JPWO2010134376A1 - 撮像レンズ、撮像装置及び携帯端末 - Google Patents

撮像レンズ、撮像装置及び携帯端末 Download PDF

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Abstract

高いIRカットフィルター機能を有する薄型でコンパクトな撮像レンズを提供する。このため、撮像レンズLNはレンズブロックCn(n=1、2、3)から成り、平行平板であるレンズ基板Ln2と正又は負のパワーを有するレンズ部Ln1,Ln3とは材質が異なる。第3レンズブロックC3は、レンズ基板L32の一方の面のみにレンズ部L33を有し、レンズ基板L32の他方の面にIRカットフィルター膜CTを有する。

Description

本発明は撮像レンズ、撮像装置及び携帯端末に関するものである。更に詳しくは、例えば大量生産に適したウェハスケールのレンズを含み、撮像素子(例えば、CCD(Charge Coupled Device)型イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)型イメージセンサ等の固体撮像素子)の受光面上に光学像を形成する撮像レンズと、この撮像レンズと撮像レンズにより形成される光学像を取り込む撮像素子とを有する撮像装置と、撮像装置を搭載した携帯端末と、に関するものである。
コンパクトで薄型の撮像装置が、コンパクトで薄型の電子機器である携帯端末(例えば、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)等)に搭載されるようになり、現在では遠隔地との相互の情報伝送が音声情報だけでなく画像情報についても可能となっている。撮像装置に搭載される撮像素子(例えば、CCD型イメージセンサ等の固体撮像素子)の高画素化・高機能化が急速に進んでいる。そして、その性能を十分に活かすため、撮像素子上に被写体像を形成するための撮像レンズにも高い光学性能が要求されている。また、携帯端末のコンパクト化に伴って、撮像レンズのコンパクト化も一層進められている。
撮像レンズには、大量生産に適したプラスチックレンズが低コスト化のために用いられるようになってきている。プラスチックレンズは加工性が良いので、非球面の形成が容易であるため、非球面形状の採用により高性能化の要求にも応えることができる。こういった観点から、携帯端末内蔵の撮像装置にはプラスチックレンズを含む撮像レンズが通常用いられている。そのような撮像レンズとして一般的によく知られているのが、プラスチックレンズ3枚構成の撮像レンズ、ガラスレンズ1枚とプラスチックレンズ2枚から成る3枚構成の撮像レンズ等である。しかしながら、これらの光学系の更なるコンパクト化と携帯端末に求められる量産性とを両立させることは困難である。
このような問題点を克服するため、平行平板の数インチのウェハ状レンズ基板に対し、大量のレンズ部を金型で同時に成形して硬化させた後、格子状のスペーサ部材を介してレンズ基板同士をシールし、一体化されたレンズ基板及びスペーサ部材を、スペーサ部材の格子枠で切断して、レンズモジュールを低コストで大量生産する技術の開発が進められている。こうした製法によって製造されたレンズは「ウェハレベルレンズ」と呼ばれており、また、レンズモジュールは「ウェハレベルレンズモジュール」と呼ばれている。
また、撮像レンズのコンパクト化を進めていくと、光学系内に配置されるIR(InfraRed)カットフィルターの基板厚さの影響が大きくなる。つまり、IRカットフィルターのレンズ全長に占める割合が増大し、それが撮像レンズのコンパクト化を妨げる1つの要因となってしまう。そこで、撮像レンズの薄型・コンパクト化を目的として、レンズ素子等にIRカットフィルター機能を持たせ、IRカットフィルター基板を持たない撮像レンズが特許文献1、2で提案されている。例えば、特許文献1、2には、ウェハレベルレンズにおいてレンズ基板とレンズ部との境界にIRカットコートが設けられた撮像レンズが提案されている。また特許文献1には、IR吸収ガラスをウェハレベルレンズのレンズ基板に用いた撮像レンズが提案されている。
米国特許出願公開第2007/0024958号明細書 特表2008−508545号公報
特許文献1、2で提案されているように、光学材料間の境界にIRカットコートを設けると、波長特性の入射角度依存性が大きくなるため、画面全体で均一なIRカット特性を得ることが難しくなる。入射角度に強く依存する波長特性変化を抑制するには、多数のコート層が必要になるが、これはコストアップの原因になる。また、特許文献1で提案されているように、レンズ基板にIR吸収ガラスを用いると、シャープな吸収特性が得られず、物体の色調再現が困難になる。なお、ガラスレンズ表面にIRカットコートを設けることによりフィルター基板を省略したものも知られているが、ウェハレベルレンズのようにレンズ部が樹脂から成るものに対しては、低温状態でコーティングを行う必要があるため、シャープな波長特性の実現は困難である。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、高いIRカットフィルター機能を有する薄型でコンパクトな撮像レンズ、それを備えた撮像装置及び携帯端末を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明の撮像レンズは、平行平板のレンズ基板と、前記レンズ基板の物体側面及び像側面のうちの少なくとも一方に、前記レンズ基板と異なる材料で形成され、正又は負のパワーを有するレンズ部と、を備えるレンズブロックを少なくとも2ブロック含む撮像レンズであって、少なくとも1つの前記レンズブロックが、該レンズブロックのレンズ基板の一方の面のみにレンズ部を有し、他方の面にIRカットフィルター膜を有することを特徴とする。
