JPWO2010137103A1 - 感光性染毛料及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
上記染毛料が日光により白髪を染める原理は、ヘアクリーム等に0.5%〜1.0%含有される銀イオンが光によって金属銀の微粒子に還元され、それが毛髪に均一に付着するために白髪が黒く染まって見えることにある。この原理を利用した白髪染めの染毛料は、銀微粒子が毛髪表面をコーティングするかの様に覆っているので、毛髪を紫外線や薬剤から守る作用を有し、また、一旦染まると洗髪しても容易には落ちない特徴を有するものである。
上述した問題を解決するために、請求項1に係る発明の感光性染毛料は、水分を有する基質材料に銀塩が混合された感光性染毛料であって、前記基質材料に感光性染毛料全量に対して0.3〜2.0%の前記銀塩が、硫酸銀、酢酸銀、乳酸銀、酸化銀等の何れか選択された少なくとも一つのものと、該全量に対して0.3〜9%のアルカノールアミン類を含むことを特徴とする。
同様に、請求項2に係る発明の感光性染毛料は、前記基質材料が水溶性成分に油性分が乳化された乳液状であることを特徴とする。
請求項3に係る発明の感光性染毛料は、前記基質材料が所定の分散・溶解媒体中に高分子材料が分散・溶解したゲルであることを特徴とする。
請求項4に係る発明の感光性染毛料は、前記基質材料が水溶液であることを特徴とする。
請求項5に係る発明の感光性染毛料は、前記感光性染毛料が安定化剤として、前記全量に対して硫酸銅0.1〜1.4%を含有することを特徴とする。
請求項6に係る発明の感光性染毛料の製造方法は、水分を有する基質材料にアルカノールアミンと銀塩を含む感光性染毛料の製造方法であって、前記感光性染毛料全量に対して0.2%〜20%のアルカノールアミンが溶解している水溶液に、該全量に対して0.2%〜2.0%の銀塩を加えることを特徴とする。
本発明の実施形態の感光性染毛料は、水分を有する基質材料にアルカノールアミン類と銀塩を含むもので、該アルカノールアミン類は銀塩と錯塩を形成した状態で存在する。つまり、前記感光性染毛料は、通常銀イオンとして存在しているものをアルカノールアミン類との銀錯塩として使用するもので、銀塩はアルカノールアミン類と反応してアルカノールアミン銀錯塩を形成する。そのアルカノールアミン銀錯塩が完全な形の銀錯塩を形成しないために、前記基質材料に感光性染毛料全量に対してアルカノールアミン類が0.3〜9%含まれ、前記銀塩が、硫酸銀、酢酸銀、乳酸銀、酸化銀等の何れか選択された少なくとも一つのものが0.3〜2.0%含まれている。
銀塩とアルカノールアミン類との配合量は銀塩1に対して、アルカノールアミン類1〜4.5の重量比率が好ましい。銀塩は0.3〜2%まで使用されるので、アルカノールアミン類は0.3〜9%の範囲になる。また、硫酸銀は水には0.8%しか溶けないが、アルカノールアミン類の存在下では5%以上も溶解する。
なお、例えば、硫酸銀1.0%に対してモノエタノールアミンを4.8%以上配合すると日光に晒しても全く染毛されないことを見出している。
以下、実施例を説明する。
100kg用真空乳化釜にポリオキシエチレン(15モル)セチルエーテル1kg、セタノール5kg、流動パラフィン10kg、ステアリン酸1.0kg、シリコンオイル1.0kg、グリチルレチン酸ステアリル0.1kgを入れ80℃で溶解する(油相)。別の釜にモノエタノールアミン0.5kg、水70.0kgを入れ同じく80℃に加熱する(水相)。油相を激しく撹拌しながら、これに水相を少しずつ加え乳化させる。充分乳化したら撹拌を緩やかにし、45℃迄冷却する。別のケトルに水10.15kgを計り取り、硫酸銀0.5kg、モノエタノールアミン0.75kgを加え室温で透明な水溶液を造る(A相)。45℃に冷却した乳化物中にA相を少しずつ滴下しながらゆっくりと撹拌を続け室温まで冷却し、白色のクリーム98.8kgを得た。全ての操作は光に当てぬよう注意して行った。
