JPWO2010084775A1 - 中継装置、制御方法、およびプログラム - Google Patents

中継装置、制御方法、およびプログラム Download PDF

Info

Publication number
JPWO2010084775A1
JPWO2010084775A1 JP2010521248A JP2010521248A JPWO2010084775A1 JP WO2010084775 A1 JPWO2010084775 A1 JP WO2010084775A1 JP 2010521248 A JP2010521248 A JP 2010521248A JP 2010521248 A JP2010521248 A JP 2010521248A JP WO2010084775 A1 JPWO2010084775 A1 JP WO2010084775A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
route
link
relay
node
link state
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010521248A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4573914B2 (ja
Inventor
石井 友規
友規 石井
山口 孝雄
孝雄 山口
篤 吉田
篤 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Application granted granted Critical
Publication of JP4573914B2 publication Critical patent/JP4573914B2/ja
Publication of JPWO2010084775A1 publication Critical patent/JPWO2010084775A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04WWIRELESS COMMUNICATION NETWORKS
    • H04W40/00Communication routing or communication path finding
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B7/00Radio transmission systems, i.e. using radiation field
    • H04B7/14Relay systems
    • H04B7/15Active relay systems
    • H04B7/155Ground-based stations
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L43/00Arrangements for monitoring or testing data switching networks
    • H04L43/08Monitoring or testing based on specific metrics, e.g. QoS, energy consumption or environmental parameters
    • H04L43/0805Monitoring or testing based on specific metrics, e.g. QoS, energy consumption or environmental parameters by checking availability
    • H04L43/0817Monitoring or testing based on specific metrics, e.g. QoS, energy consumption or environmental parameters by checking availability by checking functioning
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L45/00Routing or path finding of packets in data switching networks
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L45/00Routing or path finding of packets in data switching networks
    • H04L45/02Topology update or discovery
    • H04L45/028Dynamic adaptation of the update intervals, e.g. event-triggered updates
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L45/00Routing or path finding of packets in data switching networks
    • H04L45/12Shortest path evaluation
    • H04L45/123Evaluation of link metrics
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L45/00Routing or path finding of packets in data switching networks
    • H04L45/22Alternate routing
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L45/00Routing or path finding of packets in data switching networks
    • H04L45/24Multipath
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L45/00Routing or path finding of packets in data switching networks
    • H04L45/28Routing or path finding of packets in data switching networks using route fault recovery
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L47/00Traffic control in data switching networks
    • H04L47/10Flow control; Congestion control
    • H04L47/11Identifying congestion
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L47/00Traffic control in data switching networks
    • H04L47/10Flow control; Congestion control
    • H04L47/12Avoiding congestion; Recovering from congestion
    • H04L47/122Avoiding congestion; Recovering from congestion by diverting traffic away from congested entities
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04WWIRELESS COMMUNICATION NETWORKS
    • H04W40/00Communication routing or communication path finding
    • H04W40/24Connectivity information management, e.g. connectivity discovery or connectivity update
    • H04W40/28Connectivity information management, e.g. connectivity discovery or connectivity update for reactive routing

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Data Exchanges In Wide-Area Networks (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)
  • Radio Relay Systems (AREA)

Abstract

中継ノード(203)は、互いにリンクで接続されることで通信ネットワークを構成する複数の中継ノードの1つであって、中継ノード(203)を経由して通信データを伝送するための複数の経路が定められ、中継ノード(203)の下流の1つ以上の中継ノードから、前記下流の各中継ノードにおけるリンク切断に対する耐性の強さに応じて累積的に回送されてくるリンク状態通知メッセージを受信するリンク状態受信部(104)と、所定の確率分布に従って確率値を発生させる確率生成部(106)と、前記リンク状態通知メッセージの個数と前記確率値とを基に、前記複数の経路の1つを選択する経路選択部(107)と、経路選択部(107)によって選択された経路の下流の中継ノードへ、上流からの通信データを中継する中継処理部(108)とを備える。