第2の発明の撮像レンズは、上記第1の発明において、前記IRカットフィルター膜を有するレンズブロックに対峙し、該IRカットフィルター膜から空気間隔を隔てて隣接して配置されているレンズブロックのレンズ基板の前記IRカットフィルター膜に対向する一方の面には、レンズ部が設けられていないか、又は、他方の面に設けられているレンズ部よりも弱いパワーを有するレンズ部が設けられていることを特徴とする。
第3の発明の撮像レンズは、上記第1の発明において、最も像面側のレンズブロックのレンズ基板の像面側にレンズ部を有することを特徴とする。
第4の発明の撮像レンズは、上記第1〜第3のいずれか1つの発明において、以下の条件式を満足することを特徴とする。
0.08<BF/DI<0.16
ただし、
BF:バックフォーカス量、
DI:イメージサークルの直径、
である。
第5の発明の撮像レンズは、上記第1〜第4のいずれか1つの発明において、最も像面側のレンズブロックと、該レンズブロックの物体側に隣り合って位置するレンズブロックとの間の空気間隔を構成する少なくとも一方の光学面に、IRカットフィルター膜を有することを特徴とする。
第6の発明の撮像レンズは、上記第1〜第5のいずれか1つの発明において、互いに隣り合って位置するレンズブロックに対する空気間隔が、該レンズブロックが有するレンズ部の有効径外に形成されたスペーサ部分で調整されていることを特徴とする。
第7の発明の撮像レンズは、上記第1〜第6のいずれか1つの発明において、前記レンズ基板がガラス材料から成ることを特徴とする。
第8の発明の撮像レンズは、上記第1〜第7のいずれか1つの発明において、格子状のスペーサ部材を介して前記レンズ基板同士をシールする工程と、一体化された前記レンズ基板及び前記スペーサ部材を前記スペーサ部材の格子枠で切断する工程と、を含む製造方法により、前記レンズブロックが製造されることを特徴とする。
第9の発明の撮像装置は、上記第1〜第8のいずれか1つの発明に係る撮像レンズと、前記撮像レンズにより受光面上に形成された光学像を電気的な信号に変換する撮像素子と、を備えていることを特徴とする。
第10の発明の携帯端末は、上記第9の発明に係る撮像装置を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、少なくとも1つのレンズブロックが、レンズ基板の一方の面のみにレンズ部を有し、レンズ基板の他方の面にIRカットフィルター膜を有する構成になっているので、撮像レンズの薄型・コンパクト化を達成しつつ、入射角度依存性が抑制されたシャープな波長特性により、画面全体で均一なIRカット特性を得ることが可能となる。したがって、高いIRカットフィルター機能を有する薄型でコンパクトな撮像レンズ、それを備えた撮像装置及び携帯端末を実現することができる。例えば、大量生産の可能なウェハレベルレンズから成る撮像レンズに上記構成を採用することにより、上記効果を低コストで実現することが可能となる。
第1の実施の形態(実施例1)の光学構成図。 第2の実施の形態(実施例2)の光学構成図。 実施例1の収差図。 実施例2の収差図。 撮像装置を搭載した携帯端末の概略構成例を模式的断面で示す図。 撮像レンズの製造工程の一例を示す概略断面図。 レンズ部の有効径外にスペーサ機能を有するタイプの実施の形態を示す光学構成図。 IRカットコートの透過率特性の入射角度依存性を示すグラフ。
以下、本発明に係る撮像レンズ、撮像装置及び携帯端末等を、図面を参照しつつ説明する。本発明に係る撮像レンズは、レンズブロックを少なくとも2ブロック含むものである。ただし、「レンズブロック」とは、平行平板であるレンズ基板と、その物体側面及び像側面のうちの少なくとも一方に形成され、正又は負のパワーを有するレンズ部と、を備える光学要素をいう。なお、ここで想定しているレンズ基板とレンズ部とは材料が異なっている。
本発明に係る撮像レンズは、上記のようにレンズブロックを少なくとも2ブロック含んでいるので、物体側から像側に向かってn番目(n=1、2、…)のレンズブロックを第nレンズブロックとすると、物体側から順に、第1レンズブロック、第2レンズブロック等を有するブロック配置になっている。そして、少なくとも1つのレンズブロックが、レンズ基板の一方の面のみにレンズ部を有し、レンズ基板の他方の面にIRカットフィルター膜(以下「IRカットコート」ともいう。)を有する構成にしている。
上記のように、レンズ基板の一方の面のみにレンズ部を設け、レンズ基板の他方の面にIRカットフィルター膜を設けると、レンズ部とIRカットフィルター膜とで基板歪を打ち消し合うようにすることができる。これにより、IRカットフィルター機能のみを目的として使用されるフィルター板よりも、レンズ基板の厚さを薄くすることができるため、撮像レンズ全体の薄型化を達成することが可能である。しかも、レンズブロックがIRカットフィルター機能を有するので、IRカットフィルター板を別途設置する必要が無く、結果として、薄型・コンパクト化及び低コスト化が可能となる。
レンズ基板上にIRカットコートを施す構成では、レンズ基板がガラスの場合、IRカットコートを高温で成膜することが可能になるため、レンズ部上にIRカットコートを施す構成と比較すると、膜材料の選択の幅が広いため、波長特性の向上が可能である。また、空気とレンズ基板との境界面にIRカットコートを施す構成では、レンズ部とレンズ基板との境界面にIRカットコートを施す構成と比較すると、入射角度依存性が抑制されたシャープな波長特性(つまり、IRカットフィルター膜への光線入射角度変化による波長特性変化が小さく、かつ、鋭い波長特性)により、画面全体で均一なIRカット特性を得ることが可能となる。したがって、高いIRカットフィルター機能を有する薄型でコンパクトな撮像レンズを実現することができる。例えば、大量生産の可能なウェハレベルレンズから成る撮像レンズに上記構成を採用することにより、薄型・コンパクト化と撮像性能の向上とを低コストで両立させることが可能となる。
