JPWO2010106708A1 - アンテナ装置及び無線通信機 - Google Patents
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Abstract
Description
図28は、スイッチを利用した従来のアンテナ装置を説明するための概略平面図である。
図28に示すように、アンテナ装置200は、給電部110から延出する放射電極202,203の途中にスイッチ130を有している。これにより、スイッチ130を切り換えることにより、2つの共振周波数での送受信を可能にしている。かかる周波数の切り換えを可能にした構造の技術と類似の先行技術として、特許文献1に開示のアンテナ装置が存在する。
また、破線で示すように、リアクタンス回路140をスイッチ130と並列に接続して、スイッチ130の切換による2つの共振周波数の変化量を制御したアンテナ装置も存在する。かかる構造の技術と類似の先行技術として、特許文献2に開示のアンテナ装置が存在する。
このため、電磁結合がアンテナ装置200の放射電極202,203と制御線121やグランド線122との間で生じ、不要共振やアンテナ特性の劣化を招く。
かかる構成により、第1の放射電極と複数本の制御線とが単一の放射電極として機能する。したがって、第1の放射電極だけでなく、複数本の制御線も放射電極の一部として動作するため、第1の放射電極や第2の放射電極と制御線とが電磁的に結合することによる不要共振の発生やアンテナの特性劣化を防ぐことができる。
また、集積回路は、第1及び第2の放射電極の間に配置される。したがって、このアンテナ装置によれば、集積回路として、スイッチ等の可変リアクタンス回路を用いることで、従来例と同じように、可変リアクタンスの変化に対応した2つの共振周波数で、RF信号の送受信が可能となる。
かかる構成により、RF信号を給電すると、第3の放射電極と複数本の制御線とが、第1及び第2の放射電極と電磁的に結合し、無給電放射電極として機能する。
したがって、このように、第3の放射電極と複数本の制御線とを無給電放射電極として使用することで、多共振化と広帯域化とを図ることができる。
かかる構成により、制御線を基板の裏面側に配線した分、表面側に配設する第1の放射電極の線幅を広くとることができ、この結果、第1の放射電極の導体損等を極めて低く抑えることができる。
かかる構成により、集積回路に接続する制御線の本数が多い場合においても、これら制御線の線幅を必要以上に狭くすることなく、配線することができる。
かかる構成により、RF信号の送受信時に、第1の放射電極を構成する2枚の分割電極と複数本の制御線とが同電位となり、制御線による放射電極への影響がほとんどなくなる。そして、このような構成をとることにより、RF信号を第1の放射電極と複数本の制御線とに流す第1及び第2の接続回路が不要となり、その分、部品点数の削減を図ることができる。
かかる構成により、RF信号を給電すると、第3の放射電極を構成する2枚の分割電極と複数本の制御線とが、第1及び第2の放射電極と電磁的に結合し、無給電放射電極として機能する。したがって、このように、第3の放射電極と複数本の制御線とを無給電放射電極として使用することで、多共振化と広帯域化とを図ることができる。
また、共振時に、第3の放射電極と複数本の制御線とが同電位となる。このため、RF信号を第3の放射電極と複数本の制御線とに流す第1及び第2の接続回路が不要となり、その分、部品点数の削減を図ることができる。
かかる構成により、第1の放射電極を集積回路のグランド線として兼用することができる。
かかる構成により、放射電極や制御線の配線を誘電体ブロックを用いて立体的に行えるため、アンテナ装置の小型化を図ることができる。
かかる構成により、フレキシブルプリント基板を薄膜にすることができるので、基板の表面側の電極と裏面側の電極との間の電磁的結合を強くすることができ、無給電放射電極を基板の裏面側に配設した場合に、特に有効である。さらに、基板を所望の形状に湾曲させることができる。
かかる構成により、制御信号を、制御部から複数本の制御線を通じてスイッチに送り、このスイッチによって、第1の放射電極と第2の放射電極とを電気的に接続した状態にすると、第1の放射電極と第2の放射電極とによる第1の共振周波数で共振する。