Description

本発明は、IP網や無線アドホック網に代表されるパケット交換網における、データ伝送経路のルーティング技術を備えた中継装置、制御方法、およびプログラムに関するものである。
IP網に代表される帯域共用型のネットワーク上でデータ送信を行う場合、クロストラフィックと呼ばれる他のサービスやアプリケーションが送受信するトラフィックが原因となり、通信品質の時間的変動が発生することが知られている。通信経路上に無線リンクが存在する場合には、クロストラフィックや外的ノイズによるリンク品質の変動が有線リンクに比べてとくに顕著である。
無線リンクを用いた通信の場合には、送信された信号波は、飛距離と共に減衰する為、一定の範囲内に存在する受信ノードとの間でしか直接通信をすることができない。この範囲は無線通信レイヤーにおける使用周波数帯や変調方式の違いによって異なる。例えば、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)によって規格化が行われた5.2GHz帯無線通信方式である80211aを例にとれば、送信電力16dBm、受信感度−69dBm、送信レート54Mbpsの条件下で、約70m程度になる。この範囲外に存在する受信ノードとの通信は、範囲内に存在する他のノードがデータをバケツリレー中継することによって行われる。このような通信の形態をマルチホップ通信と呼ぶ。
マルチホップ通信では、送信ノードから送信されるデータは、通常、最短距離を通って受信ノードに到達するのが望ましい。その為には、経路上に位置する各中継ノードが、最適な隣接の中継ノードにデータをリレーしていく必要がある。このような送信ノードから受信ノードへとデータを中継していく為の最適な経路を決定する処理をルーティングと呼び、ルーティングを決定する為にノード上で稼働するプロトコルをルーティングプロトコルと呼ぶ。
無線網に対しても用途に応じた様々なルーティングプロトコルが提案されており、最短距離の経路を選ぶ以外にも、経路全体としての伝送状態が最も良い経路を選ぶものが存在する。どの経路が良いかという経路評価の指標は、ルーティングのメトリックスと呼ばれ、ルーティングプロトコルによって様々な評価の基準が存在する。
送信ノードと受信ノード間で単一のデータ送信経路を用いるルーティングプロトコルは、単一経路方式と呼ばれる。無線アドホック網における代表的な単一経路方式として、OLSR(Optimized Link State Routing)や、AODV(Ad hoc On−Demand Distance Vector)が知られている。
単一経路方式の場合、前述のような経路上の無線リンクのリンク品質の低下が起こると、経路切断が発生してデータの送信は中断され、別の経路を発見する処理に入る。発見された経路を用いて通信が再開されるが、経路の回復遅延が大きく、その間に送信されたデータも失われる。
経路の切換を円滑に短時間で行う為に、予め送信に使用する経路(主経路、またはプライマリーパス)の他に、単数または複数の代替経路(セカンダリーパス)を構築しておく方式が存在する。そのような方式は、複数経路方式、またはマルチパスルーティングと呼ばれる。マルチパスルーティングの従来技術の例として、ルーティングテーブル上に各々の経路に対応するネクストホップノードをその経路の評価値と共に記録しておき、最も評価値の高い経路を選択する方式が、特許文献1に開示されている。
図12は、従来技術のネットワークの一例を示す構成図である。
送信ノード401から受信ノード406へのデータの送信が、中継ノード402、中継ノード404を経て行われる場合、この経路が主経路となる。中継ノード402から中継ノード403を経て受信ノード406に至る経路、及び、中継ノード402から中継ノード405を経て受信ノード406に至る経路は、予備的に確保された代替経路である。この代替経路は、主経路でのデータ送信に不具合が生じた場合に交代的に使用される。主経路及び代替経路のルーティングの情報は、マルチパスルーティングのプロトコルに従って、ルーティングテーブルに記録され管理される。
図13は、中継ノード402上で管理されるルーティングテーブルの一例を示す図である。ルーティングプロトコルに従って発見された複数の経路は、各中継ノードに設けられるルーティングテーブルに記録される。ルーティングテーブルでは、下流の転送先であるネクストホップの中継ノードのアドレスと共に、各経路に対するメトリックスも管理されている。そのため、主経路から代替経路への切換の条件が発生した場合には、代替経路の中から最もメトリックスの値が良好な経路が主経路として交代する。
メトリックスの例としては、中継ノード402から受信ノード406に到達する迄に経由する中継ノードの個数が考えられ、この指標はホップ数と呼ばれる。代替経路が予め発見されルーティングテーブル上に記録されている為、単一経路方式と比較して、経路障害に対する回復遅延が小さく、経路切換時のデータ損失も少なくて済むのが特徴である。
特許第4060316号公報
IETF RFC3561 Ad hoc On−Demand Distance Vector (AODV) Routing IETF RFC3626 Optimized Link State Routing Protocol (OLSR) K. Leibnitz, N. Wakamiya, and M. Murata, "Resilient multi−path routing based on a biological attractor selection scheme," in The Second International Workshop on Biologically Inspired Approaches to Advanced Information Technology (BioAdit 2006), Osaka, Japan, January 2006.
従来技術の複数経路方式が有している課題として2つの点が挙げられる。
第一の課題は、代替経路の維持コストが発生することである。主経路の障害が発生した時点で、事前に予約されている代替経路への交代を行った場合に、切り換えられた代替経路自体に障害が発生していては困る為、主経路通信中も代替経路の状態を管理しておく必要がある。代替経路の状態を逐一把握する為に、一定間隔での計測データの送信を行う必要があり、送信ノード、代替経路上の中継ノード、受信ノードに対する処理オーバーヘッド及び通信オーバーヘッドが発生する。
オーバーヘッド削減の方法として、代替経路への計測間隔を長くする方法が考えられるが、代替経路の状態を把握する精度が低下する為、オーバーヘッドと代替経路監視精度はトレードオフの関係となる。そのため、平衡点の決定と調整は、網上を流れるトラフィックが要求するQoS性能や予約する代替経路数に大きく依存してしまうという問題がある。
第二の課題は、主経路からの切換が発生した時点で、予約されている代替経路のいずれもが使用できない場合には、単一経路方式と同様に経路再探索に伴う回復遅延とデータ損失の増大を招くことである。
本発明にある中継ノードは、前記従来の課題を解決するものであり、代替経路の維持コストを最小化しつつ、主経路障害時に確実に代替経路への切換を行う技術の提供を目的とする。
前記従来の課題を解決する為に、本発明の中継装置は、互いにリンクで接続されることで通信ネットワークを構成する複数の中継装置の1つであって、前記通信ネットワークには、前記1つの中継装置を経由して通信データを伝送するための複数の経路が定められ、前記1つの中継装置の下流にある1つ以上の中継装置から、前記下流の各中継装置におけるリンク切断に対する耐性の強さに応じて累積的に回送されてくるリンク状態通知メッセージを受信するリンク状態受信部と、所定の確率分布に従って確率値を発生させる確率生成部と、前記リンク状態通知メッセージの個数と前記確率値とを基に、前記複数の経路の1つを選択する経路選択部と、前記経路選択部によって選択された経路の下流の中継装置へ、上流からの通信データを中継する中継処理部とを備える。
また、前記経路選択部は、前記複数の経路のうち、通信データを伝送するために現在選択されている経路である主経路の下流の中継装置から受信されるリンク状態通知メッセージの個数に対する、前記主経路以外の各経路の下流の中継装置から受信されるリンク状態通知メッセージの個数の比率から、前記主経路の選択のふさわしさを表す活性度を算出する活性度算出部と、経路の選択頻度を指定するための経路ごとの選択頻度値を、前記活性度算出部によって算出された活性度で表されるふさわしさが劣っているほど、最大の選択頻度値と他の選択頻度値との差が小さくなるように決定し、決定された各経路の選択頻度値と前記確率生成部によって生成された確率値とを加算した頻度値によって表される確率分布に従って、通信データを伝送するための経路を新たに選択するリンク選択部とを有してもよい。
前記中継装置は、さらに、自らの中継装置に関するリンク状態通知メッセージを生成して上流の中継装置へ送信するとともに、自らの中継装置のリンク切断に対する耐性を、下流の中継装置から受信されたリンク状態通知メッセージを基に評価し、評価された耐性が所定の条件を満たさない場合のみ、受信されたリンク状態通知メッセージを上流の中継装置へ回送し、その他の場合には破棄するリンク状態送信部を備えてもよい。
また、前記リンク状態送信部は、前記自らの中継装置に関するリンク状態通知メッセージに、自らの中継装置が保持している経路の周波数チャンネル数、および自らの中継装置が保持している経路の周波数チャンネルの離れ具合の少なくともいずれか一方を含めて上流の中継装置へ送信してもよい。
なお、本発明は、このような中継装置として実現することができるだけでなく、中継装置の制御方法としても実現できる。さらに、中継装置の制御方法をコンピュータによって実行するためのプログラムとして実現することもできる。
本発明によれば、送信先の中継ノードを、中継先の経路構成を考慮して動的に調整することで、ランダムに発生する電波障害や輻輳によるリンク品質低下、リンク切断への耐性強化を図り、高信頼かつ消費電力の少ないデータ伝送を実現することができる。
図1は、本発明の中継ノードを含むネットワークの構成の一例を示す図である。 図2は、中継ノードのルーティングテーブルの一例を示す図である。 図3は、中継ノードのルーティングテーブルの一例を示す図である。 図4は、中継ノードの構成の一例を示す機能ブロック図である。 図5は、中継ノードの詳細な構成の一例を示す機能ブロック図である。 図6は、経路要求メッセージのフォーマットの一例を示す図である。 図7は、経路応答メッセージのフォーマットの一例を示す図である。 図8は、リンク状態通知メッセージのフォーマットの一例を示す図である。 図9は、実施の形態1におけるカメラ監視システムの初期状態の一例を示す図である。 図10は、実施の形態1におけるカメラ監視システムの過渡状態の一例を示す図である。 図11は、実施の形態1におけるカメラ監視システムの安定状態の一例を示す図である。 図12は、従来技術のネットワークの一例を示す構成図である。 図13は、従来技術のルーティングテーブルの一例を示す図である。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(ネットワークの構成)
図1は、本発明の実施の形態における中継ノードを含むネットワークの構成の一例を示す図である。
図1のネットワークは、カメラ監視システムに用いられる。送信ノード201である監視カメラが撮影した映像及び音声信号は、本発明の中継ノード202〜205、207〜213を含むネットワークでマルチホップ伝送され、受信ノード206であるモニタ装置によって再生表示される。便宜上、送信ノード201へ向かう方向を上流、受信ノード206へ向かう方向を下流と呼ぶ。
このような監視カメラシステムは、セキュリティ用途、セーフティ用途等に幅広く用いられ、無線アドホック網でインフラを構成することで設置が簡単になる等の効果が得られる。
各中継ノードでは、リアクティブ型のマルチパスルーティングのプロトコルに従ってルーティング情報が管理される。
(ルーティングテーブル)
図2は、中継ノード202におけるルーティングテーブルに記録されているルーティング情報の一例を示す図であり、図3は、中継ノード203におけるルーティングテーブルに記録されているルーティング情報の一例を示す図である。図2及び図3に示されるいずれのルーティング情報も、ルーティングプロトコルの種類に依存して決まる共通のフォーマットで表されている。ルーティング情報の1行は、1つの宛先への1つの経路に対応する経路エントリである。
各経路エントリの第一列は宛先となる受信ノード、即ちモニタのアドレスであり、第二列は受信ノードを宛先とする3つの有効な経路に対応したネクストホップの中継ノードのアドレスである。ネクストホップのアドレスの末尾に*が付記されている場合は、そのネクストホップの中継ノードが、主経路として使用されていることを示す。また第三列は、ルーティングプロトコルに従って経路の優劣を決める為の指標であるメトリックスの値である。メトリックスの値は、受信ノード迄のホップ数やリンクの物理帯域等、経路の品質に影響を与える要因を総合的に考慮して定められるのが一般的である。
ルーティングテーブルへは、ルーティングプロトコルに従って経路が発見された順番に複数の経路エントリが登録可能である。そのため、同一の宛先についてメトリックスの値が同じ経路エントリが複数ある場合は、ルーティングテーブルの上にある経路エントリに従って主経路のネクストホップが選択される。
この規則に従い、現在、中継ノード202は、下流のネクストホップに中継ノード203を選択し、中継ノード203は、中継ノード204を選択している。この為、送信ノード201から受信ノード206にデータを送信する場合の主経路は、中継ノード202、203、204、205を経る経路である。
(中継ノードの構成)
図4は、中継ノード203の構成の一例を示す機能ブロック図である。中継ノード202〜205、207〜213はいずれも中継ノード203と同一に構成されるため、説明を省略する。
中継ノード203は、リンク状態検出部101、プリコーサ管理部102、リンク状態送信部103、リンク状態受信部104、確率生成部106、経路選択部107、中継処理部108から構成される。
リンク状態受信部104は、一定範囲に存在する下流の中継ノードから、下流の中継ノードのリンク切断への耐性の強さを表すリンク状態通知メッセージを受信する。
