本発明は、スタンパを用いて作成される情報記録媒体に情報を記録する情報記録装置、スタンパを用いて作成される情報記録媒体から情報を再生する情報再生装置、及びスタンパを用いて作成される情報記録媒体に関するものである。
例えば、特許文献1には、情報記録媒体毎にユニークな媒体識別情報と、媒体識別情報を一方向性関数で演算した演算値とを記録している情報記録媒体が開示されている。
特許文献1の発明では、情報記録媒体に情報を記録する情報記録装置と、情報記録媒体から情報を再生する情報再生装置とは、それぞれ同一の一方向性関数生成手段を有している。情報記録装置は、情報記録媒体毎に異なる媒体識別情報を、一方向性関数生成手段によって生成された一方向性関数で演算した第1の演算値を情報記録媒体に記録する。情報再生装置は、情報記録媒体から媒体識別情報を再生し、再生した媒体識別情報を、一方向性関数生成手段によって生成された一方向性関数で演算した第2の演算値と、情報記録媒体に記録されている第1の演算値とを比較し、一致している場合にのみ情報記録媒体に記録されているコンテンツ情報を再生する。
また、例えば、特許文献2には、コンテンツ情報を記録する情報記録媒体毎に固有のメディア識別子と、コンテンツ情報毎に固有のコンテンツ識別子とを記録する情報記録媒体が開示されている。
特許文献2の発明では、情報記録媒体に情報を記録する情報記録装置は、メディア識別子とコンテンツ識別子とに基づいて個別化鍵を生成し、コンテンツ情報を暗号化するために用いられたコンテンツ鍵を、個別化鍵を用いて暗号化し、暗号化コンテンツ鍵を生成し、コンテンツ鍵を用いて暗号化したコンテンツ情報と、コンテンツ識別子と、暗号化コンテンツ鍵とを情報記録媒体に記録する。また、情報記録媒体から情報を再生する情報再生装置は、情報記録媒体からコンテンツ情報とメディア識別子とコンテンツ識別子とコンテンツ鍵とを読み出し、読み出したメディア識別子とコンテンツ識別子とに基づいて個別化鍵を生成し、暗号化されているコンテンツ鍵を、生成した個別化鍵を用いて復号し、暗号化されているコンテンツ情報を、復号したコンテンツ鍵を用いて復号する。
しかしながら、特許文献1では、情報記録媒体から読み出した、媒体識別情報を一方向性関数で予め演算した第1の演算値と、情報記録媒体から読み出した媒体識別情報を一方向性関数で演算した第2の演算値とを比較し、第1の演算値と第2の演算値とが一致していればコンテンツ情報の再生を認めるものである。そのため、悪意ある情報再生装置製造メーカが製造した、第1の演算値と第2の演算値との一致判定を無視する構成の情報再生装置では、第1の演算値と第2の演算値とが一致しなかったとしても、コンテンツデータの再生が可能になってしまうという問題がある。
また、スタンパで複製して製造されるROM型の情報記録媒体では、通常、コンテンツデータもスタンパから複製されて製造され、コンテンツ情報も言わばスタンパ毎に共通の情報である。特許文献1では、情報記録媒体に記録されている媒体識別情報は媒体毎に異なる情報であり、媒体識別情報の演算値も媒体毎に異なる情報ということになる。従って、スタンパ毎に共通でなくてはならないコンテンツデータを、媒体毎に異なる媒体識別情報でデータ変換して記録することはできない。よって、特許文献1では、情報再生装置において媒体識別情報の演算値の一致判定を行ってコンテンツ情報の出力を制御することで、著作権を保護するしかない。
また、特許文献2では、情報記録媒体毎に異なるメディア識別子と、コンテンツ識別子とに基づいてコンテンツ情報を記録する構成である。特許文献2では、媒体1枚毎に固有の暗号鍵で暗号化して記録できる記録型情報記録媒体を想定している。なぜなら、メディア識別子が情報記録媒体毎に異なる情報であり、コンテンツ識別子がスタンパ毎に共通の情報であるとき、メディア識別子とコンテンツ識別子とから生成される個別化鍵は情報記録媒体毎に異なる情報となる。特許文献2には個別化鍵の具体的な記録方法について開示されていないため、特許文献2で用いられる情報記録媒体は、通常の記録方法で記録する記録型情報記録媒体であると想定できる。従って、スタンパからの複製で製造するROM型情報記録媒体では、スタンパ毎に個別化鍵が記録されるので、スタンパ毎に1枚の光ディスクしか製造できないことになり、ROM型情報記録媒体に特許文献2に開示された発明を適用することは極めて非効率であり、実現性がない。
以上のように、従来の発明を考慮すると、図31のような情報記録再生システムで表される。図31は、従来の情報記録再生システムの構成を示すブロック図である。図31に示す情報記録再生システムは、マスタリング装置401、情報記録装置402及び情報再生装置403から構成されている。
マスタリング装置401は、コンテンツ暗号化部405、変調部406及び鍵情報スクランブル部407で構成される。
コンテンツ暗号化部405は、情報記録媒体404に記録するコンテンツ情報をコンテンツ暗号鍵で暗号化する。
変調部406は、暗号化されたコンテンツ情報を情報記録媒体(スタンパ)404の種別に応じた変調フォーマットに変調して、情報記録媒体404のユーザデータ領域411に記録する。
鍵情報スクランブル部407は、コンテンツ情報を暗号化するためのコンテンツ暗号鍵を装置内部に秘密に持つマスター鍵などでスクランブルして、情報記録媒体(スタンパ)404の第1の副情報記録領域410に記録する。
情報記録装置402は、マスタリング装置401で作成されたスタンパを複写することによって複数の情報記録媒体を製造し、その情報記録媒体1枚毎に固有のディスク固有情報を生成する。情報記録装置402は、固有情報記録部408を備える。固有情報記録部408は、ディスク固有情報を第2の副情報として情報記録媒体404の第2の副情報記録領域409に記録する。
また、情報再生装置403は、固有情報再生部412、固有情報検証部413、鍵情報デスクランブル部414、復調部415、コンテンツ復号化部416及びコンテンツ出力スイッチ417から構成される。
固有情報再生部412は、情報記録媒体404の第2の副情報記録領域409から情報記録媒体毎に異なるディスク固有情報を再生する。固有情報検証部413は、再生されたディスク固有情報が正当な情報であるかを検証する。
鍵情報デスクランブル部414は、情報記録媒体404の第1の副情報記録領域410からスタンパ毎に共通のスクランブルされたコンテンツ暗号鍵を読み出し、内部に秘密に記憶するマスター鍵などを用いて、スクランブルされたコンテンツ暗号鍵をデスクランブルする。
復調部415は、マスタリング装置401の変調部406に対応した部分であり、情報記録媒体404の種別に応じて、ユーザデータ領域411に記録されているコンテンツ情報を復調する。
コンテンツ復号化部416は、情報記録媒体404のユーザデータ領域411から読み出した暗号化されたコンテンツ情報を、鍵情報デスクランブル部414で抽出したコンテンツ暗号鍵で復号化する。
コンテンツ出力スイッチ417は、固有情報検証部413の検証結果に応じてコンテンツ情報の再生を制御する。すなわち、コンテンツ出力スイッチ417は、固有情報検証部413によって不正な情報記録媒体であると判断された場合、復号化されたコンテンツ情報を出力せず、固有情報検証部413によって正当な情報記録媒体であると判断された場合、復号化されたコンテンツ情報を出力する。これにより、例えば、第2の副情報であるディスク固有情報が記録されていなかったり、不正な情報が記録されている不正な情報記録媒体が使用されている場合、コンテンツ情報は再生されない。そのため、コンテンツ情報などの著作物の著作権保護を確立することができる。
しなしながら、上記の構成では、コンテンツ出力スイッチ417を常にコンテンツ出力状態に実装した不正な情報再生装置の出現によって著作権保護を確立することが不可能となる。
情報記録媒体404のユーザデータ領域411と第1の副情報記録領域410とは、スタンパからの複製によって作成される。従って、これらの領域は、悪意ある者からの複製が困難とはいいがたい。従って、コンテンツ情報及びコンテンツ暗号鍵が不正に複製され、第2の副情報記録領域409のディスク固有情報が存在しない不正な情報記録媒体404が出現する可能性がある。
一方、情報再生装置403は、第2の副情報記録領域409を再生しない。従って、コンテンツ出力スイッチ417が常にコンテンツ出力状態である不正な情報再生装置を製造することも可能である。
従って、第2の副情報(ディスク固有情報)が存在しない不正な情報記録媒体と、コンテンツ出力スイッチ417のない不正な情報再生装置との組み合わせによって、コンテンツ情報を不正に再生又は複製することが可能となる。
特開2002−74833号公報
特開2004−282238号公報
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、主情報の著作権を確実に保護することができ、記録されている主情報への不正なアクセスを防止することができる情報記録装置、情報再生装置及び情報記録媒体を提供することを目的とするものである。
本発明の一局面に係る情報記録装置は、スタンパを用いて作成される情報記録媒体に情報を記録する情報記録装置であって、主情報と、前記スタンパ固有情報に基づいて、主情報を再生するために必要な再生許可情報をデータ変換した第1の副情報とが予め記録されている前記情報記録媒体毎に異なる媒体固有情報に基づいて、スタンパ毎に共通なスタンパ固有情報をデータ変換することにより第2の副情報を生成する第2の副情報生成部と、前記主情報及び前記第1の副情報とは異なる形態で、前記第2の副情報生成部によって生成された前記第2の副情報を前記情報記録媒体に記録する第2の副情報記録部とを備える。
この構成によれば、主情報と、スタンパ固有情報に基づいて、主情報を再生するために必要な再生許可情報をデータ変換した第1の副情報とが予め記録されている情報記録媒体毎に異なる媒体固有情報に基づいて、スタンパ毎に共通なスタンパ固有情報をデータ変換することにより第2の副情報が生成される。そして、主情報及び第1の副情報とは異なる形態で、生成された第2の副情報が情報記録媒体に記録される。
本発明によれば、情報記録媒体毎に異なる第2の副情報が再生されなければ、主情報を再生することができないので、主情報の著作権を確実に保護することができる。また、同一のスタンパから転写された情報記録媒体であっても、情報記録媒体毎に異なる第2の副情報を読み出す必要があり、情報記録媒体毎に共通の情報を読み出す場合に比べて、情報記録媒体の不正な解析が困難となり、記録されている主情報への不正なアクセスを防止することができる。
本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
本発明の実施の形態1における情報記録再生システムの構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態1における情報記録装置の構成を示す図である。
本発明の実施の形態1における情報再生装置の構成を示す図である。
本発明の実施の形態1における情報記録媒体の構成を示す図である。
本発明の実施の形態1における情報記録媒体の構成を示す外観図である。
本発明の実施の形態1における情報記録媒体の主情報記録領域の情報記録面を拡大した概念図である。
(A)は、第1の副情報が記録されていない場合の主情報記録領域のセクタフォーマットを示す図であり、(B)は、第1の副情報が記録されている場合の主情報記録領域のセクタフォーマットを示す図である。
本発明の実施の形態1の情報記録媒体を製造するための手順を説明するための図である。
本発明の実施の形態1の情報記録媒体を製造する製造装置の特徴的な構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態1の光ディスクの内周部分に記録される、第2の副情報と暗号化されたディスク識別情報とのデータフォーマットの一例を示す図である。
図9の製造装置によって作成された光ディスクからコンテンツ情報を再生する情報再生装置の特徴的な構成を示すブロック図である。
図9における第1の副情報記録部の詳細な構成を示すブロック図である。
図11における第1の副情報検出部の詳細な構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態2における情報記録再生システムの構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態2のスタンパ固有情報のデータフォーマットの一例を示す概念図である。
本発明の実施の形態2の情報記録媒体を製造する製造装置の特徴的な構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態2の第2の副情報のデータ構造の一例を示す図である。
図16の製造装置によって作成された光ディスクからコンテンツ情報を再生する情報再生装置の特徴的な構成を示すブロック図である。
(A)は、アドレス情報と初期値情報との組み合わせを表す第1のテーブル情報を示す図であり、(B)は、各テーブルノードを暗号化するための暗号鍵を表す第2のテーブル情報を示す図である。
本発明の実施の形態3の情報記録媒体を製造する製造装置の特徴的な構成を示すブロック図である。
図20の製造装置によって作成された光ディスクからコンテンツ情報を再生する情報再生装置の特徴的な構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態4における情報記録再生システムの構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態4に係る副情報管理情報の一例を示す図である。
本発明の実施の形態4における光ディスクの記録領域を示す概念図である。
主情報、第1の副情報及び第2の副情報の光ディスクにおける記録フォーマットを示す図である。
本発明の実施の形態4に係る光ディスクの構造を示す概念図である。
本発明の実施の形態4における第2の副情報記録装置の構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態4における第1の副情報記録装置の構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態4における第2の副情報再生装置の構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態4における第1の副情報再生装置の構成を示すブロック図である。
従来の情報記録再生システムの構成を示すブロック図である。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。尚、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における情報記録再生システムの構成を示すブロック図である。本実施の形態1では、情報記録媒体が再生専用の光ディスクであるものとして説明する。しかしながら、本発明の情報記録媒体は、光ディスクに限られない。光ディスクのスタンパのように原盤媒体から複数の情報記録媒体に複製して作成する情報記録媒体はすべて本発明の範疇である。
本実施の形態1の情報記録再生システムは、スタンパ1’を作成するマスタリング装置2、スタンパ1’を複製して製造した光ディスク1に第2の副情報を記録する情報記録装置3、及び光ディスク1から情報を再生する情報再生装置4で構成される。なお、情報記録再生システムは、マスタリング装置2によって作成されたスタンパ1’から光ディスクを複製するデュプリケーション装置を備えるが、図1では省略している。
マスタリング装置2は、ガラスの光ディスク原盤にコンテンツ情報と第1の副情報とを記録してスタンパ1’を作成する。マスタリング装置2は、暗号化部5、スクランブル部7、主情報記録部35及び第1の副情報記録部36から構成される。
暗号化部5は、スタンパ1’に記録するコンテンツ情報を暗号鍵に基づいて暗号化する。主情報記録部35は、暗号化部5によって暗号化されたコンテンツ情報を主情報としてスタンパ1’に記録する。主情報記録部35は、光ディスク原盤にレーザ光を照射し、光ディスク原盤上に凹凸記録マークを形成することによって、スタンパ1’を製造する。
主情報は、凹凸記録マークによりスタンパ1’のユーザデータ領域6’に記録される。よって、光ディスク1に記録される主情報としてのコンテンツ情報は、暗号鍵で暗号化されて記録される。したがって、暗号鍵は、コンテンツ情報を再生するために必要な情報であるといえる。また、暗号鍵が再生できなければコンテンツ情報は再生できない。したがって、暗号鍵は、コンテンツ情報の再生を許可する再生許可情報であるといえる。
スクランブル部7は、コンテンツ情報の再生に必要な情報として、コンテンツ情報の暗号化に用いた暗号鍵を、スタンパ毎に共通のスタンパ固有情報によって暗号化する。第1の副情報記録部36は、スタンパ固有情報を用いて暗号化した暗号鍵を第1の副情報として、スタンパ1’の第1の副情報記録領域8’に記録する。
第1の副情報記録領域8’は、主情報を記録するときにフレーム単位に付与されるフレームシンク(同期符号)を記録するための記録領域である。本実施の形態1の第1の副情報記録部36は、主情報を記録するときに一定間隔毎のフレーム単位で付与されるフレームシンクのパターンを第1の副情報に基づいて改変することにより、第1の副情報を記録する。主情報の再生時には、コンテンツ情報に必要のないフレームシンクは削除されて再生されるため、再生データをそのまま複製しても第1の副情報が複製されることはない。そのため、第1の副情報の記録方法は、不正な複製に対して耐性のある情報の記録方法である。
以上のような構成によって、本実施の形態1のマスタリング装置2は、スタンパ毎に共通な主情報として、暗号鍵を用いて暗号化したコンテンツ情報を生成するとともに、スタンパ毎に共通な第1の副情報として、スタンパ毎に共通のスタンパ固有情報を用いてスクランブルした暗号鍵を生成する。そして、マスタリング装置2は、ユーザデータ領域6’に凹凸記録マークを形成することによって主情報を記録し、主情報の一定間隔毎に付与されるフレームシンクのパターンを改変することによって第1の副情報を記録する。
従って、ユーザデータ領域6’及び第1の副情報記録領域8’は、スタンパ毎に共通であり、スタンパ1’を複製することによって複数の情報記録媒体(光ディスク)を製造することができる。なお、スタンパ1’のユーザデータ領域6’及び第1の副情報記録領域8’に記録された主情報及び第1の副情報は、光ディスク1のユーザデータ領域6及び第1の副情報記録領域8に転写される。
本実施の形態1の情報記録装置3は、マスタリング装置2で作成したスタンパ1’から複製した情報記録媒体1枚毎に異なる第2の副情報(媒体固有情報)を記録する。情報記録装置3は、媒体固有情報生成部9、媒体固有情報記録部10及び媒体識別情報記録部11から構成される。
媒体固有情報生成部9は、マスタリング装置2で暗号鍵をスクランブルするときに用いたスタンパ固有情報と同一であり、スタンパ毎に異なる情報であるスタンパ固有情報を、スタンパから複製されて作成される情報記録媒体(光ディスク)1を識別するためのディスク識別情報に基づいて変調し、媒体毎に異なる第2の副情報を生成する。
本実施の形態1では、第2の副情報は、スタンパ固有情報がディスク識別情報でスクランブル変調されることにより生成される。例えば、互いの情報の排他的論理和を算出したり、暗号化したりすることによって第2の副情報が生成される。
媒体固有情報記録部10は、生成した媒体毎に異なる第2の副情報を光ディスク1に記録する。光ディスク1は、スタンパ1’から凹凸記録マークが複製され、凹凸記録マークの上に反射膜と保護膜とが形成されることによって作成される。
本実施の形態1の媒体固有情報記録部10は、光ディスクにおいて一般的なBCA(Burst Cutting Area)に第2の副情報を記録する。BCAは、情報記録媒体(光ディスク)の内周部分において、ディスクの半径方向に長いバーコード状に、レーザ光を照射することによって反射膜を除去した領域である。媒体固有情報記録部10は、反射膜の反射率及び反射光強度を変化させたバーコードマークを形成することによって光ディスク毎に異なる第2の副情報を記録する。本実施の形態1では、BCAに情報を記録する手法を用いて、生成した第2の副情報を光ディスク1の内周部分のBCAに記録する。
媒体識別情報記録部11は、媒体毎に異なる第2の副情報を生成するときに用いたディスク識別情報を光ディスク1に記録する。媒体識別情報記録部11は、媒体固有情報記録部10と同様に、ディスク識別情報に基づいて生成したバーコードマークを光ディスク1のBCAに記録する。
なお、バーコードマークの円周方向の記録帯域は、主情報を記録する凹凸記録マークの記録帯域外に設定する。理想的には、バーコードマークの記録帯域は、凹凸記録マークの記録帯域のうち最も低い帯域の2分の1以下の帯域であることが望ましい。なぜならば、バーコードマークを再生する場合、バーコードマークの下地に記録されている凹凸記録マーク成分とバーコードマーク成分とを周波数帯で分離しやすく、バーコードマークの読み出しの信頼性を高くすることができるからである。一方、バーコードマークの記録帯域と凹凸記録マークの記録帯域とが接近している場合、読み取り信号における凹凸記録マーク成分とバーコードマーク成分とを周波数帯で分離することが困難となり、結果的に、バーコードマークの読み出しの信頼性を低下させてしまう。
以上のような構成によって、本実施の形態1の情報記録装置3では、媒体毎に異なる第2の副情報と、媒体毎に異なるディスク識別情報とが、ともにバーコードマークとしてディスクの内周部分のBCAに記録される。BCAには、高出力のYaGレーザなどを用いて光ディスク上の金属膜である反射膜が除去されることにより、第2の副情報及びディスク識別情報が記録される。また、バーコードマークは、下地に記録されている凹凸記録マークと周波数帯を分離して記録される。そのため、YaGレーザのレーザ照射は、凹凸記録マークの記録帯域外に設定することが望ましく、より理想的には、凹凸記録マークの記録帯域のうち最も低い帯域の2分の1以下の帯域に設定することが望ましい。
これによって、凹凸記録マークと周波数帯で分離可能なバーコードマークを記録することが可能となり、バーコードマークの読み出しの信頼性が向上する。従って、一般的な情報記録媒体の情報記録装置では、このようなバーコード情報を複製することが不可能となり、第2の副情報は複製困難な情報として記録される。また、情報記録装置3は、スタンパから複製されて作成される光ディスク1枚毎に異なる情報を記録することができる。ディスク1枚毎に異なる情報とは、媒体毎に固有の情報としてもよいし、複数枚単位で固有の情報としてもよく、必ずしもディスク1枚毎に固有に設定すべき情報ではない。
以上のマスタリング装置2によって作成されたスタンパ1’から複製して作成した光ディスク1は、ユーザデータ領域6と、第1の副情報記録領域8と、第2の副情報記録領域12と、媒体識別情報記録領域20とを有する。
ユーザデータ領域6は、暗号化されたコンテンツ情報が主情報として凹凸記録マークにより記録されている。第1の副情報記録領域8は、主情報の一定間隔毎のフレーム単位に付与されているフレーム同期に必要なフレームシンクのパターンが意図的に通常のパターンから改変されることによって、スクランブルされた暗号鍵が、スタンパ毎に共通の第1の副情報として記録されている。
第2の副情報記録領域12は、ディスク識別情報によって変調されたスタンパ固有情報が、スタンパからスタンプして作成された光ディスク毎に異なる第2の副情報として、ディスクの内周部分のバーコードマークにより記録されている。媒体識別情報記録領域20は、光ディスク1を識別するためのディスク識別情報が、ディスクの内周部分のバーコードマークにより記録されている。
情報再生装置4は、光ディスク1から、主情報、第1の副情報及び第2の副情報を再生する。情報再生装置4は、媒体識別情報再生部13、媒体固有情報再生部14、スタンパ固有情報生成部15、第1の副情報再生部16、データ変換部17、復号化部18及び主情報再生部19で構成される。
媒体識別情報再生部13は、光ディスク1のBCAに記録されているバーコードマークから光ディスク1のディスク識別情報を再生する。
媒体固有情報再生部14は、媒体識別情報再生部13と同様、光ディスク1のBCAに記録されているバーコードマークから光ディスク毎に異なる第2の副情報を再生する。
スタンパ固有情報生成部15は、情報記録装置3の媒体固有情報生成部9に対応した部分であり、媒体固有情報生成部9の処理の逆変換処理を実施する。従って、媒体固有情報生成部9がスタンパ固有情報をディスク識別情報で暗号化した場合、第2の副情報は暗号化されたスタンパ固有情報である。この場合、スタンパ固有情報生成部15は、媒体識別情報再生部13で再生したディスク識別情報で第2の副情報を復号化して、スタンパ固有情報を抽出する。
一方、媒体固有情報生成部9がスタンパ固有情報とディスク識別情報との排他的論理和を求めるスクランブルを行った場合、第2の副情報は、スタンパ固有情報とディスク識別情報との排他的論理和演算値である。この場合、スタンパ固有情報生成部15は、媒体識別情報再生部13で再生したディスク識別情報と、媒体固有情報再生部14で再生した第2の副情報との排他的論理和を求めるデスクランブルを行い、スタンパ固有情報を抽出する。
第1の副情報再生部16は、光ディスク1の主情報が記録されている凹凸記録マークを再生して、主情報の一定間隔毎のフレームに付与されているフレームシンクのパターンが通常のパターンから改変されているかどうかを判定する。第1の副情報再生部16は、フレームシンクのパターンが通常のパターンから改変されている場合、改変されているパターンに基づいて第1の副情報を検出する。
データ変換部17は、マスタリング装置2のスクランブル部7に対応した部分であり、スクランブル部7の処理の逆変換処理を実施する。スクランブル部7が暗号鍵をスタンパ固有情報にて暗号化している場合、第1の副情報は暗号化された暗号鍵情報である。この場合、データ変換部17は、スタンパ固有情報生成部15で生成したスタンパ固有情報で第1の副情報を復号化して、コンテンツ情報(主情報)の暗号鍵を抽出する。
一方、スクランブル部7が、暗号鍵とスタンパ固有情報との排他的論理和演算を求めるスクランブルを行った場合、第1の副情報は、暗号鍵とスタンパ固有情報との排他的論理和演算値である。この場合、データ変換部17は、第1の副情報再生部16で再生した第1の副情報と、スタンパ固有情報生成部15で生成したスタンパ固有情報との排他的論理和を求めるデスクランブルを行い、暗号鍵を抽出する。
主情報再生部19は、光ディスク1のユーザデータ領域6に記録されている凹凸記録マークを再生することにより、主情報(暗号化されたコンテンツ情報)を再生する。
復号化部18は、主情報再生部19によって再生された主情報(暗号化されたコンテンツ情報)を、データ変換部17で抽出した暗号鍵を用いて復号化し、復号化されたコンテンツ情報を出力する。
なお、本実施の形態1において、情報記録装置3が情報記録装置の一例に相当し、媒体固有情報生成部9が第2の副情報生成部の一例に相当し、媒体固有情報記録部10が第2の副情報記録部の一例に相当し、媒体識別情報記録部11が媒体識別情報記録部の一例に相当する。
また、情報再生装置4が情報再生装置の一例に相当し、主情報再生部19が主情報再生部の一例に相当し、第1の副情報再生部16が第1の副情報再生部の一例に相当し、媒体固有情報再生部14が2の副情報再生部の一例に相当し、スタンパ固有情報生成部15がスタンパ固有情報生成部の一例に相当し、データ変換部17が再生許可情報抽出部の一例に相当し、媒体識別情報再生部13が媒体識別情報再生部の一例に相当する。
さらに、光ディスク1が情報記録媒体の一例に相当し、ユーザデータ領域6が主情報記録領域の一例に相当し、第1の副情報記録領域8が第1の副情報記録領域の一例に相当し、第2の副情報記録領域12が第2の副情報記録領域の一例に相当し、媒体識別情報記録領域20が媒体識別情報記録領域の一例に相当する。
以上の構成により、スタンパ毎に共通の第1の副情報と、媒体毎に異なる第2の副情報との両方を正常に検出できないと、コンテンツ情報の暗号を解くための暗号鍵を生成することが不可能である。情報再生装置4は、ライセンスを受けないと製造できないスタンパ固有情報生成部15及びデータ変換部17が必要となり、第1の副情報と第2の副情報とを知らないメーカが、不正な情報再生装置を製造することは極めて困難となる。
また、本実施の形態1では、フレーム毎のフレームシンクパターンを改変することによって第1の副情報を記録する方法について説明した。この方法では、情報再生装置4から出力される再生信号には、コンテンツ情報を表す信号しか含まれないため、第1の副情報は情報再生装置4の外に出力されることはない。従って、第1の副情報は、一般的な情報記録媒体の情報記録装置では、容易に複製できる情報ではないので、コンテンツ情報の著作権の保護を強化することができる。
また、本実施の形態1では、BCAにバーコードマークを形成することによって第2の副情報を記録する方法について説明した。バーコードマークは、YaGレーザ光などの高出力のレーザ光を反射膜に照射して反射膜を除去して形成される。そのため、第1の副情報と同様に通常の情報記録装置で複製することは極めて困難であり、コンテンツ情報の著作権の保護を強化することができる。
また、従来の情報記録媒体では、媒体毎に異なるディスク識別情報を記録する方法は開示されていたが、暗号鍵情報はスタンパ固有の情報を使用しており、1枚の情報記録媒体から暗号鍵が漏れれば、同じスタンパで作成された他の情報記録媒体の暗号が不正に解かれてしまうという課題があった。
しかしながら、本実施の形態1では、例えスタンパで複製されるROM型情報記録媒体であっても、当該情報記録媒体は、媒体毎に異なる第2の副情報を記録しており、第2の副情報が再生されなければコンテンツ情報を再生することは不可能である。悪意ある第3者が情報記録媒体を解析しようとしても、媒体毎に異なる情報が読み出される。そのため、たとえ1枚の情報記録媒体のディスク識別情報がハッキングされても、ハッキングしたディスク識別情報に基づいて異なる情報記録媒体に記録されているコンテンツ情報の再生を行うことはできないので、ハッキングに対する耐性も向上させることができる。
図2は、本発明の実施の形態1における情報記録装置の構成を示す図である。
図2に示す情報記録装置3は、媒体固有情報生成部9、媒体固有情報記録部10及び媒体識別情報記録部11を備える。
情報記録装置3は、スタンパ1’を用いて作成される光ディスク(情報記録媒体)1に情報を記録する。光ディスク1は、主情報を予め記録するとともに、スタンパ毎に共通なスタンパ固有情報に基づいて、主情報を再生するために必要な暗号鍵情報(再生許可情報)をデータ変換した第1の副情報を、主情報とは異なる形態で予め記録している。
また、光ディスク1は、主情報に従って形成された凹凸記録マークと、凹凸記録マーク上に形成された反射膜とを含む。光ディスク1は、主情報に従って形成された凹凸記録マークがスタンパ1’から転写された後、スタンパ1’から転写された凹凸記録マーク上に反射膜が形成されることによって作成される。
媒体固有情報生成部9は、主情報と、スタンパ固有情報に基づいて、主情報を再生するために必要な暗号鍵情報(再生許可情報)をデータ変換した第1の副情報とが予め記録されている光ディスク毎に異なるディスク識別情報(媒体固有情報)に基づいて、スタンパ毎に共通なスタンパ固有情報をデータ変換することにより第2の副情報を生成する。
また、媒体固有情報生成部9は、ディスク識別情報を暗号鍵として、スタンパ固有情報を暗号化することにより第2の副情報を生成する。
媒体固有情報記録部10は、主情報及び第1の副情報とは異なる形態で、媒体固有情報生成部9によって生成された第2の副情報を光ディスク1に記録する。また、媒体固有情報記録部10は、凹凸記録マークの最長マークよりも長い間隔でレーザ光を照射し、反射膜の反射率を変化させることによって第2の副情報を光ディスク1に記録する。
媒体識別情報記録部11は、光ディスク1にレーザ光を照射し、反射膜の反射率を変化させることによって、情報記録媒体を識別するためのディスク識別情報(媒体識別情報)を光ディスク1に記録する。
このように、主情報と、スタンパ固有情報に基づいて、主情報を再生するために必要な暗号鍵情報(再生許可情報)をデータ変換した第1の副情報とが予め記録されている光ディスク毎に異なるディスク識別情報(媒体固有情報)に基づいて、スタンパ毎に共通なスタンパ固有情報をデータ変換することにより第2の副情報が生成される。そして、主情報及び第1の副情報とは異なる形態で、生成された第2の副情報が光ディスク1に記録される。
したがって、本発明の情報記録装置によれば、光ディスク毎に異なる第2の副情報が再生されなければ、主情報を再生することができないので、主情報の著作権を確実に保護することができる。また、同一のスタンパ1’から転写された光ディスク1であっても、光ディスク毎に異なる第2の副情報を読み出す必要があり、光ディスク毎に共通の情報を読み出す場合に比べて、光ディスク1の不正な解析が困難となり、記録されている主情報への不正なアクセスを防止することができる。
図3は、本発明の実施の形態1における情報再生装置の構成を示す図である。
図3に示す情報再生装置4は、媒体識別情報再生部13、媒体固有情報再生部14、スタンパ固有情報生成部15、第1の副情報再生部16、データ変換部17、復号化部18及び主情報再生部19を備える。
情報再生装置4は、スタンパ1’を用いて作成される光ディスク1から情報を再生する。光ディスク1は、主情報に従って形成された凹凸記録マークがスタンパ1’から転写された後、スタンパ1’から転写された凹凸記録マーク上に反射膜が形成され、光ディスク毎に、第2の副情報が追記されることによって作成される。
媒体識別情報再生部13は、光ディスク1にレーザ光を照射し、光ディスク1を識別するためのディスク識別情報(媒体識別情報)を再生する。また、媒体識別情報再生部13は、反射膜からの反射光の強度変化を検出することによって、ディスク識別情報を再生する。
主情報再生部19は、光ディスク1に形成された凹凸記録マークにレーザ光を照射し、凹凸記録マークからの反射光に基づいて主情報を再生する。
第1の副情報再生部16は、スタンパ毎に共通なスタンパ固有情報に基づいて、主情報を再生するために必要な暗号鍵情報(再生許可情報)をデータ変換した第1の副情報を再生する。また、第1の副情報再生部16は、凹凸記録マークからの反射光に基づいて、凹凸記録マークの変位、凹凸記録マークの変形、及び凹凸記録マークにより所定パターンで記録されるデータの当該パターンの改変のうちの少なくとも1つを検出することによって、第1の副情報を再生する。
媒体固有情報再生部14は、光ディスク毎に異なるディスク識別情報(媒体固有情報)に基づいて、スタンパ固有情報をデータ変換した第2の副情報を再生する。また、媒体固有情報再生部14は、反射膜からの反射光の強度変化を検出することによって、第2の副情報を再生する。
スタンパ固有情報生成部15は、ディスク識別情報に基づいて、媒体固有情報再生部14によって再生された第2の副情報をデータ変換することにより、スタンパ固有情報を生成する。また、スタンパ固有情報生成部15は、媒体識別情報再生部13によって再生されたディスク識別情報に基づいて、媒体固有情報再生部14によって再生された第2の副情報をデータ変換することにより、スタンパ固有情報を生成する。また、スタンパ固有情報生成部15は、ディスク識別情報を暗号鍵として、第2の副情報を復号化することにより、スタンパ固有情報を生成する。
データ変換部17は、スタンパ固有情報生成部15によって生成されたスタンパ固有情報に基づいて、第1の副情報再生部16によって再生された第1の副情報をデータ変換することにより、暗号鍵情報を抽出する。また、データ変換部17は、スクランブルされている第1の副情報を、スタンパ固有情報生成部15によって生成されたスタンパ固有情報に基づいてデスクランブルすることにより、暗号鍵情報を抽出する。
復号化部18は、主情報再生部19によって再生された主情報を、データ変換部17によって抽出された暗号鍵情報に基づいて復号化する。
このように、主情報が再生され、スタンパ毎に共通なスタンパ固有情報に基づいて、主情報を再生するために必要な暗号鍵情報(再生許可情報)をデータ変換した第1の副情報が再生される。また、光ディスク毎に異なるディスク識別情報(媒体固有情報)に基づいて、スタンパ固有情報をデータ変換した第2の副情報が再生される。そして、ディスク識別情報に基づいて、再生された第2の副情報がデータ変換されることにより、スタンパ固有情報が生成され、生成されたスタンパ固有情報に基づいて、再生された第1の副情報がデータ変換されることにより、暗号鍵情報が抽出される。
したがって、本発明の情報再生装置によれば、光ディスク毎に異なる第2の副情報が再生されなければ、主情報を再生することができないので、主情報の著作権を確実に保護することができる。また、同一のスタンパ1’から転写された光ディスク1であっても、光ディスク毎に異なる第2の副情報を読み出す必要があり、光ディスク毎に共通の情報を読み出す場合に比べて、光ディスク1の不正な解析が困難となり、記録されている主情報への不正なアクセスを防止することができる。
図4は、本発明の実施の形態1における情報記録媒体の構成を示す図である。
図4に示す光ディスク(情報記録媒体)1は、ユーザデータ領域(主情報記録領域)6、第1の副情報記録領域8、第2の副情報記録領域12及び媒体識別情報記録領域20を備える。
ユーザデータ領域6は、主情報を記録する。
第1の副情報記録領域8は、スタンパ毎に共通なスタンパ固有情報に基づいて、主情報を再生するために必要な暗号鍵情報(再生許可情報)をデータ変換した第1の副情報を記録する。第1の副情報記録領域8は、主情報とは異なる形態で第1の副情報を記録している。また、第1の副情報記録領域8は、凹凸記録マークの変位、凹凸記録マークの変形、及び凹凸記録マークにより所定パターンで記録されるデータの当該パターンの改変のうちの少なくとも1つによって第1の副情報を記録している。
第2の副情報記録領域12は、光ディスク毎に異なるディスク識別情報(媒体固有情報)に基づいて、スタンパ固有情報をデータ変換した第2の副情報を記録する。第2の副情報記録領域12は、主情報及び第1の副情報とは異なる形態で第2の副情報を記録している。また、第2の副情報記録領域12は、反射膜の反射率を変化させることによって第2の副情報を記録している。
主情報と第1の副情報とが記録されたスタンパ1’から、主情報と第1の副情報とが光ディスク1に転写されるとともに、第2の副情報が光ディスク1に記録される。
媒体識別情報記録領域20は、光ディスク1を識別するためのディスク識別情報(媒体識別情報)を記録する。媒体識別情報記録領域20は、光ディスク1にレーザ光が照射され、反射膜の反射率を変化させることによってディスク識別情報を記録している。
このように、ユーザデータ領域6には、主情報が記録され、第1の副情報記録領域8には、スタンパ毎に共通なスタンパ固有情報に基づいて、主情報を再生するために必要な暗号鍵情報(再生許可情報)をデータ変換した第1の副情報が記録され、第2の副情報記録領域12には、光ディスク毎に異なるディスク識別情報(媒体固有情報)に基づいて、スタンパ固有情報をデータ変換した第2の副情報が記録される。そして、主情報と第1の副情報とが記録されたスタンパ1’から、主情報と第1の副情報とが光ディスク1に転写されるとともに、第2の副情報が光ディスク1に記録される。
したがって、本発明の光ディスク(情報記録媒体)によれば、光ディスク毎に異なる第2の副情報が再生されなければ、主情報を再生することができないので、主情報の著作権を確実に保護することができる。また、同一のスタンパから転写された光ディスク1であっても、光ディスク毎に異なる第2の副情報を読み出す必要があり、光ディスク毎に共通の情報を読み出す場合に比べて、光ディスク1の不正な解析が困難となり、記録されている主情報への不正なアクセスを防止することができる。
次に、本発明の実施の形態1における情報記録媒体について説明する。図5は、本発明の実施の形態1における情報記録媒体の構成を示す外観図である。
情報記録媒体101は、スタンパから転写して複製されたROM型情報記録媒体である。情報記録媒体101は、第2の副情報が記録される第2の副情報記録領域102と、コンテンツ情報などの主情報が凹凸記録マークにより記録される主情報記録領域(ユーザデータ領域)103とで構成されている。
第2の副情報記録領域102は、バーコードマークを形成して第2の副情報が記録されている。バーコードマークは、スタンパから転写して複製された後、反射膜が蒸着された情報記録媒体101の内周部分において、ディスクの半径方向に長いバーコード状に、YaGレーザから高出力のレーザ光を照射し、反射膜を除去することによって形成される。
第2の副情報は、スタンパで複製された情報記録媒体1枚毎に異なる情報であり、スタンパ毎に固有のスタンパ固有情報と、情報記録媒体毎に固有のディスク識別情報とに基づいて生成される。
主情報記録領域103は、凹凸記録マークで主情報が記録されており、スタンパによって転写されることによって記録される領域である。また、凹凸記録マークにより記録されている主情報の一定間隔のフレーム単位に付与されているフレームシンクのパターンが通常のパターンから改変されることによって、第1の副情報が主情報に重畳されて記録されている。よって、情報記録媒体101を作成するためのスタンパには、主情報と第1の副情報とが記録されている。主情報と第1の副情報とは、ポリカーボネート樹脂などで構成される光ディスク基盤に転写複製されて記録される。主情報と第1の副情報とが転写された後に、光ディスク基盤に金属膜からなる反射膜が蒸着又はスパッタリングで付与されて、反射膜上に保護膜が形成されることにより、情報記録媒体101が作成される。
図6は、本発明の実施の形態1における情報記録媒体101の主情報記録領域103の情報記録面を拡大した概念図である。
情報記録媒体101には、ポリカーボネート樹脂などで構成される光ディスク基盤1Pにスタンパから転写された凹凸記録マーク104が形成され、凹凸記録マーク104上に、金属膜からなる反射膜1Lが蒸着又はスパッタリングされて形成されている。凹凸記録マーク104により、主情報及び第1の副情報が記録される。
図7は、本発明の実施の形態1の情報記録媒体の主情報記録領域103の記録フォーマットを示す概念図であり、図7(A)は、第1の副情報が記録されていない場合の主情報記録領域103のセクタフォーマットを示す図であり、図7(B)は、第1の副情報が記録されている場合の主情報記録領域103のセクタフォーマットを示す図である。なお、実施の形態1では、情報記録媒体がDVD−ROMである場合について説明する。
なお、DVD−ROMの主情報は、1488チャネルビット単位のフレームと、26フレーム単位のセクタと、16セクタ単位のECC(Error Correction Code)ブロック毎に記録されている。フレームは、データ同期単位の最小単位であり、フレームの先頭には、32チャネルビットの同期符号(フレームシンク)が付与されている。セクタは、データアクセスのためのアドレス情報が付与されている単位であり、ECCブロックは、エラー訂正符号化された16KB(キロバイト)単位の論理的な最小アクセス単位である。
図7(A)で示すように、DVD−ROMのセクタは、26フレームから構成されており、フレーム毎の先頭32チャネルビットに同期符号(フレームシンク)を有している。同期符号は、同期符号の種別を示す種別部と、すべての同期符号で共通の固定パターンであり、同期符号であることを示す同期部とから構成されており、DVD−ROMの同期部は、14チャネルビット及び4チャネルビットの連続する符号である。
フレーム内の先頭の同期符号以外の部分はデータ符号であり、コンテンツ情報などのデータが記録される。
また、DVD−ROMの同期符号は、“SY0”〜“SY7”の8通りが存在し、同期符号の種別部によって識別される。また、DVD−ROMでは、連続する同期符号の並びを確認することによって、セクタ内のフレーム位置(フレームアドレス)を抽出することができる。例えば、“SY0”の同期符号が付与されたフレームの後に“SY5”の同期符号が付与されたフレームが確認されることによって、“SY5”の同期符号が付与されたフレームはセクタ内の第2フレームであることが判定できる。また、“SY3”の同期符号が付与されたフレームの後に、“SY6”の同期符号が付与されたフレームが確認されると、“SY6”の同期符号が付与されたフレームは、セクタ内の第16フレームであることが判定できる。この同期符号の並びは、DVD−ROMの物理規格として、定められている。
一方、図7(B)は、本実施の形態1の第1の副情報が主情報に重畳して記録されている場合のセクタ構造を示している。本例では、図7(A)の標準のセクタフォーマットに対して、第4、16、20フレームの同期符号が、本来の“SY5”、“SY6”、“SY7”からそれぞれ通常ではありえない(物理規格上存在しない)“SY8”に改変されている。この同期符号のパターンの改変によって第1の副情報が記録されている。
