JPWO2010093045A1 - リン酸エステル化合物を含有する油類用添加剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、式(I)[式中、L1、L2およびL3は、同一または異なって、置換基を有していてもよいアルキル、置換基を有していてもよいアリール、式(II)(式中、Qは炭素数1〜6のアルキレン、フェニレンなどを表し、nは0または1を表し、R1、R2およびR3は、同一または異なって、水素原子、ヒドロキシなどを表す)などを表し、L1、L2およびL3のうち少なくとも1つは式(II)を表す]で表されるリン酸エステル化合物を含有する油類用添加剤などを提供する。

Description

本発明は、潤滑油組成物などの油類に用いる油類用添加剤などに関する。
潤滑油組成物は一般に潤滑油基油と種々の添加剤とを含有する。優れた耐摩耗特性を有する潤滑油組成物が求められており、そのために添加剤の開発が行われている。
リン酸トリクレジルなどのリン酸エステル化合物を潤滑油組成物に添加することにより潤滑油組成物の耐摩耗特性が向上することが知られている(特許文献1)。しかし、該リン酸エステルを含有する潤滑油組成物の耐摩耗特性は十分に満足できるものでない。
特許第3142321号明細書
本発明の目的は、潤滑油組成物などの油類に優れた耐摩耗特性などを付与する油類用添加剤などを提供することにある。
本発明は、以下の(1)〜(12)を提供する。
(1)式(I)
[式中、L、LおよびLは、同一または異なって、置換基を有していてもよいアルキル、置換基を有していてもよいシクロアルキル、置換基を有していてもよいアルケニル、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよいアラルキルまたは式(II)
(式中、Qは炭素数1〜6のアルキレン、フェニレンまたはシクロヘキシレンを表し、nは0または1を表し、RおよびRは、同一または異なって、水素原子またはヒドロキシを表すか、RとRとが隣接するC−Cと一緒になって置換基を有していてもよい芳香環または置換基を有していてもよいシクロアルカンを形成し、Rは水素原子またはヒドロキシを表す)を表し、L、LおよびLのうち少なくとも1つは式(II)を表す]で表されるリン酸エステル化合物を含有する油類用添加剤。
(2)Qがエチレンである(1)記載の油類用添加剤。
(3)nが0である(1)または(2)記載の油類用添加剤。
(4)Rが水素原子またはヒドロキシであり、Rが水素原子である(3)記載の油類用添加剤。
(5)RとRとが隣接するC−Cと一緒になってベンゼン環を形成する(3)記載の油類用添加剤。
(6)L、LおよびLが、同一または異なって、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよいアルキルまたは式(II)であり、L、LおよびLのうち少なくとも1つが式(II)である(1)〜(5)のいずれかに記載の油類用添加剤。
(7)(1)〜(6)のいずれかに記載の油類用添加剤と、潤滑油基油とを含有する潤滑油組成物。
(8)潤滑油基油が、鉱物油、ポリ−α−オレフィン、脂肪族エステル、芳香族エステル、ポリアルキレングリコール、リン酸エステル、シリコーン、ケイ酸エステル、ポリフェニルエーテル、アルキルベンゼン、合成ナフテン、ガスツーリキッド(GTL)、フルオロカーボン、イオン液体、植物油および獣油からなる群より選ばれる1種以上である(7)記載の潤滑油組成物。
(9)式(Iaa)
[式中、L1aa、L2aaおよびL3aaは、同一または異なって、置換基を有していてもよいアルキル、置換基を有していてもよいシクロアルキル、置換基を有していてもよいアルケニル、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよいアラルキルまたは式(IIaa)
(式中、R1aaは水素原子またはヒドロキシを表す)を表し、L1aa、L2aaおよびL3aaのうち少なくとも1つは式(IIaa)を表す]で表されるリン酸エステル化合物。
(10)L1aa、L2aaおよびL3aaが、同一または異なって、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよいアルキルまたは式(IIaa)であり、L1aa、L2aaおよびL3aaのうち少なくとも1つが式(IIaa)である(9)記載のリン酸エステル化合物
(11)式(Iab)
[式中、L1ab、L2abおよびL3abは、同一または異なって、置換基を有していてもよい炭素数5〜30のアルキル、置換基を有していてもよいシクロアルキル、置換基を有していてもよいアルケニル、置換基を有していてもよいアリールまたは式(IIab)
を表し、L1ab、L2abおよびL3abのうち少なくとも1つは式(IIab)を表す]で表されるリン酸エステル化合物。
(12)L1ab、L2abおよびL3abが、同一または異なって、置換基を有していてもよいアリールまたは式(IIab)であり、L1ab、L2abおよびL3abのうち少なくとも1つが式(IIab)である(11)記載のリン酸エステル化合物。
