JP7284893B2 - 情報共有端末、自律型の移動体、情報共有システム及び情報共有方法 - Google Patents

情報共有端末、自律型の移動体、情報共有システム及び情報共有方法 Download PDF

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Description

本発明は、有人の移動体、自律型の移動体(ロボット等)及び固定局に搭載された情報共有端末同士で位置情報等を共有するシステム及びその情報共有端末に関する。また、共有した位置情報等に基づき、自律型の移動体(ロボット等)の動作を制御する方法、及びその自律型の移動体に関する。
本発明は、移動ロボットや地上の固定局、さらに有人の移動体に搭載された情報共有端末同士で、識別番号、位置、高度、速度、移動方向等の情報を共有するシステムに関する。さらに、本発明は、それらの情報に基づき移動ロボットの動作や通信を制御する方法に関する。
近年、ドローン等の小型無人機の活用が進み、これら小型無人機は今後ますます増加すると予想される。そのため、これら小型無人機同士、又は、小型無人機と有人航空機(低高度を飛行するヘリコプターを含む)との間の衝突やニアミスを回避するための有効なシステムが望まれている。このようなシステムは、無人移動体-有人移動体間で情報を共有することを基本的な動作として実現することが考えられる。
また、そのような無人移動体-有人移動体間で情報を共有するシステムは、下記のような種々の目的に利用することも想定される。
・複数事業者によって、複数の小型無人機が同時に飛行する場合、それら複数の小型無人機の位置把握とその管理を行うために利用する。
・複数の小型無人機やロボットを連携・協調動作させるために利用する。
・無人の航空機を、地上の固定地点に正確に誘導して着陸させるために利用する。
・無人機やロボットの位置情報に基づいて、それぞれの無線リソース(周波数チャンネル、時間スロット、拡散符号等)を効率的に割り当てて、周波数を有効に利用するために利用する。
・1あるいは複数の特定の無人・有人移動体や固定局に向けてデータやメッセージ、コマンド等を送信あるいは同報送信する。
・この情報を共有するシステムに含まれる端末であって、その情報を共有するための端末を、人間が運転する自動車、自動運転車、人間、がそれぞれ備える(携帯する)ことによって,上述した移動ロボットが当該端末を備えた場合と同様の効果を得るために利用する。
従来の技術
有人航空機間で相互に位置情報を共有するシステムとして、ADS-B(Automatic Dependent Surveillance-Broadcast)が実用化されている。また、このADS-Bの位置情報を利用して自動衝突回避を行うTCAS(Traffic alert and Collision Avoidance System)も実用化されている(非特許文献1参照)。
また、携帯電話ネットワークを利用する位置情報共有を行う位置情報共有アプリケーションが提案されている(非特許文献2参照)。この位置情報共有アプリケーションによれば、携帯電話端末を小型無人機に搭載して、小型無人機の航行コンピュータと接続し、飛行制御を行うことも技術的には可能とされている(非特許文献2参照)。
また、特許文献1には、移動もしくは固定された端末間相互でデータを同報型で送受信を行う端末間通信システムが開示されている。この端末間通信システムによれば、所定のデータを受信できた端末はその端末内で一旦データを蓄積し、他の(データをまだ受信していない)端末との距離が近くなり、他の端末に電波が到達するようになった時点で、そのデータを自動的に当該他の端末に送信することができるとされている。
このように、特許文献1の端末間通信システムは、端末から端末へデータが拡散していくシステムである。したがって、特許文献1の端末間通信システムを用いれば、複数の移動体間の位置情報の共有ができるものと考えられる。
特開2015-65509号公報
電子航法研究資料、"SSRモードによるADS-Bの概要"、http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/koukuu_musen/pdf/070614_1_s5.pdf、2007年6月14日 NTTドコモ報道資料、"「ドコモ・ドローンプロジェクト」を本格開始"、https://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/2016/10/19_06.html、2016年10月19日
まず、非特許文献1の方式によれば、直接電波が届く見通し内でのみ情報共有が可能であり、高々度を飛行する航空機間では問題がない。しかし、低高度を飛行する小型無人機や地上を走行する移動体の場合は、送受信機間に障害物がある場合が多く、情報共有が困難となり、位置管理が困難になるという問題がある。
特にトランスポンダモードSによるADS-Bは、管制塔と航空機との間で通信を行うことが前提となるので、管制塔からの電波が届く範囲での動作に限定される。したがって、管制塔から遠く離れた場所でしかも地上の障害物の影響を受けやすい低高度においては、ADS-Bは十分に機能しないという問題点がある。
なお、現状では、ADS-Bに使用される周波数は、ICAO(International Civil Aviation Organization:国際民間航空機関)で規定した有人航空機以外で使用することは無線通信規格(Radio Regulation)上できない。また、TCAS(Traffic alert and Collision Avoidance System:空中衝突防止装置)は、2機の航空機間の衝突回避のみを機能として持つシステムであり、2機以上の移動体間での追従飛行や連携飛行等の一般的な協調飛行の機能は備えていないという問題点がある。
次に、非特許文献2の方式によれば、携帯電話事業者がそれぞれのネットワークにおいて、無人機等の位置管理が可能であるが、その機能はあらかじめ地上に設置された携帯電話ネットワークの電波が届く範囲に限られ、山間部や離島間の海上、あるいは上空の一部など携帯電話ネットワークの電波が届かない場所では機能しないという問題点がある。
さらに、異なる携帯電話事業者に属する無人機やロボット間での情報共有や位置管理は困難であり、その場合の衝突回避には利用できないという問題点がある。また、災害時などで携帯電話ネットワークが障害を受けた場合にも、機能しない確率が高くなるという問題点もある。
また、特許文献1の方式は、情報の拡散方法に関して、本発明のベースとなった技術である。しかしながら、特許文献1の方式が適用される事業は、本質的に、時間的な制約が厳しくないテキスト情報や位置情報の共有事業であり、数秒以内で情報を更新する必要がある移動ロボットや高速に飛行する無人機等に対して適用することが困難である。また、特許文献1の方式で検知した自己の位置と、周囲の移動体の位置との間の相対位置情報に基づいた移動体の連携・協調動作や無線資源を制御する機能は有していないという問題点がある。
本願発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、有人の移動体、無人の移動体及び(地上等に固定された)固定局の間で位置等の情報を共有するシステムを提供することである。特に、情報の共有を迅速に行い、無人又は有人の航空機間で位置情報等の共有を行えるシステムを提供することを目的とする。
また、本発明は、当該システムを利用して共有した位置情報等に基づき、無人の移動体の動作を制御する方法を提供することを目的とする。
(1)本発明は、上記課題を解決するために、複数の情報共有端末、を備え、前記情報共有端末間において共有情報を共有する情報共有システムに用いられる前記情報共有端末であって、前記情報共有端末の位置を取得する位置情報取得部と、前記共有情報を、周囲の他の前記情報共有端末と無線で送受信する共有情報送受信部と、所定の対象物を示す識別情報を記憶する識別情報記憶部と、前記位置情報取得部が取得した前記位置と、前記識別情報記憶部が記憶する前記識別情報と、を少なくとも含む前記共有情報を作成し、前記共有情報送受信部に送信する通信制御部と、を具備し、前記情報共有端末は、前記対象物に備え付けられており、前記共有情報送受信部は、前記通信制御部が送信してきた前記共有情報を周囲に無線で同報送信し、周囲の他の前記情報共有端末から無線で同報送信されてきた前記共有情報を受信し、受信した前記共有情報を前記通信制御部に送信し、前記通信制御部は、前記共有情報送受信部から送信されてきた前記共有情報を受信することを特徴とする情報共有端末である。
(2)また、本発明は、前記通信制御部は、前記共有情報を同報送信するための単位時間である時間スロットを、複数の時間スロット含む通信フレームの中から、ランダムに1個選択し、選択した前記時間スロットで前記共有情報を同報送信するよう前記共有情報送受信部を制御することを特徴とする(1)記載の情報共有端末である。
(3)また、本発明は、前記通信制御部は、前記共有情報を所定の時間スロットで同報送信した場合に、他の前記情報共有端末も、前記所定の時間スロットと同一の時間スロットで、他の前記情報共有端末の前記共有情報を同報送信していたときは、次の前記通信フレームにおいて、再び、ランダムに1個の前記時間スロットを選択し、選択した前記時間スロットで前記共有情報を同報送信するよう前記共有情報送受信部を制御することを特徴とする(2)記載の情報共有端末である。
(4)また、本発明は、前記情報共有端末は、記憶装置、を備え、前記通信制御部は、他の前記情報共有端末から同報送信されてきた前記共有情報を、前記共有情報送受信部から受信した場合、他の前記情報共有端末から同報送信されてきた前記共有情報を、前記記憶装置に記憶し、他の前記情報共有端末から同報送信されてきた前記共有情報を、前記記憶装置から取り出し、前記共有情報送受信部に送信し、前記共有情報送受信部は、前記通信制御部が送信してきた、他の前記情報共有端末から無線で同報送信されてきた前記共有情報を、周囲に無線で同報送信することを特徴とする(1)から(3)のいずれか1項に記載の情報共有端末である。
(5)また、本発明は、前記通信制御部は、前記位置情報取得部が取得した前記位置と、前記識別情報記憶部が記憶する前記識別情報と、を少なくとも含む前記共有情報を作成し、作成した共有情報を所定の通信フレーム中のランダムに選択された第1の時間スロットで無線で同報送信するように前記共有情報送受信部に指示し、他の前記情報共有端末から同報送信されてきた前記共有情報を、前記記憶装置から取り出し、前記所定の通信フレームと同一の通信フレームのランダムに選択された第2の時間スロットで無線で同報送信するように前記共有情報送受信部に指示することを特徴とする(4)記載の情報共有端末である。
(6)また、本発明は、前記通信制御部は、前記位置情報取得部が取得した前記位置と、前記識別情報記憶部が記憶する前記識別情報と、を少なくとも含む前記共有情報を作成し、作成した共有情報を所定の通信フレーム中のランダムに選択された第1の時間スロットで無線で同報送信するように前記共有情報送受信部に指示し、他の前記情報共有端末から同報送信されてきた前記共有情報を、前記記憶装置から取り出し、前記所定の通信フレームと同一の通信フレームの前記第1の時間スロットの次の時間スロットで無線で同報送信するように前記共有情報送受信部に指示することを特徴とする(4)記載の情報共有端末である。
(7)また、本発明は、前記通信制御部は、前記位置情報取得部が取得した前記位置と、前記識別情報記憶部が記憶する前記識別情報と、を少なくとも含む前記共有情報を作成し、作成した共有情報を所定の通信フレーム中のランダムに選択された時間スロットで無線で同報送信するように前記共有情報送受信部に指示し、他の前記情報共有端末から同報送信されてきた前記共有情報を、前記記憶装置から取り出し、前記所定の通信フレームとは別の通信フレーム中のランダムに選択された時間スロットで無線で同報送信するように前記共有情報送受信部に指示することを特徴とする(4)記載の情報共有端末である。
(8)また、本発明は、前記通信制御部は、前記位置情報取得部が取得した前記位置と、前記識別情報記憶部が記憶する前記識別情報と、再同報送信回数と、を少なくとも含む前記共有情報を作成し、作成した共有情報を所定の通信フレーム中のランダムに選択された時間スロットで無線で同報送信するように前記共有情報送受信部に指示し、他の前記情報共有端末から同報送信されてきた前記共有情報を、前記記憶装置から取り出し、取り出した前記共有情報中の前記再同報送信回数に1を加えた結果、所定の基準値未満である場合は、前記共有情報送受信部に送信し、前記共有情報の無線による再同報送信を行わせ、所定の基準値以上の場合は、前記共有情報送受信部に送信せず、前記共有情報の再同報送信を行わないことを特徴とする(4)記載の情報共有端末である。