具体的には、本実施の形態1の情報記録媒体において、第4フレーム381、第8フレーム382、第12フレーム383、第16フレーム384、第20フレーム385及び第24フレーム386の同期符号が、“SY8”に置き換えられているかどうかによって第1の副情報が1ビットずつ記録される。よって、セクタ内に6ビットの第1の副情報が記録され、特定のECCブロックに96ビットの第1の副情報が記録される。図7(B)では、第4フレーム381、第16フレーム384及び第20フレーム385の同期符号が、“SY8”に置き換えられているため、当該セクタに記録されている第1の副情報は“100110”となる。
なお、本例では、同期符号が、“SY8”に置き換えられている場合に、第1の副情報のビット値を“1”としているが、同期符号が、“SY8”に置き換えられている場合に、第1の副情報のビット値を“0”とし、上記の第1の副情報を“011001”としてもよいが、情報記録装置と情報再生装置とで共通の置換規則を有していることが必須である。
本例のように、同期符号のパターンを改変することによって第1の副情報を記録する場合であっても、改変されている同期符号より2フレーム手前の同期符号が改変されることはない。従って、改変されている同期符号より手前の2フレームにおけるフレームアドレスは正常に検出することが可能となり、たとえ、同期符号が改変されていてフレームアドレスが抽出できない場合であっても、フレーム数をカウントしておけば、フレームアドレスを補完することは容易であり、主情報の再生に影響を与えるものではない。また、通常の再生動作においても、同期符号を誤って読み出す恐れがあるので、一般的な情報再生装置においても、このようなフレームアドレスの補完機能を搭載していることは一般的である。
図8は、本発明の実施の形態1の情報記録媒体を製造するための手順を説明するための図である。
本実施の形態1における情報記録媒体を製造するための手順は、マスタリング工程140、デュプリケーション工程150、第2の副情報記録工程160及び媒体識別情報記録工程170からなる。
マスタリング工程140は、入力されるコンテンツ情報に基づいてスタンパを作成する。マスタリング工程140は、暗号化部112、変調部114、第1の副情報重畳部116、原盤記録部117及びスタンパ作成部118による処理から構成される。
暗号化部112は、コンテンツ情報記憶部111からコンテンツ情報を読み出し、読み出したコンテンツ情報を、暗号鍵生成部113によって生成された暗号鍵を用いて暗号化する。コンテンツ情報記憶部111は、情報記録媒体に記録するコンテンツ情報を記憶する。暗号鍵生成部113は、コンテンツ情報を暗号化するための暗号鍵を生成する。
変調部114は、一般的なフォーマッタで構成されており、暗号化部112によって暗号化された暗号化コンテンツ情報を、記録する情報記録媒体に応じて変調する。例えば、DVD−ROMでは、8−16変調が適用され、入力される8ビット情報を16チャネルビット情報に変換する。また、変調部114は、フレーム単位に通常の同期符号を付与するとともに、セクタ単位にアドレス情報を重畳し、ECCブロック単位でエラー訂正符号化を行う。
第1の副情報重畳部116には、暗号鍵生成部113によって生成された暗号化鍵が入力される。また、第1の副情報重畳部116には、スタンパ固有情報生成部115によって生成されたスタンパ固有情報が入力される。スタンパ固有情報生成部115は、コンテンツ情報を記録するスタンパに固有のスタンパ固有情報を生成する。なお、スタンパ固有情報生成部115は、コンテンツ情報毎に共通のコンテンツ共通情報を生成してもよいし、記録するスタンパ毎に共通のスタンパ固有情報を生成してもよい。
第1の副情報重畳部116は、入力される暗号鍵とスタンパ固有情報とに基づいて第1の副情報を生成する。そして、第1の副情報重畳部116は、生成した第1の副情報に応じて、変調部114から入力されるフレーム単位に同期符号が付与された変調データに対して、特定のECCブロック内の同期符号のパターンを改変することによって第1の副情報を重畳した変調データを生成する。
原盤記録部117は、第1の副情報重畳部116で第1の副情報が重畳された変調データに応じて、光ディスク原盤にレーザを照射するための記録信号を生成して、光ディスク原盤にレーザ光を照射する。原盤記録部117は、光ディスク原盤上に第1の副情報を重畳した変調データに応じた凹凸記録マークを形成する。これにより、光ディスク原盤が作成される。
スタンパ作成部118は、原盤記録部117によって作成された光ディスク原盤をガラス基盤に転写することによってスタンパを作成する。スタンパ作成部118は、作成したスタンパをデュプリケーション工程150に移す。
デュプリケーション工程150は、プレス部119、反射膜スパッタリング部120及び保護膜形成部121による処理から構成される。
プレス部119は、マスタリング工程140で作成したスタンパをポリカーボネート樹脂などなからなる光ディスク基盤にプレスして、スタンパに記録されている凹凸記録マークを転写する。これにより、主情報と第1の副情報とが複製される。また、プレス部119は、1枚のスタンパから複数の光ディスク基盤を作成する。
反射膜スパッタリング部120は、プレス部119でプレスして複製した光ディスク基盤の凹凸記録マーク上に金属膜などの反射膜をスパッタリングする。なお、反射膜は蒸着してもよい。
保護膜形成部121は、反射膜スパッタリング部120で反射膜が形成された光ディスク基盤に保護膜を形成して、情報記録媒体である光ディスクを作成する。よって、デュプリケーション工程150では、一枚のスタンパから複数の光ディスクを作成することができ、同じスタンパから作成される各光ディスクには、同一の主情報及び第1の副情報が記録されている。このように作成された光ディスクは、第2の副情報記録工程160に移される。
第2の副情報記録工程160は、デュプリケーション工程150で作成した光ディスク毎に第2の副情報を記録する。第2の副情報記録工程160は、第2の副情報生成部123及び第2の副情報記録部124による処理から構成される。
第2の副情報生成部123は、マスタリング工程140の第1の副情報重畳部116で用いたスタンパ固有情報(コンテンツ共通情報)と、光ディスク1枚毎に異なるように媒体識別情報生成部122で生成されたディスク識別情報とに基づいて第2の副情報を生成する。媒体識別情報生成部122は、光ディスク毎に固有のディスク識別情報を生成する。本実施の形態1における第2の副情報の生成方法として、スタンパ固有情報とディスク識別情報との排他的論理和に基づいたデータスクランブルを用いたり、ディスク識別情報を暗号鍵としてスタンパ固有情報を暗号化したりするなどして第2の副情報を生成する。また、第2の副情報は、バーコード変調が成される。
第2の副情報記録部124は、バーコード変調された第2の副情報に応じて、光ディスクに高出力のYaGレーザ光などを照射して、光ディスクの内周部分の反射膜を、径方向に長いバーコード状に除去することによって、第2の副情報を記録する。第2の副情報記録部124は、一般的な光ディスクへのBCAを記録する装置を用いることによって第2の副情報を記録することができる。第2の副情報が記録された光ディスクは、媒体識別情報記録工程170に移される。
媒体識別情報記録工程170は、主情報と第1の副情報とがデュプリケーション工程150によってスタンパから転写され、第2の副情報が第2の副情報記録工程160によって記録された光ディスクにディスク識別情報を記録する。媒体識別情報記録工程170は、媒体識別情報記録部125による処理から構成される。
媒体識別情報記録部125は、第2の副情報記録工程160における第2の副情報生成部123で用いたディスク識別情報を、第2の副情報と同様にバーコード変調する。媒体識別情報記録部125は、バーコード変調されたディスク識別情報に応じて、光ディスクに高出力のYaGレーザ光などを照射して、光ディスクの内周部分の反射膜を、径方向に長いバーコード状に除去することによって、ディスク識別情報を記録する。従って、媒体識別情報記録工程170の媒体識別情報515と、第2の副情報記録工程160の第2の副情報記録部124とは、同一のBCA記録装置で構成されている。第2の副情報記録工程160と媒体識別情報記録工程170とは、同時に行ってもよい。
以上の構成により、マスタリング工程140において、主情報と第1の副情報とを凹凸記録マークとして記録したスタンパが作成され、デュプリケーション工程150において、スタンパに基づいて複数の光ディスクが作成され、第2の副情報記録工程160と媒体識別情報記録工程170とにおいて、光ディスクの内周部分にバーコードマークとして、第2の副情報とディスク識別情報とが記録される光ディスクが作成される。
また、第1の副情報は、スタンパ毎に共通のスタンパ固有情報と、コンテンツ情報を暗号化するための暗号鍵情報とに基づいて生成され、第2の副情報は、ディスク識別情報とスタンパ固有情報とに基づいて生成される。よって、光ディスクを再生するためには、媒体毎に異なるディスク識別情報と第2の副情報とを再生し、第2の副情報からスタンパ固有情報を抽出し、第1の副情報と抽出したスタンパ固有情報とに基づいてコンテンツ情報の暗号鍵を抽出する必要がある。
これにより、媒体毎に異なる第2の副情報を読み出すことなしには、コンテンツ情報の暗号鍵は抽出されない光ディスクを作成することができる。よって、例え1枚の光ディスクから第2の副情報が流出したとしても、流出した第2の副情報によって他の光ディスクのコンテンツ情報を再生できる保証はなく、光ディスクに記録されているコンテンツ情報の著作権の保護をより強化することが可能となる。
図9は、本発明の実施の形態1の情報記録媒体を製造する製造装置の特徴的な構成を示すブロック図である。
情報記録媒体を製造する製造装置は、図8で説明したマスタリング工程140、第2の副情報記録工程160及び媒体識別情報記録工程170と対応付けられるマスタリング部141、第2の副情報記録処理部161及び媒体識別情報記録処理部171によって構成される。
マスタリング部141は、主情報と第2の副情報とを光ディスク原盤に記録する。マスタリング部141は、暗号化部181、変調部182、擬似乱数系列発生部183、スクランブル部184及び第1の副情報重畳部185から構成される。
暗号化部181は、光ディスク原盤(スタンパ186)に記録するコンテンツ情報を、コンテンツ情報を再生するために必要な情報である暗号鍵で暗号化することにより、暗号化コンテンツ情報を生成する。暗号化部181は、生成した暗号化コンテンツ情報を変調部182に出力する。
変調部182は、暗号化部181から入力される暗号化コンテンツ情報を、記録する光ディスクに応じて変調する。変調部182は、暗号化コンテンツ情報を変調するとともに、暗号化コンテンツ情報の所定データ量毎のフレーム単位に同期符号(フレームシンク)を付与し、セクタ単位にアドレス情報を付与し、ECCブロック単位にエラー訂正符号化することにより、変調主情報を生成する。変調部182は、生成した変調主情報を第1の副情報重畳部185に出力する。
擬似乱数系列発生部183は、M系列又はGold系列を発生する一般的なシフトレジスタによって構成される。擬似乱数系列発生部183は、第1の副情報を記録する先頭のフレーム位置で、スタンパ固有情報を初期値としてセットして、第1の副情報を重畳記録するフレーム単位に1ビットずつシフトレジスタをシフトして擬似乱数系列を1ビットずつ発生させる。擬似乱数系列発生部183は、発生させた擬似乱数系列をスクランブル部184に出力する。なお、初期値としてセットするとは、シフトレジスタに値(スタンパ固有情報)をプリセットすることを意味している。
スタンパ毎に共通なスタンパ固有情報が初期値として擬似乱数系列発生部183にセットされ、擬似乱数系列が、第1の副情報が記録される領域でフレーム単位に1ビットずつ発生される。
スクランブル部184は、第1の副情報が記録される領域でフレーム単位に1ビットずつ発生される擬似乱数系列を用いて、暗号鍵をスクランブルする。スクランブル部184は、スクランブル暗号鍵を第1の副情報として第1の副情報重畳部185に出力する。
第1の副情報重畳部185は、スクランブル部184から入力される第1の副情報のビットの値に応じて、変調部182から入力される変調主情報のフレーム単位に付与されている同期符号を改変することによって変調主情報に第1の副情報を重畳する。具体的には、図7(B)で示したとおり、第1の副情報を記録するセクタ内の第4、8、12、16、20、24フレームにおいて、記録する第1の副情報のビット値が“1”の場合は、同期符号を“SY8”に改変し、ビット値が“0”の場合は、同期符号を改変しない。このようにして、第1の副情報重畳部185は、第1の副情報を重畳した変調主情報を記録する記録信号を生成する。第1の副情報重畳部185は、生成した記録信号に応じて、光ディスク原盤にレーザ光を照射することで、光ディスク原盤上に凹凸記録マークを形成し、主情報と第1の副情報とを記録する。
第1の副情報重畳部185は、第1の副情報を記録する特定のECCブロック内の各セクタの第4、8、12、16、20、24フレームにそれぞれ1ビットの第1の副情報を記録する。そのため、ECCブロック内では、96ビットの第1の副情報を記録することができる。
以上のように、マスタリング部141は、主情報であるコンテンツ情報と第1の副情報とが記録された光ディスク原盤を作成し、当該光ディスク原盤をガラス盤に転写することによってスタンパ186を作成する。また、不図示のデュプリケーション部は、スタンパ186から複数の光ディスクを作成する。また、本実施の形態1では、第1の副情報とは、コンテンツ情報を暗号化するための暗号鍵を、スタンパ固有情報を初期値として発生させた擬似乱数系列によってスクランブルした情報である。
第2の副情報記録処理部161は、暗号化部187、第2の副情報生成部188及び第2の副情報記録部189によって構成される。
暗号化部187は、光ディスク毎に異なるディスク識別情報を鍵として使用し、マスタリング部141における擬似乱数系列発生部183に初期値としてセットされるスタンパ固有情報を暗号化する。暗号化されたスタンパ固有情報は、第2の副情報生成部188に出力される。
第2の副情報生成部188は、暗号化部187から入力される暗号化されたスタンパ固有情報をバーコード変調することによって第2の副情報を生成する。第2の副情報生成部188は、生成した第2の副情報を第2の副情報記録部189に出力する。なお、本実施の形態1の第2の副情報は、光ディスク毎に異なるディスク識別情報を用いて、スタンパ毎に共通のスタンパ固有情報を暗号化することにより生成される。そのため、第2の副情報は、光ディスク毎に異なる情報である。
第2の副情報記録部189は、バーコード変調された第2の副情報に応じて、光ディスク194の内周部分にYaGレーザ光などを照射して、径方向に長いバーコードマークを形成することにより、第2の副情報を記録する。
媒体識別情報記録処理部171は、光ディスク毎に異なるディスク識別情報を記録する。媒体識別情報記録処理部171は、暗号化部190、バーコード変調部192及び媒体識別情報記録部193によって構成される。
暗号化部190は、第2の副情報記録処理部161における暗号化部187で暗号鍵として用いたディスク識別情報を、内部に機密に保持している暗号鍵Km191によって暗号化する。暗号化したディスク識別情報は、バーコード変調部192に出力される。
バーコード変調部192は、暗号化されたディスク識別情報をバーコード変調する。バーコード変調部192は、バーコード変調した暗号化ディスク識別情報を媒体識別情報記録部193に出力する。
媒体識別情報記録部193は、バーコード変調された暗号化ディスク識別情報に応じて、光ディスク194の内周部分の反射膜を半径方向に長いバーコード状に除去してバーコードマークを形成することにより、光ディスク194の内周部分に暗号化ディスク識別情報を記録する。
よって、媒体識別情報記録処理部171の媒体識別情報記録部193は、第2の副情報記録処理部161の第2の副情報記録部189と同様の処理により、暗号化ディスク識別情報をバーコード記録する。第2の副情報記録処理部161と媒体識別情報記録処理部171とは、同一の装置として構成してもよく、第2の副情報記録処理部161による第2の副情報記録工程と、媒体識別情報記録処理部171による媒体識別情報記録工程とは、同時に行ってもよい。
以上のような構成により、製造装置は、主情報と第1の副情報とを記録したスタンパ186から転写して作成される光ディスク194に、第2の副情報とディスク識別情報との両方を記録することができる。
本実施の形態1の第1の副情報は、コンテンツ情報の再生に必要な情報であるとともにコンテンツ情報を暗号化するための暗号鍵情報を、スタンパ毎に共通のスタンパ固有情報を初期値として発生させた擬似乱数系列によってスクランブルすることにより、生成される。
また、本実施の形態1の第2の副情報は、第1の副情報をスクランブル際に用いたスタンパ固有情報を、光ディスク毎に異なるディスク識別情報によって暗号化することにより、記録される。
従って、再生時には、光ディスク毎に異なる第2の副情報とディスク識別情報とが再生され復号されることによって、スタンパ固有情報が生成される。また、スタンパ固有情報によって第1の副情報がデスクランブルされてコンテンツ情報の暗号を解くための暗号鍵が生成される。従って、同じスタンパから転写された光ディスクであっても、光ディスク毎に異なる第2の副情報を再生する必要あり、たとえ、1枚の光ディスクから第2の副情報が流出したとしても、流出した第2の副情報を用いて他の光ディスクを再生することは不可能である。そのため、光ディスクに記録されるコンテンツ情報の著作権の保護を強化することができる。
図10は、本発明の実施の形態1の光ディスクの内周部分に記録される、第2の副情報と暗号化されたディスク識別情報とのデータフォーマットの一例を示す図である。
光ディスクの内周部分に記録される、第2の副情報と暗号化されたディスク識別情報とは、バーコード変調され、光ディスクの径方向に長いバーコードマークとしてBCAに記録さている。各データクラスタの先頭にはバーコードマークの同期符号SB207が記録されている。BCAには、データフォーマットが暗号化媒体識別情報と第2の副情報とを含むことを示すBCAプリアンブル(BCA Pre−Amble)206、暗号化されたディスク識別情報201、暗号化されたディスク識別情報のエラー訂正のためのパリティ202、暗号化スタンパ固有情報(=第2の副情報)203及び暗号化スタンパ固有情報のパリティ204が記録されている。
図11は、図9の製造装置によって作成された光ディスクからコンテンツ情報を再生する情報再生装置の特徴的な構成を示すブロック図である。
情報再生装置は、情報記録媒体である光ディスク211からスタンパ毎に共通の第1の副情報と、光ディスク毎に異なる第2の副情報とを再生することによって、光ディスク211に記録されているコンテンツ情報を再生する。情報再生装置は、媒体識別情報再生部212、バーコード復調部213、復号化部214、第2の副情報再生部216、復号化部217、擬似乱数系列発生部218、第1の副情報再生部219、データ変換部220、主情報再生部221及び復号化部222によって構成される。
媒体識別情報再生部212は、光ディスク211の内周部分に記録されているバーコード情報を、レーザ照射による反射光強度の変化によって読み出し、レーザ強度を示す信号をバーコード復調部213へ出力する。
バーコード復調部213は、バーコードの読み出し信号であるレーザ強度を示す信号から、バーコード化された暗号化ディスク識別情報を読み出す。バーコード復調部213は、読み出した暗号化ディスク識別情報を復号化部804に出力する。
復号化部214は、図9の暗号化部190に対応する部分である。復号化部214は、暗号化されたディスク識別情報を内部に秘密に保持する暗号鍵Km215によって復号化することにより、ディスク識別情報を抽出する。復号化部214は、抽出したディスク識別情報を復号化部217に出力する。
第2の副情報再生部216は、媒体識別情報再生部212と同様に、光ディスク211の内周部分に記録されているバーコード情報から、バーコード化された第2の副情報を読み出す。第2の副情報再生部216は、読み出した第2の副情報を復号化部217に出力する。
復号化部217は、図9の暗号化部187に対応する部分である。復号化部217は、復号化部214から入力されるディスク識別情報を鍵として使用し、第2の副情報(暗号化されたスタンパ固有情報)を復号化することにより、スタンパ固有情報を抽出する。復号化部217は、抽出したスタンパ固有情報を擬似乱数系列発生部218に出力する。
擬似乱数系列発生部218は、図9の擬似乱数系列発生部183と同等の構成である。擬似乱数系列発生部218は、復号化部217から入力されるスタンパ固有情報を初期値としてプリセットして、第1の副情報を再生する特定のECCブロック内のフレーム単位に1ビットずつの擬似乱数系列を発生させる。擬似乱数系列発生部218は、発生させた擬似乱数系列をデータ変換部220に出力する。
第1の副情報再生部219は、光ディスク211にレーザ光を照射し、光ディスク211からの反射光に基づいて凹凸記録マークを検出する。第1の副情報再生部219は、凹凸記録マークの一定間隔毎のフレーム単位に付与されている同期符号を検出し、同期符号のパターンからセクタ内のフレームアドレスを抽出する。第1の副情報再生部219は、セクタ内の第4、8、12、16、20、24フレームにおいて、同期符号が“SY8”に改変されている場合には、ビット値“1”を検出し、同期符号が改変されていない場合には、ビット値“0”を検出し、検出したビット値を第1の副情報として抽出する。第1の副情報再生部219は、抽出した第1の副情報をデータ変換部220に出力する。
なお、第1の副情報再生部219は、図示しないシステムコントローラから、特定のECCブロック内から第1の副情報を読み出す旨の読み出し命令を受けた場合に、特定のECCブロック内から第1の副情報を読み出す。
データ変換部(デスクランブル部)220は、図9のスクランブル部184に対応する部分である。データ変換部220は、第1の副情報を再生するECCブロック内で、第4、8、12、20、24フレーム毎に1ビットずつ出力される第1の副情報と、フレーム単位で1ビットずつ出力される擬似乱数系列との排他的論理和を求めることにより、第1の副情報をデスクランブルする。これにより、データ変換部220は、第1の副情報のデータ変換を行い、暗号鍵を抽出する。データ変換部220は、抽出した暗号鍵を復号化部222へ出力する。
主情報再生部221は、光ディスク211にレーザ光を照射し、反射光から凹凸記録マークを検出することにより、主情報として記録されている暗号化コンテンツ情報を再生する。主情報再生部221は、再生した暗号化コンテンツ情報を復号化部222に出力する。
復号化部222は、図9の暗号化部181に対応する部分である。復号化部222は、主情報再生部221によって再生された暗号化コンテンツ情報を暗号鍵によって復号化してコンテンツ情報を再生する。
以上の構成により、情報再生装置は、光ディスク毎に異なる第2の副情報とディスク識別情報とを再生することによって、スタンパ毎に共通のスタンパ固有情報を生成する。そして、情報再生装置は、スタンパ毎に共通の第1の副情報とスタンパ固有情報とから暗号化コンテンツ情報を復号するための暗号鍵を生成してコンテンツ情報を再生する。この構成によれば、悪意ある情報再生装置製造メーカは、本情報再生装置の如何なる構成要素も削除することができなくなる。そのため、情報再生装置製造メーカは、第1の副情報と第2の副情報とが記録された正規の光ディスクのみを再生する情報再生装置を作成することが義務付けられ、悪意ある情報再生装置製造メーカを排除することができる。
また、たとえ1枚の光ディスクから第2の副情報が流出したとしても、流出した第2の副情報を利用して他の光ディスクのコンテンツ情報を再生することは不可能である。そのため、本実施の形態1の光ディスクに記録されるコンテンツ情報の著作権の保護を強化することができる。
図12は、本発明の実施の形態1における第1の副情報記録部の特徴的な構成を示すブロック図である。
図12は、図9における第1の副情報記録部180の詳細な構成を示すブロック図である。第1の副情報記録部180は、マスタリング部141において、光ディスク原盤230に主情報と第1の副情報とを記録する。第1の副情報記録部180は、アドレスデコーダ231、初期値生成部232、擬似乱数系列発生部233、スクランブル部234、第1の副情報重畳部235、レーザ発光信号生成部236、レーザドライバ237及び光学ヘッド238から構成される。
アドレスデコーダ231は、入力される変調主情報を一旦復調することによりアドレス情報を抽出し、抽出したアドレス情報を初期値生成部232に出力する。なお、変調主情報とは、コンテンツ情報などを記録する情報記録媒体に対応した変調を行うとともに、フレーム単位で同期符号(フレームシンク)を付与し、セクタ単位でアドレス情報を付与し、ECCブロック単位でエラー訂正符号化した情報である。
初期値生成部232は、入力されるスタンパ固有情報とアドレス情報とに基づいて、擬似乱数系列発生部233の擬似乱数系列発生シフトレジスタにプリセットする初期値情報を生成する。本実施の形態1では、初期値生成部232は、排他的論理和演算器で構成される。従って、初期値生成部232は、入力されるスタンパ固有情報とアドレス情報との排他的論理和の演算結果を初期値として生成し、生成した初期値を擬似乱数系列発生部233に出力する。また、初期値生成部232は、セクタ毎、すなわちアドレスが更新される毎に初期値情報を更新し、更新した初期値を擬似乱数系列発生部233に出力する。
擬似乱数系列発生部233は、M系列又はGold系列を発生する一般的なシフトレジスタで構成される。擬似乱数系列発生部233は、第1の副情報を記録する領域をアドレス情報によって判定して、入力される初期値が更新される毎、すなわちセクタ単位に入力される初期値情報をシフトレジスタにプリセットする。そして、擬似乱数系列発生部233は、変調主情報のフレーム単位に1ビットずつの擬似乱数系列を生成する。擬似乱数系列発生部233は、生成した擬似乱数系列をスクランブル部234に出力する。
スクランブル部234は、入力される暗号鍵を、擬似乱数系列発生部233から入力される擬似乱数系列でスクランブルする。スクランブル部234は、排他的論理和演算器で構成される。スクランブル部234は、暗号鍵が入力されると、第1の副情報を記録する領域内の第4、8、12、16、20、24フレームの同期符号の1ビットずつの暗号鍵情報と、フレーム単位に更新される擬似乱数系列との排他的論理和を算出することにより、スクランブルド暗号鍵を生成する。スクランブル部234は、生成したスクランブルド暗号鍵を第1の副情報重畳部235に出力する。
第1の副情報重畳部235は、スクランブル部234から入力されるスクランブルド暗号鍵のビット値に応じて、入力される変調主情報に付与されている同期符号のパターンを改変することによって、第1の副情報を変調主情報に重畳する。すなわち、第1の副情報重畳部235は、変調主情報の第4、8、12、16、20、24フレームのタイミングで、スクランブルド暗号鍵のビット値が“1”の場合にのみ、変調主情報に付与されている同期符号を“SY8”に置き換える。これによって、情報記録媒体がDVD−ROMの場合には、セクタ内に6ビットのスクランブルド暗号鍵情報、ECCブロック単位では96ビットのスクランブルド暗号鍵情報が第1の副情報として変調主情報の同期符号を改変することによって記録される。
レーザ発光信号生成部236は、第1の副情報が重畳されることによって同期符号が改変された変調主情報に従って、光ディスク原盤230にレーザ光を照射するタイミングを示すレーザ発光信号を生成する。レーザ発光信号生成部236は、生成したレーザ発光信号をレーザドライバ237に出力する。
レーザドライバ237は、レーザ発光信号生成部236から入力されるレーザ発光信号に基づいて、光ディスク原盤230に照射するレーザ強度に応じた電流を光学ヘッド238のレーザ光源に出力することにより、レーザ発光を制御する。
光学ヘッド238は、レーザ光源及び光学レンズを搭載しており、発光したレーザ光を光ディスク原盤230に集光して、光ディスク原盤230に凹凸記録マークを形成することによって、主情報と第1の副情報とを記録する。
以上の構成によって、第1の副情報記録部180は、コンテンツ情報を再生するために必要となる暗号鍵を、スタンパ毎に共通のスタンパ固有情報に基づいて生成する初期値をセットすることによって生成した擬似乱数系列でスクランブルし、変調主情報の同期符号パターンを改変することによって、第1の副情報を記録することができる。
なお、第1の副情報記録部180のスクランブル部234は、排他的論理和を用いてスクランブルするとして説明したがこれに限られない。例えば、排他的論理和を複数組み合わせるスクランブル方式でもよい。スクランブル部234の主題は、スクランブルした暗号鍵から容易に暗号鍵を類推することが不可能であり、かつ、再生するときには、少なくともスタンパ固有情報がわかれば、スクランブルされた暗号鍵から暗号鍵を逆変換することが可能であるスクランブル方式であればどのようなものでもかまわない。どのようなスクランブル方式を選択するかは設計事項である。
図13は、本発明の実施の形態1における第1の副情報を検出する第1の副情報検出部210の特徴的な構成を示すブロック図である。なお、図13は、図11における第1の副情報検出部210の詳細な構成を示すブロック図である。
第1の副情報検出部210は、光ディスク240の凹凸記録マークから、主情報として記録されている暗号化コンテンツ情報と、第1の副情報として記録されている暗号鍵とを検出する。第1の副情報検出部210は、光学ヘッド241、アナログ再生回路242、デジタル再生回路243、フォーマッタ244、エラー訂正部245、初期値生成部246、擬似乱数系列発生部247及びデスクランブル部248から構成される。
光学ヘッド241は、再生強度のレーザ光を出射するレーザ光源と、光ディスク240の反射膜にレーザ光を集光する集光レンズと、光ディスク240の反射膜からの反射光の強度を検知する複数のディテクタとを有している。
アナログ再生回路242は、複数のディテクタで検知した反射光強度から凹凸記録マークの成分を示すアナログ再生信号を生成する。アナログ再生回路242は、生成したアナログ再生信号をデジタル再生回路243に出力する。
デジタル再生回路243は、アナログ再生回路242から入力されるアナログ再生信号をAD(Analog−Digital)変換してデジタル再生信号を生成する。また、デジタル再生回路243は、生成したデジタル再生信号を増幅したり、波形等化したりするとともに、凹凸記録マークの記録帯域に同期するクロック信号をPLL(Phase−Loacked−Loop)回路で生成する。デジタル再生回路243は、生成したデジタル再生信号及びクロック信号をフォーマッタ244に出力する。
フォーマッタ244は、PLL回路で生成したクロック信号で動作するデジタル回路で構成される。フォーマッタ244は、デジタル再生信号から同期符号パターンを検出することによってフレーム単位で同期化し、また、同期符号パターンの連続する並びからフレームアドレスを検出することによってセクタ単位で同期化し、セクタ単位に付与されているアドレス情報に基づいてECCブロック単位で同期化する。フォーマッタ244は、同期化したデジタル再生信号をエラー訂正部245に出力する。
また、フォーマッタ244は、セクタ単位に付与されているアドレス情報を抽出して、初期値生成部246に出力するとともに、フレーム単位に付与されている同期符号パターンを抽出して、デスクランブル部248に出力する。
エラー訂正部245は、フォーマッタ244から入力されるデジタル再生信号のECCブロック単位に付与されているパリティビットを用いて、デジタル再生信号のエラー検出及びエラー訂正を行い、ECCブロック毎に16KB(キロバイト)ずつ暗号化コンテンツ情報を再生する。
初期値生成部246は、第1の副情報記録部180の初期値生成部232と同等の機能を有する。初期値生成部246は、第2の副情報に基づいて再生されたスタンパ固有情報と、アドレス情報との排他的論理和を算出することにより、初期値情報を生成する。初期値生成部246は、生成した初期値情報を擬似乱数系列発生部247に出力する。
擬似乱数系列発生部247は、第1の副情報記録部180の擬似乱数系列発生部233と同等の構成である。擬似乱数系列発生部247は、第1の副情報を検出する領域のセクタの先頭位置に、初期値生成部246から入力される初期値をプリセットして、フレーム単位に1ビットずつの擬似乱数系列を生成する。擬似乱数系列発生部247は、生成した擬似乱数系列をデスクランブル部248に出力する。
デスクランブル部248は、第1の副情報記録部180のスクランブル部234に対応する部分である。デスクランブル部248は、フォーマッタ244から入力されるフレーム単位に付与されている同期符号パターンと、フレーム単位に1ビットずつ生成される擬似乱数系列とに基づいて、スクランブルされた暗号鍵をデスクランブルする。
デスクランブル部248は、第1の副情報を検出する領域において、第4、8、12、16、20、24フレームの同期符号が“SY8”に置き換えられているか否かを判定する。同期符号が置き換えられている場合、デスクランブル部248は、第1の副情報のビット値として“1”を検出し、同期符号が置き換えられていない場合、デスクランブル部248は、第1の副情報のビット値として“0”を検出する。そして、デスクランブル部248は、検出した第1の副情報のビット値と、擬似乱数系列発生部247から入力されるフレーム毎に更新される擬似乱数系列のビット値との排他的論理和を算出することによって、第1の副情報から暗号鍵をデスクランブルする。
本実施の形態1では、1つのECCブロックに96ビットの第1の副情報が記録されており、第1の副情報の記録されたECCブロックを再生することによって、96ビットの暗号鍵を検出することができる。
以上の構成によれば、光ディスク240に記録されている凹凸記録マークから、主情報と第1の副情報とを再生することができる。また、本実施の形態1の第1の副情報は、主情報のフレーム単位に付与されている同期符号が、通常ではありえない“SY8”に改変されることによって記録されている。第1の副情報検出部210は、フレーム単位に付与されている同期符号パターンから第1の副情報を検出する。
なお、第1の副情報検出部210のデスクランブル部248は、排他的論理和を用いてデスクランブルするとして説明したがこれに限られない。例えば、排他的論理和を複数組み合わせるデスクランブル方式でもよい。デスクランブル部248の主題は、図12の第1の副情報記録部180のスクランブル部234の逆変換を行うことである。どのようなスクランブル方式及びデスクランブル方式を選択するかは設計事項である。
(実施の形態2)
図14は、本発明の実施の形態2における情報記録再生システムの構成を示すブロック図である。
本実施の形態2の情報記録再生システムは、情報記録媒体である光ディスクのスタンパ(光ディスク原盤)21’を作成するマスタリング装置22、スタンパ21’を複製して製造した光ディスク21に第2の副情報を記録する情報記録装置23、及び光ディスク21から情報を再生する情報再生装置24から構成される。
なお、本実施の形態2における情報記録再生システムは、マスタリング装置22によって作成されたスタンパ21’から光ディスク21を複製するデュプリケーション装置を備えるが、図14では省略している。
マスタリング装置22は、暗号化したコンテンツ情報を含む主情報と、スタンパ毎に共通の第1の副情報とをスタンパ21’に記録する。マスタリング装置22は、暗号化部25、スクランブル部26、主情報記録部37及び第1の副情報記録部38から構成される。
暗号化部25は、スタンパ21’に記録するコンテンツ情報を暗号鍵によって暗号化して、暗号化したコンテンツ情報を主情報として生成する。主情報記録部37は、生成された主情報に基づいて光ディスク原盤にレーザ光を照射し、光ディスク原盤に凹凸記録マークを形成することによって、主情報を記録する。
スクランブル部26は、スタンパ毎に共通のスタンパ固有情報に基づいて、暗号鍵情報のデータ変換を行う。本実施の形態2のスクランブル部26は、スタンパ固有情報に含まれるアドレス情報の示す位置で、スタンパ固有情報に含まれる初期値情報を擬似乱数系列発生器にプリセットして発生させた擬似乱数系列と、暗号鍵との排他的論理和を算出することによってスクランブルした暗号鍵を第1の副情報として生成する。
第1の副情報記録部38は、スクランブル部26によって生成された第1の副情報を、スタンパ21’の第1の副情報記録領域35’に記録する。
なお、アドレス情報とは、主情報のセクタ単位に付与されるアドレス情報である。主情報を記録するアドレス情報がスタンパ固有情報に含まれるアドレス情報と一致するセクタの先頭位置で、スタンパ固有情報に含まれる初期値情報を擬似乱数系列発生器にプリセットして擬似乱数系列を発生させる。
また、本実施の形態2のスタンパ固有情報は、複数のアドレス情報と、複数のアドレス情報に対応する複数の初期値情報とを含む。スクランブル部26は、複数のアドレス情報が示すそれぞれの位置で、対応する初期値情報をプリセットして発生させた擬似乱数系列によって、暗号鍵をスクランブルデータ変換する。なお、本実施の形態2のスクランブルデータ変換は、排他的論理和演算である。従って、スタンパ固有情報に含まれるそれぞれのアドレス位置に、固有の擬似乱数系列によってスクランブルされた暗号鍵が、冗長的に複数回、スタンパ21’に記録される。
なお、本実施の形態2の第1の副情報の記録方法は、実施の形態1で説明した第1の副情報の記録方法と同様に、主情報のフレーム単位に付与される同期符号パターンを改変することによって記録する方法であり、本実施の形態2では詳細な説明を省略する。
情報記録装置23は、マスタリング装置22で作成したスタンパ21’から複製された複数の光ディスク21のそれぞれに、光ディスク毎に異なる第2の副情報を記録する。情報記録装置23は、媒体固有情報生成部27及び媒体固有情報記録部28から構成される。
媒体固有情報生成部27は、複数のアドレス情報と初期値情報とが記録されたスタンパ毎に共通のスタンパ固有情報の中から、光ディスク毎に無作為に少なくとも1組のアドレス情報と初期値情報との組み合わせを選択する。無作為の選択方法は、媒体固有情報生成部27の内部に乱数発生部を設け、乱数値に応じて選択することによって実現することができる。媒体固有情報生成部27は、無作為に選択したアドレス情報と初期値情報との組み合わせを、情報記録媒体毎に異なりえる第2の副情報として生成する。媒体固有情報生成部27は、生成した第2の副情報を媒体固有情報記録部28に出力する。
媒体固有情報記録部28は、図1の媒体固有情報記録部10と同様の構成である。媒体固有情報記録部28は、媒体固有情報生成部27から入力される第2の副情報をバーコード変調する。媒体固有情報記録部28は、光ディスク21の内周部分の反射膜をYaGレーザ光で除去することによって、径方向に長いバーコードマークを形成し、第2の副情報を記録する。なお、媒体固有情報記録部28における処理は、図1の媒体固有情報記録部10と同じであるので、詳細な説明は省略する。
情報再生装置24は、光ディスク21から、凹凸記録マークにより記録された主情報と、凹凸記録マークにより記録された第1の副情報と、光ディスク21の内周部分にバーコードマークにより記録された第2の副情報とを再生する。情報再生装置24は、媒体固有情報再生部29、第1の副情報再生部30、データ変換部31、復号化部32及び主情報再生部33から構成される。
媒体固有情報再生部29は、図1の媒体固有情報再生部14と同様の構成である。媒体固有情報再生部29は、光ディスク21の内周部分に記録されているバーコードマークから、アドレス情報と初期値情報との組を第2の副情報として再生する。再生したアドレス情報は第1の副情報再生部30へ、初期値情報はデータ変換部31へそれぞれ出力される。
第1の副情報再生部30は、媒体固有情報再生部29から入力されるアドレス情報に従って、光ディスク21にアクセスし、フレーム単位で付与されている同期符号パターンが改変されているか否かを示す第1の副情報を再生する。第1の副情報再生部30は、再生した第1の副情報をデータ変換部31に出力する。
データ変換部31は、内部にマスタリング装置22のスクランブル部26と同様の擬似乱数系列発生器を備える。データ変換部31は、第1の副情報再生部30から入力される第1の副情報と、媒体固有情報再生部29によって再生された初期値をプリセットして発生させた擬似乱数系列との排他的論理和を算出することによって、スクランブル部26におけるデータ変換の逆変換を行う。これにより、データ変換部31は、第1の副情報をデスクランブルし、コンテンツ情報の暗号化に用いられた暗号鍵を再生する。データ変換部31は、再生した暗号鍵を復号化部32に出力する。
主情報再生部33は、光ディスク21のユーザデータ領域34に記録されている凹凸記録マークを再生することにより、主情報(暗号化されたコンテンツ情報)を再生する。主情報再生部33は、光ディスク21にレーザ光を照射し、光ディスク21からの反射光の強度に基づいて、凹凸記録マークとして記録されている主情報を読み出す。
復号化部32は、主情報再生部33によって再生された主情報を、データ変換部31で抽出された暗号鍵を用いて復号化する。復号化部32は、マスタリング装置22の暗号化部25に対応する部分である。
以上の構成により、スタンパ毎に共通の主情報及び第1の副情報が、マスタリング装置22によってスタンパ21’に記録され、スタンパ21’から転写複製されて作成される光ディスク毎に異なる第2の副情報が、情報記録装置23によって記録される。また、情報再生装置は、光ディスク毎に異なるアドレス情報と初期値情報とを第2の副情報として読み出し、アドレス情報の示すアドレス位置で、初期値情報をプリセットして生成した擬似乱数系列によって第1の副情報をデスクランブルして、コンテンツ情報の再生に必要な情報である暗号鍵を抽出する。
従って、光ディスク21には、他の光ディスクと同じ暗号鍵が、スタンパ固有情報で示される複数のアドレス位置に、複数のアドレス位置のそれぞれ対応した初期値によって異なる擬似乱数系列でスクランブルされて冗長的に記録されている。また、第2の副情報は、スタンパ固有情報に含まれるアドレス情報と初期値との複数の組み合わせの中から、少なくとも1組が光ディスク毎に無作為に選択された情報である。従って、情報再生装置24は、冗長的に記録されているスクランブルされた暗号鍵を、例え同じスタンパから複製して作成された光ディスクであっても、光ディスク毎に異なるアドレス位置から暗号鍵情報を再生することが可能となる。
本実施の形態2では、光ディスク毎に異なる第2の副情報を記録することによって、同じスタンパでも暗号鍵の読み出し位置を異ならしめることが可能となる。これにより、暗号鍵の記録位置を解析して暗号化されたコンテンツ情報をハッキングしようとする悪意ある者からのアタックの困難度を増大させることができる。よって、光ディスクに記録されている著作物の著作権の保護を強化することができる。
また、本実施の形態2では、第1の副情報を読み出す位置を媒体固有に設定できる点が、実施の形態1で説明した方法よりも有利な点である。しかしながら、一枚の光ディスクから第2の副情報が漏れた場合、同じスタンパ固有情報を持つ同一のスタンパから作成された光ディスクでは、漏れた第2の副情報を用いることによってコンテンツが再生されてしまう。そのため、第2の副情報が漏洩した場合は、実施の形態1の方法に利点がある。
図15は、本発明の実施の形態2のスタンパ固有情報のデータフォーマットの一例を示す概念図である。
スタンパ固有情報は、アドレス情報と初期値情報との複数の組み合わせを含む情報であり、テーブル型の情報である。本実施の形態2のスタンパ固有情報は、3行4列の計12通りのアドレス情報と初期値情報との組み合わせを含む。各組み合わせは、第1の副情報の記録開始アドレスと、第1の副情報の記録終了アドレスと、暗号鍵のスクランブルに用いる擬似乱数系列を生成するための初期値情報とを含む。
本実施の形態2のマスタリング装置22におけるスクランブル部26は、スタンパ固有情報の示す12組の記録開始アドレスの先頭位置において、当該記録開始アドレスに対応する初期値情報を擬似乱数系列発生器にプリセットして発生させた擬似乱数系列によって、暗号鍵をスクランブルする。そして、第1の副情報記録部38は、スクランブルした暗号鍵を第1の副情報として記録する。従って、本例では、アドレスが“0x00100000”から“0x00200000”の範囲では、初期値である“0x1111”をプリセットして発生させた擬似乱数系列によって暗号鍵がスクランブルされる。このようにして、全12通りの12領域に、それぞれ異なるスクランブルが施された暗号鍵が第1の副情報として冗長的に記録される。
また、本実施の形態2の第2の副情報は、スタンパ固有情報から光ディスク毎に無作為に選択された少なくとも1組のアドレス情報と初期値情報とを示している。本実施の形態2では、スタンパ固有情報に含まれる全てのアドレス情報と初期値情報との組み合わせを光ディスクに記録しない場合と、スタンパ固有情報に含まれる全てのアドレス情報と初期値情報との組み合わせを光ディスクに記録する場合とがある。