また、制御部からの制御信号によって、スイッチが、第1の放射電極と第2の放射電極とを電気的に切断した状態にすると、第1の放射電極に対応した第2の共振周波数で共振する。
この実施例のアンテナ装置は、携帯電話等の無線通信機に設けられている。
図1に示すように、アンテナ装置1は、無線通信機の基板100の非グランド領域101に実装されており、第1の放射電極としての放射電極2と、第2の放射電極としての放射電極3と、集積回路4と、4本の制御線5−1〜5−4とを備えている。
この実施例において、RF信号Sとしては、例えば、500MHz以上の高周波のRF信号を適用することができる。
具体的には、図2に示すように、集積回路4には、RF信号Sを入出力するための端子40,42が設けられ、放射電極2の他方端部2b,放射電極3の一方端部3aがこれら端子40,42にそれぞれ接続されている。さらに、この集積回路4には、制御信号C1〜C3を入力するための入力端子44〜46とグランド端子47とが設けられている。
具体的には、制御部50を構成する制御電圧源51〜53が、基板100のグランド領域102側に設けられており、制御線5−1〜5−3が、集積回路4を制御するための低周波の制御信号C1〜C3をこれらの制御電圧源51〜53から受ける。
チョーク回路6−1,6−2は、制御信号C1〜C3を通してRF信号Sを阻止するための回路であり、接続回路6−3,6−4は、RF信号Sを通して制御信号C1〜C3を阻止するための回路である。
また、チョーク回路6−2は、制御線5−1〜5−4の他方端部5bと集積回路4の端子44〜47との間に介設した4つの抵抗素子62で構成されており、これら4つの抵抗素子62も、制御信号C1〜C3に対して低インピーダンスになり且つRF信号Sに対して高インピーダンスになる抵抗素子である。
このような接続回路6−3は、4つのコンデンサ63で構成されている。具体的には、コンデンサ63を、放射電極2と制御線5−1〜5−4の隣り合う線間に接続した。これら4つのコンデンサ63としては、制御信号C1〜C3に対して高インピーダンスになり且つRF信号Sに対して低インピーダンスになるコンデンサを採用した。
また、接続回路6−4も、放射電極2と制御線5−1〜5−4とを高周波的に接続させて、RF信号を放射電極2と制御線5−1〜5−4とに流す回路であり、チョーク回路6−2の前段に配された状態で、放射電極2の他方端部2bと制御線5−1〜5−4の他方端部5bとの間に介設されている。
このような接続回路6−4も、放射電極2と制御線5−1〜5−4と放射電極2の隣り合う線間に接続した4つのコンデンサ64で構成されており、これらのコンデンサ64も、制御信号C1〜C3に対して高インピーダンスになり且つRF信号Sに対して低インピーダンスになるコンデンサである。
また、制御信号C1〜C3は、直流電圧を含む低周波の信号である。すなわち、コンデンサ63,64の容量値を調整することで、直流電圧だけでなく、例えば、10MHz以下の低周波に載せたパルス状のデジタル信号を制御信号C1〜C3として用いることができる。
図3は、RF信号送受信時の動作を説明するための平面図であり、図4は、RF信号送受信状態を示す模式図であり、図5は、制御信号送信時の動作を説明するための平面図であり、図6は、制御信号送信状態を示す模式図であり、図7は、複共振状態を示す線図である。
制御線5−1〜5−4に入力したRF信号は、制御線5−1〜5−4内を集積回路4に向かって流れるだけでなく、制御電圧源51〜53やグランド領域102側にも流れようとする。しかし、この実施例では、チョーク回路6−1の抵抗素子61が、制御電圧源51〜53やグランド領域102と制御線5−1〜5−4との間に介設されているので、RF信号Sは、これらの抵抗素子61で阻止され、制御電圧源51〜53やグランド領域102側に流れることはない。
したがって、RF信号Sは、放射電極2と制御線5−1〜5−4内を集積回路4に向かってのみ流れる。そして、RF信号Sは、制御線5−1〜5−4の他方端部5bに至ると、チョーク回路6−2の抵抗素子62によって阻止され、接続回路6−4のコンデンサ64を通じて、放射電極2に合流する。
