JP7284893B2 - 情報共有端末、自律型の移動体、情報共有システム及び情報共有方法 - Google Patents
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Description
近年、ドローン等の小型無人機の活用が進み、これら小型無人機は今後ますます増加すると予想される。そのため、これら小型無人機同士、又は、小型無人機と有人航空機(低高度を飛行するヘリコプターを含む)との間の衝突やニアミスを回避するための有効なシステムが望まれている。このようなシステムは、無人移動体-有人移動体間で情報を共有することを基本的な動作として実現することが考えられる。
・複数事業者によって、複数の小型無人機が同時に飛行する場合、それら複数の小型無人機の位置把握とその管理を行うために利用する。
・複数の小型無人機やロボットを連携・協調動作させるために利用する。
・無人の航空機を、地上の固定地点に正確に誘導して着陸させるために利用する。
・無人機やロボットの位置情報に基づいて、それぞれの無線リソース(周波数チャンネル、時間スロット、拡散符号等)を効率的に割り当てて、周波数を有効に利用するために利用する。
・1あるいは複数の特定の無人・有人移動体や固定局に向けてデータやメッセージ、コマンド等を送信あるいは同報送信する。
・この情報を共有するシステムに含まれる端末であって、その情報を共有するための端末を、人間が運転する自動車、自動運転車、人間、がそれぞれ備える(携帯する)ことによって,上述した移動ロボットが当該端末を備えた場合と同様の効果を得るために利用する。
有人航空機間で相互に位置情報を共有するシステムとして、ADS-B(Automatic Dependent Surveillance-Broadcast)が実用化されている。また、このADS-Bの位置情報を利用して自動衝突回避を行うTCAS(Traffic alert and Collision Avoidance System)も実用化されている(非特許文献1参照)。
また、携帯電話ネットワークを利用する位置情報共有を行う位置情報共有アプリケーションが提案されている(非特許文献2参照)。この位置情報共有アプリケーションによれば、携帯電話端末を小型無人機に搭載して、小型無人機の航行コンピュータと接続し、飛行制御を行うことも技術的には可能とされている(非特許文献2参照)。
このように、特許文献1の端末間通信システムは、端末から端末へデータが拡散していくシステムである。したがって、特許文献1の端末間通信システムを用いれば、複数の移動体間の位置情報の共有ができるものと考えられる。
特にトランスポンダモードSによるADS-Bは、管制塔と航空機との間で通信を行うことが前提となるので、管制塔からの電波が届く範囲での動作に限定される。したがって、管制塔から遠く離れた場所でしかも地上の障害物の影響を受けやすい低高度においては、ADS-Bは十分に機能しないという問題点がある。
なお、現状では、ADS-Bに使用される周波数は、ICAO(International Civil Aviation Organization:国際民間航空機関)で規定した有人航空機以外で使用することは無線通信規格(Radio Regulation)上できない。また、TCAS(Traffic alert and Collision Avoidance System:空中衝突防止装置)は、2機の航空機間の衝突回避のみを機能として持つシステムであり、2機以上の移動体間での追従飛行や連携飛行等の一般的な協調飛行の機能は備えていないという問題点がある。
さらに、異なる携帯電話事業者に属する無人機やロボット間での情報共有や位置管理は困難であり、その場合の衝突回避には利用できないという問題点がある。また、災害時などで携帯電話ネットワークが障害を受けた場合にも、機能しない確率が高くなるという問題点もある。
また、本発明は、当該システムを利用して共有した位置情報等に基づき、無人の移動体の動作を制御する方法を提供することを目的とする。
第1.好適な実施形態1~6
実施形態1.情報共有システムの基本要素(情報共有端末10)
図1には、情報共有システム8を構成する基本構成である情報共有端末10の構成図が示されている。この情報共有端末10は、ロボットや移動端末等(すなわち、無人の移動体、有人の移動体)に備え付けられる装置である。情報共有端末10は、無人移動体、有人の移動体の他、地上の固定端末に備え付けられてもよい。
図1に示すように、情報共有端末10は、ロボットや移動端末に備えられるが、この情報共有端末10には、共有情報表示端末12が接続されていてもよい。また、情報共有端末10には、移動ロボット14を制御するために移動ロボット14に搭載されている制御用コンピュータ16が接続されていてもよい。
なお、ここで、ロボットや移動端末、固定端末は、請求の範囲の対象物の好適な一例に相当する。
情報共有端末10は、送受信アンテナ18と、通信制御部20と、測位衛星情報受信部22と、共有情報送受信部24と、識別情報記憶部26と、移動ロボット接続インターフェース28と、汎用センサ情報入力インターフェース30と、外部インターフェース32と、を備えている。
測位衛星情報受信部22は、例えばGPS(Global Positioning System)衛星を受信する受信機でよいが、他にGLONASS、ガリレオ等の他のGNSS(Global Navigation Satellite System:全地球航法衛星システム)を用いてもよい。
なお、無人移動体や、有人移動体、固定端末は、請求の範囲の対象物の好適な一例に相当する。また、対象物には、人間も含めてよい。
通信制御部20は、この識別情報を利用して(含めて)共有情報を作成して、上記の通り同報送信を実行する。具体的には共有情報送受信部24に共有情報を送信し、共有情報送受信部24に同報送信を実行させる。
また、移動ロボット接続インターフェース28は、請求の範囲の移動体接続インターフェースの好適な一例に相当する。
また、移動端末は、移動する端末であればどのような端末でもよく、有人航空機、人間が運転する自動車等、に備え付けられた端末でよく、また、人間が保持する(携帯する)端末である各種電子機器等も含まれる。例えば個人が携帯するスマートホン(Smart Phone)を自動車や航空機に取り付けてもよいし、人間に携帯させてもよい。また、個人向け各種ナビゲーション装置でもよい。