100kg用真空乳化釜にポリオキシエチレン(15モル)セチルエーテル1kg、セタノール4kg、シリコンオイル10kg、ステアリン酸1.0kg、スクワラン1.0kgを入れ80℃で溶解する(油相)。別の釜にモノエタノールアミン0.5kg、水70.0kgを入れ同じく80℃に加熱する(水相)。油相を激しく撹拌しながら水相を少しずつ加え乳化させる。乳化完了後緩やかに撹拌し、45℃迄冷却する。別のケトルに水9.8kgを取り、硫酸銀0.7kg、モノエタノールアミン1.5kg、硫酸銅5水和物0.5kgを入れてよく撹拌し、室温で透明な水溶液とする(A相)。A相を45℃に迄冷却した乳化物の中にゆっくりと滴下し撹拌を続けて室温迄冷却し青色の乳化物99kgを得た。
実施例1で製造した感光性染毛料のクリーム(0.5%硫酸銀)と、従来品として比較例1の硫酸銀(0.8%)のみの感光性染毛料のクリーム(モノエタノールアミンを含まず)を、1gの白髪人毛束を2つの束に分け、それぞれに0.5gずつ塗り、直射日光に30分間晒し、洗剤で洗い白髪の染色・染着性を視覚による官能検査で比較した。なお、ここで用いる「染色・染着性」の用語は、クリーム等を塗った白髪が光の照射により黒く染まった後に洗剤で洗っても黒く染まっている状態を意味している。
図1は実施例1と比較例1の白髪の染色・染着性を比較した図である。
右側の実施例1は、クリームが0.5%の硫酸銀しか含有していないが、0.8%硫酸銀を含有している左側の比較例1と比べて、30分間の直射日光による照射時間であっても染色・染着性に優れていることが分かった(図1参照)。
実施例2で製造した感光性染毛料のクリーム(0.7%硫酸銀)と、比較例2の硫酸銀(0.7%)のみの感光性染毛料のクリーム(モノエタノールアミンを含まず)を、1gの白髪人毛束を2つの束に分け、それぞれに0.5gずつ塗り、直射日光に5分、10分、20分、30分、120分間晒し、洗剤で洗い白髪の染色・染着性を視覚による官能検査で比較した。
図2は実施例2と比較例2の光の照射時間ごとの白髪の染色・染着性を比較した図である。
右側の実施例2は、比較例2と同じ硫酸銀濃度ではあるが、モノエタノールアミンを含有するクリームのほうが、5分、10分、20分、30分、120分間の直射日光による照射時間に対して、何れの照射時間であっても染色・染着性に優れていることがこの図より明らかである。
実施例1で製造した感光性染毛料のクリーム(0.5%硫酸銀)と、従来品として比較例1の硫酸銀(0.8%)のみの感光性染毛料のクリーム(モノエタノールアミンを含まず)を、1gの白髪人毛束を2つの束に分け、それぞれに0.5gずつ塗り、窓から1m離れた日陰に60分間放置し、洗剤で洗い白髪の染色・染着性を視覚による官能検査で比較した。
図3は実施例1と比較例1の白髪を、日陰に60分間放置して染色・染着性を比較した図である。
右側の実施例1は、左側の比較例1と比べて、弱い光であっても染色・染着性に優れていることが分かった(図3参照)。
硫酸銀水溶液の濃度と染色・染着性の関係を調べるテストを行った。
硫酸銀1(重量)に対して1.7(重量)のモノエタノールアミンを加え、それぞれ0.1、0.3、0.5、0.7、1.0、2.0、3.0、4.0、5.0%の9種類の硫酸銀水溶液のサンプルを作った。この溶液0.5gを1gの白髪人毛に塗布し、青色発光ダイオード・ランプを用いて10分間照射し、よく洗浄して染色・染着性を視覚による官能検査で調べた。サンプル番号と硫酸銀濃度(%)の関係は表1に示す通りである。