本発明によれば、潤滑油組成物などの油類に優れた耐摩耗特性などを付与する油類用添加剤などを提供できる。
以下、式(I)で表される化合物を化合物(I)という。他の式番号の化合物についても同様である。
各基の定義において、アルキルとしては、例えば、直鎖または分岐の炭素数1〜30のアルキルが挙げられ、具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1−メチルペンチル、1−エチルブチル、ヘプチル、1−メチルヘキシル、1−エチルペンチル、オクチル、1−エチルヘキシル、2−エチルヘキシル、1−メチルヘプチル、ノニル、1−メチルオクチル、デシル、1−メチルノニル、1−プロピルヘプチル、ウンデシル、1−メチルデシル、ドデシル、1−メチルウンデシル、2−ブチルオクチル、トリデシル、1−メチルドデシル、イソトリデシル、テトラデシル、2−ブチルデシル、2−ヘキシルオクチル、ヘキサデシル、2−ヘキシルデシル、オクタデシル、2−オクチルデシル、2−ヘキシルドデシル、エイコシル、2−オクチルドデシル、ドコシル、テトラコシル、2−デシルテトラデシル、2−ドデシルヘキサデシル、トリアコンチルなどが挙げられる。
アルケニルとしては、例えば、直鎖または分岐の炭素数2〜30のアルケニルが挙げられ、具体的には、ビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、2−メチルプロペニル、ペンテニル、1−メチル−2−ブテニル、1−エチル−2−プロペニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、ブチルオクテニル、オクチルブテニル、トリデセニル、テトラデセニル、ブチルデセニル、ヘキシルオクテニル、ヘキサデセニル、オクタデセニル、ドデシルヘキセニル、デシルオクテニル、イソオクタデセニル、エイコセニル、オクチルドデセニル、テトラコセニル、デシルテトラデセニル、トリアコンテニル、ドデシルオクタデセニルなどが挙げられる。
アリールとしては、例えば、炭素数6〜14のアリールが挙げられ、具体的には、フェニル、ナフチル、アズレニル、アントリルなどが挙げられる。
シクロアルキルとしては、例えば、炭素数3〜7のシクロアルキルが挙げられ、具体的には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられる。
アラルキルとしては、例えば、炭素数7〜30のアラルキルが挙げられ、具体的には、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、フェニルブチル、フェニルペンチル、フェニルヘキシル、フェニルヘプチル、フェニルオクチル、フェニルノニル、フェニルデシル、フェニルウンデシル、フェニルドデシル、ナフチルメチル、ナフチルエチルなどが挙げられる。
炭素数1〜6のアルキレンとしては、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、ジメチルメチレン、テトラメチレン、エチルエチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレンなどが挙げられる。
フェニレンとしては、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレンが挙げられる。
シクロヘキシレンとしては、1,2−シクロヘキシレン、1,3−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキシレンが挙げられる。
芳香環としては、例えば、炭素数6〜14の芳香族炭化水素環が挙げられ、具体的には、ベンゼン環、ナフタレン環、アズレン環、アントラセン環などが挙げられる。
シクロアルカンとしては、例えば、炭素数3〜7のシクロアルカンが挙げられ、具体的には、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタンなどが挙げられる。
炭素数5〜30のアルキルとしては、例えば、前記アルキルの例示で挙げた基のうち炭素数5〜30のものが例示される。
アルキル、炭素数5〜30のアルキルおよびアルケニルの置換基としては、例えば、同一または異なって1〜3個の置換基、具体的には、ハロゲン原子、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、ニトロ、シアノ、アルキル置換または非置換のアミノ、メルカプト、アルキルチオなどが挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。アルコキシ、アルコキシアルコキシ、アルキル置換のアミノおよびアルキルチオのアルキル部分は前記アルキルと同義である。なお、アルキル置換のアミノが2つのアルキルで置換されたアミノである場合、該2つのアルキルは同一でも異なっていてもよい。アルコキシアルコキシのアルキレン部分は前記アルキルから水素原子を一つ除いたものと同義である。