また、情報共有端末10は、共有情報表示端末12が接続されていてもよい。共有情報表示端末12は、共有情報を表示するためのディスプレイを備えており、利用者はこのディスプレイを介して共有情報を閲覧することができる。共有情報表示端末12としては、例えば、タブレット型コンピュータやノードパソコン等を利用してよいが、共有情報を表示できればどのような機器を利用してもよい。
この共有情報表示端末12が接続されることによって、通信制御部20は、共有情報を、適宜共有情報表示端末12に送信し、共有情報表示端末12がこれを上記ディスプレイに表示することができる。これによって、利用者は、どのような情報が共有されているのかをディスプレイを通じて把握することができる。
移動ロボット14は、無人で移動できるロボットであり、例えばドローン等の無人航空機等が該当する。また、地上を移動する自動運転車や、人間が遠隔で操縦する地上ロボット等も移動ロボット14の一例に相当する。また、水上を移動する水上ロボットであってもよい。
これら移動ロボット14は、基本的には人間が操縦するものであり、人間の指示を受信して、制御用コンピュータ16が、移動ロボット14の各種駆動部あるいは無線制御部を制御する(図1参照)。
図1に示す構成の情報共有端末10が、有人移動体、無人移動体、(地上)固定局に備え付けられており、本情報共有システム8によれば、無人移動体、有人移動体、(地上)固定局の間で所望の情報が共有される。
その共有の動作の概念図が図2に示されている。
本情報共有システム8においては、複数のロボットや移動端末が搭載する情報共有端末10が相互に通信を行う。通信は、共通の同期信号を基準とした各フレーム内を基準として行われる。各フレーム内には、複数の時間スロットが収容されている。
この実施形態2で説明するような「相互に相手の同報送信を受信しあう」方式を、直接通信による情報共有と呼ぶ。
ロボット40cは、例えば地上ロボットであり、情報共有端末10dを備えている。地上端末44は、例えば地面上に配置された固定端末であり、情報共有端末10eを備えている。
<ロボット>本文で、ロボットとは、無人の移動体(無人移動体)を意味する。空中のドローンや、地上を移動するロボット等を含む。また、無人の移動体であれば、水上を移動する移動体も含まれる。また、固定装置を含めてもよい。
<移動端末>移動端末とは、人間が操縦・運転する移動体(有人移動体)を意味する。人間が操縦するヘリコプターや固定翼飛行機、地上の人間が運転する自動車等が含まれる。また、人間そのものも含まれる。人間が情報共有端末10を携行して歩いている場合も移動端末に含まれる。
<固定端末>固定端末とは、いずれかの位置に固定的に設置された端末を言い、地上端末(地上固定端末、地上固定局とも呼ぶ)の他、水上に固定的に設置された水上端末、湖上端末、海上端末も含む。また、飛行船等で空中に固定的に配置される空中端末も含まれる。また、静止衛星の如く、事実上固定的な位置に存在する端末でもよい。
図2に示す概念図では、直接通信の経路が両矢印線(線の両端に矢印が付されている線)で示されている。この両矢印線は、双方向で同報送信点から受信点までを結ぶ線である。
各フレームの開始タイミングは、複数の情報共有端末間での任意の同期手段により決定する。この同期手段は、GPS受信信号に含まれる時刻パルスに基づく手段でもよい。
図3の例によれば、情報共有端末Aは、第1フレームの第1時間スロットで、共有情報の同報送信を行っている。これを周囲の電波が届く範囲に位置する他の情報共有端末10が受信して、情報の共有をすることができる。フレーム中のどの時間スロットを利用するか(利用して共有情報を送信するか)は、各情報共有端末10が自由に決めることができるが、後述する衝突をなるべく防止する観点から、各情報共有端末10は送信する時間スロットをランダムに選択してよい。
図3の例では、情報共有端末Bは、第1フレーム中では、第2時間スロットにおいて共有情報の同報送信を行っている。また、情報共有端末Cは、第1フレーム中では、第3時間スロットにおいて共有情報の同報送信を行っている。
また、図3の第4フレームの第5時間スロットでも、情報共有端末Aと、情報共有端末Cとの衝突が発生しているので、その次のフレーム(不図示)で再度、共有情報の同報送信が実行される。
なお、このような処理は、情報共有端末10の通信制御部20が実行してよい。通信制御部20は、CPUやプロセッサを含んでおり、これらCPU等が所定のプログラムを実行することにより、上で説明した通信の処理を実行している。
なお、後述するマルチホップに関する実施形態においては、全てのフレームで共有情報の送信が試みられる点は同様である。しかし、その同報送信が試みられる共有情報が、自機に基づく共有情報と、他機から受信した共有情報である場合の2種類のフレームがある場合もある。
また、全てのフレームで、自機に基づく共有情報と、他機から受信した共有情報と、の双方とも1個のフレーム中で同報送信が試みられる場合もある。
情報共有の対象である共有情報は、自機の位置、識別番号、等を含む情報であるが、その他種々の情報を含めることができる。自機の位置には、緯度経度の他、高度を含めてもよく、時刻を含めてもよい。また、上述したように、信号強度、再同報送信回数、メッセージ、コマンド、情報共有先指定情報を含めてよい。その他、センサによる様々な計測データも含めてよい。例えば、温度、湿度、気圧、風向、風速、紫外線強度、赤外線強度、放射線強度、大気成分計測データ等、様々な計測データを含めてもよい。
情報共有端末10は、例えば、汎用センサ情報入力インターフェース30を利用して各種計測センサを接続して利用してよい(図1参照)。通信制御部20は、このように接続された各種の計測センサを利用して上述した種々の計測データを取得することができ、共有情報の作成に利用してよい。
また、自機の種別(有人移動体、無人移動体、固定局等)や、速度、進行方向等を含めてもよい。また、ロボットの種別や、端末の種別、等を共有情報に含めてもよい。
また、共有情報送受信部において他の情報共有端末から同報送信された共有情報を受信し、その共有情報は通信制御部に送信される場合において、共有情報に含まれる上記情報共有先指定情報に基づき、情報共有先に自機が含まれない場合は上記共有情報を破棄する処理を行ってもよい。共有情報に上記情報共有先指定情報と上記メッセージあるいは上記コマンドを含めることにより、1あるいは複数の限定した情報共有端末に対し、メッセージや自律型の移動体を制御するコマンドを送ってもよい。