ここで、空気とレンズ基板との境界面にIRカットコートが設けられている場合と、レンズ部とレンズ基板との境界面にIRカットコートが設けられている場合と、の入射角度依存性の違いを説明する。図8のグラフに、IRカットコートの透過率特性の入射角度依存性を示す。
図8のグラフは、一般的なIRカットコートを、空気とレンズ基板(屈折率1.52)との境界に配置した場合(以下「A−L構成」という。図中、透過率特性を実線で示す。)と、2枚のレンズ基板(屈折率1.52)で挟んだ場合(以下「L−L構成」という。図中、透過率特性を破線で示す。)と、の2通りについて、IRカットコートに対する光線入射角度を0°、15°、30°に変化させたときの透過率特性変化のシミュレーション結果(A−L(0)、A−L(15)、A−L(30)、L−L(0)、L−L(15)、L−L(30):( )内の数字は光線入射角度(単位:°)を示す。)を示している。なお、A−L構成とL−L構成とでIRカットコートは同じ膜構成になっている。
図8のグラフから分かるように、A−L構成の特性変化量ΔA−Lは、L−L構成の特性変化量ΔL−Lよりも小さくなっている。したがって、空気とレンズ基板との境界面にIRカットコートを形成したA−L構成の方が、同じコート層数で、入射角度による透過率特性変化が少ないIRカットフィルター機能を実現することができる。
上述した特徴的構成によると、高いIRカットフィルター機能を有するとともに、低コストでの大量生産に適した薄型でコンパクトな撮像レンズ及びそれを備えた撮像装置を実現することが可能である。そして、その撮像レンズを備えた撮像装置を携帯端末等のデジタル機器に用いれば、そのコンパクト化,低コスト化,高性能化等に寄与することができる。こういった効果をバランス良く得るとともに、更なる光学性能等の向上、全長の短縮、製造性の向上等を達成するための条件等を以下に説明する。
IRカットフィルター膜を有するレンズブロックに対し、そのIRカットフィルター膜から空気間隔を隔てて隣接するようにレンズブロックが配置されており、そのレンズブロックにおいてレンズ基板のIRカットフィルター膜側の面には、レンズ部が設けられていないか、又はレンズ基板の他方の面に設けられているレンズ部よりも弱いパワーを有するレンズ部が設けられていることが望ましい。このように隣り合って位置する2つのレンズブロックは、レンズ基板の両面にレンズ部が形成されたレンズブロックを、そのレンズ基板で2分割したものと同様のパワー配置を持つことになる。したがって、他方のレンズブロックに設けられているIRカットコートに対し、対向する面のパワーを弱くすることは、レンズ基板の厚さのバラツキをレンズブロック間の空気間隔調整により吸収することを可能にする。レンズ基板厚さが設計値からずれた場合、バックフォーカス長や像面湾曲量が変化するため、モジュール組み立て時の調整が複雑になり、コストアップにつながる。レンズブロック間の空気間隔を調整して、レンズブロック全体のバックフォーカス誤差や像面位置誤差を極力抑えることにより、モジュール組み立て時の調整手順を減らすことができ、コスト低減につながる。対向するレンズ部のパワーが大きい場合、基板厚さを補正するために基板間の空気間隔を調整しようとしても、画角間での像面位置変動量の差が大きく、画面全体にわたって像面位置を補正することが困難である。
その結果、レンズ基板厚さの公差を緩めることが可能になるため、コストの低減に効果がある。また、他方のレンズブロックに設けられているIRカットコートに対し、対向するレンズ部のパワーを弱くすれば、上記レンズブロック間の空気間隔を調整することにより、撮像レンズ全体の収差性能を制御すること(例えば像面湾曲等を補正すること)が可能になる。その結果、レンズ部の面形状の誤差感度を緩めることが可能になるため、この点でもコストの低減に効果がある。
IRカットコート面と空気間隔を挟んで対向する面の形状は、下記条件式(1)を満たすことが望ましい。
0≦PB/DB<0.04 …(1)
PB:IRカットコート面と空気間隔を挟んで対向する面の有効領域内の光軸方向における面の最大高低差
DB:IRカットコート面と空気間隔を挟んで対向する面の有効半径
下限値は、PBが0、すなわち対向する面が平面であることを示す。上限値を超えた場合、対向する面のパワーが大きくなり、基板の厚さ誤差を空気間隔で調整した場合に、画角毎の像面位置の変動量の差が大きくなるため、基板厚さの公差を厳しくしなければならず、コストアップにつながる。
以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
0.08<BF/DI<0.16 …(2)
ただし、
BF:バックフォーカス量、
DI:イメージサークルの直径、
である。
条件式(2)を満足することにより、撮像レンズの低背化が可能となる。条件式(2)の下限を下回ると、バックフォーカス量が撮像素子サイズに対して相対的に小さくなるため、画角の大きい光束の撮像面入射角度が大きくなり、シェーディングの原因となる。逆に、条件式(2)の上限を上回ると、バックフォーカス量が相対的に大きくなって、撮像レンズの低背化を図る場合にバックフォーカスの占める割合が大きくなる。このため、低背化と撮像性能との両立が困難になる。
以下の条件式(2a)を満足することが更に望ましい。
0.08<BF/DI<0.155 …(2a)
この条件式(2a)は、上記条件式(2)が規定している条件範囲のなかでも、上記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。
