JPWO2010113988A1 - 抗gpcr抗体の製造方法および抗gpcr抗体 - Google Patents
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Abstract
抗哺乳類GPCR抗体の製造方法の提供および、当該方法によって得られる抗哺乳類GPCR抗体の提供。哺乳類GPCRの全長または一部を魚類に曝露する等の方法によって、免疫を行うことで抗哺乳類GPCR抗体の製造を行い、この製造方法によって得られる抗哺乳類GPCR抗体を提供する。
Description
本発明は、抗G蛋白質共役型受容体(G−protein coupled receptor、以下、GPCRとする)抗体の製造方法および当該方法によって得られる抗GPCR抗体に関する。さらに詳しくは、抗哺乳類GPCR抗体の製造方法および当該方法によって得られる抗哺乳類GPCR抗体に関する。
GPCRは薬物受容体であり、ホルモンなどの生理活性物質が結合することによって、その情報を細胞内に伝達する働きが知られている。GPCRは、数千種類のタンパク質からなるシグナル伝達系のタンパク質ファミリーのひとつであり、このファミリーのタンパク質は、細胞膜を7回繰り返して貫通する構造を共通して有する(例えば、非特許文献1参照)。
このファミリーに属するタンパク質には、作用物質(リガンド)が不明なオーファン受容体も多く存在する。しかし、生体内で重要な機能を持つことが示唆されていることから、治療用抗体や診断薬等の標的分子として、近年盛んに研究されている。
このファミリーに属するタンパク質には、作用物質(リガンド)が不明なオーファン受容体も多く存在する。しかし、生体内で重要な機能を持つことが示唆されていることから、治療用抗体や診断薬等の標的分子として、近年盛んに研究されている。
この研究において、様々な抗GPCR抗体の提供が望まれている。しかし、GPCRは上記のような複雑な立体構造を有することから、タンパク質の作製が難しく、従来のタンパク質を免疫する方法では、抗GPCR抗体を得ることができなかった。
そこで、In silicoで標識分子の免疫領域を選択し、このcDNAをクローニングした発現ベクターを動物へ導入しハイブリドーマ細胞を作製するというDNA免疫法が開発された(例えば、非特許文献2参照)。この方法により、様々な抗GPCR抗体の製造が可能となり、各メーカーから販売されている。しかし、この抗体の製造方法では、免疫領域の選択やハイブリドーマ細胞の作製といった複数の手順を要し、手間や時間が係るという問題があった。
そこで、In silicoで標識分子の免疫領域を選択し、このcDNAをクローニングした発現ベクターを動物へ導入しハイブリドーマ細胞を作製するというDNA免疫法が開発された(例えば、非特許文献2参照)。この方法により、様々な抗GPCR抗体の製造が可能となり、各メーカーから販売されている。しかし、この抗体の製造方法では、免疫領域の選択やハイブリドーマ細胞の作製といった複数の手順を要し、手間や時間が係るという問題があった。
Nature.2007 Oct 25;449(7165):1003−7.Epub 2007 Oct 14
生物工学会誌,86(8),384−386(2008)
本発明は、抗哺乳類GPCR抗体の製造方法の提供を課題とする。また、当該方法によって得られる抗哺乳類GPCR抗体の提供を課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、ヒト等の哺乳類GPCRの全長または一部を魚類に免疫することで、抗哺乳類GPCR抗体が製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明の製造方法における魚類への免疫には、抗原となる哺乳類GPCRの全長または一部を発現し得る大腸菌をそのまま曝露することもでき、非常に簡便である。
すなわち、本発明は次の(1)〜(12)の抗哺乳類GPCR抗体の製造方法、該製造方法によって製造される抗哺乳類GPCR抗体等に関する。