本実施形態の情報共有システムにおいては、複数のロボットや移動端末が情報共有端末10を搭載している。この情報共有端末10が相互に、同期信号を基準として規定されるフレームを利用して情報共有を行う場合の第2の例を説明する。フレームが所定の同期信号で規定され、フレーム中に複数の時間スロットが収容されていることは、上記実施形態2、図3と同様である。
その時間スロットの選択手法は2通りある。
(第1の手法)1フレームの中から2個の時間スロットを選択する。
(第2の手法)フレームを2種に分けて(例えば奇数フレーム、偶数フレーム)それぞれのフレームの中で一方の時間スロット、他方の時間スロットを選択する。例えば、奇数フレームから「一方の時間スロット」、偶数フレームから「他方の時間スロット」をそれぞれ選択する。
2つの時間スロット中、一方の時間スロットにおいては、識別番号や自己位置を含む共有情報を周囲に無線で同報送信する。2つの時間スロット中、他方の時間スロットにおいては、他のロボットあるいは他の端末が同報送信してきた共有情報を再同報送信する。このような動作によって、多段マルチホップによる情報共有が可能となる。すなわち、他機から送信されてきた共有情報を、一旦内部に記憶し、所定のタイミングで再同報送信することによって、共有情報をリレーしてより遠くまで拡散することができる。一旦内部に記憶するとは、例えば、図1で説明した通信制御部20内部の記憶装置を利用して記憶してもよいし、所定の外部の記憶装置を利用してもよい。また識別情報記憶部26と記憶装置を共用してもよい。なお、再同報送信される他機の共有情報は、他機の識別番号や、他機の位置が含まれていてよい。
所定の規則としては、種々の規則を定めてよいが、例えば、無人移動体や有人移動体の位置や高度が含まれる場合は、迅速に情報共有が必要であると考えられるので、優先順位を高くしてよい。衝突回避等を行うためには、他機の位置や高度は実時間で把握する必要がある。一方、固定端末の位置が含まれている共有情報は、固定端末の位置や高度が頻繁には変更されないので、優先順位は低く設定してもよい。
この再同報送信された共有情報を各情報共有端末10が相互に受信し合うことによって、複数のロボットや移動端末間で多段マルチホップにより情報を拡散することができる。これによって、共有情報を広く拡散して共有することが可能となる。
図4における両矢印線は、直接通信、マルチホップ通信(同報)の経路の例を示している。つまり、双方向で同報送信点から直接、あるいは中継点を経由して受信点までの経路を表している。
この「一方の時間スロット」「他方の時間スロット」の利用は上記(3-1)と同様であり、「共有情報送信」、「共有情報中継送信」がそれぞれ実行される。本節(3-2)では、「一方の時間スロット」と「他方の時間スロット」が異なるフレームに位置する点が、(3-1)と異なるが、それ以外の点は、上記(3-1)と同様である。すなわち、上記「一方の時間スロット」においては、識別番号や自己位置を含む共有情報を周囲に無線で同報送信する。そして、次のフレーム中の「他方の時間スロット」においては、他のロボットあるいは他の端末が同報送信してきた共有情報を再同報送信する。
図5には、実施形態3の通信手順を表すタイムチャートが示されている。すなわち、マルチホップ通信による拡散型情報共有の通信手順の一例が示されている。ここで示される通信手順は、(3-2)で説明するように、一方の時間スロットと、他方の時間スロットとを、異なるフレームから選択した場合の手順である。
共有情報中継送信は、他の情報共有端末10から受信した共有情報のうち、1つを所定のルールにしたがって、選択して再送信する。無人移動体(ロボット等)、有人移動体等の位置関係によっては、他の情報共有端末10から受信した共有情報が非常に多くなる場合も考えられる。その場合、どの「他の情報共有端末10から受信した共有情報」を優先して中継すべきか所定のルール(規則)があることが好ましい。このルールで定めた優先順位に従って「他の情報共有端末10から受信した共有情報」を中継(共有情報中継送信)していけばよい。
また、例えば、共有情報中継送信のタイミングは、(3-1)で説明したように、「共有情報送信」を行ったフレームと同一フレーム中で「他方の時間スロット」をランダムに別途選択してもよい。また、共有情報中継送信のタイミングは、「共有情報送信」を行った「一方の時間スロット」の直後の時間スロットでもよい。すなわち、「一方の時間スロット」の直後が「他方の時間スロット」でもよい。
このように、送信タイミングが偶然一致すると、信号が衝突して、正常に共有情報を受信できない端末が生ずる可能性がある。この場合は、再度次のタイミングで共有情報中継送信を行うことができるが、そのタイミングは各情報共有端末10においてランダムに決められてよい。再度の衝突を回避するためである。
図5に示す例では、第4フレームにおいて、情報共有端末Aが、第5時間スロットにおいて共有情報中継送信を実行し、情報共有端末Bが、第2時間スロットにおいて共有情報中継送信を実行し、情報共有端末Cが、第4時間スロットにおいて共有情報中継送信を実行する。これらは「他方の時間スロット」に相当する。
本実施形態の情報共有システムにおいては、複数のロボットや移動端末が情報共有端末10を搭載している。この情報共有端末10が相互に、図5に示すような同期信号を基準として規定されるフレームを利用して情報共有を行う場合の第3の例を説明する。フレームが所定の同期信号で規定され、フレーム中に複数の時間スロットが収容されていることは、上記実施形態2、3と同様である。
また、本実施形態4においても、2種類の時間スロットを選択し、それぞれの時間スロットにおいて「共有情報送信」と「共有情報中継送信」を実行することは、上記実施形態3と同様である。
このように、本実施形態4は、マルチホップ通信であることは実施形態3と同様であるが、そのホップ数に制限があることが実施形態3と異なる。
(4-1)時間スロットを2種類設ける点は実施形態3と同様であるが、「一方の時間スロット」において、共有情報送信で送信される共有情報中に、自己(自機)の識別番号や位置の情報の他に、再同報送信回数(ホップ数とも呼ばれる)が含まれている点が異なる。
(4-2)
また、2種類の時間スロット中、「他方の時間スロット」においては、他のロボットあるいは他の端末が同報送信してきた共有情報を再同報送信する。再同報送信される他機の共有情報は、他機の識別番号や、他機の位置を含めてよい。また、この再同報送信は、必要に応じて共有情報内に含まれる情報に基づき、予め決められた所定の規則(ルール)に従った優先順位によって行われてよい。所定の規則(ルール)は、上記実施形態3と同様に定めてよい。
