JPWO2010143455A1 - 表示装置 - Google Patents

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Abstract

映像視聴時における視覚疲労の抑制を実現できる表示装置を提供する。本表示装置は、特性を規定する画面平均輝度(Bpa)曲線において、全体のうちある特定の表示率(R)の領域に、Rの変化に対してBpaが変化しない領域(例えばBpa曲線101のT1〜T2の領域)を有する。これにより、映像視聴時の瞳孔径変化を抑制でき、それに伴う視覚疲労を抑制できる。また、本表示装置は、画面の表示率Rと画面平均輝度(Bpa)との関係を表す曲線(例えばBpa曲線201)における、少なくとも一部の表示率Rの領域での形状を、特に視聴者の視覚疲労度に応じて、映像表示の時間軸上で変化させる制御を行う。

Description

本発明は、プラズマディスプレイ(PDP装置)や液晶ディスプレイ(LCD)などの表示装置に関し、特に、映像(動画像)の視聴時の人間の視覚疲労を抑制するための技術として、表示装置の特性や、画面の輝度の制御などの技術に関する。
PDP、LCD、有機EL等の表示装置では、性能競争が激しい。特にこれまでは、輝度やコントラストなど、表示装置における表示性能(画質)の競争が主であった。しかしながら近年、これら表示装置の性能と人間特性との関係付けが注目され始めている。その中でも、映像視聴時の視覚疲労に代表される疲労についての研究が注目されている。今後は、これまでの表示性能(画質)に加え、視覚疲労を抑制するための表示技術に関する開発が進むと予想される。
PDPやLCDに代表される表示装置において、映像視聴時の視覚疲労を誘引する要因は明確にはわかっていない。
しかしながら、表示装置の輝度やコントラストと視覚疲労との相関関係、あるいは、視聴距離と視覚疲労との相関関係について、例えば、非特許文献1,非特許文献2,非特許文献3などに示されている。
これらの文献では、表示装置の特性(表示特性)が異なる場合に、視覚疲労の度合いが異なる、という結果が示されている。
例えば、非特許文献3では、PDPとLCDをそれぞれ視聴した場合の視覚疲労に関する検討がなされている。ここでは、APL(Average Picture Level:平均輝度レベル、平均画像レベルなどと称される)特性の違い、あるいは輝度制御の違いが、視覚疲労度の違いを生じさせている、と述べられている。具体的には、表示率の高い領域(例えば全面白色表示など)で輝度が高い表示装置の方が視覚疲労を生じやすいという結論である。
しかし、上記文献では、視覚疲労の発生のメカニズムに関する詳細な検討や説明はなされていない。また視覚疲労を抑制するための対策、例えば、視覚疲労を抑制するための輝度制御に関する記述も一切無い。
一方、従来の表示装置におけるAPLの制御については、視覚疲労の観点からではなく、高画質化の観点で、各種の技術が公開されている。例えば、特開2007−143122号公報(特許文献1)には、高画質化を目的に、映像ジャンル(ニュース、ドラマ、バラエティーなど)に応じてAPLを変化させる技術が提案されている。しかし、視覚疲労に関する観点の記載は無く、当然その観点でのAPLの制御に関する説明は無い。
特開2007−143122号公報
「液晶ディスプレイとプラズマディスプレイによる視覚疲労の生理的評価の試み」:岡田明、山下久仁子:平成17年度 日本人間工学会関西支部大会講演論文集, p85 (2005) "Effect of TV Display Size on Visual Fatigue in a Domestic Viewing Environment":K. Sakamoto, S. Aoyama, S. Asahara, K. Yamashita, A. Okada:IDW08 Proceeding, p2159 (2008) 「フラットパネルディスプレイにおける画像評価」:南誠治、足立克己、船引伸恵、河栗真理子:Matsushita Technical Journal Vol.53, No.2, p20 (2008)
前述のように、従来技術では、表示装置における視覚疲労を抑制するための表示技術、特に、視覚疲労と関係してAPL等の特性(画面の輝度など)を制御する技術に関して、検討が不十分であった。また、視覚疲労を抑制するために単に画面の輝度を下げるのみでは、画質が下がってしまう。
以上を鑑み、本発明の主な目的は、PDPやLCDなどの表示装置に係わり、映像視聴時における視覚疲労の抑制を実現できる表示装置、あるいは視覚疲労の少ない表示装置を提供することである。
本発明の代表的な実施の形態は、PDPやLCD等の表示装置の技術であって、以下に示す構成を有することを特徴とする。
[1:Bpa曲線にフラット領域を設ける構成]
本発明では、表示装置の特性(指標)の1つとして、従来のAPLに対して、特に、画面平均輝度(Bpa)を制御することによって、高画質で視覚疲労の少ない表示装置を実現する。Bpa曲線は、映像表示に係わる特性を規定する曲線であり、画面の表示率(R)に対するBpa値の関係を表す。本発明では、Bpaと視覚疲労(瞳孔運動など)との相関の観点に基づき、Bpa曲線において、所定の表示率(R)の領域(範囲、区間等)で、Bpa値が例えば一定(フラット)となる領域を設ける。例えば、表示率(R)が全体(0%〜100%)のうち第1の値(R1)から第2の値(R2)までの領域でBpa値が一定とする。
上記特徴的な領域(Bpa一定領域など)の定義(設定)は、表示対象とする映像の内容(特性)に応じる。例えば、一般的な映像特性として、映像ジャンル(内容)に応じた表示率(R)の範囲(分布)がわかるので、その情報データを利用する。例えば前記特許文献1には、LCDにおいて、映像ジャンルにおける、APL(輝度)と表示率(R)範囲との関係について記載されている。
(1)本形態の表示装置は、映像信号源(映像信号)を受信・入力してそれをもとに画面に映像を表示する表示装置であって、本表示装置の特性として、画面の表示率(R)と画面平均輝度(Bpa)との関係を表す画面平均輝度(Bpa)曲線を有し、Bpa曲線において、表示率(R)が0%〜100%の領域のうち少なくとも一部に、表示率(R)に依らずに画面平均輝度(Bpa)が一定(フラット)の領域を有することを特徴とする。
上記Bpaが一定の領域は、映像信号の特性に応じて、例えば、Rが5%〜40%の領域である。
(2)本形態の表示装置は、Bpa曲線において、表示率(R)が0%〜100%の領域のうち少なくとも一部の領域である、第1の表示率R1と第2の表示率R2との間の領域で、Bpa変化幅(変化量)ΔBpa[cd/m2]が、下記式(3)、ただし、[0<A≦0.035],[0.14≦a≦0.18],[0.84≦c≦0.89],[0≦R1<R2≦100[%]]、を満足することを特徴とする。
[2:視覚疲労度に応じてBpa曲線を制御する構成]
また、本発明は、表示装置の特性(指標)の1つである画面平均輝度(Bpa)及びそれを規定する曲線(Bpa曲線)を制御することによって、高画質で視覚疲労の少ない表示装置を実現する。本発明では、上記特性として、従来のAPLではなく、画面平均輝度(Bpa)を用いる。上記画面平均輝度(Bpa)の曲線は、x値である画面の表示率(R)と、y値である画面平均輝度(Bpa)との関係(関数:Bpa(R))を表す。表示率(R)は、例えば0%〜100%である。
本形態の表示装置では、第1の特徴として、視覚疲労を抑制するように、上記特性の曲線を時間的に変化させるように制御する。本曲線の制御において、映像表示の時間軸上、上記曲線のx値(R)が大きい方の領域(範囲等)でy値(Bpa)を下げるように変動させる。またそれとは逆に、戻す制御も行う。即ち、上記曲線のx値(R)が大きい方の領域でy値(Bpa)を上げるように変動させる。
本形態の表示装置では、第2の特徴として、視聴者の視覚疲労度(F)に応じて、上記曲線を変動させる。画面平均輝度(Bpa)と視聴者の視覚疲労度(F)との相関の観点に基づき、視覚疲労度(F)の大きさに応じて、上記曲線における少なくとも一部の表示率(R)の領域で、y値(Bpa)を下げるように変化させる。特に、本表示装置は、視覚疲労度(F)を検出・算出等する手段(ユニット)を設ける。その視覚疲労度(F)に応じて、上記第1の特徴のように、上記曲線を時間的に制御する。即ち視覚疲労度(F)が大きいほど、上記曲線のy値(Bpa)を下げる度合いを大きくする。
上記視覚疲労度(F)は、眼の運動と相関関係を持つパラメータとして、瞳孔径、あるいは、瞬目(瞬き)回数、等から求める(直接的に推定する方法)。相関関係として、例えば、瞳孔径の変化が大きいほど視覚疲労が大きくなること、あるいは、視覚疲労が大きいほど瞬きの回数が増加すること、等を利用する。
また、視覚疲労度(F)については、上記直接的に推定する方法以外にも、間接的に推定する方法を用いてもよい。即ち例えば、対象の映像(映像信号)の輝度データなどをもとに、視覚疲労度(F)を推定する(言い換えれば、一般的な統計的推定等による視覚疲労度(F)の情報を利用する)。また例えば、予め複数の曲線を用意しておき、推定される視覚疲労度(F)に応じて選択する。
これらにより、本表示装置では、対象の映像(映像信号)を画面に表示する際、上記視覚疲労度(F)に応じて上記曲線を決定して適用し、当該映像の表示率(R)に応じた画面平均輝度(Bpa)で表示することになり、結果、視聴者の視覚疲労が抑制される。
上記曲線を制御する手段としては、表示装置の種類に応じて、各種の技術を適用可能である。例えば、LCDではバックライトの輝度調整の制御、PDP装置では駆動波形(サステインパルス数)の制御などが適用可能である。