最も像面側のレンズブロックとその物体側に隣り合って位置するレンズブロックとの間の空気間隔を構成する少なくとも一方の光学面に、IRカットフィルター膜を有することが望ましい。像面付近では、各画角の主光線と光軸との成す角度が他と比較して小さいため、上記光学面にIRカットフィルター膜を持たせれば、入射角度変化に伴うIRカットフィルターの波長特性変化を抑制することができる。また、像面付近では各画角の光線が重なる領域が少ないため、空気間隔調整時に各画角での収差変動の差が小さいことから、空気間隔調整による撮像性能制御の面でも有利である。
全てのレンズ基板は平行平板であることが望ましい。全てのレンズ基板が平行平板であることによって加工が容易になる上、全てのレンズ基板がレンズ部との界面においてパワーを持たないため、像面での焦点位置に対する面精度の影響を低減することができる。また、レンズ基板は全て同じ厚みの平行平板であることが望ましい。各レンズブロックのレンズ基板の厚みを同一にすることで、ガラス基板の研磨を同じ条件で行うことが可能となる。したがって、低コストでの大量生産が可能となる。
レンズ基板はガラス材料から成ることが望ましい。ガラスは樹脂に比べて軟化温度が高いため、レンズ基板をガラスで構成すると、リフロー処理を行っても容易に変異せず、また低コスト化が可能である。高軟化温度のガラスでレンズ基板を構成することが、更に望ましい。レンズ部は樹脂材料から成ることが望ましい。レンズ部に使用する材料として、樹脂材料はガラス材料に比べて加工成形性が良く、また低コスト化も可能である。
上記樹脂材料はエネルギー硬化型の樹脂材料であることが望ましい。レンズ部をエネルギー硬化型の樹脂材料で構成することにより、ウェハ状のレンズ基板に対し金型で大量のレンズ部を同時に硬化させ形成することが可能となる。したがって、量産性を向上させることができる。ここでいうエネルギー硬化型の樹脂材料とは、熱によって硬化する樹脂材料、光によって硬化する樹脂材料等を指し、その硬化には熱、光等のエネルギーを与える種々の手段が使用可能である。
エネルギー硬化型の樹脂材料としては、UV硬化型の樹脂材料を用いることが望ましい。UV硬化型の樹脂材料を用いれば、硬化時間の短縮により量産性を改善することができる。また、近年では耐熱性に優れた硬化型の樹脂材料が開発されており、耐熱性の樹脂を用いることでリフロー処理に耐えるカメラモジュールに対応することができ、より安価なカメラモジュールを提供することができる。ここでいうリフロー処理とは、プリント基板(回路基板)上にペースト状のはんだを印刷し、その上に部品(カメラモジュール)を載せてから熱を加えてはんだを溶かし、センサー外部端子と回路基板とを自動溶接する処理のことである。
レンズ部を構成する光学材料として、アサーマル樹脂(温度変化による屈折率変化の小さい樹脂材料)を用いることが望ましい。樹脂材料は温度変化時の屈折率変化が大きいため、周囲の温度が変化した際に、その影響を受けて特性が変動してしまうという問題を抱えている。しかし最近では、樹脂材料中に無機微粒子を混合させることにより、温度変化の影響を小さくできることが分かってきている。一般に、透明な樹脂材料に微粒子を混合させると、光の散乱が生じて透過率が低下するため、光学材料として使用することは困難であったが、微粒子の大きさを透過光束の波長より小さくすることにより、散乱が実質的に発生しないようにすることができる。
また、樹脂材料は温度が上昇することにより屈折率が低下してしまうが、無機粒子は温度が上昇すると屈折率が上昇する。そこで、これらの温度依存性を利用して、互いに打ち消し合うように作用させることにより、屈折率変化が殆ど生じないようにすることができる。具体的には、母材となる樹脂材料に、最大長が20nm以下の無機粒子を分散させることにより、屈折率の温度依存性が極めて低い樹脂材料を得ることができる。例えば、アクリル樹脂に酸化ニオブ(Nb)の微粒子を分散させることにより、温度変化による屈折率変化を小さくすることができる。レンズ部の材料として、このような無機粒子を分散させた樹脂材料を用いることにより、温度変化時の特性変動を小さく抑えることが可能となる。
次に、屈折率の温度による変化Aについて詳細に説明する。屈折率の温度による変化Aは、ローレンツ・ローレンツの式に基づいて、屈折率nを温度tで微分することにより、以下の式(FA)で表される。
…(FA)
ただし、式(FA)中、
α:線膨張係数、
[R]:分子屈折、
である。
樹脂材料の場合は、一般に式(FA)中の第1項に比べて第2項の寄与が小さく、ほぼ無視することができる。例えば、PMMA(polymethyl methacrylate)樹脂の場合、線膨張係数αは7×10−5であり、上記式(FA)に代入すると、A=−1.2×10−4[/℃]となり、実測値と概ね一致する。具体的には、従来は−1.2×10−4[/℃]程度であった屈折率の温度による変化Aを、絶対値で8×10−5[/℃]未満に抑えることが好ましい。また、絶対値で6×10−5[/℃]未満に抑えることができれば更に好ましい。
本発明に係る撮像レンズは、携帯端末等の画像入力機能付きデジタル機器への使用に適しており、これを撮像素子等と組み合わせることにより、被写体の映像を光学的に取り込んで電気的な信号として出力する撮像装置を構成することができる。撮像装置は、被写体の静止画撮影や動画撮影に用いられるカメラの主たる構成要素を成す光学装置であり、例えば、物体(すなわち被写体)側から順に、物体の光学像を形成する撮像レンズと、その撮像レンズにより形成された光学像を電気的な信号に変換する撮像素子と、を備えることにより構成される。そして、撮像素子の受光面上に被写体の光学像が形成されるように、前述した特徴的構成を有する撮像レンズが配置されることにより、低コストで高い性能を有する撮像装置やそれを備えたデジタル機器(例えば、携帯端末)を実現することができる。
