上記基準に当てはまる遺伝子について、表の右側に○印を付した。
これに対し、CCDC127、C14orf180、SIVA1、TNFRSF14、AHNAK2、C14orf79、LOC25845、PLD4、GPR132、LOC389257、BRF1及びADSSL1については、コピー数が1のときは減感作療法が無効である傾向を認め、NCAM2、PCDH17、CHODL、BTG3、DIAPH3、GBA3、IFRD1、KCNT2、THOC7、TMEM168、BST1、C7orf53、CD38、FGFBP1、FOXP2、GLRB、GTF2B、HSP90AB2P、MDFIC、ODF2L、PDGFC、SEP15、SH3GLB1及びTDRD3については、コピー数が3のときは減感作療法が無効である傾向を認めた。
Claims (8)
- 被検者に対する即時型アレルギーの減感作療法の有効性の検出方法であって、前記被検者から採取された被検試料から、下記の遺伝子群から選ばれる少なくとも1つの遺伝子のコピー数多型を検出し、得られたコピー数多型の検出結果を母集団における同遺伝子のコピー数多型のデータと比較することにより、減感作療法の有効性と関連づけることを特徴とする、前記方法。
<遺伝子群>
AGXT2L2、AZGP1、CAV3、CEP72、CUL4A、CXCR7、C12orf60、C16orf48、C19orf34、DNAJB8、FTH1、GEMIN4、GIGYF2、GJC3、HTT、ITCH、MARK2、METT10D、NAV3、NOB1、PAFAH2、PLEKHG4B、PPFIA1、SCARNA11、SDF2L1、SMPD3、SNORA44、SRP14、ST6GALNAC1、SULF2、TMED6、TYRP1、WFDC13、ZNFX1、NCAM2、PCDH17、CHODL、BTG3、DIAPH3、GBA3、IFRD1、KCNT2、THOC7、TMEM168、BST1、C7orf53、CD38、DCUN1D1、FGFBP1、FOXP2、GLRB、GTF2B、HSP90AB2P、MCCC1、MDFIC、ODF2L、PDGFC、SEP15、SH3GLB1、 TDRD3、YEATS2、CCDC127、C14orf180、SIVA1、TNFRSF14、AHNAK2、C14orf79、LOC25845、PLD4、GPR132、LOC389257、BRF1及びADSSL1 - コピー数多型の検出結果と減感作療法の有効性との関連づけは、下記の(a)〜(d)のいずれかの判断基準又はその組み合わせに基づいて行なうものである、請求項1に記載の方法。
(a) NAV3、TYRP1、NCAM2、PCDH17、CHODL、BTG3、DIAPH3、GBA3、IFRD1、KCNT2、THOC7、TMEM168、BST1、C7orf53、CD38、DCUN1D1、FGFBP1、FOXP2、GLRB、GTF2B、HSP90AB2P、MCCC1、MDFIC、ODF2L、PDGFC、SEP15、SH3GLB1、TDRD3及びYEATS2からなる群から選ばれる少なくとも1つの遺伝子のコピー数が、母集団における同遺伝子の最も高頻度なコピー数よりも小さいときは減感作療法が有効である。
(b) AGXT2L2、AZGP1、CAV3、CEP72、CUL4A、CXCR7、C19orf34、DNAJB8、FTH1、GEMIN4、GIGYF2、GJC3、ITCH、HTT、MARK2、METT10D、PAFAH2、PLEKHG4B、PPFIA1、SCARNA11、SDF2L1、SNORA44、ST6GALNAC1、SULF2、WFDC13、ZNFX1、CCDC127、C14orf180、SIVA1、TNFRSF14、AHNAK2、C14orf79、LOC25845、PLD4、GPR132、LOC389257、BRF1及びADSSL1からなる群から選ばれる少なくとも1つの遺伝子のコピー数が、母集団における同遺伝子の最も高頻度なコピー数よりも大きいときは減感作療法が有効である。
(c) AGXT2L2、 CAV3、CEP72、CUL4A、CXCR7、C16orf48、C19orf34、DNAJB8、FTH1、GEMIN4、GIGYF2、GJC3、HTT、ITCH、MARK2、METT10D、NOB1、PAFAH2、PLEKHG4B、SCARNA11、SDF2L1、SMPD3、SNORA44、SRP14、ST6GALNAC1、SULF2、TMED6、WFDC13、ZNFX1、CCDC127、C14orf180、SIVA1、TNFRSF14、AHNAK2、C14orf79、LOC25845、PLD4、GPR132、LOC389257、BRF1及びADSSL1からなる群から選ばれる少なくとも1つの遺伝子のコピー数が、母集団における同遺伝子の最も高頻度なコピー数よりも小さいときは減感作療法が無効である。