図6Aにはホップ数の制限がない場合の多段型マルチホップによる情報共有の動作の説明図が示されている。図6Aに示すように、共有情報は、ロボットA、ロボットB、ロボットC、そして、ロボットXまで順次送信されていく。そして、ロボットXからは、地上端末44あるいは移動端末42に共有情報が送信されていく。なお、図6A中、情報共有端末10は省略して図示されていないが、各ロボット(A、B、C、X)は、それぞれ情報共有端末10を備えている。このように、ホップ数を制限せず、他の情報共有端末10から受信した共有情報は、共有情報中継送信が割り当てられた時間スロット(図5等参照)において、無条件で再同報送信される。
地上端末44あるいは移動端末42に共有情報が送信された後は、再同報通信は実行されない。
実施形態4において、共有情報に最初に設定される再同報送信回数(ホップ数)の初期値は、特に制限はないが、理解しやすさの観点からは例えば「1」でよい。また、例えば「2」でもよいし、用途に応じて種々の数を初期値として利用してよい。
また、情報共有端末10において、再同報送信回数に1を加えてから比較する所定の値(基準値)は、許容するホップ数を決定する数である。例えば初期値が「1」の場合、当該所定の値(基準値)を「3」に設定すると、ホップ数の最大を「2」に制限することができる。初期値と所定の値(基準値)の組み合わせで、ホップ数の制限を自由に設定してよい。
本実施形態の情報共有システムにおいては、これまで説明したように、無人移動体、有人移動体、固定端末、等が含まれ、それぞれが情報共有端末10を搭載している。そして、この情報共有端末10が相互に共有情報を同報送信しあい、共有情報を文字通り共有することができる。
この共有情報は、自己(自機)の位置、自己の識別番号を含む情報であるが、その他の情報を含めてもよい。例えば、他機が送信した共有情報によって、当該他機の位置が判明した後、その他機の位置と自己(自機)の位置とを比較する事によって、相対的な位置関係を求めることができる。また、上記相対位置関係に基づき、自己と他機との間の距離が所定の距離未満になった場合に接近警告を発してもよい。この接近警告によって他機に接近を警告することができ、衝突等の事故を未然に防止することに資することができる。
また、情報共有端末10は、共有情報を、共有情報表示端末12だけでなく、接続する所定の外部ネットワークに送出してもよい。ここでいうネットワークとは、いわゆるインターネットや、地域IP網、携帯電話ネットワーク等が含まれる。これらのネットワークへの接続は、図1に示されている外部ネットワークインターフェース32を用いてよい。
共有情報を、例えばインターネット等を介して外部でモニタリングすることによって、遠隔地から情報共有システムを監視することも可能である。
本実施形態の情報共有システムにおいては、これまで説明したように、無人移動体、有人移動体、固定端末、等が含まれ、それぞれが情報共有端末10を搭載している。移動ロボット14(無人移動体)が情報共有端末10を備えている場合は、その移動ロボット14の制御用コンピュータ16は、情報共有端末10から自己の(そのロボットの)共有情報と、周辺に位置する他のロボットや移動端末の共有情報を、受信できるように構成することもできる。このような構成の場合、制御用コンピュータ16は、情報共有端末10の通信制御部20から移動ロボット接続インターフェース28を介して、上記共有情報を受信する。
相対位置に基づく移動ロボットの自律制御の例が、図7A、図7Bに示されている。
図7Aは複数の移動ロボット間の制御の様子が示されている。具体的には、図7Aには、移動ロボットA14aと、移動ロボットB14bと、が示されている。移動ロボットA14aには、制御用コンピュータ16aが備えられており、制御用コンピュータ16aは、備え付けられている情報共有端末10f中の移動ロボットインターフェース28aを介して情報共有端末10fと接続している。一方、移動ロボットB14bには、制御用コンピュータ16bが備えられており、制御用コンピュータ16bは、備え付けられている情報共有端末10g中の移動ロボットインターフェース28bを介して情報共有端末10gと接続している。
(ステップ2)次に、制御用コンピュータ16a(16b)は、相互の共有情報に基づき、所定のロボット制御プログラムを実行する。制御用コンピュータ16a(16b)は、上述したように、内部に所定の記憶装置を含んでおり、所定のロボット制御プログラムもそこに記憶してよい。また、制御用コンピュータ16a(16b)内のCPUやプロセッサ等が、その所定のロボット制御プログラムを実行してよい。
(ステップ3)このようにして、2台以上の複数の移動ロボットA14a(移動ロボットB14b)間での自律的な連携・協調制御が可能である。図7Aは、2台の移動ロボット14a(移動ロボットB14b)が示されているが、3台以上でも自律的な連携・協調制御が可能である。移動ロボットA14a(B14b)は、移動可能なロボットであればどのようなものでもよく、例えばドローンや地上ロボット等でもよい。
自律的な連携・協調制御としては様々な制御が可能である。接近しすぎている場合は、互いに離れるような動作を実行してもよいし、離れすぎている場合は互いに近づくような制御を実行してもよい。これらの動作は、制御用コンピュータ16a(16b)が実行する上記所定のプログラムで自由にプログラムすることができる。
(ステップ4)情報共有端末10hは、自機の位置情報と識別情報とを含む共有情報と、周辺の他の移動端末又は固定端末の位置情報と識別情報とを含む共有情報とを、移動ロボット制御用コンピュータ16cに出力する(図7B参照)。
(ステップ5)次に、制御用コンピュータ16cは、相互の共有情報に基づき、所定のロボット制御プログラムを実行する。制御用コンピュータ16cは、上述したように、内部に所定の記憶装置を含んでおり、所定のロボット制御プログラムもそこに記憶してよい。また、制御用コンピュータ16c内のCPUやプロセッサ等が、その所定のロボット制御プログラムを実行してよい。
(ステップ6)このようにして、移動ロボット14cと、周辺の他の移動端末又は固定端末との間の自律的な連携・協調制御が可能である。移動ロボットC14cは、移動可能なロボットであればどのようなものでもよく、例えばドローンや地上ロボット等でもよい。また、情報共有端末10iが備え付けられている「移動端末あるいは固定端末」とは、有人航空機、自動車、人間等が保持して携帯する各種端末・電子情報機器(スマートホン等)、あるいは、固定地点に設置された端末でもよい。
