JPWO2011024748A1 - インフルエンザm2由来の改変ペプチドワクチン - Google Patents

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Abstract

インフルエンザウイルスの表層タンパク質の一つであるマトリックスタンパク2(以下、「M2」と称することもある)由来の改変ペプチド及びその利用方法が提供される。インフルエンザウイルスA型のM2のアミノ酸配列のうち、2〜24番目の23アミノ酸から成るペプチド(以下、「M2e」と称することもある)にシステイン残基を挿入した改変ペプチド、該改変ペプチドとポリペプチドからなる融合タンパク質、該改変ペプチド又は該融合タンパク質を有効成分として含有するインフルエンザワクチン、該インフルエンザワクチンを含有する生体内に送達可能なデバイス、該改変ペプチドのアミノ酸配列をコードする塩基配列からなる核酸断片、該核酸断片が組み込まれた発現ベクター、該発現ベクターが導入された宿主、及び該改変ペプチドを認識し、インフルエンザウイルスに対する防御効果を有する抗体。

Description

本発明は、インフルエンザウイルスのマトリックスタンパク2の一部から成るペプチドにシステイン残基が挿入された改変ペプチド及びその利用方法に関する。
インフルエンザウイルスは、オルソミクソウイルス科に属するマイナス鎖の一本鎖RNAウイルスである。ウイルス粒子は80〜120nmの大きさで、表層の脂質二重膜には赤血球凝集素(ヘマグルチニン、HA)、ノイラミニダーゼ(NA)、マトリックスタンパク2(M2)が存在し、さらにマトリックスタンパク1(M1)に裏打ちされている。その内側には分節したマイナス鎖のRNAが、核タンパク(NP)及びRNAポリメラーゼ(PA, PB1, PB2)と複合体(RNP)を形成している。さらに、インフルエンザウイルスは、その内部タンパクの抗原性の違いによって、A型、B型、C型に大別される。そのなかでヒトに感染して流行を引き起こすのはA型とB型である。特に病原性が強く爆発的な流行を起こすのはA型である。そのA型ではHAは16種類、NAは9種類あり、その組み合わせで多くの亜型が存在することが知られている。
一般的にRNAウイルスは変異を起こしやすいことが知られており、インフルエンザウイルスにおいても例外ではなく、HA及びNAをコードする遺伝子が点突然変異することにより、その抗原性が年々少しずつ変異している(antigen drift/ドリフト)。さらに、A型インフルエンザウイルスにおいては、HAとNAのいずれか、もしくは両方が別の型に置き換わる不連続変異により抗原性の異なる新型ウイルス株が数十年の間隔で生じることが知られている(antigen shift/シフト)。これらインフルエンザウイルスのドリフトやシフトによる変異は絶え間なく人類に被害をもたらしている。これまで世界的には数回の抗原性のシフトが起こり、多くの犠牲者を出す大流行(パンデミック)の原因となっている。具体的には、1918年のスペインかぜ、1957年のアジアかぜ、1968年の香港かぜ、1977年のソ連かぜである。
このようにインフルエンザウイルスの感染によって起こるインフルエンザは世界的な規模で流行する重大な感染症の一つであり、老人、小児あるいは免疫力が低下した患者においては死亡、あるいは脳炎を引き起こす症例が多数認められている。さらに、インフルエンザウイルス感染により、死には至らないまでも発熱、頭痛、倦怠感などの身体症状がもたらされれば、その患者は一定期間社会活動の停止を余儀なくされ、重大な経済的損失につながる。このような従来から存在するインフルエンザウイルス感染防御の重要性に加えて、抗原性のシフトによる新型ウイルス株出現の可能性の増大により、新型ウイルス株に対しても効果的な予防法の確立が必要とされている。
インフルエンザに対する予防策は、ワクチン接種を毎年行うことである。現在実用化されているワクチンは、発育鶏卵で培養したワクチン用製造株より精製したHAを主成分とするスプリットワクチンである。つまり、その年に流行すると予想されるウイルスをワクチン用製造株として用いることになる。このため、毎年、流行株を予想してワクチン用製造株を決めなければならず、ワクチン用製造株と流行株がミスマッチの場合にはそのインフルエンザワクチンは効きにくいことになる。また、DPT(ジフテリア・百日咳・破傷風)ワクチンや日本脳炎ワクチンのように、一回のワクチン接種スケジュールで少なくとも数年以上にわたって免疫を付与できるワクチンに比べ、現行のインフルエンザワクチンは毎年ワクチン接種を行わなければならず、ワクチンを受ける国民や接種する医師にとっても、不便で費用の負担も大きい。さらに、流行予測が外れてワクチン株と異なるウイルス株が発生した場合には、ワクチン接種にも拘らずインフルエンザウイルスに感染してしまうこととなる。特に、抗原性が大きく変わるシフトによる新型インフルエンザが発生した場合には、従来のインフルエンザワクチンではまったく防御効果が期待できないため、その流行は爆発的になり、所謂、パンデミックに至る可能性が大きい。
以上述べてきたように、現行インフルエンザワクチンではウイルスの変異に対して十分には対応できないため、それを克服するような抗原変異に影響を受けることが少ない普遍的なインフルエンザワクチンが渇望されている。
このように大きな流行を起こすインフルエンザウイルスはA型であることから、A型に共通した免疫原性を付与するワクチンを開発すれば、毎年の流行のみならずパンデミックに対しても有望なインフルエンザワクチンになると考えられる。そのような観点に立って、インフルエンザウイルスのA型に共通なM2タンパクを標的としたワクチンの研究がなされている(例えば、非特許文献1参照)。M2は、インフルエンザウイルスA型間ではそのアミノ酸配列が比較的よく保存されたウイルス表面タンパクである。M2はインフルエンザウイルス粒子の中では比較的少ない成分であるが(例えば、非特許文献2参照)、ウイルス感染細胞においては比較的多量に発現している(例えば、非特許文献3参照)。