カメラの例としては、デジタルカメラ、ビデオカメラ、監視カメラ、車載カメラ、テレビ電話用カメラ等が挙げられ、また、パーソナルコンピュータ、携帯端末(例えば、携帯電話、モバイルコンピュータ等の小型で携帯可能な情報機器端末)、これらの周辺機器(スキャナー、プリンター等)、その他のデジタル機器等に内蔵又は外付けされるカメラが挙げられる。これらの例から分かるように、撮像装置を用いることによりカメラを構成することができるだけでなく、各種機器に撮像装置を搭載することによりカメラ機能を付加することが可能である。例えば、カメラ付き携帯電話等の画像入力機能付きデジタル機器を構成することが可能である。
図5に、画像入力機能付きデジタル機器の一例として、携帯端末DUの概略構成例を模式的断面で示す。図5に示す携帯端末DUに搭載されている撮像装置LUは、物体(被写体)側から順に、物体の光学像(像面)IMを形成する撮像レンズLN(AX:光軸)と、平行平面板PT(撮像素子SRのカバーガラス等に相当する。)と、撮像レンズLNにより受光面SS上に形成された光学像IMを電気的な信号に変換する撮像素子SRと、を備えている。この撮像装置LUで画像入力機能付きの携帯端末DUを構成する場合、通常そのボディ内部に撮像装置LUを配置することになるが、カメラ機能を実現する際には必要に応じた形態を採用することが可能である。例えば、ユニット化した撮像装置LUを携帯端末DUの本体に対して着脱自在又は回動自在に構成することが可能である。
撮像素子SRとしては、例えば複数の画素を有するCCD型イメージセンサやCMOS型イメージセンサ等の固体撮像素子が用いられる。撮像レンズLNは、撮像素子SRの受光面SS上に被写体の光学像IMが形成されるように設けられているので、撮像レンズLNによって形成された光学像IMは、撮像素子SRによって電気的な信号に変換される。
携帯端末DUは、撮像装置LUの他に、信号処理部1、制御部2、メモリ3、操作部4、表示部5等を備えている。撮像素子SRで生成した信号は、信号処理部1で所定のデジタル画像処理や画像圧縮処理等が必要に応じて施され、デジタル映像信号としてメモリ3(半導体メモリ,光ディスク等)に記録されたり、場合によってはケーブルを介したり赤外線信号に変換されたりして他の機器に伝送される。制御部2はマイクロコンピュータを有しており、撮影機能、画像再生機能等の機能制御、フォーカシングのためのレンズ移動機構の制御等を集中的に行う。例えば、被写体の静止画撮影、動画撮影のうちの少なくとも一方を行うように、制御部2により撮像装置LUに対する制御が行われる。表示部5は液晶モニター等のディスプレイを含む部分であり、撮像素子SRによって変換された画像信号あるいはメモリ3に記録されている画像情報を用いて画像表示を行う。操作部4は、操作ボタン(例えばレリーズボタン)、操作ダイヤル(例えば撮影モードダイヤル)等の操作部材を含む部分であり、操作者が操作入力した情報を制御部2に伝達する。
撮像レンズLNは、前述したようにレンズブロックを少なくとも2ブロック含み(物体側から順に、第nレンズブロックCn(n=1、2、…)から成る。)、撮像素子SRの受光面SS上に光学像IMを形成する構成になっている。撮像レンズLNで形成されるべき光学像は、例えば、撮像素子SRの画素ピッチにより決定される所定の遮断周波数特性を有する光学的ローパスフィルター(図5中の平行平面板PTに相当する。)を通過することにより、電気的な信号に変換される際に発生するいわゆる折り返しノイズが最小化されるように、空間周波数特性が調整される。これにより、色モアレの発生を抑えることができる。ただし、解像限界周波数周辺の性能を抑えてやれば、光学的ローパスフィルターを用いなくてもノイズの発生を懸念する必要がなく、また、ノイズがあまり目立たない表示系(例えば、携帯電話の液晶画面等)を用いてユーザーが撮影や鑑賞を行う場合には、光学的ローパスフィルターを用いる必要はない。
撮像レンズLNのフォーカスは、アクチュエータを用いてレンズユニット全体を光軸AX方向に移動させてもよいし、レンズの一部を光軸AX方向に移動させてもよい。例えば、第1レンズブロックC1のみでフォーカスしてやれば、アクチュエータの小型化が可能である。また、レンズを光軸方向に移動させてフォーカスさせなくても、撮像素子SRに記録された情報から、ソフトウェアによって焦点深度を深くする処理等を行うことによって、フォーカス機能を実現してもよい。その場合、アクチュエータは必要なく、小型化と低コスト化を同時に実現することができる。
撮像レンズLNは、格子状のスペーサ部材を介して前記レンズ基板同士をシールする工程と、一体化された前記レンズ基板及び前記スペーサ部材を前記スペーサ部材の格子枠で切断する工程と、を含む製造方法により、前記レンズブロックが製造されることが望ましい。例えば、全てのレンズがレンズブロックから成る撮像レンズLNでは、被写体像IMを形成する撮像レンズLN又はそれを含む撮像装置LUを複数製造する製造方法において、格子状のスペーサ部材を介してレンズ基板同士をシールする工程と、一体化されたレンズ基板及びスペーサ部材をそのスペーサ部材の格子枠で切断する工程と、を備えることにより、容易に生産することが可能となる。これにより、安価な撮像レンズの量産が可能となる。