すなわち、スタンパ固有情報に含まれる全てのアドレス情報と初期値情報との組み合わせを光ディスクに記録しない場合、媒体固有情報生成部27は、スタンパ固有情報に含まれる全12通りのアドレス情報と初期値情報との組み合わせの中から無作為に選択した1組の記録開始アドレス(例えば、“0x00600000”)、記録終了アドレス(例えば、“0x00700000”)及び初期値(例えば、“0x6666”)を第2の副情報として生成する。
一方、スタンパ固有情報に含まれる全てのアドレス情報と初期値情報との組み合わせを光ディスクに記録する場合、媒体固有情報生成部27は、スタンパ固有情報の中から媒体毎に無作為に選択した1組のアドレス情報と初期値情報との組み合わせのスタンパ固有情報における位置を表すポインタ情報(例えば、(2)−(b))を第2の副情報として生成する。例えば、記録開始アドレスが“0x00600000”であり、記録終了アドレスが“0x00700000”であり、初期値が“0x6666”である組み合わせが選択された場合、当該選択された組み合わせに対応するポインタ情報(図15の(2)−(b))が第2の副情報として生成される。
この場合、マスタリング装置22は、スタンパ固有情報であるテーブル情報を暗号化し、暗号化したテーブル情報を、主情報を記録するユーザデータ領域に記録する。情報再生装置は、ユーザデータ領域からスタンパ固有情報であるテーブル情報を再生するとともに、第2の副情報からポインタ情報を再生することによって、第1の副情報を再生するアドレス位置と、第1の副情報をデスクランブルするための擬似乱数系列の初期値とを抽出する。これにより、情報再生装置は、第1の副情報を媒体固有のアドレス位置から再生することが可能となる。
テーブル情報を光ディスクに記録しない場合、第1の副情報の情報量が大きくなるが、スタンパ固有情報であるテーブル情報を主情報として記録する必要がないという利点がある。一方、テーブル情報を光ディスクに記録する場合、ユーザデータ領域がスタンパ固有情報を記録するために使用されるが、第1の副情報の情報量は削減することができる。テーブル情報を光ディスクに記録するか否かは、主情報と第1の副情報との情報量、及び主情報と第1の副情報とが求められるアクセス速度に応じて決定されるべきである。
図16は、本発明の実施の形態2の情報記録媒体を製造する製造装置の特徴的な構成を示すブロック図である。
製造装置は、主情報と第1の副情報とを光ディスク原盤に記録してスタンパ257を作成するマスタリング部142と、スタンパ257から転写複製して作成される光ディスク258に光ディスク毎に異なる第2の副情報を記録する第2の副情報記録処理部162からなる。なお、本実施の形態2では、図9に示す実施の形態1の製造装置とは異なり、媒体識別情報記録処理部171は必ずしも必要ではない。よって、本実施の形態2では媒体識別情報記録処理部171はないものとして説明する。
本実施の形態2の製造装置のマスタリング部142は、暗号化部251、変調部252、初期値選択部253、擬似乱数系列発生部254、スクランブル部255及び第1の副情報重畳部256で構成される。
暗号化部251は、光ディスク原盤(スタンパ257)に記録するコンテンツ情報を、暗号鍵で暗号化することにより、暗号化コンテンツ情報を作成する。
変調部252は、暗号化されたコンテンツ情報を、記録する情報記録媒体に応じた変調フォーマットに変調する。また、変調部252は、変調した暗号化コンテンツ情報の一定情報量毎のフレーム単位に同期符号を付与し、複数のフレームからなるセクタ単位にアドレス情報を付与し、複数のセクタからなるECCブロック単位にエラー訂正符号化することにより、変調主情報を生成する。変調部252は、生成した変調主情報を第1の副情報重畳部256に出力する。
なお、本実施の形態2では情報記録媒体がDVD−ROMである場合について説明する。すなわち、変調部252は、8ビットの主情報を16チャネルビットの変調主情報に変換する8−16変調を行う。また、変調部252は、1488チャネルビット毎の先頭32チャネルビットに同期符号を付与する。また、1セクタは26フレームで構成され、セクタ単位にアドレス情報が付与されるとともに、16KB(キロバイト)単位のECCブロックがエラー訂正符号化され、変調主情報が生成される。
初期値選択部253は、記録する主情報のセクタ単位のアドレス情報と、第1の副情報を記録するためのスタンパ固有情報とに基づいて、第1の副情報を記録するアドレスに対応した擬似乱数系列を発生するための初期値情報を選択する。初期値選択部253は、選択した初期値情報を擬似乱数系列発生部254に出力する。
すなわち、図15の例では、記録する主情報のアドレスが、“0x00100000”から“0x00200000”の範囲では、図15の(1)−(a)に記載されている初期値である“0x1111”が擬似乱数系列発生部254に出力される。また、記録する主情報のアドレスが“0x00200000”から“0x00300000”の範囲では、(1)−(b)に記載されている初期値である“0x2222”が選択される。以降同様に、初期値選択部253は、スタンパ固有情報に含まれる全12通りのアドレスの範囲のそれぞれに固有の初期値情報を選択して擬似乱数系列発生部254に出力する。
なお、初期値選択部253は、スタンパ固有情報に含まれない主情報のアドレス領域では、任意の初期値を出力してもよい。また、初期値選択部253は、擬似乱数系列の発生を中断するための擬似乱数系列発生中断信号を生成して、擬似乱数系列発生部254に出力して、擬似乱数系列の発生を中断してもよい。
擬似乱数系列発生部254は、M系列又はGold系列などを発生する一般的なシフトレジスタで構成される。擬似乱数系列発生部254は、初期値選択部253で選択された初期値情報をセクタの先頭位置でシフトレジスタにプリセットして、擬似乱数系列を生成する。また、擬似乱数系列発生部254は、主情報のフレームのタイミング毎にシフトレジスタをシフトして、出力する擬似乱数系列の値を更新することによってフレーム毎に1ビットの擬似乱数系列を生成する。擬似乱数系列発生部254は、生成した擬似乱数系列をスクランブル部255に出力する。
スクランブル部255は、フレーム毎に1ビットずつ入力される擬似乱数系列と、第1の副情報を記録する領域の第4、8、12、16、20、24フレーム毎に1ビットずつ入力される暗号鍵との排他的論理和を算出することによって暗号鍵をスクランブルして第1の副情報を生成する。
よって、本実施の形態2では、セクタ内にスクランブルされた暗号鍵が6ビット記録され、ECCブロック単位で96ビットのスクランブルされた暗号鍵が第1の副情報として記録される。また、例えば図15のスタンパ固有情報の例では、(1)−(a)に記載されている“0x00100000”から“0x00200000”のアドレス範囲では、“0x1111”が初期値としてECCブロックの先頭毎に設定され、ECCブロック単位に同じ暗号鍵(96ビット)が冗長的に複数回記録される。また、(1)−(b)に記載されている“0x00200000”から“0x00300000”のアドレス範囲でも、“0x2222”が初期値として設定され、ECCブロック単位に同じ暗号鍵(96ビット)が擬似乱数系列でスクランブルされて記録される。
第1の副情報重畳部256は、変調主情報のフレーム単位の同期符号のうち、セクタ内の第4、8、12、16、20、24フレームの同期符号を、スクランブル部255から入力される第1の副情報のビット値に応じて改変することによって第1の副情報を記録する。
以上の構成によって、暗号化されたコンテンツ情報が主情報として記録された光ディスク原盤(スタンパ257)が製造される。また、スタンパ257には、スタンパ固有情報が示すアドレス位置で、当該アドレス位置に対応する初期値をプリセットすることによって発生させた擬似乱数系列によって暗号鍵情報をスクランブルして、スクランブルした暗号鍵情報のビット値に応じて変調主情報の同期符号パターンを改変することによって第1の副情報が記録される。
以上のようにして製造された光ディスク原盤に基づいて作成されたスタンパ257から転写複製して複数の光ディスク258が作成される。そして、第2の副情報記録処理部162は、光ディスク1枚毎に異なる第2の副情報を光ディスク258に記録する。
第2の副情報記録処理部162は、スタンパ257から転写複製された光ディスク258に、光ディスク毎に異なる第2の副情報を記録する。第2の副情報記録処理部162は、乱数発生部259、テーブルノード選択部260、暗号化部261、第2の副情報生成部263及び第2の副情報記録部264によって構成される。
乱数発生部259は、日時情報を用いて乱数値を発生させる。発生した乱数はテーブルノード選択部260に出力される。
テーブルノード選択部260は、発生した乱数に基づいて、スタンパ固有情報の中から少なくとも1組のアドレス情報と初期値情報との組み合わせを選択する。本実施の形態2では、スタンパ固有情報は、図15のように全12通りの組み合わせが記載されているテーブル情報であり、図15に示すスタンパ固有情報の中から(2)−(b)が選択されている。なお、選択される情報は、スタンパ固有情報が光ディスクに記録されない場合、アドレス情報と初期値情報との組み合わせであり、スタンパ固有情報が光ディスクに記録される場合、スタンパ固有情報に含まれるテーブル情報のポインタ情報である。
暗号化部261は、テーブルノード選択部260で選択された少なくとも1組のアドレス情報と初期値情報との組み合わせを示す情報を、内部に秘密に保持する暗号鍵Km262で暗号化する。暗号化部261は、暗号化した情報を第2の副情報生成部263に出力する。
第2の副情報生成部263では、暗号化部261から入力される暗号化された少なくとも1組のアドレス情報と初期値情報との組み合わせを示す情報をバーコード変調して、第2の副情報を生成する。生成された第2の副情報は第2の副情報記録部264に出力される。
第2の副情報記録部264は、バーコード変調された第2の副情報に従って、光ディスク258の内周部分にYaGレーザ光などの高出力レーザ光を照射して反射膜を除去し、光ディスク258の径方向に長いバーコードマークを形成することによって、第2の副情報を記録する。
以上の構成によれば、主情報と第1の副情報とは凹凸記録マークとしてスタンパ257に記録される。そして、スタンパ257から転写複製されることによって作成される複数の光ディスク258の1枚毎に異なる第2の副情報が生成されて、第2の副情報が、光ディスク258の内周部分にバーコードマークとして記録される。これによって、主情報、第1の副情報及び第2の副情報が記録された光ディスク258が作成される。
また、本実施の形態2の第1の副情報は、スタンパ毎に共通のスタンパ固有情報に基づいて暗号化されたコンテンツ情報を再生するために必要な暗号鍵をスクランブルした情報である。
本実施の形態2のスタンパ固有情報は、暗号鍵をスクランブルして記録するためのアドレス情報と、スクランブルするために必要な擬似乱数系列を発生させるための初期値情報との複数の組み合わせがテーブル形式で記載された情報である。
また、本実施の形態2の第2の副情報は、テーブル形式のスタンパ固有情報に含まれるアドレス情報と初期値情報との複数の組み合わせの中から、媒体毎に異なる情報として、無作為に選択した1組のアドレス情報と初期値情報とを示す情報である。
よって、光ディスクから暗号化されたコンテンツ情報を再生する場合、暗号鍵を抽出するために第1の副情報を再生する必要がある。また、第1の副情報を再生するためには、第2の副情報であるアドレス情報と初期値情報とが必要になる。従って、第1の副情報及び第2の副情報のいずれも再生しない情報再生装置を製造したとしても、コンテンツ情報を再生することはできない。
また、本実施の形態2では、光ディスク毎に異なる第1の副情報を読み出すためのアドレス情報と初期値情報とが第2の副情報として記録され、第1の副情報の読み出しは、たとえ同一のスタンパで作成された光ディスクであっても、異ならしめることが可能となる。これにより、暗号鍵を不正に検出しようとする悪意ある第3者からのアタックに対する耐性を向上させることができ、結果、情報記録媒体に記録されているコンテンツ情報の著作権の保護を強化することが可能となる。
図17は、本発明の実施の形態2の第2の副情報のデータ構造の一例を示す図である。
本実施の形態2の第2の副情報も、実施の形態1で説明した第2の副情報と同様に、光ディスクの内周部分の反射膜を除去することによって、バーコードマークとしてBCAに記録される。
本実施の形態2でも、図10で説明したデータ構造と同様に、BCAには、同期符号SB207とBCAプリアンブル206とが記録される。
また、BCAには、128ビットの暗号化されたディスク識別情報271と、暗号化されたディスク識別情報のエラー訂正のための128ビットのパリティビット272とが記録されている。しかしながら、上述したように、本実施の形態2では、ディスク識別情報は必ずしも必要ではない。
また、BCAには、スタンパ固有情報から無作為に選択されるとともに暗号化された開始アドレス273と、スタンパ固有情報から無作為に選択されるとともに暗号化された終了アドレス274と、スタンパ固有情報から無作為に選択されるとともに暗号化された初期値(キー)275とが第2の副情報として記録されている。さらに、BCAには、アドレス情報(暗号化開始アドレス及び暗号化終了アドレス)及び初期値のエラー訂正のためのパリティビット276が記録されている。
なお、図17では、第1の副情報を読み出すためのアドレス情報及び初期値を第2の副情報として記録しているが、本発明は特にこれに限定されない。スタンパ固有情報が光ディスクに記録される場合、スタンパ固有情報の中から選択された1組のアドレス情報と初期値との組み合わせを示すポインタ情報と、ポインタ情報のパリティビットとが記録されてもよい。この場合には、テーブル情報を含むスタンパ固有情報を暗号化して、暗号化したスタンパ固有情報を含む主情報を記録することが必要である。
このようにポインタ情報が記録された場合の再生方法は、まず、ユーザデータ領域からスタンパ固有情報が読み出され、第2の副情報からポインタ情報が読み出され、スタンパ固有情報の中からポインタ情報が示しているアドレス情報と初期値情報とが抽出される。そして、抽出されたアドレス情報と初期値情報とを使用して、第1の副情報が再生される。第2の副情報がポインタ情報である場合にも、光ディスク毎に異なるポインタ情報を指定することが可能となる。この場合にも光ディスク毎に異なる領域から、第1の副情報を読み出すことができる。
図18は、図16の製造装置によって作成された光ディスクからコンテンツ情報を再生する情報再生装置の特徴的な構成を示すブロック図である。
情報再生装置は、主情報と第1の副情報と第2の副情報とが記録された光ディスク281からコンテンツ情報を再生する。情報再生装置は、第2の副情報再生部282、復号化部283、第1の副情報再生部285、データ変換部286、主情報再生部287及び復号化部288によって構成される。
第2の副情報再生部282は、光ディスク281の内周部分のバーコードマークにレーザ光を照射し、バーコードマークからの反射光の強度(反射率の変化)に基づいて、バーコード情報を読み出すことによって、第2の副情報を再生する。
なお、バーコードマークの記録帯域は、主情報が記録された凹凸記録マークの記録帯域から十分に離れている。理想的には、バーコードマークの記録帯域は、凹凸記録マークの一番低い記録帯域の2分の1以下であることが望ましい。この場合、凹凸記録マークの最も低い記録帯域よりも高い記録帯域の通過を制限する低域通過フィルタ(ローパスフィルタ又は広域遮断フィルタ)を情報再生装置に設けることにより、凹凸記録マークの記録帯域を遮断する。これによって、バーコードマークの信号帯域を安定に抽出でき、バーコードマークを安定に再生することができる。
復号化部283は、バーコードマークから再生された第2の副情報を内部に秘密に保持している暗号鍵Km284によって復号化して、第1の副情報を読み出すためのアドレス情報と初期値情報(キー)とを再生する。なお、復号化部283は、図16の暗号化部261で行う暗号化に対応した復号化を行う。第2の副情報を復号化して得たアドレス情報は、第1の副情報再生部285に出力され、初期値情報(キー)は、データ変換部286に出力される。
第1の副情報再生部285は、凹凸記録マークにレーザ光を照射し、凹凸記録マークからの反射光の強度に基づいて凹凸記録マークを再生し、復号化部283によって抽出されたアドレス情報によって特定される光ディスク281のアドレスにアクセスする。そして、第1の副情報再生部285は、一定間隔毎に付与されている同期符号のうち、セクタ内の第4、8、12、16、20、24フレームの同期符号が“SY8”に改変されている場合には、第1の副情報のビット値として“1”を抽出し、同期符号が改変されていない場合には、第1の副情報のビット値として“0”を抽出する。第1の副情報再生部285は、抽出したビット値をデータ変換部286に出力する。すなわち、セクタ単位で6ビット、ECCブロック単位で96ビットの第1の副情報が再生されて、データ変換部286に出力される。
データ変換部286は、図16の擬似乱数系列発生部254とスクランブル部255とに対応する部分であり、擬似乱数系列発生部254と同様のシフトレジスタによって構成される擬似乱数系列発生器を有する。データ変換部286は、第1の副情報が検出されるセクタの先頭位置で入力される初期値情報(キー)をシフトレジスタにプリセットして、フレーム単位に1ビットの擬似乱数系列を生成する。また、データ変換部286は、生成した擬似乱数系列と、1ビットずつ再生される第1の副情報との排他的論理和を算出することによって、スクランブル部255におけるスクランブル処理に対応したデスクランブル処理を実施して、第1の副情報から暗号鍵を生成する。本実施の形態2では、ECCブロック単位に96ビットの第1の副情報が繰り返し重畳して記録されている。そのため、第2の副情報で指定された開始アドレスから終了アドレスまでの区間のいずれかのECCブロックで96ビットの暗号鍵を再生することができる。
主情報再生部287は、光ディスク281の反射膜にレーザ光を照射し、反射膜からの反射光に基づいて凹凸記録マークを検出することにより、主情報(暗号化コンテンツ情報)を再生する。再生した主情報は、復号化部288に出力される。
復号化部288は、主情報再生部287から入力される主情報を、データ変換部286によって生成された暗号鍵によって復号化することによってコンテンツ情報を再生する。
以上の構成により、情報再生装置は、第2の副情報として記録されている光ディスク毎に異なるアドレス情報と初期値情報とによって、第1の副情報を光ディスク毎に異なる位置から生成する。そして、情報再生装置は、第1の副情報から暗号化されたコンテンツ情報の再生に必要な暗号鍵を生成して、光ディスク281に記録されているコンテンツ情報を再生する。
また、本実施の形態2において、第2の副情報として記録されるアドレス情報と初期値情報とは、スタンパ毎に共通のスタンパ固有情報から選択されており、第1の副情報は、スタンパ固有情報に応じてスクランブルされて記録されている。したがって、第2の副情報としてスタンパ固有情報の中から光ディスク毎に異なるアドレス情報と初期値情報との組み合わせが選択されたとしても、光ディスク毎に異なる記録位置から第2の副情報を生成することによって第1の副情報を再生することができる。
なお、本実施の形態2では、第1の副情報を再生するためのアドレス情報と初期値情報との組み合わせを第2の副情報として説明したが、これは、スタンパ固有情報であるテーブル情報を光ディスクに記録しない場合に相当する。スタンパ固有情報であるテーブル情報を光ディスクに記録する場合には、スタンパ固有情報のポインタ情報が第2の副情報として記録され、スタンパ固有情報は主情報の一部として記録される。
従って、スタンパ固有情報であるテーブル情報を光ディスクに記録する場合、情報再生装置は、第1の副情報を読み出す前に、ユーザデータ領域からスタンパ固有情報であるテーブル情報を読み出し、第2の副情報からスタンパ固有情報へのポインタ情報を再生する。これにより、ポインタ情報の示すアドレス位置と初期値とに基づいて第1の副情報を再生することが可能となり、スタンパ固有情報であるテーブル情報を光ディスクに記録しない場合と同様の効果が得られる。
また、スタンパ固有情報であるテーブル情報を光ディスクに記録する場合、スタンパ固有情報をユーザデータ領域に記録することが必要であるが、記録情報量に限りのある第2の副情報の情報量を大幅に削減することができる。
また、スタンパ固有情報は、ユーザデータ領域ではなく、第1の副情報と同様に同期符号の改変によって光ディスク原盤(スタンパ)に記録してもよい。すなわち、スタンパ固有情報は、第1の副情報と同様に、主情報に重畳して記録してもよい。
以上のように、本実施の形態2の情報記録媒体は、暗号化されたコンテンツ情報と、第1の副情報とを記録したスタンパから転写複製され、転写複製された複数の情報記録媒体毎に異なる第2の副情報として、スタンパことに共通のスタンパ固有情報の中から第1の副情報を再生するためのアドレス情報と初期値情報との組み合わせを選択して記録する。よって、たとえ同一のスタンパによって記録されている光ディスクであっても、第1の副情報の読み出し位置は、光ディスク毎に異なる。そのため、第1の副情報として記録している、コンテンツ情報を再生するための暗号鍵を悪意ある第3者が解析する際の困難度は極めて高くなる。従って、記録されているデジタル著作物の著作権の保護を強化することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態3の情報記録媒体、情報記録装置及び情報再生装置に用いられるスタンパ固有情報は、実施の形態2と同様に、アドレス情報と初期値情報との複数の組み合わせを有するテーブル情報である。第1の副情報は、スタンパ固有情報に記載されているアドレス位置に初期値情報をプリセットして発生させる擬似乱数系列によってスクランブルされて記録される。また、第2の副情報は、スタンパ固有情報のテーブルの中から無作為に少なくとも1組のアドレス情報と初期値情報とを選択して記録される。
ただし、本実施の形態3は、実施の形態2に対して、下記の点で異なる。
第1に、本実施の形態3のスタンパ固有情報は、アドレス情報と初期値情報との組み合わせを表すテーブル情報(以下、第1のテーブル情報とする)に加えて、各テーブルノードを暗号化するための暗号鍵を表す暗号鍵テーブル情報(以下、第2のテーブル情報とする)をさらに有している。
第2に、第1の副情報は、スタンパ固有情報のアドレス情報と初期値情報とが記載された第1のテーブル情報のテーブルノード毎に、スタンパ固有情報の第2のテーブル情報の対応する暗号鍵で暗号化された後、主情報の一部として光ディスク原盤(スタンパ)に凹凸記録マークにより記録されている。
第3に、第2の副情報は、スタンパ固有情報へのポインタ情報だけでなく、スタンパ固有情報に含まれる第2のテーブル情報の対応する暗号鍵を抽出して、ポインタ情報に暗号鍵が付与されて生成される。
図19は、本発明の実施の形態3のスタンパ固有情報のデータフォーマットの一例を示す概念図である。図19(A)は、アドレス情報と初期値情報との組み合わせを表す第1のテーブル情報を示す図であり、図19(B)は、各テーブルノードを暗号化するための暗号鍵を表す第2のテーブル情報を示す図である。
本実施の形態3のスタンパ固有情報は、図15で説明したスタンパ固有情報とは異なり、アドレス情報と初期値情報との組み合わせを表す第1のテーブル情報に加え、各テーブルノードを暗号化するための暗号鍵を表す第2のテーブル情報(暗号鍵テーブル情報)を含む。
また、スタンパ固有情報は、暗号化されて主情報の一部として光ディスク原盤(スタンパ)に記録される。また、スタンパ固有情報は、アドレス情報と初期値情報との組み合わせを表す第1のテーブル情報のテーブルノード毎に異なる暗号鍵で暗号化される。第1のテーブル情報の各テーブルノードは、当該テーブルノードに対応付けて記憶されている第2のテーブル情報の鍵情報により暗号化される。
例えば、図19(A)の第1のテーブル情報の(1)−(a)のテーブルノードでは、記録開始アドレス“0x00100000”、記録終了アドレス“0x00200000”及び初期値“0x1111”という情報が、図19(B)の第2のテーブル情報の(1)−(a)のテーブルノードの暗号鍵“キー1”によって暗号化されて記録される。
このように、本実施の形態3のスタンパ固有情報は、アドレス情報と初期値情報との組み合わせを表す第1のテーブル情報と、第1のテーブル情報の各テーブルノードを暗号化するための暗号鍵を表す第2のテーブル情報とで構成される。第1のテーブル情報の各テーブルノードは、第2のテーブル情報に記載された、各テーブルノード対応する暗号鍵によって暗号化され、主情報の一部として記録される。
なお、本実施の形態3において、スタンパ固有情報のうち、暗号化された第1のテーブル情報のみが主情報の一部として記録され、スタンパ固有情報の第2のテーブル情報は、主情報の一部として記録されない。
また、本実施の形態3の第2の副情報は、第1のテーブル情報のテーブルノードを示すポインタ情報と、第2のテーブル情報から抽出した、第1のテーブル情報のテーブルノードに対応する暗号鍵情報とを含む。
本実施の形態3はでは、第2の副情報として、第1のテーブル情報から光ディスク毎に無作為に選択するテーブルノードとして図19(A)の(2)−(b)が選択された場合を示している。この場合、第2の副情報において、(2)−(b)というテーブルノードで示される第1のテーブル情報のポインタ情報には、第1のテーブル情報と同一のスタンパ固有情報である第2のテーブル情報から、(2)−(b)のテーブルノードに対応する暗号鍵“キー6”が付与される。
本例における第1の副情報、第2の副情報及び主情報の再生方法では、ユーザデータ領域から暗号化されている、スタンパ固有情報である第1のテーブル情報が読み出される。
また、情報再生装置は、第2の副情報から、スタンパ固有情報のテーブルノード“(2)−(b)”を示すポインタ情報を読み出すとともに、暗号化された第1のテーブル情報のテーブルノード“(2)−(b)”を復号化する為の暗号鍵“キー6”を読み出す。よって、情報再生装置は、主情報の一部として記録されている第1のテーブル情報のテーブルノード“(2)−(b)”を復号することができる。そして、情報再生装置は、第1の副情報を再生するためのアドレス情報と初期値情報とを抽出して、第1の副情報を再生することが可能となる。結果、記録されている暗号化コンテンツ情報の再生が可能となる。
以上の構成によれば、アドレス情報と初期値情報との組み合わせを表す暗号化した第1のテーブル情報を主情報の一部として記録した場合でも、情報再生装置では、第1のテーブル情報の中から、光ディスク毎に固有なテーブルノードしか復号できない構成となり、悪意ある者による解析に対する耐性を向上させることができる。
また、光ディスクは、第2の副情報としてスタンパ固有情報へのポインタ情報に加え、当該ポインタ情報によって特定されるテーブルノードに対応する暗号鍵情報を記録している。そのため、情報再生装置は、第1のテーブル情報の全テーブルノードに対して復号化をトライするのではなく、光ディスク毎に固有に指定されたテーブルノードのみを復号化すればよいので、第1の副情報へのアクセス時間が軽減できる。
図20は、本発明の実施の形態3の情報記録媒体を製造する製造装置の特徴的な構成を示すブロック図である。本実施の形態3における製造装置は、実施の形態2の図16で説明した製造装置の改良であり、同一の動作をするブロックには同じ符号をつけて、本実施の形態3での詳細な説明を省略する。
本実施の形態3の情報記録媒体を製造する製造装置は、スタンパ固有情報を主情報の一部として光ディスク原盤(スタンパ257)に記録するスタンパ固有情報記録部290をさらに有している。なお、本実施の形態3のスタンパ固有情報は、図19(A)及び図19(B)で説明したように、第1の副情報を記録するために用いられる第1のテーブル情報と第2のテーブル情報とを含む情報である。
スタンパ固有情報記録部290は、光ディスク原盤(スタンパ257)にスタンパ固有情報を記録する。スタンパ固有情報記録部290は、テーブルノード暗号化部291及び主情報記録部292から構成される。
テーブルノード暗号化部291は、スタンパ固有情報に含まれる第1のテーブル情報(図19(A))と第2のテーブル情報(図19(B))とが入力され、第1のテーブル情報の各テーブルノードを、各テーブルノードに対応する第2のテーブル情報の暗号鍵で暗号化することによって、暗号化された第1のテーブル情報を生成する。テーブルノード暗号化部291は、生成した暗号化第1のテーブル情報を主情報記録部292に出力する。すなわち、図19(A)における第1のテーブル情報の(1)−(a)のテーブルノードは、図19(B)における第2のテーブル情報の(1)−(a)の暗号鍵で暗号化され、同様に全12のテーブルノードがそれぞれ異なる暗号鍵で暗号化される。
主情報記録部292は、テーブルノード暗号化部291から入力される暗号化された第1のテーブル情報を主情報の一部として光ディスク原盤(スタンパ257)に記録する。主情報記録部292は、暗号化された第1のテーブル情報に変調部252と同様の変調を施す。そして、主情報記録部292は、変調された情報に基づいて、レーザ光を光ディスク原盤に照射して凹凸記録マークを形成することによって、暗号化された第1のテーブル情報を記録する。
なお、第1のテーブル情報は、主情報のアドレス情報に基づいてあらかじめ決められたアドレス位置に記録される。また、主情報記録部292における第1のテーブル情報を変調するための変調フォーマットは、変調部252におけるコンテンツ情報を変調するための変調フォーマットと異なる変調フォーマットでもよい。この場合、主情報記録部292における変調方式を知らない場合、第1のテーブル情報を再生することができなくなり、セキュリティが向上する。
また、情報記録媒体を製造する製造装置における第2の副情報記録処理部163のテーブルノード選択部293は、図16で説明したテーブルノード選択部260とは異なり、スタンパ固有情報である第1のテーブル情報及び第2のテーブル情報が入力され、第1のテーブル情報の中から無作為に1のテーブルノードを選択するとともに、選択したテーブルノードに対応する暗号鍵情報を第2のテーブル情報の中から選択する。そして、テーブルノード選択部293は、選択したポインタ情報と、選択した暗号鍵情報とを暗号化部261に出力する。暗号化部261は、テーブルノード選択部293によって選択されたポインタ情報及び暗号鍵情報を暗号化し、第2の副情報生成部263は、暗号化されたポインタ情報及び暗号鍵情報をバーコード変調することにより、第2の副情報を生成する。
図21は、図20の製造装置によって作成された光ディスクからコンテンツ情報を再生する情報再生装置の特徴的な構成を示すブロック図である。本実施の形態3における情報再生装置は、実施の形態2の図18で説明した情報再生装置の改良であり、同一の動作をするブロックには同じ符号をつけて、本実施の形態3での詳細な説明を省略する。
本実施の形態3の情報再生装置は、図18の情報再生装置に比べ、テーブルノード復号化部289を有している点で異なる。
復号化部283は、第2の副情報再生部282によって再生された第2の副情報を復号化し、スタンパ固有情報のポインタ情報と暗号鍵情報とを抽出し、抽出したポインタ情報と暗号鍵情報とをテーブルノード復号化部289に出力する。
また、情報再生装置の主情報再生部287は、あらかじめ定められたアドレス位置から暗号化された第1のテーブル情報を再生して、再生した暗号化された第1のテーブル情報をテーブルノード復号化部289に出力する。
テーブルノード復号化部289は、第2の副情報を再生して得たポインタ情報に基づいて暗号化された第1のテーブル情報のテーブルノードを選択して、第2の副情報を再生して得た暗号鍵情報にて選択したテーブルノードを復号化することによって、第1の副情報を再生するためのアドレス情報と初期値情報とを抽出する。
第1の副情報再生部285は、テーブルノード復号化部289によって抽出されたアドレス情報に基づいて光ディスク281にアクセスして、第1の副情報を再生する。データ変換部286は、テーブルノード復号化部289によって抽出された初期値情報に基づいて発生させた擬似乱数系列によって、第1の副情報をデスクランブルして、第1の副情報からコンテンツ情報を再生するために必要な暗号鍵情報を抽出する。復号化部288は、データ変換部286によって抽出された暗号鍵情報を用いて、暗号化されたコンテンツ情報を再生する。
以上の構成によれば、実施の形態2と同様に、スタンパから転写複製されて作成されるROM型情報記録媒体(光ディスク)であったとしても、光ディスクに固有の第2の副情報を光ディスクに記録することによって、光ディスク毎に異なる記録位置から第1の副情報を再生することができる。
また、本実施の形態3では、第2の副情報としてポインタ情報及び暗号鍵情報のみが記録されるので、アドレス情報及び初期値情報をそのまま第2の副情報として記録する場合に比べて、情報量の制限された第2の副情報を効率的に記録することができる。
また、本実施の形態3では、第1のテーブル情報はコンテンツ情報と共に主情報として記録されるが、光ディスクは、第1のテーブル情報の全てのテーブルノードを復号するための暗号鍵情報を持たず、情報再生装置は、第2の副情報で指定されたテーブルノードのみを再生することができ、第1のテーブル情報を解析しようとする悪意ある者からのアタックに対する耐性を向上させることが可能となる。
また、第2の副情報は、アドレス情報と初期値情報との組み合わせを表す第1のテーブル情報のポインタ情報を含むので、情報再生装置は、第1のテーブル情報の全てのテーブルノードを、第2の副情報で指定された暗号鍵で復号できるか否かの確認を行わなくてもよい。そのため、第1の副情報の再生時間を短縮することが可能となる。
なお、実施の形態1及び実施の形態2では、第1の副情報の記録方法として、フレーム毎に付与する同期符号のパターンを改変する方法について説明したが、本発明は特にこれに限られない。第1の副情報は、スタンパ毎に共通に記録できて、かつ、主情報を示す通常の再生データには存在しない方法で記録することが重要である。例えば、凹凸記録マークをタンジェンシャル方向又はラジアル方向に微小に変形させたり、凹凸記録マークをタンジェンシャル方向又はラジアル方向に微小に変位させたりして記録する方法がある(例えば、特開2001―357533公報参照)。
これらの場合にも、第1の副情報は、通常の主情報の再生信号には現れず、再生信号をそのままコピーしたとしても第1の副情報は複製されることはない。また、ラジアル方向に凹凸記録マークを変位させた場合には、第1の副情報は凹凸記録マークの径方向の揺らぎとして観測され、タンジェンシャル方向に凹凸記録マークを変位させた場合、すなわち、タンジェンシャル方向に凹凸記録マークのエッジをシフトさせた場合には、第1の副情報はジッタとして観測される。そのため、信号検出又は電子顕微鏡による観察でも第1の副情報の存在を確認することが困難となり、暗号鍵を表す第1の副情報のセキュリティは格段に向上する。
このように、凹凸記録マークの位置をタンジェンシャル方向又はラジアル方向に変化させること、又は凹凸記録マークの形状をタンジェンシャル方向又はラジアル方向に変形させることにより、第1の副情報を記録する場合にも、同期符号のパターンを改変することによって第1の副情報を記録する場合と同様に、暗号鍵情報と擬似乱数系列との排他的論理和を算出することによって暗号鍵がスクランブルされて記録される。実施の形態1及び実施の形態2で説明したように同期符号のパターンを改変することと、凹凸記録マークのエッジを微小量シフトさせること、すなわち凹凸記録マークを変形させることと、凹凸記録マークをラジアル方向に微小量変位させることとは、スクランブルした暗号鍵をどのように記録するかの違いである。したがって、これらの記録方法は全て本発明の範疇である。
なお、実施の形態1及び実施の形態2では、光ディスクの内周部分の反射膜を除去して当該反射膜の反射率を変化させることによって形成したバーコードマークを用いて第2の副情報を記録する方法について説明しているがこれに限られない。第2の副情報の記録方法は、スタンパから転写して金属膜などの反射膜を形成して作成される光ディスク毎に固有の情報を記録できる方法であればどのような方法であってもかまわない。
例えば、特開2008−269763公報に開示されているように、凹凸記録マークにトラッキングしながら記録レベルのレーザ光を照射することによって、凹凸記録マーク上の反射膜の反射率を変化させた反射率マークを形成することによって、第2の副情報を記録してもよい。従って、本発明における第2の副情報の記録方法は、スタンパによって凹凸記録マークを転写複製した後、反射膜を形成して作成される光ディスクに対して、レーザ光を照射して反射膜の反射率を変化させることで、媒体毎に固有の情報を記録する方法であってもよい。このような第2の副情報の記録方法も本発明の範疇である。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4に係る情報記録媒体、情報記録装置及び情報再生装置について詳細に説明する。
本実施の形態4は、暗号化されたコンテンツ情報を復号化するための暗号鍵が第1の副情報として記録されている点、及び、第1の副情報が、スタンパへの記録時(光ディスク原盤の作成時)に主情報に重畳されて記録されている点は、前述の実施の形態1〜3と共通である。
ただし、本実施の形態4は、ディスク識別情報及びスタンパ固有情報がともに第2の副情報として、光ディスクの成形後に記録される点、第1の副情報が、スタンパに記録される凹凸記録マークのマークエッジの位相変位によって記録される点、及び、第2の副情報が、光ディスクの成型後、凹凸記録マーク上の反射膜にレーザ光を照射して反射膜の反射率を変化させることによって記録されている点が、前述の実施の形態1〜3と異なる。
図22は、本発明の実施の形態4における情報記録再生システムの構成を示すブロック図である。
本実施の形態4における情報記録再生システムは、光ディスクの原盤(スタンパ41’)を作成するマスタリング装置42と、マスタリング装置42で作成したスタンパ41’から転写して反射膜を蒸着した光ディスク41に対してディスク識別情報とスタンパ固有情報とを記録する情報記録装置43と、暗号化されたコンテンツ情報が記録された光ディスク41を再生する情報再生装置44とから構成される。
マスタリング装置42は、凹凸記録マークを形成することにより、暗号化されたコンテンツ情報(主情報)と暗号化された副情報管理情報とを記録するとともに、凹凸記録マークのマークエッジの位相を変位させることにより、暗号化されたコンテンツ情報を復号化するための暗号鍵を第1の副情報として記録する。
マスタリング装置42は、コンテンツ暗号化部45、主情報記録部46、副情報管理情報暗号化部47、副情報管理情報記録部48、スクランブル部49及び第1の副情報記録部50を備える。
コンテンツ暗号化部45は、DES(Data Encryption Standard)又はAES(Advanced Encryption Standard)などの共通鍵アルゴリズムに基づいて、スタンパ41’に記録されるコンテンツ情報を、入力される暗号鍵を用いて暗号化する。
主情報記録部46は、コンテンツ暗号化部45によって暗号化されたコンテンツ情報を主情報として、スタンパ41’のユーザデータ領域71’(光ディスク41のユーザデータ領域71)に記録する。主情報記録部46は、記録する光ディスク41のフォーマットに応じて、暗号化されたコンテンツ情報をエラー訂正符号化し、暗号化されたコンテンツ情報を変調し、暗号化されたコンテンツ情報にアドレスを付与する。そして、主情報記録部46は、変調した信号に応じて、光ディスク原盤(スタンパ41’)にレーザ光を照射することによって、凹凸記録マークを光ディスク原盤(スタンパ41’)に形成する。これにより、主情報がスタンパ41’に記録される。
副情報管理情報暗号化部47は、コンテンツ情報と同様に、副情報管理情報を暗号化する。副情報管理情報記録部48は、副情報管理情報暗号化部47によって暗号化された副情報管理情報をスタンパ41’のリードイン(Lead−In)領域72’(光ディスク41のリードイン領域72)に記録する。
ただし、副情報管理情報の暗号化は、コンテンツ情報を暗号化するための暗号鍵とは異なる秘密鍵で暗号化される。また、コンテンツ情報を暗号化するアルゴリズムと副情報管理情報を暗号化するアルゴリズムとは、同じであっても、異なってもかまわない。また、コンテンツ情報を暗号化する暗号鍵は、スタンパ毎に共通の鍵情報であるのに対して、副情報管理情報を暗号化するための秘密鍵は、全てのスタンパで共通の鍵情報である。また、副情報管理情報は、光ディスクの内周部分のコントロールデータ領域であるリードイン領域72に記録される。
図23は、本発明の実施の形態4に係る副情報管理情報の一例を示す図である。本実施の形態4に係る副情報管理情報370は、第2の副情報として記録するディスク識別情報をスクランブルするためのスクランブル初期値371と、ディスク識別情報の記録位置を表す記録アドレス372と、第2の副情報として記録するスタンパ固有情報の記録位置を表す記録アドレス373と、第1の副情報として記録される暗号鍵情報の記録位置を表す記録アドレス374とを含む。
副情報管理情報370は、スクランブル初期値371、ディスク識別情報の記録アドレス372、スタンパ固有情報の記録アドレス373及び暗号鍵情報の記録アドレス374を1セットの副情報ブロック情報375として含む。副情報管理情報370は、光ディスクに記録される回数分だけ副情報ブロック情報375を記載しているテーブル情報である。本実施の形態4では、光ディスクの内周部分のコントロールデータ領域であるリードイン領域に、同一内容のディスク識別情報、スタンパ固有情報及び暗号鍵情報のセットが冗長的に2回、異なるアドレスに記録される。そのため、この場合は、副情報管理情報370には、2つの副情報ブロック情報375が記載されている。
次に、スクランブル部49は、ユーザデータ領域に記録される暗号化されたコンテンツ情報を復号化するための暗号鍵情報を、スタンパ固有情報に基づいた初期値をプリセットして発生させる擬似乱数系列によってスクランブルする。第1の副情報記録部50は、スクランブル部49によってスクランブルされた暗号鍵情報を第1の副情報としてスタンパ41’の第1の副情報記録領域73’(光ディスク41の第1の副情報記録領域73)に記録する。
本実施の形態4の第1の副情報記録部50は、主情報の記録動作中に、記録する主情報のアドレスが副情報管理情報の暗号鍵情報の記録アドレス374に到達したとき、擬似乱数系列でスクランブルされたスクランブル暗号鍵情報のビット値に応じて、主情報を記録する記録マークエッジを意図的に進ませる、あるいは遅らせることによって記録マークエッジの位相変調を行って、第1の副情報を記録する。
次に、情報記録装置43について説明する。情報記録装置43は、マスタリング装置42によって製造されたスタンパ41’から転写されて作成された光ディスク毎に、ディスク識別情報とスタンパ固有情報とを第2の副情報として記録する。
なお、本実施の形態4における情報記録再生システムは、マスタリング装置42によって作成されたスタンパ41’から光ディスク41を複製するデュプリケーション装置を備えるが、図22では省略している。
情報記録装置43は、スクランブル部51、媒体識別情報記録部52、スクランブル部53及び媒体固有情報記録部54を備える。
スクランブル部51は、副情報管理情報に記載されているディスク識別情報のスクランブル初期値371を擬似乱数系列発生器にプリセットして発生させた擬似乱数系列を用いて、記録するディスク識別情報をスクランブルする。なお、擬似乱数系列発生器は、スクランブル部51に内蔵されている。
媒体識別情報記録部52は、副情報管理情報に記載されたディスク識別情報の記録アドレス372に基づいて、光ディスク41にアクセスし、アクセスした記録アドレス372からスクランブルされたディスク識別情報を記録する。媒体識別情報記録部52は、スクランブルされたディスク識別情報のビット値に応じて、強度を変化させたレーザ光を光ディスク41に照射し、凹凸記録マーク上の反射膜の反射率を変化させることによって、スクランブルされたディスク識別情報を第2の副情報として光ディスク41に追記する。
スクランブル部53は、ディスク識別情報を初期値として擬似乱数系列発生器にプリセットして発生させた擬似乱数系列を用いて、スタンパ固有情報をスクランブルする。なお、擬似乱数系列発生器は、スクランブル部53に内蔵されている。
媒体固有情報記録部54は、副情報管理情報に記載されたスタンパ固有情報の記録アドレス373に基づいて、光ディスク41にアクセスし、アクセスした記録アドレス373からスクランブルされたスタンパ固有情報を記録する。媒体識別情報記録部52は、スクランブルされたスタンパ固有情報のビット値に応じて、強度を変化させたレーザ光を光ディスク41に照射し、凹凸記録マーク上の反射膜の反射率を変化させることによって、スクランブルされたスタンパ固有情報を第2の副情報として光ディスク41に追記する。
次に、本実施の形態4において、光ディスク41からコンテンツ情報を再生する情報再生装置44について説明する。