そのM2に対する抗体がインビボ及びインビトロモデルの両方でA型インフルエンザの複製を阻害することが報告されている(例えば、非特許文献4及び5参照)。さらに、SlepushkinらはM2をワクチン接種したマウスにおいて、異種のA型インフルエンザウイルスによる致死性の感染が防御され、感染した肺組織からのウイルス除去が促進されたことを報告している(例えば、非特許文献1参照)。また、疎水性膜貫通ドメインが除去された改変型M2タンパクがワクチン調製に有用であることも報告されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、Neirynckらは、M2の細胞外ドメインをB型肝炎ウイルスコア抗原のN末端に融合させたものをワクチン抗原として用いることについて報告している(非特許文献6参照)。彼らによれば、M2をB型肝炎ウイルスコア粒子に露出させた粒子を大腸菌で発現させ、その大腸菌から粒子を精製しアジュバントと共に投与することでM2に対する抗体を誘導させている。
さらに、マウスを用いた実験から、Wuら(例えば、非特許文献7参照)やMozdzanowskaら(例えば、非特許文献8参照)は、アジュバントの利用やMAPと呼ばれるオリゴマーのペプチドを利用することで、M2から疎水性膜貫通ドメインを除去した23アミノ酸からなる領域(M2e)に相当するペプチドでも異種のA型インフルエンザウイルスによる致死性の感染を防御できると報告している。また、M2eの免疫により産生される防御抗体に対するエピトープの少なくとも1箇所は、6〜13位のアミノ酸領域に存在することが明らかにされている(例えば、非特許文献9参照)。
従来のインフルエンザワクチンの製造は、先ずその年の流行株を予測し、そのウイルスを卵で増殖できるように適応させ、それを大量の卵で培養して、そこからウイルスを分離し不活化し、さらに抗原タンパクを精製するという時間と手間のかかる工程を経なければならなかった。このように毎年流行株を予測してワクチン株を製造することもなく、しかもパンデミックにも対応できる新規なワクチンを開発できれば、国民の福祉と医療経済に対し非常に大きな貢献がもたらされることになる。
米国特許第6169175号 特表2001-512748号 Slepushkinら、1995, Vaccine 13: p1399-1402 Zebedee及びLamb,1988 J. Virol.62: p2762-2772 Lambら、1985 Cell 40: p627-633 Hugheyら、1995 Virology 212: p411-421 Treanorら、1990 J. Virol. 64: p1375-1377 1999 Nature Med. 5: p1157-1163 2007 Vaccine 25: p8868-8873 2007 Virology J. 4: 118 doi: 10.1186/1743-422X-4-118 Wanliら、2004 Immunol. Lett 93: p131-136
本発明の目的は、インフルエンザウイルスの表層タンパク質の一つであるマトリックスタンパク2(以下、「M2」と称することもある)由来の強力な免疫原性を有する改変ペプチド及びその利用方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意努力した結果、インフルエンザウイルスA型のM2のアミノ酸配列のうち、2〜24番目の23アミノ酸から成るペプチド(以下、「M2e」と称することもある)にシステイン残基を挿入したペプチド(以下、「M2eCペプチド」と称することもある)が、これまでに報告されているM2eよりも非常に高い免疫原性(2倍から20倍)を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明に従えば、インフルエンザウイルスの表層タンパク質の一つである97個のアミノ酸から成るM2(特許文献2参照)の内、2〜24位の23アミノ酸から成るペプチド(M2e)にシステイン残基を挿入したM2eCペプチド、M2eCペプチドと他のポリペプチドとの融合タンパク質、M2eCペプチド又は該融合タンパク質を有効成分として含有するインフルエンザワクチン、M2eCペプチド又は該融合タンパク質のアミノ酸配列をコードする塩基配列からなる核酸断片、該核酸断片が組み込まれた発現ベクター(ウイルスベクターも含む)及び該発現ベクターを有する宿主、並びにM2を認識する抗体が提供される。
M2eCペプチド及びM2eCペプチドのアミノ酸配列をコードする塩基配列からなる核酸断片は、インフルエンザ感染症の予防や治療に有効に利用され得るものである。したがって、本発明は、以下の通りである。
〔1〕インフルエンザウイルスのマトリックスタンパク2の2〜24位のアミノ酸配列から成るペプチド(M2e)にシステイン残基が挿入された改変ペプチド。
〔2〕インフルエンザウイルスが、A型であることを特徴とする、〔1〕に記載の改変ペプチド。
〔3〕前記システイン残基の挿入位置が、M2eの15位と16位のアミノ酸間よりC末側であることを特徴とする、〔1〕又は〔2〕に記載の改変ペプチド。
〔4〕前記システイン残基の挿入位置が、M2eの15位と16位、20位と21位、21位と22位、22位と23位、又は23位と24位のアミノ酸間の何れか一つ、またはこれらの二つ以上の組み合わせからなることを特徴とする、〔3〕に記載の改変ペプチド。
〔5〕前記システイン残基の挿入総数が、1〜5個であることを特徴とする、〔1〕ないし〔4〕の何れかに記載の改変ペプチド。