(1)本形態の表示装置は、画面の表示率Rと画面平均輝度Bpaとの関係を表す曲線(Bpa曲線)を有し、前記曲線における少なくとも一部の表示率Rの領域での当該曲線の勾配の形状(Bpa値の増減の程度など)を、映像表示の時間軸上で変化(調整等)させる制御を行う。特に、視聴者の視覚疲労度(F)に応じて、前記曲線を変化させる制御を行う。特に、視覚疲労度(F)が増加した場合には輝度を低下させ、視覚疲労度(F)が改善(低下)した場合には輝度を戻す(増加させる)ようにする。特に、視覚疲労度(F)が大きいほど曲線の勾配がなだらかになるようにする。特に、曲線の変化の段階として少なくとも2つ(2つの曲線)を有する。即ち、標準的な第1の曲線(視覚疲労を考慮しない曲線)に対し、表示率(R)領域全体のうちRが大きい領域で画面平均輝度(Bpa)を低減させた第2の曲線(視覚疲労を考慮した曲線)を有する。
(2)本形態の表示装置は、例えば、入力の映像信号をもとに、各表示率Rでの最大輝度により、当該映像の各フレームの画面平均輝度Bpaを算出して蓄積する算出部と、前記映像信号をもとに、当該映像の各フレームの表示率Rを算出する算出部と、視聴者の視覚疲労度(F)を判定するための生体情報を取得する生体情報取得ユニットと、前記生体情報を蓄積する蓄積部と、前記生体情報をもとに前記視聴者の視覚疲労度(F)を判定する判定部と、前記視覚疲労度(F)に応じて、前記画面平均輝度Bpaの曲線の変化を調整する制御部と、を有する。
(3)特に、視聴者の瞳孔径を推定する手段を有し、瞳孔径の経時変化のデータをもとに視覚疲労度(F)を判定、定量化する。
(4)特に、視聴者の瞬目回数を推定する手段を有し、瞬目回数をもとに視覚疲労度(F)を判定、定量化する。
(5)特に、前記曲線の制御では、表示率Rの高い領域ほど画面平均輝度Bpaをより大きく変化させる。
(6)特に、前記曲線の制御では、画面平均輝度Bpaを低減または増加させる対象となる表示率(R)の領域を、視覚疲労度(F)に応じて拡大または縮小させるように変化させる。
(7)特に、前記曲線の制御では、画面平均輝度Bpaの変化率ΔBpaの最大値を5%以下とする。
本発明の代表的な実施の形態によれば、PDP装置やLCDなどの表示装置に係わり、映像視聴時における視覚疲労の抑制を実現できる表示装置、あるいは視覚疲労の少ない表示装置を提供できる。
本発明及び実施の形態における視覚疲労を抑制するためのBpa曲線の例(その1)を説明するための図である。 本発明及び実施の形態における視覚疲労を抑制するためのBpa曲線の例(その2)を説明するための図である。 本発明及び実施の形態における視覚疲労を抑制するためのBpa曲線の例(その3)を説明するための図である。 本発明及び実施の形態における視覚疲労を抑制するためのBpa曲線の例(その4)を説明するための図である。 本発明及び実施の形態における視覚疲労を抑制するためのBpa曲線の例(その5)を説明するための図である。 本発明の実施の形態における、視覚疲労を抑制するBpa曲線を算出するためのシステム(表示装置)の構成例を説明するための図である。 本発明及び実施の形態における、視覚疲労を抑制するための輝度の変動(ばらつき)の許容値の見積もり(検討)について説明するための図である。 本発明の実施の形態として、(a)は実施例1の表示装置のBpa曲線、(b)は実施例2の表示装置のBpa曲線を説明するための図である。 実施例1の表示装置であるPDPの構造概略を説明するための図であり、(a)はセル構造の分解斜視図、(b)はV面の断面図である。 実施例2の表示装置であるLCDの構造概略を説明するための図である。 本発明者等の検討による、瞳孔径相対値の光刺激(画面輝度)依存性を示す図である。 本発明者等の検討による、映像視聴時の瞳孔径の変化を示す図であり、(a)はBpaの変化が小さい表示特性を有する表示装置を用いた場合の例、(b)はBpaの変化が大きい表示特性を有する表示装置を用いた場合の例を示す。 本発明者等の検討による、Bpaを測定・評価するための映像パターン例を示す図である。 従来の表示装置(表示装置α、表示装置β)におけるBpa曲線の例を示す図である。 本発明の一実施の形態の表示装置における、視覚疲労を抑制するための画面平均輝度(Bpa)曲線及びその変化の方式(その1)を説明するための図である。 本発明の一実施の形態の表示装置における、視覚疲労を抑制するための画面平均輝度(Bpa)曲線及びその変化の方式(その2)を説明するための図である。 本発明の一実施の形態の表示装置における、視覚疲労を抑制するための画面平均輝度(Bpa)曲線及びその変化の方式(その3)を説明するための図である。 本発明の一実施の形態の表示装置(LCDの場合)を含むシステムの機能ブロック構成例を示す図である。 本発明者等の検討による、視聴時間に対する瞬目回数の変化のデータ例を示す図である。 実施例3の表示装置を含むシステムにおける、機能ブロック構成例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
[1:Bpa曲線にフラット領域を設ける構成]
まず一実施の形態としてBpa曲線にフラット領域を設ける構成について説明する。
<視覚疲労>
近年、表示装置の特性と人間の特性との関係付けが注目されており、その中でも映像視聴時の視覚疲労について研究が進んでいる。映像視聴時の視覚疲労を誘発する要因は明確にはわかっていないが、表示装置の輝度やコントラストと視覚疲労との相関関係、あるいは、視聴距離と視覚疲労の相関関係について、前述した非特許文献1,非特許文献2,非特許文献3に示されている。
これらの文献では、表示装置の特性が異なる場合に視覚疲労の度合いが異なるという結果が示されているが、その視覚疲労の発生のメカニズムに関する検討や説明はなされていない。また、視覚疲労を抑制するための施策についても述べられていない。例えば、非特許文献1や非特許文献3では、LCDとPDPを用いて、同一の映像を視聴した場合に、LCDに比較してPDPでは視覚疲労が生じ難いという結果が示されている。この視覚疲労の差を生じる理由の1つとして、PDPでは輝度制御をしているため、と結論付けている。しかし、輝度制御をすることによって、なぜ視覚疲労が抑制されるのか、また、どのような輝度制御の手法において視覚疲労を抑制することが可能か、等の詳細については一切明示されていない。
本発明者等は、視覚疲労の発生のメカニズムの解明を目的に各種の検討を行い、その結果から、視覚疲労を誘発する1つの要因として、瞳孔運動(眼の運動)を抽出した。本発明では、この瞳孔運動(眼の運動)に着目して、視覚疲労を抑制する手法を提案するものである。
瞳孔(瞳)は、人間の眼(網膜)に入射する光量を調整する機能を有し、眼に入射する光量に応じて、縮瞳と散瞳を繰り返す。この瞳孔の運動は、瞳孔の周辺にある瞳孔散大筋と瞳孔括約筋がそれぞれ収縮と緩和をすることによって行われる。例えば、明るい光が入射する場合には、瞳孔括約筋が収縮し、瞳孔散大筋が緩和することによって縮瞳が生じる。また、逆に、暗い光の場合には、瞳孔括約筋が緩和し、瞳孔散大筋が収縮することによって散瞳が生じる(一般的な視覚の知見に基づく)。
本発明者等は、実際の表示装置での画面の明るさ(輝度)に対して瞳孔径がどのように変化するかについて検討・評価した。その結果を図11に示す。図11のデータは、横軸での画面輝度(Bpa)[cd/m2](対数値logBpa)に対し、縦軸で相対瞳孔径(φ)をプロットしたものを示している。相対瞳孔径(φ)は、上記画面を注視する被験者の相対的な瞳孔径であり、上記画面の0階調(即ち黒色ベタ画像)表示時の瞳孔径によって規格化した値(相対値)である。瞳孔の大きさは個人によって異なるため、個々に規格化することによって、各人のデータを容易に比較できる。本検討・評価は、暗室での測定によるものであり、0階調表示時での瞳孔径は、日常生活における最大瞳孔径と考えられ、以下の検討では、それを基準としている。
上記結果からわかるように、相対瞳孔径(φ)は、画面の明るさに応じて変化し、相対瞳孔径(φ)は、画面平均輝度(Bpa)の対数値(logBpa)とほぼ線形の関係にあることがわかる。画面平均輝度(Bpa)が約1桁変化すると相対瞳孔径(φ)は約2割変化することになる。人間の感度は一般的に幅広いダイナミックレンジに対応できるように対数値に比例することが知られている。瞳孔径についても同様の傾向にあることがわかる。
実際の表示装置における映像表示では、この画面輝度が、映像内容に応じて時間軸上で変化することになる。そして、その画面輝度に応じて、瞳孔径が変化する。即ち、画面からの光強度あるいは光強度の変化量に応じて、瞳孔径の調節が行われ、瞳孔筋の運動が必要となる。長時間の映像視聴では、この筋肉運動が長時間に渡り繰り返され、瞳孔筋の筋肉疲労による視覚疲労が生じると考えられる。
図12は、本発明者等による検討の結果として、実際の映像視聴時の瞳孔径変化を示している(横軸は時間[sec]、縦軸は瞳孔径[mm])。図12(a)と(b)は、同一被験者で同一映像視聴での測定結果であるが、当該映像の表示に用いた表示装置の特性が異なる。その詳細は後述するが、(a)は画面平均輝度(Bpa)の変化が小さい表示特性を有する表示装置、(b)は画面平均輝度(Bpa)の変化が大きい表示特性を有する表示装置を用いた場合の測定である。この検討と主観評価(アンケート調査)による検討から、図12(b)のように、瞳孔径変化の動きが大きい方(即ち激しい瞳孔運動を伴う方)が、視覚疲労の度合いが高いことがわかった。