経路選択部107は、受信されたリンク状態通知メッセージによって表される、主経路の下流でのリンク切断への耐性の強さの低下に応じて、全ての代替経路を確率的に用いて通信データを送信するように中継処理部108を制御する。代替経路を用いる確率は、確率生成部106で生成された確率値に従って定められる。
通信データの一部が全ての代替経路を確率的に用いて送信されることで、各代替経路が利用可能かどうかが把握される。利用できない代替経路が存在する場合には、当該経路を代替経路としての対象から除外し、他の代替経路のみでデータ送信を行う。
中継ノード203(中継ノード202〜205、207〜213も同様)は、主経路の下流においてリンク切断への耐性が維持されているときには代替経路に対する状態検出は行わない。主経路の下流においてリンク切断への耐性の低下が検出されたときに初めて、代替経路にデータの一部を送信することで、代替経路の状態を把握する。
これにより、代替経路の状態を把握する為だけに行われる通信がなくなるので、経路の維持コストを最小化することが可能となる。
このようにして、従来技術が有している第一の課題は解決される。
また、中継ノード203(中継ノード202〜205、207〜213も同様)は、主経路の下流におけるリンク切断への耐性の低下に応じて、通信データの一部を確率的に全ての代替経路で送信する。
これにより、主経路が完全に途絶してから代替経路への切り換えを試みるのではなく、主経路でのデータ送信を継続しながら、ルーティングテーブルに登録されている代替経路の状態を把握することが可能となる為、例えば、全ての代替経路が既に利用可能な状態ではないといった困難な状況が検知された場合であっても、主経路が完全に途絶する前に新たな代替経路を探索する時間的余裕が得られる。その結果、主経路途絶時の回復遅延を抑え、経路切換時に発生するデータ損失を最小化することが可能となる。
このようにして、従来技術に挙げられた第二の課題が解決される。
中継ノード203について、さらに詳細な説明を続ける。
図5は、中継ノード203の詳細な構成の一例を示す機能ブロック図である。図5では、図4に示される経路選択部107が、活性度算出部305およびリンク選択部307に具体化される。
中継ノード203は、主経路の下流での伝送品質が悪化したとき、状態変化に応じた確率バランスを保ちつつ下流の中継ノードを確率的に選択する為に、活性度と呼ばれる情報を計算し利用する。下流リンクの選択は、活性度と確率生成部106によって生成される確率値を基準に行われ、この為の構成が活性度算出部305である。
以下に各構成部分の動作について詳細に説明をする。
(リンク状態検出部101)
図1における送信ノード201は、通信の宛先となる受信ノード206が確定すると、送信ノード201から受信ノード206に至る経路を発見する為の処理を行う。経路を発見するための処理は、経路要求(RREQ)メッセージを電波到達範囲に存在するノードに対してブロードキャストすることによって開始される。
図6は、RREQメッセージのフォーマットの一例を示す図である。
図1でノード間を結ぶ実線は、電波到達範囲を表しており、各ノードが出す電波は実線が引かれた隣接ノード迄しか届かないものと仮定すると、送信ノード201が発行したRREQメッセージは、中継ノード202にのみ受信され得る。その他の中継ノード202〜205、206〜213、及び、受信ノード206には、伝搬損失により、RREQメッセージを受信することはできない。
RREQメッセージを受信した中継ノード202は、送信ノード201が直接通信可能な上流ノードであることを検出し、ルーティングテーブルに送信ノード201へ戻るネクストホップが送信ノード201自体であることを表す経路エントリ情報を追記する。
また中継ノード202は、受信ノード206への直接経路を持たない為、中継ノード202自身の電波到達範囲に位置するノードに対して、受信したRREQメッセージを再度ブロードキャストする。
このRREQメッセージは、上流方向に隣接する中継ノードであるプリコーサにも受信されるが、シーケンス番号の照合により、既に処理したRREQメッセージであることが検出できる為、プリコーサによって破棄され、下流の中継ノードである中継ノード203、207、211によってのみ受信され得る。
他の中継ノード203〜206、207〜213でも、RREQメッセージは同様に処理される。その結果、RREQメッセージは受信ノード206に、図1に示す5つの経路で到着する。
受信ノード206は、中継ノード205、208、209、210、213に対して、経路応答(RREP)メッセージをユニキャストする。
図7は、RREPメッセージのフォーマットの一例を示す図である。
RREPメッセージを受信した中継ノード205は、受信ノードからの直接通信によってRREPメッセージが届いたことを検出し、自ノードのルーティングテーブルに受信ノード206に対するネクストホップが受信ノード206自体であることを表す経路エントリを追記する。またRREQ受信時に追記した送信ノード201へ戻るネクストホップが中継ノード204であることを表す逆方向の経路エントリを用いることによって、プリコーサに対して、RREPをユニキャスト転送する。
他の4つの中継ノード208、209、210、213においてもRREPメッセージは同様に処理される。RREPメッセージが転送されていく段階で、中継ノード202及び中継ノード203には、送信ノード201から受信ノード206に向かう各々3つの経路エントリが追記される。
図6に示したRREQメッセージ内のホップ数には送信ノードで0をセットし、図7に示したRREPメッセージ内のホップ数には受信ノードで0をセットする。各中継ノードは、中継動作に連動してホップ数をインクリメントする為、ルーティングテーブルへ経路エントリが追記される段階において、図2及び図3に示したルーティングテーブルの第三列のメトリックスの値が確定する。
(プリコーサ管理部102)
リンク状態検出部101によってルーティングテーブルが生成されるタイミングで、中継ノードを基準にした場合の上流と下流の関係が検出できる。プリコーサ管理部102は、この検出結果に基づき、送信ノードから受信ノードに向かう経路上で中継ノードの上流に隣接する他の中継ノードを、プリコーサとして内部に記録する。
(リンク状態送信部103)
リンク状態送信部103は、中継ノードが受信ノードに向けて有している下流経路の数を含むリンク状態通知メッセージを生成し、生成したリンク状態通知メッセージを、プリコーサ管理部102に記録されているプリコーサへ送信する。
図8は、リンク状態通知メッセージのフォーマットの一例を示す図である。リンク状態通知元アドレスは、リンク状態通知メッセージを生成した中継ノードのアドレスであり、ホップ数は0にセットされる。下流経路数は、リンク状態検出部101によって検出され、ルーティングテーブルに追記された、送信ノード201から受信ノード206に至る経路に対する主経路及び代替経路数の総数である。
リンク状態送信部103は、また、リンク状態受信部104によって下流の中継ノードから受信されたリンク状態通知メッセージを基に、自らの中継ノードのリンク切断への耐性を評価する。そして、受信されたリンク状態通知メッセージを、耐性が所定の基準を満たさないと判断される場合のみプリコーサへ回送し、その他の場合には破棄する。リンク状態送信部103は、リンク状態通知メッセージを回送する場合、リンク状態通知メッセージのホップ数をインクリメントする。
これにより、リンク状態通知メッセージは、リンク切断への耐性が小さいと考えられるネットワーク区間において累積的に上流の中継ノードへ向けて回送されていく。そして、リンク状態通知メッセージの回送は、リンク切断への耐性が所定の基準を満たす程度に高いと判断された中継ノードで終端される。
リンク状態送信部103は、リンク状態通知メッセージを回送する際に、例えば、リンク状態通知メッセージが上がってきた経路の数(つまり、ネクストホップとなる中継ノードの数)が所定の閾値よりも少ない場合に、自らの中継ノードがリンク切断への耐性が低いと判断してもよい。
具体的に、閾値を2とすれば、リンク状態送信部103は、1以上のリンク状態通知メッセージがただ1つの中継ノードから受信された(つまり、ネクストホップとなる中継ノードの数がただ1つであるために迂回路が存在しない)場合のみ、受信されたリンク状態通知メッセージをプリコーサへ回送する。この構成では、リンク状態通知メッセージは、単一のリンクで連結されているために迂回路のない区間において累積的に上流へ伝搬する。これにより、下流経路に存在する迂回路を持たないリンクの数と同数のリンク状態通知メッセージが、その下流経路から上がってくることになる。
その結果、各中継ノードは、より多くのリンク状態通知メッセージが上がってくる下流経路ほど、迂回路のない、より長い区間を持っていることを知ることができ、そのような下流経路はリンク切断への耐性が低いと判断することができる。
なお、リンク状態通知メッセージが伝搬する範囲を制限するために、ホップ数が所定の閾値以上(例えばホップ数が5以上)となったリンク状態通知メッセージの回送を、無条件に打ち切ってもよい。
なお、上記では、リンク状態通知メッセージが上がってくる経路の数が所定の閾値よりも少ない場合にリンク状態通知メッセージをプリコーサへ回送する例を説明したが、他に例えば、下流の各経路から上がってくるリンク状態通知メッセージの数の逆数の総和が所定の閾値よりも小さい場合にリンク状態通知メッセージをプリコーサへ回送してもよい。
この構成では、迂回路のない区間が長い経路の重みを下げることによって、自らの中継ノードのリンク切断への耐性をより適切に評価できる。
リンク状態通知メッセージを回送するか否かの決定には、さらに他の情報として周波数チャンネルに関する情報を用いることもできる。
マルチインタフェースを有する中継ノードでは、同時に複数の周波数チャンネルを利用可能である。例えば2.4GHz帯のISMバンドを用いるIEEE802.11b方式では、利用可能帯域内に14個の通信チャンネルを持ち、その内の4チャンネルを同時に利用することが可能である。
中継ノードが第1チャンネル上で複数の経路を有している場合よりも、例えば第1チャンネルと第6チャンネルの両方で複数の経路を有しているほうが、狭帯域の干渉波への耐性が強くなる。
そこで、中継ノードが保持している経路の周波数チャンネル数をリンク状態通知メッセージに含めて上流の中継ノードへ送信し、そのリンク状態通知メッセージを受信した中継ノードのリンク切断への耐性を評価する際に、周波数チャンネルの数が少ないことを示すリンク状態通知メッセージが上がってきた経路の重みを下げてもよい。
また、中継ノードが第1チャンネルと第6チャンネルとで複数の経路を有している場合よりも、さらに周波数が離れた第1チャンネルと第13チャンネルとで複数の経路を有している場合のほうが、広帯域の干渉波への耐性が強くなる。
そこで、中継ノードが保持している経路の周波数チャンネルの離れ具合をリンク状態通知メッセージに含めて上流の中継ノードへ送信し、そのリンク状態通知メッセージを受信した中継ノードのリンク切断への耐性を評価する際に、周波数チャンネルの離れ具合が少ないことを示すリンク状態通知メッセージが上がってきた経路の重みを下げてもよい。
また下流の各経路から上がってくるリンク状態通知メッセージの数、ならびに、リンク状態通知メッセージに示される周波数チャンネルの数および重みを組み合わせて、中継ノードのリンク切断への耐性を評価してもよい。
(リンク状態受信部104)
リンク状態受信部104は、下流の中継ノードのリンク状態送信部103が送信したリンク状態通知メッセージを受信する。
図1において中継ノード203は、中継ノード204、209、210のプリコーサである為、中継ノード204、209、210の各々が中継ノード203に対して送信したリンク状態通知メッセージを受信することで、中継ノード203自身が3本の下流経路を有していることを知る。
中継ノード203が閾値以上の中継ノードからリンク状態通知メッセージを受信した場合(典型的には2以上の中継ノードからリンク状態通知メッセージが受信され、迂回路があると分かる場合)には、中継ノード204、209、210から受信したリンク状態通知メッセージの回送は終端され、それ以上、上流には回送されない。
他方、閾値未満の中継ノードからリンク状態通知メッセージを受信した場合(典型的にはただ1つの中継ノードからリンク状態通知メッセージが受信され、迂回路がないと分かる場合)には、リンク状態受信部104は、下流ノードから受信したリンク状態通知メッセージをリンク状態送信部103に転送し中継させる。
これによって単一リンクで連結されていて迂回路がない区間においてリンク状態通知メッセージが伝搬する。またこの中継動作は、リンク状態通知メッセージのホップ数の値を閾値として、例えばホップ数が5以上の場合には、無条件に中継を打ち切ってもよい。
(活性度算出部305)
活性度算出部305は、各中継ノードにおいて、複数予約された経路のうち、現在データ送信に利用されている主経路が、他の代替経路と比較して、主経路としてのふさわしさを代表する量である活性度αを算出する。活性度αをダイナミクスで制御する場合の具体的な方法の例を(式1)に示す。
Figure 2010084775
(式1)のαは閉区間[0,1]上で定義された活性度、lprimは主経路から受信したリンク状態通知メッセージの数、lsec(i)はi番目の代替経路から受信したリンク状態通知メッセージの数、M、Cは調整係数、Kは活性度の中間状態、即ち0から1への遷移の速さを決定する定数、δは活性度αの応答速度を決定する定数である。
このダイナミクスに従えば、下流経路の代替経路の状態を含む自ノードのリンク状態の見積り値に従って、活性度αが[0,1]区間を、Kに依存した遷移プロファイルに従って変動することになる。値としての活性度αは、(式2)によって更新され得る。
Figure 2010084775
(式2)のαcurrentは、更新後の活性度値、αprevは更新前の活性度値、Δtは更新間隔である。更新間隔はリンク情報通知イベントに連動したタイマー等を制御することによって計測してもよい。
(確率生成部106)
確率生成部106は、リンク選択部307がデータを送信する下流経路を確率的に選択する為に必要なランダム性を有する確率値を発生させる。確率分布としては、例えば(式3)に示す一様分布(a=0、b=1)を適用可能であるが、これに限るものではない。
Figure 2010084775
確率値η(i)は、(式4)で与えられる。