図7Bにおける自律的な連携・協調制御としては、上述した図7Aの説明で言及した制御も可能であるし、移動ロボットC14cが移動端末と協調するような制御を実行してもよい。また、移動ロボットC14cが固定端末の位置に基づく制御を実行することも可能である。例えば、固定端末と衝突しないような制御を実行することも可能である。
上述した図7A、図7Bの説明において、共有情報に基づき、所定のロボット制御プログラムを実行する旨説明した。以下、その具体的なプログラムの例を説明する。
これら2個の移動ロボットD40dと、移動ロボットE40eとは、共有情報を互いに送受信しており、お互いの位置情報や、相対的な位置情報を互いに把握している。すなわち、情報共有している。
なお、衝突回避運動が行われた結果、両者の距離が十分離れた場合は、上記プログラムの実行を終了してよい。そして、通常の操縦者によって操縦される、あるいはあらかじめ決められた経路に沿って移動する移動ロボットとして運航されてよい。
これら2個の移動ロボットF40fと、移動ロボットG40gとは、共有情報を互いに送受信しており、お互いの位置情報や、相対的な位置情報を互いに把握している。すなわち、情報共有している。
このような連携運行の結果、複数(2台以上)の移動ロボット40による隊列/追従運行・同期運航・協調運行が可能となる。例えば行き先が同じ場合でも、複数の移動ロボット40が互いにぶつからないように距離を保ちながら移動させること等が可能になるので、移動ロボット40の安全性を確保することに資するものである。
なお、連携運行が終了すれば、上記ロボット制御プログラムの実行を終了してよい。そして、その後は、通常の操縦者によって操縦される、あるいはあらかじめ決められた経路に沿って移動する移動ロボットとして運航されてよい。
共有情報に基づき、所定のロボットを制御するロボット制御プログラムを実行する場合の具体的なプログラムの例のその2を説明する。
図9Aには、移動ロボットH40hが、目標地点に着陸するのに、移動ロボットH40hの制御用コンピュータ16(不図示)が所定のロボット制御プログラムを実行し、地上端末44の位置を基準に着陸制御する動作の説明図が示されている。
移動ロボットH40hには、情報共有端末10nが備え付けられている。移動ロボットH40hには、その移動を制御する制御用コンピュータ16が備えられているが、図示されていない。一方、地上端末44には、情報共有端末10o(オー)が備え付けられている。
これら移動ロボットH40hと、地上端末44とは、共有情報を互いに送受信しており、お互いの位置情報や、相対的な位置情報を互いに把握している。すなわち、情報共有している。
位置、高度、等の情報と、を移動ロボットH40hの制御用コンピュータ16(不図示)に提供することができる。そして、制御用コンピュータ16は、これらのデータに基づき、所定のロボット制御プログラムを実行する。具体的に言えば、地上端末44に基づき誘導されて、目標地点Qに着陸するためのロボット制御プログラムを実行する。
なお、制御用コンピュータ16は、上記ロボット制御プログラムを実行することによって、情報共有端末10pから、自機(移動ロボットH40h)の位置と地上端末44の位置とをなるべく実時間で(リアルタイムで)受信し、それらの間の相対的位置関係に基づき、自機の運行を制御することが精度の点から好適である。
図9Bには、移動ロボットI40iと、移動ロボットJ40jと、が接近した場合に、所定の制御プログラムを実行し、無線資源の干渉防止を実行しようとする場合の説明図が示されている。
移動ロボットI40iには、情報共有端末10pが備え付けられている。移動ロボットH40hには、その移動を制御する制御用コンピュータ16が備えられているが、図示されていない。一方、移動ロボットJ40jには、情報共有端末10qが備え付けられている。移動ロボットJ40jにも、その移動を制御する制御用コンピュータ16が備えられているが、図示されていない。
なお、ここで説明する無線資源は、移動ロボットI40i、移動ロボットJ40jを操縦するのに用いる無線資源、あるいは操縦とは無関係なデータ通信、画像通信等に用いる無線資源である。
(ステップ7)接近した結果、お互いの共有情報を互いに送受信することができるようになり、お互いの位置情報や、相対的な位置情報を互いに把握できるようになる。すなわち、移動ロボットI40iの情報共有端末10pと、移動ロボットJ40jの情報共有端末10qとの間で情報共有が実現される。かかる情報に基づき、情報共有端末10p、情報共有端末10qは、取り付けられている移動ロボットI40iと、移動ロボットJ40jとが、それらの操縦のための使用している無線資源等を共有情報の一部として、移動ロボットI40iと、移動ロボットJ40jの制御用コンピュータ16(不図示)に送信される。
この結果、移動ロボットI40i及び移動ロボットJ40jの制御用コンピュータ16は、移動ロボットI40iと移動ロボットJ40jとが、それらの操縦のために同一の無線資源R1を使用していることをお互いに知ることができる。これをトリガーとして、各移動ロボット40の各制御用コンピュータ16は、所定の制御プログラムを実行する。
(ステップ8)移動ロボットI40iの制御用コンピュータ16は、この制御プログラムを実行することによって、情報共有端末10pから提供された共有情報に基づき、受信した移動ロボットJ40jの位置・高度等の情報、及び使用している無線資源を知ることができ、その情報に基づき、制御用コンピュータ16は、所定のルールで、使用する無線資源を変更する。
具体的には、制御用コンピュータ16は、使用する無線資源を無線資源R1から無線資源R2に変更する。図9Bの場合、移動ロボットJ40jの情報共有端末10qは使用する無線資源を変更せず、無線資源R1を引き続き使用を続ける。これは、例えば、自己が動いていない場合は、使用する無線資源を変更せず、動いている側が使用する無線資源を変更する、等のルールを設定しているからである。
なお、図9Bの例においては、接近していった移動ロボットI40i側が使用する無線資源を変更するようにルールを設定しているが、基本的にはどちらが無線資源の変更を行ってもよい。
上記動作例では、位置が変わらない移動ロボットJ40j側の無線資源の変更は、移動ロボットJ40jとその周辺の他の移動ロボット40との既存の情報共有に影響を与える可能性があるので、図9Bの例では、接近していった移動ロボットI40i側が使用する無線資源の変更を行ったものである。そのような判断も所定の制御プログラムが実行してよい。
従来は、移動ロボットの操縦者は自分が操縦する移動ロボットの位置や状態のみしか把握することができなかった。
