JPWO2010089798A1 - Ms/ms型質量分析装置 - Google Patents

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Abstract

コリジョンセル(14)にCIDガスを導入し、第3段四重極(17)では実質的な質量分離を行わないように印加電圧を設定した状態で、第1段四重極(13)で所定範囲の質量走査を行いつつ質量電荷比が既知である標準試料の質量分析を実行する。第1段四重極(13)で選別されたプリカーサイオン由来の各種のプロダクトイオンは分離されずに検出器(18)に到達して検出されるから、データ処理部(25)は検出データに基づいて、コリジョンセル(14)での時間遅延を反映した、第1段四重極(13)への印加電圧と得られるイオンの質量電荷比との関係を取得することができる。この関係を較正データ記憶部(26)に格納しておき、ニュートラルロススキャン測定などの際に利用することで、コリジョンセル(14)での時間遅延による質量ずれを解消して、全ての質量範囲に亘りプロダクトイオンを高感度で検出できる。また、高い精度の質量軸を持つマススペクトルを作成することができる。

Description

本発明は、特定の質量電荷比(m/z)を有するイオンを衝突誘起解離(CID=Collision-Induced Dissociation)により開裂させ、これにより生成されるプロダクトイオン(フラグメントイオン)の質量分析を行うMS/MS型質量分析装置に関する。
分子量が大きな物質の同定やその構造の解析を行うために、質量分析の1つの手法として、MS/MS分析(タンデム分析とも呼ばれる)という手法が知られている。典型的なMS/MS型質量分析装置として三連四重極(TQ)型質量分析装置がある。図6は特許文献1、2などに開示されている、一般的な三連四重極型質量分析装置の概略構成図である。
この質量分析装置は、図示しない真空ポンプにより真空排気される分析室11の内部に、分析対象である試料をイオン化するイオン源12と、それぞれ四本のロッド電極から成る三段の四重極13、15、17と、イオンを検出してイオン量に応じた検出信号を出力する検出器18と、をほぼ一直線上に備える。第1段四重極(Q1)13には、直流電圧と高周波電圧とを合成した電圧が印加され、これにより発生する四重極電場の作用により、イオン源12で生成された各種イオンの中で特定の質量電荷比を有する目的イオンのみがプリカーサイオンとして選別される。第1段四重極13に印加する直流電圧及び高周波電圧を所定の関係を保ちつつ適宜変化させることで、第1段四重極13を通過するイオンの質量電荷比を走査することができる。
第2段四重極(Q2)15は高い密閉性を有するコリジョンセル14の内部に収納されている。コリジョンセル14内にはアルゴン(Ar)ガスなどのCIDガスが導入される。第1段四重極13から第2段四重極15に送られたプリカーサイオンは、コリジョンセル14内でCIDガスと衝突し、衝突誘起解離による開裂を生じてプロダクトイオンが生成される。この開裂の態様は様々であり、通常、一種類のプリカーサイオンから質量電荷比の異なる複数種類のプロダクトイオンが生成される。これら各種のプロダクトイオンがコリジョンセル14を出て第3段四重極(Q3)17に導入される。通常、第2段四重極15には、高周波電圧のみが印加されるか又は高周波電圧に直流バイアス電圧を加算した電圧が印加され、イオンを収束させつつ後段に輸送するイオンガイドとして機能する。
第3段四重極17には第1段四重極13と同様に、直流電圧と高周波電圧とを合成した電圧が印加される。これにより発生する四重極電場の作用により、第3段四重極17では特定の質量電荷比を有するプロダクトイオンのみが選別されて検出器18に到達する。第3段四重極17に印加する直流電圧及び高周波電圧を所定の関係を保ちつつ適宜変化させることで、第3段四重極17を通過するイオンの質量電荷比を走査することができる。このときに検出器18で得られる検出信号に基づいて、図示しないデータ処理部は、目的イオンの開裂により生じたプロダクトイオンのマススペクトルを作成する。
特許文献2に記載のように上記質量分析装置では、ニュートラルロススキャン測定、プリカーサイオンスキャン測定などのMS/MS分析が可能である。図7はそれら測定時における第1段四重極13と第3段四重極17の質量電荷比の変化を示す模式図である。図7(a)に示すように、ニュートラルロススキャン測定では、第1段四重極13を通過するイオンの質量電荷比と第3段四重極17を通過するイオンの質量電荷比との質量差(ニュートラルロス)ΔMを一定に保った状態で質量走査が行われる。一方、図7(b)に示すように、プリカーサイオンスキャン測定では、第3段四重極17を通過するイオンの質量電荷比を或る値に固定し、第1段四重極13を通過するイオンの質量電荷比が走査される。