本検討結果で、同一被験者、同一映像視聴において、瞳孔径の概略的な変化は、図12(a)と(b)で同様であることがわかる。即ち、同じようなタイミングで瞳孔径が小さくなり(縮瞳)、または大きくなっている(散瞳)。ここで注目すべき点は、その瞳孔径の変化幅である。例えば、図12中の時間領域121(約8〜12sec)では、(a),(b)共に瞳孔径が大きくなる挙動(散瞳)を示しているが、その変化幅(変化量)(Δφ)は、(a)のΔφ=1.2mmに比べて、(b)ではΔφ=2.0mmと大きくなっている。また、例えば時間領域122(約41〜44sec)では、共に瞳孔径が小さくなる挙動(縮瞳)を示しているが、その変化幅(Δφ)は、(a)のΔφ=−1.0mmに比べて、(b)ではΔφ=−1.5mmのように大きくなっている。同様に例えば時間領域123においても、(b)では変化量が大きく、さらに傾きが急(即ち散瞳速度が速い)となっている。これらのことから、(a)に比べ(b)では瞳孔径の変化が大きく、瞳孔筋の運動が激しいことが推定できる。
一方、上記映像視聴後の視覚疲労に関する主観評価の結果から、図12(a)に比べて(b)で視覚疲労の度合いが高いことがわかっている。即ち、これら瞳孔径の変化(瞳孔筋の動き)が大きい場合に、視覚疲労を生じやすいという相関が得られている。
一般的に、瞳孔は交感神経や副交感神経の支配を受けるため、例えば被験者の感情などによって左右されることもあるが、図12の評価結果から考えると、基本的には、眼への光刺激による反応(対光反応)の影響が大きい。
また、瞬目については以下がわかっている。映像視聴する際にディスプレイを注視すると、一時的に瞬目回数が減少する。瞬目回数が減少し、瞬目の時間間隔が涙膜破壊時間を越えると、眼球上の涙膜が減少・一部消失する場合がある。この状態は眼の違和感として認識され、悪化すると眼精疲労へとつながる。これを防ぐために、視聴時間が増加し視覚疲労が増加してくると、生体防御反応として瞬目回数が増加する。
本発明者等は、以上の検討結果を含む各種検討に基づいて、映像視聴時の視覚疲労を誘発する1つの要因として、瞳孔筋の動きに着目し、その運動を抑制することにより視覚疲労を抑制することを考えた。本発明では、映像視聴時における眼に入射する光刺激について考え、当該光刺激(光量、画面輝度など)と瞳孔運動(それによる視覚疲労)との相関という観点に基づき、視覚疲労を抑制する手法(特性)を適用した表示装置を提案する。特に、本発明者等は、眼に入射する光刺激として、次に述べる画面平均輝度(Bpa)に着目した。また、疲労度(視覚疲労度:F)の定量化の手段として、瞳孔径の変化量、および瞬目回数に着目した。
<画面平均輝度(Bpa)>
画面平均輝度(Bpa)は、表示装置の特徴を表す1つの特性であり、以下のように定義する。Bpaは、表示装置の画面(表示領域、全画素)から放射される光量(総光量)をその全面積で除した値であり、画面全体で平均化された輝度である。このBpaは、表示装置から視聴者の視野側へ出射されて眼に入射する光量にほぼ相当し、本発明者等はこれを指標として用いている。
ここで述べる画面平均輝度(Bpa)は、次のような手法で評価する。図13に示すように、表示装置の画面(表示領域)において、0階調表示の黒地(背景の黒色領域131)に255階調表示の白地(白色領域132)の方形パターンを表示する。画面の黒色領域131の全面積をSall、白色領域132の面積をS、白色領域の輝度をBとする。すると、画面における表示率:R、及びその表示率Rでの画面平均輝度:Bpa(R)は、下記の式(1),(2)で示される。
また上記の定義については以下の式(11)のように言い換えることもできる。
ここで、Hは画面の水平方向の画素数、Vは画面の垂直方向の画素数、Nは階調のビット数(例えばN=8の場合は最高階調は255階調)、γはディスプレイ(本表示装置)のγ値、Yijは位置(i,j)における画素の輝度レベル、B(R)は表示率Rにおける最高階調時の輝度である。
即ち、画面平均輝度Bpaは、表示装置の画面(表示領域、全画素)から放射される光量(総光量)をその全面積で除した値であり、画面で平均化された輝度である。この画面平均輝度Bpaは、表示装置から視聴者の視野側へ出射されて眼に入射する光量にほぼ相当し、本発明者等はこれを指標として用いている。
また、表示率Rは、下記の式(12)で表される。
即ち、表示装置の画面(表示領域)に全白(最高階調の白色ベタ画像)の映像信号を表示したときの全画素の輝度レベルの積算値に対する、実際の映像信号に基づく画像を表示したときの全画素の輝度レベルの積算値の比率として求められる。
なお、一般的によく利用されるAPL(平均画像レベル)は、画面の平均的な明るさを階調単位で示したものであり、例えば8ビット表示では0階調から255階調の間の数値で表される。
式(2)から、表示率Rに応じて画面平均輝度Bpa(R)が変化することがわかる。この定義に従い、図13の画面(黒色領域131)面積内における白色領域132の面積の比率、即ち表示率Rを、0%(黒色ベタ画像)から100%(白色ベタ画像)まで変化させ、表示率Rに対する画面平均輝度(Bpa)の値をプロットした曲線を、画面平均輝度(Bpa)曲線と称する。このBpa曲線も、Bpaと同様に、表示装置の表示特性を示す重要な指標となる。
図14に、従来における実際の表示装置(異なる2つの表示装置α,β)でのBpa曲線(141(α),142(β))を示している。横軸は表示率R[%]であり、縦軸は、画面平均輝度(Bpa)[cd/m2]である。前記図11に示したように、瞳孔径の変化がBpaの対数値と線形の関係にあるため、縦軸を対数表示で示した。表示装置α(141),β(142)共に、表示率Rが高くなるに伴いBpaが高くなる。表示率Rが約10%以上の領域で、2つの表示装置におけるBpa曲線の挙動が大きく異なる。表示装置α(141)では、表示率Rが増加する場合のBpaが増加する勾配が緩やかであるが、表示装置β(142)では、α(141)に比べて当該勾配が急である。特に、β(142)では、表示率R=100%では、100[cd/m2]以上のBpa値を有する。
画面平均輝度(Bpa)が高いことは、眼に入射される光量が多くなることを意味する。また、実際の映像視聴においては、その映像(内容)毎にBpaが変化する。例えば、60Hzで駆動している場合には、1秒間に60枚の絵(フレーム)があり、その1枚ごとに表示率Rが異なる。即ち1枚ごとにBpaが異なる。さらに、同一の表示率Rの映像を視聴する場合であっても、当該映像を表示する表示装置(そのBpa曲線の特性)によって、Bpaの変化が異なる。
<視覚疲労と画面平均輝度>
続いて図14を用いて、ここでは本発明者等による、視覚疲労発生のモデル、視覚疲労と画面平均輝度(Bpa)との相関などについて述べる。
同一映像を視聴する場合でも、当該表示装置の画面平均輝度(Bpa)曲線が異なる場合には、眼に入射する光量が大きく異なる。例えば、ある時間において、画面上に映し出されている映像が切り替わり、表示率(R)20%から80%に変化した場合、表示装置αとβでBpaの変化量(ΔBpa)は大きく異なる。図14の場合、表示装置α(141)に比べて表示装置β(142)ではΔBpaが大きくなる(ΔBpa(β)>ΔBpa(α))。
このことを前記図11のデータと合わせて考えると、同じ範囲で表示率(R)が変化したとしても、表示装置B(142)を用いた場合に、表示装置A(141)に比べて、瞳孔径の変化が大きくなる。このような映像の切り替わりが頻繁に生じると、瞳孔筋の運動が激しくなり、表示装置α(141)に比べて表示装置β(142)においては視覚疲労度(F)が高くなる。
また、映像の内容(特性)として、テレビ放送、DVDなどの一般的な映像では、平均として表示率(R)が20%前後と言われている。即ち、表示率(R)20%前後の領域でのBpa曲線の傾きを考慮しても、表示装置α(141)に比べて表示装置β(142)でのBpa変化量(ΔBpa)が大きいことが分かる。
実際、前記図12(a),(b)に示した瞳孔径変化のデータは、それぞれ図14の表示装置α(141),β(142)を用いた場合の映像視聴時の測定結果であり、瞳孔径変化の大きい(b)(表示装置β(Bpa曲線142))で視覚疲労度(F)が高いという結果を得ている。
本発明者等は、これらの結果を含む各種検討の結果から、画面平均輝度(Bpa)の変化(ΔBpa)が大きいほど瞳孔径の変化が大きく、これにより生じた瞳孔筋の運動が、視覚疲労を誘発する1つの要因であると考えた。
上記に基づき、本発明(実施の形態)では、表示装置における画面平均輝度(Bpa)ないしそのBpa曲線を制御することによって、瞳孔筋の運動を最小限に留め、視覚疲労を抑制することを実現する。
<画面平均輝度(Bpa)曲線の制御による視覚疲労の抑制>
以下、本発明(実施の形態)の考え方、即ち、視覚疲労を抑制する画面平均輝度(Bpa)曲線の制御について述べる。映像視聴による視覚疲労を抑制するためには、映像視聴時の瞳孔筋肉の運動を抑制することが重要であり、前述のBpa曲線を調整することが1つの手法である。
具体的には、本発明の実施の形態として、図1に示すようなBpa曲線{#1(101),#2(102),#3(103)}が望ましい。図1では、横軸に表示率R[%]、縦軸にBpa相対値を示している。Bpa相対値は、R=100%でのBpaを1とした場合の相対値である。Bpa曲線#1(101)〜#3(103)は、3つの例である。T1等は、Bpa曲線上のプロット点であり、特に、特徴的な区間(Bpa一定領域)の端部(境界)を示す。
図1の各Bpa曲線{#1(101),#2(102),#3(103)}が示すように、視覚疲労を抑制するためには、表示率R=0〜100%の全領域のうち、少なくとも一部の領域で、Bpaが変化しない区間(Bpa一定領域)を設けることが必要である。例えば、Bpa曲線#1(101)では、T1からT2の区間、Bpa曲線#2(102)ではT3からT4の区間、Bpa曲線#3(103)ではT5からT6の区間及びT7からT8の区間に、それぞれBpaが一定の区間(領域)を設けている。
このとき、Bpa一定領域(区間)は、Bpa曲線#1(101)や#2(102)のように、1つの曲線の全表示率R範囲のうちの1つの区間だけでもよいし、Bpa曲線#3(103)のように、1つの曲線に2つの区間があってもよい。さらに3つ以上の区間があってもよい。
