JP2012050759A - 視覚疲労度検出装置、視覚疲労度制御装置及び視覚疲労度検出方法 - Google Patents
視覚疲労度検出装置、視覚疲労度制御装置及び視覚疲労度検出方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】視覚疲労度を検出する検出装置に関し、従来定性的に判断することは可能であるが、高い精度で検出することができない視覚疲労度を、定量的に高精度で検出できる技術を提供する。
【解決手段】光学的手法を用いて瞳孔径の経時変化を計測する瞳孔径計測部と、計測された経時変化に基づき縮瞳時定数と散瞳時定数とを抽出する瞳孔応答抽出部と、抽出された縮瞳時定数と抽出された散瞳時定数とに基づき視覚疲労度を検出する視覚疲労検出部と、検出された視覚疲労度を画面に表示する表示部とを備え、また視覚疲労度を検出し視覚疲労の発生源である視覚疲労源を制御する視覚疲労制御装置で、眼の瞳孔径の経時変化を取得する瞳孔径計測部と、経時変化から縮瞳時定数と散瞳時定数とを抽出する計測データ解析部と、視覚疲労度を検出する検出部と、視覚疲労度に基づき視覚疲労源の光学特性を制御する光学特性制御部と、を含視覚疲労度制御装置によって解決できる。
【選択図】図8
【解決手段】光学的手法を用いて瞳孔径の経時変化を計測する瞳孔径計測部と、計測された経時変化に基づき縮瞳時定数と散瞳時定数とを抽出する瞳孔応答抽出部と、抽出された縮瞳時定数と抽出された散瞳時定数とに基づき視覚疲労度を検出する視覚疲労検出部と、検出された視覚疲労度を画面に表示する表示部とを備え、また視覚疲労度を検出し視覚疲労の発生源である視覚疲労源を制御する視覚疲労制御装置で、眼の瞳孔径の経時変化を取得する瞳孔径計測部と、経時変化から縮瞳時定数と散瞳時定数とを抽出する計測データ解析部と、視覚疲労度を検出する検出部と、視覚疲労度に基づき視覚疲労源の光学特性を制御する光学特性制御部と、を含視覚疲労度制御装置によって解決できる。
【選択図】図8
Description
本発明は、光学的手法を用いて視覚疲労の状態を検出し視覚疲労源の光学特性を制御する技術に関する。
現代社会において、疲労が大きな問題となってきている。疲労は個人に様々な負の症状を誘発するだけでなく、人間社会の安全や安心といた領域まで侵犯する可能性がある。その疲労の中でも、特に近年になって視覚疲労が大きな問題として取り上げられるようになっている。この背景には大きく二つの要因が考えられる。一つは人間が外部から受ける刺激は五感(視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚)を通して入力されるが、この中で視覚からの情報の割合が高いということである。疲労は外部刺激に対する反応の一つと考えられ、外部刺激が多いほど、それに対する疲労も大きくなる。もう一つの要因は、テレビやパソコン、携帯電話などに代表されるデジタルメディアの急速な普及により、視覚情報の割合が急増していることである。これら二つの要因によって、視覚疲労が大きな問題となってきていると考えられる。今後、この傾向はますます顕著になると予想できる。
視覚疲労を検出する手法としては、これまでアンケート調査やフリッカー検査装置を用いた検出方法が用いられてきた。また、視覚疲労を含む人間の疲労の状態を判定する技術として、特許文献1が公開されている。この技術では、眼の瞳孔径情報、焦点調節状態情報、眼球運動状態情報に基づいて、疲労の状態を判定する。例えば、テレビ視聴やゲームなどにおいて、画像の明るさが大きく変化したときの瞳孔径の変化の速度を算出し、その速度が所定の速度以下であった場合、使用者が疲労していると判断する。
また、非特許文献1に瞬間的な光刺激を眼に与え、その時の瞳孔径の経時的な変化から、収縮速度、再拡張速度などを抽出する方法が記載されている。
特許文献1などで開示されている技術では、「疲労している/疲労していない」を定性的に判断することは可能である。しかし、疲労している度合いである視覚疲労度を高い精度で検出することができない。また、瞳孔径の変化速度を算出することにより疲労の有無を判定するとあるが、その具体的な算出方法に関する記載がなく、定量的に精度よく視覚疲労度を検出することは困難であるという課題がある。
本発明の一例として、瞳孔径の経時変化を計測する瞳孔径計測部と、計測された経時変化に基づき縮瞳時定数と散瞳時定数とを抽出する瞳孔応答抽出部と、抽出された縮瞳時定数と抽出された散瞳時定数とに基づき視覚疲労度を検出する視覚疲労検出部と、検出された視覚疲労度を画面に表示する表示部と、を備えたことを特徴とする視覚疲労度検出装置によって上記課題を解決できる。