(9)また、本発明は、前記情報共有端末に接続され、前記共有情報を表示する共有情報表示端末、を具備し、前記通信制御部は、前記作成した前記共有情報と、前記共有情報送受信部から送信されてきた前記共有情報とを、前記共有情報表示端末に送信し、前記共有情報表示端末は、前記送信されてきた前記共有情報を表示することを特徴とする(1)から(8)のいずれか1項に記載の情報共有端末である。
(10)また、本発明は、外部ネットワークと接続する外部インターフェース、を備え、前記通信制御部は、前記作成した前記共有情報と、前記共有情報送受信部から送信されてきた前記共有情報とを、前記外部インターフェースを介して、前記外部ネットワークに送出することを特徴とする(1)から(9)のいずれか1項に記載の情報共有端末である。
(11)また、本発明は、前記共有情報は、自己の位置と、自己の識別番号とを含む情報であり、前記自己の位置とは、本情報共有端末が備え付けられている前記対象物の位置であり、前記自己の識別番号とは、本情報共有端末が備え付けられている前記対象物の識別番号であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の情報共有端末。
(12)また、本発明は、前記共有情報は、自己の位置と高度と、自己の識別番号とを含み、さらに、速度、進行方向、時刻、機体種別、信号強度情報、再同報送信回数、センサ計測データ、メッセージ、コマンド、情報共有先指定情報のいずれか1種以上の情報を含むことを特徴とする(1)から(12)のいずれか1項に記載の情報共有端末である。
(13)また、本発明は、前記対象物は、無人移動体、有人移動体、固定端末、人間のいずれかであることを特徴とする(1)から(12)のいずれか1項に記載の情報共有端末である。
(14)また、本発明は、前記情報共有端末は、前記自己である対象物を制御する制御用コンピュータに接続するための移動体接続インターフェース、を備え、前記通信制御部は、前記作成した前記共有情報と、前記共有情報送受信部から送信されてきた前記共有情報とを、前記移動体接続インターフェースを介して、前記対象物に送出することを特徴とする(1)から(13)のいずれか1項に記載の情報共有端末である。
(15)本発明は、上記課題を解決するために、上記(14)記載の前記情報共有端末に、前記移動体接続インターフェースを介して、接続している対象物であって、前記対象物は、自律型の移動体であり、前記自律型の移動体は、前記自律型の移動体の移動を制御する制御用コンピュータ、を具備し、前記制御用コンピュータは、前記共有情報を受信し、受信した前記共有情報中の自己の情報と、自己の周辺の他機の情報と、に基づき、前記自律型の移動体を、前記自己の周辺の他機と連携協調して移動を制御することを特徴とする無人あるいは有人の自律型の移動体である。
(16)また、本発明は、前記自己の周辺の他機の情報は、前記他機の位置、高度、移動方向及び速度、を含み、前記制御用コンピュータは、前記他機の情報に基づき、前記自律型の移動体を、前記自己の周辺の他機との衝突を回避するように移動を制御することを特徴とする(15)記載の自律型の移動体である。
(17)また、本発明は、前記自己の周辺の他機の情報は、前記他機の位置、高度、移動方向及び速度、を含み、前記制御用コンピュータは、前記他機の情報に基づき、前記無人移動体を、前記自己の周辺の他機に追従運行、同機運航又は協調運行するように移動を制御することを特徴とする(15)記載の自律型の移動体である。
(18)また、本発明は、前記自己の周辺の他機の情報は、前記他機の位置、高度及び移動方向、速度、を含み、前記制御用コンピュータは、前記他機の情報に基づき、前記無人移動体を、前記自己の周辺の他機の位置から所定の相対位置にある地点を通過又は前記地点に誘導するように移動を制御することを特徴とする(15)記載の自律型の移動体である。
(19)また、本発明は、前記自己の周辺の他機の情報は、前記他機の位置、高度及び使用する無線資源、を含み、前記制御用コンピュータは、前記他機の情報に基づき、使用する無線資源を変更することを特徴とする(15)記載の自律型の移動体である。
(20)本発明は、上記課題を解決するために、(1)から(15)のいずれか1項に記載の情報共有端末を複数備え、前記情報共有端末間において前記共有情報を共有する情報共有システムである。
(21)本発明は、上記課題を解決するために、上記(1)から(15)のいずれか1項に記載の情報共有端末を複数備え、上記(16)から(19)のいずれか1項に記載の自律型の移動体を備え、前記情報共有端末が備え付けられている前記自律型の移動体は、前記情報共有端末から送信された前記共有情報に基づき、他の対象物と前記情報共有を共有する情報共有システムである。
(22)本発明は、上記課題を解決するために、(20)又は(21)記載の情報共有システムにおいて、前記共有情報を共有する方法であって、いずれかの前記情報共有端末において、前記位置情報取得部が前記情報共有端末の位置を取得するステップと、前記共有情報送受信部が、前記共有情報を、周囲の他の前記情報共有端末と無線で送受信するステップと、前記通信制御部が、前記位置情報取得部が取得した前記位置と、前記識別情報記憶部が記憶する前記識別情報と、を少なくとも含む前記共有情報を作成し、前記共有情報送受信部に送信するステップと、前記共有情報送受信部が、前記通信制御部が送信してきた前記共有情報を無線で同報送信し、他の前記情報共有端末から無線で同報送信されてきた前記共有情報を受信し、受信した前記共有情報を前記通信制御部に送信するステップと、前記通信制御部が、前記共有情報送受信部から送信されてきた前記共有情報を受信するステップと、が、実行されることを特徴とする情報共有方法である。
本発明によれば、対象物に関する情報の共有を効率的に行うことができる情報共有システムが実現できる。
本実施形態に係る情報共有システムの基本構成である情報共有端末10の構成図である。 本実施形態1に係る情報共有システム8の情報共有動作の概念図である。 本実施形態2の直接通信による情報共有の通信手順を示すタイムチャートである。 本実施形態3のマルチホップ通信による拡散型情報共有の経路の概念図である。 本実施形態3のマルチホップ通信による情報共有の通信手順を示すタイムチャートである。 本実施形態3のマルチホップ通信において、ホップ数の制限がない場合の多段型マルチホップによる情報共有の動作の説明図である。 本実施形態4のマルチホップ通信において、ホップ数の制限がある場合の多段型マルチホップによる情報共有の動作の説明図である。 相対位置に基づく移動ロボットの自律制御の例であって、複数の移動ロボット間の制御の様子を示す説明図である。 相対位置に基づく移動ロボットの自律制御の例であって、複数の移動ロボットと「移動端末又は固定端末」との間の制御の様子を示す説明図である。 相対位置に基づく自律制御のプログラム例であって、移動ロボット40同士が互いに近づくように移動している場合の動作例を示す説明図である。 相対位置に基づく自律制御のプログラム例であって、移動ロボット40d同士がほぼ同じ方向に移動している場合の動作例を示す説明図である。 相対位置に基づく自律制御のプログラム例であって、移動ロボットが、目標地点に着陸するのに、移動ロボットの制御コンピュータ16が所定のロボットの制御プログラムを実行し、地上端末44の位置を基準に着陸制御する動作の説明図である。 相対位置に基づく自律制御のプログラム例であって、移動ロボット同士が接近した場合に、通信制御部20が所定の制御プログラムを実行し、無線資源の干渉防止を実行しようとする場合の動作の説明図である。
以下、本発明の好適な実施形態に係る情報共有システムを、図面に基づき説明する。
第1.好適な実施形態1~6
実施形態1.情報共有システムの基本要素(情報共有端末10)
図1には、情報共有システム8を構成する基本構成である情報共有端末10の構成図が示されている。この情報共有端末10は、ロボットや移動端末等(すなわち、無人の移動体、有人の移動体)に備え付けられる装置である。情報共有端末10は、無人移動体、有人の移動体の他、地上の固定端末に備え付けられてもよい。
図1に示すように、情報共有端末10は、ロボットや移動端末に備えられるが、この情報共有端末10には、共有情報表示端末12が接続されていてもよい。また、情報共有端末10には、移動ロボット14を制御するために移動ロボット14に搭載されている制御用コンピュータ16が接続されていてもよい。
なお、ここで、ロボットや移動端末、固定端末は、請求の範囲の対象物の好適な一例に相当する。
1-1.情報共有端末10
情報共有端末10は、送受信アンテナ18と、通信制御部20と、測位衛星情報受信部22と、共有情報送受信部24と、識別情報記憶部26と、移動ロボット接続インターフェース28と、汎用センサ情報入力インターフェース30と、外部インターフェース32と、を備えている。
通信制御部20は、情報共有端末10の動作を司る部分であり、情報共有端末10の動作は通信制御部20が実行、又は、通信制御部20が周辺の各種インターフェースに指示して実行している。
情報共有端末10は、例えば、各種周辺機器を搭載したコンピュータで実現してよく、通信制御部20は、例えばCPUと、そのCPUが実行するプログラムを記憶した記憶装置とから構成してもよい。このCPUが当該プログラムを実行することによって、情報共有端末10は、各種の通信動作を実行する。
具体的には、通信制御部20は、各移動ロボット又は情報共有端末10自身の共有情報の同報送信を予め定められた一定時間長のフレームが有する所定の時間スロットで行う。この同報送信は、各情報共有端末10が偶然同一の時間タイミングで送信され、通信信号同士が衝突して通信が失敗する確率を低減するため、送信する前に予め他の通信信号が送信されていないかどうかを感知し、もし送信されていれば、自己からの送信を行わない搬送波感知機能を備えている。この結果、他のロボットあるいは端末から同報送信される他の共有情報の受信を1又は複数の任意の上記時間スロットで行う。
時間スロットとは、共有情報を送信するための単位時間を表し、複数の時間スロットが集合してフレームを形成する。情報共有端末10は、このフレーム中から送信に用いる時間スロットを選択して、選択した時間スロットを利用して共有情報を送信する。また、情報共有端末10は、各時間スロットにおいて、他機が送信してくる共有情報を受信する。なお、このフレームは、請求の範囲の通信フレームの好適な一例に相当する。
また、後述する実施形態において、情報共有端末10が、所定のプログラムを実行する旨説明するが、その所定のプログラムは、通信制御部20内の記憶装置が記憶してよい。その所定のプログラムを、通信制御部20内のCPU等が実行することによって、「情報共有端末10が、所定のプログラムを実行する」ことを実現している。
測位衛星情報受信部22は、測位衛星の信号を受信して、自端末(情報共有端末10)の位置や高度を含む情報及び時刻同期信号を出力する。通信制御部20は、この情報を利用して共有情報を作成して、上記の通り同報送信を実行する。この測位衛星情報受信部22は、請求の範囲の位置情報取得部の好適な一例に相当する。
測位衛星情報受信部22は、例えばGPS(Global Positioning System)衛星を受信する受信機でよいが、他にGLONASS、ガリレオ等の他のGNSS(Global Navigation Satellite System:全地球航法衛星システム)を用いてもよい。
共有情報送受信部24は、自己(自機)の共有情報を送信し、他機の共有情報を受信する無線通信インターフェースである。通信制御部20の指示によって、無線送信・無線受信を実行する。特に、通信制御部20の指示によって、同報送信を実行する。使用する電波帯域としては例えばサブGHz帯域を用いることが好適であるが、他の電波帯域を使用してもよく、また通信方式も任意である。共有情報送受信部24は、通信制御部20が作成した共有情報を送信し(同報送信)、受信した他機の共有情報を通信制御部20に送信する。通信制御部20は受信した他機の共有情報を適宜内部に記憶する(上述した通信制御部20内の記憶装置に記憶してもよい)とともに、外部に提供する。例えば共有情報表示端末12や、外部のインターネットに提供してよい。また、通信制御部20は、自己(自機)と他機との距離等を算出して、自己の運行に影響がないか判断してもよく、近接している場合は警告を発してもよい。このような通信制御部20の動作も、通信制御部20内の記憶装置に記憶されているプログラムを、上述したCPU等が実行することによって実現してよい。
