JPWO2010100996A1 - X線ct装置及び画像修正プログラム - Google Patents

X線ct装置及び画像修正プログラム Download PDF

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Abstract

公知の逐次近似再構成手法では、一部回転角度においてX線が計測されない不完全な計測領域及び非計測領域のCT画像を含めて修正するため、画質が劣化する。このため、通常の撮影範囲と比較して広範囲な撮影を必要とし、X線の照射領域の拡大に繋がるが、本発明に係るX線CT装置は、取得した測定投影データ及びスキャノグラムデータを用いて、一部回転角度においてX線が計測されない不完全な計測領域及び非計測領域のCT画像を修正することにより、中央のスライスから体軸方向に距離が大きいほど増加する画質劣化を抑制する。これにより、X線の照射領域を拡大することなく、診断に有効な範囲のCT画像を取得できる。

Description

本発明はX線CT(Computed Tomography)装置及び画像修正プログラムに関して、特に、回転撮影中に、再構成演算に必要な全ての回転角度の投影データが揃わないことに起因する画質の低下を抑制する技術に関する。
X線CT装置は、被写体を多方向から撮影して得たX線投影データから各点のX線吸収係数を算出し、被写体の断層像(以下、CT画像とする)を得る装置である。本装置より取得したCT画像は、医療現場において、正確かつ即時に患者の病状を診断でき、臨床上有用である。そこで近年、撮影の高速化を目的として、被写体の体軸方向に検出器を複数並列するマルチスライス方式が利用され、一度に広範囲な撮影を行うことが可能になっている。
前記方式は、非特許文献1に開示されているように、中央のスライスから体軸方向に距離が大きいほど、CT画像の断層面に対するX線の照射角度が大きくなるため、一部の回転角度においてX線が検出されない不完全撮影範囲のCT画像や、全ての回転角度においてX線が検出されない非撮影範囲のCT画像の領域が増加する。これら不完全撮影範囲や非撮影範囲のCT画像は、一部の回転角度における測定投影データの欠損や照射角度の影響により、全ての回転角度のX線が検出される完全な撮影範囲のCT画像と比較して、画質が劣化することが知られている。
Gengsheng L.Zeng,et al.,"Cone−Beam Iterative Reconstuction of a Segment of a Long Object",IEEE Transaction on Nuclear science,Vol.49,No.1,p37−41,2002.
上記画像劣化を抑制するために、通常の撮影範囲と比較してより広範囲な撮影を行おうとすると、X線の照射領域の拡大、ひいては被曝量の増大に繋がるという問題がある。
本発明の目的は、全ての回転角度においてX線が検出される完全な撮影領域だけでなく、不完全な撮影領域、または非撮影領域のCT画像の画質劣化を、被曝量を増大させることなく抑制することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るX線CT装置は、不完全な計測領域や非計測領域の被写体のX線吸収率分布(CT画像)を、X線照射領域を拡大することなく、回転撮影又はスキャノグラム撮影により得られた測定投影データを用いて画像修正することにより、画像の劣化を抑制するX線CT装置に係る。
より具体的には、本発明によれば、以下のようなX線CT装置が提供される。
すなわち、本発明の第1の態様のX線CT装置は、X線を発生するX線発生部と、被写体透過後の前記X線を検出するX線検出部と、前記X線発生部及び前記X線検出部を回転させながら、前記被写体の回転撮影による測定投影データを計測する回転計測部と、前記X線発生部及び前記X線検出部を回転せずに、前記被写体のスキャノグラム撮影による測定投影データを計測するスキャノグラム計測部と、前記X線発生部と前記X線検出器とを結ぶ経路上に、逐次修正処理の対象となる対象X線吸収率分布を設定し、前記経路上における前記X線吸収率の積分値を示す計算投影データを算出し、前記回転撮影による測定投影データと前記計算投影データとの差がより小さくなるように前記対象X線吸収率分布を逐次修正する処理を所定回数繰り返すことにより、前記被写体のX線吸収率分布を再構成する逐次再構成処理部と、を有する。
ここで、前記回転撮影において前記再構成に必要な全ての回転角度の前記X線が計測される空間を完全撮影領域とし、前記回転撮影において一部の回転角度の前記X線が計測される空間を不完全撮影領域とすると、前記逐次再構成処理部は、前記完全撮影領域及び前記不完全撮影領域のみを通過する前記X線を計測して得られた前記スキャノグラム撮影による測定投影データと、前記計算投影データとの差もより小さくなるように、前記対象X線吸収率分布を修正する機能を有する。
また、上記「所定回数」には、1回以上の任意の回数が含まれる。よって、所定回数を1回とした場合、計算投影データと回転計測による測定投影データとの比較修正が1回実行され、また計算投影データとスキャノグラム撮影による測定投影データとの比較修正が別途実行される。計算投影データと回転計測による測定投影データとの比較修正と、計算投影データとスキャノグラム撮影による測定投影データとの比較修正と、の回数は同じでもよいし、異なってもよい。また比較修正する順序は、計算投影データと回転計測による測定投影データとの比較修正が先でもよいし、計算投影データとスキャノグラム撮影による測定投影データとの比較修正が先でもよい。
本発明の第1の態様のX線CT装置によれば、不完全撮影領域のX線吸収率分布に対し、スキャノグラム用の測定投影データに基づく逐次近似再構成手法を適用した画像修正を行うことにより、体軸方向に垂直な中央スライスから離れるほど増加する画質の劣化を抑制する。これにより、撮影領域を拡大することなく、有効な再構成領域のX線吸収率分布を取得できる。
本発明の第2の態様のX線CT装置は、第1の態様のX線CT装置において、前記被写体のX線吸収率分布において再構成された空間である再構成領域の中で、前記完全撮影領域と前記不完全撮影領域とを除く空間を非撮影領域とし、前記逐次再構成処理部は、前記完全撮影領域及び前記不完全撮影領域のみを通過する前記X線を計測して得られた前記スキャノグラム撮影による測定投影データに加え、前記非撮影領域の内部を通過する前記X線を計測して得られた前記スキャノグラム撮影による測定投影データと、前記計算投影データとの差もより小さくなるように、前記対象X線吸収率分布を修正する機能を有する。
本発明の第2の態様によるX線CT装置によれば、不完全撮影範囲に加え、前記非撮影範囲に対してもスキャノグラム用の測定投影データを用いて画像修正を行うことができる。
本発明の第3の態様のX線CT装置は、第1の態様のX線CT装置において、前記被写体の動きを検出する体動検出部を更に有し、前記X線発生部は、前記回転撮影及び前記スキャノグラム撮影において前記被写体の位置が略一致する時点においてのみ、前記X線を発生する機能を有する。
本発明の第3の態様によるX線CT装置によれば、呼吸同期や心電同期等を行った測定投影データ及びスキャノグラム用の測定投影データに基づいて逐次近似再構成手法を適用できるため、呼吸等の被写体の動きによる画質劣化の影響が小さい。
本発明の第4の態様のX線CT装置は、第1の態様のX線CT装置において、前記被写体の動きを検出する体動検出部を更に有し、前記逐次再構成処理部は、前記回転撮影による測定投影データ及び前記スキャノグラム撮影による測定投影データから、前記被写体の位置が略一致する時間に相当する前記回転撮影による測定投影データ及び前記スキャノグラム撮影による測定投影データを選択して前記被写体のX線吸収率分布を再構成する機能を有する。
本発明の第4の態様によるX線CT装置によれば、呼吸同期や心電同期等を行った測定投影データ及びスキャノグラム用の測定投影データに基づいて逐次近似再構成手法を適用できるため、呼吸等の被写体の動きによる画質劣化の影響が小さい。
本発明の第5の態様のX線CT装置は、X線を発生するX線発生部と、被写体透過後の前記X線を検出するX線検出部と、前記X線発生部及び前記X線検出部を回転させながら、前記被写体の回転撮影による測定投影データを計測する回転計測部と、前記X線発生部及び前記X線検出部を回転せずに、前記被写体のスキャノグラム撮影による測定投影データを計測するスキャノグラム計測部と、前記被写体の回転撮影による測定投影データに基づいて再構成演算を行い、前記被写体のX線吸収率分布を計算する再構成処理部と、前記X線発生部と前記X線検出部とを結ぶ経路上における前記被写体のX線吸収率の積分値を示す計算投影データを算出し、前記回転撮影において前記再構成に必要な全ての回転角度の前記X線が計測される空間を完全撮影領域とし、前記回転撮影において一部の回転角度の前記X線が計測される空間を不完全撮影領域とし、前記完全撮影領域及び不完全撮影領域の内部を通過する前記X線を計測して得られた前記スキャノグラム撮影による測定投影データと、前記計算投影データと、の差がより小さくなるように、前記被写体のX線吸収率分布を修正する画像修正部と、を備える。
本発明の第5の態様のX線CT装置によれば、再構成アルゴリズムの種類を問わず、その再構成処理部において再構成されたX線吸収率分布の不完全撮影範囲に対し、スキャノグラム用の測定投影データを用いて画像修正を行うことができる。
本発明の第6の態様のX線CT装置は、第5の態様のX線CT装置において、前記再構成処理部は、解析的再構成アルゴリズムを用いて前記被写体のX線吸収率分布を再構成する機能を有する。
本発明の第6の態様のX線CT装置によれば、解析的再構成アルゴリズムを用いて再構成されたX線吸収率分布に対し、スキャノグラム用の測定投影データを用いた逐次近似再構成手法を用いて画像修正を行うことができる。
本発明の第7の態様のX線CT装置は、X線を発生するX線発生部と、被写体透過後の前記X線を検出するX線検出部と、前記X線発生部及び前記X線検出部を回転させながら前記被写体の回転撮影による測定投影データを計測する回転計測部と、前記回転撮影による測定投影データに基づき、前記被写体のX線吸収率分布を計算する吸収率分布計算部と、前記X線発生部と前記X線検出部を結ぶ経路上に、前記被写体のX線吸収率分布を初期画像として設定し、前記経路上における前記初期画像のX線吸収率の積分値を示す計算投影データを算出し、前記回転撮影による測定投影データと前記計算投影データとの差がより小さくなるように前記初期画像を逐次修正する処理を所定回数繰り返すことにより、前記被写体のX線吸収率分布を再構成する逐次再構成処理部と、を備え、前記回転撮影において前記再構成に必要な全ての回転角度の前記X線が計測される空間を完全撮影領域とし、前記回転撮影において一部の回転角度の前記X線が計測される空間を不完全撮影領域とし、前記被写体のX線吸収率分布上に再構成された空間である再構成領域の中で、前記完全撮影領域と前記不完全撮影領域とを除く空間を非撮影領域と定義する。前記初期画像は、前記回転撮影による測定投影データ、又は前記X線発生部と前記X線検出器とを回転せずに計測して得たスキャノグラム撮影による測定投影データ、若しくは前記初期画像の中で前記完全撮影領域が撮影された完全撮影範囲の画素値、のうちの少なくとも一つを用いて前記初期画像における前記不完全撮影領域が撮影された不完全撮影範囲及び前記非撮影領域が撮影された非撮影範囲に対して修正が行われる。