このようなBpa一定領域では、表示率Rが変化してもBpaが変化しない、即ち、眼に入射する光量が変化しないことになるので、このことは瞳孔径の大きな変化を生じさせないことになる。即ち例えば、前記図14に示す従来のBpa曲線(Bpa一定領域は無い)に比べて、本Bpa曲線によれば、瞳孔筋の運動を抑制することができる。これにより視覚疲労を抑制することが可能となる。
なお、上記Bpa曲線において、上記Bpa一定領域以外の領域、例えばBpa曲線#1(101)におけるT0からT1までの区間や、Bpa曲線#2(102)におけるT0からT3の区間、及びT4からT2の区間などの曲線形状については特に限定されない。
例えば、Bpa曲線#2(102)のT0〜T3の区間では、従来の曲線(図14)と同様に、傾きが変化する形状である。
上記曲線形状に関しては、図2に示すBpa曲線の例のように、Bpa曲線#2(102)及びその破線で示す変形(102b)において、例えばT0〜T3の区間(R=0%〜例えば約25%の領域)では、従来の曲線(図14)と同様に、上に凸の曲線形状(傾きが減少するように変化する形状)としてもよいし、破線のように直線的に変化する形状としてもよい。また、T4〜T2の区間(R=例えば約85%〜100%の領域)のように、下に凸の形状(傾きが増加するように変化する形状)としてもよいし、破線のように上に凸の形状としてもよい。
次に、Bpa曲線におけるどの表示率(R)の領域にBpa一定領域(区間)を設ければ視覚疲労に対してより効果があるかを述べる。一般的なテレビ映像やDVD映像などにおける映像内容(ジャンル等、例えばニュース、ドラマ、バラエティー等)においては、表示率(R)が20%前後である映像の頻度が高い。そして、映像源にも依るが、表示率(R)はほぼ5%から40%の領域に含まれる。映画などでは、表示率(R)が5%〜10%の低い領域の映像も有し、逆にニュース番組やバラエティー番組では、表示率(R)が40%の領域にも映像を有する。
このような各種の特性(特に表示率Rの特性)の映像の視聴において、視覚疲労を抑制するためには、本実施の形態として、例えば図3に示すBpa曲線#4(104)や、Bpa曲線#5(105)が望ましい。即ち、上記表示率Rの特性に基づいて、映像源(表示映像信号)で頻度の高い表示率Rの領域に対して、Bpa一定領域を設ける構成とする。
破線で示すBpa曲線#4(104)では、T3〜T4の区間(表示率R=5%〜40%の領域)で、Bpa一定領域を設ける構成である。これにより、特に表示率R=5%〜40%の頻度が高い映像の視聴の場合に有効に視覚疲労を抑制できる。
あるいは、実線で示すBpa曲線#5(105)のように、#4の領域よりも狭く、T3’〜T4’の区間(R=10%から30%の領域)で、Bpa一定領域を設ける構成である。これにより、特に表示率R=10%〜30%の頻度が高い映像の視聴の場合に有効に視覚疲労を抑制できる。
また、映像内容によっては、例えばコンサートの映像などでは、通常、表示率(R)が20%前後、あるいはそれ以下のRを有する映像である頻度が高いが、瞬間的にフラッシュライトなどの映像が挿入される場合があり、その場合には、急にRが極度に高い領域(70%以上)へ変化することになる。
このような映像の場合には、例えば図4に示すようなBpa曲線#6(106),#7(107)が有効である。破線で示すBpa曲線#6(106)では、表示率R=20%〜80%の間の領域(T3〜T4の区間)でBpaが一定である。さらに、実線で示すBpa曲線#7(107)のように、#6の領域よりも狭く、表示率R=30%〜70%の領域(T3’〜T4’の区間)でBpa一定領域を設けた曲線が望ましい。
これらのBpa曲線を有する表示装置、即ちこれらの所定のBpa曲線が表示特性として設定された表示装置において、映像視聴時の瞳孔運動を抑制することができ、結果として視覚疲労を大きく抑制することができる。また各Bpa曲線は、表示装置で1つに限らず、例えば複数から選択して設定する構成としても構わない。
視覚疲労抑制のための最適なBpa曲線は、表示装置の画面に映し出す映像(映像信号)の表示率(R)頻度に大きく依存する。視覚疲労を効果的に抑制するためには、前述のように、Bpaがフラットとなる特徴的な領域(Bpa一定領域)を設けることが有効である。ただし、そのBpa一定領域をどの表示率Rの領域に対して設けるか、即ち結果としてどのような形状のBpa曲線とするかについては、映像源(映像信号、映像特性)などによって異なるものにすることが考えられる。
本発明の実施の形態としては、映像源(受信・入力した信号やそれを演算・加工した信号など)の表示率(R)の頻度分布などに応じて、Bpa一定領域をどこに設定するかを決定する。そのためには、上記特徴的な領域を含むBpa曲線の決定のための演算処理などを行う機能を備えるコンピュータ等の構成が必要であり、図6に示すようなシステム(表示装置を含む)の構成例が望ましい(後述)。この場合、それぞれの映像(映像内容等)に応じたBpa曲線をその都度設定して映像表示することができ、視覚疲労を抑制できる。
<Bpa変化量(フラット以外の場合)>
前述のように、視覚疲労を抑制することを考えれば、Bpa曲線で表示率Rに依らずにBpaがフラットとなる領域を設けることが望ましい。しかしながら、次に述べる安静時の瞳孔運動の特性を考慮すると、Bpaの絶対値(Bpa変化量)によっては、例えば図5に示すようなBpa曲線の場合(所定以下の小さい傾きの領域を持つ)であっても、前記Bpa一定領域を持つBpa曲線の場合と同様に、視覚疲労を抑制することができる。
即ち、当該Bpa曲線では、所定の表示率Rの領域(第1の表示率Rから第2の表示率Rの区間)で、Bpa変化量:ΔBpa(R,R)が、下記の式(3)を満足する範囲であればよい。ただし、式(3)で、数値範囲として、[0<A≦0.035],[0.14≦a≦0.18],[0.84≦c≦0.89],[0≦R<R≦100]である。
即ち、上記特定の領域では、曲線の傾きを、前述の0(フラット)に限らず、ある程度まで許容する。
ここで、Bpa(R)は、前述と同様に、表示率RにおけるBpa値である。また、A,a,cは、後述するが、相対瞳孔径と画面平均輝度(Bpa)[cd/m2]の関係から算出される値である。これらの変数は、上記数値範囲が望ましい。特に(a,c)については、(0.17,0.88)程度が望ましい。
以下、これら(Bpaと瞳孔径の関係、上記数値範囲など)の根拠について、図7(輝度ばらつきの許容範囲の検討)を用いて説明する。図7に示すように、画面輝平均度(Bpa)[cd/m2]と相対瞳孔径(φr)は、画面平均輝度Bpaの対数値(logBpa)とほぼ線形の関係にある。これは前記図11に示した通りであり、ほぼ次の式(4)で記述することができる。
傾きaと切片cは、各人によって異なる。本発明者等が複数の被験者のデータを解析した結果、平均的には、a=0.17,c=0.88であり、ほぼ下記式(5)に示す範囲にあることがわかった。
一方、瞳孔径は、安静状態においても、その相対値(φr)は、ある一定の振幅の中で変動する。これは生理的な運動であり、この微小変化による瞳孔運動においては、視覚疲労につながらない。この生理的な運動により生じる瞳孔径の変化率を、安静時瞳孔径変化率Aとして、式(6)のように定義する。
安静時瞳孔径変化率Aの値は、これまでの本発明者等の検討から、ほぼ0.035以下であること(下記式(7))がわかっている。
以上のことから、上記の生理的な運動による瞳孔変化においては、視覚疲労を生じないと考え、その瞳孔径変化Δφから許容される画面平均輝度Bpaの変化量ΔBpaを見積もる。図7に示すように、上記Δφの生理的変動があるということは、図7中のΔBpaの変動が許容されることに等しい。従って、このΔBpaを見積もればよい。
画面輝度と相対瞳孔径は、前記式(4)に従うので、ΔBpaとΔφrの関係は、下記式(8)のように表すことができる。ここで基準になる画面平均輝度をBpa1とする。
この式(8)を、式(4),式(6)を用いて、ΔBpaについて解くと、下記式(9)で表せる。
式(9)から算出されるΔBpa以下の輝度変化であれば、視覚疲労を生じない。よって、図5のBpa曲線51において、表示率RからRの領域(T3〜T4の区間)のBpa変化量であるΔBpa(R,R)を考えた場合、下記式(10)を満足する条件での変化は許容できることになる。なおBpa(R)はRにおけるBpa値である。当然、各変数A,a,cは前記式(5),式(7)の範囲にあることが前提である。
例えば、図5のBpa曲線51において、R=20%、R=80%とし、a=0.170,c=0.875,A=0.02,Bpa(20%)=15[cd/m2]とすると、ΔBpa=3[cd/m2]と算出できる。このとき、表示率R=80%でBpa(80%)=18[cd/m2]以下であれば、視覚疲労を生じない。
上記では、視覚疲労の観点から各Bpa曲線に必要な事項について述べたが、さらに、例えば図1、図3、図4、図5に示した各種Bpa曲線を時間的に組み合わせて、視聴者の疲労度に合わせて変化(時間軸上で切り替え)させる構成としてもよい。
上述したように、本実施の形態の表示装置において、画面平均輝度(Bpa)あるいはBpa曲線を調整する制御を行い、瞳孔運動を抑制することによって、映像視聴時の視覚疲労を抑制できる。以下、さらに詳細な実施の形態について述べる。
<システム構成例>
前述のように、図6のようなシステム構成例とすることで、それぞれの映像(内容、特性)に応じたBpa曲線を設定することができ、それぞれの視聴時に視覚疲労を抑制できる。図6を用いて詳細処理例などを説明する。