識別情報記憶部26は、自己(自機)の識別情報を記憶する。記憶することができればどのような記憶手段でもよい。自己とは、その情報共有端末10が備え付けられる無人移動体や、有人移動体、固定端末、等を表し、これらを表す識別情報であればどのような情報でもよい。なお、本実施形態において、自律型の移動体とは、無人である場合と有人である場合の2種が含まれる。
なお、無人移動体や、有人移動体、固定端末は、請求の範囲の対象物の好適な一例に相当する。また、対象物には、人間も含めてよい。
また、識別情報記憶部が記憶するこの識別情報は、ドローン、移動ロボット、無人航空機、地上ロボット、有人航空機、有人自動車、無人の自動運転車、固定端末、地上端末等の種別を含む識別情報でもよい。対象物が人間の場合は、人間の氏名や電話番号、メールアドレス、社員番号等でもよい。
通信制御部20は、この識別情報を利用して(含めて)共有情報を作成して、上記の通り同報送信を実行する。具体的には共有情報送受信部24に共有情報を送信し、共有情報送受信部24に同報送信を実行させる。
移動ロボット接続インターフェース28は、情報共有端末10が移動ロボット14に搭載されている場合において、移動ロボット14を制御するために移動ロボット14が備える制御用コンピュータ16と接続するためのインターフェースである。
また、移動ロボット接続インターフェース28は、請求の範囲の移動体接続インターフェースの好適な一例に相当する。
また、本実施形態で共有する共有情報は、共有したい情報であればどのような情報でもよい。例えば、共有情報としては、各ロボットあるいは移動端末が相互に共有する位置情報や各機の識別情報を含む。位置情報とは、本情報共有システムに含まれる無人移動機、有人移動機、固定端末、等の位置情報であるが、各機に備えられている情報共有端末10の測位衛星情報受信部22が求める位置情報である。識別情報とは、本情報共有システムに含まれる無人移動機、有人移動機、固定端末、等の識別情報であるが、各機に備えられている情報共有端末10の識別情報記憶部26が記憶する識別情報である。また、共有情報は、信号強度情報、再同報送信回数、を含めてよい。また、共有情報に任意のセンサ情報も含めてよい。
また、ロボットとは、種々のロボットが含まれ、例えば、無人航空機、地上ロボット、固定装置等が含まれる。
また、移動端末は、移動する端末であればどのような端末でもよく、有人航空機、人間が運転する自動車等、に備え付けられた端末でよく、また、人間が保持する(携帯する)端末である各種電子機器等も含まれる。例えば個人が携帯するスマートホン(Smart Phone)を自動車や航空機に取り付けてもよいし、人間に携帯させてもよい。また、個人向け各種ナビゲーション装置でもよい。
1-2.共有情報表示端末12
また、情報共有端末10は、共有情報表示端末12が接続されていてもよい。共有情報表示端末12は、共有情報を表示するためのディスプレイを備えており、利用者はこのディスプレイを介して共有情報を閲覧することができる。共有情報表示端末12としては、例えば、タブレット型コンピュータやノードパソコン等を利用してよいが、共有情報を表示できればどのような機器を利用してもよい。
この共有情報表示端末12が接続されることによって、通信制御部20は、共有情報を、適宜共有情報表示端末12に送信し、共有情報表示端末12がこれを上記ディスプレイに表示することができる。これによって、利用者は、どのような情報が共有されているのかをディスプレイを通じて把握することができる。
1-3.移動ロボット14
移動ロボット14は、無人で移動できるロボットであり、例えばドローン等の無人航空機等が該当する。また、地上を移動する自動運転車や、人間が遠隔で操縦する地上ロボット等も移動ロボット14の一例に相当する。また、水上を移動する水上ロボットであってもよい。
これら移動ロボット14は、基本的には人間が操縦するものであり、人間の指示を受信して、制御用コンピュータ16が、移動ロボット14の各種駆動部あるいは無線制御部を制御する(図1参照)。
それに加えて、移動ロボット14の制御用コンピュータ16(のCPUやプロセッサ)が、所定のプログラムを実行することによって、その移動ロボットの航行、運行、走行等を制御することができる。これによって、いわゆる自律制御(自律航行、自律走行等)を行うこともできる。その所定のプログラムは、制御用コンピュータ16内の所定の記憶装置に記憶しておいてもよい。詳細は、実施形態6、利用例3、利用例4、利用例5等で後述する。つまり、これら実施形態6等で言及する所定のプログラムは、制御用コンピュータ16内の所定の記憶装置に記憶しておいてもよい。
実施形態2.情報共有システム8の情報共有動作(直接通信による情報共有)
図1に示す構成の情報共有端末10が、有人移動体、無人移動体、(地上)固定局に備え付けられており、本情報共有システム8によれば、無人移動体、有人移動体、(地上)固定局の間で所望の情報が共有される。
その共有の動作の概念図が図2に示されている。
本情報共有システム8においては、複数のロボットや移動端末が搭載する情報共有端末10が相互に通信を行う。通信は、共通の同期信号を基準とした各フレーム内を基準として行われる。各フレーム内には、複数の時間スロットが収容されている。
各情報共有端末10は、各フレーム内で、複数の時間スロットの中からランダムに時間スロットを選択して、自機の識別番号や、自己位置を含む共有情報を、自機の周囲に無線で同報送信する。そして、この同報送信を実行したロボット等の周囲の各情報共有端末10が受信する。このようにして、複数のロボット等は、相互に相手の同報送信を受信しあう。その結果、複数のロボットや、有人移動体、固定端末等は、情報を共有することができる。
この実施形態2で説明するような「相互に相手の同報送信を受信しあう」方式を、直接通信による情報共有と呼ぶ。
例えば、図2には、このような直接通信の概念図が示されている。ロボット40aは、例えば回転翼のドローンであり、情報共有端末10aを備えている。ロボット40bは例えば、固定翼のドローンであり、情報共有端末10bを備えている。移動端末42は、有人のヘリコプターであり、情報共有端末10cと、情報共有端末10cに接続する共有情報表示端末12cを備えている。これによって、有人のヘリコプターの搭乗者は、共有情報を見ることができる。
ロボット40cは、例えば地上ロボットであり、情報共有端末10dを備えている。地上端末44は、例えば地面上に配置された固定端末であり、情報共有端末10eを備えている。
<用語>
<ロボット>本文で、ロボットとは、無人の移動体(無人移動体)を意味する。空中のドローンや、地上を移動するロボット等を含む。また、無人の移動体であれば、水上を移動する移動体も含まれる。また、固定装置を含めてもよい。
<移動端末>移動端末とは、人間が操縦・運転する移動体(有人移動体)を意味する。人間が操縦するヘリコプターや固定翼飛行機、地上の人間が運転する自動車等が含まれる。また、人間そのものも含まれる。人間が情報共有端末10を携行して歩いている場合も移動端末に含まれる。
<固定端末>固定端末とは、いずれかの位置に固定的に設置された端末を言い、地上端末(地上固定端末、地上固定局とも呼ぶ)の他、水上に固定的に設置された水上端末、湖上端末、海上端末も含む。また、飛行船等で空中に固定的に配置される空中端末も含まれる。また、静止衛星の如く、事実上固定的な位置に存在する端末でもよい。
図2に示す概念図では、直接通信の経路が両矢印線(線の両端に矢印が付されている線)で示されている。この両矢印線は、双方向で同報送信点から受信点までを結ぶ線である。
図3には、直接通信による情報共有の通信手順を表すタイムチャートが示されている。図3に示すように、通信はフレーム毎に行われる。フレームは、複数の時間スロットから構成され、1個の時間スロットにおいては、1台の情報共有端末10のみが同報送信することができる。
各フレームの開始タイミングは、複数の情報共有端末間での任意の同期手段により決定する。この同期手段は、GPS受信信号に含まれる時刻パルスに基づく手段でもよい。
図3の例によれば、情報共有端末Aは、第1フレームの第1時間スロットで、共有情報の同報送信を行っている。これを周囲の電波が届く範囲に位置する他の情報共有端末10が受信して、情報の共有をすることができる。フレーム中のどの時間スロットを利用するか(利用して共有情報を送信するか)は、各情報共有端末10が自由に決めることができるが、後述する衝突をなるべく防止する観点から、各情報共有端末10は送信する時間スロットをランダムに選択してよい。
図3の例では、情報共有端末Bは、第1フレーム中では、第2時間スロットにおいて共有情報の同報送信を行っている。また、情報共有端末Cは、第1フレーム中では、第3時間スロットにおいて共有情報の同報送信を行っている。
本実施形態では、情報共有端末が、利用する時間スロットをランダムに選択している。図3の第2フレームにおいては、情報共有端末Aは、第4時間スロットを用いており、情報共有端末B、Cは、共に第5時間スロットを利用している。その結果、第5時間スロットにおいて、信号の衝突が発生している。この衝突は、搬送波感知機能がうまく働けば発生しないが、そうでない場合は発生する。
このように、送信タイミングが偶然一致していると、信号が衝突し、正常に共有情報を受信できない端末(情報共有端末10)が発生しうる。このような衝突が検出された場合は、情報共有端末Bと、情報共有端末Cとは、次の第3フレームにおいて、再度共有情報の同報送信を試みる。その結果、第3フレームにおいては、送信タイミングがずれて、情報共有端末Bと、情報共有端末Cとは、共に、共有情報の同報送信に成功している。
このように、本実施形態においては、使用する時間スロットを各フレーム毎にランダムに選択している。その結果、使用する時間フレームが一致してしまい、衝突が生じる場合もある。この場合は、衝突があったフレームの次のフレームで共有情報の再同報送信を試みるが、その際使用する時間スロットも、またランダムに選択する。これによって、再び衝突が生じる可能性を低減している。
また、図3の第4フレームの第5時間スロットでも、情報共有端末Aと、情報共有端末Cとの衝突が発生しているので、その次のフレーム(不図示)で再度、共有情報の同報送信が実行される。
なお、このような処理は、情報共有端末10の通信制御部20が実行してよい。通信制御部20は、CPUやプロセッサを含んでおり、これらCPU等が所定のプログラムを実行することにより、上で説明した通信の処理を実行している。
なお、図3に示すように、本実施形態2では、情報共有端末10は、常に、各フレームで共有情報の同報送信を実行しようとしている。情報共有端末10が備え付けられる移動ロボット等においては、その位置をリアルタイムに(実時間で)把握することが好ましいので、全てのフレームで共有情報の同報送信を試みている。衝突が発生しない限り、全てのフレームで共有情報が同報送信される。
なお、後述するマルチホップに関する実施形態においては、全てのフレームで共有情報の送信が試みられる点は同様である。しかし、その同報送信が試みられる共有情報が、自機に基づく共有情報と、他機から受信した共有情報である場合の2種類のフレームがある場合もある。
また、全てのフレームで、自機に基づく共有情報と、他機から受信した共有情報と、の双方とも1個のフレーム中で同報送信が試みられる場合もある。
<共有情報>
情報共有の対象である共有情報は、自機の位置、識別番号、等を含む情報であるが、その他種々の情報を含めることができる。自機の位置には、緯度経度の他、高度を含めてもよく、時刻を含めてもよい。また、上述したように、信号強度、再同報送信回数、メッセージ、コマンド、情報共有先指定情報を含めてよい。その他、センサによる様々な計測データも含めてよい。例えば、温度、湿度、気圧、風向、風速、紫外線強度、赤外線強度、放射線強度、大気成分計測データ等、様々な計測データを含めてもよい。
情報共有端末10は、例えば、汎用センサ情報入力インターフェース30を利用して各種計測センサを接続して利用してよい(図1参照)。通信制御部20は、このように接続された各種の計測センサを利用して上述した種々の計測データを取得することができ、共有情報の作成に利用してよい。
また、自機の種別(有人移動体、無人移動体、固定局等)や、速度、進行方向等を含めてもよい。また、ロボットの種別や、端末の種別、等を共有情報に含めてもよい。
また、共有情報送受信部において他の情報共有端末から同報送信された共有情報を受信し、その共有情報は通信制御部に送信される場合において、共有情報に含まれる上記情報共有先指定情報に基づき、情報共有先に自機が含まれない場合は上記共有情報を破棄する処理を行ってもよい。共有情報に上記情報共有先指定情報と上記メッセージあるいは上記コマンドを含めることにより、1あるいは複数の限定した情報共有端末に対し、メッセージや自律型の移動体を制御するコマンドを送ってもよい。