RF信号受信時に、RF信号Sは、接続回路6−4のコンデンサ64により、制御線5−1〜5−4に分流され、接続回路6−3のコンデンサ63により、放射電極2に合流する。
したがって、RF信号Sは、集積回路4を通じて放射電極2,3間を伝搬することとなり、図7に示すように、放射電極2と放射電極3と集積回路4のリアクタンス値とに対応した第1の共振周波数f1で、RF信号Sの送受信を行うことができる。
かかる場合において、図5に示すように、制御信号C1〜C3を制御部50から供給すると、制御信号C1〜C3が低周波の信号であるので、チョーク回路6−1の低インピーダンス状態の抵抗素子61を通って、制御線5−1〜5−3の一方端部5aに至る。
このとき、制御信号C1〜C3が低周波の信号であるので、高インピーダンス状態のコンデンサ63で阻止され、隣の放射電極2や制御線5−1〜5−4に流入することはない。
これらの制御信号C1〜C3は、制御線5−1〜5−4を通じて集積回路4側に向かい、他方端部5bからチョーク回路6−2の低インピーダンス状態の抵抗素子62を通じて集積回路4の入力端子44〜46に入力する。このとき、上記と同様に、低周波の制御信号C1〜C3は高インピーダンス状態のコンデンサ64で阻止される。
したがって、図6に示すように、制御信号C1〜C3の送信時には、制御線5−1〜5−4のみが機能する。このため、各制御信号C1(C2,C3)は、対応する制御線5−1(5−2,5−3)にのみ流れ、放射電極2や他の制御線5−1〜5−4に流れ込むことなく、集積回路4の各入力端子44(45,46)に確実に入力し、集積回路4のリアクタンス値を変化させる。
これにより、図7に示すように、RF信号Sを、放射電極2と制御線5−1〜5−4とで成る単一の放射電極2′(図4参照)に対応した第2の共振周波数f2で送受信することができる。
具体的には、発明者等は、通常幅の単一の放射電極を用いた場合における共振周波数時のリターンロス及びアンテナ効率と、この実施例のように細線を束ねて単一の放射電極として機能させた場合における共振周波数時のリターンロス及びアンテナ効率とを、シミュレーションにより比較した。
図8は、単一の放射電極20を用いたアンテナ装置を示す概略平面図であり、図9は、細線パターン2−1〜2−5を束ねてアンテナ装置の一部を1つの放射電極として利用したアンテナ装置を示す概略平面図であり、図10は、リターンロスのシミュレーションの結果を示す線図であり、図11は、アンテナ効率のシミュレーションの結果を示す線図である。
まず、図8に示すアンテナ装置において、RF信号を給電部110から放射電極20に供給し、周波数500MHz〜3GHz内でリターンロスをシミュレーションしたところ、図10の実線曲線S1で示すように、1250MHz近傍に共振周波数を得た。
次に、図9に示すように、5本の細線パターン2−1〜2−5を束ねて、給電部110側の端部と放射電極3側の端部とをコンデンサ63,64によって互いに接続し、中央の細線パターン2−3を放射電極3に接続して、この実施例に対応したアンテナ装置を作成した。そして、このアンテナ装置において、RF信号を給電部110から細線パターン2−3に供給し、周波数500MHz〜3GHz内でリターンロスをシミュレーションした。すると、図10の破線曲線S2で示すように、図8に示すアンテナ装置の共振周波数とは僅かにずれているが、ほぼ1250MHz近傍の共振周波数を得た。
また、図8及び図9に示すアンテナ装置において、同様に、アンテナ効率をシミュレーションしたところ、図11に示すような結果を得た。
すなわち、図8のアンテナ装置のシミュレーション結果は、図11の実線曲線S1に示すようになり、図9のアンテナ装置のシミュレーション結果は、図11の破線曲線S2に示すようになり、細線構造にしたことによるアンテナ効率の劣化はほとんど生じないことが確認された。
また、4本以上の制御線5−1〜5−4を、非グランド領域101に引き回すことなく、放射電極2と平行に束ねて配線する構成としたので、非グランド領域101に大きな空きスペースを確保することができ、この結果、放射電極3をこの空きスペース内で引き回す等して、多様な放射電極3を形成することができる。
図12に示すように、この実施例のアンテナ装置では、集積回路として、スイッチ4を適用した。