〔6〕前記の各挿入位置に対するシステイン残基の挿入数が、最大3個であることを特徴とする、〔5〕に記載の改変ペプチド。
〔7〕〔1〕ないし〔6〕の何れかに記載の改変ペプチドとポリペプチドからなる融合タンパク質。
〔8〕ポリペプチドがアネキシンV又はアルブミンであることを特徴とする、〔7〕に記載の融合タンパク質。
〔9〕〔1〕ないし〔6〕の何れかに記載の改変ペプチド又は〔7〕又は〔8〕に記載の融合タンパク質を有効成分として含有するインフルエンザワクチン。
〔10〕〔9〕に記載のインフルエンザワクチンを含んでなる、生物学的障壁を横切って生体内に送達可能なデバイス。
〔11〕〔1〕ないし〔6〕の何れかに記載の改変ペプチド又は〔7〕若しくは〔8〕に記載の融合タンパク質のアミノ酸配列をコードする塩基配列からなる核酸断片。
〔12〕〔11〕に記載の核酸断片が組み込まれた発現ベクター。
〔13〕〔12〕に記載の発現ベクターが導入された宿主。
〔14〕〔1〕ないし〔6〕の何れかに記載の改変ペプチドを認識し、インフルエンザウイルスに対する防御効果を有する抗体。
本発明のM2eCペプチドは、システイン残基の挿入されていないM2eの2〜20倍のインフルエンザウイルスの感染阻止に有効な抗体産生能を有する。例えば、本発明のM2eCペプチドの一つであるSer-Leu-Leu-Thr-Glu-Val-Glu-Thr-Pro-Ile-Arg-Asn-Glu-Trp-Gly-Cys-Arg-Cys-Asn-Cys-Asp-Cys-Ser-Cys-Ser-Aspのアミノ酸配列(配列番号10)からなるM2eCペプチドは、これまでに報告されているM2eよりも約20倍も高い免疫原性を有し、インフルエンザワクチンの好適な材料となり得る。また、本発明のM2eCペプチドのN末側9個のアミノ酸は、インフルエンザウイルス間でよく保存されたアミノ酸配列を有するために流行株に左右されない。しかも、このサイズのペプチドは化学合成により大量に安価に均一に合成することができる。このことはパンデミックという緊急事態に早急にワクチンを供給できるという非常に大きなメリットを有することになる。また、本発明のM2eCペプチドは、他のポリペプチドと融合させた形で発現させることも可能である。
図1は、表2の各ペプチド免疫群の平均抗M2e抗体価を示す図面である。 図2は、表3の各ペプチド免疫群の平均抗M2e抗体価を示す図面である。 図3は、表4の各ペプチド免疫群の平均抗M2e抗体価を示す図面である。 図4は、ホモのウイルス攻撃系での攻撃直前の平均抗M2e抗体価を示す図面である。 図5は、へテロのウイルス攻撃系での攻撃直前の平均抗M2e抗体価を示す図面である。
本発明は、インフルエンザウイルスのマトリックスタンパク2の2〜24位の23アミノ酸から成るペプチド(M2e)にシステイン残基が挿入されたペプチド(M2eCペプチド)によって特徴付けられる。
本発明のM2eCペプチドに使用されるM2eは、インフルエンザウイルスに対する防御抗体産生能を有するものであるならば、A型インフルエンザウイルスのうちいずれの株のM2由来であってもよい。インフルエンザウイルスのA型には、15種類のHA及び9種類のNAが存在し、その組み合わせから成る多くの亜型が分離されている。このような亜型としてA/PR/8株、IOWA株、WISC株、TAIW株、LENT株、VIET株、INDO株、HK156株、A/北京/262/95株、A/シドニー/5/97株、A/パナマ/2007/99株、A/ワイオミング/3/2003株、A/ニューカレドニア/20/99株、A/ニューヨーク/55/2004株、A/広島/52/2005株、A/ソロモン諸島/3/2006株、A/ブリスベン/59/2007株、A/ウルグアイ/716/2007株、及びA/カリフォルニア/05/2009及びA/カリフォルニア/06/2009が報告されているが、これらのいずれの株のM2由来のM2eも用いることができる。
好ましくは、Ser-X1aa-Leu-Thr-Glu-Val-Glu-Thr-Pro-X2aa-Arg-X3aa-X4aa-Trp-X5aa-Cys-X6aa-Cys-X7aa-X8aa-Ser-X9aa-Asp(X1aaはPro又はLeu、X2aaはIle又はThr、X3aaはAsn又はSer、X4aaはGly又はGlu、X5aaはGly又はGlu、X6aaはLys又はArg、X7aaはAsn又はSer、X8aaはGly又はAsp及びX9aaはAsn又はSer)(配列番号20)なる式で表現されるM2eが使用される。前記のX1aa、X2aa、X3aa、X4aa、X5aa、X6aa、X7aa、X8aa及びX9aaは、上記の亜型に由来するアミノ酸の置換によるものである。最も好ましくは、Ser-Leu-Leu-Thr-Glu-Val-Glu-Thr-Pro-Ile-Arg-Asn-Glu-Trp-Gly-Cys-Arg-Cys-Asn-Asp-Ser-Ser-Asp(配列番号1)なるアミノ酸配列から成るM2eが使用される。
M2eに挿入されるシステイン残基の挿入位置及び個数は、防御抗体産生に係る重要なエピトープ領域への影響が回避されるのであれば特に制限されない。インフルエンザウイルス感染症に対する強力な免疫を付与するには、M2eの15位と16位、20位と21位、21位と22位、22位と23位、又は23位と24位の間の何れかの位置に1〜5個のシステイン残基が挿入される。好ましくは、M2eの20位と21位、21位と22位、22位と23位及び23位と24位の間にそれぞれ1個ずつ、計4個のシステイン残基が挿入される。また、上記の各挿入位置の少なくとも1箇所に最大3個のシステイン残基が挿入してもよい。好ましくは、M2eの20位と21位の間に3個のシステイン残基が挿入される。