情報再生装置44は、副情報管理情報再生部55、副情報管理情報復号化部56、媒体識別情報再生部57、デスクランブル部58、媒体固有情報再生部59、デスクランブル部60、第1の副情報再生部61、デスクランブル部62、主情報再生部63及び復号化部64を備える。
副情報管理情報再生部55は、光ディスク41の再生起動後、光ディスク41の内周部分のコントロールデータ領域であるリードイン領域72にアクセスして、凹凸記録マーク上にレーザ光を照射し、凹凸記録マークに対応する反射膜からの反射光の強度の変化に基づいて、暗号化された副情報管理情報を再生する。
副情報管理情報復号化部56は、情報再生装置44の中に秘密に持っている秘密鍵を用いて、暗号化された副情報管理情報を復号化する。秘密鍵は、情報再生装置44を構成するLSI(Large Scale Integration)の内部に埋め込むなど、外部から観測されない形態で隠し持っている。なお、副情報管理情報復号化部56で用いられる秘密鍵は、マスタリング装置42の副情報管理情報暗号化部47で用いられる秘密鍵と同じである。
媒体識別情報再生部57は、副情報管理情報復号化部56によって副情報管理情報が復号化されると、復号化された副情報管理情報を参照して、副情報管理情報に記載されているディスク識別情報の記録アドレス372にアクセスする。媒体識別情報再生部57は、光ディスク41にレーザ光を照射し、反射膜の反射率を変化させていることによる反射光の強度の変化を観測することによって、スクランブルされたディスク識別情報(第2の副情報)を再生する。なお、反射膜の反射率を変化させていることによる反射光の強度の変化は、凹凸記録マークによる反射光レベルの変動に対して小さい。
デスクランブル部58は、副情報管理情報復号化部56によって復号化された副情報管理情報に記載されているディスク識別情報のスクランブル初期値371を擬似乱数系列発生器にプリセットして発生させた擬似乱数系列を用いて、媒体識別情報再生部57によって再生されたスクランブルされたディスク識別情報をデスクランブルして、ディスク識別情報を抽出する。なお、擬似乱数系列発生器は、デスクランブル部58に内蔵されている。
媒体固有情報再生部59は、復号化された副情報管理情報を参照して、副情報管理情報に記載されているスタンパ固有情報の記録アドレス373にアクセスする。媒体固有情報再生部59は、光ディスク41にレーザ光を照射し、反射膜の反射率を変化させていることによる反射光の強度の変化を観測することによって、スクランブルされたスタンパ固有情報(第2の副情報)を再生する。なお、反射膜の反射率を変化させていることによる反射光の強度の変化は、凹凸記録マークによる反射光レベルの変動に対して小さい。
デスクランブル部60は、デスクランブル部58によって抽出されたディスク識別情報を初期値として擬似乱数系列発生器にプリセットして発生させた擬似乱数系列を用いて、媒体固有情報再生部59によって再生されたスクランブルされたスタンパ固有情報をデスクランブルして、スタンパ固有情報を抽出する。なお、擬似乱数系列発生器は、デスクランブル部60に内蔵されている。
第1の副情報再生部61は、復号化された副情報管理情報を参照して、副情報管理情報に記載されている暗号鍵情報の記録アドレス374にアクセスする。第1の副情報再生部61は、光ディスク41にレーザ光を照射し、凹凸記録マークエッジの位相変位を観測することによって、スクランブルされた暗号鍵情報(第1の副情報)を再生する。
デスクランブル部62は、デスクランブル部60によって抽出されたスクランブル固有情報を初期値として擬似乱数系列発生器にプリセットして発生させた擬似乱数系列を用いて、第1の副情報再生部61によって再生されたスクランブルされた暗号鍵情報をデスクランブルして、暗号鍵情報を抽出する。なお、擬似乱数系列発生器は、デスクランブル部62に内蔵されている。
主情報再生部63は、光ディスク41のユーザデータ領域71に凹凸記録マークで記録されている暗号化されたコンテンツ情報を再生する。復号化部64は、デスクランブル部62によって抽出された暗号鍵情報を用いて、主情報再生部63によって再生された暗号化されたコンテンツ情報を復号化する。これによって、コンテンツ情報が再生される。
以上のようなマスタリング装置42、情報記録装置43及び情報再生装置44を用いることによって、スタンパ41’から複製することによって製造される光ディスク41であっても、追記される光ディスク毎にユニークなディスク識別情報を再生しなければ、暗号化されたコンテンツ情報を復号化するための暗号鍵が再生できない。そのため、記録されるコンテンツ情報の不正な複製に対する耐性が向上し、強固な著作権の保護を行うことによって、光ディスクの健全な流通に貢献することができる。
図24は、本発明の実施の形態4における光ディスクの記録領域を示す概念図であり、図25は、主情報、第1の副情報及び第2の副情報の光ディスクにおける記録フォーマットを示す図である。
図24に示すように、本実施の形態4の光ディスク300は、光ディスク300の内周側のコントロールデータ領域であるリードイン領域301と、ユーザデータ領域302と、光ディスク300の外周側のコントロールデータ領域であるリードアウト(Lead−Out)領域303とで構成される。
リードイン領域301には、主に、光ディスク300の再生に必要なディスク管理情報及び暗号化された副情報管理情報が記録される。ユーザデータ領域302には、主に暗号化されたコンテンツ情報が記録される。リードアウト領域303には、主に光ディスク300の再生に必要なディスク管理情報が記録される。
図25は、本実施の形態4の光ディスク300のリードイン領域301の記録フォーマットである。リードイン領域301には、凹凸記録マークによって記録される主情報、反射膜の反射率変化によって記録される第2の副情報、及び凹凸記録マークのマークエッジの位相変位によって記録される第1の副情報が記録されている。図25の縦軸方向は、光ディスク300の円周方向の記録位置を示しており、図25の上方向が光ディスク300の内周方向、図25の下方向が光ディスク300の外周方向を示している。従って、光ディスク300から情報を再生する際のレーザ光の照射位置は、図25の上方から下方に移動して情報が再生される。
クランプ領域304は、光ディスク300を回転テーブルに移動させる際に固定する部分である。クランプ領域304には、情報は記録されていない。クランプ領域304は、光ディスク300の最内周に位置する。
リードイン領域301の最内周部分には、ディスク管理情報305が、凹凸記録マークによって記録されている。ディスク管理情報305は、光ディスク300の種類を表す種別情報、主情報の記憶容量、及び主情報の最終アドレス位置などを含む。
ディスク管理情報305が記録されている位置より外周側には、暗号化された副情報管理情報306が、凹凸記録マークによって記録されている。副情報管理情報306は、図23に示す内容の情報が暗号化されて記録されている。
また、ディスク管理情報305と副情報管理情報306とは、異なる半径位置に冗長的に複数回(本実施の形態4では例えば2回)記録されている。これにより、例えば、一方のディスク管理情報及び副情報管理情報が指紋、汚れ又は傷などによって読み出し不可能になっても、他方のディスク管理情報及び副情報管理情報を読み出すことができ、システムが破綻することなく堅牢性を保つことができる。
また、リードイン領域301において、一方のディスク管理情報及び副情報管理情報と、他方のディスク管理情報及び副情報管理情報との間には、特に意味を有しないダミー情報が凹凸記録マークで記録されている。なお、本実施の形態4ではダミー情報が記録されているが、本発明は特これに限定されない。ディスク管理情報及び副情報管理情報以外の管理情報、又は不正な装置を排除するための機器無効化情報などを記録してもよい。一方のディスク管理情報及び副情報管理情報と、他方のディスク管理情報及び副情報管理情報との間に記録される情報が、ダミー情報又はダミー情報以外の情報であったとしても、連続して凹凸記録マークが形成されていれば、どのような情報がリードイン領域301に記録されていてもかまわない。
また、副情報管理情報306が記録されている位置より外周側には、スクランブルされたディスク識別情報307が、第2の副情報として記録されている。さらに、ディスク識別情報307が記録されている位置より外周側には、スクランブルされたスタンパ固有情報308が、第2の副情報として記録されている。第2の副情報は、凹凸記録マーク上を被覆する反射膜にレーザ光を照射し、反射膜の反射率を変化させることによって記録される。よって、第2の副情報が記録されている領域(リードイン領域301)には、副情報管理情報と第2の副情報とが記録されている。
なお、本実施の形態4では、第2の副情報をリードイン領域301に記録しているが、本発明は特にこれに限定されず、ユーザデータ領域302又はリードアウト領域303に記録してもよい。
また、スタンパ固有情報308が記録されている位置より外周側には、スクランブルされた暗号鍵情報309が、第1の副情報として記録されている。
本実施の形態4では、暗号化されたコンテンツ情報を復号化するためには、第1の副情報として記録される暗号鍵情報が必要となる。また、暗号鍵情報はスクランブルされているので、暗号鍵情報をデスクランブルするためには、第2の副情報として記録されるスタンパ固有情報が必要となる。同様に、スタンパ固有情報はスクランブルされており、スタンパ固有情報をデスクランブルするためには、ディスク識別情報が必要となる。同様に、ディスク識別情報はスクランブルされているので、ディスク識別情報をデスクランブルするためには、副情報管理情報に記載されているディスク識別情報のスクランブル初期値が必要となる。
従って、本実施の形態4の情報再生装置は、再生時において、副情報管理情報、ディスク識別情報、スタンパ固有情報、及び暗号鍵情報を順に読み出す必要がある。
本実施の形態4の光ディスク300は、図25に示すように、光ディスク300の内周側から順番に副情報管理情報、ディスク識別情報、スタンパ固有情報、及び暗号鍵情報が記録されている。そのため、これらの情報を読み出す際に、光学ヘッドの移動を極力少なくすることができ、高速にアクセスすることが可能となる。
次に、本実施の形態4における第2の副情報の記録形態についてさらに詳細に説明する。
図26は、本発明の実施の形態4に係る光ディスクの構造を示す概念図である。
本実施の形態4に係る光ディスク300は、スタンパから凹凸記録マークMKが転写された光ディスク基板1P、コンテンツ情報などの主情報を記録した凹凸記録マークMK、レーザ照射によって反射率が変化する反射膜1L、及び光ディスク形成後にレーザ照射によって反射膜1Lの反射率を変化させることによって第2の副情報を記録した追記マークSMKで構成される。
光ディスク基板1Pは、例えばポリカーボネート樹脂などによって構成され、スタンパから凹凸記録マークMKが転写される。
凹凸記録マークMKは、スタンパから転写され、主に、光ディスク300に記録されるコンテンツ情報、ディスク管理情報及び副情報管理情報が記録される。また、凹凸記録マークMKは、通常の再生専用メディアであるDVD−ROMやBlu−rayROMと同様に形成され、8−16変調方式又は17pp変調方式などを用いて変調された情報が記録されている。
反射膜1Lは、凹凸記録マークMKが転写された光ディスク基板1P上に蒸着され、一定強度以上のレーザ照射によって反射率が変化する。また、反射膜1Lは、一定強度以上のレーザ照射によって不可逆的に反射率が変化するライトワンス膜で構成される。通常の再生専用メディアでは、反射膜として、アルミニウムや銀材料を用いたものが適用される。また、ライトワンス膜は、一定強度以上のレーザ照射によって反射率が向上するLtoH(Low to High)膜を用いることが望ましい。なぜなら、通常の再生専用メディアの金属反射膜では、一定強度以上のレーザ照射によって、反射率が劣化する。したがって、意図的にLtoH膜を用いることにより、反射率を高くすることによって記録されている追記マークSMKを通常の再生専用メディアへ複写することが困難となる。そのため、追記マークSMKで著作権保護情報などを記録する場合には、不正複製への耐性が劇的に向上する。
光ディスク300は、光ディスク基板1Pに凹凸記録マークMKを転写後、反射膜1Lを蒸着し、保護膜を付与することにより成型される。追記マークSMKは、光ディスク300の成型後、凹凸記録マークMKにトラッキング制御を行い、凹凸記録マークトラックのほぼ真上にレーザ照射を行い、LtoH膜で構成される反射膜1Lの反射率を上げることによって形成される。追記マークSMKによって第2の副情報が記録される。
光ディスク300の内周側のリードイン領域には、レーザ光を照射することによって再生可能な管理情報、著作権情報又は物理特性情報などが記録されている。
これらの管理情報、著作権情報又は物理特性情報を転写して光ディスクを成形した後、レーザ光を照射することによって局所的に反射膜1Lの反射率を変化させる。これにより、追記マークSMKが光ディスク300に形成され、ディスク識別情報及びスタンパ固有情報が第2の副情報として重畳記録される。
図26に示す追記マークSMKは、凹凸記録マークMKが形成されているトラック上にレーザ照射を行うことによって形成されている。また、追記マークSMKを記録することによる反射光レベルの変動は、凹凸記録マークMKの反射光レベルと、凹凸記録マークMK以外のミラー部の反射光レベルとの差の半分以下にすることが好ましい。この場合、凹凸記録マークMKの再生信号のエッジ位置を誤って再生することがなくなるので、凹凸記録マークMKの再生精度に影響を与えない。
また、追記マークSMKの記録帯域は、凹凸記録マークMKの最長マークの記録帯域より低いことが好ましい。これにより、再生時に帯域制限回路(フィルタ)によって、凹凸記録マークに基づく信号と、追記マークに基づく信号とを分離することが可能となり、互いの再生精度を確保することができる。
次に、本実施の形態4における第1の副情報の記録形態についてさらに詳細に説明する。
図26に示すように、スクランブルされた暗号鍵情報を記録する場合において形成された凹凸記録マークMKのトラック方向における2つのエッジそれぞれの位置は、スクランブルされた暗号鍵情報を記録しない場合に形成される凹凸記録マークMKのエッジ位置に対して、一定の微少時間に相当する変位量だけ位相が進んだ(又は遅れた)位置にずれて形成されている。
通常のスクランブルされた暗号鍵情報を記録しない場合に形成される凹凸記録マークMKのエッジ位置も、誤差成分によって微少量進んだ位置や遅れた位置にランダムに形成される。このエッジ位置の揺らぎをジッタという。よって、本実施の形態4の光ディスク300のように第1の副情報を記録したとしても、そのエッジ位置の変位規則がわからない限り、通常のジッタと区別することが不可能であり、発見困難で不正な複製が困難な情報として、第1の副情報を記録することが可能となる。
次に、本実施の形態4において、第2の副情報を記録する第2の副情報記録装置についてさらに詳細に説明する。
図27は、本発明の実施の形態4における第2の副情報記録装置の構成を示すブロック図である。図27に示す第2の副情報記録装置は、主情報が記録されたスタンパから転写して作成した光ディスク300に対して第2の副情報を追記する。なお、第2の副情報記録装置は、図22に示す情報記録装置43に相当する。
第2の副情報記録装置は、光学ヘッド321、再生部322、デジタル信号処理器323、フォーマッタ324、タイミング生成器325、擬似乱数系列発生器326、EOR演算部327、PE変調器328、レーザ強度制御部329及び記録部330を備える。なお、スクランブル部331は、擬似乱数系列発生器326、EOR演算部327及びPE変調器328で構成される。
光学ヘッド321は、光ピックアップであり、回転する光ディスク300上の凹凸記録マークに光ビームを集光し、凹凸記録マークからの反射光に基づいて、被変調凹凸記録マークのエッジ位置を示すアナログ再生信号を生成して、再生部322に出力する。
再生部322は、光学ヘッド321から入力されるアナログ再生信号を波形等化したり整形したりすることによってデジタル再生信号に変換して、デジタル信号処理器323に出力する。
デジタル信号処理器323は、再生部322から入力されるデジタル再生信号に同期するクロック信号を抽出し、抽出したクロック信号に同期した再生信号を生成して、フォーマッタ324に出力する。
フォーマッタ324は、変調されている再生信号を復調して、所定単位(セクタ)毎に付与されているアドレス情報を検出する。検出されたアドレス情報はタイミング生成器325に出力される。
タイミング生成器325は、フォーマッタ324から入力されるアドレス情報に基づいて、第2の副情報を記録するためのタイミング信号を生成して、擬似乱数系列発生器326に出力する。
擬似乱数系列発生器326は、一般的なシフトレジスタで構成されるM系列生成器である。擬似乱数系列発生器326は、タイミング生成器325から入力されるタイミング信号に基づいて、副情報管理情報に含まれるスクランブル初期値をプリセットして擬似乱数系列を発生させて、EOR演算部327に出力する。
また、擬似乱数系列発生器326は、タイミング生成器325から入力されるタイミング信号に基づいて、ディスク識別情報を初期値としてプリセットして擬似乱数系列を発生させて、EOR演算部327に出力する。
EOR演算部327は、一般的な排他的論理和ゲートである。EOR演算部327は、擬似乱数系列発生器326から入力される擬似乱数系列と、第2の副情報として記録するディスク識別情報との排他的論理和を算出して、PE変調器328に出力する。
また、EOR演算部327は、擬似乱数系列発生器326から入力される擬似乱数系列と、第2の副情報として記録するスタンパ固有情報との排他的論理和を算出して、PE変調器328に出力する。
PE変調器328は、EOR演算部327からの出力信号に対してPE(Phase Encode)変調を行い、PE変調した信号をレーザ強度制御部329に出力する。
レーザ強度制御部329は、PE変調器328によってPE変調された信号に基づいて、レーザ照射のタイミングを制御する記録パルスを生成する。
記録部330は、レーザ強度制御部329から入力される記録パルスに基づいて、光学ヘッド321のレーザ光源から出射されるレーザ光の強度と出射タイミングとを制御する。光学ヘッド321は、光ディスク300にレーザ光を照射し、凹凸記録マーク上の反射膜の反射率を変化させることによって、スクランブルしたディスク識別情報及びスタンパ固有情報をそれぞれ第2の副情報として追記する。
次に、本実施の形態4において、第1の副情報を記録する第1の副情報記録装置についてさらに詳細に説明する。
図28は、本発明の実施の形態4における第1の副情報記録装置の構成を示すブロック図である。図28に示す第1の副情報記録装置は、主情報とともに第1の副情報をスタンパ(光ディスク原盤)に記録する。なお、第1の副情報記録装置は、図22に示すマスタリング装置42の一部(スクランブル部49及び第1の副情報記録部50)に相当する。
第1の副情報記録装置は、光学ヘッド321、フォーマッタ341、タイミング生成器342、擬似乱数系列発生器343、EOR演算部344、PE変調器345、位相変調部346及び記録部347を備える。なお、スクランブル部348は、擬似乱数系列発生器343、EOR演算部344及びPE変調器345で構成される。
フォーマッタ341は、記録する主情報を変調し、所定単位(セクタ)毎にアドレス情報を付与して記録信号を生成する。付与されたアドレス情報は、タイミング生成器342に出力される。
タイミング生成器342は、フォーマッタ341から入力されるアドレス情報に基づいて、第1の副情報を記録するためのタイミング信号を生成して、擬似乱数系列発生器343に出力する。
擬似乱数系列発生器343は、一般的なシフトレジスタで構成されるM系列生成器である。擬似乱数系列発生器343は、タイミング生成器342から入力されるタイミング信号に基づいて、スタンパ固有情報を初期値としてプリセットして擬似乱数系列を発生させて、EOR演算部344に出力する。
EOR演算部344は、一般的な排他的論理和ゲートである。EOR演算部344は、擬似乱数系列発生器343から入力される擬似乱数系列と、第1の副情報として記録する暗号鍵情報との排他的論理和を算出して、PE変調器345に出力する。
PE変調器345は、EOR演算部344からの出力信号に対してPE変調を行い、PE変調した信号を位相変調部346に出力する。
位相変調部346は、フォーマッタ341によって生成された記録信号に応じて、レーザ照射のタイミングを制御する記録パルスを生成する。また、位相変調部346は、PE変調器345によってPE変調された信号に従って、記録パルスの位相変調を行い、凹凸記録マークエッジを進ませたり(又は遅らせたり)する制御を行う。
記録部347は、位相変調部346によって生成された記録パルスに基づいて、光学ヘッド321のレーザ光源から出射されるレーザ光の強度と出射タイミングとを制御する。
光学ヘッド321は、記録部347から入力される制御信号に基づいて、光ディスク原盤にレーザ光を照射し、主情報と第1の副情報とを記録する。
次に、本実施の形態4において、第2の副情報を再生する第2の副情報再生装置についてさらに詳細に説明する。
図29は、本発明の実施の形態4における第2の副情報再生装置の構成を示すブロック図である。図29に示す第2の副情報再生装置は、凹凸記録マーク上の反射膜の反射率を変動させることによって記録されている第2の副情報を再生する。なお、第2の副情報再生装置は、図22に示す情報再生装置44の一部(媒体識別情報再生部57、デスクランブル部58、媒体固有情報再生部59及びデスクランブル部60)に相当する。
第2の副情報再生装置は、光学ヘッド321、再生部351、デジタル信号処理器352、反射率変動検出部353、フォーマッタ354、タイミング生成器355、擬似乱数系列発生器356、PE変調器357及び相関積分部358を備える。なお、デスクランブル部359は、擬似乱数系列発生器356、PE変調器357及び相関積分部358で構成される。
光学ヘッド321は、光ピックアップであり、回転する光ディスク300上の凹凸記録マークに光ビームを集光し、凹凸記録マークからの反射光に基づいて、被変調凹凸記録マークのエッジ位置を示すアナログ再生信号を生成して、再生部351に出力する。
再生部351は、光学ヘッド321から入力されるアナログ再生信号を波形等化したり整形したりすることによってデジタル再生信号に変換して、デジタル信号処理器352に出力する。
デジタル信号処理器352は、再生部351から入力されるデジタル再生信号に同期するクロック信号を抽出し、抽出したクロック信号に同期した再生信号を生成して、フォーマッタ354に出力する。
フォーマッタ354は、変調されている再生信号を復調して、所定単位(セクタ)毎に付与されているアドレス情報を検出する。検出されたアドレス情報はタイミング生成器355に出力される。
タイミング生成器355は、フォーマッタ354から入力されるアドレス情報に基づいて、第2の副情報を再生するためのタイミング信号を生成して、擬似乱数系列発生器356に出力する。
擬似乱数系列発生器356は、一般的なシフトレジスタで構成されるM系列生成器である。擬似乱数系列発生器356は、タイミング生成器355から入力されるタイミング信号に基づいて、副情報管理情報に含まれるスクランブル初期値をプリセットして擬似乱数系列を発生させて、PE変調器357に出力する。
また、擬似乱数系列発生器356は、タイミング生成器355から入力されるタイミング信号に基づいて、ディスク識別情報を初期値としてプリセットして擬似乱数系列を発生させて、PE変調器357に出力する。
PE変調器357は、擬似乱数系列発生器356から入力される擬似乱数系列に対してPE変調を行い、PE変調した信号を相関積分部358に出力する。
反射率変動検出部353は、デジタル信号処理器352からデジタル再生信号が入力され、第2の副情報の記録帯域の信号を抽出可能な低域通過フィルタで構成される。反射率変動検出部353は、凹凸記録マークのデジタル再生信号をフィルタリングすることによって、反射膜の反射率を変動させることによって記録されている第2の副情報を抽出して、相関積分部358に出力する。
相関積分部358は、反射率変動検出部353によってフィルタリングされたデジタル再生信号と、PE変調器357によってPE変調された擬似乱数系列との相関を積分する。具体的には、相関積分部358は、アップダウンカウンタで構成される。相関積分部358は、フィルタリングしたデジタル再生信号と、PE変調された擬似乱数系列とが互いに“正”ならばカウンタを1だけインクリメントし、フィルタリングしたデジタル再生信号と、PE変調された擬似乱数系列とが互いに“負”ならばカウンタを1だけデクリメントする。したがって、フィルタリングしたデジタル再生信号と、PE変調された擬似乱数系列とに正の相関関係があれば、カウンタは単調増加し、負の相関関係があれば、カウンタは単調減少する。相関積分部358は、第2の副情報のビット記録区間で繰り返し判定することによって得られるビット列をスタンパ固有情報として検出して、後述する第1の副情報再生装置に出力する。
また、相関積分部358は、第2の副情報のビット記録区間で繰り返し判定することによって得られるビット列をディスク識別情報として検出して、擬似乱数系列発生器356に出力する。
次に、本実施の形態4において、第1の副情報を再生する第1の副情報再生装置についてさらに詳細に説明する。
図30は、本発明の実施の形態4における第1の副情報再生装置の構成を示すブロック図である。図30に示す第1の副情報再生装置は、第2の副情報再生装置で再生されたスタンパ固有情報に基づいて、凹凸記録マークエッジの位相変調によって記録されている第1の副情報を再生する。なお、第1の副情報再生装置は、図22に示す情報再生装置44の一部(第1の副情報再生部61及びデスクランブル部62)に相当する。
第1の副情報再生装置は、光学ヘッド321、再生部361、デジタル信号処理器362、エッジ位相検出部363、フォーマッタ364、タイミング生成器365、擬似乱数系列発生器366、PE変調器367及び相関積分部368を備える。なお、デスクランブル部369は、擬似乱数系列発生器366、PE変調器367及び相関積分部368で構成される。
光学ヘッド321は、光ピックアップであり、回転する光ディスク300上の凹凸記録マークに光ビームを集光し、凹凸記録マークからの反射光に基づいて、被変調凹凸記録マークのエッジ位置を示すアナログ再生信号を生成して、再生部361に出力する。
再生部361は、光学ヘッド321から入力されるアナログ再生信号を波形等化したり整形したりすることによってデジタル再生信号に変換して、デジタル信号処理器362に出力する。
デジタル信号処理器362は、再生部361から入力されるデジタル再生信号に同期するクロック信号を抽出し、抽出したクロック信号に同期した再生信号を生成して、フォーマッタ364に出力する。
フォーマッタ364は、変調されている再生信号を復調して、所定単位(セクタ)毎に付与されているアドレス情報を検出する。検出されたアドレス情報はタイミング生成器365に出力される。
タイミング生成器365は、フォーマッタ364から入力されるアドレス情報に基づいて、第2の副情報を再生するためのタイミング信号を生成して、擬似乱数系列発生器366に出力する。
擬似乱数系列発生器366は、一般的なシフトレジスタで構成されるM系列生成器である。擬似乱数系列発生器366は、タイミング生成器365から入力されるタイミング信号に基づいて、第2の副情報再生装置で再生されたスタンパ固有情報を初期値としてプリセットして擬似乱数系列を発生させて、PE変調器367に出力する。
PE変調器367は、擬似乱数系列発生器366から入力される擬似乱数系列に対してPE変調を行い、PE変調した信号を相関積分部368に出力する。
エッジ位相検出部363は、デジタル信号処理器362によって抽出されたクロック信号を基準として、凹凸記録マークエッジの進み又は遅れを示すエッジ位相信号を生成して、相関積分部368に出力する。
相関積分部368は、エッジ位相検出部363によって生成されたエッジ位相信号と、PE変調器367によってPE変調された擬似乱数系列との相関を積分する。具体的には、相関積分部368は、アップダウンカウンタで構成される。相関積分部368は、エッジ位相検出部363によって生成されたエッジ位相信号と、PE変調器367によってPE変調された擬似乱数系列とが互いに“正”ならばカウンタを1だけインクリメントし、生成されたエッジ位相信号と、PE変調された擬似乱数系列とが互いに“負”ならばカウンタを1だけデクリメントする。したがって、エッジ位相検出部363によって生成されたエッジ位相信号と、PE変調器367によってPE変調された擬似乱数系列とに正の相関関係があれば、カウンタは単調増加し、負の相関関係があれば、カウンタは単調減少する。相関積分部368は、エッジ位相信号と擬似乱数系列との相関関係を、第2の副情報のビット記録区間で繰り返し判定することによって得られるビット列を、コンテンツ情報を復号化するための暗号鍵情報として検出する。暗号化されたコンテンツ情報は、相関積分部368によって検出された暗号鍵情報を用いて復号化されて、再生される。
なお、本実施の形態4における第2の副情報再生装置と第1の副情報再生装置との違いは、反射率変動検出部353を持つか、エッジ位相検出部363を持つかである。そのため、第2の副情報再生装置と第1の副情報再生装置とをともに同一装置内に実装し、第2の副情報と第1の副情報とを同一の装置から再生することが望ましい。
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
本発明の一局面に係る情報記録装置は、スタンパを用いて作成される情報記録媒体に情報を記録する情報記録装置であって、主情報と、前記スタンパ固有情報に基づいて、主情報を再生するために必要な再生許可情報をデータ変換した第1の副情報とが予め記録されている前記情報記録媒体毎に異なる媒体固有情報に基づいて、スタンパ毎に共通なスタンパ固有情報をデータ変換することにより第2の副情報を生成する第2の副情報生成部と、前記主情報及び前記第1の副情報とは異なる形態で、前記第2の副情報生成部によって生成された前記第2の副情報を前記情報記録媒体に記録する第2の副情報記録部とを備える。
この構成によれば、主情報と、スタンパ固有情報に基づいて、主情報を再生するために必要な再生許可情報をデータ変換した第1の副情報とが予め記録されている情報記録媒体毎に異なる媒体固有情報に基づいて、スタンパ毎に共通なスタンパ固有情報をデータ変換することにより第2の副情報が生成される。そして、主情報及び第1の副情報とは異なる形態で、生成された第2の副情報が情報記録媒体に記録される。
したがって、情報記録媒体毎に異なる第2の副情報が再生されなければ、主情報を再生することができないので、主情報の著作権を確実に保護することができる。また、同一のスタンパから転写された情報記録媒体であっても、情報記録媒体毎に異なる第2の副情報を読み出す必要があり、情報記録媒体毎に共通の情報を読み出す場合に比べて、情報記録媒体の不正な解析が困難となり、記録されている主情報への不正なアクセスを防止することができる。
また、上記の情報記録装置において、前記情報記録媒体は、前記主情報に従って形成された凹凸記録マークと、前記凹凸記録マーク上に形成された反射膜とを含み、前記第2の副情報記録部は、前記凹凸記録マークの最長マークよりも長い間隔でレーザ光を照射し、前記反射膜の反射率を変化させることによって前記第2の副情報を前記情報記録媒体に記録することが好ましい。
この構成によれば、情報記録媒体は、主情報に従って形成された凹凸記録マークと、凹凸記録マーク上に形成された反射膜とを含む。凹凸記録マークの最長マークよりも長い間隔でレーザ光を照射し、反射膜の反射率を変化させることによって第2の副情報が情報記録媒体に記録される。
したがって、主情報の読み取り精度を悪化させることなく、第2の副情報を記録することができ、情報記録媒体の不正な複製を防止することができる。
また、上記の情報記録装置において、前記媒体固有情報は、前記情報記録媒体を識別するための媒体識別情報を含み、前記情報記録媒体にレーザ光を照射し、前記反射膜の反射率を変化させることによって前記媒体識別情報を前記情報記録媒体に記録する媒体識別情報記録部をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、媒体固有情報は、情報記録媒体を識別するための媒体識別情報を含み、情報記録媒体にレーザ光が照射され、反射膜の反射率を変化させることによって媒体識別情報が情報記録媒体に記録される。
したがって、情報記録媒体を識別するための媒体識別情報に基づいてスタンパ固有情報をデータ変換することができ、媒体識別情報が得られなければ、スタンパ固有情報を得ることができず、主情報を再生することができないので、主情報の著作権を確実に保護することができる。また、主情報の読み取り精度を悪化させることなく、媒体識別情報を記録することができ、情報記録媒体の不正な複製を防止することができる。
また、上記の情報記録装置において、前記第2の副情報生成部は、前記媒体固有情報を暗号鍵として、前記スタンパ固有情報を暗号化することにより第2の副情報を生成することが好ましい。
この構成によれば、媒体固有情報を暗号鍵として、スタンパ固有情報が暗号化されることにより第2の副情報が生成されるので、スタンパ固有情報の秘匿性を確保することができる。
本発明の他の局面に係る情報再生装置は、スタンパを用いて作成される情報記録媒体から情報を再生する情報再生装置であって、主情報を再生する主情報再生部と、スタンパ毎に共通なスタンパ固有情報に基づいて、前記主情報を再生するために必要な再生許可情報をデータ変換した第1の副情報を再生する第1の副情報再生部と、前記情報記録媒体毎に異なる媒体固有情報に基づいて、前記スタンパ固有情報をデータ変換した第2の副情報を再生する第2の副情報再生部と、前記媒体固有情報に基づいて、前記第2の副情報再生部によって再生された前記第2の副情報をデータ変換することにより、前記スタンパ固有情報を生成するスタンパ固有情報生成部と、前記スタンパ固有情報生成部によって生成された前記スタンパ固有情報に基づいて、前記第1の副情報再生部によって再生された前記第1の副情報をデータ変換することにより、前記再生許可情報を抽出する再生許可情報抽出部とを備える。
この構成によれば、主情報が再生され、スタンパ毎に共通なスタンパ固有情報に基づいて、主情報を再生するために必要な再生許可情報をデータ変換した第1の副情報が再生される。また、情報記録媒体毎に異なる媒体固有情報に基づいて、スタンパ固有情報をデータ変換した第2の副情報が再生される。そして、媒体固有情報に基づいて、再生された第2の副情報がデータ変換されることにより、スタンパ固有情報が生成され、生成されたスタンパ固有情報に基づいて、再生された第1の副情報がデータ変換されることにより、再生許可情報が抽出される。
したがって、情報記録媒体毎に異なる第2の副情報が再生されなければ、主情報を再生することができないので、主情報の著作権を確実に保護することができる。また、同一のスタンパから転写された情報記録媒体であっても、情報記録媒体毎に異なる第2の副情報を読み出す必要があり、情報記録媒体毎に共通の情報を読み出す場合に比べて、情報記録媒体の不正な解析が困難となり、記録されている主情報への不正なアクセスを防止することができる。
また、上記の情報再生装置において、前記情報記録媒体は、前記主情報に従って形成された凹凸記録マークと、前記凹凸記録マーク上に形成された反射膜とを含み、前記主情報再生部は、前記情報記録媒体に形成された前記凹凸記録マークにレーザ光を照射し、前記凹凸記録マークからの反射光に基づいて前記主情報を再生し、前記第2の副情報再生部は、前記反射膜からの反射光の強度変化を検出することによって、前記第2の副情報を再生することが好ましい。
この構成によれば、情報記録媒体は、主情報に従って形成された凹凸記録マークと、凹凸記録マーク上に形成された反射膜とを含む。そして、情報記録媒体に形成された凹凸記録マークにレーザ光が照射され、凹凸記録マークからの反射光に基づいて主情報が再生される。また、反射膜からの反射光の強度変化を検出することによって、第2の副情報が再生される。
したがって、主情報の読み取り精度を悪化させることなく、第2の副情報を記録することができ、情報記録媒体の不正な複製を防止することができる。
また、上記の情報再生装置において、前記第1の副情報再生部は、前記凹凸記録マークからの前記反射光に基づいて、前記凹凸記録マークの変位、前記凹凸記録マークの変形、及び前記凹凸記録マークにより所定パターンで記録されるデータの前記パターンの改変のうちの少なくとも1つを検出することによって、前記第1の副情報を再生することが好ましい。
この構成によれば、凹凸記録マークからの反射光に基づいて、凹凸記録マークの変位、凹凸記録マークの変形、及び凹凸記録マークにより所定パターンで記録されるデータのパターンの改変のうちの少なくとも1つが検出されることによって、第1の副情報が再生される。したがって、第1の副情報を容易に複製することが困難となり、情報記録媒体の不正な複製を防止することができる。
また、上記の情報再生装置において、前記媒体固有情報は、前記情報記録媒体を識別するための媒体識別情報を含み、前記情報記録媒体にレーザ光を照射し、前記媒体識別情報を再生する媒体識別情報再生部をさらに備え、前記スタンパ固有情報生成部は、前記第2の副情報再生部によって再生された前記第2の副情報を、前記媒体識別情報再生部によって再生された前記媒体識別情報に基づいてデータ変換することにより、前記スタンパ固有情報を生成することが好ましい。
この構成によれば、媒体固有情報は、情報記録媒体を識別するための媒体識別情報を含み、情報記録媒体にレーザ光が照射され、媒体識別情報が再生される。そして、再生された第2の副情報が、再生された媒体識別情報に基づいてデータ変換されることにより、スタンパ固有情報が生成される。
したがって、情報記録媒体を識別するための媒体識別情報に基づいて第2の副情報をデータ変換することができ、媒体識別情報が得られなければ、スタンパ固有情報を得ることができず、主情報を再生することができないので、主情報の著作権を確実に保護することができる。
また、上記の情報再生装置において、前記媒体識別情報再生部は、前記凹凸記録マークの記録帯域とは異なる前記反射膜からの反射光の強度変化を検出することによって、前記媒体識別情報を再生することが好ましい。
この構成によれば、凹凸記録マークの記録帯域とは異なる反射膜からの反射光の強度変化が検出されることによって、媒体識別情報が再生される。したがって、主情報の読み取り精度を悪化させることなく、媒体識別情報を記録することができ、情報記録媒体の不正な複製を防止することができる。
また、上記の情報再生装置において、前記スタンパ固有情報生成部は、前記媒体固有情報を暗号鍵として、前記第2の副情報を復号化することにより、前記スタンパ固有情報を生成し、前記再生許可情報抽出部は、前記スタンパ固有情報生成部によって生成された前記スタンパ固有情報に基づいて、スクランブルされている前記第1の副情報をデスクランブルすることにより、前記再生許可情報を抽出することが好ましい。
この構成によれば、媒体固有情報を暗号鍵として、第2の副情報が復号化されることにより、スタンパ固有情報が生成される。また、生成されたスタンパ固有情報に基づいて、スクランブルされている第1の副情報がデスクランブルされることにより、再生許可情報が抽出される。したがって、スタンパ固有情報及び再生許可情報の秘匿性を確保することができる。
本発明の他の局面に係る情報記録媒体は、主情報を記録する主情報記録領域と、スタンパ毎に共通なスタンパ固有情報に基づいて、前記主情報を再生するために必要な再生許可情報をデータ変換した第1の副情報を記録する第1の副情報記録領域と、情報記録媒体毎に異なる媒体固有情報に基づいて、前記スタンパ固有情報をデータ変換した第2の副情報を記録する第2の副情報記録領域とを備え、前記主情報と前記第1の副情報とが記録されたスタンパから、前記主情報と前記第1の副情報とが前記情報記録媒体に転写されるとともに、前記第2の副情報が前記情報記録媒体に記録される。
この構成によれば、主情報記録領域には、主情報が記録され、第1の副情報記録領域には、スタンパ毎に共通なスタンパ固有情報に基づいて、主情報を再生するために必要な再生許可情報をデータ変換した第1の副情報が記録され、第2の副情報記録領域には、情報記録媒体毎に異なる媒体固有情報に基づいて、スタンパ固有情報をデータ変換した第2の副情報が記録されている。そして、主情報と第1の副情報とが記録されたスタンパから、主情報と第1の副情報とが情報記録媒体に転写されるとともに、第2の副情報が情報記録媒体に記録される。
したがって、情報記録媒体毎に異なる第2の副情報が再生されなければ、主情報を再生することができないので、主情報の著作権を確実に保護することができる。また、同一のスタンパから転写された情報記録媒体であっても、情報記録媒体毎に異なる第2の副情報を読み出す必要があり、情報記録媒体毎に共通の情報を読み出す場合に比べて、情報記録媒体の不正な解析が困難となり、記録されている主情報への不正なアクセスを防止することができる。
また、上記の情報記録媒体において、前記第1の副情報記録領域は、前記主情報とは異なる形態で前記第1の副情報を記録しており、前記第2の副情報記録領域は、前記主情報及び前記第1の副情報とは異なる形態で前記第2の副情報を記録していることが好ましい。
この構成によれば、第1の副情報記録領域には、主情報とは異なる形態で第1の副情報が記録されており、第2の副情報記録領域には、主情報及び第1の副情報とは異なる形態で第2の副情報が記録されている。
したがって、主情報と第1の副情報と第2の副情報とはそれぞれ異なる形態で記録されているので、主情報と第1の副情報と第2の副情報とを容易に再生することが困難となり、情報記録媒体の不正な複製を防止することができる。
また、上記の情報記録媒体において、前記情報記録媒体は、前記主情報に従って形成された凹凸記録マークと、前記凹凸記録マーク上に形成された反射膜とを含み、前記第1の副情報記録領域は、前記凹凸記録マークの変位、前記凹凸記録マークの変形、及び前記凹凸記録マークにより所定パターンで記録されるデータの前記パターンの改変のうちの少なくとも1つによって前記第1の副情報を記録しており、前記第2の副情報記録領域は、前記反射膜の反射率を変化させることによって前記第2の副情報を記録していることが好ましい。
この構成によれば、情報記録媒体は、主情報に従って形成された凹凸記録マークと、凹凸記録マーク上に形成された反射膜とを含む。第1の副情報記録領域には、凹凸記録マークの変位、凹凸記録マークの変形、及び凹凸記録マークにより所定パターンで記録されるデータのパターンの改変のうちの少なくとも1つによって第1の副情報が記録されている。また、第2の副情報記録領域には、反射膜の反射率を変化させることによって第2の副情報が記録されている。したがって、主情報の読み取り精度を悪化させることなく、第1の副情報及び第2の副情報を記録することができ、情報記録媒体の不正な複製を防止することができる。
また、上記の情報記録媒体において、前記媒体固有情報は、前記情報記録媒体を識別するための媒体識別情報を含み、前記媒体識別情報を記録する媒体識別情報記録領域をさらに備え、前記第2の副情報記録領域は、前記スタンパ固有情報を、前記媒体識別情報に基づいてデータ変換した第2の副情報を記録することが好ましい。
この構成によれば、媒体固有情報は、情報記録媒体を識別するための媒体識別情報を含み、媒体識別情報記録領域には、媒体識別情報が記録される。そして、第2の副情報記録領域には、スタンパ固有情報を、媒体識別情報に基づいてデータ変換した第2の副情報が記録される。
したがって、情報記録媒体を識別するための媒体識別情報に基づいてスタンパ固有情報をデータ変換することができ、媒体識別情報が得られなければ、スタンパ固有情報を得ることができず、主情報を再生することができないので、主情報の著作権を確実に保護することができる。
また、上記の情報記録媒体において、前記媒体識別情報記録領域は、前記情報記録媒体にレーザ光が照射され、前記反射膜の反射率を変化させることによって前記媒体識別情報を記録していることが好ましい。
この構成によれば、媒体識別情報記録領域には、情報記録媒体にレーザ光が照射され、反射膜の反射率を変化させることによって媒体識別情報が記録されているので、主情報の読み取り精度を悪化させることなく、媒体識別情報を記録することができ、情報記録媒体の不正な複製を防止することができる。
なお、発明を実施するための形態の項においてなされた具体的な実施態様又は実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、本発明の精神と特許請求事項との範囲内で、種々変更して実施することができるものである。
本発明に係る情報記録装置、情報再生装置及び情報記録媒体は、たとえ、情報記録媒体がスタンパから転写複製されることにより作成される情報記録媒体であったとしても、情報記録媒体毎に異なる第2の副情報を再生しなければコンテンツ情報が再生できないシステムを構築することができ、著作権を保護する機能を有するデジタル著作物の流通媒体として極めて有用である。