実施形態3.情報共有システムの情報共有動作(多段マルチホップによる拡散型情報共有)
本実施形態の情報共有システムにおいては、複数のロボットや移動端末が情報共有端末10を搭載している。この情報共有端末10が相互に、同期信号を基準として規定されるフレームを利用して情報共有を行う場合の第2の例を説明する。フレームが所定の同期信号で規定され、フレーム中に複数の時間スロットが収容されていることは、上記実施形態2、図3と同様である。
本実施形態3において特徴的なことは、情報共有端末10が、時間スロットの選択に際して、2種類の時間スロットを選択し、それぞれの時間スロットにおいて「共有情報送信」と「共有情報中継送信」を実行することを特徴とする。
その時間スロットの選択手法は2通りある。
(第1の手法)1フレームの中から2個の時間スロットを選択する。
(第2の手法)フレームを2種に分けて(例えば奇数フレーム、偶数フレーム)それぞれのフレームの中で一方の時間スロット、他方の時間スロットを選択する。例えば、奇数フレームから「一方の時間スロット」、偶数フレームから「他方の時間スロット」をそれぞれ選択する。
(3-1:第1の手法)情報共有端末10同士が、各フレーム内において、複数の時間スロットの中から、各情報共有端末10がランダムに2つの(2種の)時間スロットを選択する。それぞれを「一方の時間スロット」「他方の時間スロット」と呼ぶ。
2つの時間スロット中、一方の時間スロットにおいては、識別番号や自己位置を含む共有情報を周囲に無線で同報送信する。2つの時間スロット中、他方の時間スロットにおいては、他のロボットあるいは他の端末が同報送信してきた共有情報を再同報送信する。このような動作によって、多段マルチホップによる情報共有が可能となる。すなわち、他機から送信されてきた共有情報を、一旦内部に記憶し、所定のタイミングで再同報送信することによって、共有情報をリレーしてより遠くまで拡散することができる。一旦内部に記憶するとは、例えば、図1で説明した通信制御部20内部の記憶装置を利用して記憶してもよいし、所定の外部の記憶装置を利用してもよい。また識別情報記憶部26と記憶装置を共用してもよい。なお、再同報送信される他機の共有情報は、他機の識別番号や、他機の位置が含まれていてよい。
また、この再同報送信は、必要に応じてその共有情報内に含まれる情報に基づき、予め決められた所定の規則(ルール)に従った優先順位によって行われてよい。
所定の規則としては、種々の規則を定めてよいが、例えば、無人移動体や有人移動体の位置や高度が含まれる場合は、迅速に情報共有が必要であると考えられるので、優先順位を高くしてよい。衝突回避等を行うためには、他機の位置や高度は実時間で把握する必要がある。一方、固定端末の位置が含まれている共有情報は、固定端末の位置や高度が頻繁には変更されないので、優先順位は低く設定してもよい。
この再同報送信された共有情報を各情報共有端末10が相互に受信し合うことによって、複数のロボットや移動端末間で多段マルチホップにより情報を拡散することができる。これによって、共有情報を広く拡散して共有することが可能となる。
図4には、本実施形態3のマルチホップ通信による拡散型情報共有の経路の概念図が示されている。同図は、上述した図2とほぼ同様であるが、両矢印線で示されている経路が異なる。図4において、両矢印線は、直接通信・マルチホップ通信(同報)の経路を示している。両矢印線は、双方向で同報送信点から直接あるいは中継点を経由して受信点まで引かれている。図4の例で言えば、例えば、地上端末44からロボット40aを経由してロボット40bまでが一つの経路であり、両矢印線で結ばれている。また例えば、地上端末44からロボット40a、ロボット40bを経由して移動端末42までが一つの経路であり、両矢印線で結ばれている。また例えば、地上端末44からロボット40a、ロボット40bを経由してロボット40cまでがまた一つの経路であり、両矢印線で結ばれている。また例えば、ロボット40aから、ロボット40bを経由して移動端末42までがまた一つの経路であり、両矢印線で結ばれている。
図4における両矢印線は、直接通信、マルチホップ通信(同報)の経路の例を示している。つまり、双方向で同報送信点から直接、あるいは中継点を経由して受信点までの経路を表している。
(3-2:第2の手法)情報共有端末10らが、あるフレーム内において一方の時間スロットを選択し、次のフレーム内において他方の時間スロットを選択する。好ましい一例としては、奇数フレームにおいて「一方の時間スロット」を選択し、偶数フレームにおいて「他方の時間スロット」を選択する手法が挙げられる。
この「一方の時間スロット」「他方の時間スロット」の利用は上記(3-1)と同様であり、「共有情報送信」、「共有情報中継送信」がそれぞれ実行される。本節(3-2)では、「一方の時間スロット」と「他方の時間スロット」が異なるフレームに位置する点が、(3-1)と異なるが、それ以外の点は、上記(3-1)と同様である。すなわち、上記「一方の時間スロット」においては、識別番号や自己位置を含む共有情報を周囲に無線で同報送信する。そして、次のフレーム中の「他方の時間スロット」においては、他のロボットあるいは他の端末が同報送信してきた共有情報を再同報送信する。
(3-1)で説明した内容と同様に、本(3-2)における再同報通信も必要に応じて共有情報内に含まれる情報に基づき、予め決められた所定の規則に従った優先順位によって行われてよい。また、図4で示す拡散型情報共有の経路の概念図は、本(3-2)でも同様に適用される。
図5には、実施形態3の通信手順を表すタイムチャートが示されている。すなわち、マルチホップ通信による拡散型情報共有の通信手順の一例が示されている。ここで示される通信手順は、(3-2)で説明するように、一方の時間スロットと、他方の時間スロットとを、異なるフレームから選択した場合の手順である。
具体的には、奇数クレーム(第1フレーム、第3フレーム)においては、「一方の時間スロット」を選択して、通常の自己の(自機の)共有情報を送信する。図5における第1フレームは、図3と同様の動作を実行している。すなわち、情報共有端末Aが第1スロットで共有情報送信を実行し、情報共有端末Bが第2スロットで共有情報送信を実行し、情報共有端末Cは第3スロットで共有情報送信を実行している(図5参照)。
図5の第2フレームの動作は、本(3-2において)特徴的な動作である。すなわち、第2フレームでは、情報共有端末10は、選択した「他方の時間スロット」において、他機の共有情報を送信する。これを、「共有情報中継送信」と呼ぶ(図5参照)。図5に示すように、情報共有端末Aが第4スロットで共有情報中継送信を実行し、情報共有端末Bは第5スロットで共有情報中継送信を実行し、情報共有端末Cも第5スロットで共有情報中継送信を実行している(図5参照)。
<共有情報中継送信>
共有情報中継送信は、他の情報共有端末10から受信した共有情報のうち、1つを所定のルールにしたがって、選択して再送信する。無人移動体(ロボット等)、有人移動体等の位置関係によっては、他の情報共有端末10から受信した共有情報が非常に多くなる場合も考えられる。その場合、どの「他の情報共有端末10から受信した共有情報」を優先して中継すべきか所定のルール(規則)があることが好ましい。このルールで定めた優先順位に従って「他の情報共有端末10から受信した共有情報」を中継(共有情報中継送信)していけばよい。
また、共有情報中継送信のタイミングは、図5に示すように、「共有情報送信」とは別のフレーム内でランダムに選択してよい。例えば、図5(3-2の方式)では、「共有情報送信」を奇数フレームで行い、偶数フレームで「共有情報中継送信」を行っている。
また、例えば、共有情報中継送信のタイミングは、(3-1)で説明したように、「共有情報送信」を行ったフレームと同一フレーム中で「他方の時間スロット」をランダムに別途選択してもよい。また、共有情報中継送信のタイミングは、「共有情報送信」を行った「一方の時間スロット」の直後の時間スロットでもよい。すなわち、「一方の時間スロット」の直後が「他方の時間スロット」でもよい。
また、「共有情報送信」と同様に、「共有情報中継送信」も、同一の時間スロットで送信してしまう可能性がある。図5における第2フレームの第5時間スロットでは、情報共有端末Bと、情報共有端末Cとの共有情報中継送信が衝突している。
このように、送信タイミングが偶然一致すると、信号が衝突して、正常に共有情報を受信できない端末が生ずる可能性がある。この場合は、再度次のタイミングで共有情報中継送信を行うことができるが、そのタイミングは各情報共有端末10においてランダムに決められてよい。再度の衝突を回避するためである。
図5に示す例では、第3フレームにおいて、情報共有端末Aが、第3時間スロットにおいて共有情報送信を実行し、情報共有端末Bが、第1時間スロットにおいて共有情報送信を実行し、情報共有端末Cが、第3時間スロットにおいて共有情報送信を実行する。これらは「一方の時間スロット」に相当する。この第3フレームにおいては、通信の衝突が発生しているが、第2フレームと同様に処理すればよい。
図5に示す例では、第4フレームにおいて、情報共有端末Aが、第5時間スロットにおいて共有情報中継送信を実行し、情報共有端末Bが、第2時間スロットにおいて共有情報中継送信を実行し、情報共有端末Cが、第4時間スロットにおいて共有情報中継送信を実行する。これらは「他方の時間スロット」に相当する。
実施形態4.情報共有システムの情報共有動作(多段マルチホップによる拡散型情報共有においてホップ数が制限されている場合)
本実施形態の情報共有システムにおいては、複数のロボットや移動端末が情報共有端末10を搭載している。この情報共有端末10が相互に、図5に示すような同期信号を基準として規定されるフレームを利用して情報共有を行う場合の第3の例を説明する。フレームが所定の同期信号で規定され、フレーム中に複数の時間スロットが収容されていることは、上記実施形態2、3と同様である。
また、本実施形態4においても、2種類の時間スロットを選択し、それぞれの時間スロットにおいて「共有情報送信」と「共有情報中継送信」を実行することは、上記実施形態3と同様である。
このように、本実施形態4は、マルチホップ通信であることは実施形態3と同様であるが、そのホップ数に制限があることが実施形態3と異なる。
このようなホップ数に制限を設けるために、本実施形態4では、情報共有端末10は次のような動作を実行する。
(4-1)時間スロットを2種類設ける点は実施形態3と同様であるが、「一方の時間スロット」において、共有情報送信で送信される共有情報中に、自己(自機)の識別番号や位置の情報の他に、再同報送信回数(ホップ数とも呼ばれる)が含まれている点が異なる。
(4-2)
また、2種類の時間スロット中、「他方の時間スロット」においては、他のロボットあるいは他の端末が同報送信してきた共有情報を再同報送信する。再同報送信される他機の共有情報は、他機の識別番号や、他機の位置を含めてよい。また、この再同報送信は、必要に応じて共有情報内に含まれる情報に基づき、予め決められた所定の規則(ルール)に従った優先順位によって行われてよい。所定の規則(ルール)は、上記実施形態3と同様に定めてよい。
特に、本実施形態においては、他のロボットあるいは他の端末が同報送信してきた共有情報を受信した場合、情報共有端末10は、その共有情報中の上記再同報送信回数に1を加え、加えた結果、所定の基準値を超えた場合には、再同報送信を実行しない。他方、その共有情報中の上記再同報送信回数に1を加え、加えた結果、所定の基準値を超えない場合には、実施形態3と同様に再同報送信(共有情報中継送信に該当する)を実行する。あるいは、あらかじめ決められた所定の基準値から1を引いて行き、その結果が0になったら再同報送信を実行しないという手段をとってもよい。
この結果、上記実施形態3と同様に、この再同報送信された共有情報を各情報共有端末10が相互に受信し合うことによって、複数のロボットや移動端末間で多段マルチホップにより情報を拡散することができる。これによって、共有情報を広く拡散して共有することが可能となる。
本実施形態4では、共有情報中に、再同報送信回数(ホップ数)を格納しており、これを再同報送信するごとに、+1していくことによって、その共有情報が再同報送信された回数を記録することができる。この再同報送信回数を所定の基準値と比較して、所定の基準値を超える場合は、再同報送信を実行しないことによって、再同報送信回数(ホップ数)を制限することができる。本実施形態4でも、再同報送信回数に制限があることを除けば、それ以外の事項は上記実施形態3と同様であり、図4、図5は本実施形態4に対応する図でもある。このように、本実施形態4によれば、再同報送信回数(ホップ数)に制限があるので、共有情報が不必要に再同報送信を繰り返されることがなく,電波資源の有効活用が図れ、以て、情報共有の通信成功率の向上等を図ることができる。