本発明のM2eCペプチドは、これまでに報告されている種々のインフルエンザウイルス由来のM2タンパク質のアミノ酸配列や塩基配列から推測されるアミノ酸配列(例えば、非特許文献5参照)、及び上記のシステイン残基の挿入に関する設計に基づいてペプチド合成機(例えば、430Aペプチドシンセサイザー:パーキンエルマージャパン・アプライドバイドバイオシステムズ社製)で化学合成することにより取得できる。現在では、多数のペプチド合成受託機関、例えば、株式会社ベックス、株式会社東レリサーチセンター、タカラバイオ株式会社、インビトロジェン株式会社等が存在するので、これらに製造を委託することもできる。
本発明のM2eCペプチドは、種々のポリペプチド、例えば、アルブミン、アネキシンV、ウイルスタンパク質(HBVコア蛋白質など)等と結合させた融合タンパク質として使用することができる。該ポリペプチドは特に限定されるものではないが、選択した宿主において発現量の多いものが好ましい。該ポリペプチドをコードする核酸断片は、Sambrookらが述べている一般的な遺伝子組換え技術(Molecular Cloning, A Laboratory Manual Second Edition. Cold Spring Harbor Laboratory Press, N.Y., 1989)を利用することにより取得できる。融合タンパク質をコードする核酸断片は、本発明のM2eCペプチドをコードする核酸断片と他のポリペプチドをコードする核酸断片をPCR法やDNA合成酵素を用いた方法で結合させることにより調製される。例えば、PCR法により融合タンパクをコードする核酸断片を取得するときは、本発明のM2eCペプチドをコードする塩基配列及び融合相手のポリペプチドの一部をコードする塩基配列(21塩基)からなるプライマーと融合相手のもう一方のプライマー(どちらがN末側にくるかで、プライマーの方向が決定される)が用いられる。このとき、プライマーの末端に適当な制限酵素切断部位の塩基配列を挿入又は付加することがある。
こうして得られた本発明のM2eCペプチドや融合タンパク質をコードする核酸断片を適当な発現ベクターに組み込み、これを宿主に導入することによって、核酸断片の発現が行なわれる。発現ベクターとしては、プラスミド、ウイルスベクター等を用いることができる。該発現ベクターに含まれるプロモーターは、宿主として用いる微生物又は動物細胞との組み合わせにより、Lac、tac、pho5、adh、SV40初期、SV40後期、βアクチンなどのプロモーターから選択することができる。宿主としては、細菌、酵母、動物細胞、植物細胞及び昆虫細胞などが常用されるが、使用目的にあわせて選択すればよい。宿主細胞を形質転換するときには公知の方法を利用すればよい。例えば、リン酸カルシウム法、DEAEデキストラン法、リポフェクチン系のリポソームを用いる方法、プロトプラストポリエチレングリコール融合法、エレクトロポレーション法などが利用でき、使用する宿主細胞により適当な方法を選択すればよい。
本発明のM2eCペプチド及び融合タンパク質の精製は、蛋白質化学において通常使用される方法、例えば、遠心分離、塩析法、限外ろ過法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換クロマト法、ゲルろ過クロマト法、アフィニティークロマト法、疎水クロマト法、ハイドロキシアパタイトクロマト法などを適宜組み合わせることにより達成される。
また、本発明のM2eCペプチドの精製を容易にする目的で他のポリペプチドやペプチドと融合させた形で発現させてもよい。このような融合蛋白を発現させるベクターとして、オリゴヒスチジンを付加することができるHis-tag発現システム(Novagen社)、FLAGタグを付加した融合蛋白を発現させることができるシステム(シグマ社)、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)との融合蛋白を作製することができるGST融合タンパク質精製システム(GEヘルスケアバイオサイエンス株式会社)、MagneHis Protein Purification System(Promega Inc)などが挙げられる。例えば、本発明のM2eCペプチドは、オリゴヒスチジンとの融合ペプチドとして発現させた後、ニッケルアフィニティーカラム(GEヘルスケアバイオサイエンス株式会社)を用いることにより特異的、且つ容易に精製することができる。
得られたM2eCペプチドの量は、天秤等による重量測定や紫外部吸収法(波長214nmの吸光度測定)により、また、M2eCペプチドを結合した融合タンパク質の量は、BCA Protein Assay Reagent Kit(Pierce Biotechnology, Inc)、プロテインアッセイキット(日本バイオ・ラッド株式会社)などを用いて測定される。
本発明のM2eCペプチド及びM2eCペプチドと他のポリペプチドを結合させた融合タンパク質(以下、これらを単に「抗原」と称することもある)のワクチンとしての評価は、抗原を小動物、例えば、ニワトリ、マウス、ラット、モルモット、イヌ、サルなどに免疫した後、in vitroの系においては、免疫動物から採血後、血清を分離し、当該血清中の本発明のM2eC ペプチドに対する抗体力価やインフルエンザウイルスに対する中和抗体価を測定することにより、また、in vivoの系においては、前記免疫動物に致死量のインフルエンザウイルスを投与し、その後免疫動物の生死、病状等を観察することにより行われる。in vitroの系における抗体の測定には、ELISA法、PHA法、プラークアッセイ法などが常用される。こうして得られる本発明のM2eCペプチドは、M2eの2〜20倍のインフルエンザウイルスの感染阻止に有効な抗体産生能を有するものであり、インフルエンザワクチンの免疫抗原として利用することができる。インフルエンザワクチンの免疫抗原として用いる場合、一つのM2eCペプチドを単独で用いても良く、2つ以上のM2eCペプチド或いはHA、NA、NP抗原等の他のインフルエンザウイルス抗原を組み合わせて用いてもよい。