また、MS/MS型質量分析装置では、予め設定された条件に適合したプリカーサイオンを自動的に見つけてMS/MS分析を実行する、いわゆるオートMS/MS分析と呼ばれる測定法も用いられている。即ち、コリジョンセル14内での開裂操作や第3段四重極17での質量分離を伴わない通常の質量分析を実行してマススペクトルを取得した後に直ぐに、そのマススペクトル中に現れているピークに対し所定条件に適合したピークを自動的に見つけるデータ処理を実行し、選別されたピークの質量電荷比をプリカーサイオンに設定してMS/MS分析を実行してプロダクトイオンのマススペクトルを作成するものである。
三連四重極型質量分析装置では、上述したような開裂操作を伴った様々なMS/MS分析が可能であるが、イオンが真空雰囲気中を飛行する途中でコリジョンセル14内で開裂を生じさせるため、次のような問題がある。
即ち、コリジョンセル14内にはほぼ連続的にCIDガスが供給されるため、コリジョンセル14内のガス圧は数百[mPa]程度と、分析室11内であってコリジョンセル14の外側のガス圧と比較して高い状態にある。このように比較的高いガス圧雰囲気である高周波電場中をイオンが進行する場合、ガスとの衝突によりイオンの運動エネルギーが減衰しその飛行速度は低下する。そのため、コリジョンセル14をイオンが通過する際の時間遅延が大きい。
ニュートラルロススキャン測定では第1段四重極13と第3段四重極17とを連動させて質量走査するが、その両者の間にあるコリジョンセル14においてイオンの時間遅延が大きいと、第3段四重極17で実際に分析されるイオンの質量電荷比と質量分析したい所望の質量電荷比との間にずれが生じる。そのため、ニュートラルロスの質量電荷比がユーザの意図した値からずれてしまい、分析感度が低下することがある。オートMS/MS分析を行う場合にも、一回目の質量分析により選別したプリカーサイオンの質量電荷比がずれるために、上記と同様に感度低下が生じるおそれがある。
また、いずれの測定においても、コリジョンセル14内でのイオンの時間遅延がマススペクトルには反映されないため、マススペクトルの質量軸のずれが大きくなり、これに基づいた定量や定性に支障をきたすおそれがある。
コリジョンセル14内でのイオンの時間遅延の影響を軽減するには、質量走査を行う際の走査速度を落とす必要があるが、そうすると繰り返し測定の時間間隔が拡がってLC/MSやGC/MSでは成分の見逃しの可能性が高くなる。最近では、LINAC(商標)やT−Wave(商標)と名付けられた高速のコリジョンセルの開発により、イオンの遅延は従来よりも短縮されつつある(非特許文献1、2参照)。しかしながら、そうしたコリジョンセルを使用した場合でも、イオンがコリジョンセルを通過するのに数msecの時間が掛かるため、1000[u/sec]程度の質量走査速度としたときの感度低下や質量ずれは避けられない。
特開平7−201304号公報 特許第3404849号公報 「API4000TM LC/MS/MSシステム」、[online]、アプライドバイオシステムズジャパン株式会社、[平成21年2月2日検索]、インターネット<URL : http://www.appliedbiosystems.co.jp/website/jp/product/modelpage.jsp?MODELCD=253&MODELPGCD=22242> 「タンデム四重極型UPLC/MS検出器ACQUITYTM TQD」、[online]、日本ウォーターズ株式会社 、[平成21年2月2日検索]、インターネット<URL : http://www.waters.co.jp/company/information/>
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、ニュートラルロススキャンやプリカーサイオンスキャン、或いは、オートMS/MSなどにおいて、質量ずれや感度低下を防止することができるMS/MS型質量分析装置を提供することにある。
上記課題を解決するために成された第1発明は、各種イオンの中で特定の質量電荷比を有するイオンをプリカーサイオンとして選別する第1質量分離部と、前記プリカーサイオンを衝突誘起解離ガスと衝突させて開裂させるコリジョンセルと、その開裂により生成した各種プロダクトイオンの中で特定の質量電荷比を有するイオンを選別する第2質量分離部と、を具備するMS/MS型質量分析装置において、