本発明は、スタンパを用いて作成される情報記録媒体に情報を記録する情報記録装置、スタンパを用いて作成される情報記録媒体から情報を再生する情報再生装置、及びスタンパを用いて作成される情報記録媒体に関するものである。
例えば、特許文献1には、情報記録媒体毎にユニークな媒体識別情報と、媒体識別情報を一方向性関数で演算した演算値とを記録している情報記録媒体が開示されている。
特許文献1の発明では、情報記録媒体に情報を記録する情報記録装置と、情報記録媒体から情報を再生する情報再生装置とは、それぞれ同一の一方向性関数生成手段を有している。情報記録装置は、情報記録媒体毎に異なる媒体識別情報を、一方向性関数生成手段によって生成された一方向性関数で演算した第1の演算値を情報記録媒体に記録する。情報再生装置は、情報記録媒体から媒体識別情報を再生し、再生した媒体識別情報を、一方向性関数生成手段によって生成された一方向性関数で演算した第2の演算値と、情報記録媒体に記録されている第1の演算値とを比較し、一致している場合にのみ情報記録媒体に記録されているコンテンツ情報を再生する。
また、例えば、特許文献2には、コンテンツ情報を記録する情報記録媒体毎に固有のメディア識別子と、コンテンツ情報毎に固有のコンテンツ識別子とを記録する情報記録媒体が開示されている。
特許文献2の発明では、情報記録媒体に情報を記録する情報記録装置は、メディア識別子とコンテンツ識別子とに基づいて個別化鍵を生成し、コンテンツ情報を暗号化するために用いられたコンテンツ鍵を、個別化鍵を用いて暗号化し、暗号化コンテンツ鍵を生成し、コンテンツ鍵を用いて暗号化したコンテンツ情報と、コンテンツ識別子と、暗号化コンテンツ鍵とを情報記録媒体に記録する。また、情報記録媒体から情報を再生する情報再生装置は、情報記録媒体からコンテンツ情報とメディア識別子とコンテンツ識別子とコンテンツ鍵とを読み出し、読み出したメディア識別子とコンテンツ識別子とに基づいて個別化鍵を生成し、暗号化されているコンテンツ鍵を、生成した個別化鍵を用いて復号し、暗号化されているコンテンツ情報を、復号したコンテンツ鍵を用いて復号する。
特開2002−74833号公報
特開2004−282238号公報
しかしながら、特許文献1では、情報記録媒体から読み出した、媒体識別情報を一方向性関数で予め演算した第1の演算値と、情報記録媒体から読み出した媒体識別情報を一方向性関数で演算した第2の演算値とを比較し、第1の演算値と第2の演算値とが一致していればコンテンツ情報の再生を認めるものである。そのため、悪意ある情報再生装置製造メーカが製造した、第1の演算値と第2の演算値との一致判定を無視する構成の情報再生装置では、第1の演算値と第2の演算値とが一致しなかったとしても、コンテンツデータの再生が可能になってしまうという問題がある。
また、スタンパで複製して製造されるROM型の情報記録媒体では、通常、コンテンツデータもスタンパから複製されて製造され、コンテンツ情報も言わばスタンパ毎に共通の情報である。特許文献1では、情報記録媒体に記録されている媒体識別情報は媒体毎に異なる情報であり、媒体識別情報の演算値も媒体毎に異なる情報ということになる。従って、スタンパ毎に共通でなくてはならないコンテンツデータを、媒体毎に異なる媒体識別情報でデータ変換して記録することはできない。よって、特許文献1では、情報再生装置において媒体識別情報の演算値の一致判定を行ってコンテンツ情報の出力を制御することで、著作権を保護するしかない。
また、特許文献2では、情報記録媒体毎に異なるメディア識別子と、コンテンツ識別子とに基づいてコンテンツ情報を記録する構成である。特許文献2では、媒体1枚毎に固有の暗号鍵で暗号化して記録できる記録型情報記録媒体を想定している。なぜなら、メディア識別子が情報記録媒体毎に異なる情報であり、コンテンツ識別子がスタンパ毎に共通の情報であるとき、メディア識別子とコンテンツ識別子とから生成される個別化鍵は情報記録媒体毎に異なる情報となる。特許文献2には個別化鍵の具体的な記録方法について開示されていないため、特許文献2で用いられる情報記録媒体は、通常の記録方法で記録する記録型情報記録媒体であると想定できる。従って、スタンパからの複製で製造するROM型情報記録媒体では、スタンパ毎に個別化鍵が記録されるので、スタンパ毎に1枚の光ディスクしか製造できないことになり、ROM型情報記録媒体に特許文献2に開示された発明を適用することは極めて非効率であり、実現性がない。
以上のように、従来の発明を考慮すると、図31のような情報記録再生システムで表される。図31は、従来の情報記録再生システムの構成を示すブロック図である。図31に示す情報記録再生システムは、マスタリング装置401、情報記録装置402及び情報再生装置403から構成されている。
マスタリング装置401は、コンテンツ暗号化部405、変調部406及び鍵情報スクランブル部407で構成される。
コンテンツ暗号化部405は、情報記録媒体404に記録するコンテンツ情報をコンテンツ暗号鍵で暗号化する。
変調部406は、暗号化されたコンテンツ情報を情報記録媒体(スタンパ)404の種別に応じた変調フォーマットに変調して、情報記録媒体404のユーザデータ領域411に記録する。
鍵情報スクランブル部407は、コンテンツ情報を暗号化するためのコンテンツ暗号鍵を装置内部に秘密に持つマスター鍵などでスクランブルして、情報記録媒体(スタンパ)404の第1の副情報記録領域410に記録する。
情報記録装置402は、マスタリング装置401で作成されたスタンパを複写することによって複数の情報記録媒体を製造し、その情報記録媒体1枚毎に固有のディスク固有情報を生成する。情報記録装置402は、固有情報記録部408を備える。固有情報記録部408は、ディスク固有情報を第2の副情報として情報記録媒体404の第2の副情報記録領域409に記録する。
また、情報再生装置403は、固有情報再生部412、固有情報検証部413、鍵情報デスクランブル部414、復調部415、コンテンツ復号化部416及びコンテンツ出力スイッチ417から構成される。
固有情報再生部412は、情報記録媒体404の第2の副情報記録領域409から情報記録媒体毎に異なるディスク固有情報を再生する。固有情報検証部413は、再生されたディスク固有情報が正当な情報であるかを検証する。
鍵情報デスクランブル部414は、情報記録媒体404の第1の副情報記録領域410からスタンパ毎に共通のスクランブルされたコンテンツ暗号鍵を読み出し、内部に秘密に記憶するマスター鍵などを用いて、スクランブルされたコンテンツ暗号鍵をデスクランブルする。
復調部415は、マスタリング装置401の変調部406に対応した部分であり、情報記録媒体404の種別に応じて、ユーザデータ領域411に記録されているコンテンツ情報を復調する。
コンテンツ復号化部416は、情報記録媒体404のユーザデータ領域411から読み出した暗号化されたコンテンツ情報を、鍵情報デスクランブル部414で抽出したコンテンツ暗号鍵で復号化する。
コンテンツ出力スイッチ417は、固有情報検証部413の検証結果に応じてコンテンツ情報の再生を制御する。すなわち、コンテンツ出力スイッチ417は、固有情報検証部413によって不正な情報記録媒体であると判断された場合、復号化されたコンテンツ情報を出力せず、固有情報検証部413によって正当な情報記録媒体であると判断された場合、復号化されたコンテンツ情報を出力する。これにより、例えば、第2の副情報であるディスク固有情報が記録されていなかったり、不正な情報が記録されている不正な情報記録媒体が使用されている場合、コンテンツ情報は再生されない。そのため、コンテンツ情報などの著作物の著作権保護を確立することができる。
しかしながら、上記の構成では、コンテンツ出力スイッチ417を常にコンテンツ出力状態に実装した不正な情報再生装置の出現によって著作権保護を確立することが不可能となる。
情報記録媒体404のユーザデータ領域411と第1の副情報記録領域410とは、スタンパからの複製によって作成される。従って、これらの領域は、悪意ある者からの複製が困難とはいいがたい。従って、コンテンツ情報及びコンテンツ暗号鍵が不正に複製され、第2の副情報記録領域409のディスク固有情報が存在しない不正な情報記録媒体404が出現する可能性がある。
一方、情報再生装置403は、第2の副情報記録領域409を再生しない。従って、コンテンツ出力スイッチ417が常にコンテンツ出力状態である不正な情報再生装置を製造することも可能である。
従って、第2の副情報(ディスク固有情報)が存在しない不正な情報記録媒体と、コンテンツ出力スイッチ417のない不正な情報再生装置との組み合わせによって、コンテンツ情報を不正に再生又は複製することが可能となる。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、主情報の著作権を確実に保護することができ、記録されている主情報への不正なアクセスを防止することができる情報記録装置、情報再生装置及び情報記録媒体を提供することを目的とするものである。
本発明の一局面に係る情報記録装置は、スタンパを用いて作成される情報記録媒体に情報を記録する情報記録装置であって、主情報と、前記スタンパ固有情報に基づいて、主情報を再生するために必要な再生許可情報をデータ変換した第1の副情報とが予め記録されている前記情報記録媒体毎に異なる媒体固有情報に基づいて、スタンパ毎に共通なスタンパ固有情報をデータ変換することにより第2の副情報を生成する第2の副情報生成部と、前記主情報及び前記第1の副情報とは異なる形態で、前記第2の副情報生成部によって生成された前記第2の副情報を前記情報記録媒体に記録する第2の副情報記録部とを備える。
この構成によれば、主情報と、スタンパ固有情報に基づいて、主情報を再生するために必要な再生許可情報をデータ変換した第1の副情報とが予め記録されている情報記録媒体毎に異なる媒体固有情報に基づいて、スタンパ毎に共通なスタンパ固有情報をデータ変換することにより第2の副情報が生成される。そして、主情報及び第1の副情報とは異なる形態で、生成された第2の副情報が情報記録媒体に記録される。
本発明によれば、情報記録媒体毎に異なる第2の副情報が再生されなければ、主情報を再生することができないので、主情報の著作権を確実に保護することができる。また、同一のスタンパから転写された情報記録媒体であっても、情報記録媒体毎に異なる第2の副情報を読み出す必要があり、情報記録媒体毎に共通の情報を読み出す場合に比べて、情報記録媒体の不正な解析が困難となり、記録されている主情報への不正なアクセスを防止することができる。
本発明の実施の形態1における情報記録再生システムの構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態1における情報記録装置の構成を示す図である。
本発明の実施の形態1における情報再生装置の構成を示す図である。
本発明の実施の形態1における情報記録媒体の構成を示す図である。
本発明の実施の形態1における情報記録媒体の構成を示す外観図である。
本発明の実施の形態1における情報記録媒体の主情報記録領域の情報記録面を拡大した概念図である。
(A)は、第1の副情報が記録されていない場合の主情報記録領域のセクタフォーマットを示す図であり、(B)は、第1の副情報が記録されている場合の主情報記録領域のセクタフォーマットを示す図である。
本発明の実施の形態1の情報記録媒体を製造するための手順を説明するための図である。
本発明の実施の形態1の情報記録媒体を製造する製造装置の特徴的な構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態1の光ディスクの内周部分に記録される、第2の副情報と暗号化されたディスク識別情報とのデータフォーマットの一例を示す図である。
図9の製造装置によって作成された光ディスクからコンテンツ情報を再生する情報再生装置の特徴的な構成を示すブロック図である。
図9における第1の副情報記録部の詳細な構成を示すブロック図である。
図11における第1の副情報検出部の詳細な構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態2における情報記録再生システムの構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態2のスタンパ固有情報のデータフォーマットの一例を示す概念図である。
本発明の実施の形態2の情報記録媒体を製造する製造装置の特徴的な構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態2の第2の副情報のデータ構造の一例を示す図である。
図16の製造装置によって作成された光ディスクからコンテンツ情報を再生する情報再生装置の特徴的な構成を示すブロック図である。
(A)は、アドレス情報と初期値情報との組み合わせを表す第1のテーブル情報を示す図であり、(B)は、各テーブルノードを暗号化するための暗号鍵を表す第2のテーブル情報を示す図である。
本発明の実施の形態3の情報記録媒体を製造する製造装置の特徴的な構成を示すブロック図である。
図20の製造装置によって作成された光ディスクからコンテンツ情報を再生する情報再生装置の特徴的な構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態4における情報記録再生システムの構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態4に係る副情報管理情報の一例を示す図である。
本発明の実施の形態4における光ディスクの記録領域を示す概念図である。
主情報、第1の副情報及び第2の副情報の光ディスクにおける記録フォーマットを示す図である。
本発明の実施の形態4に係る光ディスクの構造を示す概念図である。
本発明の実施の形態4における第2の副情報記録装置の構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態4における第1の副情報記録装置の構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態4における第2の副情報再生装置の構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態4における第1の副情報再生装置の構成を示すブロック図である。
従来の情報記録再生システムの構成を示すブロック図である。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。尚、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における情報記録再生システムの構成を示すブロック図である。本実施の形態1では、情報記録媒体が再生専用の光ディスクであるものとして説明する。しかしながら、本発明の情報記録媒体は、光ディスクに限られない。光ディスクのスタンパのように原盤媒体から複数の情報記録媒体に複製して作成する情報記録媒体はすべて本発明の範疇である。
本実施の形態1の情報記録再生システムは、スタンパ1’を作成するマスタリング装置2、スタンパ1’を複製して製造した光ディスク1に第2の副情報を記録する情報記録装置3、及び光ディスク1から情報を再生する情報再生装置4で構成される。なお、情報記録再生システムは、マスタリング装置2によって作成されたスタンパ1’から光ディスクを複製するデュプリケーション装置を備えるが、図1では省略している。
マスタリング装置2は、ガラスの光ディスク原盤にコンテンツ情報と第1の副情報とを記録してスタンパ1’を作成する。マスタリング装置2は、暗号化部5、スクランブル部7、主情報記録部35及び第1の副情報記録部36から構成される。
暗号化部5は、スタンパ1’に記録するコンテンツ情報を暗号鍵に基づいて暗号化する。主情報記録部35は、暗号化部5によって暗号化されたコンテンツ情報を主情報としてスタンパ1’に記録する。主情報記録部35は、光ディスク原盤にレーザ光を照射し、光ディスク原盤上に凹凸記録マークを形成することによって、スタンパ1’を製造する。
主情報は、凹凸記録マークによりスタンパ1’のユーザデータ領域6’に記録される。よって、光ディスク1に記録される主情報としてのコンテンツ情報は、暗号鍵で暗号化されて記録される。したがって、暗号鍵は、コンテンツ情報を再生するために必要な情報であるといえる。また、暗号鍵が再生できなければコンテンツ情報は再生できない。したがって、暗号鍵は、コンテンツ情報の再生を許可する再生許可情報であるといえる。
スクランブル部7は、コンテンツ情報の再生に必要な情報として、コンテンツ情報の暗号化に用いた暗号鍵を、スタンパ毎に共通のスタンパ固有情報によって暗号化する。第1の副情報記録部36は、スタンパ固有情報を用いて暗号化した暗号鍵を第1の副情報として、スタンパ1’の第1の副情報記録領域8’に記録する。
第1の副情報記録領域8’は、主情報を記録するときにフレーム単位に付与されるフレームシンク(同期符号)を記録するための記録領域である。本実施の形態1の第1の副情報記録部36は、主情報を記録するときに一定間隔毎のフレーム単位で付与されるフレームシンクのパターンを第1の副情報に基づいて改変することにより、第1の副情報を記録する。主情報の再生時には、コンテンツ情報に必要のないフレームシンクは削除されて再生されるため、再生データをそのまま複製しても第1の副情報が複製されることはない。そのため、第1の副情報の記録方法は、不正な複製に対して耐性のある情報の記録方法である。
以上のような構成によって、本実施の形態1のマスタリング装置2は、スタンパ毎に共通な主情報として、暗号鍵を用いて暗号化したコンテンツ情報を生成するとともに、スタンパ毎に共通な第1の副情報として、スタンパ毎に共通のスタンパ固有情報を用いてスクランブルした暗号鍵を生成する。そして、マスタリング装置2は、ユーザデータ領域6’に凹凸記録マークを形成することによって主情報を記録し、主情報の一定間隔毎に付与されるフレームシンクのパターンを改変することによって第1の副情報を記録する。
従って、ユーザデータ領域6’及び第1の副情報記録領域8’は、スタンパ毎に共通であり、スタンパ1’を複製することによって複数の情報記録媒体(光ディスク)を製造することができる。なお、スタンパ1’のユーザデータ領域6’及び第1の副情報記録領域8’に記録された主情報及び第1の副情報は、光ディスク1のユーザデータ領域6及び第1の副情報記録領域8に転写される。
本実施の形態1の情報記録装置3は、マスタリング装置2で作成したスタンパ1’から複製した情報記録媒体1枚毎に異なる第2の副情報(媒体固有情報)を記録する。情報記録装置3は、媒体固有情報生成部9、媒体固有情報記録部10及び媒体識別情報記録部11から構成される。
媒体固有情報生成部9は、マスタリング装置2で暗号鍵をスクランブルするときに用いたスタンパ固有情報と同一であり、スタンパ毎に異なる情報であるスタンパ固有情報を、スタンパから複製されて作成される情報記録媒体(光ディスク)1を識別するためのディスク識別情報に基づいて変調し、媒体毎に異なる第2の副情報を生成する。
本実施の形態1では、第2の副情報は、スタンパ固有情報がディスク識別情報でスクランブル変調されることにより生成される。例えば、互いの情報の排他的論理和を算出したり、暗号化したりすることによって第2の副情報が生成される。
媒体固有情報記録部10は、生成した媒体毎に異なる第2の副情報を光ディスク1に記録する。光ディスク1は、スタンパ1’から凹凸記録マークが複製され、凹凸記録マークの上に反射膜と保護膜とが形成されることによって作成される。
本実施の形態1の媒体固有情報記録部10は、光ディスクにおいて一般的なBCA(Burst Cutting Area)に第2の副情報を記録する。BCAは、情報記録媒体(光ディスク)の内周部分において、ディスクの半径方向に長いバーコード状に、レーザ光を照射することによって反射膜を除去した領域である。媒体固有情報記録部10は、反射膜の反射率及び反射光強度を変化させたバーコードマークを形成することによって光ディスク毎に異なる第2の副情報を記録する。本実施の形態1では、BCAに情報を記録する手法を用いて、生成した第2の副情報を光ディスク1の内周部分のBCAに記録する。
媒体識別情報記録部11は、媒体毎に異なる第2の副情報を生成するときに用いたディスク識別情報を光ディスク1に記録する。媒体識別情報記録部11は、媒体固有情報記録部10と同様に、ディスク識別情報に基づいて生成したバーコードマークを光ディスク1のBCAに記録する。
なお、バーコードマークの円周方向の記録帯域は、主情報を記録する凹凸記録マークの記録帯域外に設定する。理想的には、バーコードマークの記録帯域は、凹凸記録マークの記録帯域のうち最も低い帯域の2分の1以下の帯域であることが望ましい。なぜならば、バーコードマークを再生する場合、バーコードマークの下地に記録されている凹凸記録マーク成分とバーコードマーク成分とを周波数帯で分離しやすく、バーコードマークの読み出しの信頼性を高くすることができるからである。一方、バーコードマークの記録帯域と凹凸記録マークの記録帯域とが接近している場合、読み取り信号における凹凸記録マーク成分とバーコードマーク成分とを周波数帯で分離することが困難となり、結果的に、バーコードマークの読み出しの信頼性を低下させてしまう。
以上のような構成によって、本実施の形態1の情報記録装置3では、媒体毎に異なる第2の副情報と、媒体毎に異なるディスク識別情報とが、ともにバーコードマークとしてディスクの内周部分のBCAに記録される。BCAには、高出力のYaGレーザなどを用いて光ディスク上の金属膜である反射膜が除去されることにより、第2の副情報及びディスク識別情報が記録される。また、バーコードマークは、下地に記録されている凹凸記録マークと周波数帯を分離して記録される。そのため、YaGレーザのレーザ照射は、凹凸記録マークの記録帯域外に設定することが望ましく、より理想的には、凹凸記録マークの記録帯域のうち最も低い帯域の2分の1以下の帯域に設定することが望ましい。
これによって、凹凸記録マークと周波数帯で分離可能なバーコードマークを記録することが可能となり、バーコードマークの読み出しの信頼性が向上する。従って、一般的な情報記録媒体の情報記録装置では、このようなバーコード情報を複製することが不可能となり、第2の副情報は複製困難な情報として記録される。また、情報記録装置3は、スタンパから複製されて作成される光ディスク1枚毎に異なる情報を記録することができる。ディスク1枚毎に異なる情報とは、媒体毎に固有の情報としてもよいし、複数枚単位で固有の情報としてもよく、必ずしもディスク1枚毎に固有に設定すべき情報ではない。
以上のマスタリング装置2によって作成されたスタンパ1’から複製して作成した光ディスク1は、ユーザデータ領域6と、第1の副情報記録領域8と、第2の副情報記録領域12と、媒体識別情報記録領域20とを有する。
ユーザデータ領域6は、暗号化されたコンテンツ情報が主情報として凹凸記録マークにより記録されている。第1の副情報記録領域8は、主情報の一定間隔毎のフレーム単位に付与されているフレーム同期に必要なフレームシンクのパターンが意図的に通常のパターンから改変されることによって、スクランブルされた暗号鍵が、スタンパ毎に共通の第1の副情報として記録されている。
第2の副情報記録領域12は、ディスク識別情報によって変調されたスタンパ固有情報が、スタンパからスタンプして作成された光ディスク毎に異なる第2の副情報として、ディスクの内周部分のバーコードマークにより記録されている。媒体識別情報記録領域20は、光ディスク1を識別するためのディスク識別情報が、ディスクの内周部分のバーコードマークにより記録されている。
情報再生装置4は、光ディスク1から、主情報、第1の副情報及び第2の副情報を再生する。情報再生装置4は、媒体識別情報再生部13、媒体固有情報再生部14、スタンパ固有情報生成部15、第1の副情報再生部16、データ変換部17、復号化部18及び主情報再生部19で構成される。
媒体識別情報再生部13は、光ディスク1のBCAに記録されているバーコードマークから光ディスク1のディスク識別情報を再生する。
媒体固有情報再生部14は、媒体識別情報再生部13と同様、光ディスク1のBCAに記録されているバーコードマークから光ディスク毎に異なる第2の副情報を再生する。
スタンパ固有情報生成部15は、情報記録装置3の媒体固有情報生成部9に対応した部分であり、媒体固有情報生成部9の処理の逆変換処理を実施する。従って、媒体固有情報生成部9がスタンパ固有情報をディスク識別情報で暗号化した場合、第2の副情報は暗号化されたスタンパ固有情報である。この場合、スタンパ固有情報生成部15は、媒体識別情報再生部13で再生したディスク識別情報で第2の副情報を復号化して、スタンパ固有情報を抽出する。
一方、媒体固有情報生成部9がスタンパ固有情報とディスク識別情報との排他的論理和を求めるスクランブルを行った場合、第2の副情報は、スタンパ固有情報とディスク識別情報との排他的論理和演算値である。この場合、スタンパ固有情報生成部15は、媒体識別情報再生部13で再生したディスク識別情報と、媒体固有情報再生部14で再生した第2の副情報との排他的論理和を求めるデスクランブルを行い、スタンパ固有情報を抽出する。
第1の副情報再生部16は、光ディスク1の主情報が記録されている凹凸記録マークを再生して、主情報の一定間隔毎のフレームに付与されているフレームシンクのパターンが通常のパターンから改変されているかどうかを判定する。第1の副情報再生部16は、フレームシンクのパターンが通常のパターンから改変されている場合、改変されているパターンに基づいて第1の副情報を検出する。
データ変換部17は、マスタリング装置2のスクランブル部7に対応した部分であり、スクランブル部7の処理の逆変換処理を実施する。スクランブル部7が暗号鍵をスタンパ固有情報にて暗号化している場合、第1の副情報は暗号化された暗号鍵情報である。この場合、データ変換部17は、スタンパ固有情報生成部15で生成したスタンパ固有情報で第1の副情報を復号化して、コンテンツ情報(主情報)の暗号鍵を抽出する。
一方、スクランブル部7が、暗号鍵とスタンパ固有情報との排他的論理和演算を求めるスクランブルを行った場合、第1の副情報は、暗号鍵とスタンパ固有情報との排他的論理和演算値である。この場合、データ変換部17は、第1の副情報再生部16で再生した第1の副情報と、スタンパ固有情報生成部15で生成したスタンパ固有情報との排他的論理和を求めるデスクランブルを行い、暗号鍵を抽出する。
主情報再生部19は、光ディスク1のユーザデータ領域6に記録されている凹凸記録マークを再生することにより、主情報(暗号化されたコンテンツ情報)を再生する。
復号化部18は、主情報再生部19によって再生された主情報(暗号化されたコンテンツ情報)を、データ変換部17で抽出した暗号鍵を用いて復号化し、復号化されたコンテンツ情報を出力する。
なお、本実施の形態1において、情報記録装置3が情報記録装置の一例に相当し、媒体固有情報生成部9が第2の副情報生成部の一例に相当し、媒体固有情報記録部10が第2の副情報記録部の一例に相当し、媒体識別情報記録部11が媒体識別情報記録部の一例に相当する。
また、情報再生装置4が情報再生装置の一例に相当し、主情報再生部19が主情報再生部の一例に相当し、第1の副情報再生部16が第1の副情報再生部の一例に相当し、媒体固有情報再生部14が2の副情報再生部の一例に相当し、スタンパ固有情報生成部15がスタンパ固有情報生成部の一例に相当し、データ変換部17が再生許可情報抽出部の一例に相当し、媒体識別情報再生部13が媒体識別情報再生部の一例に相当する。
さらに、光ディスク1が情報記録媒体の一例に相当し、ユーザデータ領域6が主情報記録領域の一例に相当し、第1の副情報記録領域8が第1の副情報記録領域の一例に相当し、第2の副情報記録領域12が第2の副情報記録領域の一例に相当し、媒体識別情報記録領域20が媒体識別情報記録領域の一例に相当する。
以上の構成により、スタンパ毎に共通の第1の副情報と、媒体毎に異なる第2の副情報との両方を正常に検出できないと、コンテンツ情報の暗号を解くための暗号鍵を生成することが不可能である。情報再生装置4は、ライセンスを受けないと製造できないスタンパ固有情報生成部15及びデータ変換部17が必要となり、第1の副情報と第2の副情報とを知らないメーカが、不正な情報再生装置を製造することは極めて困難となる。
また、本実施の形態1では、フレーム毎のフレームシンクパターンを改変することによって第1の副情報を記録する方法について説明した。この方法では、情報再生装置4から出力される再生信号には、コンテンツ情報を表す信号しか含まれないため、第1の副情報は情報再生装置4の外に出力されることはない。従って、第1の副情報は、一般的な情報記録媒体の情報記録装置では、容易に複製できる情報ではないので、コンテンツ情報の著作権の保護を強化することができる。
また、本実施の形態1では、BCAにバーコードマークを形成することによって第2の副情報を記録する方法について説明した。バーコードマークは、YaGレーザ光などの高出力のレーザ光を反射膜に照射して反射膜を除去して形成される。そのため、第1の副情報と同様に通常の情報記録装置で複製することは極めて困難であり、コンテンツ情報の著作権の保護を強化することができる。
また、従来の情報記録媒体では、媒体毎に異なるディスク識別情報を記録する方法は開示されていたが、暗号鍵情報はスタンパ固有の情報を使用しており、1枚の情報記録媒体から暗号鍵が漏れれば、同じスタンパで作成された他の情報記録媒体の暗号が不正に解かれてしまうという課題があった。
しかしながら、本実施の形態1では、例えスタンパで複製されるROM型情報記録媒体であっても、当該情報記録媒体は、媒体毎に異なる第2の副情報を記録しており、第2の副情報が再生されなければコンテンツ情報を再生することは不可能である。悪意ある第3者が情報記録媒体を解析しようとしても、媒体毎に異なる情報が読み出される。そのため、たとえ1枚の情報記録媒体のディスク識別情報がハッキングされても、ハッキングしたディスク識別情報に基づいて異なる情報記録媒体に記録されているコンテンツ情報の再生を行うことはできないので、ハッキングに対する耐性も向上させることができる。
図2は、本発明の実施の形態1における情報記録装置の構成を示す図である。
図2に示す情報記録装置3は、媒体固有情報生成部9、媒体固有情報記録部10及び媒体識別情報記録部11を備える。
情報記録装置3は、スタンパ1’を用いて作成される光ディスク(情報記録媒体)1に情報を記録する。光ディスク1は、主情報を予め記録するとともに、スタンパ毎に共通なスタンパ固有情報に基づいて、主情報を再生するために必要な暗号鍵情報(再生許可情報)をデータ変換した第1の副情報を、主情報とは異なる形態で予め記録している。
また、光ディスク1は、主情報に従って形成された凹凸記録マークと、凹凸記録マーク上に形成された反射膜とを含む。光ディスク1は、主情報に従って形成された凹凸記録マークがスタンパ1’から転写された後、スタンパ1’から転写された凹凸記録マーク上に反射膜が形成されることによって作成される。
媒体固有情報生成部9は、主情報と、スタンパ固有情報に基づいて、主情報を再生するために必要な暗号鍵情報(再生許可情報)をデータ変換した第1の副情報とが予め記録されている光ディスク毎に異なるディスク識別情報(媒体固有情報)に基づいて、スタンパ毎に共通なスタンパ固有情報をデータ変換することにより第2の副情報を生成する。
また、媒体固有情報生成部9は、ディスク識別情報を暗号鍵として、スタンパ固有情報を暗号化することにより第2の副情報を生成する。
媒体固有情報記録部10は、主情報及び第1の副情報とは異なる形態で、媒体固有情報生成部9によって生成された第2の副情報を光ディスク1に記録する。また、媒体固有情報記録部10は、凹凸記録マークの最長マークよりも長い間隔でレーザ光を照射し、反射膜の反射率を変化させることによって第2の副情報を光ディスク1に記録する。
媒体識別情報記録部11は、光ディスク1にレーザ光を照射し、反射膜の反射率を変化させることによって、情報記録媒体を識別するためのディスク識別情報(媒体識別情報)を光ディスク1に記録する。
このように、主情報と、スタンパ固有情報に基づいて、主情報を再生するために必要な暗号鍵情報(再生許可情報)をデータ変換した第1の副情報とが予め記録されている光ディスク毎に異なるディスク識別情報(媒体固有情報)に基づいて、スタンパ毎に共通なスタンパ固有情報をデータ変換することにより第2の副情報が生成される。そして、主情報及び第1の副情報とは異なる形態で、生成された第2の副情報が光ディスク1に記録される。
したがって、本発明の情報記録装置によれば、光ディスク毎に異なる第2の副情報が再生されなければ、主情報を再生することができないので、主情報の著作権を確実に保護することができる。また、同一のスタンパ1’から転写された光ディスク1であっても、光ディスク毎に異なる第2の副情報を読み出す必要があり、光ディスク毎に共通の情報を読み出す場合に比べて、光ディスク1の不正な解析が困難となり、記録されている主情報への不正なアクセスを防止することができる。
図3は、本発明の実施の形態1における情報再生装置の構成を示す図である。
図3に示す情報再生装置4は、媒体識別情報再生部13、媒体固有情報再生部14、スタンパ固有情報生成部15、第1の副情報再生部16、データ変換部17、復号化部18及び主情報再生部19を備える。
情報再生装置4は、スタンパ1’を用いて作成される光ディスク1から情報を再生する。光ディスク1は、主情報に従って形成された凹凸記録マークがスタンパ1’から転写された後、スタンパ1’から転写された凹凸記録マーク上に反射膜が形成され、光ディスク毎に、第2の副情報が追記されることによって作成される。
媒体識別情報再生部13は、光ディスク1にレーザ光を照射し、光ディスク1を識別するためのディスク識別情報(媒体識別情報)を再生する。また、媒体識別情報再生部13は、反射膜からの反射光の強度変化を検出することによって、ディスク識別情報を再生する。
主情報再生部19は、光ディスク1に形成された凹凸記録マークにレーザ光を照射し、凹凸記録マークからの反射光に基づいて主情報を再生する。
第1の副情報再生部16は、スタンパ毎に共通なスタンパ固有情報に基づいて、主情報を再生するために必要な暗号鍵情報(再生許可情報)をデータ変換した第1の副情報を再生する。また、第1の副情報再生部16は、凹凸記録マークからの反射光に基づいて、凹凸記録マークの変位、凹凸記録マークの変形、及び凹凸記録マークにより所定パターンで記録されるデータの当該パターンの改変のうちの少なくとも1つを検出することによって、第1の副情報を再生する。
媒体固有情報再生部14は、光ディスク毎に異なるディスク識別情報(媒体固有情報)に基づいて、スタンパ固有情報をデータ変換した第2の副情報を再生する。また、媒体固有情報再生部14は、反射膜からの反射光の強度変化を検出することによって、第2の副情報を再生する。
スタンパ固有情報生成部15は、ディスク識別情報に基づいて、媒体固有情報再生部14によって再生された第2の副情報をデータ変換することにより、スタンパ固有情報を生成する。また、スタンパ固有情報生成部15は、媒体識別情報再生部13によって再生されたディスク識別情報に基づいて、媒体固有情報再生部14によって再生された第2の副情報をデータ変換することにより、スタンパ固有情報を生成する。また、スタンパ固有情報生成部15は、ディスク識別情報を暗号鍵として、第2の副情報を復号化することにより、スタンパ固有情報を生成する。
データ変換部17は、スタンパ固有情報生成部15によって生成されたスタンパ固有情報に基づいて、第1の副情報再生部16によって再生された第1の副情報をデータ変換することにより、暗号鍵情報を抽出する。また、データ変換部17は、スクランブルされている第1の副情報を、スタンパ固有情報生成部15によって生成されたスタンパ固有情報に基づいてデスクランブルすることにより、暗号鍵情報を抽出する。
復号化部18は、主情報再生部19によって再生された主情報を、データ変換部17によって抽出された暗号鍵情報に基づいて復号化する。
このように、主情報が再生され、スタンパ毎に共通なスタンパ固有情報に基づいて、主情報を再生するために必要な暗号鍵情報(再生許可情報)をデータ変換した第1の副情報が再生される。また、光ディスク毎に異なるディスク識別情報(媒体固有情報)に基づいて、スタンパ固有情報をデータ変換した第2の副情報が再生される。そして、ディスク識別情報に基づいて、再生された第2の副情報がデータ変換されることにより、スタンパ固有情報が生成され、生成されたスタンパ固有情報に基づいて、再生された第1の副情報がデータ変換されることにより、暗号鍵情報が抽出される。
したがって、本発明の情報再生装置によれば、光ディスク毎に異なる第2の副情報が再生されなければ、主情報を再生することができないので、主情報の著作権を確実に保護することができる。また、同一のスタンパ1’から転写された光ディスク1であっても、光ディスク毎に異なる第2の副情報を読み出す必要があり、光ディスク毎に共通の情報を読み出す場合に比べて、光ディスク1の不正な解析が困難となり、記録されている主情報への不正なアクセスを防止することができる。
図4は、本発明の実施の形態1における情報記録媒体の構成を示す図である。
図4に示す光ディスク(情報記録媒体)1は、ユーザデータ領域(主情報記録領域)6、第1の副情報記録領域8、第2の副情報記録領域12及び媒体識別情報記録領域20を備える。
ユーザデータ領域6は、主情報を記録する。
第1の副情報記録領域8は、スタンパ毎に共通なスタンパ固有情報に基づいて、主情報を再生するために必要な暗号鍵情報(再生許可情報)をデータ変換した第1の副情報を記録する。第1の副情報記録領域8は、主情報とは異なる形態で第1の副情報を記録している。また、第1の副情報記録領域8は、凹凸記録マークの変位、凹凸記録マークの変形、及び凹凸記録マークにより所定パターンで記録されるデータの当該パターンの改変のうちの少なくとも1つによって第1の副情報を記録している。
第2の副情報記録領域12は、光ディスク毎に異なるディスク識別情報(媒体固有情報)に基づいて、スタンパ固有情報をデータ変換した第2の副情報を記録する。第2の副情報記録領域12は、主情報及び第1の副情報とは異なる形態で第2の副情報を記録している。また、第2の副情報記録領域12は、反射膜の反射率を変化させることによって第2の副情報を記録している。
主情報と第1の副情報とが記録されたスタンパ1’から、主情報と第1の副情報とが光ディスク1に転写されるとともに、第2の副情報が光ディスク1に記録される。
媒体識別情報記録領域20は、光ディスク1を識別するためのディスク識別情報(媒体識別情報)を記録する。媒体識別情報記録領域20は、光ディスク1にレーザ光が照射され、反射膜の反射率を変化させることによってディスク識別情報を記録している。
このように、ユーザデータ領域6には、主情報が記録され、第1の副情報記録領域8には、スタンパ毎に共通なスタンパ固有情報に基づいて、主情報を再生するために必要な暗号鍵情報(再生許可情報)をデータ変換した第1の副情報が記録され、第2の副情報記録領域12には、光ディスク毎に異なるディスク識別情報(媒体固有情報)に基づいて、スタンパ固有情報をデータ変換した第2の副情報が記録される。そして、主情報と第1の副情報とが記録されたスタンパ1’から、主情報と第1の副情報とが光ディスク1に転写されるとともに、第2の副情報が光ディスク1に記録される。
したがって、本発明の光ディスク(情報記録媒体)によれば、光ディスク毎に異なる第2の副情報が再生されなければ、主情報を再生することができないので、主情報の著作権を確実に保護することができる。また、同一のスタンパから転写された光ディスク1であっても、光ディスク毎に異なる第2の副情報を読み出す必要があり、光ディスク毎に共通の情報を読み出す場合に比べて、光ディスク1の不正な解析が困難となり、記録されている主情報への不正なアクセスを防止することができる。
次に、本発明の実施の形態1における情報記録媒体について説明する。図5は、本発明の実施の形態1における情報記録媒体の構成を示す外観図である。
情報記録媒体101は、スタンパから転写して複製されたROM型情報記録媒体である。情報記録媒体101は、第2の副情報が記録される第2の副情報記録領域102と、コンテンツ情報などの主情報が凹凸記録マークにより記録される主情報記録領域(ユーザデータ領域)103とで構成されている。
第2の副情報記録領域102は、バーコードマークを形成して第2の副情報が記録されている。バーコードマークは、スタンパから転写して複製された後、反射膜が蒸着された情報記録媒体101の内周部分において、ディスクの半径方向に長いバーコード状に、YaGレーザから高出力のレーザ光を照射し、反射膜を除去することによって形成される。
第2の副情報は、スタンパで複製された情報記録媒体1枚毎に異なる情報であり、スタンパ毎に固有のスタンパ固有情報と、情報記録媒体毎に固有のディスク識別情報とに基づいて生成される。
主情報記録領域103は、凹凸記録マークで主情報が記録されており、スタンパによって転写されることによって記録される領域である。また、凹凸記録マークにより記録されている主情報の一定間隔のフレーム単位に付与されているフレームシンクのパターンが通常のパターンから改変されることによって、第1の副情報が主情報に重畳されて記録されている。よって、情報記録媒体101を作成するためのスタンパには、主情報と第1の副情報とが記録されている。主情報と第1の副情報とは、ポリカーボネート樹脂などで構成される光ディスク基盤に転写複製されて記録される。主情報と第1の副情報とが転写された後に、光ディスク基盤に金属膜からなる反射膜が蒸着又はスパッタリングで付与されて、反射膜上に保護膜が形成されることにより、情報記録媒体101が作成される。
図6は、本発明の実施の形態1における情報記録媒体101の主情報記録領域103の情報記録面を拡大した概念図である。
情報記録媒体101には、ポリカーボネート樹脂などで構成される光ディスク基盤1Pにスタンパから転写された凹凸記録マーク104が形成され、凹凸記録マーク104上に、金属膜からなる反射膜1Lが蒸着又はスパッタリングされて形成されている。凹凸記録マーク104により、主情報及び第1の副情報が記録される。
図7は、本発明の実施の形態1の情報記録媒体の主情報記録領域103の記録フォーマットを示す概念図であり、図7(A)は、第1の副情報が記録されていない場合の主情報記録領域103のセクタフォーマットを示す図であり、図7(B)は、第1の副情報が記録されている場合の主情報記録領域103のセクタフォーマットを示す図である。なお、実施の形態1では、情報記録媒体がDVD−ROMである場合について説明する。
なお、DVD−ROMの主情報は、1488チャネルビット単位のフレームと、26フレーム単位のセクタと、16セクタ単位のECC(Error Correction Code)ブロック毎に記録されている。フレームは、データ同期単位の最小単位であり、フレームの先頭には、32チャネルビットの同期符号(フレームシンク)が付与されている。セクタは、データアクセスのためのアドレス情報が付与されている単位であり、ECCブロックは、エラー訂正符号化された16KB(キロバイト)単位の論理的な最小アクセス単位である。
図7(A)で示すように、DVD−ROMのセクタは、26フレームから構成されており、フレーム毎の先頭32チャネルビットに同期符号(フレームシンク)を有している。同期符号は、同期符号の種別を示す種別部と、すべての同期符号で共通の固定パターンであり、同期符号であることを示す同期部とから構成されており、DVD−ROMの同期部は、14チャネルビット及び4チャネルビットの連続する符号である。
フレーム内の先頭の同期符号以外の部分はデータ符号であり、コンテンツ情報などのデータが記録される。
また、DVD−ROMの同期符号は、“SY0”〜“SY7”の8通りが存在し、同期符号の種別部によって識別される。また、DVD−ROMでは、連続する同期符号の並びを確認することによって、セクタ内のフレーム位置(フレームアドレス)を抽出することができる。例えば、“SY0”の同期符号が付与されたフレームの後に“SY5”の同期符号が付与されたフレームが確認されることによって、“SY5”の同期符号が付与されたフレームはセクタ内の第2フレームであることが判定できる。また、“SY3”の同期符号が付与されたフレームの後に、“SY6”の同期符号が付与されたフレームが確認されると、“SY6”の同期符号が付与されたフレームは、セクタ内の第16フレームであることが判定できる。この同期符号の並びは、DVD−ROMの物理規格として、定められている。
一方、図7(B)は、本実施の形態1の第1の副情報が主情報に重畳して記録されている場合のセクタ構造を示している。本例では、図7(A)の標準のセクタフォーマットに対して、第4、16、20フレームの同期符号が、本来の“SY5”、“SY6”、“SY7”からそれぞれ通常ではありえない(物理規格上存在しない)“SY8”に改変されている。この同期符号のパターンの改変によって第1の副情報が記録されている。