免疫方法(例えば、皮下、皮内、筋肉内、腹腔内、経鼻、経口、舌下等の投与部位、免疫期間等)は、ワクチン等の免疫原性を調べる時に常用される一般的な免疫手法、或いは生物学的障壁を横切って生体内に送達可能なデバイスを用いての免疫法等、免疫を誘導できる方法であればよい。このようなデバイスとして、皮膚からの免疫を惹起するためには各種形状のマイクロニードルや親水性ゲルパッチ等が、また腸管からの免疫を惹起するためには各種の腸溶カプセルやリポソーム、ノンエンベロープウイルス粒子などが挙げられる。免疫に用いる抗原には、その免疫能を高めるためにアジュバント、例えば、水酸化アルミニウムゲル、リン酸アルミニウムゲル、CpGオリゴヌクレオチド、MDP、QS21、MPL+TDMエマルジョン等、ヒトに対して使用できるものであればいずれのアジュバントを添加してもよい。更に抗原の安定性や形状維持のために医薬品の用途として許容できる種々の添加剤を加えることもある。このような添加剤として、安定化剤(アルギニン、ポリソルベート80、マクロゴール4000など)や賦型剤(マンニトール、ソルビトール、ショ糖、乳糖)が挙げられる。こうして調整された本発明のM2eCペプチド又は融合タンパク質を有効成分として含有する組成物は、無菌濾過、分注、凍結乾燥等の処理を行い、製剤化され、インフルエンザウイルスの感染・発症を防御するためのワクチンとして使用される。
上述したように、本発明のM2eCペプチドはインフルエンザウイルスに対する防御抗体を産生し得るものであり、得られた抗体はインフルエンザの患者を治療するための材料やインフルエンザウイルスの検出系(例えば、ELISA法、ウェスタンブロット法、ドットブロット法等の抗体測定法による検出系)を構築するための材料として利用することができる。このような防御抗体(ポリクローナル抗体)は、上記の免疫方法により免疫した動物の血清から取得できる。抗体の精製には、上記のタンパク質の精製方法が用いられる。
また、モノクローナル抗体を取得する場合は、以下の方法が取られる。すなわち、免疫した動物から脾細胞もしくはリンパ球等の抗体産生細胞を採取し、例えば、Milsteinらの方法(Method Enzymol., 73, 3−46, 1981)に従って、ミエローマ細胞株等と融合し、ハイブリドーマを作製する。マウスミエローマ細胞としては、NSI-Ag4/1(Eur. J. Immunol., 6:511, 1976)、P3X63-Ag8.U1(Curr. Topics Microbiol. Immunol., 81:1, 1978)、X63-Ag8.653(J. Immunol., 123:1548, 1979)等を使用することができる。ハイブリドーマは、未融合細胞が死滅するのに十分な時間、通常数日〜数週間HAT培地中で培養することにより得られる。かくして得られるハイブリドーマに対し、その培養液を用いて、通常の限界希釈法に従い、目的とする抗体産生株の選択及びクローン化が行われる。本発明のペプチドに特異的に結合する抗体を産生しているクローンの選択は、一般的に使用されるELISA法、RIA法、ウエスタンブロット法等の分析方法を用いればよい。また、ファージディスプレイ技術を利用した抗体作製技術(PHage Display of Peptides and Proteins: A Laboratory Manual Edited by Brian K. Kay et al.、Antibody Engineering: A PRACTICAL APPROACH Edited by J. McCAFFERTY et al.、ANTIBODY ENGINEERING second edition edited by Carl A. K. BORREBAECK)により本発明のM2eCペプチドと結合する抗体を作製することもできる。
以下、実施例に従って更に詳述するが、本発明は、何らこれらの実施例に限定されるものではない。
<M2eにシステイン残基を挿入したM2eCペプチドの免疫原性評価>
1.材料と方法
(1)M2eCペプチド
M2eCペプチド作製の鋳型としたM2eのアミノ酸配列は、よりユニバーサルな配列(1999 Nature Med.5:1157-1163)を持つA/New Caledonia/20/1999(H1N1)株(GeneBank Accession number ACF41880)の配列をもとに合成した(株式会社ベックス)。表1に合成したM2e及び各M2eCペプチドを示した。合成した各ペプチドは1mM EDTAを含有する窒素ガス置換した注射用蒸留水にて5mg/mLに調製し、これを原液として使用時まで-80℃以下で保存した。
Figure 2011024748
(2)投与マウス
雌のBALB/c(7週齢、SPF、日本チャールズリバー社)をSPF環境下で予備飼育した。約1週間の予備飼育の後、免疫実験を実施した。
(3)免疫群構成
(3)-1 M2eにシステイン残基1個を挿入したM2eCペプチドの免疫原性評価
24匹のマウスを一群4匹の6群に分け、表2に示すように各群にM2e及び5種のM2eCペプチドを免疫した。
Figure 2011024748
(3)-2 M2eに3個までのシステイン残基を挿入したM2eCペプチドの免疫原性評価
24匹のマウスを4匹ずつの6群に分け、表3に示すように各群にM2e及び5種のM2eCペプチドを免疫した。
Figure 2011024748
(3)-3 M2eに3個以上のシステイン残基を挿入したM2eCペプチドの免疫原性評価