a)前記コリジョンセル内に衝突誘起解離ガスを導入し、且つ前記第2質量分離部で実質的な質量分離を行わない状態の下で、前記第1質量分離部で質量走査を行って質量電荷比が既知である試料を分析することにより質量分析データを収集する較正用分析実行手段と、
b)前記較正用分析実行手段により収集された質量分析データに基づいて、前記コリジョンセル内でのイオンの時間遅延が反映された前記第1質量分離部の質量較正情報を作成して記憶しておく較正情報記憶手段と、
c)少なくともニュートラルロススキャン又はプリカーサイオンスキャンを行う際に、前記較正情報記憶手段に記憶されている質量較正情報を用いて前記第1質量分離部の質量走査を制御して目的試料に対する質量分析データを収集する実分析実行手段と、
を備えることを特徴としている。
一般にMS/MS型質量分析装置で質量較正情報を取得する場合、コリジョンセルに衝突誘起解離ガスを導入しない状態で質量電荷比が既知である標準試料を質量分析する。これに対し、第1発明に係るMS/MS型質量分析装置では、通常のMS/MS分析時と同様にコリジョンセルに衝突誘起解離ガスを導入してイオンを開裂させる状態で標準試料を質量分析する。このとき、第1質量分離部で選別された特定の質量電荷比を有するイオンはコリジョンセルで開裂されるが、それにより生成されたプロダクトイオンは質量分離されずに、つまりパケット状のまま検出器に到達する。
イオンが第1質量分離部や第2質量分離部を通過するのに要する時間は、衝突誘起解離ガスの導入によりガスが高いコリジョンセル内を通過するのに要する時間に比べれば十分に小さい。したがって、上記較正用分析実行手段により収集された質量分析データには、コリジョンセル内に導入された衝突誘起解離ガスに起因する時間遅延が反映されているとみることができる。そこで較正情報記憶手段は、上記質量分析データにより、コリジョンセル内でのイオンの時間遅延が反映された質量較正情報を作成して記憶しておく。
実分析実行手段は例えばニュートラルロススキャンやプリカーサイオンスキャンなど第1質量分離部での質量走査とコリジョンセルでの開裂操作とを伴う測定を実行する際に、較正情報記憶手段に記憶されている質量較正情報を用いて、第1質量分離部の質量走査を制御する。これにより、コリジョンセルでのイオンの時間遅延に起因する質量ずれの影響が第1質量分離部の質量走査の際に補正されるため、例えばニュートラルロススキャン測定の際にニュートラルロスの質量電荷比がユーザの意図する通りとなり、目的とするイオンを高い感度で検出することができる。また、マススペクトルの質量軸のずれも解消される。
なお、コリジョンセル内を通過する際のイオンの時間遅延は、コリジョンセル内の衝突誘起解離ガス圧、コリジョンエネルギー、第1質量分離部における質量走査の走査速度、などに依存する。そこで、より好ましくは、本発明に係るMS/MS型質量分析装置において、前記較正用分析実行手段は、コリジョンセル内の衝突誘起解離ガス圧、コリジョンエネルギー、又は、第1質量分離部における質量走査の走査速度、の少なくともいずれか1つの条件を複数に変化させつつ、それぞれの条件の下での質量分析データを収集し、前記較正情報記憶手段は、異なる条件に対する質量較正情報をそれぞれ作成・記憶する構成とするとよい。
また上記課題を解決するために成された第2発明は、各種イオンの中で特定の質量電荷比を有するイオンをプリカーサイオンとして選別する第1質量分離部と、前記プリカーサイオンを衝突誘起解離ガスと衝突させて開裂させるコリジョンセルと、その開裂により生成した各種プロダクトイオンの中で特定の質量電荷比を有するイオンを選別する第2質量分離部と、を具備するMS/MS型質量分析装置において、
a)ニュートラルロススキャン測定における第1質量分離部と第2質量分離部との質量電荷比差又はこれを特定可能な情報をユーザが入力するための入力手段と、
b)前記入力手段により入力された質量電荷比差又は前記情報に基づいて算出される質量電荷比差に対し、予め決められた値を加算して質量電荷比差を修正する修正手段と、
c)修正された質量電荷比差に基づいてニュートラルロススキャン測定を行うように第1質量分離部と第2質量分離部とで質量走査を行うべく制御する測定実行手段と、
を備えることを特徴としている。