比較例3として、モノエタノールアミンの代わりにクエン酸0.1を含む硫酸銀0.8%溶液を1gの白髪人毛に塗布し、青色発光ダイオード・ランプを用いて10分間照射し、よく洗浄して染色・染着性を視覚による官能検査で調べた。
図4は9種類のサンプルと硫酸銀濃度ごとの白髪の染色・染着性を比較した図である。サンプル番号10は比較例3を示している。
上記染毛料が日光により白髪を染める原理は、ヘアクリーム等に0.5%〜1.0%含有される銀イオンが光によって金属銀の微粒子に還元され、それが毛髪に均一に付着するために白髪が黒く染まって見えることにある。この原理を利用した白髪染めの染毛料は、銀微粒子が毛髪表面をコーティングするかの様に覆っているので、毛髪を紫外線や薬剤から守る作用を有し、また、一旦染まると洗髪しても容易には落ちない特徴を有するものである。
上述した問題を解決するために、請求項1に係る発明の感光性染毛料は、水分を有する基質材料に硫酸銀塩及びアルカノールアミン類が混合された感光性染毛料であって、前記硫酸銀塩とアルカノールアミン類の配合量の重量比率が、硫酸銀塩1に対して、アルカノールアミン類1〜4.5であり、前記基質材料に、感光性染毛料全量に対して0.3〜2.0%の硫酸銀塩と、0.3〜9%のアルカノールアミン類を含むことで、完全な形のアルカノールアミン銀錯塩が形成されることなく、光により還元されることを特徴とする。
同様に、請求項2に係る発明の感光性染毛料は、前記基質材料が水溶性成分に油性分が乳化された乳液状であることを特徴とする。
請求項3に係る発明の感光性染毛料は、前記基質材料が所定の分散・溶解媒体中に高分子材料が分散・溶解したゲルであることを特徴とする。
請求項4に係る発明の感光性染毛料は、前記基質材料が水溶液であることを特徴とする。
請求項5に係る発明の感光性染毛料は、前記感光性染毛料が安定化剤として、前記全量に対して硫酸銅0.1〜1.4%を含有することを特徴とする。
請求項6に係る発明の感光性染毛料の製造方法は、水分を有する基質材料にアルカノールアミンと硫酸銀塩を含む感光性染毛料の製造方法であって、前記硫酸銀塩とアルカノールアミン類の配合量の重量比率が、硫酸銀塩1に対して、アルカノールアミン類1〜4.5であり、前記感光性染毛料全量に対して0.3〜9%のアルカノールアミン類が溶解している水溶液に、該全量に対して0.3%〜2.0%の硫酸銀塩を加えることで、完全な形のアルカノールアミン銀錯塩が形成されることなく、光により還元されることを特徴とする。
本発明の実施形態の感光性染毛料は、水分を有する基質材料にアルカノールアミン類と硫酸銀塩を含むもので、該アルカノールアミン類は硫酸銀塩と錯塩を形成した状態で存在する。つまり、前記感光性染毛料は、通常銀イオンとして存在しているものをアルカノールアミン類との銀錯塩として使用するもので、硫酸銀塩はアルカノールアミン類と反応してアルカノールアミン銀錯塩を形成する。そのアルカノールアミン銀錯塩が完全な形の銀錯塩を形成しないために、前記基質材料に感光性染毛料全量に対してアルカノールアミン類が0.3〜9%含まれ、前記硫酸銀塩が0.3〜2.0%含まれている。
銀塩とアルカノールアミン類との配合量は銀塩1に対して、アルカノールアミン類1〜4.5の重量比率が好ましい。銀塩は0.3〜2%まで使用されるので、アルカノールアミン類は0.3〜9%の範囲になる。また、硫酸銀は水には0.8%しか溶けないが、アルカノールアミン類の存在下では5%以上も溶解する。
なお、例えば、硫酸銀 1.0%に対してモノエタノールアミンを4.8%以上配合すると日光に晒しても全く染毛されないことを見出している。