また、視覚疲労度を検出し視覚疲労の発生源である視覚疲労源を制御する視覚疲労制御装置であって、眼の瞳孔径の経時変化を取得する瞳孔径計測部と、経時変化から縮瞳時定数と散瞳時定数とを抽出する計測データ解析部と、縮瞳時定数と散瞳時定数とを用いて視覚疲労度を検出する視覚疲労検出部と、視覚疲労度に基づき視覚疲労源の光学特性を制御する光学特性制御部と、を含むことを特徴とする視覚疲労度制御装置によって上記課題を解決できる。
本発明によれば、高い精度での視覚疲労度の検出が可能になるという効果がある。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1(A)は、本発明の機能ブロック図の一例を示している。瞳孔の動きを計測し、瞳孔径データを収集する瞳孔計測部101、それらの瞳孔径データを解析するデータ解析部102、そして、解析結果を元に視覚疲労の程度を判定する視覚疲労判定部103である。さらに、図1(B)にあるように、判定した視覚疲労の程度に基づいて視覚疲労に関する装置の光学特性を変調させる光学特性制御部104をさらに備えていても良い。
以下では、瞳孔の応答特性について述べ、応答特性に基づいて抽出できるパラメータ(縮瞳時定数、散瞳時定数)の計測と視覚疲労の定量的な検出方法について述べる。即ち、データ解析部102と視覚疲労判定部103に関わるところを主に述べる。
<瞳孔の応答特性>
図2に、瞬間的な光を眼に入射させた場合の瞳孔径の経時変化を示す。瞳孔は、光量を調整する調光機能を有し、眼に入射する光量に応じてその大きさを変化させる。瞳孔は、光刺激が与えられた点(t=0sec)201から、0.2〜0.3secの遅れ(潜時)を生じてから小さくなり始める。この瞳孔が小さくなる過程を縮瞳という。さらに、縮瞳開始後、約1sec以内に瞳孔径は極小値を示し、再度、数秒掛けて瞳孔は大きくなる。この瞳孔が大きくなる過程を散瞳という。このようなフラッシュ光に対する瞳孔の反応は、対光反射または対光反応と呼ばれる。
図2に、瞬間的な光を眼に入射させた場合の瞳孔径の経時変化を示す。瞳孔は、光量を調整する調光機能を有し、眼に入射する光量に応じてその大きさを変化させる。瞳孔は、光刺激が与えられた点(t=0sec)201から、0.2〜0.3secの遅れ(潜時)を生じてから小さくなり始める。この瞳孔が小さくなる過程を縮瞳という。さらに、縮瞳開始後、約1sec以内に瞳孔径は極小値を示し、再度、数秒掛けて瞳孔は大きくなる。この瞳孔が大きくなる過程を散瞳という。このようなフラッシュ光に対する瞳孔の反応は、対光反射または対光反応と呼ばれる。
本明細では、「対光反射」または「対光反応」という言葉に対して、縮瞳過程と散瞳過程を含めて「瞳孔応答特性」という言葉を用いることとする。本明細では、瞬間的なフラッシュ光ではなく、後述するように、ある時間幅を有する光刺激を与えてその時の縮瞳及び散瞳の変化を開示する。
対光反射における瞳孔径変化から特性パラメータを抽出する方法が、例えば非特許文献1に公開されている。ここでは、パラメータとして潜時、収縮速度、最大瞳孔径収縮率、再拡張速度を抽出している。しかし、本発明者が各種検討した結果、瞬間的な光刺激では、これらパラメータを安定的に得られないことがわかった。例えば、非特許文献1では、100ミリ秒間点灯する白色LEDが光源となる光刺激である。瞬間的な光刺激の場合には、例えば、瞬目などにより光を遮断してしまう可能性がある。この場合、所定の光刺激が眼に入射されない、あるいは見かけ上、強度の低い光刺激となってしまうため、上記の各種抽出パラメータを安定的に評価できない。場合によっては、瞬間的な瞬目により、瞳孔径の計測がうまくいかずデータ的な欠落点が生じる。この時、瞳孔径の極小値をうまく計測できないなど上記パラメータ抽出に不具合を生じる。
そこで、本発明者は、光刺激に対する瞳孔径の変化を安定的に抽出するために、縮瞳過程及び散瞳過程における時定数に着目した。そして、この時定数を瞳孔径変化データから抽出するために、新しい手法を考案した。図3から図5を用いて、本発明者の提案による瞳孔の応答特性評価について述べる。
図3に本評価での光刺激のタイミングと、その光刺激を眼が受けた場合の瞳孔径変化の模式図を示した。光刺激は図3(A)に示すように、10sec間だけ与え、その後20sec間は光刺激を与えない。この時、図3(B)に示すように、瞳孔は光刺激に応じて縮瞳と散瞳を生じる。光刺激を与える時間を長くすることによって、安定的に瞳孔径が極小となるデータを取得できる。そして、これらを指数関数などでフィッティングすることによって、時定数を容易に抽出することができる。瞬目などによる瞬間的なデータ欠落があった場合にも、フィッティングにより時定数を安定的に抽出できる。