ニュートラルロススキャン測定において、上述したようにコリジョンセルでのイオンの時間遅延が大きいと、目的とするプリカーサイオン由来のプロダクトイオンは意図したよりも遅れて第2質量分離部に到達する。そのため、第1質量分離部の質量電荷比と第2段質量分離部の質量電荷比との差は実質的に小さくなる。そこで、第2発明に係るMS/MS型質量分析装置において、修正手段は、ユーザにより指定されたニュートラルロスの質量電荷比を、コリジョンセルでのイオンの時間遅延に相当する分だけ大きな質量電荷比に修正する。この質量電荷比の上乗せ分の値は、例えば予め装置の製造メーカが実験的に求めた値に基づいて決めておくことができる。もちろん、ユーザ側において標準試料などを測定して上記質量電荷比の上乗せ分の値を取得する機能を付加してもよい。
第2発明に係るMS/MS型質量分析装置においてより高い精度で質量ずれを補正するために、好ましくは、コリジョンセル内の衝突誘起解離ガス圧、コリジョンエネルギー、又は、前記第1質量分離部における質量走査速度の少なくともいずれか1つを複数に変化させたときの前記質量電荷比差の修正の加算情報をそれぞれ保持する記憶手段をさらに備え、前記修正手段は、前記記憶手段に記憶されている加算情報を用いて質量電荷比差を修正する構成とするとよい。
上記第2発明では、コリジョンセル内でのイオンの時間遅延に相当する質量電荷比の分だけニュートラルロスの質量電荷比を上乗せしていたが、その時間遅延に相当する時間だけ第2質量分離部での質量走査の開始時点を遅らせても作用・効果は第2発明とほぼ同じである。
即ち、上記課題を解決するために成された第3発明は、各種イオンの中で特定の質量電荷比を有するイオンをプリカーサイオンとして選別する第1質量分離部と、前記プリカーサイオンを衝突誘起解離ガスと衝突させて開裂させるコリジョンセルと、その開裂により生成した各種プロダクトイオンの中で特定の質量電荷比を有するイオンを選別する第2質量分離部と、を具備するMS/MS型質量分析装置において、
a)ニュートラルロススキャン測定における第1質量分離部と第2質量分離部との質量電荷比差又はこれを特定可能な情報をユーザが入力するための入力手段と、
b)前記入力手段により入力された質量電荷比差又は前記情報に基づいて算出される質量電荷比差に基づいてニュートラルロススキャン測定を行うように前記第1質量分離部と前記第2質量分離部とで質量走査を行う際に、第1質量分離部の質量走査の開始時点から予め決められた時間だけ遅延させて第2質量分離部の質量走査を開始させる測定実行手段と、
を備えることを特徴としている。
もちろん、この第3発明に係るMS/MS型質量分析装置においても、より高い精度で質量ずれを補正するために、好ましくは、コリジョンセル内の衝突誘起解離ガス圧、コリジョンエネルギー、又は、前記第1質量分離部における質量走査速度の少なくともいずれか1つを複数に変化させたときの、第2質量分離部の質量走査開始時点を遅延させる時間情報をそれぞれ保持する記憶手段をさらに備え、前記測定実行手段は、前記記憶手段に記憶されている時間情報を用いて前記第1質量分離部の質量走査の開始時点から予め決められた時間だけ遅延させて前記第2質量分離部の質量走査を開始させる構成とするとよい。
第1乃至第3発明に係るMS/MS型質量分析装置によれば、ニュートラルロススキャン測定やプリカーサイオンスキャン測定において、コリジョンセル内をイオンが通過する際に生じた時間遅延の影響を軽減し、質量走査範囲全体に亘り、プロダクトイオンの検出感度を向上させることができるとともに、その際に作成されるマススペクトルの質量軸の精度を向上させることができる。また、オートMS/MS分析の際にも、目的イオン由来のプロダクトイオンの検出感度を向上させることができるとともに、その際に作成されるマススペクトルの質量軸の精度を向上させることができる。
本発明の一実施例(第1実施例)による三連四重極型質量分析装置の概略構成図。 第1実施例の三連四重極型質量分析装置における特徴的な動作を説明するための模式図。 本発明の別の実施例(第2実施例)による三連四重極型質量分析装置の概略構成図。 第2実施例の三連四重極型質量分析装置における特徴的な動作を説明するための模式図。 本発明のさらに別の実施例(第3実施例)による三連四重極型質量分析装置おける特徴的な動作を説明するための模式図。 従来一般的な三連四重極型質量分析装置の概略構成図。 ニュートラルロススキャン測定及びプリカーサイオンスキャン測定の第1段四重極と第3段四重極の質量電荷比の変化を示す模式図。
符号の説明
10…試料導入部
11…分析室
12…イオン源
13…第1段四重極(Q1)
14…コリジョンセル
15…第2段四重極(Q2)
16…ガスバルブ
17…第3段四重極(Q3)
18…検出器
21…Q1電源部
22…Q2電源部
23…Q3電源部
24…制御部
25…データ処理部
26…較正データ記憶部
27…入力部
28…質量走査補正データ記憶部