以下、実施例を説明する。
100kg用真空乳化釜にポリオキシエチレン(15モル)セチルエーテル1kg、セタノール5kg、流動パラフィン10kg、ステアリン酸1.0kg、シリコンオイル1.0kg、グリチルレチン酸ステアリル0.1kgを入れ80℃で溶解する(油相)。別の釜にモノエタノールアミン0.5kg、水70.0kgを入れ同じく80℃に加熱する(水相)。油相を激しく撹拌しながら、これに水相を少しずつ加え乳化させる。充分乳化したら撹拌を緩やかにし、45℃迄冷却する。別のケトルに水10.15kgを計り取り、硫酸銀0.5kg、モノエタノールアミン0.75kgを加え室温で透明な水溶液を造る(A相)。45℃に冷却した乳化物中にA相を少しずつ滴下しながらゆっくりと撹拌を続け室温まで冷却し、白色のクリーム98.8kgを得た。全ての操作は光に当てぬよう注意して行った。
100kg用真空乳化釜にポリオキシエチレン(15モル)セチルエーテル1kg、セタノール4kg、シリコンオイル10kg、ステアリン酸1.0kg、スクワラン 1.0kgを入れ80℃で溶解する(油相)。別の釜にモノエタノールアミン0.5kg、水70.0kgを入れ同じく80℃に加熱する(水相)。油相を激しく撹拌しながら水相を少しずつ加え乳化させる。乳化完了後緩やかに撹拌し、45℃迄冷却する。別のケトルに水9.8kgを取り、硫酸銀0.7kg、モノエタノールアミン1.5kg、硫酸銅5水和物0.5kgを入れてよく撹拌し、室温で透明な水溶液とする(A相)。A相を45℃に迄冷却した乳化物の中にゆっくりと滴下し撹拌を続けて室温迄冷却し青色の乳化物99kgを得た。
実施例1で製造した感光性染毛料のクリーム(0.5%硫酸銀)と、従来品として比較例1の硫酸銀(0.8%)のみの感光性染毛料のクリーム(モノエタノールアミンを含まず)を、1gの白髪人毛束を2つの束に分け、それぞれに0.5gずつ塗り、直射日光に30分間晒し、洗剤で洗い白髪の染色・染着性を視覚による官能検査で比較した。なお、ここで用いる「染色・染着性」の用語は、クリーム等を塗った白髪が光の照射により黒く染まった後に洗剤で洗っても黒く染まっている状態を意味している。
図1は実施例1と比較例1の白髪の染色・染着性を比較した図である。
右側の実施例1は、クリームが0.5%の硫酸銀しか含有していないが、0.8%硫酸銀を含有している左側の比較例1と比べて、30分間の直射日光による照射時間であっても染色・染着性に優れていることが分かった(図1参照)。
実施例2で製造した感光性染毛料のクリーム(0.7%硫酸銀)と、比較例2の硫酸銀(0.7%)のみの感光性染毛料のクリーム(モノエタノールアミンを含まず)を、1gの白髪人毛束を2つの束に分け、それぞれに0.5gずつ塗り、直射日光に5分、10分、20分、30分、120分間晒し、洗剤で洗い白髪の染色・染着性を視覚による官能検査で比較した。
図2は実施例2と比較例2の光の照射時間ごとの白髪の染色・染着性を比較した図である。
右側の実施例2は、比較例2と同じ硫酸銀濃度ではあるが、モノエタノールアミンを含有するクリームのほうが、5分、10分、20分、30分、120分間の直射日光による照射時間に対して、何れの照射時間であっても染色・染着性に優れていることがこの図より明らかである。
実施例1で製造した感光性染毛料のクリーム(0.5%硫酸銀)と、従来品として比較例1の硫酸銀(0.8%)のみの感光性染毛料のクリーム(モノエタノールアミンを含まず)を、1gの白髪人毛束を2つの束に分け、それぞれに0.5gずつ塗り、窓から1m離れた日陰に60分間放置し、洗剤で洗い白髪の染色・染着性を視覚による官能検査で比較した。
図3は実施例1と比較例1の白髪を、日陰に60分間放置して染色・染着性を比較した図である。