そして、前記逐次再構成処理部は前記修正後の初期画像を用いて前記被写体のX線吸収率分布を再構成する機能を有する。
ここで吸収率分布計算部の「X線吸収率分布を計算する」には、吸収率分布計算部が回転計測による測定投影データを用いてX線吸収率分布を計算する場合と、既に回転計測による測定投影データに基づいて計算されたX線吸収率分布を読み込む場合と、を含む。
本発明の第7の態様のX線CT装置によれば、初期画像の不完全撮影範囲及び非撮影範囲の定量性を、測定データの欠損を含めて再構成したX線吸収率分布に比べてより向上させることができる。そして、被写体の情報により近づけられた初期画像を逐次近似再構成手法において用いることにより、画像の収束を早める効果がある。
本発明の第8の態様のX線CT装置は、第7の態様のX線CT装置において、前記吸収率分布計算部は、前記回転撮影による測定投影データに対し、前記非撮影領域と、前記不完全撮影領域の中の前記X線が計測されない領域と、のそれぞれの位置から略近傍距離にある前記回転撮影による測定投影データ又は前記スキャノグラム撮影による測定投影データを予め外挿した後に前記被写体のX線吸収率分布を計算する機能を有する。
本発明の第8の態様のX線CT装置によれば、不完全撮影領域及び非撮影領域から略近傍距離にある回転計測による測定投影データ又はスキャノグラム撮影による測定投影データを外挿してX線吸収率分布(初期画像)を計算することにより、欠損データを含めて計算したX線吸収率分布よりも定量性を向上させることができる。そして、被写体の情報により近づけられたX線吸収率分布を初期画像として用いることにより、逐次近似再構成手法の収束を早める効果がある。
本発明の第9の態様のX線CT装置は、第7の態様のX線CT装置において、前記吸収率分布計算部は、前記被写体のX線吸収率分布の中の前記不完全撮影範囲と前記非撮影範囲とに対し、前記不完全撮影範囲及び前記非撮影範囲のそれぞれの位置から略近傍距離にある前記完全撮影範囲の画素値を外挿する機能を有する。
本発明の第9の態様のX線CT装置によれば、X線吸収率分布(初期画像)において、不完全撮影範囲及び非撮影範囲から略近傍距離にある完全撮影範囲のX線吸収率分布を、不完全撮影範囲及び非撮影範囲に外挿することにより、欠損データを含めて計算したX線吸収率分布よりも定量性を向上させることができる。そして、被写体の情報により近づけられたX線吸収率分布を初期画像として用いることにより、逐次近似再構成手法の収束を早める効果がある。
本発明の第10の態様のX線CT装置は、第7の態様のX線CT装置において、前記吸収率分布計算部は、前記不完全撮影領域及び前記非撮影領域を通過した前記X線を計測して得られた前記回転撮影による測定投影データに基づき計算される前記被写体のX線吸収率分布の画素値を、前記被写体のX線吸収率分布を近似する関数と、前記回転撮影による測定投影データ又は前記スキャノグラム用の測定データと、に基づき推定する機能を有する。
本発明の第10の態様のX線CT装置によれば、不完全撮影領域及び非撮影領域のX線吸収率分布を、被写体のX線吸収率を近似する関数と回転計測による測定データ又はスキャノグラム撮影による測定投影データを用いて推定する。こうして推定されたX線吸収率分布は、欠損データを含めて計算したX線吸収率分布よりも定量性を向上させることができる。そして、被写体の情報に近づけられたX線吸収率分布を入力することにより逐次近似再構成手法の収束を早める効果がある。
本発明の第11の態様のX線CT装置は、第7の態様のX線CT装置において、前記逐次再構成処理部は、前記不完全撮影領域及び前記非撮影領域を通過した前記X線を計測して得られた前記回転撮影による測定投影データに基づき計算された前記初期画像に対して、その初期画像から算出された計算投影データの前記X線検出器方向の径と、前記回転撮影による測定投影データの前記X線検出器方向の径又は前記スキャノグラム撮影による測定投影データの前記X線検出器方向の径と、が等しくなるように、前記初期画像を拡大又は縮小する修正を行う機能を有する。
本発明の第11の態様のX線CT装置によれば、入力されたX線吸収率分布(初期画像)の計算投影データのX線検出器方向の径と、回転計測による測定投影データのX線検出器方向の径又はスキャノグラム用の測定投影データのX線検出器方向の径と、を等しくすることにより、不完全撮影領域及び非撮影領域のX線吸収率分布を修正する。こうして修正されたX線吸収率分布(初期画像)は、欠損データを含めて計算したX線吸収率分布よりも定量性を向上させることができる。そして、被写体の情報に近づけられたX線吸収率分布(初期画像)を用いてその後の逐次的な修正を行うことにより、逐次近似再構成手法の収束を早める効果がある。
本発明の第12の態様のX線CT装置は、第7の態様のX線CT装置において、前記逐次再構成処理部は、前記不完全撮影領域及び前記非撮影領域を通過した前記X線を計測して得られた前記回転撮影による測定投影データに基づき計算された前記初期画像に対して、その初期画像から算出された計算投影データの画素値と、前記回転撮影による測定投影データの画素値又は前記スキャノグラム撮影による測定投影データの画素値と、を回転方向にそれぞれ積分し、前記計算投影データの積分値と前記回転撮影による測定投影データの積分値又は前記スキャノグラム撮影による測定投影データの積分値と、が等しくなるように、前記初期画像の画素値を修正する機能を有する。
本発明の第12の態様のX線CT装置によれば、入力されたX線吸収率分布(初期画像)の計算投影データの画素値の回転方向の積分値と、回転計測による測定投影データの回転方向の画素値の回転方向の積分値又はスキャノグラム用の測定投影データの回転方向の画素値の積分値と、を等しくすることにより、不完全撮影領域及び非撮影領域のX線吸収率分布(初期画像)を修正する。こうして修正されたX線吸収率分布(初期画像)は、欠損データを含めて計算したX線吸収率分布よりも定量性を向上させることができる。そして、被写体の情報に近づけられたX線吸収率分布(初期画像)を用いてその後の逐次的な修正を行うことにより、逐次近似再構成手法の収束を早める効果がある。
本発明の第13の態様のX線CT装置は、第7の態様のX線CT装置において、前記吸収率分布計算部は、前記不完全撮影領域及び前記非撮影領域を通過した前記X線を計測して得られた前記回転撮影による測定投影データに基づき計算された前記X線吸収率分布に対して、そのX線吸収率分布の中の前記完全撮影範囲内で前記被写体が撮影された領域の輪郭領域を抽出し、その輪郭領域に近似関数を適用することにより、前記X線吸収率分布の中の前記不完全撮影範囲及び前記非撮影範囲内の前記被写体の輪郭領域を補間する機能を有する。
本発明の第13の態様のX線CT装置によれば、計算された被検体のX線吸収率分布のうち、不完全撮影範囲と非撮影範囲において被写体が撮影された輪郭領域を、完全撮影範囲において被写体が撮影された輪郭領域に近似関数を適用して補間することにより、欠損データを含めて計算したX線吸収率分布よりも定量性を向上させた画像を初期X線吸収率分布として計算することができる。そして、被写体の情報に近づけられたX線吸収率分布を用いてその後の逐次的な修正を行うことにより、逐次近似再構成手法の収束を早める効果がある。
また、本発明に係る画像修正プログラムは、X線CT装置が被写体を回転撮影して得た測定投影データを再構成して得られた前記被写体のX線吸収率分布と、前記X線CT装置に備えられたX線発生部とX線検出器とを回転せずに、前記被写体を撮影して得たスキャノグラム撮影による測定投影データと、を取得するステップと、前記X線発生部及び前記X線検出部を結ぶ経路上における前記被写体のX線吸収率の積分値を示す計算投影データを算出するステップと、前記回転撮影において前記再構成に必要な全ての回転角度の前記X線が計測される空間を完全撮影領域とし、前記回転撮影において一部の回転角度の前記X線が計測される空間を不完全撮影領域とし、前記完全撮影領域と前記不完全撮影領域とを通過する前記X線を計測して得られた前記スキャノグラム撮影による測定投影データと、前記計算投影データと、の差がより小さくなるように、前記被写体のX線吸収率分布を修正するステップと、をコンピュータに実行させる機能を有する。
本発明に係る画像修正プログラムによれば、不完全撮影領域のX線吸収率分布又はX線吸収率分布の中の不完全撮影範囲に対し、スキャノグラム用の測定投影データを用いて画像修正をすることができる。これにより、不完全撮影領域のX線吸収率分布又はX線吸収率分布の不完全撮影範囲を、欠損データを含めて計算したX線吸収率分布よりも定量性を向上させた画像を初期画像として計算することができる。
本発明によれば、回転計測による測定投影データ、およびスキャノグラム撮影による測定投影データを用いて、完全撮影領域だけでなく、不完全撮影領域、または非撮影領域の被検体のX線吸収率分布を修正することにより、体軸方向に垂直な中央スライスから離れるほど増加する画質の劣化を抑制する。これにより、完全撮影領域を拡大することなく、すなわち、X線被曝領域を拡大させることなく、画質の劣化を抑制することができる。