[第1実施例]
以下、本発明の一実施例(第1実施例)である三連四重極型質量分析装置について、添付図面を参照して説明する。図1は第1実施例の三連四重極型質量分析装置の概略構成図、図2は本実施例の三連四重極型質量分析装置における特徴的な動作を説明するための模式図である。
本実施例の三連四重極型質量分析装置では、従来と同様に、第1段四重極(本発明における第1質量分離部に相当)13と第3段四重極(本発明における第2質量分離部に相当)17との間に、プリカーサイオンを開裂させて各種プロダクトイオンを生成するためのコリジョンセル14が配置されている。
第1段四重極13にはQ1電源部21から、直流電圧U1と高周波電圧V1・cosωtとを合成した電圧±(U1+V1・cosωt)、或いはこれにさらに所定の直流バイアス電圧Vbias1を加算した電圧±(U1+V1・cosωt)+Vbias1が印加される。第2段四重極15にはQ2電源部22から、高周波電圧±V2・cosωtのみ、或いはこれに所定の直流バイアス電圧Vbias2を加算した電圧±V2・cosωt+Vbias2が印加される。第3段四重極17にはQ3電源部23から、直流電圧U3と高周波電圧V3・cosωtとを合成した電圧±(U3+V3・cosωt)、或いはこれにさらに所定の直流バイアス電圧Vbias3を加算した電圧±(U3+V3・cosωt)+Vbias3が印加される。これらQ1電源部21〜Q3電源部23は、制御部24の制御の下に動作する。
検出器18により得られる検出データはデータ処理部25に入力され、データ処理部25はマススペクトルを作成し、マススペクトルに基づいて定量分析や定性分析を実行する。データ処理部25には較正データ記憶部26が接続されており、後述するような測定及びデータ処理により算出された質量較正データが較正データ記憶部26に格納され、制御部24はこの較正データ記憶部26に格納されている質量較正データを利用して測定のための制御を実行する。
本実施例の三連四重極型質量分析装置における特徴的な動作を図2により説明する。この質量分析装置では、目的試料を分析するに先立ち、質量較正データを取得して較正データ記憶部26に保存しておく必要がある。そのために、制御部24は次のようにして質量較正用測定を実行する。
即ち、制御部24は質量較正用測定の開始の指示を受けると、質量電荷比が既知である標準試料を選択的にイオン源12に導入するように試料導入部10を制御し、コリジョンセル14内のCIDガス圧が所定圧になるようにガスバルブ16を開放してコリジョンセル14内に所定流量でもってCIDガスを導入する。また、第3段四重極17においては実質的な質量分離が実行されずイオンの収束のみが行われるようにするべく、高周波電圧のみが第3段四重極17に印加されるようにQ3電源部23を制御する。但し、コリジョンセル14内で開裂により生じたプロダクトイオンが質量分離されない程度に低い質量分解能となるように、直流電圧U3と高周波電圧振幅V3とを適宜に設定した合成電圧を第3段四重極17に印加するようにしてもよい。
一般に三連四重極型質量分析装置では、コリジョンセルにCIDガスを導入しない状態で、第1段四重極13への印加電圧と得られる質量電荷比との対応関係を示す質量較正データを求める。これに対し、本実施例の三連四重極型質量分析装置では、通常のニュートラルロススキャン測定等のMS/MS分析時と同様に、質量較正用測定の際にもコリジョンセル14にCIDガスを導入しコリジョンセル14内でイオンを開裂させる。
但し、開裂により生成された各種の質量電荷比を有するプロダクトイオンは第3段四重極17では質量分離されないため、同一のプリカーサイオンに由来する各種プロダクトイオンが殆どばらけることなく検出器18に到達する。コリジョンセル14内のガス圧はその周囲よりも高く、CIDガスとの衝突によりイオンの速度は落ちる。したがって、質量較正用測定時のイオン通過経路の状態は図2(a)に示すように、第1段四重極13と検出器18との間にコリジョンセル14による時間遅延要素Dがあるものとモデル化することができる。コリジョンセル14以外の空間では真空度が高く、そこでのイオンの時間遅延はコリジョンセル14内でのイオンの時間遅延に比べて十分に小さい。このため、コリジョンセル14にCIDガスを導入しない(コリジョンセル14内のガス圧がその周囲の分析室11内のガス圧とほぼ同じ)状態では、図2(a)中に符号18’で示すように検出器は第1段四重極13の出口直後にあるものとみなすことができる。