具体的には、本実施の形態1の情報記録媒体において、第4フレーム381、第8フレーム382、第12フレーム383、第16フレーム384、第20フレーム385及び第24フレーム386の同期符号が、“SY8”に置き換えられているかどうかによって第1の副情報が1ビットずつ記録される。よって、セクタ内に6ビットの第1の副情報が記録され、特定のECCブロックに96ビットの第1の副情報が記録される。図7(B)では、第4フレーム381、第16フレーム384及び第20フレーム385の同期符号が、“SY8”に置き換えられているため、当該セクタに記録されている第1の副情報は“100110”となる。
なお、本例では、同期符号が、“SY8”に置き換えられている場合に、第1の副情報のビット値を“1”としているが、同期符号が、“SY8”に置き換えられている場合に、第1の副情報のビット値を“0”とし、上記の第1の副情報を“011001”としてもよいが、情報記録装置と情報再生装置とで共通の置換規則を有していることが必須である。
本例のように、同期符号のパターンを改変することによって第1の副情報を記録する場合であっても、改変されている同期符号より2フレーム手前の同期符号が改変されることはない。従って、改変されている同期符号より手前の2フレームにおけるフレームアドレスは正常に検出することが可能となり、たとえ、同期符号が改変されていてフレームアドレスが抽出できない場合であっても、フレーム数をカウントしておけば、フレームアドレスを補完することは容易であり、主情報の再生に影響を与えるものではない。また、通常の再生動作においても、同期符号を誤って読み出す恐れがあるので、一般的な情報再生装置においても、このようなフレームアドレスの補完機能を搭載していることは一般的である。
図8は、本発明の実施の形態1の情報記録媒体を製造するための手順を説明するための図である。
本実施の形態1における情報記録媒体を製造するための手順は、マスタリング工程140、デュプリケーション工程150、第2の副情報記録工程160及び媒体識別情報記録工程170からなる。
マスタリング工程140は、入力されるコンテンツ情報に基づいてスタンパを作成する。マスタリング工程140は、暗号化部112、変調部114、第1の副情報重畳部116、原盤記録部117及びスタンパ作成部118による処理から構成される。
暗号化部112は、コンテンツ情報記憶部111からコンテンツ情報を読み出し、読み出したコンテンツ情報を、暗号鍵生成部113によって生成された暗号鍵を用いて暗号化する。コンテンツ情報記憶部111は、情報記録媒体に記録するコンテンツ情報を記憶する。暗号鍵生成部113は、コンテンツ情報を暗号化するための暗号鍵を生成する。
変調部114は、一般的なフォーマッタで構成されており、暗号化部112によって暗号化された暗号化コンテンツ情報を、記録する情報記録媒体に応じて変調する。例えば、DVD−ROMでは、8−16変調が適用され、入力される8ビット情報を16チャネルビット情報に変換する。また、変調部114は、フレーム単位に通常の同期符号を付与するとともに、セクタ単位にアドレス情報を重畳し、ECCブロック単位でエラー訂正符号化を行う。
第1の副情報重畳部116には、暗号鍵生成部113によって生成された暗号化鍵が入力される。また、第1の副情報重畳部116には、スタンパ固有情報生成部115によって生成されたスタンパ固有情報が入力される。スタンパ固有情報生成部115は、コンテンツ情報を記録するスタンパに固有のスタンパ固有情報を生成する。なお、スタンパ固有情報生成部115は、コンテンツ情報毎に共通のコンテンツ共通情報を生成してもよいし、記録するスタンパ毎に共通のスタンパ固有情報を生成してもよい。
第1の副情報重畳部116は、入力される暗号鍵とスタンパ固有情報とに基づいて第1の副情報を生成する。そして、第1の副情報重畳部116は、生成した第1の副情報に応じて、変調部114から入力されるフレーム単位に同期符号が付与された変調データに対して、特定のECCブロック内の同期符号のパターンを改変することによって第1の副情報を重畳した変調データを生成する。
原盤記録部117は、第1の副情報重畳部116で第1の副情報が重畳された変調データに応じて、光ディスク原盤にレーザを照射するための記録信号を生成して、光ディスク原盤にレーザ光を照射する。原盤記録部117は、光ディスク原盤上に第1の副情報を重畳した変調データに応じた凹凸記録マークを形成する。これにより、光ディスク原盤が作成される。
スタンパ作成部118は、原盤記録部117によって作成された光ディスク原盤をガラス基盤に転写することによってスタンパを作成する。スタンパ作成部118は、作成したスタンパをデュプリケーション工程150に移す。
デュプリケーション工程150は、プレス部119、反射膜スパッタリング部120及び保護膜形成部121による処理から構成される。
プレス部119は、マスタリング工程140で作成したスタンパをポリカーボネート樹脂などなからなる光ディスク基盤にプレスして、スタンパに記録されている凹凸記録マークを転写する。これにより、主情報と第1の副情報とが複製される。また、プレス部119は、1枚のスタンパから複数の光ディスク基盤を作成する。
反射膜スパッタリング部120は、プレス部119でプレスして複製した光ディスク基盤の凹凸記録マーク上に金属膜などの反射膜をスパッタリングする。なお、反射膜は蒸着してもよい。
保護膜形成部121は、反射膜スパッタリング部120で反射膜が形成された光ディスク基盤に保護膜を形成して、情報記録媒体である光ディスクを作成する。よって、デュプリケーション工程150では、一枚のスタンパから複数の光ディスクを作成することができ、同じスタンパから作成される各光ディスクには、同一の主情報及び第1の副情報が記録されている。このように作成された光ディスクは、第2の副情報記録工程160に移される。
第2の副情報記録工程160は、デュプリケーション工程150で作成した光ディスク毎に第2の副情報を記録する。第2の副情報記録工程160は、第2の副情報生成部123及び第2の副情報記録部124による処理から構成される。
第2の副情報生成部123は、マスタリング工程140の第1の副情報重畳部116で用いたスタンパ固有情報(コンテンツ共通情報)と、光ディスク1枚毎に異なるように媒体識別情報生成部122で生成されたディスク識別情報とに基づいて第2の副情報を生成する。媒体識別情報生成部122は、光ディスク毎に固有のディスク識別情報を生成する。本実施の形態1における第2の副情報の生成方法として、スタンパ固有情報とディスク識別情報との排他的論理和に基づいたデータスクランブルを用いたり、ディスク識別情報を暗号鍵としてスタンパ固有情報を暗号化したりするなどして第2の副情報を生成する。また、第2の副情報は、バーコード変調が成される。
第2の副情報記録部124は、バーコード変調された第2の副情報に応じて、光ディスクに高出力のYaGレーザ光などを照射して、光ディスクの内周部分の反射膜を、径方向に長いバーコード状に除去することによって、第2の副情報を記録する。第2の副情報記録部124は、一般的な光ディスクへのBCAを記録する装置を用いることによって第2の副情報を記録することができる。第2の副情報が記録された光ディスクは、媒体識別情報記録工程170に移される。
媒体識別情報記録工程170は、主情報と第1の副情報とがデュプリケーション工程150によってスタンパから転写され、第2の副情報が第2の副情報記録工程160によって記録された光ディスクにディスク識別情報を記録する。媒体識別情報記録工程170は、媒体識別情報記録部125による処理から構成される。
媒体識別情報記録部125は、第2の副情報記録工程160における第2の副情報生成部123で用いたディスク識別情報を、第2の副情報と同様にバーコード変調する。媒体識別情報記録部125は、バーコード変調されたディスク識別情報に応じて、光ディスクに高出力のYaGレーザ光などを照射して、光ディスクの内周部分の反射膜を、径方向に長いバーコード状に除去することによって、ディスク識別情報を記録する。従って、媒体識別情報記録工程170の媒体識別情報記録部125と、第2の副情報記録工程160の第2の副情報記録部124とは、同一のBCA記録装置で構成されている。第2の副情報記録工程160と媒体識別情報記録工程170とは、同時に行ってもよい。
以上の構成により、マスタリング工程140において、主情報と第1の副情報とを凹凸記録マークとして記録したスタンパが作成され、デュプリケーション工程150において、スタンパに基づいて複数の光ディスクが作成され、第2の副情報記録工程160と媒体識別情報記録工程170とにおいて、光ディスクの内周部分にバーコードマークとして、第2の副情報とディスク識別情報とが記録される光ディスクが作成される。
また、第1の副情報は、スタンパ毎に共通のスタンパ固有情報と、コンテンツ情報を暗号化するための暗号鍵情報とに基づいて生成され、第2の副情報は、ディスク識別情報とスタンパ固有情報とに基づいて生成される。よって、光ディスクを再生するためには、媒体毎に異なるディスク識別情報と第2の副情報とを再生し、第2の副情報からスタンパ固有情報を抽出し、第1の副情報と抽出したスタンパ固有情報とに基づいてコンテンツ情報の暗号鍵を抽出する必要がある。
これにより、媒体毎に異なる第2の副情報を読み出すことなしには、コンテンツ情報の暗号鍵は抽出されない光ディスクを作成することができる。よって、例え1枚の光ディスクから第2の副情報が流出したとしても、流出した第2の副情報によって他の光ディスクのコンテンツ情報を再生できる保証はなく、光ディスクに記録されているコンテンツ情報の著作権の保護をより強化することが可能となる。
図9は、本発明の実施の形態1の情報記録媒体を製造する製造装置の特徴的な構成を示すブロック図である。
情報記録媒体を製造する製造装置は、図8で説明したマスタリング工程140、第2の副情報記録工程160及び媒体識別情報記録工程170と対応付けられるマスタリング部141、第2の副情報記録処理部161及び媒体識別情報記録処理部171によって構成される。
マスタリング部141は、主情報と第2の副情報とを光ディスク原盤に記録する。マスタリング部141は、暗号化部181、変調部182、擬似乱数系列発生部183、スクランブル部184及び第1の副情報重畳部185から構成される。
暗号化部181は、光ディスク原盤(スタンパ186)に記録するコンテンツ情報を、コンテンツ情報を再生するために必要な情報である暗号鍵で暗号化することにより、暗号化コンテンツ情報を生成する。暗号化部181は、生成した暗号化コンテンツ情報を変調部182に出力する。
変調部182は、暗号化部181から入力される暗号化コンテンツ情報を、記録する光ディスクに応じて変調する。変調部182は、暗号化コンテンツ情報を変調するとともに、暗号化コンテンツ情報の所定データ量毎のフレーム単位に同期符号(フレームシンク)を付与し、セクタ単位にアドレス情報を付与し、ECCブロック単位にエラー訂正符号化することにより、変調主情報を生成する。変調部182は、生成した変調主情報を第1の副情報重畳部185に出力する。
擬似乱数系列発生部183は、M系列又はGold系列を発生する一般的なシフトレジスタによって構成される。擬似乱数系列発生部183は、第1の副情報を記録する先頭のフレーム位置で、スタンパ固有情報を初期値としてセットして、第1の副情報を重畳記録するフレーム単位に1ビットずつシフトレジスタをシフトして擬似乱数系列を1ビットずつ発生させる。擬似乱数系列発生部183は、発生させた擬似乱数系列をスクランブル部184に出力する。なお、初期値としてセットするとは、シフトレジスタに値(スタンパ固有情報)をプリセットすることを意味している。
スタンパ毎に共通なスタンパ固有情報が初期値として擬似乱数系列発生部183にセットされ、擬似乱数系列が、第1の副情報が記録される領域でフレーム単位に1ビットずつ発生される。
スクランブル部184は、第1の副情報が記録される領域でフレーム単位に1ビットずつ発生される擬似乱数系列を用いて、暗号鍵をスクランブルする。スクランブル部184は、スクランブル暗号鍵を第1の副情報として第1の副情報重畳部185に出力する。
第1の副情報重畳部185は、スクランブル部184から入力される第1の副情報のビットの値に応じて、変調部182から入力される変調主情報のフレーム単位に付与されている同期符号を改変することによって変調主情報に第1の副情報を重畳する。具体的には、図7(B)で示したとおり、第1の副情報を記録するセクタ内の第4、8、12、16、20、24フレームにおいて、記録する第1の副情報のビット値が“1”の場合は、同期符号を“SY8”に改変し、ビット値が“0”の場合は、同期符号を改変しない。このようにして、第1の副情報重畳部185は、第1の副情報を重畳した変調主情報を記録する記録信号を生成する。第1の副情報重畳部185は、生成した記録信号に応じて、光ディスク原盤にレーザ光を照射することで、光ディスク原盤上に凹凸記録マークを形成し、主情報と第1の副情報とを記録する。
第1の副情報重畳部185は、第1の副情報を記録する特定のECCブロック内の各セクタの第4、8、12、16、20、24フレームにそれぞれ1ビットの第1の副情報を記録する。そのため、ECCブロック内では、96ビットの第1の副情報を記録することができる。
以上のように、マスタリング部141は、主情報であるコンテンツ情報と第1の副情報とが記録された光ディスク原盤を作成し、当該光ディスク原盤をガラス盤に転写することによってスタンパ186を作成する。また、不図示のデュプリケーション部は、スタンパ186から複数の光ディスクを作成する。また、本実施の形態1では、第1の副情報とは、コンテンツ情報を暗号化するための暗号鍵を、スタンパ固有情報を初期値として発生させた擬似乱数系列によってスクランブルした情報である。
第2の副情報記録処理部161は、暗号化部187、第2の副情報生成部188及び第2の副情報記録部189によって構成される。
暗号化部187は、光ディスク毎に異なるディスク識別情報を鍵として使用し、マスタリング部141における擬似乱数系列発生部183に初期値としてセットされるスタンパ固有情報を暗号化する。暗号化されたスタンパ固有情報は、第2の副情報生成部188に出力される。
第2の副情報生成部188は、暗号化部187から入力される暗号化されたスタンパ固有情報をバーコード変調することによって第2の副情報を生成する。第2の副情報生成部188は、生成した第2の副情報を第2の副情報記録部189に出力する。なお、本実施の形態1の第2の副情報は、光ディスク毎に異なるディスク識別情報を用いて、スタンパ毎に共通のスタンパ固有情報を暗号化することにより生成される。そのため、第2の副情報は、光ディスク毎に異なる情報である。
第2の副情報記録部189は、バーコード変調された第2の副情報に応じて、光ディスク194の内周部分にYaGレーザ光などを照射して、径方向に長いバーコードマークを形成することにより、第2の副情報を記録する。
媒体識別情報記録処理部171は、光ディスク毎に異なるディスク識別情報を記録する。媒体識別情報記録処理部171は、暗号化部190、バーコード変調部192及び媒体識別情報記録部193によって構成される。
暗号化部190は、第2の副情報記録処理部161における暗号化部187で暗号鍵として用いたディスク識別情報を、内部に機密に保持している暗号鍵Km191によって暗号化する。暗号化したディスク識別情報は、バーコード変調部192に出力される。
バーコード変調部192は、暗号化されたディスク識別情報をバーコード変調する。バーコード変調部192は、バーコード変調した暗号化ディスク識別情報を媒体識別情報記録部193に出力する。
媒体識別情報記録部193は、バーコード変調された暗号化ディスク識別情報に応じて、光ディスク194の内周部分の反射膜を半径方向に長いバーコード状に除去してバーコードマークを形成することにより、光ディスク194の内周部分に暗号化ディスク識別情報を記録する。
よって、媒体識別情報記録処理部171の媒体識別情報記録部193は、第2の副情報記録処理部161の第2の副情報記録部189と同様の処理により、暗号化ディスク識別情報をバーコード記録する。第2の副情報記録処理部161と媒体識別情報記録処理部171とは、同一の装置として構成してもよく、第2の副情報記録処理部161による第2の副情報記録工程と、媒体識別情報記録処理部171による媒体識別情報記録工程とは、同時に行ってもよい。
以上のような構成により、製造装置は、主情報と第1の副情報とを記録したスタンパ186から転写して作成される光ディスク194に、第2の副情報とディスク識別情報との両方を記録することができる。
本実施の形態1の第1の副情報は、コンテンツ情報の再生に必要な情報であるとともにコンテンツ情報を暗号化するための暗号鍵情報を、スタンパ毎に共通のスタンパ固有情報を初期値として発生させた擬似乱数系列によってスクランブルすることにより、生成される。
また、本実施の形態1の第2の副情報は、第1の副情報をスクランブルする際に用いたスタンパ固有情報を、光ディスク毎に異なるディスク識別情報によって暗号化することにより、記録される。
従って、再生時には、光ディスク毎に異なる第2の副情報とディスク識別情報とが再生され復号されることによって、スタンパ固有情報が生成される。また、スタンパ固有情報によって第1の副情報がデスクランブルされてコンテンツ情報の暗号を解くための暗号鍵が生成される。従って、同じスタンパから転写された光ディスクであっても、光ディスク毎に異なる第2の副情報を再生する必要があり、たとえ、1枚の光ディスクから第2の副情報が流出したとしても、流出した第2の副情報を用いて他の光ディスクを再生することは不可能である。そのため、光ディスクに記録されるコンテンツ情報の著作権の保護を強化することができる。
図10は、本発明の実施の形態1の光ディスクの内周部分に記録される、第2の副情報と暗号化されたディスク識別情報とのデータフォーマットの一例を示す図である。
光ディスクの内周部分に記録される、第2の副情報と暗号化されたディスク識別情報とは、バーコード変調され、光ディスクの径方向に長いバーコードマークとしてBCAに記録さている。各データクラスタの先頭にはバーコードマークの同期符号SB207が記録されている。BCAには、データフォーマットが暗号化媒体識別情報と第2の副情報とを含むことを示すBCAプリアンブル(BCA Pre−Amble)206、暗号化されたディスク識別情報201、暗号化されたディスク識別情報のエラー訂正のためのパリティ202、暗号化スタンパ固有情報(=第2の副情報)203及び暗号化スタンパ固有情報のパリティ204が記録されている。
図11は、図9の製造装置によって作成された光ディスクからコンテンツ情報を再生する情報再生装置の特徴的な構成を示すブロック図である。
情報再生装置は、情報記録媒体である光ディスク211からスタンパ毎に共通の第1の副情報と、光ディスク毎に異なる第2の副情報とを再生することによって、光ディスク211に記録されているコンテンツ情報を再生する。情報再生装置は、媒体識別情報再生部212、バーコード復調部213、復号化部214、第2の副情報再生部216、復号化部217、擬似乱数系列発生部218、第1の副情報再生部219、データ変換部220、主情報再生部221及び復号化部222によって構成される。
媒体識別情報再生部212は、光ディスク211の内周部分に記録されているバーコード情報を、レーザ照射による反射光強度の変化によって読み出し、レーザ強度を示す信号をバーコード復調部213へ出力する。
バーコード復調部213は、バーコードの読み出し信号であるレーザ強度を示す信号から、バーコード化された暗号化ディスク識別情報を読み出す。バーコード復調部213は、読み出した暗号化ディスク識別情報を復号化部214に出力する。
復号化部214は、図9の暗号化部190に対応する部分である。復号化部214は、暗号化されたディスク識別情報を内部に秘密に保持する暗号鍵Km215によって復号化することにより、ディスク識別情報を抽出する。復号化部214は、抽出したディスク識別情報を復号化部217に出力する。
第2の副情報再生部216は、媒体識別情報再生部212と同様に、光ディスク211の内周部分に記録されているバーコード情報から、バーコード化された第2の副情報を読み出す。第2の副情報再生部216は、読み出した第2の副情報を復号化部217に出力する。
復号化部217は、図9の暗号化部187に対応する部分である。復号化部217は、復号化部214から入力されるディスク識別情報を鍵として使用し、第2の副情報(暗号化されたスタンパ固有情報)を復号化することにより、スタンパ固有情報を抽出する。復号化部217は、抽出したスタンパ固有情報を擬似乱数系列発生部218に出力する。
擬似乱数系列発生部218は、図9の擬似乱数系列発生部183と同等の構成である。擬似乱数系列発生部218は、復号化部217から入力されるスタンパ固有情報を初期値としてプリセットして、第1の副情報を再生する特定のECCブロック内のフレーム単位に1ビットずつの擬似乱数系列を発生させる。擬似乱数系列発生部218は、発生させた擬似乱数系列をデータ変換部220に出力する。
第1の副情報再生部219は、光ディスク211にレーザ光を照射し、光ディスク211からの反射光に基づいて凹凸記録マークを検出する。第1の副情報再生部219は、凹凸記録マークの一定間隔毎のフレーム単位に付与されている同期符号を検出し、同期符号のパターンからセクタ内のフレームアドレスを抽出する。第1の副情報再生部219は、セクタ内の第4、8、12、16、20、24フレームにおいて、同期符号が“SY8”に改変されている場合には、ビット値“1”を検出し、同期符号が改変されていない場合には、ビット値“0”を検出し、検出したビット値を第1の副情報として抽出する。第1の副情報再生部219は、抽出した第1の副情報をデータ変換部220に出力する。
なお、第1の副情報再生部219は、図示しないシステムコントローラから、特定のECCブロック内から第1の副情報を読み出す旨の読み出し命令を受けた場合に、特定のECCブロック内から第1の副情報を読み出す。
データ変換部(デスクランブル部)220は、図9のスクランブル部184に対応する部分である。データ変換部220は、第1の副情報を再生するECCブロック内で、第4、8、12、20、24フレーム毎に1ビットずつ出力される第1の副情報と、フレーム単位で1ビットずつ出力される擬似乱数系列との排他的論理和を求めることにより、第1の副情報をデスクランブルする。これにより、データ変換部220は、第1の副情報のデータ変換を行い、暗号鍵を抽出する。データ変換部220は、抽出した暗号鍵を復号化部222へ出力する。
主情報再生部221は、光ディスク211にレーザ光を照射し、反射光から凹凸記録マークを検出することにより、主情報として記録されている暗号化コンテンツ情報を再生する。主情報再生部221は、再生した暗号化コンテンツ情報を復号化部222に出力する。
復号化部222は、図9の暗号化部181に対応する部分である。復号化部222は、主情報再生部221によって再生された暗号化コンテンツ情報を暗号鍵によって復号化してコンテンツ情報を再生する。
以上の構成により、情報再生装置は、光ディスク毎に異なる第2の副情報とディスク識別情報とを再生することによって、スタンパ毎に共通のスタンパ固有情報を生成する。そして、情報再生装置は、スタンパ毎に共通の第1の副情報とスタンパ固有情報とから暗号化コンテンツ情報を復号するための暗号鍵を生成してコンテンツ情報を再生する。この構成によれば、悪意ある情報再生装置製造メーカは、本情報再生装置の如何なる構成要素も削除することができなくなる。そのため、情報再生装置製造メーカは、第1の副情報と第2の副情報とが記録された正規の光ディスクのみを再生する情報再生装置を作成することが義務付けられ、悪意ある情報再生装置製造メーカを排除することができる。
また、たとえ1枚の光ディスクから第2の副情報が流出したとしても、流出した第2の副情報を利用して他の光ディスクのコンテンツ情報を再生することは不可能である。そのため、本実施の形態1の光ディスクに記録されるコンテンツ情報の著作権の保護を強化することができる。
図12は、本発明の実施の形態1における第1の副情報記録部の特徴的な構成を示すブロック図である。
図12は、図9における第1の副情報記録部180の詳細な構成を示すブロック図である。第1の副情報記録部180は、マスタリング部141において、光ディスク原盤230に主情報と第1の副情報とを記録する。第1の副情報記録部180は、アドレスデコーダ231、初期値生成部232、擬似乱数系列発生部233、スクランブル部234、第1の副情報重畳部235、レーザ発光信号生成部236、レーザドライバ237及び光学ヘッド238から構成される。
アドレスデコーダ231は、入力される変調主情報を一旦復調することによりアドレス情報を抽出し、抽出したアドレス情報を初期値生成部232に出力する。なお、変調主情報とは、コンテンツ情報などを記録する情報記録媒体に対応した変調を行うとともに、フレーム単位で同期符号(フレームシンク)を付与し、セクタ単位でアドレス情報を付与し、ECCブロック単位でエラー訂正符号化した情報である。
初期値生成部232は、入力されるスタンパ固有情報とアドレス情報とに基づいて、擬似乱数系列発生部233の擬似乱数系列発生シフトレジスタにプリセットする初期値情報を生成する。本実施の形態1では、初期値生成部232は、排他的論理和演算器で構成される。従って、初期値生成部232は、入力されるスタンパ固有情報とアドレス情報との排他的論理和の演算結果を初期値として生成し、生成した初期値を擬似乱数系列発生部233に出力する。また、初期値生成部232は、セクタ毎、すなわちアドレスが更新される毎に初期値情報を更新し、更新した初期値を擬似乱数系列発生部233に出力する。
擬似乱数系列発生部233は、M系列又はGold系列を発生する一般的なシフトレジスタで構成される。擬似乱数系列発生部233は、第1の副情報を記録する領域をアドレス情報によって判定して、入力される初期値が更新される毎、すなわちセクタ単位に入力される初期値情報をシフトレジスタにプリセットする。そして、擬似乱数系列発生部233は、変調主情報のフレーム単位に1ビットずつの擬似乱数系列を生成する。擬似乱数系列発生部233は、生成した擬似乱数系列をスクランブル部234に出力する。
スクランブル部234は、入力される暗号鍵を、擬似乱数系列発生部233から入力される擬似乱数系列でスクランブルする。スクランブル部234は、排他的論理和演算器で構成される。スクランブル部234は、暗号鍵が入力されると、第1の副情報を記録する領域内の第4、8、12、16、20、24フレームの同期符号の1ビットずつの暗号鍵情報と、フレーム単位に更新される擬似乱数系列との排他的論理和を算出することにより、スクランブルド暗号鍵を生成する。スクランブル部234は、生成したスクランブルド暗号鍵を第1の副情報重畳部235に出力する。
第1の副情報重畳部235は、スクランブル部234から入力されるスクランブルド暗号鍵のビット値に応じて、入力される変調主情報に付与されている同期符号のパターンを改変することによって、第1の副情報を変調主情報に重畳する。すなわち、第1の副情報重畳部235は、変調主情報の第4、8、12、16、20、24フレームのタイミングで、スクランブルド暗号鍵のビット値が“1”の場合にのみ、変調主情報に付与されている同期符号を“SY8”に置き換える。これによって、情報記録媒体がDVD−ROMの場合には、セクタ内に6ビットのスクランブルド暗号鍵情報、ECCブロック単位では96ビットのスクランブルド暗号鍵情報が第1の副情報として変調主情報の同期符号を改変することによって記録される。
レーザ発光信号生成部236は、第1の副情報が重畳されることによって同期符号が改変された変調主情報に従って、光ディスク原盤230にレーザ光を照射するタイミングを示すレーザ発光信号を生成する。レーザ発光信号生成部236は、生成したレーザ発光信号をレーザドライバ237に出力する。
レーザドライバ237は、レーザ発光信号生成部236から入力されるレーザ発光信号に基づいて、光ディスク原盤230に照射するレーザ強度に応じた電流を光学ヘッド238のレーザ光源に出力することにより、レーザ発光を制御する。
光学ヘッド238は、レーザ光源及び光学レンズを搭載しており、発光したレーザ光を光ディスク原盤230に集光して、光ディスク原盤230に凹凸記録マークを形成することによって、主情報と第1の副情報とを記録する。
以上の構成によって、第1の副情報記録部180は、コンテンツ情報を再生するために必要となる暗号鍵を、スタンパ毎に共通のスタンパ固有情報に基づいて生成する初期値をセットすることによって生成した擬似乱数系列でスクランブルし、変調主情報の同期符号パターンを改変することによって、第1の副情報を記録することができる。
なお、第1の副情報記録部180のスクランブル部234は、排他的論理和を用いてスクランブルするとして説明したがこれに限られない。例えば、排他的論理和を複数組み合わせるスクランブル方式でもよい。スクランブル部234の主題は、スクランブルした暗号鍵から容易に暗号鍵を類推することが不可能であり、かつ、再生するときには、少なくともスタンパ固有情報がわかれば、スクランブルされた暗号鍵から暗号鍵を逆変換することが可能であるスクランブル方式であればどのようなものでもかまわない。どのようなスクランブル方式を選択するかは設計事項である。
図13は、本発明の実施の形態1における第1の副情報を検出する第1の副情報検出部210の特徴的な構成を示すブロック図である。なお、図13は、図11における第1の副情報検出部210の詳細な構成を示すブロック図である。
第1の副情報検出部210は、光ディスク240の凹凸記録マークから、主情報として記録されている暗号化コンテンツ情報と、第1の副情報として記録されている暗号鍵とを検出する。第1の副情報検出部210は、光学ヘッド241、アナログ再生回路242、デジタル再生回路243、フォーマッタ244、エラー訂正部245、初期値生成部246、擬似乱数系列発生部247及びデスクランブル部248から構成される。
光学ヘッド241は、再生強度のレーザ光を出射するレーザ光源と、光ディスク240の反射膜にレーザ光を集光する集光レンズと、光ディスク240の反射膜からの反射光の強度を検知する複数のディテクタとを有している。
アナログ再生回路242は、複数のディテクタで検知した反射光強度から凹凸記録マークの成分を示すアナログ再生信号を生成する。アナログ再生回路242は、生成したアナログ再生信号をデジタル再生回路243に出力する。
デジタル再生回路243は、アナログ再生回路242から入力されるアナログ再生信号をAD(Analog−Digital)変換してデジタル再生信号を生成する。また、デジタル再生回路243は、生成したデジタル再生信号を増幅したり、波形等化したりするとともに、凹凸記録マークの記録帯域に同期するクロック信号をPLL(Phase−Loacked−Loop)回路で生成する。デジタル再生回路243は、生成したデジタル再生信号及びクロック信号をフォーマッタ244に出力する。
フォーマッタ244は、PLL回路で生成したクロック信号で動作するデジタル回路で構成される。フォーマッタ244は、デジタル再生信号から同期符号パターンを検出することによってフレーム単位で同期化し、また、同期符号パターンの連続する並びからフレームアドレスを検出することによってセクタ単位で同期化し、セクタ単位に付与されているアドレス情報に基づいてECCブロック単位で同期化する。フォーマッタ244は、同期化したデジタル再生信号をエラー訂正部245に出力する。
また、フォーマッタ244は、セクタ単位に付与されているアドレス情報を抽出して、初期値生成部246に出力するとともに、フレーム単位に付与されている同期符号パターンを抽出して、デスクランブル部248に出力する。
エラー訂正部245は、フォーマッタ244から入力されるデジタル再生信号のECCブロック単位に付与されているパリティビットを用いて、デジタル再生信号のエラー検出及びエラー訂正を行い、ECCブロック毎に16KB(キロバイト)ずつ暗号化コンテンツ情報を再生する。
初期値生成部246は、第1の副情報記録部180の初期値生成部232と同等の機能を有する。初期値生成部246は、第2の副情報に基づいて再生されたスタンパ固有情報と、アドレス情報との排他的論理和を算出することにより、初期値情報を生成する。初期値生成部246は、生成した初期値情報を擬似乱数系列発生部247に出力する。
擬似乱数系列発生部247は、第1の副情報記録部180の擬似乱数系列発生部233と同等の構成である。擬似乱数系列発生部247は、第1の副情報を検出する領域のセクタの先頭位置に、初期値生成部246から入力される初期値をプリセットして、フレーム単位に1ビットずつの擬似乱数系列を生成する。擬似乱数系列発生部247は、生成した擬似乱数系列をデスクランブル部248に出力する。
デスクランブル部248は、第1の副情報記録部180のスクランブル部234に対応する部分である。デスクランブル部248は、フォーマッタ244から入力されるフレーム単位に付与されている同期符号パターンと、フレーム単位に1ビットずつ生成される擬似乱数系列とに基づいて、スクランブルされた暗号鍵をデスクランブルする。
デスクランブル部248は、第1の副情報を検出する領域において、第4、8、12、16、20、24フレームの同期符号が“SY8”に置き換えられているか否かを判定する。同期符号が置き換えられている場合、デスクランブル部248は、第1の副情報のビット値として“1”を検出し、同期符号が置き換えられていない場合、デスクランブル部248は、第1の副情報のビット値として“0”を検出する。そして、デスクランブル部248は、検出した第1の副情報のビット値と、擬似乱数系列発生部247から入力されるフレーム毎に更新される擬似乱数系列のビット値との排他的論理和を算出することによって、第1の副情報から暗号鍵をデスクランブルする。
本実施の形態1では、1つのECCブロックに96ビットの第1の副情報が記録されており、第1の副情報の記録されたECCブロックを再生することによって、96ビットの暗号鍵を検出することができる。
以上の構成によれば、光ディスク240に記録されている凹凸記録マークから、主情報と第1の副情報とを再生することができる。また、本実施の形態1の第1の副情報は、主情報のフレーム単位に付与されている同期符号が、通常ではありえない“SY8”に改変されることによって記録されている。第1の副情報検出部210は、フレーム単位に付与されている同期符号パターンから第1の副情報を検出する。
なお、第1の副情報検出部210のデスクランブル部248は、排他的論理和を用いてデスクランブルするとして説明したがこれに限られない。例えば、排他的論理和を複数組み合わせるデスクランブル方式でもよい。デスクランブル部248の主題は、図12の第1の副情報記録部180のスクランブル部234の逆変換を行うことである。どのようなスクランブル方式及びデスクランブル方式を選択するかは設計事項である。
(実施の形態2)
図14は、本発明の実施の形態2における情報記録再生システムの構成を示すブロック図である。
本実施の形態2の情報記録再生システムは、情報記録媒体である光ディスクのスタンパ(光ディスク原盤)21’を作成するマスタリング装置22、スタンパ21’を複製して製造した光ディスク21に第2の副情報を記録する情報記録装置23、及び光ディスク21から情報を再生する情報再生装置24から構成される。
なお、本実施の形態2における情報記録再生システムは、マスタリング装置22によって作成されたスタンパ21’から光ディスク21を複製するデュプリケーション装置を備えるが、図14では省略している。
マスタリング装置22は、暗号化したコンテンツ情報を含む主情報と、スタンパ毎に共通の第1の副情報とをスタンパ21’に記録する。マスタリング装置22は、暗号化部25、スクランブル部26、主情報記録部37及び第1の副情報記録部38から構成される。
暗号化部25は、スタンパ21’に記録するコンテンツ情報を暗号鍵によって暗号化して、暗号化したコンテンツ情報を主情報として生成する。主情報記録部37は、生成された主情報に基づいて光ディスク原盤にレーザ光を照射し、光ディスク原盤に凹凸記録マークを形成することによって、主情報を記録する。
スクランブル部26は、スタンパ毎に共通のスタンパ固有情報に基づいて、暗号鍵情報のデータ変換を行う。本実施の形態2のスクランブル部26は、スタンパ固有情報に含まれるアドレス情報の示す位置で、スタンパ固有情報に含まれる初期値情報を擬似乱数系列発生器にプリセットして発生させた擬似乱数系列と、暗号鍵との排他的論理和を算出することによってスクランブルした暗号鍵を第1の副情報として生成する。
第1の副情報記録部38は、スクランブル部26によって生成された第1の副情報を、スタンパ21’の第1の副情報記録領域35’に記録する。
なお、アドレス情報とは、主情報のセクタ単位に付与されるアドレス情報である。主情報を記録するアドレス情報がスタンパ固有情報に含まれるアドレス情報と一致するセクタの先頭位置で、スタンパ固有情報に含まれる初期値情報を擬似乱数系列発生器にプリセットして擬似乱数系列を発生させる。
また、本実施の形態2のスタンパ固有情報は、複数のアドレス情報と、複数のアドレス情報に対応する複数の初期値情報とを含む。スクランブル部26は、複数のアドレス情報が示すそれぞれの位置で、対応する初期値情報をプリセットして発生させた擬似乱数系列によって、暗号鍵をスクランブルデータ変換する。なお、本実施の形態2のスクランブルデータ変換は、排他的論理和演算である。従って、スタンパ固有情報に含まれるそれぞれのアドレス位置に、固有の擬似乱数系列によってスクランブルされた暗号鍵が、冗長的に複数回、スタンパ21’に記録される。
なお、本実施の形態2の第1の副情報の記録方法は、実施の形態1で説明した第1の副情報の記録方法と同様に、主情報のフレーム単位に付与される同期符号パターンを改変することによって記録する方法であり、本実施の形態2では詳細な説明を省略する。
情報記録装置23は、マスタリング装置22で作成したスタンパ21’から複製された複数の光ディスク21のそれぞれに、光ディスク毎に異なる第2の副情報を記録する。情報記録装置23は、媒体固有情報生成部27及び媒体固有情報記録部28から構成される。
媒体固有情報生成部27は、複数のアドレス情報と初期値情報とが記録されたスタンパ毎に共通のスタンパ固有情報の中から、光ディスク毎に無作為に少なくとも1組のアドレス情報と初期値情報との組み合わせを選択する。無作為の選択方法は、媒体固有情報生成部27の内部に乱数発生部を設け、乱数値に応じて選択することによって実現することができる。媒体固有情報生成部27は、無作為に選択したアドレス情報と初期値情報との組み合わせを、情報記録媒体毎に異なりえる第2の副情報として生成する。媒体固有情報生成部27は、生成した第2の副情報を媒体固有情報記録部28に出力する。
媒体固有情報記録部28は、図1の媒体固有情報記録部10と同様の構成である。媒体固有情報記録部28は、媒体固有情報生成部27から入力される第2の副情報をバーコード変調する。媒体固有情報記録部28は、光ディスク21の内周部分の反射膜をYaGレーザ光で除去することによって、径方向に長いバーコードマークを形成し、第2の副情報を記録する。なお、媒体固有情報記録部28における処理は、図1の媒体固有情報記録部10と同じであるので、詳細な説明は省略する。
情報再生装置24は、光ディスク21から、凹凸記録マークにより記録された主情報と、凹凸記録マークにより記録された第1の副情報と、光ディスク21の内周部分にバーコードマークにより記録された第2の副情報とを再生する。情報再生装置24は、媒体固有情報再生部29、第1の副情報再生部30、データ変換部31、復号化部32及び主情報再生部33から構成される。
媒体固有情報再生部29は、図1の媒体固有情報再生部14と同様の構成である。媒体固有情報再生部29は、光ディスク21の内周部分に記録されているバーコードマークから、アドレス情報と初期値情報との組を第2の副情報として再生する。再生したアドレス情報は第1の副情報再生部30へ、初期値情報はデータ変換部31へそれぞれ出力される。
第1の副情報再生部30は、媒体固有情報再生部29から入力されるアドレス情報に従って、光ディスク21にアクセスし、フレーム単位で付与されている同期符号パターンが改変されているか否かを示す第1の副情報を再生する。第1の副情報再生部30は、再生した第1の副情報をデータ変換部31に出力する。
データ変換部31は、内部にマスタリング装置22のスクランブル部26と同様の擬似乱数系列発生器を備える。データ変換部31は、第1の副情報再生部30から入力される第1の副情報と、媒体固有情報再生部29によって再生された初期値をプリセットして発生させた擬似乱数系列との排他的論理和を算出することによって、スクランブル部26におけるデータ変換の逆変換を行う。これにより、データ変換部31は、第1の副情報をデスクランブルし、コンテンツ情報の暗号化に用いられた暗号鍵を再生する。データ変換部31は、再生した暗号鍵を復号化部32に出力する。
主情報再生部33は、光ディスク21のユーザデータ領域34に記録されている凹凸記録マークを再生することにより、主情報(暗号化されたコンテンツ情報)を再生する。主情報再生部33は、光ディスク21にレーザ光を照射し、光ディスク21からの反射光の強度に基づいて、凹凸記録マークとして記録されている主情報を読み出す。
復号化部32は、主情報再生部33によって再生された主情報を、データ変換部31で抽出された暗号鍵を用いて復号化する。復号化部32は、マスタリング装置22の暗号化部25に対応する部分である。
以上の構成により、スタンパ毎に共通の主情報及び第1の副情報が、マスタリング装置22によってスタンパ21’に記録され、スタンパ21’から転写複製されて作成される光ディスク毎に異なる第2の副情報が、情報記録装置23によって記録される。また、情報再生装置は、光ディスク毎に異なるアドレス情報と初期値情報とを第2の副情報として読み出し、アドレス情報の示すアドレス位置で、初期値情報をプリセットして生成した擬似乱数系列によって第1の副情報をデスクランブルして、コンテンツ情報の再生に必要な情報である暗号鍵を抽出する。
従って、光ディスク21には、他の光ディスクと同じ暗号鍵が、スタンパ固有情報で示される複数のアドレス位置に、複数のアドレス位置のそれぞれ対応した初期値によって異なる擬似乱数系列でスクランブルされて冗長的に記録されている。また、第2の副情報は、スタンパ固有情報に含まれるアドレス情報と初期値との複数の組み合わせの中から、少なくとも1組が光ディスク毎に無作為に選択された情報である。従って、情報再生装置24は、冗長的に記録されているスクランブルされた暗号鍵を、例え同じスタンパから複製して作成された光ディスクであっても、光ディスク毎に異なるアドレス位置から暗号鍵情報を再生することが可能となる。
本実施の形態2では、光ディスク毎に異なる第2の副情報を記録することによって、同じスタンパでも暗号鍵の読み出し位置を異ならしめることが可能となる。これにより、暗号鍵の記録位置を解析して暗号化されたコンテンツ情報をハッキングしようとする悪意ある者からのアタックの困難度を増大させることができる。よって、光ディスクに記録されている著作物の著作権の保護を強化することができる。
また、本実施の形態2では、第1の副情報を読み出す位置を媒体固有に設定できる点が、実施の形態1で説明した方法よりも有利な点である。しかしながら、一枚の光ディスクから第2の副情報が漏れた場合、同じスタンパ固有情報を持つ同一のスタンパから作成された光ディスクでは、漏れた第2の副情報を用いることによってコンテンツが再生されてしまう。そのため、第2の副情報が漏洩した場合は、実施の形態1の方法に利点がある。
図15は、本発明の実施の形態2のスタンパ固有情報のデータフォーマットの一例を示す概念図である。
スタンパ固有情報は、アドレス情報と初期値情報との複数の組み合わせを含む情報であり、テーブル型の情報である。本実施の形態2のスタンパ固有情報は、3行4列の計12通りのアドレス情報と初期値情報との組み合わせを含む。各組み合わせは、第1の副情報の記録開始アドレスと、第1の副情報の記録終了アドレスと、暗号鍵のスクランブルに用いる擬似乱数系列を生成するための初期値情報とを含む。
本実施の形態2のマスタリング装置22におけるスクランブル部26は、スタンパ固有情報の示す12組の記録開始アドレスの先頭位置において、当該記録開始アドレスに対応する初期値情報を擬似乱数系列発生器にプリセットして発生させた擬似乱数系列によって、暗号鍵をスクランブルする。そして、第1の副情報記録部38は、スクランブルした暗号鍵を第1の副情報として記録する。従って、本例では、アドレスが“0x00100000”から“0x00200000”の範囲では、初期値である“0x1111”をプリセットして発生させた擬似乱数系列によって暗号鍵がスクランブルされる。このようにして、全12通りの12領域に、それぞれ異なるスクランブルが施された暗号鍵が第1の副情報として冗長的に記録される。
また、本実施の形態2の第2の副情報は、スタンパ固有情報から光ディスク毎に無作為に選択された少なくとも1組のアドレス情報と初期値情報とを示している。本実施の形態2では、スタンパ固有情報に含まれる全てのアドレス情報と初期値情報との組み合わせを光ディスクに記録しない場合と、スタンパ固有情報に含まれる全てのアドレス情報と初期値情報との組み合わせを光ディスクに記録する場合とがある。