32匹のマウスを4匹ずつの8群に分け、表4に示すように各群にM2e及び7種のM2eCペプチドを免疫した。
Figure 2011024748
(4)免疫物の調製
免疫の前日に-80℃以下で保存中の各ペプチド原液をPBS(INVITROGEN社)で1mg/mLに希釈し、等量のAlumアジュバント(ALHYDROGEL, BRENNTAG BIOSECTOR社)と混合して一夜静置した。
(5)免疫方法及びスケジュール
前日に調製した各免疫物をPBSで0.2mg/mLに希釈し、マウス1匹あたり100μLずつ1mLツベルクリン用注射器(テルモ、SS-01T2613S)を用いて背部皮下内に投与した(一個体あたりの投与量:各ペプチド20μg)。免疫は2週間隔で2回行った。
(6)採血
2回目の免疫から2週間後にすべてのマウスをペントバルビタールナトリウム(共立製薬、ソムノペンチル)麻酔下腹部大静脈より採血して殺処分した。採取した血液はマイクロティナ(BECTON DICKINSON社)に移し、室温にて十分に凝固させた後、5,000回転、10分間遠心により血清を分離した。分離した血清は測定まで-20℃にて保存した。
(7)マウス標準血清の調製
各免疫群の抗M2e抗体上昇を比較するために、抗M2e抗体を有するマウス標準血清として、上記表1のM2e(10μg/body/shot)とAlumアジュバントを背部皮下に3週間間隔で3回免疫したマウス15匹分の血清をプールし、標準血清とした。
(8)抗M2e抗体(IgG)の測定
M2eを0.1M Carbonate buffer, pH9.6で2μg/mLに希釈し、96-well plate(Nunc社、Immobilizer Amino)に100μL/well加え、4℃で一夜静置して固相化した。翌日、各wellを300μLの0.05%Tween20含有リン酸緩衝液(PBST)で3回洗浄し、0.1M Carbonate buffer, pH9.6で10mMに希釈したモノエタノールアミン(和光純薬)を300μL/wellずつ添加して、室温で1時間静置した。
1時間後、10mMモノエタノールアミンを十分に除き、PBSTで検体を希釈して100μL/wellにて添加した(各検体ともduplicate)。室温、1時間の反応の後、添加した各希釈血清を捨て300μL/wellのPBSTで3回洗浄した。洗浄後、well内の洗浄液を十分に除き、PBSTで2,000倍希釈したHRP標識抗マウスIgGヤギ抗体(American Qualax社、A131PS)を100μL/wellを添加し、室温、1時間反応した。反応後、標識抗体希釈液を捨て300μL/wellのPBSTで2回、同量の蒸留水で2回洗浄し、発色基質液TMB+(Dako社)を100μL/well添加して遮光下、室温で30分間反応した。その後、1N硫酸を100μL/well添加して発色を停止し、450nmの吸光度(OD450値)を測定した。
(9)標準血清の抗M2e抗体価算出
32匹の未免疫マウス(C57BL/6、雄)血清を検体希釈液にて200倍希釈し、各希釈検体をduplicateにてそれらのOD450値を測定した。測定したOD450値の平均値にその標準偏差値の2倍を加えた値をカットオフ値と設定した。次に、標準血清を15,000倍から960,000倍まで2倍段階希釈してそのOD450値を測定し、カットオフ値を超える最大希釈倍率を標準血清の抗体価とした。なお、本試験系では約400,000倍希釈までカットオフ値を超えたことから、標準血清原液の抗M2e抗体価を400,000単位とした。
(10)血中抗M2e抗体価
各種ペプチドを免疫した各群のマウス血清の抗体価は以下のようにして算出した。先ず、標準血清を検体希釈液にて1, 2, 4, 8, 16, 32単位となるように希釈し、抗体価測定時のスタンダードを調製した。次に各免疫群のマウス血清を調製したスタンダードの範囲に入るように検体希釈液にて希釈した。以上のように調製した被検試料を実施例1-(8)に示す系にて測定し、得られたスタンダードの単位とOD450値の標準直線より各被検マウス血清の抗M2e抗体価を算出した。
2.結果
2週間間隔で2回免疫後2週間目に採血したM2e及び1個のシステイン残基を挿入した各種M2eCペプチド免疫群の抗M2e抗体価を図1に示した。図1に示すように、M2eの21位と22位間にシステイン残基を挿入したM2eC22ペプチドを除き、M2eCペプチド免疫群ではM2e免疫群に比較して、抗M2e抗体価が2倍から4倍に上昇した。
以上の結果から、M2eの15位と16位、20位と21位、22位と23位、又は23位と24位の間の何れか1箇所にシステイン残基を1個挿入することで従来のM2eペプチドに比較して高い免疫原性を有することが明らかとなった。
次に、システイン残基を2〜3個挿入したM2eCペプチドの免疫原性を抗M2e抗体価により評価した。図2に示すように、M2eの20位と21位の間にシステイン残基を1個挿入したM2eC21にさらに1個のシステイン残基を挿入し、M2eに対しては2個のシステイン残基を挿入したM2eC1621、M2eC2122及びM2eC2123では、M2eC21以上の抗M2e抗体価の上昇が確認できた。さらに、M2eの20位と21位、21位と22位及び22位と23位にシステイン残基を1個ずつ、計3個のシステイン残基を挿入したM2eC212223の免疫群は、M2e免疫群の実に20倍の抗M2e抗体価を示し、非常に高い免疫原性を有することが明らかとなった。
さらにシステイン残基の挿入個数を増やしたM2eCペプチドの免疫原性を、同じく抗M2e抗体価により評価した。図3に示すように、3個のシステイン残基を挿入したM2eC162122ではM2eC212223と同じく、M2eよりも高い抗体価を誘導することができた。しかし、同じく3個のシステイン残基を挿入したM2eC151621ではM2eと同程度の抗体価しか誘導できなかった。このことは、14位と15位にシステイン残基を挿入することでM2eのエピトープが影響を受けたものと推定される。