図4には実際に取得した瞳孔径データを示した。時間t=0から10secまで光刺激を与えている刺激時間401が示されている。瞳孔が光刺激により縮小し、さらに光刺激が解除されることにより、瞳孔が拡大する様子が示されている。これらの瞳孔径の変化から考えると、縮瞳過程における瞳孔径の最小値を安定的に観察するためには、光刺激の時間を少なくとも3秒以上設けるのがよい。また、散瞳過程における瞳孔径の最大値を安定的に観察するためには、光刺激のない時間を少なくとも5秒以上設けるのがよい。
図5には図4に示した縮瞳過程及び散瞳過程における時間領域の拡大図を示した。縮瞳過程では、光刺激の入力タイミング(時間t=0sec)に対して、ある一定時間の遅れ時間Δt1を有し、その後、縮瞳が開始されることがわかる。また、散瞳過程においては、光刺激が解除されるタイミング(時間t=10sec)に対して、ある一定時間の遅れ時間Δt2を有し、その後散瞳が開始される。
図6は、以上の瞳孔径データを用いて縮瞳過程及び散瞳過程ともに単一の指数関数でフィッティングした結果である。実線がフィッティング結果である。フィッティングの精度を示すR値からも、本関数でよくフィッティングできていることがわかる。このフィッティングにより、縮瞳過程における指数関数中の時定数である縮瞳時定数τmiと散瞳過程における指数関数中の時定数である散瞳時定数τmyを抽出した。例えば、図6に示したフィッティング結果では、τmi=0.562sec、τmy=1.973secである。
<視覚疲労の検出1>
本発明者の検討の結果、これら時定数(縮瞳時定数、散瞳時定数)からさらに次のような相対値を抽出し、それを主観評価(アンケート調査)によって得られる視覚疲労度との相関を検討すると、次のようなことが新しくわかった。ここで、縮瞳時定数相対値τmi_rと散瞳時定数相対値τmy_rという新しいパラメータを定義する。先の縮瞳時定数及び散瞳時定数は、個人によって大きく異なる。また、同一の個人でも、日によって変わる場合がある。そこで、例えば、ある視覚的なストレス(タスク)を加える前の各人の縮瞳時定数及び散瞳時定数をそれぞれ基準とし、それらの相対値で表示する。これが、縮瞳時定数相対値及び散瞳時定数相対値である。例えば、視覚的なストレス負荷前の縮瞳時定数τmi=0.562secに対して、ストレス負荷後の縮瞳時定数τmi=0.646secとなる場合には、縮瞳時定数相対値τmi_r=1.15となる。相対値が1の場合には、視覚的なストレス(タスク)、すなわち視覚タスクを実施した前後で、時定数が変化しない、即ち瞳孔の応答特性が変化していないことを意味する。1より大きい場合には、視覚タスク実施後に、時定数が大きくなり、瞳孔応答特性が劣化、即ち縮瞳や散瞳の運動が遅くなることを意味する。
本発明者の検討の結果、これら時定数(縮瞳時定数、散瞳時定数)からさらに次のような相対値を抽出し、それを主観評価(アンケート調査)によって得られる視覚疲労度との相関を検討すると、次のようなことが新しくわかった。ここで、縮瞳時定数相対値τmi_rと散瞳時定数相対値τmy_rという新しいパラメータを定義する。先の縮瞳時定数及び散瞳時定数は、個人によって大きく異なる。また、同一の個人でも、日によって変わる場合がある。そこで、例えば、ある視覚的なストレス(タスク)を加える前の各人の縮瞳時定数及び散瞳時定数をそれぞれ基準とし、それらの相対値で表示する。これが、縮瞳時定数相対値及び散瞳時定数相対値である。例えば、視覚的なストレス負荷前の縮瞳時定数τmi=0.562secに対して、ストレス負荷後の縮瞳時定数τmi=0.646secとなる場合には、縮瞳時定数相対値τmi_r=1.15となる。相対値が1の場合には、視覚的なストレス(タスク)、すなわち視覚タスクを実施した前後で、時定数が変化しない、即ち瞳孔の応答特性が変化していないことを意味する。1より大きい場合には、視覚タスク実施後に、時定数が大きくなり、瞳孔応答特性が劣化、即ち縮瞳や散瞳の運動が遅くなることを意味する。
一方、本検討における視覚疲労度は一例として次のように決定している。疲労に関する質問項目を備えたアンケートを準備し、被験者に視覚タスク前後で回答してもらう。質問項目には、「全体的に疲れた」「頭が痛い」「肩がこる」など一般的な疲労に関する項目と、「目が痛い」「目が圧迫された感じがする」など眼に関わる疲労に関する項目を設け、これらの質問に対して、「ない」「わずかにある」「少しある」「かなりある」「非常によくある」という5段階評価で回答する。この回答結果を点数化することにより被験者の視覚疲労度を評価する。視覚タスク前後での、点数の差分が、視聴タスクによって生じた視覚疲労と考え、この差分点数を視覚疲労度としている。
本発明者の検討の結果、これらの縮瞳時定数相対値、散瞳時定数相対値は、視覚疲労度と強い相関関係にあり、これらの相対値が大きいほど視覚疲労度が高いことがわかった。