すなわち、スタンパ固有情報に含まれる全てのアドレス情報と初期値情報との組み合わせを光ディスクに記録しない場合、媒体固有情報生成部27は、スタンパ固有情報に含まれる全12通りのアドレス情報と初期値情報との組み合わせの中から無作為に選択した1組の記録開始アドレス(例えば、“0x00600000”)、記録終了アドレス(例えば、“0x00700000”)及び初期値(例えば、“0x6666”)を第2の副情報として生成する。
一方、スタンパ固有情報に含まれる全てのアドレス情報と初期値情報との組み合わせを光ディスクに記録する場合、媒体固有情報生成部27は、スタンパ固有情報の中から媒体毎に無作為に選択した1組のアドレス情報と初期値情報との組み合わせのスタンパ固有情報における位置を表すポインタ情報(例えば、(2)−(b))を第2の副情報として生成する。例えば、記録開始アドレスが“0x00600000”であり、記録終了アドレスが“0x00700000”であり、初期値が“0x6666”である組み合わせが選択された場合、当該選択された組み合わせに対応するポインタ情報(図15の(2)−(b))が第2の副情報として生成される。
この場合、マスタリング装置22は、スタンパ固有情報であるテーブル情報を暗号化し、暗号化したテーブル情報を、主情報を記録するユーザデータ領域に記録する。情報再生装置は、ユーザデータ領域からスタンパ固有情報であるテーブル情報を再生するとともに、第2の副情報からポインタ情報を再生することによって、第1の副情報を再生するアドレス位置と、第1の副情報をデスクランブルするための擬似乱数系列の初期値とを抽出する。これにより、情報再生装置は、第1の副情報を媒体固有のアドレス位置から再生することが可能となる。
テーブル情報を光ディスクに記録しない場合、第1の副情報の情報量が大きくなるが、スタンパ固有情報であるテーブル情報を主情報として記録する必要がないという利点がある。一方、テーブル情報を光ディスクに記録する場合、ユーザデータ領域がスタンパ固有情報を記録するために使用されるが、第1の副情報の情報量は削減することができる。テーブル情報を光ディスクに記録するか否かは、主情報と第1の副情報との情報量、及び主情報と第1の副情報とが求められるアクセス速度に応じて決定されるべきである。
図16は、本発明の実施の形態2の情報記録媒体を製造する製造装置の特徴的な構成を示すブロック図である。
製造装置は、主情報と第1の副情報とを光ディスク原盤に記録してスタンパ257を作成するマスタリング部142と、スタンパ257から転写複製して作成される光ディスク258に光ディスク毎に異なる第2の副情報を記録する第2の副情報記録処理部162からなる。なお、本実施の形態2では、図9に示す実施の形態1の製造装置とは異なり、媒体識別情報記録処理部171は必ずしも必要ではない。よって、本実施の形態2では媒体識別情報記録処理部171はないものとして説明する。
本実施の形態2の製造装置のマスタリング部142は、暗号化部251、変調部252、初期値選択部253、擬似乱数系列発生部254、スクランブル部255及び第1の副情報重畳部256で構成される。
暗号化部251は、光ディスク原盤(スタンパ257)に記録するコンテンツ情報を、暗号鍵で暗号化することにより、暗号化コンテンツ情報を作成する。
変調部252は、暗号化されたコンテンツ情報を、記録する情報記録媒体に応じた変調フォーマットに変調する。また、変調部252は、変調した暗号化コンテンツ情報の一定情報量毎のフレーム単位に同期符号を付与し、複数のフレームからなるセクタ単位にアドレス情報を付与し、複数のセクタからなるECCブロック単位にエラー訂正符号化することにより、変調主情報を生成する。変調部252は、生成した変調主情報を第1の副情報重畳部256に出力する。
なお、本実施の形態2では情報記録媒体がDVD−ROMである場合について説明する。すなわち、変調部252は、8ビットの主情報を16チャネルビットの変調主情報に変換する8−16変調を行う。また、変調部252は、1488チャネルビット毎の先頭32チャネルビットに同期符号を付与する。また、1セクタは26フレームで構成され、セクタ単位にアドレス情報が付与されるとともに、16KB(キロバイト)単位のECCブロックがエラー訂正符号化され、変調主情報が生成される。
初期値選択部253は、記録する主情報のセクタ単位のアドレス情報と、第1の副情報を記録するためのスタンパ固有情報とに基づいて、第1の副情報を記録するアドレスに対応した擬似乱数系列を発生するための初期値情報を選択する。初期値選択部253は、選択した初期値情報を擬似乱数系列発生部254に出力する。
すなわち、図15の例では、記録する主情報のアドレスが、“0x00100000”から“0x00200000”の範囲では、図15の(1)−(a)に記載されている初期値である“0x1111”が擬似乱数系列発生部254に出力される。また、記録する主情報のアドレスが“0x00200000”から“0x00300000”の範囲では、(1)−(b)に記載されている初期値である“0x2222”が選択される。以降同様に、初期値選択部253は、スタンパ固有情報に含まれる全12通りのアドレスの範囲のそれぞれに固有の初期値情報を選択して擬似乱数系列発生部254に出力する。
なお、初期値選択部253は、スタンパ固有情報に含まれない主情報のアドレス領域では、任意の初期値を出力してもよい。また、初期値選択部253は、擬似乱数系列の発生を中断するための擬似乱数系列発生中断信号を生成して、擬似乱数系列発生部254に出力して、擬似乱数系列の発生を中断してもよい。
擬似乱数系列発生部254は、M系列又はGold系列などを発生する一般的なシフトレジスタで構成される。擬似乱数系列発生部254は、初期値選択部253で選択された初期値情報をセクタの先頭位置でシフトレジスタにプリセットして、擬似乱数系列を生成する。また、擬似乱数系列発生部254は、主情報のフレームのタイミング毎にシフトレジスタをシフトして、出力する擬似乱数系列の値を更新することによってフレーム毎に1ビットの擬似乱数系列を生成する。擬似乱数系列発生部254は、生成した擬似乱数系列をスクランブル部255に出力する。
スクランブル部255は、フレーム毎に1ビットずつ入力される擬似乱数系列と、第1の副情報を記録する領域の第4、8、12、16、20、24フレーム毎に1ビットずつ入力される暗号鍵との排他的論理和を算出することによって暗号鍵をスクランブルして第1の副情報を生成する。
よって、本実施の形態2では、セクタ内にスクランブルされた暗号鍵が6ビット記録され、ECCブロック単位で96ビットのスクランブルされた暗号鍵が第1の副情報として記録される。また、例えば図15のスタンパ固有情報の例では、(1)−(a)に記載されている“0x00100000”から“0x00200000”のアドレス範囲では、“0x1111”が初期値としてECCブロックの先頭毎に設定され、ECCブロック単位に同じ暗号鍵(96ビット)が冗長的に複数回記録される。また、(1)−(b)に記載されている“0x00200000”から“0x00300000”のアドレス範囲でも、“0x2222”が初期値として設定され、ECCブロック単位に同じ暗号鍵(96ビット)が擬似乱数系列でスクランブルされて記録される。
第1の副情報重畳部256は、変調主情報のフレーム単位の同期符号のうち、セクタ内の第4、8、12、16、20、24フレームの同期符号を、スクランブル部255から入力される第1の副情報のビット値に応じて改変することによって第1の副情報を記録する。
以上の構成によって、暗号化されたコンテンツ情報が主情報として記録された光ディスク原盤(スタンパ257)が製造される。また、スタンパ257には、スタンパ固有情報が示すアドレス位置で、当該アドレス位置に対応する初期値をプリセットすることによって発生させた擬似乱数系列によって暗号鍵情報をスクランブルして、スクランブルした暗号鍵情報のビット値に応じて変調主情報の同期符号パターンを改変することによって第1の副情報が記録される。
以上のようにして製造された光ディスク原盤に基づいて作成されたスタンパ257から転写複製して複数の光ディスク258が作成される。そして、第2の副情報記録処理部162は、光ディスク1枚毎に異なる第2の副情報を光ディスク258に記録する。
第2の副情報記録処理部162は、スタンパ257から転写複製された光ディスク258に、光ディスク毎に異なる第2の副情報を記録する。第2の副情報記録処理部162は、乱数発生部259、テーブルノード選択部260、暗号化部261、第2の副情報生成部263及び第2の副情報記録部264によって構成される。
乱数発生部259は、日時情報を用いて乱数値を発生させる。発生した乱数はテーブルノード選択部260に出力される。
テーブルノード選択部260は、発生した乱数に基づいて、スタンパ固有情報の中から少なくとも1組のアドレス情報と初期値情報との組み合わせを選択する。本実施の形態2では、スタンパ固有情報は、図15のように全12通りの組み合わせが記載されているテーブル情報であり、図15に示すスタンパ固有情報の中から(2)−(b)が選択されている。なお、選択される情報は、スタンパ固有情報が光ディスクに記録されない場合、アドレス情報と初期値情報との組み合わせであり、スタンパ固有情報が光ディスクに記録される場合、スタンパ固有情報に含まれるテーブル情報のポインタ情報である。
暗号化部261は、テーブルノード選択部260で選択された少なくとも1組のアドレス情報と初期値情報との組み合わせを示す情報を、内部に秘密に保持する暗号鍵Km262で暗号化する。暗号化部261は、暗号化した情報を第2の副情報生成部263に出力する。
第2の副情報生成部263では、暗号化部261から入力される暗号化された少なくとも1組のアドレス情報と初期値情報との組み合わせを示す情報をバーコード変調して、第2の副情報を生成する。生成された第2の副情報は第2の副情報記録部264に出力される。
第2の副情報記録部264は、バーコード変調された第2の副情報に従って、光ディスク258の内周部分にYaGレーザ光などの高出力レーザ光を照射して反射膜を除去し、光ディスク258の径方向に長いバーコードマークを形成することによって、第2の副情報を記録する。
以上の構成によれば、主情報と第1の副情報とは凹凸記録マークとしてスタンパ257に記録される。そして、スタンパ257から転写複製されることによって作成される複数の光ディスク258の1枚毎に異なる第2の副情報が生成されて、第2の副情報が、光ディスク258の内周部分にバーコードマークとして記録される。これによって、主情報、第1の副情報及び第2の副情報が記録された光ディスク258が作成される。
また、本実施の形態2の第1の副情報は、スタンパ毎に共通のスタンパ固有情報に基づいて暗号化されたコンテンツ情報を再生するために必要な暗号鍵をスクランブルした情報である。
本実施の形態2のスタンパ固有情報は、暗号鍵をスクランブルして記録するためのアドレス情報と、スクランブルするために必要な擬似乱数系列を発生させるための初期値情報との複数の組み合わせがテーブル形式で記載された情報である。
また、本実施の形態2の第2の副情報は、テーブル形式のスタンパ固有情報に含まれるアドレス情報と初期値情報との複数の組み合わせの中から、媒体毎に異なる情報として、無作為に選択した1組のアドレス情報と初期値情報とを示す情報である。
よって、光ディスクから暗号化されたコンテンツ情報を再生する場合、暗号鍵を抽出するために第1の副情報を再生する必要がある。また、第1の副情報を再生するためには、第2の副情報であるアドレス情報と初期値情報とが必要になる。従って、第1の副情報及び第2の副情報のいずれも再生しない情報再生装置を製造したとしても、コンテンツ情報を再生することはできない。
また、本実施の形態2では、光ディスク毎に異なる第1の副情報を読み出すためのアドレス情報と初期値情報とが第2の副情報として記録され、第1の副情報の読み出しは、たとえ同一のスタンパで作成された光ディスクであっても、異ならしめることが可能となる。これにより、暗号鍵を不正に検出しようとする悪意ある第3者からのアタックに対する耐性を向上させることができ、結果、情報記録媒体に記録されているコンテンツ情報の著作権の保護を強化することが可能となる。
図17は、本発明の実施の形態2の第2の副情報のデータ構造の一例を示す図である。
本実施の形態2の第2の副情報も、実施の形態1で説明した第2の副情報と同様に、光ディスクの内周部分の反射膜を除去することによって、バーコードマークとしてBCAに記録される。
本実施の形態2でも、図10で説明したデータ構造と同様に、BCAには、同期符号SB207とBCAプリアンブル206とが記録される。
また、BCAには、128ビットの暗号化されたディスク識別情報271と、暗号化されたディスク識別情報のエラー訂正のための128ビットのパリティビット272とが記録されている。しかしながら、上述したように、本実施の形態2では、ディスク識別情報は必ずしも必要ではない。
また、BCAには、スタンパ固有情報から無作為に選択されるとともに暗号化された開始アドレス273と、スタンパ固有情報から無作為に選択されるとともに暗号化された終了アドレス274と、スタンパ固有情報から無作為に選択されるとともに暗号化された初期値(キー)275とが第2の副情報として記録されている。さらに、BCAには、アドレス情報(暗号化開始アドレス及び暗号化終了アドレス)及び初期値のエラー訂正のためのパリティビット276が記録されている。
なお、図17では、第1の副情報を読み出すためのアドレス情報及び初期値を第2の副情報として記録しているが、本発明は特にこれに限定されない。スタンパ固有情報が光ディスクに記録される場合、スタンパ固有情報の中から選択された1組のアドレス情報と初期値との組み合わせを示すポインタ情報と、ポインタ情報のパリティビットとが記録されてもよい。この場合には、テーブル情報を含むスタンパ固有情報を暗号化して、暗号化したスタンパ固有情報を含む主情報を記録することが必要である。
このようにポインタ情報が記録された場合の再生方法は、まず、ユーザデータ領域からスタンパ固有情報が読み出され、第2の副情報からポインタ情報が読み出され、スタンパ固有情報の中からポインタ情報が示しているアドレス情報と初期値情報とが抽出される。そして、抽出されたアドレス情報と初期値情報とを使用して、第1の副情報が再生される。第2の副情報がポインタ情報である場合にも、光ディスク毎に異なるポインタ情報を指定することが可能となる。この場合にも光ディスク毎に異なる領域から、第1の副情報を読み出すことができる。
図18は、図16の製造装置によって作成された光ディスクからコンテンツ情報を再生する情報再生装置の特徴的な構成を示すブロック図である。
情報再生装置は、主情報と第1の副情報と第2の副情報とが記録された光ディスク281からコンテンツ情報を再生する。情報再生装置は、第2の副情報再生部282、復号化部283、第1の副情報再生部285、データ変換部286、主情報再生部287及び復号化部288によって構成される。
第2の副情報再生部282は、光ディスク281の内周部分のバーコードマークにレーザ光を照射し、バーコードマークからの反射光の強度(反射率の変化)に基づいて、バーコード情報を読み出すことによって、第2の副情報を再生する。
なお、バーコードマークの記録帯域は、主情報が記録された凹凸記録マークの記録帯域から十分に離れている。理想的には、バーコードマークの記録帯域は、凹凸記録マークの一番低い記録帯域の2分の1以下であることが望ましい。この場合、凹凸記録マークの最も低い記録帯域よりも高い記録帯域の通過を制限する低域通過フィルタ(ローパスフィルタ又は広域遮断フィルタ)を情報再生装置に設けることにより、凹凸記録マークの記録帯域を遮断する。これによって、バーコードマークの信号帯域を安定に抽出でき、バーコードマークを安定に再生することができる。
復号化部283は、バーコードマークから再生された第2の副情報を内部に秘密に保持している暗号鍵Km284によって復号化して、第1の副情報を読み出すためのアドレス情報と初期値情報(キー)とを再生する。なお、復号化部283は、図16の暗号化部261で行う暗号化に対応した復号化を行う。第2の副情報を復号化して得たアドレス情報は、第1の副情報再生部285に出力され、初期値情報(キー)は、データ変換部286に出力される。
第1の副情報再生部285は、凹凸記録マークにレーザ光を照射し、凹凸記録マークからの反射光の強度に基づいて凹凸記録マークを再生し、復号化部283によって抽出されたアドレス情報によって特定される光ディスク281のアドレスにアクセスする。そして、第1の副情報再生部285は、一定間隔毎に付与されている同期符号のうち、セクタ内の第4、8、12、16、20、24フレームの同期符号が“SY8”に改変されている場合には、第1の副情報のビット値として“1”を抽出し、同期符号が改変されていない場合には、第1の副情報のビット値として“0”を抽出する。第1の副情報再生部285は、抽出したビット値をデータ変換部286に出力する。すなわち、セクタ単位で6ビット、ECCブロック単位で96ビットの第1の副情報が再生されて、データ変換部286に出力される。
データ変換部286は、図16の擬似乱数系列発生部254とスクランブル部255とに対応する部分であり、擬似乱数系列発生部254と同様のシフトレジスタによって構成される擬似乱数系列発生器を有する。データ変換部286は、第1の副情報が検出されるセクタの先頭位置で入力される初期値情報(キー)をシフトレジスタにプリセットして、フレーム単位に1ビットの擬似乱数系列を生成する。また、データ変換部286は、生成した擬似乱数系列と、1ビットずつ再生される第1の副情報との排他的論理和を算出することによって、スクランブル部255におけるスクランブル処理に対応したデスクランブル処理を実施して、第1の副情報から暗号鍵を生成する。本実施の形態2では、ECCブロック単位に96ビットの第1の副情報が繰り返し重畳して記録されている。そのため、第2の副情報で指定された開始アドレスから終了アドレスまでの区間のいずれかのECCブロックで96ビットの暗号鍵を再生することができる。
主情報再生部287は、光ディスク281の反射膜にレーザ光を照射し、反射膜からの反射光に基づいて凹凸記録マークを検出することにより、主情報(暗号化コンテンツ情報)を再生する。再生した主情報は、復号化部288に出力される。
復号化部288は、主情報再生部287から入力される主情報を、データ変換部286によって生成された暗号鍵によって復号化することによってコンテンツ情報を再生する。
以上の構成により、情報再生装置は、第2の副情報として記録されている光ディスク毎に異なるアドレス情報と初期値情報とによって、第1の副情報を光ディスク毎に異なる位置から生成する。そして、情報再生装置は、第1の副情報から暗号化されたコンテンツ情報の再生に必要な暗号鍵を生成して、光ディスク281に記録されているコンテンツ情報を再生する。
また、本実施の形態2において、第2の副情報として記録されるアドレス情報と初期値情報とは、スタンパ毎に共通のスタンパ固有情報から選択されており、第1の副情報は、スタンパ固有情報に応じてスクランブルされて記録されている。したがって、第2の副情報としてスタンパ固有情報の中から光ディスク毎に異なるアドレス情報と初期値情報との組み合わせが選択されたとしても、光ディスク毎に異なる記録位置から第2の副情報を生成することによって第1の副情報を再生することができる。
なお、本実施の形態2では、第1の副情報を再生するためのアドレス情報と初期値情報との組み合わせを第2の副情報として説明したが、これは、スタンパ固有情報であるテーブル情報を光ディスクに記録しない場合に相当する。スタンパ固有情報であるテーブル情報を光ディスクに記録する場合には、スタンパ固有情報のポインタ情報が第2の副情報として記録され、スタンパ固有情報は主情報の一部として記録される。
従って、スタンパ固有情報であるテーブル情報を光ディスクに記録する場合、情報再生装置は、第1の副情報を読み出す前に、ユーザデータ領域からスタンパ固有情報であるテーブル情報を読み出し、第2の副情報からスタンパ固有情報へのポインタ情報を再生する。これにより、ポインタ情報の示すアドレス位置と初期値とに基づいて第1の副情報を再生することが可能となり、スタンパ固有情報であるテーブル情報を光ディスクに記録しない場合と同様の効果が得られる。
また、スタンパ固有情報であるテーブル情報を光ディスクに記録する場合、スタンパ固有情報をユーザデータ領域に記録することが必要であるが、記録情報量に限りのある第2の副情報の情報量を大幅に削減することができる。
また、スタンパ固有情報は、ユーザデータ領域ではなく、第1の副情報と同様に同期符号の改変によって光ディスク原盤(スタンパ)に記録してもよい。すなわち、スタンパ固有情報は、第1の副情報と同様に、主情報に重畳して記録してもよい。
以上のように、本実施の形態2の情報記録媒体は、暗号化されたコンテンツ情報と、第1の副情報とを記録したスタンパから転写複製され、転写複製された複数の情報記録媒体毎に異なる第2の副情報として、スタンパことに共通のスタンパ固有情報の中から第1の副情報を再生するためのアドレス情報と初期値情報との組み合わせを選択して記録する。よって、たとえ同一のスタンパによって記録されている光ディスクであっても、第1の副情報の読み出し位置は、光ディスク毎に異なる。そのため、第1の副情報として記録している、コンテンツ情報を再生するための暗号鍵を悪意ある第3者が解析する際の困難度は極めて高くなる。従って、記録されているデジタル著作物の著作権の保護を強化することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態3の情報記録媒体、情報記録装置及び情報再生装置に用いられるスタンパ固有情報は、実施の形態2と同様に、アドレス情報と初期値情報との複数の組み合わせを有するテーブル情報である。第1の副情報は、スタンパ固有情報に記載されているアドレス位置に初期値情報をプリセットして発生させる擬似乱数系列によってスクランブルされて記録される。また、第2の副情報は、スタンパ固有情報のテーブルの中から無作為に少なくとも1組のアドレス情報と初期値情報とを選択して記録される。
ただし、本実施の形態3は、実施の形態2に対して、下記の点で異なる。
第1に、本実施の形態3のスタンパ固有情報は、アドレス情報と初期値情報との組み合わせを表すテーブル情報(以下、第1のテーブル情報とする)に加えて、各テーブルノードを暗号化するための暗号鍵を表す暗号鍵テーブル情報(以下、第2のテーブル情報とする)をさらに有している。
第2に、第1の副情報は、スタンパ固有情報のアドレス情報と初期値情報とが記載された第1のテーブル情報のテーブルノード毎に、スタンパ固有情報の第2のテーブル情報の対応する暗号鍵で暗号化された後、主情報の一部として光ディスク原盤(スタンパ)に凹凸記録マークにより記録されている。
第3に、第2の副情報は、スタンパ固有情報へのポインタ情報だけでなく、スタンパ固有情報に含まれる第2のテーブル情報の対応する暗号鍵を抽出して、ポインタ情報に暗号鍵が付与されて生成される。
図19は、本発明の実施の形態3のスタンパ固有情報のデータフォーマットの一例を示す概念図である。図19(A)は、アドレス情報と初期値情報との組み合わせを表す第1のテーブル情報を示す図であり、図19(B)は、各テーブルノードを暗号化するための暗号鍵を表す第2のテーブル情報を示す図である。
本実施の形態3のスタンパ固有情報は、図15で説明したスタンパ固有情報とは異なり、アドレス情報と初期値情報との組み合わせを表す第1のテーブル情報に加え、各テーブルノードを暗号化するための暗号鍵を表す第2のテーブル情報(暗号鍵テーブル情報)を含む。
また、スタンパ固有情報は、暗号化されて主情報の一部として光ディスク原盤(スタンパ)に記録される。また、スタンパ固有情報は、アドレス情報と初期値情報との組み合わせを表す第1のテーブル情報のテーブルノード毎に異なる暗号鍵で暗号化される。第1のテーブル情報の各テーブルノードは、当該テーブルノードに対応付けて記憶されている第2のテーブル情報の鍵情報により暗号化される。
例えば、図19(A)の第1のテーブル情報の(1)−(a)のテーブルノードでは、記録開始アドレス“0x00100000”、記録終了アドレス“0x00200000”及び初期値“0x1111”という情報が、図19(B)の第2のテーブル情報の(1)−(a)のテーブルノードの暗号鍵“キー1”によって暗号化されて記録される。
このように、本実施の形態3のスタンパ固有情報は、アドレス情報と初期値情報との組み合わせを表す第1のテーブル情報と、第1のテーブル情報の各テーブルノードを暗号化するための暗号鍵を表す第2のテーブル情報とで構成される。第1のテーブル情報の各テーブルノードは、第2のテーブル情報に記載された、各テーブルノード対応する暗号鍵によって暗号化され、主情報の一部として記録される。
なお、本実施の形態3において、スタンパ固有情報のうち、暗号化された第1のテーブル情報のみが主情報の一部として記録され、スタンパ固有情報の第2のテーブル情報は、主情報の一部として記録されない。
また、本実施の形態3の第2の副情報は、第1のテーブル情報のテーブルノードを示すポインタ情報と、第2のテーブル情報から抽出した、第1のテーブル情報のテーブルノードに対応する暗号鍵情報とを含む。
本実施の形態3はでは、第2の副情報として、第1のテーブル情報から光ディスク毎に無作為に選択するテーブルノードとして図19(A)の(2)−(b)が選択された場合を示している。この場合、第2の副情報において、(2)−(b)というテーブルノードで示される第1のテーブル情報のポインタ情報には、第1のテーブル情報と同一のスタンパ固有情報である第2のテーブル情報から、(2)−(b)のテーブルノードに対応する暗号鍵“キー6”が付与される。
本例における第1の副情報、第2の副情報及び主情報の再生方法では、ユーザデータ領域から暗号化されている、スタンパ固有情報である第1のテーブル情報が読み出される。
また、情報再生装置は、第2の副情報から、スタンパ固有情報のテーブルノード“(2)−(b)”を示すポインタ情報を読み出すとともに、暗号化された第1のテーブル情報のテーブルノード“(2)−(b)”を復号化する為の暗号鍵“キー6”を読み出す。よって、情報再生装置は、主情報の一部として記録されている第1のテーブル情報のテーブルノード“(2)−(b)”を復号することができる。そして、情報再生装置は、第1の副情報を再生するためのアドレス情報と初期値情報とを抽出して、第1の副情報を再生することが可能となる。結果、記録されている暗号化コンテンツ情報の再生が可能となる。
以上の構成によれば、アドレス情報と初期値情報との組み合わせを表す暗号化した第1のテーブル情報を主情報の一部として記録した場合でも、情報再生装置では、第1のテーブル情報の中から、光ディスク毎に固有なテーブルノードしか復号できない構成となり、悪意ある者による解析に対する耐性を向上させることができる。
また、光ディスクは、第2の副情報としてスタンパ固有情報へのポインタ情報に加え、当該ポインタ情報によって特定されるテーブルノードに対応する暗号鍵情報を記録している。そのため、情報再生装置は、第1のテーブル情報の全テーブルノードに対して復号化をトライするのではなく、光ディスク毎に固有に指定されたテーブルノードのみを復号化すればよいので、第1の副情報へのアクセス時間が軽減できる。
図20は、本発明の実施の形態3の情報記録媒体を製造する製造装置の特徴的な構成を示すブロック図である。本実施の形態3における製造装置は、実施の形態2の図16で説明した製造装置の改良であり、同一の動作をするブロックには同じ符号をつけて、本実施の形態3での詳細な説明を省略する。
本実施の形態3の情報記録媒体を製造する製造装置は、スタンパ固有情報を主情報の一部として光ディスク原盤(スタンパ257)に記録するスタンパ固有情報記録部290をさらに有している。なお、本実施の形態3のスタンパ固有情報は、図19(A)及び図19(B)で説明したように、第1の副情報を記録するために用いられる第1のテーブル情報と第2のテーブル情報とを含む情報である。
スタンパ固有情報記録部290は、光ディスク原盤(スタンパ257)にスタンパ固有情報を記録する。スタンパ固有情報記録部290は、テーブルノード暗号化部291及び主情報記録部292から構成される。
テーブルノード暗号化部291は、スタンパ固有情報に含まれる第1のテーブル情報(図19(A))と第2のテーブル情報(図19(B))とが入力され、第1のテーブル情報の各テーブルノードを、各テーブルノードに対応する第2のテーブル情報の暗号鍵で暗号化することによって、暗号化された第1のテーブル情報を生成する。テーブルノード暗号化部291は、生成した暗号化第1のテーブル情報を主情報記録部292に出力する。すなわち、図19(A)における第1のテーブル情報の(1)−(a)のテーブルノードは、図19(B)における第2のテーブル情報の(1)−(a)の暗号鍵で暗号化され、同様に全12のテーブルノードがそれぞれ異なる暗号鍵で暗号化される。
主情報記録部292は、テーブルノード暗号化部291から入力される暗号化された第1のテーブル情報を主情報の一部として光ディスク原盤(スタンパ257)に記録する。主情報記録部292は、暗号化された第1のテーブル情報に変調部252と同様の変調を施す。そして、主情報記録部292は、変調された情報に基づいて、レーザ光を光ディスク原盤に照射して凹凸記録マークを形成することによって、暗号化された第1のテーブル情報を記録する。
なお、第1のテーブル情報は、主情報のアドレス情報に基づいてあらかじめ決められたアドレス位置に記録される。また、主情報記録部292における第1のテーブル情報を変調するための変調フォーマットは、変調部252におけるコンテンツ情報を変調するための変調フォーマットと異なる変調フォーマットでもよい。この場合、主情報記録部292における変調方式を知らない場合、第1のテーブル情報を再生することができなくなり、セキュリティが向上する。
また、情報記録媒体を製造する製造装置における第2の副情報記録処理部163のテーブルノード選択部293は、図16で説明したテーブルノード選択部260とは異なり、スタンパ固有情報である第1のテーブル情報及び第2のテーブル情報が入力され、第1のテーブル情報の中から無作為に1のテーブルノードを選択するとともに、選択したテーブルノードに対応する暗号鍵情報を第2のテーブル情報の中から選択する。そして、テーブルノード選択部293は、選択したポインタ情報と、選択した暗号鍵情報とを暗号化部261に出力する。暗号化部261は、テーブルノード選択部293によって選択されたポインタ情報及び暗号鍵情報を暗号化し、第2の副情報生成部263は、暗号化されたポインタ情報及び暗号鍵情報をバーコード変調することにより、第2の副情報を生成する。
図21は、図20の製造装置によって作成された光ディスクからコンテンツ情報を再生する情報再生装置の特徴的な構成を示すブロック図である。本実施の形態3における情報再生装置は、実施の形態2の図18で説明した情報再生装置の改良であり、同一の動作をするブロックには同じ符号をつけて、本実施の形態3での詳細な説明を省略する。
本実施の形態3の情報再生装置は、図18の情報再生装置に比べ、テーブルノード復号化部289を有している点で異なる。
復号化部283は、第2の副情報再生部282によって再生された第2の副情報を復号化し、スタンパ固有情報のポインタ情報と暗号鍵情報とを抽出し、抽出したポインタ情報と暗号鍵情報とをテーブルノード復号化部289に出力する。
また、情報再生装置の主情報再生部287は、あらかじめ定められたアドレス位置から暗号化された第1のテーブル情報を再生して、再生した暗号化された第1のテーブル情報をテーブルノード復号化部289に出力する。
テーブルノード復号化部289は、第2の副情報を再生して得たポインタ情報に基づいて暗号化された第1のテーブル情報のテーブルノードを選択して、第2の副情報を再生して得た暗号鍵情報にて選択したテーブルノードを復号化することによって、第1の副情報を再生するためのアドレス情報と初期値情報とを抽出する。
第1の副情報再生部285は、テーブルノード復号化部289によって抽出されたアドレス情報に基づいて光ディスク281にアクセスして、第1の副情報を再生する。データ変換部286は、テーブルノード復号化部289によって抽出された初期値情報に基づいて発生させた擬似乱数系列によって、第1の副情報をデスクランブルして、第1の副情報からコンテンツ情報を再生するために必要な暗号鍵情報を抽出する。復号化部288は、データ変換部286によって抽出された暗号鍵情報を用いて、暗号化されたコンテンツ情報を再生する。
以上の構成によれば、実施の形態2と同様に、スタンパから転写複製されて作成されるROM型情報記録媒体(光ディスク)であったとしても、光ディスクに固有の第2の副情報を光ディスクに記録することによって、光ディスク毎に異なる記録位置から第1の副情報を再生することができる。
また、本実施の形態3では、第2の副情報としてポインタ情報及び暗号鍵情報のみが記録されるので、アドレス情報及び初期値情報をそのまま第2の副情報として記録する場合に比べて、情報量の制限された第2の副情報を効率的に記録することができる。
また、本実施の形態3では、第1のテーブル情報はコンテンツ情報と共に主情報として記録されるが、光ディスクは、第1のテーブル情報の全てのテーブルノードを復号するための暗号鍵情報を持たず、情報再生装置は、第2の副情報で指定されたテーブルノードのみを再生することができ、第1のテーブル情報を解析しようとする悪意ある者からのアタックに対する耐性を向上させることが可能となる。
また、第2の副情報は、アドレス情報と初期値情報との組み合わせを表す第1のテーブル情報のポインタ情報を含むので、情報再生装置は、第1のテーブル情報の全てのテーブルノードを、第2の副情報で指定された暗号鍵で復号できるか否かの確認を行わなくてもよい。そのため、第1の副情報の再生時間を短縮することが可能となる。
なお、実施の形態1及び実施の形態2では、第1の副情報の記録方法として、フレーム毎に付与する同期符号のパターンを改変する方法について説明したが、本発明は特にこれに限られない。第1の副情報は、スタンパ毎に共通に記録できて、かつ、主情報を示す通常の再生データには存在しない方法で記録することが重要である。例えば、凹凸記録マークをタンジェンシャル方向又はラジアル方向に微小に変形させたり、凹凸記録マークをタンジェンシャル方向又はラジアル方向に微小に変位させたりして記録する方法がある(例えば、特開2001―357533公報参照)。
これらの場合にも、第1の副情報は、通常の主情報の再生信号には現れず、再生信号をそのままコピーしたとしても第1の副情報は複製されることはない。また、ラジアル方向に凹凸記録マークを変位させた場合には、第1の副情報は凹凸記録マークの径方向の揺らぎとして観測され、タンジェンシャル方向に凹凸記録マークを変位させた場合、すなわち、タンジェンシャル方向に凹凸記録マークのエッジをシフトさせた場合には、第1の副情報はジッタとして観測される。そのため、信号検出又は電子顕微鏡による観察でも第1の副情報の存在を確認することが困難となり、暗号鍵を表す第1の副情報のセキュリティは格段に向上する。
このように、凹凸記録マークの位置をタンジェンシャル方向又はラジアル方向に変化させること、又は凹凸記録マークの形状をタンジェンシャル方向又はラジアル方向に変形させることにより、第1の副情報を記録する場合にも、同期符号のパターンを改変することによって第1の副情報を記録する場合と同様に、暗号鍵情報と擬似乱数系列との排他的論理和を算出することによって暗号鍵がスクランブルされて記録される。実施の形態1及び実施の形態2で説明したように同期符号のパターンを改変することと、凹凸記録マークのエッジを微小量シフトさせること、すなわち凹凸記録マークを変形させることと、凹凸記録マークをラジアル方向に微小量変位させることとは、スクランブルした暗号鍵をどのように記録するかの違いである。したがって、これらの記録方法は全て本発明の範疇である。
なお、実施の形態1及び実施の形態2では、光ディスクの内周部分の反射膜を除去して当該反射膜の反射率を変化させることによって形成したバーコードマークを用いて第2の副情報を記録する方法について説明しているがこれに限られない。第2の副情報の記録方法は、スタンパから転写して金属膜などの反射膜を形成して作成される光ディスク毎に固有の情報を記録できる方法であればどのような方法であってもかまわない。
例えば、特開2008−269763公報に開示されているように、凹凸記録マークにトラッキングしながら記録レベルのレーザ光を照射することによって、凹凸記録マーク上の反射膜の反射率を変化させた反射率マークを形成することによって、第2の副情報を記録してもよい。従って、本発明における第2の副情報の記録方法は、スタンパによって凹凸記録マークを転写複製した後、反射膜を形成して作成される光ディスクに対して、レーザ光を照射して反射膜の反射率を変化させることで、媒体毎に固有の情報を記録する方法であってもよい。このような第2の副情報の記録方法も本発明の範疇である。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4に係る情報記録媒体、情報記録装置及び情報再生装置について詳細に説明する。
本実施の形態4は、暗号化されたコンテンツ情報を復号化するための暗号鍵が第1の副情報として記録されている点、及び、第1の副情報が、スタンパへの記録時(光ディスク原盤の作成時)に主情報に重畳されて記録されている点は、前述の実施の形態1〜3と共通である。
ただし、本実施の形態4は、ディスク識別情報及びスタンパ固有情報がともに第2の副情報として、光ディスクの成形後に記録される点、第1の副情報が、スタンパに記録される凹凸記録マークのマークエッジの位相変位によって記録される点、及び、第2の副情報が、光ディスクの成型後、凹凸記録マーク上の反射膜にレーザ光を照射して反射膜の反射率を変化させることによって記録されている点が、前述の実施の形態1〜3と異なる。
図22は、本発明の実施の形態4における情報記録再生システムの構成を示すブロック図である。
本実施の形態4における情報記録再生システムは、光ディスクの原盤(スタンパ41’)を作成するマスタリング装置42と、マスタリング装置42で作成したスタンパ41’から転写して反射膜を蒸着した光ディスク41に対してディスク識別情報とスタンパ固有情報とを記録する情報記録装置43と、暗号化されたコンテンツ情報が記録された光ディスク41を再生する情報再生装置44とから構成される。
マスタリング装置42は、凹凸記録マークを形成することにより、暗号化されたコンテンツ情報(主情報)と暗号化された副情報管理情報とを記録するとともに、凹凸記録マークのマークエッジの位相を変位させることにより、暗号化されたコンテンツ情報を復号化するための暗号鍵を第1の副情報として記録する。
マスタリング装置42は、コンテンツ暗号化部45、主情報記録部46、副情報管理情報暗号化部47、副情報管理情報記録部48、スクランブル部49及び第1の副情報記録部50を備える。
コンテンツ暗号化部45は、DES(Data Encryption Standard)又はAES(Advanced Encryption Standard)などの共通鍵アルゴリズムに基づいて、スタンパ41’に記録されるコンテンツ情報を、入力される暗号鍵を用いて暗号化する。
主情報記録部46は、コンテンツ暗号化部45によって暗号化されたコンテンツ情報を主情報として、スタンパ41’のユーザデータ領域71’(光ディスク41のユーザデータ領域71)に記録する。主情報記録部46は、記録する光ディスク41のフォーマットに応じて、暗号化されたコンテンツ情報をエラー訂正符号化し、暗号化されたコンテンツ情報を変調し、暗号化されたコンテンツ情報にアドレスを付与する。そして、主情報記録部46は、変調した信号に応じて、光ディスク原盤(スタンパ41’)にレーザ光を照射することによって、凹凸記録マークを光ディスク原盤(スタンパ41’)に形成する。これにより、主情報がスタンパ41’に記録される。
副情報管理情報暗号化部47は、コンテンツ情報と同様に、副情報管理情報を暗号化する。副情報管理情報記録部48は、副情報管理情報暗号化部47によって暗号化された副情報管理情報をスタンパ41’のリードイン(Lead−In)領域72’(光ディスク41のリードイン領域72)に記録する。
ただし、副情報管理情報の暗号化は、コンテンツ情報を暗号化するための暗号鍵とは異なる秘密鍵で暗号化される。また、コンテンツ情報を暗号化するアルゴリズムと副情報管理情報を暗号化するアルゴリズムとは、同じであっても、異なってもかまわない。また、コンテンツ情報を暗号化する暗号鍵は、スタンパ毎に共通の鍵情報であるのに対して、副情報管理情報を暗号化するための秘密鍵は、全てのスタンパで共通の鍵情報である。また、副情報管理情報は、光ディスクの内周部分のコントロールデータ領域であるリードイン領域72に記録される。
図23は、本発明の実施の形態4に係る副情報管理情報の一例を示す図である。本実施の形態4に係る副情報管理情報370は、第2の副情報として記録するディスク識別情報をスクランブルするためのスクランブル初期値371と、ディスク識別情報の記録位置を表す記録アドレス372と、第2の副情報として記録するスタンパ固有情報の記録位置を表す記録アドレス373と、第1の副情報として記録される暗号鍵情報の記録位置を表す記録アドレス374とを含む。
副情報管理情報370は、スクランブル初期値371、ディスク識別情報の記録アドレス372、スタンパ固有情報の記録アドレス373及び暗号鍵情報の記録アドレス374を1セットの副情報ブロック情報375として含む。副情報管理情報370は、光ディスクに記録される回数分だけ副情報ブロック情報375を記載しているテーブル情報である。本実施の形態4では、光ディスクの内周部分のコントロールデータ領域であるリードイン領域に、同一内容のディスク識別情報、スタンパ固有情報及び暗号鍵情報のセットが冗長的に2回、異なるアドレスに記録される。そのため、この場合は、副情報管理情報370には、2つの副情報ブロック情報375が記載されている。
次に、スクランブル部49は、ユーザデータ領域に記録される暗号化されたコンテンツ情報を復号化するための暗号鍵情報を、スタンパ固有情報に基づいた初期値をプリセットして発生させる擬似乱数系列によってスクランブルする。第1の副情報記録部50は、スクランブル部49によってスクランブルされた暗号鍵情報を第1の副情報としてスタンパ41’の第1の副情報記録領域73’(光ディスク41の第1の副情報記録領域73)に記録する。
本実施の形態4の第1の副情報記録部50は、主情報の記録動作中に、記録する主情報のアドレスが副情報管理情報の暗号鍵情報の記録アドレス374に到達したとき、擬似乱数系列でスクランブルされたスクランブル暗号鍵情報のビット値に応じて、主情報を記録する記録マークエッジを意図的に進ませる、あるいは遅らせることによって記録マークエッジの位相変調を行って、第1の副情報を記録する。
次に、情報記録装置43について説明する。情報記録装置43は、マスタリング装置42によって製造されたスタンパ41’から転写されて作成された光ディスク毎に、ディスク識別情報とスタンパ固有情報とを第2の副情報として記録する。
なお、本実施の形態4における情報記録再生システムは、マスタリング装置42によって作成されたスタンパ41’から光ディスク41を複製するデュプリケーション装置を備えるが、図22では省略している。
情報記録装置43は、スクランブル部51、媒体識別情報記録部52、スクランブル部53及び媒体固有情報記録部54を備える。
スクランブル部51は、副情報管理情報に記載されているディスク識別情報のスクランブル初期値371を擬似乱数系列発生器にプリセットして発生させた擬似乱数系列を用いて、記録するディスク識別情報をスクランブルする。なお、擬似乱数系列発生器は、スクランブル部51に内蔵されている。
媒体識別情報記録部52は、副情報管理情報に記載されたディスク識別情報の記録アドレス372に基づいて、光ディスク41にアクセスし、アクセスした記録アドレス372からスクランブルされたディスク識別情報を記録する。媒体識別情報記録部52は、スクランブルされたディスク識別情報のビット値に応じて、強度を変化させたレーザ光を光ディスク41に照射し、凹凸記録マーク上の反射膜の反射率を変化させることによって、スクランブルされたディスク識別情報を第2の副情報として光ディスク41に追記する。
スクランブル部53は、ディスク識別情報を初期値として擬似乱数系列発生器にプリセットして発生させた擬似乱数系列を用いて、スタンパ固有情報をスクランブルする。なお、擬似乱数系列発生器は、スクランブル部53に内蔵されている。
媒体固有情報記録部54は、副情報管理情報に記載されたスタンパ固有情報の記録アドレス373に基づいて、光ディスク41にアクセスし、アクセスした記録アドレス373からスクランブルされたスタンパ固有情報を記録する。媒体固有情報記録部54は、スクランブルされたスタンパ固有情報のビット値に応じて、強度を変化させたレーザ光を光ディスク41に照射し、凹凸記録マーク上の反射膜の反射率を変化させることによって、スクランブルされたスタンパ固有情報を第2の副情報として光ディスク41に追記する。
次に、本実施の形態4において、光ディスク41からコンテンツ情報を再生する情報再生装置44について説明する。