本発明の実施例1における装置各部のハードウェアの構成を説明するための図 本発明の実施例1における撮影の流れを説明するための図 本発明の実施例1における撮影条件入力部の画面例を説明するための図 本発明の実施例1における回転撮影時のCT画像の撮影範囲を説明するための図であって、図4(a)は、回転撮影の概要図であり、図4(b)は、図4(a)に示す断層面155におけるAxial像であり、図4(c)は、被写体6の中心付近のSagittal像である。 本発明の実施例1における回転撮影及びスキャノグラム撮影を説明するための図 本発明の実施例1における再構成処理部の各部を説明するための図 本発明の実施例1における逐次近似再構成の計算手順を説明するためのフローチャート 本発明の実施例1におけるシミュレーションに使用したファントムと本発明法の効果を説明するための図であって、図8(a)は、従来法による再構成画像を示す図であり、図8(b)は、本発明法による再構成画像を示す図である。 本発明の実施例2における回転撮影のProspective ECG−triggered scanを説明するための図 本発明の実施例2における回転撮影及びスキャノグラム撮影のProspective ECG−triggered scanを説明するための図 本発明の実施例3における回転撮影のRetrospective ECG−gated scanを説明するための図 本発明の実施例3における回転撮影及びスキャノグラム撮影のRetrospective ECG−gated scanを説明するための図 本発明の実施例4における呼吸同期を説明するための図であって、図13(a)は、通常時における被写体6を示す図であり、図13(b)は、吸気時における被写体6を示す図である。 本発明の実施例4における呼吸同期を用いたCT撮影を説明するための図 本発明の実施例5における測定投影データの外挿を説明するための図 本発明の実施例6におけるCT画像の外挿を説明するための図 本発明の実施例7におけるスキャノグラムデータを用いた楕円近似を説明するための図であって、図17(a)は、スキャノグラム撮影時におけるスキャノグラムデータを示す図であり、図17(b)は、楕円近似におけるスキャノグラムデータを示す図である。 本発明の実施例8における測定投影データを用いたCT画像の縮小処理を説明するための図であって、図18(a)は、測定投影データと計算投影データの比較を示す図であり、図18(b)は、CT画像の縮小処理を示す図である。 本発明の実施例8における測定投影データを用いたCT画像の拡大処理を説明するための図であって、図19(a)は、測定投影データと計算投影データの比較を示す図であり、図19(b)は、CT画像の拡大処理を示す図である。 本発明の実施例9におけるスキャノグラムデータを用いたCT画像の画素値修正を説明するための図であって、図20(a)は、スキャノグラムデータを示す図であり、図20(b)は、計算投影データを示す図である。 本発明の実施例10における完全撮影範囲のCT画像による修正を説明するための図 本発明の実施例11における画像修正プログラムの構成を示すブロック図
<実施例1>
以下、図1乃至8を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、実施例1のを実現するハードウェア構成について述べる。図1は、本発明の実施例1における装置各部のハードウェアの構成を説明するための図である。図2は、本発明の実施例1における撮影の流れを説明するための図である。図3は、本発明の実施例1における撮影条件入力部の画面例を説明するための図である。図4は、本発明の実施例1における回転撮影時のCT画像の撮影範囲を説明するための図であって、図4(a)は、回転撮影の概要図であり、図4(b)は、図4(a)に示す断層面155におけるAxial像であり、図4(c)は、被写体6の中心付近のSagittal像である。図5は、本発明の実施例1における回転撮影及びスキャノグラム撮影を説明するための図である。図6は、本発明の実施例1における再構成処理部の各部を説明するための図である。図7は、本発明の実施例1における逐次近似再構成の計算手順を説明するためのフローチャートである。図8は、本発明の実施例1におけるシミュレーションに使用したファントムと本発明法の効果を説明するための図であって、図8(a)は、従来法による再構成画像を示す図であり、図8(b)は、本発明法による再構成画像を示す図である。
図1は、逐次近似再構成ソフトウェアを搭載したX線CT装置であって、X線照射条件等の撮影条件や画像再構成の条件を入力する入力手段101と、撮影の制御やX線の照射および検出を行う撮影手段102と、検出した信号に対して補正や画像再構成を行い、画像を出力する画像生成手段103より構成される。なお入力手段101および画像生成手段103は、本装置と一体に構成する必要はなく、例えばネットワークを介して処理を行ってもよい。
入力手段101において、撮影条件の入力は例えばキーボード111、マウス112、ペンタブレット、タッチパネル等により実現できる。前記入力手段101により入力したデータは中央処理装置114、メモリ113、HDD(Hard Disk Drive)装置115等において、所定のプログラムを展開・起動することで撮影手段102に信号を送る。前記各構成要素はデータバス101aによって接続される。
撮影手段102において、撮影の制御は、X線管1、ガントリー3、テーブル5の動作時にそれぞれX線制御器117、ガントリー制御器116、テーブル制御器118より実現できる。次に、X線の照射および検出は、X線管1とX線検出器2により実現できる。
X線管1のX線発生点とX線検出器2のX線入力面との距離の代表例は1000[mm]である。ガントリー3の中央には被写体6およびテーブル5を配置するための円形の開口部7が設けられている。開口部7の直径の代表例は700[mm]である。回転板4の回転の所要時間の代表例は1.0[s]である。X線検出器2にはシンチレータ及びフォトダイオード等から構成される公知のX線検出器2が使用される。X線検出器2はX線管1から等距離である円弧状に図示しない多数の検出素子を有しており、その素子数(以下、チャネル数とする)の代表例は950個である。各検出素子のチャネル方向のサイズの代表例は1[mm]である。撮影手段102の1回転における撮影回数の代表例は900回であり、回転板4が0.4度回転する毎に1回の撮影が行われる。なお前記各仕様はこれらの値に限定されるものはなく、X線CT装置の構成に応じて種々変更可能である。
画像生成手段103において、前記撮影手段102の前記X線検出器2で検出した信号は、データ収集システム(DAS;Data Acquisition System)119によって、ディジタル信号に変換される。次に、変換したディジタル信号に対して、補正や画像再構成は、中央処理装置121、メモリ120において、所定のプログラムを展開・起動することで実現でき、HDD装置122等により、データの保存や入出力を実現できる。画像再構成したCT画像の表示は、液晶ディスプレイやCRT等のモニタ123により実現できる。なお前記各構成要素はデータバス103aによって接続される。
次に図2に基づいて、実施1の逐次近似再構成ソフトウェアを搭載したX線CT装置の撮影の流れを説明する。図2の本装置において、入力手段101は、撮影条件を入力する撮影条件入力部131で構成される。撮影手段102は、前記撮影条件入力部131で入力した撮影条件に基づき撮影を制御する撮影制御部132、X線の照射および検出を行う撮影部133で構成される。画像生成手段103は、検出した信号をディジタル信号に変換する信号収集部134、前記ディジタル信号に対して補正する補正処理部135、補正した投影データに対して画像再構成する再構成処理部136、再構成したCT画像を出力する画像表示部137で構成される。
次に、図2及び図3を用いて撮影の流れを説明する。図3は、本発明の実施例1における撮影条件入力部131の画面例を説明するための図であって、より具体的には、図1の入力手段101に含まれる図示しないモニタに表示されるモニタ画面であって、撮影条件入力部131を構成するモニタ画面141の一例を示す図である。操作者はマウス112やキーボード111等を用いて、撮影部位、管電圧、管電流量、その他の撮影条件を設定する。本画面は撮影部位を選択するための撮影部位選択リスト142と、通常の回転によるCT撮影(以下、回転撮影とする)において、照射するX線のエネルギー及び出力量に対応する管電圧及び管電流量を設定するためのX線条件143と、同様にスキャノグラム撮影において、管電圧及び管電流量を設定するためのX線条件144から構成される。またスキャノグラムデータのX線照射領域を決定する項目145と、逐次近似再構成手法による画像修正において、CT画像を計算する領域(図3では、体軸方向とする)を設定する項目146と、測定投影データ及びスキャノグラムデータにおいて、一致した心位相のデータの計算を目的とした心電同期の有無を決定する項目147から構成される。
操作者は、撮影部位選択リスト142から撮影部位を選択する。例えば部位は胸部、腹部、頭部、頚部、脊椎、股関節、四肢等を選択し、また部位に限らず心臓、冠動脈血管等の組織でもよい。本実施例における回転撮影のX線条件143では、操作者が指定する管電圧値の代表例は120[kV]、管電流量200[mAs]である。また、同様にスキャノグラム撮影のX線条件144では、管電圧値は120[kV]、管電流量100[mAs]である。本実施例では、1種類のエネルギースペクトルを有するX線を想定したが、2種類以上のX線を用いるマルチエネルギーCTでは、管電圧及び管電流量の項目を追加して同様に行うことができる。またスキャノグラムデータの照射領域に関して、操作者は低線量モード、高画質モード、および手動設定モードの中から一つを選択する。例えば、低線量モードでは、撮影部位選択リスト142から選択した撮影部位に対して、スキャノグラムの照射領域を狭めることにより、被曝線量を抑えることができる。一方、高画質モードでは、スキャノグラムの照射領域を広くすることにより、測定した多くの被写体情報を用いて画像を修正できる。手動設定モードにおけるスライス数の数値表記は、数値の入力欄を付加し、数値入力を可能とする。例えば図3は、テーブル5を動かさず固定した状態において、体軸方向にX線検出器16スライス分のデータを撮影することを示している。また図3は、撮影部位、管電圧、管電流量、再構成条件の設定の一例であり、本画面構成に限定することはない。また事前に撮影部位、管電圧、管電流量、再構成条件の設定をHDD装置115に保存した場合、毎回操作者が入力する必要はない。
次に、撮影条件入力部131で入力した撮影条件に応じて、X線撮影を行う。通常、X線撮影は、被写体の位置合わせを目的としたスキャノグラム撮影、通常の回転撮影の順に行われる。
始めに、スキャノグラム撮影に関して、操作者はマウス112やキーボード111等を用いて、撮影開始を指示する。撮影開始の指示に伴い、撮影制御部132のテーブル制御器118によって、テーブル5は被写体6を回転板4に対して略垂直な方向に移動する。ガントリー制御器116は撮影部133のX線管1のX線照射タイミング及び撮影部のX線検出器2の撮影タイミングを指示し、X線管1、およびX線検出器2を回転させることなく撮影を開始する。