図6A、図6Bには、ホップ数に制限がない場合(実施形態3)と、ホップ数に制限がある場合(実施形態4)の動作の様子を表す説明図が示されている。
図6Aにはホップ数の制限がない場合の多段型マルチホップによる情報共有の動作の説明図が示されている。図6Aに示すように、共有情報は、ロボットA、ロボットB、ロボットC、そして、ロボットXまで順次送信されていく。そして、ロボットXからは、地上端末44あるいは移動端末42に共有情報が送信されていく。なお、図6A中、情報共有端末10は省略して図示されていないが、各ロボット(A、B、C、X)は、それぞれ情報共有端末10を備えている。このように、ホップ数を制限せず、他の情報共有端末10から受信した共有情報は、共有情報中継送信が割り当てられた時間スロット(図5等参照)において、無条件で再同報送信される。
図6Bにはホップ数の制限がある場合の多段型マルチホップによる情報共有の動作の説明図が示されている。図6Bに示すように、共有情報は、ロボットA、ロボットBまで順次送信されていく。そして、ロボットBからは、地上端末44あるいは移動端末42に共有情報が送信されていく。ここでは、ホップ数の制限が2である場合である。すなわち、
地上端末44あるいは移動端末42に共有情報が送信された後は、再同報通信は実行されない。
なお、図6B中、ロボット(A、B)は、それぞれ情報共有端末10を備えている。このように、本実施形態4においては、各情報共有端末10は、ホップ数を共有情報に記録して同報送信している。これを受信する各情報共有端末10は、受信した共有情報に記録されたホップ数に1を加えた値が所定の基準値(所定の値)を超える場合には、これを再同報送信しない。これによって、共有情報が非常に遠方の有人移動体、無人移動体、固定端末等まで送信されてしまうことを防止でき、電波資源の有効活用を図り、以て、情報共有の通信成功率を向上することができる。
<再同報送信回数>
実施形態4において、共有情報に最初に設定される再同報送信回数(ホップ数)の初期値は、特に制限はないが、理解しやすさの観点からは例えば「1」でよい。また、例えば「2」でもよいし、用途に応じて種々の数を初期値として利用してよい。
また、情報共有端末10において、再同報送信回数に1を加えてから比較する所定の値(基準値)は、許容するホップ数を決定する数である。例えば初期値が「1」の場合、当該所定の値(基準値)を「3」に設定すると、ホップ数の最大を「2」に制限することができる。初期値と所定の値(基準値)の組み合わせで、ホップ数の制限を自由に設定してよい。
実施形態5.共有情報の表示
本実施形態の情報共有システムにおいては、これまで説明したように、無人移動体、有人移動体、固定端末、等が含まれ、それぞれが情報共有端末10を搭載している。そして、この情報共有端末10が相互に共有情報を同報送信しあい、共有情報を文字通り共有することができる。
この共有情報は、自己(自機)の位置、自己の識別番号を含む情報であるが、その他の情報を含めてもよい。例えば、他機が送信した共有情報によって、当該他機の位置が判明した後、その他機の位置と自己(自機)の位置とを比較する事によって、相対的な位置関係を求めることができる。また、上記相対位置関係に基づき、自己と他機との間の距離が所定の距離未満になった場合に接近警告を発してもよい。この接近警告によって他機に接近を警告することができ、衝突等の事故を未然に防止することに資することができる。
このように、自己と他機との相対的位置関係を計算し接近警告等を発する場合は、情報共有端末10は、情報共有端末10に接続する共有情報表示端末12に、当該共有情報を実時間で表示させることが好適である。移動体の場合、自己の位置は、時々刻々変化していくからである。
また、情報共有端末10は、共有情報を、共有情報表示端末12だけでなく、接続する所定の外部ネットワークに送出してもよい。ここでいうネットワークとは、いわゆるインターネットや、地域IP網、携帯電話ネットワーク等が含まれる。これらのネットワークへの接続は、図1に示されている外部ネットワークインターフェース32を用いてよい。
共有情報を、例えばインターネット等を介して外部でモニタリングすることによって、遠隔地から情報共有システムを監視することも可能である。
実施形態6.相対位置に基づく制御
本実施形態の情報共有システムにおいては、これまで説明したように、無人移動体、有人移動体、固定端末、等が含まれ、それぞれが情報共有端末10を搭載している。移動ロボット14(無人移動体)が情報共有端末10を備えている場合は、その移動ロボット14の制御用コンピュータ16は、情報共有端末10から自己の(そのロボットの)共有情報と、周辺に位置する他のロボットや移動端末の共有情報を、受信できるように構成することもできる。このような構成の場合、制御用コンピュータ16は、情報共有端末10の通信制御部20から移動ロボット接続インターフェース28を介して、上記共有情報を受信する。
情報共有端末10の通信制御部20は、移動ロボット14の制御用コンピュータ16から移動ロボット接続インターフェース28を介して、共有情報のリクエストがあった場合、これに応じて、自己(当該ロボット)の共有情報と、他機の共有情報と、を移動ロボット14の制御用コンピュータ16に送信する。
このようにして、共有情報を受信した制御用コンピュータ16は、共有情報に基づき、自己の位置と、周囲の他機の位置との相対的な位置関係を把握することができ、この位置関係に基づき、自己の移動ロボット14の動作あるいは移動ロボット14が使用する無線資源を制御することができる。このようないわゆる自律制御について、以下図面に基づき詳細に説明する。
(6-1)相対位置に基づく移動ロボットの自律制御
相対位置に基づく移動ロボットの自律制御の例が、図7A、図7Bに示されている。
図7Aは複数の移動ロボット間の制御の様子が示されている。具体的には、図7Aには、移動ロボットA14aと、移動ロボットB14bと、が示されている。移動ロボットA14aには、制御用コンピュータ16aが備えられており、制御用コンピュータ16aは、備え付けられている情報共有端末10f中の移動ロボットインターフェース28aを介して情報共有端末10fと接続している。一方、移動ロボットB14bには、制御用コンピュータ16bが備えられており、制御用コンピュータ16bは、備え付けられている情報共有端末10g中の移動ロボットインターフェース28bを介して情報共有端末10gと接続している。
これら2個の移動ロボットA14aと、移動ロボットB14bとは、共有情報を互いに送受信しており、お互いの位置情報や、相対的な位置情報を互いに把握している。このような状況下で、以下のような処理が行われる。
(ステップ1)情報共有端末10f(10g)は、自機の位置情報と識別情報とを含む共有情報を、周辺の他の移動ロボットB14b(移動ロボットA14a)の位置情報と識別情報とを含む共有情報を、移動ロボットA14a(移動ロボットB14b)の制御用コンピュータ16a(16b)に出力する(図7A参照)。
(ステップ2)次に、制御用コンピュータ16a(16b)は、相互の共有情報に基づき、所定のロボット制御プログラムを実行する。制御用コンピュータ16a(16b)は、上述したように、内部に所定の記憶装置を含んでおり、所定のロボット制御プログラムもそこに記憶してよい。また、制御用コンピュータ16a(16b)内のCPUやプロセッサ等が、その所定のロボット制御プログラムを実行してよい。
(ステップ3)このようにして、2台以上の複数の移動ロボットA14a(移動ロボットB14b)間での自律的な連携・協調制御が可能である。図7Aは、2台の移動ロボット14a(移動ロボットB14b)が示されているが、3台以上でも自律的な連携・協調制御が可能である。移動ロボットA14a(B14b)は、移動可能なロボットであればどのようなものでもよく、例えばドローンや地上ロボット等でもよい。
連携・協調動作
自律的な連携・協調制御としては様々な制御が可能である。接近しすぎている場合は、互いに離れるような動作を実行してもよいし、離れすぎている場合は互いに近づくような制御を実行してもよい。これらの動作は、制御用コンピュータ16a(16b)が実行する上記所定のプログラムで自由にプログラムすることができる。
図7Bは複数の移動ロボットと「移動端末又は固定端末」との間の制御の様子が示されている。具体的には、図7Bに、移動ロボットC14cと、移動端末又は固定端末に備え付けられている情報共有端末10iと、が示されている。移動ロボットC14cには、制御用コンピュータ16cが備えられており、制御用コンピュータ16cは、備え付けられている情報共有端末10h中の移動ロボットインターフェース28cを介して情報共有端末10hと接続している。一方、移動端末又は固定端末(不図示)には、情報共有端末10iが備えられている。
これら移動ロボットC14cと、移動端末又は固定端末(不図示)とは、共有情報を互いに送受信しており、お互いの位置情報や、相対的な位置情報を互いに把握している。このような状況下で、以下のような処理が行われる。
(ステップ4)情報共有端末10hは、自機の位置情報と識別情報とを含む共有情報と、周辺の他の移動端末又は固定端末の位置情報と識別情報とを含む共有情報とを、移動ロボット制御用コンピュータ16cに出力する(図7B参照)。
(ステップ5)次に、制御用コンピュータ16cは、相互の共有情報に基づき、所定のロボット制御プログラムを実行する。制御用コンピュータ16cは、上述したように、内部に所定の記憶装置を含んでおり、所定のロボット制御プログラムもそこに記憶してよい。また、制御用コンピュータ16c内のCPUやプロセッサ等が、その所定のロボット制御プログラムを実行してよい。
(ステップ6)このようにして、移動ロボット14cと、周辺の他の移動端末又は固定端末との間の自律的な連携・協調制御が可能である。移動ロボットC14cは、移動可能なロボットであればどのようなものでもよく、例えばドローンや地上ロボット等でもよい。また、情報共有端末10iが備え付けられている「移動端末あるいは固定端末」とは、有人航空機、自動車、人間等が保持して携帯する各種端末・電子情報機器(スマートホン等)、あるいは、固定地点に設置された端末でもよい。
連携・協調動作
図7Bにおける自律的な連携・協調制御としては、上述した図7Aの説明で言及した制御も可能であるし、移動ロボットC14cが移動端末と協調するような制御を実行してもよい。また、移動ロボットC14cが固定端末の位置に基づく制御を実行することも可能である。例えば、固定端末と衝突しないような制御を実行することも可能である。
(6-2)相対位置に基づく自律制御のプログラム例その1
上述した図7A、図7Bの説明において、共有情報に基づき、所定のロボット制御プログラムを実行する旨説明した。以下、その具体的なプログラムの例を説明する。
図8Aには、移動ロボットD40dと、移動ロボットE40eと、が衝突回避のプログラムを実行する場合の例が示されている。移動ロボットD40dには、情報共有端末10jが備え付けられている。移動ロボットD40dには、その移動を制御する制御用コンピュータ16が備えられているが、図示されていない。一方、移動ロボットE40eには、情報共有端末10kが備え付けられている。移動ロボットE40eには、その移動を制御する制御用コンピュータ16が備えられているが、図示されていない。
これら2個の移動ロボットD40dと、移動ロボットE40eとは、共有情報を互いに送受信しており、お互いの位置情報や、相対的な位置情報を互いに把握している。すなわち、情報共有している。
このような状況下で、移動ロボットD40dは、情報共有端末10jで受信した移動ロボットE14eの位置、高度、移動方向、速度等の情報に基づき、所定のルールで進路を変更するようなプログラムを実行する。一方、移動ロボットE40eは、情報共有端末10kで受信した移動ロボットD40dの位置、高度、移動方向、速度等の情報に基づき、所定のルールで進路を変更するようなプログラムを実行する。
例えば、図8Aに示すように、移動ロボットD40dと、移動ロボットE40eとが互いに近づくように移動している場合、両者の距離が所定の距離未満になったときに、互いに移動方向を変更するようなプログラムを双方の制御用コンピュータ16に実行させることができる。この結果、例えば両者の距離が所定の距離未満になった場合、互いに進行方向に向かって左側(右側、上側、あるいは下側でもよい)に移動方向を変更する等のプログラムが好適である。この結果、互いにぶつからないように方向を変更するので、移動ロボット40の安全性を確保することに資するものである。