また、M2eC162122に対してM2eC16212223及びM2eC1621222324免疫群では抗M2e抗体はより高く上昇し、M2eC212223に対してM2eC21222324免疫群の抗M2e抗体価はより高く上昇した。このことから、挿入するシステイン残基の個数を増やすことでより免疫原性を増強することができると考えられた。さらに、M2eの20位と21位に計3個のシステイン残基を挿入したM2eC212121の免疫群でも高い抗M2e抗体価が誘導されたことから、システイン残基の挿入により抗M2e抗体の上昇が認められる、15位と16位、20位と21位、22位と23位又は23位と24位にシステイン残基を複数個挿入することでも免疫原性を増強することが可能と考えられる。
以上の結果から、M2eに挿入するシステイン残基を増やすことで、M2eCペプチドはより強力なインフルエンザワクチンとすることができると考えられた。
<M2eCペプチドの発症防御能評価>
1.材料と方法
(1)ペプチド
実施例1で使用したM2eCペプチドのうちM2eC212223を使用した。
(2)攻撃ウイルス
凍結保存中のインフルエンザウイルス(A/PR8/8/34株、H1N1)を使用した。
(3)投与マウス
実施例1-(2)と同様の方法により行なった。
(4)免疫群構成
30匹のマウスを10匹、8匹、12匹の3群に分け、表5に示すように1群と2群にM2eC212223を各々2μg及び20μg免疫し、3群はペプチド非投与群とした。
Figure 2011024748
(5)免疫物の調製、免疫方法及びスケジュール
初回免疫は、免疫日当日に、-60℃以下で保存中のM2eC212223原液をPBS(INVITROGEN社)で0.04mg/mL及び0.4mg/mLに希釈し、等量のフロインドのコンプリートアジュバントと混合し、マウス1匹あたり100μLずつ1mLツベルクリン用注射器(テルモ、SS-01T2613S)を用いて背部皮下内に投与した(一個体あたりの投与量:2μg又は20μg)。コントロールとなる第三群ではペプチド溶液の代わりにPBSを使用した。二回目の免疫も、初回免疫と同様に調製した。ただし、アジュバントにはフロインドのインコンプリートアジュバントを使用した。免疫は2週間隔で2回行った。
(6)攻撃用ウイルス液の調製及び攻撃方法
2回目の免疫から1週間後、凍結保存中のインフルエンザウイルス(A/PR8株)液をPBSで希釈し、セボフレン(丸石製薬)麻酔下、マウス一匹あたり20μL(5LD50相当)ずつ経鼻投与した。
(7)マウスの観察
被検マウスについて、ウイルス攻撃時より21日目まで観察し、その生死を記録した。
2.結果
インフルエンザウイルス攻撃後のマウス観察の結果、表6に示すように、M2eの20位と21位、21位と22位及び22位と23位にシステイン残基を1個ずつ、計3個のシステイン残基を挿入したM2eC212223免疫群は、ペプチド非投与群に比べ、高い生存率を示した。この結果から、M2eC212223ペプチドは、マウス一匹あたり2μgの免疫でもインフルエンザウイルスに対して効果的な発症抑制効果を有することが明らかとなった。
Figure 2011024748
<ホモ及びヘテロのウイルス攻撃系でのM2eとM2eC212223ペプチドの発症防御能比較>
1.材料と方法
(1)免疫に使用したペプチドと攻撃ウイルス
ホモのウイルス攻撃系では実施例1で使用したM2e及びM2eC212223を免疫に使用し、ヘテロのウイルス攻撃系では2009年に流行した新型インフルエンザウイルス(A/H1N1型)のM2配列を基に、合成したswM2e及びswM2eC212223を使用した(株式会社ベックス)。合成したペプチドは実施例1に示す方法で原液を調製し、使用時まで-60℃以下で保存した。また、攻撃ウイルスは実施例2と同じインフルエンザウイルスを使用した。
表7には免疫に使用したペプチドと攻撃ウイルスのM2e配列を示した。ホモのウイルス攻撃系では、攻撃ウイルスのM2e配列と免疫ペプチドの配列は21位のアミノ酸1箇所のみ異なるだけである。しかし、ヘテロのウイルス攻撃系では、11位、13位、16位、20位及び21位の5箇所のアミノ酸が異なる。
Figure 2011024748
*下線は免疫に使用したペプチドと異なるアミノ酸を示す。
(2)投与マウス
実施例1-(2)と同様の方法により行なった。
(3)免疫群構成
(3)-1 ホモのウイルス攻撃系での発症防御能評価
24匹のマウスを8匹ずつの3群に分け、表8に示すように1群にM2e、2群にM2eC212223ペプチドを免疫し、3群はペプチド非投与群(Alum単独群)としてペプチドの代わりにPBSを投与した。
Figure 2011024748
(3)-2 ヘテロのウイルス攻撃系での発症防御能評価
60匹のマウスを10匹ずつの6群に分け、表9に示すように1群及び2群にswM2e、3群及び4群にswM2eC212223ペプチドを免疫し、5群及び6群はペプチド非投与群とした。5群にはAlumアジュバント、6群にはPBSのみを投与した。
Figure 2011024748
(4)免疫物の調製、免疫方法及びスケジュール
(4)-1 ホモのウイルス攻撃系での発症防御能評価
免疫の前日に、実施例1-(4)と同様の方法により調製した。翌日、調製した各免疫物をPBSで0.02mg/mLに希釈し、マウス1匹あたり100μLずつ1mLツベルクリン用注射器(テルモ、SS-01T2613S)を用いて背部皮下内に投与した(一個体あたりの投与量:各ペプチド2 μg)。免疫は2週間隔で2回行った。なお、ウイルス攻撃の前日(2回目の免疫から6日目)にマウスの尾静脈より部分採血を行い、実施例1-(6)と同様に血清を分離し、抗M2e抗体価の測定まで-20℃以下に保存した。