次に、回転撮影に関して、操作者はマウス112やキーボード111等を用いて、被写体6の撮影位置を指定した後に撮影開始を指示する。撮影開始が指示されると撮影制御部132のテーブル制御器118によって、テーブル5は被写体6を回転板4に対して略垂直な方向に移動する。そして被写体6の撮影位置が前記指定値と一致した時点で移動を停止し、被写体6の配置を終了する。一方、撮影制御部132のガントリー制御器116は、撮影開始が指示されると同時に駆動モーターを介して回転板4の回転を開始する。回転板4の回転が定速状態に入り、かつ被写体6の前記配置が終了した時点でガントリー制御器116は撮影部のX線管1のX線照射タイミング及び撮影部のX線検出器2の撮影タイミングを指示し、撮影を開始する。本実施例では、例えば操作者が設定したX線管1の管電圧および管電流量により、照射するX線のエネルギースペクトルと出力量を決定する。
本実施例では、回転撮影、またはスキャノグラム撮影において、1種類のエネルギースペクトルを有するX線を使用したが、1回転毎に管電圧を高速に切り替えて2種類以上のエネルギースペクトルを有するX線を照射し、撮影データを取得するマルチエネルギーCTにも適用できる。
次に、撮影部133のX線検出器2では、被写体6を透過したX線光子を検出し、信号収集部134のDAS119によってディジタル信号に変換する。取得したX線検出データは、メモリ120に保存される。このデータに対し、補正処理部135では、X線の信号をゼロに較正するオフセット補正や、検出器間の感度を補正する公知のエアキャリブレーション処理等の補正を行い、被写体6の測定投影データを取得する。
次に、前記補正処理部135で補正した測定投影データに対して、再構成処理部136により、画像再構成手法を用いて被写体のX線吸収係数を表すCT画像(被写体のX線吸収率分布に相当する)を計算する。例えば前記画像再構成は、公知であるFeldkamp法等の解析的再構成手法により作成したCT画像を初期画像とし、公知である逐次近似再構成手法を用いて前記初期画像を繰り返し修正する。このとき画像の修正は、回転撮影により得た測定投影データ(以下、単に「測定投影データ」と略記することがある。)及びスキャノグラム撮影により得たスキャノグラム用の測定投影データ(以下、「スキャノグラムデータ」という。)を入力データとして用いる。
本発明の再構成手法について、詳細は後述する。
最後に、計算した前記CT画像をモニタ123に表示し、操作者に情報を提供する。なおネットワークアダプタを用いて、ローカルエリアネットワーク、電話回線、インターネット等のネットワークを介して外部の端末と接続し、前記端末との間で前記CT画像を送受信することも可能である。
続いて、本発明の再構成手法について、詳細を説明する。
前記逐次近似再構成手法では、画像を修正する為、X線発生部及びX線検出部間の経路を通過するCT画像の積分値を計算する必要がある。図4(a)は、回転撮影の概要図であって、X線の撮影領域に応じたCT画像の範囲を区別するための図である。図4(a)のX線管1、およびX線検出器2の対は、体軸方向zの軸151を中心として回転して被写体を撮影することを意味し、被写体6が位置する実空間の領域159sが、CT画像の再構成領域に相当する。このとき、X線管1と任意のCT画像の画素jを結ぶ経路上において、一周分の回転角度のX線が検出される空間を完全撮影領域152s(図4では斜線表示)、または一部回転角度のX線が検出されない空間を不完全撮影領域153s(図4では点表示)、または再構成領域159s内で全ての回転角度のX線が検出されない空間を非撮影領域154sとして定義する。また、以下において、CT画像上で完全撮影領域152sが撮影された範囲を完全撮影範囲152、不完全撮影領域153sが撮影された範囲が不完全撮影範囲153、非撮影領域154sが撮影された範囲が非撮影範囲154と定義する。
図4(b)は、図4(a)に示す断層面155のAxial像を表しており、画像の中心は完全撮影範囲152、中心以外は不完全撮影範囲153を意味する。また図4(c)は、例えば被写体6中心付近のSagittal像を表しており、各撮影範囲の定義は図4(a)、図4(b)と同様とする。例えば、経路156を通過するCT画像の積分値を計算するとき(以下、順投影処理とする)、不完全撮影範囲153の画素の影響を含む為、CT画像の定量性を悪化させる。
この問題を解決するため、通常の回転撮影の測定投影データに加えてスキャノグラム撮影により得たスキャノグラムデータを用いて画像の修正を行う。図5に示すX線管1及びX線検出器2の対は、体軸方向z157に動かしながら回転させずに被写体を撮影し、各位置zのスキャノグラムデータSを取得する。図5において、スキャノグラム撮影の範囲は格子表示158とする。スキャノグラムデータを用いることにより、完全撮影範囲152だけでなく、不完全撮影範囲153、または非撮影範囲154のCT画像を修正でき、CT画像の定量性を向上できる。図5は被写体6を固定したまま、X線管1、およびX線検出器2の対を移動させているが、本実施例に限定されることはなく、前記対を固定したまま、テーブル5を移動して撮影することと等価である。図5は説明の為、回転撮影及びスキャノグラム撮影時のX線管1、およびX線検出器2の対を別々に記載したが、同じX線管1、およびX線検出器2を使用しても構わない。
また図4、図5の回転撮影は、テーブル5を動かさず固定して撮影するノーマルスキャン方式を示したが、本方法に限定されることはなく、テーブル動かしながら撮影する螺旋スキャン方式に対しても、完全撮影範囲152、不完全撮影範囲153、または非撮影範囲154の定義は同様である。
以下、図6及び図7を用いて、本装置による再構成処理について説明する。図6は、再構成処理部136の各部を説明するための図であり、図7は、逐次近似再構成の計算手順を説明するためのフローチャートである。
始めに解析的再構成処理部161は、ステップ171において、補正処理部135により取得した前記測定投影データR(i)に対して、Feldkamp法等による画像再構成を行い、初期画像λk=0(j)を取得する。次に、ステップ172において、計算中の更新回数kが設定した更新回数Kより小さいならば、ステップ173〜176の回転撮影による測定投影データR(i)、またはステップ177〜180のスキャノグラム撮影によるスキャノグラムデータS(i)を用いて画像を修正する。このとき、ステップ172では、例えば更新回数k毎にスキャノグラム撮影、回転撮影の順番に更新を切り替える方法がある。また公知であるサブセット法を用いた画像再構成手法では、サブセットによる更新毎にスキャノグラム撮影、回転撮影の順番を切り替える方法がある。
画像を修正するアルゴリズムとして、例えば逐次近似再構成手法の一つであるASIRT(Additional simultaneous reconstruction technique)は、式1で表される。
Figure 2010100996
λ(j)は、計算中の更新回数kにおけるCT画像の画素jの画素値を表し、J個の画素で構成されているものとする。CT画像は、一般的な2次元(x、y方向)の断層像だけでなく、1次元データ(x方向)、体軸方向zに像を重ね合わせた3次元データ(x、y、z方向)、または3次元に時間方向tを考慮した4次元データ(x、y、z、t)にも適用可能である。R(i)は測定投影データ、RC(i)は計算中の更新回数kにおけるCT画像に対して、順投影処理した計算投影データを表す。このとき、回転撮影の測定投影データを用いた処理フローにおける計算投影データはRC(i)、スキャノグラムデータを用いた処理フローにおける計算投影データはSC(i)で表す。また検出器は投影方向の区別をつけずに全部でI個あるとし、p(i、j)は、画素jを通過するX線がi番目の検出器に検出される確率を表す。ここで、
Figure 2010100996
とする。
また緩和係数αは、更新回数kの画素値λ(j)に対して修正する割合を表す。
次に順投影処理部162は、ステップ173において、式2に示すλ(j)を順投影処理し、計算投影データRC(i)を取得する。
Figure 2010100996
次にデータ比較部163は、ステップ174において、式3に示す計算投影データと測定投影データを比較計算し、更新投影データΔR(i)を取得する。
Figure 2010100996
次に逆投影処理部164は、ステップ175において、式4に示す更新投影データを逆投影処理し、更新画像Δλ(j)を取得する。
Figure 2010100996
次に画像更新部165は、ステップ176において、初期画像であるCT画像λk=0(j)に対し、式5に示す更新画像を用いて修正したCT画像λk+1(j)を取得する。例として、α=1.0を設定することとし、早く収束させるならば1.0以上、遅く収束させるならば1.0未満の緩和係数αを用いる。
Figure 2010100996
以上のように、ステップ173〜176を終了後、ステップ181において、更新回数kはk+1にインクリメントされ、ステップ172に戻ることによりループ処理が行われる。このとき、インクリメント後の更新回数kは、設定した更新回数Kより大きければ更新終了となり、ステップ182において、画像表示部137はCT画像を出力する。
以上、ステップ173〜176では、回転撮影における逐次近似再構成手法の計算手順を示した。同様にスキャノグラム撮影では、ステップ177〜180において、式6〜式10に示すように、測定投影データをR(i)からS(i)に変更、計算投影データをRC(i)からSC(i)に変更、更新投影データをΔR(i)からΔS(i)に変更、緩和係数をαからβに変更することで、CT画像を修正できる。
Figure 2010100996
緩和係数βは、更新回数kの画素値λ(j)に対して修正する割合を表す。例として、β=1.0を設定することとし、早く収束させるならば1.0以上、遅く収束させるならば1.0未満の緩和係数βを用いる。また緩和係数α及びβは一致させる必要はなく、収束速度を考慮して更新回数毎に動的に変更してもよい。
実施例1の式1で示した逐次近似再構成手法は一例であり、公知であるMSIRT、GRADY、CONGR、ART、SART、ML−EM、OS−EM、FIRA、RAMLA、DRAMA等、他の手法に適用しても構わない。
本実施例では、例としてテーブル5を動かさないノーマルスキャン方式を想定したが、テーブル5の動作、停止の順番に一定間隔で繰り返し、ノーマルスキャンを行うステップアンドシュート方式や、テーブル動かしながら撮影する螺旋スキャン方式に本発明を適用しても良いことは言うまでもない。
本実施例では、一例として生体用のX線CT装置を示したが、爆発物検査や製品検査等の非破壊検査を目的としたX線CT装置に本発明を適用しても良いことは言うまでもない。
また本実施例は一例として公知の第3世代のマルチスライスX線CT装置を示したが、公知の第1、第2、第4世代のX線CT装置にも適用でき、公知のシングルスライスX線CT装置やエレクトロンビームCTにも適用できる。