これに対して、各実施形態において説明したように、例えば本実施形態による方法を用いた通信端末(情報共有端末10)を各移動ロボット(例えばドローン)並びにそれらの操縦者達が備えることによって情報共有システムを構築すれば、情報共有端末10を備えた操縦者は、自分が操縦する移動ロボットだけでなく、他の操縦者が操縦する他の移動ロボットの位置や状態、並びにそれらの間の相対的位置を実時間で把握することができる。情報共有端末10同士で情報共有が行われるからである。
したがって、移動ロボット同士の接近、衝突等の危険を回避する行動を可能にする効果が期待される。
これに対して、本実施形態によれば、各情報共有端末10が平等に自律分散的に信号の衝突をなるべく少なくしながら通信信号(共有情報)の送受信を実行しているので、情報共有システムの維持コストの低減が期待できる。
なお、本実施形態で説明した技術における「通信による情報共有」に搬送波感知接続方式を組み合わせてもよく、無線通信信号間の衝突確率を低減し、通信の成功率の向上が見込まれる。
また、上記マルチホップモード(実施形態3、4)において、操縦者が操縦する移動ロボットの代わりに、地上や建物上などの適切な位置に本実施形態による方法に基づく情報共有端末を固定設置することによっても、電波見通し外にある他の操縦者の移動ロボットの位置や状態を実時間で把握することが可能となる。
また、上記多段マルチホップモード(実施形態3、4)において、ホップ数を所定の数までに限定することによって(図6B)、位置や状態を実時間で把握することができる移動ロボットの範囲が限定される代わりに、空間を飛び交う通信信号の密度を減少させることができ、通信成功率の向上あるいは通信遅延時間の短縮化を図ることが可能である。
また、本実施形態による方法を用いれば、移動ロボットの操縦者は、自分の操縦する移動ロボット及び他の操縦者が操縦する移動ロボットの位置や状態、及び自分が操縦する移動ロボットとの相対位置関係を共有情報表示端末12で地図上、あるいは音声等で実時間で確認することができ、直感的に迅速に接近・衝突による危険を回避する操作を行うことが可能となる。
利用例1:異なる操縦者が運航する無人航空機相互の機体判別、位置把握と衝突回避
無人航空機を運航する操縦者及びその操縦者が運航する無人航空機、及びその周辺において他の操縦者が運航する他の無人航空機が本実施形態の技術を備えて情報共有システムを形成する。すなわち、上記各機に情報共有端末10を備えさえることによって、情報共有システムを形成することができる。
この結果、各操縦者は、他の操縦者が運航する他の無人航空機の識別番号、機体種別、位置、高度、移動方向、速度を、本実施形態の技術で把握することが可能である。具体的には、情報共有端末10及びそれに接続する共有情報表示端末12によって上記情報を把握することが可能である。
ヘリコプターなどの有人航空機及びその周辺で運航される無人航空機に、本実施形態の技術を備えさせることによって、情報共有システムを構築することができる。具体的には、上記各機が情報共有端末10を備えさせることによって情報共有システムを構築することができる。この情報共有システムによって、ヘリコプターの操縦者は、その周辺において他の操縦者が運航する他の無人航空機の識別番号、機体種別、位置、高度、移動方向、速度等を本実施形態の技術で把握することが可能である。具体的には、情報共有端末10及びそれに接続する情報共有端末12を用いて把握することが可能である。
したがって、ヘリコプターの操縦者は、無人航空機への接近や衝突等を手動で回避できる可能性を向上させることができる。
複数の無人航空機に本実施形態の技術、すなわち情報共有端末10を備えさせて、情報共有システムを構築することができる。この場合、それぞれの無人航空機が搭載するフライトコンピュータに、情報共有端末10を接続する。その結果、情報共有端末10が取得した自機の機体の識別番号、位置、高度、移動方向、速度等のデータと、他の無人航空機の機体の識別番号、位置、高度、移動方向、速度等のデータとを、フライトコンピュータに送信することができる。フライトコンピュータは、これらのデータに基づき、あらかじめ設定された所定のプログラムを実行することができる。この所定のプログラムの実行によって、複数の無人航空機を相互連携させて、一方の機体が他方の機体に一定の距離を保って追従する飛行や、多数の無人航空機を3次元的に空中に配置し任意の図形を描かせる等、相互に関連性を保った集団飛行を行わせることが可能となる。なお、無人航空機は車両やロボットなどの無人移動体であってもよい。
無人航空機並びに所定の位置に固定設置された固定局に、本実施形態の技術、すなわち情報共有端末10を備えさせて、情報共有システムを構築することができる。この場合、その無人航空機が備える情報共有端末10を、無人航空機のフライトコンピュータに接続する。
複数の無人航空機が限られた無線資源を使って制御通信やデータ伝送等を行う場合、本発明の技術、すなわち情報共有端末10を、各無人航空機に備えさせて、情報共有システムを構築する。この場合、この情報共有端末10を各無人航空機が搭載する通信装置に接続する。ここでいう通信装置とは、図1等における共有情報送受信部24の好適な一例であり、アンテナ18も含めてもよい。
このような制御は、図1の制御用コンピュータ16が、情報共有端末10から提供された共有情報に基づき実行してよい。具体的には、制御用コンピュータ16が、そのための所定のプログラムを実行することによって実行してよい。
また、このような制御は、情報共有端末10が使用する無線資源について実行してもよい。この場合は、情報共有端末10の通信制御部20が、そのための所定のプログラムを実行することによって実行してよい。また、共有情報送受信部24自身が自分の機能として、無線資源の制御を実行してもよい。この場合は、共有情報送受信部24自身がコンピュータとしての機能を備えており、所定のプログラムを実行することによって無線視点の制御を実行してよい。なお、無人航空機は、一般の移動体または人間であってもよい。
共有情報に情報共有先指定情報を含め、同時にコマンドあるいはメッセージを含めることにより、1あるいは複数の指定された無人移動体、有人移動体、あるいは人間が備える情報共有端末に任意のコマンドやメッセージを送ることが可能となる。
例えば、1あるいは複数の指定された無人航空機に対し、着陸コマンドや帰還コマンドなどの割り込みコマンドを送信あるいは同報送信することなどが考えられる。また情報共有端末と情報表示端末を備えた1あるいは複数の指定された無人航空機の操縦者や有人航空機のパイロット、自動車のドライバーなどに注意・警告・参考情報・緊急情報などのメッセージを送信あるいは同報送信し、情報表示端末に表示させることが可能となる。