Figure 2010084775
確率値の変動範囲は、0を基準として正負対称の範囲に限定してもよい。
(リンク選択部307)
リンク選択部は、活性度算出部305が制御する活性度、及び、確率生成部106が発生させる確率値に従って、通信データを流す為の経路に対応するネクストホップノードを確率的に選択する。ネクストホップノードの選択方法として、例えば(式5)を用いることができる。
Figure 2010084775
(式5)のm(i)はi番目のネクストホップノードの選択頻度、β,γ,φはダイナミクスの変化速度を司る定数、η(i)は確率生成部106によって生成された確率値であり経路の選択確率に寄与し、wは確率振幅を表す定数である。非特許文献3によると、この非線形常微分方程式の主経路に対する定常解は(式6)のようになることが分かっている。
Figure 2010084775
また、代替経路に対する定常解は(式7)のようになる。
Figure 2010084775
(式5)で算出された経路選択頻度m(i)の変化分を用いて、(式8)で更新前の経路選択頻度m(i)prevから更新後の経路選択頻度m(i)currentを決定することができる。
Figure 2010084775
式中のΔTは経路選択頻度の更新周期によって決定される時間間隔である。
(式8)によって決定された各経路の選択頻度を(式9)によって正規化することで、各経路の選択確率とすることができる。
Figure 2010084775
活性度α=1における代替経路に対する経路選択頻度は、(式6)にα=1を代入することによって得ることができる有限値である。これは、(式9)で決定される経路選択確率を用いると、活性度αが閾値αthよりも高い場合であっても、代替経路にデータが流れることを表している。
活性度が閾値以上の場合に、主経路のみへのデータ送信を行うには、(式9)に選択確率閾値mthによる閾値処理と再正規化の処理を行う必要がある。この処理は、例えば(式10)及び(式11)によって行うこともできる。
Figure 2010084775
Figure 2010084775
(中継処理部108)
中継処理部108は、リンク選択部307によって選択された下流の中継ノードを中継先として、映像及び音声データの送信を行う。
(中継ノードの動作例)
図1のネットワークにおいて、送信ノード201から受信ノード206にデータを送信する場合の全体としての動作の一例を説明する。
初期状態として、送信ノード201から受信ノード206への主経路として、中継ノード202〜205を経る経路が選択されている場合を考える。
図9は、初期状態において、各中継ノードから上流方向に送られるリンク状態通知メッセージを示す図である。
図9において、中継ノード間の経路に沿って描かれている1つの矢印は、1つのリンク状態通知メッセージを表している。また、中継ノード間の経路に沿って描かれているp×qの表記は、当該経路を通って、下流経路数がpであることを示すq個のリンク状態通知メッセージが送られることを表している。
中継ノード203には、3つの下流経路の中継ノード204、209、210から、それぞれ1つ、2つ、1つのリンク状態通知メッセージが上がってくる。中継ノード203は、リンク状態通知メッセージが上がってきた経路の数である3と、閾値である2とを比較に基づいて、中継ノード204、209、210から受け取ったリンク状態通知メッセージを中継ノード202へ転送せずに破棄する。中継ノード203は、下流経路数が3であることを示す自ら生成した1つのリンク状態通知メッセージのみを中継ノード202へ送信する。
中継ノード207には、唯一の下流経路の中継ノード208から、下流経路数が1であることを示す1つのリンク状態通知メッセージが上がってくる。また、中継ノード211には、唯一の下流経路の中継ノード212から、下流経路数が1であることを示す2つのリンク状態通知メッセージが上がってくる。
中継ノード207、211は、それぞれ、受け取ったリンク状態通知メッセージを、下流経路数が1であることを示す自ら生成したリンク状態通知メッセージとともに、中継ノード202へ送信する。
その結果、中継ノード202には、主経路の中継ノード203、および代替経路の中継ノード207、211から、それぞれ1つ、2つ、3つのリンク状態通知メッセージが上がってくる。主経路から中継ノード202が受信するリンク状態通知メッセージの数が最小となることで、中継ノード202上の活性度αは高い値で安定している。
図10は、次に、いくつかの無線リンクが切断された直後の過渡状態において送られるリンク状態通知メッセージを示す図である。図9と同様に、リンク状態通知メッセージを表す矢印と、下流経路数がpであることを示すq個のリンク状態通知メッセージが送られることを表すp×qの表記とが示される。 過渡状態では、リンクの切断の結果として、中継ノード203には、唯一の下流経路の中継ノード204から、下流経路数が1であることを示す2つのリンク状態通知メッセージが上がってくる。そのため、中継ノード203は、受け取ったリンク状態通知メッセージを、下流経路数が1であることを示す自ら生成したリンク状態通知メッセージとともに、中継ノード202へ送信するようになる。
その結果、中継ノード202には、主経路の中継ノード203、および代替経路の中継ノード207、211から、それぞれ3つ、2つ、3つのリンク状態通知メッセージが上がってくる。中継ノード202が主経路から受信するリンク状態通知メッセージの数と代替経路から受信するリンク状態通知メッセージ数の逆転が起こり、(式1)に従い中継ノード202上の活性度αは低下する為、(式5)による主経路の再選択が起こりやすくなる。
図11は、再選択の結果として、中継ノード202、207、208を経る経路が主経路に変更された状態を示す。図9と同様に、リンク状態通知メッセージを表す矢印と、下流経路数がpであることを示すq個のリンク状態通知メッセージが送られることを表すp×qの表記とが示される。
安定状態では、主経路から中継ノード202が受信するリンク状態通知メッセージの数が最小となることで、中継ノード202上の活性度αは再び高い値となり、(式5)による主経路の再選択が起こりにくくなって、主経路の選択状態が安定する。
このように本実施の形態において、リンク切断への耐性が強い最も安全な経路が主経路として選択されやすくなる(確率的に選択される)ことによって、信頼性の高い通信が実現される。
本発明は、IP網や無線アドホック網に代表されるパケット交換網における、データ伝送経路のルーティング技術を備えた通信装置、通信方法、及びプログラムに利用可能である。
101 リンク状態検出部
102 プリコーサ管理部
103 リンク状態送信部
104 リンク状態受信部
106 確率生成部
107 経路選択部
108 中継処理部
201 送信ノード
202〜205、207〜213 中継ノード
206 受信ノード
305 活性度算出部
307 リンク選択部
401 送信ノード
402〜405 中継ノード
406 受信ノード
本発明は、IP網や無線アドホック網に代表されるパケット交換網における、データ伝送経路のルーティング技術を備えた中継装置、制御方法、およびプログラムに関するものである。
IP網に代表される帯域共用型のネットワーク上でデータ送信を行う場合、クロストラフィックと呼ばれる他のサービスやアプリケーションが送受信するトラフィックが原因となり、通信品質の時間的変動が発生することが知られている。通信経路上に無線リンクが存在する場合には、クロストラフィックや外的ノイズによるリンク品質の変動が有線リンクに比べてとくに顕著である。
無線リンクを用いた通信の場合には、送信された信号波は、飛距離と共に減衰する為、一定の範囲内に存在する受信ノードとの間でしか直接通信をすることができない。この範囲は無線通信レイヤーにおける使用周波数帯や変調方式の違いによって異なる。例えば、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)によって規格化が行われた5.2GHz帯無線通信方式である80211aを例にとれば、送信電力16dBm、受信感度−69dBm、送信レート54Mbpsの条件下で、約70m程度になる。この範囲外に存在する受信ノードとの通信は、範囲内に存在する他のノードがデータをバケツリレー中継することによって行われる。このような通信の形態をマルチホップ通信と呼ぶ。
マルチホップ通信では、送信ノードから送信されるデータは、通常、最短距離を通って受信ノードに到達するのが望ましい。その為には、経路上に位置する各中継ノードが、最適な隣接の中継ノードにデータをリレーしていく必要がある。このような送信ノードから受信ノードへとデータを中継していく為の最適な経路を決定する処理をルーティングと呼び、ルーティングを決定する為にノード上で稼働するプロトコルをルーティングプロトコルと呼ぶ。
無線網に対しても用途に応じた様々なルーティングプロトコルが提案されており、最短距離の経路を選ぶ以外にも、経路全体としての伝送状態が最も良い経路を選ぶものが存在する。どの経路が良いかという経路評価の指標は、ルーティングのメトリックスと呼ばれ、ルーティングプロトコルによって様々な評価の基準が存在する。
送信ノードと受信ノード間で単一のデータ送信経路を用いるルーティングプロトコルは、単一経路方式と呼ばれる。無線アドホック網における代表的な単一経路方式として、OLSR(Optimized Link State Routing)や、AODV(Ad hoc On−Demand Distance Vector)が知られている。
単一経路方式の場合、前述のような経路上の無線リンクのリンク品質の低下が起こると、経路切断が発生してデータの送信は中断され、別の経路を発見する処理に入る。発見された経路を用いて通信が再開されるが、経路の回復遅延が大きく、その間に送信されたデータも失われる。
経路の切換を円滑に短時間で行う為に、予め送信に使用する経路(主経路、またはプライマリーパス)の他に、単数または複数の代替経路(セカンダリーパス)を構築しておく方式が存在する。そのような方式は、複数経路方式、またはマルチパスルーティングと呼ばれる。マルチパスルーティングの従来技術の例として、ルーティングテーブル上に各々の経路に対応するネクストホップノードをその経路の評価値と共に記録しておき、最も評価値の高い経路を選択する方式が、特許文献1に開示されている。
図12は、従来技術のネットワークの一例を示す構成図である。
送信ノード401から受信ノード406へのデータの送信が、中継ノード402、中継ノード404を経て行われる場合、この経路が主経路となる。中継ノード402から中継ノード403を経て受信ノード406に至る経路、及び、中継ノード402から中継ノード405を経て受信ノード406に至る経路は、予備的に確保された代替経路である。この代替経路は、主経路でのデータ送信に不具合が生じた場合に交代的に使用される。主経路及び代替経路のルーティングの情報は、マルチパスルーティングのプロトコルに従って、ルーティングテーブルに記録され管理される。
図13は、中継ノード402上で管理されるルーティングテーブルの一例を示す図である。ルーティングプロトコルに従って発見された複数の経路は、各中継ノードに設けられるルーティングテーブルに記録される。ルーティングテーブルでは、下流の転送先であるネクストホップの中継ノードのアドレスと共に、各経路に対するメトリックスも管理されている。そのため、主経路から代替経路への切換の条件が発生した場合には、代替経路の中から最もメトリックスの値が良好な経路が主経路として交代する。
メトリックスの例としては、中継ノード402から受信ノード406に到達する迄に経由する中継ノードの個数が考えられ、この指標はホップ数と呼ばれる。代替経路が予め発見されルーティングテーブル上に記録されている為、単一経路方式と比較して、経路障害に対する回復遅延が小さく、経路切換時のデータ損失も少なくて済むのが特徴である。
特許第4060316号公報
IETF RFC3561 Ad hoc On−Demand Distance Vector (AODV) Routing IETF RFC3626 Optimized Link State Routing Protocol (OLSR) K. Leibnitz, N. Wakamiya, and M. Murata, "Resilient multi−path routing based on a biological attractor selection scheme", in The Second International Workshop on Biologically Inspired Approaches to Advanced Information Technology (BioAdit 2006), Osaka, Japan, January 2006.
従来技術の複数経路方式が有している課題として2つの点が挙げられる。
第一の課題は、代替経路の維持コストが発生することである。主経路の障害が発生した時点で、事前に予約されている代替経路への交代を行った場合に、切り換えられた代替経路自体に障害が発生していては困る為、主経路通信中も代替経路の状態を管理しておく必要がある。代替経路の状態を逐一把握する為に、一定間隔での計測データの送信を行う必要があり、送信ノード、代替経路上の中継ノード、受信ノードに対する処理オーバーヘッド及び通信オーバーヘッドが発生する。
オーバーヘッド削減の方法として、代替経路への計測間隔を長くする方法が考えられるが、代替経路の状態を把握する精度が低下する為、オーバーヘッドと代替経路監視精度はトレードオフの関係となる。そのため、平衡点の決定と調整は、網上を流れるトラフィックが要求するQoS性能や予約する代替経路数に大きく依存してしまうという問題がある。
第二の課題は、主経路からの切換が発生した時点で、予約されている代替経路のいずれもが使用できない場合には、単一経路方式と同様に経路再探索に伴う回復遅延とデータ損失の増大を招くことである。
本発明にある中継ノードは、前記従来の課題を解決するものであり、代替経路の維持コストを最小化しつつ、主経路障害時に確実に代替経路への切換を行う技術の提供を目的とする。