本表示装置は、表示部10(パネル1、ドライバ2)、演算回路20を備える。演算回路20は、映像源入力部21、映像信号解析部22、Bpa曲線算出部23などを備える。
映像源(E)としてDVD信号やTV放送信号などがある。本表示装置では、受信・入力される映像源(E)のデータ(映像信号など)を解析し、それに基づいてBpa曲線を算出、決定するシステム経路を持つ。特にそのための演算回路20を持つ。なお勿論この演算回路20は既存のドライバ2やプロセッサ、回路等に統合しても構わない。
映像源入力部21は、外部からの映像源(E)のデータ信号、例えばTV放送信号やDVD信号を受信、入力する。また、映像源入力部21は、映像源(E)のデータ信号に対して演算や加工の処理を行って所定の形式の映像信号を生成してもよい。映像源入力部21から、映像源(E)に基づく映像信号(例えば映像を構成する各フレームの信号)を、映像信号解析部22やドライバ2に出力する。なお映像源(E)のデータ信号に、その映像内容(ジャンル等)や特性等の情報(メタデータ)が含まれている場合はそれを利用してもよい。
映像信号解析部22では、映像源(E)の特性を解析する。具体的には、映像源(E)のデータ信号(F)における表示率(R)の頻度分布(ヒストグラム)を算出する。図6中に解析の例(Rのヒストグラム60)を示す。例えば、所定の頻度(h)以上となる表示率Rの範囲(Ra,Rb)が抽出される。
また、映像信号解析部22では、入力信号(F)をもとに、当該映像内容におけるジャンル等の特性、あるいはそれに対応付けられる表示率Rの範囲などを判定する処理を行ってもよい。
上記の解析結果に応じて、Bpa曲線算出部23(または映像信号解析部22)では、当該映像源(E)の視聴(表示)で視覚疲労を抑制するために適用する、前述のBpa曲線のBpa一定領域(それを規定する数値など)などを算出する。Bpa曲線算出部23では、そのBpa一定領域を含んで成るBpa曲線(即ち表示装置の特性)を算出、決定する。図6中のBpa曲線61は、Bpa一定領域(Ra〜Rbの領域)を設ける場合である。
上記決定されたBpa曲線の情報と、表示のための映像信号とを、表示部10のドライバ2に入力する。ドライバ2から当該Bpa曲線に従ってパネル1を駆動することにより、パネル1の画面に映像を表示する。
Bpa曲線算出部23のBpa曲線の決定の手法として以下が可能である。
(1)Bpa曲線全体を演算処理により算出する処理を行う。この場合、算出処理に時間がかかる可能性があるが、最終的な特性(効果)は最適化できる。
(2)基準(標準)となるBpa曲線をもとに、その時のBpa一定領域等を算出して、それを基準のBpa曲線に適用(合成)することで、その時に用いるBpa曲線を得る処理を行う。この場合、比較的すぐにBpa曲線を決定できる。
(3)予め用意(計算)された複数のBpa曲線からその時に適用する1つを選択する処理を行う。この場合、すぐにBpa曲線を決定できる。
上記(2)の処理例としては、Bpa曲線算出部23は、表示率Rのヒストグラムのデータから、所定の頻度の閾値(h)をもとに、境界値となる2つの表示率Ra,Rbを、図6の例のように決定する。そして、図6の例のように、表示率Ra,RbをBpa一定領域の境界値に設定する。基準のBpa曲線として例えば図14のBpa曲線141等があるとき、このBpa曲線141に対し上記表示率Ra,Rbを適用し、加工(Ra−Rbの区間の傾きがフラットになるように補正)することで、図6の例のBpa曲線61を得る。
上記(3)の処理例としては、映像信号解析部22などによる映像源(E)のジャンル解析の情報などに基づき、予め複数のBpa曲線のデータを用意して当該データをテーブル等に格納しておく。表示対象の映像源(E)の解析データ等をもとに、その時点の映像表示のために一番効果が高くなるBpa曲線を複数のうちから選択する。選択されたBpa曲線の情報データをドライバ1などに与え、その時の特性を設定する。
さらに、上記に基づき、より詳細な実施の形態として、表示装置の具体例を以下に説明する。
図8(a)、図9等を用いて、実施例1の表示装置を説明する。実施例1の表示装置は、プラズマディスプレイ(PDP)である。図9に、本実施例1で適用するPDP900の構造例を概略的に示している。図9(a)は、本PDP900の表示領域の一部分(セル構造)を拡大して示す。図9(b)は、図9(a)のV面での断面を示す。公知のサブフィールド法により駆動されるPDP900の場合である。本PDP900を備えるシステム構成例は前記図6と同様である。
図9で、PDP900は、前面ガラス基板901、背面ガラス基板905、放電空間910などから成り、複数の画素(セル)を有する。各画素は、隔壁(リブ)906で仕切られた放電空間910、放電空間910内に充填された放電ガス、放電空間910を囲むように隔壁906間に形成される蛍光膜909、及び放電に必要な電力を供給する電極902などを有する。
映像表示の場合、サブフィールド駆動に従い、点灯させるセルがアドレス電極908等により選択され、映像信号に応じた電圧(特に放電を発生させるためのサステインパルス)が電極902に印加される。これにより、放電空間910内で放電を生じさせ、放電ガスから紫外線を発生させ、この紫外線が蛍光膜909に入射し、可視光に変換され、表示光となる。
実施例1では、上記のようなPDP900において、その表示装置特性として、図8(a)に示すようなBpa曲線(81)を有する(適用する)構成である。
図8(a)のBpa曲線(81)では、表示率(R)が20%から80%の領域、特に30%〜70%の領域で、Bpaがほぼ17[cd/m2]で一定となるようにしている。
PDP装置において、上記Bpa一定領域を含むBpa曲線(81)を作るための手段としては、例えば、サブフィールド法における1画素の点灯時に投入するサス数(サステインパルス数)等を調整することによって実現できる。このサス数調整の技術自体は公知技術を利用できる。映像のフレームを構成する複数のサブフィールドにおける各サステインパルス数は、当該サブフィールドの輝度の重み付けに応じて設定される。
即ち、本PDP900を含んで成るPDP装置では、図6のようなドライバ2(PDPドライバ)からパネル1(PDP900)へ与える駆動波形において、演算回路20で決定されたBpa曲線(表示率RとBpa値の関係)に基づき、その時のサブフィールドの表示率Rに応じたBpa値となるように、当該サブフィールドのサステインパルス数を調整する。
実施例1のPDP900(PDP装置)において、映像源(E)として例えば、ニュース映像を視聴する。映像視聴時に行う瞳孔径の計測からも、従来の表示装置での視聴に比べて瞳孔径変化が小さいことがわかる。このことは瞳孔筋の運動量が少ないことに相当する。そして、視聴後の主観評価結果から、従来の表示装置に比べ、視覚疲労を抑制できることがわかる。
図8(b)、図10等を用いて、実施例2の表示装置を説明する。実施例2の表示装置は、液晶ディスプレイ(LCD)である。図10に、本実施例で適用するLCDの構造例を概略的に示している。システム構成例は前記図6等と同様である。
図10で、LCDは、大きくは、バックライトユニット1001と、液晶パネル1002とを有して構成される。バックライトユニット1001は、例えば複数の蛍光ランプ1005が並べられた構成である。複数の蛍光ランプ1005の光を、蛍光ランプ1005と液晶パネル1002との間に配置された拡散板1006、プリズムシート1007、及び偏光反射板1008などによって均一な光にした後、液晶パネル1002側へ導光する。液晶パネル1002は、複数の画素から構成され、バックライトユニット1001からの光を液晶パネル1002内の画素で透過量を調整することにより画像表示を行っている。また、近年では、光源として蛍光ランプ1005以外にLEDも用いられるようになっている。LEDの場合においても、光源からの光を拡散板などで、混色、均一な光としてから液晶パネル1002側へ導光する。
実施例2では、上記のようなLCD(それを含んで成るLCD装置)において、その表示装置特性として、図8(b)に示すようなBpa曲線(82)を有する(適用する)構成である。
図8(b)のBpa曲線(82)では、表示率(R)が20%から80%の領域で、Bpaがほぼ27[cd/m2]で一定となるようにしている。
LCDにおいて、上記Bpa一定領域等を含むBpa曲線(82)を作るための手段としては、例えば、バックライト(1001)の制御によって実現できる。このバックライト制御の技術自体は公知技術を利用できる。
即ち、本LCD装置では、入力される映像信号から読み取れる表示率(R)に応じて、所定の表示率(R)の場合に、バックライト(1001)の輝度制御を行うことによって、上記のようなBpa曲線を得る。ドライバ2のうちのバックライト制御部からバックライト(1001)へ与える制御信号において、Bpa曲線に基づき、その時の画面の表示率Rに応じたBpa値となるように、当該画面のバックライト輝度を制御する。
実施例2のLCD装置において、映像源(E)として例えば、ドラマ映像を視聴する。映像視聴時に行う瞳孔径計測からも、従来の表示装置での視聴に比べて瞳孔径変化が小さいことがわかる。そして、視聴後の主観評価結果から、従来の表示装置に比べ、視覚疲労を抑制できることがわかる。
以上のように、本実施の形態によれば、特に表示装置(PDPやLCD)の特性である画面平均輝度(Bpa)を制御し、映像表示における画面の表示率(R)が変化してもBpaが変化しない領域、またはBpa変化量が小さい領域などを設ける構成により、映像視聴時の視覚疲労を抑制できる表示装置が提供される。更に、以下のようにBpa曲線を視聴時間(時間軸)に応じて変化させる制御を行う構成としてもよい。それらにより、高画質と視覚疲労抑制を両立する表示装置が得られる。
[2:視覚疲労度に応じてBpa曲線を制御する構成]