撮像レンズLNを複数製造する製造方法には、例えばリフロー法やレプリカ法が用いられる。リフロー法では、CVD(Chemical Vapor Deposition)法による低軟化点ガラス成膜を行い、リソグラフィーとドライエッチングによる微細加工を行い、熱処理によるガラスリフローを行うことにより、ガラス基板上に多数のレンズが同時に作製される。レプリカ法では、レンズウェハ上に硬化性の樹脂を用いて金型で同時に大量のレンズ形状を転写することにより、多数のレンズが同時に作製される。いずれの方法によっても、多数のレンズを同時に作製することができるので、低コスト化が可能である。例えば、上述の方法で製造した異なるレンズ(レンズ基板上にレンズ部を作製して、1個ずつ切り離したもので、レンズ部が異なる2つのレンズ)を、平板部分同士で貼り合わせると、第1のレンズ部、第1の平行平板、第2の平行平板、第2のレンズ部の順に配列されたレンズブロックとなる。
図6に、撮像レンズLNの製造工程の一例を概略断面図で示す。ただし、ここでは説明を簡単にするため3ブロック構成の場合(ただし、第3レンズブロックC3は省略する。)を例に挙げるが、4ブロック以上から成る撮像レンズLNの場合も同様にして製造することができる。第1レンズブロックC1は、平行平板から成る第1レンズ基板L12と、その一方の平面に形成された複数の第1物体側レンズ部L11と、他方の平面に形成された複数の第1像側レンズ部L13と、で構成されている。第1レンズ基板L12は1枚の平行平板で構成してもよく、上述したように2枚の平行平板を貼り合わせて構成してもよい。第2レンズブロックC2は、平行平板から成る第2レンズ基板L22と、その一方の平面に接着された複数の第2物体側レンズ部L21と、で構成されている。第1レンズ基板L12と同様、第2レンズ基板L22は1枚の平行平板で構成してもよく、上述したように2枚の平行平板を貼り合わせて構成してもよい。
第3レンズブロック(不図示)に関しても、第1、第2レンズブロックC1、C2と同様にして構成されるが、いずれかのレンズ基板には前述のIRカットフィルター膜が形成される。例えば、後述する第1、第2の実施の形態のように、第3レンズ基板L32の片面にはIRカットフィルター膜CT(図1、図2)が施される。
格子状のスペーサ部材B1は、各レンズブロック間隔を規定して一定に保つものであり、3段格子になっていて、格子の穴の部分に各レンズ部分が配置されている。基板B2は、マイクロレンズアレイを含むウェハレベルのセンサーチップサイズパッケージ、あるいはセンサーカバーガラス等の平行平面板(図5中の平行平面板PTに相当するもの)である。基板B2上でスペーサ部材B1を介してレンズ基板同士をシールし、一体化された第1レンズ基板L12、第2レンズ基板L22、第3レンズ基板(不図示)及びスペーサ部材B1を、スペーサ部材B1の格子枠(破線Qの位置)で切断すると、3ブロック構成の撮像レンズLNが複数得られる。このように、第1レンズブロックC1、第2レンズブロックC2及び第3レンズブロック(不図示)が複数組まれた状態から撮像レンズLNを切り離すようにすれば、レンズ間隔の調整や組み立てを撮像レンズLN毎に行う必要が無いので大量生産が可能となる。しかも、スペーサ部材B1を格子形状にすることにより、それを切り離す際の印とすることができる。これは本技術分野における趣旨に添うものであり、安価なレンズ系の量産に寄与することができる。
次に、第1、第2の実施の形態を挙げて、撮像レンズLNの具体的な光学構成を更に詳しく説明する。図1、図2に、撮像レンズLNの第1、第2の実施の形態のレンズ構成をそれぞれ光学断面で示す。各実施の形態の撮像レンズLNはいずれも、撮像素子SR(図5)に対して光学像IMを形成する撮像用(例えば携帯端末用)の単焦点レンズである。第1、第2の実施の形態では、物体側から順に、第1レンズブロックC1と、第2レンズブロックC2と、第3レンズブロックC3と、の3つのレンズブロックで撮像レンズLNが構成されている。
第1、第2の実施の形態において、各レンズブロックC1〜C3は、物体側から順に以下のように構成されている。第1レンズブロックC1では、第1物体側レンズ部L11、第1レンズ基板L12及び第1像側レンズ部L13の順に配列されている。第2レンズブロックC2では、第2物体側レンズ部L21及び第2レンズ基板L22の順に配列されている。第3レンズブロックC3では、第3レンズ基板L32及び第3像側レンズ部L33の順に配列されている。また、第3レンズ基板L32において、第3像側レンズ部L33が形成されている基板面の裏面には、IRカットフィルター膜CTが形成されている。
第1〜第3レンズブロックC1〜C3のパワー配置は近軸で正負負であり、レンズ面は全て非球面から成っている。第n物体側レンズ部Ln1と第nレンズ基板Ln2とでは屈折率が異なっており、第nレンズ基板Ln2と第n像側レンズ部Ln3とでは屈折率が異なっている。
第1レンズ基板L12の物体側面上には、開口絞りSTが配置されている。レンズ基板上に絞り位置を設定することは、量産性の向上や低コスト化の達成に効果があり、偏心に対する性能劣化の低減も可能となる。また、第1レンズ基板L12の物体側面上に開口絞りSTを配置することは、テレセントリック性の向上に有効である。
第3レンズブロックC3に設けられているIRカットフィルター膜CTに対向する面には、有効径外に樹脂でスペーサを形成してもよい。図7に、レンズ部の有効径外にスペーサ機能を有するタイプの実施の形態を示す。この撮像レンズLNは、第2の実施の形態において、平行平板から成る第2像側レンズ部L23を第2レンズブロックC2に有する構成になっている。そして、第2像側レンズ部L23の有効径外には、スペーサ部分SPが形成されている。このように、隣り合って位置するレンズブロックに対する空気間隔が、レンズ部の有効径外に形成されたスペーサ部分で調整されることが望ましい。スペーサ部分SPで空気間隔を調整することにより、同一基板上に配置された複数のレンズモジュールの空気間隔調整を一括して行うことができる。したがって、コストの低減を効果的に行うことができる。