前記従来の課題を解決する為に、本発明の中継装置は、リンクで接続されることで通信データを伝送するための複数の経路が定められる中継装置であって、前記1つの中継装置の下流にある1つ以上の中継装置から、前記下流の各中継装置におけるリンク切断に対する耐性の強さに応じて累積的に回送されてくるリンク状態通知メッセージを受信するリンク状態受信部と、前記リンク状態通知メッセージの個数と所定の確率分布に従って生成される確率値とを基に、前記複数の経路から経路を選択する経路選択部と、前記経路選択部によって選択された経路の下流の中継装置へ、上流からの通信データを中継する中継処理部とを備える。
また、前記経路選択部は、前記複数の経路のうち、通信データを伝送するために現在選択されている経路である主経路の下流の中継装置から受信されるリンク状態通知メッセージの個数に対する、前記主経路以外の各経路の下流の中継装置から受信されるリンク状態通知メッセージの個数の比率から、前記主経路の選択のふさわしさを表す活性度を算出する活性度算出部と、経路の選択頻度を指定するための経路ごとの選択頻度値を、前記活性度算出部によって算出された活性度で表されるふさわしさが劣っているほど、最大の選択頻度値と他の選択頻度値との差が小さくなるように決定し、決定された各経路の選択頻度値と前記確率生成部によって生成された確率値とを加算した頻度値によって表される確率分布に従って、通信データを伝送するための経路を新たに選択するリンク選択部とを有してもよい。
前記中継装置は、さらに、自らの中継装置に関するリンク状態通知メッセージを生成して上流の中継装置へ送信するとともに、自らの中継装置のリンク切断に対する耐性を、下流の中継装置から受信されたリンク状態通知メッセージを基に評価し、評価された耐性が所定の条件を満たさない場合のみ、受信されたリンク状態通知メッセージを上流の中継装置へ回送し、その他の場合には破棄するリンク状態送信部を備えてもよい。
また、前記リンク状態送信部は、前記自らの中継装置に関するリンク状態通知メッセージに、自らの中継装置が保持している経路の周波数チャンネル数、および自らの中継装置が保持している経路の周波数チャンネルの離れ具合の少なくともいずれか一方を含めて上流の中継装置へ送信してもよい。
また、本発明の中継装置は、リンクで接続されることで、通信データを伝送するための複数の経路が定められる中継装置であって、前記1つの中継装置の下流の1つ以上の中継装置から、前記下流の各中継装置におけるリンク切断に対する耐性の強さに応じて累積的に回送されてくるリンク状態通知メッセージを受信するリンク状態受信部と、前記リンク状態通知メッセージの個数を基に、前記複数の経路から経路を選択する経路選択部とを備えてもよい。
また、前記経路選択部は、前記リンク状態通知メッセージの個数と、さらに所定の確率分布に従って生成される確率値とを基に、前記複数の経路から経路を選択してもよい。
なお、本発明は、このような中継装置として実現することができるだけでなく、中継装置の制御方法としても実現できる。さらに、中継装置の制御方法をコンピュータによって実行するためのプログラムとして実現することもできる。
本発明によれば、送信先の中継ノードを、中継先の経路構成を考慮して動的に調整することで、ランダムに発生する電波障害や輻輳によるリンク品質低下、リンク切断への耐性強化を図り、高信頼かつ消費電力の少ないデータ伝送を実現することができる。
図1は、本発明の中継ノードを含むネットワークの構成の一例を示す図である。 図2は、中継ノードのルーティングテーブルの一例を示す図である。 図3は、中継ノードのルーティングテーブルの一例を示す図である。 図4は、中継ノードの構成の一例を示す機能ブロック図である。 図5は、中継ノードの詳細な構成の一例を示す機能ブロック図である。 図6は、経路要求メッセージのフォーマットの一例を示す図である。 図7は、経路応答メッセージのフォーマットの一例を示す図である。 図8は、リンク状態通知メッセージのフォーマットの一例を示す図である。 図9は、実施の形態1におけるカメラ監視システムの初期状態の一例を示す図である。 図10は、実施の形態1におけるカメラ監視システムの過渡状態の一例を示す図である。 図11は、実施の形態1におけるカメラ監視システムの安定状態の一例を示す図である。 図12は、従来技術のネットワークの一例を示す構成図である。 図13は、従来技術のルーティングテーブルの一例を示す図である。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(ネットワークの構成)
図1は、本発明の実施の形態における中継ノードを含むネットワークの構成の一例を示す図である。
図1のネットワークは、カメラ監視システムに用いられる。送信ノード201である監視カメラが撮影した映像及び音声信号は、本発明の中継ノード202〜205、207〜213を含むネットワークでマルチホップ伝送され、受信ノード206であるモニタ装置によって再生表示される。便宜上、送信ノード201へ向かう方向を上流、受信ノード206へ向かう方向を下流と呼ぶ。
このような監視カメラシステムは、セキュリティ用途、セーフティ用途等に幅広く用いられ、無線アドホック網でインフラを構成することで設置が簡単になる等の効果が得られる。
各中継ノードでは、リアクティブ型のマルチパスルーティングのプロトコルに従ってルーティング情報が管理される。
(ルーティングテーブル)
図2は、中継ノード202におけるルーティングテーブルに記録されているルーティング情報の一例を示す図であり、図3は、中継ノード203におけるルーティングテーブルに記録されているルーティング情報の一例を示す図である。図2及び図3に示されるいずれのルーティング情報も、ルーティングプロトコルの種類に依存して決まる共通のフォーマットで表されている。ルーティング情報の1行は、1つの宛先への1つの経路に対応する経路エントリである。
各経路エントリの第一列は宛先となる受信ノード、即ちモニタのアドレスであり、第二列は受信ノードを宛先とする3つの有効な経路に対応したネクストホップの中継ノードのアドレスである。ネクストホップのアドレスの末尾に*が付記されている場合は、そのネクストホップの中継ノードが、主経路として使用されていることを示す。また第三列は、ルーティングプロトコルに従って経路の優劣を決める為の指標であるメトリックスの値である。メトリックスの値は、受信ノード迄のホップ数やリンクの物理帯域等、経路の品質に影響を与える要因を総合的に考慮して定められるのが一般的である。
ルーティングテーブルへは、ルーティングプロトコルに従って経路が発見された順番に複数の経路エントリが登録可能である。そのため、同一の宛先についてメトリックスの値が同じ経路エントリが複数ある場合は、ルーティングテーブルの上にある経路エントリに従って主経路のネクストホップが選択される。
この規則に従い、現在、中継ノード202は、下流のネクストホップに中継ノード203を選択し、中継ノード203は、中継ノード204を選択している。この為、送信ノード201から受信ノード206にデータを送信する場合の主経路は、中継ノード202、203、204、205を経る経路である。
(中継ノードの構成)
図4は、中継ノード203の構成の一例を示す機能ブロック図である。中継ノード202〜205、207〜213はいずれも中継ノード203と同一に構成されるため、説明を省略する。
中継ノード203は、リンク状態検出部101、プリコーサ管理部102、リンク状態送信部103、リンク状態受信部104、確率生成部106、経路選択部107、中継処理部108から構成される。
リンク状態受信部104は、一定範囲に存在する下流の中継ノードから、下流の中継ノードのリンク切断への耐性の強さを表すリンク状態通知メッセージを受信する。
経路選択部107は、受信されたリンク状態通知メッセージによって表される、主経路の下流でのリンク切断への耐性の強さの低下に応じて、全ての代替経路を確率的に用いて通信データを送信するように中継処理部108を制御する。代替経路を用いる確率は、確率生成部106で生成された確率値に従って定められる。
通信データの一部が全ての代替経路を確率的に用いて送信されることで、各代替経路が利用可能かどうかが把握される。利用できない代替経路が存在する場合には、当該経路を代替経路としての対象から除外し、他の代替経路のみでデータ送信を行う。
中継ノード203(中継ノード202〜205、207〜213も同様)は、主経路の下流においてリンク切断への耐性が維持されているときには代替経路に対する状態検出は行わない。主経路の下流においてリンク切断への耐性の低下が検出されたときに初めて、代替経路にデータの一部を送信することで、代替経路の状態を把握する。
これにより、代替経路の状態を把握する為だけに行われる通信がなくなるので、経路の維持コストを最小化することが可能となる。
このようにして、従来技術が有している第一の課題は解決される。
また、中継ノード203(中継ノード202〜205、207〜213も同様)は、主経路の下流におけるリンク切断への耐性の低下に応じて、通信データの一部を確率的に全ての代替経路で送信する。
これにより、主経路が完全に途絶してから代替経路への切り換えを試みるのではなく、主経路でのデータ送信を継続しながら、ルーティングテーブルに登録されている代替経路の状態を把握することが可能となる為、例えば、全ての代替経路が既に利用可能な状態ではないといった困難な状況が検知された場合であっても、主経路が完全に途絶する前に新たな代替経路を探索する時間的余裕が得られる。その結果、主経路途絶時の回復遅延を抑え、経路切換時に発生するデータ損失を最小化することが可能となる。
このようにして、従来技術に挙げられた第二の課題が解決される。
中継ノード203について、さらに詳細な説明を続ける。
図5は、中継ノード203の詳細な構成の一例を示す機能ブロック図である。図5では、図4に示される経路選択部107が、活性度算出部305およびリンク選択部307に具体化される。
中継ノード203は、主経路の下流での伝送品質が悪化したとき、状態変化に応じた確率バランスを保ちつつ下流の中継ノードを確率的に選択する為に、活性度と呼ばれる情報を計算し利用する。下流リンクの選択は、活性度と確率生成部106によって生成される確率値を基準に行われ、この為の構成が活性度算出部305である。
以下に各構成部分の動作について詳細に説明をする。
(リンク状態検出部101)
図1における送信ノード201は、通信の宛先となる受信ノード206が確定すると、送信ノード201から受信ノード206に至る経路を発見する為の処理を行う。経路を発見するための処理は、経路要求(RREQ)メッセージを電波到達範囲に存在するノードに対してブロードキャストすることによって開始される。
図6は、RREQメッセージのフォーマットの一例を示す図である。
図1でノード間を結ぶ実線は、電波到達範囲を表しており、各ノードが出す電波は実線が引かれた隣接ノード迄しか届かないものと仮定すると、送信ノード201が発行したRREQメッセージは、中継ノード202にのみ受信され得る。その他の中継ノード202〜205、206〜213、及び、受信ノード206には、伝搬損失により、RREQメッセージを受信することはできない。
RREQメッセージを受信した中継ノード202は、送信ノード201が直接通信可能な上流ノードであることを検出し、ルーティングテーブルに送信ノード201へ戻るネクストホップが送信ノード201自体であることを表す経路エントリ情報を追記する。
また中継ノード202は、受信ノード206への直接経路を持たない為、中継ノード202自身の電波到達範囲に位置するノードに対して、受信したRREQメッセージを再度ブロードキャストする。
このRREQメッセージは、上流方向に隣接する中継ノードであるプリコーサにも受信されるが、シーケンス番号の照合により、既に処理したRREQメッセージであることが検出できる為、プリコーサによって破棄され、下流の中継ノードである中継ノード203、207、211によってのみ受信され得る。
他の中継ノード203〜206、207〜213でも、RREQメッセージは同様に処理される。その結果、RREQメッセージは受信ノード206に、図1に示す5つの経路で到着する。
受信ノード206は、中継ノード205、208、209、210、213に対して、経路応答(RREP)メッセージをユニキャストする。
図7は、RREPメッセージのフォーマットの一例を示す図である。
RREPメッセージを受信した中継ノード205は、受信ノードからの直接通信によってRREPメッセージが届いたことを検出し、自ノードのルーティングテーブルに受信ノード206に対するネクストホップが受信ノード206自体であることを表す経路エントリを追記する。またRREQ受信時に追記した送信ノード201へ戻るネクストホップが中継ノード204であることを表す逆方向の経路エントリを用いることによって、プリコーサに対して、RREPをユニキャスト転送する。
他の4つの中継ノード208、209、210、213においてもRREPメッセージは同様に処理される。RREPメッセージが転送されていく段階で、中継ノード202及び中継ノード203には、送信ノード201から受信ノード206に向かう各々3つの経路エントリが追記される。
図6に示したRREQメッセージ内のホップ数には送信ノードで0をセットし、図7に示したRREPメッセージ内のホップ数には受信ノードで0をセットする。各中継ノードは、中継動作に連動してホップ数をインクリメントする為、ルーティングテーブルへ経路エントリが追記される段階において、図2及び図3に示したルーティングテーブルの第三列のメトリックスの値が確定する。
(プリコーサ管理部102)
リンク状態検出部101によってルーティングテーブルが生成されるタイミングで、中継ノードを基準にした場合の上流と下流の関係が検出できる。プリコーサ管理部102は、この検出結果に基づき、送信ノードから受信ノードに向かう経路上で中継ノードの上流に隣接する他の中継ノードを、プリコーサとして内部に記録する。
(リンク状態送信部103)
リンク状態送信部103は、中継ノードが受信ノードに向けて有している下流経路の数を含むリンク状態通知メッセージを生成し、生成したリンク状態通知メッセージを、プリコーサ管理部102に記録されているプリコーサへ送信する。
図8は、リンク状態通知メッセージのフォーマットの一例を示す図である。リンク状態通知元アドレスは、リンク状態通知メッセージを生成した中継ノードのアドレスであり、ホップ数は0にセットされる。下流経路数は、リンク状態検出部101によって検出され、ルーティングテーブルに追記された、送信ノード201から受信ノード206に至る経路に対する主経路及び代替経路数の総数である。