本発明の有効性を検証するため、シミュレーション実験を行った。今回、シミュレーション条件として、異なる再構成手法による画質を評価する為、量子ノイズや回路等のシステムノイズを考慮していない。ファントムは人体頭部を想定しており、図8(a)の画像191に示すような楕円形状を有すると共に、生体組織に近い吸収率を有する構造を成している。
シミュレーションの結果を、図8(a)の従来法による再構成画像191と、図8(b)の本発明による再構成画像192と、を用いて示す。本実施例では、公知であるサブセット法を用いたSIRTによる画像再構成を行い、更新回数=2回、サブセット=10番目、回転撮影の緩和係数α=1.0、スキャノグラム撮影の緩和係数β=1.0の画像を表示する。定量性を評価する為、破線193内の完全撮影領域194と破線193外の不完全撮影領域195において、それぞれ関心領域196を設置し、平均値を測定した。シミュレーション条件において、上記関心領域内のCT値は、50[HU]を一様に設定する。
本発明法による完全撮影範囲194内の関心領域196の平均値は49.4となり、従来法による44.3と比較して真値である50[HU]に近い。また、本発明法による不完全撮影範囲195内の関心領域196の平均値は50.3となり、従来法による46.6と比較して真値である50[HU]に近い。これにより、本発明法は従来の逐次近似再構成手法と比較して、定量性を向上させることができる。
<実施例2>
以下、本実施例では実施例1に加えて、回転撮影による測定投影データ及びスキャノグラムデータ撮影時の心位相が一致するとき、X線を照射する機能を有するX線CT装置について述べる。以下、図9乃至10を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図9は、本発明の実施例2における回転撮影のProspective ECG−triggered scanを説明するための図である。図10は、本発明の実施例2における回転撮影及びスキャノグラム撮影のProspective ECG−triggered scanを説明するための図である。
例えば、被写体における心臓の電気信号を記録する手段として、心電計による心電図データ(Electrocardiogram)を用いる。本実施例では、通常のCT撮影において公知であるProspective ECG−triggered scanを挙げる。本方法は、図9の回転撮影に示すように、心電図201上のある特徴的な波に同期したときにCT装置によってX線の照射を制御して目的の時相のCT画像を取得する方法である。
例えば、心電図201において隣り合うR波202の時間間隔であるR−R間隔が一定という条件下で、R波がトリガー信号となり、一定の時間間隔t(%)でX線を照射する。このとき、tはR−R間隔を100%として、R波から経過した時間の割合である。また図9の収集角度203は、360度スキャンの回転撮影を想定したとき、X線照射中に収集した角度φ[°]を示している。心電図201におけるX線照射中は、斜線表示204、または点表示205で表され、下図に示す収集角度の表示にそれぞれ対応する。図9は、2回のX線照射の例を挙げたが、画像再構成に必要な角度を収集するまで撮影を続ける。
本実施例では図9の従来法と比較して、図10に示すように、一定の時間間隔t(%)においてスキャノグラム撮影、回転撮影の順に行われる。始めに、X線管1、およびX線検出器2を回転させずにX線を照射し、一部の回転角度(図10ではφ=0°とする)においてスキャノグラムデータ206を取得する。次に、図9の回転撮影と同様にして、時間間隔t(%)のとき撮影が行われる。心電図201におけるX線照射中は、スキャノグラム撮影は格子表示207、回転撮影は斜線表示204、または点表示205で表され、下図に示す収集角度の表示にそれぞれ対応する。また図10では、例として1方向のみのスキャノグラム撮影を挙げたが、2方向以上のスキャノグラム撮影においても同様である。
また図10では、スキャノグラム撮影は回転撮影以前に行われたが、本方法に限られることはなく、回転撮影の間、または回転撮影の後でも構わない。
本方法を用いることにより、心位相が一致した回転撮影による測定投影データ及びスキャノグラムデータに対して、実施例1の逐次近似再構成手法を適用できるため、心拍の影響によるCT画像の画質劣化が小さい。
また本実施例では、心電図データによる周期的な波形を用いた心電同期を例に挙げたが、本方法に限定されることはなく、不整脈等の非周期的な波形にも適用可能である。例えば、計測中、または計測後の心電図データを解析して、現在以降における波形の周期性を予測する方法がある。
<実施例3>
以下、本実施例では実施例1に加えて、回転撮影により得た測定投影データ及びスキャノグラムデータから、心位相が一致する時間のデータを選択して、CT画像を計算するX線CT装置について述べる。以下、図11乃至12を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図11は、本発明の実施例3における回転撮影のRetrospective ECG−gated scanを説明するための図である。図12は、本発明の実施例3における回転撮影及びスキャノグラム撮影のRetrospective ECG−gated scanを説明するための図である。
例えば、実施例2と同様に、被写体における心臓の電気信号を記録する手段として、心電計による心電図データを用いる。本実施例では、通常のCT撮影において公知であるRetrospective ECG−gated scanを挙げる。本方法は、図11の回転撮影に示すように、撮影した全ての測定投影データ211から一定間隔の心位相のデータを選択し、CT画像を計算する。例えば図11では、心電図212において隣り合うR波213の時間間隔であるR−R間隔が一定という条件下で、R波がトリガー信号となり、一定の時間間隔t(%)のデータを選択する。このとき、tはR−R間隔を100%として、R波から経過した時間の割合である。また図11の収集角度214は、360度スキャンの回転撮影を想定したとき、X線照射中に収集した角度φ[°]を示している。心電図212におけるX線照射中は、斜線表示215、または点表示216で表され、下図に示す収集角度の表示にそれぞれ対応する。図11は、周期的な心電波形2周分において、測定投影データを選択する例を挙げたが、画像再構成に必要な角度を収集するまで撮影を続ける。
本実施例では図11の従来法と比較して、図12に示すように、回転撮影及びスキャノグラム撮影後の全ての測定投影データ211から、一定の時間間隔t(%)の心位相のデータを選択する。始めに、X線管1及びX線検出器2を回転させずにX線を照射し、一部の回転角度(図12ではφ=0°とする)においてスキャノグラムデータ217を取得する。次に、図11の回転撮影と同様にして、スキャノグラム撮影と等しい時間間隔であるt(%)でデータを選択する。心電図212において選択したデータは、スキャノグラム撮影は格子表示218、回転撮影は斜線表示215、または点表示216で表され、下図に示す収集角度の表示にそれぞれ対応する。また図12では、例として1方向のみのスキャノグラム撮影を挙げたが、2方向以上のスキャノグラム撮影においても同様である。また図12では、スキャノグラム撮影は回転撮影以前に行われたが、本方法に限られることはなく、回転撮影の間、または回転撮影の後でも構わない。
本方法を用いることにより、心位相が一致した回転撮影による測定投影データ及びスキャノグラムデータに対して、実施例1の逐次近似再構成手法を適用できるため、心拍の影響によるCT画像の画質劣化が小さい。
また本実施例では、心電図データによる周期的な波形を用いた心電同期を例に挙げたが、本方法に限定されることはなく、不整脈等の非周期的な波形にも適用可能である。例えば、計測後の心電図データを解析して、周期的な波形におけるデータだけを選択する方法がある。
<実施例4>
以下、本実施例では、実施例2、3の心電図データを利用した心電同期による撮影と同様の方法を用いて、呼吸等の被写体の動きによる画質劣化の影響を軽減させる方法を挙げる。以下、図13乃至14を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図13は、本発明の実施例4における呼吸同期を説明するための図であって、図13(a)は、通常時における被写体6を示す図であり、図13(b)は、吸気時における被写体6を示す図である。図14は、本発明の実施例4における呼吸同期を用いたCT撮影を説明するための図である。
本実施例では、例えばCT撮影時、装置の外部からビデオカメラ等の撮影手段を用いて、呼吸時の胸部や腹部の収縮、または拡張の度合いを計測し、回転撮影及びスキャノグラム撮影時における被写体の位置が一致するように、X線を照射する。例えば、図13(a)に示す通常時の胸部と比較して、図13(b)に示す吸気時の胸部は、肺野221の広がりの影響により、胸部、または腹部が矢印方向222に拡張する。図13(b)に示す矢印を拡張ベクトルと定義し、長さは拡張した量(以下、拡張量とする)を示す。
呼吸同期による撮影を実現する方法として、図14に示す横軸を時間、縦軸を拡張量とする拡張量データ223を用いる。前記データは拡張量の変化を示しており、吸気、呼気に従い、拡張(図14では正の値)、収縮(図14では負の値)を繰り返す。ここでは、回転撮影及びスキャノグラムデータの拡張量が一致するようにX線を照射する。例えば吸気時の拡張量データ223におけるX線照射中は、スキャノグラム撮影を格子表示224、回転撮影を斜線表示225、または点表示226で表し、下図に示す収集角度227の表示にそれぞれ対応する。
本方法により、呼吸同期を行った測定投影データ及びスキャノグラムデータに対して、実施例1の逐次近似再構成手法を適用できるため、呼吸等の被写体の動きによる画質劣化の影響が小さい。
今回、被写体の呼吸時のタイミングを予測して、X線を照射する方法を例に挙げたが、本方法に限定されることはなく、撮影した全ての測定投影データから、呼吸時のタイミングが一致したデータを選択するRetrospective scanに対しても同様に適用できる。
また本実施例では、ビデオカメラ等の画像により拡張量を計測したが、本方法に限定することはなく、被写体表面に設置した圧力センサの圧力値から呼気、または吸気時に撮影するタイミングを推定する方法や、呼吸機能検査装置を用いて呼気、吸気をモニタリングすることにより、X線を照射するタイミングを推定する方法等が考えられる。
また本実施例では、図13、図14に示すように、吸気時を例に挙げたが、本方法に限定されることはなく、通常時、または呼気時の収縮量を利用しても実現できる。