(1)以上述べた情報共有システムにおいては、有人移動体、無人移動体、固定端末に情報共有端末10を備えて、情報共有システムを構築する例を種々説明した。さらに、情報共有端末10を人間に備えさえる例も説明した。これらは、情報共有端末10が備え付けられる対象物の好適な例であり、請求の範囲の対象物の一例に相当する。
ただし、全ての種類の対象物を利用する必要はなく、いずれか1種類の対象物のみで情報共有システム8を構築してもよい。
例えば、有人移動体、固定端末は用いずに、無人移動体だけで情報共有システム8を構築してもよい。また、上述のように、有人移動体の一例として人間を利用してもよいが、この場合は、その人間は無人移動体(例えば移動ロボット)の操縦者であってもよい。また、人間が情報共有端末10を携帯する場合は、共有情報表示端末12を報共有端末10に接続し、人間が共有情報を有情報表示端末12上のディスプレイで閲覧できるように構成してもよい。
また、人間が情報共有端末10を携帯せず、固定端末に備えられた情報共有端末10及びそれに接続された共有情報表示端末12を監視して、移動体の位置や速度を監視してもよい。
なお、この場合、その備え付けられている対象物も含めて情報共有システム8と称してもよい。つまり、上述した実施形態6において、備え付けられた移動ロボット14等の動作を説明しているが、この場合は、その移動ロボット14も情報共有システム8の構成要素と見なしてよい。
10 情報共有端末
12 共有情報表示端末
14 移動ロボット
14a 移動ロボットA
14b 移動ロボットB
16 制御用コンピュータ
18 送受信アンテナ
20 通信制御部
22 測位衛星情報受信部
24 共有情報送受信部
26 識別情報記憶部
28 移動ロボット接続インターフェース
30 汎用センサ情報入力インターフェース
32 外部インターフェース
40 移動ロボット
42 移動端末
44 地上端末
P 通過点
Q 目標地点
R1、R2 無線資源
Claims (21)
- 複数の情報共有端末、を備え、前記情報共有端末間において共有情報を共有する情報共有システムに用いられる前記情報共有端末であって、
前記情報共有端末の位置を取得する位置情報取得部と、
前記共有情報を、周囲の他の前記情報共有端末と無線で送受信する共有情報送受信部と、
所定の対象物を示す識別情報を記憶する識別情報記憶部と、
前記位置情報取得部が取得した前記位置と、前記識別情報記憶部が記憶する前記識別情報と、を少なくとも含む前記共有情報を作成し、前記共有情報送受信部に送信する通信制御部と、
記憶装置と、
を具備し、
前記情報共有端末は、前記対象物に備え付けられており、
前記共有情報送受信部は、前記通信制御部が送信してきた前記共有情報を周囲に無線で同報送信し、周囲の他の前記情報共有端末から無線で同報送信されてきた前記共有情報を受信し、受信した前記共有情報を前記通信制御部に送信し、
前記通信制御部は、前記共有情報送受信部から送信されてきた前記共有情報を受信し、
前記通信制御部は、
他の前記情報共有端末から同報送信されてきた前記共有情報を、前記共有情報送受信部から受信した場合、他の前記情報共有端末から同報送信されてきた前記共有情報を、前記記憶装置に記憶し、
他の前記情報共有端末から同報送信されてきた前記共有情報を、前記記憶装置から取り出し、前記共有情報送受信部に送信し、
前記共有情報送受信部は、前記通信制御部が送信してきた、他の前記情報共有端末から無線で同報送信されてきた前記共有情報を、周囲に無線で同報送信し、
前記対象物は、無人移動体、有人移動体、固定端末、人間のいずれか2種以上を含むことを特徴とする情報共有端末。 - 前記通信制御部は、
前記共有情報を同報送信するための単位時間である時間スロットを、複数の時間スロット含む通信フレームの中から、ランダムに1個選択し、選択した前記時間スロットで前記共有情報を同報送信するよう前記共有情報送受信部を制御することを特徴とする請求項1記載の情報共有端末。 - 前記通信制御部は、
前記共有情報を所定の時間スロットで同報送信した場合に、他の前記情報共有端末も、前記所定の時間スロットと同一の時間スロットで、他の前記情報共有端末の前記共有情報を同報送信していたときは、次の前記通信フレームにおいて、再び、ランダムに1個の前記時間スロットを選択し、選択した前記時間スロットで前記共有情報を同報送信するよう前記共有情報送受信部を制御することを特徴とする請求項2記載の情報共有端末。 - 前記通信制御部は、
前記位置情報取得部が取得した前記位置と、前記識別情報記憶部が記憶する前記識別情報と、を少なくとも含む前記共有情報を作成し、作成した共有情報を所定の通信フレーム中のランダムに選択された第1の時間スロットで無線で同報送信するように前記共有情報送受信部に指示し、
他の前記情報共有端末から同報送信されてきた前記共有情報を、前記記憶装置から取り出し、前記所定の通信フレームと同一の通信フレームのランダムに選択された第2の時間スロットで無線で同報送信するように前記共有情報送受信部に指示することを特徴とする請求項1記載の情報共有端末。 - 前記通信制御部は、
前記位置情報取得部が取得した前記位置と、前記識別情報記憶部が記憶する前記識別情報と、を少なくとも含む前記共有情報を作成し、作成した共有情報を所定の通信フレーム中のランダムに選択された第1の時間スロットで無線で同報送信するように前記共有情報送受信部に指示し、
他の前記情報共有端末から同報送信されてきた前記共有情報を、前記記憶装置から取り出し、前記所定の通信フレームと同一の通信フレームの前記第1の時間スロットの次の時間スロットで無線で同報送信するように前記共有情報送受信部に指示することを特徴とする請求項1記載の情報共有端末。 - 前記通信制御部は、
前記位置情報取得部が取得した前記位置と、前記識別情報記憶部が記憶する前記識別情報と、を少なくとも含む前記共有情報を作成し、作成した共有情報を所定の通信フレーム中のランダムに選択された時間スロットで無線で同報送信するように前記共有情報送受信部に指示し、
他の前記情報共有端末から同報送信されてきた前記共有情報を、前記記憶装置から取り出し、前記所定の通信フレームとは別の通信フレーム中のランダムに選択された時間スロットで無線で同報送信するように前記共有情報送受信部に指示することを特徴とする請求項1記載の情報共有端末。 - 前記通信制御部は、