図7に縮瞳時定数相対値τmi_r及び散瞳時定数相対値τmy_rと視覚疲労度との関係をグラフに示した。図7中の表701は、評価結果をまとめたものであり、これをグラフ化したものがグラフ702になる。横軸(X軸)は縮瞳時定数相対値、縦軸(Y軸)は散瞳時定数相対値である。さらにバブルサイズにより、視覚疲労度を示している。バブルサイズが大きいほど視覚疲労度が高いことを意味する。このグラフから、縮瞳時定数相対値及び散瞳時定数相対値が大きくなるに従い、視覚疲労度が高くなる傾向にあることがわかる。例えば、今回得られた結果では、縮瞳時定数相対値と散瞳時定数相対値を用いて、統計的には数式1で視覚疲労度を表わすことができる。ここでは重回帰分析を行った。なお、このとき重相関係数は0.65以上であり、縮瞳時定数相対値及び散瞳時定数相対値と、視覚疲労度は強い相関関係にあると言える。複数の要因に対して、ある結果との相関を解析する手法としては、主成分分析や因子分析、クラスター分析など多変量解析があるが、ここでは、一般的に扱いやすい重回帰分析を行った。
(数1)
(視覚疲労度)=11.8×(縮瞳時定数相対値)+7.1×(散瞳時定数相対値)−16.7
以上から、瞳孔の応答特性を評価し、それより抽出できるパラメータの変化を観察することで、視覚疲労を定量的に検出できることがわかる。このことを用いることにより、視覚疲労の状態を判定できる装置を提供することができる。
(数1)
(視覚疲労度)=11.8×(縮瞳時定数相対値)+7.1×(散瞳時定数相対値)−16.7
以上から、瞳孔の応答特性を評価し、それより抽出できるパラメータの変化を観察することで、視覚疲労を定量的に検出できることがわかる。このことを用いることにより、視覚疲労の状態を判定できる装置を提供することができる。
特許文献1においては、瞳孔径の変化速度をデータとして収集し、その速度が所定の速度以下であった場合に使用者が疲労していると判定する。しかし、先に述べたように、瞳孔径の変化速度が、個人によって大きく異なり、また、同一個人においても、その日の体調などで異なる。本発明では、これを考慮して、初期のデータを取得しておき、その初期値に対する変化(相対値)により判定する。これによって、個々人やその日の体調に合わせて視覚疲労度を測定できるという効果がある。
また、特許文献1においては、単に「瞳孔径の変化速度」としか記載されていないが、本発明では、縮瞳過程と散瞳過程の二つの異なる速度を用いて視覚疲労の状態を定量的に判定することができる。特許文献1においては、その区別はない。また視覚疲労の状態も「疲労している」または「疲労していない」の二値しか判別できない。本発明のように、二つの瞳孔応答パラメータを用いることで、上記視覚疲労度との相関関係を見ることで、視覚疲労の状態をさらに詳細に区分して状態を表わすことが可能となる。
<瞳孔径計測装置>
図13及び図14を用いて、瞳孔径計測を行う際に用いる装置と計測フローについて述べる。眼を刺激する光刺激に用いる光源1304と、眼1300を照射する赤外もしくは近赤外光源1302と、眼1300からの反射像を取り込むための撮像素子1302と、また、撮像素子によって取り込んだ画像を解析し、瞳孔径を抽出する画像処理コントローラー1303とを用いる。光源1304は赤外光源1302などと一体になっていてもよいし、別々に設けられてもよい。光源1304により眼1300を刺激する(1401)。この刺激による瞳孔径の変化を次のように計測する。眼1300近傍に赤外光源1301からの光を照射し(1402)、眼近傍の反射映像をイメージセンサなどの撮像素子1302で取り込む(1403)。この映像を二値化処理することによって、瞳孔と角膜反射像を抽出し、瞳孔径を計測できる(1404)。また、赤外もしくは近赤外光源1301は、目からの反射像が撮像素子1302で取得できる種類の光源であれば、他の波長領域のものであってもよい。
図13及び図14を用いて、瞳孔径計測を行う際に用いる装置と計測フローについて述べる。眼を刺激する光刺激に用いる光源1304と、眼1300を照射する赤外もしくは近赤外光源1302と、眼1300からの反射像を取り込むための撮像素子1302と、また、撮像素子によって取り込んだ画像を解析し、瞳孔径を抽出する画像処理コントローラー1303とを用いる。光源1304は赤外光源1302などと一体になっていてもよいし、別々に設けられてもよい。光源1304により眼1300を刺激する(1401)。この刺激による瞳孔径の変化を次のように計測する。眼1300近傍に赤外光源1301からの光を照射し(1402)、眼近傍の反射映像をイメージセンサなどの撮像素子1302で取り込む(1403)。この映像を二値化処理することによって、瞳孔と角膜反射像を抽出し、瞳孔径を計測できる(1404)。また、赤外もしくは近赤外光源1301は、目からの反射像が撮像素子1302で取得できる種類の光源であれば、他の波長領域のものであってもよい。
<視覚疲労の検出2>