第1段四重極13を通過するイオンの質量電荷比が所定の質量範囲で変化するように質量走査を行いつつ検出器18で得られる信号の時間的な変化をモニタすると、図2(b)に示すように、質量走査期間中の或る時点付近で標準試料に由来するプロダクトイオン群によるピークが生じる。時間遅延要素Dがない場合には時刻t1にピークが生じるのに対し、時間遅延要素Dがあるとその分プロダクトイオン群は遅れて検出器18に達するため、時刻t1よりも時間差Δtだけ遅れた時刻t2にピークが生じる。この時間差Δtの期間中にも、第1段四重極13を通過するイオンの質量電荷比は変化しているから、図2(c)において電圧差V2−V1に相当する質量電荷比の差だけ、時間遅延要素Dで質量ずれが生じることになる。
標準試料の既知の質量電荷比がMrであるとき、コリジョンセル14内でのイオンの時間遅延を考えなければ、印加電圧V1が質量電荷比Mrに対応することになるが、コリジョンセル14内でのイオンの時間遅延を考えると、印加電圧V2が質量電荷比Mrに対応することになる。そこで、データ処理部25は質量較正用測定時に得られた検出データに基づいて、ピークが検出されたときの質量走査の電圧とその標準試料中の成分の質量電荷比との関係に基づいて質量較正データを作成する。一般に、標準試料には質量電荷比の相違する複数の標準物質が含まれており、その標準物質毎にピークの生じた印加電圧と理論上の質量電荷比との関係を調べることにより、時間遅延要素Dが織り込まれた、正確な質量較正データを作成することができる。この質量較正データは例えば計算式の形式、テーブル形式、などその形式を問わない。
時間遅延要素Dによるイオンの遅延時間は、コリジョンセル14内のCIDガス圧や、コリジョンセル14内に導入される際にイオンが有する運動エネルギー(コリジョンエネルギー)などに依存する。前者はコリジョンセル14に導入されるCIDガスの流量と言い換えることができる。また後者は、コリジョンセル14に印加される直流バイアス電圧とその前段の第1段四重極13に印加される直流バイアス電圧との電位差と言い換えることができる。CIDガス圧やコリジョンエネルギーは開裂効率などを左右する開裂条件であって、これらはユーザにより手動で又は自動チューニングにより適宜に変更される。そのため、そうした異なる開裂条件毎にそれぞれ最適な質量較正データを求めておくことが好ましい。
そこで本実施例の三連四重極型質量分析装置では、制御部24は、ガスバルブ16の開度を調整することによりCIDガス圧を複数段階に変化させつつ、また、直流バイアス電圧を変化させることでコリジョンエネルギーを複数段階に変化させつつ、標準試料に対する質量較正用測定を実行し、データ処理部25は異なる条件の下での質量較正データをそれぞれ取得する。そして、CIDガス圧やコリジョンエネルギーなどをパラメータとして、第1段四重極13への印加電圧と測定される質量電荷比との関係を示す質量較正データを較正データ記憶部26に記憶させておく。
目的試料に対するニュートラルロススキャン測定又はプリカーサイオンスキャン測定などの、第1段四重極13での質量走査、及びコリジョンセル14での開裂操作を伴う測定が入力部27により指示された場合、制御部24は較正データ記憶部26からそのときのCIDガス圧やコリジョンエネルギーに対応した質量較正データを読み出す。そして、制御部24は第1段四重極13への印加電圧が走査されるようにQ1電源部21を制御するためにこの質量較正データを利用する。それにより、コリジョンセル14を通過する際のイオンの時間遅延の影響が軽減され、例えばニュートラルロススキャン測定においては、指定されたニュートラルロスが脱離したプロダクトイオンを高い感度で検出することができる。また、データ処理部25において正確な質量軸を持つマススペクトルを作成することができる。
[第2実施例]
次に本発明の別の実施例(第2実施例)である三連四重極型質量分析装置について、図3及び図4により説明する。図3は第2実施例の三連四重極型質量分析装置の概略構成図、図4は第2実施例の三連四重極型質量分析装置における特徴的な動作を説明するための模式図である。図3では、既に説明した第1実施例の三連四重極型質量分析装置と同一の構成要素に同一符号を付している。この第2実施例の三連四重極型質量分析装置では、予め所定の補正データが格納された質量走査補正データ記憶部28が制御部24に接続されている。