撮像レンズLNの最終面に、第3レンズブロックC3の第3像側レンズ部L33を設けることにより、よりコンパクトな構成で、像面湾曲の補正、及び、画面周辺部での撮像面への光線入射角度を適切な大きさにすることが可能となる。
以下、本発明を実施した撮像レンズの構成等を、実施例のコンストラクションデータ等を挙げて更に具体的に説明する。ここで挙げる実施例1、2は、前述した第1、第2の実施の形態にそれぞれ対応する数値実施例であり、第1、第2の実施の形態を表す光学構成図(図1、図2)は、対応する実施例1、2のレンズ構成をそれぞれ示している。
各実施例のコンストラクションデータでは、面データとして、左側の欄から順に、面番号,曲率半径r(mm)、軸上での面間隔d(mm)、d線(波長:587.56nm)に関する屈折率nd、d線に関するアッベ数vdを示す。面番号に*が付された面は非球面であり、その面形状は面頂点を原点とするローカルな直交座標系(x,y,z)を用いた以下の式(AS)で定義される。非球面データとして、非球面係数等を示す。なお、各実施例の非球面データにおいて表記の無い項の係数は0であり、全てのデータに関してE−nは、×10−nであることを示す。
z=(c×h)/[1+{1−(1+K)×c×h1/2]+Σ(Aj×h) …(AS)
ただし、
h:z軸(光軸AX)に対して垂直な方向の高さ(h=x+y)、
z:高さhの位置での光軸AX方向のサグ量(面頂点基準)、
c:面頂点での曲率(曲率半径rの逆数)、
K:円錐定数、
Aj:j次の非球面係数、
である。
各種データとして、焦点距離(f、mm)、Fナンバー(Fno.)、半画角(ω、°)、像高(y’max、mm)、レンズ全長(TL、mm)、バックフォーカス(BF、mm)を示す。バックフォーカスは、レンズ最終面から近軸像面までの距離を空気換算長により表記しており、レンズ全長は、レンズ最前面からレンズ最終面までの距離にバックフォーカスを加えたものである。さらに、レンズブロックデータとして各レンズブロックの近軸での焦点距離を示し、また、各実施例において条件式(2)に対応する値及びそれ関連するデータを表1に示す。
図3、図4はそれぞれ実施例1、2の収差図(無限遠合焦状態)である。図3、図4のそれぞれにおいて、(A)は球面収差図、(B)は非点収差図、(C)は歪曲収差図である。球面収差図は、実線で示すd線(波長587.56nm)に対する球面収差量、一点鎖線で示すC線(波長656.28nm)に対する球面収差量、破線で示すg線(波長435.84nm)に対する球面収差量を、それぞれ近軸像面からの光軸AX方向のズレ量(単位:mm、横軸スケール:−0.200〜0.200mm)で表しており、縦軸は瞳への入射高さをその最大高さで規格化した値(すなわち相対瞳高さ)を表している。非点収差図において、破線Tはd線に対するタンジェンシャル像面、実線Sはd線に対するサジタル像面を、近軸像面からの光軸AX方向のズレ量(単位:mm、横軸スケール:−0.200〜0.200mm)で表しており、縦軸は像高(IMG HT、単位:mm)を表している。歪曲収差図において、横軸はd線に対する歪曲(単位:%、横軸スケール:−5.0〜5.0%)を表しており、縦軸は像高(IMG HT、単位:mm)を表している。なお、像高IMG HTの最大値は、像面IMにおける最大像高y’max(撮像素子SRの受光面SSの対角長の半分)に相当する。
図1、図2にそれぞれ示す実施例1、2の撮像レンズLNは、物体側から順に、近軸で物体側に凸の形状を有する第1物体側レンズ部L11、開口絞りST、第1レンズ基板L12及び近軸で像側に凹の形状を有する第1像側レンズ部L13から成る第1レンズブロックC1と、近軸で物体側に凹の形状を有する第2物体側レンズ部L21及び第2レンズ基板L22から成る第2レンズブロックC2と、第3レンズ基板L32及び近軸で像側に凹の形状を有する第3像側レンズ部L33から成る第3レンズブロックC3と、で構成されている。また、空気と接する全てのレンズ部の面は非球面形状を成している。
(実施例1)
単位:mm
面データ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1* 0.7537 0.3049 1.520 60.00
2(絞り) ∞ 0.3000 1.517 65.26
3 ∞ 0.0880 1.580 40.00
4* 2.0355 0.2773
5* -2.7244 0.0500 1.580 40.00
6 ∞ 0.4756 1.517 65.26
7 ∞ 0.0500
8 ∞ 0.5242 1.517 65.26
9 ∞ 0.4000 1.580 40.00
10* 1220.3090 0.2000
11 ∞ 0.3500 1.471 65.20
12 ∞ 0.0878
像面 ∞
非球面データ
第1面
K=-0.3653,
A4= 1.5292E-02, A6= 1.4772E+00, A8=-6.3118E+00, A10= 1.1507E+01,
第4面
K=10.2658,
A4= 4.5056E-01, A6=-7.5131E-01, A8= 1.5895E+01, A10=-9.6312E+01,
第5面
K= 6.7493,
A4=-7.8989E-01, A6= 2.7821E+00, A8=-2.3786E+01, A10= 1.2869E+02,
第10面
K=30.0000,
A4=-4.2587E-02, A6= 1.6568E-01, A8=-4.2494E-01, A10= 4.3711E-01,
各種データ
焦点距離f 2.651
FナンバーFno. 2.70
半画角ω 32.06
像高y'max 1.76
レンズ全長TL 3.108
バックフォーカスBF 0.53
レンズブロックデータ
ブロック 面 焦点距離
1 1- 4 2.023
2 5- 7 -4.697