アリール、シクロアルキル、アラルキル、芳香環およびシクロアルカンの置換基としては、例えば、同一または異なって1〜5個の置換基、具体的には、ハロゲン原子、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、ニトロ、シアノ、アルキル置換または非置換のアミノ、メルカプト、アルキルチオなどが挙げられる。ここで、ハロゲン原子、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、アルキル置換のアミノおよびアルキルチオは、それぞれ前記と同義である。
置換基を有していてもよいアリールは、フェニルまたはアルキル置換のフェニルであるのが好ましい。ここで、アルキルは前記と同義である。
式(I)において、L、LおよびLが、同一または異なって、置換基を有していてもよいアリールまたは式(II)であり、L、LおよびLのうち少なくとも1つが式(II)であるのが好ましい。L、LおよびLのうちの1つが式(II)であり、残りの2つが、同一または異なって置換基を有していてもよいアリールであるもの、もしくはL、LおよびLのうち2つが、同一または異なって式(II)であり、残りの1つが置換基を有していてもよいアリールであるものがより好ましい。
式(II)において、Qがエチレンであるのが好ましく、nが0であるのが好ましい。RおよびRが、同一または異なって、水素原子またはヒドロキシであるのが好ましい。
式(Iaa)において、L1aa、L2aaおよびL3aaが、同一または異なって、置換基を有していてもよいアリールまたは式(IIaa)であり、L1aa、L2aaおよびL3aaのうち少なくとも1つが式(IIaa)であるのが好ましい。L1aa、L2aaおよびL3aaのうちの1つが式(IIaa)であり、残りの2つが、同一または異なって置換基を有していてもよいアリールであるもの、もしくはL1aa、L2aaおよびL3aaのうち2つが、同一または異なって式(IIaa)であり、残りの1つが置換基を有していてもよいアリールであるものがより好ましい。
式(Iab)において、L1ab、L2abおよびL3abが、同一または異なって、置換基を有していてもよいアリールまたは式(IIab)であり、L1ab、L2abおよびL3abのうち少なくとも1つが式(IIab)であるのが好ましい。L1ab、L2abおよびL3abのうちの1つが式(IIab)であり、残りの2つが、同一または異なって置換基を有していてもよいアリールであるもの、もしくはL1ab、L2abおよびL3abのうち2つが、同一または異なって式(IIab)であり、残りの1つが置換基を有していてもよいアリールであるものがより好ましい。
化合物(I)は公知の方法、例えば「新実験化学講座(第12巻)有機金属化学」,丸善株式会社,1976年,p.444−445に記載の方法などに準じて製造することにより得ることができる。以下、化合物(I)の製造方法について、例を挙げて説明する。
化合物(Ib)は、例えば、化合物DとL1b−OHとを反応させる(工程1b)ことにより化合物Eを得、次いで、化合物EとL2b−OHとを反応させる(工程2b)ことにより化合物Fを得、次いで、化合物FとL3b−OHとを反応させる(工程3b)ことにより製造することができる。
(式中、Xは塩素原子または臭素原子を表し、L1bはLと同義であり、L2bはLと同義であり、L3bはLと同義であり、L1b、L2bおよびL3bのうち少なくとも1つは式(II)を表す。但し、L1b、L2bおよびL3bは、それぞれ異なる)
工程2bにおいて、市販品として入手できる化合物Eを使用して化合物Fを製造してもよい。
工程3bにおいて、市販品として入手できる化合物Fを使用して化合物(Ib)を製造してもよい。
化合物(Ibb)は、例えば、化合物DとL1bb−OHとを反応させる(工程1bb)ことにより化合物Gを得、次いで、化合物GとL2bb−OHとを反応させる(工程2bb)により製造することができる。
[式中、Xは前記と同義であり、L1bbはLと同義であり、L2bbはLと同義であり、L1bbおよびL2bbのうち少なくとも1つは式(II)を表す。但し、L1bbおよびL2bbはそれぞれ異なる]
工程2bbにおいて、市販品として入手できる化合物Gを使用して化合物(Ibb)を製造してもよい。
また、化合物(Ibb)は、化合物DとL2bb−OHとを反応させる(工程1bb’)ことにより化合物Hを得、次いで、化合物HとL1bb−OHとを反応させる(工程2bb’)により製造することもできる。
(式中、X、L1bbおよびL2bbはそれぞれ前記と同義である)
工程2bb’において、市販品として入手できる化合物Hを使用して化合物(Ibb)を製造してもよい。
化合物(Ibbb)は、例えば、化合物DとL1bbb−OHとを反応させる(工程1bbb)ことにより製造することができる。
[式中、L1bbbは式(II)を表す]
1b−OHのうちL1bが、置換基を有していてもよいアルキル、置換基を有していてもよいシクロアルキル、置換基を有していてもよいアルケニル、置換基を有していてもよいアリールまたは置換基を有していてもよいアラルキルであるものは、市販品として入手するか、公知の方法、例えば、特開2000−344695号公報、特開2001−89403号公報に記載の方法などに準じて製造することにより得ることができる。ここで、置換基を有していてもよいアルキル、置換基を有していてもよいシクロアルキル、置換基を有していてもよいアルケニル、置換基を有していてもよいアリールおよび置換基を有していてもよいアラルキルは、それぞれ前記と同義である。