次に一実施の形態として視覚疲労度に応じてBpa曲線を制御する構成について説明する。
前述の説明(視覚疲労と画面平均輝度の相関など)に基づき、本発明(実施の形態)では、表示装置における画面平均輝度(Bpa)ないしそのBpa曲線を時間的に制御することによって、瞳孔筋の運動を抑制し、即ち視覚疲労を抑制することを実現する。
具体的には、本発明の実施の形態として、図15に示すような画面平均輝度(Bpa)曲線201が望ましい。図15のBpa曲線201(横軸x値:R[%]−縦軸y値:Bpa[cd/m2])では、表示率Rの大きさに応じて画面平均輝度(Bpa)が高くなるBpa曲線において、表示率Rの大きな領域における画面平均輝度(Bpa)を、例えば曲線201−1〜201−7のように、低減する。各曲線201−1〜201−7は、Bpa曲線201の変動制御の段階の例を示している。本Bpa曲線201において、例えば第1の曲線(No.1)201−1では、直線形状である(これを例えば標準(基準)のBpa曲線とする)。それに対し、第2の曲線(No.2)201−2の段階では、R≧90%の領域でBpa値が少し下がる曲線形状となる。同様に、各曲線201−3〜201−7の段階では、少しずつ下がる所定のR値以上の領域でBpa値が下がる程度が大きくなる。例えば第7の曲線(No.7)201−7の段階では、R≧40%の領域でBpa値がなだらかに下がる勾配を持つ曲線形状となる。
これにより、表示率Rが大きく変化する映像が表示された場合でも、上記曲線(例えば第7の曲線(No.7)201−7)を適用することによって、瞳孔径の変化を抑制できる。即ち視聴者の視覚疲労を抑制できる。
また、表示率Rの小さな領域(例えば0%〜20%)の輝度を低減してしまうと映像の迫力(きらめき)が失われてしまうので、図15のBpa曲線201のように、表示率Rの大きな領域の輝度(Bpa)を低減する構成(所定の表示率R以下の領域では輝度(Bpa)を変化させない構成)の方が好ましい。これにより、視覚疲労の抑制と、ディスプレイの持つエンタテイメント性(良好な画質)との両立が可能となる。
上述したように、本実施の形態の表示装置において、画面平均輝度(Bpa)あるいはBpa曲線を時間的に変化させる制御を行い、瞳孔運動を抑制することによって、映像視聴時の視覚疲労を抑制できる。
<視覚疲労度(F)に応じた画面平均輝度(Bpa)曲線の時間的な制御>
次に、詳細な実施の形態として、画面平均輝度(Bpa)曲線を視聴者の視覚疲労度(F)に応じて時間的に変化させる手段を備える構成について説明する。本実施の形態の表示装置は、この手段として、視覚疲労度(F)の検出・算出に応じて、適用するBpa曲線(所定のR領域でBpa)を決定する機能を備える。この機能では、Bpa曲線の決定のための演算処理などを行う機能を備える。
<システム構成例>
図18は、本実施の形態の表示装置を含んで成るシステム全体の機能ブロック構成例を示している。本表示装置の構成では、上記Bpa曲線の決定のための演算処理などを行う機能を備え、視聴者の視覚疲労度(F)に応じたBpa曲線をその都度設定して映像表示することができ、効果的に視覚疲労を抑制できる。
本表示装置は、演算回路520(制御回路521を含む)、表示部530(液晶パネル514、バックライトユニット515、ドライバ531等を含む)、生体情報取得ユニット506、生体情報蓄積部510、バックライト制御ユニット513、光センサ516などを備える。演算回路520は、映像信号処理部501、画面平均輝度(Bpa)算出部502、表示率(R)算出部503、生体情報推定部504、視覚疲労度(F)判定部505、画面平均輝度(Bpa)曲線制御部512などを備える。生体情報取得ユニット506は、例えば、カメラ507、メモリ部508、画像処理部509などから成る。生体情報蓄積部510は、所定のメモリ等の記憶手段であり、他の箇所に存在してもよい。演算回路520は、IC等であり、既存のドライバやプロセッサ、回路等に統合しても構わない。
映像信号処理部501は、外部からの受信・入力等による映像源(映像信号)E、例えば放送信号や、DVDなどの映像メディアから取得した信号などに対して、所定の適切な処理を行うことにより、例えば表示用の映像信号E’(各フレームの信号を含む)を出力する。なお映像信号Eには、その映像内容や特性等の情報(メタデータ)が含まれていてもよい。
映像信号処理部501で処理された映像信号(E’)は、表示部530(液晶パネル514等)を駆動・制御するための制御回路521他(画面平均輝度(Bpa)算出部502、表示率(R)算出部503等)へと入力される。制御回路521は、公知のものであり、入力された映像信号(E’)に基づいて、液晶パネル駆動用のドライバ531に駆動信号を出力する。また、制御回路521は、バックライト制御ユニット513にバックライト制御(公知の制御)のための信号を出力する。これにより、ドライバ531から液晶パネル514を駆動し、バックライト制御ユニット513からバックライトユニット515を駆動することで、映像信号(E’)に従った映像が液晶パネル514の画面に表示される(公知の技術)。
Bpa算出部502では、前述の式(1)を用いて、当該映像の各フレームのBpaを算出する。Bpaを算出する際、視聴環境(外光)の影響を考慮してもよい。その場合、本表示装置に搭載される光センサ516等の手段により外光(P)の影響を測定することにより、実現可能である。Bpa算出部502で算出したBpaの情報は、生体情報推定部504等へ出力される。
また、R算出部503では、前述の式(2)を用いて、当該映像の各フレームの表示率(R)を算出する。R算出部503で算出したRの情報は、バックライト制御ユニット513等へ出力される。
生体情報推定部504では、Bpa算出部502で算出されたBpaを、後述する瞳孔径に変換するための関数を用いて、Bpaから視聴者の瞳孔径を推定する。推定した生体情報(瞳孔径)を、生体情報蓄積部510へ出力して蓄積する。
なお本実施の形態では、視聴者の生体情報とは、眼の運動を示す情報などであり、特に、瞳孔径や瞬目を推定するための情報である。即ち、生体情報推定部504は、瞳孔径推定部、瞬目回数推定部、などと言い換えることもできる。また、本制御のパラメータとして、瞳孔径と瞬目回数の一方のみ用いてもよいし、両方用いてもよい。
生体情報取得ユニット506は、例えば、視聴者の頭部(眼)を撮影するカメラ507と、そのデータを蓄積するメモリ部508と、そのデータから画像処理によって生体情報(瞳孔径や瞬目)などを判断(検知、抽出等)する画像処理部509とを有する。カメラ507は、通常の可視光を検知するものでもよいが、より好ましくは、赤外線を検知して記録できるものがよい。画像処理部509の処理は、公知の特徴抽出技術などを利用できる。
瞳孔径の検知の場合においては、例えば、画面(画像)中の瞳孔部分を特徴部として抽出し、その直径を瞳孔径(φ)として測長する。
瞬目(瞬目回数)の検知の場合においては、例えば、眼における上下のまぶたの中央部同士の距離が通常時の1/10以下となった場合を、瞬目(その発生)として検知し、また必要に応じてその回数などを計数する。
生体情報推定部504及び生体情報取得ユニット506で得られた生体情報(即ち瞳孔径や瞬目)は、生体情報蓄積部510に一旦蓄積され、その後、視覚疲労度(F)判定部505に入力される。
視覚疲労度(F)判定部505では、後述する視覚疲労度(F)判定条件を用いて、視覚疲労度(F)を定量化した値である視覚疲労指数fを算出する。なお、この際の視覚疲労度(F)判定条件は、前述したような実験・検討の結果に基づいて作成するものである。
視覚疲労指数fの情報は、Bpa曲線制御部512へ入力される。Bpa曲線制御部512では、選択テーブル11を参照し、当該時点の視聴者の視覚疲労度Fを示す視覚疲労指数fに応じたBpa曲線を選択する。Bpa曲線制御部512で選択されたBpa曲線の情報は、バックライト制御ユニット513等へと入力される。
選択テーブル511は、視覚疲労度F(視覚疲労指数f)に応じた複数のBpa曲線、即ち図15の例(201)のようなBpa曲線に関する制御条件が記述されている。Bpa曲線制御部512は、当該時点のf値に応じて、適用するBpa曲線(番号No.)を選択する。なお、選択テーブル511のBpa曲線の情報データは、図示しない画面平均輝度曲線格納ユニット(あるいは他の記憶手段でもよい)に格納されている。図18の選択テーブル11の例では、条件として、f≦0の場合は番号No.1の曲線、0<f≦2の場合は番号No.2の曲線、2<f≦4の場合は番号No.3の曲線、といったように定義されている。
バックライト制御ユニット513では、Bpa曲線の情報、及び表示率Rの情報をもとに、当該時点で適用するための適切なバックライト輝度を決定し、それによってバックライトユニット515を駆動制御する。
なお、本実施の形態では、演算回路520(Bpa曲線制御部512)で、予め用意された複数の曲線からf値に応じて1つを選択しているが、他の方法によってBpa曲線を決定してもよい。例えば、基本(基準)となるBpa曲線をもとにそれを加工する演算を行うことで決定してもよい。例えば、特定の形状のBpa曲線を規定する、所定のR範囲(Bpa値を増減させる境界値)やBpa増減比率などを演算することで、図15の例のような曲線を得てもよい。
図18はLCDの場合であるが、例えばPDP装置とする場合も、主な機能ブロックは同様である。異なる箇所としては、液晶パネル514がPDPパネルとなり、バックライトユニット515及びバックライト制御ユニット513は不要である。この場合、Bpa曲線制御部512でBpa曲線を決定すると、その情報を、制御回路521ないしドライバ531(PDP駆動回路)へ与える。そして、制御回路521ないしドライバ531からのPDPパネルの駆動の際、サブフィールドの駆動波形を調整するように制御する。