(d) C12orf60、NAV3、TYRP1、NCAM2、PCDH17、CHODL、BTG3、DIAPH3、GBA3、IFRD1、KCNT2、THOC7、TMEM168、BST1、C7orf53、CD38、FGFBP1、FOXP2、GLRB、GTF2B、HSP90AB2P、MDFIC、ODF2L、PDGFC、SEP15、SH3GLB1及び TDRD3からなる群から選ばれる少なくとも1つの遺伝子のコピー数が、母集団における同遺伝子の最も高頻度なコピー数よりも大きいときは減感作療法が無効である。 - 被検者に対する即時型アレルギーの減感作療法の有効性の検出方法であって、前記被検者から採取された被検試料から、下記の遺伝子群から選ばれる少なくとも1つの遺伝子のコピー数多型を検出し、得られたコピー数多型の検出結果を、下記の(e)〜(h)のいずれかの判断基準又はその組み合わせに基づいて減感作療法の有効性と関連づけることを特徴とする、前記方法。
(e) NAV3、TYRP1、NCAM2、PCDH17、CHODL、BTG3、DIAPH3、GBA3、IFRD1、KCNT2、THOC7、TMEM168、BST1、C7orf53、CD38、DCUN1D1、FGFBP1、FOXP2、GLRB、GTF2B、HSP90AB2P、MCCC1、MDFIC、ODF2L、PDGFC、SEP15、SH3GLB1、TDRD3及びYEATS2からなる群から選ばれる少なくとも1つの遺伝子のコピー数が1のときは減感作療法が有効である。
(f) AGXT2L2、AZGP1、CAV3、CEP72、CUL4A、CXCR7、C19orf34、DNAJB8、FTH1、GEMIN4、GIGYF2、GJC3、ITCH、HTT、MARK2、METT10D、PAFAH2、PLEKHG4B、PPFIA1、SCARNA11、SDF2L1、SNORA44、ST6GALNAC1、SULF2、WFDC13、ZNFX1、CCDC127、C14orf180、SIVA1、TNFRSF14、AHNAK2、C14orf79、LOC25845、PLD4、GPR132、LOC389257、BRF1及びADSSL1からなる群から選ばれる少なくとも1つの遺伝子のコピー数が3のときは減感作療法が有効である。
(g) AGXT2L2、 CAV3、CEP72、CUL4A、CXCR7、C16orf48、C19orf34、DNAJB8、FTH1、GEMIN4、GIGYF2、GJC3、HTT、ITCH、MARK2、METT10D、NOB1、PAFAH2、PLEKHG4B、SCARNA11、SDF2L1、SMPD3、SNORA44、SRP14、ST6GALNAC1、SULF2、TMED6、WFDC13、ZNFX1、CCDC127、C14orf180、SIVA1、TNFRSF14、AHNAK2、C14orf79、LOC25845、PLD4、GPR132、LOC389257、BRF1及びADSSL1からなる群から選ばれる少なくとも1つの遺伝子のコピー数が1のときは減感作療法が無効である。
(h) C12orf60、NAV3、TYRP1、NCAM2、PCDH17、CHODL、BTG3、DIAPH3、GBA3、IFRD1、KCNT2、THOC7、TMEM168、BST1、C7orf53、CD38、FGFBP1、FOXP2、GLRB、GTF2B、HSP90AB2P、MDFIC、ODF2L、PDGFC、SEP15、SH3GLB1及び TDRD3からなる群から選ばれる少なくとも1つの遺伝子のコピー数が3のときは減感作療法が無効である。 - 減感作療法が舌下減感作療法である請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 即時型アレルギーが、花粉症、蕁麻疹、食物アレルギー、ダニアレルギー、アレルギー性鼻炎、気管支喘息及びアトピー性皮膚炎からなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 被検試料が血液又は免疫細胞である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 被検試料が、CD4T細胞、樹状細胞又は好塩基球である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 被検試料が、請求項6又は7に記載の細胞から抽出されたmRNAである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
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