このスイッチ4は、放射電極3を放射電極2に電気的に接続又は切断させるための素子であり、放射電極2の他方端部2bと放射電極3の一方端部3aとの間に介設されている。
スイッチ4としては、半導体スイッチ、MEMSスイッチ、チューナブルキャパシタ等を用いることができるが、図12及び図13では、このスイッチ4を模式的に表現した。
模式的には、図13に示すように、スイッチ4は、可動端子40′と3つの固定端子41′〜43′とを有している。可動端子40′は、放射電極2の他方端部2bに接続されている。また、固定端子41′は、放射電極3の一方端部3aに直接接続されており、固定端子42′は、アンテナのリアクタンス値を増加させるためのインダクタ30を介して、放射電極3の一方端部3aに接続されている。そして、固定端子43′は、開放端となっている。
スイッチ4は、制御信号C1〜C3を入力するための入力端子44〜46とグランド端子47とを有している。
この実施例の制御信号C1〜C3は、直流電圧であり、制御線5−1〜5−3を通じてスイッチ4の入力端子44〜46に入力される。具体的には、基準電圧以上の制御信号C1が入力端子44に入力されると、可動端子40′が固定端子41′に接続し、基準電圧以上の制御信号C2が入力端子45に入力されると、可動端子40′が固定端子42に接続し、基準電圧以上の制御信号C3が入力端子46に入力されると、可動端子40′が固定端子43に接続するようになっている。
これにより、アンテナ装置1は、放射電極2と放射電極3とによる第1の共振周波数f1′(図示省略)で、共振することとなる。
これにより、アンテナ装置1は、放射電極2による第2の共振周波数f2で、共振することとなる。
これにより、アンテナ装置1は、放射電極2と放射電極3とインダクタ30のインダクタンス値で決まる第3の共振周波数f3(図示省略)で、共振することとなる。
その他の構成,作用及び効果は、上記第1実施例と同様であるので、その記載は省略する。
図14は、この発明の第3実施例に係るアンテナ装置の要部を示す概略断面図である。
この実施例は、放射電極2を幅広に設定した点が、上記第1及び第2実施例と異なる。
すなわち、図14に示すように、幅広の放射電極2を、非グランド領域101の表面101aに配設し、細い4本の制御線5−1〜5−4を、非グランド領域101の裏面101bに配設した。
そして、制御線5−1〜5−4を、図示省略の一方端部5a(他方端部5b)において、接続回路6−3(6−4)のコンデンサ63(64)で接続した。さらに、制御線5−4に部分的に接続されたランド55を裏面101bに設け、放射電極2とコンデンサ63を介して接続されたランド57を、表面101aに設けて、これらランド55,57をスルーホール56を通じて接続した。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1及び第2実施例と同様であるので、その記載は省略する。
図15は、この発明の第4実施例に係るアンテナ装置の要部を示す概略断面図である。
この実施例は、多数本の制御線を設けた点が、上記第1〜第3実施例と異なる。
すなわち、図15に示すように、放射電極2を、非グランド領域101の表面101aに配設し、多数本の制御線5−1〜5−9を、非グランド領域101の表面101aから裏面101bにかけて配線した。
そして、表面101a側の放射電極2と制御線5−1〜5−4とを一方端部5a(他方端部5b)において、接続回路6−3(6−4)のコンデンサ63(64)で接続すると共に、裏面101b側の制御線5−5〜5−9を、図示省略の一方端部5a(他方端部5b)において、コンデンサ63(64)で接続した。さらに、制御線5−5に部分的に接続されたランド55を裏面101bに設け、制御線5−4とコンデンサ63を介して接続されたランド57を表面101aに設けて、これらランド55,57をスルーホール56を通じて接続した。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1〜第3実施例と同様であるので、その記載は省略する。
図16は、この発明の第5実施例に係るアンテナ装置の電気的構造を具体的に示す平面図である。