<視覚疲労度(F)の判定>
次に、視聴者の視覚疲労度(F)を判定等する方法(実施例)について述べる。本方法の処理は、例えば演算回路520の生体情報推定部504及びF判定部505などにより行われる。
(1)瞳孔径(φ)の測定値を用いた判定方法: 第1の方法として、生体情報取得ユニット6から瞳孔径(φ)のデータを取得する。そのデータから、瞳孔径(φ)の変化量Δφを算出する。前述の疲労発生メカニズムのように、瞳孔筋の運動の蓄積によって視覚疲労が発生することから、瞳孔径変化量Δφの積分値が閾値を超えた場合に、視覚疲労指数fを増加させることとする。
ただし、瞳孔径は、安静状態においても、その相対値はある一定の振幅の中で変動する。これは生理的な運動であり、この微小変化による瞳孔筋の運動は視覚疲労につながらない。この生理的な運動により生じる瞳孔径の変化率を安静時瞳孔径変化率Aとすると、このAの値はこれまでの本発明者等の検討から略3.5%以下であることがわかっている。従って上記瞳孔径変化量Δφから視覚疲労度(F)を判定する際には、安静時瞳孔径変化率Aを考慮する必要がある。なお、視覚疲労指数fを増加させる瞳孔径変化量Δφの閾値は、年齢・性別などによって変更することも可能である。その際には、予め視聴者情報(性別・年齢など)を入力・選択することで実現可能である。
(2)画面平均輝度(Bpa)からの判定方法: 第2の方法として、画面平均輝度(Bpa)と瞳孔径(φ)の関係を示す変換用関数を用意する。この変換用関数は、図11に示す実験結果などから求める。次に、変換用関数を参照して、画面平均輝度(Bpa)算出部2から出力されたBpa情報から、瞳孔径(φ)を推測し、その変化量(Δφ)を算出する。そして、その瞳孔径変化量Δφから視覚疲労指数fを求めればよい。
これらの根拠について図11を用いて説明する。前述のように、画面平均輝度Bpaと相対瞳孔径(φr)は、画面平均輝度(Bpa)の対数値とほぼ線形の関係にある。これは、ほぼ次の式(13)で記述することができる。
式(13)の傾きaと切片cは、各個人によって異なる。本発明者等が複数の被験者のデータを解析した結果、平均的には、a=0.17,c=0.88であり、ほぼ下記式(14)に示す範囲にあることがわかった。
瞳孔径変化量Δφの算出後の過程は上記(1)の方法の場合と同様である。なお、式(14)の値、及び視覚疲労指数fを増加させる瞳孔径の変化量(Δφ)の閾値は、年齢・性別などによって変更することも可能である。その際には予め視聴者情報(性別・年齢など)を入力・選択することで実現可能となる。
(3)瞬目からの判定方法: 第3の方法として、瞬目回数から判定する。一般に、無意識に行われる瞬目は、1分間に10〜20回といわれている。しかしながら、ディスプレイを注視すると瞬目の回数が減少して眼球上の涙の量が減少し、疲労度が増加すると瞬目の回数が増加して間隔が短くなることが知られている。
そこで、瞬目回数に関する生体情報取得ユニット506から、瞬目の情報を取得し、単位時間当たりの瞬目回数を測定する。疲労度(F)の判定は、この瞬目回数の増減によって行う。単位時間当たり(例えば1分間)の瞬目回数を蓄積し、その瞬目回数が、2回連続で、より好ましくは3回連続で増加した場合には、視聴により疲労度が増加しているとして、視覚疲労指数fを増加(+1)する。一方、瞬目回数が、2回連続、より好ましくは3回連続で減少した場合には、疲労状態の改善が見られるとして、視覚疲労指数fを減少(−1)する。それ以外の場合については、疲労度に変化が無いとして、視覚疲労指数fの増減は行わない。
図19は、本発明者等の検討による、視聴時間[分]に対して1分間あたりの瞬目回数をプロットした例を示す。このような瞬目回数のデータに基づき、上記判定を行う。
<画面平均輝度(Bpa)曲線の変化の方式>
次に、画面平均輝度(Bpa)曲線の変化の方式(実施例)について説明する。以下のような各種のBpa曲線が可能である。
(1)第1の方式(輝度を下げ始める表示率を変化させる場合): 前述の図15のBpa曲線201は第1の方式の実施例である。Bpa曲線201として、各段階(例えばNo.1〜No.7の7つ)の曲線201−1〜201−7を例示している。この方式では、輝度(Bpa)を低減させる表示率Rの範囲(境界)を変化させる。例えば視覚疲労度(F)の増加に伴い、Rが高い方の領域から順にRが低い方へ拡げるように、輝度(Bpa)を低減する度合いを大きくしてゆく構成である。Bpa曲線全体としては勾配が次第になだらかに変化するような構成である。
(2)第2の方式(一部を除き全体的に輝度を下げる場合): 図16は、第2の方式の画面平均輝度(Bpa)曲線の変化の実施例を示している。Bpa曲線202として、各段階(例えばNo.1〜No.7の7つ)の曲線202−1〜202−7を例示している。この方式では、表示率Rが十分に低い領域、例えば表示率R=1%以下の領域を除き、全体的に輝度(Bpa)を低下させる。その際、表示率Rの高い領域ほど、輝度(Bpa)をより大きく減少させる。視覚疲労度(F)に応じて当該曲線を変化(選択)する制御などについては前述(第1の方式)と同様である。
上記のいずれの方式の場合においても、曲線が切り替わった瞬間に視聴者が違和感を持たない程度の輝度変化に留める。その輝度変化量は、最も輝度変化が大きい表示率R(例えば100%)の表示において5%以内であることが好ましい。
また、初期(基本)の画面平均輝度(Bpa)曲線は、図15(201−1)、図16(202−1)のように直線である必要は無い。即ち、図17(第3の方式)に示すような曲線あるいは折線などによるBpa曲線(203)であっても構わない。
<画面平均輝度(Bpa)曲線の制御>
次に、上述した画面平均輝度(Bpa)曲線の変化制御を実現する手段の具体例(実施例)について述べる。輝度(Bpa)を変化させるには、式(11)より、Y,γ,B(R)を変化させればよい。そのうち、例えば最高輝度B(R)を変化させるには、表示装置がLCDの場合であれば、バックライトの輝度調整などにより実現可能である。また、PDPの場合であれば、駆動波形における維持放電回数(サステインパルス数)の調整などにより実現可能である。また、有機ELディスプレイの場合であれば、印加パルスのデューティ比の調整などにより実現可能である。Y,γについても、映像信号の調整等により実現できる。上記の具体例を以下の実施例で述べる。
実施例3の表示装置は、前記図9で示したようなプラズマディスプレイ(PDP装置)である。システム構成例は前記図18と同様である。実施例3では、上記のようなPDP900を含んで成るPDP装置において、前記図18に示す構成のうち、生体情報取得ユニット506を除く、Bpa曲線制御ユニット(主に演算回路520部分)を備える構成とする。本構成では、視覚疲労度(F)の判定に、画面平均輝度(Bpa)から推定した瞳孔径(φ)の値を用いる。また、本表示装置で特性として使用するBpa曲線は、例えば図15に示すBpa曲線201とする。本Bpa曲線を制御により変更する際における表示率R=100%における輝度(Bpa)の変化率を例えば5%とする。
また前述のように、Bpa曲線を変化させる手段として、例えば各表示率Rにおいて駆動波形の維持放電回数を調整すること(公知の技術)によって実現する。即ち、図18のドライバ531からPDPパネル(PDP900)へ与える駆動波形において、演算回路520で決定されたBpa曲線(RとBpaの関係)に基づき、その時のサブフィールドの表示率Rに応じたBpa値となるように、当該サブフィールド駆動波形の維持放電回数(サステインパルス数)が調整される。
実施例3のPDP900(PDP装置)において、映像源(E)として例えば、ニュース映像を視聴する。映像視聴時に行う瞳孔径の計測からも、従来の表示装置での視聴に比べて瞳孔径変化が小さいことがわかる。そして、視聴後の主観評価結果から、従来の表示装置に比べ、視覚疲労を抑制できることがわかる。
実施例4の表示装置は、前記図10で示したような液晶ディスプレイ(LCD)である。システム構成例は前記図18と同様である。実施例4では、上記のようなLCD(それを含んで成るLCD装置)において、前記図18に示すようなBpa曲線制御ユニット(主に演算回路520部分)を備える構成とする。本構成では、生体情報取得ユニット506からの瞳孔径や瞬目のデータから、視覚疲労度(F)を判定する。また、本表示装置で特性として使用するBpa曲線は、例えば図15に示すBpa曲線201とする。本Bpa曲線を制御により変更する際における表示率R=100%における輝度(Bpa)の変化率を例えば5%とする。
また前述のように、Bpa曲線を変化させる手段として、例えば各表示率Rにおいてバックライト(515)の点灯デューティ値の調整や電流値の調整など(公知の技術)によって実現する。即ち、図18のバックライト制御ユニット513からバックライトユニット515へ与える信号において、演算回路520で決定されたBpa曲線(RとBpaの関係)に基づき、その時のフレームの表示率Rに応じたBpa値となるように、当該フレームのバックライトの点灯デューティ値などが調整される。
前述したように(図14)、LCD(表示装置α(141))はPDP(表示装置β(142))よりも視聴時に疲労しやすいことから、実施例4(LCD)では、実施例3(PDP)よりも更に疲労抑制の効果が期待できる。
実施例4のLCD装置において、映像源(E)として例えば、ドラマ映像を視聴する。映像視聴時に行う瞳孔径計測からも、従来の表示装置での視聴に比べて瞳孔径変化が小さいことがわかる。そして、視聴後の主観評価結果から、従来の表示装置に比べ、視覚疲労を抑制できることがわかる。