(1)哺乳類のGPCRの全長または一部を魚類に免疫する工程を含む、抗哺乳類GPCR抗体の製造方法。
(2)魚類に免疫する工程が、哺乳類GPCRの全長または一部をコードする遺伝子が組み込まれた発現ベクターを大腸菌または酵母に導入する工程、および当該大腸菌または酵母を魚類に曝露する工程を含む工程である上記(1)に記載の抗哺乳類GPCR抗体の製造方法。
(3)哺乳類がヒトである上記(1)または(2)に記載の抗哺乳類GPCR抗体の製造方法。
(4)哺乳類GPCRが、ヒトLGR(leucine−rich repeat containing G−protein coupled receptor、以下、LGRとする)である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の抗哺乳類GPCR抗体の製造方法。
(5)ヒトLGRが、ヒトLGR3またはヒトLGR4である上記(4)に記載の抗哺乳類GPCR抗体の製造方法。
(6)魚類がゼブラフィッシュ、金魚、フナまたはコイである上記(1)〜(5)のいずれかに記載の抗哺乳類GPCR抗体の製造方法。
(7)哺乳類GPCRの全長または一部を魚類に免疫する工程を含む製造方法によって得られる、抗哺乳類GPCR抗体。
(8)魚類に免疫する工程が、哺乳類GPCRの全長または一部をコードする遺伝子を含む発現ベクターが導入された大腸菌または酵母を魚類に曝露する工程である、上記(7)に記載の抗哺乳類GPCR抗体。
(9)哺乳類GPCRが、ヒトLGRである上記(7)または(8)に記載の抗哺乳類GPCR抗体。
(10)哺乳類GPCRが、ヒトLGR3またはヒトLGR4である上記(9)に記載の抗哺乳類GPCR抗体。
(11)魚類がゼブラフィッシュ、金魚、フナまたはコイである上記(7)〜(10)のいずれかに記載の抗ヒトGPCR抗体。
(12)HRP(Horseradish Peroxidase、以下、HRPとする)で直接標識した魚類IgM抗体を用いる抗ヒトGPCR抗体の検出方法。
(1)哺乳類のGPCRの全長または一部を魚類に免疫する工程を含む、抗哺乳類GPCR抗体の製造方法。
(2)魚類に免疫する工程が、哺乳類GPCRの全長または一部をコードする遺伝子が組み込まれた発現ベクターを大腸菌または酵母に導入する工程、および当該大腸菌または酵母を魚類に曝露する工程を含む工程である上記(1)に記載の抗哺乳類GPCR抗体の製造方法。
(3)哺乳類がヒトである上記(1)または(2)に記載の抗哺乳類GPCR抗体の製造方法。
(4)哺乳類GPCRが、ヒトLGR(leucine−rich repeat containing G−protein coupled receptor、以下、LGRとする)である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の抗哺乳類GPCR抗体の製造方法。
(5)ヒトLGRが、ヒトLGR3またはヒトLGR4である上記(4)に記載の抗哺乳類GPCR抗体の製造方法。
(6)魚類がゼブラフィッシュ、金魚、フナまたはコイである上記(1)〜(5)のいずれかに記載の抗哺乳類GPCR抗体の製造方法。
(7)哺乳類GPCRの全長または一部を魚類に免疫する工程を含む製造方法によって得られる、抗哺乳類GPCR抗体。
(8)魚類に免疫する工程が、哺乳類GPCRの全長または一部をコードする遺伝子を含む発現ベクターが導入された大腸菌または酵母を魚類に曝露する工程である、上記(7)に記載の抗哺乳類GPCR抗体。
(9)哺乳類GPCRが、ヒトLGRである上記(7)または(8)に記載の抗哺乳類GPCR抗体。
(10)哺乳類GPCRが、ヒトLGR3またはヒトLGR4である上記(9)に記載の抗哺乳類GPCR抗体。
(11)魚類がゼブラフィッシュ、金魚、フナまたはコイである上記(7)〜(10)のいずれかに記載の抗ヒトGPCR抗体。
(12)HRP(Horseradish Peroxidase、以下、HRPとする)で直接標識した魚類IgM抗体を用いる抗ヒトGPCR抗体の検出方法。