リンク状態送信部103は、また、リンク状態受信部104によって下流の中継ノードから受信されたリンク状態通知メッセージを基に、自らの中継ノードのリンク切断への耐性を評価する。そして、受信されたリンク状態通知メッセージを、耐性が所定の基準を満たさないと判断される場合のみプリコーサへ回送し、その他の場合には破棄する。リンク状態送信部103は、リンク状態通知メッセージを回送する場合、リンク状態通知メッセージのホップ数をインクリメントする。
これにより、リンク状態通知メッセージは、リンク切断への耐性が小さいと考えられるネットワーク区間において累積的に上流の中継ノードへ向けて回送されていく。そして、リンク状態通知メッセージの回送は、リンク切断への耐性が所定の基準を満たす程度に高いと判断された中継ノードで終端される。
リンク状態送信部103は、リンク状態通知メッセージを回送する際に、例えば、リンク状態通知メッセージが上がってきた経路の数(つまり、ネクストホップとなる中継ノードの数)が所定の閾値よりも少ない場合に、自らの中継ノードがリンク切断への耐性が低いと判断してもよい。
具体的に、閾値を2とすれば、リンク状態送信部103は、1以上のリンク状態通知メッセージがただ1つの中継ノードから受信された(つまり、ネクストホップとなる中継ノードの数がただ1つであるために迂回路が存在しない)場合のみ、受信されたリンク状態通知メッセージをプリコーサへ回送する。この構成では、リンク状態通知メッセージは、単一のリンクで連結されているために迂回路のない区間において累積的に上流へ伝搬する。これにより、下流経路に存在する迂回路を持たないリンクの数と同数のリンク状態通知メッセージが、その下流経路から上がってくることになる。
その結果、各中継ノードは、より多くのリンク状態通知メッセージが上がってくる下流経路ほど、迂回路のない、より長い区間を持っていることを知ることができ、そのような下流経路はリンク切断への耐性が低いと判断することができる。
なお、リンク状態通知メッセージが伝搬する範囲を制限するために、ホップ数が所定の閾値以上(例えばホップ数が5以上)となったリンク状態通知メッセージの回送を、無条件に打ち切ってもよい。
なお、上記では、リンク状態通知メッセージが上がってくる経路の数が所定の閾値よりも少ない場合にリンク状態通知メッセージをプリコーサへ回送する例を説明したが、他に例えば、下流の各経路から上がってくるリンク状態通知メッセージの数の逆数の総和が所定の閾値よりも小さい場合にリンク状態通知メッセージをプリコーサへ回送してもよい。
この構成では、迂回路のない区間が長い経路の重みを下げることによって、自らの中継ノードのリンク切断への耐性をより適切に評価できる。
リンク状態通知メッセージを回送するか否かの決定には、さらに他の情報として周波数チャンネルに関する情報を用いることもできる。
マルチインタフェースを有する中継ノードでは、同時に複数の周波数チャンネルを利用可能である。例えば2.4GHz帯のISMバンドを用いるIEEE802.11b方式では、利用可能帯域内に14個の通信チャンネルを持ち、その内の4チャンネルを同時に利用することが可能である。
中継ノードが第1チャンネル上で複数の経路を有している場合よりも、例えば第1チャンネルと第6チャンネルの両方で複数の経路を有しているほうが、狭帯域の干渉波への耐性が強くなる。
そこで、中継ノードが保持している経路の周波数チャンネル数をリンク状態通知メッセージに含めて上流の中継ノードへ送信し、そのリンク状態通知メッセージを受信した中継ノードのリンク切断への耐性を評価する際に、周波数チャンネルの数が少ないことを示すリンク状態通知メッセージが上がってきた経路の重みを下げてもよい。
また、中継ノードが第1チャンネルと第6チャンネルとで複数の経路を有している場合よりも、さらに周波数が離れた第1チャンネルと第13チャンネルとで複数の経路を有している場合のほうが、広帯域の干渉波への耐性が強くなる。
そこで、中継ノードが保持している経路の周波数チャンネルの離れ具合をリンク状態通知メッセージに含めて上流の中継ノードへ送信し、そのリンク状態通知メッセージを受信した中継ノードのリンク切断への耐性を評価する際に、周波数チャンネルの離れ具合が少ないことを示すリンク状態通知メッセージが上がってきた経路の重みを下げてもよい。
また下流の各経路から上がってくるリンク状態通知メッセージの数、ならびに、リンク状態通知メッセージに示される周波数チャンネルの数および重みを組み合わせて、中継ノードのリンク切断への耐性を評価してもよい。
(リンク状態受信部104)
リンク状態受信部104は、下流の中継ノードのリンク状態送信部103が送信したリンク状態通知メッセージを受信する。
図1において中継ノード203は、中継ノード204、209、210のプリコーサである為、中継ノード204、209、210の各々が中継ノード203に対して送信したリンク状態通知メッセージを受信することで、中継ノード203自身が3本の下流経路を有していることを知る。
中継ノード203が閾値以上の中継ノードからリンク状態通知メッセージを受信した場合(典型的には2以上の中継ノードからリンク状態通知メッセージが受信され、迂回路があると分かる場合)には、中継ノード204、209、210から受信したリンク状態通知メッセージの回送は終端され、それ以上、上流には回送されない。
他方、閾値未満の中継ノードからリンク状態通知メッセージを受信した場合(典型的にはただ1つの中継ノードからリンク状態通知メッセージが受信され、迂回路がないと分かる場合)には、リンク状態受信部104は、下流ノードから受信したリンク状態通知メッセージをリンク状態送信部103に転送し中継させる。
これによって単一リンクで連結されていて迂回路がない区間においてリンク状態通知メッセージが伝搬する。またこの中継動作は、リンク状態通知メッセージのホップ数の値を閾値として、例えばホップ数が5以上の場合には、無条件に中継を打ち切ってもよい。
(活性度算出部305)
活性度算出部305は、各中継ノードにおいて、複数予約された経路のうち、現在データ送信に利用されている主経路が、他の代替経路と比較して、主経路としてのふさわしさを代表する量である活性度αを算出する。活性度αをダイナミクスで制御する場合の具体的な方法の例を(式1)に示す。
Figure 2010084775
(式1)のαは閉区間[0,1]上で定義された活性度、lprimは主経路から受信したリンク状態通知メッセージの数、lsec(i)はi番目の代替経路から受信したリンク状態通知メッセージの数、M、Cは調整係数、Kは活性度の中間状態、即ち0から1への遷移の速さを決定する定数、δは活性度αの応答速度を決定する定数である。
このダイナミクスに従えば、下流経路の代替経路の状態を含む自ノードのリンク状態の見積り値に従って、活性度αが[0,1]区間を、Kに依存した遷移プロファイルに従って変動することになる。値としての活性度αは、(式2)によって更新され得る。
Figure 2010084775
(式2)のαcurrentは、更新後の活性度値、αprevは更新前の活性度値、Δtは更新間隔である。更新間隔はリンク情報通知イベントに連動したタイマー等を制御することによって計測してもよい。
(確率生成部106)
確率生成部106は、リンク選択部307がデータを送信する下流経路を確率的に選択する為に必要なランダム性を有する確率値を発生させる。確率分布としては、例えば(式3)に示す一様分布(a=0、b=1)を適用可能であるが、これに限るものではない。
Figure 2010084775
確率値η(i)は、(式4)で与えられる。
Figure 2010084775
確率値の変動範囲は、0を基準として正負対称の範囲に限定してもよい。
(リンク選択部307)
リンク選択部は、活性度算出部305が制御する活性度、及び、確率生成部106が発生させる確率値に従って、通信データを流す為の経路に対応するネクストホップノードを確率的に選択する。ネクストホップノードの選択方法として、例えば(式5)を用いることができる。
Figure 2010084775
(式5)のm(i)はi番目のネクストホップノードの選択頻度、β,γ,φはダイナミクスの変化速度を司る定数、η(i)は確率生成部106によって生成された確率値であり経路の選択確率に寄与し、wは確率振幅を表す定数である。非特許文献3によると、この非線形常微分方程式の主経路に対する定常解は(式6)のようになることが分かっている。
Figure 2010084775
また、代替経路に対する定常解は(式7)のようになる。
Figure 2010084775
(式5)で算出された経路選択頻度m(i)の変化分を用いて、(式8)で更新前の経路選択頻度m(i)prevから更新後の経路選択頻度m(i)currentを決定することができる。
Figure 2010084775
式中のΔTは経路選択頻度の更新周期によって決定される時間間隔である。
(式8)によって決定された各経路の選択頻度を(式9)によって正規化することで、各経路の選択確率とすることができる。
Figure 2010084775
活性度α=1における代替経路に対する経路選択頻度は、(式6)にα=1を代入することによって得ることができる有限値である。これは、(式9)で決定される経路選択確率を用いると、活性度αが閾値αthよりも高い場合であっても、代替経路にデータが流れることを表している。
活性度が閾値以上の場合に、主経路のみへのデータ送信を行うには、(式9)に選択確率閾値mthによる閾値処理と再正規化の処理を行う必要がある。この処理は、例えば(式10)及び(式11)によって行うこともできる。
Figure 2010084775
Figure 2010084775
(中継処理部108)
中継処理部108は、リンク選択部307によって選択された下流の中継ノードを中継先として、映像及び音声データの送信を行う。
(中継ノードの動作例)
図1のネットワークにおいて、送信ノード201から受信ノード206にデータを送信する場合の全体としての動作の一例を説明する。
初期状態として、送信ノード201から受信ノード206への主経路として、中継ノード202〜205を経る経路が選択されている場合を考える。
図9は、初期状態において、各中継ノードから上流方向に送られるリンク状態通知メッセージを示す図である。
図9において、中継ノード間の経路に沿って描かれている1つの矢印は、1つのリンク状態通知メッセージを表している。また、中継ノード間の経路に沿って描かれているp×qの表記は、当該経路を通って、下流経路数がpであることを示すq個のリンク状態通知メッセージが送られることを表している。
中継ノード203には、3つの下流経路の中継ノード204、209、210から、それぞれ1つ、2つ、1つのリンク状態通知メッセージが上がってくる。中継ノード203は、リンク状態通知メッセージが上がってきた経路の数である3と、閾値である2とを比較に基づいて、中継ノード204、209、210から受け取ったリンク状態通知メッセージを中継ノード202へ転送せずに破棄する。中継ノード203は、下流経路数が3であることを示す自ら生成した1つのリンク状態通知メッセージのみを中継ノード202へ送信する。
中継ノード207には、唯一の下流経路の中継ノード208から、下流経路数が1であることを示す1つのリンク状態通知メッセージが上がってくる。また、中継ノード211には、唯一の下流経路の中継ノード212から、下流経路数が1であることを示す2つのリンク状態通知メッセージが上がってくる。
中継ノード207、211は、それぞれ、受け取ったリンク状態通知メッセージを、下流経路数が1であることを示す自ら生成したリンク状態通知メッセージとともに、中継ノード202へ送信する。
その結果、中継ノード202には、主経路の中継ノード203、および代替経路の中継ノード207、211から、それぞれ1つ、2つ、3つのリンク状態通知メッセージが上がってくる。主経路から中継ノード202が受信するリンク状態通知メッセージの数が最小となることで、中継ノード202上の活性度αは高い値で安定している。
図10は、次に、いくつかの無線リンクが切断された直後の過渡状態において送られるリンク状態通知メッセージを示す図である。図9と同様に、リンク状態通知メッセージを表す矢印と、下流経路数がpであることを示すq個のリンク状態通知メッセージが送られることを表すp×qの表記とが示される。 過渡状態では、リンクの切断の結果として、中継ノード203には、唯一の下流経路の中継ノード204から、下流経路数が1であることを示す2つのリンク状態通知メッセージが上がってくる。そのため、中継ノード203は、受け取ったリンク状態通知メッセージを、下流経路数が1であることを示す自ら生成したリンク状態通知メッセージとともに、中継ノード202へ送信するようになる。
その結果、中継ノード202には、主経路の中継ノード203、および代替経路の中継ノード207、211から、それぞれ3つ、2つ、3つのリンク状態通知メッセージが上がってくる。中継ノード202が主経路から受信するリンク状態通知メッセージの数と代替経路から受信するリンク状態通知メッセージ数の逆転が起こり、(式1)に従い中継ノード202上の活性度αは低下する為、(式5)による主経路の再選択が起こりやすくなる。
図11は、再選択の結果として、中継ノード202、207、208を経る経路が主経路に変更された状態を示す。図9と同様に、リンク状態通知メッセージを表す矢印と、下流経路数がpであることを示すq個のリンク状態通知メッセージが送られることを表すp×qの表記とが示される。
安定状態では、主経路から中継ノード202が受信するリンク状態通知メッセージの数が最小となることで、中継ノード202上の活性度αは再び高い値となり、(式5)による主経路の再選択が起こりにくくなって、主経路の選択状態が安定する。
このように本実施の形態において、リンク切断への耐性が強い最も安全な経路が主経路として選択されやすくなる(確率的に選択される)ことによって、信頼性の高い通信が実現される。
本発明は、IP網や無線アドホック網に代表されるパケット交換網における、データ伝送経路のルーティング技術を備えた通信装置、通信方法、及びプログラムに利用可能である。
101 リンク状態検出部
102 プリコーサ管理部
103 リンク状態送信部
104 リンク状態受信部
106 確率生成部
107 経路選択部
108 中継処理部
201 送信ノード
202〜205、207〜213 中継ノード
206 受信ノード
305 活性度算出部
307 リンク選択部
401 送信ノード
402〜405 中継ノード
406 受信ノード