右側の実施例1は、左側の比較例1と比べて、弱い光であっても染色・染着性に優れていることが分かった(図3参照)。
硫酸銀水溶液の濃度と染色・染着性の関係を調べるテストを行った。
硫酸銀1(重量)に対して1.7(重量)のモノエタノールアミンを加え、それぞれ0.1、0.3、0.5、0.7、1.0、2.0、3.0、4.0、5.0%の9種類の硫酸銀水溶液のサンプルを作った。この溶液0.5gを1gの白髪人毛に塗布し、青色発光ダイオード・ランプを用いて10分間照射し、よく洗浄して染色・染着性を視覚による官能検査で調べた。サンプル番号と硫酸銀濃度(%)の関係は表1に示す通りである。
比較例3として、モノエタノールアミンの代わりにクエン酸0.1を含む硫酸銀0.8%溶液を1gの白髪人毛に塗布し、青色発光ダイオード・ランプを用いて10分間照射し、よく洗浄して染色・染着性を視覚による官能検査で調べた。
図4は9種類のサンプルと硫酸銀濃度ごとの白髪の染色・染着性を比較した図である。サンプル番号10は比較例3を示している。
上述した問題を解決するために、請求項1に係る発明の感光性染毛料は、水分を有する基質材料に硫酸銀塩及びアルカノールアミン類が混合された感光性染毛料であって、前記硫酸銀塩とアルカノールアミン類の配合量の重量比率が、硫酸銀塩1に対して、アルカノールアミン類1〜4.5であり、前記基質材料に、感光性染毛料全量に対して0.3〜2.0%の前記硫酸銀塩と、0.3〜9.0%のアルカノールアミン類とで形成された不完全な形のアルカノールアミン銀錯塩を含むことを特徴とする。
同様に、請求項2に係る発明の感光性染毛料は、前記基質材料が水溶性成分に油成分が乳化された乳液状であることを特徴とする。
請求項3に係る発明の感光性染毛料は、前記基質材料が所定の溶解媒体中に高分子材料が溶解したゲルであることを特徴とする。
請求項4に係る発明の感光性染毛料は、前記基質材料が水溶液であることを特徴とする。
請求項5に係る発明の感光性染毛料は、前記感光性染毛料が安定化剤として、前記全量に対して硫酸銅0.1〜1.4%を含有することを特徴とする。
請求項6に係る発明の感光性染毛料の製造方法は、水分を有する基質材料にアルカノールアミンと硫酸銀塩を含む感光性染毛料の製造方法であって、前記硫酸銀塩とアルカノールアミン類の配合量の重量比率が、硫酸銀塩1に対して、アルカノールアミン類1〜4.5であり、前記感光性染毛料全量に対して0.2%〜2.0%のアルカノールアミンが溶解している水溶液に、該全量に対して0.3〜9.0%の銀塩を加えることで、不完全な形のアルカノールアミン銀錯塩を形成することを特徴とする。
本発明の実施形態の感光性染毛料は、水分を有する基質材料にアルカノールアミン類と銀塩を含むもので、該アルカノールアミン類は銀塩と錯塩を形成した状態で存在する。つまり、前記感光性染毛料は、通常銀イオンとして存在しているものをアルカノールアミン類との銀錯塩として使用するもので、銀塩はアルカノールアミン類と反応してアルカノールアミン銀錯塩を形成する。そのアルカノールアミン銀錯塩が完全な形の銀錯塩を形成しないために、前記基質材料に感光性染毛料全量に対してアルカノールアミン類が0.3〜9.0%含まれ、前記銀塩が、硫酸銀、酢酸銀、乳酸銀、酸化銀等の何れか選択された少なくとも一つのものが0.3〜2.0%含まれている。
銀塩とアルカノールアミン類との配合量は銀塩1に対して、アルカノールアミン類1〜4.5の重量比率が好ましい。銀塩は0.3〜2%まで使用されるので、アルカノールアミン類は0.3〜9%の範囲になる。また、硫酸銀は水には0.8%しか溶けないが、アルカノールアミン類の存在下では5%以上も溶解する。