この実施例は、制御線の本数を削減した点が、上記第1〜第4実施例と異なる。
すなわち、図16に示すように、第1のインダクタ素子であるインダクタ111を放射電極2の一方端部2aと給電部110との間に設けると共に、第2のインダクタ素子であるインダクタ112を一方端部2aとグランド領域102との間に設けて整合回路を形成した。
そして、抵抗素子62を放射電極2の他方端部2bからスイッチ4のグランド端子47に接続した。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1〜第4実施例と同様であるので、その記載は省略する。
図17は、この発明の第6実施例に係るアンテナ装置を示す概略平面図であり、図18は、図17の矢視A−A断面図であり、図19は、図17の矢視B−B断面図である。
この実施例は、制御線5−1〜5−4を基板100内部に配線した点が、上記第1〜第5実施例と異なる。
すなわち、図17〜図19に示すように、放射電極2を、2枚の分割電極21,22に分割し、制御線5−1〜5−4をこれらの間に配設した。
具体的には、図17に示すように、分割電極21を基板100の非グランド領域101の表面101aに形成し、分割電極22を、分割電極21と対向するように、非グランド領域101の裏面101bに形成した。そして、図18及び図19に示すように、これら分割電極21と分割電極22とをスルーホール23によってこれらの縁部で電気的に接続することにより、放射電極2を、上下に分割電極21,分割電極22を有し且つ複数のスルーホール23をその側面に有する檻状の構成にした。そして、図17に示すように、分割電極21の一方端部21aをインダクタ111,112の整合回路を介して給電部110に接続すると共に、他方端部21bをスイッチ4の可動端子40′に接続した。
また、4本の制御線5−1〜5−4は、檻状の放射電極2内に収納させた状態で、非グランド領域101の基板100内部に配設した。そして、図19に示すように、制御線5−1〜5−3,5−4の一方端部5aを、スルーホール58を介して非グランド領域101の表面101aに配されたチョーク回路6−1の抵抗素子61に接続し、これらの抵抗素子61を制御電圧源51〜53,グランド領域102に接続した。さらに、制御線5−1〜5−3,5−4の他方端部5bを、スルーホール59を介して非グランド領域101の表面101aに配されたチョーク回路6−2の抵抗素子62に接続し、これらの抵抗素子62をスイッチ4の入力端子44〜46,グランド端子47(図13参照)に接続した。
図17において、RF信号Sを給電部110から放射電極2に供給又は受信すると、檻状の放射電極2と内部の制御線5−1〜5−4とが、同電位となる。このため、放射電極2によるRF信号Sの送受信時に、放射電極2の内部の制御線5−1〜5−4と放射電極2とが電磁的に結合することはない。したがって、RF信号Sの送受信時には、図20に示すように、RF信号Sは、檻状の放射電極2(21,22,23)のみを流れ、制御信号C1〜C3の送信時には、図21に示すように、各制御信号C1(C2,C3)は、基板100内部の各制御線5−1(5−2,5−3)のみに流れる。
この結果、RF信号Sを放射電極2から制御線5−1〜5−4に流すための接続回路6−3,6−4のコンデンサ63,64(図1及び図2等参照)が不要となり、その分、部品点数の削減を図ることができる。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1〜第5実施例と同様であるので、その記載は省略する。
図22は、この発明の第7実施例に係るアンテナ装置を示す概略平面図であり、図23は、アンテナ装置の電気的構造を具体的に示す平面図である。
この実施例は、第3の放射電極としての放射電極7と3本の制御線5−1〜5−3を無給電放射電極として機能させる構成とした点が、上記第1〜第6実施例と異なる。
すなわち、図22に示すように、放射電極2を、細線パターンでなく、放射電極3と同幅の通常幅パターンとした。そして、非グランド領域101上の平行な3本の制御線5−1〜5−3を、これら放射電極2,3と間隔を介して配設すると共に、放射電極7を、これら制御線5−1〜5−3に略平行に形成した。