1b−OHのうちL1bが式(II)であるもの(化合物C)は、市販品として入手するか、公知の方法、例えば、反応式(1)
(式中、n、R、R、RおよびQは、それぞれ前記と同義である)に従って製造することにより得ることができる(例えば、「The Journal of Organic Chemistry」,1954年,第19巻,p.884に記載)。
化合物Aは、市販品として入手するか、公知の方法、例えば「Journal of the American Chemical Society」,1941年,第63巻,p.1543に記載の方法などに準じて、製造することにより得ることができる。
化合物Bは、市販品として入手するか、例えば特開昭61−43146号公報、「Chemische Berichte」,1897年,第30巻,p.914に記載の方法などに準じて、製造することにより得ることができる。
また、化合物Aを加水分解させて生じるジカルボン酸と、化合物Bとを、例えば、「Tetrahedron Letters」,1990年,第31巻,第34号,p.4950に記載に方法などに準じて反応させることにより化合物Cを得ることもできる。
2b−OH、L3b−OH、L1bb−OHおよびL2bb−OHは、L1b−OHと同様な方法で入手することができる。L1bbb−OHは、L1b−OHのうちL1bが式(II)であるものと同様な方法で入手することができる。
工程1b、2b、3b、1bb、2bb、1bb’、2bb’および1bbbの各工程において、
反応温度は0〜150℃であるのが好ましく、反応時間は0.5〜24時間であるのが好ましい。
1b−OH、L2b−OH、L3b−OH、L1bb−OH、L2bb−OHおよびL1bbb−OHの使用量は、各工程の反応におけるそれらの化学量論量に対して0.8〜1.5倍モルであるのが好ましい。
塩基存在下で反応を行うことが好ましく、塩基としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、キノリンなどの有機塩基、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水素化ナトリウムなどの無機塩基などが挙げられる。塩基の使用量は、反応時に生成するHX(式中、Xは前記と同義である)を中和するのに必要な化学量論量に対して0.8〜1.5倍モルであるのが好ましい。塩基の代わりに塩化アルミニウムを使用してもよい(例えば、「Journal of the American Chemical Society」,1958年,第80巻,p.727に記載の方法など)。
各工程の反応に溶媒を使用してもよい。溶媒の具体例としては、ヘキサン、デカン、テトラデカン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、メトキシベンゼン、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒、ジメチルスルホキシドなどの含硫黄系溶媒などが挙げられる。
各工程の反応終了後、化合物E、F、G、H、(Ib)、(Ibb)または(Ibbb)を、必要に応じて有機合成化学で通常用いられる方法(各種クロマトグラフィー法、再結晶法、蒸留法など)で精製してもよい。
化合物(Iaa)および(Iab)は、化合物(I)の製造方法に準じて製造することができる。
本発明に用いる化合物(I)ならびに本発明の化合物(Iaa)および(Iab)の具体例を以下に示す。
本発明の化合物(I)を含有する油類用添加剤は、化合物(I)の他に、公知の油類用添加剤に用いられる化合物などを含有してもよい。
本発明の化合物(I)を含有する油類用添加剤を潤滑油組成物などに使用することにより、潤滑油組成物などに優れた耐摩耗特性などを付与することができる。また、本発明に用いられる化合物(I)は優れた熱安定性を有する。
本発明の潤滑油組成物は、化合物(I)を含有する油類用添加剤と、潤滑油基油とを含有する。該潤滑油組成物中における化合物(I)の含有量は、潤滑油組成物1kg中0.001〜500ミリモルであるのが好ましく、0.01〜300ミリモルであるのがより好ましく、さらには0.1〜100ミリモルであるのが好ましい。
潤滑油基油としては、例えば、天然基油、合成基油などが挙げられる。
天然基油としては、例えば、鉱物油、植物油、獣油などが挙げられる。
鉱物油としては、例えば、パラフィン基系原油、中間基系原油、ナフテン基系原油などが挙げられる。また、これらを蒸留などにより精製した精製油も使用可能である。
合成基油としては、ポリ−α−オレフィン(ポリブテン、ポリプロピレン、炭素数8〜14のα−オレフィンオリゴマーなど)、脂肪族エステル(脂肪酸モノエステル、多価アルコールの脂肪酸エステル、脂肪族多塩基酸エステルなど)、芳香族エステル(芳香族モノエステル、多価アルコールの芳香族エステル、芳香族多塩基酸エステルなど)、ポリアルキレングリコール、リン酸エステル、シリコーン、ケイ酸エステル、ポリフェニルエーテル、アルキルベンゼン、合成ナフテン、ガスツーリキッド(GTL)、フルオロカーボン、イオン液体などが挙げられる。