上記瞳孔応答特性と視覚疲労度との相関関係の中で、視覚疲労度の検出について、次に述べる手法も本発明者らは見出した。図8に散瞳時定数相対値と縮瞳時定数相対値の時間変化の模式図を示した。横軸が時間を示し、縦軸は散瞳時定数相対値と縮瞳時定数相対値である。この時間中は視覚タスクを与え続けている。ある視覚的な負荷を加えた場合に、第1領域801では散瞳時定数相対値も縮瞳時定数相対値もほとんど変化しない。この第1領域801では、視覚疲労は生じず、瞳孔応答特性の劣化も観測されない。次に、視覚疲労の度合いが少し進む(第2領域802)と散瞳時定数相対値が大きくなり始める。ただし、この領域では、縮瞳時定数はまだ変化しない。さらに、視覚疲労が進む(第3領域803)と、散瞳時定数相対値とともに縮瞳時定数相対値も大きくなり始める。第4領域804では、散瞳時定数は飽和状態となり、縮瞳時定数相対値の増加が見られる。さらに第5領域805では散瞳時定数、縮瞳時定数ともに飽和値となり変化しない。
上記瞳孔応答特性と視覚疲労度との相関関係の中で、視覚疲労度の検出について、次に述べる手法も本発明者らは見出した。図8に散瞳時定数相対値と縮瞳時定数相対値の時間変化の模式図を示した。横軸が時間を示し、縦軸は散瞳時定数相対値と縮瞳時定数相対値である。この時間中は視覚タスクを与え続けている。ある視覚的な負荷を加えた場合に、第1領域801では散瞳時定数相対値も縮瞳時定数相対値もほとんど変化しない。この第1領域801では、視覚疲労は生じず、瞳孔応答特性の劣化も観測されない。次に、視覚疲労の度合いが少し進む(第2領域802)と散瞳時定数相対値が大きくなり始める。ただし、この領域では、縮瞳時定数はまだ変化しない。さらに、視覚疲労が進む(第3領域803)と、散瞳時定数相対値とともに縮瞳時定数相対値も大きくなり始める。第4領域804では、散瞳時定数は飽和状態となり、縮瞳時定数相対値の増加が見られる。さらに第5領域805では散瞳時定数、縮瞳時定数ともに飽和値となり変化しない。
これまで本発明者の検討の中で、散瞳時定数相対値と縮瞳時定数相対値の経時変化を観察すると、散瞳時定数相対値よりも速いタイミングで縮瞳時定数相対値が大きくなるデータは見受けられず、基本的にはどのような個人においても、図8に示すように、縮瞳時定数相対値が散瞳時定数相対値に比べ増加するタイミングが遅くなる傾向にあると考えられる。また、瞳孔筋の運動からは縮瞳時定数や散瞳時定数は無限に長時間化することは考え難く、縮瞳時定数相対値や散瞳時定数相対値は、ある値で飽和すると予想できる。これらのことから、視覚疲労を生じる場合には、図8に示したような経時変化を生じると考えられる。人間の生体防御反応から考えると、縮瞳の過程は、外部の光刺激から生体を防御する動作であるために、容易には反応遅れが生じるとは考えにくい。一方、散瞳過程は、光刺激に対する防御反応ではないために、反応遅れが縮瞳過程よりも早いタイミングで生じてもあまり問題ないと考えられる。縮瞳時定数相対値が散瞳時定数相対値に比べ、遅いタイミングで増加することは、生体防御反応の観点からも矛盾ないと考えられる。
このような変化を考慮すると、散瞳時定数相対値と縮瞳時定数相対値の変化を観測することにより、視覚疲労のレベルを大別することができる。先に示した式においては、縮瞳時定数相対値と散瞳時定数相対値から視覚疲労度の値を算出し、それにより視覚疲労の程度を定量化するものであった。しかし、このように、縮瞳時定数相対値及び散瞳時定数相対値が大きくなるタイミングに応じて、視覚疲労度のレベルを大別することが可能である。なお、この図に示した内容を視覚疲労レベル毎に縮瞳時定数相対値(τmi_r)、散瞳時定数相対値(τmy_r)及び、変化曲線の傾き(dτmi_r/dt, dτmy_r/dt)で記述し、そのまとめたものを表として図9に示した。視覚疲労レベルIからVに掛けて、視覚疲労の度合いが高くなることを意味する。ここで変化曲線の傾きとは、各々の時定数の時間変化量のことを指す。
図9からは、次のような簡便な視覚疲労度の判定方法が分かる。視覚疲労検出部は、縮瞳時定数相対値と散瞳時定数相対値とが共に1以下の値をとる時に第一の視覚疲労度を検出し、縮瞳時定数相対値が1以下の値をとり且つ散瞳時定数相対値が1以上の値をとる時に該第一の視覚疲労度より大きい疲労度を示す第二の視覚疲労度を検出するとすれば、縮瞳時定数相対値と散瞳時定数相対値とのみで視覚疲労度を2段階で評価することが出来る。これに加えて、縮瞳時定数相対値と散瞳時定数相対値とが共に1より大きい値をとる時に該第二の視覚疲労度より大きい視覚疲労度を示す第三の視覚疲労度を検出するとすれば、視覚疲労度を3段階で評価できる。