更に、図20等を用いて、実施例5として、調光眼鏡を用いるシステム構成例を示す。実施例5で用いる表示装置として、基本的には実施例4と同様に液晶ディスプレイ(LCD)である。実施例4ではデスクトップ等に設置されて利用されるものを想定して説明したが、実施例5のLCDは、調光可能な眼鏡(ゴーグル)とBpa制御ユニットを有する構成である。視聴者が調光眼鏡(それを含むユニット)を頭(眼)に対して装着し、表示装置(画面)301を視聴する。
この調光眼鏡302には、前記図18と同様の生体情報取得ユニット6や、調光フィルタ303などが組み込まれている。調光フィルタ303は、電気信号(調光フィルタ駆動回路304等から与えられる制御用信号)によって透過率を変化させることができる(即ち液晶パネルの調光層と同様の働き)。生体情報及び制御用信号などは、調光眼鏡302−表示装置301間で有線または無線通信等を介して伝送される。
図20で、演算回路300等と表示装置301は一体化してもよい。演算回路300の各処理部は前述(図18)と同様である。そのうち調光フィルタ制御部313は、調光フィルタ駆動回路304を信号により制御する。
本構成では、生体情報取得ユニット6からの瞳孔径や瞬目のデータから、視覚疲労度(F)を判定する。また、本システムで特性として使用するBpa曲線は、例えば図17に示すBpa曲線203とする。本Bpa曲線を制御により変更する際における表示率R=100%における輝度(Bpa)の変化率を例えば5%とする。また、Bpa曲線を変化させる手段としては、実施例5では、調光眼鏡302に取り付けられた調光フィルタ303の透過率を調整することで実現できる。
また本構成では、多人数(各々の調光眼鏡302)で同時に表示装置301の映像を視聴した場合においても、各個人の疲労度(F)に対応したBpa曲線がそれぞれ選択される。
実施例5の表示装置システムにおいて、映像源(E)として例えば、バラエティ番組を視聴する。実施例3,4等と同様に、従来の表示装置に比べ、視覚疲労を抑制できる。
以上説明したように、本実施の形態の表示装置によれば、Bpa曲線を変化させる制御、特に視聴者の視覚疲労度(F)に応じて変化させる制御により、長時間の視聴においても視覚疲労が抑制され、また、視聴者の疲労度に応じた画質で迫力のある映像を提供することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、本発明は、PDPやLCDなどの表示装置以外にも、映像や画像を表示する他の表示装置、例えば有機ELディスプレイ、CRTなどにおいても同様に適用可能であり、同様の効果を得ることができる。
本発明は、プラズマディスプレイや液晶ディスプレイなどの表示装置に利用可能である。

Claims (26)

  1. 映像信号をもとに画面に映像を表示する表示装置であって、
    画面の表示率Rと画面平均輝度Bpaとの関係を表す曲線において、Rが0%から100%の領域のうち少なくとも一部に、Bpaが一定の領域を有すること、を特徴とする表示装置。
  2. 請求項1記載の表示装置において、
    前記曲線において、Rが5%から40%の領域に、前記Bpaが一定の領域を有すること、を特徴とする表示装置。
  3. 請求項1記載の表示装置において、
    前記曲線において、Rが10%から30%の領域に、前記Bpaが一定の領域を有すること、を特徴とする表示装置。
  4. 請求項1記載の表示装置において、
    前記曲線において、Rが20%から80%の領域に、前記Bpaが一定の領域を有すること、を特徴とする表示装置。
  5. 請求項1記載の表示装置において、
    前記曲線において、Rが30%から70%の領域に、前記Bpaが一定の領域を有すること、を特徴とする表示装置。
  6. 映像信号をもとに画面に映像を表示する表示装置であって、
    画面の表示率Rと画面平均輝度Bpaとの関係を表す曲線において、Rが0%から100%の領域のうち少なくとも一部の領域である、第1の表示率R1と第2の表示率R2との間の領域で、Bpa[cd/m2]の変化量ΔBpa[cd/m2]が、下記式(3)、

    ただし、[0<A≦0.035],[0.14≦a≦0.18],[0.84≦c≦0.89],[0≦R1<R2≦100]、を満足すること、を特徴とする表示装置。
  7. 請求項6記載の表示装置において、
    前記曲線において、RがR1=5%からR2=40%の領域に、前記ΔBpaが前記式(3)を満足する領域を有すること、を特徴とする表示装置。
  8. 請求項6記載の表示装置において、
    前記曲線において、RがR1=10%からR2=30%の領域に、前記ΔBpaが前記式(3)を満足する領域を有すること、を特徴とする表示装置。
  9. 請求項6記載の表示装置において、
    前記曲線において、RがR1=20%からR2=80%の領域に、前記ΔBpaが前記式(3)を満足する領域を有すること、を特徴とする表示装置。
  10. 請求項6記載の表示装置において、
    前記曲線において、RがR1=30%からR2=70%の領域に、前記ΔBpaが前記式(3)を満足する領域を有すること、を特徴とする表示装置。
  11. 請求項1記載の表示装置において、
    本表示装置は液晶ディスプレイであり、液晶パネルに対するバックライトの制御により、前記曲線を制御すること、を特徴とする表示装置。
  12. 請求項1記載の表示装置において、
    本表示装置はプラズマディスプレイであり、プラズマパネルに対する駆動波形の制御により、前記曲線を制御すること、を特徴とする表示装置。
  13. 請求項1記載の表示装置において、
    前記映像信号をもとに前記画面の表示率Rを算出し当該表示率Rをもとに当該映像信号に適用する前記曲線を算出または選択する処理部を備えること、を特徴とする表示装置。
  14. 映像信号をもとに画面に映像を表示する表示装置であって、
    画面の表示率と画面平均輝度との関係を表す曲線を有し、
    前記曲線における少なくとも一部の表示率の領域での当該曲線の勾配の形状を、映像表示の時間軸上で変化させる制御を行うこと、を特徴とする表示装置。
  15. 請求項14記載の表示装置において、
    視聴者の視覚疲労度に応じて、前記曲線を変化させる制御を行うこと、を特徴とする表示装置。
  16. 請求項15記載の表示装置において、
    入力の映像信号をもとに、各表示率での最大輝度により、当該映像の各フレームの画面平均輝度を算出する画面平均輝度算出部と、
    前記映像信号をもとに、当該映像の各フレームの表示率を算出する表示率算出部と、
    視聴者の視覚疲労度を判定するための生体情報を取得する生体情報取得ユニットと、
    前記生体情報をもとに前記視聴者の視覚疲労度を判定する判定部と、
    前記視覚疲労度に応じて、前記画面平均輝度の曲線の変化を調整する制御部と、を有すること、を特徴とする表示装置。
  17. 請求項16記載の表示装置において、
    前記生体情報取得ユニットを用いて前記生体情報として前記視聴者の瞳孔径を抽出し、
    前記判定部は、前記瞳孔径の値から、前記視覚疲労度を算出すること、を特徴とする表示装置。
  18. 請求項16記載の表示装置において、
    前記生体情報取得ユニットを用いて前記生体情報として前記視聴者の瞬目回数を抽出し、
    前記判定部は、前記瞬目回数の値から、前記視覚疲労度を算出すること、を特徴とする表示装置。
  19. 請求項15記載の表示装置において、
    入力の映像信号をもとに、各表示率での最大輝度により、当該映像の各フレームの画面平均輝度を算出する画面平均輝度算出部と、
    前記映像信号をもとに、当該映像の各フレームの表示率を算出する表示率算出部と、
    前記画面平均輝度から、視聴者の瞳孔径を推定する推定部と、
    前記推定された瞳孔径をもとに前記視聴者の視覚疲労度を判定する判定部と、
    前記視覚疲労度に応じて、前記画面平均輝度の曲線の変化を調整する制御部と、を有すること、を特徴とする表示装置。
  20. 請求項17記載の表示装置において、
    前記曲線の変化の方式として、当該曲線における表示率が高い領域の画面平均輝度を、表示率が低い領域の画面平均輝度に比べて、より大きく増減するように変化させること、を特徴とする表示装置。
  21. 請求項17記載の表示装置において、
    前記曲線の変化の方式として、当該曲線における画面平均輝度を低減または増加させる表示率の領域を、前記視覚疲労度に応じて、拡大または縮小するように変化させること、を特徴とする表示装置。
  22. 請求項20記載の表示装置において、
    前記曲線の変化の際、前記画面平均輝度の変化率の最大値が5%以下であること、を特徴とする表示装置。
  23. 請求項14記載の表示装置において、
    前記視聴者の視覚疲労度が増加した場合には前記曲線の画面平均輝度が低減するように変化させ、前記視覚疲労度が軽減した場合には前記曲線の画面平均輝度が引き上げるように変化させる制御を行うこと、を特徴とする表示装置。
  24. 請求項14記載の表示装置において、
    前記曲線として、変化の段階に応じた複数の曲線を予め用意しておき、映像の表示時に、当該複数の曲線の中から好適なものを選択して使用すること、を特徴とする表示装置。
  25. 請求項14記載の表示装置において、
    本表示装置は液晶ディスプレイであり、液晶パネルに対するバックライトの輝度調整の制御により、前記曲線の変化を制御すること、を特徴とする表示装置。
  26. 請求項14記載の表示装置において、
    本表示装置はプラズマディスプレイであり、プラズマパネルに対する駆動波形の制御により、前記曲線の変化を制御すること、を特徴とする表示装置。
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