本発明に用いられる潤滑油基油は、鉱物油、ポリ−α−オレフィン、脂肪族エステル、芳香族エステル、ポリアルキレングリコール、リン酸エステル、シリコーン、ケイ酸エステル、ポリフェニルエーテル、アルキルベンゼン、合成ナフテン、ガスツーリキッド(GTL)、フルオロカーボン、イオン液体、植物油、および獣油からなる群より選ばれる1種以上であるのが好ましく、脂肪族エステルであるのがより好ましい。
本発明の潤滑油組成物は、化合物(I)を含有する油類用添加剤の他に、任意成分として、清浄分散剤、酸化防止剤、摩耗低減剤(耐摩耗剤、焼付き防止剤、極圧剤など)、摩擦調整剤、油性剤、防錆剤、気相防錆剤、流動点降下剤、粘度指数向上剤、増粘剤、防腐剤、消泡剤、抗乳化剤、染料、香料などの、通常潤滑油添加剤として用いられているものを含有してもよい。これらの添加剤の含有量は、潤滑油組成物中、それぞれ、0.001〜5重量%であるのが好ましい。
本発明の潤滑油組成物は、例えば、エンジン油、ジェットエンジン油、自動変速機油、無段変速機油、ギヤ油、パワーステアリング油、ショックアブソーバ油、タービン油、作動油、冷凍機油、圧延油、軸受油、金属加工用潤滑油、摺動面油、グリース、生体潤滑剤などに使用することができる。
なお、本発明の化合物(I)を含有する油類用添加剤は、潤滑油組成物以外の油類、例えば、燃料油などにも使用できる。
燃料油としては、バイオディーゼル燃料などが挙げられる。化合物(I)を含有する油類用添加剤を燃料油に使用するときの燃料油中の化合物(I)の含有量は、0.00001〜10質量%であるのが好ましく、0.00001〜1質量%であるのがより好ましい。また、上記燃料油は、本発明の化合物(I)を含有する油類用添加剤の他、各種の添加剤を含有してもよい。
本発明の化合物(I)を含有する油類用添加剤は、摺動部材用固体潤滑剤、保護被覆剤などとしても使用できる。ここで、摺動部材としては、プラスチック製歯車、ベアリング、カムなどが挙げられる。該保護被覆剤は、以下に挙げるものなどの表面を保護するためなどに使用できる。(電子写真部品に用いられるクリーニング部材、感熱記録媒体、磁気記録媒体、転写媒体、平版印刷版原版、受像シート、トナー、電子感光体、光ファイバ、光ドロップケーブル、偏光子、内視鏡)
本発明の化合物(Iaa)および(Iab)は、可塑剤、難燃剤、塩素含有樹脂の安定剤などにも使用できる。
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。
製造例、実施例および試験例中の測定データは、以下の測定機器、測定手法により得た。
(1)核磁気共鳴スペクトル(H−NMR;テトラメチルシランを標準物として使用):GSX−400(400MHz)(日本電子社製)
(2)摩耗痕径(耐摩耗特性の評価):シェル式四球摩擦試験機(丸菱エンジニアリング社製)
[溶液Aの調製]
ヨシノックスBHT(エーピーアイコーポレーション社製)0.3重量部と脂肪族エステル(40℃における動粘度:67.9mm 2 /s)99.7重量部とを混合して溶液Aを得た。該脂肪族エステルは、2−エチルヘキサン酸と3,5,5−トリメチルヘキサン酸とペンタエリスリトールとが種々の比で縮合したエステルの混合物であって、該比の平均が2分子:2分子:1分子(2−エチルヘキサン酸:3,5,5−トリメチルヘキサン酸:ペンタエリスリトール)であるものを使用した。
[製造例1]化合物Jの製造
DL−リンゴ酸(ナカライテスク社製)21.0gおよびキシレン100mlを反応器に仕込み、エタノールアミン(東京化成工業社製)10.1gを窒素雰囲気下、15分かけて100℃で滴下し、次いで、反応器内の溶液を5時間還流した。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)により精製して化合物J16.1gを得た(収率64%)。
H−NMR(CDOD,δppm);2.52(dd,1H),3.05(dd,1H),3.61(m,2H),3.68(m,2H),4.58(m,1H)
[製造例2]化合物Kの製造
コハク酸無水物(和光純薬工業社製)51.6g、4−アミノフェノール(東京化成工業社製)56.4gおよび酢酸200mlを混合し、窒素雰囲気下、6時間還流した。反応混合物を室温まで冷却した後、析出した沈殿を濾取し、テトラヒドロフランと水との混合溶媒で再結晶し、乾燥して化合物K32.4gを得た(収率73%)。
H−NMR(DMSO−d,δppm);1.82(s,4H),5.90−5.94(m,2H),6.09−6.13(m,2H),8.79(br,1H)
[製造例3]化合物Lの製造
フタル酸無水物(和光純薬工業社製)24.5g、4−アミノフェノール(東京化成工業社製)15.1gおよび酢酸100mlを混合し、窒素雰囲気下、4時間還流した。反応混合物を室温まで冷却した後、析出した沈殿を濾取し、水100mlで2回洗浄し、乾燥して化合物L32.4gを得た(収率98%)。