本発明により、抗哺乳類GPCR抗体の製造方法および当該方法によって得られる抗哺乳類GPCR抗体の提供が可能となった。本発明で得られる抗哺乳類GPCR抗体は、ヒト等の哺乳類GPCRに特異的に結合することから、哺乳類GPCRを標的分子とする治療用抗体や診断薬等に用い得る可能性がある。
本発明の「抗哺乳類GPCR抗体の製造方法」には、哺乳類GPCRの全長または一部を魚類に免疫する工程を含む、抗GPCR抗体が製造できる方法であればいずれの方法も含まれる。ここで哺乳類とは、いずれであってもよいが、例えばヒト、マウス、ラット等が挙げられる。
「哺乳類GPCRの全長または一部を魚類に免疫する工程」とは、哺乳類GPCRタンパク質の全部(すなわちアミノ酸配列の全長)または一部(すなわちポリペプチド)を魚類に注射したり、哺乳類GPCRの全長または一部をコードする遺伝子が組み込まれた発現ベクターを大腸菌または酵母に導入し、この大腸菌や酵母を魚類に曝露したりして免疫することをいう。
哺乳類GPCRの「一部」としては、「抗哺乳類GPCR抗体」が製造できる部分であればGPCRのいずれの部分であってもよいが、特にGPCRのN末端にあるLeucine−rich repeat(以下、LRRとする)部分の全部または一部であることが好ましい。
このような部分としては、ヒトGPCRのひとつであるヒトLGRにおけるLRR部分が挙げられる。さらに詳しくはヒトLGR3のLRR部分(accession no.P16473(配列表配列番号1)、以下、ヒトLGR3(LRR)と示す)、またはヒトLGR4のLRR部分(accession no.NM_018490.2、(配列表配列番号2)、以下、ヒトLGR4(LRR)と示す)等が挙げられる。
「哺乳類GPCRの全長または一部を魚類に免疫する工程」とは、哺乳類GPCRタンパク質の全部(すなわちアミノ酸配列の全長)または一部(すなわちポリペプチド)を魚類に注射したり、哺乳類GPCRの全長または一部をコードする遺伝子が組み込まれた発現ベクターを大腸菌または酵母に導入し、この大腸菌や酵母を魚類に曝露したりして免疫することをいう。
哺乳類GPCRの「一部」としては、「抗哺乳類GPCR抗体」が製造できる部分であればGPCRのいずれの部分であってもよいが、特にGPCRのN末端にあるLeucine−rich repeat(以下、LRRとする)部分の全部または一部であることが好ましい。
このような部分としては、ヒトGPCRのひとつであるヒトLGRにおけるLRR部分が挙げられる。さらに詳しくはヒトLGR3のLRR部分(accession no.P16473(配列表配列番号1)、以下、ヒトLGR3(LRR)と示す)、またはヒトLGR4のLRR部分(accession no.NM_018490.2、(配列表配列番号2)、以下、ヒトLGR4(LRR)と示す)等が挙げられる。
本発明の「抗哺乳類GPCR抗体」は、哺乳類GPCRを認識できる抗体であればいずれの抗体も含まれ、哺乳類GPCRの特定の部分のみを認識する抗体であってもよい。また、「GPCR」のうち、いずれのタンパク質を対象としてもよい。例えば、LGR等が挙げられ、さらに詳しくはLGR3、LGR4等が挙げられる。
本発明の抗哺乳類GPCR抗体の製造に用いる「魚類」は、魚類であればいずれの魚であってもよいが、例えば、ゼブラフィッシュ、金魚、フナ、コイ等が挙げられる。
本発明の「抗哺乳類GPCR抗体の検出方法」には、HRP等で直接標識した魚類IgM抗体を用いることができる。蛍光物質は従来知られているいずれの物質でもよいが、例えば3,3’−Diaminobenzidine,tetrahydrochloride;DAB、Chemi−Lumi One(nacalai;07880−70)等が挙げられる。蛍光物質を直接標識した抗体を用いることにより、高い検出感度で抗哺乳類GPCR抗体を検出することができる。
以下、実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.抗原の調製