なお、例えば、硫酸銀1.0%に対してモノエタノールアミンを4.8%以上配合すると日光に晒しても全く染毛されないことを見出している。
以下、実施例を説明する。
上述した問題を解決するために、請求項1に係る感光性染毛料は、水分を有する基質材料に硫酸銀塩及びアルカノールアミン類が混合された、銀イオンが光によって金属銀の微粒子に還元される感光性染毛料であって、前記硫酸銀塩とアルカノールアミン類の配合量の重量比率が、硫酸銀塩1に対して、アルカノールアミン類1〜4.5であり、前記基質材料に、前記感光性染毛料全量に対して0.3〜2.0重量%の前記硫酸銀塩と、0.3〜9.0重量%のアルカノールアミン類とで形成された、銀イオンとアルカノールアミン銀錯塩を含み、該銀イオンが光により還元されることを特徴とする。
同様に、請求項2に係る感光性染毛料は、前記基質材料が水溶性成分に油性分が乳化された乳液状であることを特徴とする。
請求項3に係る感光性染毛料は、前記基質材料が所定の分散・溶解媒体中に高分子材料が分散・溶解したゲルであることを特徴とする。
請求項4に係る感光性染毛料は、前記基質材料が水溶液であることを特徴とする。
請求項5に係る感光性染毛料は、前記感光性染毛料が安定化剤として、前記全量に対して硫酸銅0.1〜1.4重量%を含有することを特徴とする。
請求項6に係る感光性染毛料の製造方法は、水分を有する基質材料に硫酸銀塩及びアルカノールアミン類を含む、銀イオンが光によって金属銀の微粒子に還元される感光性染毛料の製造方法であって、前記硫酸銀塩とアルカノールアミン類の配合量の重量比率が、硫酸銀塩1に対して、アルカノールアミン類1〜4.5であり、前記感光性染毛料全量に対して0.3〜9.0重量%のアルカノールアミンが溶解している水溶液に、該全量に対して0.3〜2.0重量%の硫酸銀塩を加えることで、銀イオンとアルカノールアミン銀錯塩を形成することを特徴とする。
前記感光性染毛料は、通常銀イオンとして存在しているものをアルカノールアミン類との銀錯塩として使用するもので、銀塩はアルカノールアミン類と反応してアルカノールアミン銀錯塩と銀イオンを形成する。そのアルカノールアミン銀錯塩が完全な形の銀錯塩を形成しない、即ち、アルカノールアミン銀錯塩と銀イオンを形成するために、前記基質材料に感光性染毛料全量に対してアルカノールアミン類が0.3〜9%含まれ、前記硫酸銀塩が0.3〜2.0%含まれている。
Claims (6)
- 水分を有する基質材料に銀塩及びアルカノールアミン類が混合された感光性染毛料であって、
前記基質材料に感光性染毛料全量に対して0.3〜2.0%の前記銀塩が、硫酸銀、酢酸銀、乳酸銀、酸化銀等の何れか選択された少なくとも一つのものと、該全量に対して0.3〜9%のアルカノールアミン類を含むことを特徴とする感光性染毛料。 - 前記基質材料が水溶性成分に油性分が乳化された乳液状であることを特徴とする請求項1に記載の感光性染毛料。
- 前記基質材料が所定の分散・溶解媒体中に高分子材料が分散・溶解したゲルであることを特徴とする請求項1に記載の感光性染毛料。
- 前記基質材料が水溶液であることを特徴とする請求項1に記載の感光性染毛料。
- 前記感光性染毛料が安定化剤として、前記全量に対して硫酸銅0.1〜1.4%を含有することを特徴とする請求項1に記載の感光性染毛料。
- 水分を有する基質材料に銀塩及びアルカノールアミン類を含む感光性染毛料の製造方法であって、
前記感光性染毛料全量に対して0.3〜9%のアルカノールアミンが溶解している水溶液に、該全量に対して0.3%〜2.0%の銀塩を加えることを特徴とする感光性染毛料の製造方法。
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