H−NMR(Acetone−d,δppm);6.96(m,2H),7.30(m,2H),7.92(m,4H),8.68(br,1H)
[実施例1]
N−(2−ヒドロキシエチル)スクシンイミド(アルドリッチ社製)5.4g、ピリジン3.3gおよびトルエン50mlを反応器に仕込み、クロロリン酸ジフェニル(東京化成工業社製)10.2gとトルエン10mlとの混合物を、内温を40℃以下に保持しながら30分かけて滴下し、次いで、反応器内の溶液を3時間還流した。反応混合物に水40mlを加え、混合物を室温で10分間攪拌した後分液して有機層および水層を得、次いで、該水層をトルエン100mlで2回抽出した。得られた有機層を合わせて硫酸マグネシウムで脱水して濾過し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製して化合物(I−1)7.4gを得た(収率52%)。
H−NMR(CDCl,δppm);2.61(s,4H),3.86(t,2H),4.43(m,2H),7.18−7.21(m,6H),7.35(t,4H)
溶液Aに化合物(I−1)を13.6mmol/kgとなるように加え、潤滑油組成物(1)を得た。
[実施例2]
N−(2−ヒドロキシエチル)スクシンイミド(アルドリッチ社製)9.6g、ピリジン5.8gおよびトルエン50mlを反応器に仕込み、ジクロロリン酸フェニル(東京化成工業社製)7.1gとトルエン10mlとの混合物を、内温を40℃以下に保持しながら30分かけて滴下し、次いで、反応器内の溶液を4時間還流した。反応混合物を濃縮し、残渣にクロロホルム200mlを加え、混合物を攪拌し、濾過し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)により精製して化合物(I−2)2.9gを得た(収率20%)。
H−NMR(CDCl,δppm);2.68(s,8H),3.81(t,4H),4.29(m,4H),7.14?7.20(m,3H),7.34(t,2H)
溶液Aに化合物(I−2)を13.6mmol/kgとなるように加え、潤滑油組成物(2)を得た。
[実施例3]
N−(2−ヒドロキシエチル)スクシンイミド(アルドリッチ社製)21.2g、ピリジン13.0gおよびトルエン150mlを反応器に仕込み、オキシ塩化リン(東京化成工業社製)7.6gとトルエン10mlとの混合物を、内温を40℃以下に保持しながら30分かけて滴下し、次いで、反応器内の溶液を5時間還流した。反応混合物を濃縮し、残渣にクロロホルム200mlを加え、混合物を攪拌し、濾過し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)により精製して化合物(I−3)6.2gを得た(収率26%)。
H−NMR(CDCl,δppm);2.68(s,12H),3.68(t,6H),4.07(m,6H)
[実施例4]
N−(2−ヒドロキシエチル)フタルイミド(東京化成工業社製)7.2g、ピリジン3.3gおよびトルエン50mlを反応器に仕込み、クロロリン酸ジフェニル(東京化成工業社製)10.1gとトルエン10mlとの混合物を、内温を40℃以下に保持しながら30分かけて滴下し、次いで、反応器内の溶液を4時間還流した。反応混合物に水40mlを加え、混合物を室温で10分間攪拌した後分液して有機層および水層を得、次いで、該水層をトルエン100mlで2回抽出した。得られた有機層を合わせて硫酸マグネシウムで脱水して濾過し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製して化合物(I−4)13.3gを得た(収率84%)。
H−NMR(CDCl,δppm);4.01(t,2H),4.49(m,2H),7.08−7.15(m,6H),7.22−7.26(m,4H),7.68−7.71(m,2H),7.80−7.84(m,2H)
溶液Aに化合物(I−4)を13.6mmol/kgとなるように加え、潤滑油組成物(4)を得た。
[実施例5]
N−(2−ヒドロキシエチル)フタルイミド(東京化成工業社製)12.9g、ピリジン5.9gおよびトルエン50mlを反応器に仕込み、ジクロロリン酸フェニル(東京化成工業社製)7.1gとトルエン10mlとの混合物を、内温を40℃以下に保持しながら30分かけて滴下し、次いで、反応器内の溶液を4時間還流した。反応混合物に水50mlを加え、混合物を室温で10分間攪拌した後分液して有機層および水層を得、次いで、該水層をトルエン50mlで3回抽出した。得られた有機層を合わせて硫酸マグネシウムで脱水して濾過し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製して化合物(I−5)5.2gを得た(収率30%)。
H−NMR(CDCl,δppm);3.98(t,4H),4.36(m,4H),6.97−7.03(m,3H),7.13(t,2H),7.69−7.71(m,4H),7.78−7.80(m,4H)
溶液Aに化合物(I−5)を13.6mmol/kgとなるように加え、潤滑油組成物(5)を得た。