そして、図23に示すように、制御線5−1〜5−3の他方端部5bと放射電極7の他方端部7aとを、抵抗素子62を介してスイッチ4の入力端子44〜46,グランド端子47に接続すると共に、制御線5−1〜5−3と放射電極7とをコンデンサ64で接続した。
また、制御線5−1〜5−3の一方端部5aを、抵抗素子61を介して制御電圧源51〜53に接続すると共に、放射電極7の一方端部7aをリアクタンス素子70を介してグランド領域102に接地した。そして、放射電極7と制御線5−1〜5−3とをコンデンサ63で接続した。
すなわち、放射電極7と3本の制御線5−1〜5−3とを、1つの無給電放射電極として機能させるようにした。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1〜第6実施例と同様であるので、その記載は省略する。
図24は、この発明の第8実施例に係るアンテナ装置を示す概略平面図であり、図25は、図24の矢視C−C断面図である。
この実施例は、3本の制御線5−1〜5−3を基板100の内部に配線した点が、上記第7実施例と異なる。
すなわち、図24及び図25に示すように、放射電極7を、放射電極2,3と間隔を介して配すると共に、放射電極7を2枚の分割電極71,72に分割し、制御線5−1〜5−3をこれらの間に配線した。
具体的には、分割電極71を基板100の非グランド領域101の表面101aに形成し、分割電極72を、分割電極71と対向するように、非グランド領域101の裏面101bに形成した。そして、これら分割電極71と分割電極72とをスルーホール73によってこれらの縁部で電気的に接続することにより、放射電極7を檻状に構成した。
詳しくは、図24に示すように、分割電極71を放射電極3に近接するように走らせた後、グランド領域102側に折り曲げ、分割電極72をこの分割電極71に対応した形状に形成した。そして、分割電極71の一方端部71aをリアクタンス素子70を介してグランド領域102に接地すると共に他方端部71bを抵抗素子62を介してスイッチ4のグランド端子47に接続した。
また、図25に示すように、3本の制御線5−1〜5−3を、檻状の放射電極7内に収納させた状態で、非グランド領域101の基板100内部に配設した。そして、制御線5−1〜5−3の一方端部5a(図23参照)を、図示しないスルーホールを介して非グランド領域101の表面101aに配された抵抗素子61に接続し、これらの抵抗素子61を制御電圧源51〜53に接続した。さらに、制御線5−1〜5−3の他方端部5b(図23参照)を、図示しないスルーホールを介して非グランド領域101の表面101aに配された抵抗素子62に接続し、これらの抵抗素子62をスイッチ4の入力端子44〜46(図13参照)に接続した。
また、RF信号Sの送受信時には、檻状の放射電極7の内部は、同電位となり、制御線5−1〜5−4と放射電極7との電磁的結合が避けられる。この結果、RF信号Sを放射電極7から制御線5−1〜5−3に分流させるためのコンデンサが不要となり、その分、部品点数の削減を図ることができる。
その他の構成、作用及び効果は、上記第7実施例と同様であるので、その記載は省略する。
図26は、この発明の第9実施例に係るアンテナ装置を示す斜視図である。
この実施例は、上記第2実施例のアンテナ装置の構成要素を誘電体ブロック上に実装した。
すなわち、図26に示すように、誘電体ブロック8を基板100の非グランド領域101上に設け、アンテナ装置の構成要素の大部分を誘電体ブロック8に設けた。
具体的には、細線パターンの放射電極2と4本の制御線5−1〜5−4とを、非グランド領域101から誘電体ブロック8の正面81及び上面82にかけて形成し、制御線5−1〜5−4の一方端部と他方端部とに、チョーク回路6−1の抵抗素子61及び接続回路6−3のコンデンサ63とチョーク回路6−2の抵抗素子62及び接続回路6−4のコンデンサ64とをそれぞれ取り付け、放射電極2と制御線5−1〜5−4との他方端部を上面82上のスイッチ4に接続した。そして、放射電極3を上面82上に形成して、その一方端部をスイッチ4に接続した。
その他の構成、作用及び効果は、上記第2実施例と同様であるので、その記載は省略する。