1)GPCR発現大腸菌の作製
哺乳類のGPCRとしてヒトLGR3(LRR)またはヒトLGR4(LRR)をそれぞれ発現用ベクター(pET15b、pET21bまたはpET22b、いずれもNovagen社製)に組み込み、LGR3(LRR)またはLGR4(LRR)発現ベクターとしてpET15b−hLGR3(LRR)、pET22b−hLGR3(LRR)またはpET21b−hLGR4(LRR)、pET22b−hLGR4(LRR)を作製した。
上記で作製した発現ベクターを大腸菌(BL21)にそれぞれ導入し、ヒトLGR3(LRR)またはヒトLGR4(LRR)の発現を試みた。それぞれの大腸菌が発現するタンパク質から、ヒトLGR3(LRR)またはヒトLGR4(LRR)の有無を、抗Hisタグ抗体(GEヘルスケア社製)を用いてウェスタンブロット法により解析した。
その結果、図1または2に示したように、ヒトLGR3(LRR)およびヒトLGR4(LRR)がいずれも発現したことが確認された。また、pET15b−hLGR3(LRR)を発現ベクターとして用いて発現させたヒトLGR3(LRR)は、大腸菌においてIPTG添加の有無にかかわらず、高発現することが確認された。なお、図1および2の(A)にはSDS−PAGEの結果を示し、(B)にはウェスタンブロットの結果を示した。
この結果より、これらの発現ベクターを導入した大腸菌が抗原として用い得ることが確認された。
1)GPCR発現大腸菌の作製
哺乳類のGPCRとしてヒトLGR3(LRR)またはヒトLGR4(LRR)をそれぞれ発現用ベクター(pET15b、pET21bまたはpET22b、いずれもNovagen社製)に組み込み、LGR3(LRR)またはLGR4(LRR)発現ベクターとしてpET15b−hLGR3(LRR)、pET22b−hLGR3(LRR)またはpET21b−hLGR4(LRR)、pET22b−hLGR4(LRR)を作製した。
上記で作製した発現ベクターを大腸菌(BL21)にそれぞれ導入し、ヒトLGR3(LRR)またはヒトLGR4(LRR)の発現を試みた。それぞれの大腸菌が発現するタンパク質から、ヒトLGR3(LRR)またはヒトLGR4(LRR)の有無を、抗Hisタグ抗体(GEヘルスケア社製)を用いてウェスタンブロット法により解析した。
その結果、図1または2に示したように、ヒトLGR3(LRR)およびヒトLGR4(LRR)がいずれも発現したことが確認された。また、pET15b−hLGR3(LRR)を発現ベクターとして用いて発現させたヒトLGR3(LRR)は、大腸菌においてIPTG添加の有無にかかわらず、高発現することが確認された。なお、図1および2の(A)にはSDS−PAGEの結果を示し、(B)にはウェスタンブロットの結果を示した。
この結果より、これらの発現ベクターを導入した大腸菌が抗原として用い得ることが確認された。
2)免疫用飼料の作製
上記1)で作製した抗原タンパク質を発現する大腸菌をO.D.0.5付近まで培養し、発現誘導を行った後(誘導条件:pET:1mM IPTG,25℃,4時間;pColdTF:0.1mM IPTG,15℃,24時間)、2500g、10分間遠心分離して集菌した。
湿重量で1gの大腸菌に対して2mlの100mg/mlアンピシリンナトリウムと4gのテトラミン粉末の割合となるよう混合し、ペースト状にして、エサ作製用テルモシリンジ(先をガスバーナーで熱し穴をふさいだ後,針(G21)で穴をあけたもの)で糸状の大腸菌入り餌とした。これを約2mmの粒状に刻み、免疫用飼料として用いた。
上記1)で作製した抗原タンパク質を発現する大腸菌をO.D.0.5付近まで培養し、発現誘導を行った後(誘導条件:pET:1mM IPTG,25℃,4時間;pColdTF:0.1mM IPTG,15℃,24時間)、2500g、10分間遠心分離して集菌した。
湿重量で1gの大腸菌に対して2mlの100mg/mlアンピシリンナトリウムと4gのテトラミン粉末の割合となるよう混合し、ペースト状にして、エサ作製用テルモシリンジ(先をガスバーナーで熱し穴をふさいだ後,針(G21)で穴をあけたもの)で糸状の大腸菌入り餌とした。これを約2mmの粒状に刻み、免疫用飼料として用いた。