[実施例6]
N−(2−ヒドロキシエチル)フタルイミド(東京化成工業社製)14.6g、ピリジン6.6gおよびトルエン200mlを反応器に仕込み、オキシ塩化リン(東京化成工業社製)3.9gとトルエン10mlとの混合物を、内温を40℃以下に保持しながら30分かけて滴下し、次いで、反応器内の溶液を5時間還流した。反応混合物に水50mlを加え、混合物を室温で10分間攪拌した後分液して有機層および水層を得、次いで、該水層をトルエン50mlで3回抽出した。得られた有機層を合わせて硫酸マグネシウムで脱水して濾過し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)により精製して化合物(I−6)4.2gを得た(収率27%)。
H−NMR(CDCl,δppm);3.92(t,6H),4.22(m,6H),7.70−7.73(m,6H),7.79−7.82(m,6H)
[実施例7]
化合物J8.00g、ピリジン4.4gおよびテトラヒドロフラン70mlを反応器に仕込み、クロロリン酸ジフェニル(東京化成工業社製)14.2gとテトラヒドロフラン10mlとの混合物を、内温を40℃以下に保持しながら30分かけて滴下し、次いで、反応器内の溶液を5時間還流した。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製して化合物(I−7)11.9gを得た(収率60%)。
H−NMR(CDCl,δppm);2.52―2.58(m,1H),2.93−2.99(m,2H),3.79−3.93(m,2H),4.37−4.51(m,3H),7.15−7.22(m,6H),7.35(t,4H)
溶液Aに化合物(I−7)を13.6mmol/kgとなるように加え、潤滑油組成物(7)を得た。
[実施例8]
化合物K25.0g、N,N−ジメチルアミノピリジン20.8gおよびトルエン200mlを反応器に仕込み、クロロリン酸ジフェニル(東京化成工業社製)42.7gとトルエン40mlとの混合物を、内温を40℃以下に保持しながら40分かけて滴下した。次いで、内温を2時間かけて110℃まで上げ、次いで、常圧下トルエンを留去し、次いで、反応器内の溶液を120℃で3時間攪拌した。反応混合物にクロロホルム150mlを加え、混合物を0.5mol/lの塩酸100mlで2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100mlで1回、飽和塩化ナトリウム水溶液100mlで2回、純水100mlで1回、順次洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製して化合物(I−8)44.8gを得た(収率81%)。
H−NMR(CDCl,δppm);2.88(s,4H),7.20−7.26(m,6H),7.29−7.38(m,8H)
溶液Aに化合物(I−8)を13.6mmol/kgとなるように加え、潤滑油組成物(8)を得た。
[実施例9]
化合物K1.88g、ピリジン900mgおよびトルエン15mlを反応器に仕込み、クロロリン酸ジクレジル(アルドリッチ社製)2.91gとトルエン5mlとの混合物を、内温を40℃以下に保持しながら5分かけて滴下した。次いで、内温を2時間かけて110℃まで上げ、次いで、反応器内の溶液にN,N−ジアミノピリジン1.05gを加え、次いで、大気圧下トルエンを留去し、次いで、反応器内の溶液を110℃で3時間攪拌した。反応混合物にクロロホルム20mlおよび水10mlを加え、混合物を室温で10分間攪拌した後分液して有機層および水層を得、次いで、該水層をクロロホルム10mlで2回抽出した。得られた有機層を合わせて硫酸マグネシウムで脱水して濾過し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製して化合物(I−9)1.29gを得た(収率29%)。
H−NMR(CDCl,δppm);2.32(s,6H),2.88(s,4H),7.10−7.15(m,8H),7.28−7.35(m,4H)
溶液Aに化合物(I−9)を13.6mmol/kgとなるように加え、潤滑油組成物(9)を得た。
[実施例10]
化合物L11.0g、ピリジン4.0gおよびトルエン100mlを反応器に仕込み、クロロリン酸ジフェニル(東京化成工業社製)12.4gとトルエン10mlとの混合物を、内温を40℃以下に保持しながら40分かけて滴下した。次いで、内温を2時間かけて110℃まで上げ、次いで、大気圧下トルエンを留去し、次いで、反応器内の溶液を130〜160℃で23時間攪拌した。反応混合物にクロロホルム200mlを加え、混合物を水100mlで3回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して濾過し、濾液を濃縮した。残渣をテトラヒドロフランとエタノールとの混合溶媒で再結晶し、乾燥して化合物(I−10)17.5gを得た(収率81%)。
H−NMR(CDCl,δppm);7.21−7.27(m,6H),7.37(t,6H),7.43−7.47(m,2H),7.77−7.81(m,2H),7.93−7.97(m,2H)