上述したように、イオンの開裂を行うためにコリジョンセル14内にCIDガスを導入する場合、ここを通過する際のイオンの時間遅延が大きい。そこで、この実施例の質量分析装置では、ニュートラルロススキャン測定を行う際に、第1段四重極13と第3段四重極17とを単に質量電荷比の差が一定になるようにそれぞれ質量走査するのではなく、コリジョンセル14内でのイオンの時間遅延に相当する分だけ、第3段四重極17の質量走査の開始時点を第1段四重極13の質量走査の開始時点よりも遅らせる。これを示したのが図4であり、時間tが第3段四重極17の質量走査の開始時点の時間遅延である。上述したように、コリジョンセル14内でのイオンの時間遅延はCIDガス圧やコリジョンエネルギーなどの開裂条件に依存するから、時間tもこれら開裂条件に応じて変更することが好ましい。
適切なニュートラルロススキャン測定を行うために適合する時間tの値は、この装置の製造メーカの側で予め実験的に測定しておくことができる。そこで、製造メーカにおいて様々な開裂条件の下での適切な時間tを求めてこれを補正データとして質量走査補正データ記憶部28に格納しておく。そして、ユーザ側においてニュートラルロススキャン測定を行う際に、制御部24は入力部27から指示されたニュートラルロスの質量電荷比に応じて質量電荷比差ΔMを決めるとともに、質量走査補正データ記憶部28からそのときの開裂条件に応じた時間tを取得する。そして、図4に示したような第1段四重極13と第3段四重極17との質量走査のパターンを決定し、それに従ってQ1電源部21及びQ3電源部23を制御する。それにより、ニュートラルロススキャン測定において、指定されたニュートラルロスが脱離したプロダクトイオンを高い感度で検出することができる。また、データ処理部25において正確な質量軸を持つマススペクトルを作成することができる。
[第3実施例]
次に本発明のさらに別の実施例(第3実施例)である三連四重極型質量分析装置について、図5により説明する。図5は第3実施例の三連四重極型質量分析装置における特徴的な動作を説明するための模式図である。この三連四重極型質量分析装置の基本的な構成は第2実施例と同じであるので説明を略す。
第2実施例の三連四重極型質量分析装置では、様々な開裂条件の下における第3段四重極17の質量走査開始時点の遅延時間tを補正データとして質量走査補正データ記憶部28に格納していたが、この第3実施例の三連四重極型質量分析装置では、質量走査の質量電荷比差を補正するデータを質量走査補正データ記憶部28に格納しておくようにする。即ち、コリジョンセル14内でイオンの時間遅延がある場合、第1段四重極13を通過した所定質量電荷比を持つイオンは意図した時点よりも遅れて第3段四重極17に導入されるため、第1段四重極13と第3段四重極17を通過するイオンの質量電荷比の差は実際には縮小する。そこで、時間遅延によって縮小した分だけ質量電荷比の差ΔMを広げるようにmだけ加算して、質量電荷比の差がΔM+mとなるようにすればよい。
例えば、装置の製造メーカでは、様々な開裂条件の下での適切な加算値mを求めてこれを補正データとして質量走査補正データ記憶部28に格納しておく。そして、ユーザ側においてニュートラルロススキャン測定を行う際に、制御部24は入力部27から指示されたニュートラルロスの質量電荷比に応じて質量電荷比差ΔMを決めるとともに、質量走査補正データ記憶部28からそのときの開裂条件に応じた加算値mを取得する。そして、図5に示したような第1段四重極13と第3段四重極17との質量走査のパターンを決定し、それに従ってQ1電源部21及びQ3電源部23を制御する。それにより、ニュートラルロススキャン測定において、指定されたニュートラルロスが脱離したプロダクトイオンを高い感度で検出することができる。また、データ処理部25において正確な質量軸を持つマススペクトルを作成することができる。
なお、上記各実施例はいずれも本発明の一例であるから、本発明の趣旨の範囲で適宜に変形、追加、修正を行っても本願請求の範囲に包含されることは明らかである。
イオンが第1質量分離部や第2質量分離部を通過するのに要する時間は、衝突誘起解離ガスの導入によりガスが高いコリジョンセル内を通過するのに要する時間に比べれば十分に小さい。したがって、上記較正用分析実行手段により収集された質量分析データには、コリジョンセル内に導入された衝突誘起解離ガスに起因する時間遅延が反映されているとみることができる。そこで較正情報記憶手段は、上記質量分析データにより、コリジョンセル内でのイオンの時間遅延が反映された質量較正情報を作成して記憶しておく。

Claims (6)

  1. 各種イオンの中で特定の質量電荷比を有するイオンをプリカーサイオンとして選別する第1質量分離部と、前記プリカーサイオンを衝突誘起解離ガスと衝突させて開裂させるコリジョンセルと、その開裂により生成した各種プロダクトイオンの中で特定の質量電荷比を有するイオンを選別する第2質量分離部と、を具備するMS/MS型質量分析装置において、