2.免疫動物(ゼブラフィッシュ)の調製
ゼブラフィッシュは水温27.5℃、明期14時間、暗期10時間で飼育したものを使用した。1試験区を50尾とし、合計6試験区、300尾のゼブラフィッシュを供した。幅60cm、奥行き30cm、高さ30cmの水槽に20Lの環境水をはり、その水槽を6個作成し、1水槽50尾で飼育した。
ゼブラフィッシュは水温27.5℃、明期14時間、暗期10時間で飼育したものを使用した。1試験区を50尾とし、合計6試験区、300尾のゼブラフィッシュを供した。幅60cm、奥行き30cm、高さ30cmの水槽に20Lの環境水をはり、その水槽を6個作成し、1水槽50尾で飼育した。
3.免疫
上記1.で調製した免疫用飼料をゼブラフィッシュに給餌することで、ヒトhLGR3(LRR)をそれぞれゼブラフィッシュに曝露した。
第1回目に曝露(これを0日目とする)してから10日目に第2回目の曝露を行い、16日目に血液を採取した。
曝露によってヒトLGR3に対する抗体またはヒトLGR4に対する抗体が得られたか否かはドットブロット法を用いて確認した。
上記1.で調製した免疫用飼料をゼブラフィッシュに給餌することで、ヒトhLGR3(LRR)をそれぞれゼブラフィッシュに曝露した。
第1回目に曝露(これを0日目とする)してから10日目に第2回目の曝露を行い、16日目に血液を採取した。
曝露によってヒトLGR3に対する抗体またはヒトLGR4に対する抗体が得られたか否かはドットブロット法を用いて確認した。
4.確認
1)抗体力価検出用タンパク質の作製
ヒトLGR3(LRR)またはヒトLGR4(LRR)を発現用ベクター(pColdTF、TaKaRa社製)に組み込み、ヒトLGR3(LRR)またはヒトLGR4(LRR)発現ベクターとしてpColdTF−hLGR3(LRR)またはpColdTF−hLGR4(LRR)を作製した。
これらを大腸菌にそれぞれ導入し、ヒトLGR3(LRR)またはヒトLGR4(LRR)を発現させた。得られたタンパク質を精製し、市販抗Hisタグ抗体(GEヘルスケア社製)を用いてウェスタンブロット法により解析した。
その結果、図3に示したように、ヒトLGR3(LRR)およびヒトLGR4(LRR)は、いずれも可溶性画分に高発現していることが確認された。なお、図3(A)にはSDS−PAGEの結果を示し、図3(B)にはウェスタンブロットの結果を示した。このうち精製ヒトLGR3(LRR)を濃度既知のタンパク質標品として抗体の発現確認に用いた。
1)抗体力価検出用タンパク質の作製
ヒトLGR3(LRR)またはヒトLGR4(LRR)を発現用ベクター(pColdTF、TaKaRa社製)に組み込み、ヒトLGR3(LRR)またはヒトLGR4(LRR)発現ベクターとしてpColdTF−hLGR3(LRR)またはpColdTF−hLGR4(LRR)を作製した。
これらを大腸菌にそれぞれ導入し、ヒトLGR3(LRR)またはヒトLGR4(LRR)を発現させた。得られたタンパク質を精製し、市販抗Hisタグ抗体(GEヘルスケア社製)を用いてウェスタンブロット法により解析した。
その結果、図3に示したように、ヒトLGR3(LRR)およびヒトLGR4(LRR)は、いずれも可溶性画分に高発現していることが確認された。なお、図3(A)にはSDS−PAGEの結果を示し、図3(B)にはウェスタンブロットの結果を示した。このうち精製ヒトLGR3(LRR)を濃度既知のタンパク質標品として抗体の発現確認に用いた。
2)抗体の発現確認
上記3.の抗原曝露後のゼブラフィッシュより採取した血清について、HRPで直接標識(GEヘルスケア社製)した抗ゼブラフィッシュIgM抗体(本発明者研究室所有)を用いてドットブロット解析を行った。なお、比較として免疫をしていないマウス血清およびゼブラフィッシュ血清を用いた。