なお、衝突回避運動が行われた結果、両者の距離が十分離れた場合は、上記プログラムの実行を終了してよい。そして、通常の操縦者によって操縦される、あるいはあらかじめ決められた経路に沿って移動する移動ロボットとして運航されてよい。
図8Bには、移動ロボットF40fと、移動ロボットG40gと、が連携制御のプログラムを実行する場合の例が示されている。移動ロボットF40fには、情報共有端末10l(エル)が備え付けられている。移動ロボットF40fには、その移動を制御する制御用コンピュータ16が備えられているが、図示されてはいない。一方、移動ロボットG40gには、情報共有端末10mが備え付けられている。移動ロボットG40gには、その移動を制御する制御用コンピュータ16が備えられているが、図示されていない。
これら2個の移動ロボットF40fと、移動ロボットG40gとは、共有情報を互いに送受信しており、お互いの位置情報や、相対的な位置情報を互いに把握している。すなわち、情報共有している。
このような状況下で、移動ロボットF40f(の制御用コンピュータ16)は、は、情報共有端末10l(エル)で受信した移動ロボットG14gの位置、高度、移動方向、速度等の情報に基づき、所定のルールで連携運行するようなロボット制御プログラムを実行する。一方、移動ロボットG40g(の制御用コンピュータ16)は、情報共有端末10mで受信した移動ロボットF40fの位置、高度、移動方向、速度等の情報に基づき、に基づき、所定のルールで進路を連携運行するようなロボット制御プログラムを実行する。
例えば、図8Bに示すように、移動ロボットD40dと、移動ロボットE40eとがほぼ同じ方向に移動している場合、両者の距離が一定となるように制御しながら連携して互いに同じ方向に移動するようなロボット制御プログラムを双方の制御用コンピュータ16に実行させることができる。ただし、図8Bの場合は、追従していく移動ロボットD40d側が追従先である移動ロボットE40eとの距離を一定に保ちながら追従運転するというプログラムを実行することが好適である。
図8Bの場合は、移動ロボットE40eは、移動ロボットD40dと同様に、所定のルールで進路を連携運行するようなロボット制御プログラムを実行するが、事実上追従される側であるので、従前の行き先に向かうという運行動作に特段の変化はなくてもよい。なお、図8Bの場合、2機の移動ロボットD40d、E40eの例を説明したが、3機以上でも同様の連携運行をさせることができる。
このような連携運行の結果、複数(2台以上)の移動ロボット40による隊列/追従運行・同期運航・協調運行が可能となる。例えば行き先が同じ場合でも、複数の移動ロボット40が互いにぶつからないように距離を保ちながら移動させること等が可能になるので、移動ロボット40の安全性を確保することに資するものである。
なお、連携運行が終了すれば、上記ロボット制御プログラムの実行を終了してよい。そして、その後は、通常の操縦者によって操縦される、あるいはあらかじめ決められた経路に沿って移動する移動ロボットとして運航されてよい。
(6-3)相対位置に基づく自律制御のプログラム例その2
共有情報に基づき、所定のロボットを制御するロボット制御プログラムを実行する場合の具体的なプログラムの例のその2を説明する。
(6-3-1)地上端末44との相対位置に基づく自律制御
図9Aには、移動ロボットH40hが、目標地点に着陸するのに、移動ロボットH40hの制御用コンピュータ16(不図示)が所定のロボット制御プログラムを実行し、地上端末44の位置を基準に着陸制御する動作の説明図が示されている。
移動ロボットH40hには、情報共有端末10nが備え付けられている。移動ロボットH40hには、その移動を制御する制御用コンピュータ16が備えられているが、図示されていない。一方、地上端末44には、情報共有端末10o(オー)が備え付けられている。
これら移動ロボットH40hと、地上端末44とは、共有情報を互いに送受信しており、お互いの位置情報や、相対的な位置情報を互いに把握している。すなわち、情報共有している。
このような状況下で、移動ロボットH40hは、通過地点Pを通過して、目標地点Qに着陸しようとしている。移動ロボットH40hの情報共有端末10nは、情報共有端末10nで受信した地上端末44の位置、高度、等の情報と、移動ロボットH40h自身の
位置、高度、等の情報と、を移動ロボットH40hの制御用コンピュータ16(不図示)に提供することができる。そして、制御用コンピュータ16は、これらのデータに基づき、所定のロボット制御プログラムを実行する。具体的に言えば、地上端末44に基づき誘導されて、目標地点Qに着陸するためのロボット制御プログラムを実行する。
制御用コンピュータ16は、このようなロボット制御プログラムの実行によって、移動ロボットH40hを制御する。その結果、移動ロボットH40hは、地上端末44から所定の相対位置にある空中の通過点Pを通過し、さらに、地上端末44から所定の相対位置にある地上の目標地点Qに誘導される。もしくは、移動ロボットH40hは、地上端末44から所定の相対位置にある空中の通過点Pを通過し、さらに、地上端末44から所定の相対位置にある地上の目標地点Qに到達するような経路をとるように誘導される。
つまり、図9Aの例で説明したロボット制御プログラムは、地上端末44から所定の相対位置にある通過点P及び目標地点Qの位置を、自己(移動ロボットH40h)の位置と地上端末44の位置との相対的位置関係から求めている。その結果、通過点P及び目標地点Qと、自己の位置との相対的位置関係をより正確に求めることができ、より正確に着陸を行うことができたものである。
なお、制御用コンピュータ16は、上記ロボット制御プログラムを実行することによって、情報共有端末10pから、自機(移動ロボットH40h)の位置と地上端末44の位置とをなるべく実時間で(リアルタイムで)受信し、それらの間の相対的位置関係に基づき、自機の運行を制御することが精度の点から好適である。
(6-3-2)相対位置に基づく無線資源の制御
図9Bには、移動ロボットI40iと、移動ロボットJ40jと、が接近した場合に、所定の制御プログラムを実行し、無線資源の干渉防止を実行しようとする場合の説明図が示されている。
移動ロボットI40iには、情報共有端末10pが備え付けられている。移動ロボットH40hには、その移動を制御する制御用コンピュータ16が備えられているが、図示されていない。一方、移動ロボットJ40jには、情報共有端末10qが備え付けられている。移動ロボットJ40jにも、その移動を制御する制御用コンピュータ16が備えられているが、図示されていない。
これら移動ロボットI40iと、移動ロボットJ40jとは、最初は、十分な遠隔距離で飛行をしており、無線資源の干渉はほとんどない状態である。なお、ここでいう無線資源とは、無線通信の周波数チャネル、時間スロットなどをいう。十分に離れた位置において、これら移動ロボットI40iと、移動ロボットJ40jとが運用されている場合は、自由に無線資源を利用することができた。ここでは、移動ロボットI40iと、(移動ロボットI40iと十分離れた位置にある)移動ロボットJ40jとが、ともに無線資源R1を使用している場合を例として説明する。
なお、ここで説明する無線資源は、移動ロボットI40i、移動ロボットJ40jを操縦するのに用いる無線資源、あるいは操縦とは無関係なデータ通信、画像通信等に用いる無線資源である。
移動ロボットI40iと、十分離れた位置にある移動ロボットJ40jとが、ともに無線資源R1を使用している状態から、移動ロボットI40iが、移動ロボットJ40jに接近していき、無線資源の干渉が生じた場合、以下のような処理が実行される。
(ステップ7)接近した結果、お互いの共有情報を互いに送受信することができるようになり、お互いの位置情報や、相対的な位置情報を互いに把握できるようになる。すなわち、移動ロボットI40iの情報共有端末10pと、移動ロボットJ40jの情報共有端末10qとの間で情報共有が実現される。かかる情報に基づき、情報共有端末10p、情報共有端末10qは、取り付けられている移動ロボットI40iと、移動ロボットJ40jとが、それらの操縦のための使用している無線資源等を共有情報の一部として、移動ロボットI40iと、移動ロボットJ40jの制御用コンピュータ16(不図示)に送信される。
この結果、移動ロボットI40i及び移動ロボットJ40jの制御用コンピュータ16は、移動ロボットI40iと移動ロボットJ40jとが、それらの操縦のために同一の無線資源R1を使用していることをお互いに知ることができる。これをトリガーとして、各移動ロボット40の各制御用コンピュータ16は、所定の制御プログラムを実行する。
(ステップ8)移動ロボットI40iの制御用コンピュータ16は、この制御プログラムを実行することによって、情報共有端末10pから提供された共有情報に基づき、受信した移動ロボットJ40jの位置・高度等の情報、及び使用している無線資源を知ることができ、その情報に基づき、制御用コンピュータ16は、所定のルールで、使用する無線資源を変更する。
具体的には、制御用コンピュータ16は、使用する無線資源を無線資源R1から無線資源R2に変更する。図9Bの場合、移動ロボットJ40jの情報共有端末10qは使用する無線資源を変更せず、無線資源R1を引き続き使用を続ける。これは、例えば、自己が動いていない場合は、使用する無線資源を変更せず、動いている側が使用する無線資源を変更する、等のルールを設定しているからである。
このように、図9Bの例によれば、無線干渉が生じていない場合は無線資源を自由に選ぶことができ、無線干渉が生じた場合に、なるべく無線干渉が生じないように使用する無線資源を変更している。したがって、本実施形態によれば、無線資源のより有効な活用を図ることができる。
なお、図9Bの例においては、接近していった移動ロボットI40i側が使用する無線資源を変更するようにルールを設定しているが、基本的にはどちらが無線資源の変更を行ってもよい。
上記動作例では、位置が変わらない移動ロボットJ40j側の無線資源の変更は、移動ロボットJ40jとその周辺の他の移動ロボット40との既存の情報共有に影響を与える可能性があるので、図9Bの例では、接近していった移動ロボットI40i側が使用する無線資源の変更を行ったものである。そのような判断も所定の制御プログラムが実行してよい。
第2.作用と効果
従来は、移動ロボットの操縦者は自分が操縦する移動ロボットの位置や状態のみしか把握することができなかった。
これに対して、各実施形態において説明したように、例えば本実施形態による方法を用いた通信端末(情報共有端末10)を各移動ロボット(例えばドローン)並びにそれらの操縦者達が備えることによって情報共有システムを構築すれば、情報共有端末10を備えた操縦者は、自分が操縦する移動ロボットだけでなく、他の操縦者が操縦する他の移動ロボットの位置や状態、並びにそれらの間の相対的位置を実時間で把握することができる。情報共有端末10同士で情報共有が行われるからである。
したがって、移動ロボット同士の接近、衝突等の危険を回避する行動を可能にする効果が期待される。
従来は、複数の移動ロボットの位置等を管理しようとすれば、中央で管理を行うための所定の通信端末が必要となる。そしてその中央の通信端末で各移動ロボット向けの通信信号を管理・制御する必要がある。
これに対して、本実施形態によれば、各情報共有端末10が平等に自律分散的に信号の衝突をなるべく少なくしながら通信信号(共有情報)の送受信を実行しているので、情報共有システムの維持コストの低減が期待できる。
なお、本実施形態で説明した技術における「通信による情報共有」に搬送波感知接続方式を組み合わせてもよく、無線通信信号間の衝突確率を低減し、通信の成功率の向上が見込まれる。
また、情報共有端末10を、マルチホップモード(実施形態3、4)で動作させることによって、建物や地形等の陰になり、操縦者に対して直接電波が届かない場所、すなわち電波見通し外に他の操縦者が操縦する移動ロボットが位置していた場合でも、操縦者が操縦する移動ロボットが、他の操縦者が操縦する移動ロボットの電波が直接届く位置にいれば、操縦者は他の操縦者が操縦する移動ロボットの位置や情報を実時間で把握することが可能である。
また、上記マルチホップモード(実施形態3、4)において、操縦者が操縦する移動ロボットの代わりに、地上や建物上などの適切な位置に本実施形態による方法に基づく情報共有端末を固定設置することによっても、電波見通し外にある他の操縦者の移動ロボットの位置や状態を実時間で把握することが可能となる。