また本実施例では、呼吸同期を例に挙げたが、本方法に限定されることはなく、呼吸以外の不規則な被写体の動き等にも適用可能である。例えば、Prospective scanでは、計測中、または計測後の被写体の動きを解析して、現在以降における被写体の動きを予測する方法がある。また、呼吸時のタイミングが一致したデータを選択するRetrospective scanでは、計測中の被写体の動きを解析して、周期的な被写体の動きにおけるデータだけを選択する方法がある。
<実施例5>
以下、本実施例では実施例1に加えて、不完全撮影領域153sまたは非撮影領域154sに対し、回転撮影による測定投影データやスキャノグラムデータを予め外挿してCT画像を計算するX線CT装置について、図15を参照して述べる。図15は、本発明の実施例5における測定投影データの外挿を説明するための図である。
例えば、解析的再構成処理部161により初期画像を作成するとき、一部回転角度においてX線が検出されない測定投影データ、またはスキャノグラムデータを予め外挿し、画像再構成する。ここでは、図15に示すように、X線管1とCT画像の画素j231を結ぶ経路232の延長上にX線検出器2が存在しない場合、最短距離の測定投影データ233を外挿する。また図15は測定投影データを用いたが、スキャノグラムデータを用いて同様に外挿してもよい。
例として、式11に示す距離ddは、前記測定投影データ間の距離を意味する。Rx、Ry、Rzは、X線が検出されないX線検出器2の仮想的な三次元位置を示し、ix、iy、izは、X線が検出される全てのX線検出器2の三次元位置を示す。以上式11により、算出した最短距離の測定投影データを外挿し、画像再構成する。
Figure 2010100996
本発明により、測定投影データの欠損を含めて再構成したCT画像と比較して、不完全撮影領域153s、または非撮影領域154sにおけるCT画像の定量性を向上させることができる。このように、逐次近似再構成手法に入力する初期画像をできるだけ被写体の情報に近づけることで、画像の収束を早める効果がある。
また本実施例では、最短距離の測定投影データを用いたが、本方法に限定されることはなく、例えば過去の症例等、既知の被写体情報や、人体モデルに基づき近似した被写体の測定投影データを利用してもよい。
<実施例6>
以下、本実施例では実施例1に加えて、不完全撮影範囲153、または非撮影範囲154のCT画像を予め外挿し計算するX線CT装置について、図16を参照して述べる。図16は、本発明の実施例6におけるCT画像の外挿を説明するための図である。
例えば、解析的再構成処理部161により初期画像を作成するとき、一部回転角度においてX線が検出されない不完全撮影範囲153、または非撮影範囲154のCT画像に対して、完全撮影範囲152のCT画像を用いて予め外挿する。ここでは、図16に示すように、CT画像234の画素J235が不完全撮影範囲153に含まれる場合、完全撮影範囲152に含まれる最短距離の画素236を外挿する。例として、式12に示す距離vdは、前記画素間の距離を意味する。Jx、Jy、Jzは、外挿される対象画素J235の三次元位置を示し、jx、jy、jzは、完全撮影範囲152に含まれる画素j236の三次元位置を示す。以上式12により、算出した最短距離の画素jを外挿する。
Figure 2010100996
本発明により、測定投影データの欠損を含めて再構成したCT画像と比較して、不完全撮影範囲153、または非撮影範囲154におけるCT画像の定量性を向上させることができる。このように、逐次近似再構成手法に入力する初期画像をできるだけ被写体の情報に近づけることで、画像の収束を早める効果がある。
また本実施例では、最短距離の画素jを用いたが、本方法に限定されることはなく、例えば過去の症例等、既知の被写体情報や、人体モデルに基づき近似した被写体の情報を利用してもよい。
<実施例7>
以下、本実施例では実施例1に加えて、不完全撮影範囲153、または非撮影範囲154のCT画像を予め外挿し計算するX線CT装置について、図17を参照して述べる。図17は、本発明の実施例7におけるスキャノグラムデータを用いた楕円近似を説明するための図であって、図17(a)は、スキャノグラム撮影時におけるスキャノグラムデータを示す図であり、図17(b)は、楕円近似におけるスキャノグラムデータを示す図である。
例えば、解析的再構成処理部161により初期画像を作成するとき、一部回転角度においてX線が検出されない不完全撮影領域153s、または非撮影領域154sのCT画像に対して、測定投影データ、またはスキャノグラムデータを用いて推定する。ここでは、図17(a)に示すように、CT画像の断層面241が不完全撮影領域153s、または非撮影領域154sに含まれる場合を考える。例として、図17では2方向(投影角度φ=0°及び90°)からスキャノグラムを撮影し、それぞれスキャノグラムデータ242を取得する。本実施例では、図17(b)に示すように、異なる投影角度φにおけるスキャノグラムデータ242におけるX線検出器2方向の径A及び径Bと、被写体6の中心位置243に基づき、被写体6を楕円近似する。このとき、通常CT装置はファンビームの為、X線管1からX線検出器2までの距離(以下、SIDとする)、X線管1から被写体6の中心位置243までの距離(以下、SODとする)を用いて、式13、式14に示す長径a、短径bを計算する。
Figure 2010100996
本実施例において、楕円近似したCT画像の画素値は、各投影角度のスキャノグラムデータ242の面積分(図17では点表示242)と、楕円の総面積(図17では斜線表示244)を一致させるように、均等に各画素値を決定する。また本実施例では均等に各画素値を決定したが、本方法に限定されることはなく、被写体内に骨などの内部組織を想定する場合、組織毎に重みをつけて各画素値を決定してもよい。また本実施例では、一様な楕円近似を仮定したが、本方法に限定されることはなく、他の関数を用いて被写体を近似してもよい。
本発明により、測定投影データの欠損を含めて再構成したCT画像と比較して、不完全撮影領域153s、または非撮影領域154sにおけるCT画像の定量性を向上させることができる。このように、逐次近似再構成手法に入力する初期画像を被写体の情報に近づけることにより、画像の収束を早める効果がある。
本実施例では、2方向からスキャノグラムを撮影しているが、投影角度φ、方向数を限定することはなく、1方向、または3方向以上でも構わない。
<実施例8>
以下、本実施例では実施例1に加えて、逐次近似再構成手法による更新時、測定投影データ、または前記スキャノグラムデータに合わせるように、CT画像を計算するX線CT装置について、図18乃至19を参照して述べる。図18は、本発明の実施例8における測定投影データを用いたCT画像の縮小処理を説明するための図であって、図18(a)は、測定投影データと計算投影データの比較を示す図であり、図18(b)は、CT画像の縮小処理を示す図である。図19は、本発明の実施例8における測定投影データを用いたCT画像の拡大処理を説明するための図であって、図19(a)は、測定投影データと計算投影データの比較を示す図であり、図19(b)は、CT画像の拡大処理を示す図である。
例えば、不完全撮影領域153s、または非撮影領域154sの初期画像として入力された初期画像を順投影処理した計算投影データの径と、測定投影データ、またはスキャノグラムデータの径が異なる場合、測定投影データの径に一致させるように、初期画像を修正する。図18(a)は、初期画像251の計算投影データ(図18では斜線表示252)の径Cが測定投影データ(図18では点表示253)の径Dより大きい場合を示す。このとき、図18(b)は、計算投影データ252の径を測定投影データ253の径に一致させるように初期画像251を縮小処理し、修正したCT画像254を取得する。
また図19(a)は、初期画像255の計算投影データ(図19では斜線表示256)の径Cが測定投影データ(図19では点表示257)の径Dより小さい場合を示す。このとき、図19(b)は、計算投影データ256の径を測定投影データ257の径に一致させるように初期画像255を拡大処理し、修正したCT画像258を取得する。
本実施例では、CT画像の拡大、または縮小処理を公知であるアフィン変換(線形処理)を用いて計算しているが、本方法に限定することはなく、非線形処理を用いて実現可能である。
本発明では、不完全撮影領域153s、または非撮影領域154sにおけるCT画像の定量性を劣化させることなく、入力された初期画像を被写体の情報に近づけることにより逐次近似再構成手法の収束を早める効果がある。
本実施例では、1方向からスキャノグラムを撮影しているが、投影角度φ、方向数を限定することはなく、2方向以上でも構わない。また、完全撮影領域の初期画像として入力された初期画像についても本実施例を適用してもよい。
<実施例9>
以下、本実施例では実施例1に加えて、逐次近似再構成手法による更新時、測定投影データ、または前記スキャノグラムデータに合わせるように、CT画像を計算するX線CT装置について、図20を参照して述べる。図20は、本発明の実施例9におけるスキャノグラムデータを用いたCT画像の画素値修正を説明するための図であって、図20(a)は、スキャノグラムデータを示す図であり、図20(b)は、計算投影データを示す図である。
例えば、不完全撮影領域153s、または非撮影領域154sの初期画像として入力された初期画像を順投影処理した計算投影データにおける検出器方向の合計値と、測定投影データ、またはスキャノグラムデータにおける検出器方向の合計値が異なる場合、測定投影データ、またはスキャノグラムデータの合計値に一致させるように、初期画像の画素値を修正する。
図20(a)、(b)は、それぞれスキャノグラムデータ(図20では点表示259)、初期画像260の計算投影データ(図20では斜線表示261)を示す。本実施例では、式15に示すISはスキャノグラムデータ259の面積分値、式16に示すISCは計算投影データ261の面積分値を定義する。これらの面積分値を用いて式17に示す修正係数biasを計算し、式18に示すCT画像の画素値jを修正する。図20は、計算投影データ261の面積分値ISCがスキャノグラムデータ259の面積分値ISより大きい場合を示す。このとき、スキャノグラムデータ259の面積分値ISに一致させるように、初期画像260の画素値を下げ、修正したCT画像260を取得する。反対に、計算投影データ261の面積分値ISCがスキャノグラムデータ259の面積分値ISより小さい場合、初期画像260の画素値を上げ、修正したCT画像260を取得する。
Figure 2010100996
S(i)は、X線検出器iで取得したスキャノグラムデータを示し、S(i)は計算中の更新回数kのCT画像に対して、順投影処理した計算投影データを表す。またX線検出器iは投影方向の区別をつけずに全I個で構成されているものとする。