3 8-10 -2103.981
(実施例2)
単位:mm
面データ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1* 0.7983 0.3518 1.520 60.00
2(絞り) ∞ 0.3000 1.517 65.26
3 ∞ 0.0668 1.580 40.00
4* 2.1267 0.3458
5* -2.6139 0.1890 1.580 40.00
6 ∞ 0.3697 1.517 65.26
7 ∞ 0.1200
8 ∞ 0.5000 1.517 65.26
9 ∞ 0.4388 1.580 40.00
10* 26.4629 0.0513
11 ∞ 0.4500 1.516 64.14
12 ∞ 0.0560
像面 ∞
非球面データ
第1面
K=-0.7676,
A4= 7.3872E-02, A6= 1.5402E+00, A8=-5.2706E+00, A10= 9.4368E+00,
A12= 0.0000E+00, A14= 0.0000E+00, A16= 0.0000E+00,
第4面
K= 8.8070,
A4= 2.4493E-01, A6=-8.1297E-01, A8= 6.8594E+00, A10=-6.2622E+00,
A12= 0.0000E+00, A14= 0.0000E+00, A16= 0.0000E+00,
第5面
K=-13.9883,
A4=-3.8338E-01, A6=-1.1242E+00, A8= 7.2035E+00, A10=-3.3860E+01,
A12= 5.0951E+01, A14=-2.9532E+00, A16=-8.3835E+01,
第10面
K=49.9978,
A4=-7.1285E-02, A6= 3.9890E-02, A8=-2.8143E-02, A10= 6.7296E-03,
A12= 0.0000E+00, A14= 0.0000E+00, A16= 0.0000E+00,
各種データ
焦点距離f 2.830
FナンバーFno. 2.88
半画角ω 30.74
像高y'max 1.76
レンズ全長TL 3.239
バックフォーカスBF 0.40
レンズブロックデータ
ブロック 面 焦点距離
1 1- 4 2.162
2 5- 7 -5.027
3 8-10 -45.626
DU 携帯端末
LU 撮像装置
LN 撮像レンズ
Cn 第nレンズブロック
Ln1 第n物体側レンズ部
Ln2 第nレンズ基板
Ln3 第n像側レンズ部
ST 開口絞り(絞り)
SR 撮像素子
SS 受光面
IM 像面(光学像)
AX 光軸
B1 スペーサ部材
SP スペーサ部分
1 信号処理部
2 制御部
3 メモリ
4 操作部
5 表示部

Claims (10)

  1. 平行平板のレンズ基板と、
    前記レンズ基板の物体側面及び像側面のうちの少なくとも一方に、前記レンズ基板と異なる材料で形成され、正又は負のパワーを有するレンズ部と、
    を備えるレンズブロックを少なくとも2ブロック含む撮像レンズであって、
    少なくとも1つの前記レンズブロックが、該レンズブロックのレンズ基板の一方の面のみにレンズ部を有し、他方の面にIRカットフィルター膜を有することを特徴とする撮像レンズ。
  2. 前記IRカットフィルター膜を有するレンズブロックに対峙し、該IRカットフィルター膜から空気間隔を隔てて隣接して配置されているレンズブロックのレンズ基板の前記IRカットフィルター膜に対向する一方の面には、レンズ部が設けられていないか、又は、他方の面に設けられているレンズ部よりも弱いパワーを有するレンズ部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の撮像レンズ。
  3. 最も像面側のレンズブロックのレンズ基板の像面側にレンズ部を有することを特徴とする請求項1記載の撮像レンズ。
  4. 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
    0.08<BF/DI<0.16
    ただし、
    BF:バックフォーカス量、
    DI:イメージサークルの直径、
    である。
  5. 最も像面側のレンズブロックと、該レンズブロックの物体側に隣り合って位置するレンズブロックとの間の空気間隔を構成する少なくとも一方の光学面に、IRカットフィルター膜を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
  6. 互いに隣り合って位置するレンズブロックに対する空気間隔が、該レンズブロックが有するレンズ部の有効径外に形成されたスペーサ部分で調整されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
  7. 前記レンズ基板がガラス材料から成ることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
  8. 格子状のスペーサ部材を介して前記レンズ基板同士をシールする工程と、一体化された前記レンズ基板及び前記スペーサ部材を前記スペーサ部材の格子枠で切断する工程と、を含む製造方法により、前記レンズブロックが製造されることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の撮像レンズと、
    前記撮像レンズにより受光面上に形成された光学像を電気的な信号に変換する撮像素子と、を備えていることを特徴とする撮像装置。
  10. 請求項9記載の撮像装置を備えたことを特徴とする携帯端末。
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