その結果、図4(A)に示したように、ヒトLGR3(LRR)(100ng)におけるドットブロットにおいて、優位にスポットが検出された。また蛍光強度を数値化した結果、図4(B)に示したように、抗原タンパク質であるヒトLGR3(LRR)が250ng以上では飽和しており、100ng以下の濃度で直線的な相関を示すことが確認された。
以上の結果より、ヒトLGR3発現大腸菌を曝露したゼブラフィッシュ血清は抗ヒトLGR3抗体を生産していることが確認された。
上記3.の抗原曝露後のゼブラフィッシュより採取した血清について、HRPで直接標識(GEヘルスケア社製)した抗ゼブラフィッシュIgM抗体(本発明者研究室所有)を用いてドットブロット解析を行った。なお、比較として免疫をしていないマウス血清およびゼブラフィッシュ血清を用いた。
その結果、図4(A)に示したように、ヒトLGR3(LRR)(100ng)におけるドットブロットにおいて、優位にスポットが検出された。また蛍光強度を数値化した結果、図4(B)に示したように、抗原タンパク質であるヒトLGR3(LRR)が250ng以上では飽和しており、100ng以下の濃度で直線的な相関を示すことが確認された。
以上の結果より、ヒトLGR3発現大腸菌を曝露したゼブラフィッシュ血清は抗ヒトLGR3抗体を生産していることが確認された。
本発明の製造方法により、魚類を用いたヒト等の哺乳類における抗哺乳類GPCR抗体の製造が可能となった。本発明の製造方法は簡便であるため、容易に抗哺乳類GPCR抗体を製造することができる。また、本発明の製造方法によって得られる抗哺乳類GPCR抗体は、ヒト等の哺乳類のGPCRに特異的に結合することから、哺乳類GPCRを標的分子とする治療用抗体や診断薬等として用い得る可能性があり、これらの研究に役立てることもできる。
[配列表]
[配列表]
Claims (12)
- 哺乳類のG蛋白質共役型受容体(G−protein coupled receptor、GPCR)の全長または一部を魚類に免疫する工程を含む、抗哺乳類GPCR抗体の製造方法。
- 魚類に免疫する工程が、哺乳類GPCRの全長または一部をコードする遺伝子が組み込まれた発現ベクターを大腸菌または酵母に導入する工程、および当該大腸菌または酵母を魚類に曝露する工程を含む工程である請求項1に記載の抗哺乳類GPCR抗体の製造方法。
- 哺乳類がヒトである請求項1または2に記載の抗哺乳類GPCR抗体の製造方法。
- 哺乳類GPCRが、ヒトLGR(leucine−rich repeat containing G−protein coupled receptor)である請求項1〜3のいずれかに記載の抗哺乳類GPCR抗体の製造方法。
- ヒトLGRが、ヒトLGR3(leucine−rich repeat containing G−protein coupled receptor3)またはヒトLGR4(leucine−rich repeat containing G−protein coupled receptor4)である請求項4に記載の抗哺乳類GPCR抗体の製造方法。
- 魚類がゼブラフィッシュ、金魚、フナまたはコイである、請求項1〜5のいずれかに記載の抗哺乳類GPCR抗体の製造方法。
- 哺乳類GPCRの全長または一部を魚類に免疫する工程を含む製造方法によって得られる、抗哺乳類GPCR抗体。
- 魚類に免疫する工程が、哺乳類GPCRの全長または一部をコードする遺伝子を含む発現ベクターが導入された大腸菌または酵母を魚類に曝露する工程である請求項7に記載の抗哺乳類GPCR抗体。
- 哺乳類GPCRが、ヒトLGRである請求項7または8に記載の抗哺乳類GPCR抗体。
- 哺乳類GPCRが、ヒトLGR3またはヒトLGR4である請求項9に記載の抗哺乳類GPCR抗体。
- 魚類がゼブラフィッシュ、金魚、フナまたはコイである、請求項7〜10のいずれかに記載の抗ヒトGPCR抗体。
- HRP(Horseradish Peroxidase)で直接標識した魚類IgM抗体を用いる抗ヒトGPCR抗体の検出方法。
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