本発明により、スキャノグラムデータの面積分値と計算投影データの面積分値を一致させるように、CT画像の画素値が修正される。これにより、Feldkamp法等の完全性を近似した再構成手法において問題となるコーンビームアーチファクトを抑制できる。
本発明では、不完全撮影領域153s、または非撮影領域154sにおけるCT画像の定量性を劣化させることなく、入力された初期画像を被写体の情報に近づけることにより逐次近似再構成手法の収束を早める効果がある。
本実施例では、1方向からスキャノグラムを撮影しているが、投影角度φ、方向数を限定することはなく、2方向以上でも構わない。また、完全撮影領域の初期画像として入力された初期画像についても本実施例を適用してもよい。
また本実施例ではスキャノグラムデータを対象にしているが、本方法に限定することはなく、回転撮影により取得した測定投影データを用いても実現可能である。その場合、回転撮影では、式18〜式21に示すように、スキャノグラムデータをS(i)から測定投影データR(i)に変更、計算投影データをSC(i)から回転撮影における計算投影データRC(i)に変更、スキャノグラムデータの面積分値をISから測定投影データの面積分値IRに変更、計算投影データの面積分値をISCから回転撮影における計算投影データの面積分値IRCに変更することで、CT画像を修正できる。
Figure 2010100996
<実施例10>
以下、本実施例では実施例1に加えて、逐次近似再構成手法による更新時、不完全撮影範囲、または非撮影範囲のCT画像に対して、完全撮影範囲のCT画像から計算し、画像を修正するX線CT装置について、図21を参照して述べる。図21は、本発明の実施例10における完全撮影範囲のCT画像による修正を説明するための図である。
例として図21では、初期画像271の任意の断面であるSagittal像を示し、被写体6が画像化されている。ここでは、実施例1と同様に、初期画像271において一周分の回転角度のX線が検出される範囲を完全撮影範囲152、または一部回転角度のX線が検出されない範囲を不完全撮影範囲153、または全ての回転角度のX線が検出されない範囲を非撮影範囲154として定義する。次に、図21に示す完全撮影範囲152内において、被写体6の輪郭となる曲線272(図21では実線)から近似関数を用いることにより、不完全撮影範囲153、または非撮影範囲154の被写体6の輪郭273を計算する。このとき、近似関数は多項式、指数関数、ローレンツ関数等で近似することができ、近似に使用する関数の種類に制限はない。次に、完全撮影範囲152の初期画像271を輪郭273に合うように、拡大、または縮小処理を行い、修正した初期画像271を取得する。本実施例では、初期画像の拡大、または縮小処理を公知であるアフィン変換(線形処理)を用いて計算しているが、本方法に限定することはなく、非線形処理を用いて実現可能である。
本発明では、不完全撮影範囲153、または非撮影範囲154におけるCT画像の定量性を劣化させることなく、入力された初期画像を被写体の情報に近づけることにより逐次近似再構成手法の収束を早める効果がある。
<実施例11>
以下、本実施例でCT画像の不完全な計測領域をスキャノグラムデータに合わせるように修正する画像修正プログラムの構成について、図22を参照して述べる。図22は、本発明の実施例11における画像修正プログラムの構成を示すブロック図である。
図22は、画像修正プログラム280の構成を示すブロック図である。図22の画像修正プログラムは、修正処理の対象となるCT画像と、そのCT画像を修正するために必要なスキャノグラムデータとを取得するデータ取得部281と、データ取得部281から得たCT画像を、スキャノグラムデータを用いて修正する画像修正部282とにより構成される。画像修正部282は、コンピュータ上の仮想的なX線発生部とX線検出器とを結ぶ経路上に、データ取得部281から得たCT画像を設定し、そのCT画像のX線吸収率の積分値を示す計算投影データを算出する順投影処理部162aと、計算投影データとスキャノグラムデータとを比較計算し、更新投影データを算出するデータ比較部163aと、更新投影データを逆投影処理して更新画像を生成する逆投影処理部164aと、更新画像を用いてデータ取得部281から得たCT画像を修正する画像更新部165aと、を備える。
データ取得部281と画像修正部282とは、コンピュータにインストールされてロードされることにより、コンピュータに各部の機能を実行させることができる。
また、順投影処理部162a、データ比較部163a、逆投影処理部164a、及び画像更新部165aは、上記実施例1から実施例10までにおいて説明した順投影処理部162、データ比較部163、逆投影処理部164、及び画像更新部165と同一の機能を、コンピュータに実行させることができる。
データ取得部281は、解析的再構成処理部や逐次近似的再構成手法など、任意の画像再構成アルゴリズムを用いて再構成された被写体のCT画像を取得し、そのCT画像を画像修正部282に出力して画像修正してもよい。
また、データ取得部281と画像修正部282との間に、任意の画像再構成アルゴリズムを適用した画像再構成部を備え、データ取得部281が回転計測により得た測定投影データを取得し、その測定投影データを画像再構成部に出力してCT画像を再構成し、この再構成画像を画像修正部282に出力するように構成してもよい。
画像修正プログラム280は、X線CT装置とは直接接続されないコンピュータにインストールし、既存のCT画像を画像修正する装置として機能させてもよい。これにより、既存のCT画像の不完全な計測領域に対し、スキャノグラムデータを用いて修正をすることができ、欠損データを含んで再構成された既存のCT画像よりも定量性をより向上させることができる。
また、X線CT装置に画像修正プログラム280をインストールし、そのX線CT装置で再構成したCT画像(解析的画像再構成部、逐次再構成処理部で作成されたCT画像など、再構成に適用されたアルゴリズムは問わない。)を修正するように構成してもよい。これにより、不完全撮影領域から得た測定データを基に再構成したCT画像や、CT画像に含まれる不完全撮影範囲に対し、スキャノグラムデータを用いて修正をすることができ、欠損データを含んでCT画像よりも定量性をより向上させたCT画像を再構成することができる。特に、逐次再構成処理部を備えたX線CT装置においては、逐次再構成処理部に画像修正プログラム280の処理を実行させるように構成してもよい。これにより、逐次近似的再構成手法の工程に画像修正プログラムによる処理を組み込むことができる。そして、初期画像(初期X線吸収率分布)に対して画像処理プログラム280による修正を行うことで、初期画像を被写体の情報に近づけるための修正が可能となり、逐次近似的再構成手法における画像の収束を早める効果がある。
1…X線管、2…X線検出器、3…ガントリー、4…回転板、5…テーブル、6…被写体、7…円形の開口部、11…ノイズ成分、12…X線検出データのフィルタ適用範囲、13…投影データのフィルタ適用範囲、14…第2境界投影データの中央部、15…アダプティブフィルタの適用範囲、101…入力手段、102…撮影手段、103…画像生成手段、111…キーボード、112…マウス、113…メモリ、114…中央処理装置、115…HDD装置、116…ガントリー制御器、117…X線制御部、118…テーブル制御器、119…DAS、120…メモリ、121…中央処理装置、122…HDD装置、123…モニタ、131…撮影条件入力部、132…撮影制御部、133…撮影部、134…信号収集部、135…補正処理部、136…再構成処理部、137…画像表示部、141…モニタ画面、142…撮影部位選択リスト、143…回転撮影のX線条件、144…スキャノグラム撮影のX線条件、145…スキャノグラムデータの照射領域、146…逐次近似再構成手法による体軸方向の計算領域、147…心電同期の適用有無、151…体軸方向z(回転撮影)、152…完全撮影範囲、153…不完全撮影範囲、154…非撮影範囲、155…断層面、156…順投影処理の経路、157…体軸方向z(スキャノグラム撮影)、158…スキャノグラム撮影の照射領域、161…解析的再構成処理部、162…順投影処理部、163…データ比較部、164…逆投影処理部、165…画像更新部、171〜182…本発明による逐次近似再構成手法の計算ステップ、191…従来法による再構成画像、192…本発明法による再構成画像、193…完全撮影領域及び不完全撮影領域の境界、194…完全撮影領域、195…不完全撮影領域、196…関心領域、201…心電図、202…R波、203…撮影による収集角度、204…X線照射時間(回転撮影1周期目)、205…X線照射時間(回転撮影2周期目)、206…スキャノグラム撮影による収集角度、207…X線照射時間(スキャノグラム撮影)、211…測定投影データ、212…心電図、213…R波、214…収集角度、215…データ選択時間(回転撮影1周期目)、216…データ選択時間(回転撮影2周期目)、217…収集角度(スキャノグラム撮影)、218…データ選択時間(スキャノグラム撮影)、221…肺野領域、222…拡張ベクトル、223…拡張量データ、224…X線照射時間(スキャノグラム撮影)、225…X線照射時間(回転撮影1周期目)、226…X線照射時間(回転撮影2周期目)、227…収集角度、231…画素j、232…X線管1と画素jを延長する経路、233…最短距離の測定投影データ、234…CT画像、235…画素J、236…最短距離の画素j、241…CT画像の断層面、242…スキャノグラムデータ、243…被写体の中心位置、244…近似による楕円、251…初期画像、252…計算投影データ、253…測定投影データ、254…縮小処理後のCT画像、255…初期画像、256…計算投影データ、257…測定投影データ、258…拡大処理後のCT画像、259…スキャノグラムデータ、260…初期画像、261…計算投影データ、271…初期画像、272…完全撮影範囲における被写体の輪郭、273…推定した被写体の輪郭、280…画像修正プログラム、281…データ取得部、282…画像修正部

Claims (14)

  1. X線を発生するX線発生部と、
    被写体透過後の前記X線を検出するX線検出部と、
    前記X線発生部及び前記X線検出部を回転させながら、前記被写体の回転撮影による測定投影データを計測する回転計測部と、
    前記X線発生部及び前記X線検出部を回転せずに、前記被写体のスキャノグラム撮影による測定投影データを計測するスキャノグラム計測部と、