さらに、各々の時間変化量のみを用いて判定することも出来る。縮瞳時定数の時間変化量が0をとり且つ前記散瞳時定数の時間変化量が0より大きい値をとる第一の場合と、縮瞳時定数の時間変化量と散瞳時定数の時間変化量とが共に0より大きい値をとる第二の場合と、縮瞳時定数の時間変化量が0より大きい値をとり且つ散瞳時定数の時間変化量が0をとる第三の場合と、の三段階に分けられる。図9から明らかなように、第一の場合より第二の場合の方が疲労度が高く、第二の場合より第三の場合の方が疲労度が高い。このようにして、縮瞳時定数の時間変化と散瞳時定数の時間変化のみでも視覚疲労度を三段階に検出できる。
これに加えて、縮瞳時定数の時間変化量が0をとり且つ散瞳時定数の時間変化量が0より大きい値をとる場合において、縮瞳時定数相対値または散瞳時定数相対値の何れか一つ又は両方が1以下の値をとる時に前述の第一の場合の視覚疲労度よりも疲労度が小さい視覚疲労度を検出し、縮瞳時定数相対値または散瞳時定数相対値の何れか一つ又は両方が1よりも大きい値をとる時に前述の第三の場合の視覚疲労度よりも疲労度が大きい視覚疲労度を検出するとしてもよい。このように縮瞳時定数の時間変化と散瞳時定数の時間変化の他に縮瞳時定数相対値と散瞳時定数相対値とを用いることで、視覚疲労度を五段階に評価できる。
ここで述べた検出方法は、図9が示す検出方法の例であって、図9の表から他の検出方法も作成できることは言うまでもない。
<本検出装置を備えた制御装置>
上記視覚疲労検出器を備えた具体的な制御装置としては、テレビやパソコンモニタに代表されるディスプレイを用いたものが考えられる。室内照明などの光源への適用も可能である。また、自動車運転時に視覚疲労を検出する車載用装置も考えられる。さらには、生産ライン現場などでの視覚疲労検出器も考えられる。以下、製品装置まで考慮した場合の機器について述べる。
上記視覚疲労検出器を備えた具体的な制御装置としては、テレビやパソコンモニタに代表されるディスプレイを用いたものが考えられる。室内照明などの光源への適用も可能である。また、自動車運転時に視覚疲労を検出する車載用装置も考えられる。さらには、生産ライン現場などでの視覚疲労検出器も考えられる。以下、製品装置まで考慮した場合の機器について述べる。
特にこのような装置は、テレビやパソコンモニタに代表されるディスプレイへの適用が有効である。長時間の映像視聴などによる視覚疲労が考えられ、その視覚疲労に合わせて、ディスプレイの表示特性を変えることで、視覚疲労の程度を制御することが可能となる。例えば、ディスプレイの縁に眼を照射するための赤外光源、眼からの反射像を取り込む撮像素子、瞳孔応答と評価するための光源を配置し、ある一定時間ごとに瞳孔の応答特性を評価する。この評価により縮瞳時定数、散瞳時定数を抽出し、これを映像視聴前の値を基準とした相対値を抽出してこの値の変化により視覚疲労度を検出する。ここで検出された結果をディスプレイに表示するなどして視聴者に警告してもよい。また、ここで検出された結果に応じて、ディスプレイの表示特性を変えてもよい。例えば、視覚疲労度が高い結果が得られた場合には、ディスプレイの輝度を低下させるなどの光学特性の制御をする。ここで光学特性制御の対象は、輝度だけでなくコントラストや光透過率等でもよい。このようにして、視覚疲労の低減をもたらすことが出来る。
なお、ここで述べるディスプレイは、一般の二次元映像を表示するディスプレイに限らず、三次元映像を表示できるディスプレイを含んでもよい。
以下、上記視覚疲労レベルの判定手法の具体的方法を以下の実施例で述べる。なお、本発明は、以下の実施例に限られるものではない。
被験者に液晶TVを用いて、映画のDVD映像を視聴してもらい、その時の瞳孔応答特性を評価した。瞳孔応答特性評価は20分毎に実施した。
図10に被験者の散瞳時定数相対値及び縮瞳時定数相対値の時間変化を示した。散瞳時定数では、映像視聴時間に伴い、大きくなっていることがわかる。一方、縮瞳時定数相対値は、変化ない、もしくは僅かに改善されていることがわかる。この結果を図9に示す表に当てはめると、本被験者は今回の映像視聴により20分後には、視覚疲労レベルIIであると判定できる。さらに40分後には、縮瞳時定数相対値の増大が見られないことから、同じレベルIIであると判定できる。
次に、図10を用いて説明した被験者と同一の被験者による別の視覚タスクに対する評価を述べる。被験者に液晶TVを用いて、一般のTV映像であるニュースを視聴してもらい、その時の瞳孔応答特性を評価した。瞳孔応答特性評価は20分毎に実施した。
図11に被験者の散瞳時定数相対値及び縮瞳時定数相対値の時間変化を示した。散瞳時定数、縮瞳時定数ともに映像視聴時間に伴い、大きくなっていることがわかる。この結果を図9に示す表に当てはめると、本被験者は今回の映像視聴により20分後には、視覚疲労レベルIIIであると判定できる。さらに40分後には、散瞳時定数相対値、縮瞳時定数相対値ともにさらに大きくなっていることから、レベルIIIの後半であると判定できる。