また、上記マルチホップモード(実施形態3、4)において、多段マルチホップの機能を備えることによって、建物や地形等の陰となり、操縦者に対して直接電波が届かない場所、すなわち電波見通し外において、その位置や状態を実時間で把握することができる移動ロボットの範囲(存在できる範囲)をさらに広げることができる。
また、上記多段マルチホップモード(実施形態3、4)において、ホップ数を所定の数までに限定することによって(図6B)、位置や状態を実時間で把握することができる移動ロボットの範囲が限定される代わりに、空間を飛び交う通信信号の密度を減少させることができ、通信成功率の向上あるいは通信遅延時間の短縮化を図ることが可能である。
また、本実施形態による方法を用いれば、移動ロボットの操縦者は、自分の操縦する移動ロボット及び他の操縦者が操縦する移動ロボットの位置や状態、及び自分が操縦する移動ロボットとの相対位置関係を共有情報表示端末12で地図上、あるいは音声等で実時間で確認することができ、直感的に迅速に接近・衝突による危険を回避する操作を行うことが可能となる。
さらに、本実施形態による方法をヘリコプターなどの有人航空機と無人航空機が用いることによって、有人航空機のパイロットは、周囲を飛行する無人航空機の位置、高度、速度、進行方向、識別番号等を共有情報表示端末12により把握でき、衝突等の危険回避行動をとることが可能となる。また、無人航空機の操縦者も、周囲を飛行する有人航空機の位置、高度、速度、進行方向、識別番号等を共有情報表示端末12によって把握でき、衝突等の危険回避行動をとることが可能となる。
また、本実施形態による方法を用いれば、各移動ロボットは、それぞれ、周囲に位置する他の移動ロボットの位置、高度、速度、進行方向、識別番号等が把握できるため、それらの情報を元により適切な運動制御を移動ロボットが備える制御用コンピュータが自律的に行うことも可能である。その結果、複数の移動ロボット同士が自動的に衝突を回避できる可能性が向上する。また、複数の移動ロボット同士が自動的に追従行動、連携行動等の高度な自律制御を実行できる可能性を向上させることができる。
さらに、それらの情報を元に、移動ロボットの制御用あるいはアプリケーション用の無線通信の周波数や時間スロット等の無線資源の制御をより効率的に行うことによって、電波の相互干渉を軽減しつつ、無線資源をより有効に活用して実質的には通信容量を増大させることも可能となる。
第3.好ましい利用例
利用例1:異なる操縦者が運航する無人航空機相互の機体判別、位置把握と衝突回避
無人航空機を運航する操縦者及びその操縦者が運航する無人航空機、及びその周辺において他の操縦者が運航する他の無人航空機が本実施形態の技術を備えて情報共有システムを形成する。すなわち、上記各機に情報共有端末10を備えさえることによって、情報共有システムを形成することができる。
この結果、各操縦者は、他の操縦者が運航する他の無人航空機の識別番号、機体種別、位置、高度、移動方向、速度を、本実施形態の技術で把握することが可能である。具体的には、情報共有端末10及びそれに接続する共有情報表示端末12によって上記情報を把握することが可能である。
また、本実施形態で説明した技術を無人航空機が搭載するフライトコンピュータに接続することによって、自己(自機)と他機との位置、高度、移動方向、速度等のデータを、フライトコンピュータに入力することができる。具体的には情報共有端末10が、自機の共有情報である位置、高度、移動方向、速度等と、受信した他機の共有情報である位置、高度、移動方向、速度等と、をともにフライトコンピュータに供給することも可能である。ここで、フライトコンピュータは、上述した実施形態の制御用コンピュータ16の好適な一例に相当する。ここで、フライトコンピュータは、あらかじめ設定された所定のプログラムを実行することによって、無人航空機間の接近や衝突等の回避を自動で行う可能性が向上する。なお、無人航空機は、自動運転車両や、ロボット等の無人移動体であってもよい。
利用例2:無人航空機と有人航空機の間の相互の機体識別、位置把握と衝突回避
ヘリコプターなどの有人航空機及びその周辺で運航される無人航空機に、本実施形態の技術を備えさせることによって、情報共有システムを構築することができる。具体的には、上記各機が情報共有端末10を備えさせることによって情報共有システムを構築することができる。この情報共有システムによって、ヘリコプターの操縦者は、その周辺において他の操縦者が運航する他の無人航空機の識別番号、機体種別、位置、高度、移動方向、速度等を本実施形態の技術で把握することが可能である。具体的には、情報共有端末10及びそれに接続する情報共有端末12を用いて把握することが可能である。
したがって、ヘリコプターの操縦者は、無人航空機への接近や衝突等を手動で回避できる可能性を向上させることができる。
また、上記の状況において、無人航空機の操縦者が、本実施形態の技術を備えることにより、その操縦者は周辺を飛行する有人航空機の識別番号、機体種別、位置、高度、移動方向、速度等を把握することが可能である。具体的には、操縦者は、情報共有端末10及びそれに接続する共有情報表示端末12を用いて、周辺を飛行する有人航空機の上記各種情報を把握することができる。その結果、操縦者は、操縦する無人航空機の有人航空機への接近や衝突等の手動での回避を行える可能性が向上する。さらに、本実施形態の技術を無人航空機が搭載するフライトコンピュータに接続して、自機(無人航空機)と有人航空機の互いの位置、高度、移動方向、速度等のデータをフライトコンピュータに入力することができる。
具体的には、情報共有端末10がフライトコンピュータに対して、自機(無人航空機)と有人航空機の互いの位置、高度、移動方向、速度等のデータを送信することができる。これによって、フライトコンピュータがあらかじめ設定された所定のプログラムを実行することによって、無人航空機と有人航空機間の接近や衝突などの回避を自動的に行うことができる可能性が向上する。ここでフライトコンピュータは、制御用コンピュータ16の好適な一例に相当する。なお、無人航空機は、地上の車両やロボットなどの無人移動体であってもよく、また有人航空機は、有人車両などの有人移動体や、情報共有端末10を携帯した人間であってもよい。
利用例3:複数の無人航空機を相互連携させた自律制御
複数の無人航空機に本実施形態の技術、すなわち情報共有端末10を備えさせて、情報共有システムを構築することができる。この場合、それぞれの無人航空機が搭載するフライトコンピュータに、情報共有端末10を接続する。その結果、情報共有端末10が取得した自機の機体の識別番号、位置、高度、移動方向、速度等のデータと、他の無人航空機の機体の識別番号、位置、高度、移動方向、速度等のデータとを、フライトコンピュータに送信することができる。フライトコンピュータは、これらのデータに基づき、あらかじめ設定された所定のプログラムを実行することができる。この所定のプログラムの実行によって、複数の無人航空機を相互連携させて、一方の機体が他方の機体に一定の距離を保って追従する飛行や、多数の無人航空機を3次元的に空中に配置し任意の図形を描かせる等、相互に関連性を保った集団飛行を行わせることが可能となる。なお、無人航空機は車両やロボットなどの無人移動体であってもよい。
利用例4:無人航空機の目標経路あるいは目標地点への誘導制御
無人航空機並びに所定の位置に固定設置された固定局に、本実施形態の技術、すなわち情報共有端末10を備えさせて、情報共有システムを構築することができる。この場合、その無人航空機が備える情報共有端末10を、無人航空機のフライトコンピュータに接続する。
このような構成によって、情報共有端末10が取得した自機(無人航空機)の機体の識別番号、位置、高度、移動方向、速度等のデータと、固定設置された固定局の識別番号、位置、高度等のデータとを、フライトコンピュータに送信することができる。フライトコンピュータは、これらのデータに基づき、あらかじめ設定された所定のプログラムを実行することができる。この所定のプログラムの実行によって、その無人航空機を所定の目標経路あるいは目標地点に誘導して飛行させ着陸を実行させることが可能である。ここで、無人航空機は、車両やロボットなどの無人移動体であってもよい。
本利用例4においては、無人航空機を目標経路あるいは目標地点の近傍に設置された(固定局の)情報共有端末10との間の相対的な位置情報に基づいた制御を行うことができる。この制御は、フライトコンピュータが実行する上記所定のプログラムが実行する。したがって、従来の絶対位置情報に基づいた制御に比べて、測位信号の伝搬環境に起因する絶対位置誤差の影響を受けにくいという特徴がある。そのため従来より高精度の着陸等を期待することができる。
利用例5:無人航空機間の無線資源配分制御
複数の無人航空機が限られた無線資源を使って制御通信やデータ伝送等を行う場合、本発明の技術、すなわち情報共有端末10を、各無人航空機に備えさせて、情報共有システムを構築する。この場合、この情報共有端末10を各無人航空機が搭載する通信装置に接続する。ここでいう通信装置とは、図1等における共有情報送受信部24の好適な一例であり、アンテナ18も含めてもよい。
このような構成によって、自己(いずれかの無人航空機)の位置、高度のデータと、他の無人航空機の位置、高度のデータと、に応じて、相互に干渉・混信が発生しないように周波数チャネルや、時間スロットなどの無線資源配分制御を行うことが可能となる。また、相互に干渉・混信が発生する可能性が低い場合は、同じ無線資源を配分することによって、無線資源の有効利用が可能となる。
このような制御は、図1の制御用コンピュータ16が、情報共有端末10から提供された共有情報に基づき実行してよい。具体的には、制御用コンピュータ16が、そのための所定のプログラムを実行することによって実行してよい。
また、このような制御は、情報共有端末10が使用する無線資源について実行してもよい。この場合は、情報共有端末10の通信制御部20が、そのための所定のプログラムを実行することによって実行してよい。また、共有情報送受信部24自身が自分の機能として、無線資源の制御を実行してもよい。この場合は、共有情報送受信部24自身がコンピュータとしての機能を備えており、所定のプログラムを実行することによって無線視点の制御を実行してよい。なお、無人航空機は、一般の移動体または人間であってもよい。
利用例6:指定された1あるいは複数の無人移動体、有人移動体、あるいは人間が備える情報共有端末へのコマンドあるいはメッセージの送信
共有情報に情報共有先指定情報を含め、同時にコマンドあるいはメッセージを含めることにより、1あるいは複数の指定された無人移動体、有人移動体、あるいは人間が備える情報共有端末に任意のコマンドやメッセージを送ることが可能となる。
例えば、1あるいは複数の指定された無人航空機に対し、着陸コマンドや帰還コマンドなどの割り込みコマンドを送信あるいは同報送信することなどが考えられる。また情報共有端末と情報表示端末を備えた1あるいは複数の指定された無人航空機の操縦者や有人航空機のパイロット、自動車のドライバーなどに注意・警告・参考情報・緊急情報などのメッセージを送信あるいは同報送信し、情報表示端末に表示させることが可能となる。
第4.変形例・応用例
(1)以上述べた情報共有システムにおいては、有人移動体、無人移動体、固定端末に情報共有端末10を備えて、情報共有システムを構築する例を種々説明した。さらに、情報共有端末10を人間に備えさえる例も説明した。これらは、情報共有端末10が備え付けられる対象物の好適な例であり、請求の範囲の対象物の一例に相当する。
ただし、全ての種類の対象物を利用する必要はなく、いずれか1種類の対象物のみで情報共有システム8を構築してもよい。
例えば、有人移動体、固定端末は用いずに、無人移動体だけで情報共有システム8を構築してもよい。また、上述のように、有人移動体の一例として人間を利用してもよいが、この場合は、その人間は無人移動体(例えば移動ロボット)の操縦者であってもよい。また、人間が情報共有端末10を携帯する場合は、共有情報表示端末12を報共有端末10に接続し、人間が共有情報を有情報表示端末12上のディスプレイで閲覧できるように構成してもよい。
また、人間が情報共有端末10を携帯せず、固定端末に備えられた情報共有端末10及びそれに接続された共有情報表示端末12を監視して、移動体の位置や速度を監視してもよい。
(2)また、情報共有システム8は、1又は複数の情報共有端末10から構成されているが、この情報共有端末10が対象物(移動ロボット等)に備え付けられていても情報共有システム8と称する。
なお、この場合、その備え付けられている対象物も含めて情報共有システム8と称してもよい。つまり、上述した実施形態6において、備え付けられた移動ロボット14等の動作を説明しているが、この場合は、その移動ロボット14も情報共有システム8の構成要素と見なしてよい。