    a)前記コリジョンセル内に衝突誘起解離ガスを導入し、且つ前記第2質量分離部で実質的な質量分離を行わない状態の下で、前記第1質量分離部で質量走査を行って質量電荷比が既知である試料を分析することにより質量分析データを収集する較正用分析実行手段と、
    b)前記較正用分析実行手段により収集された質量分析データに基づいて、前記コリジョンセル内でのイオンの時間遅延が反映された前記第1質量分離部の質量較正情報を作成して記憶しておく較正情報記憶手段と、
    c)少なくともニュートラルロススキャン又はプリカーサイオンスキャンを行う際に、前記較正情報記憶手段に記憶されている質量較正情報を用いて前記第1質量分離部の質量走査を制御して目的試料に対する質量分析データを収集する実分析実行手段と、
    を備えることを特徴とするMS/MS型質量分析装置。
  2. 請求項1に記載のMS/MS型質量分析装置であって、
    前記較正用分析実行手段は、コリジョンセル内の衝突誘起解離ガス圧、コリジョンエネルギー、又は、前記第1質量分離部における質量走査の走査速度の少なくともいずれか1つを複数の条件に変化させつつ、それぞれの条件の下での質量分析データを収集し、
    前記較正情報記憶手段は、異なる前記条件に対する質量較正情報をそれぞれ作成・記憶することを特徴とするMS/MS型質量分析装置。
  3. 各種イオンの中で特定の質量電荷比を有するイオンをプリカーサイオンとして選別する第1質量分離部と、前記プリカーサイオンを衝突誘起解離ガスと衝突させて開裂させるコリジョンセルと、その開裂により生成した各種プロダクトイオンの中で特定の質量電荷比を有するイオンを選別する第2質量分離部と、を具備するMS/MS型質量分析装置において、
    a)ニュートラルロススキャン測定における第1質量分離部と第2質量分離部との質量電荷比差又はこれを特定可能な情報をユーザが入力するための入力手段と、
    b)前記入力手段により入力された質量電荷比差又は前記情報に基づいて算出される質量電荷比差に対し、予め決められた値を加算して質量電荷比差を修正する修正手段と、
    c)修正された質量電荷比差に基づいてニュートラルロススキャン測定を行うように第1質量分離部と第2質量分離部とで質量走査を行うべく制御する測定実行手段と、
    を備えることを特徴とするMS/MS型質量分析装置。
  4. 請求項3に記載のMS/MS型質量分析装置であって、
    コリジョンセル内の衝突誘起解離ガス圧、コリジョンエネルギー、又は、前記第1質量分離部における質量走査速度の少なくともいずれか1つを複数に変化させたときの前記質量電荷比差の修正の加算情報をそれぞれ保持する記憶手段をさらに備え、前記修正手段は、前記記憶手段に記憶されている加算情報を用いて質量電荷比差を修正することを特徴とするMS/MS型質量分析装置。
  5. 各種イオンの中で特定の質量電荷比を有するイオンをプリカーサイオンとして選別する第1質量分離部と、前記プリカーサイオンを衝突誘起解離ガスと衝突させて開裂させるコリジョンセルと、その開裂により生成した各種プロダクトイオンの中で特定の質量電荷比を有するイオンを選別する第2質量分離部と、を具備するMS/MS型質量分析装置において、
    a)ニュートラルロススキャン測定における第1質量分離部と第2質量分離部との質量電荷比差又はこれを特定可能な情報をユーザが入力するための入力手段と、
    b)前記入力手段により入力された質量電荷比差又は前記情報に基づいて算出される質量電荷比差に基づいてニュートラルロススキャン測定を行うように前記第1質量分離部と前記第2質量分離部とで質量走査を行う際に、第1質量分離部の質量走査の開始時点から予め決められた時間だけ遅延させて第2質量分離部の質量走査を開始させる測定実行手段と、
    を備えることを特徴とするMS/MS型質量分析装置。
  6. 請求項5に記載のMS/MS型質量分析装置であって、
    コリジョンセル内の衝突誘起解離ガス圧、コリジョンエネルギー、又は、前記第1質量分離部における質量走査速度の少なくともいずれか1つを複数に変化させたときの、第2質量分離部の質量走査開始時点を遅延させる時間情報をそれぞれ保持する記憶手段をさらに備え、前記測定実行手段は、前記記憶手段に記憶されている時間情報を用いて前記第1質量分離部の質量走査の開始時点から予め決められた時間だけ遅延させて前記第2質量分離部の質量走査を開始させることを特徴とするMS/MS型質量分析装置。
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