Claims (6)

  1. 互いにリンクで接続されることで通信ネットワークを構成する複数の中継装置の1つであって、
    前記通信ネットワークには、前記1つの中継装置を経由して通信データを伝送するための複数の経路が定められ、
    前記1つの中継装置の下流の1つ以上の中継装置から、前記下流の各中継装置におけるリンク切断に対する耐性の強さに応じて累積的に回送されてくるリンク状態通知メッセージを受信するリンク状態受信部と、
    所定の確率分布に従って確率値を発生させる確率生成部と、
    前記リンク状態通知メッセージの個数と前記確率値とを基に、前記複数の経路の1つを選択する経路選択部と、
    前記経路選択部によって選択された経路の下流の中継装置へ、上流からの通信データを中継する中継処理部と
    を備える中継装置。
  2. 前記経路選択部は、
    前記複数の経路のうち、通信データを伝送するために現在選択されている経路である主経路の下流の中継装置から受信されるリンク状態通知メッセージの個数に対する、前記主経路以外の各経路の下流の中継装置から受信されるリンク状態通知メッセージの個数の比率から、前記主経路の選択のふさわしさを表す活性度を算出する活性度算出部と、
    経路の選択頻度を指定するための経路ごとの選択頻度値を、前記活性度算出部によって算出された活性度で表されるふさわしさが劣っているほど、最大の選択頻度値と他の選択頻度値との差が小さくなるように決定し、決定された各経路の選択頻度値と前記確率生成部によって生成された確率値とを加算した頻度値によって表される確率分布に従って、通信データを伝送するための経路を新たに選択するリンク選択部と
    を有する請求項1に記載の中継装置。
  3. さらに、
    自らの中継装置に関するリンク状態通知メッセージを生成して上流の中継装置へ送信するとともに、自らの中継装置のリンク切断に対する耐性を、下流の中継装置から受信されたリンク状態通知メッセージを基に評価し、評価された耐性が所定の条件を満たさない場合のみ、受信されたリンク状態通知メッセージを上流の中継装置へ回送し、その他の場合には破棄するリンク状態送信部
    を備える請求項1または請求項2に記載の中継装置。
  4. 前記リンク状態送信部は、前記自らの中継装置に関するリンク状態通知メッセージに、自らの中継装置が保持している経路の周波数チャンネル数、および自らの中継装置が保持している経路の周波数チャンネルの離れ具合の少なくともいずれか一方を含めて上流の中継装置へ送信する
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の中継装置。
  5. 互いにリンクで接続されることで通信ネットワークを構成する複数の中継装置の1つを制御する制御方法であって、
    前記通信ネットワークには、前記1つの中継装置を経由して通信データを伝送するための複数の経路が定められ、
    前記1つの中継装置の下流の1つ以上の中継装置から、前記下流の各中継装置におけるリンク切断に対する耐性の強さに応じて累積的に回送されてくるリンク状態通知メッセージを受信するリンク状態受信ステップと、
    所定の確率分布に従って確率値を発生させる確率生成ステップと、
    前記リンク状態通知メッセージの個数と前記確率値とを基に、前記複数の経路の1つを選択する経路選択ステップと、
    前記経路選択部によって選択された経路の下流の中継装置へ、上流からの通信データを中継する中継処理ステップと
    を含む制御方法。
  6. 互いにリンクで接続されることで通信ネットワークを構成する複数の中継装置の1つを制御するためのコンピュータ実行可能なプログラムであって、
    前記通信ネットワークには、前記1つの中継装置を経由して通信データを伝送するための複数の経路が定められ、
    前記1つの中継装置の下流の1つ以上の中継装置から、前記下流の各中継装置におけるリンク切断に対する耐性の強さに応じて累積的に回送されてくるリンク状態通知メッセージを受信するリンク状態受信ステップと、
    所定の確率分布に従って確率値を発生させる確率生成ステップと、
    前記リンク状態通知メッセージの個数と前記確率値とを基に、前記複数の経路の1つを選択する経路選択ステップと、
    前記経路選択部によって選択された経路の下流の中継装置へ、上流からの通信データを中継する中継処理ステップと
    をコンピュータに実行させるプログラム。
JP2010521248A 2009-01-26 2010-01-25 中継装置、制御方法、およびプログラム Active JP4573914B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009014463 2009-01-26
JP2009014463 2009-01-26
PCT/JP2010/000400 WO2010084775A1 (ja) 2009-01-26 2010-01-25 中継装置、制御方法、およびプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP4573914B2 JP4573914B2 (ja) 2010-11-04
JPWO2010084775A1 true JPWO2010084775A1 (ja) 2012-07-19