情報再生装置44は、副情報管理情報再生部55、副情報管理情報復号化部56、媒体識別情報再生部57、デスクランブル部58、媒体固有情報再生部59、デスクランブル部60、第1の副情報再生部61、デスクランブル部62、主情報再生部63及び復号化部64を備える。
副情報管理情報再生部55は、光ディスク41の再生起動後、光ディスク41の内周部分のコントロールデータ領域であるリードイン領域72にアクセスして、凹凸記録マーク上にレーザ光を照射し、凹凸記録マークに対応する反射膜からの反射光の強度の変化に基づいて、暗号化された副情報管理情報を再生する。
副情報管理情報復号化部56は、情報再生装置44の中に秘密に持っている秘密鍵を用いて、暗号化された副情報管理情報を復号化する。秘密鍵は、情報再生装置44を構成するLSI(Large Scale Integration)の内部に埋め込むなど、外部から観測されない形態で隠し持っている。なお、副情報管理情報復号化部56で用いられる秘密鍵は、マスタリング装置42の副情報管理情報暗号化部47で用いられる秘密鍵と同じである。
媒体識別情報再生部57は、副情報管理情報復号化部56によって副情報管理情報が復号化されると、復号化された副情報管理情報を参照して、副情報管理情報に記載されているディスク識別情報の記録アドレス372にアクセスする。媒体識別情報再生部57は、光ディスク41にレーザ光を照射し、反射膜の反射率を変化させていることによる反射光の強度の変化を観測することによって、スクランブルされたディスク識別情報(第2の副情報)を再生する。なお、反射膜の反射率を変化させていることによる反射光の強度の変化は、凹凸記録マークによる反射光レベルの変動に対して小さい。
デスクランブル部58は、副情報管理情報復号化部56によって復号化された副情報管理情報に記載されているディスク識別情報のスクランブル初期値371を擬似乱数系列発生器にプリセットして発生させた擬似乱数系列を用いて、媒体識別情報再生部57によって再生されたスクランブルされたディスク識別情報をデスクランブルして、ディスク識別情報を抽出する。なお、擬似乱数系列発生器は、デスクランブル部58に内蔵されている。
媒体固有情報再生部59は、復号化された副情報管理情報を参照して、副情報管理情報に記載されているスタンパ固有情報の記録アドレス373にアクセスする。媒体固有情報再生部59は、光ディスク41にレーザ光を照射し、反射膜の反射率を変化させていることによる反射光の強度の変化を観測することによって、スクランブルされたスタンパ固有情報(第2の副情報)を再生する。なお、反射膜の反射率を変化させていることによる反射光の強度の変化は、凹凸記録マークによる反射光レベルの変動に対して小さい。
デスクランブル部60は、デスクランブル部58によって抽出されたディスク識別情報を初期値として擬似乱数系列発生器にプリセットして発生させた擬似乱数系列を用いて、媒体固有情報再生部59によって再生されたスクランブルされたスタンパ固有情報をデスクランブルして、スタンパ固有情報を抽出する。なお、擬似乱数系列発生器は、デスクランブル部60に内蔵されている。
第1の副情報再生部61は、復号化された副情報管理情報を参照して、副情報管理情報に記載されている暗号鍵情報の記録アドレス374にアクセスする。第1の副情報再生部61は、光ディスク41にレーザ光を照射し、凹凸記録マークエッジの位相変位を観測することによって、スクランブルされた暗号鍵情報(第1の副情報)を再生する。
デスクランブル部62は、デスクランブル部60によって抽出されたスクランブル固有情報を初期値として擬似乱数系列発生器にプリセットして発生させた擬似乱数系列を用いて、第1の副情報再生部61によって再生されたスクランブルされた暗号鍵情報をデスクランブルして、暗号鍵情報を抽出する。なお、擬似乱数系列発生器は、デスクランブル部62に内蔵されている。
主情報再生部63は、光ディスク41のユーザデータ領域71に凹凸記録マークで記録されている暗号化されたコンテンツ情報を再生する。復号化部64は、デスクランブル部62によって抽出された暗号鍵情報を用いて、主情報再生部63によって再生された暗号化されたコンテンツ情報を復号化する。これによって、コンテンツ情報が再生される。
以上のようなマスタリング装置42、情報記録装置43及び情報再生装置44を用いることによって、スタンパ41’から複製することによって製造される光ディスク41であっても、追記される光ディスク毎にユニークなディスク識別情報を再生しなければ、暗号化されたコンテンツ情報を復号化するための暗号鍵が再生できない。そのため、記録されるコンテンツ情報の不正な複製に対する耐性が向上し、強固な著作権の保護を行うことによって、光ディスクの健全な流通に貢献することができる。
図24は、本発明の実施の形態4における光ディスクの記録領域を示す概念図であり、図25は、主情報、第1の副情報及び第2の副情報の光ディスクにおける記録フォーマットを示す図である。
図24に示すように、本実施の形態4の光ディスク300は、光ディスク300の内周側のコントロールデータ領域であるリードイン領域301と、ユーザデータ領域302と、光ディスク300の外周側のコントロールデータ領域であるリードアウト(Lead−Out)領域303とで構成される。
リードイン領域301には、主に、光ディスク300の再生に必要なディスク管理情報及び暗号化された副情報管理情報が記録される。ユーザデータ領域302には、主に暗号化されたコンテンツ情報が記録される。リードアウト領域303には、主に光ディスク300の再生に必要なディスク管理情報が記録される。
図25は、本実施の形態4の光ディスク300のリードイン領域301の記録フォーマットである。リードイン領域301には、凹凸記録マークによって記録される主情報、反射膜の反射率変化によって記録される第2の副情報、及び凹凸記録マークのマークエッジの位相変位によって記録される第1の副情報が記録されている。図25の縦軸方向は、光ディスク300の円周方向の記録位置を示しており、図25の上方向が光ディスク300の内周方向、図25の下方向が光ディスク300の外周方向を示している。従って、光ディスク300から情報を再生する際のレーザ光の照射位置は、図25の上方から下方に移動して情報が再生される。
クランプ領域304は、光ディスク300を回転テーブルに移動させる際に固定する部分である。クランプ領域304には、情報は記録されていない。クランプ領域304は、光ディスク300の最内周に位置する。
リードイン領域301の最内周部分には、ディスク管理情報305が、凹凸記録マークによって記録されている。ディスク管理情報305は、光ディスク300の種類を表す種別情報、主情報の記憶容量、及び主情報の最終アドレス位置などを含む。
ディスク管理情報305が記録されている位置より外周側には、暗号化された副情報管理情報306が、凹凸記録マークによって記録されている。副情報管理情報306は、図23に示す内容の情報が暗号化されて記録されている。
また、ディスク管理情報305と副情報管理情報306とは、異なる半径位置に冗長的に複数回(本実施の形態4では例えば2回)記録されている。これにより、例えば、一方のディスク管理情報及び副情報管理情報が指紋、汚れ又は傷などによって読み出し不可能になっても、他方のディスク管理情報及び副情報管理情報を読み出すことができ、システムが破綻することなく堅牢性を保つことができる。
また、リードイン領域301において、一方のディスク管理情報及び副情報管理情報と、他方のディスク管理情報及び副情報管理情報との間には、特に意味を有しないダミー情報が凹凸記録マークで記録されている。なお、本実施の形態4ではダミー情報が記録されているが、本発明は特これに限定されない。ディスク管理情報及び副情報管理情報以外の管理情報、又は不正な装置を排除するための機器無効化情報などを記録してもよい。一方のディスク管理情報及び副情報管理情報と、他方のディスク管理情報及び副情報管理情報との間に記録される情報が、ダミー情報又はダミー情報以外の情報であったとしても、連続して凹凸記録マークが形成されていれば、どのような情報がリードイン領域301に記録されていてもかまわない。
また、副情報管理情報306が記録されている位置より外周側には、スクランブルされたディスク識別情報307が、第2の副情報として記録されている。さらに、ディスク識別情報307が記録されている位置より外周側には、スクランブルされたスタンパ固有情報308が、第2の副情報として記録されている。第2の副情報は、凹凸記録マーク上を被覆する反射膜にレーザ光を照射し、反射膜の反射率を変化させることによって記録される。よって、第2の副情報が記録されている領域(リードイン領域301)には、副情報管理情報と第2の副情報とが記録されている。
なお、本実施の形態4では、第2の副情報をリードイン領域301に記録しているが、本発明は特にこれに限定されず、ユーザデータ領域302又はリードアウト領域303に記録してもよい。
また、スタンパ固有情報308が記録されている位置より外周側には、スクランブルされた暗号鍵情報309が、第1の副情報として記録されている。
本実施の形態4では、暗号化されたコンテンツ情報を復号化するためには、第1の副情報として記録される暗号鍵情報が必要となる。また、暗号鍵情報はスクランブルされているので、暗号鍵情報をデスクランブルするためには、第2の副情報として記録されるスタンパ固有情報が必要となる。同様に、スタンパ固有情報はスクランブルされており、スタンパ固有情報をデスクランブルするためには、ディスク識別情報が必要となる。同様に、ディスク識別情報はスクランブルされているので、ディスク識別情報をデスクランブルするためには、副情報管理情報に記載されているディスク識別情報のスクランブル初期値が必要となる。
従って、本実施の形態4の情報再生装置は、再生時において、副情報管理情報、ディスク識別情報、スタンパ固有情報、及び暗号鍵情報を順に読み出す必要がある。
本実施の形態4の光ディスク300は、図25に示すように、光ディスク300の内周側から順番に副情報管理情報、ディスク識別情報、スタンパ固有情報、及び暗号鍵情報が記録されている。そのため、これらの情報を読み出す際に、光学ヘッドの移動を極力少なくすることができ、高速にアクセスすることが可能となる。
次に、本実施の形態4における第2の副情報の記録形態についてさらに詳細に説明する。
図26は、本発明の実施の形態4に係る光ディスクの構造を示す概念図である。
本実施の形態4に係る光ディスク300は、スタンパから凹凸記録マークMKが転写された光ディスク基板1P、コンテンツ情報などの主情報を記録した凹凸記録マークMK、レーザ照射によって反射率が変化する反射膜1L、及び光ディスク形成後にレーザ照射によって反射膜1Lの反射率を変化させることによって第2の副情報を記録した追記マークSMKで構成される。
光ディスク基板1Pは、例えばポリカーボネート樹脂などによって構成され、スタンパから凹凸記録マークMKが転写される。
凹凸記録マークMKは、スタンパから転写され、主に、光ディスク300に記録されるコンテンツ情報、ディスク管理情報及び副情報管理情報が記録される。また、凹凸記録マークMKは、通常の再生専用メディアであるDVD−ROMやBlu−rayROMと同様に形成され、8−16変調方式又は17pp変調方式などを用いて変調された情報が記録されている。
反射膜1Lは、凹凸記録マークMKが転写された光ディスク基板1P上に蒸着され、一定強度以上のレーザ照射によって反射率が変化する。また、反射膜1Lは、一定強度以上のレーザ照射によって不可逆的に反射率が変化するライトワンス膜で構成される。通常の再生専用メディアでは、反射膜として、アルミニウムや銀材料を用いたものが適用される。また、ライトワンス膜は、一定強度以上のレーザ照射によって反射率が向上するLtoH(Low to High)膜を用いることが望ましい。なぜなら、通常の再生専用メディアの金属反射膜では、一定強度以上のレーザ照射によって、反射率が劣化する。したがって、意図的にLtoH膜を用いることにより、反射率を高くすることによって記録されている追記マークSMKを通常の再生専用メディアへ複写することが困難となる。そのため、追記マークSMKで著作権保護情報などを記録する場合には、不正複製への耐性が劇的に向上する。
光ディスク300は、光ディスク基板1Pに凹凸記録マークMKを転写後、反射膜1Lを蒸着し、保護膜を付与することにより成型される。追記マークSMKは、光ディスク300の成型後、凹凸記録マークMKにトラッキング制御を行い、凹凸記録マークトラックのほぼ真上にレーザ照射を行い、LtoH膜で構成される反射膜1Lの反射率を上げることによって形成される。追記マークSMKによって第2の副情報が記録される。
光ディスク300の内周側のリードイン領域には、レーザ光を照射することによって再生可能な管理情報、著作権情報又は物理特性情報などが記録されている。
これらの管理情報、著作権情報又は物理特性情報を転写して光ディスクを成形した後、レーザ光を照射することによって局所的に反射膜1Lの反射率を変化させる。これにより、追記マークSMKが光ディスク300に形成され、ディスク識別情報及びスタンパ固有情報が第2の副情報として重畳記録される。
図26に示す追記マークSMKは、凹凸記録マークMKが形成されているトラック上にレーザ照射を行うことによって形成されている。また、追記マークSMKを記録することによる反射光レベルの変動は、凹凸記録マークMKの反射光レベルと、凹凸記録マークMK以外のミラー部の反射光レベルとの差の半分以下にすることが好ましい。この場合、凹凸記録マークMKの再生信号のエッジ位置を誤って再生することがなくなるので、凹凸記録マークMKの再生精度に影響を与えない。
また、追記マークSMKの記録帯域は、凹凸記録マークMKの最長マークの記録帯域より低いことが好ましい。これにより、再生時に帯域制限回路(フィルタ)によって、凹凸記録マークに基づく信号と、追記マークに基づく信号とを分離することが可能となり、互いの再生精度を確保することができる。
次に、本実施の形態4における第1の副情報の記録形態についてさらに詳細に説明する。
図26に示すように、スクランブルされた暗号鍵情報を記録する場合において形成された凹凸記録マークMKのトラック方向における2つのエッジそれぞれの位置は、スクランブルされた暗号鍵情報を記録しない場合に形成される凹凸記録マークMKのエッジ位置に対して、一定の微少時間に相当する変位量だけ位相が進んだ(又は遅れた)位置にずれて形成されている。
通常のスクランブルされた暗号鍵情報を記録しない場合に形成される凹凸記録マークMKのエッジ位置も、誤差成分によって微少量進んだ位置や遅れた位置にランダムに形成される。このエッジ位置の揺らぎをジッタという。よって、本実施の形態4の光ディスク300のように第1の副情報を記録したとしても、そのエッジ位置の変位規則がわからない限り、通常のジッタと区別することが不可能であり、発見困難で不正な複製が困難な情報として、第1の副情報を記録することが可能となる。
次に、本実施の形態4において、第2の副情報を記録する第2の副情報記録装置についてさらに詳細に説明する。
図27は、本発明の実施の形態4における第2の副情報記録装置の構成を示すブロック図である。図27に示す第2の副情報記録装置は、主情報が記録されたスタンパから転写して作成した光ディスク300に対して第2の副情報を追記する。なお、第2の副情報記録装置は、図22に示す情報記録装置43に相当する。
第2の副情報記録装置は、光学ヘッド321、再生部322、デジタル信号処理器323、フォーマッタ324、タイミング生成器325、擬似乱数系列発生器326、EOR演算部327、PE変調器328、レーザ強度制御部329及び記録部330を備える。なお、スクランブル部331は、擬似乱数系列発生器326、EOR演算部327及びPE変調器328で構成される。
光学ヘッド321は、光ピックアップであり、回転する光ディスク300上の凹凸記録マークに光ビームを集光し、凹凸記録マークからの反射光に基づいて、被変調凹凸記録マークのエッジ位置を示すアナログ再生信号を生成して、再生部322に出力する。
再生部322は、光学ヘッド321から入力されるアナログ再生信号を波形等化したり整形したりすることによってデジタル再生信号に変換して、デジタル信号処理器323に出力する。
デジタル信号処理器323は、再生部322から入力されるデジタル再生信号に同期するクロック信号を抽出し、抽出したクロック信号に同期した再生信号を生成して、フォーマッタ324に出力する。
フォーマッタ324は、変調されている再生信号を復調して、所定単位(セクタ)毎に付与されているアドレス情報を検出する。検出されたアドレス情報はタイミング生成器325に出力される。
タイミング生成器325は、フォーマッタ324から入力されるアドレス情報に基づいて、第2の副情報を記録するためのタイミング信号を生成して、擬似乱数系列発生器326に出力する。
擬似乱数系列発生器326は、一般的なシフトレジスタで構成されるM系列生成器である。擬似乱数系列発生器326は、タイミング生成器325から入力されるタイミング信号に基づいて、副情報管理情報に含まれるスクランブル初期値をプリセットして擬似乱数系列を発生させて、EOR演算部327に出力する。
また、擬似乱数系列発生器326は、タイミング生成器325から入力されるタイミング信号に基づいて、ディスク識別情報を初期値としてプリセットして擬似乱数系列を発生させて、EOR演算部327に出力する。
EOR演算部327は、一般的な排他的論理和ゲートである。EOR演算部327は、擬似乱数系列発生器326から入力される擬似乱数系列と、第2の副情報として記録するディスク識別情報との排他的論理和を算出して、PE変調器328に出力する。
また、EOR演算部327は、擬似乱数系列発生器326から入力される擬似乱数系列と、第2の副情報として記録するスタンパ固有情報との排他的論理和を算出して、PE変調器328に出力する。
PE変調器328は、EOR演算部327からの出力信号に対してPE(Phase Encode)変調を行い、PE変調した信号をレーザ強度制御部329に出力する。
レーザ強度制御部329は、PE変調器328によってPE変調された信号に基づいて、レーザ照射のタイミングを制御する記録パルスを生成する。
記録部330は、レーザ強度制御部329から入力される記録パルスに基づいて、光学ヘッド321のレーザ光源から出射されるレーザ光の強度と出射タイミングとを制御する。光学ヘッド321は、光ディスク300にレーザ光を照射し、凹凸記録マーク上の反射膜の反射率を変化させることによって、スクランブルしたディスク識別情報及びスタンパ固有情報をそれぞれ第2の副情報として追記する。
次に、本実施の形態4において、第1の副情報を記録する第1の副情報記録装置についてさらに詳細に説明する。
図28は、本発明の実施の形態4における第1の副情報記録装置の構成を示すブロック図である。図28に示す第1の副情報記録装置は、主情報とともに第1の副情報をスタンパ(光ディスク原盤)に記録する。なお、第1の副情報記録装置は、図22に示すマスタリング装置42の一部(スクランブル部49及び第1の副情報記録部50)に相当する。
第1の副情報記録装置は、光学ヘッド321、フォーマッタ341、タイミング生成器342、擬似乱数系列発生器343、EOR演算部344、PE変調器345、位相変調部346及び記録部347を備える。なお、スクランブル部348は、擬似乱数系列発生器343、EOR演算部344及びPE変調器345で構成される。
フォーマッタ341は、記録する主情報を変調し、所定単位(セクタ)毎にアドレス情報を付与して記録信号を生成する。付与されたアドレス情報は、タイミング生成器342に出力される。
タイミング生成器342は、フォーマッタ341から入力されるアドレス情報に基づいて、第1の副情報を記録するためのタイミング信号を生成して、擬似乱数系列発生器343に出力する。
擬似乱数系列発生器343は、一般的なシフトレジスタで構成されるM系列生成器である。擬似乱数系列発生器343は、タイミング生成器342から入力されるタイミング信号に基づいて、スタンパ固有情報を初期値としてプリセットして擬似乱数系列を発生させて、EOR演算部344に出力する。
EOR演算部344は、一般的な排他的論理和ゲートである。EOR演算部344は、擬似乱数系列発生器343から入力される擬似乱数系列と、第1の副情報として記録する暗号鍵情報との排他的論理和を算出して、PE変調器345に出力する。
PE変調器345は、EOR演算部344からの出力信号に対してPE変調を行い、PE変調した信号を位相変調部346に出力する。
位相変調部346は、フォーマッタ341によって生成された記録信号に応じて、レーザ照射のタイミングを制御する記録パルスを生成する。また、位相変調部346は、PE変調器345によってPE変調された信号に従って、記録パルスの位相変調を行い、凹凸記録マークエッジを進ませたり(又は遅らせたり)する制御を行う。
記録部347は、位相変調部346によって生成された記録パルスに基づいて、光学ヘッド321のレーザ光源から出射されるレーザ光の強度と出射タイミングとを制御する。
光学ヘッド321は、記録部347から入力される制御信号に基づいて、光ディスク原盤にレーザ光を照射し、主情報と第1の副情報とを記録する。
次に、本実施の形態4において、第2の副情報を再生する第2の副情報再生装置についてさらに詳細に説明する。
図29は、本発明の実施の形態4における第2の副情報再生装置の構成を示すブロック図である。図29に示す第2の副情報再生装置は、凹凸記録マーク上の反射膜の反射率を変動させることによって記録されている第2の副情報を再生する。なお、第2の副情報再生装置は、図22に示す情報再生装置44の一部(媒体識別情報再生部57、デスクランブル部58、媒体固有情報再生部59及びデスクランブル部60)に相当する。
第2の副情報再生装置は、光学ヘッド321、再生部351、デジタル信号処理器352、反射率変動検出部353、フォーマッタ354、タイミング生成器355、擬似乱数系列発生器356、PE変調器357及び相関積分部358を備える。なお、デスクランブル部359は、擬似乱数系列発生器356、PE変調器357及び相関積分部358で構成される。
光学ヘッド321は、光ピックアップであり、回転する光ディスク300上の凹凸記録マークに光ビームを集光し、凹凸記録マークからの反射光に基づいて、被変調凹凸記録マークのエッジ位置を示すアナログ再生信号を生成して、再生部351に出力する。
再生部351は、光学ヘッド321から入力されるアナログ再生信号を波形等化したり整形したりすることによってデジタル再生信号に変換して、デジタル信号処理器352に出力する。
デジタル信号処理器352は、再生部351から入力されるデジタル再生信号に同期するクロック信号を抽出し、抽出したクロック信号に同期した再生信号を生成して、フォーマッタ354に出力する。
フォーマッタ354は、変調されている再生信号を復調して、所定単位(セクタ)毎に付与されているアドレス情報を検出する。検出されたアドレス情報はタイミング生成器355に出力される。
タイミング生成器355は、フォーマッタ354から入力されるアドレス情報に基づいて、第2の副情報を再生するためのタイミング信号を生成して、擬似乱数系列発生器356に出力する。
擬似乱数系列発生器356は、一般的なシフトレジスタで構成されるM系列生成器である。擬似乱数系列発生器356は、タイミング生成器355から入力されるタイミング信号に基づいて、副情報管理情報に含まれるスクランブル初期値をプリセットして擬似乱数系列を発生させて、PE変調器357に出力する。
また、擬似乱数系列発生器356は、タイミング生成器355から入力されるタイミング信号に基づいて、ディスク識別情報を初期値としてプリセットして擬似乱数系列を発生させて、PE変調器357に出力する。
PE変調器357は、擬似乱数系列発生器356から入力される擬似乱数系列に対してPE変調を行い、PE変調した信号を相関積分部358に出力する。
反射率変動検出部353は、デジタル信号処理器352からデジタル再生信号が入力され、第2の副情報の記録帯域の信号を抽出可能な低域通過フィルタで構成される。反射率変動検出部353は、凹凸記録マークのデジタル再生信号をフィルタリングすることによって、反射膜の反射率を変動させることによって記録されている第2の副情報を抽出して、相関積分部358に出力する。
相関積分部358は、反射率変動検出部353によってフィルタリングされたデジタル再生信号と、PE変調器357によってPE変調された擬似乱数系列との相関を積分する。具体的には、相関積分部358は、アップダウンカウンタで構成される。相関積分部358は、フィルタリングしたデジタル再生信号と、PE変調された擬似乱数系列とが互いに“正”ならばカウンタを1だけインクリメントし、フィルタリングしたデジタル再生信号と、PE変調された擬似乱数系列とが互いに“負”ならばカウンタを1だけデクリメントする。したがって、フィルタリングしたデジタル再生信号と、PE変調された擬似乱数系列とに正の相関関係があれば、カウンタは単調増加し、負の相関関係があれば、カウンタは単調減少する。相関積分部358は、第2の副情報のビット記録区間で繰り返し判定することによって得られるビット列をスタンパ固有情報として検出して、後述する第1の副情報再生装置に出力する。
また、相関積分部358は、第2の副情報のビット記録区間で繰り返し判定することによって得られるビット列をディスク識別情報として検出して、擬似乱数系列発生器356に出力する。
次に、本実施の形態4において、第1の副情報を再生する第1の副情報再生装置についてさらに詳細に説明する。
図30は、本発明の実施の形態4における第1の副情報再生装置の構成を示すブロック図である。図30に示す第1の副情報再生装置は、第2の副情報再生装置で再生されたスタンパ固有情報に基づいて、凹凸記録マークエッジの位相変調によって記録されている第1の副情報を再生する。なお、第1の副情報再生装置は、図22に示す情報再生装置44の一部(第1の副情報再生部61及びデスクランブル部62)に相当する。
第1の副情報再生装置は、光学ヘッド321、再生部361、デジタル信号処理器362、エッジ位相検出部363、フォーマッタ364、タイミング生成器365、擬似乱数系列発生器366、PE変調器367及び相関積分部368を備える。なお、デスクランブル部369は、擬似乱数系列発生器366、PE変調器367及び相関積分部368で構成される。
光学ヘッド321は、光ピックアップであり、回転する光ディスク300上の凹凸記録マークに光ビームを集光し、凹凸記録マークからの反射光に基づいて、被変調凹凸記録マークのエッジ位置を示すアナログ再生信号を生成して、再生部361に出力する。
再生部361は、光学ヘッド321から入力されるアナログ再生信号を波形等化したり整形したりすることによってデジタル再生信号に変換して、デジタル信号処理器362に出力する。
デジタル信号処理器362は、再生部361から入力されるデジタル再生信号に同期するクロック信号を抽出し、抽出したクロック信号に同期した再生信号を生成して、フォーマッタ364に出力する。
フォーマッタ364は、変調されている再生信号を復調して、所定単位(セクタ)毎に付与されているアドレス情報を検出する。検出されたアドレス情報はタイミング生成器365に出力される。
タイミング生成器365は、フォーマッタ364から入力されるアドレス情報に基づいて、第2の副情報を再生するためのタイミング信号を生成して、擬似乱数系列発生器366に出力する。
擬似乱数系列発生器366は、一般的なシフトレジスタで構成されるM系列生成器である。擬似乱数系列発生器366は、タイミング生成器365から入力されるタイミング信号に基づいて、第2の副情報再生装置で再生されたスタンパ固有情報を初期値としてプリセットして擬似乱数系列を発生させて、PE変調器367に出力する。
PE変調器367は、擬似乱数系列発生器366から入力される擬似乱数系列に対してPE変調を行い、PE変調した信号を相関積分部368に出力する。
エッジ位相検出部363は、デジタル信号処理器362によって抽出されたクロック信号を基準として、凹凸記録マークエッジの進み又は遅れを示すエッジ位相信号を生成して、相関積分部368に出力する。
相関積分部368は、エッジ位相検出部363によって生成されたエッジ位相信号と、PE変調器367によってPE変調された擬似乱数系列との相関を積分する。具体的には、相関積分部368は、アップダウンカウンタで構成される。相関積分部368は、エッジ位相検出部363によって生成されたエッジ位相信号と、PE変調器367によってPE変調された擬似乱数系列とが互いに“正”ならばカウンタを1だけインクリメントし、生成されたエッジ位相信号と、PE変調された擬似乱数系列とが互いに“負”ならばカウンタを1だけデクリメントする。したがって、エッジ位相検出部363によって生成されたエッジ位相信号と、PE変調器367によってPE変調された擬似乱数系列とに正の相関関係があれば、カウンタは単調増加し、負の相関関係があれば、カウンタは単調減少する。相関積分部368は、エッジ位相信号と擬似乱数系列との相関関係を、第2の副情報のビット記録区間で繰り返し判定することによって得られるビット列を、コンテンツ情報を復号化するための暗号鍵情報として検出する。暗号化されたコンテンツ情報は、相関積分部368によって検出された暗号鍵情報を用いて復号化されて、再生される。
なお、本実施の形態4における第2の副情報再生装置と第1の副情報再生装置との違いは、反射率変動検出部353を持つか、エッジ位相検出部363を持つかである。そのため、第2の副情報再生装置と第1の副情報再生装置とをともに同一装置内に実装し、第2の副情報と第1の副情報とを同一の装置から再生することが望ましい。
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
本発明の一局面に係る情報記録装置は、スタンパを用いて作成される情報記録媒体に情報を記録する情報記録装置であって、主情報と、前記スタンパ固有情報に基づいて、主情報を再生するために必要な再生許可情報をデータ変換した第1の副情報とが予め記録されている前記情報記録媒体毎に異なる媒体固有情報に基づいて、スタンパ毎に共通なスタンパ固有情報をデータ変換することにより第2の副情報を生成する第2の副情報生成部と、前記主情報及び前記第1の副情報とは異なる形態で、前記第2の副情報生成部によって生成された前記第2の副情報を前記情報記録媒体に記録する第2の副情報記録部とを備える。
この構成によれば、主情報と、スタンパ固有情報に基づいて、主情報を再生するために必要な再生許可情報をデータ変換した第1の副情報とが予め記録されている情報記録媒体毎に異なる媒体固有情報に基づいて、スタンパ毎に共通なスタンパ固有情報をデータ変換することにより第2の副情報が生成される。そして、主情報及び第1の副情報とは異なる形態で、生成された第2の副情報が情報記録媒体に記録される。
したがって、情報記録媒体毎に異なる第2の副情報が再生されなければ、主情報を再生することができないので、主情報の著作権を確実に保護することができる。また、同一のスタンパから転写された情報記録媒体であっても、情報記録媒体毎に異なる第2の副情報を読み出す必要があり、情報記録媒体毎に共通の情報を読み出す場合に比べて、情報記録媒体の不正な解析が困難となり、記録されている主情報への不正なアクセスを防止することができる。
また、上記の情報記録装置において、前記情報記録媒体は、前記主情報に従って形成された凹凸記録マークと、前記凹凸記録マーク上に形成された反射膜とを含み、前記第2の副情報記録部は、前記凹凸記録マークの最長マークよりも長い間隔でレーザ光を照射し、前記反射膜の反射率を変化させることによって前記第2の副情報を前記情報記録媒体に記録することが好ましい。
この構成によれば、情報記録媒体は、主情報に従って形成された凹凸記録マークと、凹凸記録マーク上に形成された反射膜とを含む。凹凸記録マークの最長マークよりも長い間隔でレーザ光を照射し、反射膜の反射率を変化させることによって第2の副情報が情報記録媒体に記録される。
したがって、主情報の読み取り精度を悪化させることなく、第2の副情報を記録することができ、情報記録媒体の不正な複製を防止することができる。
また、上記の情報記録装置において、前記媒体固有情報は、前記情報記録媒体を識別するための媒体識別情報を含み、前記情報記録媒体にレーザ光を照射し、前記反射膜の反射率を変化させることによって前記媒体識別情報を前記情報記録媒体に記録する媒体識別情報記録部をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、媒体固有情報は、情報記録媒体を識別するための媒体識別情報を含み、情報記録媒体にレーザ光が照射され、反射膜の反射率を変化させることによって媒体識別情報が情報記録媒体に記録される。
したがって、情報記録媒体を識別するための媒体識別情報に基づいてスタンパ固有情報をデータ変換することができ、媒体識別情報が得られなければ、スタンパ固有情報を得ることができず、主情報を再生することができないので、主情報の著作権を確実に保護することができる。また、主情報の読み取り精度を悪化させることなく、媒体識別情報を記録することができ、情報記録媒体の不正な複製を防止することができる。
また、上記の情報記録装置において、前記第2の副情報生成部は、前記媒体固有情報を暗号鍵として、前記スタンパ固有情報を暗号化することにより第2の副情報を生成することが好ましい。
この構成によれば、媒体固有情報を暗号鍵として、スタンパ固有情報が暗号化されることにより第2の副情報が生成されるので、スタンパ固有情報の秘匿性を確保することができる。
本発明の他の局面に係る情報再生装置は、スタンパを用いて作成される情報記録媒体から情報を再生する情報再生装置であって、主情報を再生する主情報再生部と、スタンパ毎に共通なスタンパ固有情報に基づいて、前記主情報を再生するために必要な再生許可情報をデータ変換した第1の副情報を再生する第1の副情報再生部と、前記情報記録媒体毎に異なる媒体固有情報に基づいて、前記スタンパ固有情報をデータ変換した第2の副情報を再生する第2の副情報再生部と、前記媒体固有情報に基づいて、前記第2の副情報再生部によって再生された前記第2の副情報をデータ変換することにより、前記スタンパ固有情報を生成するスタンパ固有情報生成部と、前記スタンパ固有情報生成部によって生成された前記スタンパ固有情報に基づいて、前記第1の副情報再生部によって再生された前記第1の副情報をデータ変換することにより、前記再生許可情報を抽出する再生許可情報抽出部とを備える。
この構成によれば、主情報が再生され、スタンパ毎に共通なスタンパ固有情報に基づいて、主情報を再生するために必要な再生許可情報をデータ変換した第1の副情報が再生される。また、情報記録媒体毎に異なる媒体固有情報に基づいて、スタンパ固有情報をデータ変換した第2の副情報が再生される。そして、媒体固有情報に基づいて、再生された第2の副情報がデータ変換されることにより、スタンパ固有情報が生成され、生成されたスタンパ固有情報に基づいて、再生された第1の副情報がデータ変換されることにより、再生許可情報が抽出される。
したがって、情報記録媒体毎に異なる第2の副情報が再生されなければ、主情報を再生することができないので、主情報の著作権を確実に保護することができる。また、同一のスタンパから転写された情報記録媒体であっても、情報記録媒体毎に異なる第2の副情報を読み出す必要があり、情報記録媒体毎に共通の情報を読み出す場合に比べて、情報記録媒体の不正な解析が困難となり、記録されている主情報への不正なアクセスを防止することができる。
また、上記の情報再生装置において、前記情報記録媒体は、前記主情報に従って形成された凹凸記録マークと、前記凹凸記録マーク上に形成された反射膜とを含み、前記主情報再生部は、前記情報記録媒体に形成された前記凹凸記録マークにレーザ光を照射し、前記凹凸記録マークからの反射光に基づいて前記主情報を再生し、前記第2の副情報再生部は、前記反射膜からの反射光の強度変化を検出することによって、前記第2の副情報を再生することが好ましい。
この構成によれば、情報記録媒体は、主情報に従って形成された凹凸記録マークと、凹凸記録マーク上に形成された反射膜とを含む。そして、情報記録媒体に形成された凹凸記録マークにレーザ光が照射され、凹凸記録マークからの反射光に基づいて主情報が再生される。また、反射膜からの反射光の強度変化を検出することによって、第2の副情報が再生される。
したがって、主情報の読み取り精度を悪化させることなく、第2の副情報を記録することができ、情報記録媒体の不正な複製を防止することができる。
また、上記の情報再生装置において、前記第1の副情報再生部は、前記凹凸記録マークからの前記反射光に基づいて、前記凹凸記録マークの変位、前記凹凸記録マークの変形、及び前記凹凸記録マークにより所定パターンで記録されるデータの前記パターンの改変のうちの少なくとも1つを検出することによって、前記第1の副情報を再生することが好ましい。
この構成によれば、凹凸記録マークからの反射光に基づいて、凹凸記録マークの変位、凹凸記録マークの変形、及び凹凸記録マークにより所定パターンで記録されるデータのパターンの改変のうちの少なくとも1つが検出されることによって、第1の副情報が再生される。したがって、第1の副情報を容易に複製することが困難となり、情報記録媒体の不正な複製を防止することができる。
また、上記の情報再生装置において、前記媒体固有情報は、前記情報記録媒体を識別するための媒体識別情報を含み、前記情報記録媒体にレーザ光を照射し、前記媒体識別情報を再生する媒体識別情報再生部をさらに備え、前記スタンパ固有情報生成部は、前記第2の副情報再生部によって再生された前記第2の副情報を、前記媒体識別情報再生部によって再生された前記媒体識別情報に基づいてデータ変換することにより、前記スタンパ固有情報を生成することが好ましい。
この構成によれば、媒体固有情報は、情報記録媒体を識別するための媒体識別情報を含み、情報記録媒体にレーザ光が照射され、媒体識別情報が再生される。そして、再生された第2の副情報が、再生された媒体識別情報に基づいてデータ変換されることにより、スタンパ固有情報が生成される。
したがって、情報記録媒体を識別するための媒体識別情報に基づいて第2の副情報をデータ変換することができ、媒体識別情報が得られなければ、スタンパ固有情報を得ることができず、主情報を再生することができないので、主情報の著作権を確実に保護することができる。
また、上記の情報再生装置において、前記媒体識別情報再生部は、前記凹凸記録マークの記録帯域とは異なる前記反射膜からの反射光の強度変化を検出することによって、前記媒体識別情報を再生することが好ましい。
この構成によれば、凹凸記録マークの記録帯域とは異なる反射膜からの反射光の強度変化が検出されることによって、媒体識別情報が再生される。したがって、主情報の読み取り精度を悪化させることなく、媒体識別情報を記録することができ、情報記録媒体の不正な複製を防止することができる。
また、上記の情報再生装置において、前記スタンパ固有情報生成部は、前記媒体固有情報を暗号鍵として、前記第2の副情報を復号化することにより、前記スタンパ固有情報を生成し、前記再生許可情報抽出部は、前記スタンパ固有情報生成部によって生成された前記スタンパ固有情報に基づいて、スクランブルされている前記第1の副情報をデスクランブルすることにより、前記再生許可情報を抽出することが好ましい。
この構成によれば、媒体固有情報を暗号鍵として、第2の副情報が復号化されることにより、スタンパ固有情報が生成される。また、生成されたスタンパ固有情報に基づいて、スクランブルされている第1の副情報がデスクランブルされることにより、再生許可情報が抽出される。したがって、スタンパ固有情報及び再生許可情報の秘匿性を確保することができる。
本発明の他の局面に係る情報記録媒体は、主情報を記録する主情報記録領域と、スタンパ毎に共通なスタンパ固有情報に基づいて、前記主情報を再生するために必要な再生許可情報をデータ変換した第1の副情報を記録する第1の副情報記録領域と、情報記録媒体毎に異なる媒体固有情報に基づいて、前記スタンパ固有情報をデータ変換した第2の副情報を記録する第2の副情報記録領域とを備え、前記主情報と前記第1の副情報とが記録されたスタンパから、前記主情報と前記第1の副情報とが前記情報記録媒体に転写されるとともに、前記第2の副情報が前記情報記録媒体に記録される。
この構成によれば、主情報記録領域には、主情報が記録され、第1の副情報記録領域には、スタンパ毎に共通なスタンパ固有情報に基づいて、主情報を再生するために必要な再生許可情報をデータ変換した第1の副情報が記録され、第2の副情報記録領域には、情報記録媒体毎に異なる媒体固有情報に基づいて、スタンパ固有情報をデータ変換した第2の副情報が記録されている。そして、主情報と第1の副情報とが記録されたスタンパから、主情報と第1の副情報とが情報記録媒体に転写されるとともに、第2の副情報が情報記録媒体に記録される。
したがって、情報記録媒体毎に異なる第2の副情報が再生されなければ、主情報を再生することができないので、主情報の著作権を確実に保護することができる。また、同一のスタンパから転写された情報記録媒体であっても、情報記録媒体毎に異なる第2の副情報を読み出す必要があり、情報記録媒体毎に共通の情報を読み出す場合に比べて、情報記録媒体の不正な解析が困難となり、記録されている主情報への不正なアクセスを防止することができる。
また、上記の情報記録媒体において、前記第1の副情報記録領域は、前記主情報とは異なる形態で前記第1の副情報を記録しており、前記第2の副情報記録領域は、前記主情報及び前記第1の副情報とは異なる形態で前記第2の副情報を記録していることが好ましい。
この構成によれば、第1の副情報記録領域には、主情報とは異なる形態で第1の副情報が記録されており、第2の副情報記録領域には、主情報及び第1の副情報とは異なる形態で第2の副情報が記録されている。
したがって、主情報と第1の副情報と第2の副情報とはそれぞれ異なる形態で記録されているので、主情報と第1の副情報と第2の副情報とを容易に再生することが困難となり、情報記録媒体の不正な複製を防止することができる。
また、上記の情報記録媒体において、前記情報記録媒体は、前記主情報に従って形成された凹凸記録マークと、前記凹凸記録マーク上に形成された反射膜とを含み、前記第1の副情報記録領域は、前記凹凸記録マークの変位、前記凹凸記録マークの変形、及び前記凹凸記録マークにより所定パターンで記録されるデータの前記パターンの改変のうちの少なくとも1つによって前記第1の副情報を記録しており、前記第2の副情報記録領域は、前記反射膜の反射率を変化させることによって前記第2の副情報を記録していることが好ましい。
この構成によれば、情報記録媒体は、主情報に従って形成された凹凸記録マークと、凹凸記録マーク上に形成された反射膜とを含む。第1の副情報記録領域には、凹凸記録マークの変位、凹凸記録マークの変形、及び凹凸記録マークにより所定パターンで記録されるデータのパターンの改変のうちの少なくとも1つによって第1の副情報が記録されている。また、第2の副情報記録領域には、反射膜の反射率を変化させることによって第2の副情報が記録されている。したがって、主情報の読み取り精度を悪化させることなく、第1の副情報及び第2の副情報を記録することができ、情報記録媒体の不正な複製を防止することができる。
また、上記の情報記録媒体において、前記媒体固有情報は、前記情報記録媒体を識別するための媒体識別情報を含み、前記媒体識別情報を記録する媒体識別情報記録領域をさらに備え、前記第2の副情報記録領域は、前記スタンパ固有情報を、前記媒体識別情報に基づいてデータ変換した第2の副情報を記録することが好ましい。
この構成によれば、媒体固有情報は、情報記録媒体を識別するための媒体識別情報を含み、媒体識別情報記録領域には、媒体識別情報が記録される。そして、第2の副情報記録領域には、スタンパ固有情報を、媒体識別情報に基づいてデータ変換した第2の副情報が記録される。
したがって、情報記録媒体を識別するための媒体識別情報に基づいてスタンパ固有情報をデータ変換することができ、媒体識別情報が得られなければ、スタンパ固有情報を得ることができず、主情報を再生することができないので、主情報の著作権を確実に保護することができる。
また、上記の情報記録媒体において、前記媒体識別情報記録領域は、前記情報記録媒体にレーザ光が照射され、前記反射膜の反射率を変化させることによって前記媒体識別情報を記録していることが好ましい。
この構成によれば、媒体識別情報記録領域には、情報記録媒体にレーザ光が照射され、反射膜の反射率を変化させることによって媒体識別情報が記録されているので、主情報の読み取り精度を悪化させることなく、媒体識別情報を記録することができ、情報記録媒体の不正な複製を防止することができる。
なお、発明を実施するための形態の項においてなされた具体的な実施態様又は実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、本発明の精神と特許請求事項との範囲内で、種々変更して実施することができるものである。
本発明に係る情報記録装置、情報再生装置及び情報記録媒体は、たとえ、情報記録媒体がスタンパから転写複製されることにより作成される情報記録媒体であったとしても、情報記録媒体毎に異なる第2の副情報を再生しなければコンテンツ情報が再生できないシステムを構築することができ、著作権を保護する機能を有するデジタル著作物の流通媒体として極めて有用である。