例えば、上記第9実施例では、第2実施例の構成要素を誘電体ブロック8に実装した例を示したが、図27に示すように、第7実施例の構成要素を誘電体ブロック8に実装することもできる。
すなわち、図27に示すように、通常幅の放射電極2を非グランド領域101から誘電体ブロック8の正面81,上面82にかけて形成し、上面82上のスイッチ4に接続すると共に、放射電極3を上面82上に形成して、スイッチ4に接続する。
そして、無給電放射電極として機能させる制御線5−1〜5−4を誘電体ブロック8の正面81から非グランド領域101にかけて形成し、その他方端部に、チョーク回路6−2の抵抗素子62及び接続回路6−4のコンデンサ64を取り付ける。また、制御線5−1〜5−3の一方端部にチョーク回路6−1の抵抗素子61及び接続回路6−3のコンデンサ63を取り付ける。そして、コンデンサ63で制御線5−3に接続された制御線5−4の一方端部をグランド領域102に接地する。
かかる構成により、放射電極2,3と無給電放射電極である制御線5−1〜5−4との電磁的結合を強くすることができる。
Claims (14)
- 高周波のRF信号を供給可能な給電部に一方端部が接続された第1の放射電極と、一方端部が第1の放射電極の他方端部の近傍に配置された少なくとも1つの先端開放の第2の放射電極と、第1の放射電極の他方端部と第2の放射電極の一方端部との間に介設された集積回路と、集積回路を制御するための低周波の制御信号を供給可能な制御部に一方端部が接続され、他方端部が集積回路に接続された複数本の制御線とを基板に備えるアンテナ装置であって、
上記複数本の制御線を上記第1の放射電極に沿って配線し、
これら複数本の制御線と第1の放射電極とを高周波的に接続する第1の接続回路を、複数本の制御線の一方端部と第1の放射電極の一方端部との間に介設すると共に、複数本の制御線と第1の放射電極とを高周波的に接続する第2の接続回路を、複数本の制御線の他方端部と第1の放射電極の他方端部との間に介設して、RF信号を第1の放射電極と複数本の制御線に流すようにした、
ことを特徴とするアンテナ装置。 - 高周波のRF信号を供給可能な給電部に一方端部が接続された第1の放射電極と、一方端部が第1の放射電極の他方端部の近傍に配置された少なくとも1つの先端開放の第2の放射電極と、第1の放射電極の他方端部と第2の放射電極の一方端部との間に介設された集積回路と、集積回路を制御するための低周波の制御信号を供給可能な制御部に一方端部が接続され、他方端部が集積回路に接続された複数本の制御線とを基板に備えるアンテナ装置であって、
略平行な上記複数本の制御線を、上記第1及び第2の放射電極と間隔を介して配線すると共に、一方端部がリアクタンス素子を介してグランドに接続された第3の放射電極を、これら複数本の制御線に略平行に形成し、
上記複数本の制御線と上記第3の放射電極とを高周波的に接続する第1の接続回路を、複数本の制御線の一方端部と第3の放射電極の一方端部との間に介設すると共に、複数本の制御線と上記第3の放射電極とを高周波的に接続する第2の接続回路を、複数本の制御線の他方端部と第3の放射電極の他方端部との間に介設した、
ことを特徴とするアンテナ装置。 - 上記第1の放射電極を、上記基板の表面側に配設し、
上記複数本の制御線を、上記基板の裏面側に平行に配設した、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアンテナ装置。 - 上記第1の放射電極を、上記基板の表面側に配設し、
上記複数本の制御線を、上記基板の表面側と裏面側とに平行に配設した、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアンテナ装置。 - 高周波のRF信号を供給可能な給電部に一方端部が接続された第1の放射電極と、一方端部が第1の放射電極の他方端部の近傍に配置された少なくとも1つの先端開放の第2の放射電極と、第1の放射電極の他方端部と第2の放射電極の一方端部との間に介設された集積回路と、集積回路を制御するための低周波の制御信号を供給可能な制御部に一方端部が接続され、他方端部が集積回路に接続された複数本の制御線とを基板に備えるアンテナ装置であって、
上記第1の放射電極を、上記基板の表面側と裏面側との2枚に分割し、