(4)-2 ヘテロのウイルス攻撃系での発症防御能評価
免疫の前日に、実施例1-(4)と同様の方法により調製した。翌日、調製した各免疫物をPBSで0.02mg/mL又は0.2mg/mLに希釈し、マウス1匹あたり100μLずつ1mLツベルクリン用注射器(テルモ、SS-01T2613S)を用いて背部皮下内に投与した(一個体あたりの投与量:各ペプチド2又は20μg)。免疫は2週間隔で2回行い、本実施例の(4)-1と同様にウイルス攻撃前日の血清を採取・保存した。
(5)血中抗M2e抗体価
各被検マウス血清の抗M2e抗体価の測定は実施例1と同様に行った。
(5)攻撃用ウイルス液の調製及び攻撃方法
実施例2と同様に行った。
(6)マウスの観察
被検マウスについて、ウイルス攻撃時より21日目まで観察し、その生死を記録した。
2.結果
ホモのウイルス攻撃系において、図4に示すように、ヒトでの使用が認められているAlumアジュバントでもM2eC212223の2μg免疫群では高い抗M2e抗体価(攻撃ウイルスのM2e配列とほぼ同じ配列のペプチドに対する抗体)を誘導することができた。しかし、システイン残基を挿入していないM2e免疫群では、2μgでは抗M2e抗体価を誘導することはできなかった。さらにウイルス攻撃後の結果をみると、表10に示すように、M2eC212223免疫群は、M2e免疫群及びペプチド非投与群に比べ、明らかに高い生存率を示した。この結果から、M2eC212223ペプチドは、その配列とほぼ同じM2e配列を持つインフルエンザウイルスの攻撃に対して、ヒトでの使用が認められているAlumアジュバントでも高い発症防御効果を有することが明らかとなった。また、M2eペプチドに比べてM2eC212223ペプチドの方が発症防御能が高いことも明らかとなった。
以上の結果から、M2eペプチドにシステイン残基を挿入したM2eCペプチドは、M2eペプチドに比較して高い免疫原性を有するとともに、インフルエンザウイルス感染に対してより高い防御効果を有し、ワクチンの材料としてより好ましいと考えられた。
Figure 2011024748
次にヘテロのウイルス攻撃系において、図5に示すように、攻撃直前の抗M2e抗体価(攻撃ウイルスのM2e配列とほぼ同じ配列のペプチドに対する抗体)はswM2eC212223の20μg免疫群で最も高く、以下、swM2eC212223の2μg免疫群、swM2eの20μg免疫群となり、swM2eの2μg免疫群ではほとんど抗体価は上昇しなかった。さらにウイルス攻撃後のマウス生存率は、表11に示すように、前述の抗M2e抗体価の上昇結果と一致し、抗M2e抗体価が高かったswM2eの20μg免疫群、swM2eC212223の2μg及び20μg免疫群において発症防御効果が確認された。すなわち、システイン残基を挿入して高い抗M2e抗体を誘導できるswM2eC212223ペプチドの方が、システイン残基を挿入していないswM2eペプチドに比べて少ない免疫量でもインフルエンザウイルス感染に対する発症防御能を付与できることが明らかとなった。
以上の結果から、M2eペプチドにシステイン残基を挿入したM2eCペプチドは、その配列上に変異のあるインフルエンザウイルス感染に対しても、M2eペプチドより高い防御効果を有し、ワクチンの材料として好ましいと考えられた。
Figure 2011024748
本発明の改変ペプチドは、A型インフルエンザウイルスに対するユニバーサルなインフルエンザワクチンの材料として利用できる。

Claims (14)

  1. インフルエンザウイルスのマトリックスタンパク2の2〜24位のアミノ酸配列から成るペプチド(M2e)にシステイン残基が挿入された改変ペプチド。
  2. インフルエンザウイルスが、A型であることを特徴とする、請求項1に記載の改変ペプチド。
  3. 前記システイン残基の挿入位置が、M2eの15位と16位のアミノ酸間よりC末側であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の改変ペプチド。
  4. 前記システイン残基の挿入位置が、M2eの15位と16位、20位と21位、21位と22位、22位と23位、又は23位と24位のアミノ酸間の何れか一つ、またはこれらの二つ以上の組み合わせからなることを特徴とする、請求項3に記載の改変ペプチド。
  5. 前記システイン残基の挿入総数が、1〜5個であることを特徴とする、請求項1ないし4の何れか一項に記載の改変ペプチド。
  6. 前記の各挿入位置に対するシステイン残基の挿入数が、最大3個であることを特徴とする、請求項5に記載の改変ペプチド。
  7. 請求項1ないし6の何れか一項に記載の改変ペプチドとポリペプチドからなる融合タンパク質。
  8. ポリペプチドがアネキシンV又はアルブミンであることを特徴とする、請求項7に記載の融合タンパク質。
  9. 請求項1ないし6の何れか一項に記載の改変ペプチド又は請求項7又は8に記載の融合タンパク質を有効成分として含有するインフルエンザワクチン。
  10. 請求項9に記載のインフルエンザワクチンを含んでなる、生物学的障壁を横切って生体内に送達可能なデバイス。
  11. 請求項1ないし6の何れか一項に記載の改変ペプチド又は7若しくは8に記載の融合タンパク質のアミノ酸配列をコードする塩基配列からなる核酸断片。
  12. 請求項11に記載の核酸断片が組み込まれた発現ベクター。
  13. 請求項12に記載の発現ベクターが導入された宿主。
  14. 請求項1ないし6の何れか一項に記載の改変ペプチドを認識し、インフルエンザウイルスに対する防御効果を有する抗体。
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