本実施例では、図9の例において、判定された視覚疲労の程度をフィードバックして、画面の光学特性を制御する視覚疲労制御装置の一例について述べる。
図12に本実施例における視覚疲労制御システムの構成を示す。瞳孔計測部1201において、瞳孔応答のデータを取得し、データ解析部1202によりそのデータをフィッティングすることして縮瞳時定数及び散瞳時定数を抽出する。さらにこれら時定数を、画面1207を見る前の初期の値と比較して、縮瞳時定数相対値、散瞳時定数相対値を算出する。これらの値を用いて、視覚疲労判定部1203において、視覚疲労の程度を判定する。例えば、図9の例で述べたように40分のDVD視聴で、レベルIIである。一方、画面1207の映像は、一般に映像データに従って、画像を表示する。このとき、映像データには、色や明るさ(輝度)の情報がある。輝度調整部1204は、このうち例えば輝度データを抽出し、視覚疲労判定によって得られた視覚疲労レベルに合わせて映像データから抽出した輝度データを補正して画面1207に表示する。また、このとき、視覚疲労レベルの判定結果を視聴者が直接把握できるように別途設けられた視覚疲労度表示パネル1206に表示してもよい。これにより、視聴者の視覚疲労の発生を抑制することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
本発明は、視覚疲労の度合を定量的に検出する視覚疲労検出装置への利用が有効である。
101・・・瞳孔計測部
102・・・データ解析部
103・・・視覚疲労判定部
104・・・光学特性制御部
201・・・光刺激のタイミング
1201・・・瞳孔計測部
1202・・・データ解析部
1203・・・視覚疲労判定部
1204・・・輝度調整部
1206・・・視覚疲労度表示パネル
1207・・・画面
1300・・・眼
1301・・・光刺激用の光源
1302・・・撮像素子
1303・・・画像処理コントローラー
1304・・・反射像取得用光源
102・・・データ解析部
103・・・視覚疲労判定部
104・・・光学特性制御部
201・・・光刺激のタイミング
1201・・・瞳孔計測部
1202・・・データ解析部
1203・・・視覚疲労判定部
1204・・・輝度調整部
1206・・・視覚疲労度表示パネル
1207・・・画面
1300・・・眼
1301・・・光刺激用の光源
1302・・・撮像素子
1303・・・画像処理コントローラー
1304・・・反射像取得用光源
Claims (15)
- 瞳孔径の経時変化を計測する瞳孔径計測部と、
前記計測された経時変化に基づき縮瞳時定数と散瞳時定数とを抽出する瞳孔応答抽出部と、
前記抽出された縮瞳時定数と前記抽出された散瞳時定数とに基づき視覚疲労度を検出する視覚疲労検出部と、
前記検出された視覚疲労度を画面に表示する表示部と、
を備えたことを特徴とする視覚疲労度検出装置。 - 請求項1に記載の視覚疲労度検出装置であって、
前記視覚疲労検出部は、前記抽出された縮瞳時定数と前記抽出された散瞳時定数とを、予め取得された縮瞳時定数と散瞳時定数とに対する相対値である縮瞳時定数相対値と散瞳時定数相対値とに各々換算し、前記縮瞳時定数相対値と前記散瞳時定数相対値とに基づいて前記視覚疲労度を検出することを特徴とする視覚疲労度検出装置。 - 請求項2に記載の視覚疲労度検出装置であって、
前記視覚疲労検出部は、前記縮瞳時定数相対値と前記散瞳時定数相対値とが共に1以下の値をとる時に第一の視覚疲労度を検出し、前記縮瞳時定数相対値が1以下の値をとり且つ前記散瞳時定数相対値が1以上の値をとる時に前記第一の視覚疲労度より大きい疲労度を示す第二の視覚疲労度を検出することを特徴とする視覚疲労度検出装置。 - 請求項3に記載の視覚疲労度検出装置であって、
前記視覚疲労検出部は、前記縮瞳時定数相対値と前記散瞳時定数相対値とが共に1より大きい値をとる時に前記第二の視覚疲労度より大きい視覚疲労度を示す第三の視覚疲労度を検出することを特徴とする視覚疲労度検出装置。 - 請求項1に記載の視覚疲労度検出装置であって、
前記瞳孔応答抽出部は、前記経時変化に基づき前記縮瞳時定数の時間変化量と前記散瞳時定数の時間変化量とを抽出し、
前記視覚疲労検出部は、前記縮瞳時定数の時間変化量と前記散瞳時定数の時間変化量とに基づいて、前記視覚疲労度を検出することを特徴とする視覚疲労度検出装置。 - 請求項5に記載の視覚疲労度検出装置であって、
前記視覚疲労検出部は、前記縮瞳時定数の時間変化量が0をとり且つ前記散瞳時定数の時間変化量が0より大きい値をとる場合に第一の視覚疲労度を検出し、前記縮瞳時定数の時間変化量と前記散瞳時定数の時間変化量とが共に0より大きい値をとる場合に前記第一の視覚疲労度より大きい疲労度を示す第二の視覚疲労度を検出し、前記縮瞳時定数の時間変化量が0より大きい値をとり且つ前記散瞳時定数の時間変化量が0をとる場合に前記第二の視覚疲労度より大きい疲労度を示す第三の視覚疲労度を検出することを特徴とする視覚疲労度検出装置。 - 請求項6に記載の視覚疲労度検出装置であって、