    前記X線発生部と前記X線検出器とを結ぶ経路上に、逐次修正処理の対象となる対象X線吸収率分布を設定し、前記経路上における前記X線吸収率の積分値を示す計算投影データを算出し、前記回転撮影による測定投影データと前記計算投影データとの差がより小さくなるように前記対象X線吸収率分布を逐次修正する処理を所定回数繰り返すことにより、前記被写体のX線吸収率分布を再構成する逐次再構成処理部と、を備え、
    前記回転撮影において前記再構成に必要な全ての回転角度の前記X線が計測される空間を完全撮影領域とし、前記回転撮影において一部の回転角度の前記X線が計測される空間を不完全撮影領域とし、前記逐次再構成処理部は、前記完全撮影領域及び前記不完全撮影領域のみを通過する前記X線を計測して得られた前記スキャノグラム撮影による測定投影データと、前記計算投影データとの差もより小さくなるように、前記対象X線吸収率分布を修正する、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  2. 請求項1に記載のX線CT装置において、
    前記被写体のX線吸収率分布において再構成された空間である再構成領域の中で、前記完全撮影領域と前記不完全撮影領域とを除く空間を非撮影領域とし、
    前記逐次再構成処理部は、前記完全撮影領域及び前記不完全撮影領域のみを通過する前記X線を計測して得られた前記スキャノグラム撮影による測定投影データに加え、前記非撮影領域の内部を通過する前記X線を計測して得られた前記スキャノグラム撮影による測定投影データと、前記計算投影データとの差もより小さくなるように、前記対象X線吸収率分布を修正する、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  3. 請求項1に記載のX線CT装置において、
    前記被写体の動きを検出する体動検出部を更に有し、
    前記X線発生部は、前記回転撮影及び前記スキャノグラム撮影において前記被写体の位置が略一致する時点においてのみ、前記X線を発生する、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  4. 請求項1に記載のX線CT装置において、
    前記被写体の動きを検出する体動検出部を更に有し、
    前記逐次再構成処理部は、前記回転撮影による測定投影データ及び前記スキャノグラム撮影による測定投影データから、前記被写体の位置が略一致する時間に相当する前記回転撮影による測定投影データ及び前記スキャノグラム撮影による測定投影データを選択して前記被写体のX線吸収率分布を再構成する、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  5. X線を発生するX線発生部と、
    被写体透過後の前記X線を検出するX線検出部と、
    前記X線発生部及び前記X線検出部を回転させながら、前記被写体の回転撮影による測定投影データを計測する回転計測部と、
    前記X線発生部及び前記X線検出部を回転せずに、前記被写体のスキャノグラム撮影による測定投影データを計測するスキャノグラム計測部と、
    前記被写体の回転撮影による測定投影データに基づいて再構成演算を行い、前記被写体のX線吸収率分布を計算する再構成処理部と、
    前記X線発生部と前記X線検出部とを結ぶ経路上における前記被写体のX線吸収率の積分値を示す計算投影データを算出し、前記回転撮影において前記再構成に必要な全ての回転角度の前記X線が計測される空間を完全撮影領域とし、前記回転撮影において一部の回転角度の前記X線が計測される空間を不完全撮影領域とし、前記完全撮影領域及び不完全撮影領域の内部を通過する前記X線を計測して得られた前記スキャノグラム撮影による測定投影データと、前記計算投影データと、の差がより小さくなるように、前記被写体のX線吸収率分布を修正する画像修正部と、
    を備えることを特徴とするX線CT装置。
  6. 請求項5に記載のX線CT装置において、
    前記再構成処理部は、解析的再構成アルゴリズムを用いて前記被写体のX線吸収率分布を再構成する、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  7. X線を発生するX線発生部と、
    被写体透過後の前記X線を検出するX線検出部と、
    前記X線発生部及び前記X線検出部を回転させながら前記被写体の回転撮影による測定投影データを計測する回転計測部と、
    前記回転撮影による測定投影データに基づき、前記被写体のX線吸収率分布を計算する吸収率分布計算部と、
    前記X線発生部と前記X線検出部を結ぶ経路上に、前記被写体のX線吸収率分布を初期画像として設定し、前記経路上における前記初期画像のX線吸収率の積分値を示す計算投影データを算出し、前記回転撮影による測定投影データと前記計算投影データとの差がより小さくなるように前記初期画像を逐次修正する処理を所定回数繰り返すことにより、前記被写体のX線吸収率分布を再構成する逐次再構成処理部と、を備え、
    前記回転撮影において前記再構成に必要な全ての回転角度の前記X線が計測される空間を完全撮影領域とし、前記回転撮影において一部の回転角度の前記X線が計測される空間を不完全撮影領域とし、前記被写体のX線吸収率分布上に再構成された空間である再構成領域の中で、前記完全撮影領域と前記不完全撮影領域とを除く空間を非撮影領域とし、
    前記回転撮影による測定投影データ、又は前記X線発生部と前記X線検出器とを回転せずに計測して得たスキャノグラム撮影による測定投影データ、若しくは前記初期画像の中で前記完全撮影領域が撮影された完全撮影範囲の画素値、のうちの少なくとも一つを用いて前記初期画像における前記不完全撮影領域が撮影された不完全撮影範囲及び前記非撮影領域が撮影された非撮影範囲に対して修正が行われ、
    前記逐次再構成処理部は前記修正後の初期画像を用いて前記被写体のX線吸収率分布を再構成する、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  8. 請求項7に記載のX線CT装置において、
    前記吸収率分布計算部は、前記回転撮影による測定投影データに対し、前記非撮影領域と、前記不完全撮影領域において一部の回転角度の前記X線が計測されない領域と、のそれぞれの位置から略近傍距離にある前記回転撮影による測定投影データ又は前記スキャノグラム撮影による測定投影データを予め外挿した後に前記被写体のX線吸収率分布を計算する、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  9. 請求項7に記載のX線CT装置において、
    前記吸収率分布計算部は、前記被写体のX線吸収率分布の中の前記不完全撮影範囲と前記非撮影範囲とに対し、前記不完全撮影範囲及び前記非撮影範囲のそれぞれの位置から略近傍距離にある前記完全撮影範囲の画素値を外挿する、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  10. 請求項7に記載のX線CT装置において、
    前記吸収率分布計算部は、前記不完全撮影領域及び前記非撮影領域を通過した前記X線を計測して得られた前記回転撮影による測定投影データに基づき計算される前記被写体のX線吸収率分布の画素値を、前記被写体のX線吸収率分布を近似する関数と、前記回転撮影による測定投影データ又は前記スキャノグラム用の測定データと、に基づき推定する、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  11. 請求項7に記載のX線CT装置において、
    前記逐次再構成処理部は、前記不完全撮影領域及び前記非撮影領域を通過した前記X線を計測して得られた前記回転撮影による測定投影データに基づき計算された前記初期画像に対して、その初期画像から算出された計算投影データの前記X線検出器方向の径と、前記回転撮影による測定投影データの前記X線検出器方向の径又は前記スキャノグラム撮影による測定投影データの前記X線検出器方向の径と、が等しくなるように、前記初期画像を拡大又は縮小する修正を行う、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  12. 請求項7に記載のX線CT装置において、
    前記逐次再構成処理部は、前記不完全撮影領域及び前記非撮影領域を通過した前記X線を計測して得られた前記回転撮影による測定投影データに基づき計算された前記初期画像に対して、その初期画像から算出された計算投影データと、前記回転撮影による測定投影データ又は前記スキャノグラム撮影による測定投影データと、を検出器方向にそれぞれ積分し、前記計算投影データの積分値と前記回転撮影による測定投影データの積分値又は前記スキャノグラム撮影による測定投影データの積分値と、が等しくなるように、前記初期画像の画素値を修正する、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  13. 請求項7に記載のX線CT装置において、
    前記吸収率分布計算部は、前記不完全撮影領域及び前記非撮影領域を通過した前記X線を計測して得られた前記回転撮影による測定投影データに基づき計算された前記X線吸収率分布に対して、そのX線吸収率分布の中の前記完全撮影範囲内で前記被写体が撮影された領域の輪郭領域を抽出し、その輪郭領域に近似関数を適用することにより、前記X線吸収率分布の中の前記不完全撮影範囲及び前記非撮影範囲内の前記被写体の輪郭領域を補間する、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  14. X線CT装置が被写体を回転撮影して得た測定投影データを再構成して得られた前記被写体のX線吸収率分布と、前記X線CT装置に備えられたX線発生部とX線検出器とを回転せずに、前記被写体を撮影して得たスキャノグラム撮影による測定投影データと、を取得するステップと、
    前記X線発生部及び前記X線検出部を結ぶ経路上における前記被写体のX線吸収率の積分値を示す計算投影データを算出するステップと、
    前記回転撮影において前記再構成に必要な全ての回転角度の前記X線が計測される空間を完全撮影領域とし、前記回転撮影において一部の回転角度の前記X線が計測される空間を不完全撮影領域とし、前記完全撮影領域と前記不完全撮影領域とを通過する前記X線を計測して得られた前記スキャノグラム撮影による測定投影データと、前記計算投影データと、の差がより小さくなるように、前記被写体のX線吸収率分布を修正するステップと、
    をコンピュータに実行させることを特徴とする画像修正プログラム。
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