前記位置情報取得部が取得した前記位置と、前記識別情報記憶部が記憶する前記識別情報と、再同報送信回数と、を少なくとも含む前記共有情報を作成し、作成した共有情報を所定の通信フレーム中のランダムに選択された時間スロットで無線で同報送信するように前記共有情報送受信部に指示し、
他の前記情報共有端末から同報送信されてきた前記共有情報を、前記記憶装置から取り出し、取り出した前記共有情報中の前記再同報送信回数に1を加えた結果、所定の基準値未満である場合は、前記共有情報送受信部に送信し、前記共有情報の無線による再同報送信を行わせ、所定の基準値以上の場合は、前記共有情報送受信部に送信せず、前記共有情報の再同報送信を行わないことを特徴とする請求項1記載の情報共有端末。 - 前記情報共有端末に接続され、前記共有情報を表示する共有情報表示端末、
を具備し、
前記通信制御部は、前記作成した前記共有情報と、前記共有情報送受信部から送信されてきた前記共有情報とを、前記共有情報表示端末に送信し、
前記共有情報表示端末は、前記送信されてきた前記共有情報を表示することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の情報共有端末。 - 外部ネットワークと接続する外部インターフェース、
を備え、
前記通信制御部は、前記作成した前記共有情報と、前記共有情報送受信部から送信されてきた前記共有情報とを、前記外部インターフェースを介して、前記外部ネットワークに送出することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の情報共有端末。 - 前記共有情報は、自己の位置と、自己の識別番号とを含む情報であり、前記自己の位置とは、本情報共有端末が備え付けられている前記対象物の位置であり、前記自己の識別番号とは、本情報共有端末が備え付けられている前記対象物の識別番号であることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の情報共有端末。
- 前記共有情報は、必須情報として、時刻、自己位置、高度、識別情報を含み、
さらに、速度、進行方向、機体種別、信号強度情報、再同報送信回数、センサ計測データ、メッセージ、コマンド、情報共有先指定情報のいずれか1種類以上を含むことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の情報共有端末。 - 前記対象物は、
無人移動体、有人移動体、固定端末のいずれかと、
人間と、
を含むことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の情報共有端末。 - 前記情報共有端末は、
前記自己である対象物を制御する制御用コンピュータに接続するための移動体接続インターフェース、
を備え、
前記通信制御部は、前記作成した前記共有情報と、前記共有情報送受信部から送信されてきた前記共有情報とを、前記移動体接続インターフェースを介して、前記対象物に送出することを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の情報共有端末。 - 請求項13記載の前記情報共有端末に、前記移動体接続インターフェースを介して、接続している対象物であって、
前記対象物は、自律型の移動体であり、
前記自律型の移動体は、
前記自律型の移動体の移動を制御する制御用コンピュータ、
を具備し、
前記制御用コンピュータは、前記共有情報を受信し、受信した前記共有情報中の自己の情報と、自己の周辺の他機の情報と、に基づき、前記自律型の移動体を、前記自己の周辺の他機と連携協調して移動を制御することを特徴とする無人あるいは有人の自律型の移動体。 - 前記自己の周辺の他機の情報は、前記他機の位置、高度、移動方向及び速度、を含み、
前記制御用コンピュータは、前記他機の情報に基づき、前記自律型の移動体を、前記自己の周辺の他機との衝突を回避するように移動を制御することを特徴とする請求項14記載の自律型の移動体。 - 前記自己の周辺の他機の情報は、前記他機の位置、高度、移動方向及び速度、を含み、
前記制御用コンピュータは、前記他機の情報に基づき、前記無人移動体を、前記自己の周辺の他機に追従運行、同機運航又は協調運行するように移動を制御することを特徴とする請求項14記載の自律型の移動体。 - 前記対象物は、移動ロボットであり、
前記他機は、地上端末であり、
前記自己の周辺の他機の情報は、前記地上端末の位置、高度、を含み、
前記制御用コンピュータは、前記地上端末の情報に基づき、前記移動ロボットを、前記自己の周辺の他機の位置から所定の相対位置にある目標地点を通過又は前記目標地点に誘導するように移動を制御することを特徴とする請求項14記載の自律型の移動体。 - 前記自己の周辺の他機の情報は、前記他機の位置、高度及び使用する無線資源、を含み、
前記制御用コンピュータは、前記他機の情報に基づき、使用する無線資源を変更することを特徴とする請求項14記載の自律型の移動体。 - 請求項1から14のいずれか1項に記載の情報共有端末を複数備え、前記情報共有端末間において前記共有情報を共有する情報共有システム。
- 請求項1から14のいずれか1項に記載の情報共有端末を複数備え、
請求項15から18のいずれか1項に記載の自律型の移動体を備え、
前記情報共有端末が備え付けられている前記自律型の移動体は、前記情報共有端末から送信された前記共有情報に基づき、他の対象物と前記情報共有を共有する情報共有システム。 - 請求項19又は20記載の情報共有システムにおいて、前記共有情報を共有する方法であって、
いずれかの前記情報共有端末において、
前記位置情報取得部が前記情報共有端末の位置を取得するステップと、
前記共有情報送受信部が、前記共有情報を、周囲の他の前記情報共有端末と無線で送受信するステップと、
前記通信制御部が、前記位置情報取得部が取得した前記位置と、前記識別情報記憶部が記憶する前記識別情報と、を少なくとも含む前記共有情報を作成し、前記共有情報送受信部に送信するステップと、
前記共有情報送受信部が、前記通信制御部が送信してきた前記共有情報を無線で同報送信し、他の前記情報共有端末から無線で同報送信されてきた前記共有情報を受信し、受信した前記共有情報を前記通信制御部に送信するステップと、
前記通信制御部が、前記共有情報送受信部から送信されてきた前記共有情報を受信するステップと、
が、実行されることを特徴とする情報共有方法。
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