前記視覚疲労度検出部は、前記抽出された縮瞳時定数と前記抽出された散瞳時定数とを、予め取得された縮瞳時定数と散瞳時定数を初期値とした相対値である縮瞳時定数相対値と散瞳時定数相対値とに各々換算し、前記縮瞳時定数の時間変化量が0をとり且つ前記散瞳時定数の時間変化量が0より大きい値をとる場合において、前記縮瞳時定数相対値または前記散瞳時定数相対値の何れか一つ又は両方が1以下の値をとる時に前記第一の視覚疲労度よりも疲労度が小さい第四の視覚疲労度を検出し、前記縮瞳時定数相対値または前記散瞳時定数相対値の何れか一つ又は両方が1よりも大きい値をとる時に前記第三の視覚疲労度よりも疲労度が大きい第五の視覚疲労度を検出することを特徴とする視覚疲労度検出装置。 - 請求項7に記載の視覚疲労度検出装置であって、
前記視覚疲労度検出部は、
前記縮瞳時定数相対値と前記散瞳時定数相対値とが1以下の値を持つ時に第一の視覚疲労度と判定し、
前記縮瞳時定数相対値が1以下の値で且つ前記散瞳時定数相対値が1よりも大きい値の時に、前記第一の視覚疲労度よりも疲労度が高い第二の視覚疲労度と判定し、
前記縮瞳時定数相対値が1よりも大きい値で且つ前記散瞳時定数相対値が1よりも大きい値で且つ前記縮瞳時定数の時間変化量が正の値の時に、前記第二の視覚疲労度よりも疲労度が高い第三の視覚疲労度と判定し、
前記縮瞳時定数相対値が1よりも大きい値で且つ前記散瞳時定数相対値が1よりも大きい値で且つ前記縮瞳時定数の時間変化量が無い時に、前記第三の視覚疲労度よりも疲労度が高い第四の視覚疲労度と判定し、
前記縮瞳時定数相対値が1よりも大きい値で且つ前記散瞳時定数相対値が1よりも大きい値で且つ前記散瞳時定数の時間変化量が無い時に、前記第四の視覚疲労度よりも疲労度が高い第五の視覚疲労度と判定し、
前記表示部は、前記第一の視覚疲労度乃至前記第五の視覚疲労度のうち前記視覚疲労度判定部により判定された視覚疲労度を前記画面に表示することを特徴とする視覚疲労度検出装置。 - 請求項1に記載の視覚疲労度検出装置であって、
前記視覚疲労検出部は、予め設定された視覚疲労度に対する主観アンケートと縮瞳時定数と散瞳時定数とで近似された式に対して、前記抽出された縮瞳時定数と前記抽出された散瞳時定数とを適用して、前記視覚疲労度を検出することを特徴とする視覚疲労度検出装置。 - 請求項1に記載の視覚疲労度検出装置であって、
前記瞳孔径計測部は、前記瞳孔を光刺激する第一の光源と、前記第一の光源により光刺激された前記瞳孔に光を照射する第二の光源と、前記第二の光源の照射による前記瞳孔からの反射像を取得する撮像素子と、前記取得された反射像から瞳孔径を計測する画像処理部と、からなることを特徴とする視覚疲労度検出装置。 - 請求項10に記載の視覚疲労度検出装置であって、
前記第一の光源は、前記瞳孔を3秒以上の時間で前記眼を光刺激することを特徴とする視覚疲労度検出装置。 - 請求項1に記載の視覚疲労度検出装置であって、
前記瞳孔応答抽出部は、前記計測された経時変化を縮瞳過程と散瞳過程とに分割し、前記縮瞳過程と前記散瞳過程との各々において前記計測された経時変化に対して指数関数を用いてフィッティングし、前記縮瞳時定数と前記散瞳時定数を抽出することを特徴とする視覚疲労度検出装置。 - 視覚疲労度を検出し視覚疲労の発生源である視覚疲労源を制御する視覚疲労制御装置であって、
眼の瞳孔径の経時変化を取得する瞳孔径計測部と、
前記経時変化から縮瞳時定数と散瞳時定数とを抽出する計測データ解析部と、
前記縮瞳時定数と前記散瞳時定数とを用いて視覚疲労度を検出する視覚疲労検出部と、
前記視覚疲労度に基づき前記視覚疲労源の光学特性を制御する光学特性制御部と、
を含むことを特徴とする視覚疲労度制御装置。 - 請求項13に記載の視覚疲労度制御装置であって、
前記光学特性は、輝度、コントラスト及び光透過率のうち、何れか一つ又は複数を含むことを特徴とする視覚疲労度制御装置。 - 視覚疲労度を検出する視覚疲労度検出方法であって、
瞳孔径の経時変化を瞳孔径計測部によって計測する瞳孔径計測工程と、
前記計測された経時変化に基づき縮瞳時定数と散瞳時定数とを瞳孔応答抽出部によって抽出する瞳孔応答抽出工程と、
前記抽出された縮瞳時定数と前記抽出された散瞳時定数とに基づき視覚疲労検出部によって視覚疲労度を検出する視覚疲労検出工程と、
前記検出された視覚疲労度を表示部により画面に表示する表示工程と、
からなることを特徴とする視覚疲労度検出方法。
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