Family

ID=42355830

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010521248A Active JP4573914B2 (ja) 2009-01-26 2010-01-25 中継装置、制御方法、およびプログラム

Country Status (5)

Country Link
US (1) US8392607B2 (ja)
EP (1) EP2293642B1 (ja)
JP (1) JP4573914B2 (ja)
CN (1) CN102113404B (ja)
WO (1) WO2010084775A1 (ja)

Families Citing this family (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5354392B2 (ja) * 2009-02-02 2013-11-27 日本電気株式会社 通信ネットワーク管理システム、方法、プログラム、及び管理計算機
US9666065B2 (en) * 2010-07-14 2017-05-30 Dongjing Zhao Wireless switch assembly, relay retransmission control system and memory card
EP2618604A4 (en) * 2010-09-17 2017-07-19 Fujitsu Limited Wireless communication system, relay station, terminal, and wireless communication method
GB2484915B (en) 2010-10-22 2013-10-23 Toshiba Res Europ Ltd Forwarding and routing in sensor networks
WO2012073315A1 (ja) * 2010-11-29 2012-06-07 富士通株式会社 無線通信装置および無線ネットワークにおける迂回経路探索方法
FR2979512B1 (fr) * 2011-08-30 2014-04-04 Bull Sas Procede d'echange de donnees entre nœuds d'une grappe de serveurs et grappe de serveurs mettant en œuvre ce procede
US9088486B2 (en) 2012-03-19 2015-07-21 Ciena Corporation Retention of a sub-network connection home path
GB2500410A (en) * 2012-03-21 2013-09-25 Renesas Mobile Corp Swapping an actual channel on a secondary link with a shadow channel on a primary link with when the secondary link is no longer available
US9270577B2 (en) * 2012-07-31 2016-02-23 Hewlett Packard Enterprise Development Lp Selection of one of first and second links between first and second network devices
US9451654B2 (en) 2012-08-27 2016-09-20 Qualcomm Incorporated Systems and methods for multi-hop relay selection
JP6065011B2 (ja) * 2012-09-07 2017-01-25 日本電気株式会社 通信装置、通信方法、及び、プログラム
US9992021B1 (en) 2013-03-14 2018-06-05 GoTenna, Inc. System and method for private and point-to-point communication between computing devices
RU2528415C1 (ru) * 2013-09-26 2014-09-20 Общество с ограниченной ответственностью "Лаборатория Интеллектуальных Технологий ЛИНТЕХ" Способ распределенной балансировки трафика в беспроводной сенсорной сети
US9756549B2 (en) 2014-03-14 2017-09-05 goTenna Inc. System and method for digital communication between computing devices
KR102184767B1 (ko) * 2014-04-01 2020-12-01 삼성전자주식회사 복수의 디바이스를 포함하는 네트워크의 통신 방법 및 장치
JP6413674B2 (ja) * 2014-11-13 2018-10-31 富士通株式会社 通信制御プログラム、通信制御方法および通信制御装置
FR3037462B1 (fr) 2015-06-12 2017-07-21 Thales Sa Procede de correction locale du chemin de routage dans un reseau ad hoc et reseau ad hoc associe
SG10202009583XA (en) * 2016-03-31 2020-11-27 Agency Science Tech & Res Method and device for mesh routing in a channel-diverse mesh network
EP3473052A4 (en) * 2016-06-18 2020-04-22 Clevernet, INC. INTELLIGENT ADAPTIVE TRANSPORT LAYER TO INCREASE PERFORMANCE WITH SEVERAL CHANNELS
JP6843607B2 (ja) * 2016-12-08 2021-03-17 キヤノン株式会社 通信装置、通信システム、通信方法及びプログラム
CN107040302B (zh) * 2017-04-18 2020-06-12 青岛海信移动通信技术股份有限公司 一种中继通信的配置方法和装置
JP7284893B2 (ja) * 2018-07-05 2023-06-01 国立研究開発法人情報通信研究機構 情報共有端末、自律型の移動体、情報共有システム及び情報共有方法
CN109672621B (zh) * 2019-01-23 2021-04-30 中国联合网络通信集团有限公司 一种为vpn业务选择传输路径的方法和设备
WO2020185707A1 (en) 2019-03-08 2020-09-17 goTenna Inc. Method for utilization-based traffic throttling in a wireless mesh network
CN111065146B (zh) * 2019-12-19 2023-06-06 西安邮电大学 一种基于链路质量的自组网路由确定方法
US11632316B2 (en) * 2020-12-22 2023-04-18 Hewlett Packard Enterprise Development Lp Method and system for reporting unavailability in a label-switched path

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005064721A (ja) * 2003-08-08 2005-03-10 Sony Corp 通信システム及び方法、通信端末装置及びその制御方法、プログラム
JP2005286961A (ja) * 2004-03-31 2005-10-13 Hitachi Communication Technologies Ltd クロスコネクト装置及び光クロスコネクト装置、ならびにそれを用いた回線救済方法

Family Cites Families (29)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0460316A (ja) 1990-06-26 1992-02-26 Misawa Homes Co Ltd 蓄熱暖房装置
JP3084066B2 (ja) 1993-12-24 2000-09-04 インターナシヨナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーシヨン 情報ネットワークにおける帯域幅予約接続の経路指定
JP3126904B2 (ja) * 1994-07-21 2001-01-22 キヤノン株式会社 スペクトラム拡散通信装置
US6400681B1 (en) * 1996-06-20 2002-06-04 Cisco Technology, Inc. Method and system for minimizing the connection set up time in high speed packet switching networks
US7593321B2 (en) * 1997-02-11 2009-09-22 Cisco Technology, Inc. Method and system for a local and fast non-disruptive path switching in high speed packet switching networks
US6934249B1 (en) * 1997-04-01 2005-08-23 Cisco Technology, Inc. Method and system for minimizing the connection set up time in high speed packet switching networks
US6647008B1 (en) * 1997-12-19 2003-11-11 Ibm Corporation Method and system for sharing reserved bandwidth between several dependent connections in high speed packet switching networks
US6683852B2 (en) * 1998-12-15 2004-01-27 Lucent Technologies Inc. Call admission control methods and apparatus for improving route selection in packet networks
US6567481B1 (en) * 1999-04-30 2003-05-20 Ericsson Inc. Receivers including iterative map detection and related methods
US6628670B1 (en) * 1999-10-29 2003-09-30 International Business Machines Corporation Method and system for sharing reserved bandwidth between several dependent connections in high speed packet switching networks
US7092457B1 (en) * 2000-01-18 2006-08-15 University Of Southern California Adaptive iterative detection
US20020087722A1 (en) * 2000-12-29 2002-07-04 Ragula Systems D/B/A/ Fatpipe Networks Domain name resolution making IP address selections in response to connection status when multiple connections are present
US7260643B2 (en) * 2001-03-30 2007-08-21 Xerox Corporation Systems and methods for identifying user types using multi-modal clustering and information scent
US7463890B2 (en) * 2002-07-24 2008-12-09 Herz Frederick S M Method and apparatus for establishing ad hoc communications pathways between source and destination nodes in a communications network
US6961310B2 (en) * 2002-08-08 2005-11-01 Joseph Bibb Cain Multiple path reactive routing in a mobile ad hoc network
NO318843B1 (no) * 2002-11-13 2005-05-09 Telenor Asa AHN-nettverk
US7561526B2 (en) * 2002-12-17 2009-07-14 Nortel Networks Limited Communication network route determination
US8005054B2 (en) * 2003-08-08 2011-08-23 Sony Corporation Communication system, communication method, communication terminal device, control method thereof, and program
CN100539601C (zh) * 2003-10-15 2009-09-09 株式会社Ntt都科摩 控制多个通信层的操作的设备和方法
WO2005041516A2 (en) * 2003-10-15 2005-05-06 Ntt Docomo, Inc. Apparatus and method for controlling an operation of a plurality of communication layers in a layered communication scenario
AU2004292680B2 (en) * 2003-11-28 2010-04-22 Canon Kabushiki Kaisha Method of constructing preferred views of hierarchical data
EP1774675A1 (en) * 2004-07-22 2007-04-18 Philips Intellectual Property & Standards GmbH Controller unit, communication device and communication system as well as method of communication between and among mobile nodes
US20070211623A1 (en) * 2004-08-30 2007-09-13 Nec Corporation Failure recovery method, network device, and program
KR100630196B1 (ko) * 2004-11-15 2006-09-29 삼성전자주식회사 직교 주파수 분할 다중 방식을 사용하는 이동 통신시스템에서 동기 획득 장치 및 방법
WO2006083021A1 (en) * 2005-02-04 2006-08-10 Kabushiki Kaisha Toshiba Optimal channel assignment for multi-class, multi-channel wireless lans and the like
US7567577B2 (en) * 2005-06-28 2009-07-28 Cisco Technology, Inc. Link state advertisements specifying dynamic routing metrics and associated variation metrics and selective distribution thereof
US7395270B2 (en) * 2006-06-26 2008-07-01 International Business Machines Corporation Classification-based method and apparatus for string selectivity estimation
EP2122866A1 (en) * 2007-02-15 2009-11-25 Ofidium Pty Ltd Reception of signals transmitted over a dispersive optical channel
US8488963B2 (en) * 2008-06-30 2013-07-16 Infinera Corporation Link diversity and load balancing across digital and optical express-thru nodes

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005064721A (ja) * 2003-08-08 2005-03-10 Sony Corp 通信システム及び方法、通信端末装置及びその制御方法、プログラム
JP2005286961A (ja) * 2004-03-31 2005-10-13 Hitachi Communication Technologies Ltd クロスコネクト装置及び光クロスコネクト装置、ならびにそれを用いた回線救済方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6010042606, K. Leibnitz 他2名, "Resilient Multi−Path Routing Based on a Biological Attractor−Selection Scheme", The Second International Workshop on Biologically Inspired Approaches to Advanced Information Techno, 200601 *

Also Published As

Publication number Publication date
US20110047291A1 (en) 2011-02-24
EP2293642A1 (en) 2011-03-09
EP2293642A4 (en) 2011-07-06
CN102113404A (zh) 2011-06-29
JP4573914B2 (ja) 2010-11-04
EP2293642B1 (en) 2012-08-22
CN102113404B (zh) 2014-08-27
US8392607B2 (en) 2013-03-05
WO2010084775A1 (ja) 2010-07-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4573914B2 (ja) 中継装置、制御方法、およびプログラム
Li et al. Stable node-disjoint multipath routing with low overhead in mobile ad hoc networks
Kumaran et al. Early congestion detection and adaptive routing in MANET
Periyasamy et al. End-to-end link reliable energy efficient multipath routing for mobile ad hoc networks
Sankaranarayanan Early detection congestion and control routing in MANET
Li et al. Node-disjointness-based multipath routing for mobile ad hoc networks
Zhao et al. Routing metrics for wireless mesh networks: a survey
Gorbil et al. Supporting QoS traffic at the network layer in multi-hop wireless mobile networks
Narayan et al. Congestion adaptive multipath routing protocol for multi-radio Wireless Mesh Networks
Obaidat et al. A novel multipath routing protocol for MANETs
Thanikaivel et al. Fast and secure data transmission in MANET
Anita et al. Neighbor Coverage and Bandwidth Aware Multiple Disjoint Path Discovery in Wireless Mesh Networks
Subburam et al. Predictive congestion control mechanism for MANET
Banik et al. Design of QoS Routing Framework based on OLSR Protocol
Venu et al. FAODV DSR DSDV performance analysis for broadcasting in MANET
Sarma et al. A route stability based multipath qos routing (SMQR) in MANETs
Shin et al. Multi-hop wireless relay networks of mesh clients
Senthil Kumaran et al. Early Congestion Detection and Self Cure Routing in Manet
Gurung et al. A survey of multipath routing schemes of wireless mesh networks
KR100928897B1 (ko) 홉 카운트를 고려한, 무선 멀티홉 네트워크에서 데이터패킷을 전송하는 방법과 장치 및 무선 멀티홉 네트워크시스템
Vinothkumar et al. Improving the quality of service based on route stability in MANETs Using Dynamic Source routing protocol
KR101986497B1 (ko) 모바일 애드혹 네트워크에서 데이터 패킷 송신 경로 선택 방법
Dureja Enhancement of multipath routing protocol for route recovery in MANET
Santhiya et al. Dynamic reliable multipath routing protocol for MANET
Krasnovsky et al. A performance of wireless ad-hoc network routing protocol

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100727

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100817

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4573914

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130827

Year of fee payment: 3