[比較例1]
化合物(I−1)の代わりにリン酸トリクレジル(TCP;東京化成工業社製)を用いる以外は実施例1と同様に操作を行って、TCPを含有する潤滑油組成物を得た。
[試験例1]摩耗痕径の測定(耐摩耗特性の評価)
潤滑油組成物(1)、(2)、(4)、(5)、(7)、(8)、(9)および比較例1で得た潤滑油組成物の摩擦痕径を、シェル式四球摩擦試験機(丸菱エンジニアリング社製)を用いて測定した。荷重20kgf、回転数600rpm、時間60分、温度40℃、試験材[試験球(SUJ−2)]の条件で試験を行い、試験後の摩耗痕径を測定した。摩耗痕径は3つの固定球の垂直方向、水平方向全ての平均値とした。結果を表1に示す。
表1において、摩耗痕径の値が小さいもの程、潤滑油組成物の耐摩耗特性が優れていることを表す。
表1から、潤滑油組成物(1)、(2)、(4)、(5)、(7)、(8)および(9)は、比較例1で得た潤滑油組成物に比べて優れた耐摩耗特性を有することが分かる。
本発明により、潤滑油組成物などの油類に優れた耐摩耗特性などを付与する油類用添加剤などを提供できる。

Claims (12)

  1. 式(I)
    [式中、L、L、およびLは、同一または異なって、置換基を有していてもよいアルキル、置換基を有していてもよいシクロアルキル、置換基を有していてもよいアルケニル、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよいアラルキルまたは式(II)
    (式中、Qは炭素数1〜6のアルキレン、フェニレンまたはシクロヘキシレンを表し、nは0または1を表し、RおよびRは、同一または異なって、水素原子またはヒドロキシを表すか、RとRとが隣接するC−Cと一緒になって置換基を有していてもよい芳香環または置換基を有していてもよいシクロアルカンを形成し、Rは水素原子またはヒドロキシを表す)を表し、L、L、およびLのうち少なくとも1つは式(II)を表す]で表されるリン酸エステル化合物を含有する油類用添加剤。
  2. Qがエチレンである請求項1記載の油類用添加剤。
  3. nが0である請求項1または2記載の油類用添加剤。
  4. が水素原子またはヒドロキシであり、Rが水素原子である請求項3記載の油類用添加剤。
  5. とRとが隣接するC−Cと一緒になってベンゼン環を形成する請求項3記載の油類用添加剤。
  6. 、LおよびLが、同一または異なって、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよいアルキルまたは式(II)であり、L、LおよびLのうち少なくとも1つが式(II)である請求項1〜5のいずれかに記載の油類用添加剤。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の油類用添加剤と、潤滑油基油とを含有する潤滑油組成物。
  8. 潤滑油基油が、鉱物油、ポリ−α−オレフィン、脂肪族エステル、芳香族エステル、ポリアルキレングリコール、リン酸エステル、シリコーン、ケイ酸エステル、ポリフェニルエーテル、アルキルベンゼン、合成ナフテン、ガスツーリキッド(GTL)、フルオロカーボン、イオン液体、植物油、および獣油からなる群より選ばれる1種以上である請求項7記載の潤滑油組成物。
  9. 式(Iaa)
    [式中、L1aa、L2aaおよびL3aaは、同一または異なって、置換基を有していてもよいアルキル、置換基を有していてもよいシクロアルキル、置換基を有していてもよいアルケニル、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよいアラルキルまたは式(IIaa)
    (式中、R1aaは水素原子またはヒドロキシを表す)を表し、L1aa、L2aaおよびL3aaのうち少なくとも1つは式(IIaa)を表す]で表されるリン酸エステル化合物。
  10. 1aa、L2aaおよびL3aaが、同一または異なって、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよいアルキルまたは式(IIaa)であり、L1aa、L2aaおよびL3aaのうち少なくとも1つが式(IIaa)である請求項9記載のリン酸エステル化合物。
  11. 式(Iab)
    [式中、L1ab、L2abおよびL3abは、同一または異なって、置換基を有していてもよい炭素数5〜30のアルキル、置換基を有していてもよいシクロアルキル、置換基を有していてもよいアルケニル、置換基を有していてもよいアリールまたは式(IIab)
    を表し、L1ab、L2abおよびL3abのうち少なくとも1つは式(IIab)を表す]で表されるリン酸エステル化合物。
  12. 1ab、L2abおよびL3abが、同一または異なって、置換基を有していてもよいアリールまたは式(IIab)であり、L1ab、L2abおよびL3abのうち少なくとも1つが式(IIab)である請求項11記載のリン酸エステル化合物。
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