(3)上記実施形態では、測位衛星情報受信部22を用いているが、位置を取得できればどのような装置でもよく、請求の範囲の位置取得部の好適な一例に相当する。全地球航法衛星システム(GNSS)でなくても、一地域向けのシステムを利用するものでもよい。例えば、日本では「準天頂衛星システム」がよく知られており、これを利用してもよい。
(4)また、以上説明した実施形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は本実施形態の態様に限定されるものではない。
8 情報共有システム
10 情報共有端末
12 共有情報表示端末
14 移動ロボット
14a 移動ロボットA
14b 移動ロボットB
16 制御用コンピュータ
18 送受信アンテナ
20 通信制御部
22 測位衛星情報受信部
24 共有情報送受信部
26 識別情報記憶部
28 移動ロボット接続インターフェース
30 汎用センサ情報入力インターフェース
32 外部インターフェース
40 移動ロボット
42 移動端末
44 地上端末
P 通過点
Q 目標地点
R1、R2 無線資源

Claims (21)

  1. 複数の情報共有端末、を備え、前記情報共有端末間において共有情報を共有する情報共有システムに用いられる前記情報共有端末であって、
    前記情報共有端末の位置を取得する位置情報取得部と、
    前記共有情報を、周囲の他の前記情報共有端末と無線で送受信する共有情報送受信部と、
    所定の対象物を示す識別情報を記憶する識別情報記憶部と、
    前記位置情報取得部が取得した前記位置と、前記識別情報記憶部が記憶する前記識別情報と、を少なくとも含む前記共有情報を作成し、前記共有情報送受信部に送信する通信制御部と、
    記憶装置と、
    を具備し、
    前記情報共有端末は、前記対象物に備え付けられており、
    前記共有情報送受信部は、前記通信制御部が送信してきた前記共有情報を周囲に無線で同報送信し、周囲の他の前記情報共有端末から無線で同報送信されてきた前記共有情報を受信し、受信した前記共有情報を前記通信制御部に送信し、
    前記通信制御部は、前記共有情報送受信部から送信されてきた前記共有情報を受信し、
    前記通信制御部は、
    他の前記情報共有端末から同報送信されてきた前記共有情報を、前記共有情報送受信部から受信した場合、他の前記情報共有端末から同報送信されてきた前記共有情報を、前記記憶装置に記憶し、
    他の前記情報共有端末から同報送信されてきた前記共有情報を、前記記憶装置から取り出し、前記共有情報送受信部に送信し、
    前記共有情報送受信部は、前記通信制御部が送信してきた、他の前記情報共有端末から無線で同報送信されてきた前記共有情報を、周囲に無線で同報送信し、
    前記対象物は、無人移動体、有人移動体、固定端末、人間のいずれか2種以上を含むことを特徴とする情報共有端末。
  2. 前記通信制御部は、
    前記共有情報を同報送信するための単位時間である時間スロットを、複数の時間スロット含む通信フレームの中から、ランダムに1個選択し、選択した前記時間スロットで前記共有情報を同報送信するよう前記共有情報送受信部を制御することを特徴とする請求項1記載の情報共有端末。
  3. 前記通信制御部は、
    前記共有情報を所定の時間スロットで同報送信した場合に、他の前記情報共有端末も、前記所定の時間スロットと同一の時間スロットで、他の前記情報共有端末の前記共有情報を同報送信していたときは、次の前記通信フレームにおいて、再び、ランダムに1個の前記時間スロットを選択し、選択した前記時間スロットで前記共有情報を同報送信するよう前記共有情報送受信部を制御することを特徴とする請求項2記載の情報共有端末。
  4. 前記通信制御部は、
    前記位置情報取得部が取得した前記位置と、前記識別情報記憶部が記憶する前記識別情報と、を少なくとも含む前記共有情報を作成し、作成した共有情報を所定の通信フレーム中のランダムに選択された第1の時間スロットで無線で同報送信するように前記共有情報送受信部に指示し、
    他の前記情報共有端末から同報送信されてきた前記共有情報を、前記記憶装置から取り出し、前記所定の通信フレームと同一の通信フレームのランダムに選択された第2の時間スロットで無線で同報送信するように前記共有情報送受信部に指示することを特徴とする請求項記載の情報共有端末。
  5. 前記通信制御部は、
    前記位置情報取得部が取得した前記位置と、前記識別情報記憶部が記憶する前記識別情報と、を少なくとも含む前記共有情報を作成し、作成した共有情報を所定の通信フレーム中のランダムに選択された第1の時間スロットで無線で同報送信するように前記共有情報送受信部に指示し、
    他の前記情報共有端末から同報送信されてきた前記共有情報を、前記記憶装置から取り出し、前記所定の通信フレームと同一の通信フレームの前記第1の時間スロットの次の時間スロットで無線で同報送信するように前記共有情報送受信部に指示することを特徴とする請求項記載の情報共有端末。
  6. 前記通信制御部は、
    前記位置情報取得部が取得した前記位置と、前記識別情報記憶部が記憶する前記識別情報と、を少なくとも含む前記共有情報を作成し、作成した共有情報を所定の通信フレーム中のランダムに選択された時間スロットで無線で同報送信するように前記共有情報送受信部に指示し、
    他の前記情報共有端末から同報送信されてきた前記共有情報を、前記記憶装置から取り出し、前記所定の通信フレームとは別の通信フレーム中のランダムに選択された時間スロットで無線で同報送信するように前記共有情報送受信部に指示することを特徴とする請求項記載の情報共有端末。
  7. 前記通信制御部は、
    前記位置情報取得部が取得した前記位置と、前記識別情報記憶部が記憶する前記識別情報と、再同報送信回数と、を少なくとも含む前記共有情報を作成し、作成した共有情報を所定の通信フレーム中のランダムに選択された時間スロットで無線で同報送信するように前記共有情報送受信部に指示し、
    他の前記情報共有端末から同報送信されてきた前記共有情報を、前記記憶装置から取り出し、取り出した前記共有情報中の前記再同報送信回数に1を加えた結果、所定の基準値未満である場合は、前記共有情報送受信部に送信し、前記共有情報の無線による再同報送信を行わせ、所定の基準値以上の場合は、前記共有情報送受信部に送信せず、前記共有情報の再同報送信を行わないことを特徴とする請求項記載の情報共有端末。
  8. 前記情報共有端末に接続され、前記共有情報を表示する共有情報表示端末、
    を具備し、
    前記通信制御部は、前記作成した前記共有情報と、前記共有情報送受信部から送信されてきた前記共有情報とを、前記共有情報表示端末に送信し、
    前記共有情報表示端末は、前記送信されてきた前記共有情報を表示することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の情報共有端末。
  9. 外部ネットワークと接続する外部インターフェース、
    を備え、
    前記通信制御部は、前記作成した前記共有情報と、前記共有情報送受信部から送信されてきた前記共有情報とを、前記外部インターフェースを介して、前記外部ネットワークに送出することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の情報共有端末。
  10. 前記共有情報は、自己の位置と、自己の識別番号とを含む情報であり、前記自己の位置とは、本情報共有端末が備え付けられている前記対象物の位置であり、前記自己の識別番号とは、本情報共有端末が備え付けられている前記対象物の識別番号であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の情報共有端末。
  11. 前記共有情報は、必須情報として、時刻、自己位置、高度、識別情報を含み、
    さらに、速度、進行方向、機体種別、信号強度情報、再同報送信回数、センサ計測データ、メッセージ、コマンド、情報共有先指定情報のいずれか1種類以上を含むことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の情報共有端末。
  12. 前記対象物は、
    無人移動体、有人移動体、固定端末のいずれかと、
    人間と、
    を含むことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の情報共有端末。
  13. 前記情報共有端末は、
    前記自己である対象物を制御する制御用コンピュータに接続するための移動体接続インターフェース、
    を備え、
    前記通信制御部は、前記作成した前記共有情報と、前記共有情報送受信部から送信されてきた前記共有情報とを、前記移動体接続インターフェースを介して、前記対象物に送出することを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の情報共有端末。
  14. 請求項13記載の前記情報共有端末に、前記移動体接続インターフェースを介して、接続している対象物であって、
    前記対象物は、自律型の移動体であり、
    前記自律型の移動体は、
    前記自律型の移動体の移動を制御する制御用コンピュータ、
    を具備し、
    前記制御用コンピュータは、前記共有情報を受信し、受信した前記共有情報中の自己の情報と、自己の周辺の他機の情報と、に基づき、前記自律型の移動体を、前記自己の周辺の他機と連携協調して移動を制御することを特徴とする無人あるいは有人の自律型の移動体。
  15. 前記自己の周辺の他機の情報は、前記他機の位置、高度、移動方向及び速度、を含み、
    前記制御用コンピュータは、前記他機の情報に基づき、前記自律型の移動体を、前記自己の周辺の他機との衝突を回避するように移動を制御することを特徴とする請求項14記載の自律型の移動体。
  16. 前記自己の周辺の他機の情報は、前記他機の位置、高度、移動方向及び速度、を含み、
    前記制御用コンピュータは、前記他機の情報に基づき、前記無人移動体を、前記自己の周辺の他機に追従運行、同機運航又は協調運行するように移動を制御することを特徴とする請求項14記載の自律型の移動体。
  17. 前記対象物は、移動ロボットであり、
    前記他機は、地上端末であり、
    前記自己の周辺の他機の情報は、前記地上端末の位置、高度、を含み、
    前記制御用コンピュータは、前記地上端末の情報に基づき、前記移動ロボットを、前記自己の周辺の他機の位置から所定の相対位置にある目標地点を通過又は前記目標地点に誘導するように移動を制御することを特徴とする請求項14記載の自律型の移動体。
  18. 前記自己の周辺の他機の情報は、前記他機の位置、高度及び使用する無線資源、を含み、
    前記制御用コンピュータは、前記他機の情報に基づき、使用する無線資源を変更することを特徴とする請求項14記載の自律型の移動体。
  19. 請求項1から14のいずれか1項に記載の情報共有端末を複数備え、前記情報共有端末間において前記共有情報を共有する情報共有システム。
  20. 請求項1から14のいずれか1項に記載の情報共有端末を複数備え、
    請求項15から18のいずれか1項に記載の自律型の移動体を備え、
    前記情報共有端末が備え付けられている前記自律型の移動体は、前記情報共有端末から送信された前記共有情報に基づき、他の対象物と前記情報共有を共有する情報共有システム。
  21. 請求項19又は20記載の情報共有システムにおいて、前記共有情報を共有する方法であって、
    いずれかの前記情報共有端末において、
    前記位置情報取得部が前記情報共有端末の位置を取得するステップと、
    前記共有情報送受信部が、前記共有情報を、周囲の他の前記情報共有端末と無線で送受信するステップと、
    前記通信制御部が、前記位置情報取得部が取得した前記位置と、前記識別情報記憶部が記憶する前記識別情報と、を少なくとも含む前記共有情報を作成し、前記共有情報送受信部に送信するステップと、
    前記共有情報送受信部が、前記通信制御部が送信してきた前記共有情報を無線で同報送信し、他の前記情報共有端末から無線で同報送信されてきた前記共有情報を受信し、受信した前記共有情報を前記通信制御部に送信するステップと、
    前記通信制御部が、前記共有情報送受信部から送信されてきた前記共有情報を受信するステップと、
    が、実行されることを特徴とする情報共有方法。
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