上記複数本の制御線を、これら2枚の分割電極の間に形成した、
ことを特徴とするアンテナ装置。 - 高周波のRF信号を供給可能な給電部に一方端部が接続された第1の放射電極と、一方端部が第1の放射電極の他方端部の近傍に配置された少なくとも1つの先端開放の第2の放射電極と、第1の放射電極の他方端部と第2の放射電極の一方端部との間に介設された集積回路と、集積回路を制御するための低周波の制御信号を供給可能な制御部に一方端部が接続され、他方端部が集積回路に接続された複数本の制御線とを基板に備えるアンテナ装置であって、
一方端部がリアクタンス素子を介してグランドに接続された第3の放射電極を、上記第1及び第2の放射電極と間隔を介して配すると共に、上記基板の表面側と裏面側との2枚に分割し、
上記複数本の制御線を、これら2枚の分割電極の間に形成した、
ことを特徴とするアンテナ装置。 - 第1のインダクタ素子を上記第1の放射電極の一方端部と給電部との間に設けると共に、第2のインダクタ素子を当該一方端部とグランドとの間に設けて整合回路を形成し、
抵抗素子又はインダクタ素子を当該第1の放射電極の他方端部から集積回路のグランド端子に接続した、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のアンテナ装置。 - 上記第1ないし第3の放射電極,集積回路,複数本の制御線,第1及び第2の接続回路の一部又は全部を、基板上に配置された誘電体ブロック上に設けた、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のアンテナ装置。 - 上記基板は、フレキシブルプリント基板である、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のアンテナ装置。 - 上記集積回路は、上記第1の放射電極の他方端部と第2の放射電極の一方端部との間に介設され、これら第1の放射電極と第2の放射電極とを電気的に接続又は切断させるためのスイッチであり、
上記複数本の制御線は、上記スイッチを制御するための制御信号を供給可能な制御部に一方端部が接続された状態で、上記基板上に形成され、他方端部が上記スイッチに接続されている、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のアンテナ装置。 - 上記第1の接続回路を、上記複数本の制御線の一方端部と第1の放射電極の一方端部との各間に接続され、上記RF信号に対して低インピーダンスになり且つ制御信号に対して高インピーダンスになるコンデンサで形成し、
上記第2の接続回路を、上記複数本の制御線の他方端部と第1の放射電極の他方端部との各間に接続され、上記RF信号に対して低インピーダンスになり且つ制御信号に対して高インピーダンスになる別体のコンデンサで形成した、
ことを特徴とする請求項1,請求項3,請求項4,請求項7ないし請求項10のいずれかに記載のアンテナ装置。 - 上記第1の接続回路を、上記複数本の制御線の一方端部と第3の放射電極の一方端部との各間に接続され、上記RF信号に対して低インピーダンスになり且つ制御信号に対して高インピーダンスになるコンデンサで形成し、
上記第2の接続回路を、上記複数本の制御線の他方端部と第3の放射電極の他方端部との各間に接続され、上記RF信号に対して低インピーダンスになり且つ制御信号に対して高インピーダンスになる別体のコンデンサで形成した、
ことを特徴とする請求項2ないし請求項4,請求項7ないし請求項10のいずれかに記載のアンテナ装置。 - 上記制御信号を通してRF信号を阻止するための第1のチョーク回路を、上記複数本の制御線の一方端部と上記制御部との間に介設すると共に、上記制御信号を通してRF信号を阻止するための第2のチョーク回路を、上記複数本の制御線の他方端部と上記集積回路との間に介設した、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれかに記載のアンテナ装置。 - 請求項1ないし請求項13のいずれかに記載のアンテナ装置を備えた、
ことを特徴とする無線通信機。
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